JP2004035011A - ネジ蓋式の密封容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ネジ蓋を少し回転させるだけで容器の口頸部の螺旋ネジに係合させることができて、また、ネジ蓋を短時間に素早く、滑らかに、且つ、傾かないように的確に螺合することができて、ネジ蓋の戻りを防止した容器を提供する。
【解決手段】中空容器1の口頸部に複数条の螺旋ネジ3を形成すると共に、前記複数の螺旋ネジのそれぞれの始点部分3aを円周方向に間隔をおいて形成して、ネジ蓋2が螺旋ネジ3に係合する係合始点を複数箇所となるように形成して、口頸部に螺合するネジ蓋2を少し回転させるだけで、口頸部の螺旋ネジ3に係合させることができるように形成して、更に、前記口頸部に設けた複数条の螺旋ネジ3の前半部分3bのネジ山の幅を後半部分3cのネジ山よりも僅かに狭くなるように形成して、ネジ蓋2を口頸部の螺旋ネジ3に容易に係合させることができるように形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】中空容器1の口頸部に複数条の螺旋ネジ3を形成すると共に、前記複数の螺旋ネジのそれぞれの始点部分3aを円周方向に間隔をおいて形成して、ネジ蓋2が螺旋ネジ3に係合する係合始点を複数箇所となるように形成して、口頸部に螺合するネジ蓋2を少し回転させるだけで、口頸部の螺旋ネジ3に係合させることができるように形成して、更に、前記口頸部に設けた複数条の螺旋ネジ3の前半部分3bのネジ山の幅を後半部分3cのネジ山よりも僅かに狭くなるように形成して、ネジ蓋2を口頸部の螺旋ネジ3に容易に係合させることができるように形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願の発明は、各種の内容物が収容される容器の開口部の口頸外周部にネジ山が形成された容器に対して、内周面に螺合ネジが形成されたネジ蓋を螺合して密封する密封容器に係わるもので、中でも、容器の口頸部に多条のネジ山を形成して、ネジ蓋を素早く簡単に螺着できるようにすると共に、ネジ蓋と容器との間の摩擦力を大きくして、ネジ蓋の戻りを防止するようにしたネジ蓋式の密封容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からネジ蓋を用いて容器の開口部を密封するようにしたネジ蓋式の密封容器は、飲料その他の液体容器、ジャムその他の広口の食品容器、クリームや乳液等の化粧品容器、靴墨やワックス等の皮革容器、その他に広く用いられてきたが、これらの容器は、ガラスや合成樹脂で形成された容器本体の口頸部に、金属またはエボナイトや合成樹脂で形成されたネジ蓋を螺合して密封するようにしたものか、または、金属で形成された容器本体に金属のネジ蓋を螺合して密封するようにしたものが使用されてきた。
【0003】
上記のようなネジ蓋式の密封容器は、道具を用いずに蓋の開閉ができて便利であることから広く使用されているが、このようなネジ蓋が螺着された容器に於いては、ネジ蓋が螺着された後で、ネジ蓋が緩むことがないようにしなければならない。
しかし、一般的に用いられているこれらの容器に於いては、容器本体の口頸部に一条のネジ山を所定のピッチで一周以上、2周程度に形成して、前記口頸部のネジ山と同一ピッチのネジを内周面に形成したネジ蓋を容器本体に螺合することにより、容器の開口部を密封しているだけで、ネジ蓋が弛むのを防止するための手段がない。
【0004】
従って、これらの容器は、ネジ蓋を強く締め付けておいても、容器本体に与えられる外部からの振動等により弛んでしまうことがあり、特に、容器内に油性の内容物が収容されている場合には、ネジ面に油分が付着して蓋と容器本体との間の摩擦力が低下するので、ネジ蓋は一層弛みやすくなる。
また、上記容器本体が広口である場合には、容器本体のネジ山の先端部にネジ蓋の溝を噛み合わせて、ネジ蓋を容器本体の口頸部に正確に螺合させるには、ネジ蓋を半周以上にわたって慎重に回転させなくてはならない場合がある。
【0005】
そこで、容器の口頸部に螺着されたネジ蓋が弛むことがないように、また、ネジ蓋を少し回転させるだけで容器の口頸部に螺着できるようにする手段を設けたネジ蓋式の容器が色々と工夫されている。
例えば、ネジ蓋の弛みを防止したものとしては、実公昭56−48057号や実公昭57−9239号公報その他に提案されているが、これらは容器本体の口頸部に設けたネジ山の終端部近傍をやや幅広に形成して、ネジ溝が狭くなるようにして、ネジ蓋を締め付けるように螺合したり、あるいは、口頸部のネジ山を終端部近傍で他のネジ山よりも高く形成して、ネジ蓋がすき間嵌め状態に圧接係合するように螺合するものであるが、これらは閉蓋時のネジ蓋の位置合わせを時間をかけて慎重に行わなければならず、素早く、滑らかに螺合する点で問題があり、また、ネジ山が変則的であるからその成形がやや面倒になる。
【0006】
また、ネジ蓋を素早く、滑らかに、且つ、的確に螺合できるようにしたものとしては、実公昭46−4306号や実公昭62−9243号公報等に提案されているが、これらは容器本体の口頸部とネジ蓋内面に複数の係合凹凸部を形成しておいて、閉蓋時には前記係合凹凸部を噛み合わせることにより、ネジ蓋を口頸部に短時間でスムーズに螺合できるようにしたり、雄雌の螺条の螺合に遊びをもたせたり、雄または雌の螺条の周面の一部に欠落部を設けておいて、ネジ蓋を螺合し易くしたものであるが、ネジ蓋の弛みを防止する点で問題がある。
【0007】
そこで、上記した問題点を解決すべくネジ蓋を180度あるいは90度以内の回転により口頸部に螺合できるようにして、容器の口頸部にネジ蓋を素早く、且つ、滑らかに螺合できるようにしたものとして、実開平5−29954号公報等に記載するようなものが知られている。
これらの代表的なものとしては、図6に見るように、合成樹脂またはガラス等により成形された中空容器の容器本体31の口頸部31aの外周面に、複数条のネジ山33が間隔を設けて螺旋状に形成されているので、口頸部に被着したネジ蓋32を回動させて螺合するには、ネジ蓋32は2分の1周以内回動させるだけで、図7に示すように、容器の口頸部31aに螺合させることができる。
しかし、上記考案の容器は、ネジ山がネジ蓋の溝に噛み込まれる先端部分が従来のものと変わりないので、ネジ蓋32を容器の口頸部31aに滑らかに螺合させることはできないし、また、螺合したネジ蓋32を容器の口頸部に弛まないようにして止めておくことができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本願の発明は、ネジの戻りが発生し易くて、気密性が悪いという状況を打開するために創案されたもので、中空容器の口頸部にネジ蓋を螺着して密封するネジ蓋式の密封容器に於いて、構造が簡単で、あらゆる中空容器に適用することができて、中空容器の開口部を密封するネジ蓋を少し回転させるだけで容器の口頸部に螺着することができて、また、ネジ蓋を容器本体の口頸部に対して短時間に素早く、滑らかに、且つ、傾かないようにして的確に螺合することができるように形成して、更に、容器の口頸部に螺着されたネジ蓋は、開封操作が行われた時以外には、振動や衝撃等の外力により自然に弛んで開封されることがないように形成されたネジ蓋式の密封容器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願の発明は、上記した目的を達成するために、中空容器の口頸部に複数条の螺旋ネジを形成すると共に、前記複数の螺旋ネジのそれぞれの始点部分を円周方向にずらした状態となるように形成して、ネジ蓋が前記多条ネジに係合する係合始点が複数箇所となるように形成して、ネジ蓋を口頸部に螺合する際に、口頸部に被着したネジ蓋を少し回転させるだけで、口頸部の螺旋ネジに係合させることができるように形成する。
更に、容器の口頸部に設けた前記複数条の螺旋ネジの前半部分のネジ山の幅を後半部分のネジ山よりも僅かに狭くなるように形成して、ネジ蓋のネジ溝が口頸部のネジ山に容易に係合させることができるように形成する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本願発明に於けるネジ蓋式の密封容器は、中空容器本体1の口頸部に設ける螺旋ネジ3を、複数条突設せしめて形成すると共に、前記複数条のネジ山の始点部分(先端部)3aを口頸部の円周の端面部分に分散せしめて形成して、容器の口頸部にネジ蓋2を被着して螺着せしめる際に、ネジ蓋2を螺旋ネジの始点に噛み込ませるための回動距離を短くして、素早く螺着できるようにする。
そして、前記螺旋ネジ3の各ネジ山の始点の近傍である前半部分3bのネジ山の幅を後半部分3cのネジ山の幅よりもやや狭めて形成して、ネジ蓋2の噛み込みが容易に行えるようにして、また、ネジ山の終点に行くに従って締まるようにして、ネジの戻りを防止することができるように形成する。
【0011】
上記のようにして容器本体1の口頸部に複数の螺旋ネジ3が形成された中空容器に、液体その他の内容物を収容した後、前記複数の螺旋ネジ3と係合可能なネジ溝(図4に見るように内側に凸)4が形成されたネジ蓋2を前記口頸部に被せてから、前記ネジ蓋2を閉蓋方向に回転させると、ネジ蓋2は45度以内の僅かに回転しただけで口頸部の円周の端面部分に突出した螺旋ネジ3の始点部分3aに、ネジ蓋2のネジ溝が簡単に係合されて、滑らかに回転しながら口頸部に螺着されて開口部を密封する。
【0012】
【実施例】
以下に、本願発明の密封容器について、一つの最適な実施例に基づいて、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本願発明は、図1に示すように、金属板をプレス加工により打ち抜いて形成したブランク材を、容器の本体部(身部分)または蓋部形状に深絞り加工した後、ローラー加工を施して開口端部を丸めると同時に、壁面に螺旋状のネジ山3を設けた容器本体1またはネジ溝4を設けたネジ蓋2を形成することにより、ネジ蓋2を容器本体1の口頸部に螺合可能にした密封容器である。
【0013】
そして、上記の密封容器は、図1および図3に見られるように、容器本体1の開口端に近い部分の周壁面に、始点部分3aから2分の1周するように設けた螺旋状のネジ山3を、90度の間隔で4条設けるように形成したことにより、周壁面の全ての部分で螺旋ネジ3が2重になるように形成されているので気密性もよくなり、図4に示すように、ネジ蓋2の天板の裏面にパッキン5を設けておけば、より良く気密性を持たせることができる。
また、前記螺旋状のネジ山3の始点からの4分の1程度の長さの前半部分3bのネジ山の幅が、ネジ山の後半部分3cよりも少しばかり狭くなるように形成されて、残りの4分の3程度の長さの後半部分はやや幅広くなるように形成されている。
【0014】
上記のように形成された密封容器の本体1部分に、各種のクリームやワックス、または、錠剤や喉飴その他の内容物を収容して、容器本体1の口頸部に螺合するネジ溝4を設けたネジ蓋2を被せてから、ネジ蓋2を容器本体1の口頸部に螺合させようとして回転させると、容器本体1の口頸部には90度の間隔をおいて4条の螺旋ネジ3の始点となる先端部3aが設けられているので、ネジ蓋2は左右(前後)に最大でも45度回転させるだけで、ネジ蓋を口頸部の螺旋ネジ3に係合させることができるので、ネジ蓋を短い時間内に素早く口頸部に螺合させることができる。
上記した実施例に於いては、螺旋ネジを4条設けた構造のものについて説明したが、本願の発明は、従来と同じように螺旋ネジを2条あるいはそれいがいの数を設けた構造のものにも適用することができることは言うまでもない。
【0015】
また、口頸部の螺旋ネジ3の始点部分とその近傍である前半部分3b(全長の4分の1程度)は、ネジ幅が他の部分(後半部分)3cよりもやや細幅に形成されて、ネジ蓋2が噛み込み易いように形成されているので、前半部分3bに噛み込んだネジ蓋2は4条の螺旋ネジ3に滑らかに螺合して、ネジ蓋2が傾いたりすることなしに安定な状態でスムースに口頸部に螺着させることができる。
そして、螺着されたネジ蓋2は、容器本体1側に形成された2条の螺旋ネジ3の間に蓋側のネジ溝4が挟み込まれた状態になるので、ネジ蓋2が螺合されて先に進むに従って、次第にネジ蓋2と容器本体1との間に大きな摩擦力が発生することから、蓋はきつく締付けられるのでネジの戻りが阻止されることになる。
【0016】
上記した実施例に於いては、中空容器として金属板をプレス加工およびローラー加工して口頸部に螺旋ネジが成形された容器本体に、ネジ蓋を螺合して密封するようにした密封容器について述べたが、本願の発明は、このような金属容器に限定されるものではなくて、中空の容器本体はガラスや合成樹脂を用いて形成することも可能であることは言うまでもないし、ネジ蓋に関しても金属製でなくて合成樹脂やベークライト製にすることも可能である。。
また、容器本体の口頸部に形成された螺旋ネジの始点部分の先端部にはRをつけて丸味を持たせた形状しておけば、係合時の引っ掛かりもなくて、ネジ蓋の噛み込みが一層スムーズとなり、ネジ蓋を素早く簡単に螺合させることができるようになる。
【0017】
【発明の効果】
以上述べたように、本願発明は、容器本体の口頸部に形成された複数の螺旋ネジは、ネジの切り初めとなる複数の始点部が口頸部の円周方向に間隔をおいて形成されているので、ネジ蓋を少し回動させるだけで容易に複数条の螺旋ネジに係合させることができるので、従来のものに比べて簡単に気密性を高めることもできる。
また、螺旋ネジの始点を含む前半部分のネジ幅を、後半部分よりも僅かに狭くなるように形成したので、螺旋ネジに対するネジ蓋の噛み込みがスムーズになると共に、螺合したネジ蓋と容器本体との間の摩擦力が大きくなり、ネジの戻りも防止することができる。
【0018】
従って、本願発明を適用して形成された密封容器は、ネジ蓋を螺合する際に、ネジ蓋を少し回転させるだけで短時間に素早く容器の口頸部に係合させることができ、また、ネジ蓋の噛み込みが滑らかになると共にネジ蓋が傾かないように的確に螺合することができて、更に、容器の口頸部に螺着されたネジ蓋は、開封操作が行われた時以外には、振動や衝撃等の外力により自然に弛んで開封されることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の容器を示すネジ蓋と容器本体の斜視図である。
【図2】図1に示したネジ蓋の側面図である。
【図3】図1に示した容器本体の側面図である。
【図4】図2に示したネジ蓋の断面図である。
【図5】図3に示した容器本体の断面図である。
【図6】従来の複数の螺旋ネジを設けた容器を示す斜視図である。
【図7】図6に示した容器のネジ蓋が螺合された断面図である。
【符号の説明】
1. 容器本体
2. ネジ蓋
3. 螺旋ネジ
3a. 始点部分(先端部)
3b. 前半部分
3c. 後半部分
4. ネジ溝(内側に凸)
5. パッキン
【発明の属する技術分野】
本願の発明は、各種の内容物が収容される容器の開口部の口頸外周部にネジ山が形成された容器に対して、内周面に螺合ネジが形成されたネジ蓋を螺合して密封する密封容器に係わるもので、中でも、容器の口頸部に多条のネジ山を形成して、ネジ蓋を素早く簡単に螺着できるようにすると共に、ネジ蓋と容器との間の摩擦力を大きくして、ネジ蓋の戻りを防止するようにしたネジ蓋式の密封容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からネジ蓋を用いて容器の開口部を密封するようにしたネジ蓋式の密封容器は、飲料その他の液体容器、ジャムその他の広口の食品容器、クリームや乳液等の化粧品容器、靴墨やワックス等の皮革容器、その他に広く用いられてきたが、これらの容器は、ガラスや合成樹脂で形成された容器本体の口頸部に、金属またはエボナイトや合成樹脂で形成されたネジ蓋を螺合して密封するようにしたものか、または、金属で形成された容器本体に金属のネジ蓋を螺合して密封するようにしたものが使用されてきた。
【0003】
上記のようなネジ蓋式の密封容器は、道具を用いずに蓋の開閉ができて便利であることから広く使用されているが、このようなネジ蓋が螺着された容器に於いては、ネジ蓋が螺着された後で、ネジ蓋が緩むことがないようにしなければならない。
しかし、一般的に用いられているこれらの容器に於いては、容器本体の口頸部に一条のネジ山を所定のピッチで一周以上、2周程度に形成して、前記口頸部のネジ山と同一ピッチのネジを内周面に形成したネジ蓋を容器本体に螺合することにより、容器の開口部を密封しているだけで、ネジ蓋が弛むのを防止するための手段がない。
【0004】
従って、これらの容器は、ネジ蓋を強く締め付けておいても、容器本体に与えられる外部からの振動等により弛んでしまうことがあり、特に、容器内に油性の内容物が収容されている場合には、ネジ面に油分が付着して蓋と容器本体との間の摩擦力が低下するので、ネジ蓋は一層弛みやすくなる。
また、上記容器本体が広口である場合には、容器本体のネジ山の先端部にネジ蓋の溝を噛み合わせて、ネジ蓋を容器本体の口頸部に正確に螺合させるには、ネジ蓋を半周以上にわたって慎重に回転させなくてはならない場合がある。
【0005】
そこで、容器の口頸部に螺着されたネジ蓋が弛むことがないように、また、ネジ蓋を少し回転させるだけで容器の口頸部に螺着できるようにする手段を設けたネジ蓋式の容器が色々と工夫されている。
例えば、ネジ蓋の弛みを防止したものとしては、実公昭56−48057号や実公昭57−9239号公報その他に提案されているが、これらは容器本体の口頸部に設けたネジ山の終端部近傍をやや幅広に形成して、ネジ溝が狭くなるようにして、ネジ蓋を締め付けるように螺合したり、あるいは、口頸部のネジ山を終端部近傍で他のネジ山よりも高く形成して、ネジ蓋がすき間嵌め状態に圧接係合するように螺合するものであるが、これらは閉蓋時のネジ蓋の位置合わせを時間をかけて慎重に行わなければならず、素早く、滑らかに螺合する点で問題があり、また、ネジ山が変則的であるからその成形がやや面倒になる。
【0006】
また、ネジ蓋を素早く、滑らかに、且つ、的確に螺合できるようにしたものとしては、実公昭46−4306号や実公昭62−9243号公報等に提案されているが、これらは容器本体の口頸部とネジ蓋内面に複数の係合凹凸部を形成しておいて、閉蓋時には前記係合凹凸部を噛み合わせることにより、ネジ蓋を口頸部に短時間でスムーズに螺合できるようにしたり、雄雌の螺条の螺合に遊びをもたせたり、雄または雌の螺条の周面の一部に欠落部を設けておいて、ネジ蓋を螺合し易くしたものであるが、ネジ蓋の弛みを防止する点で問題がある。
【0007】
そこで、上記した問題点を解決すべくネジ蓋を180度あるいは90度以内の回転により口頸部に螺合できるようにして、容器の口頸部にネジ蓋を素早く、且つ、滑らかに螺合できるようにしたものとして、実開平5−29954号公報等に記載するようなものが知られている。
これらの代表的なものとしては、図6に見るように、合成樹脂またはガラス等により成形された中空容器の容器本体31の口頸部31aの外周面に、複数条のネジ山33が間隔を設けて螺旋状に形成されているので、口頸部に被着したネジ蓋32を回動させて螺合するには、ネジ蓋32は2分の1周以内回動させるだけで、図7に示すように、容器の口頸部31aに螺合させることができる。
しかし、上記考案の容器は、ネジ山がネジ蓋の溝に噛み込まれる先端部分が従来のものと変わりないので、ネジ蓋32を容器の口頸部31aに滑らかに螺合させることはできないし、また、螺合したネジ蓋32を容器の口頸部に弛まないようにして止めておくことができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本願の発明は、ネジの戻りが発生し易くて、気密性が悪いという状況を打開するために創案されたもので、中空容器の口頸部にネジ蓋を螺着して密封するネジ蓋式の密封容器に於いて、構造が簡単で、あらゆる中空容器に適用することができて、中空容器の開口部を密封するネジ蓋を少し回転させるだけで容器の口頸部に螺着することができて、また、ネジ蓋を容器本体の口頸部に対して短時間に素早く、滑らかに、且つ、傾かないようにして的確に螺合することができるように形成して、更に、容器の口頸部に螺着されたネジ蓋は、開封操作が行われた時以外には、振動や衝撃等の外力により自然に弛んで開封されることがないように形成されたネジ蓋式の密封容器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願の発明は、上記した目的を達成するために、中空容器の口頸部に複数条の螺旋ネジを形成すると共に、前記複数の螺旋ネジのそれぞれの始点部分を円周方向にずらした状態となるように形成して、ネジ蓋が前記多条ネジに係合する係合始点が複数箇所となるように形成して、ネジ蓋を口頸部に螺合する際に、口頸部に被着したネジ蓋を少し回転させるだけで、口頸部の螺旋ネジに係合させることができるように形成する。
更に、容器の口頸部に設けた前記複数条の螺旋ネジの前半部分のネジ山の幅を後半部分のネジ山よりも僅かに狭くなるように形成して、ネジ蓋のネジ溝が口頸部のネジ山に容易に係合させることができるように形成する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本願発明に於けるネジ蓋式の密封容器は、中空容器本体1の口頸部に設ける螺旋ネジ3を、複数条突設せしめて形成すると共に、前記複数条のネジ山の始点部分(先端部)3aを口頸部の円周の端面部分に分散せしめて形成して、容器の口頸部にネジ蓋2を被着して螺着せしめる際に、ネジ蓋2を螺旋ネジの始点に噛み込ませるための回動距離を短くして、素早く螺着できるようにする。
そして、前記螺旋ネジ3の各ネジ山の始点の近傍である前半部分3bのネジ山の幅を後半部分3cのネジ山の幅よりもやや狭めて形成して、ネジ蓋2の噛み込みが容易に行えるようにして、また、ネジ山の終点に行くに従って締まるようにして、ネジの戻りを防止することができるように形成する。
【0011】
上記のようにして容器本体1の口頸部に複数の螺旋ネジ3が形成された中空容器に、液体その他の内容物を収容した後、前記複数の螺旋ネジ3と係合可能なネジ溝(図4に見るように内側に凸)4が形成されたネジ蓋2を前記口頸部に被せてから、前記ネジ蓋2を閉蓋方向に回転させると、ネジ蓋2は45度以内の僅かに回転しただけで口頸部の円周の端面部分に突出した螺旋ネジ3の始点部分3aに、ネジ蓋2のネジ溝が簡単に係合されて、滑らかに回転しながら口頸部に螺着されて開口部を密封する。
【0012】
【実施例】
以下に、本願発明の密封容器について、一つの最適な実施例に基づいて、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本願発明は、図1に示すように、金属板をプレス加工により打ち抜いて形成したブランク材を、容器の本体部(身部分)または蓋部形状に深絞り加工した後、ローラー加工を施して開口端部を丸めると同時に、壁面に螺旋状のネジ山3を設けた容器本体1またはネジ溝4を設けたネジ蓋2を形成することにより、ネジ蓋2を容器本体1の口頸部に螺合可能にした密封容器である。
【0013】
そして、上記の密封容器は、図1および図3に見られるように、容器本体1の開口端に近い部分の周壁面に、始点部分3aから2分の1周するように設けた螺旋状のネジ山3を、90度の間隔で4条設けるように形成したことにより、周壁面の全ての部分で螺旋ネジ3が2重になるように形成されているので気密性もよくなり、図4に示すように、ネジ蓋2の天板の裏面にパッキン5を設けておけば、より良く気密性を持たせることができる。
また、前記螺旋状のネジ山3の始点からの4分の1程度の長さの前半部分3bのネジ山の幅が、ネジ山の後半部分3cよりも少しばかり狭くなるように形成されて、残りの4分の3程度の長さの後半部分はやや幅広くなるように形成されている。
【0014】
上記のように形成された密封容器の本体1部分に、各種のクリームやワックス、または、錠剤や喉飴その他の内容物を収容して、容器本体1の口頸部に螺合するネジ溝4を設けたネジ蓋2を被せてから、ネジ蓋2を容器本体1の口頸部に螺合させようとして回転させると、容器本体1の口頸部には90度の間隔をおいて4条の螺旋ネジ3の始点となる先端部3aが設けられているので、ネジ蓋2は左右(前後)に最大でも45度回転させるだけで、ネジ蓋を口頸部の螺旋ネジ3に係合させることができるので、ネジ蓋を短い時間内に素早く口頸部に螺合させることができる。
上記した実施例に於いては、螺旋ネジを4条設けた構造のものについて説明したが、本願の発明は、従来と同じように螺旋ネジを2条あるいはそれいがいの数を設けた構造のものにも適用することができることは言うまでもない。
【0015】
また、口頸部の螺旋ネジ3の始点部分とその近傍である前半部分3b(全長の4分の1程度)は、ネジ幅が他の部分(後半部分)3cよりもやや細幅に形成されて、ネジ蓋2が噛み込み易いように形成されているので、前半部分3bに噛み込んだネジ蓋2は4条の螺旋ネジ3に滑らかに螺合して、ネジ蓋2が傾いたりすることなしに安定な状態でスムースに口頸部に螺着させることができる。
そして、螺着されたネジ蓋2は、容器本体1側に形成された2条の螺旋ネジ3の間に蓋側のネジ溝4が挟み込まれた状態になるので、ネジ蓋2が螺合されて先に進むに従って、次第にネジ蓋2と容器本体1との間に大きな摩擦力が発生することから、蓋はきつく締付けられるのでネジの戻りが阻止されることになる。
【0016】
上記した実施例に於いては、中空容器として金属板をプレス加工およびローラー加工して口頸部に螺旋ネジが成形された容器本体に、ネジ蓋を螺合して密封するようにした密封容器について述べたが、本願の発明は、このような金属容器に限定されるものではなくて、中空の容器本体はガラスや合成樹脂を用いて形成することも可能であることは言うまでもないし、ネジ蓋に関しても金属製でなくて合成樹脂やベークライト製にすることも可能である。。
また、容器本体の口頸部に形成された螺旋ネジの始点部分の先端部にはRをつけて丸味を持たせた形状しておけば、係合時の引っ掛かりもなくて、ネジ蓋の噛み込みが一層スムーズとなり、ネジ蓋を素早く簡単に螺合させることができるようになる。
【0017】
【発明の効果】
以上述べたように、本願発明は、容器本体の口頸部に形成された複数の螺旋ネジは、ネジの切り初めとなる複数の始点部が口頸部の円周方向に間隔をおいて形成されているので、ネジ蓋を少し回動させるだけで容易に複数条の螺旋ネジに係合させることができるので、従来のものに比べて簡単に気密性を高めることもできる。
また、螺旋ネジの始点を含む前半部分のネジ幅を、後半部分よりも僅かに狭くなるように形成したので、螺旋ネジに対するネジ蓋の噛み込みがスムーズになると共に、螺合したネジ蓋と容器本体との間の摩擦力が大きくなり、ネジの戻りも防止することができる。
【0018】
従って、本願発明を適用して形成された密封容器は、ネジ蓋を螺合する際に、ネジ蓋を少し回転させるだけで短時間に素早く容器の口頸部に係合させることができ、また、ネジ蓋の噛み込みが滑らかになると共にネジ蓋が傾かないように的確に螺合することができて、更に、容器の口頸部に螺着されたネジ蓋は、開封操作が行われた時以外には、振動や衝撃等の外力により自然に弛んで開封されることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の容器を示すネジ蓋と容器本体の斜視図である。
【図2】図1に示したネジ蓋の側面図である。
【図3】図1に示した容器本体の側面図である。
【図4】図2に示したネジ蓋の断面図である。
【図5】図3に示した容器本体の断面図である。
【図6】従来の複数の螺旋ネジを設けた容器を示す斜視図である。
【図7】図6に示した容器のネジ蓋が螺合された断面図である。
【符号の説明】
1. 容器本体
2. ネジ蓋
3. 螺旋ネジ
3a. 始点部分(先端部)
3b. 前半部分
3c. 後半部分
4. ネジ溝(内側に凸)
5. パッキン
Claims (4)
- 中空容器本体の口頸部に複数条の螺旋ネジを形成すると共に、前記複数条の各螺旋ネジの始点を口頸部の円周方向に間隔を設けて形成して、且つ、前記各螺旋ネジの始点を含む前端部分のネジ山の幅を後端部分よりも僅かに狭くなるように形成して、前記複数条の螺旋ネジに係合して口頸部に螺合可能なネジ部が形成されたネジ蓋を素早く、滑らかに螺着可能に形成してなることを特徴とするネジ蓋式の密封容器。
- 前記複数条の螺旋ネジは、2条の螺旋ネジが180度の間隔をおいた位置に始点が設けられてなることを特徴とする請求項1に記載するネジ蓋式の密封容器。
- 前記複数条の螺旋ネジは、4条の螺旋ネジが90度の間隔をおいた位置に始点が形成されると共に、各螺旋ネジは口頸部の2分の1周に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載するネジ蓋式の密封容器。
- 前記中空容器は、金属の深絞り加工により形成されてなることを特徴とする請求項1乃至3に記載するネジ蓋式の密封容器。
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-
2002
- 2002-06-28 JP JP2002191508A patent/JP2004035011A/ja active Pending
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