JP2004033396A - 電子内視鏡装置と電子内視鏡装置用カート - Google Patents
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Abstract
【課題】電子内視鏡において、より簡便かつ効率的にホワイトバランスの調整を行なう。
【解決手段】電子スコープ10が装着されたプロセッサユニット20とモニタTV31をカート32に装置する。カート32の側面に電子スコープ用ハンガー40h1及びホワイトバランス調整用冶具Wを装置する冶具装置部40Wを設ける。電子スコープ用ハンガー40h1に挿入部11を下にして電子スコープ10を引っ掛け、挿入部11の先端をホワイトバランス調整用冶具Wに挿入する。電子スコープ用ハンガー40h1に電子スコープ10が掛けられたことを検出するセンサS1を設ける。冶具装置部40Wにホワイトバランス調整用冶具Wが装置されたことを検出するセンサS2を設ける。センサS1、S2が電子スコープ10、ホワイトバランス調整用冶具Wを検知したとき、電子スコープ10においてホワイトバランス調整処理を行なう。
【選択図】 図3
【解決手段】電子スコープ10が装着されたプロセッサユニット20とモニタTV31をカート32に装置する。カート32の側面に電子スコープ用ハンガー40h1及びホワイトバランス調整用冶具Wを装置する冶具装置部40Wを設ける。電子スコープ用ハンガー40h1に挿入部11を下にして電子スコープ10を引っ掛け、挿入部11の先端をホワイトバランス調整用冶具Wに挿入する。電子スコープ用ハンガー40h1に電子スコープ10が掛けられたことを検出するセンサS1を設ける。冶具装置部40Wにホワイトバランス調整用冶具Wが装置されたことを検出するセンサS2を設ける。センサS1、S2が電子スコープ10、ホワイトバランス調整用冶具Wを検知したとき、電子スコープ10においてホワイトバランス調整処理を行なう。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子内視鏡装置におけるホワイトバランスの調整に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子内視鏡(電子スコープ)を用いた診療では、用途毎に異なる電子スコープが用いられる。したがって、病院等の施設では複数の電子スコープを常備しなくてはならない。ところで電子スコープは、外光が遮断された管腔内で用いられるため、管腔内を照明する光源が必要である。しかし、電子スコープ毎に光源を設けることは場所的にも経済的にも無駄が多い。したがって、光源部は、電子スコープとは独立したユニットとして構成され、用途に応じてそれぞれの電子スコープが光源部に装着される。このとき光源部は、例えば独立した光源装置として、あるいは映像信号処理回路等とともに一体的な映像信号処理ユニット(プロセッサユニット)として構成される。
【0003】
光源部に用いられるランプは、使用条件に合わせて様々な種類が用いられる。ランプのスペクトルはランプの種類毎に異なり、同種のランプであっても製品毎にスペクトルにバラツキがある。また、同一ランプであっても経時的にそのスペクトルは変化する。同様に、電子スコープに搭載された撮像素子の分光感度特性も、種類の違いや、製造過程において発生する製品毎のバラツキ、色フィルタアレイの経時変化等により影響される。また、光源部からの光は光ファイバを介して電子スコープの先端にまで伝送されるが、光ファイバの分光透過率特性は全ての波長に対して一様でないため、電子スコープの挿入部の長さが異なり、光ファイバの長さが異なると、電子スコープの先端から照射される照明光のスペクトルも異なることとなる。更に、ランプから光ファイバへ供給される光は、絞り装置によりその光量が調整されるが、光ファイバに供給される光のスペクトルは、絞りの駆動状態に影響される。
【0004】
電子スコープの分光感度特性や、照明光のスペクトルは上記様々な要因に影響されるため、電子スコープで得られる画像の色調は、電子スコープと光源部の組み合わせや、ランプの使用時間に影響される。これらによる撮影画像の色調のズレを調整するためには、電子スコープを光源部に装着した状態でホワイトバランス調整を行なう必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ホワイトバランスの調整は、電子スコープの先端を内側が白色に着色された筒状の冶具に挿入し、プロセッサユニット等に接続されたキーボード等のスイッチを操作することにより行われる。ホワイトバランス用の冶具は独立した備品として構成されているため、使用者は、ホワイトバランス調整用の冶具を常に保管しておく必要があり、ホワイトバランス調整を行なう度に冶具を用意して電子スコープの先端を冶具に挿入する必要がある。これらの一連の作業は、使用者にとって著しく煩雑であった。
【0006】
本発明は、電子内視鏡において、より簡便かつ効率的にホワイトバランスの調整を行なうことを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子内視鏡装置は、管腔内に挿入され、前記管腔内の画像を撮像するための撮像素子を備えた電子スコープと、電子スコープを保持するための電子スコープ保持手段と、電子スコープが電子スコープ保持手段に保持されたことを検出する第1のセンサと、内側が白色であり、電子スコープのホワイトバランスを調整するためのホワイトバランス調整用冶具と、撮像素子で撮像された画像に対する色成分毎の画像信号ゲインを調整可能なゲイン調整手段とを備え、電子スコープが電子スコープ保持手段に保持された状態で、電子スコープの挿入部先端がホワイトバランス調整用冶具に挿入可能であり、第1のセンサにより電子スコープが電子スコープ保持手段に保持されたことが検知されると、ゲイン調整手段により色成分毎の画像信号のゲインを調整し、電子スコープのホワイトバランス調整が実行されることを特徴としている。
【0008】
電子内視鏡装置はカートに装置され、ホワイトバランス調整用冶具を装置するための冶具装置手段が、カートに備え付けられていることが好ましい。電子内視鏡装置は、電子スコープの他、光源装置あるいはプロセッサユニット、モニタTV等、複数の機器から構成されるので、各機材を1つのカートにユニットとして装置して用いることが好ましい。すなわち、冶具装置手段や電子スコープ保持手段がカートに備え付けられていることにより、他の機材とともに一体的に取り扱うことができる。
【0009】
電子内視鏡装置は、ホワイトバランス調整用冶具が冶具装置手段に装置されたことを検出する第2のセンサを備えることが好ましく、第2のセンサによりホワイトバランス調整用冶具が冶具装置手段に装置されたことが検知されたとき、ホワイトバランス調整が実行されることが好ましい。これにより、ホワイトバランス調整用の冶具が装置されていないときに、誤ってホワイトバランス調整処理が行なわれることを防止することができる。
【0010】
電子スコープ保持手段は例えばハンガーであり、電子スコープは挿入部を下にしてハンガーに掛けられる。このとき、挿入部の先端が垂下される位置にホワイトバランス調整用冶具が配置される。これにより、ホワイトバランス調整処理をより安定した姿勢で行なうことができる。
【0011】
本発明の電子内視鏡装置用カートは、管腔内に挿入され、管腔内の画像を撮像するための電子スコープを備えた電子内視鏡装置を装置するための電子内視鏡装置用カートであって、電子スコープを保持するための電子スコープ保持手段と、電子内視鏡装置に接続可能であり、電子スコープが電子スコープ保持手段に保持されたことを検出可能な第1のセンサと、内側が白色であり、電子スコープのホワイトバランスを調整するためのホワイトバランス調整用冶具を装置可能な冶具装置手段とを備え、電子スコープが電子スコープ保持手段に保持されたとき、電子スコープの挿入部の先端を冶具装置手段に装置されたホワイトバランス調整用冶具に挿入可能であり、第1のセンサにおいて、電子スコープが電子スコープ保持手段に保持されたことが検知されたとき、第1のセンサに接続された電子内視鏡装置において、電子スコープのホワイトバランス調整処理が実行されることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1に、本発明の一実施形態である電子内視鏡装置の構成を模式的に示す。
【0013】
本実施形態の電子内視鏡装置は、電子内視鏡(電子スコープ)10、映像信号処理装置(プロセッサユニット)20、キーボード30、モニタTV31から概ねなる。プロセッサユニット20、キーボード30、モニタTV31は、内視鏡用カート32の各段に装置され、電子スコープ10はプロセッサユニット20に装着されている。カート32の底辺四隅にはそれぞれキャスタ32cが設けられる。また、図1には記載されていないが、カート32の側面には、電子スコープ10を掛けるための電子スコープ用ハンガー(電子スコープ保持手段)40h1、40h2とホワイトバランス用冶具Wを装置するための冶具装置部40Wが設けられる。なお、電子スコープ用ハンガー40h1、40h2とホワイトバランス用冶具Wとに関しては図3参照。
【0014】
電子スコープ10は、体内に挿入され可撓性を有する管状の挿入部11と、操作者が握り電子スコープ10の動きを操作するための操作部12と、管状の可撓性部材からなり電子スコープ10とプロセッサユニット20との間をフレキシブルに連絡する連絡管13と、連絡管13をプロセッサユニット20に着脱自在に接続するためのコネクタ部14とから成る。なお、プロセッサユニット20には、ビデオプリンタやビデオカセットレコーダ(VCR)、コンピュータ、記憶装置(例えばMO、ハードディスク等)等の周辺装置を接続することも可能である。
【0015】
図2は、図1の電子内視鏡装置の電気的及び光学的な構成を示すブロック図である。図2を参照して、本実施形態の電子内視鏡装置の電気的及び光学的な構成について説明する。
【0016】
電子スコープ10内には、超極細の光ファイバの束からなるライトガイドLが配設されている。ライトガイドLの一方の端はコネクタ部14がプロセッサユニット20に接続されるとプロセッサユニット20内の光源部に接続される。ライトガイドLは連絡管13、操作部12を介して挿入部11の先端に達し、撮影用の照明光を照射する。
【0017】
電子スコープ10の挿入部11の先端には、MOSイメージセンサやCCD等の撮像素子Sが設けられている。撮像素子Sの駆動は、撮像素子駆動回路15からの駆動信号により制御され、撮像素子駆動回路15は、DSP(digital signal processor)16により制御される。撮像素子Sにおいて生成された画像信号は、A/D変換回路17においてサンプルホールドされるとともにA/D変換され、DSP16に入力される。DSP16では、画像信号に対してブランキング、クランプ、ホワイトバランス、γ補正等のカメラプロセス処理を施して、プロセッサユニット20の映像信号処理回路21に送出する。
【0018】
DSP16はマイコン18によって制御され、マイコン18は、DSP16からのデータに基づいてホワイトバランスの計算や露出計算等を行い、DSP16における、ホワイトバランス調整や撮像素子Sにおける電子シャッターの制御を行なう。また、マイコン18は、プロセッサユニット20内のマイコン28や不揮発性のメモリ19に接続されている。マイコン18は、例えば操作部12(図1参照)に設けられたフリーズボタン等の操作スイッチ(図示せず)の操作を検知し、プロセッサユニット20のマイコン28に通知する。また例えばメモリ19には、個々の電子スコープを識別するためのシリアル番号や、個々の電子スコープ特有の設定値等が記録されており、これらのデータもマイコン18を介してマイコン28に送信される。
【0019】
なお、本実施形態において、撮像素子駆動回路15、DSP16、A/D変換回路17、マイコン18、メモリ19は、電子スコープ10のコネクタ部14内に設けられている。
【0020】
電子スコープ10のDSP16から出力されたデジタルの画像信号は、プロセッサユニット20内の映像信号処理回路21においてゲイン調整等の信号処理が施された後、輝度信号(Y)、色差信号(R−Y)、(B−Y)に分離され、それぞれメモリ(Y)22、メモリ(R−Y)23、メモリ(B−Y)24に出力される。各メモリ22〜24を介したそれぞれの画像信号は、同時化されてビデオ処理回路25に入力される。メモリ22〜24の動作は、マイコン28により制御され、そのタイミングはタイミング回路27からの同期信号に基づいて制御される。すなわち、マイコン28はタイミング回路27に接続されており、マイコン28内にはタイミング回路27からの同期信号に基づいてメモリ22〜24の駆動制御を行なうためのメモリコントロール回路が内蔵されている。
【0021】
なお、操作部12のフリーズボタン(図示せず)が操作されると、メモリ22〜24の画像データが保持され、ビデオ処理回路25には、メモリ22〜24に保持された画像データが繰り返し出力される。これにより、モニタTV31にはメモリ22〜24に保持された画像が静止画像として表示される。また、電子スコープ10が、アナログの画像信号を出力する場合には、映像信号処理回路21においてデコード処理、A/D変換処理が施され、以下同様の処理が行なわれる。
【0022】
ビデオ処理回路25では、画像信号がアナログ信号に変換され、増幅処理、クランプ処理、ブランキング処理等のプロセス処理が施され、RGB信号、あるいはY/C信号、コンポジットビデオ信号として出力端子回路(補償回路)26a、26bに出力される。出力端子回路26aは、ビデオ信号ケーブル(図示せず)を介して例えばモニタTV31に接続され、出力端子回路26bは、例えばビデオプリンタやVCR等のモニタTV31以外の装置に接続される。出力端子回路26a、26bには所定の方式でビデオ信号が伝送され、出力端子回路26a、26bでは、インピーダンス整合等が取られる。
【0023】
ビデオ処理回路25における処理のタイミングはタイミング回路27からの同期信号に基づいて制御される。また、ビデオ処理回路25は、マイコン28にも接続されており、マイコン28からの制御信号に基づいても制御される。また、マイコン28には、キーボード30が接続されている。
【0024】
映像信号処理回路21は、更にマイコン28と絞り調整回路29に接続されている。絞り調整回路29は、映像信号処理回路21からの輝度信号(Y)等に基づいて絞りAの駆動を制御し、光源LsからライトガイドLへ入射する光量を調節する。なお、光源Lsからの光は集光レンズ(図示せず)を介した後、絞りAを横切ってライトガイドLの入射端に集光される。
【0025】
また、マイコン28にはコネクタ(図示せず)を介してセンサS1、S2が取り付け可能である。センサS1は、電子スコープ10が電子スコープ用ハンガー40h1(図3参照)に取り付けられたことを検知するセンサであり、マイクロスイッチ、光センサ、磁気センサ等からなる。また、センサS2は、ホワイトバランス用冶具Wが冶具装置部40Wに装置されたか否かを検知するセンサであり、マイクロスイッチ、光センサ、磁気センサ等からなる。
【0026】
次に、図3〜図5を参照して、本実施形態の電子内視鏡装置におけるホワイトバランス調整処理について説明する。図3は、ホワイトバランス用冶具Wが冶具装置部40Wに装置され、電子スコープ10が電子スコープ用ハンガー40h1、40h2に取り付けられたときの状態を模式的に表わしている。
【0027】
電子スコープ用ハンガー40h1、40h2は、例えば水平断面がC字型をしており、電子スコープ用ハンガー40h1のC字型の内側領域は、電子スコープ10の操作部12の太さよりも小さく、挿入部11の太さよりも大きい。電子スコープ10は、挿入部11を下側に向けて、電子スコープ用ハンガー40h1に掛けられる。すなわち、電子スコープ10は、操作部12の側面が、電子スコープ用ハンガー40h1のC字型の内側の周縁部分に引っ掛かかることにより保持される。このとき、挿入部11は、電子スコープ用ハンガー40h2に通され、挿入部11の前後左右へのずれは防止される。電子スコープ用ハンガー40h1の電子スコープ10と接触する位置、例えばC字型をした電子スコープ用ハンガー40h1の内周縁には、例えばマイクロスイッチがセンサS1として設けられる。操作部12の側面がハンガー40h1のC字型内周縁に接触すると、マイクロスイッチ(センサ1)S1が押圧されてON状態とされる。
【0028】
一方、冶具装置部40Wは、カート32の側面の下端に設けられており、例えばカップ状のホワイトバランス調整用冶具Wを載置するための円盤状の載置部を有する。ホワイトバランス調整処理を行なうときには、電子スコープ用ハンガー40h1、40h2に取り付けられた電子スコープ10の挿入部11の先端が、冶具40W内に挿入される。冶具装置部40Wの載置部には、例えばマイクロスイッチがセンサS2として設けられており、冶具Wが載置部に置かれるとマイクロスイッチ(センサ2)S2が押圧されてON状態とされる。
【0029】
なお、電子スコープ用ハンガー40h1は、例えば電子スコープ用ハンガー40h2に対して相対的に上下方向に摺動自在に移動可能な棒状部材に支持されており、電子スコープ10の挿入部11の長さに合わせてその高さが調整される。また、ホワイトバランス調整用冶具Wを載置する冶具載置部40Wは、電子内視鏡10を電子スコープ用ハンガー40h1に装着したときに、挿入部11の先端が自然に垂下される位置に略配置される。
【0030】
電子内視鏡装置の電源が投入されると、マイコン18において所定の時間毎に図4に示されたプログラムの割込み処理が実行される。
【0031】
まず、ステップS101では、電子スコープ10がハンガー40h1に掛けられているか否かが判定され、掛けられていると判定されるまで、ステップS101の処理が繰り返される。すなわち、マイクロスイッチS1がON状態となるまでステップS101の処理が繰り返される。電子スコープ10がハンガー40h1に掛けられたと判定されると(マイクロスイッチS1がON状態となると)、ステップS102において、冶具Wが冶具装置部40Wに装置されたか否か判定される。ステップS102の処理は、冶具装置部40Wが装置されていると判定されるまで繰り返される。すなわち、冶具装置部40Wの載置部に設けられたマイクロスイッチS2がON状態となるまでステップS102の処理は繰り返される。ステップS102において、冶具載置部40Wに冶具Wが装置されたと判定されると(マイクロスイッチS2がON状態となると)、ステップS103のホワイトバランス調整処理(後述)が開始される。電子スコープ10におけるホワイトバランス調整処理(ステップS103)が終了すると、このプログラムは終了し、電子スコープ10のマイコン18は通常の撮像動作のための処理を開始する。
【0032】
次にステップS103のホワイトバランス調整処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。図5のフローチャートは、マイコン18において実行されるホワイトバランス調整処理のプログラムのフローチャートである。
【0033】
ステップS201では、冶具Wの白色の底面の画像が撮像素子Sにより撮像されるとともに、DSP16において例えば1フレーム分のRGBの画像信号がそれぞれ積分(あるいは平均)され、その値がマイコン18に通知される。なお、冶具Wの画像を撮影する際、光源Lsからの光がライトガイドLを介して冶具Wの底面に照射されている。ステップS202では、積分されたRGBの出力比が相互に比較される。本実施形態では、R、Bの出力値とGの出力値がそれぞれ等しいか否かが判定される。R又はBの値の何れかがGの値と等しくないと判定されると、ステップS203において、DSP16におけるR、G、Bのゲインが調整される。例えば、検出されたRGB信号の比がrR:rG:rBのときR、G、Bの各ゲインは、現在設定されている値のそれぞれ1/rR倍、1/rG倍、1/rB倍に設定される。また、G信号のゲインを一定に保つ場合には、R、Bの各ゲインをrG/rR倍、rG/rB倍に設定する。各信号のゲインの変更が終了するとステップS202において、変更されたそれぞれのゲインで増幅されたRGBの出力比が比較される。ステップS202、ステップS203の処理はステップS202においてGの出力値がR及びBの出力値と等しいと判定されるまで繰り返される。
【0034】
ステップS202において、G=R、G=B(又はR:G:B=1:1:1)と判定されると処理はステップS204に移り、電子スコープ10内のメモリ19に、調整されたRGBゲインの値が格納される。これにより、本実施形態のホワイトバランス調整処理は終了する。またホワイトバランス調整処理の終了後は、マイクロスイッチS1のONの継続状態により、光源のみを点灯させた待機状態としておいても良いし、所定時間でプロセッサの電源を自動的に遮断しても良い。
【0035】
なお、本実施形態ではホワイトバランス調整冶具の装置をマイクロスイッチS2で検出しているが、冶具はカートに固定されていても良い。その場合、マイクロスイッチS1の検出のみでホワイトバランス調整を行なう。
【0036】
以上のように、本実施形態によれば、電子スコープ用ハンガーに電子スコープを掛けた状態でホワイトバランス調整を行なうことができる。待機中の電子スコープは、通常電源を投入した状態でハンガーに掛けられているので、使用者はホワイトバランス調整のための特別な作業を行なうことなくホワイトバランス調整を行なうことができる。また、本実施形態では、ハンガーに電子スコープが掛けられ、ホワイトバランス調整用冶具が装置されていることを自動検出してホワイトバランス調整処理が実行されるので、ホワイトバランス調整を適切な状況で自動的に行なうことができる。
【0037】
なお、本実施形態ではオンチップカラーフィルタを搭載した単板式同時撮像方式を例に説明を行なったが、面順次式の撮像方式においても本発明を適用することが可能である。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、電子内視鏡において、より簡便かつ効率的にホワイトバランスの調整を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された一実施形態の電子内視鏡装置の構成を示す模式図である。
【図2】図1に示した電子内視鏡装置の回路構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】ホワイトバランス調整処理作業における各装置の配置を模式的に表わしたものである。
【図4】電子スコープが装着された電子内視鏡装置の電源が投入されているときに実行される割込み処理プログラムのフローチャートである。
【図5】ホワイトバランス調整処理のプログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
10 電子スコープ
11 挿入部
12 操作部
18 マイコン
40h1、40h2 ハンガー
40W 冶具装置部
S 撮像素子
S1、S2 センサ
W ホワイトバランス調整用冶具
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子内視鏡装置におけるホワイトバランスの調整に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子内視鏡(電子スコープ)を用いた診療では、用途毎に異なる電子スコープが用いられる。したがって、病院等の施設では複数の電子スコープを常備しなくてはならない。ところで電子スコープは、外光が遮断された管腔内で用いられるため、管腔内を照明する光源が必要である。しかし、電子スコープ毎に光源を設けることは場所的にも経済的にも無駄が多い。したがって、光源部は、電子スコープとは独立したユニットとして構成され、用途に応じてそれぞれの電子スコープが光源部に装着される。このとき光源部は、例えば独立した光源装置として、あるいは映像信号処理回路等とともに一体的な映像信号処理ユニット(プロセッサユニット)として構成される。
【0003】
光源部に用いられるランプは、使用条件に合わせて様々な種類が用いられる。ランプのスペクトルはランプの種類毎に異なり、同種のランプであっても製品毎にスペクトルにバラツキがある。また、同一ランプであっても経時的にそのスペクトルは変化する。同様に、電子スコープに搭載された撮像素子の分光感度特性も、種類の違いや、製造過程において発生する製品毎のバラツキ、色フィルタアレイの経時変化等により影響される。また、光源部からの光は光ファイバを介して電子スコープの先端にまで伝送されるが、光ファイバの分光透過率特性は全ての波長に対して一様でないため、電子スコープの挿入部の長さが異なり、光ファイバの長さが異なると、電子スコープの先端から照射される照明光のスペクトルも異なることとなる。更に、ランプから光ファイバへ供給される光は、絞り装置によりその光量が調整されるが、光ファイバに供給される光のスペクトルは、絞りの駆動状態に影響される。
【0004】
電子スコープの分光感度特性や、照明光のスペクトルは上記様々な要因に影響されるため、電子スコープで得られる画像の色調は、電子スコープと光源部の組み合わせや、ランプの使用時間に影響される。これらによる撮影画像の色調のズレを調整するためには、電子スコープを光源部に装着した状態でホワイトバランス調整を行なう必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ホワイトバランスの調整は、電子スコープの先端を内側が白色に着色された筒状の冶具に挿入し、プロセッサユニット等に接続されたキーボード等のスイッチを操作することにより行われる。ホワイトバランス用の冶具は独立した備品として構成されているため、使用者は、ホワイトバランス調整用の冶具を常に保管しておく必要があり、ホワイトバランス調整を行なう度に冶具を用意して電子スコープの先端を冶具に挿入する必要がある。これらの一連の作業は、使用者にとって著しく煩雑であった。
【0006】
本発明は、電子内視鏡において、より簡便かつ効率的にホワイトバランスの調整を行なうことを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子内視鏡装置は、管腔内に挿入され、前記管腔内の画像を撮像するための撮像素子を備えた電子スコープと、電子スコープを保持するための電子スコープ保持手段と、電子スコープが電子スコープ保持手段に保持されたことを検出する第1のセンサと、内側が白色であり、電子スコープのホワイトバランスを調整するためのホワイトバランス調整用冶具と、撮像素子で撮像された画像に対する色成分毎の画像信号ゲインを調整可能なゲイン調整手段とを備え、電子スコープが電子スコープ保持手段に保持された状態で、電子スコープの挿入部先端がホワイトバランス調整用冶具に挿入可能であり、第1のセンサにより電子スコープが電子スコープ保持手段に保持されたことが検知されると、ゲイン調整手段により色成分毎の画像信号のゲインを調整し、電子スコープのホワイトバランス調整が実行されることを特徴としている。
【0008】
電子内視鏡装置はカートに装置され、ホワイトバランス調整用冶具を装置するための冶具装置手段が、カートに備え付けられていることが好ましい。電子内視鏡装置は、電子スコープの他、光源装置あるいはプロセッサユニット、モニタTV等、複数の機器から構成されるので、各機材を1つのカートにユニットとして装置して用いることが好ましい。すなわち、冶具装置手段や電子スコープ保持手段がカートに備え付けられていることにより、他の機材とともに一体的に取り扱うことができる。
【0009】
電子内視鏡装置は、ホワイトバランス調整用冶具が冶具装置手段に装置されたことを検出する第2のセンサを備えることが好ましく、第2のセンサによりホワイトバランス調整用冶具が冶具装置手段に装置されたことが検知されたとき、ホワイトバランス調整が実行されることが好ましい。これにより、ホワイトバランス調整用の冶具が装置されていないときに、誤ってホワイトバランス調整処理が行なわれることを防止することができる。
【0010】
電子スコープ保持手段は例えばハンガーであり、電子スコープは挿入部を下にしてハンガーに掛けられる。このとき、挿入部の先端が垂下される位置にホワイトバランス調整用冶具が配置される。これにより、ホワイトバランス調整処理をより安定した姿勢で行なうことができる。
【0011】
本発明の電子内視鏡装置用カートは、管腔内に挿入され、管腔内の画像を撮像するための電子スコープを備えた電子内視鏡装置を装置するための電子内視鏡装置用カートであって、電子スコープを保持するための電子スコープ保持手段と、電子内視鏡装置に接続可能であり、電子スコープが電子スコープ保持手段に保持されたことを検出可能な第1のセンサと、内側が白色であり、電子スコープのホワイトバランスを調整するためのホワイトバランス調整用冶具を装置可能な冶具装置手段とを備え、電子スコープが電子スコープ保持手段に保持されたとき、電子スコープの挿入部の先端を冶具装置手段に装置されたホワイトバランス調整用冶具に挿入可能であり、第1のセンサにおいて、電子スコープが電子スコープ保持手段に保持されたことが検知されたとき、第1のセンサに接続された電子内視鏡装置において、電子スコープのホワイトバランス調整処理が実行されることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1に、本発明の一実施形態である電子内視鏡装置の構成を模式的に示す。
【0013】
本実施形態の電子内視鏡装置は、電子内視鏡(電子スコープ)10、映像信号処理装置(プロセッサユニット)20、キーボード30、モニタTV31から概ねなる。プロセッサユニット20、キーボード30、モニタTV31は、内視鏡用カート32の各段に装置され、電子スコープ10はプロセッサユニット20に装着されている。カート32の底辺四隅にはそれぞれキャスタ32cが設けられる。また、図1には記載されていないが、カート32の側面には、電子スコープ10を掛けるための電子スコープ用ハンガー(電子スコープ保持手段)40h1、40h2とホワイトバランス用冶具Wを装置するための冶具装置部40Wが設けられる。なお、電子スコープ用ハンガー40h1、40h2とホワイトバランス用冶具Wとに関しては図3参照。
【0014】
電子スコープ10は、体内に挿入され可撓性を有する管状の挿入部11と、操作者が握り電子スコープ10の動きを操作するための操作部12と、管状の可撓性部材からなり電子スコープ10とプロセッサユニット20との間をフレキシブルに連絡する連絡管13と、連絡管13をプロセッサユニット20に着脱自在に接続するためのコネクタ部14とから成る。なお、プロセッサユニット20には、ビデオプリンタやビデオカセットレコーダ(VCR)、コンピュータ、記憶装置(例えばMO、ハードディスク等)等の周辺装置を接続することも可能である。
【0015】
図2は、図1の電子内視鏡装置の電気的及び光学的な構成を示すブロック図である。図2を参照して、本実施形態の電子内視鏡装置の電気的及び光学的な構成について説明する。
【0016】
電子スコープ10内には、超極細の光ファイバの束からなるライトガイドLが配設されている。ライトガイドLの一方の端はコネクタ部14がプロセッサユニット20に接続されるとプロセッサユニット20内の光源部に接続される。ライトガイドLは連絡管13、操作部12を介して挿入部11の先端に達し、撮影用の照明光を照射する。
【0017】
電子スコープ10の挿入部11の先端には、MOSイメージセンサやCCD等の撮像素子Sが設けられている。撮像素子Sの駆動は、撮像素子駆動回路15からの駆動信号により制御され、撮像素子駆動回路15は、DSP(digital signal processor)16により制御される。撮像素子Sにおいて生成された画像信号は、A/D変換回路17においてサンプルホールドされるとともにA/D変換され、DSP16に入力される。DSP16では、画像信号に対してブランキング、クランプ、ホワイトバランス、γ補正等のカメラプロセス処理を施して、プロセッサユニット20の映像信号処理回路21に送出する。
【0018】
DSP16はマイコン18によって制御され、マイコン18は、DSP16からのデータに基づいてホワイトバランスの計算や露出計算等を行い、DSP16における、ホワイトバランス調整や撮像素子Sにおける電子シャッターの制御を行なう。また、マイコン18は、プロセッサユニット20内のマイコン28や不揮発性のメモリ19に接続されている。マイコン18は、例えば操作部12(図1参照)に設けられたフリーズボタン等の操作スイッチ(図示せず)の操作を検知し、プロセッサユニット20のマイコン28に通知する。また例えばメモリ19には、個々の電子スコープを識別するためのシリアル番号や、個々の電子スコープ特有の設定値等が記録されており、これらのデータもマイコン18を介してマイコン28に送信される。
【0019】
なお、本実施形態において、撮像素子駆動回路15、DSP16、A/D変換回路17、マイコン18、メモリ19は、電子スコープ10のコネクタ部14内に設けられている。
【0020】
電子スコープ10のDSP16から出力されたデジタルの画像信号は、プロセッサユニット20内の映像信号処理回路21においてゲイン調整等の信号処理が施された後、輝度信号(Y)、色差信号(R−Y)、(B−Y)に分離され、それぞれメモリ(Y)22、メモリ(R−Y)23、メモリ(B−Y)24に出力される。各メモリ22〜24を介したそれぞれの画像信号は、同時化されてビデオ処理回路25に入力される。メモリ22〜24の動作は、マイコン28により制御され、そのタイミングはタイミング回路27からの同期信号に基づいて制御される。すなわち、マイコン28はタイミング回路27に接続されており、マイコン28内にはタイミング回路27からの同期信号に基づいてメモリ22〜24の駆動制御を行なうためのメモリコントロール回路が内蔵されている。
【0021】
なお、操作部12のフリーズボタン(図示せず)が操作されると、メモリ22〜24の画像データが保持され、ビデオ処理回路25には、メモリ22〜24に保持された画像データが繰り返し出力される。これにより、モニタTV31にはメモリ22〜24に保持された画像が静止画像として表示される。また、電子スコープ10が、アナログの画像信号を出力する場合には、映像信号処理回路21においてデコード処理、A/D変換処理が施され、以下同様の処理が行なわれる。
【0022】
ビデオ処理回路25では、画像信号がアナログ信号に変換され、増幅処理、クランプ処理、ブランキング処理等のプロセス処理が施され、RGB信号、あるいはY/C信号、コンポジットビデオ信号として出力端子回路(補償回路)26a、26bに出力される。出力端子回路26aは、ビデオ信号ケーブル(図示せず)を介して例えばモニタTV31に接続され、出力端子回路26bは、例えばビデオプリンタやVCR等のモニタTV31以外の装置に接続される。出力端子回路26a、26bには所定の方式でビデオ信号が伝送され、出力端子回路26a、26bでは、インピーダンス整合等が取られる。
【0023】
ビデオ処理回路25における処理のタイミングはタイミング回路27からの同期信号に基づいて制御される。また、ビデオ処理回路25は、マイコン28にも接続されており、マイコン28からの制御信号に基づいても制御される。また、マイコン28には、キーボード30が接続されている。
【0024】
映像信号処理回路21は、更にマイコン28と絞り調整回路29に接続されている。絞り調整回路29は、映像信号処理回路21からの輝度信号(Y)等に基づいて絞りAの駆動を制御し、光源LsからライトガイドLへ入射する光量を調節する。なお、光源Lsからの光は集光レンズ(図示せず)を介した後、絞りAを横切ってライトガイドLの入射端に集光される。
【0025】
また、マイコン28にはコネクタ(図示せず)を介してセンサS1、S2が取り付け可能である。センサS1は、電子スコープ10が電子スコープ用ハンガー40h1(図3参照)に取り付けられたことを検知するセンサであり、マイクロスイッチ、光センサ、磁気センサ等からなる。また、センサS2は、ホワイトバランス用冶具Wが冶具装置部40Wに装置されたか否かを検知するセンサであり、マイクロスイッチ、光センサ、磁気センサ等からなる。
【0026】
次に、図3〜図5を参照して、本実施形態の電子内視鏡装置におけるホワイトバランス調整処理について説明する。図3は、ホワイトバランス用冶具Wが冶具装置部40Wに装置され、電子スコープ10が電子スコープ用ハンガー40h1、40h2に取り付けられたときの状態を模式的に表わしている。
【0027】
電子スコープ用ハンガー40h1、40h2は、例えば水平断面がC字型をしており、電子スコープ用ハンガー40h1のC字型の内側領域は、電子スコープ10の操作部12の太さよりも小さく、挿入部11の太さよりも大きい。電子スコープ10は、挿入部11を下側に向けて、電子スコープ用ハンガー40h1に掛けられる。すなわち、電子スコープ10は、操作部12の側面が、電子スコープ用ハンガー40h1のC字型の内側の周縁部分に引っ掛かかることにより保持される。このとき、挿入部11は、電子スコープ用ハンガー40h2に通され、挿入部11の前後左右へのずれは防止される。電子スコープ用ハンガー40h1の電子スコープ10と接触する位置、例えばC字型をした電子スコープ用ハンガー40h1の内周縁には、例えばマイクロスイッチがセンサS1として設けられる。操作部12の側面がハンガー40h1のC字型内周縁に接触すると、マイクロスイッチ(センサ1)S1が押圧されてON状態とされる。
【0028】
一方、冶具装置部40Wは、カート32の側面の下端に設けられており、例えばカップ状のホワイトバランス調整用冶具Wを載置するための円盤状の載置部を有する。ホワイトバランス調整処理を行なうときには、電子スコープ用ハンガー40h1、40h2に取り付けられた電子スコープ10の挿入部11の先端が、冶具40W内に挿入される。冶具装置部40Wの載置部には、例えばマイクロスイッチがセンサS2として設けられており、冶具Wが載置部に置かれるとマイクロスイッチ(センサ2)S2が押圧されてON状態とされる。
【0029】
なお、電子スコープ用ハンガー40h1は、例えば電子スコープ用ハンガー40h2に対して相対的に上下方向に摺動自在に移動可能な棒状部材に支持されており、電子スコープ10の挿入部11の長さに合わせてその高さが調整される。また、ホワイトバランス調整用冶具Wを載置する冶具載置部40Wは、電子内視鏡10を電子スコープ用ハンガー40h1に装着したときに、挿入部11の先端が自然に垂下される位置に略配置される。
【0030】
電子内視鏡装置の電源が投入されると、マイコン18において所定の時間毎に図4に示されたプログラムの割込み処理が実行される。
【0031】
まず、ステップS101では、電子スコープ10がハンガー40h1に掛けられているか否かが判定され、掛けられていると判定されるまで、ステップS101の処理が繰り返される。すなわち、マイクロスイッチS1がON状態となるまでステップS101の処理が繰り返される。電子スコープ10がハンガー40h1に掛けられたと判定されると(マイクロスイッチS1がON状態となると)、ステップS102において、冶具Wが冶具装置部40Wに装置されたか否か判定される。ステップS102の処理は、冶具装置部40Wが装置されていると判定されるまで繰り返される。すなわち、冶具装置部40Wの載置部に設けられたマイクロスイッチS2がON状態となるまでステップS102の処理は繰り返される。ステップS102において、冶具載置部40Wに冶具Wが装置されたと判定されると(マイクロスイッチS2がON状態となると)、ステップS103のホワイトバランス調整処理(後述)が開始される。電子スコープ10におけるホワイトバランス調整処理(ステップS103)が終了すると、このプログラムは終了し、電子スコープ10のマイコン18は通常の撮像動作のための処理を開始する。
【0032】
次にステップS103のホワイトバランス調整処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。図5のフローチャートは、マイコン18において実行されるホワイトバランス調整処理のプログラムのフローチャートである。
【0033】
ステップS201では、冶具Wの白色の底面の画像が撮像素子Sにより撮像されるとともに、DSP16において例えば1フレーム分のRGBの画像信号がそれぞれ積分(あるいは平均)され、その値がマイコン18に通知される。なお、冶具Wの画像を撮影する際、光源Lsからの光がライトガイドLを介して冶具Wの底面に照射されている。ステップS202では、積分されたRGBの出力比が相互に比較される。本実施形態では、R、Bの出力値とGの出力値がそれぞれ等しいか否かが判定される。R又はBの値の何れかがGの値と等しくないと判定されると、ステップS203において、DSP16におけるR、G、Bのゲインが調整される。例えば、検出されたRGB信号の比がrR:rG:rBのときR、G、Bの各ゲインは、現在設定されている値のそれぞれ1/rR倍、1/rG倍、1/rB倍に設定される。また、G信号のゲインを一定に保つ場合には、R、Bの各ゲインをrG/rR倍、rG/rB倍に設定する。各信号のゲインの変更が終了するとステップS202において、変更されたそれぞれのゲインで増幅されたRGBの出力比が比較される。ステップS202、ステップS203の処理はステップS202においてGの出力値がR及びBの出力値と等しいと判定されるまで繰り返される。
【0034】
ステップS202において、G=R、G=B(又はR:G:B=1:1:1)と判定されると処理はステップS204に移り、電子スコープ10内のメモリ19に、調整されたRGBゲインの値が格納される。これにより、本実施形態のホワイトバランス調整処理は終了する。またホワイトバランス調整処理の終了後は、マイクロスイッチS1のONの継続状態により、光源のみを点灯させた待機状態としておいても良いし、所定時間でプロセッサの電源を自動的に遮断しても良い。
【0035】
なお、本実施形態ではホワイトバランス調整冶具の装置をマイクロスイッチS2で検出しているが、冶具はカートに固定されていても良い。その場合、マイクロスイッチS1の検出のみでホワイトバランス調整を行なう。
【0036】
以上のように、本実施形態によれば、電子スコープ用ハンガーに電子スコープを掛けた状態でホワイトバランス調整を行なうことができる。待機中の電子スコープは、通常電源を投入した状態でハンガーに掛けられているので、使用者はホワイトバランス調整のための特別な作業を行なうことなくホワイトバランス調整を行なうことができる。また、本実施形態では、ハンガーに電子スコープが掛けられ、ホワイトバランス調整用冶具が装置されていることを自動検出してホワイトバランス調整処理が実行されるので、ホワイトバランス調整を適切な状況で自動的に行なうことができる。
【0037】
なお、本実施形態ではオンチップカラーフィルタを搭載した単板式同時撮像方式を例に説明を行なったが、面順次式の撮像方式においても本発明を適用することが可能である。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、電子内視鏡において、より簡便かつ効率的にホワイトバランスの調整を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された一実施形態の電子内視鏡装置の構成を示す模式図である。
【図2】図1に示した電子内視鏡装置の回路構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】ホワイトバランス調整処理作業における各装置の配置を模式的に表わしたものである。
【図4】電子スコープが装着された電子内視鏡装置の電源が投入されているときに実行される割込み処理プログラムのフローチャートである。
【図5】ホワイトバランス調整処理のプログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
10 電子スコープ
11 挿入部
12 操作部
18 マイコン
40h1、40h2 ハンガー
40W 冶具装置部
S 撮像素子
S1、S2 センサ
W ホワイトバランス調整用冶具
Claims (6)
- 管腔内に挿入され、前記管腔内の画像を撮像するための撮像素子を備えた電子スコープと、
前記電子スコープを保持するための電子スコープ保持手段と、
前記電子スコープが前記電子スコープ保持手段に保持されたことを検出する第1のセンサと、
内側が白色であり、前記電子スコープのホワイトバランスを調整するためのホワイトバランス調整用冶具と、
前記撮像素子で撮像された画像に対する色成分毎の画像信号ゲインを調整可能なゲイン調整手段とを備え、
前記電子スコープが前記電子スコープ保持手段に保持された状態で、前記電子スコープの挿入部先端が前記ホワイトバランス調整用冶具に挿入可能であり、前記第1のセンサにより前記電子スコープが前記電子スコープ保持手段に保持されたことが検知されると、前記ゲイン調整手段により前記色成分毎の画像信号のゲインを調整し、前記電子スコープのホワイトバランス調整が実行される
ことを特徴とする電子内視鏡装置。 - 前記電子内視鏡装置がカートに装置され、前記ホワイトバランス調整用冶具を装置するための冶具装置手段が、前記カートに備え付けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡装置。
- 前記電子内視鏡装置が、前記ホワイトバランス調整用冶具が前記冶具装置手段に装置されたことを検出する第2のセンサを備え、前記第2のセンサにより前記ホワイトバランス調整用冶具が前記冶具装置手段に装置されたことが検知されたとき、前記ホワイトバランス調整が実行されることを特徴とする請求項2に記載の電子内視鏡装置。
- 前記電子内視鏡装置がカートに装置され、前記電子スコープ保持手段が前記カートに備え付けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡装置。
- 前記電子スコープ保持手段がハンガーであり、前記電子スコープが挿入部を下にして前記ハンガーに掛けられるとき、前記挿入部の先端が垂下される位置に前記ホワイトバランス調整用冶具が配置されることを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡装置。
- 管腔内に挿入され、前記管腔内の画像を撮像するための電子スコープを備えた電子内視鏡装置を装置するための電子内視鏡装置用カートであって、
前記電子スコープを保持するための電子スコープ保持手段と、
前記電子内視鏡装置に接続可能であり、前記電子スコープが前記電子スコープ保持手段に保持されたことを検出可能な第1のセンサと、
内側が白色であり、前記電子スコープのホワイトバランスを調整するためのホワイトバランス調整用冶具を装置可能な冶具装置手段とを備え、
前記電子スコープが前記電子スコープ保持手段に保持されたとき、前記電子スコープの挿入部の先端を前記冶具装置手段に装置された前記ホワイトバランス調整用冶具に挿入可能であり、前記第1のセンサにおいて、前記電子スコープが前記電子スコープ保持手段に保持されたことが検知されたとき、前記第1のセンサに接続された前記電子内視鏡装置において、前記電子スコープのホワイトバランス調整処理が実行される
ことを特徴とする電子内視鏡装置用カート。
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CN102858225A (zh) * | 2010-07-29 | 2013-01-02 | 奥林巴斯医疗株式会社 | 医疗器具保持装置 |
-
2002
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