JP2004030719A - 負荷トルク変化防止装置、および磁気ディスク装置 - Google Patents

負荷トルク変化防止装置、および磁気ディスク装置 Download PDF

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Abstract

【課題】揺動形ボイスコイルモータの位置決め精度を向上させて高性能な磁気記録装置を安価に提供する。
【解決手段】FPC12は、磁気ヘッド7およびボイスコイルモータのコイル9に給電する。FPC12はボイスコイルモータの回動に伴い、磁気ヘッド7のトラック位置によってその曲率半径が変化する。これにより、曲げ応力が変化して反力としてボイスコイルモータの負荷が変化する。FPC12と機械的な特性が同一のダミーFPC12Aは、ピボット軸受5に対してピボット軸受5とコイル9の中心とを結ぶ線に線対称に配置されている。FPC12による負荷の変化をダミーFPC12Aによる負荷の変化によって相殺する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パーソナルコンピュータなどの外部記憶装置として用いられる磁気ディスク装置に関し、特に、磁気ヘッドを磁気ディスクの半径方向へ移動させる揺動型ボイスコイルモータ(以下、ボイスコイルモータをVCMという)の負荷トルク変化防止技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な従来の磁気ディスク装置における揺動型VCMは、上ヨーク、下ヨーク、マグネット、コイル、およびピボット軸受などから構成されており、磁気ディスク装置のシャーシに設けられている。また、磁気ヘッドおよびVCMコイルと本体回路との電気的な接続に関しては、FPC(Flexible Printed Circuit)が用いられている。このFPC経由でVCMコイルに通電し、揺動型VCMを揺動させることにより、磁気ヘッドを所要のトラックへと移動させ、さらにFPCを経由して、磁気ヘッドとの間でデータの授受を行うことにより、所要のデータを記録再生することができるように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、パーソナルコンピュータの小型化および性能向上により、磁気ディスク装置に要求される性能も高まっている。小型・大容量・高速・安価な磁気ディスク装置が望まれている。しかしながら、上記従来の磁気ディスク装置においては、以下に述べる問題があった。
【0004】
前述したように、本体回路部分と磁気ヘッドおよびVCMに対する電気的な接続にはFPCが用いられている。このFPCは通常、VCMのピボット軸受付近を通り、本体回路との間で、移動しないコネクタなどにより接続されているため、VCMの揺動に伴って磁気ヘッドが移動することによりFPCの曲率が変化する。そして、その結果、ピボット軸受回りの負荷トルクがトラック位置により変動し、磁気ヘッドの位置決め精度が低下したり、セトリング(整定する)時間が変わったりしていた。
【0005】
そこで、上記問題への対応として、FPCによる負荷が小さくなるように、高価な柔軟性の高いFPCを用いたり、配置を工夫したり、複雑なファームウェアなどを用いたりすることによって対応してきた。このため、部品自身のコストが上昇するとともに、取り付けなどの精度向上のために作業性が著しく低下していた。また、複雑なファームウェアなどによる開発費用の増加や、大きなメモリ容量を確保する必要などがあった。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、FPCによる負荷トルクの変化を低減する簡単な構成の装置を提供することを目的とする。また、本発明は、前記装置を具備することにより、トラック位置決め精度を向上することのできる安価で高性能な磁気ディスク装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の負荷トルク変化防止装置は、先端部に磁気ヘッドが支持されたアクチュエータをピボット軸受を中心に揺動させるボイスコイルモータにおける負荷トルク変化防止装置であって、前記アクチュエータの回転角度により曲率半径が変化する第1のFPCと、前記第1のFPCと同等の機械特性を有し、かつ前記アクチュエータの回転角度により曲率半径が変化する第2のFPCとを具備し、前記第1のFPCの曲率半径の変化に伴う前記ピボット軸受に対する負荷トルクの変化を前記第2のFPCの曲率半径の変化に伴う前記ピボット軸受に対する負荷トルクの変化により相殺することを特徴とする。この構成により、トラック位置によって第1のFPCにより発生するピボット軸受に対する負荷トルクを第2のFPCにより実質的になくすことができる。これによって、高い柔軟性を必要とする高価なFPCを用いることなく安価なFPCにても高精度の位置決めが可能となり、コストの低減ができる。
【0008】
また、本発明の負荷トルク変化防止装置は、前記第2のFPCが、前記ピボット軸受と前記ボイスコイルモータのコイルの中心とを結ぶ線に対して第1のFPCの線対称となる位置に配置されていることを特徴とする。この構成により、第1のFPCにより発生するピボット軸受に対する負荷トルクを第1のFPCにより確実にキャンセルすることができる。また、線対称に配置したことにより、耐振動などの負荷トルク以外の特性に関してもバランス良い構成とすることができる。
【0009】
さらに、本発明の磁気ディスク装置は、磁気ディスクと、前記磁気ディスクを回転駆動するスピンドルモータと、一端に磁気ヘッドが設けられ、他端にコイルを有し、ピボット軸受を中心として前記磁気ヘッドを前記磁気ディスクのトラック方向へ移動させるボイスコイルモータと、前記ボイスコイルモータおよび前記磁気ヘッドに給電するFPCとを有する磁気記録装置において、前記FPCは、前記磁気ヘッドのトラック位置により曲率半径が変化する第1のFPCと、前記第1のFPCと同等の機械特性を有し、かつ磁気ヘッドのトラック位置により曲率半径が変化する第2のFPCとからなり、前記第1のFPCの曲率半径の変化に伴うピボット軸受に対する負荷トルクの変化を前記第2のFPCの曲率半径の変化に伴う前記ピボット軸受に対する負荷トルクの変化により相殺することを特徴とする。この構成により、高価な柔軟性の高いFPCを用いることなく磁気ヘッドの位置決め精度を向上できる。また、複雑なファームウェアなどを用いないので、開発費用の増加や、大容量メモリも不要にでき、安価で特性のよい磁気ディスク装置が実現できる。
【0010】
そして、本発明の磁気ディスク装置は、前記第1のFPCが、比較的大きな電力を給電する相対的に幅の広いパターンと、比較的小さな電力を給電する相対的に幅の狭いパターンとを有し、前記2種類のパターンが所定の幅の隙間によって隔離されていることを特徴とする。この構成により、前記幅の広いパターンを用いてボイスコイルモータのコイルに相対的に大きな電力を給電しても、磁気ヘッドに給電する前記幅の狭いパターンに対して誘導されるノイズが低減できるので、信号品質の良い再生信号が得られ、磁気ディスク装置のエラーが低減できる。
【0011】
また、本発明の磁気ディスク装置は、前記隙間にダミーのパターンが配置されていることを特徴とする。この構成により、相対的に幅の広いパターンと相対的に幅の狭いパターンとの間に構成される浮遊容量が、ダミーのパターンによりそれぞれ直列に接続されることになるので、浮遊容量が低減し、誘導されるノイズがさらに低減する。これによって、磁気ディスク装置の信頼性が向上する。
【0012】
さらに、本発明の磁気ディスク装置は、前記隙間にスリットが設けられ、前記スリットに粘弾性体が充填されていることを特徴とする。この構成により、シーク時に発生する振動や外部からの不要な振動を粘弾性体によって減衰させることができるので、磁気ヘッドに不要な振動が伝達することがない。これによって、セトリング時間の短縮が図れ、磁気ディスク装置のパフォーマンスを向上させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態(以下、本実施の形態という)の磁気ディスク装置(以下、磁気ディスク装置をHDDという)の要部平面図、図2は、本実施の形態のHDDにおけるVCMのピボット軸受の断面図、図3は、本実施の形態のHDDにおけるFPCによる負荷について説明するための図である。また、図4は、本実施の形態のHDDにおける位置決め精度を説明するための図、図5から図7は、本実施の形態のHDDにおけるFPCの構成例を示す要部の斜視図である。そして、図8は、本実施の形態のHDDにおけるVCMのゲイン特性を説明するための図、図9は、本実施の形態のHDDの外乱と位置決め特性を説明するための図である。
【0014】
まず、図1を用いてHDDの構成を説明する。回路部分を除くHDDを、以下HDA(Head Disk Assembly)という。HDA1は、概箱状をしたアルミニウム製などの金属性シャーシ2と、シャーシ2の上部を塞ぐカバー(図示せず)とを有している。また、HDA1内には、アルミニウムやガラスなどの非磁性基材上にスパッタリングなどによりCo−Cr 系などの磁性膜を形成し、所要の保護膜や、潤滑層を形成した磁気記録媒体としてのディスク10が配置されている。ディスク10の下に配置されたスピンドルモータ14は、ディスク10を一定速度で回転させる。スピンドルモータ14の軸受は流体軸受であり、モータの形態は周対向型のDDモータである。これにより、ディスク10を高い回転精度で回転できるようにした。ディスク10の半径方向の振れについては、RRO(Repeatable Run−Out)・NRRO(Non Repeatable Run−Out)などで規定され高精度の要求を満たすように設計されている。
【0015】
ディスク10に対して情報の記録または再生を行なう磁気ヘッド7は、磁気ヘッド7を支持するサスペンション6の先に、ジンバルばね(図示せず)に取り付けられて、ロードビーム(図示せず)により付勢力が伝達されるように構成されている。磁気ヘッド7は、スライダ(図示せず)に書き込み用の薄膜ヘッドと、読出し用のGMRヘッドとが取り付けられ、スライダに設けられた所要形状のABS(Air Bearing Surface )面により負圧スライダとしてある。
【0016】
サスペンション6は、ピボット軸受5によりディスク10のトラック方向(半径方向)に対して回動自在に支持されている。アクチュエータは、サスペンション6とコイルアーム8とで構成されている。アクチュエータは、VCMにより回動および位置決めされ、磁気ヘッド7を所要のトラック方向に移動または位置決めするように構成されている。ディスク10の外周側には、アクチュエータの待避位置にランプ3が設けられており、HDDの動作停止の際にアクチュエータを待避位置にアンロードし、HDDの非動作時にアクチュエータを待避位置に保持する。
【0017】
シャーシ2の下面には、図示していない、モータなどの動作等を制御する駆動回路や、R/W(Read/Write)回路、HDC(Hard Disk Controller)などが実装された回路基板が固定され、HDDとなる。このHDDは、ロード/アンロード機構の形態をとっている。ディスク10は、HDDが動作するとき、スピンドルモータ14により回転し、HDDが非動作のとき、スピンドルモータ14により停止する。ディスク10の表面には、図示していないが、データおよびサーボ情報が記録されるトラックが同心円状に配置されている。トラックは、さらに細かな、512バイト単位などのセクタに分割されている。また、トラック位置によって線記録密度がほぼ一定になるようにゾーンビット記録を行うように構成されている。
【0018】
コイルアーム8とサスペンション6とは、ピボット軸受5に回動自在に支持されており、ピボット軸受5に対してそれぞれが反対の位置関係に配置されている。また、サスペンション6の先端部には、ランプ3に待避するためのタブ11が設けられている。タブ11は、待避位置に移動したときに、ランプ3により保持される部分であり、ランプ3に接触する凸部が形成されている(図示せず)。これは、ランプ3との摩擦を低減してコンタミネーションを防止するとともに、ディスク10上から待避位置への移動または逆の移動の際に磁気ヘッド7の姿勢が変化してディスク10との接触を防止するためである。
【0019】
本実施の形態におけるHDAは、1プラッター1ヘッドと称され、ディスク10の上面のみを記録面とし、1つの磁気ヘッド7を用いる構成とした。磁気ヘッド7は、図示しない回路基板からデータをディスク10に記録、またディスク10に記録されたデータの読み出しを行なう。記録については、16−17の変調方式(16ビットを17ビットに変換して記録する)を用いてバイト単位でコード変換を行い、記憶容量の向上と記録再生特性の向上を実現している。
【0020】
これらの信号は、FPC12を介して磁気ヘッド7との間で授受され、本体回路とは、移動しないコネクタによって接続されている。FPC12には、書き込み用の薄膜ヘッドに書き込み電流を供給する2本の信号線と、読出し用のGMRヘッドにセンス電流を供給する2本の信号線と、VCMコイルに比較的大きな電力を供給するための2本の給電線とがあり、少なくとも6本のパターンが設けられている。一方、FPC12と機械的な特性が同一のダミーFPC12Aは、ピボット軸受5に対してピボット軸受5とコイル9の中心とを結ぶ線に線対称に配置されている。
【0021】
本実施の形態においては、ダミーFPC12Aは、FPC12と同じ構成を有しており、その機械的特性はFPC12の機械的特性同じである。FPC12の構成としては、ベースフィルムとカバーフィルムに0.5Mil(25μm)厚のポリイミドフィルムを用い、導体には0.5Oz(18μm)の圧延銅箔を用いた。
【0022】
磁気ヘッド7は、スライダに取り付けられ、サスペンション6により与えられる付勢力によりディスク10に付勢されている。スライダは前述のように所要の形状を持たせたABS面を持つ負圧スライダであり、ディスク10の回転により発生する空気流の流入により、所要の正・負圧を生じ非常にわずかな浮上量(10〜30nm)にて安定して浮動するように構成されている。
【0023】
VCMは、コイル9と、図示しない上ヨークおよび下ヨークと、マグネット13とから構成されている。アクチュエータのコイルアーム8に固定されたコイル9の下端面には、所定の空隙を介してマグネット13が対向配置されている。マグネット13は下ヨークに固定されている。コイル9の上方には、所定の空隙を介して上ヨークが対向配置されている。この構成により、磁気回路を形成し、コイルアーム8を上ヨークとマグネット13とに挟まれた空間に配置してあるので、コイル9が回動可能となっている。マグネット13には、エネルギー積の高いNd−Fe系の焼結製で、表面をNiめっきなどによる防錆処理を施し、一つ面内に2つの極を有するように着磁したものを用いている。
【0024】
ランプ3は、図示していないが、タブ11に対応する斜面、平面などから形成される複合平面形状を有し、アンロード時のサスペンション6の揺動に伴うタブ11の運動方向、すなわちディスク10の径方向外側に向けて、上記複合平面が配置されて、シャーシ2に固定されている。なお、アクチュエータとVCMとランプ3とで、ロード/アンロード機構を構成している。
【0025】
図2に示すように、ピボット軸受5は、深溝型のラジアルベアリング15を2個用いて、定位置与圧にて構成した。ラジアルベアリング15の外輪には、カラー16が取り付けられ、図1のサスペンション6が固定される。軸には、ピボット軸受5を図1のシャーシ2に対して固定するためのネジ17が設けられている。これにより、少ない回転トルクで回転するとともに、振れが厳しく抑えられている。
【0026】
次にHDDについて、その動作を説明する。回路基板により、スピンドルモータ14が駆動され、ディスク10が所定の回転速度で回転する。本実施の形態においては、50S−1(3,000rpm)とした。ランプ3に退避していた磁気ヘッド7がVCMによりピボット軸受5を中心に回動し、磁気ヘッド7をディスク10の上面へとロードする。ディスク10の回転により発生した空気流が、スライダとディスク10との間を通る。これにより、スライダは、サスペンション6の付勢力に抗して、ディスク10との間で非常にわずかな浮上量(10〜30nm)にて安定して浮動する。これにより、磁気ヘッド7のロードが完了する。続いて、トラック情報などを読み取り、アクワイヤーと呼ばれるトラック認識などの一連の動作が行われる。
【0027】
次にVCMのコイル9に通電されると、マグネット13からの磁束とコイル9の電流とによってフレミングの左手の法則に従って推力が発生する。コイル9は、マグネット13が固定されているので、その反作用として推力を発生し、アクチュエータをピボット軸受5に対して回動させる。これにより、アクチュエータはコイル9への通電量に応じた角度回動する。サスペンション6に支持された磁気ヘッド7は、ディスク10の半径方向に沿ってディスク10上を浮上状態で移動し、所望のトラック上に位置決めされ、ディスク10に対して情報の記録再生が行われる。
【0028】
VCMの推力のバラツキが少なくなるように、ピボット軸受5の回動中心に対するマグネット13の取付が所要の精度になるように行われている。これは、コイル9に対して鎖交する磁束のバラツキを避けるためである。また、これは推力の発生がB・I・L(磁束×電流×長さ)則によるためである。
【0029】
FPC12はVCMの回動に伴い、トラック位置によってその曲率半径が変化する。これにより、曲げ応力が変化して反力としてVCMの負荷が変化する。つまり、VCMの推力が回動方向の位置によってあたかも変化したように振舞うことになる。従来は、この負荷の変化に対して、トラックの位置に対してコイルに流す電流値を調整したり、サーボループのゲイン調整などをHDAごとに行ったり、ファームウェアなどに電流調整などのステップを入れることなどで対応していた。また、FPCによる負荷を低減するために、柔軟性が高い高価なFPCを用いたりすることで対応してきた。
【0030】
本実施の形態おいては、FPC12による負荷の変化をダミーFPC12Aによる負荷の変化によってキャンセルすることができるので、このような問題が容易に解消できる。この説明を図3に基づいて行う。図3において横軸はトラック位置を示し、縦軸はFPCによる負荷を示している。また、縦軸における符号の+は磁気ヘッド7をディスク10の内周側へと移動させる方向を示している。従来例によれば、図の破線で示したような負荷がトラック位置によって変化しながら発生する。これは、図1に示したように、FPC12が湾曲した形態にてHDA1に配置されているためである。すなわち、FPC12は直線状になろうとする(曲がりがないように)方向に力を発生させるため、どのトラック位置においても磁気ヘッド7を磁気ディスク10の内周側へ移動させる方向にピボット軸受回りへの負荷トルクが発生する。これに対して、本実施の形態では、FPC12と同等の機械特性を有するダミーFPC12Aがピボット軸受5とVCMのコイル9の中心を結ぶ線に対して線対称となる位置に配置されている。このダミーFPC12Aにより発生する負荷を一点鎖線で示している。このダミーFPC12AはFPC12と同じ機械特性を有しているので、FPC12と逆に作用するため、2つのFPCによる負荷が打ち消しあって2点鎖線で示した本実施の形態の特性が得られる。これにより、トラック位置にかかわらず負荷の変化がなくなり、しかも非常に少ない負荷とすることが理解できよう。FPC12とダミーFPC12Aとが同等の機械特性を持っていれば良いので、高価な柔軟性の高いFPCを用いなくとも実現できることは、容易に理解できよう。また、曲率の変化つまりトラック位置に対する負荷の変化が、この実施の形態で示したものと比べ、複雑であっても同様な効果が得られることも理解できよう。
【0031】
次に図4(a)〜(d)により実際のHDDとしての位置決め精度の特性を説明する。これらの図において、横軸は時間の経過を示している。また、縦軸については、図4(a)は磁気ヘッド7を移動する際の目標値を実線で、本実施の形態における移動状態を一点鎖線で、従来例の移動状態を破線で示している。図4(b)の縦軸は、実際にヘッドが移動したときのPES(Position Error Signal )信号を示している。PES信号は、通常トラックピッチに対して磁気ヘッドのトラック方向の位置ズレ量をトラックピッチで正規化した値が用いられ、読み出しに対しては5〜7%程度で可能とし、書き込みに対しては3%以内程度で可能とすることが知られている。つまり、磁気ヘッドが、読み出し可能または書き込み可能な位置決め状態になったことを判断する指標となる。したがって、この時間が短い方が優れたHDDであることを示す指標となる。図4(c)の縦軸は本実の形態における書き込み可能な状態期間をレベル1として示しており、図4(d)の縦軸は従来例における書き込み可能な状態期間をレベル1として示している。これらは、図4(b)においてPES信号の値が3%以下になっている状態に対応している。書き込み可能な状態は読み出しも可能な状態であり、HDDがシークした後に使える期間を示すものと考えても良い。図4(c)によれば、本実施の形態においては、シークした後すぐに書き込みおよび読み出しが可能な状態となることが理解されよう。つまり、シークに伴う無駄な時間が低減できるので、HDDのパフォーマンスが向上できる。これは、FPC12による負荷トルクが低減したために、目標値に対する移動の指令に伴うVCMへの供給電流に対して、磁気ヘッド7が指令どおりに挙動できるようになったことによるものである。さらに言い換えると、従来のVCMを用いてもアクセス時間が短縮でき、パフォーマンスの高いHDDが実現できることを意味する。また、トラックの位置に対してコイルに流す電流値を調整したり、サーボループのゲイン調整などをHDAごとに行なったり、ファームウェアなどに電流調整などのステップを設けることなども不要にすることができる。
【0032】
次に、FPC12の構成例について図5から図8を用いて説明する。図5においては、読み出し用のGMRヘッドにセンス電流を供給する2本の信号線20A、20Bと、書き込み用の薄膜ヘッドに書き込み電流を供給する2本の信号線21A、21Bと、VCMのコイル9に比較的大きな電力を供給するための2本の給電線22A、22Bとからなる少なくとも6本のパターンが設けられている。4本の信号線20A 、20B、21A、21Bは磁気ヘッド7に対して比較的小さな電力を給電するため相対的に幅の狭い(0.1mm)信号線用のパターンとし、VCMのコイル9に対して較的大きな電力を給電する2本の給電線22A、22Bは相対的に幅の広い(0.3mm)パターンとした。また、幅の異なる2種類のパターンの間には、比較的幅の大きな隙間24を設けた。この隙間24の幅は0.5mmとした。勿論、これらの幅は使用する磁気ヘッド7やVCMなどにより適宜変更は可能である。また、より微弱な信号を扱うために読み出し用のGMRヘッドへの信号線20A、20Bは、VCMのコイル9への給電線22A、22Bから最も遠くなるように離して配置した。
【0033】
この構成によれば、シークする時や、シークした後にトラックの僅かな偏芯などに対して磁気ヘッド7を位置制御するためにVCMに供給する電流に伴って発生するノイズに対してGMRヘッドからの読み出し信号の劣化を防止することが可能となる。読み出し信号に重畳するノイズは、距離の2乗に反比例するために、隙間24の幅は可能な範囲で大きくすることが望ましい。従来、この隙間を大きくするには、FPCの幅方向の寸法を大きくする必要があったが、FPCの負荷が増加するという相反する特性のために、ノイズと負荷との間で、いわゆるトレードオフし最適化してきた。本構成例により、FPCの幅方向の寸法を大きくせずに十分な隙間を確保することが可能となり、エラーの低減が可能となった。
【0034】
図6に示す構成例では、前述した比較的大きな隙間24内にダミーのパターン25を配置した。この構成によれば、ダミーのパターン25と、それに隣接する相対的に幅の狭いパターン21B との間に構成される浮遊容量C1、およびダミーのパターン25と、それに隣接する相対的に幅の広いパターン22Aとの間に構成される浮遊容量C2とすると、ダミーのパターン25によりそれぞれの浮遊容量C1、C2が直列に接続されることになる。このため、合成した浮遊容量は、(C1・C2)/(C1+C2)と低減され、誘導されるノイズがさらに低減できる。また、より微弱な信号を扱うために読み出し用のGMRヘッドへの信号線20A、20Bは、VCMのコイル9への給電線22A、22Bより最も遠くなるように離して配置してあるので、C1に対応する部分についてはかなり低減できるため、VCMからのノイズの影響を低減できる。これによれば、図5に示した構成例と比較して、隙間24を狭く設定することが可能となり、FPC12の幅を狭くできるので、FPC12の単位面積当りの取数を向上することが可能となり、コストの低減ができる。その他の構成と動作は図5で示した構成例と同様であるので省略する。
【0035】
図7に示す構成例では、前述した比較的大きな隙間24にスリット26を設け、このスリット26内に粘弾性体27を充填した。スリット26の寸法は、幅が0.3mm、長さ約5mmとし、8mm間隔で設けた。この構成により、シーク時や外部からの不要な振動をスリット内に配置した粘弾性体27によって減衰させることができるので、磁気ヘッド7に対して不要な振動が伝播することがない。
【0036】
この特性については、さらに図8および図9により説明する。これらの図に示す特性は一定のG値を入力して測定した特性例である。図8において、横軸に外乱の周波数を示し、縦軸はピボット軸受回りのゲインを示している。また、図9においては、横軸に外乱の周波数を示し、縦軸にPESを示している。それぞれの図において、従来例は破線で示し、本実施の形態は2点鎖線で示している。これらの図によれば、本実施の形態はゲインもPESも良好な特性が得られていることが理解できる。この理由は、スリット26に充填した粘弾性体27がダシュポットとして作用するとともにFPC12とダミーFPC12Aとによりマスが見掛け上減少し、従来バネ・マス系であった振動が改善されたものと考えられる。前述のように、PESを読み出し可能な5%としてみると、従来例では区間AとBとの間で読み出し可能であるのに対して、本実施の形態では全域にて読出し可能となっている。これによれば、磁気ディスク装置のパフォーマンスが向上できることが理解できる。
【0037】
なお、本発明は以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、それらを組み合わせて実施することも可能であり、また適宜変形して適用することも可能であることは明らかである。例えば上記実施の形態では二つのFPCの内、一つをダミーとしたが、二つのFPCをともにダミーでないFPCとしても良い。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、先端部に磁気ヘッドが支持されたアクチュエータの回転角度により曲率半径が変化する第1のFPCと、前記第1のFPCと同等の機械特性を有し、かつ前記アクチュエータの回転角度により曲率半径が変化する第2のFPCとを用い、前記第1のFPCの曲率半径の変化に伴うピボット軸受に対する負荷トルクの変化を前記第2のFPCの曲率半径の変化に伴うピボット軸受に対する負荷トルクの変化により相殺することにより、磁気ヘッドのトラック位置によって第1のFPCにより発生するピボット軸受に対する負荷トルクを実質的になくすことができるので、高い柔軟性を必要とする高価なFPCを用いることなく安価なFPCにても高精度の位置決めが可能となり、磁気ディスク装置のコストの低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態HDDの要部平面図、
【図2】本実施の形態のHDDにおけるVCMのピボット軸受の断面図、
【図3】本実施の形態のHDDにおけるFPCによる負荷について説明するための図、
【図4】本発明の実施例におけるHDDの位置決め精度を説明する図
【図5】本実施の形態のHDDにおけるFPCの構成を示す要部の斜視図、
【図6】本実施の形態のHDDにおけるFPCの構成を示す要部の斜視図、
【図7】本実施の形態のHDDにおけるFPCの構成を示す要部の斜視図、
【図8】本実施の形態のHDDにおけるVCMのゲイン特性を示す図、
【図9】本実施の形態のHDDにおける外乱と位置決め特性を示す図である。
【符号の説明】
1 HDA
2 シャーシ
3 ランプ
5 ピボット軸受
6 サスペンション
7 磁気ヘッド
8 コイルアーム
9 コイル
10 ディスク
11 タブ
12 FPC
12A ダミーFPC
13 マグネット
14 スピンドルモータ
15 ベアリング
16 カラー
17 ねじ
20A、20B、21A、21B信号線
22A、22B給電線
24 隙間
25 ダミーのパターン
26 スリット
27 粘弾性体

Claims (6)

  1. 先端部に磁気ヘッドが支持されたアクチュエータをピボット軸受を中心に揺動させるボイスコイルモータにおける負荷トルク変化防止装置であって、前記アクチュエータの回転角度により曲率半径が変化する第1のFPCと、前記第1のFPCと同等の機械特性を有し、かつ前記アクチュエータの回転角度により曲率半径が変化する第2のFPCとを具備し、前記第1のFPCの曲率半径の変化に伴う前記ピボット軸受に対する負荷トルクの変化を前記第2のFPCの曲率半径の変化に伴う前記ピボット軸受に対する負荷トルクの変化により相殺することを特徴とする負荷トルク変化防止装置。
  2. 前記第2のFPCは、前記ピボット軸受と前記ボイスコイルモータのコイルの中心とを結ぶ線に対して第1のFPCの線対称となる位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の負荷トルク変化防止装置。
  3. 磁気ディスクと、前記磁気ディスクを回転駆動するスピンドルモータと、一端に磁気ヘッドが設けられ、他端にコイルを有し、ピボット軸受を中心として前記磁気ヘッドを前記磁気ディスクのトラック方向へ移動させるボイスコイルモータと、前記ボイスコイルモータおよび前記磁気ヘッドに給電するFPCとを有する磁気記録装置において、前記FPCは、前記磁気ヘッドのトラック位置により曲率半径が変化する第1のFPCと、前記第1のFPCと同等の機械特性を有し、かつ磁気ヘッドのトラック位置により曲率半径が変化する第2のFPCとからなり、前記第1のFPCの曲率半径の変化に伴うピボット軸受に対する負荷トルクの変化を前記第2のFPCの曲率半径の変化に伴う前記ピボット軸受に対する負荷トルクの変化により相殺することを特徴とする磁気ディスク装置。
  4. 前記第1のFPCは比較的大きな電力を給電する相対的に幅の広いパターンと、比較的小さな電力を給電する相対的に幅の狭いパターンとを有し、前記2種類のパターンが所定の幅の隙間によって隔離されていることを特徴とする請求項3記載の磁気ディスク装置。
  5. 前記隙間にダミーのパターンが配置されていることを特徴とする請求項4記載の磁気ディスク装置。
  6. 前記隙間にスリットが設けられ、前記スリットに粘弾性体が充填されていることを特徴とする請求項4または5記載の磁気ディスク装置。
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