JPH08226411A - 油圧回路の故障原因機器探索方法及びその装置 - Google Patents

油圧回路の故障原因機器探索方法及びその装置

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JPH08226411A
JPH08226411A JP5520395A JP5520395A JPH08226411A JP H08226411 A JPH08226411 A JP H08226411A JP 5520395 A JP5520395 A JP 5520395A JP 5520395 A JP5520395 A JP 5520395A JP H08226411 A JPH08226411 A JP H08226411A
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JP
Japan
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failure
hydraulic circuit
circuit diagram
cause
hydraulic
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JP5520395A
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Masakane Takemoto
雅謙 竹本
Kazuyuki Kono
一之 河野
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 センサ等の取り付けが不要であるとともに、
迅速かつ確実に故障原因機器を探索して故障対策を行う
ことができる油圧回路の故障原因機器探索方法及びその
装置を提供する。 【構成】 予め記憶した油圧機器データに基づいて油圧
回路図を作成して記憶し、故障が発生した油圧回路にお
いて故障現象を入力し、故障現象と記憶した油圧回路図
とに基づき、故障動作をシミュレートし、該シミュレー
ションと入力した故障現象とに基づいて、故障原因であ
ると推定される機器を抽出し、予め記憶した過去の故障
事例データに基づいて、抽出した故障原因の候補機器と
故障事例データとを比較して故障原因となる可能性の高
い機器と故障事例を推論し、該推論及び推論に基づく修
理情報を表示することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油圧回路を有する機器
が故障した際に、当該油圧回路における故障原因を推論
するとともに、当該故障原因及び修理に関するガイダン
ス等を表示するための油圧回路の故障原因機器探索方法
及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、油圧回路を有する機器において故
障が発生した場合に、故障原因を診断するための装置ま
たは方法として、特開昭53−34070号公報に示さ
れた「油圧系故障診断装置」、特開平2−195498
号公報に示された「故障監視装置」、特開平3−924
33号公報に示された「電気車における異常部品の経歴
データ表示方法」等がある。
【0003】また、油圧回路を有する機器ではないが、
故障した機器を診断するための装置として、特開平5−
93505号公報に示された「ボイラの異常原因診断装
置」がある。
【0004】上記した特開昭53−34070号公報に
示された「油圧系故障診断装置」は、シリンダーのロッ
ド側及びヘッド側に圧力計を配設し、この圧力計におけ
る測定結果を基準値と比較して故障を診断する装置であ
る。
【0005】また、上記した特開平2−195498号
公報に示された「故障監視装置」は、油圧回路や各機器
に圧力センサ、流量センサ、温度センサ等のセンサを取
り付け、これらのセンサにおける測定値と設定値とを比
較して、異常の診断と故障原因機器の判定を行う装置で
ある。
【0006】また、上記した特開平3−92433号公
報に示された「電気車における異常部品の経歴データ表
示方法」は、マイクロコンピュータに自己診断機能を備
えて、異常部品の経歴データを内部メモリに記憶し、統
計上から不良品の判別を行うことにより異常部品の経歴
データを表示する方法である。
【0007】また、上記した特開平5−93505号公
報に示された「ボイラの異常原因診断装置」は、ボイラ
側マイクロコンピュータと管理ステーション側コンピュ
ータとを結んで運転管理を行うボイラにおいて、ボイラ
側マイクロコンピュータの異常内容判別プログラムに記
録された異常内容と、各機器の状態のデータを管理ステ
ーション側コンピュータに送り、管理ステーション側コ
ンピュータの異常原因診断知識ベースに基づき、推論エ
ンジンにより異常原因の推論を行い、この推論結果をボ
イラ側マイクロコンピュータに送り、表示装置にその推
論した異常原因を表示する装置である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した特開
昭53−34070号公報に示された「油圧系故障診断
装置」では、シリンダー動作の異常現象を把握すること
はできるが、油圧回路のどの機器において故障が発生し
ているのかを判定することができない。すなわち、故障
の真の原因となっている機器を判定することは不可能で
あるという問題があった。
【0009】また、上記した特開平2−195498号
公報に示された「故障監視装置」では、実回路に数多く
のセンサ類を取り付ける必要があるため、設備コストが
かかるという問題があった。さらに、取り付けることが
可能なセンサの数には限界があるため、限られたセンサ
で故障原因となっている機器を判定することは、事実上
困難であるという問題があった。
【0010】また、上記した特開平3−92433号公
報に示された「電気車における異常部品の経歴データ表
示方法」では、特定の故障現象に対して、統計上の確率
からのみでは原因部品を特定することはできないという
問題があった。
【0011】また、上記した特開平5−93505号公
報に示された「ボイラの異常原因診断装置」では、異常
内容と各機器の状態データとの間には論理的因果関係が
ない。このため、推論結果は、記憶した異常内容の事例
データ数に大きく影響され、正確な推論ができないとい
う問題があった。
【0012】本発明は、上記した従来の技術の有する問
題点に鑑み提案されたもので、その目的とするところ
は、センサ等の取り付けが不要であるとともに、迅速か
つ確実に故障原因機器を探索して故障対策を行うことが
できる油圧回路の故障原因機器探索方法及びその装置を
提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、請求項1記載の発明は、油圧回路における故障原
因機器を探索するため、入力手段と演算手段と記憶手段
と表示手段とを備えた油圧回路の故障原因機器探索装置
を用いて、予め記憶した油圧機器データに基づいて油圧
回路図を作成して記憶し、故障が発生した油圧回路にお
ける故障現象を入力し、上記入力した故障現象と、上記
記憶した油圧回路図とに基づき、故障動作をシミュレー
トし、該シミュレーションと上記入力した故障現象とに
基づいて、故障原因であると推定される機器を抽出し、
予め記憶した過去の故障事例データに基づいて、上記抽
出した故障原因の候補機器と故障事例データとを比較し
て故障原因となる可能性の高い機器と故障事例を推論
し、該推論及び推論に基づく修理情報を表示することを
特徴とする。
【0014】また、請求項2記載の発明は、上記した請
求項1記載の構成に加えて、推論した故障原因を順位付
けし、該順位付けにしたがって、複数の推論を表示する
ことを特徴とする。
【0015】また、請求項3記載の発明は、上記した請
求項1または請求項2項記載の構成に加えて、入力した
故障現象と、該故障現象に対する修理情報とを故障事例
データとして蓄積記憶することを特徴とする。
【0016】また、請求項4記載の発明は、油圧回路に
おける故障原因機器を探索して表示するための装置であ
って、故障現象を入力するための故障現象入力手段と、
予め記憶した油圧機器データに基づいて油圧回路図を作
成して記憶する油圧回路図作成手段と、上記故障現象入
力手段で入力した故障現象と、上記油圧回路図作成手段
に記憶した油圧回路図とに基づき、故障動作をシミュレ
ートする故障動作シミュレート手段と、上記故障動作シ
ミュレート手段におけるシミュレーションに基づいて、
故障原因であると推定される機器を抽出する故障原因機
器抽出手段と、故障事例及び修理情報を記憶した故障事
例データベースと、上記故障原因機器抽出手段で抽出し
た故障原因機器に基づいて、上記故障事例データベース
に記憶した故障事例の中から故障の可能性の高い故障事
例を推論する事例比較手段と、該故障事例比較手段にお
ける推論に基づいて、推定される故障原因及び修理情報
を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】また、請求項5記載の発明は、請求項4記
載の構成に加えて、上記油圧回路図作成手段は、油圧機
器毎の形状、シンボルと当該機機の正常時における動作
ロジックと、当該機器の故障時における動作ロジックと
を予め記憶した油圧機器データベースと、該油圧機器デ
ータベースに記憶した情報に基づき、油圧回路の故障原
因探索の対称となる回路図を作成する油圧回路図作成部
と、該油圧回路図作成部で作成した油圧回路図を記憶す
る油圧回路図保管メモリと、を備えたことを特徴とす
る。
【0018】
【作用】上記した発明は、以下に説明するように動作し
て、油圧回路における故障原因機器を探索するととも
に、当該故障原因と修理情報とを表示する。
【0019】請求項1記載の発明では、まず、予め記憶
した油圧機器データに基づいて油圧回路図を作成して記
憶する。次いで、故障が発生した油圧回路における故障
現象を入力する。そして、入力した故障現象と、記憶し
た油圧回路図とに基づき、故障動作をシミュレートし、
該シミュレーションと入力した故障現象とに基づいて、
故障原因であると推定される機器を抽出する。次に、予
め記憶した過去の故障事例データに基づいて、抽出した
故障原因の候補機器と故障事例データとを比較して故障
原因となる可能性の高い機器と故障事例を推論し、該推
論及び推論に基づく修理情報を表示する。この修理情報
は、例えば、故障個所や修理ガイダンスからなる。そし
て、この推論及び修理情報に基づき、油圧回路の該当個
所を修理する。
【0020】請求項4記載の発明には、上記した請求項
1記載の方法で使用する油圧回路の故障原因機器探索装
置の具体的構成を示してある。この故障原因機器探索装
置の具体的構成に基づいて、請求項4記載の発明の作用
を説明する。
【0021】請求項4記載の発明では、まず、油圧回路
図作成手段により、予め記憶した油圧機器データに基づ
いて油圧回路図を作成して記憶する。次に、故障現象入
力手段により、故障現象を入力する。そして、故障動作
シミュレート手段により、故障現象入力手段で入力した
故障現象と、油圧回路図作成手段に記憶した油圧回路図
とに基づき、故障動作をシミュレートする。次に、故障
原因機器抽出手段により、故障動作シミュレート手段に
おけるシミュレーションに基づいて、故障原因であると
推定される機器を抽出する。また、故障事例データベー
スには、故障事例及び修理情報(点検箇所・修理ガイダ
ンス)が記憶してある。そして、事例比較手段により、
故障原因機器抽出手段で抽出した故障原因の候補機器に
基づいて、故障事例データベースに記憶した故障事例の
中から故障の可能性の高い故障事例を推論する。さら
に、表示手段により、故障事例比較手段における推論に
基づいて、推定される故障原因及び修理情報を表示す
る。そして、この推論及び修理情報に基づき、油圧回路
の該当個所を修理する。
【0022】したがって、請求項1または請求項4記載
の発明によれば、油圧回路を有する機器において故障が
発生した場合に、故障原因機器の発見時間を短縮できる
ととに、故障原因機器の修理及び復旧時間を短縮するこ
とができるので、油圧回路を有する機器の休止時間を短
縮して生産機会の損失を回避することができる。
【0023】また、シミュレーションに基づいて故障原
因機器を推論しているため、油圧機器や油圧回路に故障
診断のためのセンサー類を取り付ける必要が無く、油圧
回路を有する機器の構造を簡略化することができる。
【0024】また、理論的なシミュレーションと、過去
の故障事例の比較推論を併用しているため、故障原因機
器の推論の精度を向上させることができる。
【0025】また、推論した故障原因機器に対する点検
箇所や修理方法等の故障情報を表示するので、故障原因
機器の点検及び修理を迅速に行うことができる。
【0026】請求項2記載の発明では、推論した故障原
因を順位付けし、該順位付けにしたがって、複数の推論
を表示する。
【0027】したがって、より故障原因となる可能性の
高い箇所から点検することができるので、故障原因機器
の点検及び修理をさらに迅速に行うことができる。
【0028】請求項3記載の発明では、入力した故障現
象と、該故障現象に対する修理情報を故障事例データと
して蓄積記憶する。
【0029】したがって、蓄積記憶した故障事例データ
に基づいて、特定の機器にだけ発生する特有な故障原因
に対しても、故障原因機器の推論を迅速に行うことがで
き、熟練作業者でなくても油圧回路を有する機器の点検
及び修理を行うことができる。
【0030】請求項5記載の発明では、油圧回路図作成
手段は、油圧機器データベースと、油圧回路図作成部
と、油圧回路図保管メモリとを備えている。この油圧機
器データベースには、油圧機器毎の形状、シンボルと当
該機器の正常時における動作ロジックと、当該機器の故
障時における動作ロジックとを予め記憶してある。そし
て、油圧回路作成部により、油圧機器データベースに記
憶した情報に基づき、油圧回路の故障原因探索の対称と
なる回路図を作成する。さらに、油圧回路保管メモリに
より、油圧回路図作成部で作成した油圧回路図を記憶す
る。
【0031】したがって、油圧回路の故障原因機器の探
索におけるシミュレーションで使用する油圧回路図を容
易に作成することができる。
【0032】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の一実施例を説
明する。
【0033】本発明に係る油圧回路の故障原因機器探索
装置は、汎用型あるいはパーソナル型のコンピュータか
ら構成されている。このコンピュータは、図示しない
が、CPU(中央演算装置)、ROM(リードオンリメ
モリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)等を備え、
I/0インターフェースを介して、キーボードやポイン
ティングデバイス等からなる入力装置と、CRTディス
プレイや液晶ディスプレイ等からなる表示装置と、プリ
ンタ等からなる印字装置、ハードディスク記憶装置やフ
ロッピィディスク記憶装置等からなる外部記憶装置と連
絡している。
【0034】上記した入力装置が入力手段として機能
し、CPUが演算手段として機能し、RAM,ROM,
外部記憶装置が記憶手段として機能し、表示装置及びプ
リンタが表示手段として機能する。
【0035】図1に基づき、本発明に係る油圧回路の故
障原因機器探索装置をさらに詳しく説明する。この油圧
回路の故障原因機器探索装置1は、故障現象入力手段2
と、油圧回路図作成手段3と、故障動作シミュレート手
段4と、故障原因機器抽出手段5と、故障事例データベ
ース6と、事例比較手段7と、表示手段8とを主な構成
要素とする。
【0036】上記した各手段を、それぞれ説明する。油
圧回路図作成手段3は、故障動作シミュレーションを行
う際に使用する油圧回路図を作成するための手段で、油
圧機器データベース31と、油圧回路図作成部32と、
油圧回路図保管メモリ33とを備えている。
【0037】この油圧機器データベース31は、油圧回
路を構成する部品のシンボル形状と、当該部品の正常時
の動作ロジックと、当該部品の故障時の動作ロジックを
記憶したデータベースである。
【0038】油圧機器データベース31に記憶される各
情報を、リリーフ弁(R)を例にとって説明する。油圧
回路を構成するリリーフ弁(R)は、図2に示すような
シンボル形状として記憶される。そして、このリリーフ
弁(R)の正常時の動作ロジックは、「入側のパイロッ
ト圧力が設定圧以上となった場合に、弁が開きで側に作
動油が流れる」と記憶される。また、リリーフ弁(R)
の故障時の動作ロジックは、「弁詰まり」の場合には、
「入側のパイロット圧力の如何にかかわらず弁は常に閉
である」と記憶され、「弁解放」の場合には、「入側の
パイロット圧力の如何にかかわらず弁は常に開」と記憶
され、「動作不良」の場合には、「入側のパイロット圧
力が設定圧以下で弁が開である」等と記憶される。
【0039】油圧回路図作成部32は、例えば、CAD
(コンピュータ作図)システムにより構成され、上記し
た油圧機器データベース31に記憶した各部品を組み合
わせて、故障原因を探索するためのシミュレーションで
使用する油圧回路図を作成する。
【0040】この油圧回路図は、例えば、図3に示すよ
うに、油圧機器であるポンプ(P)を構成するシリンダ
ー(S)、リリーフ弁(R)、アクチュエータ(A)等
が、シンボル形状を組み合わせて作成される。
【0041】油圧回路図保管メモリ33は、上記したR
AMや、ハードディスク記憶装置等の外部記憶装置によ
り構成され、上記した油圧回路図作成部32で作成した
油圧回路図を記憶する。
【0042】故障現象入力手段2は、発生した故障現象
を入力して一時的に記憶するための手段で、入力された
故障現象を記憶するための故障現象保管メモリ21を備
えている。入力される故障現象は、目視点検等により容
易に観察可能な現象であり、例えば、「シリンダーが動
作不良を起こした」、「シリンダーの速度が速い」等の
故障現象である。この故障現象の入力には、キーボード
やポインティングデバイス等の入力装置を使用する。例
えば、キーボードから故障現象毎に設定した故障コード
を入力したり、CRTディスプレイに表示された故障現
象表示をマウスでクリックするのである。尚、入力する
故障現象は、一つに限られず、複数の故障現象を同時に
入力することも可能である。
【0043】このようにして入力された故障現象は、R
AM等からなる故障現象保管メモリ21に一時的に保管
される。
【0044】故障動作シミュレート手段4は、故障動作
をシミュレートするための手段であり、上記した故障現
象入力手段2で入力した故障現象と、上記した油圧回路
図作成手段3に記憶した油圧回路図とに基づき、故障動
作をシミュレートする。
【0045】尚、故障動作シミュレート手段4における
故障動作のシミュレートは、油圧回路を構成する全ての
機器について行うことも可能であるが、故障原因機器の
探索時間を短縮するためには、故障が予想される機器の
範囲に絞り込んでシミュレーションを行うことが好まし
い。この故障が予想される機器の絞り込みは、故障現象
入力手段2において、オペレータが任意に行ってもよい
し、AI(人工知能)等を利用して自動的に行ってもよ
い。
【0046】故障原因機器抽出手段5は、故障原因であ
ると推定される機器を抽出するための手段で、上記した
故障動作シミュレート手段4におけるシミュレーション
に基づいて、故障原因機器と、当該故障原因機器におけ
る故障モードを抽出する。
【0047】故障事例データベース6は、過去において
発生した故障事例を記憶したデータベースで、記憶され
る情報は、主要機器の回路構成、故障現象、故障機器、
故障原因機器、故障原因機器の故障のモード、故障原因
機器の故障部品、故障原因機器の故障原因、点検箇所、
修理対策等である。
【0048】この故障事例データベース6に記憶される
情報を、図4に基づき、さらに詳しく説明する。図4
は、故障事例が「シリンダー動作不良」の場合に、故障
事例データベースに記憶する情報構成の説明図である。
【0049】故障事例が「シリンダー動作不良」の場合
には、主要回路の構成としてポンプ(P),シリンダ
(S),アクチュエータ(A)のシンボル形状の組み合
わせが記憶され、故障現象として「シリンダーが動作不
良」が記憶され、故障機器として「シリンダー」が記憶
され、故障原因機器として「リリーフ弁(R)」が記憶
され、故障モードとして「弁開放」が記憶され、故障部
品として「弁シート」が記憶され、故障原因として「作
動油内のコンタミ(粉体)によるシート面の磨耗」が記
憶され、点検箇所及び修理対策である修理ガイダンスと
して「応急対策は、リリーフ弁(R)の取り替え」,
「恒久対策は、作動油の清浄度の管理強化及びフィルタ
ーの取り付け」が記憶される。
【0050】事例比較手段7は、故障の可能性の高い故
障事例を推論するための手段で、上記した故障原因機器
抽出手段5で抽出した故障原因の候補機器に基づいて、
上記した故障事例データベース6に記憶した故障事例の
中から故障の可能性の高い機器と故障事例を推論する。
【0051】さらに、故障事例比較手段7における推論
では、故障原因機器の探索の精度をより向上させるため
に、複数の故障原因を推論するとともに、この故障原因
を順位付けするように構成することが好ましい。
【0052】この事例比較手段7における推論手順を、
図5に示した事例比較イメージに基づき、さらに詳しく
説明する。事例比較手段7では、まず、上記した故障原
因機器抽出手段5において理論的に抽出した故障原因機
器候補と、上記した故障事例データベース6に記憶した
故障事例データとを比較する。比較の対象となる項目
は、例えば、対象回路と故障事例回路の構成の一致度
(主要系統が含まれるかどうか)と、発生している故障
現象と理論推論から候補として抽出した故障原因機器・
故障モードと記憶した故障事例の故障現象・故障原因機
器・故障モードとの一致度等である。
【0053】そして、上記した比較対象項目についての
比較結果に基づき、一致度の高い順番に故障原因の可能
性が高いものと推論して、点検すべき部品や修理ガイダ
ンス等を表示手段により表示する。
【0054】また、修理ガイダンスにしたがって実施し
た対象油圧機器の点検及び修理結果等の修理情報を、故
障事例データとして故障事例データベース6に蓄積記憶
することが好ましい。この故障事例データベース6への
記憶情報の追加は、オペレータの操作に基づいて行って
もよいし、新たに故障現象が入力された場合に自動的に
行ってもよい。
【0055】このように、発生した故障と当該故障に対
する対処方法を蓄積記憶することにより、より精度の高
い故障原因機器探索を行うことが可能となる。特に、過
去に発生したことのない新たな故障現象に対する故障事
例データを蓄積記憶すれば、さらに一層精度の高い故障
原因機器探索を行うことが可能となる。
【0056】表示手段は、CRTディスプレイや液晶デ
ィスプレイ等からなり、上記した推論を画面上に表示す
る。図6に、表示手段に表示する故障原因機器探索結果
の油圧回路図の一例を示してある。
【0057】故障が発生した油圧回路を修理する者は、
この油圧回路図及び修理ガイダンスに基づき修理を行
う。
【0058】尚、表示手段は、上記したディスプレイの
みではなく、油圧回路図や修理ガイダンス等を印字する
ことができるプリンタであってもよい。プリンタにより
油圧回路図等を印字し、このプリントシートを修理現場
に持参することにより、修理箇所や修理ガイダンス等を
参照しながら修理を行うことができるので、より確実か
つ容易に修理を行うことができる。更に可搬式の小型の
パーソナルコンピュータ、ディスプレーであれば修理現
場に持参することにより、同上の効果を得ることが出来
る。
【0059】
【発明の効果】本発明は、上記した構成からなるので、
以下に説明するような効果を奏することができる。
【0060】請求項1記載の発明では、予め記憶した油
圧機器データに基づいて油圧回路図を作成して記憶し、
故障が発生した油圧回路において故障現象を入力し、入
力した故障動作と、記憶した油圧回路図とに基づき、故
障動作をシミュレートし、該シミュレーションと入力し
た故障現象とに基づいて、故障原因であると推定される
機器を抽出し、予め記憶した過去の故障事例データに基
づいて、抽出した故障原因の候補機器と故障事例データ
とを比較して故障原因となる可能性の高い機器と故障事
例を推論し、該推論及び推論に基づく修理情報を表示し
ている。
【0061】また、請求項4記載の発明は、上記した請
求項1記載の発明に使用する故障原因機器探索装置の具
体的構成として、故障現象入力手段と、油圧回路図作成
手段と、故障動作シミュレート手段と、故障原因機器抽
出手段と、故障事例データベースと、事例比較手段と、
表示手段とを備えている。
【0062】したがって、請求項1または請求項4記載
の発明によれば、油圧回路を有する機器において故障が
発生した場合に、いちいち油圧機器を分解して故障個所
を発見する等の作業が必要でないので、故障原因機器の
発見時間を短縮できるととに、故障原因機器の修理及び
復旧時間を短縮することができる。また、修理に精通し
た熟練作業者でなくても、簡単に故障原因機器を特定す
ることができる。このため、油圧回路を有する油圧装置
の休止時間を短縮して生産機会の損失を回避することが
できる。
【0063】また、シミュレーションに基づいて故障原
因機器を推論しているため、油圧機器や油圧回路に故障
診断のためのセンサー類を取り付ける必要が無く、油圧
回路を有する機器の構造を簡略化することができるとと
もに、設備費用を低減することができる。
【0064】また、理論的なシミュレーションと、過去
の故障事例の比較推論を併用しているため、故障原因機
器の推論の精度を向上させることができる。
【0065】また、推論した故障原因機器に対する点検
箇所や修理方法等の故障情報を表示するので、故障原因
機器の点検及び修理を迅速に行うことができる。
【0066】請求項2記載の発明では、推論した故障原
因を順位付けし、該順位付けにしたがって、複数の推論
を表示している。
【0067】したがって、より故障原因となる可能性の
高い箇所から点検することができるので、故障原因機器
の点検及び修理をさらに迅速に行うことができる。
【0068】請求項3記載の発明では、入力した故障現
象と、該故障現象に対する修理情報を故障事例データと
して蓄積記憶している。
【0069】したがって、蓄積記憶した故障事例データ
に基づいて、特定の機器に特有な故障原因に対しても、
故障原因機器の推論を迅速に行うことができ、修理に精
通した熟練作業者でなくても油圧回路を有する機器の点
検及び修理を行うことができる。また、故障原因機器の
探索を行えば行うほど、故障原因機器の探索精度を向上
させることができる。
【0070】請求項5記載の発明では、油圧回路図作成
手段は、油圧機器データベースと、油圧回路図作成部
と、油圧回路図保管メモリとを備えている。
【0071】したがって、油圧回路の故障原因機器の探
索におけるシミュレーションで使用する油圧回路図を容
易に作成することができる。
【0072】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る油圧回路の故障原因機器探索装置
の概略構成を示すブロック図である。
【図2】油圧機器データベースに記憶する部品の一例で
あるリリーフ弁のシンボル形状図である。
【図3】油圧回路図作成手段で作成する油圧回路図の一
例である。
【図4】故障事例データベースに記憶する情報構成の一
例を示した説明図である。
【図5】事例比較手段における事例比較手順のイメージ
を示した説明図である。
【図6】表示手段に表示する故障原因機器の油圧回路図
の一例である。
【符号の説明】
1 故障原因機器探索装置 2 故障現象入力手段 21 故障現象保管メモリ 3 回路図作成手段 31 油圧機器データベース 32 油圧回路図作成部 33 油圧回路図保管メモリ 4 故障動作シミュレート手段 5 故障原因機器抽出手段 6 故障事例データベース 7 事例比較手段 8 表示手段 P ポンプ S シリンダー R リリーフ弁 A アクチュエータ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力手段と演算手段と記憶手段と表示手段
    とを備えた油圧回路の故障原因機器探索装置を用いて、 複数の油圧機器を含む装置の油圧回路図を、予め各装置
    毎に油圧機器データに基づいて作成し記憶し、 故障が発生した装置の故障現象を入力し、 上記入力した故障現象と、上記記憶した油圧回路図とに
    基づき、故障動作をシミュレートし、 該シミュレーションと上記入力した故障現象とに基づい
    て、故障原因であると推定される機器を抽出し、 予め記憶した過去の故障事例データに基づいて、上記抽
    出した故障原因の候補機器と故障事例データとを比較し
    て故障原因となる可能性の高い機器と故障事例を推論
    し、 該推論及び推論に基づく修理情報を表示することを特徴
    とする油圧回路の故障原因機器探索方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の故障原因機器探索方法にお
    いて、 推論した故障原因を順位付けし、 該順位付けにしたがって、複数の推論を表示することを
    特徴とする故障原因機器探索方法。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2項記載の故障原因
    機器探索方法において、 入力した故障現象と、該故障現象に対する修理情報とを
    故障事例データとして蓄積記憶することを特徴とする油
    圧回路の故障原因機器探索方法。
  4. 【請求項4】油圧回路における故障原因機器を探索して
    表示するための装置であって、 故障現象を入力するための故障現象入力手段と、 予め記憶した油圧機器データに基づいて油圧回路図を作
    成して記憶する油圧回路図作成手段と、 上記故障現象入力手段で入力した故障現象と、上記油圧
    回路図作成手段に記憶した油圧回路図とに基づき、故障
    動作をシミュレートする故障動作シミュレート手段と、 上記故障動作シミュレート手段におけるシミュレーショ
    ンに基づいて、故障原因であると推定される機器を抽出
    する故障原因機器抽出手段と、 故障事例及び修理情報を記憶した故障事例データベース
    と、 上記故障原因機器抽出手段で抽出した故障原因機器に基
    づいて、上記故障事例データベースに記憶した故障事例
    の中から故障の可能性の高い機器と故障事例を推論する
    事例比較手段と、 該故障事例比較手段における推論に基づいて、推定され
    る故障原因及び修理情報を表示する表示手段と、 を備えたことを特徴とする油圧回路の故障原因機器探索
    装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の油圧回路の故障原因機器探
    索装置において、 上記油圧回路図作成手段は、 油圧機器毎の形状、シンボルと正常時における動作ロジ
    ックと、当該機器の故障時における動作ロジックとを予
    め記憶した油圧機器データベースと、 該油圧機器データベースに記憶した情報に基づき、油圧
    回路の故障原因探索の対称となる回路図を作成する油圧
    回路図作成部と、 該油圧回路図作成部で作成した油圧回路図を記憶する油
    圧回路図保管メモリと、 を備えたことを特徴とする油圧回路の故障原因機器探索
    装置。
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