JP2004036573A - 電力・冷熱供給コンバインドシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】建設費用が低減され、設備効率の高い電力・冷熱供給コンバインドシステムを提供する。
【解決手段】蒸気発生器4で発生した水蒸気によって水蒸気タービン5を駆動して発電を行い水蒸気タービン駆動後の水蒸気を復水器7によって復水して循環させる水蒸気発電システム1と、前記水蒸気発電システム1の復水器7に接続されて水よりも沸点の低い媒体を必須成分とし複数種類の媒体からなる混合媒体の濃度分離によって前記水蒸気発電システム1の廃熱を回収し混合媒体タービン11を駆動して発電し発電後の混合媒体蒸気をエジェクター式混合吸収凝縮器13によって復液させるとともに前記復液の一部分を前記エジェクター式混合吸収凝縮器13の駆動流体として用いる混合媒体発電システム2と、前記水蒸気発電システム1から水蒸気を供給されて混合媒体を濃度分離し断熱膨張させて冷媒を冷却する吸収冷凍システム3とを備えた構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】蒸気発生器4で発生した水蒸気によって水蒸気タービン5を駆動して発電を行い水蒸気タービン駆動後の水蒸気を復水器7によって復水して循環させる水蒸気発電システム1と、前記水蒸気発電システム1の復水器7に接続されて水よりも沸点の低い媒体を必須成分とし複数種類の媒体からなる混合媒体の濃度分離によって前記水蒸気発電システム1の廃熱を回収し混合媒体タービン11を駆動して発電し発電後の混合媒体蒸気をエジェクター式混合吸収凝縮器13によって復液させるとともに前記復液の一部分を前記エジェクター式混合吸収凝縮器13の駆動流体として用いる混合媒体発電システム2と、前記水蒸気発電システム1から水蒸気を供給されて混合媒体を濃度分離し断熱膨張させて冷媒を冷却する吸収冷凍システム3とを備えた構成とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水蒸気を作動媒体とする水蒸気発電システムで生成した水蒸気を分岐してアンモニア水溶液等を作動媒体とする吸収式冷凍システムに導いて冷媒を生成するとともに、前記水蒸気発電システムの発電機を駆動するタービンの排気蒸気を水・アンモニア等の混合媒体を作動媒体とする混合媒体発電システムに導いて発電を行う電力・冷熱供給コンバインドシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電プラントは、発電コストが安いのでベースロード運用が行われている。電力需要には日負荷変動があるのでピーク電力需要に対しては水力発電と石油火力発電プラントが用いられている。水力発電の場合には遠隔立地で、建設時の環境破壊、建設期間が長い等の問題があり、石油火力発電の場合には炭酸ガス排出による地球温暖化の問題がある。
【0003】
そこで原子力発電プラントの特長を生かしながら日負荷変動に対応するために、製造した蒸気を貯蔵し、ピーク電力需要に対して貯蔵蒸気で発電するシステムが検討されている。夜間の10時間に20%の発電量を削減する蒸気量を抽気して貯蔵し、昼間の7時間に20%の追加発電を行うことで負荷変動対応が可能となり、揚水発電所並みの貯蔵発電効率(72.6%)が得られると評価されている。110万kW級の原子力発電プラントの場合、4040m3の貯蔵容器21基を114m×54mの敷地に設置することになる。その時の容器の内径は11.5mで、高さは44.2mである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の火力発電システムや原子力発電システムにおいては水のランキングサイクルが採用されているために、常温近辺で蒸気圧が零近くになり熱回収が困難になってくる。太平洋岸の200メートル以深の海には7℃程度の海洋深層水と称される低温の海水が存在するが、この低温の海水を復水器の冷却に用いても水の蒸気圧が低過ぎるために熱回収ができず、発電効率を向上することができない。また、外気温度が零度以下になる地域や季節においてもこの冷熱を回収して電力に変換することができない。
そこで本発明は、建設費用が低減され、設備効率の高い電力・冷熱供給コンバインドシステムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明の電力・冷熱供給コンバインドシステムは、蒸気発生器で発生した水蒸気によって水蒸気タービンを駆動して発電を行い水蒸気タービン駆動後の水蒸気を復水器によって復水して循環させる水蒸気発電システムと、前記水蒸気発電システムの復水器に接続されて水よりも沸点の低い媒体を必須成分とし複数種類の媒体からなる混合媒体の濃度分離によって前記水蒸気発電システムの廃熱を回収し混合媒体タービンを駆動して発電し発電後の混合媒体蒸気をエジェクター式混合吸収凝縮器によって復液させるとともに前記復液の一部分を前記エジェクター式混合吸収凝縮器の駆動流体として用いる混合媒体発電システムと、前記水蒸気発電システムから水蒸気を供給されて混合媒体を濃度分離し断熱膨張させて冷媒を冷却する吸収式冷凍システムとを備えた構成とする。
【0006】
請求項2の発明は、前記吸収式冷凍システムはエジェクター式混合吸収凝縮器を備え、冷媒を冷却した後の混合媒体蒸気を前記エジェクター式混合吸収凝縮器によって復液させるとともにこの復液の一部分を前記エジェクター式混合吸収凝縮器の駆動流体として用いる構成とする。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記水蒸気発電システムは復水器の代りに、ハウジング部とノズル部と熱交換部室を有するエジェクター式混合吸収凝縮器を備え、前記ハウジング部に水蒸気タービン排気が流入し、前記ノズル部に前記吸収式冷凍システムから戻った蒸気と循環ポンプで加圧された復水の分岐した一部とが流入し、前記ハウジング部に流入した蒸気を吸引して混合吸収しながら前記熱交換部室に流入して前記混合媒体発電システムからの混合媒体と熱交換を行って復液するようにした構成とする。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記水蒸気発電システムから前記吸収式冷凍システムに供給された水蒸気は、前記混合媒体発電システムに設けられ混合媒体蒸気を発生させる高圧分離器に導かれて熱交換を行ってから水蒸気発電システムに戻るようにした構成とする。
【0009】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記吸収式冷凍システムにおいて冷媒を冷却したのちの混合媒体蒸気は前記混合媒体発電システムのエジェクター式混合吸収凝縮器のハウジング部に導かれ、前記吸収式冷凍システムの蒸発器で分離された低濃度混合媒体液は熱回収器で冷却され絞り弁を経由して前記混合媒体発電システムのエジェクター式混合吸収凝縮器のノズル部に導かれ、前記混合媒体発電システムのエジェクター式混合吸収凝縮器の熱交換部室で復液した混合媒体液は前記吸収式冷凍システムの蒸発器の熱交換部に導かれるようにした構成とする。
【0010】
請求項6の発明の電力・冷熱供給コンバインドシステムは、蒸気発生器で発生した水蒸気によって水蒸気タービンを駆動して発電を行い水蒸気タービン駆動後の水蒸気を復水器によって復水して循環させる水蒸気発電システムと、前記水蒸気発電システムの復水器に接続されるとともに前記水蒸気発電システムから水蒸気を供給されて水よりも沸点の低い媒体を必須成分とし複数種類の媒体からなる混合媒体の濃度分離によって混合媒体蒸気を発生し混合媒体タービンを駆動して発電し発電後の混合媒体蒸気をエジェクター式混合吸収凝縮器によって復液させるとともに前記復液の一部分を前記エジェクター式混合吸収凝縮器の駆動流体として用いる混合媒体発電システムと、前記混合媒体発電システムから混合媒体蒸気を供給され断熱膨張させて冷媒を冷却し冷媒冷却後の混合媒体を前記混合媒体発電システムのエジェクター式混合吸収凝縮器へ送給する吸収式冷凍システムとを備えた構成とする。
【0011】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記混合媒体発電システムは復液を加圧する加圧ポンプを備え、前記加圧ポンプの吐出圧力が2種類以上の圧力に切り換えられる構成とする。
【0012】
請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれかの発明において、前記混合媒体発電システムあるいは前記吸収式冷凍システムに設けられたエジェクター式混合吸収凝縮器の熱交換部は空気冷却である構成とする。
【0013】
請求項9の発明は、請求項1〜7のいずれかの発明において、前記混合媒体発電システムに設けられたエジェクター式混合吸収凝縮器の熱交換部室の熱交換部、および前記吸収式冷凍システムに設けられたエジェクター式混合吸収凝縮器の熱交換部室の熱交換部、および前記吸収式冷凍システムに設けられた凝縮器の熱交換部の少なくともいずれか2つは共通の冷却海水系を備えている構成とする。
【0014】
請求項10の発明は、請求項9の発明において、前記冷却海水系は取水ポンプを備え、前記取水ポンプの取水量は、前記水蒸気発電システムに設けられた蒸気発生器の最大出力の熱除去ができる取水量から前記蒸気発生器の最大熱出力より前記水蒸気タービンおよび前記混合媒体タービンの駆動エネルギーを差し引いた残りの熱除去ができる取水量に変えられる構成とする。
【0015】
請求項11の発明は、請求項9の発明において、前記混合媒体発電システムに備えられ復液を加圧する加圧ポンプ、または前記吸収式冷凍システムに設けられ復液を加圧する加圧ポンプの少なくとも一方の吐出流量は可変である構成とする。
【0016】
請求項12の発明は、請求項1または2の発明において、前記混合媒体発電システムに設けられ混合媒体蒸気を発生する高圧分離器の高濃度混合媒体蒸気配管を分岐して、海水で冷却する熱回収器および緊急時開放弁を介して前記混合媒体タービンの排気部に接続した構成とする。
【0017】
請求項13の発明は、請求項1または2の発明において、前記吸収式冷凍システムは、加圧された復液を分岐して凝縮器の冷却部および蒸発器に導く分岐配管を備えている構成とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムを図1を参照して説明する。すなわち、本実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは、水蒸気発電システム1と、この水蒸気発電システム1のボトミングに付設された水・アンモニア混合媒体発電システム2と、前記水蒸気発電システム1の分岐蒸気あるいは抽気蒸気を利用するアンモニア吸収式冷凍システム3とからなる。
【0019】
水蒸気発電システム1は、ボイラー4、水蒸気タービン5、発電機6、復水器7、循環ポンプ8等で構成される。復水器7には熱交換部9が設けられている。
水・アンモニア混合媒体発電システム2は、高圧分離器10、混合媒体タービン11、発電機12、エジェクター式混合吸収凝縮器13、加圧ポンプ14、熱回収器15、絞り弁16、分岐配管17等で構成される。エジェクター式混合吸収凝縮器13はハウジング部18とノズル部19と熱交換部室20を備え、熱回収器15は熱交換部21を備えている。
【0020】
アンモニア吸収式冷凍システム3は、減圧弁22、蒸発器23、凝縮器24、膨張弁25、加熱器26、エジェクター式混合吸収凝縮器28、加圧ポンプ29、熱回収器30、絞り弁31、分岐配管32等で構成される。エジェクター式混合吸収凝縮器28はハウジング部33とノズル部34と熱交換部室35を備えている。また、蒸発器23、加熱器26および熱回収器30はそれぞれ熱交換部36,37,38を備えている。
【0021】
このような構成によって、水蒸気発電システム1のボイラー4で生成した蒸気を分岐し、その一部を水蒸気タービン5に導いてこれを駆動し、同軸に結合された発電機6で発電を行う。残りの蒸気はアンモニア吸収式冷凍システム3の蒸発器23の熱交換部36に導いて熱交換を行って減圧弁22で減圧を行い、戻り配管27aによって水蒸気発電システム1に戻り、水蒸気タービン5の排気と合流されて復水器7に導かれる。復水器7において、水・アンモニア混合媒体発電システム2の混合媒体が流れる熱交換部9で冷却されて復水し、循環ポンプ8で加圧されてボイラー4に循環する。
【0022】
水・アンモニア混合媒体発電システム2内を循環する水・アンモニア混合媒体は、水蒸気発電システム1の復水器7の熱交換部9において水蒸気タービン5の排気およびアンモニア吸収式冷凍システム3から環流した水蒸気と熱交換を行って加熱され、高圧分離器10に導かれて高濃度の混合媒体蒸気と低濃度の混合媒体液に分離される。高濃度の混合媒体蒸気は混合媒体タービン11に導かれてこれを駆動し、同軸に結合された発電機12で発電を行う。混合媒体タービン11の排気はエジェクター式混合吸収凝縮器13のハウジング部18に導かれる。
【0023】
高圧分離器10で分離された低濃度混合媒体液は熱回収器15で冷却され、絞り弁16を経由してエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19に流入する。ここで、ハウジング部18に流入した混合媒体タービン11の排気の高濃度混合媒体蒸気を吸引して混合吸収しながら熱交換部室20に流入して熱交換を行って復液させる。この復液は加圧ポンプ14で加圧されたのち分岐されて、一部は分岐配管17経由でエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19に導かれる。残りは熱回収器15の熱交換部21を経由して水蒸気発電システム1の復水器7の熱交換部9に循環する。
【0024】
アンモニア吸収式冷凍システム3において、蒸発器23に貯溜された水・アンモニア混合媒体は、水蒸気発電システム1で生成され分岐配管27によって供給された水蒸気で加熱され、アンモニア蒸気と低濃度混合媒体液に分離される。アンモニア蒸気は凝縮器24に導かれて冷却され、膨張弁25を経由して加熱器26に流入して、外部からの冷媒が流れる熱交換部37で熱交換を行ってエジェクター式混合吸収凝縮器28のハウジング部33に流入する。
【0025】
一方、蒸発器23で分離された低濃度混合媒体液は熱回収器30で冷却され、絞り弁31を経由してエジェクター式混合吸収凝縮器28のノズル部34に流入する。ここで、ハウジング部33に流入したアンモニア蒸気を吸引して混合吸収しながら熱交換部室35に流入して熱交換を行って復液させる。
【0026】
この復液は、加圧ポンプ29で加圧されたのち分岐されて、一部は分岐配管32経由でエジェクター式混合吸収凝縮器28のノズル部34に導かれる。残りは熱回収器30の熱交換部38を経由して蒸発器23に循環する。なお、加熱器26の熱交換部37を流れる冷媒は、図示されていない潜熱蓄熱剤貯蔵槽や製氷装置に導かれる。
【0027】
このように本発明の第1の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは、水蒸気発電システム1のボトミングに付設した水・アンモニア混合媒体発電システム2および、水蒸気発電システム1の水蒸気タービン5の抽気蒸気あるいはボイラー4の分岐蒸気を利用するアンモニア吸収式冷凍システム3の復液部にエジェクター式混合吸収凝縮器13,28を用い,加圧した復液の一部を分岐して前記エジェクター式混合吸収凝縮器13,28のノズル部19,34に導くようにしたことに特徴がある。
【0028】
この第1の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムにおいては、夜間の電力需要の少ない時に、水蒸気発電システム1のボイラー4で生成した蒸気の約20%程度が分岐されてアンモニア吸収式冷凍システム3の蒸発器23の熱交換部36に導かれる。この蒸気は、蒸発器23に貯溜されたアンモニア水溶液と熱交換を行って凝縮され減圧弁22で減圧されて水蒸気発電システム1に戻され、水蒸気タービン5の排気と合流して復水器7に導かれて復水される。
【0029】
アンモニア吸収式冷凍システム3の蒸発器23で加熱されたアンモニア水溶液はアンモニア蒸気と低濃度アンモニア水に分離される。アンモニア蒸気は凝縮器24に導かれて冷却水(海水等)が流れる熱交換部で冷却されて液化し、膨張弁25に導かれて断熱膨張を行って低温のアンモニア蒸気となって加熱器26に導かれる。加熱器26では、外部で仕事した冷媒が流れる熱交換部37で熱交換を行って加熱され、エジェクター式混合吸収凝縮器28のハウジング部33に導かれる。
【0030】
一方、蒸発器23で分離された低濃度アンモニア溶液は、熱回収器30で冷却され絞り弁31で圧力調整されてエジェクター式混合吸収凝縮器28のノズル部34に導かれる。そして、ノズル部34から超音速の二相流で噴出して、ハウジング部33に流入したアンモニア蒸気を吸引して混合吸収しながら熱交換部室35に排出する。
【0031】
加熱器26の熱交換部37を流れる外部からの冷媒は膨張弁25から流入する低温のアンモニア蒸気によって冷却され、外部の潜熱蓄熱剤貯蔵槽に移送されて潜熱蓄熱剤を凍結させる熱交換を行って冷熱を潜熱の形で貯蔵したり、外部の製氷装置に導かれて氷を製造する熱交換を行って冷熱を氷潜熱の形で貯蔵する。
【0032】
電力需要のピークが発生する昼間には、水蒸気発電システム1のボイラー4で生成した蒸気をアンモニア吸収式冷凍システム3に分岐する量を減らし、大部分の蒸気を水蒸気タービン5に導いてこれを駆動し、同軸に結合された発電機6で発電を行う。水蒸気タービン5の排気は復水器7に送られ、水・アンモニア混合媒体発電システム2からの混合媒体液が流れる熱交換部9で熱交換を行って復水する。
【0033】
復水器7の熱交換部9で熱交換を行って加熱された水・アンモニア混合媒体は、水・アンモニア混合媒体発電システム2の高圧分離器10に導かれ、高濃度混合媒体蒸気と低濃度混合媒体液に分離される。高濃度混合媒体蒸気は混合媒体タービン11に導かれてこれを駆動し、同軸に結合された発電機12で発電を行う。
【0034】
一方、高圧分離器10で分離された低濃度混合媒体液は熱回収器15に導かれ、エジェクター式混合吸収凝縮器13で復液した混合媒体液が流れる熱交換部21で熱交換を行って冷却され、絞り弁16で圧力調整をされてエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19に導かれる。そしてノズル部19から超音速の二相流で噴出して、ハウジング部18に流入した高濃度混合媒体蒸気を混合吸収して熱交換部室20に吸引排除する。
【0035】
このようにして、水蒸気発電システム1と水・アンモニア混合媒体発電システム2の発電の総和でピーク電力需要に対応する。また、冷熱需要に対しては、夜間にアンモニア吸収式冷凍システム3を運転して生成した冷媒で潜熱蓄熱剤を固化して蓄積した冷熱、あるいは氷を製造して蓄積した冷熱を取出して対処する。さらに、空調に使用した冷水を用いて水・アンモニア混合媒体発電システム2におけるエジェクター式混合吸収凝縮器13の熱交換部室20の熱交換部に流す海水を冷却するのに用いることで水・アンモニア混合媒体発電システム2での発電量を増大させることによってもピーク電力需要に対処する。
【0036】
以上のように、本発明の第1の実施の形態の電力・冷熱コンバインドシステムは、水蒸気発電システム1と水・アンモニア混合媒体発電システム2とアンモニア吸収式冷凍システム3とを備えているので、夜間の電力需要の少ない時にはアンモニア吸収式冷凍システム3によって冷媒を生成して潜熱蓄熱剤を凍結させたり氷を製造して冷熱を貯蔵し、昼間の電力需要の多い時には水蒸気発電システム1と水・アンモニア混合媒体発電システム2のコンバインドシステムで総合発電効率を向上させてピーク電力に対処することによって負荷平準化を行うことができる。
【0037】
また、水・アンモニア混合媒体発電システム2とアンモニア吸収式冷凍システム3の高濃度混合媒体排気蒸気を凝縮するのに低濃度混合媒体液の高圧および加圧した復液の分岐した一部とを駆動力に用いたエジェクター式混合吸収凝縮器13,28を用いることにより高濃度混合媒体排気蒸気を吸収する低濃度混合媒体液が増えることで、短い距離で吸収が行われることになり、復液器のスケールを大幅に小型化することが可能となり、電力・冷熱供給コンバインドシステムの建設費を削減することができ、また混合媒体タービン11の出口の排圧を下げることが可能となりタービン出力を増大させることができる。
【0038】
つぎに図2を参照して本発明の第2の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムを説明する。本実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは、水蒸気発電システム1aと、水・アンモニア混合媒体発電システム2と、アンモニア吸収式冷凍システム3とからなる。
【0039】
水蒸気発電システム1aは、ボイラー4、水蒸気タービン5、発電機6、エジェクター式混合吸収凝縮器39、循環ポンプ8、分岐配管44等で構成される。水・アンモニア混合媒体発電システム2の構成およびアンモニア吸収式冷凍システム3の構成は、前記第1の実施の形態(図1)におけると同じである。
【0040】
このような構成によって、水蒸気発電システム1aのボイラー4で生成した蒸気を分岐し、一部は水蒸気タービン5に導いてこれを駆動し、同軸に結合された発電機6で発電を行い、その排気をエジェクター式混合吸収凝縮器39のハウジング部40に流入させる。ボイラー4で発生した残りの蒸気は分岐配管27を経由してアンモニア吸収式冷凍システム3の蒸発器23の熱交換部36に導いて熱交換を行わせる。
【0041】
蒸発器23において熱交換した後の蒸気は減圧弁22で減圧され、戻り配管27aを通って水蒸気発電システム1aに戻り、エジェクター式混合吸収凝縮器39のノズル部41に導かれる。この蒸気はノズル部41から超音速の二相流で噴出し、ハウジング部40に流入した水蒸気タービン5の排気を吸引して混合吸収しながら熱交換部室42に入り、水・アンモニア混合媒体発電システム2からの混合媒体が流れる熱交換部43で冷却されて復水する。復水は循環ポンプ8で加圧されたのち分岐して一部を分岐配管44でエジェクター式混合吸収凝縮器39のノズル部41に導かれる。残りはボイラー4に循環させる。
【0042】
水・アンモニア混合媒体発電システム2内を循環する水・アンモニア混合媒体は、水蒸気発電システム1aのエジェクター式混合吸収凝縮器39の熱交換部43に通流され熱交換を行って加熱されたのち、高圧分離器10に導かれて高濃度の混合媒体蒸気と低濃度の混合媒体液に分離される。高濃度の混合媒体蒸気は混合媒体タービン11に導かれてこれを駆動し、同軸に結合された発電機12で発電を行う。混合媒体タービン11の排気はエジェクター式混合吸収凝縮器13のハウジング部18に導かれる。
【0043】
一方、高圧分離器10で分離した低濃度混合媒体液は熱回収器15で冷却され、絞り弁16を経由してエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19に流入する。そして、混合媒体タービン11からハウジング部18に流入した高濃度混合媒体蒸気を吸引して混合吸収しながら熱交換部室20に流入して熱交換を行って復液させる。
【0044】
前記復液は加圧ポンプ14で加圧されたのち分岐され、一部は分岐配管17でエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19に導かれ、残りは熱回収器15の熱交換部21を経由して水蒸気発電システム1aのエジェクター式混合吸収凝縮器39の熱交換部43に循環される。アンモニア吸収式冷凍システム3の動作は前記第1の実施の形態において説明した動作と同じである。
【0045】
この第2の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムにおいては、夜間の電力需要の少ない時に、水蒸気発電システム1aのボイラー4で生成した蒸気の約20%程度を分岐して分岐配管27を経由してアンモニア吸収式冷凍システム3の蒸発器23の熱交換部36に導く。この蒸気は、エジェクター式混合吸収凝縮器28で復液したアンモニア水溶液を加圧ポンプ29で加圧したものの一部を熱回収器30で熱交換して昇温されたものと熱交換を行なって凝縮され、減圧弁22で減圧されて、戻り配管27aによって水蒸気発電システム1aのエジェクター式混合吸収凝縮器39のノズル部41に導かれる。また、循環ポンプ8で加圧された復水を分岐した一部もノズル部41に導かれ、ノズル部41からの超音速二相流噴流で、ハウジング部40のタービン5の排気を吸引して混合吸収しながら熱交換部室42に導いて復水させる。このようにして、アンモニア吸収式冷凍システム3によって冷媒を生成し冷熱を貯蔵する。
【0046】
電力需要のピークが発生する昼間には、水蒸気発電システム1aのボイラー4で生成した蒸気をアンモニア吸収式冷凍システム3に分岐する量を減らし、大部分の蒸気を水蒸気タービン5に導いてこれを駆動し、同軸に結合された発電機6で発電を行う。水蒸気タービン5の排気は、エジェクター式混合吸収凝縮器39のハウジング部40に流入し、ノズル部41からの超音速二相流噴流で混合吸収されながら熱交換部室42に導かれ、水・アンモニア混合媒体発電システム2からの混合媒体液が流れる熱交換部43で熱交換を行って復水する。熱交換部43で熱交換を行って加熱された混合媒体は、水・アンモニア混合媒体発電システム2の高圧分離器10に導かれ、高濃度混合媒体蒸気と低濃度混合媒体液に分離される。この高濃度混合媒体蒸気によって混合媒体タービン11を駆動して発電を行う。
【0047】
この第2の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムによれば、第1の実施の形態と同様の効果が得られるとともに、アンモニア吸収式冷凍システム3でアンモニアの蒸発に用いた高圧の復水と、循環ポンプ8で加圧された復水を分岐した一部とをエジェクターの駆動動力として用い、水蒸気タービン5の排気を吸引して混合吸収させるエジェクター式混合吸収凝縮器39が復水器の代わりに用いられるため、水蒸気タービン5の背圧が下がり、タービン出力が増大するという効果が得られる。また、エジェクター式混合吸収凝縮器39は動的な吸収凝縮を行わせるために凝縮部を従来の復水器の場合に比較して小型化することができる。
【0048】
つぎに本発明の第3の実施の形態の電力・冷熱コンバインドシステムを図3を参照して説明する。本実施の形態の電力・冷熱コンバインドシステムは水蒸気発電システム1と、水・アンモニア混合媒体発電システム2aと、アンモニア吸収式冷凍システム3とを備えている。
【0049】
水蒸気発電システム1の構成とアンモニア吸収式冷凍システム3の構成は前記第1の実施の形態におけると同じであるが、水・アンモニア混合媒体発電システム2aは、熱交換部46を備えた高圧分離器45を備えており、水蒸気発電システム1で生成され、アンモニア吸収式吸収式冷凍システム3の蒸発器23で熱交換を行った蒸気をさらに、水・アンモニア混合媒体発電システム2aの高圧分離器45に導入しここで熱交換を行わせて、水蒸気発電システム1の復水器7に導くようにした構成である。
【0050】
このような構成によって、水蒸気発電システム1のボイラー4で生成した蒸気を分岐し、一部は水蒸気タービン5に導いてこれを駆動し、同軸に結合された発電機6で発電を行い、復水器7に流入させる。残りの蒸気はアンモニア吸収式冷凍システム3の蒸発器23の熱交換部36に導いて熱交換を行わせる。熱交換後の蒸気は水・アンモニア混合媒体発電システム2aの高圧分離器45の熱交換部46に導いてさらに熱交換を行わせて水蒸気発電システム1の復水器7に導く。復水器7において水・アンモニア混合媒体発電システム2aからの混合媒体が流れる熱交換部9で冷却されて復水し、復水は循環ポンプ8で加圧されてボイラー4に還流する。
【0051】
水・アンモニア混合媒体発電システム2a内を循環する水・アンモニア混合媒体は、水蒸気発電システム1の復水器7において水蒸気タービン5の排気および高圧分離器45からの高温水と熱交換を行って加熱され、高圧分離器45に導かれて、アンモニア吸収式冷凍システム3の蒸発器23の熱交換部36で熱交換を行た高温水が流れる熱交換部46で更に加熱されて高濃度の混合媒体蒸気と低濃度の混合媒体液に分離される。高濃度の混合媒体蒸気は混合媒体タービン11に導かれてこれを駆動し、同軸に結合された発電機12で発電を行う。混合媒体タービン11の排気は、エジェクター式混合吸収凝縮器13のハウジング部18に流入する。
【0052】
高圧分離器45で分離された低濃度混合媒体液は熱回収器15で冷却され、絞り弁16を経由してエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19に流入する。ここで、ハウジング部18に流入した高濃度混合媒体蒸気を吸引して混合吸収しながら熱交換部室20に流入して熱交換を行って復液させる。
【0053】
前記復液は、加圧ポンプ14で加圧されたのち分岐されて、一部は分岐配管17でエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19に導かれ、残りは熱回収器15の熱交換部21を経由して水蒸気発電システム1の復水器7の熱交換部9に循環する。アンモニア吸収式冷凍システム3の動作は前記第1の実施の形態において説明した動作と同じである。
【0054】
この第3の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムにおいては、夜間の電力需要の少ない時に、水蒸気発電システム1のボイラー4で生成した蒸気の約20%程度を分岐してアンモニア吸収式冷凍システム3の蒸発器23の熱交換部36に導く。この蒸気は、蒸発器23に貯溜されたアンモニア水溶液と熱交換を行って凝縮し高温水となる。この高温水は、水・アンモニア混合媒体発電システム2aの高圧分離器45の熱交換部46に導かれて熱交換を行って冷却されたのち、水蒸気発電システム1の復水器7に導かれ、水・アンモニア混合媒体発電システム2aからの混合媒体が流れる熱交換部9でさらに冷却されて復水する。こうして、蒸発器23において生成したアンモニア蒸気によって冷媒を製造し、この冷媒によって冷熱を生成し貯蔵する。
【0055】
電力需要のピークが発生する昼間には、水蒸気発電システム1のボイラー4で生成した蒸気をアンモニア吸収式冷凍システム3に分岐する量を減らし、大部分の蒸気を水蒸気タービン5に導いてこれを駆動し、同軸に結合された発電機6で発電を行う。水蒸気タービン5の排気は復水器7に導かれ、水・アンモニア混合媒体発電システム2aからの混合媒体液が流れる熱交換部9で熱交換を行って復水する。
【0056】
復水器7の熱交換部9で熱交換を行って加熱された水・アンモニア混合媒体は、高圧分離器45に導かれ、アンモニア吸収式冷凍システム3の蒸発器23の熱交換部36で熱交換を行た高温水が流れる熱交換部46で更に加熱されて高濃度混合媒体蒸気と低濃度混合媒体液に分離される。この高濃度混合媒体蒸気によって混合媒体タービン11を駆動して発電を行う。
【0057】
この第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な効果が得られるとともに、アンモニア吸収式冷凍システム3でアンモニアの蒸発に用いた高圧復水は高温であるため、水・アンモニア混合媒体発電システム2aの高圧分離器45で熱回収を行うことで発電効率をさらに向上させることができる。なお、この実施の形態における水蒸気発電システム1は、前記第2の実施の形態におけるように、復水器7の代りにエジェクター式混合吸収凝縮器39を備えた構成であってもよい。
【0058】
つぎに本発明の第4の実施の形態を説明する。この実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは図4に示すように、水蒸気発電システム1と、水・アンモニア混合媒体発電システム2aと、アンモニア吸収式冷凍システム3aとを備えている。水蒸気発電システム1の構成は第1および第3の実施の形態におけると同じであり、水・アンモニア混合媒体発電システム2aの構成は第3の実施の形態におけると同じである。
【0059】
アンモニア吸収式冷凍システム3aは、蒸発器23、凝縮器24、膨張弁25、加熱器26、および熱回収器30をおもな構成要素とし、第1、第2、第3の実施の形態におけるエジェクター式混合吸収凝縮器28は備えていない。アンモニア吸収式冷凍システム3aと水・アンモニア混合媒体発電システム2aのあいだには、蒸発器23から高圧分離器45への戻り管27aのほかに、熱回収器30の出口側に設けられた絞り弁31あるいは加熱器26から水、アンモニア混合媒体発電システム2aのエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19あるいはハウジング部18に入る配管47、48が設けられ、また、エジェクター式混合吸収凝縮器13の出口に設けられた加圧ポンプ14の吐出側から分岐して熱回収器30の熱交換部38に入る分岐配管49が設けられている。
【0060】
すなわち、アンモニア吸収式冷凍システム3aと水・アンモニア混合媒体発電システム2aはエジェクター式混合吸収凝縮器13および加圧ポンプ14を共用する構成である。
【0061】
このような構成によって、水・アンモニア混合媒体発電システム2aのエジェクター式混合吸収凝縮器13で復液された復液は加圧ポンプ14で加圧されて分岐されて一部が蒸発器23に導かれる。また、加熱器26で加熱されたアンモニア蒸気は、エジェクター式混合吸収凝縮器13のハウジング部18に流入する。また、熱回収器30で冷却された低濃度混合媒体液は、絞り弁31を経由してエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19に導かれる。
【0062】
この第4の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムにおいては、夜間の電力需要の少ない時に、水蒸気発電システム1のボイラー4で生成した蒸気の約20%程度を分岐して分岐配管27を経由してアンモニア吸収式冷凍システム3aの蒸発器23に導く。
【0063】
蒸発器23の熱交換部36において蒸気は、水・アンモニア混合媒体発電システム2aに設けられたエジェクター式混合吸収凝縮器13で復液したアンモニア水溶液を加圧ポンプ14で加圧し分岐した一部を熱回収器30の熱交換部38に導いて熱交換をして昇温されたアンモニア水溶液と熱交換を行って凝縮して高温水となる。
【0064】
前記高温水は減圧弁22で減圧されて、戻り配管27aによって水・アンモニア混合媒体発電システム2aの高圧分離器45の熱交換部46に導かれて熱交換を行って冷却され、水蒸気タービン5の排気と合流して復水器7に導入され、水・アンモニア混合媒体発電システム2a内を循環する水とアンモニアのの混合媒体が流れる熱交換部9で冷却されて復水する。
【0065】
また、加熱器26で熱交換を行ったアンモニア蒸気は、エジェクター式混合吸収凝縮器13のハウジング部18に導かれ、蒸発器23や高圧分離器45で分離された低濃度混合媒体液および、加圧ポンプ14で加圧された復液を分岐した一部をノズル部19に導いて噴出される超音速二相流によって吸引されて混合吸収されながら熱交換部室20に導かれて復液する。こうして、加熱器26の熱交換部37に環流する冷媒を冷却して冷媒を介して冷熱を貯蔵する。
【0066】
電力需要のピークが発生する昼間には、水蒸気発電システム1のボイラー4で生成した蒸気をアンモニア吸収式冷凍システム3aに分岐する蒸気量を減らし、大部分の蒸気を水蒸気タービン5に導いてこれを駆動し同軸に結合された発電機6で発電を行う。水蒸気タービン5の排気は、復水器7に導かれ、水・アンモニア混合媒体発電システム2aからの水とアンモニアの混合媒体液が流れる熱交換部9で熱交換を行って復水する。
【0067】
復水器7の熱交換部9で熱交換を行って加熱された混合媒体は、水・アンモニア混合媒体発電システム2aの高圧分離器45に導かれ、アンモニア吸収式冷凍システム3aの蒸発器23の熱交換部36で熱交換を行った高温水が流れる熱交換部46で更に加熱されて高濃度混合媒体蒸気と低濃度混合媒体液に分離される。この高濃度混合媒体蒸気によって混合媒体タービン11を駆動して発電を行う。
【0068】
この第4の実施の形態によれば、前記第3の実施の形態と同様な効果が得られるとともに、アンモニア吸収式冷凍システム3aと水・アンモニア混合媒体発電システム2aがエジェクター式混合吸収凝縮器13および加圧ポンプ14を共用するので、システムの設備費を低減することができる。なお、この実施の形態における水蒸気発電システム1は、前記第2の実施の形態におけるように、復水器7の代りにエジェクター式混合吸収凝縮器39を備えた構成であってもよい。
【0069】
つぎに本発明の第5の実施の形態を説明する。この実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは図5に示すように、水蒸気発電システム1と、水・アンモニア混合媒体発電システム2aと、アンモニア吸収式冷凍システム3bとを備えている。
【0070】
水蒸気発電システム1の構成は第1、第3、第4の実施の形態におけるとほぼ同じであるが、ボイラー4で発生した蒸気を分岐する分岐配管27上に減圧弁22aを備えている。水・アンモニア混合媒体発電システム2aの構成は第3、第4の実施の形態におけると同じであるが、加圧ポンプ14は高圧と中圧の2段に切り換えられるようになっている。
【0071】
アンモニア吸収式冷凍システム3bは凝縮器24と膨張弁25と加熱器26を備えているが、前記各実施の形態におけるような蒸発器やエジェクター式混合吸収凝縮器は備えていない。そして、凝縮器24の入口には配管50によって、水・アンモニア混合媒体発電システム2aの高圧分離器45の蒸気出力が接続され、加熱器26の出口は配管48によって、水・アンモニア混合媒体発電システム2aに設けられたエジェクター式混合吸収凝縮器13のハウジング部18に接続されている。
【0072】
このような構成によって、水蒸気発電システム1のボイラー4で発生した水蒸気を分岐して、一部を分岐配管27、減圧弁22aを経由して水・アンモニア混合媒体発電システム2aの高圧分離器45の熱交換部46に導いて熱交換を行ったのち復水器7へ環流させる。また、水・アンモニア混合媒体発電システム2aの高圧分離器45で分離したアンモニア蒸気の一部をアンモニア吸収式冷凍システム3bの凝縮器24に導き、アンモニア吸収式冷凍システム3bの加熱器26で加熱されたアンモニア蒸気を水・アンモニア混合媒体発電システム2aのエジェクター式混合吸収凝縮器13のハウジング部18に導く。
【0073】
この第5の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムにおいては、夜間の電力需要の少ない時に、水蒸気発電システム1のボイラー4で生成した蒸気の約20%程度を分岐して水・アンモニア混合媒体発電システム2aの高圧分離器45に導く。高圧分離器45の熱交換部46において蒸気は、高圧分離器45に貯溜されているアンモニア水溶液を加熱してアンモニア蒸気と低濃度混合媒体液に分離する。
【0074】
アンモニア蒸気はアンモニア吸収式冷凍システム3bの凝縮器24に導いて凝縮させ、膨張弁25で断熱膨張をさせ加熱器26に導いて冷媒と熱交換を行わせたのち、水・アンモニア混合媒体発電システム2aのエジェクター式混合吸収凝縮器13のハウジング部18に導く。こうして、加熱器26の熱交換部37に環流する冷媒を冷却して冷熱を貯蔵する。
【0075】
高圧分離器45で分離された低濃度混合媒体液は熱回収器15、絞り弁16を経由してエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19に導かれる。ノズル部19には、加圧ポンプ14で加圧された復液を分岐した一部で分岐配管17を経由した混合媒体液も供給され、ノズル部19から超音速二相流噴流で噴き出して、ハウジング部18に流入する加熱器26の排気を吸引して混合吸収しながら熱交換部室20に導いて復液させる。高圧分離器45で分離されたアンモニア蒸気を混合媒体タービン11に導いて発電することは行わない。
【0076】
電力需要のピークが発生する昼間には、水蒸気発電システム1のボイラー4で生成した蒸気を高圧分離器45の熱交換部46に分岐する量は少量とし、発生した蒸気の大部分を水蒸気タービン5に導いてこれを駆動し、同軸に結合された発電機6で発電を行う。水蒸気タービン3の排気は、復水器7に導かれ、熱交換部9で水・アンモニア混合媒体発電システム2aから循環する混合媒体と熱交換を行って復水する。
【0077】
復水器7の熱交換部9で熱交換を行って加熱された混合媒体は、高圧分離器45に導かれ、熱交換部46で加熱されて高濃度混合媒体蒸気と低濃度混合媒体液に分離する。高濃度混合媒体蒸気は混合媒体タービン11に導かれてこれを駆動し、同軸に結合された発電機12で発電を行う。混合媒体タービン11の排気は、エジェクター式混合吸収凝縮器13のハウジング部18に導かれる。
【0078】
一方、高圧分離器45で分離された低濃度混合媒体液は熱回収器15と絞り弁16を経由してエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19に導かれる。また加圧ポンプ14で加圧された復液を分岐した一部が分岐配管17を経由してノズル部19に導かれる。そして、ノズル部19より噴出する超音速二相流で、ハウジング部18に混合媒体タービン11から流入する高濃度混合媒体蒸気を吸引して混合吸収凝縮しながら熱交換部室20に導いて復液させる。
【0079】
この第5の実施の形態によれば、前記第4の実施の形態と同様な効果が得られるとともに、アンモニア吸収式冷凍システム3bが蒸発器、熱回収器、絞り弁を備えず、水・アンモニア混合媒体発電システム2aとの高圧分離器45を共用するので、機器数を低減することができ、システムの設備費を低減することができる。なお、この実施の形態における水蒸気発電システム1は、前記第2の実施の形態におけるように、復水器7の代りにエジェクター式混合吸収凝縮器39を備えた構成であってもよい。
【0080】
なお、前記第1から第5の実施の形態において、水・アンモニア混合媒体発電システム2、2aにおけるエジェクター式混合吸収凝縮器13の熱交換部室の熱交換部を大気で冷却する構成にしてもよい。大気冷却であると、冬期のように外気温度が低下すればするほど水・アンモニア混合媒体発電システム2、2aによる発電量が増大し、多くの資源エネルギーを回収することができる。
【0081】
つぎに本発明の第6の実施の形態を説明する。この実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは、図6に示すように、水蒸気発電システム1と、水・アンモニア混合媒体発電システム2と、アンモニア吸収式冷凍システム3、および、冷却水配管51と取水ポンプ52を設けて、水・アンモニア混合媒体発電システム2におけるエジェクター式混合吸収凝縮器13の熱交換部室20の熱交換部と、アンモニア吸収式冷凍システム3におけるエジェクター式混合吸収凝縮器28の熱交換部室35の熱交換部、および凝縮器24の熱交換部に流す冷却海水系を共有化した構成である。
【0082】
取水ポンプ52は、水蒸気発電システム1内のボイラー4の最大の熱出力を除去できる流量から水蒸気タービン5と混合媒体タービン11の合計出力を差し引いた残りの熱エネルギーを除去できる流量まで変えられる構成とし、また、加圧ポンプ14と29もそれぞれ吐出流量を変えられる構成とする。
【0083】
この第6の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは前記第1の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムと同様に動作するが、そのほかに、水蒸気発電システム1の水蒸気タービン5が機能喪失した場合、ボイラー4の熱発生を停止するとともに、発生する蒸気の全量を分岐配管27よりアンモニア吸収式冷凍システム3の蒸発器23の熱交換部36に導いて熱交換を行い、減圧弁22を経由して水蒸気発電システム1の復水器7に導き、熱交換部9で冷却を行って復水し、循環ポンプ8で加圧してボイラー4に循環させる。
【0084】
また、水蒸気タービン5が機能喪失すると同時に取水ポンプ52の取水量を最大にし、アンモニア吸収式冷凍システム3内のエジェクター式混合吸収凝縮器28の熱交換部室35の熱交換部および凝縮器24の熱交換部への冷却水供給を増やす。そして、アンモニア吸収式冷凍システム3内の加圧ポンプ29の吐出流量を増やし、蒸発器23における熱交換量を増大させる。
【0085】
こうして、アンモニア吸収式冷凍システム3の蒸発器23での熱除去量が、水蒸気発電システム1の水蒸気タービン5による熱エネルギー量消費量と同じ程度になるようにし、水・アンモニア混合媒体発電システム2の混合媒体タービン11による熱エネルギー消費量が変化しないようにする。なお、アンモニア吸収式冷凍システム3の加熱器26の熱交換部37への冷媒循環は停止する。
【0086】
この第6の実施の形態によれば前記第1の実施の形態と同様な効果が得られるとともに次のような効果が得られる。すなわち、水蒸気発電システム1の水蒸気タービン5が機能喪失した時にボイラー4の熱発生を停止すると同時に循環水も停止するとボイラー4が破損する危険のあるシステムにおいては、ボイラー4の停止後も循環水を流すことになり大量の蒸気を発生するが、本実施の形態においては、この発生した蒸気の全量をアンモニア吸収式冷凍システム3に導き、また取水ポンプ52の取水量を増やし、加圧ポンプ29の吐出量を増やすことで、水蒸気タービン5で消費していた熱エネルギーを除去することができるようになり、水蒸気タービン5の機能喪失事故のシステム全体への波及を防止することができる。
【0087】
また、アンモニア吸収式冷凍システム3と水・アンモニア混合媒体発電システム2のエジェクター式混合吸収凝縮器28,13の熱交換部室35,20の熱交換部への冷却海水の供給を取水ポンプ52で取水した海水を分岐して行う構成であるので、常用系のポンプを用いて事故に対処することができ、システムの信頼性を向上させることができ、設備の稼動率が向上して経済的である。
【0088】
つぎに本発明の第7の実施の形態を説明する。この実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは、図7に示すように、水蒸気発電システム1と、水・アンモニア混合媒体発電システム2aと、アンモニア吸収式冷凍システム3、および、冷却水配管51と取水ポンプ52を設けて、水・アンモニア混合媒体発電システム2aにおけるエジェクター式混合吸収凝縮器13の熱交換部室20の熱交換部と、アンモニア吸収式冷凍システム3におけるエジェクター式混合吸収凝縮器28の熱交換部室35の熱交換部、および凝縮器24の熱交換部に流す冷却海水系を共有化した構成である。
【0089】
取水ポンプ52は、水蒸気発電システム1内のボイラー4の最大の熱出力を除去できる流量から水蒸気タービン5と混合媒体タービン11の合計出力を差し引いた残りの熱エネルギーを除去できる流量まで変えられる構成とし、また、加圧ポンプ14と29もそれぞれ吐出流量を変えられる構成とする。
【0090】
この第7の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは前記第3の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムと同様に動作するが、そのほかに、水蒸気発電システム1の水蒸気タービン5が機能喪失した場合、ボイラー4の熱発生を停止するとともに、発生する蒸気の全量を分岐配管27よりアンモニア吸収式冷凍システム3の蒸発器23の熱交換部36に導いて熱交換を行い、減圧弁22を経由して水・アンモニア混合媒体発電システム2aの高圧分離器45の熱交換部46に導いて冷却して水蒸気発電システム1の復水器7に導き、熱交換部9で冷却を行って復水し、循環ポンプ8で加圧してボイラー4に循環させる。
【0091】
また、水蒸気タービン5が機能喪失すると同時に取水ポンプ52の取水量を最大にし、アンモニア吸収式冷凍システム3内のエジェクター式混合吸収凝縮器28の熱交換部室35の熱交換部、および凝縮器24の熱交換部への冷却水供給を増やす。そして、アンモニア吸収式冷凍システム3内の加圧ポンプ29の吐出流量を増やし、蒸発器23における熱交換量を増大させる。
【0092】
こうして、アンモニア吸収式冷凍システム3の蒸発器23での熱除去量が、水蒸気発電システム1の水蒸気タービン5による熱エネルギー量消費量と同じ程度になるようにし、水・アンモニア混合媒体発電システム2aの混合媒体タービン11による熱エネルギー消費量が変化しないようにする。なお、アンモニア吸収式冷凍システム3の加熱器26の熱交換部37への冷媒循環は停止する。
【0093】
この第7の実施の形態によれば前記第3の実施の形態と同様な効果が得られるとともに次のような効果が得られる。すなわち、水蒸気発電システム1の水蒸気タービン5が機能喪失した時にボイラー4の熱発生を停止すると同時に循環水も停止すると、ボイラー4が破損する危険のあるシステムにおいては、ボイラー4の停止後も循環水を流すことになり大量の蒸気を発生するが、本実施の形態においては、この発生した蒸気の全量をアンモニア吸収式冷凍システム3に導き、また、取水ポンプ52の取水量を増やし、加圧ポンプ29の吐出量を増やすことで、水蒸気タービン5で消費していた熱エネルギーを除去することができるようになり、水蒸気タービン5の機能喪失事故のシステム全体への波及を防止することができる。
【0094】
また、アンモニア吸収式冷凍システム3と水・アンモニア混合媒体発電システム2aのエジェクター式混合吸収凝縮器28,13の熱交換部室35、20の熱交換部への冷却海水の供給を取水ポンプ52で取水した海水を分岐して行う構成であるので、常用系のポンプを用いて事故に対処することができ、システムの信頼性を向上させることができ、設備の稼動率が向上して経済的である。
【0095】
つぎに本発明の第8の実施の形態を説明する。この実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは、図8に示すように、水蒸気発電システム1と、水・アンモニア混合媒体発電システム2aと、アンモニア吸収式冷凍システム3a、および、冷却水配管51と取水ポンプ52を設けて、水・アンモニア混合媒体発電システム2aにおけるエジェクター式混合吸収凝縮器13の熱交換部室20の熱交換部と、アンモニア吸収式冷凍システム3aにおける凝縮器24の熱交換部に流す冷却海水系を共有化した構成である。
【0096】
取水ポンプ52は、水蒸気発電システム1内のボイラー4の最大の熱出力を除去できる流量から水蒸気タービン5と混合媒体タービン11の合計出力を差し引いた残りの熱エネルギーを除去できる流量まで変えられる構成とし、また加圧ポンプ14の吐出流量も変えられる構成とする。
【0097】
この第8の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは前記第4の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムと同様に動作するが、そのほかに、水蒸気発電システム1の水蒸気タービン5が機能喪失した場合、ボイラー4の熱発生を停止するとともに、発生する蒸気の全量を分岐配管27よりアンモニア吸収式冷凍システム3aの蒸発器23の熱交換部36に導いて熱交換を行い、減圧弁22を経由して水・アンモニア混合媒体発電システム2aの高圧分離器45の熱交換部46に導いて冷却して水蒸気発電システム1の復水器7に導き、熱交換部9で冷却を行って復水し、循環ポンプ8で加圧してボイラー4に循環させる。
【0098】
また、水蒸気タービン5が機能喪失すると同時に取水ポンプ52の取水量を最大にし、アンモニア吸収式冷凍システム3a内の凝縮器24の熱交換部への冷却水、および水・アンモニア混合媒体発電システム2a内のエジェクター式混合吸収凝縮器13の熱交換部室20の熱交換部への冷却水を増やす。そして、水・アンモニア混合媒体発電システム2aの加圧ポンプ14の吐出流量を増やし、分岐配管17への分岐量および、アンモニア吸収式冷凍システム3aへの分岐量を増やし、蒸発器23における熱交換量を増大させる。
【0099】
こうして、アンモニア吸収式冷凍システム3aの蒸発器23での熱除去量が、水蒸気発電システム1の水蒸気タービン5による熱エネルギー消費量と同じ程度となるようにし、水・アンモニア混合媒体発電システム2aの混合媒体タービン11による熱エネルギー消費量が変化しないようにする。なお、アンモニア吸収式冷凍システム3aの加熱器26の熱交換部37への冷媒循環は停止する。
【0100】
この第8の実施の形態によれば前記第4の実施の形態と同様な効果が得られるとともに次のような効果が得られる。すなわち、水蒸気発電システム1の水蒸気タービン5が機能喪失した時にボイラー4の熱発生を停止すると同時に循環水も停止すると、ボイラー4が破損する危険のあるシステムにおいては、取水ポンプ52の取水量を増やし、また、水・アンモニア混合媒体発電システム2aの加圧ポンプ14の吐出量を増やすことでボイラー4の停止後も循環水を流すことになり大量の蒸気を発生するが、本実施の形態においては、ボイラー4で発生した蒸気の全量をアンモニア吸収式冷凍システム3aに導いて水蒸気タービン5で消費していた熱エネルギーを除去して、水蒸気タービン5の機能喪失事故がシステム全体へ波及することを防止することができる。
【0101】
また、アンモニア吸収式冷凍システム3aの蒸発器23へ供給する低温復液の増加分を製造するのに使用する冷却海水の供給を常用系のポンプ52を用いて対処することができるので、システムの信頼性を向上させることができ、設備の稼動率が向上して経済的である。
【0102】
つぎに本発明の第9の実施の形態を説明する。この実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは、図9に示すように、水蒸気発電システム1と、水・アンモニア混合媒体発電システム2aと、アンモニア吸収式冷凍システム3b、および、冷却水配管51と取水ポンプ52を設けて、水・アンモニア混合媒体発電システム2aにおけるエジェクター式混合吸収凝縮器13の熱交換部室20の熱交換部と、アンモニア吸収式冷凍システム3bにおける凝縮器24の熱交換部に流す冷却海水系を共有化した構成である。
【0103】
取水ポンプ52は、水蒸気発電システム1内のボイラー4の最大の熱出力を除去できる流量から水蒸気タービン5と混合媒体タービン11の合計出力を差し引いた残りの熱エネルギーを除去できる流量まで変えられる構成とし、また、加圧ポンプ14の吐出流量を変えられる構成とする。
【0104】
この第9の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは、前記第5の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムと同様に動作するが、そのほかに、水蒸気発電システム1の水蒸気タービン5が、機能喪失した場合、ボイラー4の熱発生を停止するとともに、発生する蒸気の全量を分岐配管27より水・アンモニア混合媒体発電システム2aの高圧分離器45の熱交換部46に導いて冷却して水蒸気発電システム1の復水器7に導き、熱交換部9で冷却を行って復水し、循環ポンプ8で加圧してボイラー4に循環させる。
【0105】
また、水蒸気タービン5が機能喪失すると同時に取水ポンプ52の取水量を最大にし、水・アンモニア混合媒体発電システム2a内のエジェクター式混合吸収凝縮器13の熱交換部室20の熱交換部への冷却水、およびアンモニア吸収式冷凍システム3b内の凝縮器24の熱交換部への冷却水を増やす。また、水・アンモニア混合媒体発電システム2aの加圧ポンプ14の吐出流量を増やし、アンモニア吸収式冷凍システム3bへのアンモニア蒸気の分岐量を増やし、凝縮器24における熱交換量を増やす。こうして、水・アンモニア混合媒体発電システム2aの混合媒体タービン11による熱エネルギー消費量が変化しないようにする。なお、アンモニア吸収式冷凍システム3bの加熱器26の熱交換部37への冷媒循環は停止する。
【0106】
この第9の実施の形態によれば、前記第5の実施の形態と同様な効果が得られるとともに次のような効果が得られる。すなわち、水蒸気発電システム1の水蒸気タービン5が機能喪失した時にボイラー4の熱発生を停止すると同時に循環水も停止すると、ボイラー4が破損する危険のあるシステムにおいては、ボイラー4の停止後も循環水を流すことになり、大量の蒸気を発生するが、本実施の形態においては、取水ポンプ52の取水量を増やし、また、水・アンモニア混合媒体発電システム2aの加圧ポンプ14の吐出量を増やすことによって、ボイラー4で発生した蒸気の全量をアンモニア吸収式冷凍システム3bに導いて水蒸気タービン5で消費していた熱エネルギーを除去して、水蒸気タービン5の機能喪失事故がシステム全体へ波及することを防止することができる。
【0107】
また、アンモニア吸収式冷凍システム3bの凝縮器24の熱交換部へ供給する冷却海水の増加分、および水・アンモニア混合媒体発電システム2aのエジェクター式混合吸収凝縮器13の熱交換部室20の熱交換部への冷却水の増加分を常用系のポンプ52を用いて対処することができるので、システムの信頼性を向上させることができ、設備の稼動率も向上して経済的である。
【0108】
つぎに本発明の第10の実施の形態を説明する。この実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは、図10に示すように、水蒸気発電システム1と、水・アンモニア混合媒体発電システム2bと、アンモニア吸収式冷凍システム3とを備えている。水蒸気発電システム1の構成は、第1、第3等の実施の形態におけると同じであり、アンモニア吸収式冷凍システム3の構成は第1、第2等の実施の形態におけると同じである。
【0109】
水・アンモニア混合媒体発電システム2bは、高圧分離器10、混合媒体タービン11、発電機12、エジェクター式混合吸収凝縮器13、加圧ポンプ13、熱回収器15、絞り弁16、分岐配管17、熱回収器53、分岐配管54、および弁55を備えている。
【0110】
すなわち、水・アンモニア混合媒体発電システム2bは、高圧分離器10の高濃度混合媒体蒸気配管を分岐して海水で冷却する熱回収器53、および緊急時に開放する弁55を介して混合媒体タービン11の排気部に接続されたバイパス系を設けた構成である。
【0111】
このような構成によって、水蒸気発電システム1の復水器7に水・アンモニア混合媒体発電システム2bからの水・アンモニア混合媒体を流し、熱交換を行って加熱し、水・アンモニア混合媒体発電システム2bの高圧分離器10に導いて高濃度の混合媒体蒸気と低濃度の混合媒体液に分離させる。
【0112】
高濃度の混合媒体蒸気は分岐して一部は分岐配管54を経由して熱回収器53で熱交換を行って弁55を経由してエジェクター式混合吸収凝縮器13のハウジング部18に導かれる。他は混合媒体タービン11に導かれてこれを駆動し同軸に結合された発電機12で発電を行い、エジェクター式混合吸収凝縮器13のハウジング部18に導かれる。
【0113】
高圧分離器10で分離された低濃度混合媒体液は熱回収器15で冷却され、絞り弁16を経由してエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19に流入する。そして、ハウジング部18に流入した高濃度混合媒体蒸気を吸引して混合吸収しながら熱交換部室20に流入して熱交換を行って復液させる。
【0114】
復液は、加圧ポンプ14で加圧され分岐されて、一部は分岐配管17でエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19に導かれ、残りの加圧された復液は熱回収器15の熱交換部21を経由して水蒸気発電システム1の復水器7の熱交換部9に循環する。
【0115】
この第10の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは、前記第1の実施の形態と同様に動作するが、さらに、水・アンモニア混合媒体発電システム2bの混合媒体タービン11が機能喪失した時、高圧分離器10で分離された高濃度混合媒体蒸気の全量を分岐配管54に導き、熱回収器53で熱交換を行って冷却して弁55を経由してエジェクター式混合吸収凝縮器13のハウジング部18に導く。
【0116】
また、高圧分離器10で分離された低濃度混合媒体液を熱回収器15で冷却して、絞り弁16を経由してエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19に流入させる。そして、ハウジング部18に流入した高濃度混合媒体蒸気を吸引して混合吸収しながら熱交換部室20に流入して熱交換を行って復液させる。
【0117】
復液は、加圧ポンプ14で加圧され分岐されて一部は分岐配管17でエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19に導かれる。残りの復液は熱回収器15の熱交換部21を経由して水蒸気発電システム1の復水器7の熱交換部9に循環される。熱回収器53では混合媒体タービン11の駆動エネルギー相当の熱除去を行う。
【0118】
この第10の実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様な効果が得られるとともに次のような効果が得られる。すなわち、混合媒体タービン11が機能喪失した時にボイラー4の熱発生を停止すると同時に循環水も停止すると、ボイラー4が破損する危険のあるシステムにおいては、ボイラー4の停止後も循環水を流すことになり、大量の蒸気を発生するが、本実施の形態においては、ボイラー4で発生し、水蒸気タービン5を駆動した蒸気と復水器7で熱交換を行って水・アンモニア混合媒体発電システム2bに導かれた熱エネルギーで高濃度混合媒体蒸気を発生させ、この高濃度混合媒体蒸気を分岐配管54から熱回収器53に導いて海水で冷却して熱交換を行わせてエジェクター式混合吸収凝縮器13のハウジング部18から熱交換部室20に導いて復液させ、加圧ポンプ14で加圧して復水器7に循環させるので、高濃度混合媒体蒸気の熱エネルギーを熱回収器53によって除去し、混合媒体タービン11の機能喪失事故がシステム全体へ波及することを防止することができる。
【0119】
つぎに本発明の第11の実施の形態を説明する。この実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは、図11に示すように、水蒸気発電システム1と、水・アンモニア混合媒体発電システム2と、アンモニア吸収式冷凍システム3cとを備えている。水蒸気発電システム1の構成は、第1、第3等の実施の形態におけると同じであり、水・アンモニア混合媒体発電システム2の構成は第1、第2等の実施の形態におけると同じである。
【0120】
アンモニア吸収式冷凍システム3cは、蒸発器23、凝縮器24、膨張弁25、加熱器26、エジェクター式混合吸収凝縮器28、加圧ポンプ29、熱回収器30、絞り弁31、および分岐配管32、56、57を備えている。
【0121】
すなわち、アンモニア吸収式冷凍システム3cにおける凝縮器24の冷却を、加圧ポンプ29で加圧し分岐した復液で行い、復液はその後、蒸発器23に導くようにした構成である。
【0122】
蒸発器23に導入された水・アンモニア混合媒体は、水蒸気発電システム1で生成され分岐された水蒸気で加熱され、高濃度アンモニア蒸気と低濃度混合媒体液に分離される。高濃度アンモニア蒸気は凝縮器24に導かれて冷却され、膨張弁25を経由して加熱器26に流入して外部からの冷媒が流れる熱交換部37で熱交換を行ってエジェクター式混合吸収凝縮器28のハウジング部33に流入する。
【0123】
一方、蒸発器23で分離された低濃度混合媒体液は熱回収器30で冷却され、絞り弁31を経由してエジェクター式混合吸収凝縮器28のノズル部34に流入する。そして、ハウジング部33に流入しているアンモニア蒸気を吸引して混合吸収しながら熱交換部室35に流入して熱交換を行って復液させる。この復液は、加圧ポンプ29で加圧し分岐して一部を分岐配管32経由でエジェクター式混合吸収凝縮器28のノズル部34に導く。他の一部は分岐配管56で凝縮器24の熱交換部に流して熱交換を行わせて蒸発器23に導き、残りは熱回収器30の熱交換部38を経由して蒸発器23に循環させる。加熱器26の熱交換部37を流れる外部からの冷媒は、図示されていない潜熱蓄熱剤貯蔵槽や製氷装置に導かれる。
【0124】
この実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムにおいては、アンモニア吸収式冷凍システム3cの凝縮器24の冷却を海水等で行うのでなく、エジェクター式混合吸収凝縮器28で液化した混合媒体復液を加圧ポンプ29で加圧し分岐して行う。したがって、高い熱回収効率を得ることができる。
【0125】
【発明の効果】
本発明によれば、建設費用が低減され、設備効率の高い電力・冷熱供給コンバインドシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の電力・冷熱コンバインドシステムの機器構成および流体の流れを示す図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の電力・冷熱コンバインドシステムの機器構成および流体の流れを示す図。
【図3】本発明の第3の実施の形態の電力・冷熱コンバインドシステムの機器構成および流体の流れを示す図。
【図4】本発明の第4の実施の形態の電力・冷熱コンバインドシステムの機器構成および流体の流れを示す図。
【図5】本発明の第5の実施の形態の電力・冷熱コンバインドシステムの機器構成および流体の流れを示す図。
【図6】本発明の第6の実施の形態の電力・冷熱コンバインドシステムの機器構成および流体の流れを示す図。
【図7】本発明の第7の実施の形態の電力・冷熱コンバインドシステムの機器構成および流体の流れを示す図。
【図8】本発明の第8の実施の形態の電力・冷熱コンバインドシステムの機器構成および流体の流れを示す図。
【図9】本発明の第9の実施の形態の電力・冷熱コンバインドシステムの機器構成および流体の流れを示す図。
【図10】本発明の第10の実施の形態の電力・冷熱コンバインドシステムの機器構成および流体の流れを示す図。
【図11】本発明の第11の実施の形態の電力・冷熱コンバインドシステムの機器構成および流体の流れを示す図。
【符号の説明】
1,1a…水蒸気発電システム、2,2a,2b…水・アンモニア混合媒体発電システム、3,3a,3b,3c…アンモニア吸収式冷凍システム、4…ボイラー、5…水蒸気タービン、6…発電機、7…復水器、8…循環ポンプ、9…熱交換部、10…高圧分離器、11…混合媒体タービン、12…発電機、13…エジェクター式混合吸収凝縮器、14…加圧ポンプ、15…熱回収器、16…絞り弁、17…分岐配管、18…ハウジング部、19…ノズル部、20…熱交換部室、21…熱交換部、22,22a…減圧弁、23…蒸発器、24…凝縮器、25…膨張弁、26…加熱器、27…分岐配管、27a…戻り配管、28…エジェクター式混合吸収凝縮器、29…加圧ポンプ、30…熱回収器、31…絞り弁、32…分岐配管、33…ハウジング部、34…ノズル部、35…熱交換部室、36,37,38…熱交換部、39…エジェクター式混合吸収凝縮器、40…ハウジング部、41…ノズル部、42…熱交換部室、43…熱交換部、44…分岐配管、45…高圧分離器、46…熱交換部、47,48,50…配管、49…分岐配管、51…冷却水配管、52…取水ポンプ、53…熱回収器、54…分岐配管、55…弁、56,57…分岐配管。
【発明の属する技術分野】
本発明は、水蒸気を作動媒体とする水蒸気発電システムで生成した水蒸気を分岐してアンモニア水溶液等を作動媒体とする吸収式冷凍システムに導いて冷媒を生成するとともに、前記水蒸気発電システムの発電機を駆動するタービンの排気蒸気を水・アンモニア等の混合媒体を作動媒体とする混合媒体発電システムに導いて発電を行う電力・冷熱供給コンバインドシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電プラントは、発電コストが安いのでベースロード運用が行われている。電力需要には日負荷変動があるのでピーク電力需要に対しては水力発電と石油火力発電プラントが用いられている。水力発電の場合には遠隔立地で、建設時の環境破壊、建設期間が長い等の問題があり、石油火力発電の場合には炭酸ガス排出による地球温暖化の問題がある。
【0003】
そこで原子力発電プラントの特長を生かしながら日負荷変動に対応するために、製造した蒸気を貯蔵し、ピーク電力需要に対して貯蔵蒸気で発電するシステムが検討されている。夜間の10時間に20%の発電量を削減する蒸気量を抽気して貯蔵し、昼間の7時間に20%の追加発電を行うことで負荷変動対応が可能となり、揚水発電所並みの貯蔵発電効率(72.6%)が得られると評価されている。110万kW級の原子力発電プラントの場合、4040m3の貯蔵容器21基を114m×54mの敷地に設置することになる。その時の容器の内径は11.5mで、高さは44.2mである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の火力発電システムや原子力発電システムにおいては水のランキングサイクルが採用されているために、常温近辺で蒸気圧が零近くになり熱回収が困難になってくる。太平洋岸の200メートル以深の海には7℃程度の海洋深層水と称される低温の海水が存在するが、この低温の海水を復水器の冷却に用いても水の蒸気圧が低過ぎるために熱回収ができず、発電効率を向上することができない。また、外気温度が零度以下になる地域や季節においてもこの冷熱を回収して電力に変換することができない。
そこで本発明は、建設費用が低減され、設備効率の高い電力・冷熱供給コンバインドシステムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明の電力・冷熱供給コンバインドシステムは、蒸気発生器で発生した水蒸気によって水蒸気タービンを駆動して発電を行い水蒸気タービン駆動後の水蒸気を復水器によって復水して循環させる水蒸気発電システムと、前記水蒸気発電システムの復水器に接続されて水よりも沸点の低い媒体を必須成分とし複数種類の媒体からなる混合媒体の濃度分離によって前記水蒸気発電システムの廃熱を回収し混合媒体タービンを駆動して発電し発電後の混合媒体蒸気をエジェクター式混合吸収凝縮器によって復液させるとともに前記復液の一部分を前記エジェクター式混合吸収凝縮器の駆動流体として用いる混合媒体発電システムと、前記水蒸気発電システムから水蒸気を供給されて混合媒体を濃度分離し断熱膨張させて冷媒を冷却する吸収式冷凍システムとを備えた構成とする。
【0006】
請求項2の発明は、前記吸収式冷凍システムはエジェクター式混合吸収凝縮器を備え、冷媒を冷却した後の混合媒体蒸気を前記エジェクター式混合吸収凝縮器によって復液させるとともにこの復液の一部分を前記エジェクター式混合吸収凝縮器の駆動流体として用いる構成とする。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記水蒸気発電システムは復水器の代りに、ハウジング部とノズル部と熱交換部室を有するエジェクター式混合吸収凝縮器を備え、前記ハウジング部に水蒸気タービン排気が流入し、前記ノズル部に前記吸収式冷凍システムから戻った蒸気と循環ポンプで加圧された復水の分岐した一部とが流入し、前記ハウジング部に流入した蒸気を吸引して混合吸収しながら前記熱交換部室に流入して前記混合媒体発電システムからの混合媒体と熱交換を行って復液するようにした構成とする。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記水蒸気発電システムから前記吸収式冷凍システムに供給された水蒸気は、前記混合媒体発電システムに設けられ混合媒体蒸気を発生させる高圧分離器に導かれて熱交換を行ってから水蒸気発電システムに戻るようにした構成とする。
【0009】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記吸収式冷凍システムにおいて冷媒を冷却したのちの混合媒体蒸気は前記混合媒体発電システムのエジェクター式混合吸収凝縮器のハウジング部に導かれ、前記吸収式冷凍システムの蒸発器で分離された低濃度混合媒体液は熱回収器で冷却され絞り弁を経由して前記混合媒体発電システムのエジェクター式混合吸収凝縮器のノズル部に導かれ、前記混合媒体発電システムのエジェクター式混合吸収凝縮器の熱交換部室で復液した混合媒体液は前記吸収式冷凍システムの蒸発器の熱交換部に導かれるようにした構成とする。
【0010】
請求項6の発明の電力・冷熱供給コンバインドシステムは、蒸気発生器で発生した水蒸気によって水蒸気タービンを駆動して発電を行い水蒸気タービン駆動後の水蒸気を復水器によって復水して循環させる水蒸気発電システムと、前記水蒸気発電システムの復水器に接続されるとともに前記水蒸気発電システムから水蒸気を供給されて水よりも沸点の低い媒体を必須成分とし複数種類の媒体からなる混合媒体の濃度分離によって混合媒体蒸気を発生し混合媒体タービンを駆動して発電し発電後の混合媒体蒸気をエジェクター式混合吸収凝縮器によって復液させるとともに前記復液の一部分を前記エジェクター式混合吸収凝縮器の駆動流体として用いる混合媒体発電システムと、前記混合媒体発電システムから混合媒体蒸気を供給され断熱膨張させて冷媒を冷却し冷媒冷却後の混合媒体を前記混合媒体発電システムのエジェクター式混合吸収凝縮器へ送給する吸収式冷凍システムとを備えた構成とする。
【0011】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記混合媒体発電システムは復液を加圧する加圧ポンプを備え、前記加圧ポンプの吐出圧力が2種類以上の圧力に切り換えられる構成とする。
【0012】
請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれかの発明において、前記混合媒体発電システムあるいは前記吸収式冷凍システムに設けられたエジェクター式混合吸収凝縮器の熱交換部は空気冷却である構成とする。
【0013】
請求項9の発明は、請求項1〜7のいずれかの発明において、前記混合媒体発電システムに設けられたエジェクター式混合吸収凝縮器の熱交換部室の熱交換部、および前記吸収式冷凍システムに設けられたエジェクター式混合吸収凝縮器の熱交換部室の熱交換部、および前記吸収式冷凍システムに設けられた凝縮器の熱交換部の少なくともいずれか2つは共通の冷却海水系を備えている構成とする。
【0014】
請求項10の発明は、請求項9の発明において、前記冷却海水系は取水ポンプを備え、前記取水ポンプの取水量は、前記水蒸気発電システムに設けられた蒸気発生器の最大出力の熱除去ができる取水量から前記蒸気発生器の最大熱出力より前記水蒸気タービンおよび前記混合媒体タービンの駆動エネルギーを差し引いた残りの熱除去ができる取水量に変えられる構成とする。
【0015】
請求項11の発明は、請求項9の発明において、前記混合媒体発電システムに備えられ復液を加圧する加圧ポンプ、または前記吸収式冷凍システムに設けられ復液を加圧する加圧ポンプの少なくとも一方の吐出流量は可変である構成とする。
【0016】
請求項12の発明は、請求項1または2の発明において、前記混合媒体発電システムに設けられ混合媒体蒸気を発生する高圧分離器の高濃度混合媒体蒸気配管を分岐して、海水で冷却する熱回収器および緊急時開放弁を介して前記混合媒体タービンの排気部に接続した構成とする。
【0017】
請求項13の発明は、請求項1または2の発明において、前記吸収式冷凍システムは、加圧された復液を分岐して凝縮器の冷却部および蒸発器に導く分岐配管を備えている構成とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムを図1を参照して説明する。すなわち、本実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは、水蒸気発電システム1と、この水蒸気発電システム1のボトミングに付設された水・アンモニア混合媒体発電システム2と、前記水蒸気発電システム1の分岐蒸気あるいは抽気蒸気を利用するアンモニア吸収式冷凍システム3とからなる。
【0019】
水蒸気発電システム1は、ボイラー4、水蒸気タービン5、発電機6、復水器7、循環ポンプ8等で構成される。復水器7には熱交換部9が設けられている。
水・アンモニア混合媒体発電システム2は、高圧分離器10、混合媒体タービン11、発電機12、エジェクター式混合吸収凝縮器13、加圧ポンプ14、熱回収器15、絞り弁16、分岐配管17等で構成される。エジェクター式混合吸収凝縮器13はハウジング部18とノズル部19と熱交換部室20を備え、熱回収器15は熱交換部21を備えている。
【0020】
アンモニア吸収式冷凍システム3は、減圧弁22、蒸発器23、凝縮器24、膨張弁25、加熱器26、エジェクター式混合吸収凝縮器28、加圧ポンプ29、熱回収器30、絞り弁31、分岐配管32等で構成される。エジェクター式混合吸収凝縮器28はハウジング部33とノズル部34と熱交換部室35を備えている。また、蒸発器23、加熱器26および熱回収器30はそれぞれ熱交換部36,37,38を備えている。
【0021】
このような構成によって、水蒸気発電システム1のボイラー4で生成した蒸気を分岐し、その一部を水蒸気タービン5に導いてこれを駆動し、同軸に結合された発電機6で発電を行う。残りの蒸気はアンモニア吸収式冷凍システム3の蒸発器23の熱交換部36に導いて熱交換を行って減圧弁22で減圧を行い、戻り配管27aによって水蒸気発電システム1に戻り、水蒸気タービン5の排気と合流されて復水器7に導かれる。復水器7において、水・アンモニア混合媒体発電システム2の混合媒体が流れる熱交換部9で冷却されて復水し、循環ポンプ8で加圧されてボイラー4に循環する。
【0022】
水・アンモニア混合媒体発電システム2内を循環する水・アンモニア混合媒体は、水蒸気発電システム1の復水器7の熱交換部9において水蒸気タービン5の排気およびアンモニア吸収式冷凍システム3から環流した水蒸気と熱交換を行って加熱され、高圧分離器10に導かれて高濃度の混合媒体蒸気と低濃度の混合媒体液に分離される。高濃度の混合媒体蒸気は混合媒体タービン11に導かれてこれを駆動し、同軸に結合された発電機12で発電を行う。混合媒体タービン11の排気はエジェクター式混合吸収凝縮器13のハウジング部18に導かれる。
【0023】
高圧分離器10で分離された低濃度混合媒体液は熱回収器15で冷却され、絞り弁16を経由してエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19に流入する。ここで、ハウジング部18に流入した混合媒体タービン11の排気の高濃度混合媒体蒸気を吸引して混合吸収しながら熱交換部室20に流入して熱交換を行って復液させる。この復液は加圧ポンプ14で加圧されたのち分岐されて、一部は分岐配管17経由でエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19に導かれる。残りは熱回収器15の熱交換部21を経由して水蒸気発電システム1の復水器7の熱交換部9に循環する。
【0024】
アンモニア吸収式冷凍システム3において、蒸発器23に貯溜された水・アンモニア混合媒体は、水蒸気発電システム1で生成され分岐配管27によって供給された水蒸気で加熱され、アンモニア蒸気と低濃度混合媒体液に分離される。アンモニア蒸気は凝縮器24に導かれて冷却され、膨張弁25を経由して加熱器26に流入して、外部からの冷媒が流れる熱交換部37で熱交換を行ってエジェクター式混合吸収凝縮器28のハウジング部33に流入する。
【0025】
一方、蒸発器23で分離された低濃度混合媒体液は熱回収器30で冷却され、絞り弁31を経由してエジェクター式混合吸収凝縮器28のノズル部34に流入する。ここで、ハウジング部33に流入したアンモニア蒸気を吸引して混合吸収しながら熱交換部室35に流入して熱交換を行って復液させる。
【0026】
この復液は、加圧ポンプ29で加圧されたのち分岐されて、一部は分岐配管32経由でエジェクター式混合吸収凝縮器28のノズル部34に導かれる。残りは熱回収器30の熱交換部38を経由して蒸発器23に循環する。なお、加熱器26の熱交換部37を流れる冷媒は、図示されていない潜熱蓄熱剤貯蔵槽や製氷装置に導かれる。
【0027】
このように本発明の第1の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは、水蒸気発電システム1のボトミングに付設した水・アンモニア混合媒体発電システム2および、水蒸気発電システム1の水蒸気タービン5の抽気蒸気あるいはボイラー4の分岐蒸気を利用するアンモニア吸収式冷凍システム3の復液部にエジェクター式混合吸収凝縮器13,28を用い,加圧した復液の一部を分岐して前記エジェクター式混合吸収凝縮器13,28のノズル部19,34に導くようにしたことに特徴がある。
【0028】
この第1の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムにおいては、夜間の電力需要の少ない時に、水蒸気発電システム1のボイラー4で生成した蒸気の約20%程度が分岐されてアンモニア吸収式冷凍システム3の蒸発器23の熱交換部36に導かれる。この蒸気は、蒸発器23に貯溜されたアンモニア水溶液と熱交換を行って凝縮され減圧弁22で減圧されて水蒸気発電システム1に戻され、水蒸気タービン5の排気と合流して復水器7に導かれて復水される。
【0029】
アンモニア吸収式冷凍システム3の蒸発器23で加熱されたアンモニア水溶液はアンモニア蒸気と低濃度アンモニア水に分離される。アンモニア蒸気は凝縮器24に導かれて冷却水(海水等)が流れる熱交換部で冷却されて液化し、膨張弁25に導かれて断熱膨張を行って低温のアンモニア蒸気となって加熱器26に導かれる。加熱器26では、外部で仕事した冷媒が流れる熱交換部37で熱交換を行って加熱され、エジェクター式混合吸収凝縮器28のハウジング部33に導かれる。
【0030】
一方、蒸発器23で分離された低濃度アンモニア溶液は、熱回収器30で冷却され絞り弁31で圧力調整されてエジェクター式混合吸収凝縮器28のノズル部34に導かれる。そして、ノズル部34から超音速の二相流で噴出して、ハウジング部33に流入したアンモニア蒸気を吸引して混合吸収しながら熱交換部室35に排出する。
【0031】
加熱器26の熱交換部37を流れる外部からの冷媒は膨張弁25から流入する低温のアンモニア蒸気によって冷却され、外部の潜熱蓄熱剤貯蔵槽に移送されて潜熱蓄熱剤を凍結させる熱交換を行って冷熱を潜熱の形で貯蔵したり、外部の製氷装置に導かれて氷を製造する熱交換を行って冷熱を氷潜熱の形で貯蔵する。
【0032】
電力需要のピークが発生する昼間には、水蒸気発電システム1のボイラー4で生成した蒸気をアンモニア吸収式冷凍システム3に分岐する量を減らし、大部分の蒸気を水蒸気タービン5に導いてこれを駆動し、同軸に結合された発電機6で発電を行う。水蒸気タービン5の排気は復水器7に送られ、水・アンモニア混合媒体発電システム2からの混合媒体液が流れる熱交換部9で熱交換を行って復水する。
【0033】
復水器7の熱交換部9で熱交換を行って加熱された水・アンモニア混合媒体は、水・アンモニア混合媒体発電システム2の高圧分離器10に導かれ、高濃度混合媒体蒸気と低濃度混合媒体液に分離される。高濃度混合媒体蒸気は混合媒体タービン11に導かれてこれを駆動し、同軸に結合された発電機12で発電を行う。
【0034】
一方、高圧分離器10で分離された低濃度混合媒体液は熱回収器15に導かれ、エジェクター式混合吸収凝縮器13で復液した混合媒体液が流れる熱交換部21で熱交換を行って冷却され、絞り弁16で圧力調整をされてエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19に導かれる。そしてノズル部19から超音速の二相流で噴出して、ハウジング部18に流入した高濃度混合媒体蒸気を混合吸収して熱交換部室20に吸引排除する。
【0035】
このようにして、水蒸気発電システム1と水・アンモニア混合媒体発電システム2の発電の総和でピーク電力需要に対応する。また、冷熱需要に対しては、夜間にアンモニア吸収式冷凍システム3を運転して生成した冷媒で潜熱蓄熱剤を固化して蓄積した冷熱、あるいは氷を製造して蓄積した冷熱を取出して対処する。さらに、空調に使用した冷水を用いて水・アンモニア混合媒体発電システム2におけるエジェクター式混合吸収凝縮器13の熱交換部室20の熱交換部に流す海水を冷却するのに用いることで水・アンモニア混合媒体発電システム2での発電量を増大させることによってもピーク電力需要に対処する。
【0036】
以上のように、本発明の第1の実施の形態の電力・冷熱コンバインドシステムは、水蒸気発電システム1と水・アンモニア混合媒体発電システム2とアンモニア吸収式冷凍システム3とを備えているので、夜間の電力需要の少ない時にはアンモニア吸収式冷凍システム3によって冷媒を生成して潜熱蓄熱剤を凍結させたり氷を製造して冷熱を貯蔵し、昼間の電力需要の多い時には水蒸気発電システム1と水・アンモニア混合媒体発電システム2のコンバインドシステムで総合発電効率を向上させてピーク電力に対処することによって負荷平準化を行うことができる。
【0037】
また、水・アンモニア混合媒体発電システム2とアンモニア吸収式冷凍システム3の高濃度混合媒体排気蒸気を凝縮するのに低濃度混合媒体液の高圧および加圧した復液の分岐した一部とを駆動力に用いたエジェクター式混合吸収凝縮器13,28を用いることにより高濃度混合媒体排気蒸気を吸収する低濃度混合媒体液が増えることで、短い距離で吸収が行われることになり、復液器のスケールを大幅に小型化することが可能となり、電力・冷熱供給コンバインドシステムの建設費を削減することができ、また混合媒体タービン11の出口の排圧を下げることが可能となりタービン出力を増大させることができる。
【0038】
つぎに図2を参照して本発明の第2の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムを説明する。本実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは、水蒸気発電システム1aと、水・アンモニア混合媒体発電システム2と、アンモニア吸収式冷凍システム3とからなる。
【0039】
水蒸気発電システム1aは、ボイラー4、水蒸気タービン5、発電機6、エジェクター式混合吸収凝縮器39、循環ポンプ8、分岐配管44等で構成される。水・アンモニア混合媒体発電システム2の構成およびアンモニア吸収式冷凍システム3の構成は、前記第1の実施の形態(図1)におけると同じである。
【0040】
このような構成によって、水蒸気発電システム1aのボイラー4で生成した蒸気を分岐し、一部は水蒸気タービン5に導いてこれを駆動し、同軸に結合された発電機6で発電を行い、その排気をエジェクター式混合吸収凝縮器39のハウジング部40に流入させる。ボイラー4で発生した残りの蒸気は分岐配管27を経由してアンモニア吸収式冷凍システム3の蒸発器23の熱交換部36に導いて熱交換を行わせる。
【0041】
蒸発器23において熱交換した後の蒸気は減圧弁22で減圧され、戻り配管27aを通って水蒸気発電システム1aに戻り、エジェクター式混合吸収凝縮器39のノズル部41に導かれる。この蒸気はノズル部41から超音速の二相流で噴出し、ハウジング部40に流入した水蒸気タービン5の排気を吸引して混合吸収しながら熱交換部室42に入り、水・アンモニア混合媒体発電システム2からの混合媒体が流れる熱交換部43で冷却されて復水する。復水は循環ポンプ8で加圧されたのち分岐して一部を分岐配管44でエジェクター式混合吸収凝縮器39のノズル部41に導かれる。残りはボイラー4に循環させる。
【0042】
水・アンモニア混合媒体発電システム2内を循環する水・アンモニア混合媒体は、水蒸気発電システム1aのエジェクター式混合吸収凝縮器39の熱交換部43に通流され熱交換を行って加熱されたのち、高圧分離器10に導かれて高濃度の混合媒体蒸気と低濃度の混合媒体液に分離される。高濃度の混合媒体蒸気は混合媒体タービン11に導かれてこれを駆動し、同軸に結合された発電機12で発電を行う。混合媒体タービン11の排気はエジェクター式混合吸収凝縮器13のハウジング部18に導かれる。
【0043】
一方、高圧分離器10で分離した低濃度混合媒体液は熱回収器15で冷却され、絞り弁16を経由してエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19に流入する。そして、混合媒体タービン11からハウジング部18に流入した高濃度混合媒体蒸気を吸引して混合吸収しながら熱交換部室20に流入して熱交換を行って復液させる。
【0044】
前記復液は加圧ポンプ14で加圧されたのち分岐され、一部は分岐配管17でエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19に導かれ、残りは熱回収器15の熱交換部21を経由して水蒸気発電システム1aのエジェクター式混合吸収凝縮器39の熱交換部43に循環される。アンモニア吸収式冷凍システム3の動作は前記第1の実施の形態において説明した動作と同じである。
【0045】
この第2の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムにおいては、夜間の電力需要の少ない時に、水蒸気発電システム1aのボイラー4で生成した蒸気の約20%程度を分岐して分岐配管27を経由してアンモニア吸収式冷凍システム3の蒸発器23の熱交換部36に導く。この蒸気は、エジェクター式混合吸収凝縮器28で復液したアンモニア水溶液を加圧ポンプ29で加圧したものの一部を熱回収器30で熱交換して昇温されたものと熱交換を行なって凝縮され、減圧弁22で減圧されて、戻り配管27aによって水蒸気発電システム1aのエジェクター式混合吸収凝縮器39のノズル部41に導かれる。また、循環ポンプ8で加圧された復水を分岐した一部もノズル部41に導かれ、ノズル部41からの超音速二相流噴流で、ハウジング部40のタービン5の排気を吸引して混合吸収しながら熱交換部室42に導いて復水させる。このようにして、アンモニア吸収式冷凍システム3によって冷媒を生成し冷熱を貯蔵する。
【0046】
電力需要のピークが発生する昼間には、水蒸気発電システム1aのボイラー4で生成した蒸気をアンモニア吸収式冷凍システム3に分岐する量を減らし、大部分の蒸気を水蒸気タービン5に導いてこれを駆動し、同軸に結合された発電機6で発電を行う。水蒸気タービン5の排気は、エジェクター式混合吸収凝縮器39のハウジング部40に流入し、ノズル部41からの超音速二相流噴流で混合吸収されながら熱交換部室42に導かれ、水・アンモニア混合媒体発電システム2からの混合媒体液が流れる熱交換部43で熱交換を行って復水する。熱交換部43で熱交換を行って加熱された混合媒体は、水・アンモニア混合媒体発電システム2の高圧分離器10に導かれ、高濃度混合媒体蒸気と低濃度混合媒体液に分離される。この高濃度混合媒体蒸気によって混合媒体タービン11を駆動して発電を行う。
【0047】
この第2の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムによれば、第1の実施の形態と同様の効果が得られるとともに、アンモニア吸収式冷凍システム3でアンモニアの蒸発に用いた高圧の復水と、循環ポンプ8で加圧された復水を分岐した一部とをエジェクターの駆動動力として用い、水蒸気タービン5の排気を吸引して混合吸収させるエジェクター式混合吸収凝縮器39が復水器の代わりに用いられるため、水蒸気タービン5の背圧が下がり、タービン出力が増大するという効果が得られる。また、エジェクター式混合吸収凝縮器39は動的な吸収凝縮を行わせるために凝縮部を従来の復水器の場合に比較して小型化することができる。
【0048】
つぎに本発明の第3の実施の形態の電力・冷熱コンバインドシステムを図3を参照して説明する。本実施の形態の電力・冷熱コンバインドシステムは水蒸気発電システム1と、水・アンモニア混合媒体発電システム2aと、アンモニア吸収式冷凍システム3とを備えている。
【0049】
水蒸気発電システム1の構成とアンモニア吸収式冷凍システム3の構成は前記第1の実施の形態におけると同じであるが、水・アンモニア混合媒体発電システム2aは、熱交換部46を備えた高圧分離器45を備えており、水蒸気発電システム1で生成され、アンモニア吸収式吸収式冷凍システム3の蒸発器23で熱交換を行った蒸気をさらに、水・アンモニア混合媒体発電システム2aの高圧分離器45に導入しここで熱交換を行わせて、水蒸気発電システム1の復水器7に導くようにした構成である。
【0050】
このような構成によって、水蒸気発電システム1のボイラー4で生成した蒸気を分岐し、一部は水蒸気タービン5に導いてこれを駆動し、同軸に結合された発電機6で発電を行い、復水器7に流入させる。残りの蒸気はアンモニア吸収式冷凍システム3の蒸発器23の熱交換部36に導いて熱交換を行わせる。熱交換後の蒸気は水・アンモニア混合媒体発電システム2aの高圧分離器45の熱交換部46に導いてさらに熱交換を行わせて水蒸気発電システム1の復水器7に導く。復水器7において水・アンモニア混合媒体発電システム2aからの混合媒体が流れる熱交換部9で冷却されて復水し、復水は循環ポンプ8で加圧されてボイラー4に還流する。
【0051】
水・アンモニア混合媒体発電システム2a内を循環する水・アンモニア混合媒体は、水蒸気発電システム1の復水器7において水蒸気タービン5の排気および高圧分離器45からの高温水と熱交換を行って加熱され、高圧分離器45に導かれて、アンモニア吸収式冷凍システム3の蒸発器23の熱交換部36で熱交換を行た高温水が流れる熱交換部46で更に加熱されて高濃度の混合媒体蒸気と低濃度の混合媒体液に分離される。高濃度の混合媒体蒸気は混合媒体タービン11に導かれてこれを駆動し、同軸に結合された発電機12で発電を行う。混合媒体タービン11の排気は、エジェクター式混合吸収凝縮器13のハウジング部18に流入する。
【0052】
高圧分離器45で分離された低濃度混合媒体液は熱回収器15で冷却され、絞り弁16を経由してエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19に流入する。ここで、ハウジング部18に流入した高濃度混合媒体蒸気を吸引して混合吸収しながら熱交換部室20に流入して熱交換を行って復液させる。
【0053】
前記復液は、加圧ポンプ14で加圧されたのち分岐されて、一部は分岐配管17でエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19に導かれ、残りは熱回収器15の熱交換部21を経由して水蒸気発電システム1の復水器7の熱交換部9に循環する。アンモニア吸収式冷凍システム3の動作は前記第1の実施の形態において説明した動作と同じである。
【0054】
この第3の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムにおいては、夜間の電力需要の少ない時に、水蒸気発電システム1のボイラー4で生成した蒸気の約20%程度を分岐してアンモニア吸収式冷凍システム3の蒸発器23の熱交換部36に導く。この蒸気は、蒸発器23に貯溜されたアンモニア水溶液と熱交換を行って凝縮し高温水となる。この高温水は、水・アンモニア混合媒体発電システム2aの高圧分離器45の熱交換部46に導かれて熱交換を行って冷却されたのち、水蒸気発電システム1の復水器7に導かれ、水・アンモニア混合媒体発電システム2aからの混合媒体が流れる熱交換部9でさらに冷却されて復水する。こうして、蒸発器23において生成したアンモニア蒸気によって冷媒を製造し、この冷媒によって冷熱を生成し貯蔵する。
【0055】
電力需要のピークが発生する昼間には、水蒸気発電システム1のボイラー4で生成した蒸気をアンモニア吸収式冷凍システム3に分岐する量を減らし、大部分の蒸気を水蒸気タービン5に導いてこれを駆動し、同軸に結合された発電機6で発電を行う。水蒸気タービン5の排気は復水器7に導かれ、水・アンモニア混合媒体発電システム2aからの混合媒体液が流れる熱交換部9で熱交換を行って復水する。
【0056】
復水器7の熱交換部9で熱交換を行って加熱された水・アンモニア混合媒体は、高圧分離器45に導かれ、アンモニア吸収式冷凍システム3の蒸発器23の熱交換部36で熱交換を行た高温水が流れる熱交換部46で更に加熱されて高濃度混合媒体蒸気と低濃度混合媒体液に分離される。この高濃度混合媒体蒸気によって混合媒体タービン11を駆動して発電を行う。
【0057】
この第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な効果が得られるとともに、アンモニア吸収式冷凍システム3でアンモニアの蒸発に用いた高圧復水は高温であるため、水・アンモニア混合媒体発電システム2aの高圧分離器45で熱回収を行うことで発電効率をさらに向上させることができる。なお、この実施の形態における水蒸気発電システム1は、前記第2の実施の形態におけるように、復水器7の代りにエジェクター式混合吸収凝縮器39を備えた構成であってもよい。
【0058】
つぎに本発明の第4の実施の形態を説明する。この実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは図4に示すように、水蒸気発電システム1と、水・アンモニア混合媒体発電システム2aと、アンモニア吸収式冷凍システム3aとを備えている。水蒸気発電システム1の構成は第1および第3の実施の形態におけると同じであり、水・アンモニア混合媒体発電システム2aの構成は第3の実施の形態におけると同じである。
【0059】
アンモニア吸収式冷凍システム3aは、蒸発器23、凝縮器24、膨張弁25、加熱器26、および熱回収器30をおもな構成要素とし、第1、第2、第3の実施の形態におけるエジェクター式混合吸収凝縮器28は備えていない。アンモニア吸収式冷凍システム3aと水・アンモニア混合媒体発電システム2aのあいだには、蒸発器23から高圧分離器45への戻り管27aのほかに、熱回収器30の出口側に設けられた絞り弁31あるいは加熱器26から水、アンモニア混合媒体発電システム2aのエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19あるいはハウジング部18に入る配管47、48が設けられ、また、エジェクター式混合吸収凝縮器13の出口に設けられた加圧ポンプ14の吐出側から分岐して熱回収器30の熱交換部38に入る分岐配管49が設けられている。
【0060】
すなわち、アンモニア吸収式冷凍システム3aと水・アンモニア混合媒体発電システム2aはエジェクター式混合吸収凝縮器13および加圧ポンプ14を共用する構成である。
【0061】
このような構成によって、水・アンモニア混合媒体発電システム2aのエジェクター式混合吸収凝縮器13で復液された復液は加圧ポンプ14で加圧されて分岐されて一部が蒸発器23に導かれる。また、加熱器26で加熱されたアンモニア蒸気は、エジェクター式混合吸収凝縮器13のハウジング部18に流入する。また、熱回収器30で冷却された低濃度混合媒体液は、絞り弁31を経由してエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19に導かれる。
【0062】
この第4の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムにおいては、夜間の電力需要の少ない時に、水蒸気発電システム1のボイラー4で生成した蒸気の約20%程度を分岐して分岐配管27を経由してアンモニア吸収式冷凍システム3aの蒸発器23に導く。
【0063】
蒸発器23の熱交換部36において蒸気は、水・アンモニア混合媒体発電システム2aに設けられたエジェクター式混合吸収凝縮器13で復液したアンモニア水溶液を加圧ポンプ14で加圧し分岐した一部を熱回収器30の熱交換部38に導いて熱交換をして昇温されたアンモニア水溶液と熱交換を行って凝縮して高温水となる。
【0064】
前記高温水は減圧弁22で減圧されて、戻り配管27aによって水・アンモニア混合媒体発電システム2aの高圧分離器45の熱交換部46に導かれて熱交換を行って冷却され、水蒸気タービン5の排気と合流して復水器7に導入され、水・アンモニア混合媒体発電システム2a内を循環する水とアンモニアのの混合媒体が流れる熱交換部9で冷却されて復水する。
【0065】
また、加熱器26で熱交換を行ったアンモニア蒸気は、エジェクター式混合吸収凝縮器13のハウジング部18に導かれ、蒸発器23や高圧分離器45で分離された低濃度混合媒体液および、加圧ポンプ14で加圧された復液を分岐した一部をノズル部19に導いて噴出される超音速二相流によって吸引されて混合吸収されながら熱交換部室20に導かれて復液する。こうして、加熱器26の熱交換部37に環流する冷媒を冷却して冷媒を介して冷熱を貯蔵する。
【0066】
電力需要のピークが発生する昼間には、水蒸気発電システム1のボイラー4で生成した蒸気をアンモニア吸収式冷凍システム3aに分岐する蒸気量を減らし、大部分の蒸気を水蒸気タービン5に導いてこれを駆動し同軸に結合された発電機6で発電を行う。水蒸気タービン5の排気は、復水器7に導かれ、水・アンモニア混合媒体発電システム2aからの水とアンモニアの混合媒体液が流れる熱交換部9で熱交換を行って復水する。
【0067】
復水器7の熱交換部9で熱交換を行って加熱された混合媒体は、水・アンモニア混合媒体発電システム2aの高圧分離器45に導かれ、アンモニア吸収式冷凍システム3aの蒸発器23の熱交換部36で熱交換を行った高温水が流れる熱交換部46で更に加熱されて高濃度混合媒体蒸気と低濃度混合媒体液に分離される。この高濃度混合媒体蒸気によって混合媒体タービン11を駆動して発電を行う。
【0068】
この第4の実施の形態によれば、前記第3の実施の形態と同様な効果が得られるとともに、アンモニア吸収式冷凍システム3aと水・アンモニア混合媒体発電システム2aがエジェクター式混合吸収凝縮器13および加圧ポンプ14を共用するので、システムの設備費を低減することができる。なお、この実施の形態における水蒸気発電システム1は、前記第2の実施の形態におけるように、復水器7の代りにエジェクター式混合吸収凝縮器39を備えた構成であってもよい。
【0069】
つぎに本発明の第5の実施の形態を説明する。この実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは図5に示すように、水蒸気発電システム1と、水・アンモニア混合媒体発電システム2aと、アンモニア吸収式冷凍システム3bとを備えている。
【0070】
水蒸気発電システム1の構成は第1、第3、第4の実施の形態におけるとほぼ同じであるが、ボイラー4で発生した蒸気を分岐する分岐配管27上に減圧弁22aを備えている。水・アンモニア混合媒体発電システム2aの構成は第3、第4の実施の形態におけると同じであるが、加圧ポンプ14は高圧と中圧の2段に切り換えられるようになっている。
【0071】
アンモニア吸収式冷凍システム3bは凝縮器24と膨張弁25と加熱器26を備えているが、前記各実施の形態におけるような蒸発器やエジェクター式混合吸収凝縮器は備えていない。そして、凝縮器24の入口には配管50によって、水・アンモニア混合媒体発電システム2aの高圧分離器45の蒸気出力が接続され、加熱器26の出口は配管48によって、水・アンモニア混合媒体発電システム2aに設けられたエジェクター式混合吸収凝縮器13のハウジング部18に接続されている。
【0072】
このような構成によって、水蒸気発電システム1のボイラー4で発生した水蒸気を分岐して、一部を分岐配管27、減圧弁22aを経由して水・アンモニア混合媒体発電システム2aの高圧分離器45の熱交換部46に導いて熱交換を行ったのち復水器7へ環流させる。また、水・アンモニア混合媒体発電システム2aの高圧分離器45で分離したアンモニア蒸気の一部をアンモニア吸収式冷凍システム3bの凝縮器24に導き、アンモニア吸収式冷凍システム3bの加熱器26で加熱されたアンモニア蒸気を水・アンモニア混合媒体発電システム2aのエジェクター式混合吸収凝縮器13のハウジング部18に導く。
【0073】
この第5の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムにおいては、夜間の電力需要の少ない時に、水蒸気発電システム1のボイラー4で生成した蒸気の約20%程度を分岐して水・アンモニア混合媒体発電システム2aの高圧分離器45に導く。高圧分離器45の熱交換部46において蒸気は、高圧分離器45に貯溜されているアンモニア水溶液を加熱してアンモニア蒸気と低濃度混合媒体液に分離する。
【0074】
アンモニア蒸気はアンモニア吸収式冷凍システム3bの凝縮器24に導いて凝縮させ、膨張弁25で断熱膨張をさせ加熱器26に導いて冷媒と熱交換を行わせたのち、水・アンモニア混合媒体発電システム2aのエジェクター式混合吸収凝縮器13のハウジング部18に導く。こうして、加熱器26の熱交換部37に環流する冷媒を冷却して冷熱を貯蔵する。
【0075】
高圧分離器45で分離された低濃度混合媒体液は熱回収器15、絞り弁16を経由してエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19に導かれる。ノズル部19には、加圧ポンプ14で加圧された復液を分岐した一部で分岐配管17を経由した混合媒体液も供給され、ノズル部19から超音速二相流噴流で噴き出して、ハウジング部18に流入する加熱器26の排気を吸引して混合吸収しながら熱交換部室20に導いて復液させる。高圧分離器45で分離されたアンモニア蒸気を混合媒体タービン11に導いて発電することは行わない。
【0076】
電力需要のピークが発生する昼間には、水蒸気発電システム1のボイラー4で生成した蒸気を高圧分離器45の熱交換部46に分岐する量は少量とし、発生した蒸気の大部分を水蒸気タービン5に導いてこれを駆動し、同軸に結合された発電機6で発電を行う。水蒸気タービン3の排気は、復水器7に導かれ、熱交換部9で水・アンモニア混合媒体発電システム2aから循環する混合媒体と熱交換を行って復水する。
【0077】
復水器7の熱交換部9で熱交換を行って加熱された混合媒体は、高圧分離器45に導かれ、熱交換部46で加熱されて高濃度混合媒体蒸気と低濃度混合媒体液に分離する。高濃度混合媒体蒸気は混合媒体タービン11に導かれてこれを駆動し、同軸に結合された発電機12で発電を行う。混合媒体タービン11の排気は、エジェクター式混合吸収凝縮器13のハウジング部18に導かれる。
【0078】
一方、高圧分離器45で分離された低濃度混合媒体液は熱回収器15と絞り弁16を経由してエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19に導かれる。また加圧ポンプ14で加圧された復液を分岐した一部が分岐配管17を経由してノズル部19に導かれる。そして、ノズル部19より噴出する超音速二相流で、ハウジング部18に混合媒体タービン11から流入する高濃度混合媒体蒸気を吸引して混合吸収凝縮しながら熱交換部室20に導いて復液させる。
【0079】
この第5の実施の形態によれば、前記第4の実施の形態と同様な効果が得られるとともに、アンモニア吸収式冷凍システム3bが蒸発器、熱回収器、絞り弁を備えず、水・アンモニア混合媒体発電システム2aとの高圧分離器45を共用するので、機器数を低減することができ、システムの設備費を低減することができる。なお、この実施の形態における水蒸気発電システム1は、前記第2の実施の形態におけるように、復水器7の代りにエジェクター式混合吸収凝縮器39を備えた構成であってもよい。
【0080】
なお、前記第1から第5の実施の形態において、水・アンモニア混合媒体発電システム2、2aにおけるエジェクター式混合吸収凝縮器13の熱交換部室の熱交換部を大気で冷却する構成にしてもよい。大気冷却であると、冬期のように外気温度が低下すればするほど水・アンモニア混合媒体発電システム2、2aによる発電量が増大し、多くの資源エネルギーを回収することができる。
【0081】
つぎに本発明の第6の実施の形態を説明する。この実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは、図6に示すように、水蒸気発電システム1と、水・アンモニア混合媒体発電システム2と、アンモニア吸収式冷凍システム3、および、冷却水配管51と取水ポンプ52を設けて、水・アンモニア混合媒体発電システム2におけるエジェクター式混合吸収凝縮器13の熱交換部室20の熱交換部と、アンモニア吸収式冷凍システム3におけるエジェクター式混合吸収凝縮器28の熱交換部室35の熱交換部、および凝縮器24の熱交換部に流す冷却海水系を共有化した構成である。
【0082】
取水ポンプ52は、水蒸気発電システム1内のボイラー4の最大の熱出力を除去できる流量から水蒸気タービン5と混合媒体タービン11の合計出力を差し引いた残りの熱エネルギーを除去できる流量まで変えられる構成とし、また、加圧ポンプ14と29もそれぞれ吐出流量を変えられる構成とする。
【0083】
この第6の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは前記第1の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムと同様に動作するが、そのほかに、水蒸気発電システム1の水蒸気タービン5が機能喪失した場合、ボイラー4の熱発生を停止するとともに、発生する蒸気の全量を分岐配管27よりアンモニア吸収式冷凍システム3の蒸発器23の熱交換部36に導いて熱交換を行い、減圧弁22を経由して水蒸気発電システム1の復水器7に導き、熱交換部9で冷却を行って復水し、循環ポンプ8で加圧してボイラー4に循環させる。
【0084】
また、水蒸気タービン5が機能喪失すると同時に取水ポンプ52の取水量を最大にし、アンモニア吸収式冷凍システム3内のエジェクター式混合吸収凝縮器28の熱交換部室35の熱交換部および凝縮器24の熱交換部への冷却水供給を増やす。そして、アンモニア吸収式冷凍システム3内の加圧ポンプ29の吐出流量を増やし、蒸発器23における熱交換量を増大させる。
【0085】
こうして、アンモニア吸収式冷凍システム3の蒸発器23での熱除去量が、水蒸気発電システム1の水蒸気タービン5による熱エネルギー量消費量と同じ程度になるようにし、水・アンモニア混合媒体発電システム2の混合媒体タービン11による熱エネルギー消費量が変化しないようにする。なお、アンモニア吸収式冷凍システム3の加熱器26の熱交換部37への冷媒循環は停止する。
【0086】
この第6の実施の形態によれば前記第1の実施の形態と同様な効果が得られるとともに次のような効果が得られる。すなわち、水蒸気発電システム1の水蒸気タービン5が機能喪失した時にボイラー4の熱発生を停止すると同時に循環水も停止するとボイラー4が破損する危険のあるシステムにおいては、ボイラー4の停止後も循環水を流すことになり大量の蒸気を発生するが、本実施の形態においては、この発生した蒸気の全量をアンモニア吸収式冷凍システム3に導き、また取水ポンプ52の取水量を増やし、加圧ポンプ29の吐出量を増やすことで、水蒸気タービン5で消費していた熱エネルギーを除去することができるようになり、水蒸気タービン5の機能喪失事故のシステム全体への波及を防止することができる。
【0087】
また、アンモニア吸収式冷凍システム3と水・アンモニア混合媒体発電システム2のエジェクター式混合吸収凝縮器28,13の熱交換部室35,20の熱交換部への冷却海水の供給を取水ポンプ52で取水した海水を分岐して行う構成であるので、常用系のポンプを用いて事故に対処することができ、システムの信頼性を向上させることができ、設備の稼動率が向上して経済的である。
【0088】
つぎに本発明の第7の実施の形態を説明する。この実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは、図7に示すように、水蒸気発電システム1と、水・アンモニア混合媒体発電システム2aと、アンモニア吸収式冷凍システム3、および、冷却水配管51と取水ポンプ52を設けて、水・アンモニア混合媒体発電システム2aにおけるエジェクター式混合吸収凝縮器13の熱交換部室20の熱交換部と、アンモニア吸収式冷凍システム3におけるエジェクター式混合吸収凝縮器28の熱交換部室35の熱交換部、および凝縮器24の熱交換部に流す冷却海水系を共有化した構成である。
【0089】
取水ポンプ52は、水蒸気発電システム1内のボイラー4の最大の熱出力を除去できる流量から水蒸気タービン5と混合媒体タービン11の合計出力を差し引いた残りの熱エネルギーを除去できる流量まで変えられる構成とし、また、加圧ポンプ14と29もそれぞれ吐出流量を変えられる構成とする。
【0090】
この第7の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは前記第3の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムと同様に動作するが、そのほかに、水蒸気発電システム1の水蒸気タービン5が機能喪失した場合、ボイラー4の熱発生を停止するとともに、発生する蒸気の全量を分岐配管27よりアンモニア吸収式冷凍システム3の蒸発器23の熱交換部36に導いて熱交換を行い、減圧弁22を経由して水・アンモニア混合媒体発電システム2aの高圧分離器45の熱交換部46に導いて冷却して水蒸気発電システム1の復水器7に導き、熱交換部9で冷却を行って復水し、循環ポンプ8で加圧してボイラー4に循環させる。
【0091】
また、水蒸気タービン5が機能喪失すると同時に取水ポンプ52の取水量を最大にし、アンモニア吸収式冷凍システム3内のエジェクター式混合吸収凝縮器28の熱交換部室35の熱交換部、および凝縮器24の熱交換部への冷却水供給を増やす。そして、アンモニア吸収式冷凍システム3内の加圧ポンプ29の吐出流量を増やし、蒸発器23における熱交換量を増大させる。
【0092】
こうして、アンモニア吸収式冷凍システム3の蒸発器23での熱除去量が、水蒸気発電システム1の水蒸気タービン5による熱エネルギー量消費量と同じ程度になるようにし、水・アンモニア混合媒体発電システム2aの混合媒体タービン11による熱エネルギー消費量が変化しないようにする。なお、アンモニア吸収式冷凍システム3の加熱器26の熱交換部37への冷媒循環は停止する。
【0093】
この第7の実施の形態によれば前記第3の実施の形態と同様な効果が得られるとともに次のような効果が得られる。すなわち、水蒸気発電システム1の水蒸気タービン5が機能喪失した時にボイラー4の熱発生を停止すると同時に循環水も停止すると、ボイラー4が破損する危険のあるシステムにおいては、ボイラー4の停止後も循環水を流すことになり大量の蒸気を発生するが、本実施の形態においては、この発生した蒸気の全量をアンモニア吸収式冷凍システム3に導き、また、取水ポンプ52の取水量を増やし、加圧ポンプ29の吐出量を増やすことで、水蒸気タービン5で消費していた熱エネルギーを除去することができるようになり、水蒸気タービン5の機能喪失事故のシステム全体への波及を防止することができる。
【0094】
また、アンモニア吸収式冷凍システム3と水・アンモニア混合媒体発電システム2aのエジェクター式混合吸収凝縮器28,13の熱交換部室35、20の熱交換部への冷却海水の供給を取水ポンプ52で取水した海水を分岐して行う構成であるので、常用系のポンプを用いて事故に対処することができ、システムの信頼性を向上させることができ、設備の稼動率が向上して経済的である。
【0095】
つぎに本発明の第8の実施の形態を説明する。この実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは、図8に示すように、水蒸気発電システム1と、水・アンモニア混合媒体発電システム2aと、アンモニア吸収式冷凍システム3a、および、冷却水配管51と取水ポンプ52を設けて、水・アンモニア混合媒体発電システム2aにおけるエジェクター式混合吸収凝縮器13の熱交換部室20の熱交換部と、アンモニア吸収式冷凍システム3aにおける凝縮器24の熱交換部に流す冷却海水系を共有化した構成である。
【0096】
取水ポンプ52は、水蒸気発電システム1内のボイラー4の最大の熱出力を除去できる流量から水蒸気タービン5と混合媒体タービン11の合計出力を差し引いた残りの熱エネルギーを除去できる流量まで変えられる構成とし、また加圧ポンプ14の吐出流量も変えられる構成とする。
【0097】
この第8の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは前記第4の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムと同様に動作するが、そのほかに、水蒸気発電システム1の水蒸気タービン5が機能喪失した場合、ボイラー4の熱発生を停止するとともに、発生する蒸気の全量を分岐配管27よりアンモニア吸収式冷凍システム3aの蒸発器23の熱交換部36に導いて熱交換を行い、減圧弁22を経由して水・アンモニア混合媒体発電システム2aの高圧分離器45の熱交換部46に導いて冷却して水蒸気発電システム1の復水器7に導き、熱交換部9で冷却を行って復水し、循環ポンプ8で加圧してボイラー4に循環させる。
【0098】
また、水蒸気タービン5が機能喪失すると同時に取水ポンプ52の取水量を最大にし、アンモニア吸収式冷凍システム3a内の凝縮器24の熱交換部への冷却水、および水・アンモニア混合媒体発電システム2a内のエジェクター式混合吸収凝縮器13の熱交換部室20の熱交換部への冷却水を増やす。そして、水・アンモニア混合媒体発電システム2aの加圧ポンプ14の吐出流量を増やし、分岐配管17への分岐量および、アンモニア吸収式冷凍システム3aへの分岐量を増やし、蒸発器23における熱交換量を増大させる。
【0099】
こうして、アンモニア吸収式冷凍システム3aの蒸発器23での熱除去量が、水蒸気発電システム1の水蒸気タービン5による熱エネルギー消費量と同じ程度となるようにし、水・アンモニア混合媒体発電システム2aの混合媒体タービン11による熱エネルギー消費量が変化しないようにする。なお、アンモニア吸収式冷凍システム3aの加熱器26の熱交換部37への冷媒循環は停止する。
【0100】
この第8の実施の形態によれば前記第4の実施の形態と同様な効果が得られるとともに次のような効果が得られる。すなわち、水蒸気発電システム1の水蒸気タービン5が機能喪失した時にボイラー4の熱発生を停止すると同時に循環水も停止すると、ボイラー4が破損する危険のあるシステムにおいては、取水ポンプ52の取水量を増やし、また、水・アンモニア混合媒体発電システム2aの加圧ポンプ14の吐出量を増やすことでボイラー4の停止後も循環水を流すことになり大量の蒸気を発生するが、本実施の形態においては、ボイラー4で発生した蒸気の全量をアンモニア吸収式冷凍システム3aに導いて水蒸気タービン5で消費していた熱エネルギーを除去して、水蒸気タービン5の機能喪失事故がシステム全体へ波及することを防止することができる。
【0101】
また、アンモニア吸収式冷凍システム3aの蒸発器23へ供給する低温復液の増加分を製造するのに使用する冷却海水の供給を常用系のポンプ52を用いて対処することができるので、システムの信頼性を向上させることができ、設備の稼動率が向上して経済的である。
【0102】
つぎに本発明の第9の実施の形態を説明する。この実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは、図9に示すように、水蒸気発電システム1と、水・アンモニア混合媒体発電システム2aと、アンモニア吸収式冷凍システム3b、および、冷却水配管51と取水ポンプ52を設けて、水・アンモニア混合媒体発電システム2aにおけるエジェクター式混合吸収凝縮器13の熱交換部室20の熱交換部と、アンモニア吸収式冷凍システム3bにおける凝縮器24の熱交換部に流す冷却海水系を共有化した構成である。
【0103】
取水ポンプ52は、水蒸気発電システム1内のボイラー4の最大の熱出力を除去できる流量から水蒸気タービン5と混合媒体タービン11の合計出力を差し引いた残りの熱エネルギーを除去できる流量まで変えられる構成とし、また、加圧ポンプ14の吐出流量を変えられる構成とする。
【0104】
この第9の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは、前記第5の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムと同様に動作するが、そのほかに、水蒸気発電システム1の水蒸気タービン5が、機能喪失した場合、ボイラー4の熱発生を停止するとともに、発生する蒸気の全量を分岐配管27より水・アンモニア混合媒体発電システム2aの高圧分離器45の熱交換部46に導いて冷却して水蒸気発電システム1の復水器7に導き、熱交換部9で冷却を行って復水し、循環ポンプ8で加圧してボイラー4に循環させる。
【0105】
また、水蒸気タービン5が機能喪失すると同時に取水ポンプ52の取水量を最大にし、水・アンモニア混合媒体発電システム2a内のエジェクター式混合吸収凝縮器13の熱交換部室20の熱交換部への冷却水、およびアンモニア吸収式冷凍システム3b内の凝縮器24の熱交換部への冷却水を増やす。また、水・アンモニア混合媒体発電システム2aの加圧ポンプ14の吐出流量を増やし、アンモニア吸収式冷凍システム3bへのアンモニア蒸気の分岐量を増やし、凝縮器24における熱交換量を増やす。こうして、水・アンモニア混合媒体発電システム2aの混合媒体タービン11による熱エネルギー消費量が変化しないようにする。なお、アンモニア吸収式冷凍システム3bの加熱器26の熱交換部37への冷媒循環は停止する。
【0106】
この第9の実施の形態によれば、前記第5の実施の形態と同様な効果が得られるとともに次のような効果が得られる。すなわち、水蒸気発電システム1の水蒸気タービン5が機能喪失した時にボイラー4の熱発生を停止すると同時に循環水も停止すると、ボイラー4が破損する危険のあるシステムにおいては、ボイラー4の停止後も循環水を流すことになり、大量の蒸気を発生するが、本実施の形態においては、取水ポンプ52の取水量を増やし、また、水・アンモニア混合媒体発電システム2aの加圧ポンプ14の吐出量を増やすことによって、ボイラー4で発生した蒸気の全量をアンモニア吸収式冷凍システム3bに導いて水蒸気タービン5で消費していた熱エネルギーを除去して、水蒸気タービン5の機能喪失事故がシステム全体へ波及することを防止することができる。
【0107】
また、アンモニア吸収式冷凍システム3bの凝縮器24の熱交換部へ供給する冷却海水の増加分、および水・アンモニア混合媒体発電システム2aのエジェクター式混合吸収凝縮器13の熱交換部室20の熱交換部への冷却水の増加分を常用系のポンプ52を用いて対処することができるので、システムの信頼性を向上させることができ、設備の稼動率も向上して経済的である。
【0108】
つぎに本発明の第10の実施の形態を説明する。この実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは、図10に示すように、水蒸気発電システム1と、水・アンモニア混合媒体発電システム2bと、アンモニア吸収式冷凍システム3とを備えている。水蒸気発電システム1の構成は、第1、第3等の実施の形態におけると同じであり、アンモニア吸収式冷凍システム3の構成は第1、第2等の実施の形態におけると同じである。
【0109】
水・アンモニア混合媒体発電システム2bは、高圧分離器10、混合媒体タービン11、発電機12、エジェクター式混合吸収凝縮器13、加圧ポンプ13、熱回収器15、絞り弁16、分岐配管17、熱回収器53、分岐配管54、および弁55を備えている。
【0110】
すなわち、水・アンモニア混合媒体発電システム2bは、高圧分離器10の高濃度混合媒体蒸気配管を分岐して海水で冷却する熱回収器53、および緊急時に開放する弁55を介して混合媒体タービン11の排気部に接続されたバイパス系を設けた構成である。
【0111】
このような構成によって、水蒸気発電システム1の復水器7に水・アンモニア混合媒体発電システム2bからの水・アンモニア混合媒体を流し、熱交換を行って加熱し、水・アンモニア混合媒体発電システム2bの高圧分離器10に導いて高濃度の混合媒体蒸気と低濃度の混合媒体液に分離させる。
【0112】
高濃度の混合媒体蒸気は分岐して一部は分岐配管54を経由して熱回収器53で熱交換を行って弁55を経由してエジェクター式混合吸収凝縮器13のハウジング部18に導かれる。他は混合媒体タービン11に導かれてこれを駆動し同軸に結合された発電機12で発電を行い、エジェクター式混合吸収凝縮器13のハウジング部18に導かれる。
【0113】
高圧分離器10で分離された低濃度混合媒体液は熱回収器15で冷却され、絞り弁16を経由してエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19に流入する。そして、ハウジング部18に流入した高濃度混合媒体蒸気を吸引して混合吸収しながら熱交換部室20に流入して熱交換を行って復液させる。
【0114】
復液は、加圧ポンプ14で加圧され分岐されて、一部は分岐配管17でエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19に導かれ、残りの加圧された復液は熱回収器15の熱交換部21を経由して水蒸気発電システム1の復水器7の熱交換部9に循環する。
【0115】
この第10の実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは、前記第1の実施の形態と同様に動作するが、さらに、水・アンモニア混合媒体発電システム2bの混合媒体タービン11が機能喪失した時、高圧分離器10で分離された高濃度混合媒体蒸気の全量を分岐配管54に導き、熱回収器53で熱交換を行って冷却して弁55を経由してエジェクター式混合吸収凝縮器13のハウジング部18に導く。
【0116】
また、高圧分離器10で分離された低濃度混合媒体液を熱回収器15で冷却して、絞り弁16を経由してエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19に流入させる。そして、ハウジング部18に流入した高濃度混合媒体蒸気を吸引して混合吸収しながら熱交換部室20に流入して熱交換を行って復液させる。
【0117】
復液は、加圧ポンプ14で加圧され分岐されて一部は分岐配管17でエジェクター式混合吸収凝縮器13のノズル部19に導かれる。残りの復液は熱回収器15の熱交換部21を経由して水蒸気発電システム1の復水器7の熱交換部9に循環される。熱回収器53では混合媒体タービン11の駆動エネルギー相当の熱除去を行う。
【0118】
この第10の実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様な効果が得られるとともに次のような効果が得られる。すなわち、混合媒体タービン11が機能喪失した時にボイラー4の熱発生を停止すると同時に循環水も停止すると、ボイラー4が破損する危険のあるシステムにおいては、ボイラー4の停止後も循環水を流すことになり、大量の蒸気を発生するが、本実施の形態においては、ボイラー4で発生し、水蒸気タービン5を駆動した蒸気と復水器7で熱交換を行って水・アンモニア混合媒体発電システム2bに導かれた熱エネルギーで高濃度混合媒体蒸気を発生させ、この高濃度混合媒体蒸気を分岐配管54から熱回収器53に導いて海水で冷却して熱交換を行わせてエジェクター式混合吸収凝縮器13のハウジング部18から熱交換部室20に導いて復液させ、加圧ポンプ14で加圧して復水器7に循環させるので、高濃度混合媒体蒸気の熱エネルギーを熱回収器53によって除去し、混合媒体タービン11の機能喪失事故がシステム全体へ波及することを防止することができる。
【0119】
つぎに本発明の第11の実施の形態を説明する。この実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムは、図11に示すように、水蒸気発電システム1と、水・アンモニア混合媒体発電システム2と、アンモニア吸収式冷凍システム3cとを備えている。水蒸気発電システム1の構成は、第1、第3等の実施の形態におけると同じであり、水・アンモニア混合媒体発電システム2の構成は第1、第2等の実施の形態におけると同じである。
【0120】
アンモニア吸収式冷凍システム3cは、蒸発器23、凝縮器24、膨張弁25、加熱器26、エジェクター式混合吸収凝縮器28、加圧ポンプ29、熱回収器30、絞り弁31、および分岐配管32、56、57を備えている。
【0121】
すなわち、アンモニア吸収式冷凍システム3cにおける凝縮器24の冷却を、加圧ポンプ29で加圧し分岐した復液で行い、復液はその後、蒸発器23に導くようにした構成である。
【0122】
蒸発器23に導入された水・アンモニア混合媒体は、水蒸気発電システム1で生成され分岐された水蒸気で加熱され、高濃度アンモニア蒸気と低濃度混合媒体液に分離される。高濃度アンモニア蒸気は凝縮器24に導かれて冷却され、膨張弁25を経由して加熱器26に流入して外部からの冷媒が流れる熱交換部37で熱交換を行ってエジェクター式混合吸収凝縮器28のハウジング部33に流入する。
【0123】
一方、蒸発器23で分離された低濃度混合媒体液は熱回収器30で冷却され、絞り弁31を経由してエジェクター式混合吸収凝縮器28のノズル部34に流入する。そして、ハウジング部33に流入しているアンモニア蒸気を吸引して混合吸収しながら熱交換部室35に流入して熱交換を行って復液させる。この復液は、加圧ポンプ29で加圧し分岐して一部を分岐配管32経由でエジェクター式混合吸収凝縮器28のノズル部34に導く。他の一部は分岐配管56で凝縮器24の熱交換部に流して熱交換を行わせて蒸発器23に導き、残りは熱回収器30の熱交換部38を経由して蒸発器23に循環させる。加熱器26の熱交換部37を流れる外部からの冷媒は、図示されていない潜熱蓄熱剤貯蔵槽や製氷装置に導かれる。
【0124】
この実施の形態の電力・冷熱供給コンバインドシステムにおいては、アンモニア吸収式冷凍システム3cの凝縮器24の冷却を海水等で行うのでなく、エジェクター式混合吸収凝縮器28で液化した混合媒体復液を加圧ポンプ29で加圧し分岐して行う。したがって、高い熱回収効率を得ることができる。
【0125】
【発明の効果】
本発明によれば、建設費用が低減され、設備効率の高い電力・冷熱供給コンバインドシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の電力・冷熱コンバインドシステムの機器構成および流体の流れを示す図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の電力・冷熱コンバインドシステムの機器構成および流体の流れを示す図。
【図3】本発明の第3の実施の形態の電力・冷熱コンバインドシステムの機器構成および流体の流れを示す図。
【図4】本発明の第4の実施の形態の電力・冷熱コンバインドシステムの機器構成および流体の流れを示す図。
【図5】本発明の第5の実施の形態の電力・冷熱コンバインドシステムの機器構成および流体の流れを示す図。
【図6】本発明の第6の実施の形態の電力・冷熱コンバインドシステムの機器構成および流体の流れを示す図。
【図7】本発明の第7の実施の形態の電力・冷熱コンバインドシステムの機器構成および流体の流れを示す図。
【図8】本発明の第8の実施の形態の電力・冷熱コンバインドシステムの機器構成および流体の流れを示す図。
【図9】本発明の第9の実施の形態の電力・冷熱コンバインドシステムの機器構成および流体の流れを示す図。
【図10】本発明の第10の実施の形態の電力・冷熱コンバインドシステムの機器構成および流体の流れを示す図。
【図11】本発明の第11の実施の形態の電力・冷熱コンバインドシステムの機器構成および流体の流れを示す図。
【符号の説明】
1,1a…水蒸気発電システム、2,2a,2b…水・アンモニア混合媒体発電システム、3,3a,3b,3c…アンモニア吸収式冷凍システム、4…ボイラー、5…水蒸気タービン、6…発電機、7…復水器、8…循環ポンプ、9…熱交換部、10…高圧分離器、11…混合媒体タービン、12…発電機、13…エジェクター式混合吸収凝縮器、14…加圧ポンプ、15…熱回収器、16…絞り弁、17…分岐配管、18…ハウジング部、19…ノズル部、20…熱交換部室、21…熱交換部、22,22a…減圧弁、23…蒸発器、24…凝縮器、25…膨張弁、26…加熱器、27…分岐配管、27a…戻り配管、28…エジェクター式混合吸収凝縮器、29…加圧ポンプ、30…熱回収器、31…絞り弁、32…分岐配管、33…ハウジング部、34…ノズル部、35…熱交換部室、36,37,38…熱交換部、39…エジェクター式混合吸収凝縮器、40…ハウジング部、41…ノズル部、42…熱交換部室、43…熱交換部、44…分岐配管、45…高圧分離器、46…熱交換部、47,48,50…配管、49…分岐配管、51…冷却水配管、52…取水ポンプ、53…熱回収器、54…分岐配管、55…弁、56,57…分岐配管。
Claims (13)
- 蒸気発生器で発生した水蒸気によって水蒸気タービンを駆動して発電を行い水蒸気タービン駆動後の水蒸気を復水器によって復水して循環させる水蒸気発電システムと、前記水蒸気発電システムの復水器に接続されて水よりも沸点の低い媒体を必須成分とし複数種類の媒体からなる混合媒体の濃度分離によって前記水蒸気発電システムの廃熱を回収し混合媒体タービンを駆動して発電し発電後の混合媒体蒸気をエジェクター式混合吸収凝縮器によって復液させるとともに前記復液の一部分を前記エジェクター式混合吸収凝縮器の駆動流体として用いる混合媒体発電システムと、前記水蒸気発電システムから水蒸気を供給されて混合媒体を濃度分離し断熱膨張させて冷媒を冷却する吸収式冷凍システムとを備えたことを特徴とする電力・冷熱供給コンバインドシステム。
- 前記吸収式冷凍システムはエジェクター式混合吸収凝縮器を備え、冷媒を冷却した後の混合媒体蒸気を前記エジェクター式混合吸収凝縮器によって復液させるとともに復液の一部分を前記エジェクター式混合吸収凝縮器の駆動流体として用いることを特徴とする請求項1記載の電力・冷熱供給コンバインドシステム。
- 前記水蒸気発電システムは復水器の代りに、ハウジング部とノズル部と熱交換部室を有するエジェクター式混合吸収凝縮器を備え、前記ハウジング部に水蒸気タービン排気が流入し、前記ノズル部に前記吸収式冷凍システムから戻った蒸気と循環ポンプで加圧された復水の分岐した一部とが流入し、前記ハウジング部に流入した蒸気を吸引して混合吸収しながら前記熱交換部室に流入して前記混合媒体発電システムからの混合媒体と熱交換を行って復液するようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の電力・冷熱供給コンバインドシステム。
- 前記水蒸気発電システムから前記吸収式冷凍システムに供給された水蒸気は、前記混合媒体発電システムに設けられ混合媒体蒸気を発生させる高圧分離器に導かれて熱交換を行ってから水蒸気発電システムに戻るようにしたことを特徴とする請求項1記載の電力・冷熱供給コンバインドシステム。
- 前記吸収式冷凍システムにおいて冷媒を冷却したのちの混合媒体蒸気は前記混合媒体発電システムのエジェクター式混合吸収凝縮器のハウジング部に導かれ、前記吸収式冷凍システムの蒸発器で分離された低濃度混合媒体液は熱回収器で冷却され絞り弁を経由して前記混合媒体発電システムのエジェクター式混合吸収凝縮器のノズル部に導かれ、前記混合媒体発電システムのエジェクター式混合吸収凝縮器の熱交換部室で復液した混合媒体液は前記吸収式冷凍システムの蒸発器の熱交換部に導かれるようにしたことを特徴とする請求項4に記載の電力・冷熱供給コンバインドシステム。
- 蒸気発生器で発生した水蒸気によって水蒸気タービンを駆動して発電を行い水蒸気タービン駆動後の水蒸気を復水器によって復水して循環させる水蒸気発電システムと、前記水蒸気発電システムの復水器に接続されるとともに前記水蒸気発電システムから水蒸気を供給されて水よりも沸点の低い媒体を必須成分とし複数種類の媒体からなる混合媒体の濃度分離によって混合媒体蒸気を発生し混合媒体タービンを駆動して発電し発電後の混合媒体蒸気をエジェクター式混合吸収凝縮器によって復液させるとともに前記復液の一部分を前記エジェクター式混合吸収凝縮器の駆動流体として用いる混合媒体発電システムと、前記混合媒体発電システムから混合媒体蒸気を供給され断熱膨張させて冷媒を冷却し冷媒冷却後の混合媒体を前記混合媒体発電システムのエジェクター式混合吸収凝縮器へ送給する吸収式冷凍システムとを備えたことを特徴とする電力・冷熱供給コンバインドシステム。
- 前記混合媒体発電システムは復液を加圧する加圧ポンプを備え、前記加圧ポンプの吐出圧力が2種類以上の圧力に切り換えられることを特徴とする請求項6記載の電力・冷熱供給コンバインドシステム。
- 前記混合媒体発電システムあるいは前記吸収式冷凍システムに設けられたエジェクター式混合吸収凝縮器の熱交換部は空気冷却であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電力・冷熱供給コンバインドシステム。
- 前記混合媒体発電システムに設けられたエジェクター式混合吸収凝縮器の熱交換部室の熱交換部、および前記吸収式冷凍システムに設けられたエジェクター式混合吸収凝縮器の熱交換部室の熱交換部、および前記吸収式冷凍システムに設けられた凝縮器の熱交換部の少なくともいずれか2つは共通の冷却海水系を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電力・冷熱供給コンバインドシステム。
- 前記冷却海水系は取水ポンプを備え、前記取水ポンプの取水量は、前記水蒸気発電システムに設けられた蒸気発生器の最大出力の熱除去ができる取水量から前記蒸気発生器の最大熱出力より前記水蒸気タービンおよび前記混合媒体タービンの駆動エネルギーを差し引いた残りの熱除去ができる取水量に変えられることを特徴とする請求項9に記載の電力・冷熱供給コンバインドシステム。
- 前記混合媒体発電システムに備えられ復液を加圧する加圧ポンプ、または前記吸収式冷凍システムに設けられ復液を加圧する加圧ポンプの少なくとも一方の吐出流量は可変であることを特徴とする請求項9に記載の電力・冷熱供給コンバインドシステム。
- 前記混合媒体発電システムに設けられ混合媒体蒸気を発生する高圧分離器の高濃度混合媒体蒸気配管を分岐して、海水で冷却する熱回収器および緊急時開放弁を介して前記混合媒体タービンの排気部に接続したことを特徴とする請求項1または2記載の電力・冷熱供給コンバインドシステム。
- 前記吸収式冷凍システムは、加圧された復液を分岐して凝縮器の冷却部および蒸発器に導く分岐配管を備えていることを特徴とする請求項1または2記載の電力・冷熱供給コンバインドシステム。
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