JP2004032900A - 電磁回転機 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化を損なうことなく、薄型化にする。
【解決手段】回転軸が下面側に延びるように一体的に構成される回転体101と、回転軸の周囲に固着され、回転体と一体に回転するリング状のロータマグネット61と、回転軸方向に延在しており、その先端部がロータマグネットの内周側と外周面側に所定の空隙をもって位置するように半径方向に対向する内ヨーク11と外ヨーク12を一体的に有すると共に、回転軸の軸受け手段431,432を前記内ヨークの内周側の空間に有する固定ヨーク14と、回転軸方向に延在した前記内ヨークと外ヨークが挿入される複数の貫通穴を有し、該複数の貫通穴のうち、櫛歯形状をした内ヨークと外ヨークもしくはいずれか一方が挿入される複数の貫通穴の周囲に、捲き方向が同一で捲き数も略等しい、電機子コイルとして機能する銅パターンコイル37が一体的に形成される回路基板31とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】回転軸が下面側に延びるように一体的に構成される回転体101と、回転軸の周囲に固着され、回転体と一体に回転するリング状のロータマグネット61と、回転軸方向に延在しており、その先端部がロータマグネットの内周側と外周面側に所定の空隙をもって位置するように半径方向に対向する内ヨーク11と外ヨーク12を一体的に有すると共に、回転軸の軸受け手段431,432を前記内ヨークの内周側の空間に有する固定ヨーク14と、回転軸方向に延在した前記内ヨークと外ヨークが挿入される複数の貫通穴を有し、該複数の貫通穴のうち、櫛歯形状をした内ヨークと外ヨークもしくはいずれか一方が挿入される複数の貫通穴の周囲に、捲き方向が同一で捲き数も略等しい、電機子コイルとして機能する銅パターンコイル37が一体的に形成される回路基板31とを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザービームプリンターに使用されるポリゴンミラースキャナモータやDVDドライブ装置のスピンドルモータに好適な電磁回転機の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のLBP(レーザービームプリンタ)は高速化と高精度化が要求される一方で、SOHO(Small Office and Home Office)向けとして、小型化や低価格化の要求も高まっている。レーザースキャナユニットの主要構成部品であるポリンゴンミラースキャナモータ(以下、単にスキャナモータとも記す)にも小型化が要求されているが、これは、発生トルクを落とさずに小型化する、さらに低振動化という、相反する特性を達成しなければならない。これらの要求を達成するために、軸方向にステータヨークが延びる形状のスピンドルモータ(PLAM:Parallel−Lined−Air−gap−Motor)が考案されている。例えば、特開2001−78416号公報に開示される電磁回転機がその好適例である。
【0003】
図10は、上記特開2001−78416号公報に開示されているスピンドルモータの構成例である。
【0004】
図10(a)は回転軸上から見たスピンドルモータの図であり、右半分はロータマグネット60、フランジ70、回転軸80、ポリゴンミラー100を含む回転体を除去している。
【0005】
図10(b)は回転軸に対して垂直な方向から見た平面図であり、左半分は回転軸を含む平面で切断した断面図、右半分は外ヨーク押え50を除去したときの平面図である。
【0006】
従来のアキシャルギャップモータと異なるところは磁気回路の構成であり、半径方向に延在した積層ステータコアの固定ヨークと該固定ヨークに倦回する捲き線コイルに代えて、軸方向に延在した固定ヨーク10と駆動コイル20を用いていることが特徴である。図示するように、一対の内ヨーク11と外ヨーク12は回転軸方向に延びて空隙を形成している。そのエアーギャップ中に図示するように円筒形状のロータマグネット60を配置して、該ロータマグネット60の内周側と外周側にそれぞれ2箇所を一対としたエアーギャップを形成しており、複数のエアーギャップ(対)が回転軸を中心に複数配設される。
【0007】
図10を用いて特開2001−78416号公報に開示されるスピンドルモータの基本構成を説明する。
【0008】
固定ヨーク10は、回転軸80を対称軸とした円筒部である内ヨーク11と該回転軸80に垂直なリング状底板部13、内ヨーク11の円筒面と平行で回転軸方向に伸びる複数の独立した対向面を持つ外ヨーク12から構成される。なお、特開2001−78416号公報においては、外ヨーク12に対応して独立した対向面を持つタイプの内ヨークも記述されている。図10においては、独立した対向面の数は6個である。すなわち、駆動コイル20の数も6個となり、同図においては外ヨーク14に倦回されている。固定ヨーク10は、絞り加工やMIM(Metal in Mold )等により一体加工が可能である。
【0009】
固定ヨーク10は回路基板30とともに軸受けスリーブ40に固定される。図においては、固定ヨーク10は軸受けスリーブ円筒部の外形に案内され挿入後、軸受けスリーブ円盤部41に接着され、回路基板30は軸受けスリーブ円盤部外周部42に形成された複数のカシメ部(不図示)により、軸受けスリーブ40にカシメ固定される。
【0010】
50は樹脂製の外ヨーク押えである。該外ヨーク押え50の内周側には外ヨーク12の形状に対応した溝(不図示)を形成して、外ヨーク12を挿入嵌合して押圧固定する。駆動コイル20も外ヨーク12に挿入されているため、外ヨーク押え50は同時に駆動コイル20も押圧固定する。図10においては、外ヨーク押え50の外ヨーク12への固定方法は圧入後接着である。外ヨーク押え50は、図示する電磁回転機の外装になると共に、ロータマグネット60との電磁相互作用による外ヨーク12の振動を抑制する。
【0011】
6個の駆動コイル20は、それぞれ順番にU,V,W相の電機子として通電される。ロータマグネット60の回転磁界は、通電されていない電機子からの起電力を検出することによりその回転位置が検出され、電機子への電流駆動回路(不図示)は、適切なタイミングにて各相のコイルの駆動電流を切り換える。かくして、ロータマグネット60を含む回転体はスムーズに回転する。
【0012】
次に、回転体の構成を説明する。
【0013】
フランジ70にアウトサート成形されたロータマグネット60は半径方向に交互に複数着磁される。図10(a)において、駆動コイル20および外ヨーク12の極数は6個であるため、ロータマグネット60の着磁極数は8極である。ロータマグネット60が図10(b)に示すエアーギャップ、すなわち内ヨーク11と外ヨーク12が作る空間に配設され、適切な駆動コイル20に通電されると、ロータマグネット60の内周側と外周側の両側面でトルクが発生する。ここが、ラジアルギャップモータと比較してスピンドルモータの発生トルクが大きくなる理由である。すなわち、ラジアルギャップモータでは、トルク発生場所はロータマグネットの内側かまたは外側の片周側1箇所であったが、図10に示すモータではトルク発生個所はロータマグネット60の内周側と外周側の2箇所になる。
【0014】
回転軸80は、スラスト方向はスラスト軸受け90で、ラジアル方向は流体軸受け(軸受けスリーブ40の内径部)で回動自在に支持される。スラスト軸受け90は平板であり、回転軸80のR形状端面部の一点を受ける。軸受けスリーブの内径には上下2箇所にラジアル動圧を発生させるための溝パターンが切ってある。1箇所のスラスト受けと2箇所のラジアル動圧で軸受けを支持することにより、軸触れを最小限に抑えている。ポリゴンミラー100はスキャナモータが完成した後、図10(b)に示すようにフランジ70の上に接着固定されている。
【0015】
駆動コイル20は、絶縁性の樹脂で成形されたボビン21に1軸の捲き線機を用いて捲き線可能である。線材22は端子ピン23に始端を絡げた後、ボビン21に倦回し終端は残りの端子ピン23に絡げて駆動コイル20が完成する。駆動コイル20は、図示するように外ヨーク12に挿入配設される。端子ピン23は回路基板30に形成された回路パターンに半田付けされて不図示の駆動回路から駆動電流を供給可能となる。各コイルはそれぞれ、U相、V相、W相として、適切な駆動電流制御が行われる。図10(b)左側の断面図に示すように、固定ヨーク10の内ヨーク11と外ヨーク12が作るエアーギャップはロータマグネット60と駆動コイル20で占められるから、駆動コイル20の一層あたりの捲き数とロータマグネット60のエアーギャップ部の有効長を調整することにより、さまざまな起動トルクと駆動電流の関係を持つモータ設計が可能となる。また、ラジアルギャップモータと比較して、捲き線スペースを広く取れるので、捲き数を多くでき、省電力設計が可能である。
【0016】
以上をまとめると、特開2001−78416号公報に示すスピンドルモータは、すなわち、軸方向にステータヨークが延びる形状であるため、軸受けの周りの空間を有効に利用でき、特にモータの半径方向の小型化が可能である。内ヨークと外ヨークが作る軸方向の細長いギャップ中にロータマグネットと駆動コイルを配設するため、前述したように、小型化をしても、一定の捲き線スペースを確保できるため、駆動電流を増やすことなく必要な発生トルクを得ることができる。さらに、ボビンに捲いたコイルを固定ヨークに配設する構成にしたので、1軸の安価な捲き線機にて組立できる。また、コイルの固定ヨークへの配設も簡単なので組立工数も削減できる。さらに、固定ヨークは鍛造やプレス加工で作れるため、大幅なコストダウンも可能となる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来例では、捲き線コイルの軸とロータマグネットの回転軸、さらにステータコアの延在方向と対称軸を平行に配置した構成(Parallel−Lined−Air−gap−Motor:PLAM)により、スキャナモータの小径化とトルクアップが可能である。
【0018】
一方、近年のレーザービームプリンタは小型化と低価格化が進み、スキャナモータにも小型薄型化と低価格が要求されている。図10に説明した従来例では、その構成から小径化は可能であるが、薄型化は困難であった。すなわち、回転軸に沿って、回路基板、固定ヨーク、駆動コイル、ロータマグネット、ポリゴンミラーが配置されるため、回転軸方向に一定の厚さが必要になるからである。本願出願人はこの点に鑑み、薄型化も達成できる装置を考えている。
【0019】
また、このように薄型化を達成した場合、軸方向の長さが短くなるため、従来のように回転軸方向の離れた2箇所に動圧発生場所を設けることで軸振れを抑制する構造にすることが困難になるため、新たな工夫も必要となってきていた。
【0020】
(発明の目的)
本発明の第1の目的は、小型化を損なうことなく、薄型化も達成することのできる電磁回転機を提供しようとするものである。
【0021】
本発明の第2の目的は、薄型化も達成しつつ、回転体の回転時の軸振れを抑えることのできる電磁回転機を提供しようとするものである。
【0022】
【問題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、請求項1、3〜8に記載の発明は、所定の長さに抑えられた回転軸が下面側に延びるように一体的に構成される回転体と、前記回転軸の周囲に配置され、前記回転体と一体に回転するリング状のロータマグネットと、それぞれが前記回転軸方向に延在しており、その先端部が前記ロータマグネットの内周側と外周面側に所定の空隙をもって位置するように半径方向に対向する、内ヨークと外ヨークを一体的に有すると共に、前記回転軸の軸受け手段を前記内ヨークの内周側の空間に有する固定ヨークと、前記回転軸方向に延在した前記内ヨークと外ヨークが挿入される複数の貫通穴を有し、該複数の貫通穴のうち、櫛歯形状をした前記内ヨークと外ヨークもしくはいずれか一方が挿入される複数の貫通穴の周囲に、捲き方向が同一で捲き数も略等しい、電機子コイルとして機能する銅パターンコイルが一体的に形成される回路基板とを有する電磁回転機であって、前記銅パターンコイルが一体的に形成された前記回路基板は、該回路基板の前記貫通穴を介して前記内ヨークと外ヨークに挿入されて前記固定ヨークの底面上側に位置し、前記ロータマグネットを一体に有する前記回転体は、その回転軸が前記固定ヨークの軸受け手段に対して回転可能に嵌合され、この状態において、前記内ヨークと外ヨークの先端部が前記ロータマグネットの内周側と外周面側に所定の空隙をもって位置する電磁回転機とするものである。
【0023】
同じく上記第1の目的を達成するために、請求項2〜8に記載の発明は、下面側に、所定の長さに抑えられた固定軸が挿入される回転スリーブが一体的に構成される回転体と、前記回転スリーブの周囲に配置され、前記回転体と一体に回転するリング状のロータマグネットと、それぞれが固定軸方向に延在しており、その先端部が前記ロータマグネットの内周側と外周面側に所定の空隙をもって位置するように半径方向に対向する、内ヨークと外ヨークを一体的に有すると共に、前記回転スリーブに挿入される前記固定軸を保持する軸受部を有する固定ヨークと、前記固定軸方向に延在した前記内ヨークと外ヨークが挿入される複数の貫通穴を有し、該複数の貫通穴のうち、櫛歯形状をした前記内ヨークと外ヨークもしくはいずれか一方が挿入される複数の貫通穴の周囲に、捲き方向が同一で捲き数も略等しい、電機子コイルとして機能する銅パターンコイルが一体的に形成される回路基板とを有する電磁回転機であって、前記銅パターンコイルが一体的に形成された前記回路基板は、該回路基板の前記貫通穴を介して前記内ヨークと外ヨークに挿入されて前記固定ヨークの底面上側に位置し、前記ロータマグネットを一体に有する前記回転体は、その回転スリーブが前記固定ヨークの軸受部に保持された前記固定軸に対して回転可能に嵌合され、この状態において、前記内ヨークと外ヨークの先端部が前記ロータマグネットの内周側と外周面側に所定の空隙をもって位置する電磁回転機とするものである。
【0024】
また、上記第2の目的を達成するために、請求項9に記載の発明は、前記内ヨークの内周側の空間に配置される前記軸受け手段の、前記回転軸と直交し前記回転体の底面と接触する面に、スラスト軸受け機能を有する動圧発生部を1箇所設け、前記回転軸が挿入される穴部の側面に、ラジアル軸受け機能を有する動圧発生部を1箇所設けており、前記動圧発生部は、前記回転体の回転時に動圧発生を担う流体が流入する所定の角度方向に切られた複数の溝パターンによって構成される請求項1に記載の電磁回転機とするものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0026】
図1は本発明の実施の第1の形態に係る電磁回転機の一例であるスキャナモータの構成例を示す図であり、従来例と同じ部品や構成についての説明は省略する。図1(a)は、回転体であるポリゴンミラー100とロータマグネット61を外したときの軸方向から見た平面図であり、図1(b)は、回転軸に対して垂直な方向から、回転軸を含む平面で切断した断面図である。
【0027】
図10に示した従来例と異なるところは、第1に、回転体の構成であり、従来例におけるフランジ70を廃止して、ポリゴンミラー100に回転軸101を一体的に構成し、薄型化されたリング状のロータマグネット61をポリゴンミラー100の下面の前記回転軸101の周りに固着している。
【0028】
第2に、電機子の構成であり、一体的に構成された固定ヨーク14の内ヨーク11と外ヨーク12を回路基板31の穴部に挿入し、該回路基板31を固定ヨーク底部13に固着する構成としている。さらに、従来例における駆動コイル20を廃止して、外ヨーク12の周囲の回路基板31上に銅パターンコイル37を形成している。この銅パターンコイル37は、それぞれ、層間結線穴32と銅パターン38等を用いて結線され、駆動用ICから電流が供給されると電機子コイルとして機能する。図1においては、3相12スロット16磁極Y字結線のブラシレスモータである。銅パターンコイル37の捲き数は、該銅パターンコイル37が回路基板31の両面に形成されているため、32ターン/相である(4ターン×2面×4スロット)。また、ロータマグネット61の回転位置検出方法は、電機子の逆起電力を検出する方法を取っている。
【0029】
第3に、軸受け手段の構成であり、従来の、ラジアル軸受け2箇所(軸受けスリーブ40の内径部(上下2箇所に切られたラジアル動圧を発生させる為の溝パターン))とスラスト受け1箇所(スラスト軸受け90)で受ける構成であったのに対して、ラジアル軸受け1箇所(後述する図4のラジアル軸受け溝パターン47)とスラスト軸受け1箇所(後述する図4のスラスト軸受け溝パターン45)で受ける構成に代えている。
【0030】
上述した第1及び第2の構成にすることにより、スキャナモータの薄型化が実現する。さらに、薄型化を実現する際の工夫として、駆動用IC34やコネクタやAl(アルミニウム)電解コンデンサ等の厚みのある面実装部品35は、ポリゴンミラー100が配置される面に、その他、チップ抵抗やチップコンデンサ等の面実装部品36はその反対側の面に実装されている。
【0031】
そして、第3の構成にすることにより、上記薄型化を達成しつつ、軸振れを抑制することが可能となる(詳細は後述する)。
【0032】
図2(a)を用いて、実施の第1の形態における銅パターンコイル37の結線の仕方の一例について説明する。
【0033】
同図において、表面銅パターンコイル371はCCW(反時計回り)で、外側から内側に捲かれる。捲き始めは駆動用ICの駆動電流出力端子(不図示)に結線される。表面が捲き終わると、層間結線穴32(同図では、破線で表示)を介して裏面銅パターンコイル372の捲き始めに結線され、CCW方向で、内側から外側に向かって捲かれることで、裏面銅パターンコイル372は完成する。裏面銅パターンコイル372の捲き終わりは、層間結線穴32(図中、破線で表示)を介して表面へ移り、次の同相スロットの表面銅パターンコイル捲き始めに結線される。上記手順を繰り返して電機子捲き線は完成する。
【0034】
図3は、固定ヨーク14を回転軸方向、ポリゴンミラー取付け側から見た平面図である。
【0035】
図示する形状は、平板板金から絞り/プレス加工にて安価に製作できる。従来例と異なるところは、外ヨーク12より外側に固定ヨーク底板部が延在して固定ヨーク底板延在部15を成し、スキャナモータをスキャナユニット光学箱等の基台に位置決め固定する機能を果たすことである。
【0036】
固定用穴16は図1(a)に示す取付け穴39のうち、回転軸に対して点対称に配置された2個の位置に対応しており、回路基板31とともに固体ヨーク14は、基台に位置決め固定される。回路基板31は、接着剤や両面テープを用いて固定ヨーク14に予め固着されていても良い。図1に示す残りの取り付け穴39は回路基板31のみを基台に固定する。これは、回路基板31の反りや共振防止のためであり、スキャナモータの特性に影響のない程度であれば廃止してもよい。
【0037】
図3において、基台への取付けに使用する固定用穴は2箇所だけであるが、必要であれば取付け箇所を増やしてもよい。また、使用しない固定ヨーク延在部15は廃止しても良い。
【0038】
内ヨーク内周側空洞部17には軸受けが配設される。図1に示される固定スリーブ431,432は樹脂から成り、固定ヨーク14に一体的にアウトサートモールドされる。樹脂には熱伝導性の高い材料が最適であり、さらに、内ヨーク11が放熱板として機能するため、回転軸(または回転スリーブ)と固定スリーブ(または固定軸)との摺動摩擦により発生する熱は効果的に発散される。摺動性を良好にするため、固定スリーブや固定軸の材料として、含油樹脂や含油金属を用いても良い。
【0039】
本実施の形態の特徴の一つは、軸振れを抑える軸受け手段として、従来例ではラジアル軸受けを軸方向に2箇所配置していたが、本実施の形態では薄型化を実現する為に回転軸方向の長さが短く、動圧発生部としてのラジアル軸受けを2箇所設けることは困難であることから、前述したようにラジアル軸受け1箇所とスラスト軸受け1箇所の構成にしたことである。そしてこの実施の形態では、軸受けは流体軸受けとし、摺動面には潤滑油が保持される。
【0040】
図4(b)は、固定スリーブ431と432の断面図である。
【0041】
図示するように、ポリゴンミラー100の回転軸101(図1参照)との摺動面にラジアル軸受け1箇所として、ラジアル軸受け溝パターン47が形成され、スラスト軸受け1箇所としてのスラスト軸受け溝パターン45は、固定スリーブ431のつば部上面(図中、A部破線)、または、固定スリーブ432の穴部底面上部(図中、破線)に形成される。かくして、図1のような薄型化された構成でありながら、その中央部に生まれる空間(内ヨークの内周側の空間)を生かした、軸振れを抑えるための軸受け手段が実現する。
【0042】
流体軸受けにおいては油の保持と流出防止対策が必要であり、回転体が停止している時は、潤滑油はそれぞれ、溝パターンの両側に配置した油溜り46に保持される。回転時は溝パターンが圧力を発生するため、潤滑油はラジアル軸受け溝パターン部47とスラスト軸受け溝パターン45部の2箇所にリング状に集中して動圧を発生して回転体の軸振れを最小に保持する。また、軸挿入時の摺動部への気泡混入防止手段として、空気抜き穴49が構成される。空気抜き穴49は、潤滑油不足時の補給用穴としても利用できる。
【0043】
図4(a)は、固定スリーブ431のスラスト軸受け溝パターン45の詳細を示した平面図である。
【0044】
回転体の遠心力を考慮した溝パターン設計が成されており、潤滑油の飛散を防止するものである。図示するように、スラスト軸受け外側溝パターン451の中心線453に対する角度は、スラスト軸受け内側パターン452よりも大きく本数も多い。すなわち、各溝パターンが発生する圧力は以下の関係(図4(c)も参照)を満たすため、潤滑油は飛散することなく効果的に溝パターン部に集中し動圧を発生する。
【0045】
(起動時)
外側溝パターン451から発生する内周へ向かう圧力 > 内側溝パターン452から発生する外周へ向かう圧力 + 動圧発生を担う流体が受ける遠心力
………… 式(1)
(定格回転時)
外側溝パターン451から発生する内周へ向かう圧力 ≒ 内側溝パターン452から発生する外周へ向かう圧力 + 動圧発生を担う流体が受ける遠心力
………… 式(2)
図5は、回転体であるポリゴンミラー100の部分断面図(図5(a))と平面図(図5(b))である。
【0046】
ポリゴンミラーの面数と寸法はレーザービームプリンタが要求する仕様やモータ回転数により異なるが、図示するポリゴンミラー100は4面、対角長20mm、厚さは2mm程度であり、一般的な寸法である。図示するポリゴンミラーは、厚板Al(アルミニウム)板より抜き打ち成型加工後(ニアネットシェイプ加工)、ミラー面と回転軸101の摺動面が高精度に切削加工される。
【0047】
特徴は、回転軸101が一体的に加工されることであり、これは、回転軸長を短くすることにより可能となる。軸長は、母材板厚の1.5倍程度まで可能であり、本実施の形態においては1.5〜2mm程度であるが、必要であれば3mm程度まで成型可能である。
【0048】
図5(a)の破線で図示する位置104にロータマグネット61が固着される。103は接着剤塗布用の溝である。また、回転体の質量バランスを補正するために、バランス調整樹脂塗布用溝102もロータマグネット61固着面と反対側の面に形成される。
【0049】
(実施の第2の形態)
発生トルクを増やしたいときは、内ヨークをリング形状からスロット形状(櫛歯形状)に変えることもできる。
【0050】
図6はスロット形状の内ヨーク18を利用したものであるが、1スロットあたりの発生トルクが大きくなった分、総スロット数を6スロットにしたため、モータとしての総発生トルクは図1に示す実施の第1の形態と同程度である。また、ホール素子351を配置して、ロータマグネット61の回転位置検出をしている。なお、図1等と同じ構成部分についてはその説明は省略する。
【0051】
本発明の実施の第2の形態においては、銅パターンコイルを内ヨーク18の周囲に構成することも可能である。銅パターンコイルの結線方法の一例を、図2(b)に示す。表面銅パターン外コイル(CCW)373から層間結線穴を介して裏面銅パターン外コイル(CCW)374、裏面銅パターン内コイル(CW)、層間結線穴を介して表面銅パターン内コイル(CW)へと結線される。以下同様にして、3相Y字結線が完成する。
【0052】
図6においては6スロット構成で、1相あたりの捲き数は32ターン((4ターン+4ターン)×2面×2スロット)であるが、スロット数を増やせば捲き数を増やすことができる。すなわち、トルク定数を大きくできるため、発生トルクを落とさずに駆動電流を減らせるため、省電力化に効果がある。具体的には、12スロットにした場合、1相あたり62ターン((4ターン+4ターン)×2面×4スロット)となり、駆動電流は半減する。
【0053】
(実施の第3の形態)
さらに、1相あたりの銅パターンコイルの捲き数を増やしたい場合は、図7に示すハイブリッド多層基板311を利用する。ハイブリッド多層基板により、内層同士の銅パターンを結線するための内層間結線穴321の形成が可能となる。なお、図1等と同じ構成部分についてはその説明は省略する。
図7においては、4層のハイブリッド多層基板が使われている。モータが12スロットであれば、1相あたりの捲き数は62ターン(4ターン×4層×4スロット)になる。図6に示したスロット形状の内ヨーク18にして該内ヨーク18にも銅パターンコイルを倦回すれば124ターン/ 相となり、大幅に駆動電流を減らすことができる。
【0054】
そして、ハイブリッド多層基板311を利用すると、抵抗やコンデンサ等の受動部品は内層に形成することが可能となる(層内実装部品361)。また、ハイブリッド多層基板311の最外層の一部を削り取り、駆動用ICチップ341を直接実装、ランドパターンと結線後、封入用樹脂で埋め込み、さらに、コネクタやAl電解コンデンサ等の厚い面実装部品をポリゴンミラー100の取付け面とは反対側の回路基板面に実装することにより、ポリゴンミラー100の取付け側の回路基板面の実装部品を廃止することができる。
【0055】
以上の構成により、任意の方向からポリゴンミラー100へ向けてレーザー光束の入射が可能になり、スキャナモータの基台への装着の自由度が増す。
【0056】
(実施の第4の形態)
図8は、軸受け手段として、回転スリーブと固定軸を使用した、本発明の実施の第4の形態に係る主要部分の構成を示す断面図と部分断面図である。なお、図1等と同じ構成部分についてはその説明は省略する。
【0057】
ポリゴンミラー100には回転スリーブ105が一体的に形成される。回転スリーブ付のポリゴンミラー100は、Al板より抜き打ち成型加工後(ニアネットシェイプ加工)、ミラー面と回転スリーブ105の摺動面が高精度の切削加工される。
【0058】
固定軸44は内ヨーク内周側空洞部17(図3参照)に配設される。図示の固定軸44は樹脂製であり、固定ヨーク14に一体的にアウトサートモールドされる。樹脂には熱伝導性の高い材料が最適であり、さらに、内ヨーク11が放熱板として機能するため、回転スリーブ105と固定軸44との摺動摩擦により発生する熱は効果的に発散される。摺動性を良好にするため、固定スリーブや固定軸の材料として、含油樹脂や含油金属を用いても良い。
【0059】
図8に示す本発明の実施の第4の形態における特徴の一つは、起動時の摺動トルクを低減するために、固定軸44のポリゴンミラー受け面中央部に、ポリゴンミラー100を1点で受けるための小突起、回転体受け部443を形成したことである。
【0060】
ポリゴンミラー100が停止している間は、ポリゴンミラー100は回転体受け部443の1点で支持される。回転体受け部443の突起部の高さはごく僅かであり、ポリゴンミラー100が回転を開始してスラスト動圧発生場所442(図8(b)に破線で囲んで示す)に動圧が発生すると、ポリゴンミラー100は回転体受け部443を離れ、スラスト動圧とラジアル動圧で回動自在に支持される。
【0061】
このような構成にすることにより、モータの起動電流を低く抑えることが可能になり、駆動回路や銅パターンコイルの熱設計が容易になる。つまり、回路パターンを細く設計できるため、ICチップの小型化や、電機子コイルの捲き数を増やせる。
【0062】
図8(b)において、油溜り444は3箇所、油飛散防止壁445は1箇所示される。ポリゴンミラー100の停止中は、潤滑油は油溜り444に保持されるが、回転し始めて一旦動圧が発生すると、潤滑油は速やかにラジアル動圧発生溝パターン441の中央部とスラスト動圧発生場所442に集中して、軸振れを最小に抑えた動圧軸受けを構成する。
【0063】
(実施の第5の形態)
図9は本発明の実施の第5の形態に係るスキャナモータの、スキャナユニット光学箱等の基台への位置決め固定のし方を示す断面図である。なお、図1等と同じ構成部分についてはその説明は省略する。
【0064】
内ヨーク内周側空洞部17(図3参照)の固定スリーブまたは固定軸が占めない空間に、基台円筒状突起部110を嵌合することにより、スキャナモータが位置決めされる。さらに、固定ヨーク底板延在部に図示するように段差を設けて(固定ヨーク底板延在部段差151)、基台に設けられた係止機構120に回転挿入してスキャナモータを固定している。
【0065】
本実施の第5の形態においては止めねじを必要としないため、回路基板31は接着剤や粘着テープ等で固定ヨーク14のリング状底板部13に固着される。
【0066】
最後に、本発明の実施の各形態における特徴的な構成についてまとめて説明する。
【0067】
1)フランジと回転軸を廃止して、回転体(ポリゴンミラー100)を回転軸101または回転スリーブ105と一体的に構成し、さらに、該回転体に円筒状のロータマグネット61を固着する。前記回転軸101は回転体と一体的に加工されるが、これは回転軸長を所定の長さに抑えていることにより可能である。又前記回転スリーブ105に挿入される固定軸も軸方向の長さを短くする為にその軸長を所定の長さに抑えている。
【0068】
2)内ヨーク11(18)と外ヨーク12を具備する固定ヨーク104(図3参照)に対して、内外ヨークの位置に形成された複数の貫通穴を持つ回路基板31に挿入し(図1参照)、該固定ヨーク104の底面上側に前記回路基板31を固着すると共に、内ヨーク11と外ヨーク12、前記回路基板31で囲まれる円筒状空間に、前記内ヨーク11と外ヨーク12に対して半径方向に一定の空隙を持って対向するようにリング状のロータマグネット61を固着する。
【0069】
3)ボビンと線材、端子ピンから成る駆動コイルを廃止して、代わりに、回路基板31上の貫通穴の周囲の片面または両面(例えば図1参照)に、さらには内層パターン面(図7参照)に、捲き方向を同一にして捲き数も概略等しい銅パターンコイル371〜376を形成し、該銅パターンコイルをそれぞれ、スルーホールや銅パターンを用いて結線する(図2参照)ことにより、電機子コイルとして機能させる。
【0070】
上記1)〜3)の構成により、駆動コイル20を廃止し、ロータマグネット61の軸方向の寸法を短くして、固定ヨークの軸方向の寸法を短くできる。固定ヨーク104の構成は、従来例とほぼ同形状であり、回転軸方向に延在する形状をし、半径方向に対向した内ヨークと外ヨークを有する。つまり、小形で高トルクを有する従来のスピンドルモータの構成(内ヨークと外ヨークでロータマグネットを挟む構成)はそのまま継承している。
【0071】
なお、回転体(ポリゴンミラー100)と一体的に形成された回転軸101または回転スリーブ105を受ける、固定スリーブ431,432または固定軸44を、内ヨーク11,18の内周側の空間に配設することによっても、軸方向の寸法を抑えることができる。
【0072】
4)また、軸受け手段に、図4にて説明したように、ラジアル動圧1箇所とスラスト動圧1箇所の組合せで軸振れを抑える構成にしている。よって、スキャナモータ等の電磁回転機の薄型化を損なうことなく、回転体の軸振れを抑えることができる。
【0073】
その他の詳細な構成として
5)回転体と一体的に形成された回転軸を受ける固定スリーブ、または、回転体と一体的に形成された回転スリーブを受ける固定軸は、内ヨークの内周面に嵌合されるか、または、前記内ヨークの内周側に、前記固定ヨークと一体的に形成される。
【0074】
6)回転軸と固定スリーブまたは回転スリーブと固定軸とで構成される軸受け手段もしくは軸受け部は、すべり軸受けかまたは動圧軸受けであり、それぞれ、ラジアル軸受け部とスラスト軸受け部、油溜り部、油飛散防止部から構成され、前記スラスト軸受け部の動圧発生を担う流体が流入する溝パターンは、外側溝パターンが発生する外周から内周への圧力が、内側溝パターンが発生する内周から外周への圧力より大きくなるように設計されており、その差は、電磁回転機の定格回転時に発生する動圧発生用流体の受ける遠心力に概略等しくしている。
【0075】
7)固定スリーブまたは固定軸は、固定ヨークの内ヨークの内周側に樹脂材料を一体的にモールド成型して成る。
【0076】
8)内ヨークより内周側に形成される回転スリーブを受ける固定軸の端面には、図8に示すように、同心円状にスラスト受け部が形成され、該スラスト受け部の内周と外周には油溜り444が形成され、中心部には前記スラスト受け部よりも僅かに突出した回転体受け部443が形成されている。よって、軸振れを抑制することができる。
【0077】
9)内ヨーク(もしくは外ヨークでも良い)は、回転体の軸中心と一致した対称軸をもつ円筒形状をし、外ヨーク(もしくは内ヨーク)は、回転体の軸中心の周りに点対称で複数配列される櫛歯形状をしている。
【0078】
10)図6に示すように、内ヨークと外ヨークは対を成してそれぞれ、回転体の軸中心の周りに点対称で複数配列される櫛歯形状をしている。
【0079】
11)銅パターンコイルは、図1に示すように、回路基板の上下の面上の複数の貫通穴の周囲に形成されている。なお、回路基板の上下の面うちの少なくとも一方の面に形成されていても良い。
【0080】
12)図7に示すように、回転基板は複数の層より成る多層基板であり、銅パターンコイルは各層の前記複数の貫通穴の周囲に形成され、それぞれの銅パターンコイルは層間結線穴を介する導体パターンで結線される。
【0081】
13)図9に示すように、固定ヨークの底面の、内ヨークの内周側に円筒状空間が形成されており、基台に設けられた円筒状突起部(110)が前記円筒状空間に嵌合することにより、電磁回転機の位置決めがなされる。
【0082】
14)同じく図9に示すように、固定ヨークは底面から外周側に延在する複数の延在部を有し、該複数の延在部の一部または全部の先端に、回路基板が固着される側とは反対側に段差(151)が形成され、該段差に基台に設けられた鉤状固定部(120)に回転挿入され、電磁回転機の前記基台に対しての固定がなされる。
【0083】
以上のように、本実施の各形態のスキャナモータにおいては、例えば回転体に回転軸を一体化し、電機子機能を回路パターンに統合してコイル部品を廃止し、軸受けを内ヨークの空きスペースに配設している。その一方で、スピンドルモータの磁気回路の特徴である内ヨークと外ヨークで駆動マグネットを挟む構成にしているので、駆動トルクを確保しながら大幅な軸方向寸法の短縮、薄型化を実現できる。よって、近年の小型レーザービームプリンタに最適な薄型キャナモータを提供できることとなる。
【0084】
また、ラジアル動圧1箇所とスラスト動圧1箇所の組合せで軸振れを抑える構成にしているので、薄型化を損なうことなく、回転体の軸振れも抑えることができる。
【0085】
なお、上記実施の各形態では、ポリゴンミラースキャナモータを例にしているが、これに限定されるものではなく、ポリゴンミラー以外の回転体、例えば光ディスクや磁気ディスク等を駆動する電磁回転機であれば同様に適用できるものである。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、小型化を損なうことなく、薄型化も達成したり、さらには、回転体の回転時の軸振れを抑えることができる電磁回転機を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態に係るスキャナモータの平面及び断面を示す図である。
【図2】本発明の実施の第1及び第2の形態に係る銅パターンコイルを結線する方法を説明する為の斜視図である。
【図3】本発明の実施の第1の形態に係る固定ヨークを示す平面図である。
【図4】本発明の実施の第1の形態に係る固定スリーブの断面とスラスト軸受け溝パターンの平面を示す図である。
【図5】本発明の実施の第1の形態に係る回転体であるポリゴンミラーの断面と平面を示す図である。
【図6】本発明の実施の第2の形態に係るスキャナモータの平面と断面を示す図である。
【図7】本発明の実施の第3の形態に係るスキャナモータを示す断面図である。
【図8】本発明の実施の第4の形態に係るスキャナモータを示す断面図である。
【図9】本発明の実施の第5の形態に係るスキャナモータの基台への位置決めと取付け方法を説明する為の断面図である。
【図10】従来のスピンドルモータの平面及び断面を示す図である。
【符号の説明】
11 内ヨーク
12 外ヨーク
14 固定ヨーク
31 回路基板
37 銅パターンコイル
44 固定軸
61 ロータマグネット
100 ポリゴンミラー
101 回転軸
105 回転スリーブ
431,432 固定スリーブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザービームプリンターに使用されるポリゴンミラースキャナモータやDVDドライブ装置のスピンドルモータに好適な電磁回転機の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のLBP(レーザービームプリンタ)は高速化と高精度化が要求される一方で、SOHO(Small Office and Home Office)向けとして、小型化や低価格化の要求も高まっている。レーザースキャナユニットの主要構成部品であるポリンゴンミラースキャナモータ(以下、単にスキャナモータとも記す)にも小型化が要求されているが、これは、発生トルクを落とさずに小型化する、さらに低振動化という、相反する特性を達成しなければならない。これらの要求を達成するために、軸方向にステータヨークが延びる形状のスピンドルモータ(PLAM:Parallel−Lined−Air−gap−Motor)が考案されている。例えば、特開2001−78416号公報に開示される電磁回転機がその好適例である。
【0003】
図10は、上記特開2001−78416号公報に開示されているスピンドルモータの構成例である。
【0004】
図10(a)は回転軸上から見たスピンドルモータの図であり、右半分はロータマグネット60、フランジ70、回転軸80、ポリゴンミラー100を含む回転体を除去している。
【0005】
図10(b)は回転軸に対して垂直な方向から見た平面図であり、左半分は回転軸を含む平面で切断した断面図、右半分は外ヨーク押え50を除去したときの平面図である。
【0006】
従来のアキシャルギャップモータと異なるところは磁気回路の構成であり、半径方向に延在した積層ステータコアの固定ヨークと該固定ヨークに倦回する捲き線コイルに代えて、軸方向に延在した固定ヨーク10と駆動コイル20を用いていることが特徴である。図示するように、一対の内ヨーク11と外ヨーク12は回転軸方向に延びて空隙を形成している。そのエアーギャップ中に図示するように円筒形状のロータマグネット60を配置して、該ロータマグネット60の内周側と外周側にそれぞれ2箇所を一対としたエアーギャップを形成しており、複数のエアーギャップ(対)が回転軸を中心に複数配設される。
【0007】
図10を用いて特開2001−78416号公報に開示されるスピンドルモータの基本構成を説明する。
【0008】
固定ヨーク10は、回転軸80を対称軸とした円筒部である内ヨーク11と該回転軸80に垂直なリング状底板部13、内ヨーク11の円筒面と平行で回転軸方向に伸びる複数の独立した対向面を持つ外ヨーク12から構成される。なお、特開2001−78416号公報においては、外ヨーク12に対応して独立した対向面を持つタイプの内ヨークも記述されている。図10においては、独立した対向面の数は6個である。すなわち、駆動コイル20の数も6個となり、同図においては外ヨーク14に倦回されている。固定ヨーク10は、絞り加工やMIM(Metal in Mold )等により一体加工が可能である。
【0009】
固定ヨーク10は回路基板30とともに軸受けスリーブ40に固定される。図においては、固定ヨーク10は軸受けスリーブ円筒部の外形に案内され挿入後、軸受けスリーブ円盤部41に接着され、回路基板30は軸受けスリーブ円盤部外周部42に形成された複数のカシメ部(不図示)により、軸受けスリーブ40にカシメ固定される。
【0010】
50は樹脂製の外ヨーク押えである。該外ヨーク押え50の内周側には外ヨーク12の形状に対応した溝(不図示)を形成して、外ヨーク12を挿入嵌合して押圧固定する。駆動コイル20も外ヨーク12に挿入されているため、外ヨーク押え50は同時に駆動コイル20も押圧固定する。図10においては、外ヨーク押え50の外ヨーク12への固定方法は圧入後接着である。外ヨーク押え50は、図示する電磁回転機の外装になると共に、ロータマグネット60との電磁相互作用による外ヨーク12の振動を抑制する。
【0011】
6個の駆動コイル20は、それぞれ順番にU,V,W相の電機子として通電される。ロータマグネット60の回転磁界は、通電されていない電機子からの起電力を検出することによりその回転位置が検出され、電機子への電流駆動回路(不図示)は、適切なタイミングにて各相のコイルの駆動電流を切り換える。かくして、ロータマグネット60を含む回転体はスムーズに回転する。
【0012】
次に、回転体の構成を説明する。
【0013】
フランジ70にアウトサート成形されたロータマグネット60は半径方向に交互に複数着磁される。図10(a)において、駆動コイル20および外ヨーク12の極数は6個であるため、ロータマグネット60の着磁極数は8極である。ロータマグネット60が図10(b)に示すエアーギャップ、すなわち内ヨーク11と外ヨーク12が作る空間に配設され、適切な駆動コイル20に通電されると、ロータマグネット60の内周側と外周側の両側面でトルクが発生する。ここが、ラジアルギャップモータと比較してスピンドルモータの発生トルクが大きくなる理由である。すなわち、ラジアルギャップモータでは、トルク発生場所はロータマグネットの内側かまたは外側の片周側1箇所であったが、図10に示すモータではトルク発生個所はロータマグネット60の内周側と外周側の2箇所になる。
【0014】
回転軸80は、スラスト方向はスラスト軸受け90で、ラジアル方向は流体軸受け(軸受けスリーブ40の内径部)で回動自在に支持される。スラスト軸受け90は平板であり、回転軸80のR形状端面部の一点を受ける。軸受けスリーブの内径には上下2箇所にラジアル動圧を発生させるための溝パターンが切ってある。1箇所のスラスト受けと2箇所のラジアル動圧で軸受けを支持することにより、軸触れを最小限に抑えている。ポリゴンミラー100はスキャナモータが完成した後、図10(b)に示すようにフランジ70の上に接着固定されている。
【0015】
駆動コイル20は、絶縁性の樹脂で成形されたボビン21に1軸の捲き線機を用いて捲き線可能である。線材22は端子ピン23に始端を絡げた後、ボビン21に倦回し終端は残りの端子ピン23に絡げて駆動コイル20が完成する。駆動コイル20は、図示するように外ヨーク12に挿入配設される。端子ピン23は回路基板30に形成された回路パターンに半田付けされて不図示の駆動回路から駆動電流を供給可能となる。各コイルはそれぞれ、U相、V相、W相として、適切な駆動電流制御が行われる。図10(b)左側の断面図に示すように、固定ヨーク10の内ヨーク11と外ヨーク12が作るエアーギャップはロータマグネット60と駆動コイル20で占められるから、駆動コイル20の一層あたりの捲き数とロータマグネット60のエアーギャップ部の有効長を調整することにより、さまざまな起動トルクと駆動電流の関係を持つモータ設計が可能となる。また、ラジアルギャップモータと比較して、捲き線スペースを広く取れるので、捲き数を多くでき、省電力設計が可能である。
【0016】
以上をまとめると、特開2001−78416号公報に示すスピンドルモータは、すなわち、軸方向にステータヨークが延びる形状であるため、軸受けの周りの空間を有効に利用でき、特にモータの半径方向の小型化が可能である。内ヨークと外ヨークが作る軸方向の細長いギャップ中にロータマグネットと駆動コイルを配設するため、前述したように、小型化をしても、一定の捲き線スペースを確保できるため、駆動電流を増やすことなく必要な発生トルクを得ることができる。さらに、ボビンに捲いたコイルを固定ヨークに配設する構成にしたので、1軸の安価な捲き線機にて組立できる。また、コイルの固定ヨークへの配設も簡単なので組立工数も削減できる。さらに、固定ヨークは鍛造やプレス加工で作れるため、大幅なコストダウンも可能となる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来例では、捲き線コイルの軸とロータマグネットの回転軸、さらにステータコアの延在方向と対称軸を平行に配置した構成(Parallel−Lined−Air−gap−Motor:PLAM)により、スキャナモータの小径化とトルクアップが可能である。
【0018】
一方、近年のレーザービームプリンタは小型化と低価格化が進み、スキャナモータにも小型薄型化と低価格が要求されている。図10に説明した従来例では、その構成から小径化は可能であるが、薄型化は困難であった。すなわち、回転軸に沿って、回路基板、固定ヨーク、駆動コイル、ロータマグネット、ポリゴンミラーが配置されるため、回転軸方向に一定の厚さが必要になるからである。本願出願人はこの点に鑑み、薄型化も達成できる装置を考えている。
【0019】
また、このように薄型化を達成した場合、軸方向の長さが短くなるため、従来のように回転軸方向の離れた2箇所に動圧発生場所を設けることで軸振れを抑制する構造にすることが困難になるため、新たな工夫も必要となってきていた。
【0020】
(発明の目的)
本発明の第1の目的は、小型化を損なうことなく、薄型化も達成することのできる電磁回転機を提供しようとするものである。
【0021】
本発明の第2の目的は、薄型化も達成しつつ、回転体の回転時の軸振れを抑えることのできる電磁回転機を提供しようとするものである。
【0022】
【問題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、請求項1、3〜8に記載の発明は、所定の長さに抑えられた回転軸が下面側に延びるように一体的に構成される回転体と、前記回転軸の周囲に配置され、前記回転体と一体に回転するリング状のロータマグネットと、それぞれが前記回転軸方向に延在しており、その先端部が前記ロータマグネットの内周側と外周面側に所定の空隙をもって位置するように半径方向に対向する、内ヨークと外ヨークを一体的に有すると共に、前記回転軸の軸受け手段を前記内ヨークの内周側の空間に有する固定ヨークと、前記回転軸方向に延在した前記内ヨークと外ヨークが挿入される複数の貫通穴を有し、該複数の貫通穴のうち、櫛歯形状をした前記内ヨークと外ヨークもしくはいずれか一方が挿入される複数の貫通穴の周囲に、捲き方向が同一で捲き数も略等しい、電機子コイルとして機能する銅パターンコイルが一体的に形成される回路基板とを有する電磁回転機であって、前記銅パターンコイルが一体的に形成された前記回路基板は、該回路基板の前記貫通穴を介して前記内ヨークと外ヨークに挿入されて前記固定ヨークの底面上側に位置し、前記ロータマグネットを一体に有する前記回転体は、その回転軸が前記固定ヨークの軸受け手段に対して回転可能に嵌合され、この状態において、前記内ヨークと外ヨークの先端部が前記ロータマグネットの内周側と外周面側に所定の空隙をもって位置する電磁回転機とするものである。
【0023】
同じく上記第1の目的を達成するために、請求項2〜8に記載の発明は、下面側に、所定の長さに抑えられた固定軸が挿入される回転スリーブが一体的に構成される回転体と、前記回転スリーブの周囲に配置され、前記回転体と一体に回転するリング状のロータマグネットと、それぞれが固定軸方向に延在しており、その先端部が前記ロータマグネットの内周側と外周面側に所定の空隙をもって位置するように半径方向に対向する、内ヨークと外ヨークを一体的に有すると共に、前記回転スリーブに挿入される前記固定軸を保持する軸受部を有する固定ヨークと、前記固定軸方向に延在した前記内ヨークと外ヨークが挿入される複数の貫通穴を有し、該複数の貫通穴のうち、櫛歯形状をした前記内ヨークと外ヨークもしくはいずれか一方が挿入される複数の貫通穴の周囲に、捲き方向が同一で捲き数も略等しい、電機子コイルとして機能する銅パターンコイルが一体的に形成される回路基板とを有する電磁回転機であって、前記銅パターンコイルが一体的に形成された前記回路基板は、該回路基板の前記貫通穴を介して前記内ヨークと外ヨークに挿入されて前記固定ヨークの底面上側に位置し、前記ロータマグネットを一体に有する前記回転体は、その回転スリーブが前記固定ヨークの軸受部に保持された前記固定軸に対して回転可能に嵌合され、この状態において、前記内ヨークと外ヨークの先端部が前記ロータマグネットの内周側と外周面側に所定の空隙をもって位置する電磁回転機とするものである。
【0024】
また、上記第2の目的を達成するために、請求項9に記載の発明は、前記内ヨークの内周側の空間に配置される前記軸受け手段の、前記回転軸と直交し前記回転体の底面と接触する面に、スラスト軸受け機能を有する動圧発生部を1箇所設け、前記回転軸が挿入される穴部の側面に、ラジアル軸受け機能を有する動圧発生部を1箇所設けており、前記動圧発生部は、前記回転体の回転時に動圧発生を担う流体が流入する所定の角度方向に切られた複数の溝パターンによって構成される請求項1に記載の電磁回転機とするものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0026】
図1は本発明の実施の第1の形態に係る電磁回転機の一例であるスキャナモータの構成例を示す図であり、従来例と同じ部品や構成についての説明は省略する。図1(a)は、回転体であるポリゴンミラー100とロータマグネット61を外したときの軸方向から見た平面図であり、図1(b)は、回転軸に対して垂直な方向から、回転軸を含む平面で切断した断面図である。
【0027】
図10に示した従来例と異なるところは、第1に、回転体の構成であり、従来例におけるフランジ70を廃止して、ポリゴンミラー100に回転軸101を一体的に構成し、薄型化されたリング状のロータマグネット61をポリゴンミラー100の下面の前記回転軸101の周りに固着している。
【0028】
第2に、電機子の構成であり、一体的に構成された固定ヨーク14の内ヨーク11と外ヨーク12を回路基板31の穴部に挿入し、該回路基板31を固定ヨーク底部13に固着する構成としている。さらに、従来例における駆動コイル20を廃止して、外ヨーク12の周囲の回路基板31上に銅パターンコイル37を形成している。この銅パターンコイル37は、それぞれ、層間結線穴32と銅パターン38等を用いて結線され、駆動用ICから電流が供給されると電機子コイルとして機能する。図1においては、3相12スロット16磁極Y字結線のブラシレスモータである。銅パターンコイル37の捲き数は、該銅パターンコイル37が回路基板31の両面に形成されているため、32ターン/相である(4ターン×2面×4スロット)。また、ロータマグネット61の回転位置検出方法は、電機子の逆起電力を検出する方法を取っている。
【0029】
第3に、軸受け手段の構成であり、従来の、ラジアル軸受け2箇所(軸受けスリーブ40の内径部(上下2箇所に切られたラジアル動圧を発生させる為の溝パターン))とスラスト受け1箇所(スラスト軸受け90)で受ける構成であったのに対して、ラジアル軸受け1箇所(後述する図4のラジアル軸受け溝パターン47)とスラスト軸受け1箇所(後述する図4のスラスト軸受け溝パターン45)で受ける構成に代えている。
【0030】
上述した第1及び第2の構成にすることにより、スキャナモータの薄型化が実現する。さらに、薄型化を実現する際の工夫として、駆動用IC34やコネクタやAl(アルミニウム)電解コンデンサ等の厚みのある面実装部品35は、ポリゴンミラー100が配置される面に、その他、チップ抵抗やチップコンデンサ等の面実装部品36はその反対側の面に実装されている。
【0031】
そして、第3の構成にすることにより、上記薄型化を達成しつつ、軸振れを抑制することが可能となる(詳細は後述する)。
【0032】
図2(a)を用いて、実施の第1の形態における銅パターンコイル37の結線の仕方の一例について説明する。
【0033】
同図において、表面銅パターンコイル371はCCW(反時計回り)で、外側から内側に捲かれる。捲き始めは駆動用ICの駆動電流出力端子(不図示)に結線される。表面が捲き終わると、層間結線穴32(同図では、破線で表示)を介して裏面銅パターンコイル372の捲き始めに結線され、CCW方向で、内側から外側に向かって捲かれることで、裏面銅パターンコイル372は完成する。裏面銅パターンコイル372の捲き終わりは、層間結線穴32(図中、破線で表示)を介して表面へ移り、次の同相スロットの表面銅パターンコイル捲き始めに結線される。上記手順を繰り返して電機子捲き線は完成する。
【0034】
図3は、固定ヨーク14を回転軸方向、ポリゴンミラー取付け側から見た平面図である。
【0035】
図示する形状は、平板板金から絞り/プレス加工にて安価に製作できる。従来例と異なるところは、外ヨーク12より外側に固定ヨーク底板部が延在して固定ヨーク底板延在部15を成し、スキャナモータをスキャナユニット光学箱等の基台に位置決め固定する機能を果たすことである。
【0036】
固定用穴16は図1(a)に示す取付け穴39のうち、回転軸に対して点対称に配置された2個の位置に対応しており、回路基板31とともに固体ヨーク14は、基台に位置決め固定される。回路基板31は、接着剤や両面テープを用いて固定ヨーク14に予め固着されていても良い。図1に示す残りの取り付け穴39は回路基板31のみを基台に固定する。これは、回路基板31の反りや共振防止のためであり、スキャナモータの特性に影響のない程度であれば廃止してもよい。
【0037】
図3において、基台への取付けに使用する固定用穴は2箇所だけであるが、必要であれば取付け箇所を増やしてもよい。また、使用しない固定ヨーク延在部15は廃止しても良い。
【0038】
内ヨーク内周側空洞部17には軸受けが配設される。図1に示される固定スリーブ431,432は樹脂から成り、固定ヨーク14に一体的にアウトサートモールドされる。樹脂には熱伝導性の高い材料が最適であり、さらに、内ヨーク11が放熱板として機能するため、回転軸(または回転スリーブ)と固定スリーブ(または固定軸)との摺動摩擦により発生する熱は効果的に発散される。摺動性を良好にするため、固定スリーブや固定軸の材料として、含油樹脂や含油金属を用いても良い。
【0039】
本実施の形態の特徴の一つは、軸振れを抑える軸受け手段として、従来例ではラジアル軸受けを軸方向に2箇所配置していたが、本実施の形態では薄型化を実現する為に回転軸方向の長さが短く、動圧発生部としてのラジアル軸受けを2箇所設けることは困難であることから、前述したようにラジアル軸受け1箇所とスラスト軸受け1箇所の構成にしたことである。そしてこの実施の形態では、軸受けは流体軸受けとし、摺動面には潤滑油が保持される。
【0040】
図4(b)は、固定スリーブ431と432の断面図である。
【0041】
図示するように、ポリゴンミラー100の回転軸101(図1参照)との摺動面にラジアル軸受け1箇所として、ラジアル軸受け溝パターン47が形成され、スラスト軸受け1箇所としてのスラスト軸受け溝パターン45は、固定スリーブ431のつば部上面(図中、A部破線)、または、固定スリーブ432の穴部底面上部(図中、破線)に形成される。かくして、図1のような薄型化された構成でありながら、その中央部に生まれる空間(内ヨークの内周側の空間)を生かした、軸振れを抑えるための軸受け手段が実現する。
【0042】
流体軸受けにおいては油の保持と流出防止対策が必要であり、回転体が停止している時は、潤滑油はそれぞれ、溝パターンの両側に配置した油溜り46に保持される。回転時は溝パターンが圧力を発生するため、潤滑油はラジアル軸受け溝パターン部47とスラスト軸受け溝パターン45部の2箇所にリング状に集中して動圧を発生して回転体の軸振れを最小に保持する。また、軸挿入時の摺動部への気泡混入防止手段として、空気抜き穴49が構成される。空気抜き穴49は、潤滑油不足時の補給用穴としても利用できる。
【0043】
図4(a)は、固定スリーブ431のスラスト軸受け溝パターン45の詳細を示した平面図である。
【0044】
回転体の遠心力を考慮した溝パターン設計が成されており、潤滑油の飛散を防止するものである。図示するように、スラスト軸受け外側溝パターン451の中心線453に対する角度は、スラスト軸受け内側パターン452よりも大きく本数も多い。すなわち、各溝パターンが発生する圧力は以下の関係(図4(c)も参照)を満たすため、潤滑油は飛散することなく効果的に溝パターン部に集中し動圧を発生する。
【0045】
(起動時)
外側溝パターン451から発生する内周へ向かう圧力 > 内側溝パターン452から発生する外周へ向かう圧力 + 動圧発生を担う流体が受ける遠心力
………… 式(1)
(定格回転時)
外側溝パターン451から発生する内周へ向かう圧力 ≒ 内側溝パターン452から発生する外周へ向かう圧力 + 動圧発生を担う流体が受ける遠心力
………… 式(2)
図5は、回転体であるポリゴンミラー100の部分断面図(図5(a))と平面図(図5(b))である。
【0046】
ポリゴンミラーの面数と寸法はレーザービームプリンタが要求する仕様やモータ回転数により異なるが、図示するポリゴンミラー100は4面、対角長20mm、厚さは2mm程度であり、一般的な寸法である。図示するポリゴンミラーは、厚板Al(アルミニウム)板より抜き打ち成型加工後(ニアネットシェイプ加工)、ミラー面と回転軸101の摺動面が高精度に切削加工される。
【0047】
特徴は、回転軸101が一体的に加工されることであり、これは、回転軸長を短くすることにより可能となる。軸長は、母材板厚の1.5倍程度まで可能であり、本実施の形態においては1.5〜2mm程度であるが、必要であれば3mm程度まで成型可能である。
【0048】
図5(a)の破線で図示する位置104にロータマグネット61が固着される。103は接着剤塗布用の溝である。また、回転体の質量バランスを補正するために、バランス調整樹脂塗布用溝102もロータマグネット61固着面と反対側の面に形成される。
【0049】
(実施の第2の形態)
発生トルクを増やしたいときは、内ヨークをリング形状からスロット形状(櫛歯形状)に変えることもできる。
【0050】
図6はスロット形状の内ヨーク18を利用したものであるが、1スロットあたりの発生トルクが大きくなった分、総スロット数を6スロットにしたため、モータとしての総発生トルクは図1に示す実施の第1の形態と同程度である。また、ホール素子351を配置して、ロータマグネット61の回転位置検出をしている。なお、図1等と同じ構成部分についてはその説明は省略する。
【0051】
本発明の実施の第2の形態においては、銅パターンコイルを内ヨーク18の周囲に構成することも可能である。銅パターンコイルの結線方法の一例を、図2(b)に示す。表面銅パターン外コイル(CCW)373から層間結線穴を介して裏面銅パターン外コイル(CCW)374、裏面銅パターン内コイル(CW)、層間結線穴を介して表面銅パターン内コイル(CW)へと結線される。以下同様にして、3相Y字結線が完成する。
【0052】
図6においては6スロット構成で、1相あたりの捲き数は32ターン((4ターン+4ターン)×2面×2スロット)であるが、スロット数を増やせば捲き数を増やすことができる。すなわち、トルク定数を大きくできるため、発生トルクを落とさずに駆動電流を減らせるため、省電力化に効果がある。具体的には、12スロットにした場合、1相あたり62ターン((4ターン+4ターン)×2面×4スロット)となり、駆動電流は半減する。
【0053】
(実施の第3の形態)
さらに、1相あたりの銅パターンコイルの捲き数を増やしたい場合は、図7に示すハイブリッド多層基板311を利用する。ハイブリッド多層基板により、内層同士の銅パターンを結線するための内層間結線穴321の形成が可能となる。なお、図1等と同じ構成部分についてはその説明は省略する。
図7においては、4層のハイブリッド多層基板が使われている。モータが12スロットであれば、1相あたりの捲き数は62ターン(4ターン×4層×4スロット)になる。図6に示したスロット形状の内ヨーク18にして該内ヨーク18にも銅パターンコイルを倦回すれば124ターン/ 相となり、大幅に駆動電流を減らすことができる。
【0054】
そして、ハイブリッド多層基板311を利用すると、抵抗やコンデンサ等の受動部品は内層に形成することが可能となる(層内実装部品361)。また、ハイブリッド多層基板311の最外層の一部を削り取り、駆動用ICチップ341を直接実装、ランドパターンと結線後、封入用樹脂で埋め込み、さらに、コネクタやAl電解コンデンサ等の厚い面実装部品をポリゴンミラー100の取付け面とは反対側の回路基板面に実装することにより、ポリゴンミラー100の取付け側の回路基板面の実装部品を廃止することができる。
【0055】
以上の構成により、任意の方向からポリゴンミラー100へ向けてレーザー光束の入射が可能になり、スキャナモータの基台への装着の自由度が増す。
【0056】
(実施の第4の形態)
図8は、軸受け手段として、回転スリーブと固定軸を使用した、本発明の実施の第4の形態に係る主要部分の構成を示す断面図と部分断面図である。なお、図1等と同じ構成部分についてはその説明は省略する。
【0057】
ポリゴンミラー100には回転スリーブ105が一体的に形成される。回転スリーブ付のポリゴンミラー100は、Al板より抜き打ち成型加工後(ニアネットシェイプ加工)、ミラー面と回転スリーブ105の摺動面が高精度の切削加工される。
【0058】
固定軸44は内ヨーク内周側空洞部17(図3参照)に配設される。図示の固定軸44は樹脂製であり、固定ヨーク14に一体的にアウトサートモールドされる。樹脂には熱伝導性の高い材料が最適であり、さらに、内ヨーク11が放熱板として機能するため、回転スリーブ105と固定軸44との摺動摩擦により発生する熱は効果的に発散される。摺動性を良好にするため、固定スリーブや固定軸の材料として、含油樹脂や含油金属を用いても良い。
【0059】
図8に示す本発明の実施の第4の形態における特徴の一つは、起動時の摺動トルクを低減するために、固定軸44のポリゴンミラー受け面中央部に、ポリゴンミラー100を1点で受けるための小突起、回転体受け部443を形成したことである。
【0060】
ポリゴンミラー100が停止している間は、ポリゴンミラー100は回転体受け部443の1点で支持される。回転体受け部443の突起部の高さはごく僅かであり、ポリゴンミラー100が回転を開始してスラスト動圧発生場所442(図8(b)に破線で囲んで示す)に動圧が発生すると、ポリゴンミラー100は回転体受け部443を離れ、スラスト動圧とラジアル動圧で回動自在に支持される。
【0061】
このような構成にすることにより、モータの起動電流を低く抑えることが可能になり、駆動回路や銅パターンコイルの熱設計が容易になる。つまり、回路パターンを細く設計できるため、ICチップの小型化や、電機子コイルの捲き数を増やせる。
【0062】
図8(b)において、油溜り444は3箇所、油飛散防止壁445は1箇所示される。ポリゴンミラー100の停止中は、潤滑油は油溜り444に保持されるが、回転し始めて一旦動圧が発生すると、潤滑油は速やかにラジアル動圧発生溝パターン441の中央部とスラスト動圧発生場所442に集中して、軸振れを最小に抑えた動圧軸受けを構成する。
【0063】
(実施の第5の形態)
図9は本発明の実施の第5の形態に係るスキャナモータの、スキャナユニット光学箱等の基台への位置決め固定のし方を示す断面図である。なお、図1等と同じ構成部分についてはその説明は省略する。
【0064】
内ヨーク内周側空洞部17(図3参照)の固定スリーブまたは固定軸が占めない空間に、基台円筒状突起部110を嵌合することにより、スキャナモータが位置決めされる。さらに、固定ヨーク底板延在部に図示するように段差を設けて(固定ヨーク底板延在部段差151)、基台に設けられた係止機構120に回転挿入してスキャナモータを固定している。
【0065】
本実施の第5の形態においては止めねじを必要としないため、回路基板31は接着剤や粘着テープ等で固定ヨーク14のリング状底板部13に固着される。
【0066】
最後に、本発明の実施の各形態における特徴的な構成についてまとめて説明する。
【0067】
1)フランジと回転軸を廃止して、回転体(ポリゴンミラー100)を回転軸101または回転スリーブ105と一体的に構成し、さらに、該回転体に円筒状のロータマグネット61を固着する。前記回転軸101は回転体と一体的に加工されるが、これは回転軸長を所定の長さに抑えていることにより可能である。又前記回転スリーブ105に挿入される固定軸も軸方向の長さを短くする為にその軸長を所定の長さに抑えている。
【0068】
2)内ヨーク11(18)と外ヨーク12を具備する固定ヨーク104(図3参照)に対して、内外ヨークの位置に形成された複数の貫通穴を持つ回路基板31に挿入し(図1参照)、該固定ヨーク104の底面上側に前記回路基板31を固着すると共に、内ヨーク11と外ヨーク12、前記回路基板31で囲まれる円筒状空間に、前記内ヨーク11と外ヨーク12に対して半径方向に一定の空隙を持って対向するようにリング状のロータマグネット61を固着する。
【0069】
3)ボビンと線材、端子ピンから成る駆動コイルを廃止して、代わりに、回路基板31上の貫通穴の周囲の片面または両面(例えば図1参照)に、さらには内層パターン面(図7参照)に、捲き方向を同一にして捲き数も概略等しい銅パターンコイル371〜376を形成し、該銅パターンコイルをそれぞれ、スルーホールや銅パターンを用いて結線する(図2参照)ことにより、電機子コイルとして機能させる。
【0070】
上記1)〜3)の構成により、駆動コイル20を廃止し、ロータマグネット61の軸方向の寸法を短くして、固定ヨークの軸方向の寸法を短くできる。固定ヨーク104の構成は、従来例とほぼ同形状であり、回転軸方向に延在する形状をし、半径方向に対向した内ヨークと外ヨークを有する。つまり、小形で高トルクを有する従来のスピンドルモータの構成(内ヨークと外ヨークでロータマグネットを挟む構成)はそのまま継承している。
【0071】
なお、回転体(ポリゴンミラー100)と一体的に形成された回転軸101または回転スリーブ105を受ける、固定スリーブ431,432または固定軸44を、内ヨーク11,18の内周側の空間に配設することによっても、軸方向の寸法を抑えることができる。
【0072】
4)また、軸受け手段に、図4にて説明したように、ラジアル動圧1箇所とスラスト動圧1箇所の組合せで軸振れを抑える構成にしている。よって、スキャナモータ等の電磁回転機の薄型化を損なうことなく、回転体の軸振れを抑えることができる。
【0073】
その他の詳細な構成として
5)回転体と一体的に形成された回転軸を受ける固定スリーブ、または、回転体と一体的に形成された回転スリーブを受ける固定軸は、内ヨークの内周面に嵌合されるか、または、前記内ヨークの内周側に、前記固定ヨークと一体的に形成される。
【0074】
6)回転軸と固定スリーブまたは回転スリーブと固定軸とで構成される軸受け手段もしくは軸受け部は、すべり軸受けかまたは動圧軸受けであり、それぞれ、ラジアル軸受け部とスラスト軸受け部、油溜り部、油飛散防止部から構成され、前記スラスト軸受け部の動圧発生を担う流体が流入する溝パターンは、外側溝パターンが発生する外周から内周への圧力が、内側溝パターンが発生する内周から外周への圧力より大きくなるように設計されており、その差は、電磁回転機の定格回転時に発生する動圧発生用流体の受ける遠心力に概略等しくしている。
【0075】
7)固定スリーブまたは固定軸は、固定ヨークの内ヨークの内周側に樹脂材料を一体的にモールド成型して成る。
【0076】
8)内ヨークより内周側に形成される回転スリーブを受ける固定軸の端面には、図8に示すように、同心円状にスラスト受け部が形成され、該スラスト受け部の内周と外周には油溜り444が形成され、中心部には前記スラスト受け部よりも僅かに突出した回転体受け部443が形成されている。よって、軸振れを抑制することができる。
【0077】
9)内ヨーク(もしくは外ヨークでも良い)は、回転体の軸中心と一致した対称軸をもつ円筒形状をし、外ヨーク(もしくは内ヨーク)は、回転体の軸中心の周りに点対称で複数配列される櫛歯形状をしている。
【0078】
10)図6に示すように、内ヨークと外ヨークは対を成してそれぞれ、回転体の軸中心の周りに点対称で複数配列される櫛歯形状をしている。
【0079】
11)銅パターンコイルは、図1に示すように、回路基板の上下の面上の複数の貫通穴の周囲に形成されている。なお、回路基板の上下の面うちの少なくとも一方の面に形成されていても良い。
【0080】
12)図7に示すように、回転基板は複数の層より成る多層基板であり、銅パターンコイルは各層の前記複数の貫通穴の周囲に形成され、それぞれの銅パターンコイルは層間結線穴を介する導体パターンで結線される。
【0081】
13)図9に示すように、固定ヨークの底面の、内ヨークの内周側に円筒状空間が形成されており、基台に設けられた円筒状突起部(110)が前記円筒状空間に嵌合することにより、電磁回転機の位置決めがなされる。
【0082】
14)同じく図9に示すように、固定ヨークは底面から外周側に延在する複数の延在部を有し、該複数の延在部の一部または全部の先端に、回路基板が固着される側とは反対側に段差(151)が形成され、該段差に基台に設けられた鉤状固定部(120)に回転挿入され、電磁回転機の前記基台に対しての固定がなされる。
【0083】
以上のように、本実施の各形態のスキャナモータにおいては、例えば回転体に回転軸を一体化し、電機子機能を回路パターンに統合してコイル部品を廃止し、軸受けを内ヨークの空きスペースに配設している。その一方で、スピンドルモータの磁気回路の特徴である内ヨークと外ヨークで駆動マグネットを挟む構成にしているので、駆動トルクを確保しながら大幅な軸方向寸法の短縮、薄型化を実現できる。よって、近年の小型レーザービームプリンタに最適な薄型キャナモータを提供できることとなる。
【0084】
また、ラジアル動圧1箇所とスラスト動圧1箇所の組合せで軸振れを抑える構成にしているので、薄型化を損なうことなく、回転体の軸振れも抑えることができる。
【0085】
なお、上記実施の各形態では、ポリゴンミラースキャナモータを例にしているが、これに限定されるものではなく、ポリゴンミラー以外の回転体、例えば光ディスクや磁気ディスク等を駆動する電磁回転機であれば同様に適用できるものである。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、小型化を損なうことなく、薄型化も達成したり、さらには、回転体の回転時の軸振れを抑えることができる電磁回転機を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態に係るスキャナモータの平面及び断面を示す図である。
【図2】本発明の実施の第1及び第2の形態に係る銅パターンコイルを結線する方法を説明する為の斜視図である。
【図3】本発明の実施の第1の形態に係る固定ヨークを示す平面図である。
【図4】本発明の実施の第1の形態に係る固定スリーブの断面とスラスト軸受け溝パターンの平面を示す図である。
【図5】本発明の実施の第1の形態に係る回転体であるポリゴンミラーの断面と平面を示す図である。
【図6】本発明の実施の第2の形態に係るスキャナモータの平面と断面を示す図である。
【図7】本発明の実施の第3の形態に係るスキャナモータを示す断面図である。
【図8】本発明の実施の第4の形態に係るスキャナモータを示す断面図である。
【図9】本発明の実施の第5の形態に係るスキャナモータの基台への位置決めと取付け方法を説明する為の断面図である。
【図10】従来のスピンドルモータの平面及び断面を示す図である。
【符号の説明】
11 内ヨーク
12 外ヨーク
14 固定ヨーク
31 回路基板
37 銅パターンコイル
44 固定軸
61 ロータマグネット
100 ポリゴンミラー
101 回転軸
105 回転スリーブ
431,432 固定スリーブ
Claims (9)
- 所定の長さに抑えられた回転軸が下面側に延びるように一体的に構成される回転体と、
前記回転軸の周囲に配置され、前記回転体と一体に回転するリング状のロータマグネットと、
それぞれが前記回転軸方向に延在しており、その先端部が前記ロータマグネットの内周側と外周面側に所定の空隙をもって位置するように半径方向に対向する、内ヨークと外ヨークを一体的に有すると共に、前記回転軸の軸受け手段を前記内ヨークの内周側の空間に有する固定ヨークと、
前記回転軸方向に延在した前記内ヨークと外ヨークが挿入される複数の貫通穴を有し、該複数の貫通穴のうち、櫛歯形状をした前記内ヨークと外ヨークもしくはいずれか一方が挿入される複数の貫通穴の周囲に、捲き方向が同一で捲き数も略等しい、電機子コイルとして機能する銅パターンコイルが一体的に形成される回路基板とを有する電磁回転機であって、
前記銅パターンコイルが一体的に形成された前記回路基板は、該回路基板の前記貫通穴を介して前記内ヨークと外ヨークに挿入されて前記固定ヨークの底面上側に位置し、
前記ロータマグネットを一体に有する前記回転体は、その回転軸が前記固定ヨークの軸受け手段に対して回転可能に嵌合され、この状態において、前記内ヨークと外ヨークの先端部が前記ロータマグネットの内周側と外周面側に所定の空隙をもって位置することを特徴とする電磁回転機。 - 下面側に、所定の長さに抑えられた固定軸が挿入される回転スリーブが一体的に構成される回転体と、
前記回転スリーブの周囲に配置され、前記回転体と一体に回転するリング状のロータマグネットと、
それぞれが固定軸方向に延在しており、その先端部が前記ロータマグネットの内周側と外周面側に所定の空隙をもって位置するように半径方向に対向する、内ヨークと外ヨークを一体的に有すると共に、前記回転スリーブに挿入される前記固定軸を保持する軸受部を有する固定ヨークと、
前記固定軸方向に延在した前記内ヨークと外ヨークが挿入される複数の貫通穴を有し、該複数の貫通穴のうち、櫛歯形状をした前記内ヨークと外ヨークもしくはいずれか一方が挿入される複数の貫通穴の周囲に、捲き方向が同一で捲き数も略等しい、電機子コイルとして機能する銅パターンコイルが一体的に形成される回路基板とを有する電磁回転機であって、
前記銅パターンコイルが一体的に形成された前記回路基板は、該回路基板の前記貫通穴を介して前記内ヨークと外ヨークに挿入されて前記固定ヨークの底面上側に位置し、
前記ロータマグネットを一体に有する前記回転体は、その回転スリーブが前記固定ヨークの軸受部に保持された前記固定軸に対して回転可能に嵌合され、この状態において、前記内ヨークと外ヨークの先端部が前記ロータマグネットの内周側と外周面側に所定の空隙をもって位置することを特徴とする電磁回転機。 - 前記内ヨークと前記外ヨークの一方は、前記回転体の軸中心と一致した対称軸をもつ円筒形状をし、他方は、前記回転体の軸中心の周りに点対称で複数配列される櫛歯形状をしていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁回転機。
- 前記内ヨークと前記外ヨークは対を成してそれぞれ、前記回転体の軸中心の周りに点対称で複数配列される櫛歯形状をしていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁回転機。
- 前記銅パターンコイルは、前記回路基板の上下面のうちの少なくとも一方の面上の前記複数の貫通穴の周囲に形成されることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の電磁回転機。
- 前記回転基板は複数の層より成る多層基板であり、
前記銅パターンコイルは各層の前記複数の貫通穴の周囲に形成され、それぞれの銅パターンコイルは層間結線穴を介する導体パターンで結線されることを特徴とする特許請求項1〜4に何れかに記載の電磁回転機。 - 前記固定ヨークの底面の、前記内ヨークの内周側に円筒状空間が形成されており、基台に設けられた円筒状突起部が前記円筒状空間に嵌合することにより、電磁回転機の位置決めがなされることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の電磁回転機。
- 前記固定ヨークは底面から外周側に延在する複数の延在部を有し、該複数の延在部の一部または全部の先端に、前記回路基板が固着される側とは反対側に段差部が形成され、該段差部が前記基台に設けられた鉤状固定部に回転挿入され、電磁回転機が前記基台に固定されることを特徴とする請求項7に記載の電磁回転機。
- 前記内ヨークの内周側の空間に配置される前記軸受け手段の、前記回転軸と直交し前記回転体の底面と接触する面に、スラスト軸受け機能を有する動圧発生部を1箇所設け、前記回転軸が挿入される穴部の側面に、ラジアル軸受け機能を有する動圧発生部を1箇所設けており、
前記動圧発生部は、前記回転体の回転時に動圧発生を担う流体が流入する所定の角度方向に切られた複数の溝パターンによって構成されることを特徴とする請求項1に記載の電磁回転機。
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