JP2004034598A - フィルムの易開封加工装置及び製造方法 - Google Patents

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Tetsuo Matsushita
松下 哲男
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Abstract

【課題】フィルムのスリット位置と傷痕付与位置の調整が簡単で、袋にした場合に製品不良が発生する可能性が小さく、グレードの違いによる傷痕付与工程の要不要や傷痕付与位置の変化にも簡単に対応でき、生産性が向上する加工装置及び加工方法を提供する。
【解決手段】フィルム36に易開封加工のための微細な傷痕を施すためのユニット10であって、円周面上に微細な突起が多数形成された回転する丸刃11と、フィルムを36スリットするための刃物23とが一体に取り付けられたことを特徴とするユニット10。
【選択図】 図7

Description

【発明が属する技術分野】
本発明は、フィルムを用いて製袋する前に、フィルムにあらかじめ一定の加工を施すための加工装置またはそのためのユニットまたは製造方法に関し、特に、製袋後の袋に手指の力で容易に引裂いて開封することができる易開封加工を、精度よく施すための加工装置またはそのためのユニットまたは製造方法に関する。
【0001】
【従来の技術】
従来、図1の4方シール袋1、図2の3方シール袋2、図3のピロー袋3の袋をシール部80のいずれかから手指の力で引裂いて開封するために、袋の融着シール部80のいずれかの端部に微細な傷痕5を付与した袋が、特開平6−8966号公報などによって開示されている。微細な傷痕5の形成方法としては、例えば、前記公報に開示された発明では、周面に微細突起が多数形成された刃付き丸刃を用いているし、また、実開平4−118340号報に開示された考案では、製袋前のフィルムに対し、袋にした場合に袋の融着部の端部となる位置に対応する位置に、砥粒を用いて傷痕を形成する方法が開示されている。
【0002】
これら、袋を形成する前のフィルムに微細な傷痕を付与する方法では、まず、図5に示したように、広幅フィルム6に対し、フィルムを袋にした場合に袋のシール端部となる位置にフィルムの流れ方向(図の下向き矢印方向)に沿って複数列の微細な傷痕帯7を付与する加工が行なわれる。その後、傷痕帯7の幅の中央部9を刃物を用いたスリッターで切断する。このようにして所定の幅にスリットされたフィルムは、フィルムの両端部に微細な傷痕を有する加工を施された状態でロールに巻取られる。次いで、巻取られたフィルムは製袋機構でフィルムの両端縁が合わされて融着シールされ、内容物を詰められてシール端縁部に微細な傷痕5を有する図1から図3のような袋が形成される。
【0003】
ここで、スリット工程は、傷痕を付す付さないに係わりなくフィルム製造に必須の基本工程であるが、傷痕を付与する工程はフィルムによって必要不要が変わる付加加工工程である。また、傷痕を付す時期も、フィルム製造と同時に行なうこともあれば、製造後の別の機会に行なうこともある。そのため、スリットを付す装置(スリッター)と傷痕を付す装置は別々の装置にするのが通常であり、それぞれのフィルムのグレードによって、傷痕付与装置の使用不使用を使い分ける。
【0004】
ところで、袋に用いるフィルムの種類や積層構成などによっては、傷痕を図1から図3のように袋の融着部の端縁部に付与した場合に、過度に切れ易くて商品の流通段階などで意図しない袋の開封が発生する場合がある。この場合は、図4のように微細な傷痕5を袋のシール端縁から僅かに内側に入った位置に付与することで切れすぎを抑えることが行われる。袋を形成する前のフィルムにこのような微細な傷痕を付与する方法は、図6に示したように広幅フィルム6の所定の位置に、フィルムの流れ方向に沿って所定の間隔を有する2列の微細な傷痕帯8を付与し、その後、その2列の傷痕帯8の間の傷痕が付与されてない個所の中央部を、別途、刃物でスリットすることによって行われる。
【0005】
しかしながら、このフィルムの端縁部又は、端縁部から僅かに内側に入った部分に微細な傷痕を付与する従来の装置や方法には次のような問題点があった。すなわち、傷痕付与装置とスリットするための刃物が独立した別々の装置であるために、フィルムの両端部に微細な傷痕を付与するためには、まずスリットする広幅フィルム6の所定の位置に刃物の位置を正確に合わせてから、傷痕帯7又は8の幅の中央が刃物の位置になるように傷痕付与装置の位置合せを実施する必要がある。この場合、刃物と傷痕付与の相対位置を正確に調節するためには多大の時間を有し、この調整はフィルムのロットや袋の仕様が変化するたびに行なわなければならない。
【0006】
特に、スリッター機の位置に対して、スリットしたフィルムを巻き取るロールのおかれた巻取り機側の位置と反対側に、傷痕付与装置が位置する場合が多い。巻取り機側で刃物と傷痕との相対位置関係を確認しながら傷痕付与装置の位置を微調整するためには、スリッター機の前後を作業者が行き来する必要がある。特に、同時に付する傷痕帯の数が多い場合は、この微調節だけで数時間を要することも珍しくない。
【0007】
さらに、たとえ加工スタート時に刃物位置と傷痕付与装置の相対位置を正確に調節したとしても、刃物の設置位置と傷痕付与装置の設置位置の間のフィルムパスライン距離が離れている場合は、刃物と傷痕付与装置の間でフィルムの蛇行が発生すると傷痕帯7の中央部9で適切にスリットすることができず、甚だしい場合は、スリット位置が傷痕帯7から外れてフィルム端部に傷痕が付与できず袋が開封できない不都合が発生することがある。
【0008】
特に、図6のようにスリットを正確に2列の傷痕帯8の中央で行う必要がある場合には、少しでもスリット位置ずれが発生すると袋の開封性に直接影響して袋が切れ過ぎたり、切り難くなったりして初期の切れ性調整の目的を達成することができない場合が発生する問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、フィルムのスリット位置と傷痕付与位置の調整が簡単で、袋にした場合に、スリット位置と傷痕位置のずれに伴う製品不良が発生する可能性が小さく、かつ、フィルムグレード等の違いによる傷痕付与工程の要不要や傷痕付与位置の変化にも簡単に対応できて、生産性が向上する加工装置及び加工方法を提案することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1は、フィルムに易開封加工のための微細な傷痕を施すためのユニットであって、円周面上に微細な突起が多数形成された回転する丸刃と、フィルムをスリットするための刃物とが一体に取り付けられたことを特徴とするユニットである。この構成のユニットを用いることにより、傷痕付与フィルムの製造にあたり、傷痕付与位置若しくはスリット位置のいずれか一方についてのみ位置を調整すればよく、調整所要時間が短縮されて生産性が向上する。また、フィルムの蛇行によるスリット位置ずれも発生しにくく、精度良く安定した易開封加工ができる。
【0011】
または、フィルムを走行させた状態で加工するためのユニットであって、フィルム走行のためのロールの空間位置に対して、相対的な空間位置に該ユニットを固定するための固定部と、フィルムに押し当てて微細な傷痕を形成するための、フィルムの走行に伴って回転する円周面上に微細な突起が多数形成された丸刃と、前記丸刃を支持するとともに、前記固定部に対してフィルム面に略垂直方向に相対移動可能であり、かつ該相対移動により前記丸刃の円周面をフィルム面に対して押しあてうる丸刃支持部と、フィルムの走行方向に沿って前記丸刃の近傍に位置し、前記丸刃支持部と独立に前記固定部に対してフィルム面に略垂直方向に相対移動可能であって、かつフィルムを連続的にスリットするための刃物を有するスリッター部と、を備えたことを特徴とするユニットである。この構成のユニットを用いることにより、傷痕付与位置若しくはスリット位置のいずれか一方についてのみ位置を調整すればよく、調整所要時間が短縮されて生産性が向上する。また、丸刃に常に一定の力を加えて傷痕を形成させることが可能となるから、安定してフィルムに傷痕を付すことができる。しかも、スリット用刃物のフィルム面に対しておよそ垂直方向位置の調整を丸刃の垂直方向位置の調整とは独立に行うことができ、この垂直方向位置の調整が、フィルム面に平行方向であってフィルムの走行方向に直角な方向の位置調整には影響しないから、調整が簡単となる。また、フィルムの蛇行によるスリット位置ずれも発生しにくく、精度良く安定した易開封加工ができる。
【0012】
ここで、微細な突起が微小な刃物または砥粒であることは望ましい。この構成により、より確実に適切な傷痕を付することが可能となる。
【0013】
さらに、丸刃の回転軸が両持ち支持されていることは望ましい。この構成により、均一かつ的確に必要場所に傷痕を付すことが可能となり、フィルムや袋の不良品が発生する可能性が減少する。
【0014】
発明の第2は、丸刃の円周面にフィルムを介して接する、フィルム走行のための受けロールと、該受けロールの軸方向に対して平行に設けられたそれ自身が軸回りに回転可能な支持軸と、該支持軸と前記受けロールとを懸架する懸架部と、上記のいずれかの1または2以上のユニットを前記支持軸に軸方向に位置調整可能に取り付けた加工装置である。この構成の加工装置を用いることにより、簡単なセッティング作業のみで、様々な形式で傷痕が付与されたフィルムを製造することができ、生産性も向上する。
【0015】
発明の第3は、上記の加工装置を用い、支持軸を回転させて1または2以上のユニットの丸刃と受けロールとの間にフィルムを挟み込み、丸刃でフィルムを押圧して傷痕を付しながら連続的に送り、傷痕を付した直後にユニットの刃物でフィルムをスリットすることを特徴とする易開封処理を施したフィルムの製造方法である。この構成により、簡単なセッティング作業のみで、様々な形式で傷痕が付与されたフィルムを製造することができる。生産性も向上する。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態の一例を図面を参照しながら説明する。図7は、円周面上に微細な突起が多数形成された回転する丸刃11と、フィルムをスリットするための刃物23が一体に取り付けられたユニット10の側面図であり、図8は、ユニット10の正面図、図9は、図8のA−A’断面の矢視図、図10は、図7のB−B’断面の矢視図である。
【0017】
ユニットは、図7から理解されるように、略水平方向に走行するフィルム面に対して、略垂直方向の上方より加工を加える構造となっており、ユニットの丸刃11の円周面は、フィルムを介して丸刃受けロール34と接している。なお、丸刃受けロール34はガイドロール35とともにフィルムを走行させる際の案内ロールとして機能する。フィルム加工の際は、ユニットと丸刃受けロールの相対位置を固定して使用する。
【0018】
ユニットの概略構成を説明する。ユニットは、ユニットの空間位置を固定するための固定部と、フィルムに微細な傷痕を多数付与するための丸刃と、その丸刃を支持してフィルムに押圧するための丸刃支持部と、フィルムをスリットするための刃物を固定するとともに、その刃物の位置を調整するためのスリッター部とからなる。丸刃は丸刃支持部に回転自由に固定され、丸刃支持部とスリッター部の一部は、固定部に対して上下方向にスライドできるように構成されている。
【0019】
まず、固定部について図7を用いて説明する。固定部は、背板53と、背板に接合され、丸刃支持部60がフィルムに加える圧力を調整するための調圧ネジ19の基準位置を与える天板54と、同じく背板53に接合され、丸刃支持部60を上下方向に摺動可能に支持する懸架板55と、背板53と略直角に接合された底板52と、背板53に接合され、ユニットを加工装置の支持軸に固定する際の四角形の支持軸挿入孔30を、底板52、背板53および支持軸固定蓋31との組み合わせで構成する上腕51と、底板52に固定蓋取り付けピン33で(ハ)方向に回転可能に固定され、上腕51に回転可能に固定された蓋固定ボルトおよびナット33により固定部にネジ止め固定可能であり、固定された場合に支持軸挿入孔30を構成する支持軸固定蓋31とを備えている。
【0020】
丸刃支持部60について図9を用いて説明する。丸刃支持部60は、固定部の懸架板55に懸架されて、固定部に対して上下方向((イ)方向)に摺動可能となっている。懸架板55には、スライドガイド棒22とスプリング押さえシャフト20の案内孔が設けられ、スライドガイド棒22とスプリング押さえシャフト20の各々が上下方向に摺動可能に固定されている。また、下部が丸刃取り付けアーム16となる側板62(図7)、上板65、底板64、スライドガイド棒22が一体に接合されており、これが、懸架板55に上下方向に設けられた案内溝の方向に従って摺動する。
【0021】
スプリング押さえシャフト20は、懸架板55のもう1つの案内溝にやはり上下方向に単独で摺動可能に固定されており、上端は、天板54にネジ回転可能に固定された調圧ネジ19の下端に接しており、シャフト20の途中に設けられた止め板63と底板64の間に設けられて弾性変形するスプリング18の弾性力により、調圧ネジ19の下端に押し付けられている。調圧ネジ19がネジ回転により、より下の位置に移動した場合は、それに対応してスプリング押さえシャフト20も、下に押し下げられる。これにより、スプリング18は止め板63と底板64の間で圧縮され、底板64を押圧する。この力は、スライドガイド棒22とスプリング押さえシャフト20により上下方向の摺動に向かうように制御され、底板64から側板62、さらに丸刃取り付けアーム16を介して丸刃11に伝えられる。このようにして、調圧ネジの位置で丸刃のフィルムに対する押圧力を調整する。
【0022】
丸刃11は、回転軸13と取り付け軸受け14とベアリング軸受け15を介して、丸刃支持部の丸刃取り付けアーム16に回転可能に固定されている。丸刃は、フィルムの走行に従って自在に回転できると共に、上記した機構により、スプリング押えシャフト20を介してスプリング18によって押圧可能になっており、調圧ノブ19を回転させることにより丸刃11のフィルムに対する押付け圧を調整することが出来る。スプリング押えシャフト20は、これと平行に位置するスライドガイド22に支えられて捻れることなく垂直に上下に動いて丸刃11にはスプリング18により垂直方向の押え圧を加えることができると共にフィルムに微細な傷痕を加工する時の丸刃11の振動を吸収する。図では、加圧の方法としてスプリングによる方法を示したが、必ずしもこの方法による必要は無く、この他にエアーシリンダ−、板バネなどを用いた方法によっても良い。
【0023】
ここで、丸刃11は、取り付け軸13及び取り付け軸受け14とベアリング軸受け15により取り付けアーム16に両持ちになるようにして支持されている。これは、丸刃11に押え圧を加えた時、丸刃11には左右均等な押圧が加わり曲げモーメント力が発生しないようにするためである。つまり両持ち支持とすることが望ましい。この理由は以下のとおりである。
【0024】
図8および図12から理解されるように、ユニットを加工装置に用いる際には、複数のユニットをフィルムの流れ方向または走行方向に対して直角位置に並べ、必要な加工を行うことになる。袋によってはスティックシュガーの袋のように、非常に小さくて幅が狭いものも存在する。そのため、そのような袋に対応してフィルムを加工するには、ユニットは、図8のように正面から見た場合の幅ができる限り狭くなっていることが必要となる。この幅を制限する要素の一つは丸刃支持部の幅であるから、丸刃の支持を片持ち支持にしてできるだけ薄いユニットにしたいという動機づけが発生する。
【0025】
しかし、図5、6の傷痕帯7、8の幅方向に均一に傷痕を付与するには、丸刃11を受けロール34に均一の圧力で押付ける必要がある。ところが、丸刃11の支持が片持ち支持の場合は、丸刃11に曲げモーメント力が加わりやすく、丸刃11の幅方向(図8で左右方向)に押圧の差が生じて、丸刃11が微妙に傾いた状態となりやすい。そのため、微細な突起12の幅方向の押付け圧力に差が発生しやすく、その結果、傷痕帯7又は8の幅方向に傷痕の加工斑が発生して、開封性にバラツキが発生する事態が生じ得る。傷痕帯7又は8の幅が広い場合、丸刃11の幅aも必然的に広くなりこの問題点は大きくなる傾向にある。また、砥粒の場合のように微細な突起12の高さが低い場合も微小な押圧の斑が傷痕の加工斑に繋がりやすい。
【0026】
従って、ユニットの幅が広くなってしまうという短所を有してしまうにも係わらず、丸刃は両もち支持とするのが望ましい。
【0027】
次に、図11は、図10の丸刃11の回転軸付近(A)の部分を拡大した状態を示した模式図である。丸刃11の円周面上に形成された多数の微細な突起12は、高さ0.2〜1.0mm、幅0.2〜1.0mm程度で上縁端が鋭いエッジ状の微小刃物を多数丸刃11の円周上に加工したものである。このような突起は、例えば、特開平6−8966号報に開示されている。また、微細な突起12は、50〜100μm程度の粒径で鋭い角を有する例えば合成ダイヤモンドのような硬い粒子を丸刃11の円周上に電着したものや、或いはサンドペーパーを丸刃11の円周上に貼り付けたものなどを用いても良い。
【0028】
円周面上に微細な突起12を多数有する丸刃11の中央部には、丸刃11をユニット10の取り付けアーム16に取り付けるための回転軸13を挿入できるように窄孔されており、取り付け孔の回転軸13に接する部分には、ベアリング軸受け15が嵌め込まれている。ベアリング軸受け15が嵌合された丸刃11は、取り付けアーム16の一方の側(図面に向かって右側)から通した取り付け軸13が孔を通り、取り付けアーム16のもう一方の側(図に向かって左側)に配置した取り付け軸受け14の孔に挿入されている。回転軸13及び取り付け軸受け14は取り付けアーム16にねじ17で固定される。図11の(C)部分の取り付け軸13の段差と(B)部分の軸受け14の端面によって、ベアリング軸受け15は両側から押え付けられて固定され、丸刃11は取り付けアーム16に両持ちで固定支持されて取り付けアーム16の隙間の一定の位置に固定配置される。
【0029】
傷痕帯7の異なった幅が必要な場合は、丸刃11の円周面上の微細な突起12が加工されている幅を変更する必要があり、この時、丸刃11を交換して、丸刃の(a)の幅を変えるが、この場合でも幅(b)を一定にしておけば微細な突起12の幅の中心は常に取り付けアーム16の隙間の一定の位置に保たれる。
【0030】
次に、ユニットのスリッター部について説明する。スリッター部は、固定部の底板52の下部の丸刃に近接する位置に設けられている。この位置は、フィルムの走行方向に対して丸刃の下流にあたる。スリッター部は二つに分けることができる。一つは、固定部の底板52の下部に接合されて下向きのシャフト27を押出すエアシリンダー26を内蔵したシリンダー部70と、シリンダー部70の丸刃側の面と底板52の下部とに接合して設けられた上下方向のガイドレール29とからなる固定部に接合された部分である。もう一つは、ガイドレール29を挟んで上下方向に摺動可能なスライダ28と、そのスライダ28と接合され、刃物を保持するためのホルダー24とからなり、エアシリンダー26のシャフト27を介した空気圧により下方向に押し下げ可能な刃物昇降部71である。
【0031】
刃物昇降部71は、シリンダー部70に内蔵されたエアーシリンダー26のシャフト27と連結されており、スリッター部のガイド29とスライダ28間で摺動して、(ロ)の矢印方向に上下にスライドするようになっている。上にスライドさせた時は、刃物23はフィルム傷痕加工時にフィルム36のパスラインから外れフィルムをスリットしないようになっている。
【0032】
フィルムをスリットするための刃物23は、丸刃11と共に、ユニット10に一体的に取り付けられている。刃物23としては一般的にはレザー刃が用いられ、ホルダー24に取り付けねじ25で固定される。
【0033】
刃物23は、通常、丸刃11の突起12の幅の中心になるように配置されているので、傷痕を加工したフィルムは図5の傷痕帯7又は図6の傷痕帯8の中央線9でスリットされる。傷痕帯の中央からはずれた線の位置でスリットする必要がある場合は、丸刃11の取り付け位置を取り付けアーム16の間隔の中央部からあえてずらして配置するか、刃物23の取り付け位置をホルダー取り付け具29の幅方向(図7で紙面に垂直な方向に)にずらして丸刃11と刃物23の相対位置を変更するようにしてもよい。
【0034】
次に、このユニットを1または2以上用いた加工装置について、図12を用いて説明する。加工装置は、丸刃受けロール34とガイドロール35とユニットを取り付ける角型の支持軸37及び、これらを懸架する懸架装置(図示せず)とからなる。丸刃受けロール34、ガイドロール35、支持軸37は、互いに平行に設けられており、フィルムの流れ方向に対してガイドロール35が丸刃受けロール34の下流となるように設けられており、支持軸は、丸刃受けロール34の上方であって、フィルム流れ方向に対して丸刃受けロール34の若干下流側に設けられている。フィルムは、丸刃受けロール34とガイドロール35の上面に接して、略水平方向に走行する。
【0035】
ここで、フィルムのスリットに必要な数のユニット10を用い、ユニットの支持軸固定蓋31を開け、図12に示したように取り付け孔30より僅かに寸法が小さく製作された支持軸37をに、ユニットの支持軸挿入孔30に差込んで支持軸固定蓋31を閉じ、ナット32を締めることによって支持軸37に固定する。支持軸37に取り付けたユニット10は、ナット32を緩めることによって支持軸37上を軸に沿って矢印(ニ)の方向に左右に平行移動して個々の取り付け位置を調整することが出来る。ユニット支持軸37は、矢印(ホ)のように、それ自身の軸中心の周りに回転可能になっており、回転によってユニット10の丸刃11を受けロール34に押し付けたり、ロールから離したりすることができる。また、フィルムの加工を行なう際には、支持軸が回転しないように固定できる。ここで、支持軸37及び受けロール34は、丸刃11の押付け圧によりフィルム36に付与する傷痕の幅方向の加工斑が発生しない程度の撓みに留まるように、曲げ剛性や材質・寸法を設計すればよい。
【0036】
次に、易開封加工が施されたフィルムの製造方法を、図7及び図12を用いて説明する。フィルム36に微細な傷痕を付与するには、まず支持軸37を矢印(ホ)の回転方向のうち、図面に向かって反時計方向に回転し、ユニット10の丸刃11を受けロール34から離した状態で、フィルム36を受けロール34及びガイドロール35上に通す。このとき、刃物23は、取り外しておくかエアーシリンダ26で矢印(ロ)の上方向(図7、9)に上げてフィルム36をスリットしないようにしておいた方が良い。フィルムのセッティングが終了したら、フィルム36をスリットする位置に丸刃11が概略位置するようにユニット10を矢印(ニ)の左右方向に移動して調整する。次に支持軸37を矢印(ホ)の図面に向かって時計方向に回転して丸刃11でフィルム36を押圧すると共に、エアーシリンダ26を矢印(ロ)の下方向に下げて刃物23をスリット位置にセットする。次に、フィルム36を送りはじめ、傷痕を付与加工を開始すると共にフィルムのスリットを開始する。このとき、スリット位置が所定の位置からずれていたらユニット10を矢印(ニ)の左右方向に移動して微調整し所定のスリット位置に合わせる。丸刃11の押圧力は微細な突起12の種類、大きさ、フィルムの種類、厚みなどによって適宜決定すればよい。
【0037】
本発明のユニット若しくは加工装置では、丸刃11と刃物23がその相対位置が一定になるように一体に取りつけられているため、フィルムのスリット位置のみを合わせれば、自動的に傷痕位置も所定の位置に配置される。従って、通常の丸刃11と刃物23が別個に取り付けられた場合に必要な丸刃11と刃物23の相対的な位置合わせの手間が省け、セットアップの時間が短縮されると供に安定して精度良く易開封加工用の傷痕の付与が出来る。
【0038】
以上、発明の実施形態を図面を参照して説明したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しないかぎり、各種の設計変更や要素の置換なども、本発明に含まれることは言うまでもない。
【0039】
【発明の効果】
フィルムに施す傷痕とスリットの相対位置を、グレードの変更や新しいフィルムのセッティングのたびに1回ごと合わせる必要が無く、生産性が向上すると共に安定して精度良く易開封加工が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】シール端縁部に微細な傷痕が付与された4方シール袋の平面図である。
【図2】シール端縁部に微細な傷痕が付与された3方シール袋の平面図である。
【図3】シール端縁部に微細な傷痕が付与されたピロー袋の平面図である。
【図4】シール端縁部の内側に微細な傷痕が付与された4方シール袋の平面図である。
【図5】広幅フィルムに微細な傷痕帯とスリットとが加工された場合の概念図である。
【図6】広幅フィルムに近接した2列の微細な傷痕帯とスリットとが加工された場合の概念図である。
【図7】ユニットの概略側面図である。
【図8】ユニットの概略正面図である。
【図9】図8のA−A’断面の矢視図である。
【図10】図7のB−B’断面の矢視図である。
【図11】図10の一部分を拡大した場合の模式図である。
【図12】加工装置の概略概念図である。
【符号の説明】
(図1〜6)
1 4方シール袋、2 3方シール袋、3 ピロー袋、4 4方シール袋、5微細な傷痕、6 広幅フィルム、7 微細な傷痕帯、8 近接した2列の微細な傷痕帯、9 スリット
(図7〜12)
10 ユニット、11 丸刃、12 微小な刃物、13 回転軸または取り付け軸、14 取り付け軸受け、15 ベアリング軸受け、16 丸刃取り付けアーム、17 固定ネジ、18 スプリング、19 調圧ノブ、20 スプリング押さえシャフト、21 ブッシュ、22 スライドガイド棒、23 刃物、24ホルダー、25 取り付けネジ、26 エアーシリンダー、27 シャフト、28 スライダ、29 ガイドレール、30 支持軸挿入孔、31 支持軸固定蓋、32 ナット、33 固定蓋取り付けピン、34 丸刃受けロール、35 フィルムガイドロール、36 フィルム、37 ユニット支持軸、50 固定部、51 上腕、52 底板、53 背板、54 天板、55 懸架板、56 蓋固定ボルト、60 丸刃支持部、61 押圧部、62 側板、63 止め板、64 底板、65 上板、70 シリンダー部、71 刃物昇降部、72 スプリング
73 空気室、74 ノズル

Claims (6)

  1. フィルムに易開封加工のための微細な傷痕を施すためのユニットであって、円周面上に微細な突起が多数形成された回転する丸刃と、フィルムをスリットするための刃物とが一体に取り付けられたことを特徴とするユニット。
  2. フィルムを走行させた状態で加工するためのユニットであって、フィルム走行のためのロールの空間位置に対して、相対的な空間位置に該ユニットを固定するための固定部と、フィルムに押し当てて微細な傷痕を形成するための、フィルムの走行に伴って回転する円周面上に微細な突起が多数形成された丸刃と、前記丸刃を支持するとともに、前記固定部に対してフィルム面に略垂直方向に相対移動可能であり、かつ該相対移動により前記丸刃の円周面をフィルム面に対して押しあてうる丸刃支持部と、フィルムの走行方向に沿って前記丸刃の近傍に位置し、前記丸刃支持部と独立に前記固定部に対してフィルム面に略垂直方向に相対移動可能であって、かつフィルムを連続的にスリットするための刃物を有するスリッター部と、を備えたことを特徴とするユニット。
  3. 微細な突起が微小な刃物または砥粒であることを特徴とする請求項1または2記載のユニット。
  4. 丸刃の回転軸が両持ち支持されていることを特徴とする請求項1乃至3記載のユニット。
  5. 丸刃の円周面にフィルムを介して接する、フィルム走行のための受けロールと、該受けロールの軸方向に対して平行に設けられたそれ自身が軸回りに回転可能な支持軸と、該支持軸と前記受けロールとを懸架する懸架部と、請求項1乃至4に記載の1または2以上のユニットを前記支持軸に軸方向に位置調整可能に取り付けた加工装置。
  6. 請求項5に記載の加工装置を用い、支持軸を回転させて1または2以上のユニットの丸刃と受けロールとの間にフィルムを挟み込み、丸刃でフィルムを押圧して傷痕を付しながら連続的に送り、傷痕を付した直後にユニットの刃物でフィルムをスリットすることを特徴とする易開封処理を施したフィルムの製造方法。
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