JP2004028388A - 真空乾燥処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】汎用性をもたせ、かつランニングコストを低減して容易に利用することのできる真空乾燥処理装置を提供すること。
【解決手段】下端側を貯湯槽(1a)とし、内部を真空ポンプ(5)に接続した本体(1)と、同本体(1)内の貯湯槽(1a)の上方に配置され内部に被処理物(M)を収納した処理室(2)と、同処理室(2)に連通させた真空ポンプ(6)と、前記貯湯槽(1a)内に配置した熱交換器(3)を具備するヒートポンプユニット(4)とを備え、前記貯湯槽(1a)の熱媒水(W)を前記ヒートポンプユニット(4)によって加熱して、熱媒水(W)の蒸気により前記処理室(2)の表面を加熱する構成とした。
【選択図】 図1
【解決手段】下端側を貯湯槽(1a)とし、内部を真空ポンプ(5)に接続した本体(1)と、同本体(1)内の貯湯槽(1a)の上方に配置され内部に被処理物(M)を収納した処理室(2)と、同処理室(2)に連通させた真空ポンプ(6)と、前記貯湯槽(1a)内に配置した熱交換器(3)を具備するヒートポンプユニット(4)とを備え、前記貯湯槽(1a)の熱媒水(W)を前記ヒートポンプユニット(4)によって加熱して、熱媒水(W)の蒸気により前記処理室(2)の表面を加熱する構成とした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理物を真空状態で加熱乾燥して処理する真空乾燥処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種の被処理物を真空の状態で加熱乾燥する真空乾燥処理装置が従来から利用されている。この真空乾燥処理装置は、処理室に投入した被処理物をボイラの蒸気または温水により間接的に加熱し、処理室内の真空ポンプによる減圧及び攪拌羽根により水分の蒸発を促すというのがその基本的な構成である。このような従来の真空乾燥処理装置の概略を図3に示す。
【0003】
図示するように、従来の真空乾燥処理装置Xは、円筒状の本体51内に同軸的に円筒状の処理室52を形成し、前記本体51にボイラ53を接続している。
【0004】
ボイラ53は蒸気または温水の供給管53aを本体51に接続するとともに還流管53bを連結したものであり、かかるボイラ53で発生した蒸気または温水は、本体51と処理室52との間の環状の流路を循環して処理室52内の被処理物Mを加熱して乾燥させる。
【0005】
また、処理室52の内部に、被処理物Mを攪拌して熱伝達を促進するための攪拌羽根52aを設けるとともに、処理室52には接続管54を介して真空ポンプ55が接続されている。また、真空ポンプ55の下流側には図示しないクーリングタワーが配設され、被処理物から蒸発する蒸気を同クーリングタワーで冷却している。
【0006】
このような真空乾燥処理装置Xでは、ボイラ53で発生した蒸気または温水を本体51内に供給管53aから供給し、蒸気または温水を処理室52周りに巡らすことによって熱交換して被処理物Mを乾燥させる。そして、熱交換後の蒸気または温水は還流管53bによってボイラ53に戻り、再び加熱されて本体51に供給される。
【0007】
他方、処理室52内では攪拌羽根52aが回転駆動されて被処理物Mを攪拌して蒸気または温水との熱交換が促される。また、処理室52内は接続管54によって接続した真空ポンプ55により減圧されるので、被処理物Mの乾燥が促される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ファミリーレストランなどの飲食店では、毎日のように多量のごみ(紙、ビニル、生ごみ等)が発生しており、従来、これらは分別されることなく、可燃廃棄物として一括的に焼却処理されることが多かった。
【0009】
かかる可燃廃棄物の大半は、食品廃棄物からなる所謂生ごみであり、これらは含水率がきわめて高いことから、かかる生ごみが大半を占める可燃廃棄物を焼却すると、含水率の高さから焼却時の炉内温度を下げてしまい、ダイオキシンの発生、あるいは焼却設備を傷める原因ともなっていた。
【0010】
また、例えば年間100t以上の食品廃棄物(生ごみ)を排出する事業者は、20%以上の削減、あるいはリサイクルしなければならなくなるなど、法律的制約(食品リサイクル法)も厳しくなってきている。
【0011】
このような社会環境の下、飲食店では可燃廃棄物の50%(重量比)が含水率の高い生ごみということもあって、生ごみ処理問題がより注目されてきており、その有効な対応策が望まれてきている。
【0012】
他方、このような環境の中で、生ごみをリサイクル処理する装置などが近年多数製品化されてきた。しかし、これらは償却費を含むランニングコストが高く、産業廃棄物処理業者の処理費用よりも高額となってしまうために普及するには至っていないのが現状である。
【0013】
そこで、生ごみを乾燥させてしまえば可燃廃棄物として処理しやすくなることから、上述した図3に示す真空乾燥処理装置Xを用いることが考えらる。
【0014】
ところが、水分を蒸発させるためには、通常100℃以上の熱源が必要となるために、上述したようにボイラ53が用いられることになる。
【0015】
しかし、ボイラ53を用いるとなると燃料費が嵩み、経済的な面からは乾燥処理するメリットがなくなってしまう。
【0016】
しかも、上述した従来の真空乾燥処理装置Xでは、ボイラ53から蒸気または温水が供給される本体51は、供給蒸気または供給温水の圧力や容積の大きさによっては圧力容器に該当してしまう。
【0017】
したがって、一般の使用には制限を受けることになり、汎用性に欠ける面があり、一般のファミリーレストランなどの飲食店で簡単に使うことができない。しかも、圧力容器に該当するため、破裂等の危険性の問題もあった。
【0018】
また、本体51と処理室52との間の環状断面流路に蒸気や温水を直接供給するため、蒸気や温水と処理室52の表面伝熱面の温度むらが発生しやすいという問題がある。すなわち、ボイラ53からは蒸気または温水がそのまま供給されて処理室52の周りを循環するので、供給管53aから供給された直後の蒸気や温水は高温であるが、供給管53aから離れた部位の処理室52の表面への伝熱量は次第に低下していく。このため、処理室52の表面の全体を一様に加熱することができず、処理室52の表面の温度むらの発生を招き、被処理物Mの効率的な乾燥処理ができなかった。
【0019】
本発明は、上記課題を解決し、経済的であって、かつ本体が圧力容器に該当しない安全な構成とすることによって一般の飲食店などでも使用可能とするとともに、被処理物を効率的に乾燥することのできる真空乾燥処理装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明では、下端側を貯湯槽とし、内部を真空ポンプに接続した本体と、同本体内の貯湯槽の上方に配置され内部に被処理物を収納した処理室と、同処理室に連通させた真空ポンプと、前記貯湯槽内に配置した熱交換器を具備するヒートポンプユニットとを備え、前記貯湯槽の熱媒水を前記ヒートポンプユニットによって加熱して、熱媒水の蒸気により前記処理室の表面を加熱する構成とした。
【0021】
また、請求項2記載の本発明では、上記ヒートポンプユニットは、吸熱用の熱交換器と圧縮機とを冷熱媒復路により連通連結し、前記圧縮機と貯湯槽内に配置した加熱用の熱交換器とを温熱媒往路により連通連結し、前記加熱用の熱交換器と減圧器とを温熱媒復路により連通連結し、さらに、前記減圧機と前記吸熱用の熱交換器とを冷熱媒往路により連通連結してヒートポンプ回路を形成し、しかも、前記吸熱用の熱交換器に処理室からの蒸気を導入して熱交換可能とした。
【0022】
また、請求項3記載の本発明では、上記ヒートポンプユニットは、吸熱用の熱交換器と、圧縮機と、減圧機と、温熱媒と常圧温水との間で熱交換する共用熱交換器とを循環流路を介して連通連結した冷媒回路と、前記共用熱交換器と貯湯槽内に配置した加熱用の熱交換器と循環ポンプとを循環流路を介して連通連結した温水回路とを備え、前記吸熱用の熱交換器に処理室からの蒸気を導入して熱交換可能とした。
【0023】
また、請求項4記載の本発明では、上記ヒートポンプユニットの熱媒として、CO2を用いることとした。
【0024】
さらに、請求項5記載の本発明では、上記処理室に、外部から回転駆動されて被処理物を攪拌可能とした攪拌羽根を配設した。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明に係る真空乾燥処理装置は、下端側を貯湯槽とし、内部を真空ポンプに接続した本体と、同本体内の貯湯槽の上方に配置され内部に被処理物を収納した処理室と、同処理室に連通させた真空ポンプと、前記貯湯槽内に配置した熱交換器を具備するヒートポンプユニットとを備え、前記貯湯槽の熱媒水を前記ヒートポンプユニットによって加熱して、熱媒水の蒸気により前記処理室の表面を加熱する構成としたものである。
【0026】
かかる構成により、深夜電力などを用いて経済的に駆動できるヒートポンプを利用することができ、ランニングコストを低く抑えながら、貯湯槽内の熱媒水を効果的に加熱することができる。なお、ランニングコストとしては、電気ヒータに比べると半分以下であり、ボイラと比べると、深夜電力を利用すれば灯油の約半分となることが分かっている。
【0027】
また、ボイラなどを使用するのに比べ、燃料タンクなどが不要で省スペース化を図ることができる。
【0028】
また、本体内は真空ポンプなどの減圧手段によって減圧されているので、貯湯槽内の熱媒水は100℃以下の低温で沸騰して蒸気となり処理室の表面を伝熱面として加熱し、処理室内に収納した生ごみなどの被処理物を充分に乾燥させることができる。このように、低温乾燥が可能なことから、高温では溶けてしまって処理室内に悪影響を与えがちなビニル系の異物などが被処理物中に混入されていても問題がない。また、処理室内は真空ポンプに接続されて内部を減圧状態に維持することにより空気の密度を小さくできるので、被処理物の乾燥を促すことができる。
【0029】
さらに、本体内は減圧された状態で使用されるので、容積に関わらず法律で規定された圧力容器に該当しない構成とすることができる。したがって、汎用性を向上させることができるとともに安全性も高くできる。
【0030】
また、貯湯槽内の熱媒水を加熱し、発生した蒸気を処理室周りに巡らせて加熱するので、処理室を温度むらなく加熱することができ、被処理物を一様に乾燥させることができる。
【0031】
上記ヒートポンプユニットの熱媒としては、CO2を用いることが好ましい。すなわち、CO2は従来の熱媒よりも高温が得られるとともに、オゾン破壊のおそれもなく、かつ地球温暖化の要因となるおそれもフロンガスなどに比べて著しく小さいので、環境保護の面でも有益な熱媒である。
【0032】
また、上記ヒートポンプユニットは、吸熱用の熱交換器と圧縮機とを冷熱媒復路により連通連結し、前記圧縮機と貯湯槽内に配置した加熱用の熱交換器とを温熱媒往路により連通連結し、前記加熱用の熱交換器と減圧器とを温熱媒復路により連通連結し、さらに、前記減圧機と前記吸熱用の熱交換器とを冷熱媒往路により連通連結してヒートポンプ回路を形成し、しかも、前記吸熱用の熱交換器に処理室からの蒸気を導入して熱交換可能とすることができる。
【0033】
かかる構成とすることにより、処理室より排出される蒸気によって、気液混合状態となっている熱媒であるCO2に吸熱させる一方、熱を奪われた処理室からの蒸気は凝縮して排出される。したがって、従来のように、処理室からの蒸気を冷却するためにクーリングタワーなどを設備する必要もない。したがって、この面からも省スペース化が図れる。
【0034】
また、ヒートポンプユニットの他の実施形態として、ヒートポンプユニットを、吸熱用の熱交換器と、圧縮機と、減圧機と、温熱媒と常圧温水との間で熱交換する共用熱交換器とを循環流路を介して連通連結した冷媒回路と、前記共用熱交換器と貯湯槽内に配置した加熱用の熱交換器と循環ポンプとを循環流路を介して連通連結した温水回路とを備えた構成とし、前記吸熱用の熱交換器に処理室からの蒸気を導入して熱交換可能とすることもできる。
【0035】
かかる構成とすれば、貯湯槽内に配設した熱交換器とヒートポンプユニットとを結ぶ循環流路からなる温水回路は常圧で済むことから、ヒートポンプユニットを別体として本体と接続することができ、真空乾燥装置の設置自由度が増し、設置スペースなどの制約が多い小、中規模の飲食店などへの設置も容易となる。
【0036】
なお、この場合についても、本体内は真空ポンプによって減圧されているので、貯湯槽の水は100℃以下で沸騰して蒸気となり、処理室の表面を伝熱面として加熱し、処理室内に収納した被処理物を乾燥させることができるとともに、容積に関わらず法律で規定された圧力容器に該当しないものとなって安全である。また、処理室内は減圧状態に維持されるので、やはり被処理物の乾燥を促すことができる。
【0037】
このように、本実施の形態においても、生ごみを手軽に効率よく乾燥処理することができるとともに、安全性も高くできる。
【0038】
上記してきた各構成の真空乾燥処理装置において、さらに、処理室に被処理物を攪拌する攪拌羽根を備える構成とすることができる。
【0039】
攪拌羽根を設けることにより、被処理物が攪拌されて、より均一な被処理物の乾燥処理が可能となる。
【0040】
【実施例】
(第一実施例)
以下、本発明の第一実施例を図面に基づいて説明する。なお、本実施例における被処理物としては、食品廃棄物である生ごみとして説明する。
【0041】
図1は本発明の第一実施例に係る真空乾燥処理装置Aの概略構成図である。
【0042】
本真空乾燥処理装置Aの本体1は、下端側を矩形状とするとともに上端側をほぼ円筒状としたものであり、本体1の円筒状部分には同軸的に円筒状の処理室2を形成している。この円筒状の処理室2の表面は、後述する熱媒水Wの蒸気が接触する伝熱面を構成する。
【0043】
本体1の下端の矩形状部分には熱媒水Wを溜める貯湯槽1aが形成され、この貯湯槽1aには加熱用の熱交換器3が収納されている。この熱交換器3は本体1の外部に配置した本実施例の要部をなすヒートポンプユニット4の一部を構成するものである。なお、同ヒートポンプユニット4については後に詳述する。
【0044】
本体1の上端側には本体1の内部を減圧するための真空ポンプ5を接続している。この真空ポンプ5は本体1内に発生する不活性ガスを吸引しかつ本体1内部が大気圧を超えないように保持する。
【0045】
処理室2は円筒ドラム状であり、その内部には生ごみからなる被処理物Mを収納している。そして、処理室2の内部には被処理物Mを攪拌するための攪拌羽根2aを外部からの駆動源によって回転駆動に配置している。2bは攪拌羽根2aの駆動軸であり、処理室2の軸線上に架設されている。また、処理室2には蒸気排出管6aを介して真空ポンプ6が接続されている。この真空ポンプ6を作動させることによって、処理室2内の空気密度を小さくして水分が蒸発しやすい状態にすることができ、被処理物Mの乾燥処理をしやすくしている。
【0046】
ヒートポンプユニット4は、吸熱用の熱交換器としての蒸発器7と圧縮機8とを冷熱媒復路をなす冷熱媒復管10により連通連結し、前記圧縮機8と貯湯槽1a内に配置した加熱用の熱交換器3とを温熱媒往路をなす温熱媒往管11により連通連結し、前記加熱用の熱交換器3と減圧器9とを温熱媒復路をなす温熱媒復管12により連通連結し、さらに、前記減圧器9と前記蒸発器7とを冷熱媒往路をなす冷熱媒往管13により連通連結してヒートポンプ回路Hを形成し、しかも、前記吸熱用の熱交換器である蒸発器7に処理室2からの蒸気を導入して熱交換可能としている。ヒートポンプユニット4の熱媒として、本実施例ではCO2を用いて高温を得られるようにするとともに、オゾン破壊や地球温暖化などに対して考慮したものとしている。
【0047】
また、処理室2から伸延した前記蒸気排出管6aは、前記蒸発器7を通ってその先端を凝縮水槽14に臨ませている。そして、同凝縮水槽14に排気管15を介して真空ポンプ6を接続している。図中、16はドレン管であり、前記凝縮水槽14の下部から伸延するとともに、その中途と前記排気管15との中途とを連通連結している。したがって、排気管15中を通って大気に排気される処理ガスの一部が凝結した場合は、ドレン管16に合流して排出可能となっている。
【0048】
上記した構成とすることにより、貯湯槽1a内の熱媒水Wを効率的に加熱沸騰させることが可能となる。しかも、処理室2より排出される蒸気によって、気液混合状態とされた熱媒であるCO2に吸熱させる一方、熱を奪われた処理室2からの蒸気は凝縮して容易に排出させることができる。したがって、従来のように、処理室2からの蒸気を冷却するためにクーリングタワーなどを設備する必要がない。しかも、処理室2からの蒸気をヒートポンプ回路Hの熱媒に取り込むことができることから、効率的なヒートポンプ作用が実現できる。
【0049】
すなわち、蒸発器7内において、気液混合状態にされた熱媒は処理室2より排出される蒸気と熱交換して伝熱された状態で冷熱媒復管10を通り、熱を持った熱媒は圧縮機8で圧縮され、より高温となって温熱媒往管11を通って貯湯槽1a内の加熱用の熱交換器3で熱媒水Wと熱交換して同熱媒水Wを加熱する。本体1内は真空ポンプ5によって常時減圧されているので、100℃以下、ここでは略90℃で熱媒水Wを加熱沸騰させることが可能となっている。
【0050】
熱交換された熱媒は、温熱媒復管12を通って減圧器9により減圧されて気液混合状態となり、冷熱媒往管13を通って再び前記蒸発器7において処理室2より排出される蒸気と熱交換する。かかるサイクルを繰り返して上述したように熱媒水Wを加熱沸騰させることができる。
【0051】
実際に生ごみからなる被処理物Mを乾燥処理する場合について説明すると、先ず、真空ポンプ6を作動して処理室2内を減圧して水分が蒸発しやすい雰囲気に設定するとともに、攪拌羽根2aを回転駆動して被処理物Mを混合攪拌する。
【0052】
本体1内は真空ポンプ5によって常時減圧されており100℃以下で熱媒水を加熱沸騰させる状態に保持されている。このような減圧の設定の後、ヒートポンプユニット4を駆動して高温高圧の熱媒を加熱用の熱交換器3に供給することで、熱交換によって熱媒水Wを加熱沸騰させる。このときの加熱沸騰温度は略90℃である。
【0053】
加熱沸騰した熱媒水Wは蒸気を発生し、本体1と処理室2との間を蒸気が通過するときに処理室2の表面を伝熱面として処理室2内を加熱する。この加熱により、処理室2内の被処理物Mが高温化して乾燥処理される。なお、高温化されるといっても、前述したように、加熱沸騰温度は略90℃あることから、処理室2内はそれ以下の比較的低温状態で乾燥処理が進行することから、例えば被処理物M中に、高温では溶けてしまうようなビニル系の異物などが混入されていても、攪拌羽根2aなど、処理室2内に付着したりすることを防止できる。
【0054】
このように、含水率の高い生ごみからなる被処理物Mは、完全に乾燥処理されることで臭気や腐敗の問題もなくなり、その後可燃廃棄物として焼却処理することが可能となる。
【0055】
また、ヒートポンプユニット4は電力を駆動源としているので、深夜電力などを利用すれば、ボイラ用の灯油を使用する場合に比べ、被処理物Mの処理コストは半分以下となり、ランニングコストを大幅に削減できる。
【0056】
また、本体1内を減圧処理して操業するので、本体1の容積にかかわらず本体1は規定された圧力容器に該当しない。したがって、圧力容器取り扱いの免許を持たないオペレータでも操作することができ、例えばファミリーレストランなどのような飲食店にも容易に設置が可能で、しかも安全に使用することができる。また、処理室2の表面への伝熱は熱媒水の沸騰による蒸気の上昇流により行われるので、従来のようにボイラから直に蒸気を吹き込む場合に比べると処理室2の表面の伝熱面での温度むらの発生が小さくなる。したがって、被処理物Mを均等に乾燥させることができるとともに乾燥時間も短くなり乾燥効率を上げることができる。
【0057】
(第二実施例)
次に、本発明の第二実施例を図面に基づいて説明する。
【0058】
図2は本発明の第二実施例に係る真空乾燥処理装置Bの概略構成図である。
本真空乾燥処理装置Bと前述した第一実施例に係る真空乾燥処理装置Aとは、ヒートポンプユニット4の構成が異なるだけであり、他は同様な構造であるので、本実施例ではヒートポンプユニット4についてのみ以下に説明し、それ以外は省略する。
【0059】
本実施例に係る真空乾燥処理装置Bにおけるヒートポンプユニット4は、図示するように、本体1と別体のケーシングとしており、真空乾燥処理装置Bの設置自由度が増すような構成となっている。
【0060】
すなわち、ヒートポンプユニット4は、熱媒であるCO2を循環させる冷媒回路22と、常圧温水を循環させる温水回路25とが共用熱交換器20を介して接続した構成となっている。
【0061】
冷媒回路22は、吸熱用の熱交換器である蒸発器7と、圧縮機8と、温熱媒と常圧温水との間で熱交換する前記共用熱交換器20と、減圧機9とを循環流路21を介して連通連結して構成している。
【0062】
一方、温水回路25は、前記共用熱交換器20と、貯湯槽1a内に配置した加熱用の熱交換器3と、循環ポンプ23とを循環流路24を介して連通連結して構成している。そして、この場合でも、前記蒸発器7に処理室2からの蒸気を導入して熱交換可能としている。
【0063】
かかる構成とすることにより、貯湯槽1a内に配設した熱交換器3とヒートポンプユニット4とを結ぶ循環流路24からなる温水回路25は常圧で済むことから、安全かつ容易に配管することができ、ヒートポンプユニット4を別体として本体1と接続することができる。したがって、真空乾燥装置Bとしての設置自由度が向上し、設置スペースなどの制約が多い中小規模の飲食店などへの設置も容易となる。
【0064】
そして、この場合でも、被処理物Mの加熱においては、本体1内を減圧処理して操業するので、本体1の容積にかかわらず本体1は規定された圧力容器に該当しない。したがって、圧力容器取り扱いの免許を持たないオペレータでも操作することができ、かかる面からもファミリーレストランなどのような飲食店にも容易に設置することができる。
【0065】
そして、この場合についても、含水率の高い生ごみからなる被処理物Mは完全に乾燥処理されることで臭気や腐敗の問題がなく、その後、可燃廃棄物として容易に焼却処理することが可能となる。
【0066】
また、ヒートポンプユニット4は電力を駆動源としているので、深夜電力などを利用すれば、ボイラ用の灯油を使用する場合に比べ、被処理物Mの処理コストは半分以下となり、ランニングコストを大幅に削減できる。
【0067】
さらに、本実施例においても、処理室2の表面への伝熱は熱媒水の沸騰による蒸気の上昇流により行われるので、従来のようにボイラから直に蒸気を吹き込む場合に比べると処理室2の表面の伝熱面での温度むらの発生が小さくなる。したがって、被処理物Mを均等に乾燥させることができるとともに乾燥時間も短くなり乾燥効率を上げることができる。
【0068】
【発明の効果】
(1)請求項1記載の本発明では、下端側を貯湯槽とし、内部を真空ポンプに接続した本体と、同本体内の貯湯槽の上方に配置され内部に被処理物を収納した処理室と、同処理室に連通させた真空ポンプと、前記貯湯槽内に配置した熱交換器を具備するヒートポンプユニットとを備え、前記貯湯槽の熱媒水を前記ヒートポンプユニットによって加熱して、熱媒水の蒸気により前記処理室の表面を加熱する構成としている。したがって、深夜電力などを用いて経済的に駆動できるヒートポンプを利用することでランニングコストを低く抑えながら、貯湯槽内の熱媒水を効果的に加熱することができる。また、ボイラなどを使用するのに比べ、燃料タンクなどが不要で省スペース化を図ることができる。
【0069】
また、本体の内部を減圧して処理室を加熱する構成としているので、本体の容積にかかわらず本体を圧力容器に該当しないものとして使用できる。したがって、圧力容器の知識を持たないオペレータでも操作することができ汎用性を向上させることができるとともに、安全性を格段に向上させることができる。また、貯湯槽内の熱媒水を加熱沸騰させて発生する100℃以下の蒸気を用いて処理室の表面を伝熱面として処理室内を加熱するので、ボイラから直接蒸気や温水を供給する場合に比べると処理室を一様に加熱することができ、被処理物をむらなく加熱することができる。
【0070】
さらに、温度の影響を受けやすい被処理物の場合でも、貯湯槽内の熱媒水の温度を制御するだけの簡単な操作で低温加熱による乾燥が可能となり、また、低温乾燥が可能なことから、高温では溶けてしまって処理室内に悪影響を与えがちなビニル系の異物などが混入されていても問題がない。
【0071】
(2)請求項2記載の本発明では、上記ヒートポンプユニットは、吸熱用の熱交換器と圧縮機とを冷熱媒復路により連通連結し、前記圧縮機と貯湯槽内に配置した加熱用の熱交換器とを温熱媒往路により連通連結し、前記加熱用の熱交換器と減圧器とを温熱媒復路により連通連結し、さらに、前記減圧機と前記吸熱用の熱交換器とを冷熱媒往路により連通連結してヒートポンプ回路を形成し、しかも、前記吸熱用の熱交換器に処理室からの蒸気を導入して熱交換可能とした。したがって、上記(1)の効果に加え、処理室からの蒸気を冷却するためにクーリングタワーなどを設備する必要がなくなり、この面からも省スペース化が図れるとともに、熱媒への吸熱作用が効率的に行われる。
【0072】
(3)請求項3記載の本発明では、上記ヒートポンプユニットは、吸熱用の熱交換器と、圧縮機と、減圧機と、温熱媒と常圧温水との間で熱交換する共用熱交換器とを循環流路を介して連通連結した冷媒回路と、前記共用熱交換器と貯湯槽内に配置した加熱用の熱交換器と循環ポンプとを循環流路を介して連通連結した温水回路とを備え、前記吸熱用の熱交換器に処理室からの蒸気を導入して熱交換可能とした。したがって、上記(1)の効果に加え、貯湯槽内に配設した熱交換器とヒートポンプユニットとを結ぶ循環流路からなる温水回路は常圧で済むことから、ヒートポンプユニットを別体として本体と接続することができ、真空乾燥装置の設置自由度が増し、例えば、設置スペースなどの制約が多い小、中規模の飲食店などへの設置も容易となる。さらに、上記(2)同様に、処理室からの蒸気を冷却するためにクーリングタワーなどを設備する必要がなくなり、この面からも省スペース化が図れるとともに、熱媒への吸熱作用が効率的に行われるという効果を奏する。
【0073】
(4)請求項4記載の本発明では、上記ヒートポンプユニットの熱媒として、CO2を用いることとしたので、上記(1)〜(3)の効果に加え、オゾン破壊のおそれもなく、かつ地球温暖化の要因となるおそれもフロンガスなどに比べて著しく小さいので、環境保護の面でも有益となる。
【0074】
(5)請求項5記載の本発明では、上記処理室に、外部から回転駆動されて被処理物を攪拌可能とした攪拌羽根を配設したので、上記(1)〜(4)の効果に加え、被処理物が攪拌されて、より均一な被処理物の乾燥処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例に係る真空乾燥処理装置の概略図。
【図2】第二実施例に係る真空乾燥処理装置の概略図。
【図3】従来の真空乾燥処理装置の概略図。
【符号の説明】
A,B 真空乾燥処理装置
H ヒートポンプ回路
M 被処理物
W 熱媒水
1 本体
1a 貯湯槽
2 処理室
2a攪拌羽根
3 加熱用の熱交換器
4 ヒートポンプユニット
5 真空ポンプ
6 真空ポンプ
7 蒸発器(吸熱用の熱交換器)
8 圧縮機
9 減圧器
10 冷熱媒復管(冷熱媒復路)
11 温熱媒往管(温熱媒往路)
12 温熱媒復管(温熱媒復路)
13 冷熱媒往管(冷熱媒往路)
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理物を真空状態で加熱乾燥して処理する真空乾燥処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種の被処理物を真空の状態で加熱乾燥する真空乾燥処理装置が従来から利用されている。この真空乾燥処理装置は、処理室に投入した被処理物をボイラの蒸気または温水により間接的に加熱し、処理室内の真空ポンプによる減圧及び攪拌羽根により水分の蒸発を促すというのがその基本的な構成である。このような従来の真空乾燥処理装置の概略を図3に示す。
【0003】
図示するように、従来の真空乾燥処理装置Xは、円筒状の本体51内に同軸的に円筒状の処理室52を形成し、前記本体51にボイラ53を接続している。
【0004】
ボイラ53は蒸気または温水の供給管53aを本体51に接続するとともに還流管53bを連結したものであり、かかるボイラ53で発生した蒸気または温水は、本体51と処理室52との間の環状の流路を循環して処理室52内の被処理物Mを加熱して乾燥させる。
【0005】
また、処理室52の内部に、被処理物Mを攪拌して熱伝達を促進するための攪拌羽根52aを設けるとともに、処理室52には接続管54を介して真空ポンプ55が接続されている。また、真空ポンプ55の下流側には図示しないクーリングタワーが配設され、被処理物から蒸発する蒸気を同クーリングタワーで冷却している。
【0006】
このような真空乾燥処理装置Xでは、ボイラ53で発生した蒸気または温水を本体51内に供給管53aから供給し、蒸気または温水を処理室52周りに巡らすことによって熱交換して被処理物Mを乾燥させる。そして、熱交換後の蒸気または温水は還流管53bによってボイラ53に戻り、再び加熱されて本体51に供給される。
【0007】
他方、処理室52内では攪拌羽根52aが回転駆動されて被処理物Mを攪拌して蒸気または温水との熱交換が促される。また、処理室52内は接続管54によって接続した真空ポンプ55により減圧されるので、被処理物Mの乾燥が促される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ファミリーレストランなどの飲食店では、毎日のように多量のごみ(紙、ビニル、生ごみ等)が発生しており、従来、これらは分別されることなく、可燃廃棄物として一括的に焼却処理されることが多かった。
【0009】
かかる可燃廃棄物の大半は、食品廃棄物からなる所謂生ごみであり、これらは含水率がきわめて高いことから、かかる生ごみが大半を占める可燃廃棄物を焼却すると、含水率の高さから焼却時の炉内温度を下げてしまい、ダイオキシンの発生、あるいは焼却設備を傷める原因ともなっていた。
【0010】
また、例えば年間100t以上の食品廃棄物(生ごみ)を排出する事業者は、20%以上の削減、あるいはリサイクルしなければならなくなるなど、法律的制約(食品リサイクル法)も厳しくなってきている。
【0011】
このような社会環境の下、飲食店では可燃廃棄物の50%(重量比)が含水率の高い生ごみということもあって、生ごみ処理問題がより注目されてきており、その有効な対応策が望まれてきている。
【0012】
他方、このような環境の中で、生ごみをリサイクル処理する装置などが近年多数製品化されてきた。しかし、これらは償却費を含むランニングコストが高く、産業廃棄物処理業者の処理費用よりも高額となってしまうために普及するには至っていないのが現状である。
【0013】
そこで、生ごみを乾燥させてしまえば可燃廃棄物として処理しやすくなることから、上述した図3に示す真空乾燥処理装置Xを用いることが考えらる。
【0014】
ところが、水分を蒸発させるためには、通常100℃以上の熱源が必要となるために、上述したようにボイラ53が用いられることになる。
【0015】
しかし、ボイラ53を用いるとなると燃料費が嵩み、経済的な面からは乾燥処理するメリットがなくなってしまう。
【0016】
しかも、上述した従来の真空乾燥処理装置Xでは、ボイラ53から蒸気または温水が供給される本体51は、供給蒸気または供給温水の圧力や容積の大きさによっては圧力容器に該当してしまう。
【0017】
したがって、一般の使用には制限を受けることになり、汎用性に欠ける面があり、一般のファミリーレストランなどの飲食店で簡単に使うことができない。しかも、圧力容器に該当するため、破裂等の危険性の問題もあった。
【0018】
また、本体51と処理室52との間の環状断面流路に蒸気や温水を直接供給するため、蒸気や温水と処理室52の表面伝熱面の温度むらが発生しやすいという問題がある。すなわち、ボイラ53からは蒸気または温水がそのまま供給されて処理室52の周りを循環するので、供給管53aから供給された直後の蒸気や温水は高温であるが、供給管53aから離れた部位の処理室52の表面への伝熱量は次第に低下していく。このため、処理室52の表面の全体を一様に加熱することができず、処理室52の表面の温度むらの発生を招き、被処理物Mの効率的な乾燥処理ができなかった。
【0019】
本発明は、上記課題を解決し、経済的であって、かつ本体が圧力容器に該当しない安全な構成とすることによって一般の飲食店などでも使用可能とするとともに、被処理物を効率的に乾燥することのできる真空乾燥処理装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明では、下端側を貯湯槽とし、内部を真空ポンプに接続した本体と、同本体内の貯湯槽の上方に配置され内部に被処理物を収納した処理室と、同処理室に連通させた真空ポンプと、前記貯湯槽内に配置した熱交換器を具備するヒートポンプユニットとを備え、前記貯湯槽の熱媒水を前記ヒートポンプユニットによって加熱して、熱媒水の蒸気により前記処理室の表面を加熱する構成とした。
【0021】
また、請求項2記載の本発明では、上記ヒートポンプユニットは、吸熱用の熱交換器と圧縮機とを冷熱媒復路により連通連結し、前記圧縮機と貯湯槽内に配置した加熱用の熱交換器とを温熱媒往路により連通連結し、前記加熱用の熱交換器と減圧器とを温熱媒復路により連通連結し、さらに、前記減圧機と前記吸熱用の熱交換器とを冷熱媒往路により連通連結してヒートポンプ回路を形成し、しかも、前記吸熱用の熱交換器に処理室からの蒸気を導入して熱交換可能とした。
【0022】
また、請求項3記載の本発明では、上記ヒートポンプユニットは、吸熱用の熱交換器と、圧縮機と、減圧機と、温熱媒と常圧温水との間で熱交換する共用熱交換器とを循環流路を介して連通連結した冷媒回路と、前記共用熱交換器と貯湯槽内に配置した加熱用の熱交換器と循環ポンプとを循環流路を介して連通連結した温水回路とを備え、前記吸熱用の熱交換器に処理室からの蒸気を導入して熱交換可能とした。
【0023】
また、請求項4記載の本発明では、上記ヒートポンプユニットの熱媒として、CO2を用いることとした。
【0024】
さらに、請求項5記載の本発明では、上記処理室に、外部から回転駆動されて被処理物を攪拌可能とした攪拌羽根を配設した。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明に係る真空乾燥処理装置は、下端側を貯湯槽とし、内部を真空ポンプに接続した本体と、同本体内の貯湯槽の上方に配置され内部に被処理物を収納した処理室と、同処理室に連通させた真空ポンプと、前記貯湯槽内に配置した熱交換器を具備するヒートポンプユニットとを備え、前記貯湯槽の熱媒水を前記ヒートポンプユニットによって加熱して、熱媒水の蒸気により前記処理室の表面を加熱する構成としたものである。
【0026】
かかる構成により、深夜電力などを用いて経済的に駆動できるヒートポンプを利用することができ、ランニングコストを低く抑えながら、貯湯槽内の熱媒水を効果的に加熱することができる。なお、ランニングコストとしては、電気ヒータに比べると半分以下であり、ボイラと比べると、深夜電力を利用すれば灯油の約半分となることが分かっている。
【0027】
また、ボイラなどを使用するのに比べ、燃料タンクなどが不要で省スペース化を図ることができる。
【0028】
また、本体内は真空ポンプなどの減圧手段によって減圧されているので、貯湯槽内の熱媒水は100℃以下の低温で沸騰して蒸気となり処理室の表面を伝熱面として加熱し、処理室内に収納した生ごみなどの被処理物を充分に乾燥させることができる。このように、低温乾燥が可能なことから、高温では溶けてしまって処理室内に悪影響を与えがちなビニル系の異物などが被処理物中に混入されていても問題がない。また、処理室内は真空ポンプに接続されて内部を減圧状態に維持することにより空気の密度を小さくできるので、被処理物の乾燥を促すことができる。
【0029】
さらに、本体内は減圧された状態で使用されるので、容積に関わらず法律で規定された圧力容器に該当しない構成とすることができる。したがって、汎用性を向上させることができるとともに安全性も高くできる。
【0030】
また、貯湯槽内の熱媒水を加熱し、発生した蒸気を処理室周りに巡らせて加熱するので、処理室を温度むらなく加熱することができ、被処理物を一様に乾燥させることができる。
【0031】
上記ヒートポンプユニットの熱媒としては、CO2を用いることが好ましい。すなわち、CO2は従来の熱媒よりも高温が得られるとともに、オゾン破壊のおそれもなく、かつ地球温暖化の要因となるおそれもフロンガスなどに比べて著しく小さいので、環境保護の面でも有益な熱媒である。
【0032】
また、上記ヒートポンプユニットは、吸熱用の熱交換器と圧縮機とを冷熱媒復路により連通連結し、前記圧縮機と貯湯槽内に配置した加熱用の熱交換器とを温熱媒往路により連通連結し、前記加熱用の熱交換器と減圧器とを温熱媒復路により連通連結し、さらに、前記減圧機と前記吸熱用の熱交換器とを冷熱媒往路により連通連結してヒートポンプ回路を形成し、しかも、前記吸熱用の熱交換器に処理室からの蒸気を導入して熱交換可能とすることができる。
【0033】
かかる構成とすることにより、処理室より排出される蒸気によって、気液混合状態となっている熱媒であるCO2に吸熱させる一方、熱を奪われた処理室からの蒸気は凝縮して排出される。したがって、従来のように、処理室からの蒸気を冷却するためにクーリングタワーなどを設備する必要もない。したがって、この面からも省スペース化が図れる。
【0034】
また、ヒートポンプユニットの他の実施形態として、ヒートポンプユニットを、吸熱用の熱交換器と、圧縮機と、減圧機と、温熱媒と常圧温水との間で熱交換する共用熱交換器とを循環流路を介して連通連結した冷媒回路と、前記共用熱交換器と貯湯槽内に配置した加熱用の熱交換器と循環ポンプとを循環流路を介して連通連結した温水回路とを備えた構成とし、前記吸熱用の熱交換器に処理室からの蒸気を導入して熱交換可能とすることもできる。
【0035】
かかる構成とすれば、貯湯槽内に配設した熱交換器とヒートポンプユニットとを結ぶ循環流路からなる温水回路は常圧で済むことから、ヒートポンプユニットを別体として本体と接続することができ、真空乾燥装置の設置自由度が増し、設置スペースなどの制約が多い小、中規模の飲食店などへの設置も容易となる。
【0036】
なお、この場合についても、本体内は真空ポンプによって減圧されているので、貯湯槽の水は100℃以下で沸騰して蒸気となり、処理室の表面を伝熱面として加熱し、処理室内に収納した被処理物を乾燥させることができるとともに、容積に関わらず法律で規定された圧力容器に該当しないものとなって安全である。また、処理室内は減圧状態に維持されるので、やはり被処理物の乾燥を促すことができる。
【0037】
このように、本実施の形態においても、生ごみを手軽に効率よく乾燥処理することができるとともに、安全性も高くできる。
【0038】
上記してきた各構成の真空乾燥処理装置において、さらに、処理室に被処理物を攪拌する攪拌羽根を備える構成とすることができる。
【0039】
攪拌羽根を設けることにより、被処理物が攪拌されて、より均一な被処理物の乾燥処理が可能となる。
【0040】
【実施例】
(第一実施例)
以下、本発明の第一実施例を図面に基づいて説明する。なお、本実施例における被処理物としては、食品廃棄物である生ごみとして説明する。
【0041】
図1は本発明の第一実施例に係る真空乾燥処理装置Aの概略構成図である。
【0042】
本真空乾燥処理装置Aの本体1は、下端側を矩形状とするとともに上端側をほぼ円筒状としたものであり、本体1の円筒状部分には同軸的に円筒状の処理室2を形成している。この円筒状の処理室2の表面は、後述する熱媒水Wの蒸気が接触する伝熱面を構成する。
【0043】
本体1の下端の矩形状部分には熱媒水Wを溜める貯湯槽1aが形成され、この貯湯槽1aには加熱用の熱交換器3が収納されている。この熱交換器3は本体1の外部に配置した本実施例の要部をなすヒートポンプユニット4の一部を構成するものである。なお、同ヒートポンプユニット4については後に詳述する。
【0044】
本体1の上端側には本体1の内部を減圧するための真空ポンプ5を接続している。この真空ポンプ5は本体1内に発生する不活性ガスを吸引しかつ本体1内部が大気圧を超えないように保持する。
【0045】
処理室2は円筒ドラム状であり、その内部には生ごみからなる被処理物Mを収納している。そして、処理室2の内部には被処理物Mを攪拌するための攪拌羽根2aを外部からの駆動源によって回転駆動に配置している。2bは攪拌羽根2aの駆動軸であり、処理室2の軸線上に架設されている。また、処理室2には蒸気排出管6aを介して真空ポンプ6が接続されている。この真空ポンプ6を作動させることによって、処理室2内の空気密度を小さくして水分が蒸発しやすい状態にすることができ、被処理物Mの乾燥処理をしやすくしている。
【0046】
ヒートポンプユニット4は、吸熱用の熱交換器としての蒸発器7と圧縮機8とを冷熱媒復路をなす冷熱媒復管10により連通連結し、前記圧縮機8と貯湯槽1a内に配置した加熱用の熱交換器3とを温熱媒往路をなす温熱媒往管11により連通連結し、前記加熱用の熱交換器3と減圧器9とを温熱媒復路をなす温熱媒復管12により連通連結し、さらに、前記減圧器9と前記蒸発器7とを冷熱媒往路をなす冷熱媒往管13により連通連結してヒートポンプ回路Hを形成し、しかも、前記吸熱用の熱交換器である蒸発器7に処理室2からの蒸気を導入して熱交換可能としている。ヒートポンプユニット4の熱媒として、本実施例ではCO2を用いて高温を得られるようにするとともに、オゾン破壊や地球温暖化などに対して考慮したものとしている。
【0047】
また、処理室2から伸延した前記蒸気排出管6aは、前記蒸発器7を通ってその先端を凝縮水槽14に臨ませている。そして、同凝縮水槽14に排気管15を介して真空ポンプ6を接続している。図中、16はドレン管であり、前記凝縮水槽14の下部から伸延するとともに、その中途と前記排気管15との中途とを連通連結している。したがって、排気管15中を通って大気に排気される処理ガスの一部が凝結した場合は、ドレン管16に合流して排出可能となっている。
【0048】
上記した構成とすることにより、貯湯槽1a内の熱媒水Wを効率的に加熱沸騰させることが可能となる。しかも、処理室2より排出される蒸気によって、気液混合状態とされた熱媒であるCO2に吸熱させる一方、熱を奪われた処理室2からの蒸気は凝縮して容易に排出させることができる。したがって、従来のように、処理室2からの蒸気を冷却するためにクーリングタワーなどを設備する必要がない。しかも、処理室2からの蒸気をヒートポンプ回路Hの熱媒に取り込むことができることから、効率的なヒートポンプ作用が実現できる。
【0049】
すなわち、蒸発器7内において、気液混合状態にされた熱媒は処理室2より排出される蒸気と熱交換して伝熱された状態で冷熱媒復管10を通り、熱を持った熱媒は圧縮機8で圧縮され、より高温となって温熱媒往管11を通って貯湯槽1a内の加熱用の熱交換器3で熱媒水Wと熱交換して同熱媒水Wを加熱する。本体1内は真空ポンプ5によって常時減圧されているので、100℃以下、ここでは略90℃で熱媒水Wを加熱沸騰させることが可能となっている。
【0050】
熱交換された熱媒は、温熱媒復管12を通って減圧器9により減圧されて気液混合状態となり、冷熱媒往管13を通って再び前記蒸発器7において処理室2より排出される蒸気と熱交換する。かかるサイクルを繰り返して上述したように熱媒水Wを加熱沸騰させることができる。
【0051】
実際に生ごみからなる被処理物Mを乾燥処理する場合について説明すると、先ず、真空ポンプ6を作動して処理室2内を減圧して水分が蒸発しやすい雰囲気に設定するとともに、攪拌羽根2aを回転駆動して被処理物Mを混合攪拌する。
【0052】
本体1内は真空ポンプ5によって常時減圧されており100℃以下で熱媒水を加熱沸騰させる状態に保持されている。このような減圧の設定の後、ヒートポンプユニット4を駆動して高温高圧の熱媒を加熱用の熱交換器3に供給することで、熱交換によって熱媒水Wを加熱沸騰させる。このときの加熱沸騰温度は略90℃である。
【0053】
加熱沸騰した熱媒水Wは蒸気を発生し、本体1と処理室2との間を蒸気が通過するときに処理室2の表面を伝熱面として処理室2内を加熱する。この加熱により、処理室2内の被処理物Mが高温化して乾燥処理される。なお、高温化されるといっても、前述したように、加熱沸騰温度は略90℃あることから、処理室2内はそれ以下の比較的低温状態で乾燥処理が進行することから、例えば被処理物M中に、高温では溶けてしまうようなビニル系の異物などが混入されていても、攪拌羽根2aなど、処理室2内に付着したりすることを防止できる。
【0054】
このように、含水率の高い生ごみからなる被処理物Mは、完全に乾燥処理されることで臭気や腐敗の問題もなくなり、その後可燃廃棄物として焼却処理することが可能となる。
【0055】
また、ヒートポンプユニット4は電力を駆動源としているので、深夜電力などを利用すれば、ボイラ用の灯油を使用する場合に比べ、被処理物Mの処理コストは半分以下となり、ランニングコストを大幅に削減できる。
【0056】
また、本体1内を減圧処理して操業するので、本体1の容積にかかわらず本体1は規定された圧力容器に該当しない。したがって、圧力容器取り扱いの免許を持たないオペレータでも操作することができ、例えばファミリーレストランなどのような飲食店にも容易に設置が可能で、しかも安全に使用することができる。また、処理室2の表面への伝熱は熱媒水の沸騰による蒸気の上昇流により行われるので、従来のようにボイラから直に蒸気を吹き込む場合に比べると処理室2の表面の伝熱面での温度むらの発生が小さくなる。したがって、被処理物Mを均等に乾燥させることができるとともに乾燥時間も短くなり乾燥効率を上げることができる。
【0057】
(第二実施例)
次に、本発明の第二実施例を図面に基づいて説明する。
【0058】
図2は本発明の第二実施例に係る真空乾燥処理装置Bの概略構成図である。
本真空乾燥処理装置Bと前述した第一実施例に係る真空乾燥処理装置Aとは、ヒートポンプユニット4の構成が異なるだけであり、他は同様な構造であるので、本実施例ではヒートポンプユニット4についてのみ以下に説明し、それ以外は省略する。
【0059】
本実施例に係る真空乾燥処理装置Bにおけるヒートポンプユニット4は、図示するように、本体1と別体のケーシングとしており、真空乾燥処理装置Bの設置自由度が増すような構成となっている。
【0060】
すなわち、ヒートポンプユニット4は、熱媒であるCO2を循環させる冷媒回路22と、常圧温水を循環させる温水回路25とが共用熱交換器20を介して接続した構成となっている。
【0061】
冷媒回路22は、吸熱用の熱交換器である蒸発器7と、圧縮機8と、温熱媒と常圧温水との間で熱交換する前記共用熱交換器20と、減圧機9とを循環流路21を介して連通連結して構成している。
【0062】
一方、温水回路25は、前記共用熱交換器20と、貯湯槽1a内に配置した加熱用の熱交換器3と、循環ポンプ23とを循環流路24を介して連通連結して構成している。そして、この場合でも、前記蒸発器7に処理室2からの蒸気を導入して熱交換可能としている。
【0063】
かかる構成とすることにより、貯湯槽1a内に配設した熱交換器3とヒートポンプユニット4とを結ぶ循環流路24からなる温水回路25は常圧で済むことから、安全かつ容易に配管することができ、ヒートポンプユニット4を別体として本体1と接続することができる。したがって、真空乾燥装置Bとしての設置自由度が向上し、設置スペースなどの制約が多い中小規模の飲食店などへの設置も容易となる。
【0064】
そして、この場合でも、被処理物Mの加熱においては、本体1内を減圧処理して操業するので、本体1の容積にかかわらず本体1は規定された圧力容器に該当しない。したがって、圧力容器取り扱いの免許を持たないオペレータでも操作することができ、かかる面からもファミリーレストランなどのような飲食店にも容易に設置することができる。
【0065】
そして、この場合についても、含水率の高い生ごみからなる被処理物Mは完全に乾燥処理されることで臭気や腐敗の問題がなく、その後、可燃廃棄物として容易に焼却処理することが可能となる。
【0066】
また、ヒートポンプユニット4は電力を駆動源としているので、深夜電力などを利用すれば、ボイラ用の灯油を使用する場合に比べ、被処理物Mの処理コストは半分以下となり、ランニングコストを大幅に削減できる。
【0067】
さらに、本実施例においても、処理室2の表面への伝熱は熱媒水の沸騰による蒸気の上昇流により行われるので、従来のようにボイラから直に蒸気を吹き込む場合に比べると処理室2の表面の伝熱面での温度むらの発生が小さくなる。したがって、被処理物Mを均等に乾燥させることができるとともに乾燥時間も短くなり乾燥効率を上げることができる。
【0068】
【発明の効果】
(1)請求項1記載の本発明では、下端側を貯湯槽とし、内部を真空ポンプに接続した本体と、同本体内の貯湯槽の上方に配置され内部に被処理物を収納した処理室と、同処理室に連通させた真空ポンプと、前記貯湯槽内に配置した熱交換器を具備するヒートポンプユニットとを備え、前記貯湯槽の熱媒水を前記ヒートポンプユニットによって加熱して、熱媒水の蒸気により前記処理室の表面を加熱する構成としている。したがって、深夜電力などを用いて経済的に駆動できるヒートポンプを利用することでランニングコストを低く抑えながら、貯湯槽内の熱媒水を効果的に加熱することができる。また、ボイラなどを使用するのに比べ、燃料タンクなどが不要で省スペース化を図ることができる。
【0069】
また、本体の内部を減圧して処理室を加熱する構成としているので、本体の容積にかかわらず本体を圧力容器に該当しないものとして使用できる。したがって、圧力容器の知識を持たないオペレータでも操作することができ汎用性を向上させることができるとともに、安全性を格段に向上させることができる。また、貯湯槽内の熱媒水を加熱沸騰させて発生する100℃以下の蒸気を用いて処理室の表面を伝熱面として処理室内を加熱するので、ボイラから直接蒸気や温水を供給する場合に比べると処理室を一様に加熱することができ、被処理物をむらなく加熱することができる。
【0070】
さらに、温度の影響を受けやすい被処理物の場合でも、貯湯槽内の熱媒水の温度を制御するだけの簡単な操作で低温加熱による乾燥が可能となり、また、低温乾燥が可能なことから、高温では溶けてしまって処理室内に悪影響を与えがちなビニル系の異物などが混入されていても問題がない。
【0071】
(2)請求項2記載の本発明では、上記ヒートポンプユニットは、吸熱用の熱交換器と圧縮機とを冷熱媒復路により連通連結し、前記圧縮機と貯湯槽内に配置した加熱用の熱交換器とを温熱媒往路により連通連結し、前記加熱用の熱交換器と減圧器とを温熱媒復路により連通連結し、さらに、前記減圧機と前記吸熱用の熱交換器とを冷熱媒往路により連通連結してヒートポンプ回路を形成し、しかも、前記吸熱用の熱交換器に処理室からの蒸気を導入して熱交換可能とした。したがって、上記(1)の効果に加え、処理室からの蒸気を冷却するためにクーリングタワーなどを設備する必要がなくなり、この面からも省スペース化が図れるとともに、熱媒への吸熱作用が効率的に行われる。
【0072】
(3)請求項3記載の本発明では、上記ヒートポンプユニットは、吸熱用の熱交換器と、圧縮機と、減圧機と、温熱媒と常圧温水との間で熱交換する共用熱交換器とを循環流路を介して連通連結した冷媒回路と、前記共用熱交換器と貯湯槽内に配置した加熱用の熱交換器と循環ポンプとを循環流路を介して連通連結した温水回路とを備え、前記吸熱用の熱交換器に処理室からの蒸気を導入して熱交換可能とした。したがって、上記(1)の効果に加え、貯湯槽内に配設した熱交換器とヒートポンプユニットとを結ぶ循環流路からなる温水回路は常圧で済むことから、ヒートポンプユニットを別体として本体と接続することができ、真空乾燥装置の設置自由度が増し、例えば、設置スペースなどの制約が多い小、中規模の飲食店などへの設置も容易となる。さらに、上記(2)同様に、処理室からの蒸気を冷却するためにクーリングタワーなどを設備する必要がなくなり、この面からも省スペース化が図れるとともに、熱媒への吸熱作用が効率的に行われるという効果を奏する。
【0073】
(4)請求項4記載の本発明では、上記ヒートポンプユニットの熱媒として、CO2を用いることとしたので、上記(1)〜(3)の効果に加え、オゾン破壊のおそれもなく、かつ地球温暖化の要因となるおそれもフロンガスなどに比べて著しく小さいので、環境保護の面でも有益となる。
【0074】
(5)請求項5記載の本発明では、上記処理室に、外部から回転駆動されて被処理物を攪拌可能とした攪拌羽根を配設したので、上記(1)〜(4)の効果に加え、被処理物が攪拌されて、より均一な被処理物の乾燥処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例に係る真空乾燥処理装置の概略図。
【図2】第二実施例に係る真空乾燥処理装置の概略図。
【図3】従来の真空乾燥処理装置の概略図。
【符号の説明】
A,B 真空乾燥処理装置
H ヒートポンプ回路
M 被処理物
W 熱媒水
1 本体
1a 貯湯槽
2 処理室
2a攪拌羽根
3 加熱用の熱交換器
4 ヒートポンプユニット
5 真空ポンプ
6 真空ポンプ
7 蒸発器(吸熱用の熱交換器)
8 圧縮機
9 減圧器
10 冷熱媒復管(冷熱媒復路)
11 温熱媒往管(温熱媒往路)
12 温熱媒復管(温熱媒復路)
13 冷熱媒往管(冷熱媒往路)
Claims (5)
- 下端側を貯湯槽とし、内部を真空ポンプに接続した本体と、同本体内の貯湯槽の上方に配置され内部に被処理物を収納した処理室と、同処理室に連通させた真空ポンプと、前記貯湯槽内に配置した熱交換器を具備するヒートポンプユニットとを備え、
前記貯湯槽の熱媒水を前記ヒートポンプユニットによって加熱して、熱媒水の蒸気により前記処理室の表面を加熱する構成としたことを特徴とする真空乾燥処理装置。 - ヒートポンプユニットは、吸熱用の熱交換器と圧縮機とを冷熱媒復路により連通連結し、前記圧縮機と貯湯槽内に配置した加熱用の熱交換器とを温熱媒往路により連通連結し、前記加熱用の熱交換器と減圧器とを温熱媒復路により連通連結し、さらに、前記減圧機と前記吸熱用の熱交換器とを冷熱媒往路により連通連結してヒートポンプ回路を形成し、しかも、前記吸熱用の熱交換器に処理室からの蒸気を導入して熱交換可能としたことを特徴とする請求項1記載の真空乾燥処理装置。
- ヒートポンプユニットは、吸熱用の熱交換器と、圧縮機と、減圧機と、温熱媒と常圧温水との間で熱交換する共用熱交換器とを循環流路を介して連通連結した冷媒回路と、前記共用熱交換器と貯湯槽内に配置した加熱用の熱交換器と循環ポンプとを循環流路を介して連通連結した温水回路とを備え、前記吸熱用の熱交換器に処理室からの蒸気を導入して熱交換可能としたことを特徴とする請求項1記載の真空乾燥処理装置。
- ヒートポンプユニットの熱媒として、CO2を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の真空乾燥処理装置。
- 処理室に、外部から回転駆動されて被処理物を攪拌可能とした攪拌羽根を配設したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の真空乾燥処理装置。
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