JP2004032041A - 信号接続制御方法、信号接続制御装置、プログラム及び記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】グループ単位のリソース管理を考慮した適切なユーザインターフェースを提供し、大量の入出リソースのクロスポイント指定を誤認なく、且つ、確実に行う。
【解決手段】パーソナルコンピュータは複数の入力信号と複数の出力信号との間の接続関係を制御するためのグラフィカルユーザインターフェース70を提供する。該グラフィカルユーザインターフェース70は前記接続関係を放送番組の製作グループまたはそれに相当するグループ毎に表示し、且つ、接続関係の変更を可能とする表示制御部74、75、76を含む。従来例の不都合、すなわちグループを考慮していないため、たとえば、使用権限のないリソースを誤って使用したりすることがなく、しかも入出力信号の数が大量になっても自グループに割り当てられた少数の入出力リソースだけに注意を払えばよいから、信号選択の混乱やミスもない。
【選択図】 図11
【解決手段】パーソナルコンピュータは複数の入力信号と複数の出力信号との間の接続関係を制御するためのグラフィカルユーザインターフェース70を提供する。該グラフィカルユーザインターフェース70は前記接続関係を放送番組の製作グループまたはそれに相当するグループ毎に表示し、且つ、接続関係の変更を可能とする表示制御部74、75、76を含む。従来例の不都合、すなわちグループを考慮していないため、たとえば、使用権限のないリソースを誤って使用したりすることがなく、しかも入出力信号の数が大量になっても自グループに割り当てられた少数の入出力リソースだけに注意を払えばよいから、信号選択の混乱やミスもない。
【選択図】 図11
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、信号接続制御方法、信号接続制御装置、プログラム及び記録媒体に関する。詳しくは、テレビジョン放送局の送出部門で用いられる「ルーティングスイッチ」の制御方法及び制御装置並びにその制御プログラムを格納した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビジョン放送局の送出部門においては、特に生番組などを送出する際に、スタジオカメラの信号やVTR(Video Tape Recorder)の信号、あるいは、衛星回線等を介して入力する外部信号(中継車からの信号や契約局からの信号等)などの様々な放送信号を切り換えるための装置が用いられる。この装置は通称、信号の経路(ルーティング)を自在に切り換えるという意味で、ルーティングスイッチ(または単にルータ;Router)などと呼ばれている。
【0003】
なお、ネットワークの分野でも類似名の装置(いわゆるネットワークルータ)が用いられているが、このネットワークルータはパケット通信専用の経路変更装置であって、小分けされたデータの塊(パケット)に含まれる宛先アドレスに基づいてパケット単位に経路変更を行うものであるから、上記のルーティングスイッチと原理的に相違する。したがって、本明細書中で「ルーティングスイッチ」という場合は、テレビジョン放送局の送出部門で用いられるものを指すことにする。
【0004】
図24(a)は、ルーティングスイッチの概念構成図である。ルーティングスイッチ1は、複数の入力端子INのそれぞれにつながる入力信号線2a〜2eと、複数の出力端子OUTのそれぞれにつながる出力信号線3a〜3eとを交差配列し、各交差点にスイッチ素子4を設けて構成されている。スイッチ素子4は、たとえば、電磁リレーであり、リレー接点をオン/オフ制御することによって、任意の入力端子と任意の出力端子との間の接続を自由に断接できるようになっている。
【0005】
ここで、図24(b)に示すように、スイッチ素子4のオフ(断)状態を白丸記号(○)で表すと共に、オン(接)状態を黒丸記号(●;クロスポイントともいう)で表すことにすると、ルーティングスイッチ1のルーティング状態は、図24(c)のような「平面図表」で書き表すことができる。今、図示の状態は、すべての交差点が白丸記号になっており、入出力端子IN、OUTの間はいずれも接続されていないが、この状態で任意の交差点を黒丸記号に変更して、その交差点に位置するスイッチ素子4をオンにすることにより、ルーティングスイッチ1の制御、すなわち、ルーティング制御を行うことができる。
【0006】
図25(a)は、ルーティング制御を行うためのシステム構成図である。コンピュータ(たとえば、パーソナルコンピュータ)5は信号接続制御装置として動作し、上記の平面図表を模してデザインされたユーザインターフェース(GUI)画面をオペレータに提供する。
図25(b)は、GUI画面の一例である。GUI画面6は、マトリクス状、すなわち、入力信号線を表す直線オブジェクト7を上下方向に等間隔に配列すると共に、出力信号線を表す直線オブジェクト8を左右方向に等間隔に配列し、且つ、各々の交差点に円形オブジェクト9を配置してデザインされている。
【0007】
円形オブジェクト9の所定イベント、たとえば、ダブルクリックイベントには、次のイベントプロシージャ(またはプログラム)が割り付けられている。
すなわち、パーソナルコンピュータ5は、オペレータによって任意の円形オブジェクト9がダブルクリックされると、
(1)その円形オブジェクト9が白丸であるか否かを判定し、
(2)白丸であれば、円形オブジェクト9を黒丸に変更すると共に、その円形オブジェクト9を通る縦横の直線オブジェクト7、8から入力端子INと出力端子OUTの番号を取得して、それらの番号のクロスポイント情報を生成し、
(3)一方、白丸でなければ(黒丸であれば)、円形オブジェクト9を白丸に変更すると共に、その円形オブジェクト9を通る縦横の直線オブジェクト7、8から入力端子INと出力端子OUTの番号を取得して、それらの番号の非クロスポイント情報(クロスポイントの解除情報)を生成し、
(4)最後に、(2)または(3)で生成された情報(クロスポイント情報/非クロスポイント情報)を切り換え制御ユニット10に出力する。
【0008】
切り換え制御ユニット10は、そのクロスポイント情報に基づいて、該当する交差点位置のスイッチ素子4を“オン”にすべくルーティングスイッチ1を制御し、また、その非クロスポイント情報に基づいて、該当する交差点位置のスイッチ素子4を“オフ”にすべくルーティングスイッチ1を制御する。これにより、ルーティングスイッチ1の接続状態をパーソナルコンピュータ5から自由に遠隔制御することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の平面図表を利用したユーザインターフェース(GUI画面6)にあっては、クロスポイントの切り換え制御を直感的に行うことができる点で有益なものの、以下の点で改善すべき技術課題がある。
【0010】
(A)たとえば、放送局の規模によっては、ルーティングスイッチ1の入出力端子の数が数十から数百にも及ぶことがある。かかる大量の入出力端子を網羅した平面図表は、当然ながら見にくく、所望の入出力端子の交差点を見つけにくいばかりか、間違った交差点を指定してしまうという操作上の問題点がある。
【0011】
(B)また、多くの放送局では、入出力リソース(テレビカメラやVTRなどの入力リソースおよび送出チャネルなどの出力リソース)をグループ(番組製作グループ等)ごとに割り当てている。たとえば、報道グループにはAスタジオのテレビカメラとVTRを割り当てると共に、送出チャネルの1番から4番までを割り当て、また、娯楽番組製作グループにはBスタジオのテレビカメラとVTRを割り当てると共に、送出チャネルの5番から10番までを割り当てるなどである。さらに、ある入力リソースまたは出力リソースを複数のグループに割り当て、先着順に使用を許可したりすることもある。
【0012】
このような入出力リソースのグループ割り当ては、企業等における備品割り当て(机や各種OA機器などの備品を各部署に割り当てること)と同様に、リソース管理の常套手法であるが、前記のGUI画面6は、かかるグループ単位のリソース管理を全く考慮していないため、他のグループのリソース(入力リソースや出力リソース)を誤って使用してしまうというリソース管理上の問題点がある。
【0013】
本発明は、以上のことに鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、グループ単位のリソース管理を考慮した適切なユーザインターフェースを提供し、もって大量の入出リソースのクロスポイント指定を誤認なく、且つ、確実に行うことができるルーティングスイッチ制御方法及び制御装置並びにその制御プログラムを格納した記録媒体を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の入力信号と複数の出力信号との間の接続関係を制御するためのグラフィカルユーザインターフェースを有し、このグラフィカルユーザインターフェースは、前記接続関係を放送番組の製作グループまたはそれに相当するグループ毎に表示し、且つ、接続関係の変更を可能とする表示制御部を含む。
【0015】
ここに、n個のグループがある場合、たとえば、放送局の組織または放送番組編成上の都合から分けられた「ニュース」、「野球」または「ドラマ」などのグループがある場合、多くの放送局では、それらのグループ毎に、テレビカメラやVTRなどの入力リソースと、送出チャネルやサブスタジオなどの出力リソースとを割り当てる。各グループの責任者等は、割り当てを受けた入力リソースと出力リソースとを適切に組み合わせて自グループ担当の放送番組を製作し、送出する。
【0016】
本発明では、複数の入力信号と複数の出力信号との間の接続関係を“グループ”毎に表示し、且つ、接続関係の変更を可能とするため、従来例のように、単に、並列的にすべての入力信号と出力信号との接続関係を表示し、且つ、接続関係の変更を可能とするもの(図25(b)のGUI画面6を参照)における不都合、すなわち、グループを考慮していないため、たとえば、使用権限のないリソースを誤って使用したりすることがなく、しかも、入出力信号の数が大量になっても、自グループに割り当てられた少数の入出力リソースだけに注意を払えばよいから、信号選択の混乱やミスもない。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明における様々な細部の特定ないし実例および数値や文字列その他の記号の例示は、本発明の思想を明瞭にするための、あくまでも参考であって、それらのすべてまたは一部によって本発明の思想が限定されないことは明らかである。また、周知の手法、周知の手順、周知のアーキテクチャおよび周知の回路構成等(以下「周知事項」)についてはその細部にわたる説明を避けるが、これも説明を簡潔にするためであって、これら周知事項のすべてまたは一部を意図的に排除するものではない。かかる周知事項は本発明の出願時点で当業者の知り得るところであるので、以下の説明に当然含まれている。
【0018】
(システム構成)
図1は、本実施の形態におけるルーティング制御ための概念的なシステム構成図である。この図において、複数のコンピュータ(以下「パーソナルコンピュータ」とする)20は、それぞれ信号接続制御装置として動作するものであり、詳細は後述するが、本発明の特徴的な要素を含むルーティング操作用のグラフィカルユーザインターフェース画面(図11および図12参照;以下「GUI画面」という)を生成してオペレータに提供するものである。
【0019】
なお、パーソナルコンピュータ20の名称(特に“パーソナル”や“コンピュータ”)に特段の意味はない。要は、後述のGUI画面を表示できると共に、そのGUI画面の各部に対するオペレータの働きかけ(ユーザアクション;イベントともいう)をキャッチできる仕組みを持つ情報処理機器であればよく、たとえば、ワークステーションなどであってもよい。現実的には、GUI画面の開発容易性や安価な実行環境などを考慮し、Windows(登録商標)シリーズやUNIX(登録商標)等のGUI性に優れた公知のオペレーティングシステムを搭載した汎用のパーソナルコンピュータ(典型的にはDOS/Vアーキテクチャによるもの)を使用することが好ましい。
【0020】
複数のパーソナルコンピュータ20は、ローカルエリアネットワーク(典型的にはイーサネット(登録商標)網)21を介してデータベースサーバ22に接続されており、データベースサーバ22に格納されたルーティング制御のための各種情報(図5の各種テーブル参照)を参照し、必要に応じてその情報を更新し、且つ、複数のパーソナルコンピュータ20で当該情報を共有しつつ、後述するルーティング制御環境を提供する。
【0021】
パーソナルコンピュータ20と一対一に設けられた切り換え制御ユニット23は、それぞれ対のパーソナルコンピュータ20との間の信号入出力を制御するインターフェース部23aと、テレビジョン放送システムのシステムバス24を介してやり取りされるルーティングスイッチ25との間の信号入出力を制御するインターフェース部23bと、切り換え制御ユニット23の内部動作を制御する制御部23cとを備え、パーソナルコンピュータ20から出力されるルーティング制御指令信号に基づいて、ルーティングスイッチ25のスイッチ素子(図24の符号4参照)のオンオフ制御を行うとともに、ルーティングスイッチ25のスイッチ素子のオンオフ状況を定期的に取得し、その取得情報をパーソナルコンピュータ20に伝える働きをする。
【0022】
ルーティングスイッチ25は、システムバス24を介して接続された切り換え制御ユニット23や他の装置(たとえば、ルーティング切り換え用リモコン装置26)との間の信号入出力を制御するインターフェース部25aと、不図示のルータ設定装置との間の信号入出力を制御するインターフェース部25bと、ルーティングスイッチ25の内部動作を制御する制御部25cと、ルーティングスイッチ部25dとを備え、切り換え制御ユニット23やルーティング切り換え用リモコン装置26からの制御信号に基づいて、ルーティングスイッチ部25dの複数の入力端子IN1〜IN5と複数の出力端子OUT1〜OUT5との間の接続状態を切り換え、様々な放送信号、たとえば、第1カメラ27や第2カメラ28またはVTR29などの信号あるいは衛星回線30や専用線31などから入力した信号を適宜に選択しつつ、スイッチャ32を介して視聴者宅に択一的に配信(送出)できるようにする。なお、図では、ルーティングスイッチ部25dの入出力端子IN、OUTの数を“5”としているが、これは説明の簡単化のためである。一般的に入出力端子IN、OUTの数は“5”を超える数であり、システムの規模にもよるが、数十ないしは数百に及ぶこともある。
【0023】
(レベル構造)
ルーティングスイッチ部25dの概念構成は、先に説明した図24のものと同様であるが、実際には、複数の層(レベルという)を積み重ねた階層構造を有している。
図2は、ルーティングスイッチ部25dのレベル構造模式図である。ルーティングスイッチ部25dは、レベル1からレベルn(nは8程度)までの複数のルーティングスイッチ層からなる。一つのレベルを“主レベル”、他のレベルを“従レベル”として扱い、従レベルを主レベルに従属させてルーティング制御を行う。先に説明した図24のものは、簡単化のために主レベルのみを表したものである。基本的には、主レベルの任意の入力端子(IN)と出力端子(OUT)とのルーティング制御を行った際に、従レベルの同一の入出力端子のルーティング制御も同時に行われるようになっている。たとえば、レベル1を主レベルとし、残りのレベル2〜レベルnを従レベルとした場合は、主レベル(レベル1)のINxとOUTxを接続すると、従レベル(レベル2〜レベルn)のINxとOUTxも同時に接続されるようになっている。ここに、xは任意の端子番号(たとえば、x=1)である。
【0024】
このようなレベル構造の階層化は、一つの放送素材が複数の信号から構成されている場合に、個々の信号の組み合わせの手間をなくすために行われている。たとえば、ある放送素材が「映像信号」と「主音声信号」および「副音声信号」の三つの信号で構成されていたとすると、二次元的なレベル構造(すなわち一つのレベル層のみ)の場合は、「映像信号」と「主音声信号」および「副音声信号」の信号毎に入出力端子の組み合わせを一つ一つ設定していかなければならず、面倒であるばかりか、設定ミスも否めないが、階層化しておけば、主レベルの入出力端子の組み合わせを設定するだけで、同時に従レベルの組み合わせも設定されるので、たとえば、主レベルに映像信号を割り当てるとともに、従レベルに主音声信号と副音声信号を割り当てておけば、面倒もなく、且つ、設定ミスも回避できるからである。つまり、レベル1〜レベルnの端子xを一度にまとめて切り換えることができ、いちいち映像や音声単位に信号を切り換えることなく、放送素材ごとのルーティング操作を効率よく行うことができるからである。
【0025】
(パーソナルコンピュータ20及びデータベースサーバ22の構成)
図3は、パーソナルコンピュータ20の構成を示す図である。パーソナルコンピュータ20は、CPU(提供手段、パターン情報生成部)20a、RAM20b、ディスクコントローラ20c、ディスク装置20d、ディスプレイコントローラ20e、ディスプレイ装置20f、キーボードコントローラ20g、キーボード装置20h、ポインティングデバイス装置20i、第1通信制御装置20j、第2通信制御装置20k、メインバス20m、バスインターフェース20nおよび内部バス10pなどを有する。
【0026】
パーソナルコンピュータ20は、ディスク装置20dにあらかじめ格納されたオペレーティングシステムや所要のアプリケーションプログラムをRAM20bにロードしてCPU20aで実行することにより、ローカルエリアネットワーク21を介してデータベースサーバ22にアクセスしつつ、後述のGUI画面をディスプレイ装置20fに表示すると共に、切り換え制御ユニット23を介して定期的にルーティングスイッチ部25dの現在状況を取得し、また、GUI画面に対するユーザアクション(キーボード装置20hやポインティングデバイス装置20iの操作アクション)を検出してルーティング制御指令信号を生成し、そのルーティング制御信号を切り換え制御ユニット23に出力できるようになっている。
【0027】
なお、同一のアーキテクチャを採用している場合は、データベースサーバ22の構成もパーソナルコンピュータ20に類似したものとなる。すなわち、データベースサーバ22も、図3に示す各構成要素(CPU20a、RAM20b、ディスクコントローラ20c、ディスク装置20d、ディスプレイコントローラ20e、ディスプレイ装置20f、キーボードコントローラ20g、キーボード装置20h、ポインティングデバイス装置20i、第1通信制御装置20j、第2通信制御装置20k、メインバス20m、バスインターフェース20nおよび内部バス10pなど)を有する点でパーソナルコンピュータ20と類似する。
【0028】
図4は、パーソナルコンピュータ20及びデータベースサーバ22のネットワーク構成図とハード及びソフトウェアの階層モデルを示す図である。パーソナルコンピュータ20及びデータベースサーバ22の各々を示す階層モデル40、50は、それぞれOSI(Open Systems Interconnectionの略。開放型システム間相互接続)参照モデルを模したものであり、いずれもハードウェアリソース層41、51の上に、オペレーティングシステム層42、52とアプリケーション層43、53を積層した構造になっている。
【0029】
ハードウェアリソース層41、51は、CPU20aなどのハードウェアリソース(図3の構成)を含み、その上のオペレーティングシステム層42、52に含まれるオペレーティングシステム(ネットワークOS:NOSを含む)を介して、アプリケーション層43、53からの間接的利用を可能する。パーソナルコンピュータ20のアプリケーション層43は、少なくとも、所定のユーザアプリケーションプログラム(以下、「ルーティング制御プログラム」という)44を含み、また、データベースサーバ22のアプリケーション層53は、少なくとも、上記のルーティング制御プログラム44からのデータアクセスを許容するデータベースプログラム54を含む。
【0030】
なお、データベースサーバ22のアプリケーション層53にデータベースプログラム54を実装した理由は、次のとおりである。本実施の形態におけるルーティング制御は、ローカルエリアネットワーク21に接続された複数(図では便宜的に2台)のパーソナルコンピュータ20で並列的に実行できるようになっており、いわゆるサーバ/クライアント型のシステム構成をなしている。そして、このシステム構成では、ルーティング制御に必要な様々なデータをネットワーク上(データベースサーバ22)に置き、そのデータを複数のパーソナルコンピュータ20で共有するが、かかるデータの共有化においては、排他制御を考慮しないとデータ不整合等の不都合を招くからである。たとえば、あるデータを一のパーソナルコンピュータ20で変更する際に他のパーソナルコンピュータ20でもそのデータを変更しようとする場合、排他制御が考慮されていなければ、先に行われた変更が無効になってしまうからである。一般的なデータベースプログラムは、あるデータの塊(たとえば、レコード単位)毎に排他制御を行うことができるようになっているため、上記の不都合を回避することができる。したがって、本実施の形態でいうところの「データベースプログラム54」とは、データの共有化と排他制御の機能を兼ね備えたアプリケーションプログラム又はそれに相当するプログラム(オペレーティングシステムのファイルシステムを含む)のことをいい、かかる機能を有するものであれば、必ずしもその名称(特に“データベース”)に限定されない。
【0031】
(テーブル構造)
図5は、データベースプログラム54のテーブル構造概念図である。この図において、データベースプログラム54は適宜に設計された複数のテーブル、たとえば、レベルテーブル60、入力リソーステーブル61、出力リソーステーブル62、グループINテーブル63、グループOUTテーブル64及びパターンテーブル65などを有する。
【0032】
各テーブルを説明すると、レベルテーブル60は、ルーティングスイッチ部25dの各レベルの“主従”関係を定義するためのものである。すなわち、レベルテーブル60は、一つの主レベル定義フィールド60aと複数の従レベル定義フィールド60b〜60eとからなる単一のレコードで構成されており、たとえば、図6(a)にその一例を示すように、主レベル定義フィールド60aにレベル1を表す値“1”を格納し、第1の従レベル(従レベル1)定義フィールド60bにレベル4を表す値“4”を格納し、第2の従レベル(従レベル2)定義フィールド60cにレベル5を表す値“5”を格納し、第3の従レベル(従レベル3)定義フィールド60dにレベル6を表す値“6”を格納し、第4の従レベル(従レベル4)定義フィールド60eにレベル8を表す値“8”を格納し、第5の従レベル(従レベル5)定義フィールド60fに未定義を表す値(図では“−”であるが、NULL値や空白又はエンプティ値であってもよい)を格納する。この場合は、ルーティングスイッチ部25dのレベル1を“主レベル”に指定すると共に、残りのレベルのうちのレベル4〜6とレベル8を“従レベル”に指定したことになる。
【0033】
入力リソーステーブル61は、その放送局が所有する入力リソース(テレビカメラやVTR等)を一連番号で定義するものである。すなわち、入力リソーステーブル61は、入力リソース数に対応したレコードから構成されており、各レコードは、ユニークな値を格納したIDフィールド61aと入力リソース名フィールド61bとからなり、たとえば、図6(b)にその一例を示すように、各ID(1、2、3、4、・・・・)毎に“VTR1”、“VTR2”、“VTR3”、“VTR4”・・・・などのオペレータにとって分かりやすい入力リソース名を格納する。
【0034】
出力リソーステーブル62は、その放送局が所有する出力リソース(サブスタジオや送出チャネル等)を一連番号で定義するものである。すなわち、出力リソーステーブル62は、出力リソース数に対応したレコードから構成されており、各レコードは、ユニークな値を格納したIDフィールド62aと出力リソース名フィールド62bとからなり、たとえば、図6(c)にその一例を示すように、各ID(1、2、3、4、・・・・)毎に“1”、“2”、“3”、“4”・・・・などのオペレータにとって分かりやすい出力リソース名を格納する。
【0035】
グループINテーブル63は、放送番組の製作グループまたはそれに相当するグループ毎に、前記入力リソースのどれを割り当てるかを定義するものである。すなわち、グループINテーブル63は、入力グループ数に対応したレコードから構成されており、各レコードは、グループ毎のユニークな値を格納したIDフィールド63aと、グループ名フィールド63bと、複数の入力リソースIDフィールド63c〜63fとからなり、たとえば、図7(a)にその一例を示すように、各ID(GPS1、GPS2、GPS3、GPS4、・・・・)毎に“ニュース”、“野球”、“バレーボール”、“ドラマ”・・・・などの入力グループ名と、各グループ毎の入力リソースIDを格納する。ここで、入力リソースIDフィールド63c〜63fは、入力リソーステーブル61のIDフィールド61aにリンク(リレーションともいう)されており、たとえば、第1レコードの入力リソースIDフィールド63cに格納された値(1、2、3)は、入力リソーステーブル61のID“1”、“2”、“4”の各レコードを表す。このリレーションプロパティの設定により、たとえば、“ニュース”グループに割り当てられた入力リソースは、入力リソーステーブル61のID“1”、“2”、“4”のそれぞれの入力リソース名フィールド61bの格納値から、“VTR1”(ID=1)、“VTR2”(ID=2)及び“VTR4”(ID=4)であることがわかる。
【0036】
グループOUTテーブル64は、放送番組の製作グループまたはそれに相当するグループ毎に、前記出力リソースのどれを割り当てるかを定義するものである。すなわち、グループOUTテーブル64は、出力グループ数に対応したレコードから構成されており、各レコードは、グループ毎のユニークな値を格納したIDフィールド64aと、出力グループ名フィールド64bと、複数の出力リソースIDフィールド64c〜64fとからなり、たとえば、図7(b)にその一例を示すように、各ID(GPD1、GPD2、GPD3、GPD4、・・・・)毎に“A”、“B”、“C”、“D”・・・・などの出力グループ名と、各グループ毎の出力リソースIDを格納する。ここで、出力リソースIDフィールド64c〜64fは、出力リソーステーブル62のIDフィールド62aにリンクされており、たとえば、第1レコードの出力リソースIDフィールド64cに格納された値(1−8)は、出力リソーステーブル62のID“1”、“2”、“3”、“4”、“5”、“6”、“7”及び“8”の各レコードを表す。このリレーションプロパティの設定により、たとえば、“A”グループに割り当てられた出力リソースは、出力リソーステーブル62のID“1”〜“8”のそれぞれの出力リソース名フィールド62bの格納値から、“1”(ID=1)、“2”(ID=2)、“3”(ID=3)・・・・であることがわかる。
【0037】
パターンテーブル65は、クロスポイントの設定パターンを保持し、それを再利用するためのものである。すなわち、パターンテーブル65は、パターンの登録数に対応したレコードから構成されており、各レコードは、パターン毎のユニークな値を格納したIDフィールド65aと、パターン名フィールド65bと、複数のクロスポイント情報フィールド65c〜65fとからなり、たとえば、図8にその一例を示すように、各ID(PAT1、PAT2、・・・・)毎に“ナイター”や“朝”・・・・などの適当に命名されたパターン名と、各パターン毎のクロスポイント指定情報(たとえば、第1レコードの“1−1、2−2、3−3”は三つのクロスポイント指定情報を表しており、各情報の書式は“入力端子番号”−“出力端子番号”である)を格納する。
【0038】
(グループ)
図9は、“グループ”の概念説明図である。一般に放送局にあっては、組織又は放送番組制作上の都合からいくつかのグループ(製作グループなど)毎に放送番組を製作する。それらのグループには、あらかじめテレビカメラやVTRなどの入力リソースとサブスタジオや送出チャネルなどの出力リソースが割り当てられている。同図は、その割り当て状態を模式化した図であり、いわゆる組織図に相当するものである。たとえば、グループ1(便宜的にニュース番組の製作グループ)には、VTR1〜VTR2、Dサブ、Eサブが割り当てられている。ニュースグループはそれらの割り当てリソースを適宜に使用して担当の放送番組を製作する。これらの入出力リソースは、そのグループに専用のものとして割り当てられることもあれば、他のグループとの共有割り当てになることもあるが、間違ったクロスポイント指定、たとえば、使用権のないリソースにクロスポイントを設定したり、すでに先着使用中のリソースにクロスポイントを設定したりした場合は、放送番組の製作・送出に大きな混乱をもたらすことになる。冒頭で説明した従来のルーティング制御のためのGUI画面6にあっては、かかるグループの概念を全く考慮していないため、オペレータは常にグループを意識してクロスポイントの設定を行わなければならず、人的ミスによる混乱を否めなかった。本実施の形態では、かかる点に鑑み、グループの概念を取り入れたGUI画面とすることにより、グループを意識することなく、クロスポイントの設定をできるようにし、人為ミスのない確実なルーティング制御を実現することとした。
【0039】
(パターン)
また、本実施の形態では、ルーティング制御の効率化を図るために、一度設定したクロスポイント情報をパターンとして記憶し、それを再利用できるようにした。
図10は、“パターン”の説明概念図である。たとえば、(a)においては入力端子INの1番と出力端子OUTの2番、入力端子INの2番と出力端子OUTの3番、及び、入力端子INの3番と出力端子OUTの4番が接続されており、このパターンは、“1−2、2−3、3−4”の文字列(パターン情報)で表すことができる。ここに、パターンの書式は“入力端子番号”−“出力端子番号”である。また、(b)においては入力端子INの2番と出力端子OUTの2番、入力端子INの3番と出力端子OUTの1番、及び、入力端子INの4番と出力端子OUTの3番が接続されており、このパターンは、“2−2、3−1、4−3”の文字列(パターン情報)で表すことができる。さらに、(c)においては入力端子INの2番と出力端子OUTの5番、入力端子INの3番と出力端子OUTの2番、入力端子INの4番と出力端子OUTの4番、及び、入力端子INの5番と出力端子OUTの3番が接続されており、このパターンは、“2−5、3−2、4−4、5−3”の文字列(パターン情報)で表すことができる。これらのパターン情報に適当な名前(パターン名)を付けて記憶しておき、同一のパターンを使用する際には、そのパターン名を指定してパターン情報を再利用することにより、いちいち入出力端子の接続関係を指定し直すことなく、効率的にルーティング制御を行うことができる。
【0040】
(GUI画面)
次に、本実施の形態における二つのGUI画面について、その好ましいレイアウトを説明する。
図11は、パーソナルコンピュータ20に表示される第1のGUI画面(グラフィカルユーザインターフェース)70を示す図である。第1のGUI画面70は、上端にタイトルバー71と画面種別表示エリア72を配置し、フォーム内のクライアントエリア73の左側に入力グループ表示エリア74を、また、上側に出力グループ表示エリア75を配置すると共に、入力グループ表示エリア74と出力グループ表示エリア75の交点位置にマトリクス表示エリア76を配置してレイアウトされている。これらの入力グループ表示エリア74及び出力グループ表示エリア75は表示制御部と入力信号情報表示部に相当し、また、マトリクス表示エリア76は表示制御部と出力信号使用状態変更用コントロールに相当する。
【0041】
図示の例においては、タイトルバー71のタイトル名に文字列“ルーティング制御プログラム”がセットされており、且つ、画面種別表示エリア72に、その第1のGUI画面70を役割を表す適当な文字列、たとえば、“グループアサイン画面”が表示されている。
入力グループ表示エリア74は、グループ単位の複数の表示部からなり、各グループには、図5のグループINテーブル63の登録情報(登録情報の一例は図7(a)参照)が表示される。たとえば、図示の例では、“ニュース”、“野球”、“バレーボール”、“ドラマ”、“囲碁”、“スペシャル”といったグループ名が表示されており、且つ、それぞれのグループの入力ソースとして、たとえば、“ニュース”グループにあっては、“VTR1”、“VTR2”、“VTR3”が表示されている。
【0042】
また、出力グループ表示エリア75は、グループ単位の複数の表示部からなり、各グループには、図5のグループOUTテーブル64の登録情報(登録情報の一例は図7(b)参照)が表示される。たとえば、図示の例では、“A”、“B”、“C”、“D”、“E”、“F”、“G”、“H”といったグループ名が表示されている。
さらに、マトリクス表示エリア76は、入力グループ表示エリア74の各グループ毎にひかれた横方向の直線オブジェクト76aと、出力グループ表示エリア75の各グループ毎にひかれた縦方向の直線オブジェクト76bと、それらの直線オブジェクト76a、76bの各交差点に配置された特異形状(以下「円形」とする)オブジェクト76cとからなり、一の特定色(以下「黒丸:●」とする)の円形オブジェクト76cでその交差点位置のグループアサインを明示し、二の特定色(以下「白丸:○」とする)の円形オブジェクト76cでその交差点位置の非グループアサインを明示する。
【0043】
ここで、“グループアサイン”とは、任意の入力グループを任意の出力グループに割り付けることをいい、“非グループアサイン”とは、その割付を解除(リリース)することをいう。なお、出力グループ表示エリア75の左端位置は非グループアサインに対応した特別な位置(解除位置ともいう)である。この解除位置の円形オブジェクト76cが黒丸となっている場合は、その横方向列に対応する入力グループはいずれの出力グループにも割り付けられていないことを明示する。たとえば、図示の例においては、“ニュース”グループが“E”グループに割り付けられており、他のグループはすべて解除位置にあるから、一つのグループ(ニュース)だけがアサインされている。
【0044】
このような構成を有する第1のGUI画面70は、パーソナルコンピュータ20にインストールされたルーティング制御プログラム44を、当該パーソナルコンピュータ20で実行することによって、そのディスプレイ装置20fに表示される。オペレータは、第1のGUI画面70と対話しつつ、所望の入力グループを所望の出力グループに割り付けるというグループアサイン作業を行うが、この作業は、たとえば、“ニュース”グループをサブ“E”に割り付ける場合を例にすると、マトリクス表示エリア76において、当該“ニュース”と“E”の交差点に位置する円形オブジェクト76cをダブルクリック(ポインティングデバイス装置20iの左ボタンを続けてクリックする操作)するだけの簡単な手続で行うことができる。グループアサインが完了すると、当該位置の円形オブジェクト76cが白丸から黒丸へ変化し、且つ、そのグループのクロスポイント指定を行うための画面(第2のGUI画面80;第2のグラフィカルユーザインターフェースに相当する)がオープンする。なお、ダブルクリックは一例である。シングルクリック(ポインティングデバイス装置20iの左ボタンを1回だけクリックする操作)や右クリックなどの他のポインティング操作であってもよい。また、これらのクリック操作は、タッチパネルを使用したものであってもよい。
【0045】
図12は、パーソナルコンピュータ20に表示される第2のGUI画面80を示す図である。この第2のGUI画面80は、第1のGUI画面70のマトリクス表示エリア76において、解除位置以外の任意の円形オブジェクト76cをダブルクリックしたときに(すなわち、ある入力グループをある出力グループにアサインしたときに)、そのパーソナルコンピュータ20のディスプレイ装置20fの画面上にオープンされる。
【0046】
第2のGUI画面80は、上端にタイトルバー81と画面種別表示エリア82を配置し、フォーム内のクライアントエリア83の左側に入力リソース表示エリア84を、また、上側に付加情報表示エリア85と出力リソース表示エリア86を配置すると共に、入力リソース表示エリア84と出力リソース表示エリア86の交点位置にマトリクス表示エリア87を配置してレイアウトされている。これらの入力リソース表示エリア84及び出力リソース表示エリア86は表示制御部と出力信号情報表示部に相当し、また、マトリクス表示エリア87は表示制御部と出力信号使用状態変更用コントロールに相当する。
【0047】
図示の例においては、タイトルバー81のタイトル名に文字列“ルーティング制御プログラム”がセットされており、且つ、画面種別表示エリア82に、その第2のGUI画面80を役割を表す適当な文字列、たとえば、“クロスポイント指定画面”が表示されていると共に、タイトルバー81の右端に閉じるボタン81aが配置されている。
【0048】
付加情報表示エリア85には、入力グループ名表示用テキストボックスコントロール85a、出力グループ名表示用テキストボックスコントロール85b及びパターン名選択用リストボックスコントロール(パターン名表示部)85cが配置されている。入力グループ名表示用テキストボックスコントロール85aと出力グループ名表示用テキストボックスコントロール85bには、この第2のGUI画面80をオープンする際のグループアサイン情報が表示される。たとえば、図示の例では、入力グループ名表示用テキストボックスコントロール85aに“ニュース”が表示されており、また、出力グループ名表示用テキストボックスコントロール85bに“E”が表示されているので、この場合は、第1のGUI画面70の“ニュース”と“E”の交差点に位置する円形オブジェクト76cをダブルクリックして、この第2のGUI画面80をオープンした時の状態を表している。
【0049】
入力リソース表示エリア84は、特定の入力グループ(入力グループ名表示用テキストボックスコントロール85aに表示されているグループ。図示の例では“ニュース”)に割り当てられた複数の入力リソース毎の表示部からなり、各入力リソースには、図5のグループINテーブル63の登録情報(登録情報の一例は図7(a)参照)が表示される。たとえば、図示の例では、“ニュース”グループに割り当てられた入力リソースとして、“VTR1”、“VTR2”、“VTR3”が表示されている。
また、出力リソース表示エリア86は、特定の出力グループ(出力グループ名表示用テキストボックスコントロール85bに表示されているグループ。図示の例では“E”)に割り当てられた複数の出力リソース毎の表示部からなり、各出力リソースには、図5のグループOUTテーブル64の登録情報(登録情報の一例は図7(b)参照)が表示される。たとえば、図示の例では、“E”グループに割り当てられた入力リソースとして、“1”〜“6”が表示されている。
【0050】
さらに、マトリクス表示エリア87は、入力リソース表示エリア84の各リソース毎にひかれた横方向の直線オブジェクト87aと、出力リソース表示エリア86の各リソース毎にひかれた縦方向の直線オブジェクト87bと、それらの直線オブジェクト87a、87bの各交差点に配置された円形オブジェクト87cとからなり、黒丸(●)の円形オブジェクト87cでその交差点位置のクロスポイントを明示し、白丸(○)の円形オブジェクト87cでその交差点位置の非クロスポイントを明示する。
【0051】
ここで、“クロスポイント”とは、任意の入力リソースを任意の出力リソースに割り付けることをいい、“非クロスポイント”とは、その割付を解除(リリース)することをいう。出力リソース表示エリア86の左端位置は非クロスポイントに対応した特別な位置(解除位置ともいう)である。この解除位置の円形オブジェクト87cが黒丸となっている場合は、その横方向列に対応する入力リソースはいずれの出力リソースにも割り付けられていないことを明示する。たとえば、図示の例においては、“VTR1”が“4”に割り付けられており、同様に“VTR2”が“5”に、“VTR3”が“6”に割り付けられており、他のリソース(図では空白)はすべて解除位置にあるから、三つの入力リソース(“VTR1”、“VTR2”、“VTR3”)がそれぞれ任意の出力リソースとの間でクロスポイント指定されていることを明示する。
【0052】
このような構成を有する第2のGUI画面80は、先に説明したとおり、第1のGUI画面70のマトリクス表示エリア76に対するダブルクリック操作(グループアサイン作業)に応答してオープンされる。オペレータは、オープンされた第2のGUI画面80と対話しつつ、所望のグループのクロスポイント指定作業を行うが、この作業は、たとえば、“ニュース”グループの“VTR1”を“4”に割り付け、同グループの“VTR2”を“5”に割り付け、同グループの“VTR3”を“6”に割り付ける場合を例にすると、マトリクス表示エリア87において、“VTR1”と“4”の交差点、“VTR2”と“5”の交差点、及び、“VTR3”と“6”の交差点のそれぞれに位置する円形オブジェクト87cをダブルクリックするだけの簡単な手続で行うことができる。クロスポイント指定が完了すると、当該位置の円形オブジェクト87cが白丸から黒丸へ変化する。第1のGUI画面70に復帰するためには、閉じるボタン81aをクリックして第2のGUI画面80をクローズすればよい。
【0053】
図13(a)は、グループアサイン情報とそのグループに設定されたクロスポイント情報のデータ構造概念図である。このデータ構造90は、入力グループ情報格納部90aと、出力グループ情報格納部90bと、クロスポイント情報格納部90cとからなり、各情報格納部90a〜90cに、図11の第1のGUI画面70(グループアサイン画面)の設定情報と、図12の第2のGUI画面80(クロスポイント指定画面)の設定情報とを格納してパーソナルコンピュータ20のRAM20bに保持される。
【0054】
図13(b)は、実際の格納情報例を示す図である。この例の場合、入力グループ情報格納部90aには“GPS1”が格納され、出力グループ情報格納部90bには“GPD5”が格納され、クロスポイント情報格納部90cには“1−4、2−5、3−6”が格納されている。“GPS1”は、図7のグループINテーブル63の第1レコードに対応し、“GPD5”は、図7のグループOUTテーブル64の第5レコードに対応する。また、“1−4、2−5、3−6”は、図12の第2のGUI画面80における現在のクロスポイント状態に対応する。
【0055】
図14は、第2のGUI画面80の出力リソース表示エリア86に配置されたパターン名リストボックスコントロール85cの動作状態図である。この図において、(a)パターン名リストボックスコントロール85cの右端の矢印ボタン85dをクリックすると、図8のパターンテーブル65に登録済みのすべてのパターン名リスト85eがプルダウン表示される。パターン名リスト85eの任意行をクリックすると、パターン名リスト85eの表示が解除されると共に、(b)クリック行のパターン名(図では便宜的に“朝”)がパターン名リストボックスコントロール85cに表示される。そして、かかるパターン名の選択操作に応答して、図8のパターンテーブル65から上記の選択パターン名(“朝”)に対応したクロスポイント情報1〜n(図5参照)がルックアップされ、第2のGUI画面80のマトリクス表示エリア87に設定される。
【0056】
つまり、パターン名リストボックスコントロール85cの任意行を選択するだけで、すでに登録済みのクロスポイント情報を瞬時に設定することができる。このため、使用頻度の高いパターンをいちいち設定し直す必要がなく、ルーティング制御の効率化を図ることができる。なお、新規にパターン登録を行う場合は、図14(c)に示すように、パターン名リストボックスコントロール85cにそのパターンに対応した適当な名前(図では便宜的に“△△○○”)を入力すればよい。図5のパターンテーブル65に新規レコードが追加され、入力したパターン名とそのときのクロスポイント情報とが当該レコードに登録される。
【0057】
(作用説明)
次に、本実施の形態における第1及び第2のGUI70、80に関する特徴的な動作について詳しく説明する。
まず、図15(a)は、マトリクス部オンフォーカスイベントプログラムを示すフローチャートである。このプログラムは、第1のGUI画面70のマトリクス表示エリア76の上にマウスカーソルを置いたとき、又は、第2のGUI画面80のマトリクス表示エリア87の上にマウスカーソルを置いたときに、オペレーティングシステムで発生するオンフォーカスイベントに応答して実行される。このプログラムでは、最初に、オンフォーカスイベントの終了(マウスカーソルが移動してマトリクス表示エリア76、87の上から外れた)を判定する(ステップS11)。
【0058】
そして、終了でなければ(オンフォーカス中であれば)、オンフォーカス座標(マウスカーソルの座標)を取得して(ステップS12)、その座標に近い縦横直線オブジェクトを特定し(ステップS13)、その縦横直線オブジェクトの属性(この実施例では線の太さ)を変更(ステップS14)する一方、終了であれば(オンフォーカス中でなければ)、すべての縦横直線オブジェクトの属性を元に戻す(ステップS15)という処理を実行する。
【0059】
図15(b)、(c)は、マトリクス部オンフォーカスイベントプログラムを実行中の実際の画面表示例であり、76a(87a)は横方向の直線オブジェクト、76b(87b)は縦方向の直線オブジェクト、76c(87c)は交差点に位置する円形オブジェクト、91はマウスカーソルである。
オンフォーカス状態にないとき(b)は、すべての縦横直線オブジェクト76a(87a)、76b(87b)の属性は初期状態(細線)にあるが、オンフォーカス状態にあるとき(c)は、マウスカーソル91に最も近い縦横直線オブジェクト76a(87a)、76b(87b)の属性が細線から太線へと変更される。
【0060】
したがって、このマトリクス部オンフォーカスイベントプログラムによれば、マウスカーソル91の移動に伴って、順次に縦横直線オブジェクト76a(87a)、76b(87b)の属性が細線から太線へと変更されるので、マウスカーソル91の現在位置を、太線になっている縦横直線オブジェクト76a(87a)、76b(87b)の交点位置から直感的に把握することができ、操作性を改善することができる。
【0061】
次に、図16は、マトリクス部ダブルクリックイベントプログラムを示すフローチャートである。このプログラムは、第1のGUI画面70のマトリクス表示エリア76上の任意位置をダブルクリックしたとき、又は、第2のGUI画面80のマトリクス表示エリア87上の任意位置をダブルクリックしたときに、オペレーティングシステムで発生するダブルクリックイベントに応答して実行される。このプログラムでは、まず、カレント画面(ダブルクリックイベントを発生したときの画面)が第1のGUI画面70(グループアサイン画面)であるか、又は、第2のGUI画面80(クロスポイント指定画面)であるかを判定する(ステップS21)。そして、第1のGUI画面70(グループアサイン画面)であれば、後述の「グループアサイン処理プログラム」を実行し(ステップS22)、第2のGUI画面80(クロスポイント指定画面)であれば、後述の「クロスポイント指定処理プログラム」を実行(ステップS23)する。
【0062】
図17は、グループアサイン処理プログラムを示すフローチャートである。このプログラムでは、まず、ダブルクリック座標を取得し(ステップS31)、その座標が円形オブジェクト76cの上であるか否かを判定する(ステップS32)。ダブルクリック座標が円形オブジェクト76cの上でない場合は、プログラムを終了して、図16のマトリクス部ダブルクリックイベントプログラムに復帰し、ダブルクリック座標が円形オブジェクト76cの上である場合は、その円形オブジェクト76cが白丸であるか否かを判定する(ステップS33)。
【0063】
そして、その円形オブジェクト76cが白丸である場合は、グループアサイン指定、すなわち、その円形オブジェクト76cを黒丸に変更すると共に、同一横方向直線オブジェクト76a上に位置する他のすべての円形オブジェクト76cを白丸に変更し(ステップS34)、図13のデータ構造90の入力グループ情報格納部90aと出力グループ情報格納部90bにそのグループアサイン情報を登録(ステップS35)した後、クロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)をオープン(ステップS36)して、図16のマトリクス部ダブルクリックイベントプログラムに復帰する。
【0064】
一方、その円形オブジェクト76cが白丸でない場合(すなわち黒丸である場合)は、その円形オブジェクト76cが解除位置であるか否かを判定する(ステップS37)。そして、解除位置であれば、そのまま図16のマトリクス部ダブルクリックイベントプログラムに復帰し、解除位置でなければ、非グループアサイン指定、すなわち、その円形オブジェクト76cを白丸に変更すると共に、同一横方向直線オブジェクト76a上の解除位置の円形オブジェクト76cを黒丸に変更し(ステップS38)、図13のデータ構造90の入力グループ情報格納部90aと出力グループ情報格納部90bの格納情報を抹消(ステップS35)した後、クロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)をオープン(ステップS36)して、図16のマトリクス部ダブルクリックイベントプログラムに復帰する。
【0065】
したがって、このグループアサイン処理プログラムによれば、グループアサイン画面(第1のGUI画面70)のマトリクス表示エリア76の所望交差点に位置する円形オブジェクト76cをダブルクリックするだけで、当該位置に対応する任意の入力グループ(たとえば、“ニュース”)と任意の出力グループ(たとえば、“E”)との割り付け又はその解除を容易に行うことができる。また、円形オブジェクト76cが黒丸であるか白丸であるかを一瞥するだけで、その割り付け状態又は解除状態を直感的に把握することができる。さらに、その割り付け操作又は解除操作を“グループ”単位で行うようにしたから、且つ、グループ毎のクロスポイント指定を別画面(第2のGUI画面80)で行うようにしたから、とりわけ、大量の入出リソースのクロスポイント指定を誤認なく、且つ、確実に行うことができる。
【0066】
図18は、クロスポイント指定処理プログラムを示すフローチャートである。このプログラムでは、まず、ダブルクリック座標を取得し(ステップS41)、その座標が円形オブジェクト87cの上であるか否かを判定する(ステップS42)。ダブルクリック座標が円形オブジェクト87cの上でない場合は、プログラムを終了して、図16のマトリクス部ダブルクリックイベントプログラムに復帰し、ダブルクリック座標が円形オブジェクト87cの上である場合は、その円形オブジェクト87cが白丸であるか否かを判定する(ステップS43)。
【0067】
そして、その円形オブジェクト87cが白丸である場合は、クロスポイント指定、すなわち、その円形オブジェクト87cを黒丸に変更すると共に、同一横方向直線オブジェクト87a上に位置する他のすべての円形オブジェクト87cを白丸に変更し(ステップS44)、図13のデータ構造90のクロスポイント情報格納部90cにそのクロスポイント指定情報を登録(ステップS45)した後、後述のパターン判定処理を実行(ステップS46)して、図16のマトリクス部ダブルクリックイベントプログラムに復帰する。
【0068】
一方、その円形オブジェクト87cが白丸でない場合(すなわち黒丸である場合)は、その円形オブジェクト87cが解除位置であるか否かを判定する(ステップS47)。そして、解除位置であれば、そのまま図16のマトリクス部ダブルクリックイベントプログラムに復帰し、解除位置でなければ、非クロスポイント指定、すなわち、その円形オブジェクト87cを白丸に変更すると共に、同一横方向直線オブジェクト87a上の解除位置の円形オブジェクト87cを黒丸に変更し(ステップS48)、図13のデータ構造90のクロスポイント情報格納部90cの格納情報を抹消(ステップS45)した後、後述の「パターン判定処理プログラム」を実行(ステップS46)して、図16のマトリクス部ダブルクリックイベントプログラムに復帰する。
【0069】
したがって、このクロスポイント指定処理プログラムによれば、クロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)のマトリクス表示エリア87の所望交差点に位置する円形オブジェクト87cをダブルクリックするだけで、当該位置に対応する任意の入力リソース(たとえば、“VTR1”)と任意の出力リソース(たとえば、“4”)との割り付け又はその解除を容易に行うことができる。また、円形オブジェクト87cが黒丸であるか白丸であるかを一瞥するだけで、その割り付け状態又は解除状態を直感的に把握することができる。さらに、その割り付け操作又は解除操作を“グループ”単位で行うようにしたから、とりわけ、大量の入出リソースのクロスポイント指定を誤認なく、且つ、確実に行うことができる。
【0070】
次に、図19は、パターン判定処理プログラムを示すフローチャートである。このプログラムでは、まず、クロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)のマトリクス表示エリア87における現在のクロスパターン設定情報と、図5のパターンテーブル65の登録情報とを照合する(ステップS51)。そして、一致情報の有無を判定し(ステップS52)、その判定結果が“NO”であれば、図18のクロスポイント指定処理プログラムに復帰し、その判定結果が“YES”であれば、クロスパターンテーブル65の該当レコードのパターン名フィールド65bからパターン名を取り出し、パターン名選択用リストボックスコントロール85cに表示(ステップS53)した後、図18のクロスポイント指定処理プログラムに復帰する。
【0071】
したがって、このパターン判定処理プログラムによれば、設定したクロスポイントのパターンが、図5のパターンテーブル65に登録済みである場合に、そのパターンテーブル65から該当するパターン名をルックアップして、パターン名選択用リストボックスコントロール85cに表示することができる。
【0072】
そのため、パターン名選択用リストボックスコントロール85cに表示されたパターン名から、常用的なパターンであることを即座に判断でき、仮に、常用パターンであるにもかかわらず、パターン名が表示されなかった場合は、クロスポイントのどこかに設定ミスがあることを判断することができる。
【0073】
また、先(図14)にも説明したように、常用パターン(図5のパターンテーブル65に登録済みのパターン)を使用(再利用)する場合は、パターン名リストボックスコントロール85cのパターン名リスト85eから所望のパターン名を選択することにより、その選択パターン名(たとえば、“朝”)に対応したクロスポイント情報1〜nをパターンテーブル65からルックアップし、第2のGUI画面80のマトリクス表示エリア87に設定することができ、クロスポイント指定操作の簡略化を図ることができる。
【0074】
次に、図20は、パターン名リストボックス更新イベント処理プログラムを示すフローチャートである。このプログラムは、クロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)のパターン名選択用リストボックスコントロール85cに任意の文字列を入力したときに実行される。このプログラムでは、まず、パターン名選択用リストボックスコントロール85cに入力された文字列(以下「入力パターン名」という)を整形する(ステップS60)。なお、“整形”とは、空白文字などの好ましくない文字が使用されていた場合にその文字を削除したり、他の文字に置き換えたりすることをいう。さらに、数字、アルファベット又は仮名文字などが使われていた場合にそれらの文字を1バイト文字(半角文字)や2バイト文字(全角文字)に統一することをいう。こうした整形は、文字列一致の判定を行う場合に、その判定の精度を高めるために必要な操作である。
【0075】
次いで、整形後の入力文字列をキーワードにして、図5のパターンテーブル65のパターン名フィールド65bを検索する(ステップS61)。そして、パターン名一致のレコードが発見された場合は、適当なエラーメッセージ(たとえば、“このパターン名はすでに登録済みです。他のパターン名に変更してください。”など)を表示(ステップS63)してプログラムを終了する一方、パターン名一致のレコードが発見されなかった場合は、図5のパターンテーブル65に新規レコードを追加し、そのレコードに、入力パターン名と、クロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)のマトリクス表示エリア87における現在のクロスポイントパターン情報とを登録(ステップS64)した後、プログラムを終了する。
【0076】
したがって、このパターン名リストボックス更新イベント処理プログラムによれば、クロスポイントを設定した後に、そのクロスポイント情報を常用パターンとして簡単にパターンテーブル65に追加登録することができ、クロスポイント情報の再利用化を図ることができる。
【0077】
次に、図21は、ルーティングスイッチ部25dの最新情報を取得するためのプログラムを示すフローチャートである。このプログラムは、グループアサイン画面(第1のGUI画面70)又はクロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)を表示している間、所定の時間間隔dで定期的に実行される。このプログラムでは、所定の時間間隔dであるか否かを判定し(ステップS71)、所定の時間間隔dである場合に、以下の処理を実行する。
【0078】
すなわち、切り換え制御ユニット23を介してルーティングスイッチ部25dの最新情報を取得し(ステップS72)、クロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)における現在のクロスポイント指定情報と比較する(ステップS73)。
【0079】
図22は、切り換え制御ユニット23を介して取得したルーティングスイッチ部25dの最新情報91と、クロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)における現在のクロスポイント指定情報92を示す概念図である。ルーティングスイッチ部25dの最新情報91は、レベル番号フィールド91aと、出力端子OUT番号フィールド91bと、入力端子IN番号フィールド91cとからなり、各フィールドに、レベル毎の出力端子OUTと入力端子INとの組み合わせ情報を格納する。たとえば、図示の例では、8個のレベルが64個の出力端子OUTと入力端子INで構成されており、各レベルが同一の組み合わせ、すなわち、1−1、2−5、3−6、・・・・、64−0となっている。ここに、“0”は未接続(解除)を表す。一方、クロスポイント指定情報92は、主レベルの出力端子OUTフィールド92a及び入力端子INフィールド92bとからなり、各フィールドに、クロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)における現在のクロスポイント指定情報を格納する。たとえば、図示の例では、ルーティングスイッチ部25dの最新情報91と同一の組み合わせ、すなわち、1−1、2−5、3−6、・・・・、64−0となっている。
【0080】
プログラムにおいて、ルーティングスイッチ部25dの最新情報91と、クロスポイント指定情報92とを比較した結果、図22の例の場合は、両者が一致しているから、その一致判定結果(ステップS74)が“YES”となって再びステップS71に復帰するが、もし、ルーティングスイッチ部25dの最新情報91とクロスポイント指定情報92との間に不一致が見られた場合は、他のパーソナルコンピュータ20又はルーティング切り換え用リモコン装置26などによって、クロスポイント指定が行われたことを意味し、クロスポイント指定情報92は無効であるので、グループアサイン画面(第1のGUI画面70)やクロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)の表示を「特異表示状態」に変更する(たとえば、クロスポイントの円形オブジェクト76c、87cを特定の警告色にする)などのエラー処理(ステップS75)を行って、再びステップS71に復帰する。
【0081】
したがって、このプログラムによれば、ルーティングスイッチ部25dの実際の状態とパーソナルコンピュータ20の上の表示状態とを比較して、不一致の場合に所要の警告表示(特異表示状態)を行うことができる。又、その警告表示は、クロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)だけでなく、グループアサイン画面(第1のGUI画面70)においても行われるから、どの画面を開いていても上記の不一致状態を即座に把握することができる。
【0082】
以上、説明したとおりであるから、本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
(1)マウスカーソル91の移動に伴って、順次に縦横直線オブジェクト76a(87a)、76b(87b)の属性が細線から太線へと変更されるので、マウスカーソル91の現在位置を、太線になっている縦横直線オブジェクト76a(87a)、76b(87b)の交点位置から直感的に把握することができ、操作性を改善することができる。
【0083】
(2)パターン名選択用リストボックスコントロール85cに表示されたパターン名から、常用的なパターンであることを即座に判断でき、仮に、常用パターンであるにもかかわらず、パターン名が表示されなかった場合は、クロスポイントのどこかに設定ミスがあることを判断することができる。
【0084】
(3)常用パターン(図5のパターンテーブル65に登録済みのパターン)を使用する場合は、パターン名リストボックスコントロール85cのパターン名リスト85eから所望のパターン名を選択することにより、その選択パターン名(たとえば、“朝”)に対応したクロスポイント情報1〜nをパターンテーブル65からルックアップし、第2のGUI画面80のマトリクス表示エリア87に設定することができ、クロスポイント指定操作の簡略化を図ることができる。
【0085】
(4)クロスポイントを設定した後に、そのクロスポイント情報を常用パターンとして簡単にパターンテーブル65に追加登録することができ、クロスポイント情報の再利用化を図ることができる。
【0086】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されない。発明の思想の範囲内において様々な変形態様を含むことは当然であり、たとえば、以下のようにしてもよい。
上記の実施の形態におけるパターンテーブル65(図5参照)は、グループに関する情報を含んでいない。すなわち、パターンテーブル65は、図23(a)に示すように、放送局全体に適用される共通の情報テーブルであるが、不都合な点は、特に規模が大きい放送局の場合に登録パターン数が膨大なものとなって、パターン名リストボックスコントロール85cのパターン名リスト85eが長くなる点、及び、しばしば重複するパターン名の登録操作が行われてしまう可能性がある点である。先に説明したとおり、重複パターン名の登録は拒絶(図19のステップS52参照)されるようになっているが、度々の拒絶は感覚的に好ましくないし、操作性の悪化にも繋がる。
【0087】
そこで、この改良例においては、図23(a)に示すように、パターンテーブル65′にグループ名フィールド65gを追加し、そのグループ名フィールド65gのデータを用いて、グループ単位のレコード抽出を可能とする。これによれば、パターン名リストボックスコントロール85cのパターン名リスト85eの長さを一つのグループ分の登録パターン数に対応したものとすることができ、また、重複パターン名の登録の可能性も少なくでき、拒絶の回数を少なくして上記の欠点を解消することができる。
【0088】
また、上記の実施の形態では、グループアサイン画面(第1のGUI画面70)の円形オブジェクト76cをダブルクリックしたときに、クロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)をオープンするようにしているが、これに限定されない。要は、任意のグループを選択したときにクロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)をオープンすればよく、たとえば、グループアサイン画面(第1のGUI画面70)の入力グループ表示エリア74に含まれる任意のグループ名(たとえば、“ニュース”、“野球”、“バレーボール”・・・・のいずれか)又はその付近をダブルクリックしたときに、クロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)をオープンするようにしてもよい。あるいは、グループ選択のための他の画面をオープンし、そのグループ選択画面内の任意のグループ名表示部分又はボタンコントロールなどをクリックしたときに、クロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)をオープンするようにしてもよい。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の入力信号と複数の出力信号との間の接続関係を“グループ”毎に表示し、且つ、接続関係の変更を可能とするため、従来例のように、単に、並列的にすべての入力信号と出力信号との接続関係を表示し、且つ、接続関係の変更を可能とするもの(図25(b)のGUI画面6を参照)における不都合、すなわち、グループを考慮していないため、たとえば、使用権限のないリソースを誤って使用したりすることがなく、しかも、入出力信号の数が大量になっても、自グループに割り当てられた少数の入出力リソースだけに注意を払えばよいから、信号選択の混乱やミスもない。
また、グループに割り当てられた入力信号と出力信号との接続関係をパターン化して記憶し、それを再利用することができ、使用頻度の高い接続関係をいちいち設定する必要がなく、クロスポイント指定の効率改善を図ることができる。
また、縦横方向にマトリクス配置された多数の直線オブジェクトによって接続関係を表現し、該マトリクス上のカーソル位置直近の縦横方向の直線オブジェクトの属性を変更させて、該カーソル位置を明示することにより、オンフォーカス中のクロスポイント対象位置を目立たせることができ、間違ったクロスポイント指定を回避することができる。
また、グラフィカルユーザインターフェースに表示中の接続関係と実際の接続関係との間に不一致があった場合には、グラフィカルユーザインターフェースに表示される接続関係を、該不一致状態を表す特異表示状態に変更することができ、誤った表示に基づく、クロスポイントの指定ミスを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態におけるルーティング制御ための概念的なシステム構成図である。
【図2】ルーティングスイッチ部25dのレベル構造模式図である。
【図3】パーソナルコンピュータ20の構成を示す図である。
【図4】パーソナルコンピュータ20及びデータベースサーバ22のネットワーク構成図とハード及びソフトウェアの階層モデルを示す図である。
【図5】データベースプログラム54のテーブル構造概念図である。
【図6】レベルテーブル60、入力リソーステーブル61及び出力リソーステーブル62のデータ格納状態一例図である。
【図7】グループINテーブル63及びグループOUTテーブル64のデータ格納状態一例図である。
【図8】パターンテーブル65のデータ格納状態一例図である。
【図9】“グループ”の概念説明図である。
【図10】“パターン”の説明概念図である。
【図11】パーソナルコンピュータ20に表示される第1のGUI画面70を示す図である。
【図12】パーソナルコンピュータ20に表示される第2のGUI画面80を示す図である。
【図13】グループアサイン情報とそのグループに設定されたクロスポイント情報のデータ構造概念図及びそのデータ格納一例図である。
【図14】第2のGUI画面80の出力リソース表示エリア86に配置されたパターン名リストボックスコントロール85cの動作状態図である。
【図15】マトリクス部オンフォーカスイベントプログラムを示すフローチャート及びマトリクス部オンフォーカスイベントプログラムを実行中の実際の画面表示例を示す図である。
【図16】マトリクス部ダブルクリックイベントプログラムを示すフローチャートである。
【図17】グループアサイン処理プログラムを示すフローチャートである。
【図18】クロスポイント指定処理プログラムを示すフローチャートである。
【図19】パターン判定処理プログラムを示すフローチャートである。
【図20】パターン名リストボックス更新イベント処理プログラムを示すフローチャートである。
【図21】ルーティングスイッチ部25dの最新情報を取得するためのプログラムを示すフローチャートである。
【図22】切り換え制御ユニット23を介して取得したルーティングスイッチ部25dの最新情報91と、クロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)における現在のクロスポイント指定情報92を示す概念図である。
【図23】改良されたパターンテーブル65′を示すその要部構造図である。
【図24】ルーティングスイッチの概念構成図である。
【図25】ルーティング制御を行うためのシステム構成図及びGUI画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
20……パーソナルコンピュータ(信号接続制御装置)、20a……CPU(提供手段、パターン情報生成部)、70……第1のGUI画面(グラフィカルユーザインターフェース)、74……入力グループ表示エリア(表示制御部、入力信号情報表示部)、75……出力グループ表示エリア(表示制御部、出力信号情報表示部)、76……マトリクス表示エリア(表示制御部、出力信号使用状態変更用コントロール)、80……第2のGUI画面(第2のグラフィカルユーザインターフェース)、84……入力リソース表示エリア(表示制御部、入力信号情報表示部)、85c……パターン名選択用リストボックスコントロール(パターン名表示部)、86……出力リソース表示エリア(表示制御部、出力信号情報表示部)、87……マトリクス表示エリア(表示制御部、出力信号使用状態変更用コントロール)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、信号接続制御方法、信号接続制御装置、プログラム及び記録媒体に関する。詳しくは、テレビジョン放送局の送出部門で用いられる「ルーティングスイッチ」の制御方法及び制御装置並びにその制御プログラムを格納した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビジョン放送局の送出部門においては、特に生番組などを送出する際に、スタジオカメラの信号やVTR(Video Tape Recorder)の信号、あるいは、衛星回線等を介して入力する外部信号(中継車からの信号や契約局からの信号等)などの様々な放送信号を切り換えるための装置が用いられる。この装置は通称、信号の経路(ルーティング)を自在に切り換えるという意味で、ルーティングスイッチ(または単にルータ;Router)などと呼ばれている。
【0003】
なお、ネットワークの分野でも類似名の装置(いわゆるネットワークルータ)が用いられているが、このネットワークルータはパケット通信専用の経路変更装置であって、小分けされたデータの塊(パケット)に含まれる宛先アドレスに基づいてパケット単位に経路変更を行うものであるから、上記のルーティングスイッチと原理的に相違する。したがって、本明細書中で「ルーティングスイッチ」という場合は、テレビジョン放送局の送出部門で用いられるものを指すことにする。
【0004】
図24(a)は、ルーティングスイッチの概念構成図である。ルーティングスイッチ1は、複数の入力端子INのそれぞれにつながる入力信号線2a〜2eと、複数の出力端子OUTのそれぞれにつながる出力信号線3a〜3eとを交差配列し、各交差点にスイッチ素子4を設けて構成されている。スイッチ素子4は、たとえば、電磁リレーであり、リレー接点をオン/オフ制御することによって、任意の入力端子と任意の出力端子との間の接続を自由に断接できるようになっている。
【0005】
ここで、図24(b)に示すように、スイッチ素子4のオフ(断)状態を白丸記号(○)で表すと共に、オン(接)状態を黒丸記号(●;クロスポイントともいう)で表すことにすると、ルーティングスイッチ1のルーティング状態は、図24(c)のような「平面図表」で書き表すことができる。今、図示の状態は、すべての交差点が白丸記号になっており、入出力端子IN、OUTの間はいずれも接続されていないが、この状態で任意の交差点を黒丸記号に変更して、その交差点に位置するスイッチ素子4をオンにすることにより、ルーティングスイッチ1の制御、すなわち、ルーティング制御を行うことができる。
【0006】
図25(a)は、ルーティング制御を行うためのシステム構成図である。コンピュータ(たとえば、パーソナルコンピュータ)5は信号接続制御装置として動作し、上記の平面図表を模してデザインされたユーザインターフェース(GUI)画面をオペレータに提供する。
図25(b)は、GUI画面の一例である。GUI画面6は、マトリクス状、すなわち、入力信号線を表す直線オブジェクト7を上下方向に等間隔に配列すると共に、出力信号線を表す直線オブジェクト8を左右方向に等間隔に配列し、且つ、各々の交差点に円形オブジェクト9を配置してデザインされている。
【0007】
円形オブジェクト9の所定イベント、たとえば、ダブルクリックイベントには、次のイベントプロシージャ(またはプログラム)が割り付けられている。
すなわち、パーソナルコンピュータ5は、オペレータによって任意の円形オブジェクト9がダブルクリックされると、
(1)その円形オブジェクト9が白丸であるか否かを判定し、
(2)白丸であれば、円形オブジェクト9を黒丸に変更すると共に、その円形オブジェクト9を通る縦横の直線オブジェクト7、8から入力端子INと出力端子OUTの番号を取得して、それらの番号のクロスポイント情報を生成し、
(3)一方、白丸でなければ(黒丸であれば)、円形オブジェクト9を白丸に変更すると共に、その円形オブジェクト9を通る縦横の直線オブジェクト7、8から入力端子INと出力端子OUTの番号を取得して、それらの番号の非クロスポイント情報(クロスポイントの解除情報)を生成し、
(4)最後に、(2)または(3)で生成された情報(クロスポイント情報/非クロスポイント情報)を切り換え制御ユニット10に出力する。
【0008】
切り換え制御ユニット10は、そのクロスポイント情報に基づいて、該当する交差点位置のスイッチ素子4を“オン”にすべくルーティングスイッチ1を制御し、また、その非クロスポイント情報に基づいて、該当する交差点位置のスイッチ素子4を“オフ”にすべくルーティングスイッチ1を制御する。これにより、ルーティングスイッチ1の接続状態をパーソナルコンピュータ5から自由に遠隔制御することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の平面図表を利用したユーザインターフェース(GUI画面6)にあっては、クロスポイントの切り換え制御を直感的に行うことができる点で有益なものの、以下の点で改善すべき技術課題がある。
【0010】
(A)たとえば、放送局の規模によっては、ルーティングスイッチ1の入出力端子の数が数十から数百にも及ぶことがある。かかる大量の入出力端子を網羅した平面図表は、当然ながら見にくく、所望の入出力端子の交差点を見つけにくいばかりか、間違った交差点を指定してしまうという操作上の問題点がある。
【0011】
(B)また、多くの放送局では、入出力リソース(テレビカメラやVTRなどの入力リソースおよび送出チャネルなどの出力リソース)をグループ(番組製作グループ等)ごとに割り当てている。たとえば、報道グループにはAスタジオのテレビカメラとVTRを割り当てると共に、送出チャネルの1番から4番までを割り当て、また、娯楽番組製作グループにはBスタジオのテレビカメラとVTRを割り当てると共に、送出チャネルの5番から10番までを割り当てるなどである。さらに、ある入力リソースまたは出力リソースを複数のグループに割り当て、先着順に使用を許可したりすることもある。
【0012】
このような入出力リソースのグループ割り当ては、企業等における備品割り当て(机や各種OA機器などの備品を各部署に割り当てること)と同様に、リソース管理の常套手法であるが、前記のGUI画面6は、かかるグループ単位のリソース管理を全く考慮していないため、他のグループのリソース(入力リソースや出力リソース)を誤って使用してしまうというリソース管理上の問題点がある。
【0013】
本発明は、以上のことに鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、グループ単位のリソース管理を考慮した適切なユーザインターフェースを提供し、もって大量の入出リソースのクロスポイント指定を誤認なく、且つ、確実に行うことができるルーティングスイッチ制御方法及び制御装置並びにその制御プログラムを格納した記録媒体を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の入力信号と複数の出力信号との間の接続関係を制御するためのグラフィカルユーザインターフェースを有し、このグラフィカルユーザインターフェースは、前記接続関係を放送番組の製作グループまたはそれに相当するグループ毎に表示し、且つ、接続関係の変更を可能とする表示制御部を含む。
【0015】
ここに、n個のグループがある場合、たとえば、放送局の組織または放送番組編成上の都合から分けられた「ニュース」、「野球」または「ドラマ」などのグループがある場合、多くの放送局では、それらのグループ毎に、テレビカメラやVTRなどの入力リソースと、送出チャネルやサブスタジオなどの出力リソースとを割り当てる。各グループの責任者等は、割り当てを受けた入力リソースと出力リソースとを適切に組み合わせて自グループ担当の放送番組を製作し、送出する。
【0016】
本発明では、複数の入力信号と複数の出力信号との間の接続関係を“グループ”毎に表示し、且つ、接続関係の変更を可能とするため、従来例のように、単に、並列的にすべての入力信号と出力信号との接続関係を表示し、且つ、接続関係の変更を可能とするもの(図25(b)のGUI画面6を参照)における不都合、すなわち、グループを考慮していないため、たとえば、使用権限のないリソースを誤って使用したりすることがなく、しかも、入出力信号の数が大量になっても、自グループに割り当てられた少数の入出力リソースだけに注意を払えばよいから、信号選択の混乱やミスもない。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明における様々な細部の特定ないし実例および数値や文字列その他の記号の例示は、本発明の思想を明瞭にするための、あくまでも参考であって、それらのすべてまたは一部によって本発明の思想が限定されないことは明らかである。また、周知の手法、周知の手順、周知のアーキテクチャおよび周知の回路構成等(以下「周知事項」)についてはその細部にわたる説明を避けるが、これも説明を簡潔にするためであって、これら周知事項のすべてまたは一部を意図的に排除するものではない。かかる周知事項は本発明の出願時点で当業者の知り得るところであるので、以下の説明に当然含まれている。
【0018】
(システム構成)
図1は、本実施の形態におけるルーティング制御ための概念的なシステム構成図である。この図において、複数のコンピュータ(以下「パーソナルコンピュータ」とする)20は、それぞれ信号接続制御装置として動作するものであり、詳細は後述するが、本発明の特徴的な要素を含むルーティング操作用のグラフィカルユーザインターフェース画面(図11および図12参照;以下「GUI画面」という)を生成してオペレータに提供するものである。
【0019】
なお、パーソナルコンピュータ20の名称(特に“パーソナル”や“コンピュータ”)に特段の意味はない。要は、後述のGUI画面を表示できると共に、そのGUI画面の各部に対するオペレータの働きかけ(ユーザアクション;イベントともいう)をキャッチできる仕組みを持つ情報処理機器であればよく、たとえば、ワークステーションなどであってもよい。現実的には、GUI画面の開発容易性や安価な実行環境などを考慮し、Windows(登録商標)シリーズやUNIX(登録商標)等のGUI性に優れた公知のオペレーティングシステムを搭載した汎用のパーソナルコンピュータ(典型的にはDOS/Vアーキテクチャによるもの)を使用することが好ましい。
【0020】
複数のパーソナルコンピュータ20は、ローカルエリアネットワーク(典型的にはイーサネット(登録商標)網)21を介してデータベースサーバ22に接続されており、データベースサーバ22に格納されたルーティング制御のための各種情報(図5の各種テーブル参照)を参照し、必要に応じてその情報を更新し、且つ、複数のパーソナルコンピュータ20で当該情報を共有しつつ、後述するルーティング制御環境を提供する。
【0021】
パーソナルコンピュータ20と一対一に設けられた切り換え制御ユニット23は、それぞれ対のパーソナルコンピュータ20との間の信号入出力を制御するインターフェース部23aと、テレビジョン放送システムのシステムバス24を介してやり取りされるルーティングスイッチ25との間の信号入出力を制御するインターフェース部23bと、切り換え制御ユニット23の内部動作を制御する制御部23cとを備え、パーソナルコンピュータ20から出力されるルーティング制御指令信号に基づいて、ルーティングスイッチ25のスイッチ素子(図24の符号4参照)のオンオフ制御を行うとともに、ルーティングスイッチ25のスイッチ素子のオンオフ状況を定期的に取得し、その取得情報をパーソナルコンピュータ20に伝える働きをする。
【0022】
ルーティングスイッチ25は、システムバス24を介して接続された切り換え制御ユニット23や他の装置(たとえば、ルーティング切り換え用リモコン装置26)との間の信号入出力を制御するインターフェース部25aと、不図示のルータ設定装置との間の信号入出力を制御するインターフェース部25bと、ルーティングスイッチ25の内部動作を制御する制御部25cと、ルーティングスイッチ部25dとを備え、切り換え制御ユニット23やルーティング切り換え用リモコン装置26からの制御信号に基づいて、ルーティングスイッチ部25dの複数の入力端子IN1〜IN5と複数の出力端子OUT1〜OUT5との間の接続状態を切り換え、様々な放送信号、たとえば、第1カメラ27や第2カメラ28またはVTR29などの信号あるいは衛星回線30や専用線31などから入力した信号を適宜に選択しつつ、スイッチャ32を介して視聴者宅に択一的に配信(送出)できるようにする。なお、図では、ルーティングスイッチ部25dの入出力端子IN、OUTの数を“5”としているが、これは説明の簡単化のためである。一般的に入出力端子IN、OUTの数は“5”を超える数であり、システムの規模にもよるが、数十ないしは数百に及ぶこともある。
【0023】
(レベル構造)
ルーティングスイッチ部25dの概念構成は、先に説明した図24のものと同様であるが、実際には、複数の層(レベルという)を積み重ねた階層構造を有している。
図2は、ルーティングスイッチ部25dのレベル構造模式図である。ルーティングスイッチ部25dは、レベル1からレベルn(nは8程度)までの複数のルーティングスイッチ層からなる。一つのレベルを“主レベル”、他のレベルを“従レベル”として扱い、従レベルを主レベルに従属させてルーティング制御を行う。先に説明した図24のものは、簡単化のために主レベルのみを表したものである。基本的には、主レベルの任意の入力端子(IN)と出力端子(OUT)とのルーティング制御を行った際に、従レベルの同一の入出力端子のルーティング制御も同時に行われるようになっている。たとえば、レベル1を主レベルとし、残りのレベル2〜レベルnを従レベルとした場合は、主レベル(レベル1)のINxとOUTxを接続すると、従レベル(レベル2〜レベルn)のINxとOUTxも同時に接続されるようになっている。ここに、xは任意の端子番号(たとえば、x=1)である。
【0024】
このようなレベル構造の階層化は、一つの放送素材が複数の信号から構成されている場合に、個々の信号の組み合わせの手間をなくすために行われている。たとえば、ある放送素材が「映像信号」と「主音声信号」および「副音声信号」の三つの信号で構成されていたとすると、二次元的なレベル構造(すなわち一つのレベル層のみ)の場合は、「映像信号」と「主音声信号」および「副音声信号」の信号毎に入出力端子の組み合わせを一つ一つ設定していかなければならず、面倒であるばかりか、設定ミスも否めないが、階層化しておけば、主レベルの入出力端子の組み合わせを設定するだけで、同時に従レベルの組み合わせも設定されるので、たとえば、主レベルに映像信号を割り当てるとともに、従レベルに主音声信号と副音声信号を割り当てておけば、面倒もなく、且つ、設定ミスも回避できるからである。つまり、レベル1〜レベルnの端子xを一度にまとめて切り換えることができ、いちいち映像や音声単位に信号を切り換えることなく、放送素材ごとのルーティング操作を効率よく行うことができるからである。
【0025】
(パーソナルコンピュータ20及びデータベースサーバ22の構成)
図3は、パーソナルコンピュータ20の構成を示す図である。パーソナルコンピュータ20は、CPU(提供手段、パターン情報生成部)20a、RAM20b、ディスクコントローラ20c、ディスク装置20d、ディスプレイコントローラ20e、ディスプレイ装置20f、キーボードコントローラ20g、キーボード装置20h、ポインティングデバイス装置20i、第1通信制御装置20j、第2通信制御装置20k、メインバス20m、バスインターフェース20nおよび内部バス10pなどを有する。
【0026】
パーソナルコンピュータ20は、ディスク装置20dにあらかじめ格納されたオペレーティングシステムや所要のアプリケーションプログラムをRAM20bにロードしてCPU20aで実行することにより、ローカルエリアネットワーク21を介してデータベースサーバ22にアクセスしつつ、後述のGUI画面をディスプレイ装置20fに表示すると共に、切り換え制御ユニット23を介して定期的にルーティングスイッチ部25dの現在状況を取得し、また、GUI画面に対するユーザアクション(キーボード装置20hやポインティングデバイス装置20iの操作アクション)を検出してルーティング制御指令信号を生成し、そのルーティング制御信号を切り換え制御ユニット23に出力できるようになっている。
【0027】
なお、同一のアーキテクチャを採用している場合は、データベースサーバ22の構成もパーソナルコンピュータ20に類似したものとなる。すなわち、データベースサーバ22も、図3に示す各構成要素(CPU20a、RAM20b、ディスクコントローラ20c、ディスク装置20d、ディスプレイコントローラ20e、ディスプレイ装置20f、キーボードコントローラ20g、キーボード装置20h、ポインティングデバイス装置20i、第1通信制御装置20j、第2通信制御装置20k、メインバス20m、バスインターフェース20nおよび内部バス10pなど)を有する点でパーソナルコンピュータ20と類似する。
【0028】
図4は、パーソナルコンピュータ20及びデータベースサーバ22のネットワーク構成図とハード及びソフトウェアの階層モデルを示す図である。パーソナルコンピュータ20及びデータベースサーバ22の各々を示す階層モデル40、50は、それぞれOSI(Open Systems Interconnectionの略。開放型システム間相互接続)参照モデルを模したものであり、いずれもハードウェアリソース層41、51の上に、オペレーティングシステム層42、52とアプリケーション層43、53を積層した構造になっている。
【0029】
ハードウェアリソース層41、51は、CPU20aなどのハードウェアリソース(図3の構成)を含み、その上のオペレーティングシステム層42、52に含まれるオペレーティングシステム(ネットワークOS:NOSを含む)を介して、アプリケーション層43、53からの間接的利用を可能する。パーソナルコンピュータ20のアプリケーション層43は、少なくとも、所定のユーザアプリケーションプログラム(以下、「ルーティング制御プログラム」という)44を含み、また、データベースサーバ22のアプリケーション層53は、少なくとも、上記のルーティング制御プログラム44からのデータアクセスを許容するデータベースプログラム54を含む。
【0030】
なお、データベースサーバ22のアプリケーション層53にデータベースプログラム54を実装した理由は、次のとおりである。本実施の形態におけるルーティング制御は、ローカルエリアネットワーク21に接続された複数(図では便宜的に2台)のパーソナルコンピュータ20で並列的に実行できるようになっており、いわゆるサーバ/クライアント型のシステム構成をなしている。そして、このシステム構成では、ルーティング制御に必要な様々なデータをネットワーク上(データベースサーバ22)に置き、そのデータを複数のパーソナルコンピュータ20で共有するが、かかるデータの共有化においては、排他制御を考慮しないとデータ不整合等の不都合を招くからである。たとえば、あるデータを一のパーソナルコンピュータ20で変更する際に他のパーソナルコンピュータ20でもそのデータを変更しようとする場合、排他制御が考慮されていなければ、先に行われた変更が無効になってしまうからである。一般的なデータベースプログラムは、あるデータの塊(たとえば、レコード単位)毎に排他制御を行うことができるようになっているため、上記の不都合を回避することができる。したがって、本実施の形態でいうところの「データベースプログラム54」とは、データの共有化と排他制御の機能を兼ね備えたアプリケーションプログラム又はそれに相当するプログラム(オペレーティングシステムのファイルシステムを含む)のことをいい、かかる機能を有するものであれば、必ずしもその名称(特に“データベース”)に限定されない。
【0031】
(テーブル構造)
図5は、データベースプログラム54のテーブル構造概念図である。この図において、データベースプログラム54は適宜に設計された複数のテーブル、たとえば、レベルテーブル60、入力リソーステーブル61、出力リソーステーブル62、グループINテーブル63、グループOUTテーブル64及びパターンテーブル65などを有する。
【0032】
各テーブルを説明すると、レベルテーブル60は、ルーティングスイッチ部25dの各レベルの“主従”関係を定義するためのものである。すなわち、レベルテーブル60は、一つの主レベル定義フィールド60aと複数の従レベル定義フィールド60b〜60eとからなる単一のレコードで構成されており、たとえば、図6(a)にその一例を示すように、主レベル定義フィールド60aにレベル1を表す値“1”を格納し、第1の従レベル(従レベル1)定義フィールド60bにレベル4を表す値“4”を格納し、第2の従レベル(従レベル2)定義フィールド60cにレベル5を表す値“5”を格納し、第3の従レベル(従レベル3)定義フィールド60dにレベル6を表す値“6”を格納し、第4の従レベル(従レベル4)定義フィールド60eにレベル8を表す値“8”を格納し、第5の従レベル(従レベル5)定義フィールド60fに未定義を表す値(図では“−”であるが、NULL値や空白又はエンプティ値であってもよい)を格納する。この場合は、ルーティングスイッチ部25dのレベル1を“主レベル”に指定すると共に、残りのレベルのうちのレベル4〜6とレベル8を“従レベル”に指定したことになる。
【0033】
入力リソーステーブル61は、その放送局が所有する入力リソース(テレビカメラやVTR等)を一連番号で定義するものである。すなわち、入力リソーステーブル61は、入力リソース数に対応したレコードから構成されており、各レコードは、ユニークな値を格納したIDフィールド61aと入力リソース名フィールド61bとからなり、たとえば、図6(b)にその一例を示すように、各ID(1、2、3、4、・・・・)毎に“VTR1”、“VTR2”、“VTR3”、“VTR4”・・・・などのオペレータにとって分かりやすい入力リソース名を格納する。
【0034】
出力リソーステーブル62は、その放送局が所有する出力リソース(サブスタジオや送出チャネル等)を一連番号で定義するものである。すなわち、出力リソーステーブル62は、出力リソース数に対応したレコードから構成されており、各レコードは、ユニークな値を格納したIDフィールド62aと出力リソース名フィールド62bとからなり、たとえば、図6(c)にその一例を示すように、各ID(1、2、3、4、・・・・)毎に“1”、“2”、“3”、“4”・・・・などのオペレータにとって分かりやすい出力リソース名を格納する。
【0035】
グループINテーブル63は、放送番組の製作グループまたはそれに相当するグループ毎に、前記入力リソースのどれを割り当てるかを定義するものである。すなわち、グループINテーブル63は、入力グループ数に対応したレコードから構成されており、各レコードは、グループ毎のユニークな値を格納したIDフィールド63aと、グループ名フィールド63bと、複数の入力リソースIDフィールド63c〜63fとからなり、たとえば、図7(a)にその一例を示すように、各ID(GPS1、GPS2、GPS3、GPS4、・・・・)毎に“ニュース”、“野球”、“バレーボール”、“ドラマ”・・・・などの入力グループ名と、各グループ毎の入力リソースIDを格納する。ここで、入力リソースIDフィールド63c〜63fは、入力リソーステーブル61のIDフィールド61aにリンク(リレーションともいう)されており、たとえば、第1レコードの入力リソースIDフィールド63cに格納された値(1、2、3)は、入力リソーステーブル61のID“1”、“2”、“4”の各レコードを表す。このリレーションプロパティの設定により、たとえば、“ニュース”グループに割り当てられた入力リソースは、入力リソーステーブル61のID“1”、“2”、“4”のそれぞれの入力リソース名フィールド61bの格納値から、“VTR1”(ID=1)、“VTR2”(ID=2)及び“VTR4”(ID=4)であることがわかる。
【0036】
グループOUTテーブル64は、放送番組の製作グループまたはそれに相当するグループ毎に、前記出力リソースのどれを割り当てるかを定義するものである。すなわち、グループOUTテーブル64は、出力グループ数に対応したレコードから構成されており、各レコードは、グループ毎のユニークな値を格納したIDフィールド64aと、出力グループ名フィールド64bと、複数の出力リソースIDフィールド64c〜64fとからなり、たとえば、図7(b)にその一例を示すように、各ID(GPD1、GPD2、GPD3、GPD4、・・・・)毎に“A”、“B”、“C”、“D”・・・・などの出力グループ名と、各グループ毎の出力リソースIDを格納する。ここで、出力リソースIDフィールド64c〜64fは、出力リソーステーブル62のIDフィールド62aにリンクされており、たとえば、第1レコードの出力リソースIDフィールド64cに格納された値(1−8)は、出力リソーステーブル62のID“1”、“2”、“3”、“4”、“5”、“6”、“7”及び“8”の各レコードを表す。このリレーションプロパティの設定により、たとえば、“A”グループに割り当てられた出力リソースは、出力リソーステーブル62のID“1”〜“8”のそれぞれの出力リソース名フィールド62bの格納値から、“1”(ID=1)、“2”(ID=2)、“3”(ID=3)・・・・であることがわかる。
【0037】
パターンテーブル65は、クロスポイントの設定パターンを保持し、それを再利用するためのものである。すなわち、パターンテーブル65は、パターンの登録数に対応したレコードから構成されており、各レコードは、パターン毎のユニークな値を格納したIDフィールド65aと、パターン名フィールド65bと、複数のクロスポイント情報フィールド65c〜65fとからなり、たとえば、図8にその一例を示すように、各ID(PAT1、PAT2、・・・・)毎に“ナイター”や“朝”・・・・などの適当に命名されたパターン名と、各パターン毎のクロスポイント指定情報(たとえば、第1レコードの“1−1、2−2、3−3”は三つのクロスポイント指定情報を表しており、各情報の書式は“入力端子番号”−“出力端子番号”である)を格納する。
【0038】
(グループ)
図9は、“グループ”の概念説明図である。一般に放送局にあっては、組織又は放送番組制作上の都合からいくつかのグループ(製作グループなど)毎に放送番組を製作する。それらのグループには、あらかじめテレビカメラやVTRなどの入力リソースとサブスタジオや送出チャネルなどの出力リソースが割り当てられている。同図は、その割り当て状態を模式化した図であり、いわゆる組織図に相当するものである。たとえば、グループ1(便宜的にニュース番組の製作グループ)には、VTR1〜VTR2、Dサブ、Eサブが割り当てられている。ニュースグループはそれらの割り当てリソースを適宜に使用して担当の放送番組を製作する。これらの入出力リソースは、そのグループに専用のものとして割り当てられることもあれば、他のグループとの共有割り当てになることもあるが、間違ったクロスポイント指定、たとえば、使用権のないリソースにクロスポイントを設定したり、すでに先着使用中のリソースにクロスポイントを設定したりした場合は、放送番組の製作・送出に大きな混乱をもたらすことになる。冒頭で説明した従来のルーティング制御のためのGUI画面6にあっては、かかるグループの概念を全く考慮していないため、オペレータは常にグループを意識してクロスポイントの設定を行わなければならず、人的ミスによる混乱を否めなかった。本実施の形態では、かかる点に鑑み、グループの概念を取り入れたGUI画面とすることにより、グループを意識することなく、クロスポイントの設定をできるようにし、人為ミスのない確実なルーティング制御を実現することとした。
【0039】
(パターン)
また、本実施の形態では、ルーティング制御の効率化を図るために、一度設定したクロスポイント情報をパターンとして記憶し、それを再利用できるようにした。
図10は、“パターン”の説明概念図である。たとえば、(a)においては入力端子INの1番と出力端子OUTの2番、入力端子INの2番と出力端子OUTの3番、及び、入力端子INの3番と出力端子OUTの4番が接続されており、このパターンは、“1−2、2−3、3−4”の文字列(パターン情報)で表すことができる。ここに、パターンの書式は“入力端子番号”−“出力端子番号”である。また、(b)においては入力端子INの2番と出力端子OUTの2番、入力端子INの3番と出力端子OUTの1番、及び、入力端子INの4番と出力端子OUTの3番が接続されており、このパターンは、“2−2、3−1、4−3”の文字列(パターン情報)で表すことができる。さらに、(c)においては入力端子INの2番と出力端子OUTの5番、入力端子INの3番と出力端子OUTの2番、入力端子INの4番と出力端子OUTの4番、及び、入力端子INの5番と出力端子OUTの3番が接続されており、このパターンは、“2−5、3−2、4−4、5−3”の文字列(パターン情報)で表すことができる。これらのパターン情報に適当な名前(パターン名)を付けて記憶しておき、同一のパターンを使用する際には、そのパターン名を指定してパターン情報を再利用することにより、いちいち入出力端子の接続関係を指定し直すことなく、効率的にルーティング制御を行うことができる。
【0040】
(GUI画面)
次に、本実施の形態における二つのGUI画面について、その好ましいレイアウトを説明する。
図11は、パーソナルコンピュータ20に表示される第1のGUI画面(グラフィカルユーザインターフェース)70を示す図である。第1のGUI画面70は、上端にタイトルバー71と画面種別表示エリア72を配置し、フォーム内のクライアントエリア73の左側に入力グループ表示エリア74を、また、上側に出力グループ表示エリア75を配置すると共に、入力グループ表示エリア74と出力グループ表示エリア75の交点位置にマトリクス表示エリア76を配置してレイアウトされている。これらの入力グループ表示エリア74及び出力グループ表示エリア75は表示制御部と入力信号情報表示部に相当し、また、マトリクス表示エリア76は表示制御部と出力信号使用状態変更用コントロールに相当する。
【0041】
図示の例においては、タイトルバー71のタイトル名に文字列“ルーティング制御プログラム”がセットされており、且つ、画面種別表示エリア72に、その第1のGUI画面70を役割を表す適当な文字列、たとえば、“グループアサイン画面”が表示されている。
入力グループ表示エリア74は、グループ単位の複数の表示部からなり、各グループには、図5のグループINテーブル63の登録情報(登録情報の一例は図7(a)参照)が表示される。たとえば、図示の例では、“ニュース”、“野球”、“バレーボール”、“ドラマ”、“囲碁”、“スペシャル”といったグループ名が表示されており、且つ、それぞれのグループの入力ソースとして、たとえば、“ニュース”グループにあっては、“VTR1”、“VTR2”、“VTR3”が表示されている。
【0042】
また、出力グループ表示エリア75は、グループ単位の複数の表示部からなり、各グループには、図5のグループOUTテーブル64の登録情報(登録情報の一例は図7(b)参照)が表示される。たとえば、図示の例では、“A”、“B”、“C”、“D”、“E”、“F”、“G”、“H”といったグループ名が表示されている。
さらに、マトリクス表示エリア76は、入力グループ表示エリア74の各グループ毎にひかれた横方向の直線オブジェクト76aと、出力グループ表示エリア75の各グループ毎にひかれた縦方向の直線オブジェクト76bと、それらの直線オブジェクト76a、76bの各交差点に配置された特異形状(以下「円形」とする)オブジェクト76cとからなり、一の特定色(以下「黒丸:●」とする)の円形オブジェクト76cでその交差点位置のグループアサインを明示し、二の特定色(以下「白丸:○」とする)の円形オブジェクト76cでその交差点位置の非グループアサインを明示する。
【0043】
ここで、“グループアサイン”とは、任意の入力グループを任意の出力グループに割り付けることをいい、“非グループアサイン”とは、その割付を解除(リリース)することをいう。なお、出力グループ表示エリア75の左端位置は非グループアサインに対応した特別な位置(解除位置ともいう)である。この解除位置の円形オブジェクト76cが黒丸となっている場合は、その横方向列に対応する入力グループはいずれの出力グループにも割り付けられていないことを明示する。たとえば、図示の例においては、“ニュース”グループが“E”グループに割り付けられており、他のグループはすべて解除位置にあるから、一つのグループ(ニュース)だけがアサインされている。
【0044】
このような構成を有する第1のGUI画面70は、パーソナルコンピュータ20にインストールされたルーティング制御プログラム44を、当該パーソナルコンピュータ20で実行することによって、そのディスプレイ装置20fに表示される。オペレータは、第1のGUI画面70と対話しつつ、所望の入力グループを所望の出力グループに割り付けるというグループアサイン作業を行うが、この作業は、たとえば、“ニュース”グループをサブ“E”に割り付ける場合を例にすると、マトリクス表示エリア76において、当該“ニュース”と“E”の交差点に位置する円形オブジェクト76cをダブルクリック(ポインティングデバイス装置20iの左ボタンを続けてクリックする操作)するだけの簡単な手続で行うことができる。グループアサインが完了すると、当該位置の円形オブジェクト76cが白丸から黒丸へ変化し、且つ、そのグループのクロスポイント指定を行うための画面(第2のGUI画面80;第2のグラフィカルユーザインターフェースに相当する)がオープンする。なお、ダブルクリックは一例である。シングルクリック(ポインティングデバイス装置20iの左ボタンを1回だけクリックする操作)や右クリックなどの他のポインティング操作であってもよい。また、これらのクリック操作は、タッチパネルを使用したものであってもよい。
【0045】
図12は、パーソナルコンピュータ20に表示される第2のGUI画面80を示す図である。この第2のGUI画面80は、第1のGUI画面70のマトリクス表示エリア76において、解除位置以外の任意の円形オブジェクト76cをダブルクリックしたときに(すなわち、ある入力グループをある出力グループにアサインしたときに)、そのパーソナルコンピュータ20のディスプレイ装置20fの画面上にオープンされる。
【0046】
第2のGUI画面80は、上端にタイトルバー81と画面種別表示エリア82を配置し、フォーム内のクライアントエリア83の左側に入力リソース表示エリア84を、また、上側に付加情報表示エリア85と出力リソース表示エリア86を配置すると共に、入力リソース表示エリア84と出力リソース表示エリア86の交点位置にマトリクス表示エリア87を配置してレイアウトされている。これらの入力リソース表示エリア84及び出力リソース表示エリア86は表示制御部と出力信号情報表示部に相当し、また、マトリクス表示エリア87は表示制御部と出力信号使用状態変更用コントロールに相当する。
【0047】
図示の例においては、タイトルバー81のタイトル名に文字列“ルーティング制御プログラム”がセットされており、且つ、画面種別表示エリア82に、その第2のGUI画面80を役割を表す適当な文字列、たとえば、“クロスポイント指定画面”が表示されていると共に、タイトルバー81の右端に閉じるボタン81aが配置されている。
【0048】
付加情報表示エリア85には、入力グループ名表示用テキストボックスコントロール85a、出力グループ名表示用テキストボックスコントロール85b及びパターン名選択用リストボックスコントロール(パターン名表示部)85cが配置されている。入力グループ名表示用テキストボックスコントロール85aと出力グループ名表示用テキストボックスコントロール85bには、この第2のGUI画面80をオープンする際のグループアサイン情報が表示される。たとえば、図示の例では、入力グループ名表示用テキストボックスコントロール85aに“ニュース”が表示されており、また、出力グループ名表示用テキストボックスコントロール85bに“E”が表示されているので、この場合は、第1のGUI画面70の“ニュース”と“E”の交差点に位置する円形オブジェクト76cをダブルクリックして、この第2のGUI画面80をオープンした時の状態を表している。
【0049】
入力リソース表示エリア84は、特定の入力グループ(入力グループ名表示用テキストボックスコントロール85aに表示されているグループ。図示の例では“ニュース”)に割り当てられた複数の入力リソース毎の表示部からなり、各入力リソースには、図5のグループINテーブル63の登録情報(登録情報の一例は図7(a)参照)が表示される。たとえば、図示の例では、“ニュース”グループに割り当てられた入力リソースとして、“VTR1”、“VTR2”、“VTR3”が表示されている。
また、出力リソース表示エリア86は、特定の出力グループ(出力グループ名表示用テキストボックスコントロール85bに表示されているグループ。図示の例では“E”)に割り当てられた複数の出力リソース毎の表示部からなり、各出力リソースには、図5のグループOUTテーブル64の登録情報(登録情報の一例は図7(b)参照)が表示される。たとえば、図示の例では、“E”グループに割り当てられた入力リソースとして、“1”〜“6”が表示されている。
【0050】
さらに、マトリクス表示エリア87は、入力リソース表示エリア84の各リソース毎にひかれた横方向の直線オブジェクト87aと、出力リソース表示エリア86の各リソース毎にひかれた縦方向の直線オブジェクト87bと、それらの直線オブジェクト87a、87bの各交差点に配置された円形オブジェクト87cとからなり、黒丸(●)の円形オブジェクト87cでその交差点位置のクロスポイントを明示し、白丸(○)の円形オブジェクト87cでその交差点位置の非クロスポイントを明示する。
【0051】
ここで、“クロスポイント”とは、任意の入力リソースを任意の出力リソースに割り付けることをいい、“非クロスポイント”とは、その割付を解除(リリース)することをいう。出力リソース表示エリア86の左端位置は非クロスポイントに対応した特別な位置(解除位置ともいう)である。この解除位置の円形オブジェクト87cが黒丸となっている場合は、その横方向列に対応する入力リソースはいずれの出力リソースにも割り付けられていないことを明示する。たとえば、図示の例においては、“VTR1”が“4”に割り付けられており、同様に“VTR2”が“5”に、“VTR3”が“6”に割り付けられており、他のリソース(図では空白)はすべて解除位置にあるから、三つの入力リソース(“VTR1”、“VTR2”、“VTR3”)がそれぞれ任意の出力リソースとの間でクロスポイント指定されていることを明示する。
【0052】
このような構成を有する第2のGUI画面80は、先に説明したとおり、第1のGUI画面70のマトリクス表示エリア76に対するダブルクリック操作(グループアサイン作業)に応答してオープンされる。オペレータは、オープンされた第2のGUI画面80と対話しつつ、所望のグループのクロスポイント指定作業を行うが、この作業は、たとえば、“ニュース”グループの“VTR1”を“4”に割り付け、同グループの“VTR2”を“5”に割り付け、同グループの“VTR3”を“6”に割り付ける場合を例にすると、マトリクス表示エリア87において、“VTR1”と“4”の交差点、“VTR2”と“5”の交差点、及び、“VTR3”と“6”の交差点のそれぞれに位置する円形オブジェクト87cをダブルクリックするだけの簡単な手続で行うことができる。クロスポイント指定が完了すると、当該位置の円形オブジェクト87cが白丸から黒丸へ変化する。第1のGUI画面70に復帰するためには、閉じるボタン81aをクリックして第2のGUI画面80をクローズすればよい。
【0053】
図13(a)は、グループアサイン情報とそのグループに設定されたクロスポイント情報のデータ構造概念図である。このデータ構造90は、入力グループ情報格納部90aと、出力グループ情報格納部90bと、クロスポイント情報格納部90cとからなり、各情報格納部90a〜90cに、図11の第1のGUI画面70(グループアサイン画面)の設定情報と、図12の第2のGUI画面80(クロスポイント指定画面)の設定情報とを格納してパーソナルコンピュータ20のRAM20bに保持される。
【0054】
図13(b)は、実際の格納情報例を示す図である。この例の場合、入力グループ情報格納部90aには“GPS1”が格納され、出力グループ情報格納部90bには“GPD5”が格納され、クロスポイント情報格納部90cには“1−4、2−5、3−6”が格納されている。“GPS1”は、図7のグループINテーブル63の第1レコードに対応し、“GPD5”は、図7のグループOUTテーブル64の第5レコードに対応する。また、“1−4、2−5、3−6”は、図12の第2のGUI画面80における現在のクロスポイント状態に対応する。
【0055】
図14は、第2のGUI画面80の出力リソース表示エリア86に配置されたパターン名リストボックスコントロール85cの動作状態図である。この図において、(a)パターン名リストボックスコントロール85cの右端の矢印ボタン85dをクリックすると、図8のパターンテーブル65に登録済みのすべてのパターン名リスト85eがプルダウン表示される。パターン名リスト85eの任意行をクリックすると、パターン名リスト85eの表示が解除されると共に、(b)クリック行のパターン名(図では便宜的に“朝”)がパターン名リストボックスコントロール85cに表示される。そして、かかるパターン名の選択操作に応答して、図8のパターンテーブル65から上記の選択パターン名(“朝”)に対応したクロスポイント情報1〜n(図5参照)がルックアップされ、第2のGUI画面80のマトリクス表示エリア87に設定される。
【0056】
つまり、パターン名リストボックスコントロール85cの任意行を選択するだけで、すでに登録済みのクロスポイント情報を瞬時に設定することができる。このため、使用頻度の高いパターンをいちいち設定し直す必要がなく、ルーティング制御の効率化を図ることができる。なお、新規にパターン登録を行う場合は、図14(c)に示すように、パターン名リストボックスコントロール85cにそのパターンに対応した適当な名前(図では便宜的に“△△○○”)を入力すればよい。図5のパターンテーブル65に新規レコードが追加され、入力したパターン名とそのときのクロスポイント情報とが当該レコードに登録される。
【0057】
(作用説明)
次に、本実施の形態における第1及び第2のGUI70、80に関する特徴的な動作について詳しく説明する。
まず、図15(a)は、マトリクス部オンフォーカスイベントプログラムを示すフローチャートである。このプログラムは、第1のGUI画面70のマトリクス表示エリア76の上にマウスカーソルを置いたとき、又は、第2のGUI画面80のマトリクス表示エリア87の上にマウスカーソルを置いたときに、オペレーティングシステムで発生するオンフォーカスイベントに応答して実行される。このプログラムでは、最初に、オンフォーカスイベントの終了(マウスカーソルが移動してマトリクス表示エリア76、87の上から外れた)を判定する(ステップS11)。
【0058】
そして、終了でなければ(オンフォーカス中であれば)、オンフォーカス座標(マウスカーソルの座標)を取得して(ステップS12)、その座標に近い縦横直線オブジェクトを特定し(ステップS13)、その縦横直線オブジェクトの属性(この実施例では線の太さ)を変更(ステップS14)する一方、終了であれば(オンフォーカス中でなければ)、すべての縦横直線オブジェクトの属性を元に戻す(ステップS15)という処理を実行する。
【0059】
図15(b)、(c)は、マトリクス部オンフォーカスイベントプログラムを実行中の実際の画面表示例であり、76a(87a)は横方向の直線オブジェクト、76b(87b)は縦方向の直線オブジェクト、76c(87c)は交差点に位置する円形オブジェクト、91はマウスカーソルである。
オンフォーカス状態にないとき(b)は、すべての縦横直線オブジェクト76a(87a)、76b(87b)の属性は初期状態(細線)にあるが、オンフォーカス状態にあるとき(c)は、マウスカーソル91に最も近い縦横直線オブジェクト76a(87a)、76b(87b)の属性が細線から太線へと変更される。
【0060】
したがって、このマトリクス部オンフォーカスイベントプログラムによれば、マウスカーソル91の移動に伴って、順次に縦横直線オブジェクト76a(87a)、76b(87b)の属性が細線から太線へと変更されるので、マウスカーソル91の現在位置を、太線になっている縦横直線オブジェクト76a(87a)、76b(87b)の交点位置から直感的に把握することができ、操作性を改善することができる。
【0061】
次に、図16は、マトリクス部ダブルクリックイベントプログラムを示すフローチャートである。このプログラムは、第1のGUI画面70のマトリクス表示エリア76上の任意位置をダブルクリックしたとき、又は、第2のGUI画面80のマトリクス表示エリア87上の任意位置をダブルクリックしたときに、オペレーティングシステムで発生するダブルクリックイベントに応答して実行される。このプログラムでは、まず、カレント画面(ダブルクリックイベントを発生したときの画面)が第1のGUI画面70(グループアサイン画面)であるか、又は、第2のGUI画面80(クロスポイント指定画面)であるかを判定する(ステップS21)。そして、第1のGUI画面70(グループアサイン画面)であれば、後述の「グループアサイン処理プログラム」を実行し(ステップS22)、第2のGUI画面80(クロスポイント指定画面)であれば、後述の「クロスポイント指定処理プログラム」を実行(ステップS23)する。
【0062】
図17は、グループアサイン処理プログラムを示すフローチャートである。このプログラムでは、まず、ダブルクリック座標を取得し(ステップS31)、その座標が円形オブジェクト76cの上であるか否かを判定する(ステップS32)。ダブルクリック座標が円形オブジェクト76cの上でない場合は、プログラムを終了して、図16のマトリクス部ダブルクリックイベントプログラムに復帰し、ダブルクリック座標が円形オブジェクト76cの上である場合は、その円形オブジェクト76cが白丸であるか否かを判定する(ステップS33)。
【0063】
そして、その円形オブジェクト76cが白丸である場合は、グループアサイン指定、すなわち、その円形オブジェクト76cを黒丸に変更すると共に、同一横方向直線オブジェクト76a上に位置する他のすべての円形オブジェクト76cを白丸に変更し(ステップS34)、図13のデータ構造90の入力グループ情報格納部90aと出力グループ情報格納部90bにそのグループアサイン情報を登録(ステップS35)した後、クロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)をオープン(ステップS36)して、図16のマトリクス部ダブルクリックイベントプログラムに復帰する。
【0064】
一方、その円形オブジェクト76cが白丸でない場合(すなわち黒丸である場合)は、その円形オブジェクト76cが解除位置であるか否かを判定する(ステップS37)。そして、解除位置であれば、そのまま図16のマトリクス部ダブルクリックイベントプログラムに復帰し、解除位置でなければ、非グループアサイン指定、すなわち、その円形オブジェクト76cを白丸に変更すると共に、同一横方向直線オブジェクト76a上の解除位置の円形オブジェクト76cを黒丸に変更し(ステップS38)、図13のデータ構造90の入力グループ情報格納部90aと出力グループ情報格納部90bの格納情報を抹消(ステップS35)した後、クロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)をオープン(ステップS36)して、図16のマトリクス部ダブルクリックイベントプログラムに復帰する。
【0065】
したがって、このグループアサイン処理プログラムによれば、グループアサイン画面(第1のGUI画面70)のマトリクス表示エリア76の所望交差点に位置する円形オブジェクト76cをダブルクリックするだけで、当該位置に対応する任意の入力グループ(たとえば、“ニュース”)と任意の出力グループ(たとえば、“E”)との割り付け又はその解除を容易に行うことができる。また、円形オブジェクト76cが黒丸であるか白丸であるかを一瞥するだけで、その割り付け状態又は解除状態を直感的に把握することができる。さらに、その割り付け操作又は解除操作を“グループ”単位で行うようにしたから、且つ、グループ毎のクロスポイント指定を別画面(第2のGUI画面80)で行うようにしたから、とりわけ、大量の入出リソースのクロスポイント指定を誤認なく、且つ、確実に行うことができる。
【0066】
図18は、クロスポイント指定処理プログラムを示すフローチャートである。このプログラムでは、まず、ダブルクリック座標を取得し(ステップS41)、その座標が円形オブジェクト87cの上であるか否かを判定する(ステップS42)。ダブルクリック座標が円形オブジェクト87cの上でない場合は、プログラムを終了して、図16のマトリクス部ダブルクリックイベントプログラムに復帰し、ダブルクリック座標が円形オブジェクト87cの上である場合は、その円形オブジェクト87cが白丸であるか否かを判定する(ステップS43)。
【0067】
そして、その円形オブジェクト87cが白丸である場合は、クロスポイント指定、すなわち、その円形オブジェクト87cを黒丸に変更すると共に、同一横方向直線オブジェクト87a上に位置する他のすべての円形オブジェクト87cを白丸に変更し(ステップS44)、図13のデータ構造90のクロスポイント情報格納部90cにそのクロスポイント指定情報を登録(ステップS45)した後、後述のパターン判定処理を実行(ステップS46)して、図16のマトリクス部ダブルクリックイベントプログラムに復帰する。
【0068】
一方、その円形オブジェクト87cが白丸でない場合(すなわち黒丸である場合)は、その円形オブジェクト87cが解除位置であるか否かを判定する(ステップS47)。そして、解除位置であれば、そのまま図16のマトリクス部ダブルクリックイベントプログラムに復帰し、解除位置でなければ、非クロスポイント指定、すなわち、その円形オブジェクト87cを白丸に変更すると共に、同一横方向直線オブジェクト87a上の解除位置の円形オブジェクト87cを黒丸に変更し(ステップS48)、図13のデータ構造90のクロスポイント情報格納部90cの格納情報を抹消(ステップS45)した後、後述の「パターン判定処理プログラム」を実行(ステップS46)して、図16のマトリクス部ダブルクリックイベントプログラムに復帰する。
【0069】
したがって、このクロスポイント指定処理プログラムによれば、クロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)のマトリクス表示エリア87の所望交差点に位置する円形オブジェクト87cをダブルクリックするだけで、当該位置に対応する任意の入力リソース(たとえば、“VTR1”)と任意の出力リソース(たとえば、“4”)との割り付け又はその解除を容易に行うことができる。また、円形オブジェクト87cが黒丸であるか白丸であるかを一瞥するだけで、その割り付け状態又は解除状態を直感的に把握することができる。さらに、その割り付け操作又は解除操作を“グループ”単位で行うようにしたから、とりわけ、大量の入出リソースのクロスポイント指定を誤認なく、且つ、確実に行うことができる。
【0070】
次に、図19は、パターン判定処理プログラムを示すフローチャートである。このプログラムでは、まず、クロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)のマトリクス表示エリア87における現在のクロスパターン設定情報と、図5のパターンテーブル65の登録情報とを照合する(ステップS51)。そして、一致情報の有無を判定し(ステップS52)、その判定結果が“NO”であれば、図18のクロスポイント指定処理プログラムに復帰し、その判定結果が“YES”であれば、クロスパターンテーブル65の該当レコードのパターン名フィールド65bからパターン名を取り出し、パターン名選択用リストボックスコントロール85cに表示(ステップS53)した後、図18のクロスポイント指定処理プログラムに復帰する。
【0071】
したがって、このパターン判定処理プログラムによれば、設定したクロスポイントのパターンが、図5のパターンテーブル65に登録済みである場合に、そのパターンテーブル65から該当するパターン名をルックアップして、パターン名選択用リストボックスコントロール85cに表示することができる。
【0072】
そのため、パターン名選択用リストボックスコントロール85cに表示されたパターン名から、常用的なパターンであることを即座に判断でき、仮に、常用パターンであるにもかかわらず、パターン名が表示されなかった場合は、クロスポイントのどこかに設定ミスがあることを判断することができる。
【0073】
また、先(図14)にも説明したように、常用パターン(図5のパターンテーブル65に登録済みのパターン)を使用(再利用)する場合は、パターン名リストボックスコントロール85cのパターン名リスト85eから所望のパターン名を選択することにより、その選択パターン名(たとえば、“朝”)に対応したクロスポイント情報1〜nをパターンテーブル65からルックアップし、第2のGUI画面80のマトリクス表示エリア87に設定することができ、クロスポイント指定操作の簡略化を図ることができる。
【0074】
次に、図20は、パターン名リストボックス更新イベント処理プログラムを示すフローチャートである。このプログラムは、クロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)のパターン名選択用リストボックスコントロール85cに任意の文字列を入力したときに実行される。このプログラムでは、まず、パターン名選択用リストボックスコントロール85cに入力された文字列(以下「入力パターン名」という)を整形する(ステップS60)。なお、“整形”とは、空白文字などの好ましくない文字が使用されていた場合にその文字を削除したり、他の文字に置き換えたりすることをいう。さらに、数字、アルファベット又は仮名文字などが使われていた場合にそれらの文字を1バイト文字(半角文字)や2バイト文字(全角文字)に統一することをいう。こうした整形は、文字列一致の判定を行う場合に、その判定の精度を高めるために必要な操作である。
【0075】
次いで、整形後の入力文字列をキーワードにして、図5のパターンテーブル65のパターン名フィールド65bを検索する(ステップS61)。そして、パターン名一致のレコードが発見された場合は、適当なエラーメッセージ(たとえば、“このパターン名はすでに登録済みです。他のパターン名に変更してください。”など)を表示(ステップS63)してプログラムを終了する一方、パターン名一致のレコードが発見されなかった場合は、図5のパターンテーブル65に新規レコードを追加し、そのレコードに、入力パターン名と、クロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)のマトリクス表示エリア87における現在のクロスポイントパターン情報とを登録(ステップS64)した後、プログラムを終了する。
【0076】
したがって、このパターン名リストボックス更新イベント処理プログラムによれば、クロスポイントを設定した後に、そのクロスポイント情報を常用パターンとして簡単にパターンテーブル65に追加登録することができ、クロスポイント情報の再利用化を図ることができる。
【0077】
次に、図21は、ルーティングスイッチ部25dの最新情報を取得するためのプログラムを示すフローチャートである。このプログラムは、グループアサイン画面(第1のGUI画面70)又はクロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)を表示している間、所定の時間間隔dで定期的に実行される。このプログラムでは、所定の時間間隔dであるか否かを判定し(ステップS71)、所定の時間間隔dである場合に、以下の処理を実行する。
【0078】
すなわち、切り換え制御ユニット23を介してルーティングスイッチ部25dの最新情報を取得し(ステップS72)、クロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)における現在のクロスポイント指定情報と比較する(ステップS73)。
【0079】
図22は、切り換え制御ユニット23を介して取得したルーティングスイッチ部25dの最新情報91と、クロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)における現在のクロスポイント指定情報92を示す概念図である。ルーティングスイッチ部25dの最新情報91は、レベル番号フィールド91aと、出力端子OUT番号フィールド91bと、入力端子IN番号フィールド91cとからなり、各フィールドに、レベル毎の出力端子OUTと入力端子INとの組み合わせ情報を格納する。たとえば、図示の例では、8個のレベルが64個の出力端子OUTと入力端子INで構成されており、各レベルが同一の組み合わせ、すなわち、1−1、2−5、3−6、・・・・、64−0となっている。ここに、“0”は未接続(解除)を表す。一方、クロスポイント指定情報92は、主レベルの出力端子OUTフィールド92a及び入力端子INフィールド92bとからなり、各フィールドに、クロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)における現在のクロスポイント指定情報を格納する。たとえば、図示の例では、ルーティングスイッチ部25dの最新情報91と同一の組み合わせ、すなわち、1−1、2−5、3−6、・・・・、64−0となっている。
【0080】
プログラムにおいて、ルーティングスイッチ部25dの最新情報91と、クロスポイント指定情報92とを比較した結果、図22の例の場合は、両者が一致しているから、その一致判定結果(ステップS74)が“YES”となって再びステップS71に復帰するが、もし、ルーティングスイッチ部25dの最新情報91とクロスポイント指定情報92との間に不一致が見られた場合は、他のパーソナルコンピュータ20又はルーティング切り換え用リモコン装置26などによって、クロスポイント指定が行われたことを意味し、クロスポイント指定情報92は無効であるので、グループアサイン画面(第1のGUI画面70)やクロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)の表示を「特異表示状態」に変更する(たとえば、クロスポイントの円形オブジェクト76c、87cを特定の警告色にする)などのエラー処理(ステップS75)を行って、再びステップS71に復帰する。
【0081】
したがって、このプログラムによれば、ルーティングスイッチ部25dの実際の状態とパーソナルコンピュータ20の上の表示状態とを比較して、不一致の場合に所要の警告表示(特異表示状態)を行うことができる。又、その警告表示は、クロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)だけでなく、グループアサイン画面(第1のGUI画面70)においても行われるから、どの画面を開いていても上記の不一致状態を即座に把握することができる。
【0082】
以上、説明したとおりであるから、本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
(1)マウスカーソル91の移動に伴って、順次に縦横直線オブジェクト76a(87a)、76b(87b)の属性が細線から太線へと変更されるので、マウスカーソル91の現在位置を、太線になっている縦横直線オブジェクト76a(87a)、76b(87b)の交点位置から直感的に把握することができ、操作性を改善することができる。
【0083】
(2)パターン名選択用リストボックスコントロール85cに表示されたパターン名から、常用的なパターンであることを即座に判断でき、仮に、常用パターンであるにもかかわらず、パターン名が表示されなかった場合は、クロスポイントのどこかに設定ミスがあることを判断することができる。
【0084】
(3)常用パターン(図5のパターンテーブル65に登録済みのパターン)を使用する場合は、パターン名リストボックスコントロール85cのパターン名リスト85eから所望のパターン名を選択することにより、その選択パターン名(たとえば、“朝”)に対応したクロスポイント情報1〜nをパターンテーブル65からルックアップし、第2のGUI画面80のマトリクス表示エリア87に設定することができ、クロスポイント指定操作の簡略化を図ることができる。
【0085】
(4)クロスポイントを設定した後に、そのクロスポイント情報を常用パターンとして簡単にパターンテーブル65に追加登録することができ、クロスポイント情報の再利用化を図ることができる。
【0086】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されない。発明の思想の範囲内において様々な変形態様を含むことは当然であり、たとえば、以下のようにしてもよい。
上記の実施の形態におけるパターンテーブル65(図5参照)は、グループに関する情報を含んでいない。すなわち、パターンテーブル65は、図23(a)に示すように、放送局全体に適用される共通の情報テーブルであるが、不都合な点は、特に規模が大きい放送局の場合に登録パターン数が膨大なものとなって、パターン名リストボックスコントロール85cのパターン名リスト85eが長くなる点、及び、しばしば重複するパターン名の登録操作が行われてしまう可能性がある点である。先に説明したとおり、重複パターン名の登録は拒絶(図19のステップS52参照)されるようになっているが、度々の拒絶は感覚的に好ましくないし、操作性の悪化にも繋がる。
【0087】
そこで、この改良例においては、図23(a)に示すように、パターンテーブル65′にグループ名フィールド65gを追加し、そのグループ名フィールド65gのデータを用いて、グループ単位のレコード抽出を可能とする。これによれば、パターン名リストボックスコントロール85cのパターン名リスト85eの長さを一つのグループ分の登録パターン数に対応したものとすることができ、また、重複パターン名の登録の可能性も少なくでき、拒絶の回数を少なくして上記の欠点を解消することができる。
【0088】
また、上記の実施の形態では、グループアサイン画面(第1のGUI画面70)の円形オブジェクト76cをダブルクリックしたときに、クロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)をオープンするようにしているが、これに限定されない。要は、任意のグループを選択したときにクロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)をオープンすればよく、たとえば、グループアサイン画面(第1のGUI画面70)の入力グループ表示エリア74に含まれる任意のグループ名(たとえば、“ニュース”、“野球”、“バレーボール”・・・・のいずれか)又はその付近をダブルクリックしたときに、クロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)をオープンするようにしてもよい。あるいは、グループ選択のための他の画面をオープンし、そのグループ選択画面内の任意のグループ名表示部分又はボタンコントロールなどをクリックしたときに、クロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)をオープンするようにしてもよい。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の入力信号と複数の出力信号との間の接続関係を“グループ”毎に表示し、且つ、接続関係の変更を可能とするため、従来例のように、単に、並列的にすべての入力信号と出力信号との接続関係を表示し、且つ、接続関係の変更を可能とするもの(図25(b)のGUI画面6を参照)における不都合、すなわち、グループを考慮していないため、たとえば、使用権限のないリソースを誤って使用したりすることがなく、しかも、入出力信号の数が大量になっても、自グループに割り当てられた少数の入出力リソースだけに注意を払えばよいから、信号選択の混乱やミスもない。
また、グループに割り当てられた入力信号と出力信号との接続関係をパターン化して記憶し、それを再利用することができ、使用頻度の高い接続関係をいちいち設定する必要がなく、クロスポイント指定の効率改善を図ることができる。
また、縦横方向にマトリクス配置された多数の直線オブジェクトによって接続関係を表現し、該マトリクス上のカーソル位置直近の縦横方向の直線オブジェクトの属性を変更させて、該カーソル位置を明示することにより、オンフォーカス中のクロスポイント対象位置を目立たせることができ、間違ったクロスポイント指定を回避することができる。
また、グラフィカルユーザインターフェースに表示中の接続関係と実際の接続関係との間に不一致があった場合には、グラフィカルユーザインターフェースに表示される接続関係を、該不一致状態を表す特異表示状態に変更することができ、誤った表示に基づく、クロスポイントの指定ミスを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態におけるルーティング制御ための概念的なシステム構成図である。
【図2】ルーティングスイッチ部25dのレベル構造模式図である。
【図3】パーソナルコンピュータ20の構成を示す図である。
【図4】パーソナルコンピュータ20及びデータベースサーバ22のネットワーク構成図とハード及びソフトウェアの階層モデルを示す図である。
【図5】データベースプログラム54のテーブル構造概念図である。
【図6】レベルテーブル60、入力リソーステーブル61及び出力リソーステーブル62のデータ格納状態一例図である。
【図7】グループINテーブル63及びグループOUTテーブル64のデータ格納状態一例図である。
【図8】パターンテーブル65のデータ格納状態一例図である。
【図9】“グループ”の概念説明図である。
【図10】“パターン”の説明概念図である。
【図11】パーソナルコンピュータ20に表示される第1のGUI画面70を示す図である。
【図12】パーソナルコンピュータ20に表示される第2のGUI画面80を示す図である。
【図13】グループアサイン情報とそのグループに設定されたクロスポイント情報のデータ構造概念図及びそのデータ格納一例図である。
【図14】第2のGUI画面80の出力リソース表示エリア86に配置されたパターン名リストボックスコントロール85cの動作状態図である。
【図15】マトリクス部オンフォーカスイベントプログラムを示すフローチャート及びマトリクス部オンフォーカスイベントプログラムを実行中の実際の画面表示例を示す図である。
【図16】マトリクス部ダブルクリックイベントプログラムを示すフローチャートである。
【図17】グループアサイン処理プログラムを示すフローチャートである。
【図18】クロスポイント指定処理プログラムを示すフローチャートである。
【図19】パターン判定処理プログラムを示すフローチャートである。
【図20】パターン名リストボックス更新イベント処理プログラムを示すフローチャートである。
【図21】ルーティングスイッチ部25dの最新情報を取得するためのプログラムを示すフローチャートである。
【図22】切り換え制御ユニット23を介して取得したルーティングスイッチ部25dの最新情報91と、クロスポイント指定画面(第2のGUI画面80)における現在のクロスポイント指定情報92を示す概念図である。
【図23】改良されたパターンテーブル65′を示すその要部構造図である。
【図24】ルーティングスイッチの概念構成図である。
【図25】ルーティング制御を行うためのシステム構成図及びGUI画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
20……パーソナルコンピュータ(信号接続制御装置)、20a……CPU(提供手段、パターン情報生成部)、70……第1のGUI画面(グラフィカルユーザインターフェース)、74……入力グループ表示エリア(表示制御部、入力信号情報表示部)、75……出力グループ表示エリア(表示制御部、出力信号情報表示部)、76……マトリクス表示エリア(表示制御部、出力信号使用状態変更用コントロール)、80……第2のGUI画面(第2のグラフィカルユーザインターフェース)、84……入力リソース表示エリア(表示制御部、入力信号情報表示部)、85c……パターン名選択用リストボックスコントロール(パターン名表示部)、86……出力リソース表示エリア(表示制御部、出力信号情報表示部)、87……マトリクス表示エリア(表示制御部、出力信号使用状態変更用コントロール)。
Claims (15)
- 複数の入力信号と複数の出力信号との間の接続関係を制御する信号接続制御方法において、
前記接続関係制御用のグラフィカルユーザインターフェースを有し、
該グラフィカルユーザインターフェースは、
放送番組の製作グループまたはそれに相当するグループ毎に前記複数の入力信号と複数の出力信号との間の接続関係を表示し、且つ、接続関係の変更を可能とする表示制御部を含むことを特徴とする信号接続制御方法。 - 前記表示制御部は、各々のグループ毎に、そのグループで使用中の入力信号の情報を表示する入力信号情報表示部と、
そのグループで使用中の出力信号の情報とそのグループで未使用の出力信号の情報とを区別可能に表示する出力信号情報表示部と、
所定のユーザイベントに応答して前記使用中の出力信号を未使用状態に変更しまたはその逆に変更する出力信号使用状態変更用コントロールと
を有することを特徴とする請求項1記載の信号接続制御方法。 - 前記出力信号使用状態変更用コントロールは、所定のユーザイベントに応答して前記使用中の出力信号を未使用状態に変更しまたはその逆に変更すると共に、そのグループに割り当てられた入力信号と出力信号との接続関係を表示し、且つ、その接続関係の変更を可能とする表示制御部を有する第2のグラフィカルユーザインターフェースをオープンさせることを特徴とする請求項2記載の信号接続制御方法。
- 前記第2のグラフィカルユーザインターフェースは、
そのグループに割り当てられた入力信号と出力信号との接続関係をパターン化して記憶するための情報を生成するパターン情報生成部と、
記憶済みのパターン情報と前記接続関係とを照合してすでに記憶されているパターン情報と一致する接続関係である場合に、当該パターン情報の名前を表示するパターン名表示部と
を有することを特徴とする請求項3記載の信号接続制御方法。 - 複数の入力信号と複数の出力信号との間の接続関係を制御する信号接続制御装置において、
前記接続関係制御用のグラフィカルユーザインターフェースをユーザに提供する提供手段を備え、
該グラフィカルユーザインターフェースは、
放送番組の製作グループまたはそれに相当するグループ毎に前記複数の入力信号と複数の出力信号との間の接続関係を表示し、且つ、接続関係の変更を可能とする表示制御部を含むことを特徴とする信号接続制御装置。 - 前記表示制御部は、各々のグループ毎に、そのグループで使用中の入力信号の情報を表示する入力信号情報表示部と、
そのグループで使用中の出力信号の情報とそのグループで未使用の出力信号の情報とを区別可能に表示する出力信号情報表示部と、
所定のユーザイベントに応答して前記使用中の出力信号を未使用状態に変更しまたはその逆に変更する出力信号使用状態変更用コントロールと
を有することを特徴とする請求項5記載の信号接続制御装置。 - 前記出力信号使用状態変更用コントロールは、所定のユーザイベントに応答して前記使用中の出力信号を未使用状態に変更しまたはその逆に変更すると共に、そのグループに割り当てられた入力信号と出力信号との接続関係を表示し、且つ、その接続関係の変更を可能とする表示制御部を有する第2のグラフィカルユーザインターフェースをオープンさせることを特徴とする請求項6記載の信号接続制御装置。
- 前記第2のグラフィカルユーザインターフェースは、
そのグループに割り当てられた入力信号と出力信号との接続関係をパターン化して記憶するための情報を生成するパターン情報生成部と、
記憶済みのパターン情報と前記接続関係とを照合してすでに記憶されているパターン情報と一致する接続関係である場合に、当該パターン情報の名前を表示するパターン名表示部と
を有することを特徴とする請求項7記載の信号接続制御装置。 - コンピュータに所定の処理機能を実行させるためのプログラムであって、
前記処理機能は、
複数の入力信号と複数の出力信号との間の接続関係を制御するためのグラフィカルユーザインターフェースをユーザに提供する提供手段を実現する機能を有し、
該グラフィカルユーザインターフェースは、
放送番組の製作グループまたはそれに相当するグループ毎に前記複数の入力信号と複数の出力信号との間の接続関係を表示し、且つ、接続関係の変更を可能とする表示制御部を含む
ことを特徴とするプログラム。 - 前記表示制御部は、各々のグループ毎に、そのグループで使用中の入力信号の情報を表示する入力信号情報表示部と、
そのグループで使用中の出力信号の情報とそのグループで未使用の出力信号の情報とを区別可能に表示する出力信号情報表示部と、
所定のユーザイベントに応答して前記使用中の出力信号を未使用状態に変更しまたはその逆に変更する出力信号使用状態変更用コントロールと
を有することを特徴とする請求項9記載のプログラム。 - 前記出力信号使用状態変更用コントロールは、所定のユーザイベントに応答して前記使用中の出力信号を未使用状態に変更しまたはその逆に変更すると共に、そのグループに割り当てられた入力信号と出力信号との接続関係を表示し、且つ、その接続関係の変更を可能とする表示制御部を有する第2のグラフィカルユーザインターフェースをオープンさせることを特徴とする請求項10記載のプログラム。
- 前記第2のグラフィカルユーザインターフェースは、
そのグループに割り当てられた入力信号と出力信号との接続関係をパターン化して記憶するための情報を生成するパターン情報生成部と、
記憶済みのパターン情報と前記接続関係とを照合してすでに記憶されているパターン情報と一致する接続関係である場合に、当該パターン情報の名前を表示するパターン名表示部と
を有することを特徴とする請求項11記載のプログラム。 - 前記接続関係は、縦横方向にマトリクス配置された多数の直線オブジェクトによって表現されたものであり、該マトリクス上のカーソル位置直近の縦横方向の直線オブジェクトの属性を変更させて、該カーソル位置を明示することを特徴とする請求項9記載のプログラム。
- 前記グラフィカルユーザインターフェースに表示される接続関係は、階層化された前記複数の入力信号と複数の出力信号との間の接続関係のうちの任意層に対応したものであり、前記グラフィカルユーザインターフェースに表示中の接続関係と実際の接続関係との間に不一致があった場合に、前記グラフィカルユーザインターフェースに表示される接続関係を、該不一致状態を表す特異表示状態に変更することを特徴とする請求項9記載のプログラム。
- 請求項9乃至請求項14いずれかに記載のプログラムを格納した記録媒体。
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