JP2004032568A - 相関検出装置およびフーリエ変換装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】受信回路200が移動局からのRACHプリアンブルを受信し、A/D202は、デジタル形式の受信データに変換する。FFT部3−1は、受信データをFFT処理し、FFT結果Aとする。RACHコード記憶部240は、RACHプリアンブルのコードを記憶し、FFT部3−2は、RACHプリアンブルのコードをFFT処理し、FFT結果Bとする。乗算部220は、FFT結果AとFFT結果Bとを乗算する。IFFT部4は、乗算部220から入力された乗算結果をIFFT処理し、遅延プロファイルとする。データ復号部250は、遅延プロファイルを用いて受信データを復号し、復号データとする。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CDMA通信方式などにおいて、受信データと符号との相関を検出し、同期捕捉・追従を行うための相関検出装置、および、この装置に適したフーリエ変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
W−CDMA方式の基地局・移動局間の通信の際の同期捕捉・追従のためには、拡散された受信信号とコードとの相関を求める逆拡散処理(相関検出処理)が必要になり、この処理のためには、例えば、マッチトフィルタ(Matched
Filter)が用いられている。
マッチトフィルタを用いて、ランダムアクセスチャネル(RACH)のプリアンブル(RACHプリアンブル)を検出しようとすると、基地局・移動局間の信号伝送遅延のために、タップ数が多くなってしまうので、マッチトフィルタの回路規模が非常に大きくなる。
従って、RACHプリアンブルの検出を、ハードウェア的な処理のみにより行うことは難しい。
【0003】
これに対し、DSPを用いて、ソフトウェア的に逆拡散処理を行い、RACHプリアンブルを検出する方法が考えられる。
このように、逆拡散処理をソフトウェア的に行うと、基地局・移動局の開発コストの軽減および高機能化が容易であるといった利点がある。
しかしながら、DSPによるRACHプリアンブルの検出に、非常に多くの演算量が必要とされるので、従来、ソフトウェア的に、このような逆拡散処理を行うことは難しかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した背景からなされたものであり、CDMA方式の逆拡散処理をソフトウェア的に実現することができる相関検出装置、および、この相関検出装置で用いられるフーリエ変換装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
[相関検出装置]
上記課題を解決するために、本発明にかかる相関検出装置は、所定の符号を含む時間領域の第1の信号と、前記第1の信号と前記所定の符号との相関を検出する相関検出装置であって、前記時間領域の第1の信号を、周波数領域に変換する変換手段と、周波数領域に変換された前記所定の符号と、前記周波数領域に変換された第1の信号との相関を示す相関信号を生成する相関信号生成手段と、
前記生成された相関信号を、時間領域の信号に逆変換して、前記第1の信号と前記所定の符号との相関を検出する相関検出手段とを有する。
【0006】
好適には、前記変換手段は、前記時間領域の第1の信号に対してフーリエ変換処理を行うことにより、前記第1の信号を周波数領域に変換し、前記相関信号生成手段は、前記周波数領域に変換された所定の符号と、前記周波数領域に変換された第1の信号とを乗算して、前記相関信号を生成し、前記相関検出手段は、前記生成された相関信号を、逆フーリエ変換して、前記第1の信号と前記所定の符号との相関を検出する。
【0007】
[フーリエ変換装置]
また、本発明にかかるフーリエ変換装置は、連続したMN(Mはフーリエ変換の基数;N=1,2,...)個の記憶領域を用いて、MN個の時系列に続くデータに対して、N段のバタフライ演算を行うことによりフーリエ変換を行うフーリエ変換装置であって、第(I;I=0,1,...,MN−1)番目のデータを、第(MN−1([I/M0]modM)+MN−2([I/M1]modM)+...+M0([I/MN−1]modM);但し、[X]はXを超えない整数,YmodZは整数Yの整数Zに対する剰余系)番目の前記記憶領域に記憶させるデータ記憶手段と、第(MJ+H;J=0,1,...,MN−1−1,H=0〜M−1)番目のM個の前記記憶領域に記憶されたデータに対して、第(J)番目のバタフライ演算を行って得られる第(MJ+H)番目のM個のデータそれぞれを、第(MN−1H+MN−2([J/M1]modM)+...+M0([J/MN−1]modM))番目のM個の前記記憶領域に記憶させる処理を(N−1)回、繰り返す第1のバタフライ演算処理手段と、前記(N−1)回のバタフライ演算の結果として得られ、第(MJ+H)番目のM個の前記記憶領域に記憶されたデータに対して、バタフライ演算を行って得られる第(MJ+H)番目のM個のデータそれぞれを、第(MN−1([J/M1]modM)+...+M0([J/MN−1]modM)+H)番目のM個の前記記憶領域に記憶させる処理を行う第2のバタフライ演算処理手段とを有する。
【0008】
[逆フーリエ変換装置]
また、本発明にかかる逆フーリエ変換装置は、連続したMN(Mは逆フーリエ変換の基数;N=1,2,...)個の記憶領域を用いて、MN個の時系列に続くデータに対して、N段のバタフライ演算を行うことにより逆フーリエ変換を行う逆フーリエ変換装置であって、第(MJ+H;J=0,1,...,MN−1−1,H=0,1,...,M−1)番目のM個の前記記憶領域に記憶されたデータに対して、第(J)番目のバタフライ演算を行って得られる第(MJ+H)番目のM個のデータそれぞれを、第(MN−1H+MN−2([J/M1]modM)+・・・+M0([J/MN−1]modM))番目のM個の前記記憶領域に記憶させる処理を(N)回、繰り返す第3のバタフライ演算処理手段を有する。
【0009】
【発明の実施の形態】
[本発明の背景]
本発明の実施例の説明に先立ち、その理解を助けるために、本発明がなされるに至った背景を説明する。
図1は、W−CDMA方式の移動体通信システム1を例示する図である。
既に述べたように、例えば、図1に示すようなW−CDMA方式の移動体通信システム1において、拡散処理された信号を逆拡散処理(相関検出処理)するためには、従来、ハードウェア的に構成されたマッチトフィルタ・スライディングコリレータなどが用いられてきた。
移動体通信システム1において、ネットワーク10を介して接続された基地局2−1〜2−3それぞれが受け持つセルの半径は、一定とは限らないので、基地局2−1〜2−3と移動局12との間で伝送される拡散信号は、セルそれぞれの半径に応じて異なる遅延を受ける。
【0010】
このような遅延の差異を吸収可能なほどにタップ数を多すると、マッチトフィルタの回路規模が非常に大きくなる。
例えば、移動局12よりも大きな拡散利得が要求される基地局2−1〜2−3において、1024chipsの拡散利得を、マッチトフィルタを用いて得ようとすると、1chipにつき4回ずつオーバーサンプリングした信号を処理するために、そのタップ数は4096にもなってしまう。
また、例えば、セル半径が50kmである場合には、基地局2〜移動局12の間の伝送距離は往復で最長100kmにもなり、信号が100km伝送される間には2560chips(約666μs)分の遅延が加わる。
このような遅延が加わったW−CDMA信号を、マッチトフィルタを用いて逆拡散しようとすると、そのタップ数は14336(=(2560+1024)×4(4はオーバーサンプリング))にもなる。
このように多数のタップを含むマッチトフィルタをハードウェア的に実現することは、現状、かなりの困難を伴う。
【0011】
一方、例えば、DSPなどによるマッチトフィルタのソフトウェア的な実現は、演算量が非常に多いので、困難である。
本発明は、ソフトウェア的にマッチトフィルタの演算を行う代わりに、高速フーリエ変換(FFT)および逆高速フーリエ変換(IFFT)の演算を行うことにより演算量を減らし、DSPなどを用いたソフトウェア的な逆拡散処理(相関検出処理)を可能にし、基地局2の「ソフトラジオ化」を可能にしている。
また、本発明は、FFT・IFFTのさらなる高速化、および、セルの半径に応じたFFT・IFFTのサイズなどの最適化により、逆拡散処理に要する時間を短くし、ソフトウェア的な逆拡散処理の実現を容易にしている。
【0012】
[FFTを用いた逆拡散処理]
まず、FFT・IFFTによる逆拡散処理について説明する。
マッチトフィルタを用いて行う逆拡散処理は、下式1により表される。
なお、下式1において、nは、chipまたはサンプルを示し、mは、受信データとコードとのタイミング差を示し、ymは、逆拡散結果を示し、χnは、受信データを示し、γn+mは、拡散コードの共役をとった数を示す。
【0013】
ym=Σχnγn+m・・・(式1)、但し、Σはn=0〜N−1までの総和を示す。
【0014】
これに対し、式1に示したyn,χn,γnをFFT処理した値を、それぞれYk,Χk,Vkと表すと、FFT処理における畳み込み演算は、下式2に示すように、単純なかけ算になる。
なお、下式2は、上式1を一般化したものであって、下式2におけるn,kは、ある特定の値を示さない。
【0015】
Yk=Χk×Vk・・・(式2)
【0016】
式2に示したYkをIFFT処理することにより、式1に示したymを求めることができる。
【0017】
受信信号を逆拡散処理して電力化し、時間軸上にプロットすると、遅延プロファイルが得られる。
なお、上記「電力化」とは、電圧で検出された信号を、相互に90°位相が異なるI,Qの2つの信号とし、電力の次元のI2+Q2を求めることを意味する。W−CDMA方式においては、遅延を受けた信号波を有効に利用するためにRAKE合成が行われ、このRAKE合成のためには、プリアンブル(例えば、ランダムアクセスチャネル(RACH)のRACHプリアンブル)から得られる遅延プロファイルが用いられる。
以上の説明したように、RACHプリアンブルを逆拡散処理して遅延プロファイルを得るためには、RACHの受信信号をFFT処理して得られるFFT結果と、RACHプリアンブルのコードをFFTして得られるFFT結果とを乗算し、さらに、IFFT処理すればよい。
【0018】
このように、マッチトフィルタをFFT・IFFTに置換すると、逆拡散処理の演算量を、数十分の一〜数百分の1(タップ数などにより異なる)とすることができ、DSPを用いたソフトウェア的な逆拡散処理が実現可能となる。
以下の説明においては、W−CDMA方式のRACHプリアンブルの検出を行う場合を具体例とする。
【0019】
[FFT・IFFTの高速化]
以上説明したように、FFT・IFFT処理を用いることにより、ソフトウェア的な逆拡散処理が可能になる。
しかしながら、さらに、FFT・IFFT処理の高速化を図ることができれば、ハードウェアに要求される性能を軽減することができ、より、システム構成に柔軟性を持たせることができる。
ここでは、本発明におけるFFT・IFFTの高速化の手法を説明する。
【0020】
図2は、一般的なFFT処理を示すフローチャートである。
図3は、一般的なFFT処理におけるデータの並びの変遷を示す変遷図である。
本発明にかかるFFT処理の基数は4に限定されず、また、段数も3に限定されないが、図示および説明の簡略化・具体化のために、以下の説明においては、基数4、3段のバタフライ演算を行うFFT・IFFT処理を具体例とする。
【0021】
図2に示すように、一般的なFFT処理においては、まず、ビットリバース処理が実行されて、処理の対象となる時間領域の入力データが並び替えられる。
並び替えられた入力データに対して、3段のバタフライ演算が実行され、図3に示すように、この結果として得られる周波数領域の出力データは、正しい順番になる。
しかしながら、一般的なFFT処理においては、データの並びの変遷が複雑なので、DSPのレジスタ〜メモリ間のデータ転送は1ワード単位で行われなければならない。
【0022】
図4は、本発明にかかるFFT処理を示す図である。
図5は、基数4のバタフライ演算を示す図である。
図6は、本発明にかかるFFT処理におけるデータの並びの変遷を示す変遷図である。
図4に示すように、FFT処理における演算は、時間領域におけるビットを、図5に示すバタフライ演算により、周波数領域におけるビットに置き換えてゆく処理である。
ここで、DSPによる処理の特性として、メモリ〜DSPのレジスタ間で、1ワード単位のデータ転送を行うよりも、これらの間で、バタフライ演算の単位である4ワード単位のデータ転送を行う方が、全体として処理時間を大幅に短くすることができる。
【0023】
基数4のFFT処理においては、64個の記憶領域に記憶された64個のデータに対して3段のバタフライ演算が行われる。
上記64個の記憶領域が16個ずつ4つの領域に分けて用いられ、1段目および2段目のバタフライ演算の4つの結果それぞれは、これら4つの領域において、4個ずつ離れた記憶領域に記憶される。
【0024】
また、最終段(ここで示す例においては3段目)のバタフライ演算の結果は、LSBが入れ替えられずに並び替えられる。
つまり、最終段(3段目)のバタフライ演算の結果は、最下位ビットを除くビットでの展開になっている。
このように、バタフライ演算の結果を並び替えることにより、FFT・IFFT処理におけるビットリバース処理を省略することができ、しかも、バタフライ演算において、メモリ〜DSPのレジスタ間のデータ転送を、1ワード単位ではなく、4ワード単位で行うことができるので、FFT・IFFT処理に要する時間が大幅(数分の1)に短くなる。
【0025】
なお、例えば、基数2のFFT処理に、本発明にかかるFFT処理・IFFT処理の高速化を適用する場合には、記憶領域を2分割して、2つのバタフライ演算結果それぞれが、2つの記憶領域それぞれにおいて、2つずつ離れた領域記憶されるようにすればよい。
また、例えば、基数8のFFT処理に、本発明にかかるFFT処理・IFFT処理の高速化を適用する場合には、記憶領域を8分割して、8つのバタフライ演算結果それぞれが、8つの記憶領域それぞれにおいて、8つずつ離れた領域記憶されるようにすればよい。
【0026】
具体的には、基数4のFFT処理における3段のバタフライ演算に先だって、処理の対象となる64個の入力データD(0)〜D(63)それぞれは、下式3に示す順序で64個の記憶領域M(0)〜M(63)それぞれに記憶される。
【0027】
D(I)→R(MN−1([I/M0]modM)+MN−2([I/M1]modM)+...+M0([I/MN−1]modM)・・・(式3)、但し、N=1,2,3・・・、基数4のFFTの場合、M=4、I=0〜MN−1であって、[X]はXを超えない整数、YmodZは整数Yの整数Zに対する剰余系である(以下同じ)。
【0028】
また、基数4のFFT処理における1段目および2段目のバタフライ演算それぞれの4つの結果R(0)〜R(3),・・・,R(60)〜R(63)それぞれは、下式4に示す順序で64個のメモリ領域0〜63に記憶される。
【0029】
B(MJ+H)→R(MN−1H+MN−2([J/M1]modM)+・・・+M0([J/MN−1]modM))・・・(式4)、但し、基数4のFFTの場合、J=0〜MN−1−1、H=0〜3である(以下同じ)。
【0030】
また、基数4のFFT処理における最終段(3段目)のバタフライ演算それぞれの4つの結果R(0)〜R(3),・・・,R(60)〜R(63)それぞれは、下式5に示す順序で64個のメモリ領域R(0)〜R(63)に記憶される。
【0031】
B(MJ+H)→R(MN−1([J/M1]modM)+...+M0([J/MN−1]modM)+H)・・・(式5)
【0032】
また、基数4のIFFT処理における3段のバタフライ演算に先だって、処理の対象となる64個の入力データD(0)〜D(63)それぞれは、下式6に示す順序に並び替えられ、64個の記憶領域R(0)〜R(63)それぞれに記憶される。
なお、下に述べる実施例においては、FFT結果の並び順が、IFFT処理の対象となるデータの並び順に適合しているので、この並び替えは行われない。
つまり、式5に示した処理が行われる場合には、下式6に示す処理は省略される。
【0033】
D(I)→R(MN−1({I/M0]modM)+MN−2([I/M1]modM)+...+M0([I/MN−1]modM)・・・(式6)
【0034】
また、基数4のIFFT処理における1段目〜最終段(3段目)のバタフライ演算それぞれの4つの結果B(0)〜B(3),・・・,B(60)〜B(63)それぞれは、下式7に示す順序で64個のメモリ領域0〜63に記憶される。
【0035】
D(NJ+H)→R(MN−1H+MN−2([J/M1]modM)+...M0([J/MN−1]modM))・・・(式7)
【0036】
[実施例]
以下、FFT・IFFTを用いた逆拡散処理、および、FFT・IFFTの高速化を説明する。
図7は、図1に示した基地局2のハードウェアおよびソフトウェア構成を示す図である。
図7に示すように、移動体通信システム1(図1)の基地局2は、受信部20および送信部210を含む。
受信部20は、受信回路200、アナログ/デジタル変換回路(A/D)202、遅延プロファイル検出部22およびデータ復号部250から構成される。
【0037】
図8は、図7に示した受信部20のハードウェア構成を示す図である。
なお、遅延プロファイル検出部22(図2)は、例えば、受信部20のDSP回路26(図3)のROM264に記憶され、DSP262により実行されるソフトウェアとして実現される。
また、受信回路200(図7)、A/D202およびデータ復号部250は、専用のハードウェアおよびDSP回路26(図8)により実行されるソフトウェアまたはこれらのいずれかにより、適宜、実現される。
【0038】
遅延プロファイル検出部22は、第1の高速フーリエ変換部(FFT部)3−1、逆高速フーリエ変換部(IFFT部)4、乗算部220およびコード発生部24から構成される。
コード発生部24は、単にRACHプリアンブルのコードをFFT処理して得られるFFT結果を、ROM264またはRAM266に記憶することにより実現してもよいが、以下の説明においては、RACHコード記憶部240および第2のFFT部3−2を含む場合を具体例とする。
遅延プロファイル検出部22の各構成部分は、例えば、それぞれ独立したソフトウェアモジュールとして作成され、必要に応じて、適宜、追加あるいは削除されうるようになっており、OS(図示せず)などにより、任意のタイミングで起動されうる。
【0039】
[送信部210]
送信部210(図7)は、ネットワーク10(図1)などから供給される送信データを送信する。
【0040】
[受信回路200]
受信回路200(図7,図8)は、移動局12から信号を受信し、ベースバンドの信号に復調してA/D202に対して出力する。
【0041】
[A/D202]
A/D202は、受信回路200から入力されたアナログ形式のベースバンド信号を、デジタル形式の受信データに変換し、遅延プロファイル検出部22のFFT部3−1およびデータ復号部250に対して出力する。
【0042】
[データ復号部250]
データ復号部250は、遅延プロファイル検出部22から入力される遅延プロファイルを用いて受信データを復号し、復号データとしてネットワーク10(図1)などに対して出力する。
【0043】
[遅延プロファイル検出部22]
遅延プロファイル検出部22は、A/D202から入力される受信データに含まれるRACHのRACHプリアンブルを、図2〜6を参照して上述したように、FFT・IFFT処理を用いて逆拡散し、遅延プロファイルを生成してデータ復号部250に対して出力する。
以下、遅延プロファイル検出部22の各構成部分をさらに説明する。
【0044】
[FFT部3−1]
図9は、図7に示した第1のFFT部3−1の処理およびデータの並びの変遷を示す図である。
第1のFFT部3−1は、A/D202から入力される64ポイントの受信データに対して、順次、基数4・3段のバタフライ演算を実行してFFT変換処理を行い、FFT変換処理の結果として得られたFFT結果Aを、乗算部220に対して出力する。
以下、FFT部3−1の処理を段階ごとに、さらに詳しく説明する。
【0045】
[受信データの記憶]
遅延プロファイル検出部22において、FFT部3−1は、A/D202から入力された64ポイントの受信データD(I;I=0〜63)を、式3を参照して上述した順番で、RAM266(図8)に受信データD(I)の数に応じて64個、連続した領域に設けられた記憶領域R(I’;I’=0〜63)に記憶する。
つまり、FFT部3−1は、受信データD(0)〜D(63)それぞれを、図9の左端に示すように、記憶領域R(0),R(16),R(32),R(48),R(1),・・・R(63)に記憶する。
この受信データ記憶処理により、受信データD(I)の順番は、図9の左端に示す通り、「ねじれた」状態になる。
以下、説明を具体化・明確化のために、FFT部3−1が処理するデータそれぞれが、DSP262にとって1ワードである場合を説明する。
【0046】
[第1段目のバタフライ演算]
図9の左端〜左から2番目の間に示すように、FFT部3−1は、RAM266の連続する16×4個の記憶領域R(0)〜R(3),R(4)〜R(7),・・・,R(60)〜R(63)それぞれに記憶された16×4個の受信データ[D(0),D(16),D(32),D(48)],[D(4),D(20),D(36),D(52)],・・・,[D(15),D(31),D(47),D(63)]それぞれを、4ワード単位で一度に読み出す。
【0047】
さらに、図9の左端〜左から2番目の間に示したように、FFT部3−1は、読み出した16×4個の受信データ[D(0),D(16),D(32),D(48)],[D(4),D(20),D(36),D(52)],・・・,[D(15),D(31),D(47),D(63)]に対して、図5に示した第1段目のバタフライ演算を行い、それぞれの演算の結果として、16×4個の演算結果[B(0)〜B(3)],[B(4)〜B(7)],・・・,[B(60)〜B(63)]それぞれを得る。
【0048】
さらに、FFT部3−1は、16×4個の演算結果[B(0)〜B(3)],[B(4)〜B(7)],・・・,[B(60)〜B(63)それぞれを、式4を参照して上述した順番で、RAM266に設けられた64個の記憶領域R’(0)〜R’(63)それぞれに記憶する。
つまり、図9の2番目の間に示すように、FFT部3−1は、図9の左端〜左から2番目の間に示したように、16×4個の演算結果[B(0)〜B(3)],[B(4)〜B(7)],・・・,[B(60)〜B(63)それぞれを、記憶領域[R’(0),R’(16),R’(32),R’(48)],[R’(4),R’(20),R’(36),R’(52)],・・・,[R’(15),R’(31),R’(47),R’(63)]に記憶する。
【0049】
[第2段目のバタフライ演算]
図9の左から2〜3番目の間に示すように、FFT部3−1は、RAM266の連続する16×4個の記憶領域R’(0)〜R’(3),R’(4)〜R’(7),・・・,R’(60)〜R’(63)それぞれに記憶された16×4個のバタフライ演算結果[B(0),B(16),B(32),B(48)],[B(4),B(20),B(36),B(52)],・・・,[B(15),B(31),B(47),B(63)]それぞれを、4ワード単位で一度に読み出す。
【0050】
さらに、図9の左から2〜3番目の間に示したように、FFT部3−1は、読み出した16×4個のバタフライ演算結果[B(0),B(16),B(32),B(48)],[B(4),B(20),B(36),B(52)],・・・,[B(15),B(31),B(47),B(63)]に対して、図5に示した第2段目のバタフライ演算を行い、それぞれの演算の結果として、16×4個の演算結果[B’(0)〜B’(3)],[B’(4)〜B’(7)],・・・,[B’(60)〜B’(63)]それぞれを得る。
【0051】
さらに、FFT部3−1は、16×4個の演算結果[B’(0)〜B’(3)],[B’(4)〜B’(7)],・・・,[B’(60)〜B’(63)それぞれを、式4を参照して上述した順番で、RAM266に設けられた64個の記憶領域R”(0)〜R”(63)それぞれに記憶する。
つまり、図9の左から2番目の間に示すように、FFT部3−1は、図9の左から3番目に示すように、16×4個の演算結果[B’(0)〜B’(3)],[B’(4)〜B’(7)],・・・,[B’(60)〜B’(63)それぞれを、記憶領域[R”(0),R”(16),R”(32),R”(48)],[R”(4),R”(20),R”(36),R”(52)],・・・,[R”(15),R”(31),R”(47),R”(63)]に記憶する。
【0052】
[最終段(第3段目)のバタフライ演算]
図9の左から3〜4番目の間に示すように、FFT部3−1は、RAM266の連続する16×4個の記憶領域R”(0)〜R”(3),R”(4)〜R”(7),・・・,R”(60)〜R”(63)それぞれに記憶された16×4個のバタフライ演算結果[B’(0),B’(16),B’(32),B’(48)],[B’(4),B’(20),B’(36),B’(52)],・・・,[B’(15),B’(31),B’(47),B’(63)]それぞれを、4ワード単位で一度に読み出す。
【0053】
さらに、図9の左から3番目〜4番目の間に示したように、FFT部3−1は、読み出した16×4個のバタフライ演算結果[B’(0),B’(16),B’(32),B’(48)],[B’(4),B’(20),B’(36),B’(52)],・・・,[B’(15),B’(31),B’(47),B’(63)]に対して、図5に示した最終段(第3段目)のバタフライ演算を行い、それぞれの演算の結果として、16×4個の演算結果[B”(0)〜B”(3)],[B”(4)〜B”(7)],・・・,[B”(60)〜B”(63)]それぞれを得る。
【0054】
さらに、FFT部3−1は、16×4個の演算結果[B”(0)〜B”(3)],[B”(4)〜B”(7)],・・・,[B”(60)〜B”(63)それぞれを、式5を参照して上述した順番で、RAM266に設けられた64個の記憶領域R”’(0)〜R”’(63)それぞれに記憶する。
つまり、図9の左から4番目に示すように、FFT部3−1は、図9の左3〜4番目の間に示したように、16×4個の演算結果[B”(0)〜B”(3)],[B”(4)〜B”(7)],・・・,[B”(60)〜B”(63)それぞれを、記憶領域[R”’(0)〜B(3)],[R”’(16)〜(20),・・・,[R”’(60)〜R”’(63)]に記憶する。
このように、最終段(第3段目)のバタフライ演算の結果のみ、第2段目および最終段(第3段目)のバタフライ演算の結果とは異なる並び順でRAM266に記憶される理由は、FFT部3−1が出力するFFT結果の並び順を、IFFT部4の入力データとしての並び順に適合させるためである。
【0055】
さらに、図10を参照して、第1のFFT部3−1(図7)による第1〜3段目(最終段)のバタフライ演算処理(図9)を説明する。
図10は、第1のFFT部3−1(図7)による第1〜3段目(最終段)のバタフライ演算処理(S10)を示すフローチャートである。
図10に示すように、図9の左端に示した受信データの記憶処理が終わると、ステップ100−1(S100−1)において、FFT部3−1は、第1段目のバタフライ演算を行う。
【0056】
ステップ102(S102)において、FFT部3−1(図7)の処理を実行中のDSP262(図8)は、RAM266の連続した4ワードの記憶領域に記憶された受信データD(I)を、4ワード単位でレジスタに転送する。
【0057】
ステップ104(S104)において、DSP262は、図5に示したバタフライ演算を行う。
【0058】
ステップ106(S106)において、DSP262は、図9の左端〜左から2番目の間に示したように、バタフライ演算結果を、4ワード単位でレジスタからRAM266の記憶領域に転送し、記憶させる。
この4ワード単位の転送は、複数のバタフライ演算を同時に行うことにより、あるいは、結果をDSP262のレジスタにストックしておくことにより実現される。
【0059】
ステップ108(S108)において、DSP262は、受信データの全てのポイントについてS102〜S106の処理が終了したか否かを判断し、処理が終了した場合には次段のバタフライ演算処理に進み、これ以外の場合にはS102の処理に戻る。
【0060】
ステップ100−2(S100−2)において、DSP262は、S100−1の処理と同様に、第2段目のバタフライ演算処理を行う。
【0061】
、ステップ100−3(S100−3)において、DSP262は、最終段(第3段目)のバタフライ演算を行う。
【0062】
ステップ112(S112)において、DSP262(図8)は、S102の処理においてと同様に、第2段目のバタフライ演算の結果B’を、4ワード単位でレジスタに転送する。
【0063】
ステップ114(S114)において、DSP262は、S104の処理においてと同様に、図5に示したバタフライ演算を行う。
【0064】
ステップ116(S116)において、DSP262は、図9の左から3〜4番目の間に示したように、バタフライ演算結果を、式5を参照して上述したように、4ワード単位でレジスタからRAM266の記憶領域に転送し、記憶させる。
【0065】
ステップ118(S118)において、DSP262は、S108の処理においてと同様に、受信データの全てのポイントについてS102〜S106の処理が終了したか否かを判断し、処理が終了した場合には処理を終了し、これ以外の場合にはS112の処理に戻る。
【0066】
[コード発生部24]
コード発生部24において、RACHコード記憶部240は、RACHプリアンブルのコードを記憶し、FFT部3−2に対して出力する。
FFT部3−2は、RACHコード記憶部240から入力されたRACHプリアンブルのコードをFFT処理し、FFT結果Bとして乗算部220に対して出力する。
【0067】
[乗算部220]
乗算部220は、FFT部3−1およびコード発生部24から入力されたFFT結果AとFFT結果Bとを乗算し、乗算結果として得られるをIFFT部4に対して出力する。
つまり、乗算部220は、FFT結果AとFFT結果Bとを乗算することにより、式2を参照して上述した畳み込み演算を実現する。
【0068】
[IFFT部4]
図11は、図7に示した第1のIFFT部4の処理およびデータの並びの変遷を示す図である。
第1のIFFT部4は、乗算部220から入力される64ポイントの乗算結果に対して、順次、基数4・3段のバタフライ演算を実行してIFFT変換処理を行い、IFFT変換処理の結果として得られた遅延プロファイルを、データ復号部250に対して出力する。
【0069】
以下、IFFT部4の処理を段階ごとに、さらに詳しく説明する。
上述したように、FFT部3−1,3−2(図7)が出力するFFT結果AおよびFFT結果Bの並び順(図9の左から4番目(右端))と、IFFT部4に入力されるデータの並び順(図11左端)と同じである。
従って、遅延プロファイル検出部22においては、式6を参照して上述したIFFT部4のデータの並び替え処理は、FFT部3−1,3−2によるS116(図10)で代用されている。
従って、IFFT部4においては、FFT部3−1,3−2の処理におけるような、データの並び替えは必要とされない。
【0070】
[第1段目のバタフライ演算]
図11の左端〜左から2番目の間に示すように、IFFT部4は、乗算部220から入力される16×4個の乗算結果データ[P(0),P(16),P(32),P(48)],[P(4),P(20),P(36),P(52)],・・・,[P(15),P(31),P(47),P(63)]それぞれを、4ワード単位で一度に読み出す。
【0071】
さらに、図11の左端〜左から2番目の間に示したように、IFFT部4は、読み出した16×4個の受信データ[P(0),P(16),P(32),P(48)],[P(4),P(20),P(36),P(52)],・・・,[P(15),P(31),P(47),P(63)]に対して、図5に示した第1段目のバタフライ演算を行い、それぞれの演算の結果として、16×4個の演算結果[B(0)〜B(3)],[B(4)〜B(7)],・・・,[B(60)〜B(63)]それぞれを得る。
【0072】
さらに、IFFT部4は、16×4個の演算結果[B(0)〜B(3)],[B(4)〜B(7)],・・・,[B(60)〜B(63)それぞれを、式7を参照して上述した順番で、RAM266に設けられた64個の記憶領域R’(0)〜R’(63)それぞれに記憶する。
つまり、図11の2番目の間に示すように、IFFT部4は、図11の左端〜左から2番目の間に示したように、16×4個の演算結果[B(0)〜B(3)],[B(4)〜B(7)],・・・,[B(60)〜B(63)それぞれを、記憶領域[R’(0),R’(16),R’(32),R’(48)],[R’(4),R’(20),R’(36),R’(52)],・・・,[R’(15),R’(31),R’(47),R’(63)]に記憶する。
【0073】
[第2段目のバタフライ演算]
図11の左から2〜3番目の間に示すように、IFFT部4は、RAM266の連続する16×4個の記憶領域R’(0)〜R’(3),R’(4)〜R’(7),・・・,R’(60)〜R’(63)それぞれに記憶された16×4個のバタフライ演算結果[B(0),B(16),B(32),B(48)],[B(4),B(20),B(36),B(52)],・・・,[B(15),B(31),B(47),B(63)]それぞれを、4ワード単位で一度に読み出す。
【0074】
さらに、図11の左から2〜3番目の間に示したように、IFFT部4は、読み出した16×4個のバタフライ演算結果[B(0),B(16),B(32),B(48)],[B(4),B(20),B(36),B(52)],・・・,[B(15),B(31),B(47),B(63)]に対して、図5に示した第2段目のバタフライ演算を行い、それぞれの演算の結果として、16×4個の演算結果[B’(0)〜B’(3)],[B’(4)〜B’(7)],・・・,[B’(60)〜B’(63)]それぞれを得る。
【0075】
さらに、IFFT部4は、16×4個の演算結果[B’(0)〜B’(3)],[B’(4)〜B’(7)],・・・,[B’(60)〜B’(63)それぞれを、式7を参照して上述した順番で、RAM266に設けられた64個の記憶領域R”(0)〜R”(63)それぞれに記憶する。
つまり、図11の左から2番目の間に示すように、IFFT部4は、図11の左から3番目に示すように、16×4個の演算結果[B’(0)〜B’(3)],[B’(4)〜B’(7)],・・・,[B’(60)〜B’(63)それぞれを、記憶領域[R”(0),R”(16),R”(32),R”(48)],[R”(4),R”(20),R”(36),R”(52)],・・・,[R”(15),R”(31),R”(47),R”(63)]に記憶する。
【0076】
[最終段(第3段目)のバタフライ演算]
図11の左から3〜4番目の間に示すように、IFFT部4は、RAM266の連続する16×4個の記憶領域R”(0)〜R”(3),R”(4)〜R”(7),・・・,R”(60)〜R”(63)それぞれに記憶された16×4個のバタフライ演算結果[B’(0),B’(16),B’(32),B’(48)],[B’(4),B’(20),B’(36),B’(52)],・・・,[B’(15),B’(31),B’(47),B’(63)]それぞれを、4ワード単位で一度に読み出す。
【0077】
さらに、図11の左から3番目〜4番目の間に示したように、IFFT部4は、読み出した16×4個のバタフライ演算結果[B’(0),B’(16),B’(32),B’(48)],[B’(4),B’(20),B’(36),B’(52)],・・・,[B’(15),B’(31),B’(47),B’(63)]に対して、図5に示した最終段(第3段目)のバタフライ演算を行い、それぞれの演算の結果として、16×4個の演算結果[B”(0)〜B”(3)],[B”(4)〜B”(7)],・・・,[B”(60)〜B”(63)]それぞれを得る。
【0078】
さらに、IFFT部4は、16×4個の演算結果[B”(0)〜B”(3)],[B”(4)〜B”(7)],・・・,[B”(60)〜B”(63)それぞれを、式7を参照して上述した順番で、RAM266に設けられた64個の記憶領域R”’(0)〜R”’(63)それぞれに記憶する。
つまり、図11の左から4番目に示すように、IFFT部4は、図11の左から3〜4番目の間に示したように、16×4個の演算結果[B”(0)〜B”(3)],[B”(4)〜B”(7)],・・・,[B”(60)〜B”(63)それぞれを、記憶領域[R”’(0),R”’(16),R”’(32),R”’(48)],[R”’(4),R”’(20),R”’(36),R”’(52)],・・・,[R”’(15),R”’(31),R”’(47),R”’(63)]に記憶する。
FFT部3−1,3−2の処理においてとは異なり、IFFT部4の処理において、最終段(第3段目)のバタフライ演算の結果を、第1段目および第2段目と同じに並び替える理由は、この並び替えにより、図11の左から4番目(右端)に示すように、IFFTの結果として得られる遅延プロファイルが正しい順番となるからである。
【0079】
さらに、図12を参照して、第1のIFFT部4(図7)による第1〜3段目(最終段)のバタフライ演算処理(図11)を説明する。
図12は、第1のIFFT部4(図7)による第1〜3段目(最終段)のバタフライ演算処理を示すフローチャートである。
図12に示すように、図11の左端に示した受信データの記憶処理が終わると、ステップ120−1(S120−1)において、S100−1(図10)の処理においてと同様に、IFFT部4は、第1段目のバタフライ演算を行う。
【0080】
ステップ122(S122)において、S102の処理においてと同様に、IFFT部4(図7)の処理を実行中のDSP262(図8)は、RAM266の連続した4ワードの記憶領域に記憶された受信データD(I)を、4ワード単位でレジスタに転送する。
【0081】
ステップ124(S124)において、S104の処理においてと同様に、DSP262は、図5に示したバタフライ演算を行う。
【0082】
ステップ126(S126)において、S106の処理においてと同様に、DSP262は、図11の左端〜左から2番目の間に示したように、バタフライ演算結果を、4ワード単位でレジスタからRAM266の記憶領域に転送し、記憶させる。
この4ワード単位の転送は、S106の処理においてと同様に実現される。
【0083】
ステップ128(S128)において、S108の処理においてと同様に、DSP262は、受信データの全てのポイントについてS122〜S126の処理が終了したか否かを判断し、処理が終了した場合には次段のバタフライ演算処理に進み、これ以外の場合にはS122の処理に戻る。
【0084】
ステップ120−2(S120−2)において、DSP262は、S120−1の処理と同様に、第2段目のバタフライ演算処理を行う。
【0085】
、ステップ120−3(S120−3)において、DSP262は、S120−1の処理と同様に、第3段目(最終段)のバタフライ演算処理を行う。
【0086】
[全体動作]
以下、基地局2(図1,図7,図8)の受信部20の全体的な動作を説明する。
基地局2の受信部20(図7,図8)の受信回路200が移動局12(図1)からのRACHプリアンブルを受信し、ベースバンド信号としてA/D202に対して出力し、A/D202は、ベースバンド信号をデジタル形式の受信データに変換して遅延プロファイル検出部22に対して出力する。
【0087】
遅延プロファイル検出部22において、FFT部3−1は、受信データをFFT処理し、FFT結果Aとして乗算部220に対して出力する。
コード発生部24において、RACHコード記憶部240は、記憶したRACHプリアンブルのコードをFFT部3−2に対して出力し、FFT部3−2は、RACHプリアンブルのコードをFFT処理し、FFT結果Bとして乗算部220に対して出力する。
【0088】
乗算部220は、FFT部3−1から入力されたFFT結果Aと、コード発生部24のFFT部3−2から入力されたFFT結果Bとを乗算し、乗算結果をIFFT部4に対して出力する。
IFFT部4は、乗算部220から入力された乗算結果をIFFT処理し、遅延プロファイルとしてデータ復号部250に対して出力する。
データ復号部250は、IFFT部4から入力された遅延プロファイルを用いて、A/D202から入力された受信データを復号し、復号データとしてネットワーク10(図1)などに対して出力する。
[まとめ]
なお、本願明細書および図面には、以下の発明が開示されている。
(1)所定の符号を含む時間領域の第1の信号と、前記第1の信号と前記所定の符号との相関を検出する相関検出装置であって、
前記時間領域の第1の信号を、周波数領域に変換する変換手段と、
周波数領域に変換された前記所定の符号と、前記周波数領域に変換された第1の信号との相関を示す相関信号を生成する相関信号生成手段と、
前記生成された相関信号を、時間領域の信号に逆変換して、前記第1の信号と前記所定の符号との相関を検出する相関検出手段と
を有する相関検出装置。
【0089】
(2)前記変換手段は、前記時間領域の第1の信号に対してフーリエ変換処理を行うことにより、前記第1の信号を周波数領域に変換し、
前記相関信号生成手段は、前記周波数領域に変換された所定の符号と、前記周波数領域に変換された第1の信号とを乗算して、前記相関信号を生成し、
前記相関検出手段は、前記生成された相関信号を、逆フーリエ変換して、前記第1の信号と前記所定の符号との相関を検出する
(1)に記載の相関検出装置。
【0090】
(3)前記第1の信号は、CDMA信号であって、前記所定の符号はプリアンブルであって、
前記変換手段は、前記CDMA信号に対してフーリエ変換処理を行って、前記CDMA信号のFFT演算を行い、
前記相関信号生成手段は、前記生成されたCDMA信号のFFT演算結果と、前記プリアンブルに対してフーリエ変換処理を行って得られるプリアンブルのFFT演算結果とを乗算して、前記相関信号を生成し、
前記相関検出信号は、前記生成された相関信号に対して逆フーリエ変換処理を行い、遅延プロファイルを生成して、前記CDMA信号と前記プリアンブルとの相関を検出する
(1)または(2)に記載の相関検出装置。
【0091】
(4)連続したMN(Mはフーリエ変換の基数;N=1,2,...)個の記憶領域を用いて、MN個の時系列に続くデータに対して、N段のバタフライ演算を行うことによりフーリエ変換を行うフーリエ変換装置であって、
第(I;I=0,1,...,MN−1)番目のデータを、第(MN−1([I/M0]modM)+MN−2([I/M1]modM)+...+M0([I/MN−1]modM);但し、[X]はXを超えない整数,YmodZは整数Yの整数Zに対する剰余系)番目の前記記憶領域に記憶させるデータ記憶手段と、
第(MJ+H;J=0,1,...,MN−1−1,H=0〜M−1)番目のM個の前記記憶領域に記憶されたデータに対して、第(J)番目のバタフライ演算を行って得られる第(MJ+H)番目のM個のデータそれぞれを、第(MN−1H+MN−2([J/M1]modM)+...+M0([J/MN−1]modM))番目のM個の前記記憶領域に記憶させる処理を(N−1)回、繰り返す第1のバタフライ演算処理手段と、
前記(N−1)回のバタフライ演算の結果として得られ、第(MJ+H)番目のM個の前記記憶領域に記憶されたデータに対して、バタフライ演算を行って得られる第(MJ+H)番目のM個のデータそれぞれを、第(MN−1([J/M1]modM)+...+M0([J/MN−1]modM)+H)番目のM個の前記記憶領域に記憶させる処理を行う第2のバタフライ演算処理手段と
を有するフーリエ変換装置。
【0092】
(5)連続した64(N=3)個の記憶領域を用いて、64個の時系列に続くデータに対して、3段のバタフライ演算を行うことによりフーリエ変換を行うフーリエ変換装置であって、
データ記憶手段は、第(I;I=0〜63)番目のデータを、第(16(Imod4)+4([I/4]mod4)+([I/16]mod4))番目の前記記憶領域に記憶させ、
前記第1のバタフライ演算処理手段は、第(4J+H;J=0〜15,H=0〜3)番目の4個の前記記憶領域に記憶されたデータに対して、第(J)番目のバタフライ演算を行って得られる第(4J+H)番目の4個のデータそれぞれを、第(16H+4([J/4]mod4)+([J/16]mod4))番目の4個の前記記憶領域に記憶させる処理を2回、繰り返し、
前記第2のバタフライ演算処理手段は、前記2回のバタフライ演算の結果として得られ、第(4J+H)番目の4個の前記記憶領域に記憶されたデータに対して、バタフライ演算を行って得られる第(4J+H)番目の4個のデータそれぞれを、第(16([J/4]mod4)+4([J/16]mod4)+H)番目の4個の前記記憶領域に記憶させる処理を行う
(4)に記載のフーリエ変換装置。
【0093】
(6) 連続したMN(Mは逆フーリエ変換の基数;N=1,2,...)個の記憶領域を用いて、MN個の時系列に続くデータに対して、N段のバタフライ演算を行うことにより逆フーリエ変換を行う逆フーリエ変換装置であって、第(MJ+H;J=0,1,...,MN−1−1,H=0,1,...,M−1)番目のM個の前記記憶領域に記憶されたデータに対して、第(J)番目のバタフライ演算を行って得られる第(MJ+H)番目のM個のデータそれぞれを、第(MN−1H+MN−2([J/M1]modM)+・・・+M0([J/MN−1]modM))番目のM個の前記記憶領域に記憶させる処理を(N)回、繰り返す第2のバタフライ演算処理手段を有する逆フーリエ変換装置。
【0094】
(7)連続した64(M=4,N=3)個の記憶領域を用いて、64個の時系列に続くデータに対して、3段のバタフライ演算を行うことにより逆フーリエ変換を行うフーリエ変換装置であって、
前記第3のバタフライ演算処理手段は、第(4J+H;J=0〜15,H=0〜3)番目の4個の前記記憶領域に記憶されたデータに対して、第(J)番目のバタフライ演算を行って得られる第(4J+H)番目の4個のデータそれぞれを、第(16H+4([J/4]mod4)+([J/16]mod4))番目の4個の前記記憶領域に記憶させる処理を3回、繰り返す(6)に記載の逆フーリエ変換装置。
【0095】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる相関検出装置で用いられるフーリエ変換装置によれば、CDMA方式などの逆拡散処理をソフトウェア的に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】W−CDMA方式の移動体通信システムを例示する図である。
【図2】一般的なFFT処理を示すフローチャートである。
【図3】一般的なFFT処理におけるデータの並びの変遷を示す変遷図である。
【図4】本発明にかかるFFT処理を示す図である。
【図5】基数4のバタフライ演算を示す図である。
【図6】本発明にかかるFFT処理におけるデータの並びの変遷を示す変遷図である。
【図7】図1に示した基地局のハードウェアおよびソフトウェア構成を示す図である。
【図8】図7に示した受信部のハードウェア構成を示す図である。
【図9】図7に示した第1のFFT部の処理およびデータの並びの変遷を示す図である。
【図10】第1のFFT部(図7)による第1〜3段目(最終段)のバタフライ演算処理(S10)を示すフローチャートである。
【図11】図7に示した第1のIFFT部の処理およびデータの並びの変遷を示す図である。
【図12】第1のIFFT部(図7)による第1〜3段目(最終段)のバタフライ演算処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1・・・移動体通信システム
10・・・ネットワーク、
12・・セル、
2・・・基地局、
210・・・送信部
20・・・受信部、
200・・・受信回路、
202・・・A/D、
22・・・遅延プロファイル検出部、
3・・・FFT部、
24・・・コード発生部、
240・・・RACHコード記憶部、
4・・・IFFT部
26・・・DSP回路部、
262・・・DSP、
264・・・ROM、
266・・・RAM、
250・・・データ復号部
Claims (4)
- 所定の符号を含む時間領域の第1の信号と、前記第1の信号と前記所定の符号との相関を検出する相関検出装置であって、
前記時間領域の第1の信号を、周波数領域に変換する変換手段と、
周波数領域に変換された前記所定の符号と、前記周波数領域に変換された第1の信号との相関を示す相関信号を生成する相関信号生成手段と、
前記生成された相関信号を、時間領域の信号に逆変換して、前記第1の信号と前記所定の符号との相関を検出する相関検出手段と
を有する相関検出装置。 - 前記変換手段は、前記時間領域の第1の信号に対してフーリエ変換処理を行うことにより、前記第1の信号を周波数領域に変換し、
前記相関信号生成手段は、前記周波数領域に変換された所定の符号と、前記周波数領域に変換された第1の信号とを乗算して、前記相関信号を生成し、
前記相関検出手段は、前記生成された相関信号を、逆フーリエ変換して、前記第1の信号と前記所定の符号との相関を検出する
請求項1に記載の相関検出装置。 - 連続したMN(Mはフーリエ変換の基数;N=1,2,...)個の記憶領域を用いて、MN個の時系列に続くデータに対して、N段のバタフライ演算を行うことによりフーリエ変換を行うフーリエ変換装置であって、
第(I;I=0,1,...,MN−1)番目のデータを、第(MN−1([I/M0]modM)+MN−2([I/M1]modM)+...+M0([I/MN−1]modM);但し、[X]はXを超えない整数,YmodZは整数Yの整数Zに対する剰余系)番目の前記記憶領域に記憶させるデータ記憶手段と、
第(MJ+H;J=0,1,...,MN−1−1,H=0〜M−1)番目のM個の前記記憶領域に記憶されたデータに対して、第(J)番目のバタフライ演算を行って得られる第(MJ+H)番目のM個のデータそれぞれを、第(MN−1H+MN−2([J/M1]modM)+...+M0([J/MN−1]modM))番目のM個の前記記憶領域に記憶させる処理を(N−1)回、繰り返す第1のバタフライ演算処理手段と、
前記(N−1)回のバタフライ演算の結果として得られ、第(MJ+H)番目のM個の前記記憶領域に記憶されたデータに対して、バタフライ演算を行って得られる第(MJ+H)番目のM個のデータそれぞれを、第(MN−1([J/M1]modM)+...+M0([J/MN−1]modM)+H)番目のM個の前記記憶領域に記憶させる処理を行う第2のバタフライ演算処理手段と
を有するフーリエ変換装置。 - 連続したMN(Mは逆フーリエ変換の基数;N=1,2,...)個の記憶領域を用いて、MN個の時系列に続くデータに対して、N段のバタフライ演算を行うことにより逆フーリエ変換を行う逆フーリエ変換装置であって、
第(MJ+H;J=0,1,...,MN−1−1,H=0,1,...,M−1)番目のM個の前記記憶領域に記憶されたデータに対して、第(J)番目のバタフライ演算を行って得られる第(MJ+H)番目のM個のデータそれぞれを、第(MN−1H+MN−2([J/M1]modM)+・・・+M0([J/MN−1]modM))番目のM個の前記記憶領域に記憶させる処理を(N)回、繰り返す第3のバタフライ演算処理手段
を有する逆フーリエ変換装置。
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