JP2004027899A - ロータリコンプレッサ - Google Patents

ロータリコンプレッサ Download PDF

Info

Publication number
JP2004027899A
JP2004027899A JP2002182720A JP2002182720A JP2004027899A JP 2004027899 A JP2004027899 A JP 2004027899A JP 2002182720 A JP2002182720 A JP 2002182720A JP 2002182720 A JP2002182720 A JP 2002182720A JP 2004027899 A JP2004027899 A JP 2004027899A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder
refrigerant
rotary
compressor
rotary compressor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002182720A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenzo Matsumoto
松本 兼三
Takeshi Higuchi
樋口 剛
Kazuaki Fujiwara
藤原 一昭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP2002182720A priority Critical patent/JP2004027899A/ja
Publication of JP2004027899A publication Critical patent/JP2004027899A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

【課題】ロータリコンプレッサの運転効率の改善を図る。
【解決手段】密閉容器内に電動要素と、この電動要素にて駆動される回転圧縮要素32を備えて成るロータリコンプレッサにおいて、回転圧縮要素32を構成するシリンダ38を、吸込ポート162からローラ48の回転方向における所定角度αの範囲で、当該ローラ48の回転速度により圧縮開始角度が変化する程度(シリンダ40の拡張幅Xを30μ以上200μ以下)外側に拡張させた拡張部100を形成する。
【選択図】   図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、密閉容器内に電動要素と、この電動要素にて駆動される回転圧縮要素を備えて成るロータリコンプレッサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のロータリコンプレッサでは、冷媒ガスが回転圧縮要素の吸込ポートからシリンダの低圧室側に吸入され、ローラとベーンの動作により圧縮されて高温高圧の冷媒ガスとなり、シリンダの高圧室側の吐出ポートより吐出される。そして、このコンプレッサから吐出された冷媒は、放熱器に流入し、放熱した後、膨張弁で絞られて蒸発器で吸熱し、ロータリコンプレッサの回転圧縮要素に吸入するサイクルを繰り返すものであった。
【0003】
また、ロータリコンプレッサの電動要素は制御装置によりその回転数を制御(調整)される。この制御装置には室内温度を検出する室内温度センサや、外気温を検出する外気温センサの出力が入力され、これらの出力により電動要素の回転数の制御が行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようなロータリコンプレッサを室内の冷暖房を行う空気調和機に使用する場合には、例えば、室内暖房時に外気温が比較的高い場合又は室内冷房時に外気温が比較的低い等の低能力条件時において、コンプレッサは制御装置の入力により電動要素の回転数を下げる。しかしながら、このとき回転数が下がりすぎると電動要素の運転効率が低下し、漏れ損失が増大して、コンプレッサの成績係数(COP)が低下してしまう。
【0005】
他方、室内暖房時に外気温が低い等の高能力条件時において、コンプレッサは制御装置の入力により電動要素の回転数を上げる。しかしながら、この場合、回転数が高くなるにつれ機械損(回転軸と回転軸の軸受けの間で生じる摩擦等)が増大する。これにより、コンプレッサの成績係数(COP)が低下してしまう問題があった。
【0006】
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、ロータリコンプレッサの運転効率の改善を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明ではロータリコンプレッサの回転圧縮要素を構成するシリンダは、吸込ポートからローラの回転方向における所定角度の範囲で、当該ローラの回転速度により圧縮開始角度が変化する程度外側に拡張されているので、低速回転ではこの拡張されている部分によって、圧縮開始角度が遅くなり、高速回転では拡張されている部分が冷媒の慣性やオイルの循環流により覆われので、圧縮開始角度が早くなる。
【0008】
また、請求項2の如くシリンダの拡張幅を30μ以上200μ以下とすることで、高速回転時における吸込ポートからシリンダの拡張されている部分への冷媒ガスやオイルの導入を容易とすると共に、拡張されている部分で極力保持することができるようになる。
【0009】
更に、低速回転時には、冷媒ガスやオイルが拡張されている部分で滞留すること無く、スムーズにシリンダ内に導入することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明を適用した実施例としてのロータリコンプレッサ10の縦断面図、図2はロータリコンプレッサ10を用いた空気調和機の冷媒回路図、図3はロータリコンプレッサ10の回転圧縮要素32のシリンダ40の断面図をそれぞれ示している。実施例のロータリコンプレッサ10は鋼板からなる縦型円筒状の密閉容器12と、この密閉容器12の内部空間の上側に配置収納された電動要素14及びこの電動要素14の下側に配置され、電動要素14の回転軸16により駆動される圧縮要素としての回転圧縮要素32にて構成されている。
【0011】
密閉容器12は底部をオイル溜めとし、電動要素14と回転圧縮要素32を収納する容器本体12Aと、この容器本体12Aの上部開口を閉塞する略椀状のエンドキャップ(蓋体)12Bとで構成されており、且つ、このエンドキャップ12Bの上面には円形の取付孔12Dが形成され、この取付孔12Dには電動要素14に電力を供給するためのターミナル(配線を省略)20が取り付けられている。
【0012】
また、密閉容器12の容器本体12Aの上側の開口を閉塞しているエンドキャップ12Bには冷媒吐出管96が取り付けられ、この冷媒導入管96の一端は密閉容器12内と連通している。そして、冷媒吐出管96の他端は外部の四方切換弁151に接続される。更に、密閉容器12の底部には取付用台座110が設けられている。
【0013】
電動要素14は、密閉容器12の上部空間の内周面に沿って環状に溶接固定されたステータ22と、このステータ22の内側に若干の間隔を設けて挿入設置されたロータ24とから構成されており、このロータ24は中心を通り鉛直方向に延びる回転軸16に焼嵌めにより固定される。
【0014】
前記ステータ22は、ドーナッツ状の電磁鋼板を積層した積層体26と、この積層体26の歯部に直巻き(集中巻き)方式により巻装されたステータコイル28を有している。また、ロータ24もステータ22と同様に電磁鋼板の積層体30で形成されている。
【0015】
また、回転圧縮要素32は図3に示すように、シリンダ40と、回転軸16に設けた偏心部44に嵌合されてシリンダ40内を偏心回転するローラ48と、このローラ48に当接してシリンダ40内を低圧室側と高圧室側に区画するベーン52と、シリンダ40の上側の開口面を及び下側の開口面を閉塞して回転軸16の軸受けを兼用する支持部材としての上部支持部材54及び下部支持部材56にて構成されている。
【0016】
上記シリンダ40には吸込ポート162にてシリンダ40内の低圧室側と連通する吸込通路60が形成されている。この吸込通路60は後述する冷媒導入管94の一端と連通されており、冷媒導入管94から吸込通路60及び吸込ポート162を経てシリンダ40内に冷媒ガスが吸入される。
【0017】
そして、前記シリンダ40内で圧縮された冷媒ガスは支持部材54に形成された吐出ポート41から上部支持部材54の電動要素14側に形成された吐出消音室62に吐出される。この吐出消音室62は、中心に回転軸16及び前述した回転軸16の軸受けを兼用する上部支持部材54が貫通するための孔を有すると共に、上部支持部材54の電動要素14側を覆うカップ63にて構成されている。
【0018】
吐出消音室62の下面には、吐出ポート41を開閉可能に閉塞する吐出弁128(図3、図4、図5では説明のためにシリンダと同じ平面に示している。)が設けられている。この吐出弁128は縦長略矩形状の金属板からなる弾性部材にて構成されており、吐出弁128の一側が吐出ポート41に当接して密閉すると共に、他側は吐出ポート41と所定の間隔を存し、上部支持部材54の図示しない取付孔にカシメピンにより固着されている。
【0019】
また、この吐出弁128の上側には吐出弁抑え板としてのバッカーバルブ128A(図1では図示せず)が配置され、前記吐出弁128と同様に上部支持部材54に取り付けられている。
【0020】
そして、シリンダ40内で圧縮され、所定の圧力に達した冷媒ガスが、吐出ポート41を閉じている吐出弁128を押して吐出ポート41を開き、吐出消音室62へ吐出させる。このとき、吐出弁128は他側を上部支持部材54に固着されているので吐出ポート41に当接している一側が反り曲がり、吐出弁128の開き量を規制しているバッカーバルブ128Aに当接する。冷媒ガスの吐出が終了する時期になると、吐出弁128がバッカーバルブ128Aから離れ、吐出ポート41を閉塞する。
【0021】
ここで、シリンダ40には図3に示すように拡張部100が形成されている。この拡張部100は、吸込ポート162からローラ48の回転方向(図3中反時計回り)における所定角度(角度αとする)の範囲で形成されている。また、この拡張部100の拡張幅X(シリンダ40の半径方向の幅)は、高速回転時において冷媒ガスの慣性やオイルの循環によって塞がれる程度、例えば、30μ以上200μ以下となるように設定されている。
【0022】
この拡張部100により、回転数によってシリンダ40内における冷媒ガスの圧縮開始角度を調整することができる。即ち、低速回転時には冷媒ガスやオイルが拡張部100で滞留すること無く、スムーズにシリンダ40内に導入することができる。このため、シリンダ40の拡張部100が形成されている角度αだけ、シリンダ40での冷媒の圧縮開始を遅くすることができるようになる。
【0023】
従って、シリンダ40内で圧縮される冷媒ガスの量を減らすことができるようになり、その結果、回転圧縮要素32の実質の排除容積を小さくすることができる。
【0024】
一方、高速回転時には、シリンダ40の拡張幅Xを30μ以上200μ以下とすることで、吸込ポート162からシリンダ40の拡張部100への冷媒ガスやオイルの導入を容易に行うと共に、拡張部100で極力保持することができるようになる。
【0025】
これにより、冷媒の慣性やオイルの循環により拡張部100は塞がれるので、シリンダ40での冷媒の圧縮開始を遅延させずに早めることができるようになる。従って、シリンダ40内で圧縮される冷媒ガスの量を増やすことができるようになり、その結果、回転圧縮要素32の実質の排除容積を大きくすることができる。
【0026】
密閉容器12の容器本体12Aの側面には、シリンダ40の吸込通路60に対応する位置に、スリーブ142が溶接固定されている。スリーブ142にはシリンダ40に冷媒ガスを導入するための前述する冷媒導入管94の一端が挿入接続され、この冷媒導入管94の一端はシリンダ40の吸込通路60と連通する。また、冷媒導入管94の他端はアキュムレータ146の下端に接続されている。
【0027】
上記アキュムレータ146は吸込冷媒の気液分離を行うタンクであり、密閉容器12の容器本体12Aの上部側面に溶接固定されたブラケット147に取り付けられている。
【0028】
次に、図2はロータリコンプレッサ10を、室内を冷暖房する空気調和機に適用した場合の可逆サイクルの冷媒回路図を示しており、上述したロータリコンプレッサ10は図2に示す空気調和機の冷媒回路の一部を構成する。図2において、ロータリコンプレッサ10の冷媒吐出管96は四方切換弁151に接続される。この四方切換弁151は室内側熱交換器154に、室内側熱交換器154は絞り手段としての第1の膨張弁155にそれぞれ冷媒配管にて接続されている。
【0029】
そして、第1の膨張弁155の出口は第2の膨張弁156に接続され、第2の膨張弁156は室外側熱交換器157に接続されており、室外側熱交換器157は四方切換弁151に接続されている。また、四方切換弁151はアキュムレータ146に接続され、アキュムレータ146は冷媒導入管94に接続されている。また、第1及び第2の膨張弁155、156には第1及び第2のバイパス配管165、166が並設されており、第1及び第2のバイパス配管165、166には第1及び第2の電磁弁165A、166Aが設けられている。これら第1及び第2の電磁弁165A、166Aや四方切換弁151は制御装置170により制御されている。
【0030】
この制御装置170は前記コンプレッサ10の電動要素14の回転数を制御(調整)するもので、室内温度を検出する図示しない室内温度センサや、外気温を検出する図示しない外気温センサの出力が入力され、これらの出力により電動要素14の回転数の制御が行われている。
【0031】
尚、図2において、実線の矢印は暖房時における冷媒の流れを示しており、破線の矢印は冷房時における冷媒の流れを示している。
【0032】
以上の構成で次にロータリコンプレッサ10の動作を説明する。先ず、室内冷房時において制御装置170は四方切換弁151を制御し、コンプレッサ10から出た冷媒ガスが室外側熱交換器157に流入するように、また、室内側熱交換器154から出た冷媒はアキュムレータ146に流入するように流路を切り換えている(図2中破線矢印)。このとき、第2の電磁弁166Aは閉じ、第1の電磁弁165Aは開いている。
【0033】
そして、ターミナル20及び図示しない配線を介して電動要素14のステータコイル28に通電することにより、電動要素14を起動してロータ24を回転させる。
【0034】
ロータ24の回転により回転軸16と一体に設けられた偏心部44に嵌合されたローラ48がシリンダ40内で偏心回転する。これにより、冷媒吐出管94から吸込通路60を経由して吸込ポート162を介して回転圧縮要素32のシリンダ40の低圧室側に冷媒ガスが吸入される。
【0035】
シリンダ40の低圧室側に吸入された冷媒ガスは、ローラ48とベーン52の動作により圧縮される。これにより吐出消音室62内に設けられた吐出弁128が開放され、吐出消音室62と吐出ポート41とが連通するため、シリンダ40の高圧室側から吐出ポート41内を通り吐出消音室62に吐出される。そして、前述の如く冷媒ガスは吐出消音室62から密閉容器12内に吐出され、その後、密閉容器12のエンドキャップ12Bに形成された冷媒吐出管96から外部に吐出される。
【0036】
冷媒吐出管96から吐出されたガス冷媒は、図2の破線の矢印で示すように四方切換弁151を経て室外側熱交換器157に流入する。そこで冷媒ガスは放熱して、第2の膨張弁156で減圧された後、第1のバイパス配管165及びそこに設けられた第1の電磁弁165Aを経て、室内側熱交換器154に流入する。そこで冷媒が蒸発し、そのときに室内に循環される空気から吸熱することにより冷却作用を発揮して室内を冷房する。
【0037】
そして、冷媒は四方切換弁151、アキュムレータ146を経て、冷媒導入管94、吸込通路60及び吸込ポート162を介してシリンダ40の低圧室側に吸入されるサイクルを繰り返す。
【0038】
ここで、制御装置170は室内温度を設定温度とするように電動要素14の回転数を制御して能力を調整するものであるが、特に、外気温が比較的低い場合においては、コンプレッサ10の電動要素14は回転数を著しく下げることになる。すると、拡張部100の存在により冷媒ガスの圧縮開始角度は遅れる。図4にこの場合の冷媒ガスの圧縮開始点を示す。図4において、P2がこの場合における冷媒ガスの圧縮開始点である。また、P1はシリンダ40に拡張部100を形成しない場合の圧縮開始点である。図からもわかるように、P1で圧縮が開始されるより、P2で圧縮が開始された方が、シリンダ40における回転圧縮要素32の排除容積が小さくなる。
【0039】
この場合におけるコンプレッサ10の成績係数(COP)を図6に示す。冷房時の低速回転時において、従来のシリンダを用いた場合、回転数は25HZで運転されている。一方、本発明のシリンダ40を用いた場合、拡張部100の存在により、シリンダ40内で圧縮される冷媒ガスの量を減らせるので、回転数の低下は30HZで止まり、従来のシリンダを用いた場合のように回転数が下がりすぎない。更に、図6からもわかるように、コンプレッサ10の成績係数も向上することがわかる。
【0040】
このように、冷房時の低速回転時において拡張部100を設けることで、回転数を下げすぎることなくコンプレッサ10の能力を低下させることができるので、コンプレッサの運転効率の向上を図ることができるようになる。
【0041】
尚、冷房時において、通常の回転数(冷房定格)の場合には、シリンダ40に拡張部100を設けた場合と設けない場合の両者とも回転数は50HZで運転されており、コンプレッサの成績係数も図示する如く相違は見られない。
【0042】
一方、室内暖房時には図2において、制御装置170は実線の矢印で示すように四方切換弁151を、冷媒ガスがコンプレッサ10から室内側熱交換器154に流入するように、また、室外側熱交換器157からアキュムレータ146に流入するように流路切換する。このとき、第1の電磁弁165Aは閉じられ、第2の電磁弁166Aは開かれる。
【0043】
そして、前述の如くシリンダ40の低圧室側に吸入された冷媒ガスは、ローラ48とベーン52の動作により圧縮される。これにより吐出消音室62内に設けられた吐出弁128が開放され、吐出消音室62と吐出ポート41とが連通するため、シリンダ40の高圧室側から吐出ポート41内を通り吐出消音室62に吐出される。そして、前述の如く冷媒ガスは吐出消音室62から密閉容器12内に吐出され、その後、密閉容器12のエンドキャップ12Bに形成された冷媒吐出管96より外部に吐出される。
【0044】
ここで、室内暖房時には、前述する如く四方切換弁151は冷媒ガスが室内側熱交換器154に流入するように流路を切り換えられている。そこで冷媒ガスは放熱し、そのときに室内に循環される空気を加熱することにより室内を暖房する。
【0045】
そして、第1の膨張弁155で減圧された後、第2のバイパス配管166及びそこに設けられた第2の電磁弁166Aを経て室外側熱交換器157に流入し、そこで冷媒が蒸発する。室外側熱交換器157を出た冷媒は四方切換弁151、アキュムレータ146経て、冷媒導入管94、吸込通路60及び吸込ポート162を介してシリンダ40の低圧室側に吸入されるサイクルを繰り返す。
【0046】
特に、外気温が比較的高い場合においては、制御装置170はコンプレッサ10の電動要素14の回転数を下げる。このとき、拡張部100の存在により、冷媒ガスの圧縮開始角度が遅れる。このため、前述する如く、図4に示すように冷媒ガスの圧縮開始点がP2となる。図4において、P2がこの場合における冷媒ガスの圧縮開始点である。また、P1はシリンダ40に拡張部100を形成しない場合の圧縮開始点であり、P2はこのP1より角度αだけ遅れた位置にある。図からもわかるように、P1で圧縮が開始されるより、P2で圧縮が開始された方が、シリンダ40における回転圧縮要素32の排除容積が小さくなる。
【0047】
ここで、この場合におけるコンプレッサ10の成績係数(COP)を図7に示す。暖房時の低速回転時において、従来のシリンダを用いた場合、回転数は25HZで運転されている。一方、本発明のシリンダ40を用いた場合、拡張部100の存在により、シリンダ40内で圧縮される冷媒ガスの量を減らせるので、回転数の低下は30HZで止まり、従来のシリンダを用いた場合のように回転数が下がりすぎない。更に、図からもわかるように、コンプレッサ10の成績係数も向上することがわかる。
【0048】
このように、暖房時の低速回転時において拡張部100を設けることで、回転数を下げすぎることなくコンプレッサ10の能力を小さくすることができるようになる。
【0049】
他方、外気温が低い場合においては、制御装置170はコンプレッサ10の電動要素14の回転数を上げる。このとき、拡張部100はローラ48の回転が速くなることにより、冷媒の慣性やオイルの循環によって塞がれるため、冷媒ガスの圧縮開始角度は早くなる。この場合は、図5に示すように圧縮開始角度がP1となる。
【0050】
ここで、P2により圧縮が開始された場合にはシリンダ40の排除容積が小さいため、能力を向上させるために回転数を更に上げなければならず、回転数は110HZに達する。しかしながら、拡張部100が閉塞されることにより圧縮開始点がP1となることで、シリンダ40内で圧縮される冷媒量が多くなり、シリンダ40の排除容積が大きくなる。これにより、回転数は100HZで運転される。この場合には、図7に示す如くコンプレッサ10の成績係数も向上するようになる。
【0051】
尚、暖房時において、通常の回転数(暖房定格)の場合には、シリンダ40に拡張部100を設けた場合と設けない場合の両者とも回転数は60HZで運転されている。また、コンプレッサの成績係数も図示する如く相違は見られない。
【0052】
このように、シリンダ40には、吸込ポート162からローラ48の回転方向における所定角度αの範囲で、当該ローラ48の回転速度により圧縮開始角度が変化する程度(シリンダ40の拡張幅Xを30μ以上200μ以下)外側に拡張された拡張部100が形成されているので、低速回転時ではこの拡張部100によって、圧縮開始角度が角度αだけ遅くなり、高速回転時では拡張部100が冷媒の慣性やオイルの循環により覆われので、圧縮開始角度が早くなる。
【0053】
これにより、低速回転時ではシリンダ40内の冷媒ガスの圧縮開始が遅れるので、シリンダ40内で圧縮される冷媒量が少なくなり、回転数を下げすぎずに低能力化を実現することができるようになる。従って、回転数が下がりすぎてしまうことによって、電動要素14の運転効率が低下したり、漏れ損失が増大する不都合を回避することができるようになり、その結果、コンプレッサ10の成績係数の向上を図ることができるようになる。
【0054】
また、高速回転時ではシリンダ40内の冷媒ガスの圧縮開始が早くなるので、シリンダ40内で圧縮される冷媒量が多くなり、回転数を上げすぎずに高能力化を実現することができるようになる。従って、回転数が上がりすぎてしまうことによって、機械損が増大するなどの不都合を回避することができるようになり、その結果、コンプレッサ10の成績係数の低下を抑制することができるようになる。
【0055】
更に、特別な装置を用いずに、シリンダ40を吸込ポート162からローラ48の回転方向における所定角度αの範囲で外側に拡張させた拡張部100を形成するだけで、回転数によってシリンダ40内で圧縮できる冷媒の量を変えることができるので、小コストでコンプレッサ10の運転効率の向上を図ることができるようになる。
【0056】
尚、実施例では回転軸16を縦置型としたロータリコンプレッサ10について説明したが、この発明は回転軸を横置型としたロータリコンプレッサにも適応できることは云うまでもない。
【0057】
更に、上記実施例では単シリンダの縦型ロータリコンプレッサ10を用いたが、回転圧縮要素を二段或いはそれ以上の回転圧縮要素を備えた多段圧縮式ロータリコンプレッサに適応しても差し支えない。
【0058】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、ロータリコンプレッサの回転圧縮要素を構成するシリンダは、吸込ポートからローラの回転方向における所定角度の範囲で、当該ローラの回転速度により圧縮開始角度が変化する程度外側に拡張されているので、低速回転ではこの拡張されている部分によって、圧縮開始角度が遅くなり、高速回転では拡張されている部分が冷媒の慣性やオイルの循環流により覆われので、圧縮開始角度が早くなる。
【0059】
また、請求項2の如くシリンダの拡張幅を30μ以上200μ以下とすることで、高速回転時における吸込ポートからシリンダの拡張されている部分への冷媒ガスやオイルの導入を容易とすると共に、拡張されている部分で極力保持することができるようになる。
【0060】
更に、低速回転時には、冷媒ガスやオイルが拡張されている部分で滞留すること無く、スムーズにシリンダ内に導入することができる。
【0061】
これにより、低速回転ではシリンダ内の冷媒ガスの圧縮開始が遅れるので、シリンダ内で圧縮される冷媒量が少なくなり、回転数を下げすぎずに低能力化を実現することができるようになる。従って、回転数が下がりすぎてしまうことによって、電動要素の運転効率が低下したり、漏れ損失が増大する不都合を回避することができるようになり、その結果、コンプレッサの成績係数の向上を図ることができるようになる。
【0062】
また、高速回転ではシリンダ内の冷媒ガスの圧縮開始が早くなるので、シリンダ内で圧縮される冷媒量が多くなり、回転数を上げすぎずに高能力化を実現することができるようになる。従って、回転数が上がりすぎてしまうことによって、機械損が増大するなどの不都合を回避することができるようになり、その結果、コンプレッサの成績係数の低下を抑制することができるようになる。
【0063】
更に、特別な装置を用いずに、シリンダを吸込ポートからローラの回転方向における所定角度の範囲で外側に拡張させるだけで、回転数によってシリンダ内で圧縮できる冷媒の量を変えることができるので、低コストでコンプレッサの運転効率の向上を図ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のロータリコンプレッサの縦断面図である。
【図2】図1のロータリコンプレッサを適用した実施例の空気調和機の冷媒回路図である。
【図3】図1のロータリコンプレッサの回転圧縮要素のシリンダの断面図である。
【図4】図1のロータリコンプレッサの低速回転時におけるシリンダの冷媒圧縮開始点を示す図である。
【図5】図1のロータリコンプレッサの高速回転時におけるシリンダの冷媒圧縮開始点を示す図である。
【図6】冷房時において、本発明を適用したロータリコンプレッサと従来のロータリコンプレッサにおけるコンプレッサの成績係数を示す図である。
【図7】暖房時において、本発明を適用したロータリコンプレッサと従来のロータリコンプレッサにおけるコンプレッサの成績係数を示す図である。
【符号の説明】
10 ロータリコンプレッサ
12 密閉容器
14 電動要素
16 回転軸
20 ターミナル
22 ステータ
24 ロータ
32 回転圧縮要素
40 シリンダ
41 吐出ポート
48 ローラ
62 吐出消音室
100 拡張部
128 吐出弁
146 アキュムレータ
151 四方切換弁
154 室内側熱交換器
155 第1の膨張弁
156 第2の膨張弁
165A 第1の電磁弁
166A 第2の電磁弁
157 室外側熱交換器
162 吸込ポート
170 制御装置

Claims (2)

  1. 密閉容器内に電動要素と、該電動要素にて駆動される回転圧縮要素を備えて成るロータリコンプレッサにおいて、
    前記回転圧縮要素を構成するシリンダは、吸込ポートからローラの回転方向における所定角度の範囲で、当該ローラの回転速度により圧縮開始角度が変化する程度外側に拡張されていることを特徴とするロータリコンプレッサ。
  2. 前記シリンダの拡張幅を、30μ以上200μ以下としたことを特徴とする請求項1のロータリコンプレッサ。
JP2002182720A 2002-06-24 2002-06-24 ロータリコンプレッサ Pending JP2004027899A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002182720A JP2004027899A (ja) 2002-06-24 2002-06-24 ロータリコンプレッサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002182720A JP2004027899A (ja) 2002-06-24 2002-06-24 ロータリコンプレッサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004027899A true JP2004027899A (ja) 2004-01-29

Family

ID=31179139

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002182720A Pending JP2004027899A (ja) 2002-06-24 2002-06-24 ロータリコンプレッサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004027899A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013185496A (ja) * 2012-03-08 2013-09-19 Panasonic Corp ロータリー圧縮機

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013185496A (ja) * 2012-03-08 2013-09-19 Panasonic Corp ロータリー圧縮機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101738458B1 (ko) 고압식 압축기 및 이를 구비한 냉동사이클 장치
WO2014189093A1 (ja) ヒートポンプ装置
JP4219198B2 (ja) 冷媒サイクル装置
JP3995570B2 (ja) 冷媒回路装置
KR101157264B1 (ko) 다기통 회전 압축기
JP2004116957A (ja) 冷媒サイクル装置
JPWO2012042894A1 (ja) 容積型圧縮機
WO2023144953A1 (ja) 圧縮機及び冷凍サイクル装置
US5400611A (en) Refrigerating cycle machine
JP2013053579A (ja) ロータリ圧縮機
JP2006022723A (ja) 圧縮システム及びそれを用いた冷凍装置
JP2004027899A (ja) ロータリコンプレッサ
WO2012026200A1 (ja) コンプレッサ
JP3954875B2 (ja) 冷媒回路装置
JP5807175B2 (ja) ロータリ圧縮機
JP3986338B2 (ja) インバータ制御コンプレッサを用いた冷媒回路
JP7401804B2 (ja) 圧縮機および空気調和装置
JP2004308489A (ja) 冷媒サイクル装置
JP2006022766A (ja) 多気筒回転圧縮機
JP2011074772A (ja) 回転圧縮機及びその製造方法
JP2007092738A (ja) 圧縮機
WO2022118383A1 (ja) 圧縮機及び冷凍サイクル装置
JP2004309012A (ja) 冷媒サイクル装置
JP2013024194A (ja) 冷凍装置
JP2003294326A (ja) 多段圧縮式ロータリコンプレッサを用いた冷媒回路

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040707

RD01 Notification of change of attorney

Effective date: 20051226

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070327

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070330

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070521

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070731