JP2004036834A - 配管支持構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】配管支持構造において、配管の下に摩擦係数が小さくかつ耐磨耗性のある支持部材を敷設することにより、配管を確実に防食する。
【解決手段】配管支持構造は、細長い鋼管であって内部に水、ガス、石油などの流体を流通させる配管10を所定間隔にて配置された複数の取付基材24に載置して支持するものである。支持部材30は、配管10の下に敷設されて配管10を支持する支持部31と支持部31の両側に設けられて取付基材24に取付固定される固定部32とからなる。支持部材30は、摩擦係数が小さくかつ耐磨耗性のある材料で一体的に形成されている。
【選択図】 図2
【解決手段】配管支持構造は、細長い鋼管であって内部に水、ガス、石油などの流体を流通させる配管10を所定間隔にて配置された複数の取付基材24に載置して支持するものである。支持部材30は、配管10の下に敷設されて配管10を支持する支持部31と支持部31の両側に設けられて取付基材24に取付固定される固定部32とからなる。支持部材30は、摩擦係数が小さくかつ耐磨耗性のある材料で一体的に形成されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、細長い鋼管を所定間隔にて配置された複数の取付基材に載置して支持する配管支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の配管支持構造としては、細長い鋼管であって内部に水、ガス、石油などの流体を流通させる配管を所定間隔にて配置された複数の取付基材に架設させるものが知られていた。この取付基材は一般的に配管と同様に鋼材などの金属材で形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような配管支持構造においては、細長い配管が熱膨張によって軸方向に収縮する。5〜6mの長さの配管においては、その収縮量は最大で20〜25cmとなる。かかる配管の収縮による配管と取付基材の接触部分の磨耗によって配管が擦れて傷つきそこから錆びその結果配管に穴が開くという問題があった。
【0004】
そこで、本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、配管の下に摩擦係数が小さくかつ耐磨耗性のある支持部材を敷設することにより、配管を確実に防食することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、細長い鋼管であって内部に水、ガス、石油などの流体を流通させる配管を所定間隔にて配置された複数の取付基材に載置して支持する配管支持構造において、配管の下に敷設されて該配管を支持する支持部と該支持部の両側に設けられて取付基材に取付固定される固定部とからなり摩擦係数が小さくかつ耐磨耗性のある材料で一体的に形成された支持部材によって配管を取付基材に支持したことである。
【0006】
また、請求項2に係る発明の構成上の特徴は、取付基材を超高分子ポリエチレン材で形成したことである。
【0007】
また、請求項3に係る発明の構成上の特徴は、支持部材の支持部上面に配管の長手方向に沿って延在する断面円弧状の係合溝を設けて該係合溝に配管を係合させたことである。
【0008】
また、請求項4に係る発明の構成上の特徴は、係合溝は中心角が30°から100°となるように形成されたことである。
【0009】
また、請求項5に係る発明の構成上の特徴は、配管の支持部材と当接する部分に錆びにくくかつ摩擦係数の小さい金属製の薄板を巻いたことである。
【0010】
また、請求項6に係る発明の構成上の特徴は、下向きに開放されたU字状の押さえ部材によって配管が上方からクランプされて支持部材に取り付けられて保持されたことである。
【0011】
【発明の作用・効果】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、細長い配管が熱膨張によって軸方向に収縮する際には、摩擦係数の小さい支持部材の支持部に支持された配管は支持部上をスムーズに移動するので、配管との摩擦によって配管に傷が生じることはない。したがって、確実に配管を防食することができる。また、取付基材に対して配管の軸方向に無理な力が加わるのを防止することができる。また、支持部材は耐摩耗性が高いため、配管との摩擦によって支持部材が磨耗するのを防ぐことができるので、支持部材の交換頻度を少なく抑えてメンテナンスフリーとすることができる。
【0012】
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、支持部材を超高分子ポリエチレン材で形成したので、上記作用・効果に加えて支持部材を軽量化することができる。
【0013】
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、支持部材の支持部上面に配管の長手方向に沿って延在する断面円弧状の係合溝を設けて該係合溝に配管を係合させたので、配管を支持部材上に安定性よく載置することができる。したがって、配管を取付基材上に安定性よく載置することができる。
【0014】
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、係合溝を中心角が30°から100°となるように形成したので、中心角を小さくすれば係合溝が浅くなり支持部材も薄く形成できるので低コストにて製造でき、一方中心角を大きくすれば係合溝が深くなって支持部材が厚くなり高コストになるものの係合溝からは外れにくくなるので耐震性を向上できる。したがって、コストおよび耐震性の両観点から要請に応じたバランスのよい支持部材を提供することができる。
【0015】
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、配管の支持部材と当接する部分に錆びにくくかつ摩擦係数の小さい金属製の薄板を巻いたので、配管の磨耗をより確実に防ぐことができ、また、支持部材の支持部上に支持された配管をよりスムーズに移動させることができる。
【0016】
上記のように構成した請求項6に係る発明においては、下向きに開放されたU字状の押さえ部材によって配管が上方からクランプされて支持部材に取り付けられて保持されるので、確実に配管を取付基材に支持することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による配管支持構造の一実施の形態を適用して配管を橋に装架した場合について説明する。図1はこの配管支持構造により配管を装架した橋の側面を示し、図2は配管支持構造の断面を示している。
【0018】
配管10が装架された橋20は、図1に示すように、上面に道路21を設けた橋桁22を備えている。橋桁22の下部には道路21に対して平行な床板23が橋桁22の全長に渡って設けられており、この床板23上には複数の取付基材24が所定間隔にて設けられている。この取付基材24は上面に配管10を載置されるものであって、配管10の長手方向と直交する方向に延在されたものである。これにより、配管10は所定間隔にて配置された複数の取付基材24に載置されて橋桁22に支持される。
【0019】
なお、この取付基材24は床面23に取付固定されたり、床面23および橋桁22に取付固定されたり、橋桁22に取付固定されたりするものである。また、橋20には手すり25が設けられている。
【0020】
配管10は、細長い鋼管であって内部に水、ガス、石油などの流体を流通させるものである。なお、配管10の外周壁面には、幾重にも保護層(図示省略)が形成されている。例えば、内側から順番に第1下塗り層、第2下塗り層、防食テープ層、中塗り層、第1フッ素塗布層、および第2フッ素塗布層が形成されている。
【0021】
この配管10の下には、主として図1に示すように、支持部材30が敷設されている。この支持部材30は、図2(a)(b)に示すように、細長い板状に形成されたものであり、配管10の下に敷設されて配管10を支持する支持部31と、この支持部31の両側に設けられて取付基材24に取付固定される固定部32とからなっている。支持部材30はナットとボルトにより取付基材24に螺着され螺着された支持部材30上に配管10が載置されることにより、配管10が支持部材30を介して取付基材24に支持される。
【0022】
かかる支持部材30は摩擦係数が小さくかつ耐磨耗性のある材料(例えば、超高分子ポリエチレン材)で板状に形成されたものである。したがって、細長い配管10が熱膨張によって軸方向に収縮することにより、あるいは振動により移動する際には、支持部材30の支持部31に支持された配管10は支持部31上をスムーズに移動するので、配管10との摩擦によって配管10に傷が生じることはない。したがって、確実に配管10を防食することができる。また、取付基材24に対して配管10の軸方向に無理な力が加わるのを防止することができる。また、支持部材30は耐摩耗性が高いため、配管10との摩擦によって支持部材30が磨耗するのを防ぐことができるので、支持部材30の交換頻度を少なく抑えてメンテナンスフリーとすることができる。また、超高分子ポリエチレンは比重が約0.94g/cm3と小さいので支持部材30を金属で形成した場合と比較して軽量化することができる。
【0023】
なお、超高分子ポリエチレンは、エチレンを直鎖状に重合したもので、下記化1に示す分子構造をしており、非常に分子量の大きなポリエチレン樹脂である。本実施例では分子量は450〜570万のものを使用している。また、本実施例では摩擦係数は0.10〜0.20のものである。
【0024】
【化1】
【0025】
また、超高分子ポリエチレン材以外の材料としては、硬質ウレタン樹脂、ポリアセタール樹脂、フッ素系樹脂、シリコン樹脂等の材料などが好ましい。
【0026】
なお、上述した支持部材30は上面が平面となっていたが、図3(a)(b)に示すように、支持部材30の支持部31上面に配管10の長手方向に沿って延在する断面円弧状の係合溝31aを設けてこの係合溝31aに配管10を係合させるようにするのが好ましい。これによれば、配管10を支持部材30上に安定性よく載置することができる。したがって、配管10を取付基材24上に安定性よく載置することができる。
【0027】
この場合、支持部材30は摩擦係数が小さくかつ耐磨耗性のある材料(例えば、超高分子ポリエチレン材)で一体成形されたものである。図2に示した係合溝を形成しない場合より板厚の板部材を切削して形成されたものである。このとき、係合溝31aは中心角が30°から100°となるように形成されることが好ましい。これによれば、係合溝31aの中心角を小さくすれば係合溝31aが浅くなり(図3(a)参照)支持部材30も薄く形成できるので低コストにて製造でき、一方中心角を大きくすれば係合溝31aが深くなって(図3(b)参照)支持部材30が厚くなり高コストになるものの係合溝31aからは外れにくくなるので耐震性を向上させることができる。したがって、コストおよび耐震性の両観点からの要請に応じたバランスのよい支持部材30を提供することができる。
【0028】
また、上述した配管10には、図4(a)(b)に示すように、配管10の支持部材30と当接する部分に錆びにくくかつ摩擦係数の小さい金属製(例えばステンレス製)の薄板11をステンレス製のバンド(図示省略)によって巻きつけ固定することが好ましい。このとき、緩衝保護材として先に薄いゴムシート(図示省略)を巻きつけてこのゴムシートを覆うように金属製の薄板11を巻きつけるとよい。これによれば、金属製の薄板11によって配管10の磨耗を確実に防ぐことができる。また、細長い配管10が熱膨張によって軸方向に収縮することにより、あるいは振動により移動する際には、支持部材30の支持部31上に支持された配管10がよりスムーズに移動することができる。
【0029】
なお、金属製の薄板11の幅は取付基材24の幅より広く、かつ配管の熱膨張による収縮量を考慮した値に設定するのが望ましい。また、金属製の薄板11を巻きつけた配管10も、図4(a)(b)に示すように、支持部材30の支持部31上面に設けた断面円弧状の係合溝31aに係合させるようにするのが好ましい。これによっても上述と同様にコストおよび耐震性の両観点からの要請に応じたバランスのよい支持部材30を提供することができる。
【0030】
また、図5に示すように、下向きに開放されたU字状の押さえ部材41によって配管10を上方からクランプして支持部材30に取り付けるようにしてもよい。この場合、押さえ部材41は円柱棒状部材をU字状に曲げて形成されたものであり、押さえ部材41の両下端部は支持部材30および取付基材24を貫通してナット42によって取付基材24に取り付け固定され、押さえ部材41は配管10と支持部材24を取付基材24に取り付け固定している。また、ナット43によって支持部材30を確実に取付基材24に取り付け固定している。これにより、配管10が支持部材30に取り付けられて保持されるので、確実に配管10を取付基材24に支持することができる。
【0031】
また、上述した配管支持構造の中から適当なものを選択し組み合わせて配管10を取付基材24に支持するようにしてもよい。例えば、図1に示すように、係合溝31aのない支持部材30に押さえ部材41をよって配管10を支持し(A)、次に係合溝31aのない支持部材30のみで支持し(B)、次に深い係合溝31aの支持部材30のみで支持し(C)、次に係合溝31aのない支持部材30のみで支持し(D)、そして、係合溝31aのない支持部材30に押さえ部材41をよって配管10を支持する(E)。これによれば、係合溝のないまたは浅い係合溝であるコストのかからない支持部材30を多数使用するので、全体的にコストを下げることができる。一方、必要な箇所に深い係合溝の支持部材30を配置したり押さえ部材41をもうけたりするので、耐震性を高く維持することができる。したがって、したがって、コストおよび耐震性の両観点からバランスのよい配管支持構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る配管支持構造の一実施の形態を適用して配管を装架した橋を示す側面図である。
【図2】(a)は図1に示す配管支持構造の断面図であり、(b)は上面図である。
【図3】(a)は係合溝の中心角が30°である支持部材を示す断面図であり、(b)は係合溝の中心角が100°である支持部材を示す断面図である。
【図4】(a)はステンレス製の薄板を巻いた配管を係合溝のない支持部材に設置したものを示す断面図であり、(b)はステンレス製の薄板を巻いた配管を係合溝を設けた支持部材に設置したものを示す断面図である。
【図5】ステンレス製の薄板を巻いた配管を係合溝を設けた支持部材に設置し押さえ部材によって取り付けたものを示す断面図である。
【符号の説明】
10…配管、11…金属製の薄板、20…橋、21…道路、22…橋桁、23…床板、24…取付基材、25…手すり、30…支持部材、31…支持部、31a…係合溝、32…固定部、41…押さえ部材、42,43…ナット。
【発明の属する技術分野】
本発明は、細長い鋼管を所定間隔にて配置された複数の取付基材に載置して支持する配管支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の配管支持構造としては、細長い鋼管であって内部に水、ガス、石油などの流体を流通させる配管を所定間隔にて配置された複数の取付基材に架設させるものが知られていた。この取付基材は一般的に配管と同様に鋼材などの金属材で形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような配管支持構造においては、細長い配管が熱膨張によって軸方向に収縮する。5〜6mの長さの配管においては、その収縮量は最大で20〜25cmとなる。かかる配管の収縮による配管と取付基材の接触部分の磨耗によって配管が擦れて傷つきそこから錆びその結果配管に穴が開くという問題があった。
【0004】
そこで、本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、配管の下に摩擦係数が小さくかつ耐磨耗性のある支持部材を敷設することにより、配管を確実に防食することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、細長い鋼管であって内部に水、ガス、石油などの流体を流通させる配管を所定間隔にて配置された複数の取付基材に載置して支持する配管支持構造において、配管の下に敷設されて該配管を支持する支持部と該支持部の両側に設けられて取付基材に取付固定される固定部とからなり摩擦係数が小さくかつ耐磨耗性のある材料で一体的に形成された支持部材によって配管を取付基材に支持したことである。
【0006】
また、請求項2に係る発明の構成上の特徴は、取付基材を超高分子ポリエチレン材で形成したことである。
【0007】
また、請求項3に係る発明の構成上の特徴は、支持部材の支持部上面に配管の長手方向に沿って延在する断面円弧状の係合溝を設けて該係合溝に配管を係合させたことである。
【0008】
また、請求項4に係る発明の構成上の特徴は、係合溝は中心角が30°から100°となるように形成されたことである。
【0009】
また、請求項5に係る発明の構成上の特徴は、配管の支持部材と当接する部分に錆びにくくかつ摩擦係数の小さい金属製の薄板を巻いたことである。
【0010】
また、請求項6に係る発明の構成上の特徴は、下向きに開放されたU字状の押さえ部材によって配管が上方からクランプされて支持部材に取り付けられて保持されたことである。
【0011】
【発明の作用・効果】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、細長い配管が熱膨張によって軸方向に収縮する際には、摩擦係数の小さい支持部材の支持部に支持された配管は支持部上をスムーズに移動するので、配管との摩擦によって配管に傷が生じることはない。したがって、確実に配管を防食することができる。また、取付基材に対して配管の軸方向に無理な力が加わるのを防止することができる。また、支持部材は耐摩耗性が高いため、配管との摩擦によって支持部材が磨耗するのを防ぐことができるので、支持部材の交換頻度を少なく抑えてメンテナンスフリーとすることができる。
【0012】
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、支持部材を超高分子ポリエチレン材で形成したので、上記作用・効果に加えて支持部材を軽量化することができる。
【0013】
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、支持部材の支持部上面に配管の長手方向に沿って延在する断面円弧状の係合溝を設けて該係合溝に配管を係合させたので、配管を支持部材上に安定性よく載置することができる。したがって、配管を取付基材上に安定性よく載置することができる。
【0014】
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、係合溝を中心角が30°から100°となるように形成したので、中心角を小さくすれば係合溝が浅くなり支持部材も薄く形成できるので低コストにて製造でき、一方中心角を大きくすれば係合溝が深くなって支持部材が厚くなり高コストになるものの係合溝からは外れにくくなるので耐震性を向上できる。したがって、コストおよび耐震性の両観点から要請に応じたバランスのよい支持部材を提供することができる。
【0015】
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、配管の支持部材と当接する部分に錆びにくくかつ摩擦係数の小さい金属製の薄板を巻いたので、配管の磨耗をより確実に防ぐことができ、また、支持部材の支持部上に支持された配管をよりスムーズに移動させることができる。
【0016】
上記のように構成した請求項6に係る発明においては、下向きに開放されたU字状の押さえ部材によって配管が上方からクランプされて支持部材に取り付けられて保持されるので、確実に配管を取付基材に支持することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による配管支持構造の一実施の形態を適用して配管を橋に装架した場合について説明する。図1はこの配管支持構造により配管を装架した橋の側面を示し、図2は配管支持構造の断面を示している。
【0018】
配管10が装架された橋20は、図1に示すように、上面に道路21を設けた橋桁22を備えている。橋桁22の下部には道路21に対して平行な床板23が橋桁22の全長に渡って設けられており、この床板23上には複数の取付基材24が所定間隔にて設けられている。この取付基材24は上面に配管10を載置されるものであって、配管10の長手方向と直交する方向に延在されたものである。これにより、配管10は所定間隔にて配置された複数の取付基材24に載置されて橋桁22に支持される。
【0019】
なお、この取付基材24は床面23に取付固定されたり、床面23および橋桁22に取付固定されたり、橋桁22に取付固定されたりするものである。また、橋20には手すり25が設けられている。
【0020】
配管10は、細長い鋼管であって内部に水、ガス、石油などの流体を流通させるものである。なお、配管10の外周壁面には、幾重にも保護層(図示省略)が形成されている。例えば、内側から順番に第1下塗り層、第2下塗り層、防食テープ層、中塗り層、第1フッ素塗布層、および第2フッ素塗布層が形成されている。
【0021】
この配管10の下には、主として図1に示すように、支持部材30が敷設されている。この支持部材30は、図2(a)(b)に示すように、細長い板状に形成されたものであり、配管10の下に敷設されて配管10を支持する支持部31と、この支持部31の両側に設けられて取付基材24に取付固定される固定部32とからなっている。支持部材30はナットとボルトにより取付基材24に螺着され螺着された支持部材30上に配管10が載置されることにより、配管10が支持部材30を介して取付基材24に支持される。
【0022】
かかる支持部材30は摩擦係数が小さくかつ耐磨耗性のある材料(例えば、超高分子ポリエチレン材)で板状に形成されたものである。したがって、細長い配管10が熱膨張によって軸方向に収縮することにより、あるいは振動により移動する際には、支持部材30の支持部31に支持された配管10は支持部31上をスムーズに移動するので、配管10との摩擦によって配管10に傷が生じることはない。したがって、確実に配管10を防食することができる。また、取付基材24に対して配管10の軸方向に無理な力が加わるのを防止することができる。また、支持部材30は耐摩耗性が高いため、配管10との摩擦によって支持部材30が磨耗するのを防ぐことができるので、支持部材30の交換頻度を少なく抑えてメンテナンスフリーとすることができる。また、超高分子ポリエチレンは比重が約0.94g/cm3と小さいので支持部材30を金属で形成した場合と比較して軽量化することができる。
【0023】
なお、超高分子ポリエチレンは、エチレンを直鎖状に重合したもので、下記化1に示す分子構造をしており、非常に分子量の大きなポリエチレン樹脂である。本実施例では分子量は450〜570万のものを使用している。また、本実施例では摩擦係数は0.10〜0.20のものである。
【0024】
【化1】
【0025】
また、超高分子ポリエチレン材以外の材料としては、硬質ウレタン樹脂、ポリアセタール樹脂、フッ素系樹脂、シリコン樹脂等の材料などが好ましい。
【0026】
なお、上述した支持部材30は上面が平面となっていたが、図3(a)(b)に示すように、支持部材30の支持部31上面に配管10の長手方向に沿って延在する断面円弧状の係合溝31aを設けてこの係合溝31aに配管10を係合させるようにするのが好ましい。これによれば、配管10を支持部材30上に安定性よく載置することができる。したがって、配管10を取付基材24上に安定性よく載置することができる。
【0027】
この場合、支持部材30は摩擦係数が小さくかつ耐磨耗性のある材料(例えば、超高分子ポリエチレン材)で一体成形されたものである。図2に示した係合溝を形成しない場合より板厚の板部材を切削して形成されたものである。このとき、係合溝31aは中心角が30°から100°となるように形成されることが好ましい。これによれば、係合溝31aの中心角を小さくすれば係合溝31aが浅くなり(図3(a)参照)支持部材30も薄く形成できるので低コストにて製造でき、一方中心角を大きくすれば係合溝31aが深くなって(図3(b)参照)支持部材30が厚くなり高コストになるものの係合溝31aからは外れにくくなるので耐震性を向上させることができる。したがって、コストおよび耐震性の両観点からの要請に応じたバランスのよい支持部材30を提供することができる。
【0028】
また、上述した配管10には、図4(a)(b)に示すように、配管10の支持部材30と当接する部分に錆びにくくかつ摩擦係数の小さい金属製(例えばステンレス製)の薄板11をステンレス製のバンド(図示省略)によって巻きつけ固定することが好ましい。このとき、緩衝保護材として先に薄いゴムシート(図示省略)を巻きつけてこのゴムシートを覆うように金属製の薄板11を巻きつけるとよい。これによれば、金属製の薄板11によって配管10の磨耗を確実に防ぐことができる。また、細長い配管10が熱膨張によって軸方向に収縮することにより、あるいは振動により移動する際には、支持部材30の支持部31上に支持された配管10がよりスムーズに移動することができる。
【0029】
なお、金属製の薄板11の幅は取付基材24の幅より広く、かつ配管の熱膨張による収縮量を考慮した値に設定するのが望ましい。また、金属製の薄板11を巻きつけた配管10も、図4(a)(b)に示すように、支持部材30の支持部31上面に設けた断面円弧状の係合溝31aに係合させるようにするのが好ましい。これによっても上述と同様にコストおよび耐震性の両観点からの要請に応じたバランスのよい支持部材30を提供することができる。
【0030】
また、図5に示すように、下向きに開放されたU字状の押さえ部材41によって配管10を上方からクランプして支持部材30に取り付けるようにしてもよい。この場合、押さえ部材41は円柱棒状部材をU字状に曲げて形成されたものであり、押さえ部材41の両下端部は支持部材30および取付基材24を貫通してナット42によって取付基材24に取り付け固定され、押さえ部材41は配管10と支持部材24を取付基材24に取り付け固定している。また、ナット43によって支持部材30を確実に取付基材24に取り付け固定している。これにより、配管10が支持部材30に取り付けられて保持されるので、確実に配管10を取付基材24に支持することができる。
【0031】
また、上述した配管支持構造の中から適当なものを選択し組み合わせて配管10を取付基材24に支持するようにしてもよい。例えば、図1に示すように、係合溝31aのない支持部材30に押さえ部材41をよって配管10を支持し(A)、次に係合溝31aのない支持部材30のみで支持し(B)、次に深い係合溝31aの支持部材30のみで支持し(C)、次に係合溝31aのない支持部材30のみで支持し(D)、そして、係合溝31aのない支持部材30に押さえ部材41をよって配管10を支持する(E)。これによれば、係合溝のないまたは浅い係合溝であるコストのかからない支持部材30を多数使用するので、全体的にコストを下げることができる。一方、必要な箇所に深い係合溝の支持部材30を配置したり押さえ部材41をもうけたりするので、耐震性を高く維持することができる。したがって、したがって、コストおよび耐震性の両観点からバランスのよい配管支持構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る配管支持構造の一実施の形態を適用して配管を装架した橋を示す側面図である。
【図2】(a)は図1に示す配管支持構造の断面図であり、(b)は上面図である。
【図3】(a)は係合溝の中心角が30°である支持部材を示す断面図であり、(b)は係合溝の中心角が100°である支持部材を示す断面図である。
【図4】(a)はステンレス製の薄板を巻いた配管を係合溝のない支持部材に設置したものを示す断面図であり、(b)はステンレス製の薄板を巻いた配管を係合溝を設けた支持部材に設置したものを示す断面図である。
【図5】ステンレス製の薄板を巻いた配管を係合溝を設けた支持部材に設置し押さえ部材によって取り付けたものを示す断面図である。
【符号の説明】
10…配管、11…金属製の薄板、20…橋、21…道路、22…橋桁、23…床板、24…取付基材、25…手すり、30…支持部材、31…支持部、31a…係合溝、32…固定部、41…押さえ部材、42,43…ナット。
Claims (6)
- 細長い鋼管であって内部に水、ガス、石油などの流体を流通させる配管を所定間隔にて配置された複数の取付基材に載置して支持する配管支持構造において、
前記配管の下に敷設されて該配管を支持する支持部と該支持部の両側に設けられて前記取付基材に取付固定される固定部とからなり摩擦係数が小さくかつ耐磨耗性のある材料で一体的に形成された支持部材によって前記配管を前記取付基材に支持したことを特徴とする配管支持構造。 - 前記支持部材を超高分子ポリエチレン材で形成したことを特徴とする請求項1に記載の配管支持構造。
- 前記支持部材の支持部上面に前記配管の長手方向に沿って延在する断面円弧状の係合溝を設けて該係合溝に前記配管を係合させたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の配管支持構造。
- 前記係合溝は中心角が30°から100°となるように形成されたことを特徴とする請求項3に記載の配管支持構造。
- 前記配管の支持部材と当接する部分に錆びにくくかつ摩擦係数の小さい金属製の薄板を巻いたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の配管支持構造。
- 下向きに開放されたU字状の押さえ部材によって前記配管が上方からクランプされて前記支持部材に取り付けられて保持されたことを特徴とする請求項5に記載の配管支持構造。
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JP2008128326A (ja) * | 2006-11-20 | 2008-06-05 | Mesco Inc | 空気弁固定構造 |
JP2020125798A (ja) * | 2019-02-04 | 2020-08-20 | 住友金属鉱山株式会社 | メタノール送液用配管支持部材 |
-
2002
- 2002-07-05 JP JP2002197501A patent/JP2004036834A/ja active Pending
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