JP2004027913A - ピストン式圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】片頭ピストンとシリンダボアの局部摩擦を抑制する摺動部材の組み付け性を向上させ、また、同じく摺動部材の部品点数の低減を図ることができるピストン式圧縮機を提供する。
【解決手段】複数のシリンダボア111と、各シリンダボア111内に往復直線運動を行う片頭ピストン112と、クランク室133に設置され駆動源の回転運動を片頭ピストン112の往復直線運動に変換する運動変換機構15とを備え、各片頭ピストン112が往復直線運動するとき各シリンダボア111のクランク室側端部111aの内周面に向かって集中押圧力が付加されるピストン式圧縮機10において、各シリンダボア111のクランク室側端部111aのうち少なくとも集中押圧力が付加される部分を、摺動部材20で一体に形成した構造となっている。これにより、各シリンダボア111毎に個別に摺動部材20を形成する必要がなく、組み付け性に優れたものとなる。
【選択図】 図1
【解決手段】複数のシリンダボア111と、各シリンダボア111内に往復直線運動を行う片頭ピストン112と、クランク室133に設置され駆動源の回転運動を片頭ピストン112の往復直線運動に変換する運動変換機構15とを備え、各片頭ピストン112が往復直線運動するとき各シリンダボア111のクランク室側端部111aの内周面に向かって集中押圧力が付加されるピストン式圧縮機10において、各シリンダボア111のクランク室側端部111aのうち少なくとも集中押圧力が付加される部分を、摺動部材20で一体に形成した構造となっている。これにより、各シリンダボア111毎に個別に摺動部材20を形成する必要がなく、組み付け性に優れたものとなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、片頭ピストンの往復動により冷媒圧縮を行うピストン式圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のピストン式圧縮機、例えば片頭ピストン型斜板式圧縮機として特開平5−302570号公報に記載されたものが提案されている。
【0003】
この片頭ピストン型斜板式圧縮機は、シリンダブロック内に複数区画形成されたシリンダボアと、各シリンダボア内で往復直線運動できるよう収容された片頭ピストンと、クランク室に設置され駆動源の回転運動を片頭ピストンの往復直線運動に変換する運動変換機構とを備えている。この運動変換機構は回転駆動軸に装着された斜板と、片頭ピストンのブリッジ部に設けられた一対のシューとを備え、斜板の周縁部を各シューの間に摺接するよう嵌め込んでいる。ここで、駆動軸が回転するときは斜板が傾斜状態で回転し、これに伴い、片頭ピストンが上下に往復動する。
【0004】
このような片頭ピストン型斜板式圧縮機において、片頭ピストンが往復直線運動するときは、各シリンダボアのクランク室側端部の内周面に向かって集中押圧力が付加される。この作用を図15を参照して説明すると、斜板1が回転し片頭ピストン2が圧縮行程を開始する際、圧縮力F1とそれに直交する分力F2が作用して、片頭ピストン2は図15に示すような反時計回り方向へのモーメントMを受ける。このモーメントMは片頭ピストン2の外周面とシリンダボア3のクランク室側端部内周面との接触部P1において集中押圧力FM1となって作用する。このため、シリンダボア3の内周面や片頭ピストン2の外周面が早期に摩耗するという問題点を有していた。
【0005】
このような問題点を解決するため、前記公報に記載された片頭ピストン型斜板式圧縮機では、同じく図15に示すように、集中押圧力FM1を受ける部位、即ちクランク室側端部の内周面のシリンダブロック4に環状の溝5を設け、この溝5に環状の弾性部材6を嵌め込む構造を採用している。これにより、集中押圧力FM1を弾性部材6で受け、その弾性力により片頭ピストン2の摩耗等を防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記公報に記載されたピストン式圧縮機では、複数有するシリンダボア3に1個ずつ溝加工を施す必要があり製造が面倒であり、また、同じくこの溝5の数の分だけ弾性部材6が必要となり部品点数が増大し、更には、弾性部材6を1個ずつ溝5に嵌め込む必要があり、ピストン式圧縮機の製造時間が長くなるという問題点を有していた。
【0007】
また、片頭ピストン2の摺動性は片頭ピストン2の外周面とシリンダボア3の内周面との間の隙間寸法に影響され、その摺動性を得るためにはその隙間寸法をある程度大きくする必要がある。
【0008】
しかしながら、その隙間寸法を大きくするときは、シリンダボア3からクランク室に向かって抜けるブローバイガスのガス量が増加したり、また、クランク室から潤滑油がシリンダボア3に多量に抜け、クランク室に設置された摺動機器の潤滑性を損なうという問題点を有していた。
【0009】
本発明の目的は前記従来の問題点に鑑み、片頭ピストンとシリンダボアの局部摩擦を抑制する摺動部材の組み付け性を向上させ、また、同じく摺動部材の部品点数の低減を図るとともに、片頭ピストンの摺動性が良好となるピストン式圧縮機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するため、請求項1の発明は、シリンダブロック内に複数区画形成されたシリンダボアと、各シリンダボア内で往復直線運動できるよう収容された片頭ピストンと、クランク室に設置され駆動源の回転運動を片頭ピストンの往復直線運動に変換する運動変換機構とを備え、各片頭ピストンが往復直線運動するとき各シリンダボアのクランク室側端部内周面に向かって集中押圧力が付加されるピストン式圧縮機において、各シリンダボアのクランク室側端部のうち少なくとも集中押圧力が付加される部分を、摺動部材で一体に形成した構造となっている。
【0011】
請求項1の発明によれば、各シリンダボアのクランク室側端部のうち少なくとも集中押圧力が付加される部分を、摺動部材で一体に形成した構造となっているため、各シリンダボア毎に個別に摺動部材を形成する必要がなく、組み付け性に優れたものとなる。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に係るピストン式圧縮機において、摺動部材は弾性を有する構造となっているため、片頭ピストンが摺動部材に摺接する際、その弾性力により局部摩擦が抑制される。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に係るピストン式圧縮機において、シリンダブロックとクランク室を形成するハウジングとの間に挟み込まれたシール部材は、摺動部材と一体に形成されているため、摺動部材の組み付けと同時にシリンダブロックとハウジングとの間のシール部材の取付も完了し、部品の組み付け性が更に向上する。
【0014】
なお、請求項4の発明の如く、摺動部材は金属材料の母材にフッ素系材料をコーティング処理することにより、摺動部材の耐摩耗性が更に向上するし、また、請求項5の発明の如く、摺動部材をシリンダブロックにネジ部材、接着剤等の固定部材で固定することにより、摺動部材の組み付け強度が向上する。
【0015】
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5のピストン式圧縮機において、摺動部材のうちシリンダブロックとの対向面には各シリンダボアに互いに連通する連通溝を形成した構造となっている。
【0016】
請求項6の発明によれば、片頭ピストンの往復動でシリンダボア内で冷媒の圧縮膨張作用が起きる。このとき、隣接するシリンダボア内の高低圧力差により連通溝を介してシリンダボア間で油が行き来きする。これにより、片頭ピストンとシリンダボアの隙間に油が円滑に供給され、片頭ピストンの摺動性が向上する。
【0017】
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6のピストン式圧縮機において、クランク室側端部にはクランク室に向かって開口径を大きくしたテーパ部を有する構造となっているので、片頭ピストンがテーパ部を通じてシリンダボア内に容易に収容配置することができる。
【0018】
請求項8の発明は、請求項1乃至請求項7のピストン式圧縮機において、摺動部材は片頭ピストンが通るピストン通路部を有するとともに、ピストン通過部の内径をシリンダボアの内径より小さく形成した構造となっている。これにより、シリンダボアと片頭ピストンとの間を抜ける潤滑油が摺動部材により堰き止められクランク室への抜けが抑制されるため、片頭ピストンの摺動性が向上する。
【0019】
請求項9の発明は、請求項1乃至請求項7のピストン式圧縮機において、摺動部材は片頭ピストンが通るピストン通路部を有するとともに、摺動部材はシリンダブロックより熱膨張率の高い材料で形成した構造となっている。これにより、ピストン式圧縮機が稼動して摺動部材の温度が高くなったときは、ピストン通路部の内径がシリンダボアの内径より小さくなるため、前記請求項8の発明と同様に、潤滑油のクランク室への抜けが抑制される。
【0020】
なお、本発明に係るピストン式圧縮機に使用される冷媒は、フロン、アンモニア等に限らず、炭化水素や二酸化炭素冷媒も含むものである(請求項10の発明)。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1乃至図3は本発明の第1実施形態に係るピストン式圧縮機を示すもので、図1はピストン式圧縮機の断面図、図2は摺動部材を示す斜視図、図3は摺動部材の作用を示す断面図である。なお、本実施形態ではピストン式圧縮機のうち、片頭ピストン型斜板式圧縮機(以下、圧縮機と称す)を一例として掲げて説明する。
【0022】
まず、この圧縮機10の全体構造を図1を参照して説明する。圧縮機10はシリンダブロック11と、シリンダブロック11の一方の面に配置されたリアハウジング12と、シリンダブロック11の他方の面に配置されたフロントハウジング13とを有している。このシリンダブロック11には円筒状のシリンダボア111が複数に形成され、各シリンダボア111にはそれぞれ片頭ピストン112が往復直線運動ができるよう収容されている。リアハウジング12には冷媒の吸入室121及び吐出室122が形成され、各室121,122が弁体を介してシリンダボア111に連通しており、片頭ピストン112の往復動によりシリンダボア111で冷媒が圧縮膨張される。フロントハウジング13にはシリンダブロック11からフロントハウジング13の外方に突出した回転軸131が貫通している。この回転軸131はシリンダブロック11及びフロントハウジング13に介装されたベアリング113,132を介して軸支され、その先端は電磁クラッチ14に連結している。電磁クラッチ14はそのプーリ141を図示しない自動車エンジンのベルトに連結しており、エンジンにて出力された回転力が電磁クラッチ14を通じて回転軸131に伝達されるようになっている。
【0023】
この回転軸131に伝達された回転運動はフロントハウジング13のクランク室133内に設置された運動変換機構15により往復直線運動に変換される。即ち、運動変換機構15は回転軸131に固着されたロータ151と、ロータ151に連結する連結部152と、連結部152に固定された斜板153と、片頭ピストン112のブリッジ部112aに介装された一対のシュー154とからなり、斜板153の周縁部がシュー154に摺動自在に挟み込まれている。ここで、回転軸131が回転運動を行うときはロータ151及び連結部152が回転し、これに伴い斜板153が回転する。この斜板153は回転軸131に対して傾斜した状態で回転するため、その斜板153の傾斜幅の分、片頭ピストン112が直線方向に往復動する。なお、この運動変換機構15はクランク室133の圧力とシリンダボア111の吸入圧力との差圧に対応して斜板153の傾き角が変化し、片頭ピストン112のストロークの変更が可能となっている。
【0024】
以上のような圧縮機構造は従来の圧縮機構造と同様であり、本発明に係る圧縮機10はシリンダブロック11とフロントハウジング13との間に摺動部材20を介装した点にある。なお、この摺動部材20の構造を図1に加えて図2及び図3も参照して説明するが、図2では4気筒ピストン方式に対応する摺動部材20を掲げている。
【0025】
即ち、摺動部材20はシリンダブロック11とフロントハウジング13との対向面に対応するよう円盤状に形成されている。その材質は耐摩耗性に優れ、かつ、アルミニウム合金の片頭ピストン112よりも弾性に富む、例えば四フッ化エチレン樹脂(PTFE)を用いている。もちろん、母材として弾性に優れた鉄系、アルミニウム系材料を用い、これにPTFE等の耐摩耗性材料をコーティングするようにしても良い。
【0026】
摺動部材20は図2に示すように周縁部201を多少厚みを増して強度を補い、この周縁部201を介してシリンダブロック11とフロントハウジング13との間に締め付けるよう固着している。なお、周縁部201には外方に突出した位置決め部202を形成しており、この位置決め部202の位置決め穴202aに図1に示すように位置規制用ピン203が挿入されるようになっている。
【0027】
周縁部201の内側には周方向に所定間隔をおいて4個のピストン通路部、即ち貫通穴204を形成している。各貫通穴204は各シリンダボア111と同径に形成され、各シリンダボア111と対応して配置しており、各シリンダボア111のクランク室側端部111aを構成している。また、貫通穴204のクランク室133寄りにはテーパ部205が形成されている。このテーパ部205はクランク室133に向かって開口径が大きくなるよう形成されている。
【0028】
摺動部材20の中央には回転軸131が貫通する軸挿通穴206が形成されている。また、軸挿通穴206の周りには複数のネジ穴207を形成しており、このネジ穴207に図1に示すようにネジ208が挿入され、摺動部材20がシリンダブロック11に固着されている。なお、ネジ締結の代わりに接着剤を用い、摺動部材20をシリンダブロック11に接着するようにしても良い。
【0029】
本実施形態によれば、回転軸131の回転運動を片頭ピストン112の往復直線運動に変換する作用において、図3に示すように、斜板153が回転して片頭ピストン112が圧縮行程を開始する際、圧縮力F1とそれに直交する分力F2が作用して、片頭ピストン112は図3に示すような反時計回り方向へのモーメントMを受けることとなる。このモーメントMにより、片頭ピストン112の外周面とシリンダボア111のクランク室側端部111aの内周面との接触部に集中押圧力FM1が作用することとなる。
【0030】
ここで、本実施形態に係るクランク室側端部111aが耐摩耗性に優れかつ弾性に富む摺動部材20により形成されているため、シリンダボア111のクランク室側端部111aの強度が向上するし、また、片頭ピストン112のコーティングが剥がれることがない。
【0031】
また、一個の摺動部材20に各シリンダボア111に対応する複数のクランク室側端部111aが一体に形成されているため、複数のクランク室側端部111aを一括して製造できるし、また、部品点数も少なくなっている。更にまた、摺動部材20を組み付ける際にも組み付け作業が一回で済む。
【0032】
更に、この摺動部材20の周縁部201はシリンダブロック11とフロントハウジング13とのシール機能を有しているため、ガスケット等のシール部材が不要となるし、また、摺動部材20の組み付けと同時にシールされるため、この点でも組み付け性が向上している。
【0033】
更に、シリンダボア111のクランク室側端部111aにはテーパ部205が形成されているため、片頭ピストン112をテーパ部205を通じてシリンダボア112内に容易に収容配置できる。
【0034】
なお、本実施形態に係る圧縮機10に使用される冷媒は、フロン、アンモニア等に限らず、プロパン、ブタン等の炭化水素や二酸化炭素の何れであってもよい。
【0035】
図4及び図5は本発明に係る圧縮機の第2実施形態を示すものである。なお、前記第1実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表すとともに、その説明をを省略する。
【0036】
前記実施形態では摺動部材20をシリンダブロック11に対して隙間なく固定しているが、本実施形態では摺動部材20とシリンダブロック11のとの間に一部油が流通する連通溝209を形成している。
【0037】
即ち、この連通溝209は図5に示すように摺動部材20のうちシリンダブロック11と対向する面に形成されたもので、図4に示すように、隣接するシリンダボア111のクランク室側端部111aに互いに連通するよう形成されている。
【0038】
本実施形態によれば、図5に示すように、一方のシリンダボア111(図5に向かって左側)が圧力が高く、他方のシリンダボア111(図5に向かって右側)が圧力が低くなっているときは、ブローバイガスによって戻された油209の一部が、図5の矢印に示すように、連通溝209を通じて一方のシリンダボア111から他方のシリンダボア111に向かって移動する。逆に、他方のシリンダボア111が一方のシリンダボア111より圧力が高くなったときは、他方のシリンダボア111から一方のシリンダボア111に逆流する。
【0039】
このような各シリンダボア111の高低圧力差により油209が各シリンダボア111と片頭ピストン112の隙間に保持され、片頭ピストン112の摺動性を向上させることができる。なお、その他の構成、作用は前記第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0040】
図6及び図7は本発明に係る圧縮機の第3実施形態を示すものである。なお、前記第1実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表すとともに、その説明をを省略する。
【0041】
前記第1及び第2実施形態では摺動部材20を厚みのあるブロック材で形成しているが、本実施形態に係る摺動部材30は薄板部材で形成している。
【0042】
即ち、摺動部材30はシリンダブロック11とフロントハウジング13との対向面に対応するよう薄板円盤状に形成されている。その材質は前記第1及び第2実施形態と同様に、耐摩耗性に優れかつ弾性に富むPTFEで形成されもの、又は、母材として弾性に優れた鉄系、アルミニウム系材料を用い、これにPTFE等の耐摩耗性材料をコーティングしたものによって形成されている。
【0043】
摺動部材30は図6に示すように周縁部301を多少膨出し、この周縁部301を介してシリンダブロック11とフロントハウジング13との間に締め付けるよう固着している。なお、周縁部301には外方に突出した位置決め部302を形成しており、この位置決め部302に位置決め穴302aを形成している。
【0044】
周縁部301の内側には周方向に所定間隔をおいて4個のピストン通路部、即ち突出筒304を形成している。各突出筒304はクランク室133に向かって突出するとともに、その内径が各シリンダボア111と同径に形成されている。また、各突出部304は各シリンダボア111と対向して配置されており、突出筒304の内部が各シリンダボア111のクランク室側端部111bを構成している。また、突出筒304のクランク室133寄りにはテーパ部305が形成されている。このテーパ部305はクランク室133に向かって開口径が大きくなるよう形成されている。
【0045】
摺動部材30の中央には回転軸131が貫通する軸挿通穴306が形成されている。また、軸挿通穴306の周りには複数のネジ穴307が形成されている。
【0046】
本実施形態によれば、前記第1実施形態と同様に、集中押圧力がかかる部分、即ち、クランク室側端部111bが耐摩耗性に優れかつ弾性に富む摺動部材30により形成されているため、シリンダボア111及び片頭ピストン112の耐久性が向上する。また、前記第1実施形態と同様に部品点数が少なくなり、組み付け性が向上するし、更には、シリンダブロック11とフロントハウジング13のシール部材を別個に用意する必要がない。
【0047】
また、本実施形態に係る摺動部材30は板材にて形成されているため、摺動部材30の材料が第1及び第2実施形態に係る摺動部材20と比較して僅かで済む。
【0048】
更に、摺動部材30の突出筒304がクランク室133に向かって延在されているため、クランク室133からシリンダボア111に向かって侵入する潤滑油の量を抑制することができる。なお、その他の構成、作用は前記第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0049】
図8及び図9は本発明に係る圧縮機の第4実施形態を示すものである。なお、前記第3実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表すとともに、その説明をを省略する。
【0050】
本実施形態に係る摺動部材40は前記第3実施形態に係る摺動部材30と同様に薄板部材で形成されている。
【0051】
即ち、摺動部材40は第3実施形態と同様にシリンダブロック11とフロントハウジング13との対向面に対応するよう薄板円盤状に形成されている。その材質は前記3実施形態と同様に、耐摩耗性に優れかつ弾性に富むPTFEで形成されもの、又は、母材として弾性に優れた鉄系、アルミニウム系材料を用い、これにPTFE等の耐摩耗性材料をコーティングしたものによって形成されている。
【0052】
摺動部材40は図8に示すように周縁部401を大きく膨出し、この周縁部401を介してシリンダブロック11とフロントハウジング13との間に締め付けるよう固着している。なお、周縁部401には外方に突出した位置決め部402を形成しており、この位置決め部402に位置決め穴402aを形成している。
【0053】
周縁部401の内側には周方向に所定間隔をおいて4個のピストン通路部、即ち突出筒404を形成している。各突出筒404はU字状に折り曲げて形成しており、その先端をシリンダボア111に向かって突出するとともに、その内径が各シリンダボア111と同径に形成されている。また、各突出部404は各シリンダボア111と対向して配置されており、突出筒404の内部が各シリンダボア111のクランク室側端部111cを構成している。また、突出筒404のクランク室133寄りにはテーパ部405が形成されている。このテーパ部405はクランク室133に向かって開口径が大きくなるよう形成されている。
【0054】
摺動部材40の中央には回転軸131が貫通する軸挿通穴406が形成されている。また、軸挿通穴406の周りには複数のネジ穴407が形成されている。
【0055】
本実施形態によれば、前記第3実施形態と同様に、集中押圧力がかかる部分、即ち、クランク室側端部111cが耐摩耗性に優れかつ弾性に富む摺動部材40により形成されているため、シリンダボア111及び片頭ピストン112の耐久性が向上する。また、前記第3実施形態と同様に部品点数が少なくなり、組み付け性も向上するし、更には、シリンダブロック11とフロントハウジング13のシール部材を別個に用意する必要がない。更にまた、摺動部材40の材料が第1及び第2実施形態に係る摺動部材20と比較して僅かで済む。
【0056】
また、摺動部材40の突出筒404がシリンダボア111に向かって延在されているため、シリンダボア111からクランク室133に向かって侵入するブローバイガスのガス量を調整することができる。なお、その他の構成、作用は前記第3実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0057】
図10及び図11は本発明に係る圧縮機の第5実施形態を示すものである。なお、前記第1実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表すとともに、その説明をを省略する。
【0058】
本実施形態に係る摺動部材50は周側面に円弧状の凹部501を4個形成したものであり、第1実施形態と同様に、その材質は前記3実施形態と同様に、耐摩耗性に優れかつ弾性に富むPTFEで形成されもの、又は、母材として弾性に優れた鉄系、アルミニウム系材料を用い、これにPTFE等の耐摩耗性材料をコーティングしたものによって形成されている。また、各凹部501はシリンダボア111のうち回転軸131側の内周面と対応するよう形成されるとともに、各シリンダボア111と対向して配置して、各凹部501が各シリンダボア111のクランク室側端部111dを構成している。また、各凹部501のクランク室133寄りには、クランク室133に向かって開口径が大きくなるよう形成されたテーパ部502を有している。また、摺動部材50の中央には回転軸131が貫通する軸挿通穴503が形成され、また、軸挿通穴503の周りには複数のネジ穴504が形成されている。
【0059】
なお、シリンダブロック11とフロントハウジング13との間は従来例と同様にガスケット51によりシールされるようになっている。
【0060】
本実施形態によれば、シリンダボア111の内周面のうち集中押圧力が係る部分に限定して耐摩耗性に優れかつ弾性に富む摺動部材50を設けており、摺動部材50の材料が僅かとなっている。なお、その他の構成、作用は前記第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0061】
図12は本発明に係る圧縮機の第6実施形態を示すものである。なお、前記第1実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表すとともに、その説明をを省略する。
【0062】
第1実施形態に係る摺動部材20はその貫通穴204の内径がシリンダボア111と対応するように同一径で形成されているが、本実施形態に係る摺動部材20はその貫通穴204のうち回転軸131側の内周面をシリンダボア111と対応するよう形成し、他の部分は大径に形成している。
【0063】
本実施形態によれば、シリンダボア111のクランク室側端部111eのうち、片頭ピストン112で集中押圧力を受ける部分が摺動部材20で耐摩耗性及び弾性が作用するため、前記第1実施形態と同様の作用を発揮することはもとより、他の部分が大径になっている分、材料費を軽減することができる。その他の構成、作用は前記第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0064】
なお、前記第1〜第6実施形態に係る摺動部材20〜50において、母材として弾性に優れた鉄系、アルミニウム系材料を用い、これにPTFE等の耐摩耗性材料をコーティングする際は、摺動部材20〜50全体をコーティングする必要はなく、片頭ピストン112で集中押圧力を受ける部分のみをコーティングするようにしてもよい。また、前記実施形態では片頭ピストン型斜板式圧縮機10を掲げて説明したが、片頭ピストン112の往復運動によりシリンダボア111に集中押圧力が発生するものであれば、例えば図示しないクランク式圧縮機等においても同様に適用できる。
【0065】
また、前記第1〜第4実施形態に係る摺動部材20,30,40において、摺動部材20,30,40のピストン通路部の内径、即ち貫通穴204の内径及び突出筒304,404の内径はシリンダボア111の内径と同一寸法で形成されているが、例えば、図13に示すように、第1及び第2実施形態に係る貫通穴204の内径寸法をシリンダボア111の内径寸法より僅かに小さく形成しても良い。これにより、シリンダボア111と片頭ピストン112との間を抜ける潤滑油が貫通穴204の内周縁により堰き止められ、クランク室133への抜けが抑制される。また、摺動部材20の材料をシリンダブロック11の材料より熱膨張率の高いものを採用するようにしても良い。これにより、図14(a)に示すように、圧縮機10の非稼働時(組立時)は、第1及び第2実施形態と同様に貫通穴204の内径寸法とシリンダボア111の内径寸法を同一となっているが、図14(b)に示すように、圧縮機10が稼動してシリンダブロック11及び騒動部材20が加熱されるとき、その熱膨張率の差により貫通穴204の内径寸法がシリンダボア111の内径寸法より小さくなる。従って、図14(a)(b)に示す変形例においても、図13に示す変形例と同様に、潤滑油のクランク室133への抜けが抑制される。
【0066】
なお、図13及び図14(a)(b)では第1及び第2実施形態に係る摺動部材20について説明しているが、第3及び第4実施形態に係る摺動部材30,40の突出筒304,404についても同様に適用することができる。即ち、突出筒304,404の内径寸法をシリンダボア111の内径寸法より小さくするときは、図13に示す変形例と同一の作用が発揮されるし、また、摺動部材30,40をシリンダブロック11よりも熱膨張率が高い材料で形成するときは、図14(a)(b)に示す変形例と同一の作用が発揮される。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、各シリンダボアのクランク室側端部のうち少なくとも集中押圧力が付加される部分を、摺動部材で一体に形成した構造となっているため、部品点数が少なくて済みコストが割安となることはもとより、各シリンダボア毎に個別に摺動部材を形成する必要がなく、組み付け性に優れたピストン式圧縮機が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るピストン式圧縮機の断面図
【図2】第1実施形態に係る摺動部材を示す斜視図
【図3】第1実施形態の要部を示す断面図
【図4】第2実施形態に係る摺動部材を示す斜視図
【図5】第2実施形態の要部を示す断面図
【図6】第3実施形態に係る摺動部材を示す斜視図
【図7】第3実施形態の要部を示す断面図
【図8】第4実施形態に係る摺動部材を示す斜視図
【図9】第4実施形態の要部を示す断面図
【図10】第5実施形態に係る摺動部材を示す斜視図
【図11】第5実施形態の要部を示す断面図
【図12】第6実施形態に係る摺動部材を示す斜視図
【図13】摺動部材の一変形例を示す断面図
【図14】摺動部材の他の変形例を示す断面図
【図15】従来例を示す断面図
【符号の説明】
10…片頭ピストン型斜板式圧縮機、11…シリンダブロック、13…フロントハウジング、15…運動変換機構、20,30,40,50…摺動部材、111…シリンダボア、111a〜111e…クランク室側端部、112…片頭ピストン、133…クランク室、204…貫通穴、304,404…突出筒、205,305,405,502…テーパ部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、片頭ピストンの往復動により冷媒圧縮を行うピストン式圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のピストン式圧縮機、例えば片頭ピストン型斜板式圧縮機として特開平5−302570号公報に記載されたものが提案されている。
【0003】
この片頭ピストン型斜板式圧縮機は、シリンダブロック内に複数区画形成されたシリンダボアと、各シリンダボア内で往復直線運動できるよう収容された片頭ピストンと、クランク室に設置され駆動源の回転運動を片頭ピストンの往復直線運動に変換する運動変換機構とを備えている。この運動変換機構は回転駆動軸に装着された斜板と、片頭ピストンのブリッジ部に設けられた一対のシューとを備え、斜板の周縁部を各シューの間に摺接するよう嵌め込んでいる。ここで、駆動軸が回転するときは斜板が傾斜状態で回転し、これに伴い、片頭ピストンが上下に往復動する。
【0004】
このような片頭ピストン型斜板式圧縮機において、片頭ピストンが往復直線運動するときは、各シリンダボアのクランク室側端部の内周面に向かって集中押圧力が付加される。この作用を図15を参照して説明すると、斜板1が回転し片頭ピストン2が圧縮行程を開始する際、圧縮力F1とそれに直交する分力F2が作用して、片頭ピストン2は図15に示すような反時計回り方向へのモーメントMを受ける。このモーメントMは片頭ピストン2の外周面とシリンダボア3のクランク室側端部内周面との接触部P1において集中押圧力FM1となって作用する。このため、シリンダボア3の内周面や片頭ピストン2の外周面が早期に摩耗するという問題点を有していた。
【0005】
このような問題点を解決するため、前記公報に記載された片頭ピストン型斜板式圧縮機では、同じく図15に示すように、集中押圧力FM1を受ける部位、即ちクランク室側端部の内周面のシリンダブロック4に環状の溝5を設け、この溝5に環状の弾性部材6を嵌め込む構造を採用している。これにより、集中押圧力FM1を弾性部材6で受け、その弾性力により片頭ピストン2の摩耗等を防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記公報に記載されたピストン式圧縮機では、複数有するシリンダボア3に1個ずつ溝加工を施す必要があり製造が面倒であり、また、同じくこの溝5の数の分だけ弾性部材6が必要となり部品点数が増大し、更には、弾性部材6を1個ずつ溝5に嵌め込む必要があり、ピストン式圧縮機の製造時間が長くなるという問題点を有していた。
【0007】
また、片頭ピストン2の摺動性は片頭ピストン2の外周面とシリンダボア3の内周面との間の隙間寸法に影響され、その摺動性を得るためにはその隙間寸法をある程度大きくする必要がある。
【0008】
しかしながら、その隙間寸法を大きくするときは、シリンダボア3からクランク室に向かって抜けるブローバイガスのガス量が増加したり、また、クランク室から潤滑油がシリンダボア3に多量に抜け、クランク室に設置された摺動機器の潤滑性を損なうという問題点を有していた。
【0009】
本発明の目的は前記従来の問題点に鑑み、片頭ピストンとシリンダボアの局部摩擦を抑制する摺動部材の組み付け性を向上させ、また、同じく摺動部材の部品点数の低減を図るとともに、片頭ピストンの摺動性が良好となるピストン式圧縮機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するため、請求項1の発明は、シリンダブロック内に複数区画形成されたシリンダボアと、各シリンダボア内で往復直線運動できるよう収容された片頭ピストンと、クランク室に設置され駆動源の回転運動を片頭ピストンの往復直線運動に変換する運動変換機構とを備え、各片頭ピストンが往復直線運動するとき各シリンダボアのクランク室側端部内周面に向かって集中押圧力が付加されるピストン式圧縮機において、各シリンダボアのクランク室側端部のうち少なくとも集中押圧力が付加される部分を、摺動部材で一体に形成した構造となっている。
【0011】
請求項1の発明によれば、各シリンダボアのクランク室側端部のうち少なくとも集中押圧力が付加される部分を、摺動部材で一体に形成した構造となっているため、各シリンダボア毎に個別に摺動部材を形成する必要がなく、組み付け性に優れたものとなる。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に係るピストン式圧縮機において、摺動部材は弾性を有する構造となっているため、片頭ピストンが摺動部材に摺接する際、その弾性力により局部摩擦が抑制される。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に係るピストン式圧縮機において、シリンダブロックとクランク室を形成するハウジングとの間に挟み込まれたシール部材は、摺動部材と一体に形成されているため、摺動部材の組み付けと同時にシリンダブロックとハウジングとの間のシール部材の取付も完了し、部品の組み付け性が更に向上する。
【0014】
なお、請求項4の発明の如く、摺動部材は金属材料の母材にフッ素系材料をコーティング処理することにより、摺動部材の耐摩耗性が更に向上するし、また、請求項5の発明の如く、摺動部材をシリンダブロックにネジ部材、接着剤等の固定部材で固定することにより、摺動部材の組み付け強度が向上する。
【0015】
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5のピストン式圧縮機において、摺動部材のうちシリンダブロックとの対向面には各シリンダボアに互いに連通する連通溝を形成した構造となっている。
【0016】
請求項6の発明によれば、片頭ピストンの往復動でシリンダボア内で冷媒の圧縮膨張作用が起きる。このとき、隣接するシリンダボア内の高低圧力差により連通溝を介してシリンダボア間で油が行き来きする。これにより、片頭ピストンとシリンダボアの隙間に油が円滑に供給され、片頭ピストンの摺動性が向上する。
【0017】
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6のピストン式圧縮機において、クランク室側端部にはクランク室に向かって開口径を大きくしたテーパ部を有する構造となっているので、片頭ピストンがテーパ部を通じてシリンダボア内に容易に収容配置することができる。
【0018】
請求項8の発明は、請求項1乃至請求項7のピストン式圧縮機において、摺動部材は片頭ピストンが通るピストン通路部を有するとともに、ピストン通過部の内径をシリンダボアの内径より小さく形成した構造となっている。これにより、シリンダボアと片頭ピストンとの間を抜ける潤滑油が摺動部材により堰き止められクランク室への抜けが抑制されるため、片頭ピストンの摺動性が向上する。
【0019】
請求項9の発明は、請求項1乃至請求項7のピストン式圧縮機において、摺動部材は片頭ピストンが通るピストン通路部を有するとともに、摺動部材はシリンダブロックより熱膨張率の高い材料で形成した構造となっている。これにより、ピストン式圧縮機が稼動して摺動部材の温度が高くなったときは、ピストン通路部の内径がシリンダボアの内径より小さくなるため、前記請求項8の発明と同様に、潤滑油のクランク室への抜けが抑制される。
【0020】
なお、本発明に係るピストン式圧縮機に使用される冷媒は、フロン、アンモニア等に限らず、炭化水素や二酸化炭素冷媒も含むものである(請求項10の発明)。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1乃至図3は本発明の第1実施形態に係るピストン式圧縮機を示すもので、図1はピストン式圧縮機の断面図、図2は摺動部材を示す斜視図、図3は摺動部材の作用を示す断面図である。なお、本実施形態ではピストン式圧縮機のうち、片頭ピストン型斜板式圧縮機(以下、圧縮機と称す)を一例として掲げて説明する。
【0022】
まず、この圧縮機10の全体構造を図1を参照して説明する。圧縮機10はシリンダブロック11と、シリンダブロック11の一方の面に配置されたリアハウジング12と、シリンダブロック11の他方の面に配置されたフロントハウジング13とを有している。このシリンダブロック11には円筒状のシリンダボア111が複数に形成され、各シリンダボア111にはそれぞれ片頭ピストン112が往復直線運動ができるよう収容されている。リアハウジング12には冷媒の吸入室121及び吐出室122が形成され、各室121,122が弁体を介してシリンダボア111に連通しており、片頭ピストン112の往復動によりシリンダボア111で冷媒が圧縮膨張される。フロントハウジング13にはシリンダブロック11からフロントハウジング13の外方に突出した回転軸131が貫通している。この回転軸131はシリンダブロック11及びフロントハウジング13に介装されたベアリング113,132を介して軸支され、その先端は電磁クラッチ14に連結している。電磁クラッチ14はそのプーリ141を図示しない自動車エンジンのベルトに連結しており、エンジンにて出力された回転力が電磁クラッチ14を通じて回転軸131に伝達されるようになっている。
【0023】
この回転軸131に伝達された回転運動はフロントハウジング13のクランク室133内に設置された運動変換機構15により往復直線運動に変換される。即ち、運動変換機構15は回転軸131に固着されたロータ151と、ロータ151に連結する連結部152と、連結部152に固定された斜板153と、片頭ピストン112のブリッジ部112aに介装された一対のシュー154とからなり、斜板153の周縁部がシュー154に摺動自在に挟み込まれている。ここで、回転軸131が回転運動を行うときはロータ151及び連結部152が回転し、これに伴い斜板153が回転する。この斜板153は回転軸131に対して傾斜した状態で回転するため、その斜板153の傾斜幅の分、片頭ピストン112が直線方向に往復動する。なお、この運動変換機構15はクランク室133の圧力とシリンダボア111の吸入圧力との差圧に対応して斜板153の傾き角が変化し、片頭ピストン112のストロークの変更が可能となっている。
【0024】
以上のような圧縮機構造は従来の圧縮機構造と同様であり、本発明に係る圧縮機10はシリンダブロック11とフロントハウジング13との間に摺動部材20を介装した点にある。なお、この摺動部材20の構造を図1に加えて図2及び図3も参照して説明するが、図2では4気筒ピストン方式に対応する摺動部材20を掲げている。
【0025】
即ち、摺動部材20はシリンダブロック11とフロントハウジング13との対向面に対応するよう円盤状に形成されている。その材質は耐摩耗性に優れ、かつ、アルミニウム合金の片頭ピストン112よりも弾性に富む、例えば四フッ化エチレン樹脂(PTFE)を用いている。もちろん、母材として弾性に優れた鉄系、アルミニウム系材料を用い、これにPTFE等の耐摩耗性材料をコーティングするようにしても良い。
【0026】
摺動部材20は図2に示すように周縁部201を多少厚みを増して強度を補い、この周縁部201を介してシリンダブロック11とフロントハウジング13との間に締め付けるよう固着している。なお、周縁部201には外方に突出した位置決め部202を形成しており、この位置決め部202の位置決め穴202aに図1に示すように位置規制用ピン203が挿入されるようになっている。
【0027】
周縁部201の内側には周方向に所定間隔をおいて4個のピストン通路部、即ち貫通穴204を形成している。各貫通穴204は各シリンダボア111と同径に形成され、各シリンダボア111と対応して配置しており、各シリンダボア111のクランク室側端部111aを構成している。また、貫通穴204のクランク室133寄りにはテーパ部205が形成されている。このテーパ部205はクランク室133に向かって開口径が大きくなるよう形成されている。
【0028】
摺動部材20の中央には回転軸131が貫通する軸挿通穴206が形成されている。また、軸挿通穴206の周りには複数のネジ穴207を形成しており、このネジ穴207に図1に示すようにネジ208が挿入され、摺動部材20がシリンダブロック11に固着されている。なお、ネジ締結の代わりに接着剤を用い、摺動部材20をシリンダブロック11に接着するようにしても良い。
【0029】
本実施形態によれば、回転軸131の回転運動を片頭ピストン112の往復直線運動に変換する作用において、図3に示すように、斜板153が回転して片頭ピストン112が圧縮行程を開始する際、圧縮力F1とそれに直交する分力F2が作用して、片頭ピストン112は図3に示すような反時計回り方向へのモーメントMを受けることとなる。このモーメントMにより、片頭ピストン112の外周面とシリンダボア111のクランク室側端部111aの内周面との接触部に集中押圧力FM1が作用することとなる。
【0030】
ここで、本実施形態に係るクランク室側端部111aが耐摩耗性に優れかつ弾性に富む摺動部材20により形成されているため、シリンダボア111のクランク室側端部111aの強度が向上するし、また、片頭ピストン112のコーティングが剥がれることがない。
【0031】
また、一個の摺動部材20に各シリンダボア111に対応する複数のクランク室側端部111aが一体に形成されているため、複数のクランク室側端部111aを一括して製造できるし、また、部品点数も少なくなっている。更にまた、摺動部材20を組み付ける際にも組み付け作業が一回で済む。
【0032】
更に、この摺動部材20の周縁部201はシリンダブロック11とフロントハウジング13とのシール機能を有しているため、ガスケット等のシール部材が不要となるし、また、摺動部材20の組み付けと同時にシールされるため、この点でも組み付け性が向上している。
【0033】
更に、シリンダボア111のクランク室側端部111aにはテーパ部205が形成されているため、片頭ピストン112をテーパ部205を通じてシリンダボア112内に容易に収容配置できる。
【0034】
なお、本実施形態に係る圧縮機10に使用される冷媒は、フロン、アンモニア等に限らず、プロパン、ブタン等の炭化水素や二酸化炭素の何れであってもよい。
【0035】
図4及び図5は本発明に係る圧縮機の第2実施形態を示すものである。なお、前記第1実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表すとともに、その説明をを省略する。
【0036】
前記実施形態では摺動部材20をシリンダブロック11に対して隙間なく固定しているが、本実施形態では摺動部材20とシリンダブロック11のとの間に一部油が流通する連通溝209を形成している。
【0037】
即ち、この連通溝209は図5に示すように摺動部材20のうちシリンダブロック11と対向する面に形成されたもので、図4に示すように、隣接するシリンダボア111のクランク室側端部111aに互いに連通するよう形成されている。
【0038】
本実施形態によれば、図5に示すように、一方のシリンダボア111(図5に向かって左側)が圧力が高く、他方のシリンダボア111(図5に向かって右側)が圧力が低くなっているときは、ブローバイガスによって戻された油209の一部が、図5の矢印に示すように、連通溝209を通じて一方のシリンダボア111から他方のシリンダボア111に向かって移動する。逆に、他方のシリンダボア111が一方のシリンダボア111より圧力が高くなったときは、他方のシリンダボア111から一方のシリンダボア111に逆流する。
【0039】
このような各シリンダボア111の高低圧力差により油209が各シリンダボア111と片頭ピストン112の隙間に保持され、片頭ピストン112の摺動性を向上させることができる。なお、その他の構成、作用は前記第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0040】
図6及び図7は本発明に係る圧縮機の第3実施形態を示すものである。なお、前記第1実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表すとともに、その説明をを省略する。
【0041】
前記第1及び第2実施形態では摺動部材20を厚みのあるブロック材で形成しているが、本実施形態に係る摺動部材30は薄板部材で形成している。
【0042】
即ち、摺動部材30はシリンダブロック11とフロントハウジング13との対向面に対応するよう薄板円盤状に形成されている。その材質は前記第1及び第2実施形態と同様に、耐摩耗性に優れかつ弾性に富むPTFEで形成されもの、又は、母材として弾性に優れた鉄系、アルミニウム系材料を用い、これにPTFE等の耐摩耗性材料をコーティングしたものによって形成されている。
【0043】
摺動部材30は図6に示すように周縁部301を多少膨出し、この周縁部301を介してシリンダブロック11とフロントハウジング13との間に締め付けるよう固着している。なお、周縁部301には外方に突出した位置決め部302を形成しており、この位置決め部302に位置決め穴302aを形成している。
【0044】
周縁部301の内側には周方向に所定間隔をおいて4個のピストン通路部、即ち突出筒304を形成している。各突出筒304はクランク室133に向かって突出するとともに、その内径が各シリンダボア111と同径に形成されている。また、各突出部304は各シリンダボア111と対向して配置されており、突出筒304の内部が各シリンダボア111のクランク室側端部111bを構成している。また、突出筒304のクランク室133寄りにはテーパ部305が形成されている。このテーパ部305はクランク室133に向かって開口径が大きくなるよう形成されている。
【0045】
摺動部材30の中央には回転軸131が貫通する軸挿通穴306が形成されている。また、軸挿通穴306の周りには複数のネジ穴307が形成されている。
【0046】
本実施形態によれば、前記第1実施形態と同様に、集中押圧力がかかる部分、即ち、クランク室側端部111bが耐摩耗性に優れかつ弾性に富む摺動部材30により形成されているため、シリンダボア111及び片頭ピストン112の耐久性が向上する。また、前記第1実施形態と同様に部品点数が少なくなり、組み付け性が向上するし、更には、シリンダブロック11とフロントハウジング13のシール部材を別個に用意する必要がない。
【0047】
また、本実施形態に係る摺動部材30は板材にて形成されているため、摺動部材30の材料が第1及び第2実施形態に係る摺動部材20と比較して僅かで済む。
【0048】
更に、摺動部材30の突出筒304がクランク室133に向かって延在されているため、クランク室133からシリンダボア111に向かって侵入する潤滑油の量を抑制することができる。なお、その他の構成、作用は前記第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0049】
図8及び図9は本発明に係る圧縮機の第4実施形態を示すものである。なお、前記第3実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表すとともに、その説明をを省略する。
【0050】
本実施形態に係る摺動部材40は前記第3実施形態に係る摺動部材30と同様に薄板部材で形成されている。
【0051】
即ち、摺動部材40は第3実施形態と同様にシリンダブロック11とフロントハウジング13との対向面に対応するよう薄板円盤状に形成されている。その材質は前記3実施形態と同様に、耐摩耗性に優れかつ弾性に富むPTFEで形成されもの、又は、母材として弾性に優れた鉄系、アルミニウム系材料を用い、これにPTFE等の耐摩耗性材料をコーティングしたものによって形成されている。
【0052】
摺動部材40は図8に示すように周縁部401を大きく膨出し、この周縁部401を介してシリンダブロック11とフロントハウジング13との間に締め付けるよう固着している。なお、周縁部401には外方に突出した位置決め部402を形成しており、この位置決め部402に位置決め穴402aを形成している。
【0053】
周縁部401の内側には周方向に所定間隔をおいて4個のピストン通路部、即ち突出筒404を形成している。各突出筒404はU字状に折り曲げて形成しており、その先端をシリンダボア111に向かって突出するとともに、その内径が各シリンダボア111と同径に形成されている。また、各突出部404は各シリンダボア111と対向して配置されており、突出筒404の内部が各シリンダボア111のクランク室側端部111cを構成している。また、突出筒404のクランク室133寄りにはテーパ部405が形成されている。このテーパ部405はクランク室133に向かって開口径が大きくなるよう形成されている。
【0054】
摺動部材40の中央には回転軸131が貫通する軸挿通穴406が形成されている。また、軸挿通穴406の周りには複数のネジ穴407が形成されている。
【0055】
本実施形態によれば、前記第3実施形態と同様に、集中押圧力がかかる部分、即ち、クランク室側端部111cが耐摩耗性に優れかつ弾性に富む摺動部材40により形成されているため、シリンダボア111及び片頭ピストン112の耐久性が向上する。また、前記第3実施形態と同様に部品点数が少なくなり、組み付け性も向上するし、更には、シリンダブロック11とフロントハウジング13のシール部材を別個に用意する必要がない。更にまた、摺動部材40の材料が第1及び第2実施形態に係る摺動部材20と比較して僅かで済む。
【0056】
また、摺動部材40の突出筒404がシリンダボア111に向かって延在されているため、シリンダボア111からクランク室133に向かって侵入するブローバイガスのガス量を調整することができる。なお、その他の構成、作用は前記第3実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0057】
図10及び図11は本発明に係る圧縮機の第5実施形態を示すものである。なお、前記第1実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表すとともに、その説明をを省略する。
【0058】
本実施形態に係る摺動部材50は周側面に円弧状の凹部501を4個形成したものであり、第1実施形態と同様に、その材質は前記3実施形態と同様に、耐摩耗性に優れかつ弾性に富むPTFEで形成されもの、又は、母材として弾性に優れた鉄系、アルミニウム系材料を用い、これにPTFE等の耐摩耗性材料をコーティングしたものによって形成されている。また、各凹部501はシリンダボア111のうち回転軸131側の内周面と対応するよう形成されるとともに、各シリンダボア111と対向して配置して、各凹部501が各シリンダボア111のクランク室側端部111dを構成している。また、各凹部501のクランク室133寄りには、クランク室133に向かって開口径が大きくなるよう形成されたテーパ部502を有している。また、摺動部材50の中央には回転軸131が貫通する軸挿通穴503が形成され、また、軸挿通穴503の周りには複数のネジ穴504が形成されている。
【0059】
なお、シリンダブロック11とフロントハウジング13との間は従来例と同様にガスケット51によりシールされるようになっている。
【0060】
本実施形態によれば、シリンダボア111の内周面のうち集中押圧力が係る部分に限定して耐摩耗性に優れかつ弾性に富む摺動部材50を設けており、摺動部材50の材料が僅かとなっている。なお、その他の構成、作用は前記第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0061】
図12は本発明に係る圧縮機の第6実施形態を示すものである。なお、前記第1実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表すとともに、その説明をを省略する。
【0062】
第1実施形態に係る摺動部材20はその貫通穴204の内径がシリンダボア111と対応するように同一径で形成されているが、本実施形態に係る摺動部材20はその貫通穴204のうち回転軸131側の内周面をシリンダボア111と対応するよう形成し、他の部分は大径に形成している。
【0063】
本実施形態によれば、シリンダボア111のクランク室側端部111eのうち、片頭ピストン112で集中押圧力を受ける部分が摺動部材20で耐摩耗性及び弾性が作用するため、前記第1実施形態と同様の作用を発揮することはもとより、他の部分が大径になっている分、材料費を軽減することができる。その他の構成、作用は前記第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0064】
なお、前記第1〜第6実施形態に係る摺動部材20〜50において、母材として弾性に優れた鉄系、アルミニウム系材料を用い、これにPTFE等の耐摩耗性材料をコーティングする際は、摺動部材20〜50全体をコーティングする必要はなく、片頭ピストン112で集中押圧力を受ける部分のみをコーティングするようにしてもよい。また、前記実施形態では片頭ピストン型斜板式圧縮機10を掲げて説明したが、片頭ピストン112の往復運動によりシリンダボア111に集中押圧力が発生するものであれば、例えば図示しないクランク式圧縮機等においても同様に適用できる。
【0065】
また、前記第1〜第4実施形態に係る摺動部材20,30,40において、摺動部材20,30,40のピストン通路部の内径、即ち貫通穴204の内径及び突出筒304,404の内径はシリンダボア111の内径と同一寸法で形成されているが、例えば、図13に示すように、第1及び第2実施形態に係る貫通穴204の内径寸法をシリンダボア111の内径寸法より僅かに小さく形成しても良い。これにより、シリンダボア111と片頭ピストン112との間を抜ける潤滑油が貫通穴204の内周縁により堰き止められ、クランク室133への抜けが抑制される。また、摺動部材20の材料をシリンダブロック11の材料より熱膨張率の高いものを採用するようにしても良い。これにより、図14(a)に示すように、圧縮機10の非稼働時(組立時)は、第1及び第2実施形態と同様に貫通穴204の内径寸法とシリンダボア111の内径寸法を同一となっているが、図14(b)に示すように、圧縮機10が稼動してシリンダブロック11及び騒動部材20が加熱されるとき、その熱膨張率の差により貫通穴204の内径寸法がシリンダボア111の内径寸法より小さくなる。従って、図14(a)(b)に示す変形例においても、図13に示す変形例と同様に、潤滑油のクランク室133への抜けが抑制される。
【0066】
なお、図13及び図14(a)(b)では第1及び第2実施形態に係る摺動部材20について説明しているが、第3及び第4実施形態に係る摺動部材30,40の突出筒304,404についても同様に適用することができる。即ち、突出筒304,404の内径寸法をシリンダボア111の内径寸法より小さくするときは、図13に示す変形例と同一の作用が発揮されるし、また、摺動部材30,40をシリンダブロック11よりも熱膨張率が高い材料で形成するときは、図14(a)(b)に示す変形例と同一の作用が発揮される。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、各シリンダボアのクランク室側端部のうち少なくとも集中押圧力が付加される部分を、摺動部材で一体に形成した構造となっているため、部品点数が少なくて済みコストが割安となることはもとより、各シリンダボア毎に個別に摺動部材を形成する必要がなく、組み付け性に優れたピストン式圧縮機が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るピストン式圧縮機の断面図
【図2】第1実施形態に係る摺動部材を示す斜視図
【図3】第1実施形態の要部を示す断面図
【図4】第2実施形態に係る摺動部材を示す斜視図
【図5】第2実施形態の要部を示す断面図
【図6】第3実施形態に係る摺動部材を示す斜視図
【図7】第3実施形態の要部を示す断面図
【図8】第4実施形態に係る摺動部材を示す斜視図
【図9】第4実施形態の要部を示す断面図
【図10】第5実施形態に係る摺動部材を示す斜視図
【図11】第5実施形態の要部を示す断面図
【図12】第6実施形態に係る摺動部材を示す斜視図
【図13】摺動部材の一変形例を示す断面図
【図14】摺動部材の他の変形例を示す断面図
【図15】従来例を示す断面図
【符号の説明】
10…片頭ピストン型斜板式圧縮機、11…シリンダブロック、13…フロントハウジング、15…運動変換機構、20,30,40,50…摺動部材、111…シリンダボア、111a〜111e…クランク室側端部、112…片頭ピストン、133…クランク室、204…貫通穴、304,404…突出筒、205,305,405,502…テーパ部。
Claims (10)
- シリンダブロック内に複数区画形成されたシリンダボアと、該各シリンダボア内で往復直線運動できるよう収容された片頭ピストンと、該クランク室に設置され駆動源の回転運動を該片頭ピストンの往復直線運動に変換する運動変換機構とを備え、該各片頭ピストンが往復直線運動するとき該各シリンダボアのクランク室側端部の内周面に向かって集中押圧力が付加されるピストン式圧縮機において、
前記各シリンダボアのクランク室側端部のうち少なくとも集中押圧力が付加される部分を、摺動部材で一体に形成した
ことを特徴とするピストン式圧縮機。 - 前記摺動部材は弾性を有する
ことを特徴とする請求項1記載のピストン式圧縮機。 - 前記シリンダブロックと前記クランク室を形成するハウジングとの間に挟み込まれたシール部材は、前記摺動部材と一体に形成された
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のピストン式圧縮機。 - 前記摺動部材は金属材料の母材にフッ素系材料をコーティング処理してなる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項記載のピストン式圧縮機。 - 前記摺動部材はネジ部材、接着剤等の固定部材でシリンダブロックに固定されている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項記載のピストン式圧縮機。 - 前記摺動部材のうち前記シリンダブロックとの対向面には、前記各シリンダボアに互いに連通する連通溝を形成した
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項記載のピストン式圧縮機。 - 前記クランク室側端部には前記クランク室に向かって開口径を大きくしたテーパ部を有する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項記載のピストン式圧縮機。 - 前記摺動部材は前記片頭ピストンが通るピストン通路部を有するとともに、該ピストン通過部の内径を前記シリンダボアの内径より小さく形成した
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項記載のピストン式圧縮機。 - 前記摺動部材は前記片頭ピストンが通るピストン通路部を有するとともに、該摺動部材は前記シリンダブロックより熱膨張率の高い材料で形成した
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項記載のピストン式圧縮機。 - 前記各シリンダボア内で圧縮される冷媒は炭化水素又は二酸化炭素である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか一項記載のピストン式圧縮機。
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- 2002-06-24 JP JP2002183300A patent/JP2004027913A/ja active Pending
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