JP2004029881A - データ処理方法およびデータ処理装置、並びにプログラムおよび記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】クライアント装置からネットワークを介して要求されたデータ処理をするデータ処理装置において、通信環境に障害が生じても、利用者に不便を与えることがないようにする。
【解決手段】通信状態管理部62は、第1通信部54や第2通信部56を介した通信機能の障害の有無を判断し、その結果を管理テーブルに記録する。通信制御部68は、第2通信部56を介したクライアント装置30との間の接続処理を行なう際、管理テーブルに記録されている第1通信部54を介した通信環境を参照し、クライアント装置30の接続を許可するか否かを決定し、第2通信部56を制御する。たとえば、第1通信部54側が正常に通信できない状態にあると、第2通信部56を介したクライアント装置30からのアクセスを禁止する。
【選択図】 図1
【解決手段】通信状態管理部62は、第1通信部54や第2通信部56を介した通信機能の障害の有無を判断し、その結果を管理テーブルに記録する。通信制御部68は、第2通信部56を介したクライアント装置30との間の接続処理を行なう際、管理テーブルに記録されている第1通信部54を介した通信環境を参照し、クライアント装置30の接続を許可するか否かを決定し、第2通信部56を制御する。たとえば、第1通信部54側が正常に通信できない状態にあると、第2通信部56を介したクライアント装置30からのアクセスを禁止する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クライアント(データ処理要求者)から要求されたデータ処理をするデータ処理方法およびデータ処理装置、並びにプログラムおよび記憶媒体に関する。たとえば、複数の通信手段を備え、ある通信手段を介して受信した要求に基づいてデータ処理するともに、必要に応じて他の通信手段を介して通信する機能に関する。
【0002】
【従来の技術】
通信手段を介して取得したデータに基づいてデータ処理するデータ処理装置が多数ある。最近では、インターネット接続可能な複写装置をコンビニエンスストア(以下コンビニともいう)などに設置し、その装置に備えられたユーザインタフェースにより利用者からの指示を受け、Web上からデータ(ウェブページ)をダウンロードして印刷出力する、いわゆるWebプリントを実行する技術も考えられている。
【0003】
また、複数の通信手段(ネットワークインタフェース)を備え、ある通信手段を介して受信した要求に基づいてデータ処理するとともに、必要に応じて他の通信手段を介して通信するデータ処理装置もある。たとえば、異なるサブネットワークに接続された2つ以上の有線LAN(Local Area Network)インタフェースを持ち、ある有線LANインタフェースから受信したデータを他の有線LANインタフェースに送信するルータといわれる装置や、有線LANインタフェースと無線LANインタフェースを持ち、ルータと類似のデータ処理を行なうアクセスポイントといわれる装置が知られている。これら装置で行なわれるデータ処理は、データ転送処理、および転送先のデータ形式が異なる場合に必要となるデータ変換処理などが主である。
【0004】
これら装置と比較して、より複雑なデータ処理を機器内部で行なうものもある。たとえば特開2000−112691号には、ホストコンピュータの要求に応じてWebサーバからデータを取得して印刷イメージを生成し、要求元のホストコンピュータに転送するといった処理を行なうデータ処理装置が提案されている。このような装置に、有線LANインタフェースと無線LANなどのインタフェースを備えることもできる。たとえばPDA(Personal Digital Assistant;個人情報端末/携帯情報端末)のような処理能力の低い機器であっても、このような機器に無線LANで接続してデータ処理装置が有する処理機能を使用することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなデータ処理装置において、ネットワークインタフェースの故障や接続ケーブルが外れている、あるいは通信異常などの要因により、ネットワークインタフェースを介した通信が行なえない状況が発生し得る。たとえば、そのデータ処理装置が、無線LANを介してPDAなどのユーザ端末からWebプリント処理要求を受け、有線LANインタフェースを介して外部のWebサーバにアクセスする構成の場合に有線LAN側に不具合があるケースでは、有線LANインタフェースを介したWebサーバとの通信を必要とするデータ処理は行なえなくなるか、あるいは一部のデータが欠損するといった不完全なデータ処理しか行なえなくなる。このような場合、利用者が無線LANを介してデータ処理装置に接続できても、データ処理装置は、Webサーバからデータを適切に取得することができないので、利用者は、所望のデータ処理結果を得ることができない。
【0006】
また、前述のコンビニ設置の複写装置にてWebプリントを利用する場合を想定してみても、その複写装置が有線LANインタフェースを介してWebサーバに接続されている場合に、有線LAN側に不具合があるケースでも、ユーザインタフェース画面にはWebへの接続メニューが表示されWeb接続が正常であるように見せているにも関わらず、Webサーバからデータを適切に取得することができないので、利用者は、所望のデータ処理結果(本例では印刷出力)を得ることができないことになる。
【0007】
このように、データ処理の要求を受け取る側のインターフェースが正常であっても、データを取得する側の通信インターフェース側に不具合があると、利用者は、データ処理装置に対してデータ処理を要求できても所望のデータ処理結果を得ることができず、結果として、利用者からの要求を受け付けたけれども、そのデータ処理装置が持つデータ処理能力を活かしたサービスを利用者に提供することができず、利用者に不便を与えてしまうという問題が生じる。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、データを取得する側の通信インターフェース側に不具合がある場合に、利用者に不便を与えることを防止することのできるデータ処理方法および装置を提供することを目的とする。また本発明は、データ処理方法および装置を、電子計算機を用いてソフトウェアで実現するために好適なプログラムおよび当該プログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記憶媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る第1のデータ処理方法は、クライアントから要求されたデータ処理を実行するデータ処理方法であって、データ処理に必要となるデータの外部機器からの受信のため、またはデータ処理後の処理済データの外部機器への送信のために使用される通信機能である第1の通信機能に障害があるか否かを判定し、この第1の通信機能に障害があるか否かの判定結果に基づいて、クライアントからデータ処理の要求を受け付けるか否かを制御するようにした。
【0010】
また本発明に係る第2のデータ処理方法は、クライアントから要求されたデータ処理を実行するデータ処理方法であって、先ず、データ処理に必要となるデータの外部機器からの受信のため、またはデータ処理後の処理済データの外部機器への送信のために使用される通信機能である第1の通信機能に障害があるか否かを判定し、データ処理が、第1の通信機能を介して、外部機器からデータを受信する必要があることおよび外部機器へ処理済のデータを送信する必要があることのうちの少なくとも一方であるか否かを判定する。そして、データ処理が、データの受信および処理済のデータの送信の少なくとも何れか一方を必要とし且つ第1の通信機能に障害があることを条件として、クライアントからのデータ処理の要求受付けを禁止するように、クライアントからデータ処理の要求を受けるために使用される通信機能である第2の通信機能を制御する。
【0011】
本発明に係る第1のデータ処理装置は、上記本発明に係る第1のデータ処理方法を実施する装置であって、データ処理に必要となるデータの外部機器からの受信のため、またはデータ処理後の処理済データの外部機器への送信のために使用される通信機能である第1の通信機能部と、第1の通信機能部に通信障害があるか否かを判定する通信機能判定部と、通信機能判定部による第1の通信機能に障害があるか否かの判定結果に基づいて、クライアントからデータ処理の要求を受け付けるか否かを制御する制御部とを備えた。
【0012】
本発明に係る第2のデータ処理装置は、上記本発明に係る第2のデータ処理方法を実施する装置であって、データ処理に必要となるデータの外部機器からの受信のため、またはデータ処理後の処理済データの外部機器への送信のために使用される通信機能である第1の通信機能部と、クライアントからデータ処理の要求を受けるために使用される通信機能である第2の通信機能部と、第1の通信機能部に通信障害があるか否かを判定する第1の判定部と、データ処理が、第1の通信機能部を介して、外部機器からデータを受信する必要があることおよび外部機器へ処理済のデータを送信する必要があることのうちの少なくとも一方であるか否かを判定する第2の判定部と、データ処理がデータの受信および処理済のデータの送信の少なくとも何れか一方を必要とする旨を第2の判定部の判定結果が示し、且つ第1の通信機能部に通信障害がある旨を第1の判定部の判定結果が示していることを条件として、クライアントからのデータ処理の要求受付けを禁止するように第2の通信機能部を制御する制御部とを備えた。
【0013】
また従属項に記載された発明は、本発明に係るデータ処理方法や装置のさらなる有利な具体例を規定する。さらに、本発明に係るプログラムは、本発明に係るデータ処理装置を、電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェアで実現するために好適なものである。なお、プログラムは、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよいし、有線あるいは無線による通信手段を介して配信されてもよい。
【0014】
【作用】
上記第1の構成に係るデータ処理方法および装置においては、データ処理に必要なデータ受信あるいは処理済データの送信に使用される第1の通信機能に障害があるか否かを判定し、この第1の通信機能に障害があるか否かに応じて、データ処理の要求受付けを制御する。つまり、第1の通信機能の状態を参照して、利用者端末の接続を許可するか否かを決定する。
【0015】
上記第2の構成に係るデータ処理方法および装置においては、データ処理に必要なデータ受信あるいは処理済データの送信に使用される第1の通信機能に障害があるか否かを判定する(第1の判定という)とともに、クライアントから要求されたデータ処理が前記データ受信あるいは処理済データの送信を必要とするか否かを判定する(第2の判定という)。そして、第2の判定が真であって且つ第1の判定が真(第1の通信機能に障害がある)ときには、データ処理の要求受付けに使用される第2の通信機能をクライアントからの要求受付けを禁止するように制御する。つまり、第1の通信機能を介した通信を行なわないと提供できないデータ処理に関しては、第1の通信機能の状態を参照してデータ処理への要求をを許可するか否かを決定する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明に係るデータ処理装置の一例と、このデータ処理装置50にデータ処理要求を発するクライアント装置30と、クライアント装置30が希望するデータ処理に必要なデータをデータ処理装置50に提供するデータサーバの一例であるWebサーバ7とから構成された第1実施形態のデータ処理システムの全体構成を示すブロック図である。
【0018】
Webサーバ7とデータ処理装置50とは、インターネットなどの第1通信網8(有線ネットワークインターフェースの一例)で接続されている。また、クライアント装置30とデータ処理装置50とは、第2通信網9の一例である構内LAN(有線ネットワークインターフェースの一例)で接続されている系統と、第2通信網9の他の例であるブルートゥース規格に基づく近距離無線インターフェースで直接に接続されている系統とがある。
【0019】
図示した例では、クライアント装置30として、3つが例示されており、その内の参照子aのクライアント装置30(以下参照子aを含めてクライアント装置30aという)は、内部にIEEE802.11b規格に基づく無線LAN用のネットワークインタフェースカード(無線LANカード)が組み込まれ、IEEE802.11b規格に基づく無線LANアダプタ(アクセスポイント)32を介して、有線LANである第2通信網9と接続されている。
【0020】
また、参照子bのクライアント装置30(以下参照子bを含めてクライアント装置30bという)は、内部に有線LAN用のネットワークインタフェースカード(LANカード)が組み込まれ、第2通信網9に接続されている。
【0021】
また、参照子cのクライアント装置30(以下参照子cを含めてクライアント装置30cという)には、近距離でかつ安価な接続を可能とする無線接続方法の一例であるブルートゥース規格に基づいて無線接続するために、ブルートゥース規格に基づいた無線接続手段が内部に設けられ、同様にブルートゥース規格に基づいた無線接続手段が内部に設けられたデータ処理装置50と直接に無線接続されている。
【0022】
データ処理システム1は、図中、クライアント装置30を3つ、データ処理装置50を1つ、Webサーバ7を2つで示しているが、これらの数は図示した例に限らず、より多くのものが接続されて構成されていてもよい。
【0023】
クライアント装置30は、デジタルドキュメント(以下単にドキュメントという)を作成したり編集などの処理する、たとえばパソコン(パーソナルコンピュータ)、カラースキャナ、デジタルカメラ、またはハードディスクなどの記憶媒体など、任意数の画像ソースを含み得る。たとえば、第2通信網9を介して他の装置から画像を取得する通信機能を備えた端末装置であってもよい。これらのクライアント装置30や他の装置には、ドキュメントDOC作成用のアプリケーションプログラムなどが組み込まれる。
【0024】
データ処理装置50は、クライアント装置30を利用して利用者から要求を受けたデータ処理をする。この際、必要に応じて、第1通信網8を介してWebサーバ7からデータを取得し、この取得したデータ、あるいはクライアント装置30から提供されたデータなどに基づいて、利用者から要求されたデータ処理を実行する。
【0025】
このため、データ処理装置50は、図1に示すように、データ処理装置50の各部の動作を制御する主制御部52と、通信インタフェースを介して外部装置の一例であるWebサーバ7との間におけるデータの送受信を制御する第1通信部54と、通信インタフェースを介して外部装置の他の一例であるクライアント装置30との間におけるデータの送受信を制御する第2通信部56と、クライアント装置30から要求されたデータ処理をするデータ処理部58とを備える。
【0026】
第1通信部54には、有線LAN用のネットワークインタフェースカード(LANカード)が組み込まれ、第1通信網8と接続される。第2通信部56には、同じく有線LAN用のネットワークインタフェースカード(LANカード)が組み込まれ、第2通信網9と接続されるとともに、ブルートゥース規格に基づいた無線接続手段が組み込まれ、クライアント装置30cと直接に接続される。
【0027】
なお、第2通信部56と第2通信網9との通信接続は、これらの例に限らず、たとえばIEEE802.11b規格に基づく無線LANアダプタ(アクセスポイント)32を介するが有線LANを介することなく直接に接続される形態であってもよいし、あるいは赤外線通信(IrDA;Infrared Data Association)など光を電送媒体とするものであってもよい。
【0028】
またデータ処理装置50は、第1通信部54や第2通信部56に関し、これら通信部54,56による通信が主たる通信機能を提供するか否かの属性を管理し、当該通信部54,56を介した通信が可能であるか否かを判定する、本発明に係る通信機能判定部や第1の判定部の一例である通信状態管理部62と、通信部54,56ごとに、その通信が主たる通信機能を提供するか否かを設定する通信属性設定部64と、通信状態管理部62により管理されている通信網の障害状況および通信属性設定部64による通信機能の設定状況に基づいて、第1通信部54や第2制御部56を介した通信を制御する通信制御部68とを備える。
【0029】
ここで、「主たる通信機能」とは、主に、利用者から要求されたデータ処理をするために、クライアント装置30以外から必要なデータを取得するための通信機能を意味する。また、この「主たる通信機能」とは反対の通信機能である「従たる通信機能」とは、主に、クライアント装置30からデータ処理装置50にデータ処理を要求をするための通信機能を意味し、データ処理装置50にてのデータ処理に必要となるデータの、クライアント装置30からの転送のための通信機能も含む。
【0030】
以下、「主たる通信機能」を提供する通信手段を「第1種の通信手段」といい、それ以外すなわち「従たる通信機能」を提供する通信手段を「第2種の通信手段」という。たとえば、主に、通信インターフェースがインターネットあるいはイントラネットなど外部ネットワークに接続されており、外部機器との通信を可能にする手段が「第1種の通信手段」である。そうではない「第2種の通信手段」とは、装置を利用するために接続される比較的少数の機器との通信に使用される。第2種の通信手段に接続される機器の大半は利用者の端末である。第2種の通信手段に接続する端末はデータ処理装置50が提供するサービスを利用することができる。また、第2種の通信手段に接続した端末同士がデータを交換するといった処理も可能である。
【0031】
データ処理装置50により「第2種の通信手段」を介して提供されるサービスには、(1)利用者の端末から受信した印刷データを印刷するなど第2種の通信手段を介して接続される1台以上の利用者の端末との通信で実現されるもの、(2)データのWebサーバ7上の所在を示すURL(Uniform Resource Locator)を受信して該当する情報をダウンロードしてから印刷するなど、主に外部のサーバとの通信により実現されるもの、または(3)これらを組み合わせて実現されるものとがある。
【0032】
この第1実施形態において、「第1種の通信手段」は有線LANを介してWebサーバ7に接続する通信手段、「第2種の通信手段」は無線LAN、赤外線通信、あるいはブルートゥースなどを主に利用した通信手段とする。よって、図1においては、通信属性設定部64は、第1通信部54に対してその通信が主たる通信機能を提供するものとして、また第2通信部56に対してその通信が従たる通信機能を提供するものとして、それぞれ設定する。
【0033】
通信状態管理部62は、たとえば第1通信部54や第2通信部56に対してハードウェア診断によりそのもの自身の通信機能の故障の有無を判断する。また、通信部54,56のハードウェア故障だけでなく、第1通信網8や第2通信網9の通信環境における障害の有無も管理する。たとえば、標準サーバの幾つかのアドレスにアクセスして(いわゆるPing機能)、それらの標準サーバとの間に介在する中継ポイントなども含めて全体としての通信回線の障害の有無を管理する。
【0034】
通信状態管理部62による各通信部54,56の通信障害の有無の管理状態や、通信属性設定部64が各通信部54,56に設定した通信機能の状況は、管理テーブルに纏められて、図示しないRAMなどに管理される。そして、通信制御部68は、この管理テーブルを参照して、第1通信部54や第2制御部56を介した通信を制御する。
【0035】
たとえば、データ処理装置50が上記(2)および(3)のサービス、すなわち「第1種の通信手段」(本例では第1通信部54)を使用するサービスを主に提供する場合、「第1種の通信手段」を介した通信が行なえないと、「第2種の通信手段」(本例では第2通信部56)によりクライアント装置30がデータ処理装置50に接続しても、利用者は殆どのサービスを利用できない。そこで、通信制御部68は、「第2種の通信手段」による接続処理を行なう際、管理テーブルに記録されている「第1種の通信手段」の通信状態を参照し、クライアント装置30の接続を許可するか否かを決定し、第2通信部56を制御する。
【0036】
図2は、第1実施形態のデータ処理システム1において、各通信部54,56の通信状態(障害の有無や通信機能の設定状況)を管理する管理テーブルの一例を示した図である。
【0037】
この管理テーブルにおいては、第1通信部54や第2制御部56の通信機能の種別を示す識別子(通信手段識別子という)に対応付けて、各通信部54,56が使用する通信方式と、その通信機能が「主たる通信機能」であるのか「従たる通信機能」であるのか、および各通信部54,56の通信障害状態を纏めたリストとして管理する。
【0038】
「主/従」の欄では、「主たる通信機能」を提供する場合は“YES”、そうでなければ、すなわち「従たる通信機能」を提供する場合は“NO”となる。また、「通信状態」の欄では、各々の通信部54,56が使用可能であるか不可能であるかを記述する。
【0039】
そして、たとえば、「主たる通信部」(本例では第1通信部54)が使用不可である場合、データ処理部58にてのデータ処理に必要なデータをWebサーバ7から取得することができないので、通信制御部68は、その他の通信部(本例では第2通信部56)を、個々の状態に関わらず使用不可とする。一方、「主たる通信部」(本例では第1通信部54)が使用可能である場合、データ処理部58にてのデータ処理に必要なデータをWebサーバ7から取得することができるので、通信制御部68は、その他の通信部(本例では第2通信部56)の個々の状態に応じて、データ処理要求を受け付けるか否かを制御する。たとえば、通信可能な通信経路を介してのデータ処理要求には応え、当然のごとく、通信不可能な通信経路を介してのデータ処理要求には応えない。
【0040】
図3は、データ処理装置50における処理、特に通信制御部68が管理テーブルを参照して通信部54,56の通信を制御する機能を説明するフローチャートである。ここでは、利用者端末の一例であるクライアント装置30から接続要求を受信した際の処理の概略を示している。
【0041】
先ず、通信制御部68は、管理テーブルを参照して、「第2種の通信手段」である第2通信部56が正常に使用可能であるか否かを判断する(S100)。そして、偶然にもクライアント装置30から接続要求を受信したとしても、第2通信部56が使用不可(「正常に」という意味で)であった場合には、その接続要求を許可しない(S100−NO,S112)。なお、第2通信部56が完全にダウンしていれば、クライアント装置30から接続要求を受信しないのはいうまでもない。
【0042】
「第2種の通信手段」である第2通信部56が正常に使用可能である場合、通信制御部68は、接続要求が「第1種の通信手段」を利用するものであるか否かまた、第2通信部56自身が「第1種の通信手段」として機能するか否かを判断する(S102)。第2通信部56自身が「第1種の通信手段」として機能し得る場合、第1種でのサービスが可能であるので、その接続を許可する(S102−YES,S110)。これは、クライアント装置30自身がWebサーバ7としての機能を有しているケースに適用可能である。たとえば、URLにて示されたデータの格納先がクライアント装置30内の記憶媒体(ハードディスク装置など)であって、その記憶媒体に保存されている電子データを参照してデータ処理するようなケースである。
【0043】
一方、第2通信部56自身が「第1種の通信手段」として機能し得ない場合、、第1通信部54側の接続状況に不具合が生じることがあると、利用者に不便を与えるので、通信制御部68は、管理テーブルを参照して、「第1種の通信手段」である第1通信部54が正常に使用可能であるか否かを判断する(S102−NO,S104)。そして、第1通信部54が使用可能(「正常に」という意味で)である場合に限って、それ以降のクライアント装置30から接続要求を許可し(S104−YES,S110)、使用不可(「正常に」という意味で)であった場合には、それ以降のクライアント装置30から接続要求を許可しないよう第2通信部56を制御する(S106−NO,S112)。
【0044】
以上説明したように、上記第1実施形態のデータ処理システム1によれば、たとえば無線LANなどの「第2種の通信手段」を介してサービス提供要求を受け、要求されたサービスのために必要となるデータ取得を有線LANなどの「第1種の通信手段」を介して取得してから処理するデータ処理装置において、要求されたサービスのために必要となるデータ取得のための「第1種の通信手段」とし機能し得るものが正常に通信可能であるときに限って、利用者端末の接続を許可するようにした。このため、クライアント装置30からデータ処理装置50に接続できても所望のサービスを受けられないといった不具合が発生せず、利便性の高いサービスを提供することができる。
【0045】
「第1種の通信手段」側である第1通信部54とWebサーバ7との間の通信環境に障害が生じた場合に、その間の通信接続を単に禁止するだけの処理とは異なり、利用者側からの無駄なアクセスがないようにしているので、要求は受けたけれども、そのデータ処理装置が持つデータ処理能力を活かしたサービスを利用者に提供することができず、利用者に不便を与えてしまうといったような問題を生じることはない。
【0046】
図4は、本発明に係るデータ処理装置の他の例である印刷装置51と、この印刷装置51にデータ処理要求としての印刷処理を発するクライアント装置30と、クライアント装置30が希望する印刷処理に必要なデータをデータ処理装置50に提供するデータサーバの一例であるWebサーバ7とから構成された第2実施形態のデータ処理システムの全体構成を示すブロック図である。以下この形態のデータ処理システムを、特にネットワーク印刷システム2という。
【0047】
印刷装置51は、その内部の基本的な構成は第1実施形態におけるデータ処理装置50と同じであるが、さらに本発明に係る第2の判定部の一例であるアプリケーション管理部66を備える点で、第1実施形態で示したデータ処理装置50と異なる。
【0048】
データ処理装置の一例である印刷装置51は、データ処理の一例である印刷処理を要求するクライアント装置30から送信されたデータを受信し、この受信したデータに基づいて、所定の媒体に画像を形成して印刷物を出力する。このため、データ処理部58には、取得したデータに基づいて画像を形成する画像形成部の機能が設けられる。
【0049】
通信制御部68は、第1通信部54の通信状態とクライアント装置30から要求された処理内容(アプリケーション)とに基づいて、要求された印刷処理が印刷装置51において処理可能かどうかを判定し、この判定結果に基づいて第2通信部56を介したクライアント装置30との間の通信やデータ処理部58を制御する。つまり、通信制御部68は、印刷処理を実行可能でないとき、データの送受信やデータ処理としての印刷処理を停止するよう制御する機能を有する。
【0050】
通信制御部68は、「データの送受信の停止」の制御として、たとえば第2通信部56に受信処理を停止させ、あるいはクライアント装置30にデータの送信を停止するよう所定のコマンドを発する。また通信制御部68は、「印刷処理の停止」の制御として、たとえば受信したデータを所定の蓄積媒体に格納中であればそれを停止するとともに、格納済のデータを廃棄させる。また、画像形成処理機能を備えたデータ処理部58が印刷用のラスターデータへの展開処理を稼働中であれば、その処理を停止させ、処理途中のデータを廃棄させる。
【0051】
画像形成処理機能を備えたデータ処理部58は、たとえば、ラスタースキャンベースのプリントエンジンを備える。プリントエンジンは、クライアント装置30から受信した画像データに対してプリント出力用の所定の処理をするプリント出力処理部、光ビームを発するレーザ光源と、プリント出力処理部から出力されたデータに従ってレーザ光源を制御すなわち変調するレーザ駆動部と、レーザ光源から発せられた光ビームを感光性部材(感光体ドラム)に向けて反射させるポリゴンミラー(回転多面鏡)などを備える(何れも図示を割愛する)。
【0052】
プリント出力処理部は、画像データに対して、周知技術に従って、複数好ましくは3つもしくは4つの分解色を表すデータを生成しレンダリング(ラスタデータに展開)する。たとえばデジタルデータが表すYCrCb表色系から最低3つ(好ましくは4つ)、たとえばCMY表色系あるいはCMYK表色系へのマッピングをしプリント出力用に色分解されたラスタデータを生成する。
【0053】
またプリント出力処理部は、このようなラスタデータ化の処理に際して、カラー画像のCMY成分を減色するアンダーカラー除去(UCR)、あるいは減色されたCMY成分を部分的にK成分と交換するグレー成分交換(GCR)をする。
さらにプリント出力処理部は、出力データ(CMYKなど)に応答して作成される出力画像のトナー像を調整するために、色分解の直線化または同様の処理をすることもある。
【0054】
この構成により、データ処理部58は、レーザ光源が発生する光ビームをポリゴンミラー上の複数の面で反射させて感光性部材を露光し、スキャン走査によって感光性部材上に潜像を形成する。潜像が形成されると、当該技術分野で公知の多数の方法のうち任意の方法に従って像を現像し、カラー画像を可視像として所定の媒体に転写して印刷物として出力する。
【0055】
なお、印刷装置51は、情報処理装置100と接続されており、クライアント装置30から受信したデータが、直ちに自身において印刷処理できないデータである場合に、情報処理装置100に備えられているアプリケーションプログラムを起動し、自身において印刷処理可能なデータに変換させる機能を有する。
【0056】
情報処理装置100は、文書や図形などの画像データを生成するデータ生成部110と、情報処理装置100の各部の動作を制御する中央制御部120とを有する。この情報処理装置100としては、パソコンシステムを利用することができる。データ生成部110には、たとえば、文書や図形などのデータを生成するためのアプリケーションプログラムが組み込まれる。
【0057】
また中央制御部120には、情報処理装置100の全体を制御するソフトウェアであるOS(オペレーティングシステム)や、アプリケーションプログラムにて生成された文書データを印刷装置51にて処理可能なページ記述言語(PDL:Page Description Language )により表された印刷データにするためのソフトウェアであるプリンタドライバが組み込まれる。これにより、情報処理装置100は、プログラムに基づきソフトウェア的に印刷データを生成するようになる。
【0058】
たとえば、情報処理装置100に組み込まれているアプリケーションプログラムから、イメージ描画命令、グラフィック描画命令、フォント描画命令などの命令種別を持った描画命令が順次プリンタドライバに入力される。プリンタドライバは描画命令を印刷装置51が理解可能なプリント命令に変換して印刷装置51の主制御部52に出力する。これにより、印刷装置51は、受け取ったプリント命令に従って、用紙に画像を印刷(画像出力)することができるようになる。なお、このように、印刷装置51と情報処理装置100とが別体の構成に限らず、印刷装置51に情報処理装置100の機能が組み込まれていてもよい。
【0059】
アプリケーション管理部66は、第1通信部54や第2通信部56の通信状態により利用可能なアプリケーションを管理テーブルに纏めて、図示しないRAMなどに管理する。そして、通信制御部68は、この管理テーブルを参照して、第1通信部54や第2制御部56を介した通信を制御するとともに、データ処理の一例として、サービスアプリケーションの使用を許可するか否かを決定する。
【0060】
第1実施形態のデータ処理装置50は、たとえば、データ処理装置50が上記(2)および(3)のサービス、すなわち「第1種の通信手段」(本例では第1通信部54)を使用するサービスを主に提供する場合、「第1種の通信手段」を介した通信が行なえないと、「第2種の通信手段」(本例では第2通信部56)によりクライアント装置30がデータ処理装置50に接続しても、利用者は殆どのサービスを利用できないので、通信制御部68は、要求されたサービスのために必要となるデータ取得のための「第1種の通信手段」側が正常に通信可能であるときにのみ、利用者端末の接続を許可するように第2通信部56を制御していた。
【0061】
しかしながら、要求されたサービス内容によっては、「第1種の通信手段」を介した通信が不要な場合もあり得る。データ処理装置50が、上記(2)または(3)、および(1)のサービス、すなわち「第1種の通信手段」を必要とするサービス、および「第2種の通信手段」のみで利用可能サービスを提供する場合、「第1種の通信手段」を介した通信が行なえなくても(1)のサービスは利用可能である。この場合、「第1種の通信手段」側が正常に通信可能でないからといって、クライアント装置30からの接続要求を拒否するのでは、利便性の高いサービスを提供することにはならない。
【0062】
そこで、第2実施形態では、このような場合、通信制御部68は、「第1種の通信手段」の状態を参照して、サービスアプリケーションの使用を許可するか否かを決定する。
【0063】
図5は、第2実施形態のデータ処理システムであるネットワーク印刷システム2において、第1通信部54の通信状態(障害の有無や通信機能の設定状況)とサービスアプリケーションとの関係を管理する管理テーブルの一例を示した図である。ここで、図5(A)は、第1通信部54の通信状態との関わりにおける各アプリケーションの使用条件を纏めた管理テーブルの一例を示し、図5(B)は、印刷装置51にて印刷処理可能なデータを纏めた管理テーブルの一例を示す。
【0064】
アプリケーション管理部66は、図5(A)に示すように、通信状態管理部62の管理状態を参照して、通信状態とサービスアプリケーションとの関係についての管理テーブルを図示しないRAMなどに格納しておく。図5(A)に示す管理テーブルにおいては、アプリケーション名称と「主たる通信機能が必要」か否かを対応付けて纏めたリストとして管理する。「主たる通信機能が必要」の欄では、「主たる通信機能」を介した通信が必要である場合は“YES”、そうでなければ“NO”となる。
【0065】
本例では、「文書印刷」のアプリケーションの場合、クライアント装置30から提供されたデータに基づいて印刷処理できるので「主たる通信機能が必要」の欄は“NO”になるが、「URL印刷」のアプリケーションの場合には、クライアント装置30にて指定されたWebサーバ7上のURLからデータを取得して印刷出力しなければならず、「主たる通信機能が必要」の欄は“YES”になる。なお、印刷に関わらない処理、たとえば「装置管理」などのアプリケーションの場合には、Webサーバ7からのデータ取得が不要であるので、「主たる通信機能が必要」の欄は“NO”になる。
【0066】
「主たる通信機能が必要」なアプリケーションの場合には、「第1種の通信手段」側である第1通信部54が正常に通信可能であるか否かに応じて、利用者から要求された印刷処理の提供状態が変わる。つまり、「主たる通信機能が必要」な印刷要求をクライアント装置30から受けたとき、第1通信部54が正常に通信可能である場合にはその要求に応えることができるが、第1通信部54が正常に通信可能でなければその要求に応えることはできない。
【0067】
そこで、通信制御部68は、「第1種の通信手段」側である第1通信部54が正常に通信可能であるか否かに応じて、利用者が利用可能な印刷アプリに関する情報をクライアント装置30の端末画面に提示する。これにより、クライアント装置30は、データ処理装置50の第1通信部54側が正常でなければ、URL印刷を要求することができないということを予め知ることができる。
【0068】
また、通信制御部68は、第1通信部54の通信状態に応じた利用者が利用可能な印刷アプリに関する情報をクライアント装置30の端末画面に提示することに加えて、利用不可の場合にはクライアント装置30からの接続要求を禁止するよう第2通信部56を制御するとよい。こうすることで、URL印刷を要求することができないということを予め利用者に知らせるだけでなく、無用なアクセス自体を禁止することができる。
【0069】
また、アプリケーション管理部66は、印刷装置51が印刷処理を実行可能なデータに関する情報を事前に取得しておき、印刷処理可能なデータについての管理テーブルを図示しないRAMなどに格納しておく。たとえば、図5(B)に示すように、アプリケーション管理部66は、クライアント装置30のプリンタドライバにより生成されたページ記述言語(PDL)により表された印刷データであれば、印刷処理可能なデータであるとして登録する。
【0070】
また、データ処理部58が、画像データのうち、ビットマップデータBMPやJPEGデータであればラスターデータに展開できる場合、これらについても、処理可能であるとして登録する。一方、PNGデータやTIFF(Tag(ged) Image File Format)データである場合、直ちには処理できないものの、情報処理装置100にインストールされているアプリケーションソフトを稼働させることでPDLデータとして取得できる場合、これらについても、処理可能であるとして登録する。
【0071】
同様に、その他のフォーマットの画像データについても、情報処理装置100にインストールされているアプリケーションソフトを稼働させることでPDLデータとして取得できる場合には、これらについても、処理可能であるとして登録する。そして、登録されていないフォーマットの画像データは印刷装置51にて印刷処理不可能なものとなる。
【0072】
また、文書データについても、画像データと同様に、情報処理装置100にインストールされているアプリケーションソフトを稼働させることでPDLデータとして取得できる場合には、これらについても、処理可能であるとして登録する。そして、登録されていないフォーマットの文書データは印刷装置51にて印刷処理不可能なものとなる。
【0073】
通信制御部68は、印刷装置51にて印刷処理可能なデータであるか否かを判定し、その判定結果に応じて第2通信部56を制御することで、クライアント装置30からの印刷要求を制御する。ここで通信制御部68は、判定(処理対象外であるか否かの判定)をするに際して、たとえば、受信に使用される通信に関する属性、あるいは受信データが有する属性を利用し、これらの属性と、管理テーブルで示される処理可能なデータのファイルタイプとを比較することで、印刷処理可否を判定する。
【0074】
たとえば、HTTP(Hypertext Transfer Protocol )プロトコルに従ってデータを受信する場合、”Content−Type”フィールドによりデータの種類を判別することができる。そして、たとえば通信制御部68は、マルチメディアデータを処理することができないので、受信したデータの型(ファイルタイプ)が動画や音声などであったら処理対象外のデータであると判定する。
【0075】
図6は、通信制御部68が、クライアント装置30の端末画面に提示するアプリケーションメニュー画面の一例を示す図である。すなわち、この通信制御部68は、データ処理の要求受付け可否を示す情報をクライアント装置30(つまり利用者)に提示する要求受付け可否情報提示部としての機能を備える。なお、この要求受付け可否情報提示部としての機能は、第1実施形態の場合にも備えられていてもよい。この場合、クライアント装置30に提示するメニュー画面は、第1実施形態用に変更するのはいうまでもない。
【0076】
図示した「アプリケーションメニュー」の例では、「文書印刷」、「URL印刷」、「装置管理」が選択ボタンとして用意されている。利用者は、このアプリケーションメニュー画面にて、所望の選択ボタンにタッチする(押下する)ことで、処理を希望するアプリケーションを指定する。
【0077】
ここでは、「第1種の通信手段」側である第1通信部54が正常に通信可能でない場合を示しており、第1通信部54が正常に通信可能でない場合にも利用可能なアプリケーションを示す「文書印刷」ボタンや「装置管理」ボタンは、通常の輝度レベルで表示され、それらは利用可能として表示されたアプリケーションであることが分かる。これに対して、第1通信部54が正常に通信可能でない場合に利用できない「URL印刷」ボタンが薄く表示され、「URL印刷」は「利用不可」として表示されたアプリケーションであることが分かる。また、この薄く表示された「URL印刷」ボタンに利用者がタッチしても、第1通信部54が正常に通信可能でないのでURLダウンロード印刷は不可能であるから、その選択指定をデータ処理装置50は受け付けない、つまり利用者は「URL印刷」を選択できないようになっている。
【0078】
図7は、印刷装置51における処理、特に通信制御部68が管理テーブルを参照して第2通信部56の通信を制御する機能を説明するフローチャートである。
ここでは、利用者端末の一例であるクライアント装置30から印刷要求を受信した際の処理の概略を示している。
【0079】
先ず、通信制御部68は、通信状態管理部62が用意した管理テーブルを参照して、「第1種の通信手段」である第1通信部54が正常に使用可能であるか否かを判断する(S200)。そして、第1通信部54が使用不可であった場合には、クライアント装置30から印刷要求(接続要求)を受信しても、それ以降の接続を許可しない(S200−NO)。このため、通信制御部68は、判定フラグstatusを“NO”とする(S202)。一方、第1通信部54が使用可能であった場合には、クライアント装置30から印刷要求(接続要求)を受信するべく、判定フラグstatusを“YES”とする(S200−YES,S204)。
【0080】
この後、通信制御部68は、アプリケーションリスト中の先頭要素を処理対象要素aplにロードする(S210)。そして、その処理対象要素aplに該当アプリケーションが存在するか否かを判断する(S212)。該当アプリケーションが存在しなければ、直ちに処理を終了する(S212−NO)。
【0081】
一方、該当アプリケーションが存在する場合、通信制御部68は、処理対象要素aplにロードされたアプリケーションの属性を判断する、すなわち「第1種の通信機能」を使用するアプリケーションであるか否かを判断する(S214)。そして、「第1種の通信機能」を使用するアプリケーションである場合には、さらに判定フラグstatusが“YES”であるか否かを判断する(S216)。判定フラグstatusが“YES”でない場合、すなわち判定フラグstatusが“NO”である場合には、利用者から要求された印刷処理を実行できないので、要求された印刷処理が「利用不可アプリケーション」であることを、クライアント装置30の表示画面に表示させる(S216−NO,S220)。
たとえば、第1通信部54が正常に通信可能でなければURLダウンロード印刷は不可能であるから、クライアント装置30の表示画面上の「URL印刷」ボタンを薄く表示させるとともに、タッチされてもその選択指定を受け付けないようにする。
【0082】
また、通信制御部68は、処理対象要素aplにロードされたアプリケーションが「第1種の通信手段」を使用するアプリケーションでない場合(S214−NO)、あるいは「第1種の通信手段」を使用するアプリケーションであっても、判定フラグstatusが“YES”である場合には(S216−YES)、要求された印刷処理が「利用可能アプリケーション」であることを、クライアント装置30の表示画面に表示させる(S222)。
【0083】
通信制御部68は、処理対象要素aplにロードされたアプリケーションについての属性判断(S214)や判定フラグ判断(S216)に応じたクライアント装置30に対する表示メニューの指示が完了すると、アプリケーションリスト中の次の要素を処理対象要素aplにロードし(S224)、ステップ212に戻って、上記処理を繰り返す。
【0084】
なお、上記ステップS220においては、「第1種の通信手段」(主たる通信手段)が使用可能でない場合、「第1種の通信手段」を使用するアプリケーションは利用不可である旨を利用者に分かるように、図6に示すようにその選択ボタンを薄く表示することとしていたが、これに限らず、その選択ボタンを表示しないようにしてもよい。こうすることでも、利用者はそのボタンにタッチすること自体できないから、データ処理装置50は、利用不可の印刷処理の選択指定を受け付けることはない。
【0085】
以上説明したように、上記第2実施形態のネットワーク印刷システム2によれば、「第1種の通信手段」が使用可能でない場合には、その旨をクライアント装置30の表示画面に表示させるとともに、「第1種の通信手段」を使用するアプリケーションに対してのクライアント装置30からの要求を受け付けないようにする一方、「第1種の通信手段」を使用するアプリケーションでなければ、「第1種の通信手段」の通信状態に関わらず要求された処理を実行するようにした。
これにより、クライアント装置30からデータ処理装置50に接続できても所望のサービスを受けられないといった不具合が発生しないだけでなく、「第1種の通信手段」を介した通信が行なえなくても利用可能なサービスについては、「第1種の通信手段」側が正常であるか否かに関わらずサービスの提供を受けることができ、利便性の高いサービスを提供することができる。
【0086】
つまりこの第2実施形態でも、「第1種の通信手段」側である第1通信部54とWebサーバ7との間の通信環境に障害が生じた場合に、その間の通信接続を単に禁止するだけの処理とは異なり、利用者側からの無駄なアクセスがないようにしているので、要求は受けたけれども、そのデータ処理装置が持つデータ処理能力を活かしたサービスを利用者に提供することができず、利用者に不便を与えてしまうといったような問題を生じることはない。加えて、「第1種の通信手段」側を使用する必要にないサービスに関しては、「第1種の通信手段」側の通信環境に関わらず利用者が希望するサービスを提供できるので、第1実施形態よりも、利用者に与える利便性が向上する。
【0087】
なお、上記の実施形態は、データ処理装置の機能部分をハードウェアにて構成するものとして説明したが、これに限らず、マイコンなどのCPU(中央演算処理装置)やパソコンなどの、いわゆる電子計算装置を利用し、ソフトウェアにて、上記の処理機能を実現することもできる。
【0088】
この場合、マイコンやパソコンなどの電子計算装置は、通信状態管理部62、通信属性設定部64、アプリケーション管理部66、あるいは通信制御部68などの各機能部分をソフトウェアとして備える。すなわち、前述の第1通信部54や第2通信部56に対する制御機能などの各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(たとえば図示しないRAMなど)から、装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)がプログラムコードを読出し実行することによって、前述の実施形態で述べた効果が達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述の実施形態の機能を実現することになる。なお、プログラムは、記憶媒体を介して提供されるものに限らず、有線あるいは無線による通信手段を介して配信されるプログラムデータをダウンロードしたものであってもよい。
【0089】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することで各機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって各機能が実現される場合であってもよい。さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述の実施形態の各機能が実現される場合であってもよい。
【0090】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0091】
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0092】
たとえば、上記各実施形態では、「第1種の通信手段」側が1系統である場合のみについて説明したが、「第1種の通信手段」側も、「第2種の通信手段」側と同じように、複数の通信系統を備えたものであってもよい。この場合、通信制御部68は、利用者側であるクライアント装置30から要求を受けたサービス提供のために必要なデータ取得を、その複数の「第1種の通信手段」のうちのいずれかで実現できる場合には、その通信可能な方の「第1種の通信手段」を利用してサービス提供をし、その複数の「第1種の通信手段」の全てがサービス提供のための通信に障害がある場合に限って、クライアント装置30とデータ処理装置50との間の通信を禁止するなどして、利用者からのデータ処理要求の受付けを禁止するようにすればよい。
【0093】
また、第2実施形態のように、たとえば「第1種の通信手段」を介してWebサーバ7と接続することで、URLダウンロード印刷サービス(Webプリントサービス)をする場合には、利用者が希望するURLによってWebサーバ7上の接続箇所が異なるので、通信状態管理部62は、利用者から要求がある都度、その要求されたURLに対応する「第1種の通信手段」が通信可能であるか否かを判断すればよい。
【0094】
さらに上記各実施形態では、「第1種の通信手段」は、専らクライアント端末からのデータ処理要求に応答してデータ処理部58にてデータ処理する際に必要となるデータを外部機器(前例ではWebサーバ7)から受信するための通信に使用するものとして説明したが、必ずしも、「受信」用のものに限らない。たとえば、データ処理部58にて処理済のデータをクライアント装置30側から指定された外部機器に配信するために使用される通信回線であってもよい。
【0095】
また、上記各実施形態では、「第1種の通信手段」が接続される第1通信網8と、「第2種の通信手段」が接続される第2通信網9とが、独立した通信回線として説明したが、共通の通信回線であってもよい。たとえば、無線LANを利用するクライアント装置30aが第2通信網9を介して要求したデータ処理をデータ処理装置50にて実行した後、処理済のデータを第2通信網9を介してクライアント装置30bに配信する形態の場合、第2通信網9は、前者の通信機能に使用される際には「第2種の通信手段」用の通信網として機能し、後者の通信機能に使用される際には「第1種の通信手段」用の通信網として機能する。
【0096】
また、上記実施形態では、「第2種の通信手段」を介して利用者からのデータ処理要求を受け付けることとしていたが、通信手段を介した要求受付に限らず、たとえば、データ処理装置50に備えられた操作パネルなどのユーザインターフェースからデータ処理を指定されるものであってもよい。この場合、第1の通信機能に障害があると、そのユーザインターフェースにて、クライアントからのデータ処理の要求受付けを禁止するようにすればよい。また、要求受付けが禁止されている旨をそのユーザインターフェースの表示パネルに表示すればよい。
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、無線LANなどを介して、あるいはデータ処理装置の操作パネルなどを介して受け付けたデータ処理サービスを提供する機器(データ処理装置)において、サービス提供が可能なときにのみ利用者端末の接続を許可するなどしてデータ処理要求を受け付けるようにしたので、データ処理装置にアクセス(たとえばクライアント装置から接続)できても所望のデータ処理サービスを受けられないといった不具合が発生せず、利便性の高いデータ処理サービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るデータ処理装置を含む第1実施形態のデータ処理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態のデータ処理システムにおいて、各通信部の通信状態を管理する管理テーブルの一例を示した図である。
【図3】第1実施形態のデータ処理装置における処理機能を説明するフローチャートである。
【図4】本発明に係るデータ処理装置を含む第2実施形態のデータ処理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図5】第2実施形態のネットワーク印刷システムにおいて、第1通信部の通信状態とサービスアプリケーションとの関係を管理する管理テーブルの一例を示した図である。
【図6】通信制御部が、クライアント装置の端末画面に提示するアプリケーションメニュー画面の一例を示す図である。
【図7】第2実施形態の印刷装置における処理機能を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1…データ処理システム、2…ネットワーク印刷システム、7…Webサーバ、8…第1通信網、9…第2通信網、30…クライアント装置、50…データ処理装置、51…印刷装置、54…第1通信部、56…第2通信部、58…データ処理部、62…通信状態管理部、64…通信属性設定部、66…アプリケーション管理部、68…通信制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、クライアント(データ処理要求者)から要求されたデータ処理をするデータ処理方法およびデータ処理装置、並びにプログラムおよび記憶媒体に関する。たとえば、複数の通信手段を備え、ある通信手段を介して受信した要求に基づいてデータ処理するともに、必要に応じて他の通信手段を介して通信する機能に関する。
【0002】
【従来の技術】
通信手段を介して取得したデータに基づいてデータ処理するデータ処理装置が多数ある。最近では、インターネット接続可能な複写装置をコンビニエンスストア(以下コンビニともいう)などに設置し、その装置に備えられたユーザインタフェースにより利用者からの指示を受け、Web上からデータ(ウェブページ)をダウンロードして印刷出力する、いわゆるWebプリントを実行する技術も考えられている。
【0003】
また、複数の通信手段(ネットワークインタフェース)を備え、ある通信手段を介して受信した要求に基づいてデータ処理するとともに、必要に応じて他の通信手段を介して通信するデータ処理装置もある。たとえば、異なるサブネットワークに接続された2つ以上の有線LAN(Local Area Network)インタフェースを持ち、ある有線LANインタフェースから受信したデータを他の有線LANインタフェースに送信するルータといわれる装置や、有線LANインタフェースと無線LANインタフェースを持ち、ルータと類似のデータ処理を行なうアクセスポイントといわれる装置が知られている。これら装置で行なわれるデータ処理は、データ転送処理、および転送先のデータ形式が異なる場合に必要となるデータ変換処理などが主である。
【0004】
これら装置と比較して、より複雑なデータ処理を機器内部で行なうものもある。たとえば特開2000−112691号には、ホストコンピュータの要求に応じてWebサーバからデータを取得して印刷イメージを生成し、要求元のホストコンピュータに転送するといった処理を行なうデータ処理装置が提案されている。このような装置に、有線LANインタフェースと無線LANなどのインタフェースを備えることもできる。たとえばPDA(Personal Digital Assistant;個人情報端末/携帯情報端末)のような処理能力の低い機器であっても、このような機器に無線LANで接続してデータ処理装置が有する処理機能を使用することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなデータ処理装置において、ネットワークインタフェースの故障や接続ケーブルが外れている、あるいは通信異常などの要因により、ネットワークインタフェースを介した通信が行なえない状況が発生し得る。たとえば、そのデータ処理装置が、無線LANを介してPDAなどのユーザ端末からWebプリント処理要求を受け、有線LANインタフェースを介して外部のWebサーバにアクセスする構成の場合に有線LAN側に不具合があるケースでは、有線LANインタフェースを介したWebサーバとの通信を必要とするデータ処理は行なえなくなるか、あるいは一部のデータが欠損するといった不完全なデータ処理しか行なえなくなる。このような場合、利用者が無線LANを介してデータ処理装置に接続できても、データ処理装置は、Webサーバからデータを適切に取得することができないので、利用者は、所望のデータ処理結果を得ることができない。
【0006】
また、前述のコンビニ設置の複写装置にてWebプリントを利用する場合を想定してみても、その複写装置が有線LANインタフェースを介してWebサーバに接続されている場合に、有線LAN側に不具合があるケースでも、ユーザインタフェース画面にはWebへの接続メニューが表示されWeb接続が正常であるように見せているにも関わらず、Webサーバからデータを適切に取得することができないので、利用者は、所望のデータ処理結果(本例では印刷出力)を得ることができないことになる。
【0007】
このように、データ処理の要求を受け取る側のインターフェースが正常であっても、データを取得する側の通信インターフェース側に不具合があると、利用者は、データ処理装置に対してデータ処理を要求できても所望のデータ処理結果を得ることができず、結果として、利用者からの要求を受け付けたけれども、そのデータ処理装置が持つデータ処理能力を活かしたサービスを利用者に提供することができず、利用者に不便を与えてしまうという問題が生じる。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、データを取得する側の通信インターフェース側に不具合がある場合に、利用者に不便を与えることを防止することのできるデータ処理方法および装置を提供することを目的とする。また本発明は、データ処理方法および装置を、電子計算機を用いてソフトウェアで実現するために好適なプログラムおよび当該プログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記憶媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る第1のデータ処理方法は、クライアントから要求されたデータ処理を実行するデータ処理方法であって、データ処理に必要となるデータの外部機器からの受信のため、またはデータ処理後の処理済データの外部機器への送信のために使用される通信機能である第1の通信機能に障害があるか否かを判定し、この第1の通信機能に障害があるか否かの判定結果に基づいて、クライアントからデータ処理の要求を受け付けるか否かを制御するようにした。
【0010】
また本発明に係る第2のデータ処理方法は、クライアントから要求されたデータ処理を実行するデータ処理方法であって、先ず、データ処理に必要となるデータの外部機器からの受信のため、またはデータ処理後の処理済データの外部機器への送信のために使用される通信機能である第1の通信機能に障害があるか否かを判定し、データ処理が、第1の通信機能を介して、外部機器からデータを受信する必要があることおよび外部機器へ処理済のデータを送信する必要があることのうちの少なくとも一方であるか否かを判定する。そして、データ処理が、データの受信および処理済のデータの送信の少なくとも何れか一方を必要とし且つ第1の通信機能に障害があることを条件として、クライアントからのデータ処理の要求受付けを禁止するように、クライアントからデータ処理の要求を受けるために使用される通信機能である第2の通信機能を制御する。
【0011】
本発明に係る第1のデータ処理装置は、上記本発明に係る第1のデータ処理方法を実施する装置であって、データ処理に必要となるデータの外部機器からの受信のため、またはデータ処理後の処理済データの外部機器への送信のために使用される通信機能である第1の通信機能部と、第1の通信機能部に通信障害があるか否かを判定する通信機能判定部と、通信機能判定部による第1の通信機能に障害があるか否かの判定結果に基づいて、クライアントからデータ処理の要求を受け付けるか否かを制御する制御部とを備えた。
【0012】
本発明に係る第2のデータ処理装置は、上記本発明に係る第2のデータ処理方法を実施する装置であって、データ処理に必要となるデータの外部機器からの受信のため、またはデータ処理後の処理済データの外部機器への送信のために使用される通信機能である第1の通信機能部と、クライアントからデータ処理の要求を受けるために使用される通信機能である第2の通信機能部と、第1の通信機能部に通信障害があるか否かを判定する第1の判定部と、データ処理が、第1の通信機能部を介して、外部機器からデータを受信する必要があることおよび外部機器へ処理済のデータを送信する必要があることのうちの少なくとも一方であるか否かを判定する第2の判定部と、データ処理がデータの受信および処理済のデータの送信の少なくとも何れか一方を必要とする旨を第2の判定部の判定結果が示し、且つ第1の通信機能部に通信障害がある旨を第1の判定部の判定結果が示していることを条件として、クライアントからのデータ処理の要求受付けを禁止するように第2の通信機能部を制御する制御部とを備えた。
【0013】
また従属項に記載された発明は、本発明に係るデータ処理方法や装置のさらなる有利な具体例を規定する。さらに、本発明に係るプログラムは、本発明に係るデータ処理装置を、電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェアで実現するために好適なものである。なお、プログラムは、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよいし、有線あるいは無線による通信手段を介して配信されてもよい。
【0014】
【作用】
上記第1の構成に係るデータ処理方法および装置においては、データ処理に必要なデータ受信あるいは処理済データの送信に使用される第1の通信機能に障害があるか否かを判定し、この第1の通信機能に障害があるか否かに応じて、データ処理の要求受付けを制御する。つまり、第1の通信機能の状態を参照して、利用者端末の接続を許可するか否かを決定する。
【0015】
上記第2の構成に係るデータ処理方法および装置においては、データ処理に必要なデータ受信あるいは処理済データの送信に使用される第1の通信機能に障害があるか否かを判定する(第1の判定という)とともに、クライアントから要求されたデータ処理が前記データ受信あるいは処理済データの送信を必要とするか否かを判定する(第2の判定という)。そして、第2の判定が真であって且つ第1の判定が真(第1の通信機能に障害がある)ときには、データ処理の要求受付けに使用される第2の通信機能をクライアントからの要求受付けを禁止するように制御する。つまり、第1の通信機能を介した通信を行なわないと提供できないデータ処理に関しては、第1の通信機能の状態を参照してデータ処理への要求をを許可するか否かを決定する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明に係るデータ処理装置の一例と、このデータ処理装置50にデータ処理要求を発するクライアント装置30と、クライアント装置30が希望するデータ処理に必要なデータをデータ処理装置50に提供するデータサーバの一例であるWebサーバ7とから構成された第1実施形態のデータ処理システムの全体構成を示すブロック図である。
【0018】
Webサーバ7とデータ処理装置50とは、インターネットなどの第1通信網8(有線ネットワークインターフェースの一例)で接続されている。また、クライアント装置30とデータ処理装置50とは、第2通信網9の一例である構内LAN(有線ネットワークインターフェースの一例)で接続されている系統と、第2通信網9の他の例であるブルートゥース規格に基づく近距離無線インターフェースで直接に接続されている系統とがある。
【0019】
図示した例では、クライアント装置30として、3つが例示されており、その内の参照子aのクライアント装置30(以下参照子aを含めてクライアント装置30aという)は、内部にIEEE802.11b規格に基づく無線LAN用のネットワークインタフェースカード(無線LANカード)が組み込まれ、IEEE802.11b規格に基づく無線LANアダプタ(アクセスポイント)32を介して、有線LANである第2通信網9と接続されている。
【0020】
また、参照子bのクライアント装置30(以下参照子bを含めてクライアント装置30bという)は、内部に有線LAN用のネットワークインタフェースカード(LANカード)が組み込まれ、第2通信網9に接続されている。
【0021】
また、参照子cのクライアント装置30(以下参照子cを含めてクライアント装置30cという)には、近距離でかつ安価な接続を可能とする無線接続方法の一例であるブルートゥース規格に基づいて無線接続するために、ブルートゥース規格に基づいた無線接続手段が内部に設けられ、同様にブルートゥース規格に基づいた無線接続手段が内部に設けられたデータ処理装置50と直接に無線接続されている。
【0022】
データ処理システム1は、図中、クライアント装置30を3つ、データ処理装置50を1つ、Webサーバ7を2つで示しているが、これらの数は図示した例に限らず、より多くのものが接続されて構成されていてもよい。
【0023】
クライアント装置30は、デジタルドキュメント(以下単にドキュメントという)を作成したり編集などの処理する、たとえばパソコン(パーソナルコンピュータ)、カラースキャナ、デジタルカメラ、またはハードディスクなどの記憶媒体など、任意数の画像ソースを含み得る。たとえば、第2通信網9を介して他の装置から画像を取得する通信機能を備えた端末装置であってもよい。これらのクライアント装置30や他の装置には、ドキュメントDOC作成用のアプリケーションプログラムなどが組み込まれる。
【0024】
データ処理装置50は、クライアント装置30を利用して利用者から要求を受けたデータ処理をする。この際、必要に応じて、第1通信網8を介してWebサーバ7からデータを取得し、この取得したデータ、あるいはクライアント装置30から提供されたデータなどに基づいて、利用者から要求されたデータ処理を実行する。
【0025】
このため、データ処理装置50は、図1に示すように、データ処理装置50の各部の動作を制御する主制御部52と、通信インタフェースを介して外部装置の一例であるWebサーバ7との間におけるデータの送受信を制御する第1通信部54と、通信インタフェースを介して外部装置の他の一例であるクライアント装置30との間におけるデータの送受信を制御する第2通信部56と、クライアント装置30から要求されたデータ処理をするデータ処理部58とを備える。
【0026】
第1通信部54には、有線LAN用のネットワークインタフェースカード(LANカード)が組み込まれ、第1通信網8と接続される。第2通信部56には、同じく有線LAN用のネットワークインタフェースカード(LANカード)が組み込まれ、第2通信網9と接続されるとともに、ブルートゥース規格に基づいた無線接続手段が組み込まれ、クライアント装置30cと直接に接続される。
【0027】
なお、第2通信部56と第2通信網9との通信接続は、これらの例に限らず、たとえばIEEE802.11b規格に基づく無線LANアダプタ(アクセスポイント)32を介するが有線LANを介することなく直接に接続される形態であってもよいし、あるいは赤外線通信(IrDA;Infrared Data Association)など光を電送媒体とするものであってもよい。
【0028】
またデータ処理装置50は、第1通信部54や第2通信部56に関し、これら通信部54,56による通信が主たる通信機能を提供するか否かの属性を管理し、当該通信部54,56を介した通信が可能であるか否かを判定する、本発明に係る通信機能判定部や第1の判定部の一例である通信状態管理部62と、通信部54,56ごとに、その通信が主たる通信機能を提供するか否かを設定する通信属性設定部64と、通信状態管理部62により管理されている通信網の障害状況および通信属性設定部64による通信機能の設定状況に基づいて、第1通信部54や第2制御部56を介した通信を制御する通信制御部68とを備える。
【0029】
ここで、「主たる通信機能」とは、主に、利用者から要求されたデータ処理をするために、クライアント装置30以外から必要なデータを取得するための通信機能を意味する。また、この「主たる通信機能」とは反対の通信機能である「従たる通信機能」とは、主に、クライアント装置30からデータ処理装置50にデータ処理を要求をするための通信機能を意味し、データ処理装置50にてのデータ処理に必要となるデータの、クライアント装置30からの転送のための通信機能も含む。
【0030】
以下、「主たる通信機能」を提供する通信手段を「第1種の通信手段」といい、それ以外すなわち「従たる通信機能」を提供する通信手段を「第2種の通信手段」という。たとえば、主に、通信インターフェースがインターネットあるいはイントラネットなど外部ネットワークに接続されており、外部機器との通信を可能にする手段が「第1種の通信手段」である。そうではない「第2種の通信手段」とは、装置を利用するために接続される比較的少数の機器との通信に使用される。第2種の通信手段に接続される機器の大半は利用者の端末である。第2種の通信手段に接続する端末はデータ処理装置50が提供するサービスを利用することができる。また、第2種の通信手段に接続した端末同士がデータを交換するといった処理も可能である。
【0031】
データ処理装置50により「第2種の通信手段」を介して提供されるサービスには、(1)利用者の端末から受信した印刷データを印刷するなど第2種の通信手段を介して接続される1台以上の利用者の端末との通信で実現されるもの、(2)データのWebサーバ7上の所在を示すURL(Uniform Resource Locator)を受信して該当する情報をダウンロードしてから印刷するなど、主に外部のサーバとの通信により実現されるもの、または(3)これらを組み合わせて実現されるものとがある。
【0032】
この第1実施形態において、「第1種の通信手段」は有線LANを介してWebサーバ7に接続する通信手段、「第2種の通信手段」は無線LAN、赤外線通信、あるいはブルートゥースなどを主に利用した通信手段とする。よって、図1においては、通信属性設定部64は、第1通信部54に対してその通信が主たる通信機能を提供するものとして、また第2通信部56に対してその通信が従たる通信機能を提供するものとして、それぞれ設定する。
【0033】
通信状態管理部62は、たとえば第1通信部54や第2通信部56に対してハードウェア診断によりそのもの自身の通信機能の故障の有無を判断する。また、通信部54,56のハードウェア故障だけでなく、第1通信網8や第2通信網9の通信環境における障害の有無も管理する。たとえば、標準サーバの幾つかのアドレスにアクセスして(いわゆるPing機能)、それらの標準サーバとの間に介在する中継ポイントなども含めて全体としての通信回線の障害の有無を管理する。
【0034】
通信状態管理部62による各通信部54,56の通信障害の有無の管理状態や、通信属性設定部64が各通信部54,56に設定した通信機能の状況は、管理テーブルに纏められて、図示しないRAMなどに管理される。そして、通信制御部68は、この管理テーブルを参照して、第1通信部54や第2制御部56を介した通信を制御する。
【0035】
たとえば、データ処理装置50が上記(2)および(3)のサービス、すなわち「第1種の通信手段」(本例では第1通信部54)を使用するサービスを主に提供する場合、「第1種の通信手段」を介した通信が行なえないと、「第2種の通信手段」(本例では第2通信部56)によりクライアント装置30がデータ処理装置50に接続しても、利用者は殆どのサービスを利用できない。そこで、通信制御部68は、「第2種の通信手段」による接続処理を行なう際、管理テーブルに記録されている「第1種の通信手段」の通信状態を参照し、クライアント装置30の接続を許可するか否かを決定し、第2通信部56を制御する。
【0036】
図2は、第1実施形態のデータ処理システム1において、各通信部54,56の通信状態(障害の有無や通信機能の設定状況)を管理する管理テーブルの一例を示した図である。
【0037】
この管理テーブルにおいては、第1通信部54や第2制御部56の通信機能の種別を示す識別子(通信手段識別子という)に対応付けて、各通信部54,56が使用する通信方式と、その通信機能が「主たる通信機能」であるのか「従たる通信機能」であるのか、および各通信部54,56の通信障害状態を纏めたリストとして管理する。
【0038】
「主/従」の欄では、「主たる通信機能」を提供する場合は“YES”、そうでなければ、すなわち「従たる通信機能」を提供する場合は“NO”となる。また、「通信状態」の欄では、各々の通信部54,56が使用可能であるか不可能であるかを記述する。
【0039】
そして、たとえば、「主たる通信部」(本例では第1通信部54)が使用不可である場合、データ処理部58にてのデータ処理に必要なデータをWebサーバ7から取得することができないので、通信制御部68は、その他の通信部(本例では第2通信部56)を、個々の状態に関わらず使用不可とする。一方、「主たる通信部」(本例では第1通信部54)が使用可能である場合、データ処理部58にてのデータ処理に必要なデータをWebサーバ7から取得することができるので、通信制御部68は、その他の通信部(本例では第2通信部56)の個々の状態に応じて、データ処理要求を受け付けるか否かを制御する。たとえば、通信可能な通信経路を介してのデータ処理要求には応え、当然のごとく、通信不可能な通信経路を介してのデータ処理要求には応えない。
【0040】
図3は、データ処理装置50における処理、特に通信制御部68が管理テーブルを参照して通信部54,56の通信を制御する機能を説明するフローチャートである。ここでは、利用者端末の一例であるクライアント装置30から接続要求を受信した際の処理の概略を示している。
【0041】
先ず、通信制御部68は、管理テーブルを参照して、「第2種の通信手段」である第2通信部56が正常に使用可能であるか否かを判断する(S100)。そして、偶然にもクライアント装置30から接続要求を受信したとしても、第2通信部56が使用不可(「正常に」という意味で)であった場合には、その接続要求を許可しない(S100−NO,S112)。なお、第2通信部56が完全にダウンしていれば、クライアント装置30から接続要求を受信しないのはいうまでもない。
【0042】
「第2種の通信手段」である第2通信部56が正常に使用可能である場合、通信制御部68は、接続要求が「第1種の通信手段」を利用するものであるか否かまた、第2通信部56自身が「第1種の通信手段」として機能するか否かを判断する(S102)。第2通信部56自身が「第1種の通信手段」として機能し得る場合、第1種でのサービスが可能であるので、その接続を許可する(S102−YES,S110)。これは、クライアント装置30自身がWebサーバ7としての機能を有しているケースに適用可能である。たとえば、URLにて示されたデータの格納先がクライアント装置30内の記憶媒体(ハードディスク装置など)であって、その記憶媒体に保存されている電子データを参照してデータ処理するようなケースである。
【0043】
一方、第2通信部56自身が「第1種の通信手段」として機能し得ない場合、、第1通信部54側の接続状況に不具合が生じることがあると、利用者に不便を与えるので、通信制御部68は、管理テーブルを参照して、「第1種の通信手段」である第1通信部54が正常に使用可能であるか否かを判断する(S102−NO,S104)。そして、第1通信部54が使用可能(「正常に」という意味で)である場合に限って、それ以降のクライアント装置30から接続要求を許可し(S104−YES,S110)、使用不可(「正常に」という意味で)であった場合には、それ以降のクライアント装置30から接続要求を許可しないよう第2通信部56を制御する(S106−NO,S112)。
【0044】
以上説明したように、上記第1実施形態のデータ処理システム1によれば、たとえば無線LANなどの「第2種の通信手段」を介してサービス提供要求を受け、要求されたサービスのために必要となるデータ取得を有線LANなどの「第1種の通信手段」を介して取得してから処理するデータ処理装置において、要求されたサービスのために必要となるデータ取得のための「第1種の通信手段」とし機能し得るものが正常に通信可能であるときに限って、利用者端末の接続を許可するようにした。このため、クライアント装置30からデータ処理装置50に接続できても所望のサービスを受けられないといった不具合が発生せず、利便性の高いサービスを提供することができる。
【0045】
「第1種の通信手段」側である第1通信部54とWebサーバ7との間の通信環境に障害が生じた場合に、その間の通信接続を単に禁止するだけの処理とは異なり、利用者側からの無駄なアクセスがないようにしているので、要求は受けたけれども、そのデータ処理装置が持つデータ処理能力を活かしたサービスを利用者に提供することができず、利用者に不便を与えてしまうといったような問題を生じることはない。
【0046】
図4は、本発明に係るデータ処理装置の他の例である印刷装置51と、この印刷装置51にデータ処理要求としての印刷処理を発するクライアント装置30と、クライアント装置30が希望する印刷処理に必要なデータをデータ処理装置50に提供するデータサーバの一例であるWebサーバ7とから構成された第2実施形態のデータ処理システムの全体構成を示すブロック図である。以下この形態のデータ処理システムを、特にネットワーク印刷システム2という。
【0047】
印刷装置51は、その内部の基本的な構成は第1実施形態におけるデータ処理装置50と同じであるが、さらに本発明に係る第2の判定部の一例であるアプリケーション管理部66を備える点で、第1実施形態で示したデータ処理装置50と異なる。
【0048】
データ処理装置の一例である印刷装置51は、データ処理の一例である印刷処理を要求するクライアント装置30から送信されたデータを受信し、この受信したデータに基づいて、所定の媒体に画像を形成して印刷物を出力する。このため、データ処理部58には、取得したデータに基づいて画像を形成する画像形成部の機能が設けられる。
【0049】
通信制御部68は、第1通信部54の通信状態とクライアント装置30から要求された処理内容(アプリケーション)とに基づいて、要求された印刷処理が印刷装置51において処理可能かどうかを判定し、この判定結果に基づいて第2通信部56を介したクライアント装置30との間の通信やデータ処理部58を制御する。つまり、通信制御部68は、印刷処理を実行可能でないとき、データの送受信やデータ処理としての印刷処理を停止するよう制御する機能を有する。
【0050】
通信制御部68は、「データの送受信の停止」の制御として、たとえば第2通信部56に受信処理を停止させ、あるいはクライアント装置30にデータの送信を停止するよう所定のコマンドを発する。また通信制御部68は、「印刷処理の停止」の制御として、たとえば受信したデータを所定の蓄積媒体に格納中であればそれを停止するとともに、格納済のデータを廃棄させる。また、画像形成処理機能を備えたデータ処理部58が印刷用のラスターデータへの展開処理を稼働中であれば、その処理を停止させ、処理途中のデータを廃棄させる。
【0051】
画像形成処理機能を備えたデータ処理部58は、たとえば、ラスタースキャンベースのプリントエンジンを備える。プリントエンジンは、クライアント装置30から受信した画像データに対してプリント出力用の所定の処理をするプリント出力処理部、光ビームを発するレーザ光源と、プリント出力処理部から出力されたデータに従ってレーザ光源を制御すなわち変調するレーザ駆動部と、レーザ光源から発せられた光ビームを感光性部材(感光体ドラム)に向けて反射させるポリゴンミラー(回転多面鏡)などを備える(何れも図示を割愛する)。
【0052】
プリント出力処理部は、画像データに対して、周知技術に従って、複数好ましくは3つもしくは4つの分解色を表すデータを生成しレンダリング(ラスタデータに展開)する。たとえばデジタルデータが表すYCrCb表色系から最低3つ(好ましくは4つ)、たとえばCMY表色系あるいはCMYK表色系へのマッピングをしプリント出力用に色分解されたラスタデータを生成する。
【0053】
またプリント出力処理部は、このようなラスタデータ化の処理に際して、カラー画像のCMY成分を減色するアンダーカラー除去(UCR)、あるいは減色されたCMY成分を部分的にK成分と交換するグレー成分交換(GCR)をする。
さらにプリント出力処理部は、出力データ(CMYKなど)に応答して作成される出力画像のトナー像を調整するために、色分解の直線化または同様の処理をすることもある。
【0054】
この構成により、データ処理部58は、レーザ光源が発生する光ビームをポリゴンミラー上の複数の面で反射させて感光性部材を露光し、スキャン走査によって感光性部材上に潜像を形成する。潜像が形成されると、当該技術分野で公知の多数の方法のうち任意の方法に従って像を現像し、カラー画像を可視像として所定の媒体に転写して印刷物として出力する。
【0055】
なお、印刷装置51は、情報処理装置100と接続されており、クライアント装置30から受信したデータが、直ちに自身において印刷処理できないデータである場合に、情報処理装置100に備えられているアプリケーションプログラムを起動し、自身において印刷処理可能なデータに変換させる機能を有する。
【0056】
情報処理装置100は、文書や図形などの画像データを生成するデータ生成部110と、情報処理装置100の各部の動作を制御する中央制御部120とを有する。この情報処理装置100としては、パソコンシステムを利用することができる。データ生成部110には、たとえば、文書や図形などのデータを生成するためのアプリケーションプログラムが組み込まれる。
【0057】
また中央制御部120には、情報処理装置100の全体を制御するソフトウェアであるOS(オペレーティングシステム)や、アプリケーションプログラムにて生成された文書データを印刷装置51にて処理可能なページ記述言語(PDL:Page Description Language )により表された印刷データにするためのソフトウェアであるプリンタドライバが組み込まれる。これにより、情報処理装置100は、プログラムに基づきソフトウェア的に印刷データを生成するようになる。
【0058】
たとえば、情報処理装置100に組み込まれているアプリケーションプログラムから、イメージ描画命令、グラフィック描画命令、フォント描画命令などの命令種別を持った描画命令が順次プリンタドライバに入力される。プリンタドライバは描画命令を印刷装置51が理解可能なプリント命令に変換して印刷装置51の主制御部52に出力する。これにより、印刷装置51は、受け取ったプリント命令に従って、用紙に画像を印刷(画像出力)することができるようになる。なお、このように、印刷装置51と情報処理装置100とが別体の構成に限らず、印刷装置51に情報処理装置100の機能が組み込まれていてもよい。
【0059】
アプリケーション管理部66は、第1通信部54や第2通信部56の通信状態により利用可能なアプリケーションを管理テーブルに纏めて、図示しないRAMなどに管理する。そして、通信制御部68は、この管理テーブルを参照して、第1通信部54や第2制御部56を介した通信を制御するとともに、データ処理の一例として、サービスアプリケーションの使用を許可するか否かを決定する。
【0060】
第1実施形態のデータ処理装置50は、たとえば、データ処理装置50が上記(2)および(3)のサービス、すなわち「第1種の通信手段」(本例では第1通信部54)を使用するサービスを主に提供する場合、「第1種の通信手段」を介した通信が行なえないと、「第2種の通信手段」(本例では第2通信部56)によりクライアント装置30がデータ処理装置50に接続しても、利用者は殆どのサービスを利用できないので、通信制御部68は、要求されたサービスのために必要となるデータ取得のための「第1種の通信手段」側が正常に通信可能であるときにのみ、利用者端末の接続を許可するように第2通信部56を制御していた。
【0061】
しかしながら、要求されたサービス内容によっては、「第1種の通信手段」を介した通信が不要な場合もあり得る。データ処理装置50が、上記(2)または(3)、および(1)のサービス、すなわち「第1種の通信手段」を必要とするサービス、および「第2種の通信手段」のみで利用可能サービスを提供する場合、「第1種の通信手段」を介した通信が行なえなくても(1)のサービスは利用可能である。この場合、「第1種の通信手段」側が正常に通信可能でないからといって、クライアント装置30からの接続要求を拒否するのでは、利便性の高いサービスを提供することにはならない。
【0062】
そこで、第2実施形態では、このような場合、通信制御部68は、「第1種の通信手段」の状態を参照して、サービスアプリケーションの使用を許可するか否かを決定する。
【0063】
図5は、第2実施形態のデータ処理システムであるネットワーク印刷システム2において、第1通信部54の通信状態(障害の有無や通信機能の設定状況)とサービスアプリケーションとの関係を管理する管理テーブルの一例を示した図である。ここで、図5(A)は、第1通信部54の通信状態との関わりにおける各アプリケーションの使用条件を纏めた管理テーブルの一例を示し、図5(B)は、印刷装置51にて印刷処理可能なデータを纏めた管理テーブルの一例を示す。
【0064】
アプリケーション管理部66は、図5(A)に示すように、通信状態管理部62の管理状態を参照して、通信状態とサービスアプリケーションとの関係についての管理テーブルを図示しないRAMなどに格納しておく。図5(A)に示す管理テーブルにおいては、アプリケーション名称と「主たる通信機能が必要」か否かを対応付けて纏めたリストとして管理する。「主たる通信機能が必要」の欄では、「主たる通信機能」を介した通信が必要である場合は“YES”、そうでなければ“NO”となる。
【0065】
本例では、「文書印刷」のアプリケーションの場合、クライアント装置30から提供されたデータに基づいて印刷処理できるので「主たる通信機能が必要」の欄は“NO”になるが、「URL印刷」のアプリケーションの場合には、クライアント装置30にて指定されたWebサーバ7上のURLからデータを取得して印刷出力しなければならず、「主たる通信機能が必要」の欄は“YES”になる。なお、印刷に関わらない処理、たとえば「装置管理」などのアプリケーションの場合には、Webサーバ7からのデータ取得が不要であるので、「主たる通信機能が必要」の欄は“NO”になる。
【0066】
「主たる通信機能が必要」なアプリケーションの場合には、「第1種の通信手段」側である第1通信部54が正常に通信可能であるか否かに応じて、利用者から要求された印刷処理の提供状態が変わる。つまり、「主たる通信機能が必要」な印刷要求をクライアント装置30から受けたとき、第1通信部54が正常に通信可能である場合にはその要求に応えることができるが、第1通信部54が正常に通信可能でなければその要求に応えることはできない。
【0067】
そこで、通信制御部68は、「第1種の通信手段」側である第1通信部54が正常に通信可能であるか否かに応じて、利用者が利用可能な印刷アプリに関する情報をクライアント装置30の端末画面に提示する。これにより、クライアント装置30は、データ処理装置50の第1通信部54側が正常でなければ、URL印刷を要求することができないということを予め知ることができる。
【0068】
また、通信制御部68は、第1通信部54の通信状態に応じた利用者が利用可能な印刷アプリに関する情報をクライアント装置30の端末画面に提示することに加えて、利用不可の場合にはクライアント装置30からの接続要求を禁止するよう第2通信部56を制御するとよい。こうすることで、URL印刷を要求することができないということを予め利用者に知らせるだけでなく、無用なアクセス自体を禁止することができる。
【0069】
また、アプリケーション管理部66は、印刷装置51が印刷処理を実行可能なデータに関する情報を事前に取得しておき、印刷処理可能なデータについての管理テーブルを図示しないRAMなどに格納しておく。たとえば、図5(B)に示すように、アプリケーション管理部66は、クライアント装置30のプリンタドライバにより生成されたページ記述言語(PDL)により表された印刷データであれば、印刷処理可能なデータであるとして登録する。
【0070】
また、データ処理部58が、画像データのうち、ビットマップデータBMPやJPEGデータであればラスターデータに展開できる場合、これらについても、処理可能であるとして登録する。一方、PNGデータやTIFF(Tag(ged) Image File Format)データである場合、直ちには処理できないものの、情報処理装置100にインストールされているアプリケーションソフトを稼働させることでPDLデータとして取得できる場合、これらについても、処理可能であるとして登録する。
【0071】
同様に、その他のフォーマットの画像データについても、情報処理装置100にインストールされているアプリケーションソフトを稼働させることでPDLデータとして取得できる場合には、これらについても、処理可能であるとして登録する。そして、登録されていないフォーマットの画像データは印刷装置51にて印刷処理不可能なものとなる。
【0072】
また、文書データについても、画像データと同様に、情報処理装置100にインストールされているアプリケーションソフトを稼働させることでPDLデータとして取得できる場合には、これらについても、処理可能であるとして登録する。そして、登録されていないフォーマットの文書データは印刷装置51にて印刷処理不可能なものとなる。
【0073】
通信制御部68は、印刷装置51にて印刷処理可能なデータであるか否かを判定し、その判定結果に応じて第2通信部56を制御することで、クライアント装置30からの印刷要求を制御する。ここで通信制御部68は、判定(処理対象外であるか否かの判定)をするに際して、たとえば、受信に使用される通信に関する属性、あるいは受信データが有する属性を利用し、これらの属性と、管理テーブルで示される処理可能なデータのファイルタイプとを比較することで、印刷処理可否を判定する。
【0074】
たとえば、HTTP(Hypertext Transfer Protocol )プロトコルに従ってデータを受信する場合、”Content−Type”フィールドによりデータの種類を判別することができる。そして、たとえば通信制御部68は、マルチメディアデータを処理することができないので、受信したデータの型(ファイルタイプ)が動画や音声などであったら処理対象外のデータであると判定する。
【0075】
図6は、通信制御部68が、クライアント装置30の端末画面に提示するアプリケーションメニュー画面の一例を示す図である。すなわち、この通信制御部68は、データ処理の要求受付け可否を示す情報をクライアント装置30(つまり利用者)に提示する要求受付け可否情報提示部としての機能を備える。なお、この要求受付け可否情報提示部としての機能は、第1実施形態の場合にも備えられていてもよい。この場合、クライアント装置30に提示するメニュー画面は、第1実施形態用に変更するのはいうまでもない。
【0076】
図示した「アプリケーションメニュー」の例では、「文書印刷」、「URL印刷」、「装置管理」が選択ボタンとして用意されている。利用者は、このアプリケーションメニュー画面にて、所望の選択ボタンにタッチする(押下する)ことで、処理を希望するアプリケーションを指定する。
【0077】
ここでは、「第1種の通信手段」側である第1通信部54が正常に通信可能でない場合を示しており、第1通信部54が正常に通信可能でない場合にも利用可能なアプリケーションを示す「文書印刷」ボタンや「装置管理」ボタンは、通常の輝度レベルで表示され、それらは利用可能として表示されたアプリケーションであることが分かる。これに対して、第1通信部54が正常に通信可能でない場合に利用できない「URL印刷」ボタンが薄く表示され、「URL印刷」は「利用不可」として表示されたアプリケーションであることが分かる。また、この薄く表示された「URL印刷」ボタンに利用者がタッチしても、第1通信部54が正常に通信可能でないのでURLダウンロード印刷は不可能であるから、その選択指定をデータ処理装置50は受け付けない、つまり利用者は「URL印刷」を選択できないようになっている。
【0078】
図7は、印刷装置51における処理、特に通信制御部68が管理テーブルを参照して第2通信部56の通信を制御する機能を説明するフローチャートである。
ここでは、利用者端末の一例であるクライアント装置30から印刷要求を受信した際の処理の概略を示している。
【0079】
先ず、通信制御部68は、通信状態管理部62が用意した管理テーブルを参照して、「第1種の通信手段」である第1通信部54が正常に使用可能であるか否かを判断する(S200)。そして、第1通信部54が使用不可であった場合には、クライアント装置30から印刷要求(接続要求)を受信しても、それ以降の接続を許可しない(S200−NO)。このため、通信制御部68は、判定フラグstatusを“NO”とする(S202)。一方、第1通信部54が使用可能であった場合には、クライアント装置30から印刷要求(接続要求)を受信するべく、判定フラグstatusを“YES”とする(S200−YES,S204)。
【0080】
この後、通信制御部68は、アプリケーションリスト中の先頭要素を処理対象要素aplにロードする(S210)。そして、その処理対象要素aplに該当アプリケーションが存在するか否かを判断する(S212)。該当アプリケーションが存在しなければ、直ちに処理を終了する(S212−NO)。
【0081】
一方、該当アプリケーションが存在する場合、通信制御部68は、処理対象要素aplにロードされたアプリケーションの属性を判断する、すなわち「第1種の通信機能」を使用するアプリケーションであるか否かを判断する(S214)。そして、「第1種の通信機能」を使用するアプリケーションである場合には、さらに判定フラグstatusが“YES”であるか否かを判断する(S216)。判定フラグstatusが“YES”でない場合、すなわち判定フラグstatusが“NO”である場合には、利用者から要求された印刷処理を実行できないので、要求された印刷処理が「利用不可アプリケーション」であることを、クライアント装置30の表示画面に表示させる(S216−NO,S220)。
たとえば、第1通信部54が正常に通信可能でなければURLダウンロード印刷は不可能であるから、クライアント装置30の表示画面上の「URL印刷」ボタンを薄く表示させるとともに、タッチされてもその選択指定を受け付けないようにする。
【0082】
また、通信制御部68は、処理対象要素aplにロードされたアプリケーションが「第1種の通信手段」を使用するアプリケーションでない場合(S214−NO)、あるいは「第1種の通信手段」を使用するアプリケーションであっても、判定フラグstatusが“YES”である場合には(S216−YES)、要求された印刷処理が「利用可能アプリケーション」であることを、クライアント装置30の表示画面に表示させる(S222)。
【0083】
通信制御部68は、処理対象要素aplにロードされたアプリケーションについての属性判断(S214)や判定フラグ判断(S216)に応じたクライアント装置30に対する表示メニューの指示が完了すると、アプリケーションリスト中の次の要素を処理対象要素aplにロードし(S224)、ステップ212に戻って、上記処理を繰り返す。
【0084】
なお、上記ステップS220においては、「第1種の通信手段」(主たる通信手段)が使用可能でない場合、「第1種の通信手段」を使用するアプリケーションは利用不可である旨を利用者に分かるように、図6に示すようにその選択ボタンを薄く表示することとしていたが、これに限らず、その選択ボタンを表示しないようにしてもよい。こうすることでも、利用者はそのボタンにタッチすること自体できないから、データ処理装置50は、利用不可の印刷処理の選択指定を受け付けることはない。
【0085】
以上説明したように、上記第2実施形態のネットワーク印刷システム2によれば、「第1種の通信手段」が使用可能でない場合には、その旨をクライアント装置30の表示画面に表示させるとともに、「第1種の通信手段」を使用するアプリケーションに対してのクライアント装置30からの要求を受け付けないようにする一方、「第1種の通信手段」を使用するアプリケーションでなければ、「第1種の通信手段」の通信状態に関わらず要求された処理を実行するようにした。
これにより、クライアント装置30からデータ処理装置50に接続できても所望のサービスを受けられないといった不具合が発生しないだけでなく、「第1種の通信手段」を介した通信が行なえなくても利用可能なサービスについては、「第1種の通信手段」側が正常であるか否かに関わらずサービスの提供を受けることができ、利便性の高いサービスを提供することができる。
【0086】
つまりこの第2実施形態でも、「第1種の通信手段」側である第1通信部54とWebサーバ7との間の通信環境に障害が生じた場合に、その間の通信接続を単に禁止するだけの処理とは異なり、利用者側からの無駄なアクセスがないようにしているので、要求は受けたけれども、そのデータ処理装置が持つデータ処理能力を活かしたサービスを利用者に提供することができず、利用者に不便を与えてしまうといったような問題を生じることはない。加えて、「第1種の通信手段」側を使用する必要にないサービスに関しては、「第1種の通信手段」側の通信環境に関わらず利用者が希望するサービスを提供できるので、第1実施形態よりも、利用者に与える利便性が向上する。
【0087】
なお、上記の実施形態は、データ処理装置の機能部分をハードウェアにて構成するものとして説明したが、これに限らず、マイコンなどのCPU(中央演算処理装置)やパソコンなどの、いわゆる電子計算装置を利用し、ソフトウェアにて、上記の処理機能を実現することもできる。
【0088】
この場合、マイコンやパソコンなどの電子計算装置は、通信状態管理部62、通信属性設定部64、アプリケーション管理部66、あるいは通信制御部68などの各機能部分をソフトウェアとして備える。すなわち、前述の第1通信部54や第2通信部56に対する制御機能などの各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(たとえば図示しないRAMなど)から、装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)がプログラムコードを読出し実行することによって、前述の実施形態で述べた効果が達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述の実施形態の機能を実現することになる。なお、プログラムは、記憶媒体を介して提供されるものに限らず、有線あるいは無線による通信手段を介して配信されるプログラムデータをダウンロードしたものであってもよい。
【0089】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することで各機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって各機能が実現される場合であってもよい。さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述の実施形態の各機能が実現される場合であってもよい。
【0090】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0091】
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0092】
たとえば、上記各実施形態では、「第1種の通信手段」側が1系統である場合のみについて説明したが、「第1種の通信手段」側も、「第2種の通信手段」側と同じように、複数の通信系統を備えたものであってもよい。この場合、通信制御部68は、利用者側であるクライアント装置30から要求を受けたサービス提供のために必要なデータ取得を、その複数の「第1種の通信手段」のうちのいずれかで実現できる場合には、その通信可能な方の「第1種の通信手段」を利用してサービス提供をし、その複数の「第1種の通信手段」の全てがサービス提供のための通信に障害がある場合に限って、クライアント装置30とデータ処理装置50との間の通信を禁止するなどして、利用者からのデータ処理要求の受付けを禁止するようにすればよい。
【0093】
また、第2実施形態のように、たとえば「第1種の通信手段」を介してWebサーバ7と接続することで、URLダウンロード印刷サービス(Webプリントサービス)をする場合には、利用者が希望するURLによってWebサーバ7上の接続箇所が異なるので、通信状態管理部62は、利用者から要求がある都度、その要求されたURLに対応する「第1種の通信手段」が通信可能であるか否かを判断すればよい。
【0094】
さらに上記各実施形態では、「第1種の通信手段」は、専らクライアント端末からのデータ処理要求に応答してデータ処理部58にてデータ処理する際に必要となるデータを外部機器(前例ではWebサーバ7)から受信するための通信に使用するものとして説明したが、必ずしも、「受信」用のものに限らない。たとえば、データ処理部58にて処理済のデータをクライアント装置30側から指定された外部機器に配信するために使用される通信回線であってもよい。
【0095】
また、上記各実施形態では、「第1種の通信手段」が接続される第1通信網8と、「第2種の通信手段」が接続される第2通信網9とが、独立した通信回線として説明したが、共通の通信回線であってもよい。たとえば、無線LANを利用するクライアント装置30aが第2通信網9を介して要求したデータ処理をデータ処理装置50にて実行した後、処理済のデータを第2通信網9を介してクライアント装置30bに配信する形態の場合、第2通信網9は、前者の通信機能に使用される際には「第2種の通信手段」用の通信網として機能し、後者の通信機能に使用される際には「第1種の通信手段」用の通信網として機能する。
【0096】
また、上記実施形態では、「第2種の通信手段」を介して利用者からのデータ処理要求を受け付けることとしていたが、通信手段を介した要求受付に限らず、たとえば、データ処理装置50に備えられた操作パネルなどのユーザインターフェースからデータ処理を指定されるものであってもよい。この場合、第1の通信機能に障害があると、そのユーザインターフェースにて、クライアントからのデータ処理の要求受付けを禁止するようにすればよい。また、要求受付けが禁止されている旨をそのユーザインターフェースの表示パネルに表示すればよい。
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、無線LANなどを介して、あるいはデータ処理装置の操作パネルなどを介して受け付けたデータ処理サービスを提供する機器(データ処理装置)において、サービス提供が可能なときにのみ利用者端末の接続を許可するなどしてデータ処理要求を受け付けるようにしたので、データ処理装置にアクセス(たとえばクライアント装置から接続)できても所望のデータ処理サービスを受けられないといった不具合が発生せず、利便性の高いデータ処理サービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るデータ処理装置を含む第1実施形態のデータ処理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態のデータ処理システムにおいて、各通信部の通信状態を管理する管理テーブルの一例を示した図である。
【図3】第1実施形態のデータ処理装置における処理機能を説明するフローチャートである。
【図4】本発明に係るデータ処理装置を含む第2実施形態のデータ処理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図5】第2実施形態のネットワーク印刷システムにおいて、第1通信部の通信状態とサービスアプリケーションとの関係を管理する管理テーブルの一例を示した図である。
【図6】通信制御部が、クライアント装置の端末画面に提示するアプリケーションメニュー画面の一例を示す図である。
【図7】第2実施形態の印刷装置における処理機能を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1…データ処理システム、2…ネットワーク印刷システム、7…Webサーバ、8…第1通信網、9…第2通信網、30…クライアント装置、50…データ処理装置、51…印刷装置、54…第1通信部、56…第2通信部、58…データ処理部、62…通信状態管理部、64…通信属性設定部、66…アプリケーション管理部、68…通信制御部
Claims (15)
- クライアントから要求されたデータ処理を実行するデータ処理方法であって、
前記データ処理に必要となるデータの外部機器からの受信のため、または前記データ処理後の処理済データの外部機器への送信のために使用される通信機能である第1の通信機能に障害があるか否かを判定し、
この第1の通信機能に障害があるか否かの判定結果に基づいて、前記クライアントから前記データ処理の要求を受け付けるか否かを制御することを特徴とするデータ処理方法。 - 前記第1の通信機能に障害があるか否かの判定結果に基づいて、前記クライアントから前記データ処理の要求を受けるために使用される通信機能である第2の通信機能を制御することで、前記クライアントから前記データ処理の要求を受け付けるか否かを制御することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理方法。
- 前記第1の通信機能に障害があることを条件として、前記クライアントからの前記データ処理の要求受付けを禁止するように前記第2の通信機能を制御することを特徴とする請求項2に記載のデータ処理方法。
- クライアントから要求されたデータ処理を実行するデータ処理方法であって、
前記データ処理に必要となるデータの外部機器からの受信のため、または前記データ処理後の処理済データの外部機器への送信のために使用される通信機能である第1の通信機能に障害があるか否かを判定し、
前記データ処理が、前記第1の通信機能を介して、前記外部機器からデータを受信する必要があることおよび前記外部機器へ処理済のデータを送信する必要があることのうちの少なくとも一方であるか否かを判定し、
前記データ処理が、前記データの受信および前記処理済のデータの送信の少なくとも何れか一方を必要とし且つ前記第1の通信機能に障害があることを条件として、前記クライアントからの前記データ処理の要求受付けを禁止するように、前記クライアントから前記データ処理の要求を受けるために使用される通信機能である第2の通信機能を制御することを特徴とするデータ処理方法。 - 前記データ処理が、前記データの受信および前記処理済のデータの送信の何れをも必要としないことを条件として、前記第1の通信機能の障害の有無に関わらず、前記クライアントから要求された前記データ処理を実行することを特徴とする請求項4に記載のデータ処理方法。
- クライアントから要求されたデータ処理を実行するデータ処理装置であって、
前記データ処理に必要となるデータの外部機器からの受信のため、または前記データ処理後の処理済データの外部機器への送信のために使用される通信機能である第1の通信機能部と、
前記第1の通信機能部に通信障害があるか否かを判定する通信機能判定部と、前記通信機能判定部による第1の通信機能に障害があるか否かの判定結果に基づいて、前記クライアントから前記データ処理の要求を受け付けるか否かを制御する制御部と
を備えたことを特徴とするデータ処理装置。 - 前記クライアントから前記データ処理の要求を受けるために使用される通信機能である第2の通信機能部を備え、
前記制御部は、前記通信機能判定部による第1の通信機能に障害があるか否かの判定結果に基づいて前記第2の通信機能部を制御することで、前記クライアントから前記データ処理の要求を受け付けるか否かを制御することを特徴とする請求項6に記載のデータ処理装置。 - 前記制御部は、前記通信機能判定部が前記第1の通信機能部に通信障害があると示していることを条件として、前記クライアントからの前記データ処理の要求受付けを禁止するように前記第2の通信機能部を制御することを特徴とする請求項7に記載のデータ処理装置。
- クライアントから要求されたデータ処理を実行するデータ処理装置であって、
前記データ処理に必要となるデータの外部機器からの受信のため、または前記データ処理後の処理済データの外部機器への送信のために使用される通信機能である第1の通信機能部と、
前記クライアントから前記データ処理の要求を受けるために使用される通信機能である第2の通信機能部と、
前記第1の通信機能部に通信障害があるか否かを判定する第1の判定部と、
前記データ処理が、前記第1の通信機能部を介して、前記外部機器からデータを受信する必要があることおよび前記外部機器へ処理済のデータを送信する必要があることのうちの少なくとも一方であるか否かを判定する第2の判定部と、
前記データ処理が前記データの受信および前記処理済のデータの送信の少なくとも何れか一方を必要とする旨を前記第2の判定部の判定結果が示し、且つ前記第1の通信機能部に通信障害がある旨を前記第1の判定部の判定結果が示していることを条件として、前記クライアントからの前記データ処理の要求受付けを禁止するように前記第2の通信機能部を制御する制御部と
を備えたことを特徴とするデータ処理装置。 - 前記制御部は、前記データ処理が前記データの受信および前記処理済のデータの送信の何れをも必要としないことを条件として、前記第1の通信機能部の通信障害の有無に関わらず、前記クライアントから要求された前記データ処理を実行させることを特徴とする請求項9に記載のデータ処理装置。
- 前記データ処理の要求受付け可否を示す情報を前記クライアントに提示する要求受付け可否情報提示部を備えたことを特徴とする請求項6から10のうちの何れか1項に記載のデータ処理装置。
- クライアントから要求されたデータ処理を実行するためのプログラムであって、
コンピュータに、
前記データ処理に必要となるデータの外部機器からの受信のため、または前記データ処理後の処理済データの外部機器への送信のために使用される通信機能である第1の通信機能に障害があるか否かを判定する手順と、
この第1の通信機能に障害があるか否かの判定結果に基づいて、前記クライアントから前記データ処理の要求を受け付けるか否かを制御する手順と
を実行させることを特徴とするプログラム。 - クライアントから要求されたデータ処理を実行するためのプログラムであって、
コンピュータに、
前記データ処理に必要となるデータの外部機器からの受信のため、または前記データ処理後の処理済データの外部機器への送信のために使用される通信機能である第1の通信機能に障害があるか否かを判定する手順と、
前記データ処理が、前記第1の通信機能を介して、前記外部機器からデータを受信する必要があることおよび前記外部機器へ処理済のデータを送信する必要があることのうちの少なくとも一方であるか否かを判定する手順と、
前記データ処理が、前記データの受信および前記処理済のデータの送信の少なくとも何れか一方を必要とし且つ前記第1の通信機能に障害があることを条件として、前記クライアントからの前記データ処理の要求受付けを禁止するように、前記クライアントから前記データ処理の要求を受けるために使用される通信機能である第2の通信機能を制御する手順と
を実行させることを特徴とするプログラム。 - クライアントから要求されたデータ処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、
コンピュータに、
前記データ処理に必要となるデータの外部機器からの受信のため、または前記データ処理後の処理済データの外部機器への送信のために使用される通信機能である第1の通信機能に障害があるか否かを判定する手順と、
この第1の通信機能に障害があるか否かの判定結果に基づいて、前記クライアントから前記データ処理の要求を受け付けるか否かを制御する手順と
を実行させるプログラムを格納したことを特徴とする記憶媒体。 - クライアントから要求されたデータ処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、
コンピュータに、
前記データ処理に必要となるデータの外部機器からの受信のため、または前記データ処理後の処理済データの外部機器への送信のために使用される通信機能である第1の通信機能に障害があるか否かを判定する手順と、
前記データ処理が、前記第1の通信機能を介して、前記外部機器からデータを受信する必要があることおよび前記外部機器へ処理済のデータを送信する必要があることのうちの少なくとも一方であるか否かを判定する手順と、
前記データ処理が、前記データの受信および前記処理済のデータの送信の少なくとも何れか一方を必要とし且つ前記第1の通信機能に障害があることを条件として、前記クライアントからの前記データ処理の要求受付けを禁止するように、前記クライアントから前記データ処理の要求を受けるために使用される通信機能である第2の通信機能を制御する手順と
を実行させるプログラムを格納したことを特徴とする記憶媒体。
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