JP2004036859A - 四輪駆動車の駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トランスファ出力軸が車体幅方向に延びるステアリング部材やサスペンションクロスメンバの上方に位置することにより、該トランスファ出力軸の軸受部が厳しい熱環境にさらされているような場合においても、該軸受部を、オイルクーラで冷却された潤滑油によって効果的に冷却することができる四輪駆動車の駆動装置を提供することを課題とする。
【解決手段】出力軸25の軸受部29,30の直上にオイルクーラ70を設け、トランスファケース21の下部のオイルパン90に貯溜された潤滑油を、オイルポンプ80によって、オイルクーラ70に供給する。
【選択図】  図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、四輪駆動車の駆動装置に関し、詳しくはトランスファを潤滑する潤滑油の冷却技術の分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、四輪駆動車には、エンジンで発生した動力を前後輪に分配するトランスファが設けられる。該トランスファは、例えば、車体幅方向に配置されて前方のエンジンからの動力が入力される入力軸と、該入力軸に直交して車体後方に延びる出力軸と、これら両軸の間に介設された傘歯車機構と、該傘歯車機構を収容すると共に上記出力軸を支持する軸受部が設けられたケースとを有する。
【0003】
その場合に、トランスファケース内の空間には、上記ギヤや軸類等を潤滑するための潤滑油が貯溜されるが、トランスファの作動時には、上記軸が軸受部で摺動しながら回転するときの発熱や、ギヤ同士が噛合しながら回転するときの発熱等により、潤滑油の温度が上昇して粘性が低下し、潤滑性能が低下するので、これを軽減するために、オイルポンプによって潤滑油をオイルクーラを通る循環経路内で循環させて、潤滑油を冷却することがある。
【0004】
例えば、特開平5−77543号公報や、特開平6−70459号公報に、トランスファ自体にオイルポンプが設けられたものにおいて、潤滑油を冷却するオイルクーラを外部に(設置位置の開示なし)設けたものが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に開示されたような技術では、オイルクーラがトランスファから分離されているから、該オイルクーラとオイルポンプとを接続する油路が長くなり、エンジンルーム内を這いまわることとなる。この結果、オイルクーラで冷却された潤滑油が油路内を通ってトランスファに到達するまでに、例えばエンジンやトランスミッション等の発熱源によって再加熱され、冷却効率が低下する。
【0006】
また、例えばトランスファがエンジンよりも車体後方側に配置されている場合、車体前方から流入する冷却風がエンジンによって妨げられることから、トランスファの温度が上昇しやすい。特に、例えば車体デザイン上あるいはステアリング系の設計上、上記出力軸を、車体幅方向に延びるステアリング部材(例えばステアリングラック等)や、車体幅方向に延びるサスペンションクロスメンバの上方に配置せざるを得ないような場合、車体の下面側を通過する冷却風による冷却効果も減少し、厳しい熱環境に置かれることとなる。
【0007】
そこで、本発明は、出力軸が、車体幅方向に延びるステアリング部材や、サスペンションクロスメンバの上方に位置し、厳しい熱環境にさらされているような場合においても、オイルクーラで冷却された潤滑油によって出力軸の軸受部を効果的に冷却することができる四輪駆動車の駆動装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1に記載の発明は、車体幅方向に配置されて前方のエンジンからの動力が入力される入力軸と、該入力軸に直交して車体後方に延びる出力軸と、これら両軸の間に介設された傘歯車機構と、該傘歯車機構を収容すると共に上記出力軸を支持する軸受部が設けられたケースとを有すると共に、上記出力軸が車体幅方向に配設されたサスクロスメンバ上で車体幅方向に延びるステアリング部材の上方に位置するように配置され、かつ上記ケース底部に貯溜された潤滑油をオイルクーラを介して上記出力軸の軸受部に供給するオイルポンプが備えられた四輪駆動車の駆動装置であって、上記オイルクーラが、上記ケースにおける出力軸の軸受部の直上方位置に設置されていることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、オイルクーラを、加熱しやすい出力軸の軸受部の直上に設けたから、オイルクーラと出力軸の軸受部との距離が短縮され、この結果、オイルクーラで冷却された潤滑油を、ほぼ冷却された状態のまま出力軸の軸受部に供給することができ、該軸受部及びその近傍を潤滑油により効果的に冷却することができる。特に、本発明では、出力軸の軸受部を潤滑油によって冷却するようにしたから、前方にエンジンが配置され、かつ、出力軸が車体幅方向に配設されたサスクロスメンバ上で車体幅方向に延びるステアリング部材の上方に位置するように配置されていることにより、冷却風による冷却があまり期待できないような場合に、大きな効果を発揮する。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、入力軸に設けられた入力ギヤの下方に、所定量の潤滑油を貯溜可能な油溜めが、ケースの下部から下方に突出させて設けられ、オイルポンプは該油溜めから潤滑油を吸入することを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、ケース内の容積、歯車の数や大きさ、限界油温等に応じて定まる所要の潤滑油量のうち、所定量の潤滑油は油溜め内に貯溜されることとなるから、ケースの下部から下方に突出させて設けられた油溜めがない場合と比較して、ケース内に貯溜された潤滑油の上面が低下することとなる。すなわち、入力ギヤが潤滑油に浸る深さが減少して攪拌抵抗が減少し、潤滑油の温度上昇が抑制される。換言すれば、潤滑油による冷却効果の向上にさらに寄与する。
【0012】
一方、オイルポンプの作動時も、潤滑油がケース内で循環して拡散している状態にあるから、潤滑油の上面が低下することとなるが、油溜めが低い位置に設けられているから油面が低下している状態においても確実に潤滑油を吸入することができる。言い換えれば、潤滑油が少量でも油溜めに溜まっている状態であれば、潤滑油をケース内に循環させることができるから、ケース内の容積から必要となる潤滑油量を減少させることができ、この結果、前述のように、入力ギヤが潤滑油に浸る深さが減少して攪拌抵抗が減少し、潤滑油の温度上昇が抑制される。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、オイルポンプからオイルクーラを経て軸受部に潤滑油を供給する潤滑経路のオイルクーラの近傍位置に、所定量の潤滑油を貯溜可能な油溜めが設けられていることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、潤滑経路の途中の油溜めで潤滑油が貯溜されるから、請求項2に記載の発明同様、潤滑油面の上面を低下させることができ、同様の冷却効果を得ることができる。
【0015】
また、請求項2に記載の油溜めに加えて設ければ、潤滑油の上面を更に低下させることができる。すなわち、一層、潤滑油の攪拌抵抗を減少させて冷却効果を向上させることができる。
【0016】
そして、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明において、オイルクーラは、冷却水を冷媒とする水冷式のものであることを特徴とする。
【0017】
前述したように周囲の熱環境が厳しい場合には、空冷式では、潤滑油を十分に冷却することができないが、この発明では、オイルクーラを、例えばラジエータ等によって十分に冷却された冷却水を冷媒とする水冷式のものとしたから、周囲の熱環境が厳しい場合においても、潤滑油を効果的に冷却することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に係る4輪駆動車の動力伝達経路を示す骨子図である。図中の三角形は軸受を表わす。この4輪駆動車は、車体前部のエンジンルーム内に横置きに配置したエンジン1で前輪を常時駆動するFFの構成を基礎にしている。エンジン1のクランクシャフト2は車体幅方向に延び、該クランクシャフト2にトルクコンバータ3が直列に連結されている。トルクコンバータ3のタービンシャフト4にトランスアクスル5の自動変速機6が直列に連結されている。自動変速機6の出力軸7も車体幅方向に延び、該出力軸7に出力ギヤ8が設けられている。
【0020】
トランスアクスルケース9がエンジン1の左端部に結合されている。トランスアクスルケース9はトルクコンバータ3のケース9aと自動変速機6のケース9bとを含む。トランスアクスルケース9に前輪用の差動装置(フロントデフ)10が収容されている。フロントデフ10のデフケース11にリングギヤ12が組み付けられ、上記出力ギヤ8と噛合している。デフケース11内の左右のピニオンギヤ13L,13Rにそれぞれ車体幅方向に延びる左右の前輪駆動軸14L,14Rが連結されている。各駆動軸14L,14Rに自在継手15,15を介してそれぞれ左右の前輪車軸16L,16Rが連結されている。各車軸16L,16Rにそれぞれ左右の前輪W,W(図3参照)が接続されている。トランスアクスルケース9はデフケース11を回転自在に支持している。
【0021】
トランスアクスルケース9の右側面にトランスファケース21が結合されている。トランスファケース21は前部ケース21aと後部ケース21bとを含む(図2参照)。トランスファケース21は右の前輪駆動軸14Rの右端部を回転自在に支持している。トランスファケース21はまたトランスファ20のトランスファ入力軸22を回転自在に支持している。トランスファ入力軸22は右の前輪駆動軸14Rの周囲に同軸に配置され、フロントデフケース11の右部に連結されている。トランスファ入力軸22の外周面に駆動ギヤ23が組み付けられている。
【0022】
トランスファケース21はさらにアイドル軸24及びトランスファ出力軸25を回転自在に支持している。アイドル軸24は、前輪駆動軸14L,14Rやトランスファ入力軸22等と同様、車体幅方向に延びる。トランスファ出力軸25は、アイドル軸24と直交して車体前後方向に延びる。アイドル軸24に従動ギヤ26が組み付けられ、上記駆動ギヤ23と噛合している。アイドル軸24はハイポイド型リングギヤ27を有し、該リングギヤ27がトランスファ出力軸25の前端部のハイポイド型ピニオンギヤ28と噛合している。トランスファ出力軸25の後端部に自在継手31を介してプロペラシャフト32が連結されている。
【0023】
プロペラシャフト32の後端部に後輪側のピニオン軸33が連結されている。このピニオン軸33はハイポイド型ピニオンギヤ34を有し、該ピニオンギヤ34が後輪用の差動装置(リヤデフ)35のデフケース36に組み付けられたハイポイド型リングギヤ37と噛合している。リヤデフケース36内の左右のピニオンギヤ38L,38Rにそれぞれ車体幅方向に延びる左右の後輪駆動軸39L,39Rが連結されている。各駆動軸39L,39Rに自在継手40,40を介してそれぞれ左右の後輪車軸41L,41Rが連結されている。各車軸41L,41Rにそれぞれ図示しない左右の後輪が接続されている。以上のような構成により、左右の前輪駆動軸14L,14Rで前輪が常時駆動されると共に、トランスファ20を経由して後輪にエンジン出力が伝達される。
【0024】
次に、図3を用いて、トランスファ20周辺に配置される機器との位置関係等について説明する。図3の符号Aで示す側が車体の前方側であり、エンジン1は、前述したように、車体前部のエンジンルームX内に横置きされている。トランスファ20は、エンジン1の車体後方側に配置されている。トランスファ20のトランスファ出力軸25の軸心位置は、出力軸25が車体幅方向に配設された操舵用のステアリングラック50と干渉しないように、該ステアリングラック50やトランスファ入力軸22の軸心位置より高くされている。以下、この構造を適宜ハイマウント構造という。これに対し、出力軸25がステアリングラック50等の下に配置された構造を、ローマウント構造という。該ステアリングラック50の右部からは、ステアリングシャフト50aが車室に向かって延びている(図4参照)。
【0025】
ステアリングラック50の下方には、車体幅方向に延び、前輪用サスペンションを支持するサスクロスメンバ51が配設されている。ここで、このサスクロスメンバ51は、トランスファ出力軸25がステアリングラック50より高い位置に位置することから、従来のようにトランスファ出力軸25との干渉を回避するために左右端部間で例えば鳥居状に折曲させる必要性がなくなり、ほぼ平坦な形状とされている。つまり、ローマウント構造では、サスクロスメンバ51は、車体前方または後方から見た場合、出力軸25を、上方に迂回するように凸形状に折曲していた。よって、左右方向の外力によってたわみ易くなる。これに対し、このハイマウント構造では、サスクロスメンバ51をそのように折曲させなくてよいから、ほぼ平坦にでき、左右方向のたわみが殆どなくなる。この結果、サスクロスメンバ51の左右方向の剛性が向上し、操縦安定性が向上している。また、エンジン1の左右両端面側において、車体前部の構造材であるフロントフレーム52が車体長手方向に延び、そのキックアップ部52aは、ステアリングラック50の高さが低くなったことにより、従来より緩やかに曲げることができる。これによれば、車体前方からの外力に対する剛性が向上する。
【0026】
また、図4に示すように、トランスファ20の左側にはトランスアクスル5が配置されている。エンジン1には、図示しないが、多数の補機類が設けられている。このエンジン1は、後方排気タイプのものであり、エンジン1の後方側側面に排気マニホルド60が取り付けられている。該マニホルド60の下端には、排気ガス浄化装置61が接続され、その先端がトランスファ20の近傍に延びて排気管62が接続されている。その場合に、前述の通りステアリングラック50が相対的に下方に位置することから、この排気管62は、あまり角度をつけずに滑らかに曲げてステアリングラック50の上方を通過させることができる。これによれば、従来のように急角度で曲げてラック50の下方を通過させる必要がなくなり、排気抵抗が減少する等の効果を奏する。
【0027】
このように多くの効果を奏する一方で、トランスファ20がエンジン1の車体後方側に位置することによりただでさえトランスファ20への通気性が悪いのに、出力軸25をステアリングラック50及びサスクロスメンバ51の上方に設けたことで、車体下方を通過する冷却風による冷却効果が減少し、トランスファ周辺、特にトランスファ出力軸25周辺の熱環境が一層厳しくなるという問題が生じる。
【0028】
また、図5に示すように、トランスファ出力軸25がトランスファ入力軸22より高い位置にあるから、トランスファ入力軸22の軸受部29,30、及び、ハイポイド型ピニオンギヤ28を十分に潤滑するためには、トランスファケース20内に、トランスファ出力軸25の高さまで潤滑油を貯溜することが考えられるが、駆動ギヤ23が潤滑油を多く攪拌することとなり、潤滑油が発熱してその温度が上昇しやすくなるという問題が生じる。
【0029】
そこで、本実施の形態では、トランスファケース20におけるトランスファ出力軸25の軸受部29,30の直上方にオイルクーラ70を設けると共に、図2、図5に示すように、該オイルクーラ70に潤滑油を供給するオイルポンプ80をアイドル軸24と同一軸心状に設け、該アイドル軸24の回転によって潤滑油をオイルクーラ70に供給し、該オイルクーラ70で冷却された潤滑油を上記軸受部29,30近傍に供給するようにしている。
【0030】
すなわち、このオイルポンプ80は、図6、図7に示すように、トロコイド式のポンプであり、アイドル軸24の中空部に六角柱状の端部81aが嵌め込まれた回転軸81と、トランスファケース20に固定され、アイドル軸24側の側面に凹部82aが設けられたポンプケ―ス82と、上記回転軸81の端部81aとは反対側の端部に係合されたドライブロータ83と、ポンプケース82の凹部82aに回転可能に嵌合され、該凹部82a内でドライブロータ83によって回転駆動されるドリブンロータ84と、ポンプケース82のアイドル軸24側の側面を閉じるカバー部材85と、ポンプケース82の凹部82a内に固定された係止部材86と、該係止部材86とカバー部材85との間に介設され、カバー部材85をロータ83側に付勢する皿バネ87とを有する。また、ポンプケース82には、潤滑油の吸入用油路82b及び排出用油路82cが設けられている。これによれば、回転軸81がトランスファ入力軸23の回転によって駆動されB方向に回転すると、ドライブロータ83がB方向に回転すると共に、該ドライブロータ83に駆動されてドリブンロータ84がB方向に回転し、その際、ドライブロータ83とドリブンロータ84とで形成される油室Yの容積が変化することにより、潤滑油が給油口82bから吸入されると共に排出口82cから排出されることとなる。その場合に、上記駆動ギヤ23と従動ギヤ26とのギヤ比は、トランスファ入力軸22の回転がアイドル軸24に増速して伝達されるようなギヤ比とされており、これによれば、回転軸81及び両ロータ83,84は入力軸より高速で回転することとなる。
【0031】
一方、上記オイルクーラ70は、冷却水を冷媒とする水冷式のものであり、その上面には、冷却水の供給用パイプ71及び排出用パイプ72が設けられていると共に、下面には、潤滑油の吸入口73及び排出口74が設けられている。また、内部には、詳細な説明は省略するが、冷却水により冷却される多数のフィンが備えられており、該フィンの間を、吸入口73から吸入された潤滑油が通過することにより潤滑油が冷却され、この冷却された潤滑油が排出口74から排出される。
【0032】
トランスファケース20の下部には、所定量の潤滑油を貯溜可能なオイルパン90が設けられている。また、トランスファケース20内の空間には、オイルパン90とオイルポンプ80とを接続する第1油路100と、オイルポンプ80とオイルクーラ70とを接続する第2油路110とがパイプを用いて設けられている。
【0033】
第1油路100は、オイルポンプ80のポンプケース82の油路82bに挿し込まれ、ケース内壁に図示しないブラケットを介して固定された第1パイプ部材101と、該第1パイプ部材101の下端に取り付けられたストレーナ102とを有する。
【0034】
第2油路110は、オイルポンプ80のポンプケース82の油路82cに挿し込まれ、車体前方に延びる第2パイプ部材111と、該第2パイプ部材111の先端から上方に延び車体後方側に折曲する第3パイプ部材112とを有する。これらのパイプ部材111,112は、ケース内壁に図示しないブラケットを介して固定されている。また、該第2油路110は、トランスファケース20の上壁に穿孔され、パイプ部材112の先端からオイルクーラ70方向に延びる油通路113と、該通路113の先端に設けられ、オイルクーラ70の吸入口73に通じる第2通路114とを有する。該第2通路114は、平面視輪溝状とされていると共に、その一部は幅及び深さが大きくされて所定量の潤滑油が貯溜可能な油溜め114aとされている。
【0035】
また、排出口74の下方において、トランスファケース21の上面には、凹部120が設けられ、その底面には、ケース20の内部空間に通じる油路121が設けられている。
【0036】
次に、潤滑油の流通について説明する。なお、オイルポンプ80は、前述したように、トランスファ入力軸22が回転している状態、すなわち車両が走行状態にあるときには、常に作動する。ここで、トランスファケース内20には、トランスファケース21内の容積や、該ケース21内に収容されているギヤの数や大きさ等によって定まる所要の量の潤滑油が貯溜されており、非走行状態においては、潤滑油の上面は符号S1で示す位置にある。
【0037】
オイルポンプ80が作動すると、オイルパン90内の潤滑油が、第1油路100を通って、オイルポンプ80内に流入する。流入した潤滑油は、オイルポンプ80のドライブロータ83及びドリブンロータ84の回転により、第2油路110に排出され、該第2油路110を通って、吸入口73からオイルクーラ70内に流入し、フィンの間を通って冷却された後、排出口74から凹部120に排出され、油路121を通って、トランスファ出力軸25の軸受部29,30に供給されることとなる。供給された潤滑油は、軸受部29,30、トランスファ出力軸25を冷却及び潤滑し、また、ケース21内の各部材を潤滑及び冷却したのちオイルパン90に還流する。また、オイルポンプ作動状態においては、潤滑油がトランスファケース21内の各部に循環している状態であるから、潤滑油の上面は、符号S2で示す位置に低下する。
【0038】
このように、本実施の形態によれば、オイルクーラ70を、加熱しやすいトランスファ出力軸25の軸受29,30の直上に設けたから、オイルクーラ70とトランスファ出力軸25の軸受部29,30との距離が短縮され、この結果、オイルクーラ70で冷却された潤滑油を、ほぼ冷却された状態のままトランスファ出力軸25の軸受部29,30に供給することができ、該軸受部29,30及びその近傍を潤滑油により効果的に冷却することができる。特に、本実施の形態のように、車体前方にエンジン1が配置され、かつ、トランスファ出力軸25が、車体幅方向に延びるサスペンションクロスメンバ51上で車体幅方向に延びるステアリングラック50のの上方に位置していることにより、冷却風による冷却があまり期待できないような場合に、大きな効果を発揮する。
【0039】
また、駆動ギヤ23の下方に、所定量の潤滑油を貯溜可能なオイルパン90を、トランスファケース21の下部から下方に突出させて設けたことにより、ケース内の容積、歯車の数や大きさ、限界油温等に応じて定まる所要の潤滑油量のうち、所定量の潤滑油はオイルパン90内に貯溜されることとなるから、トランスファケース21の下部から下方に突出させて設けられたオイルパン90がない場合と比較して、トランスファケース21内に貯溜された潤滑油の上面が低下することとなる。すなわち、トランスファケース21内に収容された駆動ギヤ23等の歯車が潤滑油に浸る深さが減少して攪拌抵抗が減少し、潤滑油の温度上昇が抑制される。換言すれば、潤滑油による冷却効果の向上にさらに寄与する。
【0040】
一方、オイルポンプ80の作動時も、潤滑油がトランスファケース21内で循環して拡散している状態にあるから、潤滑油の上面が低下することとなるが、オイルパン90が低い位置に設けられているから油面が低下している状態においても確実に潤滑油を吸入することができる。言い換えれば、潤滑油が少量でもオイルパン90に溜まっている状態であれば、潤滑油をトランスファケース21内に循環させることができるから、トランスファケース21内の容積から必要となる潤滑油量を減少させることができ、この結果、前述のように、駆動ギヤ23が潤滑油に浸る深さが減少して攪拌抵抗が減少し、潤滑油の温度上昇が抑制される。
【0041】
加えて、オイルクーラ70の近傍に油溜め114aを設けたことにより潤滑経路の途中でも潤滑油が貯溜され、オイルパン90同様、潤滑油面の上面を低下させる効果が得られる。また、油溜め114aとで潤滑油の上面を更に低下させることができ、一層、潤滑油の攪拌抵抗を減少させて冷却効果を向上させることができる。
【0042】
ところで、前述したように周囲の熱環境が厳しい場合においては、オイルクーラが空冷式のものだと潤滑油を十分に冷却することができないが、本実施の形態においては、オイルクーラ70を水冷式のものにしたから、周囲の熱環境が厳しい場合においても、潤滑油を効果的に冷却することができる。
【0043】
また、本実施の形態においては、アイドル軸24の回転によってオイルポンプ80が駆動されるから、オイルポンプ80に動力を伝達するためのギヤ列やこのギヤ列を支持するための軸類等の部材を新たに設ける必要がない。
【0044】
また、アイドル軸24にはトランスファ入力軸22の回転が増速して伝達されるから、オイルポンプ80の回転が高速になってポンプ能力が向上する。すなわち、オイルポンプ80を大型化させることなく、所要の吐出量を確保することができ、トランスファ出力軸25の軸受部29,30等を良好に潤滑することができる。また、十分な量の潤滑油をオイルクーラ70に供給することができ、潤滑油を効果的に冷却することができる。
【0045】
また、トランスファ入力軸22に動力が入力されているときには、トランスファ入力軸22の回転によりアイドル軸24が常に駆動され、オイルポンプ80が常に作動することとなる。また、前述のようにアイドル軸24にはトランスファ入力軸22の回転が増速して伝達されるから、該トランスファ入力軸22の回転が低いときからオイルポンプ80が効果的に作動することとなる。
【0046】
加えて、アイドル軸24の回転をオイルポンプ80に伝達する回転軸81がトランスファ入力軸22より細くされているから、該トランスファ入力軸22をオイルポンプ80にそのまま連結するときよりもオイルポンプ80を小型化することができる。
【0047】
また、オイルポンプ80からオイルクーラ70に潤滑油を供給する油路を、第1,第2パイプ部材111,112を用いて構成し、これらのパイプ部材111,112をトランスファケース21内の空間に配設したから、ケース21の外に設けた場合と比較して、例えばエンジン補機等の周辺に配設された機器類に干渉することがなくなり、周辺機器類のレイアウトの自由度が増す。また、周辺機器類が高温となるようなものである場合、それらからの熱の影響を受けにくくなる。
【0048】
なお、上記実施の形態においては、トランスファ入力軸22の回転を、駆動ギヤ23と従動ギヤ26とでアイドル軸24に増速して伝達するようにしたが、アイドル軸をトランスファ入力軸22に直交するように配置すると共に、これらの間にトランスファ入力軸の回転をアイドル軸に増速して伝達する傘歯車セットを設け、該アイドル軸の一端側にオイルポンプを設けてもよい。
【0049】
また、オイルポンプ80には、回転軸81に代えてアイドル軸24の先端を細くして直接嵌め込むようにしてもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、オイルクーラを、加熱しやすい出力軸の軸受部の直上に設けたから、オイルクーラと出力軸の軸受部との距離が短縮され、この結果、オイルクーラで冷却された潤滑油を、ほぼ冷却された状態のまま出力軸の軸受部に供給することができ、該軸受部及びその近傍を潤滑油により効果的に冷却することができる。特に、本発明では、出力軸の軸受部を潤滑油によって冷却するようにしたから、前方にエンジンが配置され、かつ、出力軸が車体幅方向に配設されたサスクロスメンバ上で車体幅方向に延びるステアリング部材の上方に位置するように配置されていることにより、冷却風による冷却があまり期待できないような場合に、大きな効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る4輪駆動装置の機械的構成(動力伝達経路)の骨子図である。
【図2】同4輪駆動装置のフロントデフ及びトランスファ周辺の断面図である。
【図3】同4輪駆動装置の車体前部へのレイアウト図である。
【図4】同4輪駆動装置周辺の斜視図である。
【図5】同4輪駆動装置の一部破断側面図である。
【図6】同4輪駆動装置に設けられたオイルポンプの断面図である。
【図7】図6のC−C線による矢視図である。
【符号の説明】
1     エンジン
20    トランスファケース(ケース)
22    トランスファ入力軸(入力軸)
23    駆動ギヤ(入力ギヤ)
24    アイドル軸
25    トランスファ出力軸(出力軸)
26    従動ギヤ
27,28 ハイポイド型リングギヤ、ハイポイド型ピニオンギヤ(傘歯車機構)
29,30 軸受部
50    ステアリングラック(ステアリング部材)
51    サスクロスメンバ
70    オイルクーラ
80    オイルポンプ
81    回転軸
90    オイルパン(入力ギヤの下方に設けられた所定量の潤滑油を貯溜可能な油溜め)
100   第1油路
110   第2油路
111   第1パイプ、第2パイプ
114a  油溜め(オイルクーラの近傍位置に設けられた所定量の潤滑油を貯溜可能な油溜め)

Claims (4)

  1. 車体幅方向に配置されて前方のエンジンからの動力が入力される入力軸と、該入力軸に直交して車体後方に延びる出力軸と、これら両軸の間に介設された傘歯車機構と、該傘歯車機構を収容すると共に上記出力軸を支持する軸受部が設けられたケースとを有すると共に、上記出力軸が車体幅方向に配設されたサスクロスメンバ上で車体幅方向に延びるステアリング部材の上方に位置するように配置され、かつ上記ケース底部に貯溜された潤滑油をオイルクーラを介して上記出力軸の軸受部に供給するオイルポンプが備えられた四輪駆動車の駆動装置であって、上記オイルクーラが、上記ケースにおける出力軸の軸受部の直上方位置に設置されていることを特徴とする四輪駆動車の駆動装置。
  2. 入力軸に設けられた入力ギヤの下方に、所定量の潤滑油を貯溜可能な油溜めが、ケースの下部から下方に突出させて設けられ、オイルポンプは該油溜めから潤滑油を吸入することを特徴とする請求項1に記載の四輪駆動車の駆動装置。
  3. オイルポンプからオイルクーラを経て軸受部に潤滑油を供給する潤滑経路のオイルクーラの近傍位置に、所定量の潤滑油を貯溜可能な油溜めが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の四輪駆動車の駆動装置。
  4. オイルクーラは、冷却水を冷媒とする水冷式のものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の四輪駆動車の駆動装置。
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