JP2004033153A - 農産物の製法 - Google Patents
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Abstract
【課題】栄養価、呈味性等の改善効果が期待できる農作物を、病害に侵されることなく効率的に、かつ有害物質を使用せずに得ることのできる農産物の製法を提供する。
【解決手段】播種前の農産物の種子を、下記の(A)に示すキトサン溶液に所定の時間浸漬する工程と、上記浸漬した種子を苗床に移し、上記キトサン溶液の希釈液による灌水を行って発芽させ、所定の植替えにより生長させる工程と、上記生長した苗を、上記キトサン溶液を乾燥してなるキトサン粉末が配合された土壌に植付けする工程とを備えている農産物の製法とする。
(A)食用酸および紅コウジエキスにキトサンを溶解してなるキトサン溶液。
【選択図】なし
【解決手段】播種前の農産物の種子を、下記の(A)に示すキトサン溶液に所定の時間浸漬する工程と、上記浸漬した種子を苗床に移し、上記キトサン溶液の希釈液による灌水を行って発芽させ、所定の植替えにより生長させる工程と、上記生長した苗を、上記キトサン溶液を乾燥してなるキトサン粉末が配合された土壌に植付けする工程とを備えている農産物の製法とする。
(A)食用酸および紅コウジエキスにキトサンを溶解してなるキトサン溶液。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、農作物の製法に関するものであり、詳しくは、土壌改良および作付方法等の改良により、栄養価等に優れた農作物を効率的に得ることができる農作物の製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ピーマン、トマト、とうもろこし、いちご等の農作物の一般的な栽培方法として、露地栽培やハウス栽培があり、特に、露地栽培に不向きな農作物の栽培や、促成栽培等を目的とする場合には、天候や気候等に左右されないハウス栽培が好ましく行われる。しかしながら、ハウス栽培にも幾つかの欠点があり、例えば、ハウス内は密閉されることが多いことから、ハウス内の温度や湿度の条件も手伝い、病害やウィルスが蔓延しやすいといった問題がある。この問題を解決するため、一般的には、農産物の苗を植えつける前に、ハウス内の土壌の消毒が行われる。上記消毒は、例えば、ハウス内の土壌にDDTガスやメチルガスを灌注し(ガス入れ)、1〜2日間ハウス内を密閉したままにし、その後、ガス抜きをすることにより行われる。なお、この消毒により、害虫の駆除も同時に行えるといった利点もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記DDTガス等のガス抜きには3〜4カ月間もの期間を要するため、作業性の点では劣っている。また、上記DDTガス等は有毒であるため、ハウス内で作業する人の健康を害したり、土壌中の有用菌や有用微生物をも殺してしまうおそれがあったり、さらには、食品である農作物に作用し、人体へ間接的に悪影響を及ぼすことが懸念されることから、このような毒性を有するものによらない何らかの解決手段が求められている。
【0004】
一方、現在の農業全般において、農薬の使用は、ごく当然のことのように行われているが、先述のDDTガス等のような顕著な毒性を有するものでなくても、農薬が土壌や人体に少なからず悪影響を及ぼすことは、近年において多数報告されており、残留農薬がアトピー等のアレルギーの要因となるといった報告や、連作障害が見られるといった報告も、その例としてあげられる。そのため、これらの悪影響を及ぼすおそれのある農薬を使用しなくともよい農作物の製法が求められており、加えて、栄養価、味、色つや、病気に対する抵抗性等が改善された高品質の農作物を得ることのできる農作物の製法が求められている。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、栄養価、呈味性等の改善効果が期待できる農作物を、病害に侵されることなく効率的に、かつ有害物質を使用せずに得ることのできる農産物の製法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、播種前の農産物の種子を、下記の(A)に示すキトサン溶液に所定の時間浸漬する工程と、上記浸漬した種子を苗床に移し、上記キトサン溶液の希釈液による灌水を行って発芽させ、所定の植替えにより生長させる工程と、上記生長した苗を、上記キトサン溶液を乾燥してなるキトサン粉末が配合された土壌に植付けする工程とを備えている農産物の製法をその要旨とする。
(A)食用酸および紅コウジエキスにキトサンを溶解してなるキトサン溶液。
【0007】
すなわち、本発明者は、上記課題を解決すべく、一連の研究を重ねた。その過程で、キトサンは、抗菌性を有するため、土壌改良に有効であるとの知見を得た。また、キトサンは、通常では水に溶けないが、酸の存在によって水溶性となるとの知見も得た。そして、本発明者は、これらの知見に基づき、さらに鋭意研究を重ねた結果、食用酸および紅コウジエキスの混合液中にキトサンを溶解すると、食用酸によるキトサンの溶解とともに、紅コウジエキスの有する溶解特性が作用し、キトサンのより一層の溶解がなされることを突き止め、さらにこれを農作物の栽培に用いると、キトサンによる抗菌作用はもとより、農作物の生長等に効果的に作用し得ることを突き止めた。そして、このようにして得られた特定の水溶性キトサン溶液を、農作物の栽培工程におけるどの過程においてどのような態様で用いると最も効果的であるかを鋭意研究した結果、播種前の種子の浸漬処理に用い、また、水で希釈して、生長した苗の灌水用に用い、さらに、粉末状にして、最終的に活着させる土壌に配合して用いると、高品質の農作物を得ることができることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0009】
本発明の農産物の製法は、特定の水溶性キトサン溶液を、播種前の種子の浸漬処理に用い、また、水で希釈して、生長した苗の灌水用に用い、さらに、粉末状にして、最終的に活着させる土壌に配合して用いることを特徴としている。
【0010】
上記特定の水溶性キトサン溶液は、食用酸および紅コウジエキスにキトサンを溶解することにより得ることができる。
【0011】
上記特定の水溶性キトサン溶液の材料として用いられるキトサンとしては、特に限定されるものではなく、例えば、カニやエビ等の甲殻類や担子菌等から抽出されたキチン質を、水酸化ナトリウム等により脱アセチル化処理し、ついで、塩酸等により中和することにより得ることができる。
【0012】
上記キトサンとともに用いられる食用酸としては、農産物に悪影響を与えるものでなければ、特に限定されるものではなく、例えば、乳酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸等があげられ、これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。
【0013】
上記キトサンおよび食用酸とともに用いられる紅コウジエキスは、紅コウジを発酵させることにより得ることができる。
【0014】
上記特定の水溶性キトサン溶液は、例えば、次のようにして調製される。すなわち、まず、食用酸2〜20kgに対し、紅コウジエキス0.1〜5kgを配合し、これに、キトサン1〜5kgを添加し、必要に応じ、その他の配合物や希釈水(8リットル程度)を添加した後、常温以下(およそ0〜30℃)の温度下にて混合・攪拌することにより得ることができる。なお、この溶液中に溶解されているキトサンの含有量は、紅コウジエキスを配合せず食用酸のみを用いたときのおよそ4倍となる。また、この溶液は、そのまま用いてもよいが、濾過等により不純物を取り除いたものを用いてもよい。
【0015】
本発明の農産物の製法では、先に述べたように、上記のようにして得られた特定の水溶性キトサン溶液を、播種前の種子の浸漬処理に用い、また、水で希釈して、生長した苗の灌水用に用い、さらに、粉末状にして、最終的に活着させる土壌に配合して用いる。なお、上記農産物の種子は、特に限定されるものではなく、例えば、ピーマン、トマト、とうもろこし、いちご等があげられる。
【0016】
そして、上記特定の水溶性キトサン溶液は、播種前の種子の浸漬処理に用いられる際には、通常、原液のままで用いられるが、500倍までの範囲であれば、希釈することもできる。そして、上記浸漬処理に要する時間は、農産物の種子の種類によって異なるが、通常では約9時間程度、遅くとも24時間以内には完了させる。
【0017】
このようにして処理された種子は、シードルポット(苗床)に移し、苗にするが、その際、灌水用に、上記特定の水溶性キトサン溶液を水で1000倍程度に希釈した希釈液を用いる。そして、完全に芽が出揃った状態となったところ(通常、約20日経過後)で、鉢上げ(植替え)を行い、その後、週2回程の頻度で上記希釈液の灌水を行い、苗を生長させる。また、この際、上記の希釈液の葉面散布を並行して週2回程の頻度で行うと、生長促進作用はもとより、抗菌性にも優れるため、病気になりにくいといった利点がある。そして、これを50日間程度続けた後、所定の土壌に植替え、活着させ、その後、定期的(週2回程度)に上記希釈液の葉面散布および灌水を行い続けることにより、目的とする農産物を得ることができる。
【0018】
上記所定の土壌とは、先にも述べたように、上記特定の水溶性キトサン溶液を粉末状にしたものが配合された土壌であり、ここで言う「粉末状」とは、単に粉末化したもの以外にも、顆粒化またはペレット化したものも含む趣旨である。なお、上記特定の水溶性キトサン溶液の粉末化は、スプレードライ法等の従来公知の方法によりなされる。また、上記所定の土壌とは、堆肥、魚粉、油粕、石灰、骨粉、フミン酸カルシウム、肥料調整剤等が所定の割合で配合されたものである。そして、この土壌は、露地栽培に用いても、ハウス栽培に用いてもよいが、特に、上記所定の土壌がハウス内にあると、ハウスでの栽培における病害やウィルスが蔓延しやすいといった問題が解決され、さらに、DDTガス等による消毒作業や害虫の駆除も不要となるため、ガス抜きの期間も不要となり、作業性に優れるようになる。
【0019】
本発明の農産物の製法によると、「葉の色がよい」、「発根性に優れる」、「生長がはやくなる」、「収量が多い」、「葉や枝を強くする」といった生長促進効果が得られるとともに、得られた農産物においては、色ツヤがよく、鮮度保持性に優れるため、長期保存が可能であり、また、糖度が高く、栄養価、呈味性等にも優れている。さらに、上記農産物には、抗変異原物質や抗酸化性物質の含有割合が通常栽培のものに比べて多く含まれているため、健康面の改善においても優れた効果を発揮することができる。
【0020】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0021】
【実施例】
まず、カニの殻を水洗し、水酸化ナトリウムにより脱タンパク処理をし、ついで、塩酸による脱カルシウム処理を行うことにより、キチン質を抽出した。この抽出されたキチン質を、水酸化ナトリウムにより脱アセチル化処理し、ついで、塩酸により中和することにより、キトサンを得た。そして、このようにして得られたキトサンを粉砕してなるキトサン粉末1kgに対し、乳酸2kgと、紅コウジエキス2kgとを加え、これらを8リットルの水に溶解し、常温にて混合・攪拌することにより、水溶性キトサン溶液を調製した。一方、上記水溶性キトサン溶液と同様のものを、スプレードライにより乾燥させることにより、水溶性キトサン粉末も作製した。
【0022】
つぎに、農産物栽培用ハウスを準備し、土作りを行う前に上記ハウス内を1週間程密閉した後、ハウス内面積10アール当りに、上記に示すように作製した水溶性キトサン粉末200kgと、堆肥(袋堆肥)4トンと、魚ぼかしペレット(東肥糧製造所社製)200kgと、粒状アミノ骨粉(東肥糧製造所社製、窒素含量4%、リン含量16%)120kgと、肥料調整剤(YKD、川口肥料社製)200kgと、フミン酸カルシウム(アミノ・カル、昭光通商社製)200kgとをハウス内に入れ、よくかき混ぜた後、4日間放置し、pH5.5〜6.7の範囲となるよう上記フミン酸カルシウムにより微調整し、土作りを行った。
【0023】
他方、ピーマンの種子を準備し、これを先に調製した水溶性キトサン溶液(原液)に一晩浸漬し、ついで、この種子を、枡状のシードルポット(上述の土が入れてある。ポット数80個)に1粒づつ移し、上記水溶性キトサン溶液の希釈液(1000倍希釈)による灌水を行って発芽させ、約20日経過後、鉢上げ(植替え)を行い、その後、週2回程の頻度で上記希釈液の葉面散布および灌水を行い、苗を生長させた。そして、50日間程度経過した後、生長した苗を、先述の土作りが行われたハウス内に植替え、その後10日間続けて上記希釈液による灌水を行い上記苗を活着させた。引き続き、週2回程度の頻度で、上記希釈液の葉面散布および灌水を行い続けることにより、目的とするピーマンを得た。
【0024】
【比較例】
まず、実施例と同様の農産物栽培用ハウスを準備し、ハウス内面積10アール当り、堆肥(牛生堆肥)4トンと、骨粉1.3トンと、化学肥料(新東8−8−8、新東肥料社製)200kgとをハウス内に入れ、よくかき混ぜ、土作りを行った。つぎに、上記のようにして得られた土壌に、メチルガス40kgを灌注した後、ハウスを密閉し、土壌をビニールによって覆い、このままの状態で2日間放置した後、ガス抜きを行い、ハウス内の殺菌・殺虫・除草を行った。
【0025】
つぎに、ピーマンの種子を、農薬溶液(ベンレート、日本曹達社製)中に一晩入れた後、この種子をシードルポットに移し、播種させ、さらに、ビニールで覆い、発芽させて苗にした。そして、約20日経過後、鉢上げ(植替え)を行い、その後、ハウス内に植付けをするまでの間、週3回程の頻度で、農薬溶液の散布を行い続けた〔コテツフロアブル(日本曹達社製)、モスピラン水溶液(日本農薬社製)およびカスケードフロアブル(BASF社製)を、週に各1回ずつ散布〕。そして、鉢上げから35日間程度経過した後、生長した苗を、先述の土作りが行われたハウス内に植替えた。その際、株元の株穴に、シンジエンタ社製アクタラ粒剤(ハウス内面積10アール当り9kg)を仕込んた。続いて、その後10日間続けて市販の液肥による灌水を行い上記苗を活着させた。引き続いて、週2回程度の頻度で、農薬溶液(ユーパレン、日本曹達社製)等で殺菌・殺虫を行い、さらに、チューブ灌水で化成液肥を流し続けることにより、目的とするピーマンを得た。
【0026】
このようにして得られた実施例および比較例のピーマンにおいて、その葉や茎を目視にて観察したところ、実施例のピーマンのほうが、比較例のものに比べ、葉の色がよく、茎も固いものとなっていることがわかった。また、実施例のほうが、ピーマンの色ツヤもよく、さらに、収量も多く、しかも、通常よりも長期間、鮮度保持性に優れることもわかった。しかも、実施例のピーマンと比較例のピーマンとを5人のパネラーが食べてみたところ、パネラー全員が、実施例のピーマンのほうが、糖度が高く、呈味性に優れていると示した。
【0027】
また、実施例のピーマンと比較例のピーマンのサルモネラ菌に対する抗菌力および溶血性ビブリオ菌に対する抗菌力を調べた。具体的には、各ピーマンの野菜汁を一定濃度の菌液に加え反応させた後、数段階に希釈して平板培地上に固定・培養し、形成したコロニー数(A)を測定し、他方、ブランクとして各野菜汁の代わりに生理食塩水を用い、同様の方法により形成したコロニー数(B)を測定し、下記の式(1)により抑制率を求めた。
【0028】
【数1】
抑制率(%)=(1−A/B)×100 …(1)
【0029】
このようにして実施例のピーマンのサルモネラ菌に対する抗菌力を測定した結果、その抑制率は94±3.3%であったのに対し、比較例における抑制率は89±4.5%であった。また、実施例のピーマンの溶血性ビブリオ菌に対する抗菌力を測定した結果、その抑制率は36±4.6%であったのに対し、比較例における抑制率は25±2.6%であった。これらの結果より、実施例のピーマンのほうが、サルモネラ菌および溶血性ビブリオ菌に対する抗菌性に優れていることがわかった。さらに、実施例および比較例のピーマンの野菜汁の抗酸化力をXYZ−dish法により測定し評価したところ、実施例のほうが抗酸化性に優れていることがわかった。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、本発明の農産物の製法は、特定の水溶性キトサン溶液を、農作物の栽培における所定の工程に効果的に用いることにより、病気に対し強くなり、無農薬とすることができ、また、連作障害を生じることもなく、しかも、生長がはやく、葉の色や根のなりもよく、さらに、得られた農産物においては、収量が多く、色ツヤがよく、鮮度保持性に優れ、また、栄養価、呈味性等にも優れている。さらに、上記農産物には、抗変異原物質や抗酸化性物質の含有割合も多く含まれ、健康面の改善効果も期待できる。
【0031】
特に、上記特定の水溶性キトサン溶液の希釈液による葉面散布を行うと、生長促進作用はもとより、抗菌性にも優れるため、一層病気になりにくいといった効果が得られる。
【0032】
また、上記生長した苗の植付けを行う土壌がハウス内にあると、ハウスでの栽培における病害やウィルスが蔓延しやすいといった問題が解決され、さらに、DDTガス等による消毒作業や害虫の駆除も不要となるため、ガス抜きの期間も不要となり、作業性に優れるようになる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、農作物の製法に関するものであり、詳しくは、土壌改良および作付方法等の改良により、栄養価等に優れた農作物を効率的に得ることができる農作物の製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ピーマン、トマト、とうもろこし、いちご等の農作物の一般的な栽培方法として、露地栽培やハウス栽培があり、特に、露地栽培に不向きな農作物の栽培や、促成栽培等を目的とする場合には、天候や気候等に左右されないハウス栽培が好ましく行われる。しかしながら、ハウス栽培にも幾つかの欠点があり、例えば、ハウス内は密閉されることが多いことから、ハウス内の温度や湿度の条件も手伝い、病害やウィルスが蔓延しやすいといった問題がある。この問題を解決するため、一般的には、農産物の苗を植えつける前に、ハウス内の土壌の消毒が行われる。上記消毒は、例えば、ハウス内の土壌にDDTガスやメチルガスを灌注し(ガス入れ)、1〜2日間ハウス内を密閉したままにし、その後、ガス抜きをすることにより行われる。なお、この消毒により、害虫の駆除も同時に行えるといった利点もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記DDTガス等のガス抜きには3〜4カ月間もの期間を要するため、作業性の点では劣っている。また、上記DDTガス等は有毒であるため、ハウス内で作業する人の健康を害したり、土壌中の有用菌や有用微生物をも殺してしまうおそれがあったり、さらには、食品である農作物に作用し、人体へ間接的に悪影響を及ぼすことが懸念されることから、このような毒性を有するものによらない何らかの解決手段が求められている。
【0004】
一方、現在の農業全般において、農薬の使用は、ごく当然のことのように行われているが、先述のDDTガス等のような顕著な毒性を有するものでなくても、農薬が土壌や人体に少なからず悪影響を及ぼすことは、近年において多数報告されており、残留農薬がアトピー等のアレルギーの要因となるといった報告や、連作障害が見られるといった報告も、その例としてあげられる。そのため、これらの悪影響を及ぼすおそれのある農薬を使用しなくともよい農作物の製法が求められており、加えて、栄養価、味、色つや、病気に対する抵抗性等が改善された高品質の農作物を得ることのできる農作物の製法が求められている。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、栄養価、呈味性等の改善効果が期待できる農作物を、病害に侵されることなく効率的に、かつ有害物質を使用せずに得ることのできる農産物の製法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、播種前の農産物の種子を、下記の(A)に示すキトサン溶液に所定の時間浸漬する工程と、上記浸漬した種子を苗床に移し、上記キトサン溶液の希釈液による灌水を行って発芽させ、所定の植替えにより生長させる工程と、上記生長した苗を、上記キトサン溶液を乾燥してなるキトサン粉末が配合された土壌に植付けする工程とを備えている農産物の製法をその要旨とする。
(A)食用酸および紅コウジエキスにキトサンを溶解してなるキトサン溶液。
【0007】
すなわち、本発明者は、上記課題を解決すべく、一連の研究を重ねた。その過程で、キトサンは、抗菌性を有するため、土壌改良に有効であるとの知見を得た。また、キトサンは、通常では水に溶けないが、酸の存在によって水溶性となるとの知見も得た。そして、本発明者は、これらの知見に基づき、さらに鋭意研究を重ねた結果、食用酸および紅コウジエキスの混合液中にキトサンを溶解すると、食用酸によるキトサンの溶解とともに、紅コウジエキスの有する溶解特性が作用し、キトサンのより一層の溶解がなされることを突き止め、さらにこれを農作物の栽培に用いると、キトサンによる抗菌作用はもとより、農作物の生長等に効果的に作用し得ることを突き止めた。そして、このようにして得られた特定の水溶性キトサン溶液を、農作物の栽培工程におけるどの過程においてどのような態様で用いると最も効果的であるかを鋭意研究した結果、播種前の種子の浸漬処理に用い、また、水で希釈して、生長した苗の灌水用に用い、さらに、粉末状にして、最終的に活着させる土壌に配合して用いると、高品質の農作物を得ることができることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0009】
本発明の農産物の製法は、特定の水溶性キトサン溶液を、播種前の種子の浸漬処理に用い、また、水で希釈して、生長した苗の灌水用に用い、さらに、粉末状にして、最終的に活着させる土壌に配合して用いることを特徴としている。
【0010】
上記特定の水溶性キトサン溶液は、食用酸および紅コウジエキスにキトサンを溶解することにより得ることができる。
【0011】
上記特定の水溶性キトサン溶液の材料として用いられるキトサンとしては、特に限定されるものではなく、例えば、カニやエビ等の甲殻類や担子菌等から抽出されたキチン質を、水酸化ナトリウム等により脱アセチル化処理し、ついで、塩酸等により中和することにより得ることができる。
【0012】
上記キトサンとともに用いられる食用酸としては、農産物に悪影響を与えるものでなければ、特に限定されるものではなく、例えば、乳酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸等があげられ、これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。
【0013】
上記キトサンおよび食用酸とともに用いられる紅コウジエキスは、紅コウジを発酵させることにより得ることができる。
【0014】
上記特定の水溶性キトサン溶液は、例えば、次のようにして調製される。すなわち、まず、食用酸2〜20kgに対し、紅コウジエキス0.1〜5kgを配合し、これに、キトサン1〜5kgを添加し、必要に応じ、その他の配合物や希釈水(8リットル程度)を添加した後、常温以下(およそ0〜30℃)の温度下にて混合・攪拌することにより得ることができる。なお、この溶液中に溶解されているキトサンの含有量は、紅コウジエキスを配合せず食用酸のみを用いたときのおよそ4倍となる。また、この溶液は、そのまま用いてもよいが、濾過等により不純物を取り除いたものを用いてもよい。
【0015】
本発明の農産物の製法では、先に述べたように、上記のようにして得られた特定の水溶性キトサン溶液を、播種前の種子の浸漬処理に用い、また、水で希釈して、生長した苗の灌水用に用い、さらに、粉末状にして、最終的に活着させる土壌に配合して用いる。なお、上記農産物の種子は、特に限定されるものではなく、例えば、ピーマン、トマト、とうもろこし、いちご等があげられる。
【0016】
そして、上記特定の水溶性キトサン溶液は、播種前の種子の浸漬処理に用いられる際には、通常、原液のままで用いられるが、500倍までの範囲であれば、希釈することもできる。そして、上記浸漬処理に要する時間は、農産物の種子の種類によって異なるが、通常では約9時間程度、遅くとも24時間以内には完了させる。
【0017】
このようにして処理された種子は、シードルポット(苗床)に移し、苗にするが、その際、灌水用に、上記特定の水溶性キトサン溶液を水で1000倍程度に希釈した希釈液を用いる。そして、完全に芽が出揃った状態となったところ(通常、約20日経過後)で、鉢上げ(植替え)を行い、その後、週2回程の頻度で上記希釈液の灌水を行い、苗を生長させる。また、この際、上記の希釈液の葉面散布を並行して週2回程の頻度で行うと、生長促進作用はもとより、抗菌性にも優れるため、病気になりにくいといった利点がある。そして、これを50日間程度続けた後、所定の土壌に植替え、活着させ、その後、定期的(週2回程度)に上記希釈液の葉面散布および灌水を行い続けることにより、目的とする農産物を得ることができる。
【0018】
上記所定の土壌とは、先にも述べたように、上記特定の水溶性キトサン溶液を粉末状にしたものが配合された土壌であり、ここで言う「粉末状」とは、単に粉末化したもの以外にも、顆粒化またはペレット化したものも含む趣旨である。なお、上記特定の水溶性キトサン溶液の粉末化は、スプレードライ法等の従来公知の方法によりなされる。また、上記所定の土壌とは、堆肥、魚粉、油粕、石灰、骨粉、フミン酸カルシウム、肥料調整剤等が所定の割合で配合されたものである。そして、この土壌は、露地栽培に用いても、ハウス栽培に用いてもよいが、特に、上記所定の土壌がハウス内にあると、ハウスでの栽培における病害やウィルスが蔓延しやすいといった問題が解決され、さらに、DDTガス等による消毒作業や害虫の駆除も不要となるため、ガス抜きの期間も不要となり、作業性に優れるようになる。
【0019】
本発明の農産物の製法によると、「葉の色がよい」、「発根性に優れる」、「生長がはやくなる」、「収量が多い」、「葉や枝を強くする」といった生長促進効果が得られるとともに、得られた農産物においては、色ツヤがよく、鮮度保持性に優れるため、長期保存が可能であり、また、糖度が高く、栄養価、呈味性等にも優れている。さらに、上記農産物には、抗変異原物質や抗酸化性物質の含有割合が通常栽培のものに比べて多く含まれているため、健康面の改善においても優れた効果を発揮することができる。
【0020】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0021】
【実施例】
まず、カニの殻を水洗し、水酸化ナトリウムにより脱タンパク処理をし、ついで、塩酸による脱カルシウム処理を行うことにより、キチン質を抽出した。この抽出されたキチン質を、水酸化ナトリウムにより脱アセチル化処理し、ついで、塩酸により中和することにより、キトサンを得た。そして、このようにして得られたキトサンを粉砕してなるキトサン粉末1kgに対し、乳酸2kgと、紅コウジエキス2kgとを加え、これらを8リットルの水に溶解し、常温にて混合・攪拌することにより、水溶性キトサン溶液を調製した。一方、上記水溶性キトサン溶液と同様のものを、スプレードライにより乾燥させることにより、水溶性キトサン粉末も作製した。
【0022】
つぎに、農産物栽培用ハウスを準備し、土作りを行う前に上記ハウス内を1週間程密閉した後、ハウス内面積10アール当りに、上記に示すように作製した水溶性キトサン粉末200kgと、堆肥(袋堆肥)4トンと、魚ぼかしペレット(東肥糧製造所社製)200kgと、粒状アミノ骨粉(東肥糧製造所社製、窒素含量4%、リン含量16%)120kgと、肥料調整剤(YKD、川口肥料社製)200kgと、フミン酸カルシウム(アミノ・カル、昭光通商社製)200kgとをハウス内に入れ、よくかき混ぜた後、4日間放置し、pH5.5〜6.7の範囲となるよう上記フミン酸カルシウムにより微調整し、土作りを行った。
【0023】
他方、ピーマンの種子を準備し、これを先に調製した水溶性キトサン溶液(原液)に一晩浸漬し、ついで、この種子を、枡状のシードルポット(上述の土が入れてある。ポット数80個)に1粒づつ移し、上記水溶性キトサン溶液の希釈液(1000倍希釈)による灌水を行って発芽させ、約20日経過後、鉢上げ(植替え)を行い、その後、週2回程の頻度で上記希釈液の葉面散布および灌水を行い、苗を生長させた。そして、50日間程度経過した後、生長した苗を、先述の土作りが行われたハウス内に植替え、その後10日間続けて上記希釈液による灌水を行い上記苗を活着させた。引き続き、週2回程度の頻度で、上記希釈液の葉面散布および灌水を行い続けることにより、目的とするピーマンを得た。
【0024】
【比較例】
まず、実施例と同様の農産物栽培用ハウスを準備し、ハウス内面積10アール当り、堆肥(牛生堆肥)4トンと、骨粉1.3トンと、化学肥料(新東8−8−8、新東肥料社製)200kgとをハウス内に入れ、よくかき混ぜ、土作りを行った。つぎに、上記のようにして得られた土壌に、メチルガス40kgを灌注した後、ハウスを密閉し、土壌をビニールによって覆い、このままの状態で2日間放置した後、ガス抜きを行い、ハウス内の殺菌・殺虫・除草を行った。
【0025】
つぎに、ピーマンの種子を、農薬溶液(ベンレート、日本曹達社製)中に一晩入れた後、この種子をシードルポットに移し、播種させ、さらに、ビニールで覆い、発芽させて苗にした。そして、約20日経過後、鉢上げ(植替え)を行い、その後、ハウス内に植付けをするまでの間、週3回程の頻度で、農薬溶液の散布を行い続けた〔コテツフロアブル(日本曹達社製)、モスピラン水溶液(日本農薬社製)およびカスケードフロアブル(BASF社製)を、週に各1回ずつ散布〕。そして、鉢上げから35日間程度経過した後、生長した苗を、先述の土作りが行われたハウス内に植替えた。その際、株元の株穴に、シンジエンタ社製アクタラ粒剤(ハウス内面積10アール当り9kg)を仕込んた。続いて、その後10日間続けて市販の液肥による灌水を行い上記苗を活着させた。引き続いて、週2回程度の頻度で、農薬溶液(ユーパレン、日本曹達社製)等で殺菌・殺虫を行い、さらに、チューブ灌水で化成液肥を流し続けることにより、目的とするピーマンを得た。
【0026】
このようにして得られた実施例および比較例のピーマンにおいて、その葉や茎を目視にて観察したところ、実施例のピーマンのほうが、比較例のものに比べ、葉の色がよく、茎も固いものとなっていることがわかった。また、実施例のほうが、ピーマンの色ツヤもよく、さらに、収量も多く、しかも、通常よりも長期間、鮮度保持性に優れることもわかった。しかも、実施例のピーマンと比較例のピーマンとを5人のパネラーが食べてみたところ、パネラー全員が、実施例のピーマンのほうが、糖度が高く、呈味性に優れていると示した。
【0027】
また、実施例のピーマンと比較例のピーマンのサルモネラ菌に対する抗菌力および溶血性ビブリオ菌に対する抗菌力を調べた。具体的には、各ピーマンの野菜汁を一定濃度の菌液に加え反応させた後、数段階に希釈して平板培地上に固定・培養し、形成したコロニー数(A)を測定し、他方、ブランクとして各野菜汁の代わりに生理食塩水を用い、同様の方法により形成したコロニー数(B)を測定し、下記の式(1)により抑制率を求めた。
【0028】
【数1】
抑制率(%)=(1−A/B)×100 …(1)
【0029】
このようにして実施例のピーマンのサルモネラ菌に対する抗菌力を測定した結果、その抑制率は94±3.3%であったのに対し、比較例における抑制率は89±4.5%であった。また、実施例のピーマンの溶血性ビブリオ菌に対する抗菌力を測定した結果、その抑制率は36±4.6%であったのに対し、比較例における抑制率は25±2.6%であった。これらの結果より、実施例のピーマンのほうが、サルモネラ菌および溶血性ビブリオ菌に対する抗菌性に優れていることがわかった。さらに、実施例および比較例のピーマンの野菜汁の抗酸化力をXYZ−dish法により測定し評価したところ、実施例のほうが抗酸化性に優れていることがわかった。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、本発明の農産物の製法は、特定の水溶性キトサン溶液を、農作物の栽培における所定の工程に効果的に用いることにより、病気に対し強くなり、無農薬とすることができ、また、連作障害を生じることもなく、しかも、生長がはやく、葉の色や根のなりもよく、さらに、得られた農産物においては、収量が多く、色ツヤがよく、鮮度保持性に優れ、また、栄養価、呈味性等にも優れている。さらに、上記農産物には、抗変異原物質や抗酸化性物質の含有割合も多く含まれ、健康面の改善効果も期待できる。
【0031】
特に、上記特定の水溶性キトサン溶液の希釈液による葉面散布を行うと、生長促進作用はもとより、抗菌性にも優れるため、一層病気になりにくいといった効果が得られる。
【0032】
また、上記生長した苗の植付けを行う土壌がハウス内にあると、ハウスでの栽培における病害やウィルスが蔓延しやすいといった問題が解決され、さらに、DDTガス等による消毒作業や害虫の駆除も不要となるため、ガス抜きの期間も不要となり、作業性に優れるようになる。
Claims (3)
- 播種前の農産物の種子を、下記の(A)に示すキトサン溶液に所定の時間浸漬する工程と、上記浸漬した種子を苗床に移し、上記キトサン溶液の希釈液による灌水を行って発芽させ、所定の植替えにより生長させる工程と、上記生長した苗を、上記キトサン溶液を乾燥してなるキトサン粉末が配合された土壌に植付けする工程とを備えていることを特徴とする農産物の製法。
(A)食用酸および紅コウジエキスにキトサンを溶解してなるキトサン溶液。 - 上記キトサン溶液の希釈液による葉面散布を行う請求項1記載の農産物の製法。
- 上記生長した苗の植付けを行う土壌がハウス内にある請求項1または2記載の農産物の製法。
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JP2002197485A JP2004033153A (ja) | 2002-07-05 | 2002-07-05 | 農産物の製法 |
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CN105052709A (zh) * | 2015-09-23 | 2015-11-18 | 界首市鲜天下家庭农场 | 一种五彩椒漂浮育苗的方法 |
CN105875174A (zh) * | 2016-06-16 | 2016-08-24 | 贵州省石阡和记绿色食品开发有限公司 | 一种辣椒种植方法 |
CN105993277A (zh) * | 2016-05-10 | 2016-10-12 | 广西兆和种业有限公司 | 一种玉米稳产高产栽培方法 |
-
2002
- 2002-07-05 JP JP2002197485A patent/JP2004033153A/ja active Pending
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