JP2004030491A - 機器メンテナンス診断システム - Google Patents

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Abstract

【課題】点検項目は多数で対象台数が多くても送信するデータ量は少なくて通信コストは低く、それでも遠隔地にある中央施設側で現地における機器の状況を精密に診断して劣化の具合を監視することができる機器メンテナンス診断システムを提供することである
【解決手段】運転施設1側における診断対象とする機器1aの運転データを収集し、収集した運転データを符号化してデータ容量の圧縮を行い、圧縮化データを遠隔地にある中央施設2側に送信し、その中央施設側において圧縮化データに基づき機器1aを診断する機器メンテナンス診断システムであり、運転施設1側では収集した運転データで機器1aにおける劣化の兆候を予備診断し精密診断が必要と判断した場合に精密診断を必要とする点検項目の圧縮化データを中央施設側に送信し、中央施設2側では受信した精密診断を必要とする点検項目の圧縮化データについて過去の故障時のデータと対比して精密診断を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工場等現地の施設における機器の状況を遠隔地にある中央施設側で診断する機器メンテナンス診断システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
診断対象である機器が同じ敷地内であっても複数の工場施設に分散して設置していたり、さらに一つの工場内であっても設置位置が分散していることがある。
【0003】
そこで、診断対象機器全てにセンサを取り付け点検項目の運転データを収集し、さらにこの運転データを有線または無線で現場のデータ収集施設に送るということが行われている。
【0004】
データ収集施設から収集した機器運転データをさらに通信回線を介して、中央施設(メンテナンス会社等)の診断設備に送信する。中央施設側では、通信回線を介して送信された機器運転データに基づき機器の劣化を診断し、その結果より、機器のメンテナンスや点検の推奨を、通信回線を介して、現地施設の端末に送信する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この時送信されるデータは、符号化してデータ容量の圧縮を行うことが多いが、点検項目は多数にのぼり、対象台数が多いとそのデータ容量は膨大になる。この膨大な容量のデータを常時通信回線を介して送信すると通信コストがかかるという問題がある。
それゆえ本発明の目的は、点検項目は多数で対象台数が多くても送信するデータ量は少なくて通信コストは低く、それでも遠隔地にある中央施設側で現地における機器の状況を精密に診断して劣化の具合を監視することができる機器メンテナンス診断システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の特徴とするところは、現地施設側における診断対象とする機器の運転データを収集し、収集した運転データを符号化してデータ容量の圧縮を行い、圧縮化データを遠隔地にある中央施設側に送信し、その中央施設側において圧縮化データに基づき機器を診断する機器メンテナンス診断システムにおいて、運転施設側では収集した運転データで機器における劣化の兆候を予備診断し精密診断が必要と判断した場合に精密診断を必要とする点検項目の圧縮化データを中央施設側に送信し、中央施設側では受信した精密診断を必要とする点検項目の圧縮化データについて過去の故障時のデータと対比して精密診断を行うことにある。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である機器メンテナンス診断システムの構成を示す。なお、各図面において同一物、相当物には同一符号を付けている。
【0008】
図1において、1は劣化の診断対象である機器が配備された現地側の機器運転施設、2は機器運転施設1における機器の性能劣化の状態を診断判断する中央施設である。機器運転施設1と中央施設2は互いに遠隔地にあり通信回線3により接続してある。この通信回線3は、公衆回線または専用線を使用している。
【0009】
4は現地側において中央施設2から中央施設2での診断結果を受信して表示する端末で、端末4と中央施設2は通信回線3で接続してある。
機器運転施設1には診断対象である機器1aがある。図1では簡略化のために、機器1aを1台のみ示している。機器1aの一例は、各種工場内で工場内エアー供給用に使用される圧縮機本体である。
【0010】
機器1aにはその運転データを収集するデータ収集手段1bを設けてある。データ収集手段1bは、診断対象とする機器の点検項目のセンサから運転データをアナログ出力値で収集した場合、データ符号化手段1cでディジタルの数値データに変換して符号化し暗号化も兼ねてデータ容量を圧縮する。センサから運転データをディジタルの数値データで収集した場合は暗号化のためデータ容量を圧縮する。圧縮化データには機器1aのコードと点検項目のコードを付けて置く。
【0011】
データ収集手段1bが収集しデータ符号化手段1cで作成した圧縮化データは運転データ保存手段1eで保存し、性能劣化兆候診断手段1dで機器1aの性能劣化の兆候を予備診断する。
【0012】
性能劣化兆候診断手段1dは予備診断において精密診断が必要と判断した場合には、機器コードと点検項目がついた圧縮化データと精密診断依頼通知を送受信手段1fに出力する。送受信手段1fは、通信回線3を介して圧縮化データと精密診断依頼通知を中央施設2に送信する。
【0013】
中央施設2には、通信回線3を介して、機器コードと点検項目がついた圧縮化データと精密診断依頼通知を受信して性能劣化診断手段2bに送り、またメンテナンス結果通知手段2dからの出力を通信回線3と送受信手段1fを介して端末4に送信する送受信手段2aを備えている。
【0014】
機器1aが故障をした場合、故障時点から遡ること一定期間の圧縮化データは、機器運転施設1における運転データ保存手段1eから複写をして中央施設2における過去データ蓄積手段2cに格納しておく。機器1aは新品を設置した場合、故障は殆どないから故障まで圧縮化データを保存するようにしていると、膨大な記憶容量を必要とするから、データ保存レベルを決めておいて、保存レベルを越えて注意領域に入ったら保存を開始するようにしておくと良い。
【0015】
性能劣化診断手段2bは精密診断依頼通知を受けると、過去データ蓄積手段2cからここに格納してある機器コードと点検項目に対応した故障時点から遡ること一定期間の圧縮化データを得て、精密診断依頼通知とともに受信した圧縮化データと比較し機器1a劣化具合を精密診断し、精密診断結果をメンテナンス結果通知手段2dに送る。
【0016】
メンテナンス結果通知手段2dは、性能劣化診断手段2bでの精密診断結果を機器1aにおける各種性能についてのメンテナンス内容として送受信手段2a,1fや通信回線3を介して機器運転施設1における端末4に送信する。
【0017】
次に、図2に従ってデータ符号化手段1cにおけるデータの符号化について説明する。
図2において、先ずステップ(以下Sと略す)20でデータ収集手段1bが収集した運転データについて点検項目毎にデータの取得を行う。
【0018】
次にS21〜S31において、取得した運転データについて符号化のための判定を行う。点検項目それぞれには、あらかじめ用意された基準値があり、その値に対して状態を表す符号を割り付ける。例えば、良好な状態であればA、状態の悪化とともにB,Cとしていき、Fを故障状態とする。この符号はアルファベットとせず1,2としても構わない。また独自のルールを持たせた符号の組み合わせでも構わない。
【0019】
S21では、基準値と運転データを比較し、運転データがAレベル基準値未満であればS22に進み、この点検項目について状態はAとしてS32に進む。一方運転データがAレベル基準値以上であればS23に進む。
【0020】
S23では、同様に基準値と運転データを比較し、運転データがBレベル基準値未満でAレベル基準値以上であればS24に進み、この点検項目について状態はBとし、S32に進む。一方運転データがBレベル基準値以上であれば、S25に進む。
【0021】
S25では、同様に基準値と運転データを比較し、運転データがCレベル基準値未満でBレベル基準値以上であればS26に進み、この点検項目について状態はCとし、S32に進む。一方運転データがCレベル基準値以上であれば、S27に進む。
【0022】
S27では、同様に基準値と運転データを比較し、運転データがDレベル基準値未満でCレベル基準値以上であればS28に進み、この点検項目について状態はDとし、S32に進む。一方運転データがDレベル基準値以上であれば、S29に進む。
【0023】
さらにS29では、同様に基準値と運転データを比較し、運転データがEレベル基準値未満でDレベル基準値以上であればS30に進み、この点検項目について状態はEとし、S32に進む。また運転データがEレベル基準値以上であればS31に進み、この点検項目について状態はFとし、S32に進む。
【0024】
S32では、A〜Fの形に符号化された運転データ、即ち、圧縮化データの保存を行う。この工程は他の点検項目に対しても同様に行われる。また、符号化する運転データは、データ収集手段1bがサンプリングするデータ全てとしても良いし、サンプリングするデータの数時間毎の平均値としても良く、また一日の平均値としても良い。
【0025】
図5(a)は保存される符号化したデータ列の一例であり、この場合は一つの点検項目データについて、一日の平均値に対して符号化を行っている。
【0026】
次に、図3に従って、性能劣化兆候診断手段1dにおける性能劣化兆候の予備診断工程について説明する。
性能劣化兆候診断手段1dは、図3のS35においてデータ暗号化手段1cで符号化され運転データ保存手段1eに保存された点検項目の運転データ(圧縮化データ)を運転データ保存手段1eより取得する。
【0027】
図5(b)に取得した運転データを示す。この場合は前述のように、一日の平均値に対して符号化を行っているので、それぞれの符号一つが一日の状態を表している。また図5(b)は過去7日間のデータを示している。
【0028】
次に、S36において性能劣化兆候の予備診断を行う。この点検項目では、レベルDが3日間続いた場合、性能劣化の疑いありとして、S37に進む。S37では、S36の結果を受けて中央施設2に送信する精密診断依頼通知と過去7日間の圧縮化データを送受信手段1fに出力する。S36で、レベルDが3日間続いていない場合はS38に進む。
【0029】
S38においては、この点検項目については異常無しと判定する。
【0030】
図1の機器運転施設1では、異常の有り無しに関わらず予備診断結果を図示していない記録手段に保持していく。また予備診断結果は、点検者に理解しやすい形態で端末4において表示するようにしても良い。
【0031】
次に図4において、中央施設2の性能劣化診断手段2bにおける性能劣化の精密診断工程について説明する。
【0032】
性能劣化診断手段2bは、S40において機器運転施設1より通信回線3を介して送信され精密診断依頼通知と精密診断が必要と判断された点検項目の圧縮化データを取得する。
【0033】
次に、S41において過去データ蓄積手段2cより過去に故障した時の過去データを取得する。前述の通り、取得したデータはそれぞれ図5(b)に示すように、一日毎の平均値が符号化されて表現されている。また、機器運転施設1より通信回線3を介して受信した点検項目の圧縮化データは、過去7日間におけるデータとなっている。
【0034】
図5(c)に示すように、レベルFを判定され故障したケースでは、3日以前にレベルDが3回連続して発生しており、過去データ蓄積手段2cに格納(蓄積)してある過去故障データは図5(c)の3日間のレベルDを含む遡ること1週間の過去データである。
【0035】
続くS42〜S46において、S40で取得した点検項目の圧縮化データとS41で取得した過去に故障した時の圧縮化データを比較する。
【0036】
S42においては、符号自体とその並び順について、完全に一致している部分があるかを判定する。
【0037】
完全に一致している部分がある場合はS43に進み、診断結果としてメンテナンスの必要ありとする。これは、この機器については、図5(c)の過去故障データ事例のようにレベルDが3日間続いてから3日後に故障しており、いずれ性能の悪化が進み、このままの状態では故障するからである。一方、完全に一致していない場合は、S44に進む。
【0038】
S44では、符号自体とその並び順について再度比較し、80パーセント以上一致している個所がある場合はS45に進み、診断結果としては機器1aの点検実施を推奨とする。これは、この機器1aはいずれ性能の悪化が進むと予想されるが、故障にまで発展するかどうかは疑わしいので、機器1aの様子を見るという診断である。
【0039】
S44の比較結果で一致率が80未満の場合はS46に進み、精密診断結果は異常なしとする。これらS43,S45,S46での精密診断結果はメンテナンス結果通知手段2dに出力される。
【0040】
メンテナンス結果通知手段2dは、その受け取った通知を送受信手段2a、そして通信回線3を介して、端末4に送信する。
【0041】
従って、機器運転施設1側では端末4の表示を見て、機器1aの状況を把握できる。また、対象とする全ての機器について点検者は、巡回することなく運転データを収集しかつ点検を行うことができる。そして、収集した運転データを常に通信回線を介して中央施設に送信するのではなく、現地で収集した運転データに基づき機器の性能劣化について予備診断を下して精密診断が必要と判断した場合にのみ通信回線を介して圧縮化データを送るから、送信時間は短く、通信コストを削減できる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように本発明機器メンテナンス診断システムによれば、点検項目は多数で対象台数が多くても送信するデータ量は少なくて通信コストは低く、それでも遠隔地にある中央施設側で現地における機器の状況を精密に診断して劣化の具合を監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である機器メンテナンス診断システムの構成を示す図である。
【図2】図1の実施形態でのデータ符号化手段におけるデータの符号化工程を示すフローチャートである。
【図3】図1の実施形態での性能劣化兆候診断手段における性能劣化兆候の予備診断工程を示すフローチャートである。
【図4】図1の実施形態での性能劣化診断手段における性能劣化の精密診断工程を示すフローチャートである。
【図5】図1の実施形態でのデータ符号化手段によって符号化された運転データの一例を示す図である。
【符号の説明】
1…機器運転施設
1a…機器
1b…データ収集手段
1c…データ符号化手段
1d…性能劣化兆候診断手段
1e…運転データ保存手段
1f…送受信手段
2 …中央施設
2a…送受信手段
2b…性能劣化診断手段
2c…過去データ蓄積手段
2d…メンテナンス結果通知手段
3  …通信回線
4  …端末

Claims (3)

  1. 運転施設側における診断対象とする機器の運転データを収集し、収集した運転データを符号化してデータ容量の圧縮を行い、圧縮化データを遠隔地にある中央施設側に送信し、その中央施設側において圧縮化データに基づき機器を診断する機器メンテナンス診断システムにおいて、
    運転施設側では収集した運転データで機器における劣化の兆候を予備診断し精密診断が必要と判断した場合に精密診断を必要とする点検項目の圧縮化データを中央施設側に送信し、中央施設側では受信した精密診断を必要とする点検項目の圧縮化データについて過去の故障時のデータと対比して精密診断を行うことを特徴とする機器メンテナンス診断システム。
  2. 上記請求項1記載の機器メンテナンス診断システムにおいて、運転施設側では、機器における劣化の兆候を連続して予備診断した場合に精密診断を必要とするものとして機器における劣化の兆候を連続して予備診断した場合の圧縮化データとともにそれ以前の一定期間の精密診断を必要とする点検項目の圧縮化データも中央施設側に送信することを特徴とする機器メンテナンス診断システム。
  3. 上記請求項2記載の機器メンテナンス診断システムにおいて、中央施設側では、受信した機器における劣化の兆候を連続して予備診断した場合の圧縮化データとそれ以前の一定期間の精密診断を必要とする点検項目の圧縮化データが過去の故障時のデータと一致する場合にメンテナンスの必要有りと診断し、一定の割合で一致している場合には点検の必要有りと診断するものであることを特徴とする機器メンテナンス診断システム。
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