JP2004028655A - 測位計算方法および測位用受信機 - Google Patents

測位計算方法および測位用受信機 Download PDF

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Abstract

【課題】受信機の起動直後のように最新の時刻情報が得られていない状態や、衛星からの信号が弱い状況下であるために衛星の拡散符号発信時刻を確定できない状態でも、受信機の位置を算出できるようにする。
【解決手段】5個の衛星につき、拡散符号発信時刻tiを、拡散符号の位相に相当する1m秒未満の桁の値Tciと1m秒以上の桁の値との和で表し、かつ、その1m秒以上の桁の値を、各衛星に共通の基準時刻toと衛星ごとに個別の差分時間Tiとの和で表したときの基準時刻to、受信機内部の時計の誤差τ、および受信機の3次元座標xo,yo,zoの、総計5つの変数を未知数とした方程式(2)を定立し、その総計5個の式(2a)〜(2e)からなる連立方程式を解く。拡散符号の位相が得られる衛星が4個の場合には、式(2e)の代わりに、座標原点から受信機までの距離が一定であることを表す方程式を定立する。
【選択図】    図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、衛星を利用した測位システムにおける、測位用受信機の位置を計算する方法、および測位用受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
人工衛星を利用した測位システムとしては、米国が開発したGPS(Global Positioning System)が広く利用されている。
【0003】
GPSでは、GPS受信機で、地球を周回するGPS衛星からの拡散符号、および時刻情報や軌道情報を含む航法メッセージを受信して、受信機の位置を計算し、ユーザに呈示する。
【0004】
具体的に、民生用の受信機では、拡散符号として、L1帯(1575.42MHz)のC/A(Clear and Acquisition)コードと呼ばれるスペクトラム拡散信号を受信する。
【0005】
C/Aコードは、チップレートが1.023MHz、符号長が1023のPN(Pseudorandom Noise;擬似ランダム雑音)符号、例えばGold符号により、50bps(ビット/秒)のデータを拡散した信号によって、周波数が1575.42MHzのキャリアをBPSK(Binary Phase Shift Keying)変調した信号であり、図20の上段に示すように、拡散符号(PN符号)が、1023チップを1周期(=1m秒)として、繰り返すものである。
【0006】
拡散符号は、衛星ごとに異なっているが、どの衛星が、どの拡散符号を用いているかは、受信機で検知できるようにされている。各衛星からの拡散符号は、各衛星が備える原子時計に同期して生成され、発信される。
【0007】
図20に示すように、航法メッセージデータは、拡散符号の20周期分である20m秒を1ビットとして、50bpsで伝送される。拡散符号の1周期分(1m秒)の1023チップは、ビットが“1”のときと、“0”のときとでは、反転したものとなる。
【0008】
航法メッセージは、メインフレーム単位で伝送され、1メインフレーム(30秒)は、第1サブフレームから第5サブフレームまでの5個のサブフレームで構成される。さらに、1サブフレーム(6秒)は、10ワード(300ビット)で構成され、1ワード(600m秒)は、30ビットで構成される。
【0009】
図21に示すように、第1サブフレームから第5サブフレームまでの各サブフレームの第1ワードは、TLM(telemeter)ワードとされ、第2ワードは、HOW(Handover Word)とされる。
【0010】
第1ワードのTLMワードは、第1ビットから第8ビットまでに、データが更新されたときでも常に規定のビットパターンとされるプリアンブルが挿入され、第9ビットから第22ビットまでに、第9ビットをMSB、第22ビットをLSBとして、TLMメッセージが挿入される。
【0011】
第2ワードのHOWは、第1ビットから第17ビットまでに、第1ビットをMSB、第17ビットをLSBとして、TOW(Time of Week)カウントメッセージが挿入され、第20ビットから第22ビットまでに、サブフレームID(識別コード)が挿入される。
【0012】
TOWカウントメッセージは、各衛星において、それぞれが備える原子時計に同期して、定められた時刻を起点として、サブフレーム周期の6秒ごとにカウントアップされる時刻情報である。
【0013】
受信機では、このTOWカウントメッセージによって、衛星からの拡散符号の発信時刻を6秒単位で検知することができる。6秒未満では、拡散符号発信時刻の1m秒以上の桁の値は、軌道情報を復調する過程で得られる1m秒単位のエポック(データ取得時間間隔)を元に生成される。
【0014】
さらに、拡散符号の1周期が1m秒であるので、拡散符号の位相が拡散符号発信時刻の1m秒未満の桁の値に相当し、拡散符号の位相を検出することによって、拡散符号発信時刻の1m秒未満の桁の値を確定することができる。
【0015】
TOWカウントメッセージは、サブフレーム(6秒)ごとに得られるが、実際上、その時刻情報を確定するには、サブフレームの先頭を認識してTOWカウントメッセージに相当するデータAを獲得し、さらに次のサブフレームと思われる個所からTOWカウントメッセージに相当するデータBを獲得し、B=A+1であることを確認する必要がある。この操作によって、サブフレームの境界が確定し、同時に時刻情報も確定する。
【0016】
そのため、受信機の起動直後は、拡散符号発信時刻の確定に、最低でも6秒程度の時間を要し、サブフレームの途中からデータを受信した場合には最大で12秒程度の時間を要する。
【0017】
第1サブフレームから第3サブフレームまでの3サブフレームの第3ワード以降には、エフェメリス情報と呼ばれる、衛星ごとに固有の軌道情報が挿入され、第4サブフレームおよび第5サブフレームの2サブフレームの第3ワード以降には、アルマナック情報と呼ばれる、各衛星に共通の軌道情報が挿入される。
【0018】
エフェメリス情報は、当該の衛星の軌道を求めるためのパラメータであり、当該の衛星からメインフレーム単位で繰り返し送られる、地上の管制局からの制御によって比較的頻繁に更新される精度の高い軌道情報である。
【0019】
受信機では、このエフェメリス情報をメモリに保持して測位計算に使用する。しかし、エフェメリス情報は、その精度から、使用可能な寿命が2時間程度である。そのため、受信機では、エフェメリス情報をメモリに記憶した時点からの経過時間を監視して、その寿命を超えたときには、メモリ内のエフェメリス情報を更新して書き替える。
【0020】
ただし、新しいエフェメリス情報を取得してメモリの内容を更新するには、最低でも第1サブフレームから第3サブフレームまでの3サブフレーム分の18秒の時間が必要であり、メインフレームの途中からデータを取得できた場合には、最大で1メインフレーム分の30秒程度の時間が必要となる。
【0021】
アルマナック情報は、全衛星の概略の位置を示す情報や、どの衛星が使用可能かを示す情報であり、全情報を取得するのに25メインフレーム(1マスターフレーム、750秒)分のデータが必要となるものであり、地上の管制局からの制御によって数日ごとに更新される軌道情報である。
【0022】
アルマナック情報の寿命は、数か月とされており、これを受信機のメモリに保持する場合には、通常、数か月ごとにメモリ内のアルマナック情報を更新する。アルマナック情報を受信機のメモリに蓄えておけば、電源投入後、どのチャネルに、どの衛星を割り当てればよいかを、計算することができる。
【0023】
測位計算に当たっては、図22に示すように、i番目の衛星Siの拡散符号発信時刻をti、その時刻tiにおける衛星Siの位置(3次元座標)をXi(ti)、衛星Siの拡散符号が受信機1で受信された時刻を受信機1内の時計で計測した値をtr、求める受信機1の位置(3次元座標)をXo、真空中の光速をcとすると、衛星Siから受信機1までの距離につき、式(91)が成立する。
【0024】
ただし、衛星Siの位置Xi(ti)は、式(92)で示すようなベクトル(式(92)の右辺右肩のTはベクトルの転置を表す)であって、上記のエフェメリス情報から得られるものであり、受信機1の位置Xoは、式(93)で示すようなベクトル(式(93)の右辺右肩のTはベクトルの転置を表す)であり、τは、受信機1内の時計の誤差である。
【0025】
各衛星は、原子時計によって共通の時刻を用い、各衛星からの信号は、原子時計に同期して発信されるが、受信機内部の時計が示す時刻は、各衛星の時刻に対して誤差τを有する。したがって、式(91)は、4個の未知数xo,yo,zo,τを有するものとなる。
【0026】
そのため、式(91)の方程式を、式(91a)〜(91d)で示すように、少なくとも、i=1〜4の4個の衛星につき定立し、この連立方程式(91a)〜(91d)を解くことによって、受信機の3次元座標xo,yo,zoを算出する。
【0027】
連立方程式(91a)〜(91d)は、異なる未知数同士の乗算項のない2次式で、一般に、解に近い適当な初期値を与えて、ニュートン法のような反復法によって解く。ニュートン法は、与えられた方程式を解に近い点で局所的に線形近似し、最初は初期値を用いて線形連立方程式を解き、解いた結果を次の初期値として再び解を得、解が一定誤差以内に収束するまで同じ計算を反復することによって、最終的な解を得る方法である。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の測位計算方法では、衛星Siの拡散符号発信時刻tiを確定して、衛星Siの位置Xi(ti)を求め、連立方程式(91a)〜(91d)を解いて、受信機の3次元座標を算出するので、受信機の起動直後のように、最新のTOWカウントメッセージが得られていない状態や、衛星からの信号が弱い状況下で、拡散符号の位相は得られているのに、軌道情報が復調できず、1m秒単位のエポックが得られない状態では、拡散符号発信時刻tiの1m秒以上の桁の値が確定しないため、正確な拡散符号発信時刻tiを得ることができず、受信機の3次元座標を算出することができない。
【0029】
そこで、この発明は、受信機の起動直後のように最新の時刻情報が得られていない状態や、衛星からの信号が弱い状況下であるために衛星の拡散符号発信時刻を確定できない状態でも、受信機の位置を算出することができるようにしたものである。
【0030】
【課題を解決するための手段】
第1の発明の測位計算方法では、
少なくとも5個の衛星からの信号が受信され、その各衛星の拡散符号の位相および軌道情報が得られ、おおよその現在時刻が得られているとともに、受信機の概略位置が既知の状態で、
前記5個の衛星につき、衛星の拡散符号発信時刻を、拡散符号の1周期に相当する単位時間未満の桁の時刻と、単位時間以上の桁の時刻との和で表し、かつ、その単位時間以上の桁の時刻を、各衛星に共通の基準時刻と、衛星ごとに個別の差分時間との和で表したときの基準時刻、拡散符号受信時刻を計測する時計の誤差、および受信機の3次元座標の、総計5つの変数を未知数とした、衛星および受信機の位置と拡散符号の到達所要時間との関係を表す方程式を定立し、その総計5個の方程式からなる連立方程式を解いて、受信機の3次元座標を算出する。
【0031】
第2の発明の測位計算方法では、
6個以上の衛星からの信号が受信され、その各衛星の拡散符号の位相および軌道情報が得られ、おおよその現在時刻が得られているとともに、受信機の概略位置が既知の状態で、
前記6個以上の衛星につき、衛星の拡散符号発信時刻を、拡散符号の1周期に相当する単位時間未満の桁の時刻と、単位時間以上の桁の時刻との和で表し、かつ、その単位時間以上の桁の時刻を、各衛星に共通の基準時刻と、衛星ごとに個別の差分時間との和で表したときの基準時刻、拡散符号受信時刻を計測する時計の誤差、および受信機の3次元座標の、総計5つの変数を未知数とした、衛星および受信機の位置と拡散符号の到達所要時間との関係を表す方程式を定立し、その総計6個以上の方程式からなる連立方程式を最小二乗法によって解いて、受信機の3次元座標を算出する。
【0032】
第3の発明の測位計算方法では、
少なくとも4個の衛星からの信号が受信され、その各衛星の拡散符号の位相および軌道情報が得られ、おおよその現在時刻が得られているとともに、受信機の概略位置が既知の状態で、
前記4個の衛星につき、衛星の拡散符号発信時刻を、拡散符号の1周期に相当する単位時間未満の桁の時刻と、単位時間以上の桁の時刻との和で表し、かつ、その単位時間以上の桁の時刻を、各衛星に共通の基準時刻と、衛星ごとに個別の差分時間との和で表したときの基準時刻、拡散符号受信時刻を計測する時計の誤差、および受信機の3次元座標の、総計5つの変数を未知数とした、衛星および受信機の位置と拡散符号の到達所要時間との関係を表す方程式を定立するとともに、座標原点から受信機までの距離が一定であることを表す方程式を定立し、その総計5個の方程式からなる連立方程式を解いて、受信機の3次元座標を算出する。
【0033】
上記の第1、第2または第3の発明の測位計算方法では、差分時間は、既知の情報のみから直ちに算出でき、連立方程式の未知数とならないので、拡散符号発信時刻が確定されなくても、連立方程式を解くことができる。
【0034】
したがって、受信機の起動直後のように最新の時刻情報が得られていない状態や、衛星からの信号が弱い状況下であるために衛星の拡散符号発信時刻を確定できない状態でも、受信機の位置を算出することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に、測位システムとしてGPSを用いる場合を例に挙げて、この発明の実施形態を示す。
【0036】
〔測位用受信機の実施形態:図1〕
図1は、この発明の測位用受信機としてのGPS受信機の一実施形態を示す。
【0037】
この実施形態の受信機は、アンテナ11、周波数変換部20、温度補償機能を有する水晶発振回路からなる基準発振回路12、タイミング信号生成回路13、水晶発振回路14、同期捕捉部15、制御演算部30、地図メモリ16、および液晶ディスプレイなどのディスプレイ17を備えるものとして構成される。
【0038】
タイミング信号生成回路13は、基準発振回路12からの基準クロックを逓倍または分周して、受信機の各部に必要な各種のクロックおよびタイミング信号を生成するものである。
【0039】
制御演算部30は、受信機の各部を制御するとともに、測位計算を行うもので、CPU31を備え、そのバス32に、CPU31が実行すべき測位処理ルーチンなどのプログラムや必要な固定データが書き込まれたROM33、CPU31のワークエリアなどとして機能するRAM34、水晶発振回路14からのクロックをカウントして現在時刻を計測する時計回路35、受信機の各部の動作に必要な各種タイミング信号の生成用および時間参照用のタイマー36、測位用メモリ37、表示制御部38、および上記の地図メモリ16が接続される。
【0040】
測位用メモリ37は、不揮発性メモリとされ、これに、衛星の軌道情報であるエフェメリス情報およびアルマナック情報、および測位結果の位置情報が記憶される。エフェメリス情報は、例えば2時間ごとに更新され、アルマナック情報は、例えば数日または数か月ごとに更新される。
【0041】
地図メモリ16は、内部メモリ、またはメモリカードなどの外部メモリで、地図情報が書き込まれたものである。
【0042】
各衛星からの信号は、アンテナ11で受信される。上述したように、各衛星からの信号は、50bpsのデータを、チップレートが1.023MHz、符号長が1023の、衛星ごとに定められた拡散符号によりスペクトラム拡散した信号(C/Aコード)によって、周波数が1575.42MHzのキャリアをBPSK変調した信号である。
【0043】
このアンテナ11で受信された1575.42MHzの信号は、周波数変換部20の低雑音増幅回路21で増幅され、バンドパスフィルタ22で不要帯域成分が除去された後、高周波増幅回路23を通じて中間周波変換回路24に供給される。
【0044】
また、基準発振回路12からの基準クロックが、PLL(Phase Locked Loop)シンセサイザ方式の局部発振回路25に供給されて、局部発振回路25から、基準発振回路12からの基準クロックに対して周波数比が固定された局部発振信号が得られ、その局部発振信号が、中間周波変換回路24に供給されて、衛星からの1575.42MHzの信号が、適切な中間周波数、例えば1.023MHzの中間周波信号に変換される。
【0045】
さらに、中間周波変換回路24からの中間周波信号は、中間周波増幅回路26で増幅され、ローパスフィルタ27で帯域制限された後、A/Dコンバータ28で、1ビットまたは2ビット以上のデジタル信号(以下、IFデータという)に変換され、そのIFデータが、同期捕捉部15に供給される。
【0046】
同期捕捉部15では、そのIFデータの拡散符号、すなわち衛星からの拡散符号と、これと同じパターンの同期捕捉部15内の拡散符号発生回路からの拡散符号との相関演算が実行され、衛星からの拡散符号と拡散符号発生回路からの拡散符号が同期して相関のピークが検出されるように、拡散符号発生回路からの拡散符号の位相が制御される。これによって衛星が捕捉され、衛星からの拡散符号の位相が検出される。
【0047】
アンテナ11で受信される信号には複数の衛星からの拡散符号が含まれるが、同期捕捉部15には全ての衛星についての拡散符号が用意され、拡散符号が受信された全ての衛星につき、上記の同期捕捉が実行され、拡散符号の位相が検出される。
【0048】
同期捕捉は、拡散符号の1周期である1m秒の時間内に実行可能である。同期捕捉によって、スペクトラム逆拡散が行われ、衛星からの時刻情報(TOW)および軌道情報を含む航法メッセージが復調される。
【0049】
制御演算部30は、同期捕捉部15で拡散符号の位相が確定されることによって、後述のように第1、第2または第3の方法による測位計算処理を実行し、当該の受信機の3次元座標を算出する。
【0050】
算出された位置は、表示制御部38によって、ディスプレイ17上に、地図メモリ16から読み出された地図情報によって表示された地図上において表示される。
【0051】
〔測位計算方法の実施形態:図2〜図18〕
(第1の方法による測位計算:図2〜図11)
<第1の方法の概要:図2および図3>
受信機の起動直後であっても、その前の受信機の電源がオフとなっていた期間が比較的短時間である場合には、受信機のメモリ(図1の実施形態では測位用メモリ37)に、電源オフの直前に受信していた衛星の軌道情報、および最後の測位計算によって算出された受信機の3次元座標が保持されている。
【0052】
また、地形や建造物などの影響で、衛星からの電波が弱くなった場合でも、電波が弱くなる前に獲得された衛星の軌道情報および受信機の3次元座標が、受信機のメモリに保持されている。
【0053】
さらには、受信機外部から受信機に、衛星の軌道情報および受信機の概略位置を与えることもできる。
【0054】
この発明では、前提として、以上のように衛星の軌道情報および受信機の概略位置が既知であるとする。また、受信機内部の時計(図1の実施形態では時計回路35)が大きく狂っておらず、現在時刻も、ある程度判っているものとする。
【0055】
受信機の概略位置として、本来の(現在の実際の)位置に対して、どの程度のずれまで許容されるか、および、受信機内部の時計が、どの程度のずれまで許容されるか、については、後述する。
【0056】
一般に、受信機の3次元座標を算出する際には、あらかじめ衛星の3次元座標を求めておくが、その際に用いる時刻は、衛星の拡散符号発信時刻である。
【0057】
そして、図2の式(1a)で示すように、i番目の衛星Siの拡散符号発信時刻tiは、1m秒未満の桁の値Tciと1m秒以上の桁の値Tmiとの和で表される。
【0058】
上述したように、拡散符号の位相は、1m秒未満の桁の値Tciに相当し、1m秒以上の桁の値Tmiは、図20および図21に示した航法メッセージ(軌道情報)に含まれるTOW(Time of Week)カウントメッセージ、および航法メッセージを復調する過程で得られる1m秒単位のエポックを元に生成される。
【0059】
したがって、衛星の3次元座標を求めるには、その衛星の拡散符号の位相が得られるだけでなく、航法メッセージの復調が可能な状況でなければならず、拡散符号の位相を検出できても、航法メッセージを復調できなければ、衛星の3次元座標を確定することができない。
【0060】
これに対して、この発明では、拡散符号発信時刻tiのうち、1m秒未満の桁の値Tciに相当する拡散符号の位相のみを用いて受信機の3次元座標を求める。
【0061】
そのために、この発明では、図2の式(1b)で示すように、拡散符号発信時刻tiの1m秒以上の桁の値Tmiを、基準時刻toと差分時間Tiとの和で表す。基準時刻toは、新たに導入された未知数としての、各衛星に共通の時刻であり、差分時間Tiは、1m秒以上の桁の値Tmiと基準時刻toとの差の、衛星ごとに異なる時間である。
【0062】
拡散符号発信時刻tiを式(1b)で表すことによって、衛星Siおよび受信機1の位置と拡散符号の到達に要した時間との関係から、図22に示した式(91)に式(1b)を代入した、図3の式(2)で示す方程式を導くことができる。
【0063】
ただし、式(2)において、Xi(ti)は式(3)で示すように時刻tiにおける衛星Siの3次元座標を表すベクトル(ベクトルの右肩のTはベクトルの転置を表す)、Xoは式(4)で示すように受信機の3次元座標を表すベクトル(ベクトルの右肩のTはベクトルの転置を表す)、cは真空中の光速、trは拡散符号が受信機で受信された時刻を受信機内部の時計で計測した値、τは受信機内部の時計の誤差である。
【0064】
ここで、式(1b)(2)中の差分時間Tiは、後述のように、既知である受信機の概略位置および現在時刻から、求めることができる。
【0065】
また、拡散符号発信時刻tiの1m秒未満の桁の値Tciは、拡散符号の位相に相当し、1周期(1m秒)分の拡散符号を受信して、その位相を確定することによって、受信機の起動時、瞬時に求めることができる。拡散符号受信時刻trは、各衛星で共通であり、受信機内部の時計(図1の実施形態では時計回路35)によって、拡散符号の受信と同時に検出される。
【0066】
したがって、式(2)は、基準時刻to、受信機内部の時計の誤差τ、および受信機の3次元座標xo,yo,zoの、合計5個の未知数を有するものとなる。
【0067】
そこで、この発明の第1の方法では、受信機の概略位置が既知の状態で、軌道情報が得られている少なくとも5個の衛星の拡散符号を受信し、拡散符号の位相を確定して、図3の式(2a)〜(2e)で示すように、i=1〜5の5個の衛星につき、式(2)の方程式を定立する。
【0068】
式(2a)〜(2e)は、5元の連立非線形方程式であり、物理的要請から1つ以上の解が必ず存在する。したがって、反復法などによって解を求めることができ、受信機の3次元座標xo,yo,zoを算出することができる。
【0069】
<第1の方法における解法の一例:図4〜図7>
以下では、5個の衛星についての式(2)、すなわち式(2a)〜(2e)を、反復法の代表的な方法であるニュートン法によって解く場合を示す。式(2)を解くには、あらかじめ差分時間Tiを求めておく必要があるが、Ti算出方法については後述する。
【0070】
まず、図4の式(11)で示すような着目点における式(2)の関数の、図4の式(12)で示すような1次近似Δfiを求め、式(13)が成立するような、式(14)で示すような値を求める。ただし、式(14)中のΔXoは、式(15)で示すようなベクトル(ベクトルの右肩のTはベクトルの転置を表す)であり、式(16)のような関係であるとする。
【0071】
ここで、特定の衛星に関する式(13)1個のみでは、式(14)の値は一意に求まらないが、i=1〜5の5個の衛星の全てにつき、式(13)を考えると、式(17)で表されるような5元線形連立方程式が得られる。
【0072】
ただし、式(17)中のFおよびΔPは、式(18)および(19)で示すようなベクトル(ベクトルの右肩のTはベクトルの転置を表す)とし、式(17)中のJは、図5の式(21)で示すような5行5列の行列を表すものとする。
【0073】
式(17)の連立方程式は、ガウスの消去法などによって解くことができる。そして、式(17)の連立方程式を解くことによってΔPを求め、後述のような次の着目点を求める。
【0074】
式(21)のJの要素を実際に書き下すと、図5の式(22)〜(26)のようになる。ここで、式(26)中の、式(27)で示すA・Bは、ベクトルAとベクトルBの内積を表し、Vi(t)すなわちBは、時刻tにおける衛星Siの速度ベクトルを表す。この速度ベクトルVi(t)は、一般に用いられているように、ドップラーシフト量から求めることができる。
【0075】
以上が、ニュートン法における1回の反復の内容である。実際上は、図6の式(31)で示すような初期値から計算を始める。
【0076】
式(31)中のXo(0)=Xoaは、既知である受信機の概略位置である。τ(0)は、受信機内部の時計の誤差τに関する初期値であり、前提として受信機内部の時計が大きく狂っていないとしたので、0とすることができる。to(0)は、拡散符号発信時刻tiの1m秒以上の桁の値Tmi(=Ti+to)の基準時刻toに関する初期値であり、反復計算開始時点での受信機内部の時計が示す時刻toaとする。
【0077】
以上の1回目の反復計算によって、図4の式(17)の連立方程式を解いてΔPを求め、図7の式(33)で示すような次の着目点を求めて、反復計算を繰り返す。
【0078】
解が収束したか否かの判定については、例えば、図7の式(35)(36)または(37)に示すように、|ΔXo|,|ΔP|または|F|が、あらかじめ定めた定数εより小さくなったとき、収束したと判断する。
【0079】
反復計算は、収束するまで続けてもよいが、あらかじめ定めた回数以内の反復計算で収束したと判断されないときには、収束しなかったと見なすことにすれば、計算量の増大を防止することができる。
【0080】
<差分時間Tiの算出方法の一例:図8>
5個の衛星についての式(2)、すなわち式(2a)〜(2e)を解くには、5個の衛星の全てにつき、あらかじめ差分時間Tiを求めておく必要がある。以下に、そのTi算出方法の一例を示す。
【0081】
図2の式(1b)で表される拡散符号発信時刻tiの1m秒未満の桁の値Tciは、拡散符号の位相として与えられるため、既知である。一方、差分時間Tiは、適当に定めた基準時刻toに対して拡散符号発信時刻tiが、どれだけずれているかを表す。そして、拡散符号発信時刻tiの1m秒未満の桁の値はTciのみで表されるので、差分時間Tiと基準時刻toは、いずれも1m秒未満の桁の値が0となる。
【0082】
ここで、図8の式(1c)で示すように、衛星S1(i=1)の拡散符号発信時刻t1の1m秒以上の桁の値をtoとすると、すなわちT1=0となるように基準時刻toを選定すると、同図の式(1d)で示すように、差分時間Tiは、衛星Si(i≧2)の拡散符号発信時刻tiの1m秒以上の桁の値が、衛星S1の拡散符号発信時刻t1の1m秒以上の桁の値(to)に対して、どれだけずれているかを表すものとなる。
【0083】
したがって、衛星Si(i≧2)につき、式(41)で示す関係が得られ、差分時間Tiから、未知数である基準時刻toを消去することができる。
【0084】
式(41)から、差分時間Tiを求めるためには、衛星Siの拡散符号発信時刻tiが必要となる。この拡散符号発信時刻tiは、式(42)で示す衛星Siと受信機の位置関係から、式(43)で示すものとなる。また、式(43)は、衛星S1については、式(44)で示すものとなる。ただし、ここでの拡散符号受信時刻trは、受信機内部の時計で計測した時刻に、受信機内部の時計の誤差τを加えたものである。
【0085】
式(43)および(44)を式(41)に代入して整理すると、式(45)が得られ、差分時間Tiから、拡散符号受信時刻trが消去される。
【0086】
差分時間Tiおよび基準時刻toは、1m秒ごとの値しかとらないものとしているので、式(45)の差分時間Tiは、距離に換算すると、式(46)で示す値ごとに、すなわち約300kmごとに、解を持つことになる。
【0087】
一方、式(45)中の拡散符号発信時刻t1,tiは、衛星の3次元座標を求めるためのパラメータである。
【0088】
そして、文献1(James Bao−Yen Tsui,“Fundamentals of Global Positioning System Receivers:A Software Approach”,John Wiley & Sons,Inc.,2000)や文献2(社団法人日本測量協会発行「改訂版 GPS測量の基礎」第90頁)などに示されているように、衛星と地表の受信機を結ぶ視線方向における受信機に対する衛星の速度は、最大でも秒速1kmを超えず、1m秒の間に衛星と受信機の距離は1mも変化しない。
【0089】
したがって、式(45)中の拡散符号発信時刻t1,tiが1m秒変化したとしても、式(45)の右辺の第1項および第2項の値そのものは、距離に換算して、それぞれ高々1m程度しか変化しない。
【0090】
以上の考察から、式(45)には未知数である拡散符号発信時刻t1,tiが現れるものの、いずれも、それほど正確でなくてもよいことがわかる。
【0091】
ここで、式(47)で示すように、衛星Siの拡散符号発信時刻tiが衛星S1の拡散符号発信時刻t1より20m秒前だったとする。この20m秒という時間は、概ね、地表の受信機から見て衛星が最も近いときと最も遠いときの、拡散符号の到達時間の差に相当する。
【0092】
式(45)中の拡散符号発信時刻t1,tiの両方に拡散符号受信時刻を代入した場合を考えると、拡散符号の到達所要時間は約70m秒であり、上記のように1m秒の間に衛星と受信機の距離は1mも変化しないので、受信機内部の時計の誤差τを含めて、仮に本来の拡散符号発信時刻t1より1秒(1000m秒)遅い時刻を代入すると、衛星S1と受信機の距離は、1秒に相当する高々約1kmだけ変化し、衛星Siと受信機の距離は、1秒に上記の20m秒を加えた1.02秒に相当する高々約1.02kmだけ変化する。
【0093】
式(45)の右辺の第1項と第2項の変化分が互いに逆符号であったとしても、高々、1kmと1.02kmの和の2km程度の変化にしかならず、時間換算で約6.7μ秒の差にしかならない。これは、上記のように差分時間Tiの取り得る間隔が距離換算で約300kmであることと比較すると、非常にわずかな差であり、式(45)の右辺を0.1m秒の桁で四捨五入することによって十分吸収することができる。
【0094】
すなわち、衛星の3次元座標を計算するのに用いる時刻としては、拡散符号発信時刻に代えて各衛星共通で拡散符号受信時刻を用いても支障はなく、しかも、その拡散符号受信時刻としては、誤差τを含む受信機内部の時計で計測した時刻を用いることができる。
【0095】
また、Xoは、本来は求める受信機の3次元座標であるが、差分時間Tiを求める場合の式(45)中のXoとしては、上記と同様の理由によって、既知である受信機の概略位置を用いることができる。
【0096】
したがって、式(45)によって、既知である衛星の軌道情報および受信機の概略位置、拡散符号受信時刻tr、および拡散符号の位相(拡散符号発信時刻tiの1m秒未満の桁の値Tci)から、5個の衛星についての差分時間Tiを算出することができる。
【0097】
以上は、受信機が静止していると仮定した場合であるが、仮に受信機が時速1000kmという高速で動いていると仮定しても、受信機は1m秒の間に約0.3m、1秒の間でも約300mしか移動しない。したがって、受信機の速度は無視することができ、受信機が移動している場合でも、上記の算出方法を用いることができる。
【0098】
<受信機の概略位置および受信機内部の時計の誤差の許容範囲:図9〜図11>
受信機の概略位置および受信機内部の時計は、図6の式(31)で示したように図3の式(2)を解くための初期値として必要であるだけでなく、上述したように図8の式(45)によって差分時間Tiを求めるのに必要となる。
【0099】
しかし、受信機の概略位置が本来の求める受信機の位置から大きく離れている場合や、受信機内部の時計が大きく狂っている場合には、各衛星と受信機の位置関係が、実際の位置関係に対して大きく変化してしまい、式(45)によって算出された差分時間Tiが、実際の拡散符号発信時刻の差と異なってしまう。
【0100】
そこで、まず、受信機の概略位置として、本来の位置に対して、どの程度のずれまで許容されるかを考察する。
【0101】
図8の式(45)の両辺にcを乗じて、単位を時間から距離に変換すると、図9の式(51)のようになる。
【0102】
差分時間Tiが、その最小単位である1m秒ずれるためには、式(51)の値cTiが約300km変化しなければならず、差分時間Tiとして正しい値を算出するためには、値cTiが、差分時間Tiの正しい値に対して、約±150kmの範囲、時間換算で約±0.5m秒の範囲に収まっていなければならない。
【0103】
式(51)中のXoとしては受信機の概略位置を代入するので、まず、Xoが変化する場合を考える。XoがXo+ΔXに変化すると、式(51)の右辺の第1項では衛星S1と受信機の距離が、第2項では衛星Siと受信機の距離が、それぞれ変化する。
【0104】
最も極端な場合として、いずれも衛星と受信機を結ぶ視線方向において距離が|ΔX|だけ変化する場合を考え、かつ、第1項と第2項では距離の変化の差が増大するように、第1項では衛星S1と受信機の距離が増加し、第2項では衛星Siと受信機の距離が減少するものとすると、式(51)は式(52)となる。
【0105】
この式変形は、次のようなベクトルの性質を利用したものである。2つのベクトルA,Bが、図9の式(63)の関係を満たすとき、式(64)の関係が成立する。そして、式(52)では式(65)の関係が成立するので、ベクトルA,Bを式(66)(67)のように定めると、式(64)は式(68)のようになる。
【0106】
すなわち、式(51)の右辺の第1項および第2項のいずれにおいても「XoがXo+ΔX」に変化したと仮定しても、上述したような、第1項では距離が増加し(式(68)の右側の不等式)、第2項では距離が減少する(式(68)の左側の不等式)式変形が可能となる。
【0107】
そして、式(52)から、2|ΔX|が約150km以内、すなわちXoの移動距離|ΔX|が約75km以内であれば、差分時間Tiとして正しい値を求めることができる。
【0108】
ただし、以上は、衛星の3次元座標を計算するのに用いる時刻t1,tiが理想的な場合である。そこで、次に、受信機の概略位置はほぼ正しいと仮定して、衛星の3次元座標を計算するのに用いる時刻t1,tiのずれの許容範囲、すなわち受信機内部の時計の誤差τの許容範囲を考える。
【0109】
上述したように、衛星と地表の受信機を結ぶ視線方向における受信機に対する衛星の速度は、最大でも秒速1kmを超えず、1m秒の間に衛星と受信機の距離は1mも変化しない。
【0110】
ここで、図8の式(47)で示したように、衛星Siの拡散符号発信時刻tiが衛星S1の拡散符号発信時刻t1より20m秒前だったとする。この20m秒という時間は、概ね、地表の受信機から見て衛星が最も近いときと最も遠いときの、拡散符号の到達時間の差に相当する。また、衛星と受信機の距離は1m秒の間に1m変化すると仮定する。
【0111】
そして、衛星S1および衛星Siの3次元座標を求めるための時刻として、t1+Δt(ただし、Δt≧0とする)を用いるとすれば、このt1+Δtは、図8の式(47)から、図10の式(53)で表されるので、図9の式(51)の右辺は、図10の式(54)となる。
【0112】
ただし、式(54)は、最も極端な場合として、衛星の座標変化が、衛星と受信機を結ぶ視線方向の距離変化に等しい場合を考え、さらに、左辺の第1項と第2項の差が増大するように、衛星S1については受信機から遠ざかり、衛星Siについては受信機に近づくものとした。
【0113】
この式(54)から、式(55)で表されるΔdが約150km以内、すなわちΔtが約75秒以内であれば、差分時間Tiとして正しい値を求めることができる。
【0114】
実際は、図9の式(52)の効果と図10の式(54)の効果が同時に現れるので、受信機の概略位置の精度と受信機内部の時計の精度が、どちらも最も効いた場合を想定すると、図11の式(56)の条件を満たせば、すなわち式(56)の左辺の距離が約150km以内であれば、差分時間Tiとして正しい値を求めることができる。式(56)の両辺を2で割ると、式(57)となる。ただし、Δtは負の値も取れるものとする。
【0115】
ここで、|ΔX|は、図9で上述したように、受信機の概略位置として与える座標と本来の受信機の位置との距離である。一方、Δtは、衛星の拡散符号発信時刻からのずれであるが、衛星ごとの拡散符号発信時刻の差(最大約20m秒)、および衛星から受信機に拡散符号が到達するのに要する時間(最大約90m秒)は、式(57)のオーダーに対して十分小さいので無視できる。
【0116】
そして、上述したように、衛星の3次元座標を計算するのに用いる時刻を、計算実行時点で受信機内部の時計から読み出した時刻とすれば、Δtは受信機内部の時計の誤差と考えることができる。
【0117】
<効果>
以上の第1の方法によれば、受信機の起動直後のように、最新の軌道情報に含まれるTOW(Time of Week)が得られていない状態であっても、衛星の軌道情報、受信機の概略位置、および現在時刻が得られていれば、TOWの確定を待たずに受信機の座標を算出することができ、ホットスタート時における最初の測位までの時間(TTFF;Time To First Fix)を大幅に短縮することができる。
【0118】
また、衛星からの信号が弱い状況下で、拡散符号の位相は得られているのに、軌道情報が復調できず、1m秒単位のエポックが得られない状態においても、同様に、衛星の軌道情報、受信機の概略位置、および現在時刻が得られていれば、受信機の座標を算出することができるので、測位率の向上を実現することができる。
【0119】
また、消費電力の削減のために、ユーザの要求があったときに限って測位計算を行う場合、従来の方法では、ユーザが測位を要求してから受信機の座標を知るまでの間に、TOWが確定される必要があるのに対して、この発明の第1の方法では、TOWの確定を待たずに受信機の座標を算出することができるため、受信機の動作期間を短縮することができ、より消費電力を削減することができる。
【0120】
(第2の方法による測位計算:図12)
以上の第1の方法は、基準時刻to、受信機内部の時計の誤差τ、および受信機の3次元座標xo,yo,zoの、合計5個の未知数を有する図3の式(2)の方程式を、図3の式(2a)〜(2e)で示したように、i=1〜5の5個の衛星につき定立し、その5元連立非線形方程式を、反復法などにより解くことによって、受信機の3次元座標xo,yo,zoを算出するものである。
【0121】
これに対して、この発明の第2の方法では、受信機の概略位置が既知の状態で、軌道情報が得られている少なくとも6個の衛星の拡散符号を受信し、拡散符号の位相を確定して、図3の式(2)の方程式を、その少なくとも6個の衛星につき、例えば図12の式(2a)〜(2f)で示すようにi=1〜6の6個の衛星につき、定立する。
【0122】
この場合も、未知数は、基準時刻to、受信機内部の時計の誤差τ、および受信機の3次元座標xo,yo,zoの、合計5個であり、式(2a)〜(2f)は、5元連立非線形方程式であり、物理的要請から1つ以上の解が必ず存在し、第1の方法と同様の方法によって、受信機の3次元座標xo,yo,zoを算出することができる。
【0123】
ただし、この場合は、計算に用いる衛星の数が6以上、例えば6であるので、その数をm(m≧6)とすれば、図4の式(17)中のベクトルFが、m行ベクトルとなり、式(17)中の行列Jが、図5の式(21)のような5行5列ではなく、m行5列となる。
【0124】
しかし、ベクトルFや行列Jのサイズが変わっても、式(17)は、5衛星の場合と同様に5元線形連立方程式であり、最小二乗法によって解を得ることができる。その解ΔPは、図12の式(61)で表される。ただし、行列の右肩の−1は、逆行列を表す。
【0125】
差分時間Tiの算出方法や、受信機の概略位置および受信機内部の時計の誤差の許容範囲については、第1の方法と同じである。
【0126】
従来の方法の4衛星による解法や、第1の方法の5衛星による解法でも、拡散符号の位相や、衛星の3次元座標には、様々な要因による誤差が含まれるため、従来の方法の4衛星による場合の図22の式(91a)〜(91d)や、第1の方法の5衛星による場合の図3の式(2a)〜(2e)のように、未知数の個数と等しい数の方程式を定立して、解を求めても、方程式を厳密に満たす解を得ることはできない。
【0127】
したがって、第2の方法のように、計算に用いる衛星の数を増やし、方程式の数を増やすことは、解に対する制約条件を、より厳しくすることになり、第1の方法と比較すると、計算量は増加するが、一般的には解の精度が向上する。そのほか、第2の方法によれば、第1の方法と同様の効果がある。
【0128】
(第3の方法による測位計算:図13)
上述した第1または第2の方法では、5個または6個以上の衛星につき、拡散符号の位相を確定でき、式(2)の方程式を定立できる必要がある。
【0129】
そのため、例えば、直前まで測位が行われていたのに、地形や建造物などによって一時的に、ある衛星からの電波が弱くなり、または遮られて、拡散符号の位相が得られる衛星が4個になる場合には、第1または第2の方法を用いることができない。
【0130】
しかし、受信機が自動車や歩行者などと共に移動する場合には、直前の測位結果から得られた標高は、短時間では一定で、変化しないと見なしても、差し支えない。
【0131】
そこで、この発明の第3の方法では、拡散符号の位相が確定した4個の衛星につき、図3または図12の式(2a)〜(2d)のように、図3の式(2)の方程式を定立するとともに、地球を真球と仮定し、「標高が一定」という条件を「座標原点(地球中心)からの距離が一定」という条件に置き換えて、図13の式(71)を定立する。
【0132】
式(71)中のXoaは、既知である受信機の概略位置、例えば直前に得られた測位結果であり、式(71)は、仮想的に地球中心(座標原点)に5番目の衛星が存在し、それから受信機までの距離|Xo|が既知の距離|Xoa|に等しいことを示している。
【0133】
すなわち、第3の方法では、実衛星は4個であるが、あたかも5衛星あるかのように、5元連立非線形方程式を定立する。この5元連立非線形方程式は、5番目の衛星についての関数f5が式(71)で表されるので、図5の式(21)の行列の第5行を、図13の式(72)〜(76)に置き換えることによって、第1の方法と同じ解法で解くことができる。
【0134】
第3の方法によっても、第1および第2の方法と同様の効果が得られる。
【0135】
(測位処理の処理ルーチン:図14〜図18)
上述した第1〜第3の方法は、受信機の起動直後のように拡散符号発信時刻tiが確定しない状態での測位計算方法であって、起動から一定時間を経て拡散符号発信時刻tiが確定する場合には、図3の式(2)中の基準時刻toが未知数ではなくなるので、従来の方法のように、受信機の3次元座標xo,yo,zoおよび受信機内部の時計の誤差τを未知数とする図22の式(91)の方程式を、式(91a)〜(91d)で示すように少なくとも4個の衛星につき定立し、その連立方程式を解くことによって、受信機の3次元座標xo,yo,zoを算出することができる。
【0136】
また、この場合、地形や建造物などによって一時的に、ある衛星からの電波が弱くなり、または遮られて、拡散符号発信時刻tiが得られる衛星が3個になる場合には、その拡散符号発信時刻tiが確定した3個の衛星につき、式(91a)〜(91c)のように式(91)の方程式を定立するとともに、地球を真球と仮定し、「標高が一定」という条件を「座標原点(地球中心)からの距離が一定」という条件に置き換えて、上述した第3の方法における図13の式(71)と同様の図22の式(95)を定立して、式(91a)〜(91c)および(95)の連立方程式を解くことによって、受信機の3次元座標xo,yo,zoを算出することができる。
【0137】
式(95)中のXoaは、既知である受信機の概略位置、例えば直前に得られた測位結果であり、式(95)は、仮想的に地球中心(座標原点)に4番目の衛星が存在し、それから受信機までの距離|Xo|が既知の距離|Xoa|に等しいことを示している。
【0138】
<全体の測位処理:図14>
図14に、図1の実施形態の受信機のCPU31が行う、第1〜第3の方法および従来の方法を含む全体の測位処理のルーチンの一例を示す。
【0139】
このルーチン40では、測位計算ごとに、まず、ステップ41で、受信中の全衛星の拡散符号の位相を検出する。このとき、拡散符号発信時刻tiも検出できる場合には、拡散符号発信時刻tiを検出する。
【0140】
受信中の衛星の集合をSa、拡散符号の位相(拡散符号発信時刻tiの1m秒未満の桁の値Tci)が確定している衛星の集合をSc、拡散符号発信時刻tiが確定している衛星の集合をSrとすると、Sr⊂Sc⊂Saである。
【0141】
ルーチン40では、次に、ステップ42で、拡散符号発信時刻tiが確定している衛星の数|Sr|が3以上であるか否かを判断し、3以上であれば、ルーチン43に進んで、従来の方法による測位計算処理を実行する。
【0142】
この従来の方法による測位計算処理のルーチン43としては、拡散符号発信時刻tiが確定している衛星の数|Sr|が4以上であれば、図22の少なくとも式(91a)〜(91d)の連立方程式を解いて受信機の3次元座標を算出し、拡散符号発信時刻tiが確定している衛星の数|Sr|が3であれば、図22の式(91a)〜(91c)および(95)の連立方程式を解いて受信機の3次元座標を算出する。
【0143】
従来の方法による測位計算処理のルーチン43を実行したら、ステップ44に進んで、解が得られたか否かを判断し、解が得られたときには、ステップ49aに進んで、測位成功として、測位結果の受信機位置を表示して、1回の測位処理を終了し、解が得られなかったときには、ステップ44からステップ45に進む。
【0144】
ステップ42で、拡散符号発信時刻tiが確定している衛星の数|Sr|が2以下であると判断したときにも、ステップ45に進む。
【0145】
ステップ45では、拡散符号の位相が確定している衛星の数|Sc|が4であるか否かを判断し、4でなければ、ステップ46に進んで、拡散符号の位相が確定している衛星の数|Sc|が5であるか否かを判断し、5でなければ、ステップ47に進んで、拡散符号の位相が確定している衛星の数|Sc|が6以上であるか否かを判断する。
【0146】
そして、拡散符号の位相が確定している衛星の数|Sc|が5であるときには、ステップ46からルーチン50に進んで、後述のように第1の方法による測位計算処理を実行し、拡散符号の位相が確定している衛星の数|Sc|が6以上であるときには、ステップ47からルーチン60に進んで、後述のように第2の方法による測位計算処理を実行し、拡散符号の位相が確定している衛星の数|Sc|が4であるときには、ステップ45からルーチン70に進んで、後述のように第3の方法による測位計算処理を実行する。
【0147】
ルーチン50,60または70の測位計算処理を実行したら、ステップ48に進んで、解が得られたか否かを判断し、解が得られたときには、ステップ49aに進んで、測位成功として、測位結果の受信機位置を表示して、1回の測位処理を終了し、解が得られなかったときには、ステップ49bに進んで、測位失敗として、1回の測位処理を終了する。
【0148】
ステップ47で、拡散符号の位相が確定している衛星の数|Sc|が6以上でないと判断したとき、すなわち拡散符号の位相が確定している衛星の数|Sc|が3以下であると判断したときには、ステップ49bに進んで、測位失敗として、1回の測位処理を終了する。
【0149】
なお、拡散符号の位相が確定している衛星の数が6以上であるときでも、その中から5個の衛星を選定して、第1の方法による測位計算処理を実行するようにしてもよい。
【0150】
<第1の方法による測位計算処理:図15>
図15に、第1の方法による測位計算処理のルーチン50の一例を示す。
【0151】
このルーチン50では、まず、ルーチン80で、後述のように差分時間Tiの算出処理を実行し、次に、ステップ51で、反復法における反復計算の回数(順位)kを1とし、ベクトルPを図6の式(31)に示した初期値の関数とした後、ステップ52に進んで、図5の式(22)〜(26)によって、同図の式(21)の行列Jを求める。
【0152】
次に、ステップ53に進んで、図3の式(2)(この場合は、式(2a)〜(2e))によって、図4の式(17)中のベクトルFを求め、さらにステップ54に進んで、式(17)を解いてΔPを求める。
【0153】
次に、ステップ55に進んで、図7の式(36)の収束条件を満たすか否かを判断し、満たすときには、ステップ59aに進んで、測位計算成功として、測位計算処理を終了する。
【0154】
式(36)の収束条件を満たさないときには、ステップ55からステップ56に進んで、反復計算の回数kを1だけインクリメントし、さらにステップ57に進んで、そのインクリメント後の回数kが制限回数kmaxを超えたか否かを判断し、超えていなければ、ステップ58に進んで、直前のベクトルPにステップ54で算出されたΔPを加えたものを新たなベクトルPとして、ステップ52に戻って、ステップ52以下の処理を繰り返す。
【0155】
ステップ57で、反復計算の回数kが制限回数kmaxを超えたと判断したときには、ステップ59bに進んで、測位計算失敗として、測位計算処理を終了する。
【0156】
このように反復計算の回数を制限して、制限回数以内の反復計算で収束したと判断されないときには、収束しなかったと見なすことによって、上述したように計算量の増大を防止することができるとともに、反復計算が発散してしまった場合に測位計算処理が終了しなくなるのを防止することができる。
【0157】
<第2の方法による測位計算処理:図16>
図16に、第2の方法による測位計算処理のルーチン60の一例を示す。
【0158】
このルーチン60では、まず、ルーチン80で、後述のように差分時間Tiの算出処理を実行し、次に、ステップ61で、反復法における反復計算の回数(順位)kを1とし、ベクトルPを図6の式(31)に示した初期値の関数とした後、ステップ62に進んで、図5の式(22)〜(26)によって、行列J(この場合は、図5の式(21)のような5行5列ではなく、m行5列)を求める。
【0159】
次に、ステップ63に進んで、図3の式(2)(この場合は、少なくとも式(2a)〜(2f))によって、図4の式(17)中のベクトルF(この場合は、m行ベクトル)を求め、さらにステップ64に進んで、図12の式(61)を解いてΔPを求める。
【0160】
次に、ステップ65に進んで、図7の式(36)の収束条件を満たすか否かを判断し、満たすときには、ステップ69aに進んで、測位計算成功として、測位計算処理を終了する。
【0161】
式(36)の収束条件を満たさないときには、ステップ65からステップ66に進んで、反復計算の回数kを1だけインクリメントし、さらにステップ67に進んで、そのインクリメント後の回数kが制限回数kmaxを超えたか否かを判断し、超えていなければ、ステップ68に進んで、直前のベクトルPにステップ64で算出されたΔPを加えたものを新たなベクトルPとして、ステップ62に戻って、ステップ62以下の処理を繰り返す。
【0162】
ステップ67で、反復計算の回数kが制限回数kmaxを超えたと判断したときには、ステップ69bに進んで、測位計算失敗として、測位計算処理を終了する。
【0163】
この場合も、制限回数以内の反復計算で収束したと判断されないときには、収束しなかったと見なすことによって、計算量の増大を防止することができるとともに、反復計算が発散してしまった場合に測位計算処理が終了しなくなるのを防止することができる。
【0164】
<第3の方法による測位計算処理:図17>
図17に、第3の方法による測位計算処理のルーチン70の一例を示す。
【0165】
このルーチン70では、まず、ルーチン80で、後述のように差分時間Tiの算出処理を実行し、次に、ステップ71で、反復法における反復計算の回数(順位)kを1とし、ベクトルPを図6の式(31)に示した初期値の関数とした後、ステップ72に進んで、図5の式(22)〜(26)および図13の式(72)〜(76)によって、行列J(この場合は、図5の式(21)の行列の第5行を図13の式(72)〜(76)で置き換えた5行5列の行列)を求める。
【0166】
次に、ステップ73に進んで、図3の式(2)(この場合は、式(2a)〜(2d))および図13の式(71)によって、図4の式(17)中のベクトルFを求め、さらにステップ74に進んで、式(17)を解いてΔPを求める。
【0167】
次に、ステップ75に進んで、図7の式(36)の収束条件を満たすか否かを判断し、満たすときには、ステップ79aに進んで、測位計算成功として、測位計算処理を終了する。
【0168】
式(36)の収束条件を満たさないときには、ステップ75からステップ76に進んで、反復計算の回数kを1だけインクリメントし、さらにステップ77に進んで、そのインクリメント後の回数kが制限回数kmaxを超えたか否かを判断し、超えていなければ、ステップ78に進んで、直前のベクトルPにステップ74で算出されたΔPを加えたものを新たなベクトルPとして、ステップ72に戻って、ステップ72以下の処理を繰り返す。
【0169】
ステップ77で、反復計算の回数kが制限回数kmaxを超えたと判断したときには、ステップ79bに進んで、測位計算失敗として、測位計算処理を終了する。
【0170】
この場合も、制限回数以内の反復計算で収束したと判断されないときには、収束しなかったと見なすことによって、計算量の増大を防止することができるとともに、反復計算が発散してしまった場合に測位計算処理が終了しなくなるのを防止することができる。
【0171】
<差分時間Tiの算出処理:図18>
図18に、図15、図16、図17のルーチン50,60,70中の、差分時間Tiの算出処理のルーチン80の一例を示す。
【0172】
このルーチン80では、まず、ステップ81で、基準時刻toを図6に示した初期値(反復計算開始時点での受信機内部の時計が示す時刻)toaとして、その時刻toaでの衛星S1の位置X1を求め、次に、ステップ82で、上述したようにT1=0として、衛星S1についての、図8の式(45)の右辺の第1項に相当する値d1を求める。
【0173】
次に、ステップ83で、算出対象の衛星の番号iを2とした上で、ステップ84に進んで、上記の時刻toaでの衛星Siの位置Xiを求め、さらにステップ85に進んで、図8の式(45)で表される、衛星Siについての差分時間Tiを算出する。
【0174】
次に、ステップ86で、必要な差分時間Tiを全て算出できたか否かを判断し、全て算出できていないときには、ステップ87に進んで、算出対象の衛星の番号iを1だけインクリメントした上で、ステップ84に戻って、ステップ84以下の処理を繰り返し、必要な差分時間Tiを全て算出できたときには、差分時間Tiの算出処理を終了する。
【0175】
〔受信機外部で測位計算を行う測位システムの実施形態:図19〕
上述した実施形態は、図1の実施形態のようなGPS受信機において、受信機内のCPUおよび処理プログラムによって測位計算を行う場合であるが、GPS受信機と受信機外部の高速演算可能な演算処理装置を、高速通信可能な無線または有線の通信手段によって接続して、GPS受信機では、衛星からの信号を受信し、IFデータに変換して、外部演算処理装置に送信するだけで、測位計算を行わず、外部演算処理装置では、GPS受信機から送信されたIFデータを受信し、衛星の捕捉を行って拡散符号の位相を確定し、上述した方法で測位計算を行って、その算出結果の位置情報をGPS受信機に送信し、GPS受信機では、その送信された位置情報を受信して、ディスプレイ上に自身の位置を表示するシステム構成とすることもできる。
【0176】
図19は、このような測位システムの一実施形態を示し、GPS受信機90は、携帯電話端末などのような無線通信端末として構成され、外部演算処理装置100は、携帯電話の基地局などに無線通信機能を備えるものとして設けられる場合である。
【0177】
GPS受信機90では、アンテナ11で受信された衛星からの信号が、周波数変換部20で中間周波信号に変換され、さらに上記のIFデータに変換されて、制御演算部30に取り込まれる。
【0178】
しかし、GPS受信機90では、同期捕捉および測位計算は行われず、変換後のIFデータが、そのまま、変復調部93で変調され、送受信部92で無線周波数の信号に変換されて、アンテナ91から外部演算処理装置100に送信される。
【0179】
外部演算処理装置100では、GPS受信機90からの無線周波数の信号が、アンテナ101で受信され、送受信部102で周波数変換され、変復調部103で復調されて、上記のIFデータが得られ、さらに演算処理部104内の同期捕捉部で、そのIFデータによって衛星の捕捉が行われ、拡散符号の位相が検出される。
【0180】
さらに、演算処理部104では、その拡散符号の位相から、上述した第1〜第3の方法による測位計算処理が実行される。この場合、衛星の軌道情報としては、外部演算処理装置100の設置場所で別途、衛星からの信号を受信することによって得られて、外部演算処理装置100の記憶装置部105に書き込まれた軌道情報が用いられる。
【0181】
また、受信機の概略位置としては、記憶装置部105に記憶されている直前の測位結果の位置、または、外部演算処理装置100の設置場所で別途、衛星からの信号を受信し、測位計算を行うことによって得られた、外部演算処理装置100の位置が用いられる。後者の場合、外部演算処理装置100がGPS受信機90に近い場所に存在するものとすれば、外部演算処理装置100の位置をGPS受信機90の概略位置とすることができる。
【0182】
外部演算処理装置100では、その算出結果の位置情報データが、変復調部103で変調され、送受信部102で無線周波数の信号に変換されて、アンテナ101からGPS受信機90に送信される。
【0183】
GPS受信機90では、その信号が、アンテナ91で受信され、送受信部92で周波数変換され、変復調部93で復調されて、算出結果の位置情報が得られ、さらに、その位置情報により、制御演算部30によって、ディスプレイ17上に、地図メモリ16から読み出された地図情報によって表示された地図上において、GPS受信機90の位置が表示される。
【0184】
なお、GPS受信機90としては地図情報を持たずに、外部演算処理装置100から算出結果の位置情報が送信される際、その位置の近傍部分の地図情報が一緒に、外部演算処理装置100からGPS受信機90に送信され、GPS受信機90での位置表示に供されるように構成することもできる。
【0185】
この実施形態の測位システムによれば、外部演算処理装置100では、TOWを確定させることなく、上述した第1〜第3の方法によって受信機の座標を算出することができるので、GPS受信機90としては、TOWを確定させるのに必要な6秒分以上というような長時間分のIFデータを外部演算処理装置100に送信する必要がなく、拡散符号の位相を確定させるのに必要な1m秒分のIFデータを外部演算処理装置100に送信すればよく、GPS受信機90内のIFデータを格納するために必要なメモリ領域を大幅に削減することができるとともに、GPS受信機90と外部演算処理装置100との間のデータ授受のための通信手段に対する帯域などの制約を緩和することができる。
【0186】
〔他の実施形態〕
上述した実施形態は、この発明をGPSに適用した場合であるが、この発明は、衛星を利用し、拡散符号を用いる測位システムであれば、GPS以外の測位システムにも適用することができる。
【0187】
【発明の効果】
上述したように、この発明によれば、受信機の起動直後のように最新の時刻情報が得られていない状態や、衛星からの信号が弱い状況下であるために衛星の拡散符号発信時刻を確定できない状態でも、受信機の位置を算出することができ、受信機の起動直後では、最初の測位までの時間を大幅に短縮することができるとともに、衛星からの信号が弱い状況下では、測位率の向上を実現することができる。
【0188】
また、消費電力の削減のために、ユーザの要求があったときに限って測位計算を行う場合、受信機の動作期間を短縮することができ、より消費電力を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の測位用受信機の一実施形態を示す図である。
【図2】この発明の測位計算方法の説明に供する図である。
【図3】第1の方法で用いる連立方程式を示す図である。
【図4】図3の連立方程式を解く方法を示す図である。
【図5】図3の連立方程式を解く方法を示す図である。
【図6】図3の連立方程式を解く方法を示す図である。
【図7】図3の連立方程式を解く方法を示す図である。
【図8】差分時間の算出方法を示す図である。
【図9】受信機の概略位置の許容範囲の説明に供する図である。
【図10】受信機内部の時計の誤差の許容範囲の説明に供する図である。
【図11】許容範囲の説明に供する図である。
【図12】第2の方法で用いる方程式を示す図である。
【図13】第3の方法で用いる方程式を示す図である。
【図14】全体の測位処理のルーチンの一例を示す図である。
【図15】第1の方法による測位計算処理ルーチンの一例を示す図である。
【図16】第2の方法による測位計算処理ルーチンの一例を示す図である。
【図17】第3の方法による測位計算処理ルーチンの一例を示す図である。
【図18】差分時間の算出処理ルーチンの一例を示す図である。
【図19】受信機外部で測位計算を行う測位システムの一実施形態を示す図である。
【図20】GPSにおける拡散符号および航法メッセージの説明に供する図である。
【図21】GPSにおけるフレームフォーマットを示す図である。
【図22】従来の測位計算方法の説明に供する図である。
【符号の説明】
主要部については図中に全て記述したので、ここでは省略する。

Claims (9)

  1. 少なくとも5個の衛星からの信号が受信され、その各衛星の拡散符号の位相および軌道情報が得られ、おおよその現在時刻が得られているとともに、受信機の概略位置が既知の状態で、
    前記5個の衛星につき、衛星の拡散符号発信時刻を、拡散符号の1周期に相当する単位時間未満の桁の時刻と、単位時間以上の桁の時刻との和で表し、かつ、その単位時間以上の桁の時刻を、各衛星に共通の基準時刻と、衛星ごとに個別の差分時間との和で表したときの基準時刻、拡散符号受信時刻を計測する時計の誤差、および受信機の3次元座標の、総計5つの変数を未知数とした、衛星および受信機の位置と拡散符号の到達所要時間との関係を表す方程式を定立し、その総計5個の方程式からなる連立方程式を解いて、受信機の3次元座標を算出する測位計算方法。
  2. 6個以上の衛星からの信号が受信され、その各衛星の拡散符号の位相および軌道情報が得られ、おおよその現在時刻が得られているとともに、受信機の概略位置が既知の状態で、
    前記6個以上の衛星につき、衛星の拡散符号発信時刻を、拡散符号の1周期に相当する単位時間未満の桁の時刻と、単位時間以上の桁の時刻との和で表し、かつ、その単位時間以上の桁の時刻を、各衛星に共通の基準時刻と、衛星ごとに個別の差分時間との和で表したときの基準時刻、拡散符号受信時刻を計測する時計の誤差、および受信機の3次元座標の、総計5つの変数を未知数とした、衛星および受信機の位置と拡散符号の到達所要時間との関係を表す方程式を定立し、その総計6個以上の方程式からなる連立方程式を最小二乗法によって解いて、受信機の3次元座標を算出する測位計算方法。
  3. 少なくとも4個の衛星からの信号が受信され、その各衛星の拡散符号の位相および軌道情報が得られ、おおよその現在時刻が得られているとともに、受信機の概略位置が既知の状態で、
    前記4個の衛星につき、衛星の拡散符号発信時刻を、拡散符号の1周期に相当する単位時間未満の桁の時刻と、単位時間以上の桁の時刻との和で表し、かつ、その単位時間以上の桁の時刻を、各衛星に共通の基準時刻と、衛星ごとに個別の差分時間との和で表したときの基準時刻、拡散符号受信時刻を計測する時計の誤差、および受信機の3次元座標の、総計5つの変数を未知数とした、衛星および受信機の位置と拡散符号の到達所要時間との関係を表す方程式を定立するとともに、座標原点から受信機までの距離が一定であることを表す方程式を定立し、その総計5個の方程式からなる連立方程式を解いて、受信機の3次元座標を算出する測位計算方法。
  4. 衛星の軌道情報および、おおよその現在時刻が得られているとともに、受信機の概略位置が既知の状態で、その軌道情報が得られている少なくとも5個の衛星からの信号を受信し、拡散符号の位相を確定する工程と、
    前記5個の衛星につき、衛星の拡散符号発信時刻を、拡散符号の1周期に相当する単位時間未満の桁の時刻と、単位時間以上の桁の時刻との和で表し、かつ、その単位時間以上の桁の時刻を、各衛星に共通の基準時刻と、衛星ごとに個別の差分時間との和で表したときの基準時刻、受信機内部の時計の誤差、および受信機の3次元座標の、総計5つの変数を未知数とした、衛星および受信機の位置と拡散符号の到達所要時間との関係を表す方程式を定立し、その総計5個の方程式からなる連立方程式を解いて、受信機の3次元座標を算出する工程と、
    を備える測位計算方法。
  5. 衛星の軌道情報および、おおよその現在時刻が得られているとともに、受信機の概略位置が既知の状態で、その軌道情報が得られている6個以上の衛星からの信号を受信し、拡散符号の位相を確定する工程と、
    前記6個以上の衛星につき、衛星の拡散符号発信時刻を、拡散符号の1周期に相当する単位時間未満の桁の時刻と、単位時間以上の桁の時刻との和で表し、かつ、その単位時間以上の桁の時刻を、各衛星に共通の基準時刻と、衛星ごとに個別の差分時間との和で表したときの基準時刻、受信機内部の時計の誤差、および受信機の3次元座標の、総計5つの変数を未知数とした、衛星および受信機の位置と拡散符号の到達所要時間との関係を表す方程式を定立し、その総計6個以上の方程式からなる連立方程式を解いて、受信機の3次元座標を算出する工程と、
    を備える測位計算方法。
  6. 衛星の軌道情報および、おおよその現在時刻が得られているとともに、受信機の概略位置が既知の状態で、その軌道情報が得られている少なくとも4個の衛星からの信号を受信し、拡散符号の位相を確定する工程と、
    前記4個の衛星につき、衛星の拡散符号発信時刻を、拡散符号の1周期に相当する単位時間未満の桁の時刻と、単位時間以上の桁の時刻との和で表し、かつ、その単位時間以上の桁の時刻を、各衛星に共通の基準時刻と、衛星ごとに個別の差分時間との和で表したときの基準時刻、受信機内部の時計の誤差、および受信機の3次元座標の、総計5つの変数を未知数とした、衛星および受信機の位置と拡散符号の到達所要時間との関係を表す方程式を定立するとともに、座標原点から受信機までの距離が一定であることを表す方程式を定立し、その総計5個の方程式からなる連立方程式を解いて、受信機の3次元座標を算出する工程と、
    を備える測位計算方法。
  7. 衛星の軌道情報および、おおよその現在時刻が得られているとともに、受信機の概略位置が既知の状態で、その軌道情報が得られている少なくとも5個の衛星からの信号を受信し、拡散符号の位相を確定する手段と、
    前記5個の衛星につき、衛星の拡散符号発信時刻を、拡散符号の1周期に相当する単位時間未満の桁の時刻と、単位時間以上の桁の時刻との和で表し、かつ、その単位時間以上の桁の時刻を、各衛星に共通の基準時刻と、衛星ごとに個別の差分時間との和で表したときの基準時刻、受信機内部の時計の誤差、および受信機の3次元座標の、総計5つの変数を未知数とした、衛星および受信機の位置と拡散符号の到達所要時間との関係を表す方程式を定立し、その総計5個の方程式からなる連立方程式を解いて、受信機の3次元座標を算出する手段と、
    を備える測位用受信機。
  8. 衛星の軌道情報および、おおよその現在時刻が得られているとともに、受信機の概略位置が既知の状態で、その軌道情報が得られている6個以上の衛星からの信号を受信し、拡散符号の位相を確定する手段と、
    前記6個以上の衛星につき、衛星の拡散符号発信時刻を、拡散符号の1周期に相当する単位時間未満の桁の時刻と、単位時間以上の桁の時刻との和で表し、かつ、その単位時間以上の桁の時刻を、各衛星に共通の基準時刻と、衛星ごとに個別の差分時間との和で表したときの基準時刻、受信機内部の時計の誤差、および受信機の3次元座標の、総計5つの変数を未知数とした、衛星および受信機の位置と拡散符号の到達所要時間との関係を表す方程式を定立し、その総計6個以上の方程式からなる連立方程式を解いて、受信機の3次元座標を算出する手段と、
    を備える測位用受信機。
  9. 衛星の軌道情報および、おおよその現在時刻が得られているとともに、受信機の概略位置が既知の状態で、その軌道情報が得られている少なくとも4個の衛星からの信号を受信し、拡散符号の位相を確定する手段と、
    前記4個の衛星につき、衛星の拡散符号発信時刻を、拡散符号の1周期に相当する単位時間未満の桁の時刻と、単位時間以上の桁の時刻との和で表し、かつ、その単位時間以上の桁の時刻を、各衛星に共通の基準時刻と、衛星ごとに個別の差分時間との和で表したときの基準時刻、受信機内部の時計の誤差、および受信機の3次元座標の、総計5つの変数を未知数とした、衛星および受信機の位置と拡散符号の到達所要時間との関係を表す方程式を定立するとともに、座標原点から受信機までの距離が一定であることを表す方程式を定立し、その総計5個の方程式からなる連立方程式を解いて、受信機の3次元座標を算出する手段と、
    を備える測位用受信機。
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