JP2004033503A - 立ち上がり補助機構付きチェア - Google Patents
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Abstract
【課題】着座部を前傾位置に変位することで着座姿勢からの立ち上がり動作を楽に行えるようにした立ち上がり補助機構付きチェアに係り、特に次に使用する使用者は着座し易い前傾位置に傾斜したままの着座部に着座し、使用者の余分な手を煩わせることなく前傾位置の着座部が基本位置である着座姿勢に移動する。
【解決手段】本体フレームと、少なくとも、使用者が着座する基本位置と、後端側が前記基本位置より上方へ変位して使用者の立ち上がりを補助する前傾位置との間で揺動変位可能に本体フレームに支持された着座部と、前記着座部を揺動変位させるアクチュエータと、前記着座部が前記基本位置にあるか前記前傾位置にあるかを判断する位置判断部を含み、電源投入時に前記位置判断部が前傾位置にあると判断したときに前記アクチュエータに前記着座部を前記基本位置へ復帰移動させる駆動制御手段とを備えた。
【選択図】 図3
【解決手段】本体フレームと、少なくとも、使用者が着座する基本位置と、後端側が前記基本位置より上方へ変位して使用者の立ち上がりを補助する前傾位置との間で揺動変位可能に本体フレームに支持された着座部と、前記着座部を揺動変位させるアクチュエータと、前記着座部が前記基本位置にあるか前記前傾位置にあるかを判断する位置判断部を含み、電源投入時に前記位置判断部が前傾位置にあると判断したときに前記アクチュエータに前記着座部を前記基本位置へ復帰移動させる駆動制御手段とを備えた。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、着座部を前傾位置に変位することで着座姿勢からの立ち上がり動作を楽に行えるようにした立ち上がり補助機構付きチェアに係り、特に次に使用する使用者は着座し易い前傾位置に傾斜したままの着座部に着座し、使用者の余分な手を煩わせることなく、前傾位置の着座部が基本位置である着座姿勢に移動する補助機構付きチェアに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特にマッサージ装置が組み込まれたチェアは、安定したマッサージ動作を行うため、一般的に通常のチェアよりも着座部の座面に奥行きがあり、且つ、座面は後方が低くなるように傾斜が設けられていて、使用者が膝を深く曲げた安定した姿勢で座ることができるように設計されている。
【0003】
このようなチェアでは、立ち上がる際に膝の筋肉に大きな負担が加わるため、肥満者や筋肉の衰えた高齢者等にとっては使い勝手が悪く、そのため従来では、例えば特開平9−294791号公報、特公昭60−58661号公報、あるいは実公平5−37796号公報所載のチェアーが公知である。これら公報に記載されたチェアは、いずれもチェアの使用を終了する際に、使用者がチェアから立ち上がる動作を補助する補助機構を搭載しており、補助機構の作動により着座部を前傾して持ち上げるように動作させることで、着座した状態から容易に立ち上がるようにした構造のものである。そして、前傾して持ち上げられた着座部は、スイッチ操作により補助機構を反対に駆動して適宜元の基準使用状態に復帰させることができるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記各公報に記載された各技術に係るチェアは、立ち上がり動作は補助機構により補助されるものの、立ち上がり補助が完了した後は、着座部は前傾姿勢を維持したまま停止する。このため、次回使用する際には、前傾位置のままでは着座に支障を来すので、立ち上がり補助の前傾停止状態を一旦解除する動作をして、着座部を基本位置に復帰させる必要がある。このように、係るプロセスを経てからでないと、チェアの使用を開始できず、それだけ使用者に余分な手を煩わさせてしまい、また基本位置に復帰させるにしても、使用者は復帰するまでの間、チェアのそばで待機しなければならず、それだけ不利不便となる問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みて工夫されたもので、使用者が着座するときには、着座部が基本位置よりも前傾位置にある方が着座し易いので、使用者が前傾位置にある状態の着座部に着座し、そこから基本位置に復帰させる際に、使用者の手を煩わせなく着座できる立ち上がり補助機構付きチェアを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、次の構成を有する。すなわち、請求項1の発明は、立ち上がり補助機構付きチェアに係り、本体フレームと、少なくとも、使用者が着座する基本位置と、後端側が前記基本位置より上方へ変位して使用者の立ち上がりを補助する前傾位置との間で揺動変位可能に本体フレームに支持された着座部と、前記着座部を揺動変位させるアクチュエータと、前記着座部が前記基本位置にあるか前記前傾位置にあるかを判断する位置判断部を含み、電源投入時に前記位置判断部が前傾位置にあると判断したときに前記アクチュエータに前記着座部を前記基本位置へ復帰移動させる駆動制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項1の発明によれば、チェア使用中の使用者が補助機構の助成力により立ち上がった後に、次にチェアを使用しようとする使用者は、着座部が前傾位置の状態で着座し、使用者が電源を投入するという簡易な操作だけで、着座部が基本位置に移動するので、使用者の手を煩わせることがなく、使用性が向上する。
【0008】
請求項2の発明は、立ち上がり補助機構付きチェアに係り、本体フレームと、少なくとも、使用者が着座する基本位置と、後端側が前記基本位置より上方へ変位して使用者の立ち上がりを補助する前傾位置との間で揺動変位可能に前記本体フレームに支持された着座部と、前記着座部を揺動変位させるアクチュエータと、前記着座部が基本位置にあるか前記前傾位置にあるかを判断する位置判断部及び前記着座部に使用者が着座しているか否かを判断する存否判断部を含み、前記位置判断部が前記前傾位置にあると判断し、且つ前記存否判断部により使用者が着座部に着座したと判断されたときに、前記アクチュエータに前記着座部を前記基本位置へ復帰移動させる駆動制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明によれば、チェア使用中の使用者が補助機構の助成力により立ち上がった後、駆動制御手段に設けた位置判断部により着座部が前傾位置にあると判断され、また駆動制御手段に設けた存否判断部により着座部に使用者が着座していると判断されることを条件として、着座部を前傾位置から基本位置に復帰移動するので、使用者の手を煩わせることがなく、それだけ使用性が向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る第1の実施形態を図面に基づいて詳述する。説明の順序として、チェア1の立ち上がり補助機構の概要を説明し、次いでこの補助機構に適用される着座部の駆動制御に係るシステム構成を説明し、その後、チェア1の全体構成を説明していく。
【0011】
図1は、本第1の実施形態である立ち上がり補助機構付きチェア(以下単に「チェア」という)を示す外観斜視図であって、ここに示すものはマッサージ用チェアとして構成されている。図2は、立ち上がり補助機構付きチェアの要部を示す側面図であり、同図においては図1におけるフットレスト13の部分は図示を省略している。
【0012】
図1、図2において、チェア1は床面上に置かれる支持脚2の上部に本体フレーム3が固定されており、また、本体フレーム3の上部に着座部4が配置され、さらに着座部4の左右両側に肘掛け部5,6が配置されている。
【0013】
着座部4は、その下部に設けた後述するアクチュエータにより通常の着座位置である基本位置(基準位置)と、その前端側を中心にして基本位置から上方に浮き上がるように前傾する前傾位置との間を変位するようにチェア1の本体フレーム3上部に取り付けられる。
【0014】
また、本体フレーム3には、着座部4の後端側から上方に向けて背もたれ部7が取り付けられていて、この第1の実施形態においては、背もたれ部7は後方へ傾動可能なリクライニング構造を有している。
【0015】
背もたれ部7の内部には、ガイドレール8に案内されて昇降するマッサージユニット9が設けられており、このマッサージユニット9が有するマッサージローラ10が、着座部4に着座した使用者の背中側を、背もたれ部7の表面を覆っている外装布11の内側から押圧したり叩き動作を行ったりしてマッサージするようになっている。
【0016】
なお、図1においては、マッサージユニット9等を説明するため、外装布11の一部を切欠いて画いてある。
【0017】
また、本第1の実施形態のチェア1では、本体フレーム3の前端側下方位置に、内部にフットマッサージユニット12を内蔵したフットレストFが設けられている。このフットレストFは、使用者がチェア1の着座部4に座った状態でその上に足を載せ、マッサージユニット12によって足裏や脹ら脛のマッサージが行えるようになっている。
【0018】
また、本体フレーム3には、チェア1の左右方向を向いた水平軸12回りに回動自在に第1の回動フレーム13が軸着されて、その前端側が上下方向に変位できるようになっている。
【0019】
第1の回動フレーム13の前端側には、水平軸12と平行な第2の水平軸14回りに第2の回動フレーム15の前端が回動自在に軸着されており、この回動フレーム15の後端側が回動フレーム13の上方に所定範囲浮き上がって前傾することで、着座部4の前傾位置が規定されるようになっている。
【0020】
そして、回動フレーム15は、下方に回動した位置で、その後端寄りに設けられているストッパ16の下面が、回動フレーム13の上面に当接して支持されることで、着座部4の基本位置が規定されるようになっている。
【0021】
図3は、着座部4を駆動制御するシステムを示すシステム構成図である。図3に基づいて着座部駆動制御手段を含むシステムを説明する。すなわち、着座部4を駆動制御する着座部駆動制御手段(以下「駆動制御手段」という)は、上記第2の回動フレーム15を、第1の回動フレーム13に応動して上記基本位置と、この基本位置から上方へ変位して立ち上がりを補助する前傾位置との間に亘って駆動変位させるように制御するものである。
【0022】
この駆動制御手段は、後述するアクチュエータにより作動する着座部4が基本位置と前傾位置のいずれの位置にあるかを判断する位置判断部Aと、チェア1の着座部4に使用者(以下「施療者」ともいう)が着座しているかどうかの存否を判断する存否判断部Bと、これら二つの判断部A,Bからの出力信号を受けて立ち上がり補助機構を駆動する立ち上がり補助機構駆動制御部Cとを有している。
【0023】
また、駆動制御手段の入力側には、揉み、叩き等のマッサージモードを選んだり、背部あるいは足部マッサージを選択したり、リクライニング操作したり、電源をON,OFFしたりする各種のスイッチ類を設けた操作スイッチD、後述するアクチュエータ32におけるロッドのストローク量を検知するストロークセンサE、電流を供給する電源部P、着座部4に着座する施療者の体重等の体圧を検知し、その検出結果を存否判断部Bに出力する着座部圧力センサHが接続され、駆動制御手段の出力側には、立ち上がり補助機駆動制御部Cからの出力信号が送出されて作動するアクチュエータ32が設けられている。操作スイッチDには、マッサージコースを選択する機能、制御動作の作動時間を設定するタイマー機能、チェアのリクライニング機能等が設けられている。
【0024】
ストロークセンサEは、後述する作動ロッドを駆動するための後述するナットに設けたロータリーエンコーダで形成した態様のものである。すなわち、作動ロッドに螺合したナットに設けた回転板のスリットに光りを透過させ、この透過する光をフォトセンサで検知して得られるパルス信号を計測してアクチュエータ32のロッドのストローク量を算出するものである。
【0025】
着座部圧力センサHは、例えば抵抗ひずみ、あるいはロードセル等の自体公知の圧力センサで形成され、チェア1の着座部4や背もたれ部7、あるいはフットレストFの内部に適宜内蔵される。
【0026】
さらに、この駆動制御手段には、チェア1を使用中の施療者が立ち上がり補助機構を駆動して着座部4から立ち上がる操作をしたとき、位置判断部Aが前傾位置にあると判断し、かつ、存否判断部Bが施療者が着座部4に着座していない状態にあることを判断したとき、第2の回動フレーム15を前傾位置から基本位置へ自動復帰する機能を格納している。
【0027】
次に、上記駆動制御手段を設けたチェア1の機構についてさらに説明していく。すなわち、回動フレーム13の水平軸14の近傍後方位置に、上下方向に長く形成されている長孔17内には、回動フレーム15側面に固定された回動制限ピン18が挿入されていて、この回動制限ピン18が長孔17の上端部内面に当接することで、回動フレーム15の回動フレーム13に対する上方への回動範囲が制限されている。
【0028】
着座部4は、回動フレーム15の上面に固定されており、また、図1に示すフットマッサージユニット12は、図2では図示を省略しているが、水平軸14と並行に設けられた、回動フレーム13前端に位置する取付軸に連結されている。
【0029】
また、回動フレーム15の下面と対向するように、本体フレーム3から上方に向けて当接部材20が突設されていて、前記当接部材20は、回動フレーム13の前端側が水平軸12回りに下方へ回動する途中で、図2に示すように先端が回動フレーム15の下面に当接してこれを回動フレーム13に対して相対的に押し上げ、回動フレーム15と共に着座部4を前傾させるようになっている。
【0030】
また、本体フレーム3の後端側には、水平軸12と平行な第3の水平軸21回りに回動自在に、背もたれ部7の下端側が軸着されており、背もたれ部7は、前記水平軸21を中心として、本体フレーム3の後方へ傾動可能になっている。
【0031】
回動フレーム13と背もたれ部7とは、連動手段22によって連動するように構成されている。この連動手段22は、水平軸12と平行な第4の水平軸23回りに回動自在に下端側を軸支された第1のリンク部材24と、一方の端がリンク部材24の上端側に水平軸12と平行な第5の水平軸25回りに回動自在に軸着され、他方の端が背もたれ部7の下端側の水平軸21から後方へ偏倚した位置に突出したブラケット7Aに取り付けられた、水平軸12と平行な第6の水平軸26回りに回動自在に軸着された第2のリンク部材27と、一方の端が回動フレーム13に、水平軸12の前方且つ下方で水平軸12と平行な第7の水平軸28回りに回動自在に軸着され、他方の端がリンク部材24の略中間位置に、水平軸12と平行な第8の水平軸29回りに回動自在に軸着された第3のリンク部材30から構成されている。
【0032】
前記水平軸28は、回動フレーム13の中間位置から下方に延びる腕部13Aの下端部近傍に設けられており、また、腕部13Aの中間位置には、水平軸12と平行な第9の水平軸31によって、直線作動型のアクチュエータ32のケーシング32Aの基端部が回動自在に軸着されている。
【0033】
前記アクチュエータ32は、ケーシング32Aの基端部側と反対側に突出する伸縮自在な作動ロッド32Bを有しており、この作動ロッド32Bの先端は、リンク24とリンク27同士を連結している水平軸25に共通に連結されており、これらのリンク24とリンク27の両方に対して、水平軸25回りに回動自在になっている。
【0034】
作動ロッド32Bのケーシング32A外に突き出た部分は、蛇腹状の伸縮カバー32Cによって覆われており、ケーシング32Aに取り付けられたモータ32Dによって、作動ロッド32Bの外周に形成されたねじに螺合するナットを回転されることで、作動ロッド32Bが伸縮するようになっている。そして、このナットには、上述したように、例えばロータリーエンコーダでなるストロークセンサEが設けられていて、作動ロッド32Bの伸縮量であるストローク量が演算処理され、着座部4が基本位置にあるか、前傾位置にあるかどうかを検知する。
【0035】
次に、図4乃至図6によって、立ち上がり補助機構付きチェアの動作を説明する。図4はチェア1の背もたれ部7を起こして使用する状態を示しており、この状態では着座部4は、やや後方に傾斜しており、回動フレーム15の下面に設けられているストッパ16が、第1の回動フレーム13上に当接した基本位置にある。
【0036】
このとき、背もたれ部7は、やや後方へ傾斜した状態の起立姿勢にあり、使用者Mが着座部4に腰掛けると、背中側が背もたれ部7の前面にややもたれ掛かる姿勢になる。
【0037】
この状態において、図1に示すマッサージユニット9がガイドレール8に沿って上下動させながら、マッサージローラ10で背中側のマッサージを行うことができる。
【0038】
次に、図5は、チェア1を背もたれ部7を後方へ傾動させたリクライニング姿勢で使用する場合を示しており、背もたれ部7を図4に示す起立姿勢から図5に示すリクライニング姿勢への移行は、アクチュエータ32を駆動して、その作動ロッド32Bを収縮させることにより行われる。
【0039】
すなわち、作動ロッド32が収縮し、これが連結されている水平軸25と、ケーシング32Aが連結されている水平軸31間の距離が接近すると、リンク部材24は、図4に示すように水平軸23回りに前方へ回動し、この動きはリンク27を介して背もたれ部7を水平軸21回りに後方に傾動させる。
【0040】
一方、リンク24の動きはリンク30を介して回動フレーム13に伝えられ、回動フレーム13は、着座部4と共に水平軸12回りに上方に回動する。
【0041】
この際、図5に示すように、背もたれ部7の傾動が大きくなるほど、水平軸23と水平軸28のそれぞれの中心を結ぶ直線上に、水平軸29の中心位置が近づくため、回動フレーム13の回動量は減少し、着座部4と背もたれ部7との角度が大きく拡がり、使用者Mは仰臥姿勢に近い姿勢となる。
従って、この姿勢で、背中側のマッサージを行うことにより、より高いマッサージ効果を得ることができる。
【0042】
また、図5に示すリクライニング姿勢から背もたれ部7を起立方向へ回動させる場合には、アクチュエータ32の伸縮ロッド32Bを伸長方向に駆動すると、背もたれ部7が起きあがると共に、回動フレーム13の前端側は着座部4を伴って緩やかに下降する。
【0043】
そして、背もたれ部7が図3に示す起立姿勢に戻った後、ここで、マッサージを終了して使用者が立ち上がる場合には、アクチュエータ32の伸縮ロッド32Bを図3に示す位置からさらに伸長方向に駆動する。
【0044】
そうすると、図6に示すように、水平軸23と水平軸26のそれぞれの中心を結ぶ直線上に水平軸25の中心位置が近づくため、このときの背もたれ部7の前方への水平軸21回りの回動量は小さく抑えられる。
一方、リンク24の水平軸23回りの後方への回動によって、回動フレーム13はリンク30を介して、水平軸12回りにさらに下向きに回動する。
【0045】
その結果、回動フレーム13の前端側に水平軸14で連結されて支持されている回動フレーム15の下面は、本体フレーム3側に固定されている当接部材20の先端に途中で突き当たり、さらなる回動フレーム13の下降によって、回動フレーム15は、水平軸14回りに上方へ回動し、ストッパ16は回動フレーム13の上面から離間する。
【0046】
こうして、回動フレーム15は、図6に示すように着座部4と共に前傾姿勢となり、この動作において、着座部4上面は、立ち上がろうとする使用者Mを前方へ押し出すように補助し、楽に立ち上がることができる。
【0047】
次に、図7、図8に示される着座部基本位置自動復帰フロー図を参照して駆動制御手段の手順を説明する。すなわち、施療者Mは図4あるいは図5に示される姿勢でチェア1に着座し、マッサージユニット9やフットマッサージユニット12を駆動し、背中や足をマッサージする状態にある(ステップS1)。施療動作中であっても着座部を前傾位置まで移動操作することが可能であり、マッサージ中にこの前傾位置への移動操作が行われたか否かがステップS2で判断される。位置判断部Aにより着座部の前傾位置への移動が判断されると、ステップ4へジャンプしてすべての施療動作が停止するように形成されている。前傾位置への移動が行われていないと判断されると、施療が続行される。ステップS3において施療者Mが操作スイッチDをON操作したか否かが判断される。操作スイッチがONされたと判断したときは施療動作を終了するための以下に続くステップSに進んでいく。操作スイッチがONされていないと判断されると、ステップS1にリターンする。ステップS4では、それまで駆動を停止していたアクチュエータ駆動用のモータ32Dが駆動しはじめる。
【0048】
図6に示すアクチュエータ32の伸長ロッド32Bは伸長し(ステップS5)、立ち上がり補助機構を形成する連動手段22が作動し、着座部4は第1の回動フレーム13から前傾するように浮き上がり、それと同時に背もたれ部7を前方に起こすように作動する。こうして立ち上がり補助機構により立ち上がろうとする施療者Mを前方へ押し出すように補助する。
【0049】
ステップS6において、ストロークセンサEにより伸縮ロッド32Bのストローク量が計測され、その計測信号が位置判断部Aに出力される。次いで、ステップS7において、ストローク伸長量が最大になったか否かが位置判断部Aで判断される。位置判断部Aがストローク伸長量が最大、すなわち着座部4が前傾位置に到達したと判断した場合には、ステップS8に進み、到達していないと判断した場合にはステップS4にリターンする。
【0050】
着座部が前傾位置の状態に到達した場合には、ステップS8で立ち上がり補助機構駆動制御部Cがモータ32Dの駆動を停止することで、アクチュエータ32の伸長も停止する。この状態において、すべての施療動作は停止(ステップS9)すると共に、施療者Mは着座部4から立ち上がることができる。
【0051】
本第1の実施の形態では、マッサージ動作中であっても、ステップS2で着座部を前傾位置に移動させると、ステップS4からステップS9のステップを経てすべてのマッサージ動作を停止するように形成されている。また、着座部が前傾位置の状態にあるときは、マッサージ動作を行わないように設定されている。すなわち、着座部が基本位置に移動してからマッサージ動作を開始するように形成している。
【0052】
次に、図8に示すフロー図において、次の施療者Mすなわち使用者が、前傾位置の状態で電源スイッチ(電源ボタン)をONにして着座部4を基本位置に移動させる場合の手順を説明する。すなわち、チェアがすべての施療動作が停止されている状態において(ステップS1)、その使用者が電源ボタンをONにしたか否かがステップS2で判断される。ステップS2で電源ボタンがONであると判断されると、ステップS3でストローク量が計測され、OFF状態にあると判断されるとステップS1にリターンする。
【0053】
ステップS4において、ステップS3で計測されたストローク量に基づいて着座部が前傾位置にあるかどうかが判断される。前傾位置にあると判断したときはステップS5に進み、前傾位置の状態にないと判断したときは、ステップS5aに進む。
ステップS5に進んだ場合には、立ち上がり補助機構駆動制御部Cによりモータ32Dが駆動され、アクチュエータ32の伸縮ロッド32Bが収縮し始める(ステップS6)。ストロークセンサEは該ロッド32Bのストローク量を計測し(ステップS7)、その計測結果が位置判断部Aに出力される。
ステップS5においてNOと判断されたときはステップS5aに進み、モータ32Dが駆動され、伸縮ロッド32Bが伸長し(ステップS5b)、ステップS3にリターンしてストローク量が計測される。
【0054】
ステップS8において、計測したストローク量により所定の収縮量、すなわち着座部4が基本位置に到達したかどうかが位置判断部Aで判断される。基本位置に到達したと判断された場合には、ステップS10に進み、到達しないと判断された場合にはステップS5にリターンする。
【0055】
ステップS8で位置判断部Aが基本位置に到達したと判断した場合には、その判断結果が立ち上がり補助機構駆動制御部Cに出力され、ステップS9でモータ32Dが停止され、アクチュエータ32の収縮作動が停止し、チェアは施療動作が可能な状態に設定される(ステップS10)。こうして、着座部4は基本位置の状態となり、いつでもマッサージを行うことができる状態となる。
【0056】
このように、本第1の実施形態によれば、チェア1を使用しようとする次の使用者すなわち施療者Mが施療を始めようとするとき、着座部が前傾位置にある状態で使用者が着座し、電源ボタンを投入するだけで着座部4を基本位置に移動できるので、使用者の手を煩わすことがなく、便利である。
【0057】
次に、第2の実施形態を説明する。本第2の実施形態は、上記第1の実施の形態に対して、施療者Mが施療動作を終了してチェアから立ち上がるまでの制御フローは図7に示すように両者共通しているが、次の施療者がチェアを使用する場合の制御フローが相違する。すなわち、第1の実施の形態では図8に示したように、前傾位置の状態で電源スイッチをON(投入)することで着座部4が基本位置に移動する構成であったのに対して、本第2の実施形態では図9のフロー図に示すように、前傾位置の状態で使用者が着座することにより、着座部4を基本位置に移動するように構成した点のみ相違する。以下では、この相違する構成のみを説明することとし、その他の構成に係る説明は割愛することとする。
【0058】
すなわち、図9のフロー図において、チェアがすべての施療動作が停止状態にある場合において(ステップS1)、次の施療者Mがチェアを使用しようとするとき、テップS2で着座部4に内蔵している着座部圧力センサHにより着座部の体圧が計測され、その計測信号は存否判断部Bに出力される。存否判断部Bにおいて、着座部4に所定圧力が作用しているかどうかが判断され(ステップS3)、所定圧力以上、すなわち着座部4に施療者Mが着座している状態にあると判断した場合にはステップS4に進み、施療者Mが着座していないと判断した場合にはステップS2にリターンする。
【0059】
ステップS4において、ステップS3で計測された体圧計測結果に基づき着座部が前傾位置にあるかどうかが判断される。前傾位置にあると判断したときはステップS5に進み、前傾位置の状態にないと判断したときは、ステップS5aに進む。
ステップS5に進んだ場合には、立ち上がり補助機構駆動制御部Cによりモータ32Dが駆動され、アクチュエータ32の伸縮ロッド32Bが収縮し始める(ステップS6)。ストロークセンサEは該ロッド32Bのストローク量を計測し(ステップS7)、その計測結果が位置判断部Aに出力される。
ステップS4においてNOと判断されたときはステップS5aに進み、モータ32Dが駆動され、伸縮ロッド32Bが伸長し(ステップS5b)、ステップS5cでストローク量が計測されてステップS4にリターンする。
【0060】
ステップS8において、ステップS7で計測されたストローク量により所定の収縮量、すなわち着座部4が基本位置に到達したかどうかが位置判断部Aで判断される。基本位置に到達したと判断された場合には、ステップS10に進み、到達しないと判断された場合にはステップS5にリターンする。
【0061】
ステップS8で位置判断部Aが基本位置に到達したと判断された場合には、その判断結果が立ち上がり補助機構駆動制御部Cに出力され、ステップS9でモータ32Dが停止され、アクチュエータ32の収縮作動が停止し、チェアは施療動作が可能な状態に設定される(ステップS10)。こうして、着座部4は基本位置の状態となり、いつでもマッサージを行うことができる状態となる。
【0062】
このように、本第2の実施形態によっても、上記第1の実施の形態と同様に、チェア1を使用しようとする次の使用者すなわち施療者Mが施療を始めようとする場合には、着座部が前傾位置にある状態と、使用者が着座部4に着座している状態との両状態が同時に満足されたことを条件にして、着座部4を基本位置に移動できるので、使用者の手を煩わすことがなく、便利である。
【0063】
次に、図10に基づいて第3の実施の形態を説明する。図10は着座部基本位置自動復帰フロー図である。すなわち、施療者Mは図4あるいは図5に示される姿勢でチェア1に着座し、マッサージユニット9やフットマッサージユニット12を駆動し、背中や足をマッサージする状態にある(ステップS1)。ステップS2で、施療動作における施療者Mが操作スイッチDをON操作して施療を終了するか否かが判断される。操作スイッチがONされたと判断したとき、ステップS3に進み、それまで駆動を停止していたモータ32Dは駆動しはじめる。
【0064】
図6に示すようにアクチュエータ32の伸長ロッド32Bは伸長し(ステップS4)、立ち上がり補助機構を形成する連動手段22が作動し、着座部4は第1の回動フレーム13から前傾するように浮き上がり、それと同時に背もたれ部7を前方に起こすように作動する。こうして立ち上がり補助機構により立ち上がろうとする施療者Mを前方へ押し出すように補助する。
【0065】
ステップS5において、ストロークセンサEにより伸縮ロッド32Bのストローク量が計測され、その計測信号が位置判断部Aに出力される。次いで、ステップS6において、ストローク伸長量が最大になったか否かが位置判断部Aで判断される。位置判断部Aがストローク伸長量が最大、すなわち着座部4が前傾位置に到達したと判断した場合には、ステップS7に進み、到達していないと判断した場合にはステップS4にリターンする。
【0066】
着座部が前傾位置の状態に到達した場合には、ステップS7で立ち上がり補助機構駆動制御部Cがモータ32Dの駆動を停止することで、アクチュエータ32の伸長も停止する。この状態において、施療者Mは着座部4から立ち上がることができる。
【0067】
ステップS8において、着座部4から施療者Mが立ちあがることにより、着座部4に内蔵している着座部圧力センサHにより着座部の体圧を計測され、その計測信号は存否判断部Bに出力される。存否判断部Bにおいて、着座部4に所定圧力が作用しているかどうかが判断され(ステップS9)、所定圧力以下、すなわち着座部に施療者Mが居ないことを判断した場合には、ステップS10に進み、施療者Mが居る(着座)していると判断した場合にはステップS8にリターンする。
【0068】
ステップS10に進むと、立ち上がり補助機構駆動制御部Cによりモータ32Dが駆動され、アクチュエータ32の伸縮ロッド32Bが収縮し始める(ステップS11)。ストロークセンサEは該ロッド32Bのストローク量を計測し(ステップS12)、その計測結果が位置判断部Aに出力される。
【0069】
ステップS13において、計測したストローク量により所定の収縮量、すなわち着座部4が基本位置に到達したかどうかが位置判断部Aで判断される。基本位置に到達したと判断された場合には、ステップS14に進み、到達しないと判断された場合にはステップS10にリターンする。
【0070】
位置判断部Aが基本位置に到達したと判断した場合には、その判断結果が立ち上がり補助機構駆動制御部Cに出力されてモータ32Dが停止され(ステップS14)、アクチュエータ32の収縮作動も停止する。
こうして、着座部4は基本位置に自動的に復帰することとなる。
【0071】
このように、本第3の実施形態によれば、チェア1を使用中の使用者すなわち施療者Mが施療を止めて、立ち上がり補助機構を駆動して着座部4から立ち上がるスイッチ操作をした場合に、駆動制御手段に設けた位置判断部Aおよび存否判断部Bにより前傾位置の状態にある着座部から施療者Mが居なくなったとき、着座部が自動的に基本位置に復帰した状態にしまい込まれているので、次の使用者Mがチェア1を使用する際に、着座部に何ら支障なく膝を深く曲げた安定した姿勢になるように着座して、マッサージをすることが可能となる。
【0072】
次に図11に基づいて第4の実施形態を説明する。上記第4の実施形態では、施療者Mがチェアから立ち上がる場合に、着座部を基本位置に自動復帰させる制御について説明したが、この代わりに第4の実施形態では図11のフロー図に示すように、次の施療者Mがスイッチ操作し前傾した状態にある着座部に座る場合に、前傾位置にある着座部4を基本位置に復帰させる制御が行えるように構成した点のみが相違し、その他の構成は第3の実施形態と同じである。
【0073】
すなわち、この第4の実施形態は、次の使用者MがステップS1において、操作スイッチDで電源ボタンをONすることで電源部Pにより着座部駆動制御手段が通電される。なお、この電源ボタンをON操作することは、マッサージ機の電源がONになることであり、電動リクライニング、フットレスト、座バイブ、足ローラー等のマッサージが可能とするものである。これにより、直ちにストロークセンサEによりアクチュエータ32のストローク量が計測される。その計測結果は位置判断部Aに出力され、位置判断部Aで着座部4が前傾位置にあるかどうかが判断され(ステップS3)、前傾位置にあると判断された場合にはステップS4に進み、前傾位置以外の位置にあると判断された場合にはステップS2にリターンする。
【0074】
前傾位置にあると判断された場合には、ステップS4で着座部圧力センサHにより使用者Mの体圧の有無を検知する。有無の検知結果は存否判断部Bに出力され、ステップS5において着座しているか否かが判断される。着座していない状態にあると判断された場合には、ステップS6に進み、着座している状態であると判断された場合には、ステップS4にリターンする。
【0075】
着座していない状態にあると判断された場合には、ステップS6において立ち上がり補助機構駆動制御部Cによりモータ32Dが駆動され、アクチュエータ32が収縮し始め(ステップS7)、ストロークセンサEによりアクチュエータ32のストローク量が計測される。その計測結果は位置判断部Aに出力され、ステップS9において、所定の収縮量、すなわち着座部4が基本位置になったか否かが判断される。基本位置になったと判断された場合には、ステップS10に進み、基本位置以外の位置にあると判断された場合にはステップS6にリターンする。
【0076】
着座部が基本位置になったと判断された場合には、立ち上がり補助機構駆動制御部Cによりモータ32Dが停止し(ステップS10)、アクチュエータ32の作動も停止する。
このため、第4の実施形態によれば、電源OFFの状態で電源ボタンをON操作するだけで、着座部4を前傾位置から基本位置の状態に自動復帰し、このとき、背もたれ部7も自動的にリクライニングするように制御されるので、使用者Mは膝を深く曲げた安定した姿勢で着座部4に腰を下ろすことができる。
【0077】
以上、本発明を上記実施の形態により詳述してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0078】
例えば、上記第1、第2の実施の形態では、図7に示すステップS3で、施療者が操作スイッチDを押して施療を途中で終えたい場合でも、ステップS4〜ステップS9を経ることにより着座部を前傾位置にさせた状態にして施療動作を停止することができるようにしたが、この代わりに、マッサージコースを最後まで行って終了したり、施療動作がタイマー時間で設定した時間まで行った終了したりしたような場合にも、着座部を前傾位置に移動させて終了するように制御するように構成することももちろん可能である。また、このような構成は当然に第3、第4の各実施の形態にも適宜適用できるのはもちろんである。
【0079】
なお、上記第1、第2の実施の形態において、次回に使用する施療者のために、着座部4を前傾位置にしておく手段を適宜設ける構成を組み込むことが可能である。すなわち、着座部の位置判断部を有しており、マッサージのプログラム、例えば特に強い刺激を与えるコースのモードが終了することで、着座部が基本位置もしくは前傾位置に移動させる駆動手段を装備した構成を付加することができる。
また、着座部の位置判断部および存否判断部を有していて、使用者が着座部に着座していないと判断したときに、着座部を前傾位置へ移動させる駆動手段を装備する構成を付加してもよい。
【0080】
また、上記第4の実施形態では、駆動制御手段に、位置判断部Aおよび存否判断部Bを設けて、着座部4を前傾位置から基本位置に復帰制御する構成にしたが、この代わりに図3に示すように、駆動制御手段に、第2の回動フレーム15が前傾位置に変位した状態になったときから所定時間を経過したか否かを判断する経過時間判断部Tを設け、この経過時間判断部Tにより所定時間が経過したことを判断されたとき、第2の回動フレーム15を前傾位置から基本位置に復帰するように構成した変形例にすることもできる。
【0081】
かかる第4の実施の形態の変形例では、着座部基本位置自動復帰フロー図は図9に示す着座部基本位置自動復帰フロー図において、次のように変更されるだけである。すなわち、図9のステップS9では、着座部に施療者Mが着座しているか否かの判断を存否判断部Bで行うが、このステップS9の前か、あるいは後に、上記した経過時間判断部Tによる経過時間判断ステップを設け、その他のステップ構成は図9と同じである。したがって、この経過時間判断ステップで、前傾位置の状態が所定時間を経過したと判断され、かつ、着座部に施療者Mが居ないことをステップS9で判断した後に、着座部を基本位置に復帰するよう制御される。
【0082】
この変形例によれば、立ち上がり補助操作時、チェアの着座部から離脱する動作が遅い施療者Mの場合であっても、施療者が確実にチェアから離脱したのを確認してから着座部を基本位置に復帰するので、安全かつ確実に自動復帰が行える効果がある。
【0083】
なお、上記第1乃至第4の各実施形態では、存否判断部Bに着座部圧力センサHで計測された体圧を検出し、その信号を入力していたが、この代わりに背もたれ部7に埋設した人感センサを設けて使用者の体温を検知したり、あるいは光、赤外線等の光線を使用者に当てたりすることで人の存否を感知するような態様にすることもできる。また、特開平11−42263号公報で公知となっている静電容量型センサを使用することもできる。
【0084】
また、上記第1乃至第4の各実施の形態におけるストロークセンサによるアクチュエー32のストローク量の計測を、ロータリーエンコーダー式で計測したものであったが、この代わりに、アクチュエー32部に着座部が前傾となる位置と、基本となる位置と、後傾となる位置とにそれぞれリミットスイッチを配備した構成によりストロークセンサを構成してもよい。この構成により、ストローク量の計測は、アクチュエーの伸縮に応じてこれらリミットスイッチがONするか否かを検知し、この検知信号を着座部駆動制御手段(図3参照)に入力して位置を判断することができる。
【0085】
また、上記第1乃至第4の各実施の形態では、モータ32Dの駆動によりアクチュエー32の作動ロッド32Bをストロークさせ、これにより着座部4を傾斜させるだけでなく、背もたれ部7をリクライニングさせる機能も兼用させた兼用モータを使用した構成であるが、背もたれ部7のリクライニング機能については、モータ32Dとは別に背もたれ部リクライニング用の専用モータを設けた構成にすることも可能である。
【0086】
この場合、兼用モータ32Dや専用モータ(以下これらを総称して「モータ」という)は、共に回転速度を変化させない一定回転速度タイプの態様でも、変化させる速度可変タイプの態様でも、いずれの態様のモータを使用してもよいものである。例えば、回転速度を変化させない態様のモータを使用した場合には、後傾位置〜基本位置〜前傾位置(立ち上がり位置)までの各位置に亘る移動を一定速度で行わせることができる。
【0087】
一方、モータの回転速度を自由に変化させる形式の速度可変タイプのモータを使用する場合には、チェアから立ち上がる場合のように着座部が基本位置から前傾位置へ移動するときは、安全の面からゆっくりした移動速度(安全移動速度)で着座部が移動させるようにモータを回転させる。基本位置から後傾位置へのリクライニング操作での移動は、上記安全移動速度よりも速い速度でリクライニング移動するようにモータの回転速度を制御する構成にすることも可能である。係る構成にすることで、リクライニング操作時、立ち上がり時のゆっくりした移動速度よりも速い速度でリクライニング操作が行われるため、使用者(施療者)苛立つような不快感を与えることはない。
【0088】
このように速度可変モータを用いて、背もたれ部7の傾斜位置に応じて適度な速度に切り替えるよう移動制御するようにしてもよく、また、リクライニング操作は、操作スイッチDをワンタッチ操作で行うのでなく、リクライニングさせたい間だけ押し続けるようにしてリクライニングするのが好ましいが、もちろんワンタッチ操作で行うようにしてもよい。
【0089】
また、上記第1乃至第4の各実施形態においては、ストロークセンサEとして、ロータリーエンコーダを使用した場合について説明したが、この代わりにアクチュエータ32のケーシング32Aとロッド32Bとの間にリミットスイッチを取り付け、ロッド32Bが最伸状態になったとき、リミットスイッチが投入されることで位置判断部Aにより着座部4が前傾位置にあることを判断できるように構成することもできる。
【0090】
また、上記第4の実施形態においては、図11に示すようにステップS3で着座部の前傾位置の有無を判断(位置判断)し、ステップS5で存否判断を行ったが、位置判断と存否判断とのAND条件が満たされればよいので、この手順を逆にし先に人の存否判断を行い、後のステップで位置判断を行うように構成することも可能である。
【0091】
また、上記第1乃至第4の実施形態では、回動フレーム13と背もたれ部7とを連動する連動手段22は、リンク部材24,リンク部材27,リンク部材30によって構成し、また、アクチュエータとして、電動式で直線作動型のアクチュエータ32を用いているが、連動手段やアクチュエータは、これらに限定するものでなく、例えば連動手段としては、カム機構や他の形態のリンク機構、歯車機構等、周知の伝動機構を用いてもよく、また、アクチュエータには、油圧シリンダ装置等の流体シリンダ装置を用いてもよい。
【0092】
さらに、アクチュエータは、直線作動型のもに限らず、通常のモータを用い、その回転軸の回転を減速機構を介して回動フレーム13や背もたれ部7に伝達する構造としてもよい。
【0093】
また、上記各実施形態では、マッサージ用チェアについて説明したが、マッサージ機能を有しないチェアとしても実施することができ、さらに背もたれ部が固定されたリクライニングを有しないチェアとして実施してもよい。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、チェア使用中の使用者が補助機構の助成力により立ち上がった後に、次にチェアを使用しようとする使用者は、着座部が前傾位置の状態で着座し、使用者が電源を投入するという簡易な操作だけで、着座部が基本位置に移動するので、使用者の手を煩わせることがなく、使用性を向上できる効果を奏する。
【0095】
請求項2の発明によれば、チェア使用中の使用者が補助機構の助成力により立ち上がった後、駆動制御手段に設けた位置判断部により着座部が前傾位置にあると判断され、また駆動制御手段に設けた存否判断部により着座部に使用者が着座していると判断されることを条件として、着座部を前傾位置から基本位置に復帰移動するので、使用者の手を煩わせることがなく、それだけ使用性を向上できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の立ち上がり補助機構付きチェアの第1の実施形態を示す外観斜視図である。
【図2】上記第1の実施形態における要部拡大側面図である。
【図3】上記第1の実施の形態における着座部を駆動制御するシステムを示すシステム構成図である。
【図4】本発明の立ち上がり補助機構付きチェアの第1の実施の形態における動作説明図である。
【図5】本発明の立ち上がり補助機構付きチェアの第1の実施の形態における動作説明図である。
【図6】本発明の立ち上がり補助機構付きチェアの第1の実施の形態における動作説明図である。
【図7】上記第1の実施の形態に係り、着座部が基本位置へ移動するフローを示す前半部のフロー図である。
【図8】上記第1の実施形態に係り、着座部が前傾位置から基本位置へ移動するフローを示す図7の後半部のフロー図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係り、図8と同様に着座部が前傾位置から基本位置へ移動するフローを示す図7の後半部のフロー図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態における着座部基本位置自動復帰フロー図である。
【図11】本発明の第4の実施形態における基本位置復帰フロー図である。
【符号の説明】
1…チェア、3…本体フレーム、4…着座部、7…背もたれ部、12…第1の水平軸、13…第1の回動フレーム、14…第2の水平軸、15…第2の回動フレーム、20…当接部材、22…連動手段、32…アクチュエータ、32A…ケーシング、32B…作動ロッド、32D…モータ、A…位置判断部、B…存否判断部、C…立ち上がり補助機構駆動制御部、D…操作スイッチ、E…ストロークセンサ、H…着座部圧力センサ、T…経過時間判断部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、着座部を前傾位置に変位することで着座姿勢からの立ち上がり動作を楽に行えるようにした立ち上がり補助機構付きチェアに係り、特に次に使用する使用者は着座し易い前傾位置に傾斜したままの着座部に着座し、使用者の余分な手を煩わせることなく、前傾位置の着座部が基本位置である着座姿勢に移動する補助機構付きチェアに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特にマッサージ装置が組み込まれたチェアは、安定したマッサージ動作を行うため、一般的に通常のチェアよりも着座部の座面に奥行きがあり、且つ、座面は後方が低くなるように傾斜が設けられていて、使用者が膝を深く曲げた安定した姿勢で座ることができるように設計されている。
【0003】
このようなチェアでは、立ち上がる際に膝の筋肉に大きな負担が加わるため、肥満者や筋肉の衰えた高齢者等にとっては使い勝手が悪く、そのため従来では、例えば特開平9−294791号公報、特公昭60−58661号公報、あるいは実公平5−37796号公報所載のチェアーが公知である。これら公報に記載されたチェアは、いずれもチェアの使用を終了する際に、使用者がチェアから立ち上がる動作を補助する補助機構を搭載しており、補助機構の作動により着座部を前傾して持ち上げるように動作させることで、着座した状態から容易に立ち上がるようにした構造のものである。そして、前傾して持ち上げられた着座部は、スイッチ操作により補助機構を反対に駆動して適宜元の基準使用状態に復帰させることができるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記各公報に記載された各技術に係るチェアは、立ち上がり動作は補助機構により補助されるものの、立ち上がり補助が完了した後は、着座部は前傾姿勢を維持したまま停止する。このため、次回使用する際には、前傾位置のままでは着座に支障を来すので、立ち上がり補助の前傾停止状態を一旦解除する動作をして、着座部を基本位置に復帰させる必要がある。このように、係るプロセスを経てからでないと、チェアの使用を開始できず、それだけ使用者に余分な手を煩わさせてしまい、また基本位置に復帰させるにしても、使用者は復帰するまでの間、チェアのそばで待機しなければならず、それだけ不利不便となる問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みて工夫されたもので、使用者が着座するときには、着座部が基本位置よりも前傾位置にある方が着座し易いので、使用者が前傾位置にある状態の着座部に着座し、そこから基本位置に復帰させる際に、使用者の手を煩わせなく着座できる立ち上がり補助機構付きチェアを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、次の構成を有する。すなわち、請求項1の発明は、立ち上がり補助機構付きチェアに係り、本体フレームと、少なくとも、使用者が着座する基本位置と、後端側が前記基本位置より上方へ変位して使用者の立ち上がりを補助する前傾位置との間で揺動変位可能に本体フレームに支持された着座部と、前記着座部を揺動変位させるアクチュエータと、前記着座部が前記基本位置にあるか前記前傾位置にあるかを判断する位置判断部を含み、電源投入時に前記位置判断部が前傾位置にあると判断したときに前記アクチュエータに前記着座部を前記基本位置へ復帰移動させる駆動制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項1の発明によれば、チェア使用中の使用者が補助機構の助成力により立ち上がった後に、次にチェアを使用しようとする使用者は、着座部が前傾位置の状態で着座し、使用者が電源を投入するという簡易な操作だけで、着座部が基本位置に移動するので、使用者の手を煩わせることがなく、使用性が向上する。
【0008】
請求項2の発明は、立ち上がり補助機構付きチェアに係り、本体フレームと、少なくとも、使用者が着座する基本位置と、後端側が前記基本位置より上方へ変位して使用者の立ち上がりを補助する前傾位置との間で揺動変位可能に前記本体フレームに支持された着座部と、前記着座部を揺動変位させるアクチュエータと、前記着座部が基本位置にあるか前記前傾位置にあるかを判断する位置判断部及び前記着座部に使用者が着座しているか否かを判断する存否判断部を含み、前記位置判断部が前記前傾位置にあると判断し、且つ前記存否判断部により使用者が着座部に着座したと判断されたときに、前記アクチュエータに前記着座部を前記基本位置へ復帰移動させる駆動制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明によれば、チェア使用中の使用者が補助機構の助成力により立ち上がった後、駆動制御手段に設けた位置判断部により着座部が前傾位置にあると判断され、また駆動制御手段に設けた存否判断部により着座部に使用者が着座していると判断されることを条件として、着座部を前傾位置から基本位置に復帰移動するので、使用者の手を煩わせることがなく、それだけ使用性が向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る第1の実施形態を図面に基づいて詳述する。説明の順序として、チェア1の立ち上がり補助機構の概要を説明し、次いでこの補助機構に適用される着座部の駆動制御に係るシステム構成を説明し、その後、チェア1の全体構成を説明していく。
【0011】
図1は、本第1の実施形態である立ち上がり補助機構付きチェア(以下単に「チェア」という)を示す外観斜視図であって、ここに示すものはマッサージ用チェアとして構成されている。図2は、立ち上がり補助機構付きチェアの要部を示す側面図であり、同図においては図1におけるフットレスト13の部分は図示を省略している。
【0012】
図1、図2において、チェア1は床面上に置かれる支持脚2の上部に本体フレーム3が固定されており、また、本体フレーム3の上部に着座部4が配置され、さらに着座部4の左右両側に肘掛け部5,6が配置されている。
【0013】
着座部4は、その下部に設けた後述するアクチュエータにより通常の着座位置である基本位置(基準位置)と、その前端側を中心にして基本位置から上方に浮き上がるように前傾する前傾位置との間を変位するようにチェア1の本体フレーム3上部に取り付けられる。
【0014】
また、本体フレーム3には、着座部4の後端側から上方に向けて背もたれ部7が取り付けられていて、この第1の実施形態においては、背もたれ部7は後方へ傾動可能なリクライニング構造を有している。
【0015】
背もたれ部7の内部には、ガイドレール8に案内されて昇降するマッサージユニット9が設けられており、このマッサージユニット9が有するマッサージローラ10が、着座部4に着座した使用者の背中側を、背もたれ部7の表面を覆っている外装布11の内側から押圧したり叩き動作を行ったりしてマッサージするようになっている。
【0016】
なお、図1においては、マッサージユニット9等を説明するため、外装布11の一部を切欠いて画いてある。
【0017】
また、本第1の実施形態のチェア1では、本体フレーム3の前端側下方位置に、内部にフットマッサージユニット12を内蔵したフットレストFが設けられている。このフットレストFは、使用者がチェア1の着座部4に座った状態でその上に足を載せ、マッサージユニット12によって足裏や脹ら脛のマッサージが行えるようになっている。
【0018】
また、本体フレーム3には、チェア1の左右方向を向いた水平軸12回りに回動自在に第1の回動フレーム13が軸着されて、その前端側が上下方向に変位できるようになっている。
【0019】
第1の回動フレーム13の前端側には、水平軸12と平行な第2の水平軸14回りに第2の回動フレーム15の前端が回動自在に軸着されており、この回動フレーム15の後端側が回動フレーム13の上方に所定範囲浮き上がって前傾することで、着座部4の前傾位置が規定されるようになっている。
【0020】
そして、回動フレーム15は、下方に回動した位置で、その後端寄りに設けられているストッパ16の下面が、回動フレーム13の上面に当接して支持されることで、着座部4の基本位置が規定されるようになっている。
【0021】
図3は、着座部4を駆動制御するシステムを示すシステム構成図である。図3に基づいて着座部駆動制御手段を含むシステムを説明する。すなわち、着座部4を駆動制御する着座部駆動制御手段(以下「駆動制御手段」という)は、上記第2の回動フレーム15を、第1の回動フレーム13に応動して上記基本位置と、この基本位置から上方へ変位して立ち上がりを補助する前傾位置との間に亘って駆動変位させるように制御するものである。
【0022】
この駆動制御手段は、後述するアクチュエータにより作動する着座部4が基本位置と前傾位置のいずれの位置にあるかを判断する位置判断部Aと、チェア1の着座部4に使用者(以下「施療者」ともいう)が着座しているかどうかの存否を判断する存否判断部Bと、これら二つの判断部A,Bからの出力信号を受けて立ち上がり補助機構を駆動する立ち上がり補助機構駆動制御部Cとを有している。
【0023】
また、駆動制御手段の入力側には、揉み、叩き等のマッサージモードを選んだり、背部あるいは足部マッサージを選択したり、リクライニング操作したり、電源をON,OFFしたりする各種のスイッチ類を設けた操作スイッチD、後述するアクチュエータ32におけるロッドのストローク量を検知するストロークセンサE、電流を供給する電源部P、着座部4に着座する施療者の体重等の体圧を検知し、その検出結果を存否判断部Bに出力する着座部圧力センサHが接続され、駆動制御手段の出力側には、立ち上がり補助機駆動制御部Cからの出力信号が送出されて作動するアクチュエータ32が設けられている。操作スイッチDには、マッサージコースを選択する機能、制御動作の作動時間を設定するタイマー機能、チェアのリクライニング機能等が設けられている。
【0024】
ストロークセンサEは、後述する作動ロッドを駆動するための後述するナットに設けたロータリーエンコーダで形成した態様のものである。すなわち、作動ロッドに螺合したナットに設けた回転板のスリットに光りを透過させ、この透過する光をフォトセンサで検知して得られるパルス信号を計測してアクチュエータ32のロッドのストローク量を算出するものである。
【0025】
着座部圧力センサHは、例えば抵抗ひずみ、あるいはロードセル等の自体公知の圧力センサで形成され、チェア1の着座部4や背もたれ部7、あるいはフットレストFの内部に適宜内蔵される。
【0026】
さらに、この駆動制御手段には、チェア1を使用中の施療者が立ち上がり補助機構を駆動して着座部4から立ち上がる操作をしたとき、位置判断部Aが前傾位置にあると判断し、かつ、存否判断部Bが施療者が着座部4に着座していない状態にあることを判断したとき、第2の回動フレーム15を前傾位置から基本位置へ自動復帰する機能を格納している。
【0027】
次に、上記駆動制御手段を設けたチェア1の機構についてさらに説明していく。すなわち、回動フレーム13の水平軸14の近傍後方位置に、上下方向に長く形成されている長孔17内には、回動フレーム15側面に固定された回動制限ピン18が挿入されていて、この回動制限ピン18が長孔17の上端部内面に当接することで、回動フレーム15の回動フレーム13に対する上方への回動範囲が制限されている。
【0028】
着座部4は、回動フレーム15の上面に固定されており、また、図1に示すフットマッサージユニット12は、図2では図示を省略しているが、水平軸14と並行に設けられた、回動フレーム13前端に位置する取付軸に連結されている。
【0029】
また、回動フレーム15の下面と対向するように、本体フレーム3から上方に向けて当接部材20が突設されていて、前記当接部材20は、回動フレーム13の前端側が水平軸12回りに下方へ回動する途中で、図2に示すように先端が回動フレーム15の下面に当接してこれを回動フレーム13に対して相対的に押し上げ、回動フレーム15と共に着座部4を前傾させるようになっている。
【0030】
また、本体フレーム3の後端側には、水平軸12と平行な第3の水平軸21回りに回動自在に、背もたれ部7の下端側が軸着されており、背もたれ部7は、前記水平軸21を中心として、本体フレーム3の後方へ傾動可能になっている。
【0031】
回動フレーム13と背もたれ部7とは、連動手段22によって連動するように構成されている。この連動手段22は、水平軸12と平行な第4の水平軸23回りに回動自在に下端側を軸支された第1のリンク部材24と、一方の端がリンク部材24の上端側に水平軸12と平行な第5の水平軸25回りに回動自在に軸着され、他方の端が背もたれ部7の下端側の水平軸21から後方へ偏倚した位置に突出したブラケット7Aに取り付けられた、水平軸12と平行な第6の水平軸26回りに回動自在に軸着された第2のリンク部材27と、一方の端が回動フレーム13に、水平軸12の前方且つ下方で水平軸12と平行な第7の水平軸28回りに回動自在に軸着され、他方の端がリンク部材24の略中間位置に、水平軸12と平行な第8の水平軸29回りに回動自在に軸着された第3のリンク部材30から構成されている。
【0032】
前記水平軸28は、回動フレーム13の中間位置から下方に延びる腕部13Aの下端部近傍に設けられており、また、腕部13Aの中間位置には、水平軸12と平行な第9の水平軸31によって、直線作動型のアクチュエータ32のケーシング32Aの基端部が回動自在に軸着されている。
【0033】
前記アクチュエータ32は、ケーシング32Aの基端部側と反対側に突出する伸縮自在な作動ロッド32Bを有しており、この作動ロッド32Bの先端は、リンク24とリンク27同士を連結している水平軸25に共通に連結されており、これらのリンク24とリンク27の両方に対して、水平軸25回りに回動自在になっている。
【0034】
作動ロッド32Bのケーシング32A外に突き出た部分は、蛇腹状の伸縮カバー32Cによって覆われており、ケーシング32Aに取り付けられたモータ32Dによって、作動ロッド32Bの外周に形成されたねじに螺合するナットを回転されることで、作動ロッド32Bが伸縮するようになっている。そして、このナットには、上述したように、例えばロータリーエンコーダでなるストロークセンサEが設けられていて、作動ロッド32Bの伸縮量であるストローク量が演算処理され、着座部4が基本位置にあるか、前傾位置にあるかどうかを検知する。
【0035】
次に、図4乃至図6によって、立ち上がり補助機構付きチェアの動作を説明する。図4はチェア1の背もたれ部7を起こして使用する状態を示しており、この状態では着座部4は、やや後方に傾斜しており、回動フレーム15の下面に設けられているストッパ16が、第1の回動フレーム13上に当接した基本位置にある。
【0036】
このとき、背もたれ部7は、やや後方へ傾斜した状態の起立姿勢にあり、使用者Mが着座部4に腰掛けると、背中側が背もたれ部7の前面にややもたれ掛かる姿勢になる。
【0037】
この状態において、図1に示すマッサージユニット9がガイドレール8に沿って上下動させながら、マッサージローラ10で背中側のマッサージを行うことができる。
【0038】
次に、図5は、チェア1を背もたれ部7を後方へ傾動させたリクライニング姿勢で使用する場合を示しており、背もたれ部7を図4に示す起立姿勢から図5に示すリクライニング姿勢への移行は、アクチュエータ32を駆動して、その作動ロッド32Bを収縮させることにより行われる。
【0039】
すなわち、作動ロッド32が収縮し、これが連結されている水平軸25と、ケーシング32Aが連結されている水平軸31間の距離が接近すると、リンク部材24は、図4に示すように水平軸23回りに前方へ回動し、この動きはリンク27を介して背もたれ部7を水平軸21回りに後方に傾動させる。
【0040】
一方、リンク24の動きはリンク30を介して回動フレーム13に伝えられ、回動フレーム13は、着座部4と共に水平軸12回りに上方に回動する。
【0041】
この際、図5に示すように、背もたれ部7の傾動が大きくなるほど、水平軸23と水平軸28のそれぞれの中心を結ぶ直線上に、水平軸29の中心位置が近づくため、回動フレーム13の回動量は減少し、着座部4と背もたれ部7との角度が大きく拡がり、使用者Mは仰臥姿勢に近い姿勢となる。
従って、この姿勢で、背中側のマッサージを行うことにより、より高いマッサージ効果を得ることができる。
【0042】
また、図5に示すリクライニング姿勢から背もたれ部7を起立方向へ回動させる場合には、アクチュエータ32の伸縮ロッド32Bを伸長方向に駆動すると、背もたれ部7が起きあがると共に、回動フレーム13の前端側は着座部4を伴って緩やかに下降する。
【0043】
そして、背もたれ部7が図3に示す起立姿勢に戻った後、ここで、マッサージを終了して使用者が立ち上がる場合には、アクチュエータ32の伸縮ロッド32Bを図3に示す位置からさらに伸長方向に駆動する。
【0044】
そうすると、図6に示すように、水平軸23と水平軸26のそれぞれの中心を結ぶ直線上に水平軸25の中心位置が近づくため、このときの背もたれ部7の前方への水平軸21回りの回動量は小さく抑えられる。
一方、リンク24の水平軸23回りの後方への回動によって、回動フレーム13はリンク30を介して、水平軸12回りにさらに下向きに回動する。
【0045】
その結果、回動フレーム13の前端側に水平軸14で連結されて支持されている回動フレーム15の下面は、本体フレーム3側に固定されている当接部材20の先端に途中で突き当たり、さらなる回動フレーム13の下降によって、回動フレーム15は、水平軸14回りに上方へ回動し、ストッパ16は回動フレーム13の上面から離間する。
【0046】
こうして、回動フレーム15は、図6に示すように着座部4と共に前傾姿勢となり、この動作において、着座部4上面は、立ち上がろうとする使用者Mを前方へ押し出すように補助し、楽に立ち上がることができる。
【0047】
次に、図7、図8に示される着座部基本位置自動復帰フロー図を参照して駆動制御手段の手順を説明する。すなわち、施療者Mは図4あるいは図5に示される姿勢でチェア1に着座し、マッサージユニット9やフットマッサージユニット12を駆動し、背中や足をマッサージする状態にある(ステップS1)。施療動作中であっても着座部を前傾位置まで移動操作することが可能であり、マッサージ中にこの前傾位置への移動操作が行われたか否かがステップS2で判断される。位置判断部Aにより着座部の前傾位置への移動が判断されると、ステップ4へジャンプしてすべての施療動作が停止するように形成されている。前傾位置への移動が行われていないと判断されると、施療が続行される。ステップS3において施療者Mが操作スイッチDをON操作したか否かが判断される。操作スイッチがONされたと判断したときは施療動作を終了するための以下に続くステップSに進んでいく。操作スイッチがONされていないと判断されると、ステップS1にリターンする。ステップS4では、それまで駆動を停止していたアクチュエータ駆動用のモータ32Dが駆動しはじめる。
【0048】
図6に示すアクチュエータ32の伸長ロッド32Bは伸長し(ステップS5)、立ち上がり補助機構を形成する連動手段22が作動し、着座部4は第1の回動フレーム13から前傾するように浮き上がり、それと同時に背もたれ部7を前方に起こすように作動する。こうして立ち上がり補助機構により立ち上がろうとする施療者Mを前方へ押し出すように補助する。
【0049】
ステップS6において、ストロークセンサEにより伸縮ロッド32Bのストローク量が計測され、その計測信号が位置判断部Aに出力される。次いで、ステップS7において、ストローク伸長量が最大になったか否かが位置判断部Aで判断される。位置判断部Aがストローク伸長量が最大、すなわち着座部4が前傾位置に到達したと判断した場合には、ステップS8に進み、到達していないと判断した場合にはステップS4にリターンする。
【0050】
着座部が前傾位置の状態に到達した場合には、ステップS8で立ち上がり補助機構駆動制御部Cがモータ32Dの駆動を停止することで、アクチュエータ32の伸長も停止する。この状態において、すべての施療動作は停止(ステップS9)すると共に、施療者Mは着座部4から立ち上がることができる。
【0051】
本第1の実施の形態では、マッサージ動作中であっても、ステップS2で着座部を前傾位置に移動させると、ステップS4からステップS9のステップを経てすべてのマッサージ動作を停止するように形成されている。また、着座部が前傾位置の状態にあるときは、マッサージ動作を行わないように設定されている。すなわち、着座部が基本位置に移動してからマッサージ動作を開始するように形成している。
【0052】
次に、図8に示すフロー図において、次の施療者Mすなわち使用者が、前傾位置の状態で電源スイッチ(電源ボタン)をONにして着座部4を基本位置に移動させる場合の手順を説明する。すなわち、チェアがすべての施療動作が停止されている状態において(ステップS1)、その使用者が電源ボタンをONにしたか否かがステップS2で判断される。ステップS2で電源ボタンがONであると判断されると、ステップS3でストローク量が計測され、OFF状態にあると判断されるとステップS1にリターンする。
【0053】
ステップS4において、ステップS3で計測されたストローク量に基づいて着座部が前傾位置にあるかどうかが判断される。前傾位置にあると判断したときはステップS5に進み、前傾位置の状態にないと判断したときは、ステップS5aに進む。
ステップS5に進んだ場合には、立ち上がり補助機構駆動制御部Cによりモータ32Dが駆動され、アクチュエータ32の伸縮ロッド32Bが収縮し始める(ステップS6)。ストロークセンサEは該ロッド32Bのストローク量を計測し(ステップS7)、その計測結果が位置判断部Aに出力される。
ステップS5においてNOと判断されたときはステップS5aに進み、モータ32Dが駆動され、伸縮ロッド32Bが伸長し(ステップS5b)、ステップS3にリターンしてストローク量が計測される。
【0054】
ステップS8において、計測したストローク量により所定の収縮量、すなわち着座部4が基本位置に到達したかどうかが位置判断部Aで判断される。基本位置に到達したと判断された場合には、ステップS10に進み、到達しないと判断された場合にはステップS5にリターンする。
【0055】
ステップS8で位置判断部Aが基本位置に到達したと判断した場合には、その判断結果が立ち上がり補助機構駆動制御部Cに出力され、ステップS9でモータ32Dが停止され、アクチュエータ32の収縮作動が停止し、チェアは施療動作が可能な状態に設定される(ステップS10)。こうして、着座部4は基本位置の状態となり、いつでもマッサージを行うことができる状態となる。
【0056】
このように、本第1の実施形態によれば、チェア1を使用しようとする次の使用者すなわち施療者Mが施療を始めようとするとき、着座部が前傾位置にある状態で使用者が着座し、電源ボタンを投入するだけで着座部4を基本位置に移動できるので、使用者の手を煩わすことがなく、便利である。
【0057】
次に、第2の実施形態を説明する。本第2の実施形態は、上記第1の実施の形態に対して、施療者Mが施療動作を終了してチェアから立ち上がるまでの制御フローは図7に示すように両者共通しているが、次の施療者がチェアを使用する場合の制御フローが相違する。すなわち、第1の実施の形態では図8に示したように、前傾位置の状態で電源スイッチをON(投入)することで着座部4が基本位置に移動する構成であったのに対して、本第2の実施形態では図9のフロー図に示すように、前傾位置の状態で使用者が着座することにより、着座部4を基本位置に移動するように構成した点のみ相違する。以下では、この相違する構成のみを説明することとし、その他の構成に係る説明は割愛することとする。
【0058】
すなわち、図9のフロー図において、チェアがすべての施療動作が停止状態にある場合において(ステップS1)、次の施療者Mがチェアを使用しようとするとき、テップS2で着座部4に内蔵している着座部圧力センサHにより着座部の体圧が計測され、その計測信号は存否判断部Bに出力される。存否判断部Bにおいて、着座部4に所定圧力が作用しているかどうかが判断され(ステップS3)、所定圧力以上、すなわち着座部4に施療者Mが着座している状態にあると判断した場合にはステップS4に進み、施療者Mが着座していないと判断した場合にはステップS2にリターンする。
【0059】
ステップS4において、ステップS3で計測された体圧計測結果に基づき着座部が前傾位置にあるかどうかが判断される。前傾位置にあると判断したときはステップS5に進み、前傾位置の状態にないと判断したときは、ステップS5aに進む。
ステップS5に進んだ場合には、立ち上がり補助機構駆動制御部Cによりモータ32Dが駆動され、アクチュエータ32の伸縮ロッド32Bが収縮し始める(ステップS6)。ストロークセンサEは該ロッド32Bのストローク量を計測し(ステップS7)、その計測結果が位置判断部Aに出力される。
ステップS4においてNOと判断されたときはステップS5aに進み、モータ32Dが駆動され、伸縮ロッド32Bが伸長し(ステップS5b)、ステップS5cでストローク量が計測されてステップS4にリターンする。
【0060】
ステップS8において、ステップS7で計測されたストローク量により所定の収縮量、すなわち着座部4が基本位置に到達したかどうかが位置判断部Aで判断される。基本位置に到達したと判断された場合には、ステップS10に進み、到達しないと判断された場合にはステップS5にリターンする。
【0061】
ステップS8で位置判断部Aが基本位置に到達したと判断された場合には、その判断結果が立ち上がり補助機構駆動制御部Cに出力され、ステップS9でモータ32Dが停止され、アクチュエータ32の収縮作動が停止し、チェアは施療動作が可能な状態に設定される(ステップS10)。こうして、着座部4は基本位置の状態となり、いつでもマッサージを行うことができる状態となる。
【0062】
このように、本第2の実施形態によっても、上記第1の実施の形態と同様に、チェア1を使用しようとする次の使用者すなわち施療者Mが施療を始めようとする場合には、着座部が前傾位置にある状態と、使用者が着座部4に着座している状態との両状態が同時に満足されたことを条件にして、着座部4を基本位置に移動できるので、使用者の手を煩わすことがなく、便利である。
【0063】
次に、図10に基づいて第3の実施の形態を説明する。図10は着座部基本位置自動復帰フロー図である。すなわち、施療者Mは図4あるいは図5に示される姿勢でチェア1に着座し、マッサージユニット9やフットマッサージユニット12を駆動し、背中や足をマッサージする状態にある(ステップS1)。ステップS2で、施療動作における施療者Mが操作スイッチDをON操作して施療を終了するか否かが判断される。操作スイッチがONされたと判断したとき、ステップS3に進み、それまで駆動を停止していたモータ32Dは駆動しはじめる。
【0064】
図6に示すようにアクチュエータ32の伸長ロッド32Bは伸長し(ステップS4)、立ち上がり補助機構を形成する連動手段22が作動し、着座部4は第1の回動フレーム13から前傾するように浮き上がり、それと同時に背もたれ部7を前方に起こすように作動する。こうして立ち上がり補助機構により立ち上がろうとする施療者Mを前方へ押し出すように補助する。
【0065】
ステップS5において、ストロークセンサEにより伸縮ロッド32Bのストローク量が計測され、その計測信号が位置判断部Aに出力される。次いで、ステップS6において、ストローク伸長量が最大になったか否かが位置判断部Aで判断される。位置判断部Aがストローク伸長量が最大、すなわち着座部4が前傾位置に到達したと判断した場合には、ステップS7に進み、到達していないと判断した場合にはステップS4にリターンする。
【0066】
着座部が前傾位置の状態に到達した場合には、ステップS7で立ち上がり補助機構駆動制御部Cがモータ32Dの駆動を停止することで、アクチュエータ32の伸長も停止する。この状態において、施療者Mは着座部4から立ち上がることができる。
【0067】
ステップS8において、着座部4から施療者Mが立ちあがることにより、着座部4に内蔵している着座部圧力センサHにより着座部の体圧を計測され、その計測信号は存否判断部Bに出力される。存否判断部Bにおいて、着座部4に所定圧力が作用しているかどうかが判断され(ステップS9)、所定圧力以下、すなわち着座部に施療者Mが居ないことを判断した場合には、ステップS10に進み、施療者Mが居る(着座)していると判断した場合にはステップS8にリターンする。
【0068】
ステップS10に進むと、立ち上がり補助機構駆動制御部Cによりモータ32Dが駆動され、アクチュエータ32の伸縮ロッド32Bが収縮し始める(ステップS11)。ストロークセンサEは該ロッド32Bのストローク量を計測し(ステップS12)、その計測結果が位置判断部Aに出力される。
【0069】
ステップS13において、計測したストローク量により所定の収縮量、すなわち着座部4が基本位置に到達したかどうかが位置判断部Aで判断される。基本位置に到達したと判断された場合には、ステップS14に進み、到達しないと判断された場合にはステップS10にリターンする。
【0070】
位置判断部Aが基本位置に到達したと判断した場合には、その判断結果が立ち上がり補助機構駆動制御部Cに出力されてモータ32Dが停止され(ステップS14)、アクチュエータ32の収縮作動も停止する。
こうして、着座部4は基本位置に自動的に復帰することとなる。
【0071】
このように、本第3の実施形態によれば、チェア1を使用中の使用者すなわち施療者Mが施療を止めて、立ち上がり補助機構を駆動して着座部4から立ち上がるスイッチ操作をした場合に、駆動制御手段に設けた位置判断部Aおよび存否判断部Bにより前傾位置の状態にある着座部から施療者Mが居なくなったとき、着座部が自動的に基本位置に復帰した状態にしまい込まれているので、次の使用者Mがチェア1を使用する際に、着座部に何ら支障なく膝を深く曲げた安定した姿勢になるように着座して、マッサージをすることが可能となる。
【0072】
次に図11に基づいて第4の実施形態を説明する。上記第4の実施形態では、施療者Mがチェアから立ち上がる場合に、着座部を基本位置に自動復帰させる制御について説明したが、この代わりに第4の実施形態では図11のフロー図に示すように、次の施療者Mがスイッチ操作し前傾した状態にある着座部に座る場合に、前傾位置にある着座部4を基本位置に復帰させる制御が行えるように構成した点のみが相違し、その他の構成は第3の実施形態と同じである。
【0073】
すなわち、この第4の実施形態は、次の使用者MがステップS1において、操作スイッチDで電源ボタンをONすることで電源部Pにより着座部駆動制御手段が通電される。なお、この電源ボタンをON操作することは、マッサージ機の電源がONになることであり、電動リクライニング、フットレスト、座バイブ、足ローラー等のマッサージが可能とするものである。これにより、直ちにストロークセンサEによりアクチュエータ32のストローク量が計測される。その計測結果は位置判断部Aに出力され、位置判断部Aで着座部4が前傾位置にあるかどうかが判断され(ステップS3)、前傾位置にあると判断された場合にはステップS4に進み、前傾位置以外の位置にあると判断された場合にはステップS2にリターンする。
【0074】
前傾位置にあると判断された場合には、ステップS4で着座部圧力センサHにより使用者Mの体圧の有無を検知する。有無の検知結果は存否判断部Bに出力され、ステップS5において着座しているか否かが判断される。着座していない状態にあると判断された場合には、ステップS6に進み、着座している状態であると判断された場合には、ステップS4にリターンする。
【0075】
着座していない状態にあると判断された場合には、ステップS6において立ち上がり補助機構駆動制御部Cによりモータ32Dが駆動され、アクチュエータ32が収縮し始め(ステップS7)、ストロークセンサEによりアクチュエータ32のストローク量が計測される。その計測結果は位置判断部Aに出力され、ステップS9において、所定の収縮量、すなわち着座部4が基本位置になったか否かが判断される。基本位置になったと判断された場合には、ステップS10に進み、基本位置以外の位置にあると判断された場合にはステップS6にリターンする。
【0076】
着座部が基本位置になったと判断された場合には、立ち上がり補助機構駆動制御部Cによりモータ32Dが停止し(ステップS10)、アクチュエータ32の作動も停止する。
このため、第4の実施形態によれば、電源OFFの状態で電源ボタンをON操作するだけで、着座部4を前傾位置から基本位置の状態に自動復帰し、このとき、背もたれ部7も自動的にリクライニングするように制御されるので、使用者Mは膝を深く曲げた安定した姿勢で着座部4に腰を下ろすことができる。
【0077】
以上、本発明を上記実施の形態により詳述してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0078】
例えば、上記第1、第2の実施の形態では、図7に示すステップS3で、施療者が操作スイッチDを押して施療を途中で終えたい場合でも、ステップS4〜ステップS9を経ることにより着座部を前傾位置にさせた状態にして施療動作を停止することができるようにしたが、この代わりに、マッサージコースを最後まで行って終了したり、施療動作がタイマー時間で設定した時間まで行った終了したりしたような場合にも、着座部を前傾位置に移動させて終了するように制御するように構成することももちろん可能である。また、このような構成は当然に第3、第4の各実施の形態にも適宜適用できるのはもちろんである。
【0079】
なお、上記第1、第2の実施の形態において、次回に使用する施療者のために、着座部4を前傾位置にしておく手段を適宜設ける構成を組み込むことが可能である。すなわち、着座部の位置判断部を有しており、マッサージのプログラム、例えば特に強い刺激を与えるコースのモードが終了することで、着座部が基本位置もしくは前傾位置に移動させる駆動手段を装備した構成を付加することができる。
また、着座部の位置判断部および存否判断部を有していて、使用者が着座部に着座していないと判断したときに、着座部を前傾位置へ移動させる駆動手段を装備する構成を付加してもよい。
【0080】
また、上記第4の実施形態では、駆動制御手段に、位置判断部Aおよび存否判断部Bを設けて、着座部4を前傾位置から基本位置に復帰制御する構成にしたが、この代わりに図3に示すように、駆動制御手段に、第2の回動フレーム15が前傾位置に変位した状態になったときから所定時間を経過したか否かを判断する経過時間判断部Tを設け、この経過時間判断部Tにより所定時間が経過したことを判断されたとき、第2の回動フレーム15を前傾位置から基本位置に復帰するように構成した変形例にすることもできる。
【0081】
かかる第4の実施の形態の変形例では、着座部基本位置自動復帰フロー図は図9に示す着座部基本位置自動復帰フロー図において、次のように変更されるだけである。すなわち、図9のステップS9では、着座部に施療者Mが着座しているか否かの判断を存否判断部Bで行うが、このステップS9の前か、あるいは後に、上記した経過時間判断部Tによる経過時間判断ステップを設け、その他のステップ構成は図9と同じである。したがって、この経過時間判断ステップで、前傾位置の状態が所定時間を経過したと判断され、かつ、着座部に施療者Mが居ないことをステップS9で判断した後に、着座部を基本位置に復帰するよう制御される。
【0082】
この変形例によれば、立ち上がり補助操作時、チェアの着座部から離脱する動作が遅い施療者Mの場合であっても、施療者が確実にチェアから離脱したのを確認してから着座部を基本位置に復帰するので、安全かつ確実に自動復帰が行える効果がある。
【0083】
なお、上記第1乃至第4の各実施形態では、存否判断部Bに着座部圧力センサHで計測された体圧を検出し、その信号を入力していたが、この代わりに背もたれ部7に埋設した人感センサを設けて使用者の体温を検知したり、あるいは光、赤外線等の光線を使用者に当てたりすることで人の存否を感知するような態様にすることもできる。また、特開平11−42263号公報で公知となっている静電容量型センサを使用することもできる。
【0084】
また、上記第1乃至第4の各実施の形態におけるストロークセンサによるアクチュエー32のストローク量の計測を、ロータリーエンコーダー式で計測したものであったが、この代わりに、アクチュエー32部に着座部が前傾となる位置と、基本となる位置と、後傾となる位置とにそれぞれリミットスイッチを配備した構成によりストロークセンサを構成してもよい。この構成により、ストローク量の計測は、アクチュエーの伸縮に応じてこれらリミットスイッチがONするか否かを検知し、この検知信号を着座部駆動制御手段(図3参照)に入力して位置を判断することができる。
【0085】
また、上記第1乃至第4の各実施の形態では、モータ32Dの駆動によりアクチュエー32の作動ロッド32Bをストロークさせ、これにより着座部4を傾斜させるだけでなく、背もたれ部7をリクライニングさせる機能も兼用させた兼用モータを使用した構成であるが、背もたれ部7のリクライニング機能については、モータ32Dとは別に背もたれ部リクライニング用の専用モータを設けた構成にすることも可能である。
【0086】
この場合、兼用モータ32Dや専用モータ(以下これらを総称して「モータ」という)は、共に回転速度を変化させない一定回転速度タイプの態様でも、変化させる速度可変タイプの態様でも、いずれの態様のモータを使用してもよいものである。例えば、回転速度を変化させない態様のモータを使用した場合には、後傾位置〜基本位置〜前傾位置(立ち上がり位置)までの各位置に亘る移動を一定速度で行わせることができる。
【0087】
一方、モータの回転速度を自由に変化させる形式の速度可変タイプのモータを使用する場合には、チェアから立ち上がる場合のように着座部が基本位置から前傾位置へ移動するときは、安全の面からゆっくりした移動速度(安全移動速度)で着座部が移動させるようにモータを回転させる。基本位置から後傾位置へのリクライニング操作での移動は、上記安全移動速度よりも速い速度でリクライニング移動するようにモータの回転速度を制御する構成にすることも可能である。係る構成にすることで、リクライニング操作時、立ち上がり時のゆっくりした移動速度よりも速い速度でリクライニング操作が行われるため、使用者(施療者)苛立つような不快感を与えることはない。
【0088】
このように速度可変モータを用いて、背もたれ部7の傾斜位置に応じて適度な速度に切り替えるよう移動制御するようにしてもよく、また、リクライニング操作は、操作スイッチDをワンタッチ操作で行うのでなく、リクライニングさせたい間だけ押し続けるようにしてリクライニングするのが好ましいが、もちろんワンタッチ操作で行うようにしてもよい。
【0089】
また、上記第1乃至第4の各実施形態においては、ストロークセンサEとして、ロータリーエンコーダを使用した場合について説明したが、この代わりにアクチュエータ32のケーシング32Aとロッド32Bとの間にリミットスイッチを取り付け、ロッド32Bが最伸状態になったとき、リミットスイッチが投入されることで位置判断部Aにより着座部4が前傾位置にあることを判断できるように構成することもできる。
【0090】
また、上記第4の実施形態においては、図11に示すようにステップS3で着座部の前傾位置の有無を判断(位置判断)し、ステップS5で存否判断を行ったが、位置判断と存否判断とのAND条件が満たされればよいので、この手順を逆にし先に人の存否判断を行い、後のステップで位置判断を行うように構成することも可能である。
【0091】
また、上記第1乃至第4の実施形態では、回動フレーム13と背もたれ部7とを連動する連動手段22は、リンク部材24,リンク部材27,リンク部材30によって構成し、また、アクチュエータとして、電動式で直線作動型のアクチュエータ32を用いているが、連動手段やアクチュエータは、これらに限定するものでなく、例えば連動手段としては、カム機構や他の形態のリンク機構、歯車機構等、周知の伝動機構を用いてもよく、また、アクチュエータには、油圧シリンダ装置等の流体シリンダ装置を用いてもよい。
【0092】
さらに、アクチュエータは、直線作動型のもに限らず、通常のモータを用い、その回転軸の回転を減速機構を介して回動フレーム13や背もたれ部7に伝達する構造としてもよい。
【0093】
また、上記各実施形態では、マッサージ用チェアについて説明したが、マッサージ機能を有しないチェアとしても実施することができ、さらに背もたれ部が固定されたリクライニングを有しないチェアとして実施してもよい。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、チェア使用中の使用者が補助機構の助成力により立ち上がった後に、次にチェアを使用しようとする使用者は、着座部が前傾位置の状態で着座し、使用者が電源を投入するという簡易な操作だけで、着座部が基本位置に移動するので、使用者の手を煩わせることがなく、使用性を向上できる効果を奏する。
【0095】
請求項2の発明によれば、チェア使用中の使用者が補助機構の助成力により立ち上がった後、駆動制御手段に設けた位置判断部により着座部が前傾位置にあると判断され、また駆動制御手段に設けた存否判断部により着座部に使用者が着座していると判断されることを条件として、着座部を前傾位置から基本位置に復帰移動するので、使用者の手を煩わせることがなく、それだけ使用性を向上できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の立ち上がり補助機構付きチェアの第1の実施形態を示す外観斜視図である。
【図2】上記第1の実施形態における要部拡大側面図である。
【図3】上記第1の実施の形態における着座部を駆動制御するシステムを示すシステム構成図である。
【図4】本発明の立ち上がり補助機構付きチェアの第1の実施の形態における動作説明図である。
【図5】本発明の立ち上がり補助機構付きチェアの第1の実施の形態における動作説明図である。
【図6】本発明の立ち上がり補助機構付きチェアの第1の実施の形態における動作説明図である。
【図7】上記第1の実施の形態に係り、着座部が基本位置へ移動するフローを示す前半部のフロー図である。
【図8】上記第1の実施形態に係り、着座部が前傾位置から基本位置へ移動するフローを示す図7の後半部のフロー図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係り、図8と同様に着座部が前傾位置から基本位置へ移動するフローを示す図7の後半部のフロー図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態における着座部基本位置自動復帰フロー図である。
【図11】本発明の第4の実施形態における基本位置復帰フロー図である。
【符号の説明】
1…チェア、3…本体フレーム、4…着座部、7…背もたれ部、12…第1の水平軸、13…第1の回動フレーム、14…第2の水平軸、15…第2の回動フレーム、20…当接部材、22…連動手段、32…アクチュエータ、32A…ケーシング、32B…作動ロッド、32D…モータ、A…位置判断部、B…存否判断部、C…立ち上がり補助機構駆動制御部、D…操作スイッチ、E…ストロークセンサ、H…着座部圧力センサ、T…経過時間判断部。
Claims (2)
- 本体フレームと、少なくとも、使用者が着座する基本位置と、後端側が前記基本位置より上方へ変位して使用者の立ち上がりを補助する前傾位置との間で揺動変位可能に本体フレームに支持された着座部と、前記着座部を揺動変位させるアクチュエータと、前記着座部が前記基本位置にあるか前記前傾位置にあるかを判断する位置判断部を含み、電源投入時に前記位置判断部が前傾位置にあると判断したときに前記アクチュエータに前記着座部を前記基本位置へ復帰移動させる駆動制御手段とを備えたことを特徴とする立ち上がり補助機構付きチェア。
- 本体フレームと、少なくとも、使用者が着座する基本位置と、後端側が前記基本位置より上方へ変位して使用者の立ち上がりを補助する前傾位置との間で揺動変位可能に前記本体フレームに支持された着座部と、前記着座部を揺動変位させるアクチュエータと、前記着座部が基本位置にあるか前記前傾位置にあるかを判断する位置判断部及び前記着座部に使用者が着座しているか否かを判断する存否判断部を含み、前記位置判断部が前記前傾位置にあると判断し、且つ前記存否判断部により使用者が着座部に着座したと判断されたときに、前記アクチュエータに前記着座部を前記基本位置へ復帰移動させる駆動制御手段とを備えたことを特徴とする立ち上がり補助機構付きチェア。
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JP2002195450A JP2004033503A (ja) | 2002-07-04 | 2002-07-04 | 立ち上がり補助機構付きチェア |
Publications (1)
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- 2002-07-04 JP JP2002195450A patent/JP2004033503A/ja not_active Withdrawn
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