JP2004028603A - ガス濃度計測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】不活性ガスの濃度が高い場合であっても、炭化水素ガスの濃度を正確に計測することができるガス濃度計測装置を提供する。
【解決手段】先端側からガスをサンプリングするサンプリング管11と、サンプリング管11の基端側が途中に連結された配管12と、配管12の一端側に連結されて空気103を送給する空気送給器13と、配管12の他端側に連結されてメタンガスを検出する水素炎イオンセンサ(FID)14と、FID14での検出結果、サンプリング管11からのサンプリングガス102の流量及び空気送給器13からの空気103の流量に基づいて、サンプリングガス102中のメタンガスの濃度を算出する演算制御装置15とを備えてガス濃度計測装置10を構成した。
【選択図】 図1
【解決手段】先端側からガスをサンプリングするサンプリング管11と、サンプリング管11の基端側が途中に連結された配管12と、配管12の一端側に連結されて空気103を送給する空気送給器13と、配管12の他端側に連結されてメタンガスを検出する水素炎イオンセンサ(FID)14と、FID14での検出結果、サンプリング管11からのサンプリングガス102の流量及び空気送給器13からの空気103の流量に基づいて、サンプリングガス102中のメタンガスの濃度を算出する演算制御装置15とを備えてガス濃度計測装置10を構成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス濃度計測装置に関し、特に、炭化水素系ガスと不活性ガスとを混合したトレーサガスを混合された空気中の炭化水素系ガスの濃度を計測する場合に適用すると有効である。
【0002】
【従来の技術】
例えば、風洞実験装置によりガスの大気移動予測実験を行う際には、送風状態の風洞内にメタンガス等の炭化水素系ガスをトレーサガスとして所定量ずつ送給し、所定の箇所でサンプリングした空気中に含まれる炭化水素系ガスの濃度の変動を水素炎イオンセンサ(FID)で検出するようにしている。また、炭化水素系ガスよりも比重の小さいガスの大気移動予測実験を行う場合には、例えばヘリウムガス等のような比重の小さいガスを炭化水素系ガスに所定の割合で混合して小比重化したトレーサガスを送風状態の風洞内に所定量ずつ送給し、所定の箇所でサンプリングした空気中に含まれる炭化水素系ガスの濃度の変動をFIDで検出するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述したような風洞実験装置において、例えば、水素ガスの大気移動予測実験を行う場合には、水素ガスを使用すると危険であるため、メタンガスにヘリウムガスを多量に混合して非常に小比重化したトレーサガス(メタンガス:ヘリウムガス=1:99)を使用することがある。ところが、前述したようなFIDは、送給されるヘリウムガス(不活性ガス)の濃度が高いと、メタン濃度の検出誤差が大きくなってしまう特性があった。
【0004】
具体的には、例えば、メタンガスに対するヘリウムガスの混合割合とFIDのメタン濃度の検出結果の誤差率との関係を表す図4に示すように、メタンガスに対するヘリウムガスの混合割合が10%を超えると、FIDによるメタン濃度の検出結果の誤差率が非常に大きくなってしまうのである。
【0005】
このようなことから、本発明は、不活性ガスの濃度が高い場合であっても、炭化水素系ガスの濃度を正確に計測することができるガス濃度計測装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するための、第一番目の発明によるガス濃度計測装置は、先端側からガスをサンプリングするサンプリング管と、前記サンプリング管の基端側が途中に連結された配管と、前記配管の一端側に連結されて空気を送給する空気送給手段と、前記配管の他端側に連結されて炭化水素系ガスを検出する水素炎イオンセンサと、前記水素炎イオンセンサでの検出結果、前記サンプリング管からの前記ガスの流量及び前記空気送給手段からの前記空気の流量に基づいて、前記ガス中の炭化水素系ガスの濃度を算出する演算制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0007】
第二番目の発明によるガス濃度計測装置は、第一番目の発明において、前記サンプリング管が、基端側を前記配管に挿入連結されると共に、基端面を閉塞され、周方向に沿って孔を複数形成されていることを特徴とする。
【0008】
第三番目の発明によるガス濃度計測装置は、第一番目または第二番目の発明において、前記演算制御手段が、前記水素炎イオンセンサでの検出結果に基づいて、前記空気送給手段からの前記空気の流量を最も少なくするように、当該空気送給手段を制御することを特徴とする。
【0009】
第四番目の発明によるガス濃度計測装置は、第一番目から第三番目の発明のいずれかにおいて、前記サンプリング管でサンプリングするガスが、炭化水素系ガスと不活性ガスとを混合したトレーサガスを混合された空気であることを特徴とする。
【0010】
第五番目の発明によるガス濃度計測装置は、第四番目の発明において、前記サンプリング管でサンプリングするガスが、風洞実験装置の風洞内を流通する空気であることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明によるガス濃度計測装置の実施の形態を図1,2を用いて説明する。図1は、ガス濃度計測装置の概略構成図、図2は、図1の矢線II部の抽出拡大図である。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0012】
図1に示すように、空気100を送風する風洞1内には、炭化水素系ガスであるメタンガスと比重の小さい不活性ガスであるヘリウムガスとを混合して非常に小比重化したトレーサガス101(メタンガス:ヘリウムガス=1:99)を送給するトレーサガスノズル2が配設されている。風洞1内のトレーサガスノズル2よりも下流側には、サンプリング管11の先端側が配設されている。サンプリング管11の基端側は、配管12の途中に挿入接続されており、図2に示すように、基端面が閉塞されると共に、周面に孔11aが周方向に沿って複数形成されている。
【0013】
図1に示すように、前記配管12の一端側には、空気103を送給する空気送給手段である空気送給器13が連結されている。上記配管12の他端側には、吸引手段を備えた水素炎イオンセンサ(FID)14が連結されている。FID14は、演算制御手段である演算制御装置15の入力部に電気的に接続されている。演算制御装置15の出力部は、前記空気送給器13および表示装置16に電気的に接続されており、当該演算制御装置15は、FID14での検出結果に基づいて、その計測結果を表示装置16に表示すると共に、空気送給器13を制御するようになっている(詳細は後述する。)。
【0014】
このような本実施の形態によるガス濃度計測装置10の作用を次に説明する。
【0015】
風洞1内で空気100を送風すると共に、トレーサガスノズル2からトレーサガス101を所定量(例えば1リットル/min)ずつ送給して、トレーサガス101を混合した空気100をサンプリング管11の先端からサンプリングすると共に、空気送給器13を作動して配管12の一端側から他端側へ向けて所定量(例えば9リットル/min)の空気103を送給すると、サンプリング管11の先端からサンプリングされたサンプリングガス102は、サンプリング管11の基端側の各孔11aから配管12内に送給されて、空気送給器13からの空気103とまんべんなく混合され、計測ガス104となってFID14に送給される。
【0016】
ここで、計測ガス104は、そのヘリウム濃度が、空気103の混合により低下し(1/10)、FID14によるメタン濃度の検出結果に大きな誤差を与えることのない大きさにまで低下している(10%以下)。このため、FID14は、計測ガス104中のメタン濃度を正確に検出することができ、演算制御装置15は、当該FID14による検出結果、サンプリング管11からのサンプリングガス102の流量及び空気送給器13からの空気103の流量に基づいて、サンプリングガス102中のメタン濃度を算出し、その結果を表示装置16に表示する。
【0017】
引き続き、演算制御装置15は、FID14での検出結果に基づいて、空気送給器13からの空気103の流量を最も少なくするように、当該空気送給器13を制御する。
【0018】
具体的には、演算制御装置15は、サンプリングガス102の流量q0 に対して、当初に設定した流量Q1 の空気103を送給するように空気送給器13を制御して、そのときの計測ガス104中のメタン濃度C1 をFID14からの検出結果に基づいて求める。
【0019】
続いて、演算制御装置15は、上記流量Q1 よりも所定の割合で小さい流量Q2 の空気103を送給するように空気送給器13を制御して、そのときの計測ガス104中のメタン濃度C2 をFID14からの検出結果に基づいて求め、上記メタン濃度C1 と上記メタン濃度C2 とを比較して、当該メタン濃度C1 と当該メタン濃度C2 とが等しい場合には、上記流量Q1 よりも所定の割合でさらに小さい流量Q3 の空気103を送給するように空気送給器13を制御して、そのときの計測ガス104中のメタン濃度C3 をFID14からの検出結果に基づいて求め、上記メタン濃度C1 と上記メタン濃度C3 とを比較する。
【0020】
このように、演算制御装置15は、空気送給器13からの空気103の流量を徐々に減少させながら計測ガス104中のメタン濃度を算出して求めていき、流量Qn の空気103を送給したときに、FID14からの検出結果に基づいて求めたメタン濃度Cn が上記メタン濃度C1 と異なる(小さい)と、当該流量Qn では少ないと判断し、当該流量Qn で送給する一つ前の流量Qn−1 で空気103を送給するように空気送給器13を制御する。
【0021】
つまり、FID14での検出結果に誤差を生じ始めてしまう空気103の流量Qn を求めることにより、FID14での検出結果に誤差を生じることのない空気103の最小の流量Qn−1 を求めて送給するのである。
【0022】
したがって、本実施の形態のガス濃度計測装置10によれば、ヘリウムガスの濃度が非常に高い場合であっても、メタンガスの濃度を正確に計測することができる。
【0023】
また、サンプリング管11の基端面を閉塞すると共に、周面に孔11aを周方向に沿って複数形成することにより、サンプリング管11の当該孔11aから配管12内にサンプリングガス102が均等に送出されるようにしたので、空気送給器13からの空気103とサンプリングガス102とをムラなく混合することができ、検出誤差をより確実に小さくすることができる。
【0024】
また、演算制御装置15により、FID14での検出結果に基づいて、空気送給器13からの空気103の流量を最も少なくするように、当該空気送給器13を制御するようにしたので、計測ガス104中のメタンガスの濃度低下を必要最小限に抑制することができ、サンプリングガス102中のメタン濃度の検出可能な下限値の上昇を抑制することができる。
【0025】
また、サンプリング管11や配管12の内径のサイズを一般的なサイズ(4mm)よりも小さくすると(1〜2mm)、図3に示すように、計測ガス104中のメタン濃度の変動を応答性よく把握することができるので好ましい。
【0026】
なお、図1では、サンプリング管11、配管12、空気送給器13、FID14を一つずつしか示していないが、風洞実験装置においては、これら各部材11〜14を、風洞1の周方向及び軸方向に沿って所定の間隔で多数設け、各サンプリング点でのメタン濃度を演算制御装置15で求めることにより、風洞1内でのトレーサガス101の流れを把握することができる。
【0027】
【発明の効果】
第一番目の発明によるガス濃度計測装置は、先端側からガスをサンプリングするサンプリング管と、前記サンプリング管の基端側が途中に連結された配管と、前記配管の一端側に連結されて空気を送給する空気送給手段と、前記配管の他端側に連結されて炭化水素系ガスを検出する水素炎イオンセンサと、前記水素炎イオンセンサでの検出結果、前記サンプリング管からの前記ガスの流量及び前記空気送給手段からの前記空気の流量に基づいて、前記ガス中の炭化水素系ガスの濃度を算出する演算制御手段とを備えているので、例えば、サンプリング管の先端側からサンプリングされたガス中の不活性ガスの濃度が非常に高い場合であっても、炭化水素系ガスの濃度を正確に計測することができる。
【0028】
第二番目の発明によるガス濃度計測装置は、第一番目の発明において、前記サンプリング管が、基端側を前記配管に挿入連結されると共に、基端面を閉塞され、周方向に沿って孔を複数形成されているので、空気送給手段からの空気とサンプリングしたガスとをムラなく混合することができ、検出誤差をより確実に小さくすることができる。
【0029】
第三番目の発明によるガス濃度計測装置は、第一番目または第二番目の発明において、前記演算制御手段が、前記水素炎イオンセンサでの検出結果に基づいて、前記空気送給手段からの前記空気の流量を最も少なくするように、当該空気送給手段を制御するので、サンプリングしたガス中の炭化水素系ガス濃度の検出可能な下限値の上昇を抑制することができる。
【0030】
第四番目の発明によるガス濃度計測装置は、第一番目から第三番目の発明のいずれかにおいて、前記サンプリング管でサンプリングするガスが、炭化水素系ガスと不活性ガスとを混合したトレーサガスを混合された空気であるので、上述した効果を最も確実に発現することができる。
【0031】
第五番目の発明によるガス濃度計測装置は、第四番目の発明において、前記サンプリング管でサンプリングするガスが、風洞実験装置の風洞内を流通する空気であるので、上述した効果を最も有効に発現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるガス濃度計測装置の実施の形態の概略構成図である。
【図2】図1の矢線II部の抽出拡大図である。
【図3】サンプリング管及び配管の内径のサイズによる、計測ガス中のメタン濃度の変動の応答性の違いを表すグラフである。
【図4】メタンガスに対するヘリウムガスの混合割合とFIDのメタン濃度の検出結果の誤差率との関係を表すグラフである。
【符号の説明】
1 風洞
2 トレーサガスノズル
10 ガス濃度計測装置
11 サンプリング管
11a 孔
12 配管
13 空気送給器
14 水素炎イオンセンサ(FID)
15 演算制御装置
16 表示装置
100 空気
101 トレーサガス
102 サンプリングガス
103 空気
104 計測ガス
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス濃度計測装置に関し、特に、炭化水素系ガスと不活性ガスとを混合したトレーサガスを混合された空気中の炭化水素系ガスの濃度を計測する場合に適用すると有効である。
【0002】
【従来の技術】
例えば、風洞実験装置によりガスの大気移動予測実験を行う際には、送風状態の風洞内にメタンガス等の炭化水素系ガスをトレーサガスとして所定量ずつ送給し、所定の箇所でサンプリングした空気中に含まれる炭化水素系ガスの濃度の変動を水素炎イオンセンサ(FID)で検出するようにしている。また、炭化水素系ガスよりも比重の小さいガスの大気移動予測実験を行う場合には、例えばヘリウムガス等のような比重の小さいガスを炭化水素系ガスに所定の割合で混合して小比重化したトレーサガスを送風状態の風洞内に所定量ずつ送給し、所定の箇所でサンプリングした空気中に含まれる炭化水素系ガスの濃度の変動をFIDで検出するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述したような風洞実験装置において、例えば、水素ガスの大気移動予測実験を行う場合には、水素ガスを使用すると危険であるため、メタンガスにヘリウムガスを多量に混合して非常に小比重化したトレーサガス(メタンガス:ヘリウムガス=1:99)を使用することがある。ところが、前述したようなFIDは、送給されるヘリウムガス(不活性ガス)の濃度が高いと、メタン濃度の検出誤差が大きくなってしまう特性があった。
【0004】
具体的には、例えば、メタンガスに対するヘリウムガスの混合割合とFIDのメタン濃度の検出結果の誤差率との関係を表す図4に示すように、メタンガスに対するヘリウムガスの混合割合が10%を超えると、FIDによるメタン濃度の検出結果の誤差率が非常に大きくなってしまうのである。
【0005】
このようなことから、本発明は、不活性ガスの濃度が高い場合であっても、炭化水素系ガスの濃度を正確に計測することができるガス濃度計測装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するための、第一番目の発明によるガス濃度計測装置は、先端側からガスをサンプリングするサンプリング管と、前記サンプリング管の基端側が途中に連結された配管と、前記配管の一端側に連結されて空気を送給する空気送給手段と、前記配管の他端側に連結されて炭化水素系ガスを検出する水素炎イオンセンサと、前記水素炎イオンセンサでの検出結果、前記サンプリング管からの前記ガスの流量及び前記空気送給手段からの前記空気の流量に基づいて、前記ガス中の炭化水素系ガスの濃度を算出する演算制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0007】
第二番目の発明によるガス濃度計測装置は、第一番目の発明において、前記サンプリング管が、基端側を前記配管に挿入連結されると共に、基端面を閉塞され、周方向に沿って孔を複数形成されていることを特徴とする。
【0008】
第三番目の発明によるガス濃度計測装置は、第一番目または第二番目の発明において、前記演算制御手段が、前記水素炎イオンセンサでの検出結果に基づいて、前記空気送給手段からの前記空気の流量を最も少なくするように、当該空気送給手段を制御することを特徴とする。
【0009】
第四番目の発明によるガス濃度計測装置は、第一番目から第三番目の発明のいずれかにおいて、前記サンプリング管でサンプリングするガスが、炭化水素系ガスと不活性ガスとを混合したトレーサガスを混合された空気であることを特徴とする。
【0010】
第五番目の発明によるガス濃度計測装置は、第四番目の発明において、前記サンプリング管でサンプリングするガスが、風洞実験装置の風洞内を流通する空気であることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明によるガス濃度計測装置の実施の形態を図1,2を用いて説明する。図1は、ガス濃度計測装置の概略構成図、図2は、図1の矢線II部の抽出拡大図である。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0012】
図1に示すように、空気100を送風する風洞1内には、炭化水素系ガスであるメタンガスと比重の小さい不活性ガスであるヘリウムガスとを混合して非常に小比重化したトレーサガス101(メタンガス:ヘリウムガス=1:99)を送給するトレーサガスノズル2が配設されている。風洞1内のトレーサガスノズル2よりも下流側には、サンプリング管11の先端側が配設されている。サンプリング管11の基端側は、配管12の途中に挿入接続されており、図2に示すように、基端面が閉塞されると共に、周面に孔11aが周方向に沿って複数形成されている。
【0013】
図1に示すように、前記配管12の一端側には、空気103を送給する空気送給手段である空気送給器13が連結されている。上記配管12の他端側には、吸引手段を備えた水素炎イオンセンサ(FID)14が連結されている。FID14は、演算制御手段である演算制御装置15の入力部に電気的に接続されている。演算制御装置15の出力部は、前記空気送給器13および表示装置16に電気的に接続されており、当該演算制御装置15は、FID14での検出結果に基づいて、その計測結果を表示装置16に表示すると共に、空気送給器13を制御するようになっている(詳細は後述する。)。
【0014】
このような本実施の形態によるガス濃度計測装置10の作用を次に説明する。
【0015】
風洞1内で空気100を送風すると共に、トレーサガスノズル2からトレーサガス101を所定量(例えば1リットル/min)ずつ送給して、トレーサガス101を混合した空気100をサンプリング管11の先端からサンプリングすると共に、空気送給器13を作動して配管12の一端側から他端側へ向けて所定量(例えば9リットル/min)の空気103を送給すると、サンプリング管11の先端からサンプリングされたサンプリングガス102は、サンプリング管11の基端側の各孔11aから配管12内に送給されて、空気送給器13からの空気103とまんべんなく混合され、計測ガス104となってFID14に送給される。
【0016】
ここで、計測ガス104は、そのヘリウム濃度が、空気103の混合により低下し(1/10)、FID14によるメタン濃度の検出結果に大きな誤差を与えることのない大きさにまで低下している(10%以下)。このため、FID14は、計測ガス104中のメタン濃度を正確に検出することができ、演算制御装置15は、当該FID14による検出結果、サンプリング管11からのサンプリングガス102の流量及び空気送給器13からの空気103の流量に基づいて、サンプリングガス102中のメタン濃度を算出し、その結果を表示装置16に表示する。
【0017】
引き続き、演算制御装置15は、FID14での検出結果に基づいて、空気送給器13からの空気103の流量を最も少なくするように、当該空気送給器13を制御する。
【0018】
具体的には、演算制御装置15は、サンプリングガス102の流量q0 に対して、当初に設定した流量Q1 の空気103を送給するように空気送給器13を制御して、そのときの計測ガス104中のメタン濃度C1 をFID14からの検出結果に基づいて求める。
【0019】
続いて、演算制御装置15は、上記流量Q1 よりも所定の割合で小さい流量Q2 の空気103を送給するように空気送給器13を制御して、そのときの計測ガス104中のメタン濃度C2 をFID14からの検出結果に基づいて求め、上記メタン濃度C1 と上記メタン濃度C2 とを比較して、当該メタン濃度C1 と当該メタン濃度C2 とが等しい場合には、上記流量Q1 よりも所定の割合でさらに小さい流量Q3 の空気103を送給するように空気送給器13を制御して、そのときの計測ガス104中のメタン濃度C3 をFID14からの検出結果に基づいて求め、上記メタン濃度C1 と上記メタン濃度C3 とを比較する。
【0020】
このように、演算制御装置15は、空気送給器13からの空気103の流量を徐々に減少させながら計測ガス104中のメタン濃度を算出して求めていき、流量Qn の空気103を送給したときに、FID14からの検出結果に基づいて求めたメタン濃度Cn が上記メタン濃度C1 と異なる(小さい)と、当該流量Qn では少ないと判断し、当該流量Qn で送給する一つ前の流量Qn−1 で空気103を送給するように空気送給器13を制御する。
【0021】
つまり、FID14での検出結果に誤差を生じ始めてしまう空気103の流量Qn を求めることにより、FID14での検出結果に誤差を生じることのない空気103の最小の流量Qn−1 を求めて送給するのである。
【0022】
したがって、本実施の形態のガス濃度計測装置10によれば、ヘリウムガスの濃度が非常に高い場合であっても、メタンガスの濃度を正確に計測することができる。
【0023】
また、サンプリング管11の基端面を閉塞すると共に、周面に孔11aを周方向に沿って複数形成することにより、サンプリング管11の当該孔11aから配管12内にサンプリングガス102が均等に送出されるようにしたので、空気送給器13からの空気103とサンプリングガス102とをムラなく混合することができ、検出誤差をより確実に小さくすることができる。
【0024】
また、演算制御装置15により、FID14での検出結果に基づいて、空気送給器13からの空気103の流量を最も少なくするように、当該空気送給器13を制御するようにしたので、計測ガス104中のメタンガスの濃度低下を必要最小限に抑制することができ、サンプリングガス102中のメタン濃度の検出可能な下限値の上昇を抑制することができる。
【0025】
また、サンプリング管11や配管12の内径のサイズを一般的なサイズ(4mm)よりも小さくすると(1〜2mm)、図3に示すように、計測ガス104中のメタン濃度の変動を応答性よく把握することができるので好ましい。
【0026】
なお、図1では、サンプリング管11、配管12、空気送給器13、FID14を一つずつしか示していないが、風洞実験装置においては、これら各部材11〜14を、風洞1の周方向及び軸方向に沿って所定の間隔で多数設け、各サンプリング点でのメタン濃度を演算制御装置15で求めることにより、風洞1内でのトレーサガス101の流れを把握することができる。
【0027】
【発明の効果】
第一番目の発明によるガス濃度計測装置は、先端側からガスをサンプリングするサンプリング管と、前記サンプリング管の基端側が途中に連結された配管と、前記配管の一端側に連結されて空気を送給する空気送給手段と、前記配管の他端側に連結されて炭化水素系ガスを検出する水素炎イオンセンサと、前記水素炎イオンセンサでの検出結果、前記サンプリング管からの前記ガスの流量及び前記空気送給手段からの前記空気の流量に基づいて、前記ガス中の炭化水素系ガスの濃度を算出する演算制御手段とを備えているので、例えば、サンプリング管の先端側からサンプリングされたガス中の不活性ガスの濃度が非常に高い場合であっても、炭化水素系ガスの濃度を正確に計測することができる。
【0028】
第二番目の発明によるガス濃度計測装置は、第一番目の発明において、前記サンプリング管が、基端側を前記配管に挿入連結されると共に、基端面を閉塞され、周方向に沿って孔を複数形成されているので、空気送給手段からの空気とサンプリングしたガスとをムラなく混合することができ、検出誤差をより確実に小さくすることができる。
【0029】
第三番目の発明によるガス濃度計測装置は、第一番目または第二番目の発明において、前記演算制御手段が、前記水素炎イオンセンサでの検出結果に基づいて、前記空気送給手段からの前記空気の流量を最も少なくするように、当該空気送給手段を制御するので、サンプリングしたガス中の炭化水素系ガス濃度の検出可能な下限値の上昇を抑制することができる。
【0030】
第四番目の発明によるガス濃度計測装置は、第一番目から第三番目の発明のいずれかにおいて、前記サンプリング管でサンプリングするガスが、炭化水素系ガスと不活性ガスとを混合したトレーサガスを混合された空気であるので、上述した効果を最も確実に発現することができる。
【0031】
第五番目の発明によるガス濃度計測装置は、第四番目の発明において、前記サンプリング管でサンプリングするガスが、風洞実験装置の風洞内を流通する空気であるので、上述した効果を最も有効に発現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるガス濃度計測装置の実施の形態の概略構成図である。
【図2】図1の矢線II部の抽出拡大図である。
【図3】サンプリング管及び配管の内径のサイズによる、計測ガス中のメタン濃度の変動の応答性の違いを表すグラフである。
【図4】メタンガスに対するヘリウムガスの混合割合とFIDのメタン濃度の検出結果の誤差率との関係を表すグラフである。
【符号の説明】
1 風洞
2 トレーサガスノズル
10 ガス濃度計測装置
11 サンプリング管
11a 孔
12 配管
13 空気送給器
14 水素炎イオンセンサ(FID)
15 演算制御装置
16 表示装置
100 空気
101 トレーサガス
102 サンプリングガス
103 空気
104 計測ガス
Claims (5)
- 先端側からガスをサンプリングするサンプリング管と、
前記サンプリング管の基端側が途中に連結された配管と、
前記配管の一端側に連結されて空気を送給する空気送給手段と、
前記配管の他端側に連結されて炭化水素系ガスを検出する水素炎イオンセンサと、
前記水素炎イオンセンサでの検出結果、前記サンプリング管からの前記ガスの流量及び前記空気送給手段からの前記空気の流量に基づいて、前記ガス中の炭化水素系ガスの濃度を算出する演算制御手段と
を備えていることを特徴とするガス濃度計測装置。 - 請求項1において、
前記サンプリング管が、基端側を前記配管に挿入連結されると共に、基端面を閉塞され、周方向に沿って孔を複数形成されている
ことを特徴とするガス濃度計測装置。 - 請求項1または請求項2において、
前記演算制御手段が、前記水素炎イオンセンサでの検出結果に基づいて、前記空気送給手段からの前記空気の流量を最も少なくするように、当該空気送給手段を制御する
ことを特徴とするガス濃度計測装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかにおいて、
前記サンプリング管でサンプリングするガスが、炭化水素系ガスと不活性ガスとを混合したトレーサガスを混合された空気である
ことを特徴とするガス濃度計測装置。 - 請求項4において、
前記サンプリング管でサンプリングするガスが、風洞実験装置の風洞内を流通する空気である
ことを特徴とするガス濃度計測装置。
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---|---|---|---|
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JP2002180997A JP2004028603A (ja) | 2002-06-21 | 2002-06-21 | ガス濃度計測装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7697404B2 (en) * | 2005-10-12 | 2010-04-13 | International Business Machines Corporation | Medium, system, and method for a common optical data storage medium depression depth |
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-
2002
- 2002-06-21 JP JP2002180997A patent/JP2004028603A/ja active Pending
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