JP2004031140A - 角形アルカリ二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造時における電極群の外装缶への挿入性の低下が防止された、高容量及び高エネルギー密度を有する角形アルカリ二次電池の提供。
【解決手段】外装缶1と、外装缶1にアルカリ電解液と一緒に収容される電極群2とを備え、電極群2は、外装缶1の側壁と直接接触する2つの最外負極板6aと、最外負極板6a,6a間に位置する内側負極板6bと、最外負極板6a及び内側負極板6b間にセパレータ7を介して配置された正極板5とを含み、最外負極板6aにおける負極合剤62の充填密度は内側負極板6bにおける負極合剤62の充填密度よりも少ないことを特徴とする角形アルカリ二次電池。
【選択図】 図2
【解決手段】外装缶1と、外装缶1にアルカリ電解液と一緒に収容される電極群2とを備え、電極群2は、外装缶1の側壁と直接接触する2つの最外負極板6aと、最外負極板6a,6a間に位置する内側負極板6bと、最外負極板6a及び内側負極板6b間にセパレータ7を介して配置された正極板5とを含み、最外負極板6aにおける負極合剤62の充填密度は内側負極板6bにおける負極合剤62の充填密度よりも少ないことを特徴とする角形アルカリ二次電池。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は角形アルカリ二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
角形アルカリ二次電池としては、ニッケルカドミウム二次電池やニッケル水素二次電池などがあげられ、例えば、図1に示した構造を有するニッケル水素二次電池Aが知られている。
電池Aは上部が開口した有底角筒形状の金属製外装缶1を備え、外装缶1は負極端子を兼ねている。外装缶1内には電極群2’がアルカリ電解液(図示しない)と一緒に収納され、外装缶1の開口は正極端子を含む封口部材により封口されている。
【0003】
電極群2’は、正極板5と、負極板6と、これら極板5,6の間に介装されたセパレータ7を含み、例えば、3枚の正極板5と4枚の負極板6とを、それら極板5,6間にセパレータ7を介在させながら交互に重ね合わせることにより作製されている。そして、電極群2’においては、一般に、極板を重ね合わせる方向にみて最も外側(2箇所)に負極板6が配置され、この最外側の負極板6は外装缶1の側壁と直接接触している。
【0004】
そして、正極板5は、正極集電体の両面に、正極活物質を含む正極合剤が担持されて成り、また負極板6は負極集電体の両面に、負極活物質を含む負極合剤が担持されて成る。
このような構造を有する二次電池Aは、例えば以下のようにして製造されている。
【0005】
1)正極板5と、負極板6と、セパレータ7とを用意する。
例えば、負極板6を製造するにあたっては、まず、例えば負極活物質、導電材及び結着剤を水とともに混練してペーストを調製する。次に、このペーストを負極集電体に塗着または充填した後に乾燥し、更にプレス成形処理を施すことによりペーストを集電体に担持させる。そして、これを所望のサイズに裁断または打ち抜き加工して負極板6が製造される。
2)正極板5と、負極板6と、セパレータ7とを用いて極板群2’を形成し、それを外装缶1に挿入する。
3)アルカリ電解液を外装缶内に注液してから封口部材を外装缶の開口に配設すし、両者の間に封口処理を行なう。
【0006】
ところで、角形アルカリ二次電池に対しては、高容量化及び高エネルギー密度化などの高性能化が要求されている。
このような要求に対しては、従来、電極群2’に含まれる正極活物質量若しくは負極活物質量、又は負極活物質である水素を吸蔵する水素吸蔵合金量を増やすことが策の一つとして行なわれている。
【0007】
例えば、負極板6に対しては、外装缶1の容積は有限であるという制約の下、負極集電体に塗着もしくは充填するペースト量を増量した上でプレス成形圧力を高めることにより、負極板6の厚みを一定に保ちながら、負極合剤の担持量を増加させている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した負極板6の場合、負極集電体へ担持された負極合剤の量が増加するのに伴って、負極板6自体に湾曲若しくはうねりが発生する。
そして、このような負極板6を含む電極群2’を外装缶1へ挿入する場合、電極群2’の最外側に位置する負極板6の外方へ膨らんでいる箇所が、外装缶1の開口部若しくは内壁と局所的に摺動し、最悪の場合には負極板6自体が折れ曲がり、電極群2’の外装缶への挿入性が低下するという問題が生じる。
【0009】
また、負極板6の外装缶1との摺動箇所で負極合剤(水素吸蔵合金)が集電体から脱落することもあり、そのため、得られる電池Aの容量やエネルギー密度が低下するという問題が生じてくる。
本発明は、上記した問題を解決し、製造時における電極群の外装缶への挿入性の低下を伴うことなく、高容量化及び高エネルギー密度化を達成する角形アルカリ二次電池の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明においては、有底角筒形状をなし、負極端子を兼ねる金属製外装缶と、前記外装缶にアルカリ電解液と一緒に収容された極板群とを備えた角形アルカリ二次電池において、前記極板群は、前記外装缶の一対の側壁と直接接触する2つの最外負極板と、これら最外負極板間に位置する内側負極板と、前記最外負極板及び内側負極板間にセパレータを介して配置された正極板とを含み、前記最外負極板及び内側負極板は、それぞれ、負極集電体と前記負極集電体に担持された負極合剤とを含み、前記最外負極板における前記負極合剤の充填密度は前記内側負極板における前記負極合剤の充填密度よりも少ないことを特徴とする角形アルカリ二次電池が提供される。
【0011】
すなわち、本発明に係わる角形アルカリ二次電池は、外装缶に接する負極板における負極合剤の充填密度を、負極板に湾曲若しくはうねりが発生しないような範囲にとどめ、電池組立て時における電極群の外装缶への良好な挿入性を確保するとともに、他の負極板における負極合剤の充填密度を多くすることにより電池特性を確保もしくは向上させることを特徴としたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る一実施形態の角形アルカリ二次電池B(以下、電池Bという)を示している。
電池Bは上部が開口した有底角筒形状の金属製外装缶1を備え、外装缶1は負極端子を兼ねている。外装缶1内には電極群2がアルカリ電解液(図示しない)と一緒に収納され、外装缶1の開口は正極端子3を含む封口部材4により封口されている。
【0013】
封口部材4は、正極リード8と、封口板9と、絶縁性ガスケット10と、安全弁11と正極端子3とからなる。
より詳しくは、正極リード8は、正極板5の上部にその一端が接続され、他端は中央に穴9aを有する矩形の封口板9の下面に接続されている。封口板9の周縁と外装缶1の開口部内面との間には絶縁性ガスケット10が配置されている。絶縁性ガスケット10は底部に開口部を有する有底矩形筒状であって、封口板9は、外装缶1の開口部を内側に縮径するカシメ加工によって、ガスケット10を介して外装缶1に気密に取り付けられている。封口板9の上面には、孔9aを塞ぐようにゴム製の安全弁11が配置され、更に、安全弁11を覆うようにしてキャップ状の正極端子3が配置されている。なお、正極端子3は複数のガス通過孔(図示しない)を有し、外装缶1内でガスが異常に発生した場合、安全弁11と封口板9間に隙間が生じ、孔9a及びガス通過孔を介して外装缶1内のガスが電池外部へと排出される。
【0014】
図2に示したように、電極群2は、正極板5と、負極板6と、これら極板5,6の間に介装されたセパレータ7を含み、例えば、3枚の正極板5と4枚の負極板6とを、それら極板5,6間にセパレータ7を介在させながら交互に重ね合わせることにより作製されている。
そして、電極群2においては、極板5,6を重ね合わせた方向にみて最外側にはそれぞれ負極板6が配置され、これら最外側の負極板6は外装缶1の対をなす側壁にそれぞれ直接接触している。
【0015】
以下では、正極板5、負極板6、セパレータ7およびアルカリ電解液について説明する。
1)正極板5
正極板5は、正極集電体と、この集電体に担持された正極合剤とからなる。
正極板5の製造にあたっては、まず、例えば、水酸化ニッケル粒子、導電助剤としてのコバルト系粒子、結着剤および水を含むペーストを調製する。次に、このペーストを正極集電体に塗着もしくは充填した後乾燥し、更に加圧成形処理を施すことによりペーストを集電体に担持させる。そして、これを所望のサイズに裁断若しくは打ち抜き加工して正極板5が製造される。
【0016】
前記水酸化ニッケル粒子としては、例えば単一の水酸化ニッケル粒子、または亜鉛及びコバルトのいずれか一方もしくは両方が金属ニッケルと共沈された水酸化ニッケル粒子を用いることができる。後者の水酸化ニッケル粒子を含む正極板は、高温状態における充電効率を更に向上することが可能になる。
また、電池Bの充放電効率を向上する観点から、前記水酸化ニッケル粒子のX線粉末回折法による(101)面のピーク半価幅は、0.8°/2θ(Cu−Kα)以上にすることが好ましい。より好ましい水酸化ニッケル粉末の粉末X線回折法による(101)面のピークの半価幅は、0.9〜1.0°/2θ(Cu−Kα)である。
【0017】
前記結着剤としては、疎水性ポリマー及び親水性ポリマーを用いることができる。
より詳しくは、疎水性ポリマーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ゴム系ポリマー(例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)のラテックス、アリロニトリルブタジエンゴム(NBR)のラテックス、エチレンプロピレンジエンモノマ(EPDM)のラテックス)等を挙げることができる。
【0018】
一方、親水性ポリマーとしては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリアクリル酸塩(例えばポリアクリル酸ナトリウム(SPA))、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキシド、COOX基を少なくとも一つ有するモノマーとビニルアルコールとの共重合体(但し、Xは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属から選ばれる元素からなる)等を挙げることができる。
【0019】
なお、結着剤としては、これらのポリマーから選ばれる1種または2種以上を用いることができる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリテトラフルオロエチレンはディスパージョンの形態で用いることができる。
前記コバルト系粒子を形成するコバルト化合物としては、例えば三酸化二コバルト(Co2O3)、コバルト金属(Co)、一酸化コバルト(CoO)、水酸化コバルト(Co(OH)2)等を挙げることができる。
【0020】
前記集電体としては、例えばニッケル、ステンレス等の金属や、ニッケルメ
ッキが施された樹脂などからなるスポンジ状、繊維状、フェルト状の多孔質構造を有するものを挙げることができる。
2)負極板6
負極板6は、負極集電体61と、この負極集電体61の両面に担持された負極合剤62とからなる(図2参照)。
【0021】
負極板6の製造にあたっては、まず、例えば、負極活物質、導電材及び結着剤を水とともに混練してペーストを調製する。次に、このペーストを負極集電体61に塗着もしくは充填した後乾燥し、更に、プレス成形処理を施す。そして、これを所望のサイズに裁断若しくは打ち抜き加工して負極板6が製造される。
本発明においては、負極板6のうち、電極群2の最外側に位置する負極板(以下、最外負極板といい、符号6aを付す)における負極合剤62の充填密度が、その他の負極板(以下、内側負極板といい、符号6bを付す)における負極合剤62の充填密度よりも少ない。
【0022】
このことは、以下のような理由による。
電池Bの高容量化及び高エネルギー化を図ることを目的として、負極板6に含まれる負極活物質量若しくは水素吸蔵合金量を増大させた場合、すなわち、負極板6における負極合剤62の充填密度を増量した場合、得られる負極板6に湾曲若しくはうねりが発生する。
【0023】
このように湾曲した負極板6が最外負極板として電極群に組み込まれた場合、電極群を外装缶に挿入する際に、外装缶の開口部若しくは内壁と最外負極板の外方へ膨らんだ箇所とが摺動し、若しくはその箇所で負極板が折れ曲がって、電極群の外装缶への挿入性が低下する。
また、このように外装缶1と摺動した最外負極板の箇所では、負極合剤の脱落が発生し、却って電池の容量低下及びエネルギー密度の低下を招く。
【0024】
そこで本発明では、湾曲若しくはうねりが発生しても電極群2の挿入性に影響を与えない内側負極板6bにおける負極合剤42の充填密度を増やして電池Bの高容量化及び高エネルギー密度化を図る一方で、外装缶1と摺動する最外負極板6aにおける負極合剤42の充填密度を、上記した湾曲若しくはうねりが発生しない範囲に設定し、もって電極群2の外装缶1への挿入性低下を抑制している。
【0025】
すなわち、負極板6間において電極合剤62の充填密度を同一としないことで、極板群6の外装缶1への挿入性を確保し、かつ、電池Bの高容量化及び高エネルギー密度化を達成している。
なお、負極合剤62の充填密度は、例えば、集電体61へのペーストの充填量もしくはプレス成形圧力を変化させることにより調整することができる。また、負極板6における湾曲若しくはうねりは、ペーストの充填量の増加に伴って、集電体の面内方向でペーストの充填量にばらつきが生じ、このような集電体に乾燥及びプレス成形処理を施すことによって発生するものと考えられる。
【0026】
前記負極活物質としては、例えば金属カドミウム、水酸化カドミウムなどのカドミウム化合物、水素等を挙げることができる。なお、負極活物質が水素の場合には、負極活物質の代わりに、水素を吸蔵する、例えば水素吸蔵合金をペーストに配合する。
中でも、前記水素吸蔵合金は、前記カドミウム化合物を用いた場合よりも二次電池の容量を向上できるため、好ましい。前記水素吸蔵合金は、格別制限されるものではなく、電解液中で電気化学的に発生させた水素を吸蔵でき、かつ放電時にその吸蔵水素を容易に放出できるものであればよい。例えば、LaNi5,MmNi5(Mmはミッシュメタル)、LmNi5(LmはLaを含む希土類元素から選ばれる少なくとも一種)、これら合金のNiの一部をAl,Mn,Co,Ti,Cu,Zn,Zr,Cr,Bのような元素で置換した多元素系のもの、またはTiNi系、TiFe系のものを挙げることができる。特に、一般式LmNiwCoxMnyAlz(原子比w,x,y,zの合計値は5.00≦w+x+y+z≦5.50である)で表される組成の水素吸蔵合金は充放電サイクルの進行に伴う微粉化を抑制して充放電サイクル寿命を向上できるための好適である。
【0027】
前記結着剤としては、前述した正極板で説明したものと同様なポリマーから選ばれる1種または2種以上を用いることができる。前記導電材としては、例えばカーボンブラック、黒鉛等を挙げることができる。
前記負極集電体としては、例えばパンチドメタル、エキスパンデッドメタル、穿孔剛板、ニッケルネットなどの二次元基板を挙げることができる。
【0028】
3)セパレータ7
セパレータ7としては、例えば、ポリアミド繊維製不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン繊維製不織布に親水性官能基を付与したものを挙げることができる。
4)アルカリ電解液
アルカリ電解液としては、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)の水溶液、水酸化リチウム(LiOH)の水溶液、水酸化カリウム(KOH)の水溶液、NaOHとLiOHの混合液、KOHとLiOHの混合液、KOHとLiOHとNaOHの混合液等を用いることができる。
【0029】
【実施例】
実施例1〜3,比較例1,2
<正極板5の作製>
水酸化ニッケル粉末90重量部および導電助剤としての一酸化コバルト粉末10重量部からなる混合粉末にカルボキシメチルセルロース0.3重量部およびポリテトラフルオロエチレン0.5重量部を添加し、水の存在下で混練してペーストを調製した。
【0030】
このペーストを集電体である焼結繊維基板内に充填し、乾燥した後、ローラプレスして圧延成形することにより水酸化ニッケルを含む正極合剤が集電体に担持された構造の正極板を作製した。各正極板は、前記正極合剤の厚さが20μm、全体の厚さが0.6mmで、単位面積当りの容量が650mAh/ccであった。
【0031】
<負極板6の作製>
市販のランタン富化したミッシュメタルLm,Ni,Co,Mn及びAlを用いて高周波炉によって、LmNi4.0Co0.4Mn0.3Al0.3で示される組成を有する水素吸蔵合金を作製した。この水素吸蔵合金を機械粉砕し、これを200メッシュの篩を通過させた。かくして得られた合金粉末100重量部にポリアクリル酸ナトリウム0.5重量部とカルボキシメチルセルロース0.125重量部、ポリテトラフルオロエチレンのディスパージョン(比重1.5、固形分60重量%)を固形分換算で2.5重量部および導電材としてのカーボン粉末1.0重量部を添加し、水50重量部と共に混合することによって、ペーストを調製した。このペーストを集電体であるパンチドメタルの両面に、各面厚み0.53mmの厚さにて塗布して乾燥させ、負極合剤の厚みが各面0.23mmになるまでローラプレスによって加圧成形することにより、負極板1枚あたりの負極合剤の担持量が0.500gで充填密度Dが0.575g/cm3である最外負極板6aを作製した。なおここで、負極板6に湾曲若しくはうねりが発生する負極板1枚あたりの負極合剤の担持量は0.505gで充填密度Dが0.581g/cm3であった。
【0032】
一方、前記ペーストをパンチドメタルの両面に、各面0.73mmの厚さにて塗布して乾燥させた後、負極合剤の厚さが各面0.33mmになるまでローラプレスによって加圧成形することにより、負極板1枚あたりの負極合剤62の担持量が0.735gで充填密度Dが0.589g/cm3である内側負極板6bを作製した。
得られた各正極板5をポリオレフィンを主体とする不織布からなる袋状のセパレータ7で被包し、これと各負極板6a,6bとを交互に重ねることにより、両外側に最外負極板6aが位置し、最外負極板6a間に3枚の内側負極板6bが含まれている電極群2を作製した。
【0033】
このような電極群2を1000個用意し、それぞれを、負極端子を兼ねる有底角筒形状をなす外装缶1内に収納した。その後、前記外装缶1内に7NのKOH及び1NのLiOHからなるアルカリ電解液を注液し、内側負極板を3枚含むこと以外は図1に示した角形ニッケル水素二次電池と同じ構造を有する、実施例1の角形ニッケル水素二次電池を組み立てた。
【0034】
ついで、表1に示したように、電極群2に含まれる最外負極板若しくは内側負極板の負極合剤の充填密度Dを変えた以外は実施例1と同様にして実施例2〜3及び比較例1,2の角形ニッケル水素二次電池を組み立てた。
そして、上記した実施例1〜3及び比較例1,2の電池を組立てた際に、1000個の電極群のうち外装缶1に挿入することができなかった電極群の数を表1に示す。
【0035】
なお、表1は、比較例1の場合を1としたときの各負極板の負極合剤の充填密度の比率、負極板1枚あたりの負極合剤の担持量、及び、比較例1の場合を100%としたときの2枚の最外負極板及び3枚の内側負極板に担持された負極合剤の総量の比率も示している。
【0036】
【表1】
【0037】
表1から明らかなように、最外負極板の負極合剤の充填密度が、負極板に湾曲若しくはうねりが発生する充填密度D以下の場合、電極群の外装缶への挿入性が良好であることがわかる。
【0038】
【本発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明の角形アルカリ二次電池によれば、その製造時における電極群の外装缶への挿入性を良好に保ちながら、その高容量化及び高エネルギー密度化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】角形アルカリ二次電池の部分切欠き断面図である。
【図2】本発明に係る一実施形態の角形アルカリ二次電池に用いられる電極群の断面図である。
【符号の説明】
1 外装缶
2 電極群
5 正極板
6 負極板
6a 最外負極板
6b 内側負極板
61 負極集電体
62 負極合剤
7 セパレータ
【発明の属する技術分野】
本発明は角形アルカリ二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
角形アルカリ二次電池としては、ニッケルカドミウム二次電池やニッケル水素二次電池などがあげられ、例えば、図1に示した構造を有するニッケル水素二次電池Aが知られている。
電池Aは上部が開口した有底角筒形状の金属製外装缶1を備え、外装缶1は負極端子を兼ねている。外装缶1内には電極群2’がアルカリ電解液(図示しない)と一緒に収納され、外装缶1の開口は正極端子を含む封口部材により封口されている。
【0003】
電極群2’は、正極板5と、負極板6と、これら極板5,6の間に介装されたセパレータ7を含み、例えば、3枚の正極板5と4枚の負極板6とを、それら極板5,6間にセパレータ7を介在させながら交互に重ね合わせることにより作製されている。そして、電極群2’においては、一般に、極板を重ね合わせる方向にみて最も外側(2箇所)に負極板6が配置され、この最外側の負極板6は外装缶1の側壁と直接接触している。
【0004】
そして、正極板5は、正極集電体の両面に、正極活物質を含む正極合剤が担持されて成り、また負極板6は負極集電体の両面に、負極活物質を含む負極合剤が担持されて成る。
このような構造を有する二次電池Aは、例えば以下のようにして製造されている。
【0005】
1)正極板5と、負極板6と、セパレータ7とを用意する。
例えば、負極板6を製造するにあたっては、まず、例えば負極活物質、導電材及び結着剤を水とともに混練してペーストを調製する。次に、このペーストを負極集電体に塗着または充填した後に乾燥し、更にプレス成形処理を施すことによりペーストを集電体に担持させる。そして、これを所望のサイズに裁断または打ち抜き加工して負極板6が製造される。
2)正極板5と、負極板6と、セパレータ7とを用いて極板群2’を形成し、それを外装缶1に挿入する。
3)アルカリ電解液を外装缶内に注液してから封口部材を外装缶の開口に配設すし、両者の間に封口処理を行なう。
【0006】
ところで、角形アルカリ二次電池に対しては、高容量化及び高エネルギー密度化などの高性能化が要求されている。
このような要求に対しては、従来、電極群2’に含まれる正極活物質量若しくは負極活物質量、又は負極活物質である水素を吸蔵する水素吸蔵合金量を増やすことが策の一つとして行なわれている。
【0007】
例えば、負極板6に対しては、外装缶1の容積は有限であるという制約の下、負極集電体に塗着もしくは充填するペースト量を増量した上でプレス成形圧力を高めることにより、負極板6の厚みを一定に保ちながら、負極合剤の担持量を増加させている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した負極板6の場合、負極集電体へ担持された負極合剤の量が増加するのに伴って、負極板6自体に湾曲若しくはうねりが発生する。
そして、このような負極板6を含む電極群2’を外装缶1へ挿入する場合、電極群2’の最外側に位置する負極板6の外方へ膨らんでいる箇所が、外装缶1の開口部若しくは内壁と局所的に摺動し、最悪の場合には負極板6自体が折れ曲がり、電極群2’の外装缶への挿入性が低下するという問題が生じる。
【0009】
また、負極板6の外装缶1との摺動箇所で負極合剤(水素吸蔵合金)が集電体から脱落することもあり、そのため、得られる電池Aの容量やエネルギー密度が低下するという問題が生じてくる。
本発明は、上記した問題を解決し、製造時における電極群の外装缶への挿入性の低下を伴うことなく、高容量化及び高エネルギー密度化を達成する角形アルカリ二次電池の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明においては、有底角筒形状をなし、負極端子を兼ねる金属製外装缶と、前記外装缶にアルカリ電解液と一緒に収容された極板群とを備えた角形アルカリ二次電池において、前記極板群は、前記外装缶の一対の側壁と直接接触する2つの最外負極板と、これら最外負極板間に位置する内側負極板と、前記最外負極板及び内側負極板間にセパレータを介して配置された正極板とを含み、前記最外負極板及び内側負極板は、それぞれ、負極集電体と前記負極集電体に担持された負極合剤とを含み、前記最外負極板における前記負極合剤の充填密度は前記内側負極板における前記負極合剤の充填密度よりも少ないことを特徴とする角形アルカリ二次電池が提供される。
【0011】
すなわち、本発明に係わる角形アルカリ二次電池は、外装缶に接する負極板における負極合剤の充填密度を、負極板に湾曲若しくはうねりが発生しないような範囲にとどめ、電池組立て時における電極群の外装缶への良好な挿入性を確保するとともに、他の負極板における負極合剤の充填密度を多くすることにより電池特性を確保もしくは向上させることを特徴としたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る一実施形態の角形アルカリ二次電池B(以下、電池Bという)を示している。
電池Bは上部が開口した有底角筒形状の金属製外装缶1を備え、外装缶1は負極端子を兼ねている。外装缶1内には電極群2がアルカリ電解液(図示しない)と一緒に収納され、外装缶1の開口は正極端子3を含む封口部材4により封口されている。
【0013】
封口部材4は、正極リード8と、封口板9と、絶縁性ガスケット10と、安全弁11と正極端子3とからなる。
より詳しくは、正極リード8は、正極板5の上部にその一端が接続され、他端は中央に穴9aを有する矩形の封口板9の下面に接続されている。封口板9の周縁と外装缶1の開口部内面との間には絶縁性ガスケット10が配置されている。絶縁性ガスケット10は底部に開口部を有する有底矩形筒状であって、封口板9は、外装缶1の開口部を内側に縮径するカシメ加工によって、ガスケット10を介して外装缶1に気密に取り付けられている。封口板9の上面には、孔9aを塞ぐようにゴム製の安全弁11が配置され、更に、安全弁11を覆うようにしてキャップ状の正極端子3が配置されている。なお、正極端子3は複数のガス通過孔(図示しない)を有し、外装缶1内でガスが異常に発生した場合、安全弁11と封口板9間に隙間が生じ、孔9a及びガス通過孔を介して外装缶1内のガスが電池外部へと排出される。
【0014】
図2に示したように、電極群2は、正極板5と、負極板6と、これら極板5,6の間に介装されたセパレータ7を含み、例えば、3枚の正極板5と4枚の負極板6とを、それら極板5,6間にセパレータ7を介在させながら交互に重ね合わせることにより作製されている。
そして、電極群2においては、極板5,6を重ね合わせた方向にみて最外側にはそれぞれ負極板6が配置され、これら最外側の負極板6は外装缶1の対をなす側壁にそれぞれ直接接触している。
【0015】
以下では、正極板5、負極板6、セパレータ7およびアルカリ電解液について説明する。
1)正極板5
正極板5は、正極集電体と、この集電体に担持された正極合剤とからなる。
正極板5の製造にあたっては、まず、例えば、水酸化ニッケル粒子、導電助剤としてのコバルト系粒子、結着剤および水を含むペーストを調製する。次に、このペーストを正極集電体に塗着もしくは充填した後乾燥し、更に加圧成形処理を施すことによりペーストを集電体に担持させる。そして、これを所望のサイズに裁断若しくは打ち抜き加工して正極板5が製造される。
【0016】
前記水酸化ニッケル粒子としては、例えば単一の水酸化ニッケル粒子、または亜鉛及びコバルトのいずれか一方もしくは両方が金属ニッケルと共沈された水酸化ニッケル粒子を用いることができる。後者の水酸化ニッケル粒子を含む正極板は、高温状態における充電効率を更に向上することが可能になる。
また、電池Bの充放電効率を向上する観点から、前記水酸化ニッケル粒子のX線粉末回折法による(101)面のピーク半価幅は、0.8°/2θ(Cu−Kα)以上にすることが好ましい。より好ましい水酸化ニッケル粉末の粉末X線回折法による(101)面のピークの半価幅は、0.9〜1.0°/2θ(Cu−Kα)である。
【0017】
前記結着剤としては、疎水性ポリマー及び親水性ポリマーを用いることができる。
より詳しくは、疎水性ポリマーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ゴム系ポリマー(例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)のラテックス、アリロニトリルブタジエンゴム(NBR)のラテックス、エチレンプロピレンジエンモノマ(EPDM)のラテックス)等を挙げることができる。
【0018】
一方、親水性ポリマーとしては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリアクリル酸塩(例えばポリアクリル酸ナトリウム(SPA))、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキシド、COOX基を少なくとも一つ有するモノマーとビニルアルコールとの共重合体(但し、Xは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属から選ばれる元素からなる)等を挙げることができる。
【0019】
なお、結着剤としては、これらのポリマーから選ばれる1種または2種以上を用いることができる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリテトラフルオロエチレンはディスパージョンの形態で用いることができる。
前記コバルト系粒子を形成するコバルト化合物としては、例えば三酸化二コバルト(Co2O3)、コバルト金属(Co)、一酸化コバルト(CoO)、水酸化コバルト(Co(OH)2)等を挙げることができる。
【0020】
前記集電体としては、例えばニッケル、ステンレス等の金属や、ニッケルメ
ッキが施された樹脂などからなるスポンジ状、繊維状、フェルト状の多孔質構造を有するものを挙げることができる。
2)負極板6
負極板6は、負極集電体61と、この負極集電体61の両面に担持された負極合剤62とからなる(図2参照)。
【0021】
負極板6の製造にあたっては、まず、例えば、負極活物質、導電材及び結着剤を水とともに混練してペーストを調製する。次に、このペーストを負極集電体61に塗着もしくは充填した後乾燥し、更に、プレス成形処理を施す。そして、これを所望のサイズに裁断若しくは打ち抜き加工して負極板6が製造される。
本発明においては、負極板6のうち、電極群2の最外側に位置する負極板(以下、最外負極板といい、符号6aを付す)における負極合剤62の充填密度が、その他の負極板(以下、内側負極板といい、符号6bを付す)における負極合剤62の充填密度よりも少ない。
【0022】
このことは、以下のような理由による。
電池Bの高容量化及び高エネルギー化を図ることを目的として、負極板6に含まれる負極活物質量若しくは水素吸蔵合金量を増大させた場合、すなわち、負極板6における負極合剤62の充填密度を増量した場合、得られる負極板6に湾曲若しくはうねりが発生する。
【0023】
このように湾曲した負極板6が最外負極板として電極群に組み込まれた場合、電極群を外装缶に挿入する際に、外装缶の開口部若しくは内壁と最外負極板の外方へ膨らんだ箇所とが摺動し、若しくはその箇所で負極板が折れ曲がって、電極群の外装缶への挿入性が低下する。
また、このように外装缶1と摺動した最外負極板の箇所では、負極合剤の脱落が発生し、却って電池の容量低下及びエネルギー密度の低下を招く。
【0024】
そこで本発明では、湾曲若しくはうねりが発生しても電極群2の挿入性に影響を与えない内側負極板6bにおける負極合剤42の充填密度を増やして電池Bの高容量化及び高エネルギー密度化を図る一方で、外装缶1と摺動する最外負極板6aにおける負極合剤42の充填密度を、上記した湾曲若しくはうねりが発生しない範囲に設定し、もって電極群2の外装缶1への挿入性低下を抑制している。
【0025】
すなわち、負極板6間において電極合剤62の充填密度を同一としないことで、極板群6の外装缶1への挿入性を確保し、かつ、電池Bの高容量化及び高エネルギー密度化を達成している。
なお、負極合剤62の充填密度は、例えば、集電体61へのペーストの充填量もしくはプレス成形圧力を変化させることにより調整することができる。また、負極板6における湾曲若しくはうねりは、ペーストの充填量の増加に伴って、集電体の面内方向でペーストの充填量にばらつきが生じ、このような集電体に乾燥及びプレス成形処理を施すことによって発生するものと考えられる。
【0026】
前記負極活物質としては、例えば金属カドミウム、水酸化カドミウムなどのカドミウム化合物、水素等を挙げることができる。なお、負極活物質が水素の場合には、負極活物質の代わりに、水素を吸蔵する、例えば水素吸蔵合金をペーストに配合する。
中でも、前記水素吸蔵合金は、前記カドミウム化合物を用いた場合よりも二次電池の容量を向上できるため、好ましい。前記水素吸蔵合金は、格別制限されるものではなく、電解液中で電気化学的に発生させた水素を吸蔵でき、かつ放電時にその吸蔵水素を容易に放出できるものであればよい。例えば、LaNi5,MmNi5(Mmはミッシュメタル)、LmNi5(LmはLaを含む希土類元素から選ばれる少なくとも一種)、これら合金のNiの一部をAl,Mn,Co,Ti,Cu,Zn,Zr,Cr,Bのような元素で置換した多元素系のもの、またはTiNi系、TiFe系のものを挙げることができる。特に、一般式LmNiwCoxMnyAlz(原子比w,x,y,zの合計値は5.00≦w+x+y+z≦5.50である)で表される組成の水素吸蔵合金は充放電サイクルの進行に伴う微粉化を抑制して充放電サイクル寿命を向上できるための好適である。
【0027】
前記結着剤としては、前述した正極板で説明したものと同様なポリマーから選ばれる1種または2種以上を用いることができる。前記導電材としては、例えばカーボンブラック、黒鉛等を挙げることができる。
前記負極集電体としては、例えばパンチドメタル、エキスパンデッドメタル、穿孔剛板、ニッケルネットなどの二次元基板を挙げることができる。
【0028】
3)セパレータ7
セパレータ7としては、例えば、ポリアミド繊維製不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン繊維製不織布に親水性官能基を付与したものを挙げることができる。
4)アルカリ電解液
アルカリ電解液としては、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)の水溶液、水酸化リチウム(LiOH)の水溶液、水酸化カリウム(KOH)の水溶液、NaOHとLiOHの混合液、KOHとLiOHの混合液、KOHとLiOHとNaOHの混合液等を用いることができる。
【0029】
【実施例】
実施例1〜3,比較例1,2
<正極板5の作製>
水酸化ニッケル粉末90重量部および導電助剤としての一酸化コバルト粉末10重量部からなる混合粉末にカルボキシメチルセルロース0.3重量部およびポリテトラフルオロエチレン0.5重量部を添加し、水の存在下で混練してペーストを調製した。
【0030】
このペーストを集電体である焼結繊維基板内に充填し、乾燥した後、ローラプレスして圧延成形することにより水酸化ニッケルを含む正極合剤が集電体に担持された構造の正極板を作製した。各正極板は、前記正極合剤の厚さが20μm、全体の厚さが0.6mmで、単位面積当りの容量が650mAh/ccであった。
【0031】
<負極板6の作製>
市販のランタン富化したミッシュメタルLm,Ni,Co,Mn及びAlを用いて高周波炉によって、LmNi4.0Co0.4Mn0.3Al0.3で示される組成を有する水素吸蔵合金を作製した。この水素吸蔵合金を機械粉砕し、これを200メッシュの篩を通過させた。かくして得られた合金粉末100重量部にポリアクリル酸ナトリウム0.5重量部とカルボキシメチルセルロース0.125重量部、ポリテトラフルオロエチレンのディスパージョン(比重1.5、固形分60重量%)を固形分換算で2.5重量部および導電材としてのカーボン粉末1.0重量部を添加し、水50重量部と共に混合することによって、ペーストを調製した。このペーストを集電体であるパンチドメタルの両面に、各面厚み0.53mmの厚さにて塗布して乾燥させ、負極合剤の厚みが各面0.23mmになるまでローラプレスによって加圧成形することにより、負極板1枚あたりの負極合剤の担持量が0.500gで充填密度Dが0.575g/cm3である最外負極板6aを作製した。なおここで、負極板6に湾曲若しくはうねりが発生する負極板1枚あたりの負極合剤の担持量は0.505gで充填密度Dが0.581g/cm3であった。
【0032】
一方、前記ペーストをパンチドメタルの両面に、各面0.73mmの厚さにて塗布して乾燥させた後、負極合剤の厚さが各面0.33mmになるまでローラプレスによって加圧成形することにより、負極板1枚あたりの負極合剤62の担持量が0.735gで充填密度Dが0.589g/cm3である内側負極板6bを作製した。
得られた各正極板5をポリオレフィンを主体とする不織布からなる袋状のセパレータ7で被包し、これと各負極板6a,6bとを交互に重ねることにより、両外側に最外負極板6aが位置し、最外負極板6a間に3枚の内側負極板6bが含まれている電極群2を作製した。
【0033】
このような電極群2を1000個用意し、それぞれを、負極端子を兼ねる有底角筒形状をなす外装缶1内に収納した。その後、前記外装缶1内に7NのKOH及び1NのLiOHからなるアルカリ電解液を注液し、内側負極板を3枚含むこと以外は図1に示した角形ニッケル水素二次電池と同じ構造を有する、実施例1の角形ニッケル水素二次電池を組み立てた。
【0034】
ついで、表1に示したように、電極群2に含まれる最外負極板若しくは内側負極板の負極合剤の充填密度Dを変えた以外は実施例1と同様にして実施例2〜3及び比較例1,2の角形ニッケル水素二次電池を組み立てた。
そして、上記した実施例1〜3及び比較例1,2の電池を組立てた際に、1000個の電極群のうち外装缶1に挿入することができなかった電極群の数を表1に示す。
【0035】
なお、表1は、比較例1の場合を1としたときの各負極板の負極合剤の充填密度の比率、負極板1枚あたりの負極合剤の担持量、及び、比較例1の場合を100%としたときの2枚の最外負極板及び3枚の内側負極板に担持された負極合剤の総量の比率も示している。
【0036】
【表1】
【0037】
表1から明らかなように、最外負極板の負極合剤の充填密度が、負極板に湾曲若しくはうねりが発生する充填密度D以下の場合、電極群の外装缶への挿入性が良好であることがわかる。
【0038】
【本発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明の角形アルカリ二次電池によれば、その製造時における電極群の外装缶への挿入性を良好に保ちながら、その高容量化及び高エネルギー密度化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】角形アルカリ二次電池の部分切欠き断面図である。
【図2】本発明に係る一実施形態の角形アルカリ二次電池に用いられる電極群の断面図である。
【符号の説明】
1 外装缶
2 電極群
5 正極板
6 負極板
6a 最外負極板
6b 内側負極板
61 負極集電体
62 負極合剤
7 セパレータ
Claims (1)
- 有底角筒形状をなし、負極端子を兼ねる金属製外装缶と、
前記外装缶にアルカリ電解液と一緒に収容された極板群とを備えた角形アルカリ二次電池において、
前記極板群は、前記外装缶の側壁と直接接触する2つの最外負極板と、これら最外負極板間に位置する内側負極板と、前記最外負極板及び内側負極板間にセパレータを介して配置された正極板とを含み、
前記最外負極板及び内側負極板は、それぞれ、負極集電体と前記負極集電体に担持された負極合剤とを含み、
前記最外負極板における前記負極合剤の充填密度は前記内側負極板における前記負極合剤の充填密度よりも少ないことを特徴とする角形アルカリ二次電池。
Priority Applications (1)
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JP2002186191A JP2004031140A (ja) | 2002-06-26 | 2002-06-26 | 角形アルカリ二次電池 |
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Cited By (2)
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-
2002
- 2002-06-26 JP JP2002186191A patent/JP2004031140A/ja active Pending
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