JP2004036932A - ガスバーナ - Google Patents
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Abstract
【課題】外炎が短く、燃焼量の範囲が大きくとれるバーナを提供することを目的とする。
【解決手段】燃焼1次空気を加圧して燃焼させるバーナにおいて、燃焼によって加熱されたバーナ燃焼体の周辺に、前記燃焼1次空気の空気用通路を形成したガスバーナ。
【選択図】 図1
【解決手段】燃焼1次空気を加圧して燃焼させるバーナにおいて、燃焼によって加熱されたバーナ燃焼体の周辺に、前記燃焼1次空気の空気用通路を形成したガスバーナ。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はガスを燃料として燃焼させるガスバーナに関するに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のガスバーナには、ブンゼン式、もしくは全一次燃焼式に代表される燃焼方式があり、ブンゼン式の燃焼は1個の炎孔の燃焼負荷が高く、従って燃焼量の調節の幅が多くとれる(例えば4000Kcal/h〜400Kcal/hで絞り量1/10)という長所があるが、外炎が長くなるという短所があり、それに対して燃焼一次式の場合は、外炎は短い状態で燃焼するという長所があるが、燃焼範囲が極端に狭く(絞り量は最大火力の20%程度が最大限度)なるという特性がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のガスバーナにおいては、外炎が短く、燃焼量の範囲が大きくとれるバーナは現状では無く、また、燃焼によって加熱されたバーナ燃焼体の熱を回収し、回収した熱を燃焼空気として使用するという技術思想は無かった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、外炎が短く、燃焼量の範囲が大きくとれるバーナを提供することを目的とし、そのため金属の糸状加工品を用いバーナ燃焼体とし、全一次燃焼方式で燃焼させるが、自然吸気一次燃焼で燃焼させるゾーンと、それ以上の燃焼量になった場合、一次空気を加圧供給し、燃焼範囲の拡大を図る構成とし、前記1次空気を加熱されたバーナ燃焼体の熱で加熱し、熱の回収を行う構成とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は燃焼1次空気を加圧して燃焼させるバーナにおいて、燃焼によって加熱されたバーナ燃焼体の周辺に、前記燃焼1次空気の空気用通路を形成することにより、バーナ燃焼体周辺で、燃焼一次空気を効率良く加熱する。よって、外炎が短く、燃焼範囲をおおきくすることが可能で、器体の温度上昇の削減で熱くない器具の実現、熱回収による熱効率の向上、等の効果が期待できる。
【0006】
請求項2に記載の発明は燃焼1次空気を加圧して燃焼させるバーナにおいて、燃焼によって加熱されたバーナ燃焼体の周辺に、前記燃焼2次空気の空気用通路を形成することにより、バーナ燃焼体周辺で燃焼2次空気を効率良く加熱する。よって、外炎が短く、燃焼範囲をおおきくすることが可能で、器体の温度上昇の削減で熱くない器具の実現、熱回収による熱効率の向上、等の効果が期待できる。
【0007】
請求項3に記載の発明は燃焼用一次空気を加圧して燃焼させるバーナにおいて、燃焼排ガスを利用して前記燃焼用一次空気を加熱することにより、排熱を利用して燃焼一次空気を加熱し熱効率が向上する。
【0008】
請求項4に記載の発明は燃焼用一次空気を加圧して燃焼させるバーナにおいて、燃焼排ガスを利用して前記燃焼用2次空気を加熱することにより、排熱を利用して燃焼2次空気を加熱し熱効率が向上する。
【0009】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0010】
(実施例1)
以下、本発明の一実施例をガス調理器に使用した例にして添付図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。尚、以下に示す実施例は本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0011】
図1は本発明の実施例にかかるガス調理器の燃焼部位の断面を示す図であって、中央にバーナユニット1があり、前記バーナユニット1は、汁受け皿7に固定されたバーナ保持金具8に勘合保持する構成としている。また、前記バーナユニット1のバーナ燃焼体2の近傍には、燃焼検知用のFL(フレームロット)9を設けている。このFL9は、点火プラグとして兼用し、スパーク放電で点火させることも可能である。 前記バーナユニット1上方には、輻射板10を有し、さらに輻射板10の上には、鍋を載置するごとく11を設けている。更にこのごとく11近傍には燃焼した排気ガスの吸気口12を有し、排気ガスは汁受け皿7の側壁を通路として、排気ファン13に吸引させる排気煙道Aを有している。更に、前記汁受け皿7には排気煙道Aとは別の、押し込みファン14により加圧した空気をバーナに供給する燃焼空気通路として設けた空洞Bとを有した構成としている。
【0012】
図2はバーナユニット拡大図で、バーナ燃焼体2、(前記バーナ燃焼体2は、厚さが薄い円盤状に加工し、中央部には孔が設けてある)、の中央孔に、止め金具中3を挿入し、止め金具中3は筐体内筒4に挿入して、止め金具中3に設けた継止用の突起部3−1を筐体内筒の孔部4−1に押し込み抜け止めした構成、纏めると前記燃焼体2は止め金具中3と筐体内筒4の間に挟んで保持しガスシールされた構成としている。一方燃焼体2の外周は筐体5の外周に載置し、その上から鍔付き円筒形の止め金具外6を挿入して外周の保持とシールを行い、筐体5と筐体内筒4は物理的に固着状態とし、バーナユニット1としている。
【0013】
バーナ燃焼体2は金属の糸状加工品で構成され、その構成は、金属の糸状加工品を綿布の如く編み込み所定の厚さで、バーナ燃焼体としての空気通過抵抗を確保したもの、また、金属の糸状加工品を所定の長さに切り刻んで、ランダムにまき散らして所定厚さで、バーナ燃焼体としての空気通過抵抗を確保したものなど、いずれも金属糸状加工品を使用し、耐熱性と、熱伝導性のよいバーナの燃焼体に適した材料を使用したものである。なお、金属の糸状加工品に限定した物でなくても、バーナ燃焼体として使用できる条件が合致した物を本発明の趣旨に沿って使用する場合は、その範疇にある。
【0014】
図3に、汁受け皿7の構成部品を示す。ここに示すように、前記燃焼空気通路Bには燃焼1次用空気と燃焼2次用空気に分岐させる分岐部Cを有し、更に燃焼1次用空気通路には燃焼ガスを供給するガス供給管15を設けた構成としている。この構成は一実施例を示したもので、汁受け皿7に排気ガス通路A、燃焼用空気通路Bの何れか片方を形成した場合も本願発明の範疇である。また、燃焼用空気は、汁受け皿部7に燃焼用空気通路Bを設けず、単に混合管を介して1次空気とガスを混合させて燃焼体に加圧供給し、同様に2次空気の供給に関しても加圧供給する構成も発明の範疇である。
【0015】
しかして前記の燃焼用1次空気と前記のガスを混合し、混合した燃焼ガスをバーナ燃焼体2に供給して、点火手段で点火させ燃焼させる。かくして、燃焼体2を使用したバーナユニット1は、バーナ保持金具8に挿入することで簡単に取り付け取り外しが出来る構成となる。
【0016】
従来から使用されているガスの燃焼方式について、纏めると、ガス燃焼のバーナ形態は、ブンゼン燃焼方式のユンケル式と、全1次燃焼式に大別されユンケル式は、燃焼に必要な酸素を一次空気と2次空気の双方を必要とし、全1次燃焼バーナは1次空気で燃焼を行う。
【0017】
ブンゼン燃焼は、1炎孔当たりの負荷が高く、従って炎が長くなり、長い炎は、非加熱体との距離を確保しないと燃焼不良を発生させ、また調理器などに使用した場合、鍋から炎がはみ出して、効率も悪く、衣服の袖に引火する等の欠点を生じていた。しかしながら、炎の長短がバーナ燃焼範囲と相関があり、TDRは1/10もとれる特徴がある。
【0018】
また全1次燃焼バーナの炎は短くバーナの表面で燃焼を集結させる特徴があるが、欠点はTDRが全燃焼量の20%程度しかとれないことである。また、全1次燃焼式に一般的に使用されるバーナの材質はセラミックである。このセラミックバーナで自然1次空気燃焼を行うと、900℃前後の表面温度の時、ガス供給用の裏面温度が約800〜850℃となり内面で燃焼するバックファイヤー現象を発生さす。従ってセラミックバーナの場合燃焼上限温度以上にならないよう、通常はガスの流量管理を行うことが使用上の必須事項である。
【0019】
従って本発明の加圧空気供給式で燃焼範囲を拡大させようとすると、燃焼表面温度が従来では考えられないほどの超高温で燃焼させる必要があり、燃焼体2の表面温度は超高温であっても、ガス供給の燃焼体裏面温度は、バックファイヤー温度の800℃以下に収まる材料でないと、炎の短小化が図れないこととなる。
【0020】
また、バーナ燃焼体2が超高温に耐えるバーナ燃焼体2でないと酸化によって寿命が持たないこととなる。纏めると新発明の燃焼方式のバーナ燃焼体2に求める条件として、超高温に耐える材料で、超熱伝導率の大きい、比熱が超の材料が要求される。
【0021】
ここで、超高温とは、1100℃程度に仮定して、金属材料を選定する。また、熱伝導率の大きい物であれば表面温度が均一化されスポット的にバーナ燃焼体2が異常高温になることを防ぎ、比熱が小さいことは、裏面はガスと空気の混合気体の温度に依存し、バーナ燃焼体2の表面は燃焼温度に依存してバーナ燃焼体2の温度が決定されることとなる。
【0022】
これらの条件を満足する材料は、金属の糸状加工品で構成された束子状の物を圧縮したシート状の物体が適している。その厚みは、糸状加工品の1本の幅、厚みとその集合体のガスの通過抵抗の状態から決定される物である。金属の糸状加工品であれば、前記の伝導率と、比熱を小さく(暖めやすく冷めやすい)する事が可能となり、高TDRの材料となり得るのである。また、高温耐熱に対しては、耐熱金属材料にアルミを添加し、高温で使用することにより添加アルミが金属表面に析出し酸化アルミ(Al2O3)を形成する材料が現在では最も適した材料である。
【0023】
この金属の糸状加工品は塑性加工が難易で、無理に塑性変形を起こさすと、ガスの通過抵抗が確保できず燃焼体としての性能が維持できない。従って、塑性加工を行わないで使用することが可能な、円盤形状や円筒形状、円形状に必然的に限定されることとなる。
【0024】
上記の材料を使用した、加圧燃焼空気を用いて燃焼させた燃焼時のバーナ燃焼体2の実測温度は、3500Kcal/h〜400Kcal/hの燃焼範囲で、最高火力時の表面温度は1100℃でそのときの裏面温度は50℃但し、燃焼1次空気は、室温状態を加圧供給した状態。また最小火力では、表面温度は500℃でそのとき裏面温度は、80℃で、これは、1次空気が少ないので冷却効果も少ないことが影響している。また、裏面温度が最高となるのは、1000Kcal/h程度の時で表面温度は1000℃程度で、裏面温度が170℃になった。これは、燃焼用加圧1次空気の供給量と燃焼温度のバランスによって決定される物で、燃焼体の構成や形状によって何れかにピーク温度が生じる物である。しかしながら、バックファイヤー現象が発生する800℃にはほど遠く、十分な余裕を持って実用化は可能である。
【0025】
また、表面温度が1100℃の高温になると高温酸化によってバーナ燃焼体2の金属が徐々に酸化減量を生じる。しかしながら酸化による金属の減量が生じるのは表面の金属部であって、内部温度は前述したとおり低温の状態である。このことは、製品耐用寿命時にバックファイヤーを起こさないバーナ燃焼体2の厚みを予め定めて確保しておけば、減量させながら寿命相関を取る使用方法は、例え、金属の耐熱温度を超えて使用した場合であっても、有効となる便利な発熱体使用方法で、高温使用状態をあまり気にかけないで加圧供給できる新発明の所以である。
【0026】
本願発明は1次空気の加圧供給のみでは、高火力時に外炎が比例して伸びることから、高火力になっても外炎を延ばさない2次空気を加圧供給させる、燃焼用空気を加圧供給ことも新規の発明である。例えば、加圧一次空気のみで加圧2次空気を使用しないで燃焼させると、3600Kcal/hのとき外バーナ燃焼体は青火燃焼で炎の長さは約60mmも達し、60mm内に、冷却物(鍋など)があると、CO%は、JISの規格をはるかに越えてしまう結果となるが、この状態で、燃焼用2次空気を加圧供給すれば、バーナ燃焼体は約1100℃の高温赤熱体となり、炎の長さは8mm度に短くなり、従って冷却物は10mm離れた位置に置いてもJISの規格に合格することが出来るのである。
【0027】
また、前記バーナ燃焼体2は、金属の糸状加工品で形成されていることから、調理器具として使用する場合、燃焼中に煮汁がバーナ燃焼体2にかかった場合は煮汁成分が焼き切れるが、非燃焼時に煮汁がかかった場合、燃焼体の裏面まで煮汁が到達すると、前記したごとく、供給ガス温に近いため焼き切ることが出来ない欠点がある。従って、このバーナ燃焼体2を使用する場合は、燃焼体上部に輻射板10を設け、煮汁遮蔽の役割をさせてバーナ燃焼体2の保護目的を構成させることが必須条件となる。
【0028】
また前記バーナ燃焼体2は、前述の如くバーナ燃焼体2の裏面温度が供給ガス温度に類似する低い温度になる長所であり欠点を有している。長所についてはすでに述べたが、欠点は、低い温度であるが故に、燃焼空気の中の埃や、ゴミ、油分などのバーナ目詰まり対策が必要となることである。
【0029】
従来の全1次燃焼方式の代表であるセラミックバーナの場合、燃焼体の温度が高温になり、必然的にゴミや埃を焼き切る構成となっていた。またセラミックバーナの炎孔は、0.5〜1Φ程度の複数個の孔で炎孔が形成されているのでゴミ埃は通過することが出来、実績的に炎孔の目詰まりは皆無である。これと対照的に本発明のバーナ燃焼体は温度が低く到底、ゴミ埃は焼き切れず、更に、金属の糸状加工品間の隙間では、ゴミや埃を通過させる隙間は確保できない。従って、予めゴミや埃や油成分を除去した、クリーンな燃焼空気を送り込む必要がある。
【0030】
ゴミ埃などの除去方法として、燃焼用空気取り入れ口にフィルターを用いることは当然として、燃焼用空気を前記の加熱汁受け皿7を高温にした中を通過させて、焼き切りクリーンな状態にして、バーナ燃焼体2に送り込み欠点を補う構成として燃焼の信頼性向上を図るのが本願の発明意図である。
【0031】
また、バーナ燃焼体2の温度が1100℃にもなりバーナ燃焼体の端面のガスシール及び保持する止め板中3も受熱で高温になるが筐体の金属は1100℃の高温に耐える材質は高価で、使用するにはコスト的な限界がある。そのため如何に筐体金属の温度を下降させる構成体とするかが課題であり、本発明の外炎を短くさせる加圧燃焼用2次空気を適切な温度で供給することにより、筐体金属の冷却用として使用すれば使用金属を過激な高温にせずに使用できる。
【0032】
以上のことから円盤状の内周から燃焼用2次空気を送り込みバーナ燃焼体2の止め板中3の温度を下げる構成とし、しかもバーナ燃焼体2の加工も塑性加工を必要としないバーナを発明した。
【0033】
本発明の主眼は、燃焼炎を短くながら、TDRを大きくする目的のため、燃焼量が少ないときは、従来の全1次燃焼方式と同様自然ドラフト程度の燃焼空気を供給して全1次燃焼とし、燃焼量を増加させるに従って、1次空気を加圧空気供給する。この場合、燃焼は表面燃焼では燃焼しきれず火炎が伸びた燃焼状態となる。この伸びた火炎に輻射板10やごとく、鍋等が当たると火炎が冷やされ不完全燃焼となる。この状態を回避させるには、燃焼用2次空気として酸素補給が必要で、補給することにより、外炎は短くさせることが可能である。しかして、燃焼量によって1次、2次空気の加圧状態を適正に供給し燃焼範囲の広い新方式のバーナを提供する物である。
【0034】
なお、バーナの熱効率は、バーナと鍋の距離に反比例の関係があり、外炎を短くさせることは、その目的に合致する。また、外炎を短くすることは、高齢者の袖火対策(鍋を載せるとき外炎に衣服の袖が振れて燃えるのを防ぐ)にも為るが、この燃焼はバーナ燃焼体の燃焼面積を加圧空気供給させることからブンゼン式に比べて小さく出来(約1/2)、かつ、外炎も少ないので、鍋からはみ出る外炎は、ブンゼン式に比較して極端に少なくすることが出来る。
【0035】
ガスのコンロは掃除がしにくく、その中でも特に汁受け皿7の煮こぼれのこびりつきが掃除のしにくさのウエイトが高いのが実態である。本発明は汁受け皿7を超高温にして、煮こぼれ物を焼却しようとする発明である。従来汁受け皿7を積極的に高温にする試みは無かった。その理由は、汁受け皿7とバーナの間もしくは汁受け皿7を伝って燃焼用の2次空気をブンゼン式の燃焼炎に供給しないとバーナの燃焼が確保されない条件があった為である。従って汁受け皿7の温度は200℃程度が一般的で、汁受け皿7を超高温にすることは2次空気供給面から考えられなかった。
【0036】
本発明の燃焼方式によれば、排気煙道Aの排気ガスの温度で加熱された、もしくは、バーナ燃焼体2の熱で加熱された、もしくは双方の熱で加熱された超高温の汁受け皿7を作り出す構成としたことにある。ここで参考的にこびりつく温度は、油分の場合370℃が自然発火温度でそれ以上の温度であれば焼き切ることが可能である。また澱粉質の場合は、120℃から脱水現象が進行し炭化が始まるが、特殊処理を施さない金属では400℃以上でないとこびりつきがとれる状態にはならなく、従って皿7の温度は少なくとも400℃以上が目的の効果が出る温度である。特殊処理を施した場合例えばセルフクリーニングホーローの場合であっても、その効果が発揮できる温度250〜300℃であれば同様の効果を奏する。
【0037】
前述したごとく本発明では必要箇所に必要な量の燃焼空気を加圧供給させる発明により、余分な冷却をせずに汁受け皿7の高温状態を作り出すことが可能である。その一例として汁受け皿7に空気通路B、を構成させて、燃焼用の空気を加熱させる目的は、燃焼部を密閉状態として不要な冷却空気を排除することが可能となり、熱が逃げなく汁受け皿7に蓄熱されることとなる。この、汁受け皿7の温度を高温にすると、煮汁が汁受け皿7に流入したとき、焼き切って、こびりつきや、どろどろした不衛生な状態が、発生しなく、美観を損なうことが無くなる。
【0038】
また、熱が逃げなくなることは、熱効率の向上が図れることになりかつ、蓄熱した熱も調理用熱として利用することが可能となる(JISの熱効率測定方法では、所定温度で燃焼停止後にも、湯温の温度上昇が熱効率に換算される方法であり、この後沸きは、器体に蓄熱させた場合とそうでない場合は、実測値で2%の熱効率の向上につながり、全体の熱効率に与える影響は50%が52%になることから、4%の効果がある)。
また、この蓄熱した熱の一部を燃焼用1次、2次の片方何れかもしくは双方に加熱空気として使用し、燃焼体2に供給することは、前記蓄熱による熱効率の向上と共に、従来の様に汁受け皿7を必要以上に燃焼用空気として送り込み冷却空気で過冷する事もなくなり、裏返せば、本願発明は管理された、燃焼用として必要な空気のみを、しかも加熱して送り込むことにより、汁受け皿7の高温状態を保つことがより可能となるのである。また、燃焼用に加熱空気として供給することは、例えば燃焼用2次空気を加熱供給した場合としない場合では、バーナで加熱中の鍋底を室温で冷却しながら燃焼用として酸素供給するのと、300℃の燃焼用2次空気として鍋底を加熱しながら燃焼用として酸素供給するのと、の明白な差が生じる。
【0039】
この効果度は、空気の加熱方法等により差が生ずるが、一実施例では、4%の熱効率の向上が図れ、室温供給の場合50%であったものが、加熱供給することにより、54%の熱効率に到達した。
【0040】
なお、排気ガスの熱回収は前記汁受け汁受け皿7を加熱させる方法と、燃焼空気押し込みファンに吸気させる空気を、前記排気ファンの冷却用として熱交換させる方法の2方法がある。また、排気ガス熱の利用は、利用した分、排気ガス温度の低減となる。従来は、排気ガスによって熱くなっていた天板16の温度は、排気ガスが流れないため低くなり、かつ、器体内に引き込んだ排気ガスも汁受け皿7に燃焼用空気通路Bを設けることにより、機体内部との間は空気断熱層が形成されるので機体温度の低減が図れる。かくして機体温度の低減は、安心して使用できる条件の向上に大きく貢献することが出来ることとなる。
【0041】
またバーナユニット1の直上には、輻射板10を有し、バーナ燃焼体2を煮汁から保護する目的の説明を行ったが、同時に均熱板として、また燃焼室の高温化(汁受け汁受け皿7の高温化)の効果が得られる。
【0042】
従って輻射板10は図に示したものは巨大円盤であるが、目的に応じて変化させることが可能でも、最小確保径は燃焼体の類似径とするのも本願発明の趣旨である。均熱板の効果は、燃焼体のバーナの径が小さくしかも超高温で燃焼し燃焼炎も短いため、局部加熱の状態となり例えばコンロとして使用した場合、鍋の中央部のみに集中し調理の熱源としては良くない。この状態の回避には輻射板10をいれ、熱の拡散を図り、鍋底を均等に加熱させることが必要である。
【0043】
また、燃焼室の高温化については、前述の如く、汁受け皿7の高温化と、燃焼用空気の高温化を目的とする物である。
【0044】
なお、図4に他の実施の形態のガスバーナを示す。ここで、円柱のバーナ燃焼体17を中央部に設け、前記バーナ燃焼体の下部の導入管18から、燃焼用1次空気と燃焼ガスの混合気体をいれ、前記バーナ燃焼体の外周に燃焼用2次空気供給用の円筒19を設け前記円筒19の上部には複数の2次空気供給孔20を設け、且つ前記円筒19の下部には、2次空気導入管21に空気を加圧供給させる手段を記した物である。
【0045】
また上記の実施例以外図示はしないが中央部にバーナ燃焼体を設け、この燃焼体は前記金属の糸状加工品を均一厚さのシート状とし、円筒に巻き付け加工し円筒形とし、前記円筒形とした燃焼体の一端を閉塞し他の一端である燃焼体下部の混合管からガスと燃焼用1次空気の混合ガスを供給し、かつこの燃焼体の外周に燃焼2次空気供給用の2次空気供給部品を有した構成としてもよい。これ以外に、円筒径の外面からガスを供給し円筒の内面で燃焼させる構成や、バーナ燃焼体を円筒形とせず、平面上の円形の場合であっても、1空気を加圧空気供給し、また2次空気を加圧供給する場合は本願発明に包含される物である。また内周2次空気供給式、は鍋底温度センサーを構成する場合の必須形状であり、外周2次空気式はバーナ燃焼体の外周を小径で構成でき、その分集中燃焼が可能で集中燃焼させることにより、燃焼炎の短炎化すなわち熱効率の向上と、最小燃焼量を下げることが可能となる。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、外炎が短く、燃焼量の範囲が大きくとれ、高効率のバーナを提供することがきる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に於けるガスバーナの断面図
【図2】同実施例のバーナユニットの拡大断面図
【図3】同実施例の汁受け皿の燃焼用空気通路説明図
【図4】本発明のほかの実施形態の斜視図
【符号の説明】
1 バーナユニット
2、17 バーナ燃焼体
18 ガス導入管
19 燃焼用2次空気供給用円筒
20 2次空気供給孔
21 燃焼用2次空気導入管
【発明の属する技術分野】
本発明はガスを燃料として燃焼させるガスバーナに関するに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のガスバーナには、ブンゼン式、もしくは全一次燃焼式に代表される燃焼方式があり、ブンゼン式の燃焼は1個の炎孔の燃焼負荷が高く、従って燃焼量の調節の幅が多くとれる(例えば4000Kcal/h〜400Kcal/hで絞り量1/10)という長所があるが、外炎が長くなるという短所があり、それに対して燃焼一次式の場合は、外炎は短い状態で燃焼するという長所があるが、燃焼範囲が極端に狭く(絞り量は最大火力の20%程度が最大限度)なるという特性がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のガスバーナにおいては、外炎が短く、燃焼量の範囲が大きくとれるバーナは現状では無く、また、燃焼によって加熱されたバーナ燃焼体の熱を回収し、回収した熱を燃焼空気として使用するという技術思想は無かった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、外炎が短く、燃焼量の範囲が大きくとれるバーナを提供することを目的とし、そのため金属の糸状加工品を用いバーナ燃焼体とし、全一次燃焼方式で燃焼させるが、自然吸気一次燃焼で燃焼させるゾーンと、それ以上の燃焼量になった場合、一次空気を加圧供給し、燃焼範囲の拡大を図る構成とし、前記1次空気を加熱されたバーナ燃焼体の熱で加熱し、熱の回収を行う構成とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は燃焼1次空気を加圧して燃焼させるバーナにおいて、燃焼によって加熱されたバーナ燃焼体の周辺に、前記燃焼1次空気の空気用通路を形成することにより、バーナ燃焼体周辺で、燃焼一次空気を効率良く加熱する。よって、外炎が短く、燃焼範囲をおおきくすることが可能で、器体の温度上昇の削減で熱くない器具の実現、熱回収による熱効率の向上、等の効果が期待できる。
【0006】
請求項2に記載の発明は燃焼1次空気を加圧して燃焼させるバーナにおいて、燃焼によって加熱されたバーナ燃焼体の周辺に、前記燃焼2次空気の空気用通路を形成することにより、バーナ燃焼体周辺で燃焼2次空気を効率良く加熱する。よって、外炎が短く、燃焼範囲をおおきくすることが可能で、器体の温度上昇の削減で熱くない器具の実現、熱回収による熱効率の向上、等の効果が期待できる。
【0007】
請求項3に記載の発明は燃焼用一次空気を加圧して燃焼させるバーナにおいて、燃焼排ガスを利用して前記燃焼用一次空気を加熱することにより、排熱を利用して燃焼一次空気を加熱し熱効率が向上する。
【0008】
請求項4に記載の発明は燃焼用一次空気を加圧して燃焼させるバーナにおいて、燃焼排ガスを利用して前記燃焼用2次空気を加熱することにより、排熱を利用して燃焼2次空気を加熱し熱効率が向上する。
【0009】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0010】
(実施例1)
以下、本発明の一実施例をガス調理器に使用した例にして添付図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。尚、以下に示す実施例は本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0011】
図1は本発明の実施例にかかるガス調理器の燃焼部位の断面を示す図であって、中央にバーナユニット1があり、前記バーナユニット1は、汁受け皿7に固定されたバーナ保持金具8に勘合保持する構成としている。また、前記バーナユニット1のバーナ燃焼体2の近傍には、燃焼検知用のFL(フレームロット)9を設けている。このFL9は、点火プラグとして兼用し、スパーク放電で点火させることも可能である。 前記バーナユニット1上方には、輻射板10を有し、さらに輻射板10の上には、鍋を載置するごとく11を設けている。更にこのごとく11近傍には燃焼した排気ガスの吸気口12を有し、排気ガスは汁受け皿7の側壁を通路として、排気ファン13に吸引させる排気煙道Aを有している。更に、前記汁受け皿7には排気煙道Aとは別の、押し込みファン14により加圧した空気をバーナに供給する燃焼空気通路として設けた空洞Bとを有した構成としている。
【0012】
図2はバーナユニット拡大図で、バーナ燃焼体2、(前記バーナ燃焼体2は、厚さが薄い円盤状に加工し、中央部には孔が設けてある)、の中央孔に、止め金具中3を挿入し、止め金具中3は筐体内筒4に挿入して、止め金具中3に設けた継止用の突起部3−1を筐体内筒の孔部4−1に押し込み抜け止めした構成、纏めると前記燃焼体2は止め金具中3と筐体内筒4の間に挟んで保持しガスシールされた構成としている。一方燃焼体2の外周は筐体5の外周に載置し、その上から鍔付き円筒形の止め金具外6を挿入して外周の保持とシールを行い、筐体5と筐体内筒4は物理的に固着状態とし、バーナユニット1としている。
【0013】
バーナ燃焼体2は金属の糸状加工品で構成され、その構成は、金属の糸状加工品を綿布の如く編み込み所定の厚さで、バーナ燃焼体としての空気通過抵抗を確保したもの、また、金属の糸状加工品を所定の長さに切り刻んで、ランダムにまき散らして所定厚さで、バーナ燃焼体としての空気通過抵抗を確保したものなど、いずれも金属糸状加工品を使用し、耐熱性と、熱伝導性のよいバーナの燃焼体に適した材料を使用したものである。なお、金属の糸状加工品に限定した物でなくても、バーナ燃焼体として使用できる条件が合致した物を本発明の趣旨に沿って使用する場合は、その範疇にある。
【0014】
図3に、汁受け皿7の構成部品を示す。ここに示すように、前記燃焼空気通路Bには燃焼1次用空気と燃焼2次用空気に分岐させる分岐部Cを有し、更に燃焼1次用空気通路には燃焼ガスを供給するガス供給管15を設けた構成としている。この構成は一実施例を示したもので、汁受け皿7に排気ガス通路A、燃焼用空気通路Bの何れか片方を形成した場合も本願発明の範疇である。また、燃焼用空気は、汁受け皿部7に燃焼用空気通路Bを設けず、単に混合管を介して1次空気とガスを混合させて燃焼体に加圧供給し、同様に2次空気の供給に関しても加圧供給する構成も発明の範疇である。
【0015】
しかして前記の燃焼用1次空気と前記のガスを混合し、混合した燃焼ガスをバーナ燃焼体2に供給して、点火手段で点火させ燃焼させる。かくして、燃焼体2を使用したバーナユニット1は、バーナ保持金具8に挿入することで簡単に取り付け取り外しが出来る構成となる。
【0016】
従来から使用されているガスの燃焼方式について、纏めると、ガス燃焼のバーナ形態は、ブンゼン燃焼方式のユンケル式と、全1次燃焼式に大別されユンケル式は、燃焼に必要な酸素を一次空気と2次空気の双方を必要とし、全1次燃焼バーナは1次空気で燃焼を行う。
【0017】
ブンゼン燃焼は、1炎孔当たりの負荷が高く、従って炎が長くなり、長い炎は、非加熱体との距離を確保しないと燃焼不良を発生させ、また調理器などに使用した場合、鍋から炎がはみ出して、効率も悪く、衣服の袖に引火する等の欠点を生じていた。しかしながら、炎の長短がバーナ燃焼範囲と相関があり、TDRは1/10もとれる特徴がある。
【0018】
また全1次燃焼バーナの炎は短くバーナの表面で燃焼を集結させる特徴があるが、欠点はTDRが全燃焼量の20%程度しかとれないことである。また、全1次燃焼式に一般的に使用されるバーナの材質はセラミックである。このセラミックバーナで自然1次空気燃焼を行うと、900℃前後の表面温度の時、ガス供給用の裏面温度が約800〜850℃となり内面で燃焼するバックファイヤー現象を発生さす。従ってセラミックバーナの場合燃焼上限温度以上にならないよう、通常はガスの流量管理を行うことが使用上の必須事項である。
【0019】
従って本発明の加圧空気供給式で燃焼範囲を拡大させようとすると、燃焼表面温度が従来では考えられないほどの超高温で燃焼させる必要があり、燃焼体2の表面温度は超高温であっても、ガス供給の燃焼体裏面温度は、バックファイヤー温度の800℃以下に収まる材料でないと、炎の短小化が図れないこととなる。
【0020】
また、バーナ燃焼体2が超高温に耐えるバーナ燃焼体2でないと酸化によって寿命が持たないこととなる。纏めると新発明の燃焼方式のバーナ燃焼体2に求める条件として、超高温に耐える材料で、超熱伝導率の大きい、比熱が超の材料が要求される。
【0021】
ここで、超高温とは、1100℃程度に仮定して、金属材料を選定する。また、熱伝導率の大きい物であれば表面温度が均一化されスポット的にバーナ燃焼体2が異常高温になることを防ぎ、比熱が小さいことは、裏面はガスと空気の混合気体の温度に依存し、バーナ燃焼体2の表面は燃焼温度に依存してバーナ燃焼体2の温度が決定されることとなる。
【0022】
これらの条件を満足する材料は、金属の糸状加工品で構成された束子状の物を圧縮したシート状の物体が適している。その厚みは、糸状加工品の1本の幅、厚みとその集合体のガスの通過抵抗の状態から決定される物である。金属の糸状加工品であれば、前記の伝導率と、比熱を小さく(暖めやすく冷めやすい)する事が可能となり、高TDRの材料となり得るのである。また、高温耐熱に対しては、耐熱金属材料にアルミを添加し、高温で使用することにより添加アルミが金属表面に析出し酸化アルミ(Al2O3)を形成する材料が現在では最も適した材料である。
【0023】
この金属の糸状加工品は塑性加工が難易で、無理に塑性変形を起こさすと、ガスの通過抵抗が確保できず燃焼体としての性能が維持できない。従って、塑性加工を行わないで使用することが可能な、円盤形状や円筒形状、円形状に必然的に限定されることとなる。
【0024】
上記の材料を使用した、加圧燃焼空気を用いて燃焼させた燃焼時のバーナ燃焼体2の実測温度は、3500Kcal/h〜400Kcal/hの燃焼範囲で、最高火力時の表面温度は1100℃でそのときの裏面温度は50℃但し、燃焼1次空気は、室温状態を加圧供給した状態。また最小火力では、表面温度は500℃でそのとき裏面温度は、80℃で、これは、1次空気が少ないので冷却効果も少ないことが影響している。また、裏面温度が最高となるのは、1000Kcal/h程度の時で表面温度は1000℃程度で、裏面温度が170℃になった。これは、燃焼用加圧1次空気の供給量と燃焼温度のバランスによって決定される物で、燃焼体の構成や形状によって何れかにピーク温度が生じる物である。しかしながら、バックファイヤー現象が発生する800℃にはほど遠く、十分な余裕を持って実用化は可能である。
【0025】
また、表面温度が1100℃の高温になると高温酸化によってバーナ燃焼体2の金属が徐々に酸化減量を生じる。しかしながら酸化による金属の減量が生じるのは表面の金属部であって、内部温度は前述したとおり低温の状態である。このことは、製品耐用寿命時にバックファイヤーを起こさないバーナ燃焼体2の厚みを予め定めて確保しておけば、減量させながら寿命相関を取る使用方法は、例え、金属の耐熱温度を超えて使用した場合であっても、有効となる便利な発熱体使用方法で、高温使用状態をあまり気にかけないで加圧供給できる新発明の所以である。
【0026】
本願発明は1次空気の加圧供給のみでは、高火力時に外炎が比例して伸びることから、高火力になっても外炎を延ばさない2次空気を加圧供給させる、燃焼用空気を加圧供給ことも新規の発明である。例えば、加圧一次空気のみで加圧2次空気を使用しないで燃焼させると、3600Kcal/hのとき外バーナ燃焼体は青火燃焼で炎の長さは約60mmも達し、60mm内に、冷却物(鍋など)があると、CO%は、JISの規格をはるかに越えてしまう結果となるが、この状態で、燃焼用2次空気を加圧供給すれば、バーナ燃焼体は約1100℃の高温赤熱体となり、炎の長さは8mm度に短くなり、従って冷却物は10mm離れた位置に置いてもJISの規格に合格することが出来るのである。
【0027】
また、前記バーナ燃焼体2は、金属の糸状加工品で形成されていることから、調理器具として使用する場合、燃焼中に煮汁がバーナ燃焼体2にかかった場合は煮汁成分が焼き切れるが、非燃焼時に煮汁がかかった場合、燃焼体の裏面まで煮汁が到達すると、前記したごとく、供給ガス温に近いため焼き切ることが出来ない欠点がある。従って、このバーナ燃焼体2を使用する場合は、燃焼体上部に輻射板10を設け、煮汁遮蔽の役割をさせてバーナ燃焼体2の保護目的を構成させることが必須条件となる。
【0028】
また前記バーナ燃焼体2は、前述の如くバーナ燃焼体2の裏面温度が供給ガス温度に類似する低い温度になる長所であり欠点を有している。長所についてはすでに述べたが、欠点は、低い温度であるが故に、燃焼空気の中の埃や、ゴミ、油分などのバーナ目詰まり対策が必要となることである。
【0029】
従来の全1次燃焼方式の代表であるセラミックバーナの場合、燃焼体の温度が高温になり、必然的にゴミや埃を焼き切る構成となっていた。またセラミックバーナの炎孔は、0.5〜1Φ程度の複数個の孔で炎孔が形成されているのでゴミ埃は通過することが出来、実績的に炎孔の目詰まりは皆無である。これと対照的に本発明のバーナ燃焼体は温度が低く到底、ゴミ埃は焼き切れず、更に、金属の糸状加工品間の隙間では、ゴミや埃を通過させる隙間は確保できない。従って、予めゴミや埃や油成分を除去した、クリーンな燃焼空気を送り込む必要がある。
【0030】
ゴミ埃などの除去方法として、燃焼用空気取り入れ口にフィルターを用いることは当然として、燃焼用空気を前記の加熱汁受け皿7を高温にした中を通過させて、焼き切りクリーンな状態にして、バーナ燃焼体2に送り込み欠点を補う構成として燃焼の信頼性向上を図るのが本願の発明意図である。
【0031】
また、バーナ燃焼体2の温度が1100℃にもなりバーナ燃焼体の端面のガスシール及び保持する止め板中3も受熱で高温になるが筐体の金属は1100℃の高温に耐える材質は高価で、使用するにはコスト的な限界がある。そのため如何に筐体金属の温度を下降させる構成体とするかが課題であり、本発明の外炎を短くさせる加圧燃焼用2次空気を適切な温度で供給することにより、筐体金属の冷却用として使用すれば使用金属を過激な高温にせずに使用できる。
【0032】
以上のことから円盤状の内周から燃焼用2次空気を送り込みバーナ燃焼体2の止め板中3の温度を下げる構成とし、しかもバーナ燃焼体2の加工も塑性加工を必要としないバーナを発明した。
【0033】
本発明の主眼は、燃焼炎を短くながら、TDRを大きくする目的のため、燃焼量が少ないときは、従来の全1次燃焼方式と同様自然ドラフト程度の燃焼空気を供給して全1次燃焼とし、燃焼量を増加させるに従って、1次空気を加圧空気供給する。この場合、燃焼は表面燃焼では燃焼しきれず火炎が伸びた燃焼状態となる。この伸びた火炎に輻射板10やごとく、鍋等が当たると火炎が冷やされ不完全燃焼となる。この状態を回避させるには、燃焼用2次空気として酸素補給が必要で、補給することにより、外炎は短くさせることが可能である。しかして、燃焼量によって1次、2次空気の加圧状態を適正に供給し燃焼範囲の広い新方式のバーナを提供する物である。
【0034】
なお、バーナの熱効率は、バーナと鍋の距離に反比例の関係があり、外炎を短くさせることは、その目的に合致する。また、外炎を短くすることは、高齢者の袖火対策(鍋を載せるとき外炎に衣服の袖が振れて燃えるのを防ぐ)にも為るが、この燃焼はバーナ燃焼体の燃焼面積を加圧空気供給させることからブンゼン式に比べて小さく出来(約1/2)、かつ、外炎も少ないので、鍋からはみ出る外炎は、ブンゼン式に比較して極端に少なくすることが出来る。
【0035】
ガスのコンロは掃除がしにくく、その中でも特に汁受け皿7の煮こぼれのこびりつきが掃除のしにくさのウエイトが高いのが実態である。本発明は汁受け皿7を超高温にして、煮こぼれ物を焼却しようとする発明である。従来汁受け皿7を積極的に高温にする試みは無かった。その理由は、汁受け皿7とバーナの間もしくは汁受け皿7を伝って燃焼用の2次空気をブンゼン式の燃焼炎に供給しないとバーナの燃焼が確保されない条件があった為である。従って汁受け皿7の温度は200℃程度が一般的で、汁受け皿7を超高温にすることは2次空気供給面から考えられなかった。
【0036】
本発明の燃焼方式によれば、排気煙道Aの排気ガスの温度で加熱された、もしくは、バーナ燃焼体2の熱で加熱された、もしくは双方の熱で加熱された超高温の汁受け皿7を作り出す構成としたことにある。ここで参考的にこびりつく温度は、油分の場合370℃が自然発火温度でそれ以上の温度であれば焼き切ることが可能である。また澱粉質の場合は、120℃から脱水現象が進行し炭化が始まるが、特殊処理を施さない金属では400℃以上でないとこびりつきがとれる状態にはならなく、従って皿7の温度は少なくとも400℃以上が目的の効果が出る温度である。特殊処理を施した場合例えばセルフクリーニングホーローの場合であっても、その効果が発揮できる温度250〜300℃であれば同様の効果を奏する。
【0037】
前述したごとく本発明では必要箇所に必要な量の燃焼空気を加圧供給させる発明により、余分な冷却をせずに汁受け皿7の高温状態を作り出すことが可能である。その一例として汁受け皿7に空気通路B、を構成させて、燃焼用の空気を加熱させる目的は、燃焼部を密閉状態として不要な冷却空気を排除することが可能となり、熱が逃げなく汁受け皿7に蓄熱されることとなる。この、汁受け皿7の温度を高温にすると、煮汁が汁受け皿7に流入したとき、焼き切って、こびりつきや、どろどろした不衛生な状態が、発生しなく、美観を損なうことが無くなる。
【0038】
また、熱が逃げなくなることは、熱効率の向上が図れることになりかつ、蓄熱した熱も調理用熱として利用することが可能となる(JISの熱効率測定方法では、所定温度で燃焼停止後にも、湯温の温度上昇が熱効率に換算される方法であり、この後沸きは、器体に蓄熱させた場合とそうでない場合は、実測値で2%の熱効率の向上につながり、全体の熱効率に与える影響は50%が52%になることから、4%の効果がある)。
また、この蓄熱した熱の一部を燃焼用1次、2次の片方何れかもしくは双方に加熱空気として使用し、燃焼体2に供給することは、前記蓄熱による熱効率の向上と共に、従来の様に汁受け皿7を必要以上に燃焼用空気として送り込み冷却空気で過冷する事もなくなり、裏返せば、本願発明は管理された、燃焼用として必要な空気のみを、しかも加熱して送り込むことにより、汁受け皿7の高温状態を保つことがより可能となるのである。また、燃焼用に加熱空気として供給することは、例えば燃焼用2次空気を加熱供給した場合としない場合では、バーナで加熱中の鍋底を室温で冷却しながら燃焼用として酸素供給するのと、300℃の燃焼用2次空気として鍋底を加熱しながら燃焼用として酸素供給するのと、の明白な差が生じる。
【0039】
この効果度は、空気の加熱方法等により差が生ずるが、一実施例では、4%の熱効率の向上が図れ、室温供給の場合50%であったものが、加熱供給することにより、54%の熱効率に到達した。
【0040】
なお、排気ガスの熱回収は前記汁受け汁受け皿7を加熱させる方法と、燃焼空気押し込みファンに吸気させる空気を、前記排気ファンの冷却用として熱交換させる方法の2方法がある。また、排気ガス熱の利用は、利用した分、排気ガス温度の低減となる。従来は、排気ガスによって熱くなっていた天板16の温度は、排気ガスが流れないため低くなり、かつ、器体内に引き込んだ排気ガスも汁受け皿7に燃焼用空気通路Bを設けることにより、機体内部との間は空気断熱層が形成されるので機体温度の低減が図れる。かくして機体温度の低減は、安心して使用できる条件の向上に大きく貢献することが出来ることとなる。
【0041】
またバーナユニット1の直上には、輻射板10を有し、バーナ燃焼体2を煮汁から保護する目的の説明を行ったが、同時に均熱板として、また燃焼室の高温化(汁受け汁受け皿7の高温化)の効果が得られる。
【0042】
従って輻射板10は図に示したものは巨大円盤であるが、目的に応じて変化させることが可能でも、最小確保径は燃焼体の類似径とするのも本願発明の趣旨である。均熱板の効果は、燃焼体のバーナの径が小さくしかも超高温で燃焼し燃焼炎も短いため、局部加熱の状態となり例えばコンロとして使用した場合、鍋の中央部のみに集中し調理の熱源としては良くない。この状態の回避には輻射板10をいれ、熱の拡散を図り、鍋底を均等に加熱させることが必要である。
【0043】
また、燃焼室の高温化については、前述の如く、汁受け皿7の高温化と、燃焼用空気の高温化を目的とする物である。
【0044】
なお、図4に他の実施の形態のガスバーナを示す。ここで、円柱のバーナ燃焼体17を中央部に設け、前記バーナ燃焼体の下部の導入管18から、燃焼用1次空気と燃焼ガスの混合気体をいれ、前記バーナ燃焼体の外周に燃焼用2次空気供給用の円筒19を設け前記円筒19の上部には複数の2次空気供給孔20を設け、且つ前記円筒19の下部には、2次空気導入管21に空気を加圧供給させる手段を記した物である。
【0045】
また上記の実施例以外図示はしないが中央部にバーナ燃焼体を設け、この燃焼体は前記金属の糸状加工品を均一厚さのシート状とし、円筒に巻き付け加工し円筒形とし、前記円筒形とした燃焼体の一端を閉塞し他の一端である燃焼体下部の混合管からガスと燃焼用1次空気の混合ガスを供給し、かつこの燃焼体の外周に燃焼2次空気供給用の2次空気供給部品を有した構成としてもよい。これ以外に、円筒径の外面からガスを供給し円筒の内面で燃焼させる構成や、バーナ燃焼体を円筒形とせず、平面上の円形の場合であっても、1空気を加圧空気供給し、また2次空気を加圧供給する場合は本願発明に包含される物である。また内周2次空気供給式、は鍋底温度センサーを構成する場合の必須形状であり、外周2次空気式はバーナ燃焼体の外周を小径で構成でき、その分集中燃焼が可能で集中燃焼させることにより、燃焼炎の短炎化すなわち熱効率の向上と、最小燃焼量を下げることが可能となる。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、外炎が短く、燃焼量の範囲が大きくとれ、高効率のバーナを提供することがきる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に於けるガスバーナの断面図
【図2】同実施例のバーナユニットの拡大断面図
【図3】同実施例の汁受け皿の燃焼用空気通路説明図
【図4】本発明のほかの実施形態の斜視図
【符号の説明】
1 バーナユニット
2、17 バーナ燃焼体
18 ガス導入管
19 燃焼用2次空気供給用円筒
20 2次空気供給孔
21 燃焼用2次空気導入管
Claims (4)
- 燃焼1次空気を加圧して燃焼させるバーナにおいて、燃焼によって加熱されたバーナ燃焼体の周辺に、前記燃焼1次空気の空気用通路を形成したガスバーナ。
- 燃焼1次空気を加圧して燃焼させるバーナにおいて、燃焼によって加熱されたバーナ燃焼体の周辺に、前記燃焼2次空気の空気用通路を形成したガスバーナ。
- 燃焼用一次空気を加圧して燃焼させるバーナにおいて、燃焼排ガスを利用して前記燃焼用一次空気を加熱するガスバーナ。
- 燃焼用一次空気を加圧して燃焼させるバーナにおいて、燃焼排ガスを利用して前記燃焼用2次空気を加熱するガスバーナ。
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Cited By (2)
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CN103090423A (zh) * | 2012-03-14 | 2013-05-08 | 洪成君 | 特效节能燃气灶 |
-
2002
- 2002-07-01 JP JP2002191906A patent/JP2004036932A/ja active Pending
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