JP2004034569A - 加圧式のボールペン - Google Patents

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Abstract

【目的】とぎれやすいインキを使用した、主として、容器の側面を押圧する煩わしさの無い修正用のボールペンを容易な加圧機構によって提供可能とする。
【構成】ポンピング式の加圧機構が設けられてなる加圧式のボールペンに於いて、フォロアの後端側に連通する通気口とその通気口を密閉する弾性体よりなるシール部材とが設けられ、常時はシール部材が通気口を密閉してフォロアの後端部が密室状態となり、シール部材が変形あるいは変位されることによって通気口が開放状態となる弁機構部と、ノックスプリングによって常時後方に附勢された状態で前後退可能にノック棒が設けられて、前進させた時に通気口とノック棒の前端との間に形成される空間部が圧縮されてなるノック機構部とで構成され、ノック棒を前進して空間部を適宜圧縮した状態で、ノック棒の前端に設けた凸部が当接して、シール部材を変形あるいは変位させて通気口を開放する。
【選択図】        図4

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、初期筆記でインキ切れしやすいインキを使用したボールペン、インキに種々のフィラーが混入されたボールペン、紙面に筆記した筆跡が消しゴムでの擦過により容易に消去できるインキが充填されたボールペン、誤記等を白色のインキで隠蔽することで修正可能とする加圧式のボールペンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、誤記等を修正するために白色顔料を用いた液体塗布具が知られている。又、白色顔料と溶剤が分離しやすい為にこの種の液体塗布具は可撓性のある容器にインキとボール等が封入されており、使用に際して振って攪拌する必要がある。又、インキを吐出する為に容器の側面を押圧して行うが、インキ残量が少なくなった時には容器の側壁を強く押してもインキが吐出されないという苛立たしさがある。又、初期筆記(塗布)でインキがとぎれやすい問題がある。
又、使用する度にキャップを着脱する煩わしさがある。
【0003】
一般に粘性の低いインキ又は剪断減粘性を有したインキを使用したボールペンは、インキの流出量が多く(筆記濃度を上げるため)インキ収容管の径を太くしてインキの搭載量を多くしている。又、インキの粘度は油性ボールペンのインキに比べて小さいのでインキ収容管に対する流動抵抗は小さい。従って、インキの自重や落下あるいはノック衝撃が加わることによりインキ漏れ(インキ収容管の後端にインキが逆流する)が生じやすい。その為に、通常はインキの後端に筆記時のインキの消耗に追随して移動するが、インキの自重や衝撃に対してインキの逆流を抑制するグリース状のフォロアが、又、必要によりフォロア棒がフォロア内に浸漬されて設けられている。しかしながら、フォロアを設けても上向き筆記をした時にはチップのボール背面のインキが無くなると、インキのヘッドが直に加わる為に顕著な逆流が生じて手や衣服を汚す危険がある。又、インキの粘度が低く流出量が多いが故に、チップ側を下向きにした場合に先端ボールとチップ抱持部の隙間が生じるとインキが滲みでる(直流)問題が存在する。
特に、誤記等を修正するために白色顔料を用いた液体塗布具の場合には、インキの流量を多くすることや、乾燥による目詰まり排除などの理由で、筆圧によって先端ボールが後退する寸法が大きくとってあり、先端ボールの周面とチップのボール抱持部の内面との間の隙間が大きい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、初期筆記でインキがとぎれやすいインキを使用したボールペン、インキに種々のフィラーが混入されたボールペン、紙面に筆記した筆跡が消しゴムでの擦過により容易に消去できるインキが充填されたボールペン、誤記等を白色のインキで隠蔽することで修正可能とするボールペンなどを加圧作用で支援して筆記可能とする。主として、酸化チタン、高分子中空微粒子等の白色顔料とゲル化剤を含み、顔料の沈降が防止されると共に流動性が損なわれないように配合された白色顔料インキと、ポンピングによる加圧機構を設けることによって、従来のように白色顔料と溶剤とが分離するような問題がなく、従ってインキを攪拌する必要がなく、筆記に際して容器の側面を押圧するようなこともない使い勝手の良い加圧式のボールペンを適正な加圧力を容易に設定して提供可能とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を達成する為に以下の構成を有する。
請求項1に記載の発明に係る加圧式のボールペンは、先端にボールペンのチップと後方にインキ収容管を備え、インキ収容管にインキとインキの後端にインキと追随するフォロアが充填されて、更にその後方のインキ収容管またはインキ収容管の後端に一体となるように設けられた筒体の内孔にポンピング式の加圧機構が設けられてなる加圧式のボールペンに於いて、前記ポンピング式の加圧機構は、フォロアの後端に対面する位置に、フォロアの後端側に連通する通気口とその通気口を密閉する弾性体よりなるシール部材とが設けられ、常時はシール部材が通気口を密閉してフォロアの後端部が密室状態となり、シール部材が変形あるいは変位されることによって通気口が開放状態となる弁機構部と、その弁機構部の後方に、ノックスプリングによって常時後方に附勢された状態で前後退可能にノック棒が設けられて、前進させた時に通気口とノック棒の前端との間に形成される空間部が圧縮されてなるノック機構部とで構成され、またノック棒の前端に凸部が設けられており、ノック棒を前進して空間部を適宜圧縮した状態で、前記シール部材に凸部が当接して、シール部材を変形あるいは変位するように構成したことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明に係る加圧式のボールペンは、請求項1に記載の加圧式のボールペンに於いて、先端ボールがチップ先端のボール抱持部の内縁に密接するように先端ボールの背面にバネ圧が付与されると共に、インキ収容管には、酸化チタン、高分子中空微粒子等の白色顔料とゲル化剤を含み、顔料の沈降が防止されると共に流動性が極力損なわれないように配合された白色顔料インキが充填されてなる。
【0007】
【実施例】
図1乃至図5は、実施例1であるボールペン5をリフィールとしてノック式筆記具に搭載した状態を示している。このノック式筆記具は、前端及び後端を開口して側面の円周上の一部に後端縁から所要距離前方位置まで連通した軸方向の長い窓孔1dを穿設した軸筒1と、軸筒1の窓孔1dに対向する位置に上方向及び横方向に弾性変位可能な玉部1bを有して当該玉部1bには係止段部1cを設け、又後端部には軸筒1と接合した基部1eを有するクリップ1aを樹脂により一体成形し、又前端を開口したコの字状の基部1eの上端にはスリットに囲まれた箇所を弾性片1fとなし、当該弾性片1fの下端には適宜傾斜面1gが形成されている。又、軸筒1の前端には先軸2が螺合などの手段により着脱可能で固定されている。
【0008】
また一方、詳細は後述するが、ボールペンの継ぎ手6の前軸部6aにリターンスプリング4を嵌装した状態で軸筒1の後端開口部から軸筒1の内部に挿入して、リターンスプリング4の前端は先軸2の内段部2cに当接させ、後端は継ぎ手6の段部6eに当接させている。
【0009】
またノック筒3は、前端開口、後端閉塞上の筒体で、外周部の同軸線上に前方から係止突起3a、リブ3b、セーフティ片3cが一体に形成されている。
ノック筒3は、その内孔に上記ボールペン5のインキ収容管10を嵌挿させた状態で軸筒1の後端から挿入されて、係止突起3a、リブ3b、セーフティ片3cが軸筒1の窓孔1dに嵌装し、セーフティ片3cの後端が上記クリップ1aの基部1eに設けた弾性片1fの前端の段部1hに当接して抜け止め係止されている。
【0010】
以上により、ノック筒3の後端を前方へ押圧すると係止突起3aがクリップ1aの玉部1bを押し上げてその前方に移動して係止段部1cと係合する状態に位置したときにボールペン5のチップ7が先軸2の先端孔2aから突出する。(図2参照)と共にクリップ1aの先端部を僅かに上方へ又は横方向へ弾性変位させて係止段部1cと係止突起3aの係合を解除してリターンスプリング4によってボールペン5をセーフティ片3cが弾性片1fの段部1hに衝合するまで後退せしめた状態でボールペン5のチップ7が先軸2内部に没入するように各部の寸法を適宜に設定して構成している。尚、ボールペン5の交換は軸筒1から先軸2を外して行うが、ボールペン5の交換をしない使い捨ての場合には、軸筒1と先軸2は一体に形成することができる。
【0011】
図3乃至図5は上述したボールペン5を示している。
先ず図3に示すように、ボールペン5のインキ収容管10内には、低粘度のインキや剪断減粘性を有したインキ、主として白色顔料インキ11が充填され、そのインキの後端にインキの消耗と共にインキと追随するグリース状のフォロア12が充填されている。又、フォロア12はインキと相溶性が無く又インキの蒸発を防止する性能を有している。又、必要に応じてフォロア12内にフォロアと略同等の比重を有する樹脂製のフォロア棒が浸漬される。尚、フォロアは例えばシリコンゴム等の追従体とすることも可能である。
【0012】
白色顔料インキ11は、少なくとも酸化チタン、高分子中空微粒子等の白色顔料とゲル化剤を含み、顔料の沈降が防止されると共に流動性が極力損なわれないように配合された白色顔料インキである。又、インキは剪断減粘性を有しているので先端ボールの回転で粘度が低下するのと相まって隠蔽性の高い塗布が可能である。
【0013】
継ぎ手6は、鍔部6bの前方に前軸部6aが、後方に後軸部6cが形成され、前軸部6a先端のチップ嵌着孔6hに先端ボール8を抱持したチップ7の軸部7aが固着されている。
又、チップ7はインキ流入可能なチャンネルを有した座に先端ボール8が略当接した状態で、先端ボール8が回転自在に抱持されるようカシメられている。
又、チップ7の内孔部にスプリング9が内挿され、チップの軸部7aの後端が適宜カシメられてスプリング9の後端が抜出不能となされている。
【0014】
また、スプリング9の先方には直線状の棒軸部9aが形成され、当該棒軸部9aの先端が先端ボール8の背面に押圧状態に当接している。また、先端ボール8はその押圧でチップ7のボール抱持部(カシメ等で形成)の内縁に密接状態と成されている。
尚、スプリングの前面に先端ボール8の背面を押圧する押し部材を設けることも、また、上記棒軸部を極細巻きのコイル状となすことも可能である。
また更に、チップを耐磨耗性やインキのシール性能に優れた樹脂成形品となして、先端ボールの背面を押圧するバネ座を一体又は別体のバネ座を設けて構成することも可能である。
【0015】
また、先端ボール8がボール抱持部の内面に密接することはインキが高粘度であっても筆記先端の乾燥、インキの直流防止に対し極めて重要である。
即ち、本願のような主に誤記修正塗布用のボールペンは、インキの吐出量を多くする為に、筆記用のボールペンに比較して先端ボールの後退する寸法が大きく設定されている。また、必要に応じて先端ボール8を抱持するチップ内面の表面粗さ、カシメによる密接精度を改善する為に内面の研削仕上げ、カシメ精度を上げる為の二次的な塑性加工などが配慮される。また、必要によっては先端ボールとの密接面に表面処理などが配慮される。
【0016】
またインキの逆流防止を完璧と成すために、上記チップ嵌着孔6dの後方に弁室を設け、弁室の後部にテーパー状又は球面状の弁体受け座と後方に連通する導孔を形成して、その弁室内に球状の弁体が遊嵌されると共に、チップ7を上向きにした状態で導孔を閉塞してインキの逆流を防止し、下向きにした状態では弁体がチップの後端孔を閉塞しない状態に規制してインキがチップ内孔部に流入するように構成することができる。尚、弁体は弁体受け座に密接する側をテーパー状又は球面状に成した軸状体とすることも可能である。
【0017】
また、継ぎ手6の鍔部6bの後方には後軸部6cが延設され、後軸部6cの外周には筒状のインキ収容管10がその前端を鍔部6bの後端に当接して圧入固着されている。尚、インキ収容管10は一例として透明のPP樹脂やナイロン樹脂成形品等が使用される。また、実施例は継ぎ手とインキ収容管が別部材で形成されているが、両者を一体の樹脂成形品で形成することも可能である。
【0018】
また、インキ収容管10の後端にはポンピング式の加圧機構が設けられる。その構成については以下に説明する。
【0019】
ポンピング式の加圧機構は、インキ収容管内部が密室状態と成される弁機構部と、その弁機構部の後方に形成される空間部を圧縮するように設けられたノック機構部とで構成されている。
先ず、弁機構部は、インキの後端に接触してインキの消耗と共に追随するよう配設されたフォロアの後端に位置して配設される。
実施例に於いて、ブッシュ13は、前端が閉塞された底面13cとなった筒体でインキ収容管10の内孔所定位置に固定されている。また、筒体の周面には所要箇所で通気口13aが設けられ、通気口13aはインキ収容管10の内面に非接触状態でインキ収容管の前方に向かって通気路が確保されている。
【0020】
また、ブッシュ13の内孔には例えばシリコンゴムのような弾性体からなるシール部材14が密嵌されている。
シール部材14は、前端に球状の凸部14bが形成され、後端周面にブッシュ13の内面13bに密着して摺接するシール部14aが形成されている。また、良好な密着状態と滑らかに摺接を得るためにシール部とブッシュの内面との間にシール剤かつ潤滑剤を介在させるなどが必要に応じて配慮される。
シール部材14は、常時はシール部14aが通気口13aを密閉してフォロア12の後端との間の空間が密室状態となされる。
【0021】
また、弁機構部の後方にノック機構部が配設される。
インキ収容管10の後端部側面に、後端側から先方に向かって細くなるテーパー状のスリット部10bが形成され、その前端に段部10cを有して軸方向前方所定長さのスリット部10aが形成されている。
又、ノック棒15は、後端に鍔部とその前方に軸部が形成され、鍔部の前端に段部16bが設けられ、軸部外周の略中間に突部15aと軸部外周の略前端に周状の溝部15cが設けられて、その溝部15cに一例としてゴム等の弾性体や弾性のある成形樹脂などより成るシールリング16が止着されている。尚、シールリング16は、気密性、滑り性のよいものが選択される。また、他潤滑剤を介在させるなど配慮される。また、シールリング部は軸部外周に一体に形成することも可能である。
【0022】
またノック棒15は、インキ収容管10の後端から挿入され、上記段部15bとインキ収容管10の後端との間にノックスプリング17が敷設されると共に、突部15aが上記テーパー状のスリット部10bを弾性的に拡開して、突部15aが段部10cの前面に係止され、ノックスプリング17によってインキ収容管10に対しノック棒15は常時後方に附勢される。また、ノック棒の軸部前方がインキ収容管10の後端孔に嵌入し、シールリング16の外周部が後端孔の内周部に摺接する。そのとき、シールリング16は、スリット部10aの略前端にかかる直前の状態に位置しており、従って、シール部材14の後端とノック棒15の前端との間に形成される空間部18は外気と連通している。即ち、ノック棒15の前進作動の直前において、インキ収容管10の空間部18は外気と連通され、ノック棒15が適宜前進した直後においてシールリング16の外周部がインキ収容管10の内周部に密接することで外気と遮断され、空間部18の縮小と共に加圧されるよう構成されている。また、ノック棒15を前進して空間部18を適宜圧縮した状態で、ノック棒15の前端に設けられた凸部15dがシール部材14の後端に当接し、更に前進することによってシール部材14の凸部14bが押圧変形され、シール部14aが前進されて、ブッシュ13の通気口13aが開放される。(図5参照)
尚、シール部材の変形部形状やシール部形状は設計都合によって種々の形態が考えられるが、いずれにせよ、ノック棒の前端に設けられた凸部の押圧によってシール部材を変形あるいは変位させて、通気口の密閉と開放を行う。
【0023】
また、図6乃至図9は実施例2及び実施例3であるボールペンを示している。先ず、図6及び図7に示すボールペン19は、軸筒20、チップ25、弁体24、受け座部材22、インキ28、フォロア29、フォロア棒30、軸筒後端に設けられるポンピング式の加圧機構で構成され、また、図8及び図9に示すボールペン37は、弁体と受け座部材及びフォロア棒が除かれて構成されており、いずれも筆記具の最終形態としては先軸部21に被嵌するキャップ(図示せず)が設けられる。
【0024】
軸筒20は樹脂成形品(通常は透明樹脂)で、先方に先細状の先軸部21を一体に有している。又、先端より内孔21aが形成され、内孔の後端には拡開した孔(弁室23となる)があり、その孔の前端に複数箇所でリブ21cが放射状に設けられている。
【0025】
一方、受け座部材22は、前面にテーパー状または球面状の弁体受け座22aを有し、弁体受け座22aの中心から後端に貫通した導孔22dが設けられている。また、外周部の前方に円周状に凸部22bが、後方に円周状又は突条の係止部22cが形成されている。
受け座部材22は、軸筒20の後端から挿入され、軸筒内孔先方の段部20aに当接して位置決めされると共に、その前方の内孔面に上記凸部22bが密接し、更に係止部22cが後方の内孔面に食い付き状に係止される。
尚、軸筒20の内孔面と受け座部材22の外周部の相互間に溝部と突部を設けて、弾性変形を利用して係止することも可能である。
【0026】
以上で、リブ21cの後端となる受け座21dと受け座部材22の前端となる弁体受け座22aとの間に弁室23が形成される。尚、受け座部材22を係止する前に球状の弁体24が挿入されて、弁室23内に弁体24が遊嵌される。
尚、弁体は球状に限らず棒状のコマであってもよい。その場合、弁体の前方外周にインキを流通可能とする溝を形成すれ弁室の前端に上記のリブ21cを特に設ける必要はない。
【0027】
またチップ25は、インキ流入可能なチャンネルを有した座に先端ボール26が略当接した状態で先端ボール26が回転自在に抱持されるようカシメられている。また、チップ内孔25aにスプリング27が内挿され、チップ後方の軸部25bの後端が適宜カシメられて、スプリング27の後端が抜出不能に設けられている。また、スプリング27の先方には直立状の棒軸部27aが形成され、当該棒軸部27aの先端が先端ボール26の背面に押圧状に当接している。
尚、先端ボール26はその押圧でチップ25のボール抱持部の内縁に密接状態と成される。
また、チップ25は先軸部21先端の内孔21aに圧着される。
尚、スプリングの前面に先端ボール26の背面を押圧する押し部材を設けることも、又、上記棒軸部を極細巻きのコイル状となすことも可能である。
また更に、チップを耐磨耗性やインキのシール性能に優れた樹脂成形品となして、先端ボールの背面を押圧するバネ座を一体又は別体のバネ座を設けて構成することも可能である。
【0028】
以上により、チップ側が下向きの時に弁体24が受け座21dに当接して、インキが導孔22d、弁室23、リブとリブとの間に形成される溝を通じてチップ内孔25aから先端ボール26の背面まで導通する。
【0029】
軸筒20は、上記導孔22dの後方にインキ収容部を有しており、そのインキ収容部内に低粘度のインキや剪断減粘性を有するインキ、主として白色顔料インキ28が充填され、そのインキの後端にインキの消耗と共にインキと追随するグリース状のフォロア29が充填されている。また、フォロアはインキと相溶性が無く又インキの蒸発を防止する性能を有している。また、必要に応じてフォロア内にフォロアと略同等の比重を有する樹脂製のフォロア棒30が浸漬される。尚、フォロアは例えばシリコンゴム等の追従体とすることも可能である。
【0030】
また、白色顔料インキ28は、少なくとも酸化チタン、高分子中空微粒子等の白色顔料とゲル化剤を含み、顔料の沈降が防止されると共に流動性が極力損なわれないように配合された白色顔料インキである。また、インキは剪断減粘性を有しているので先端ボールの回転で粘度が低下するのと相まって隠蔽性の高い塗布が可能である。
【0031】
また、軸筒20の後端にはポンピング式の加圧機構が設けられる。加圧機構の構成については上述した実施例1と同じなので説明は省略する。
【0032】
【作用】
先ず、図1はノック式筆記具の携帯時を示すものである。この状態から、ノック筒3の後端を前方へ押圧すると係止突起3aがクリップ1aの玉部1bを押し上げてその前方に移動して係止段部1cと係合したときにボールペンリフィール5のチップ7が先軸2の先端孔2aから突出する。(図2参照)
この状態では、インキ収容管10略後端の空間部18はスリット部10aを通じて外気と連通しており、リターンスプリング4とノックスプリング17の設定力はそのようにバランスがとられている。
また、再びノック式筆記具を携帯する時には、クリップ1aの先端部を僅かに上方へ又は横方向へ弾性変位させて係止段部1cと係止突起3aの係合を解除すると、リターンスプリング4によってボールペン
リフィール5が後退し、チップ7が先軸2内部に没入する。
【0033】
次に、ポンピング式の加圧機構の作用を以下に説明する。
図2に示す状態からノック筒3の後端を押圧して前進すると、継ぎ手6の前端6fが先軸2に設けた段部2bに当接してその前進が阻止されると共に、インキ収容管10に対しノック棒15が前進を開始する。図5に示すように、シールリング16の外周部がインキ収容管10の内周部全周に密接した時点でインキ収容管略後端の空間部18が外気と遮断されると共に、ノック棒15が更に前進することによってシールリング16の外周部がインキ収容管の内周部に密接して摺動し、空間部18の縮小と共に内圧が上昇する。また、ノック棒15を前進して空間部18を適宜圧縮した状態で、シール部材14のシール部14aとブッシュ13の通気口13aとの密着状態が解除されるようにノック棒15の前端に設けられた凸部15dがシール部材14の後端に当接し、更にシール部14aが前進されて、通気口13aが開放されることによって、加圧された空気が前方に押し込まれることによって、フォロア12の後端が加圧されてインキのチップ側への流動性が支援される。
【0034】
そのことは、落下衝撃やインキの流動性の悪さ等に起因して先端ボールの周面からインキが離れてしまい連続的なインキの流出がとぎれるのを防止する作用ととぎれた時に回復する作用となる。
また、インキの特性などによって適正な加圧力が設定される。その場合、シールリング16の外周部がインキ収容管10の内周部全周に密接する時の空間部18の容積とノック棒15の前端に設けられた凸部15dがシール部材14の後端に当接し、通気口13aを開放した時の空間部18の容積を幾らにするか、シール部のリーク値などを勘案して設定することが可能となる。
【0035】
次に、ボールペン5の機能について説明する。
先ず、筆記しない状態ではスプリング9の押圧で先端ボール8がチップ抱持部の内縁に密接されるのでインキ11の直流及び逆流が防止される。また、筆圧により先端ボール8が微小に後退するので隙間を生じてインキが流出可能となり、筆記により先端ボール8の回転でインキが流出されて筆記される。
スプリング9の押圧が無い場合でも、インキの粘度があまり低く過ぎたり、あるいはインキの充填量が多過ぎたり、インキ収容管が太過ぎたりしない場合には、フォロアの後端が加圧されるのでインキが直流や逆流が防止できる。
しかしながら、チップ7を上向きにして筆記したり、ノック式筆記具に搭載した場合のノック衝撃の繰り返しなどを考慮するとインキの直流及び逆流防止のためにスプリング9で押圧することが望ましい。
【0036】
また、フォロア棒は、インキ収容管が大径である場合に使用される。
即ち、グリース状のフォロアは、インキ収容部が大径の場合に衝撃などの影響で変形を受け破壊されやすいという問題がある。フォロア内にフォロアと略同等の比重を有する樹脂製のフォロア棒を浸漬させることにより剛性を上げることが可能となる。
【0037】
また、インキの直流及び逆流はスプリングによる先端ボールへの押圧で果たされるが、先端ボールをボール抱持部の内縁にスプリングの押圧によって密接させると共に、その後方に弁体を遊嵌した弁室を設けてチップ上向きで弁体が導孔を閉塞するように併設して設けることで、ボール抱持部の加工バラツキによる先端ボールとの密接不完全状態や、ボール抱持部と先端ボールとの隙間に固形物が付着した場合の密接不完全状態が生じてもインキの逆流が確実に防止できる。
【0038】
上述したフォロア棒や弁体を有したインキの逆流防止構造は、インキ収容部が大径で逆流しやすい場合や、上向き筆記を繰り返した時や衝撃が掛かった時に性能を発揮するものであって構成要素として必須のものではなく、特に誤記修正用のボールペンは上向きに使用されることはまず無いので必ずしも必要としない。
【0039】
尚、上述した加圧式のボールペンの作用は、実施例1に沿って説明したが、実施例2及び実施例3の作用もほぼ同じなので説明は省略する。
【0040】
【発明の効果】
本発明の加圧式のボールペンの構成及び作用は以上の如くであり、
初期筆記でインキ切れしやすいインキを使用したボールペンが加圧作用に支援されて筆記可能となる。また、酸化チタン、高分子中空微粒子等の白色顔料とゲル化剤を含み、顔料の沈降が防止されると共に流動性が損なわれないように配合された白色顔料インキと、ポンピングによる加圧機構を設けることによって、従来のように白色顔料と溶剤とが分離するような問題がなく、従ってインキを攪拌する必要がなく、筆記に際して容器の側面を押圧するようなこともなく、更に煩わしいキャップの着脱もない使い勝手の良い誤記修正用のノック式筆記具が提供可能となる。
また、ノック棒15の前端に設けられた凸部15dをシール部材14の後端に当接させることによってインキの特性などによって適正な加圧力が設定可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1である加圧式のボールペンをノック式筆記具に搭載した一部非断面の縦断面図で、筆記先端が没入した状態を示している。
【図2】ノックして、筆記先端を突出した状態に於ける一部非断面の縦断面図である。
【図3】実施例1である加圧式のボールペンの前半を示す縦断面図である。
【図4】実施例1である加圧式のボールペンの後半を示す縦断面図である。
【図5】実施例1である加圧式のボールペンのポンピング式の加圧機構を拡大して示した断面図である。
【図6】実施例2である加圧式のボールペンの前半を示した縦断面図である。
【図7】実施例2である加圧式のボールペンの後半を示した縦断面図である。
【図8】実施例3である加圧式のボールペンの前半を示した縦断面図である。
【図9】実施例3である加圧式のボールペンの後半を示した縦断面図である。
【符号の説明】
1     軸筒
1a   クリップ
1b   玉部
1c   係止段部
1d   窓孔
1e   基部
1f   弾性片
1g   傾斜面
1h   段部
2     先軸
2a   先端孔
2b   段部
2c   内段部
3     ノック筒
3a   係止突起
3b   リブ
3c   セーフティ片
4     リターンスプリング
5    ボールペン
6     継ぎ手
6a    前軸部
6b   鍔部
6c    後軸部
6d   チップ嵌着孔
6e   段部
6f   前端
7    チップ
8    先端ボール
9    スプリング
9a   棒軸部
10   インキ収容管
10a  スリット部
10b  テーパー状のスリット部
10c  段部
11   インキ
12   フォロア
13   ブッシュ
13a  通気口
13b  内面
13c  底面
14   シール部材
14a  シール部
14b  凸部
15   ノック棒
15a  突部
15b  段部
15c  溝部
15d  凸部
16   シールリング
17   ノックスプリング
18   空間部
19   ボールペン
20   軸筒
20a  段部
20b  円周部
20c  スリット部
20d  テーパー状のスリット部
20e  段部
21   先軸部
21a  内孔
21b  孔部
21c  リブ
21d  前受け座
22   受け座部材
22a  弁体受け座
22b  凸部
22c  係止部
22d  導孔
23   弁室
24   弁体
25   チップ
25a  チップ内孔
25b  軸部
25c  カシメ部
26   先端ボール
27   スプリング
27a  棒軸部
28   インキ
29   フォロア
30   フォロア棒
31   ブッシュ
31a  通気口
31b  内面
31c  底面
32   シール部材
32a  シール部
32b  凸部
33   ノック棒
33a  突部
33b  段部
33c  溝部
33d  突部
34   シールリング
35   ノックスプリング
36   空間部
37   ボールペン
38   先軸部
39   軸筒
40   フォロア

Claims (2)

  1. 先端にボールペンのチップと後方にインキ収容管を備え、インキ収容管にインキとインキの後端にインキと追随するフォロアが充填されて、更にその後方のインキ収容管またはインキ収容管の後端に一体となるように設けられた筒体の内孔にポンピング式の加圧機構が設けられてなる加圧式のボールペンに於いて、
    前記ポンピング式の加圧機構は、フォロアの後端に対面する位置に、フォロアの後端側に連通する通気口とその通気口を密閉する弾性体よりなるシール部材とが設けられ、常時はシール部材が通気口を密閉してフォロアの後端部が密室状態となり、シール部材が変形あるいは変位されることによって通気口が開放状態となる弁機構部と、その弁機構部の後方に、ノックスプリングによって常時後方に附勢された状態で前後退可能にノック棒が設けられて、前進させた時に通気口とノック棒の前端との間に形成される空間部が圧縮されてなるノック機構部とで構成され、またノック棒の前端に凸部が設けられており、ノック棒を前進して空間部を適宜圧縮した状態で、前記シール部材に凸部が当接して、シール部材を変形あるいは変位するように構成したことを特徴とする加圧式のボールペン。
  2. 先端ボールがチップ先端のボール抱持部の内縁に密接するように先端ボールの背面にバネ圧が付与されると共に、インキ収容管には、酸化チタン、高分子中空微粒子等の白色顔料とゲル化剤を含み、顔料の沈降が防止されると共に流動性が極力損なわれないように配合された白色顔料インキが充填されてなる請求項1に記載の加圧式のボールペン。
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