JP2004027261A - 局部硬化方法 - Google Patents

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平井 章三
Masahiko Mega
妻鹿 雅彦
Masaya Kanikawa
蟹川 昌也
Atsushi Maekawa
前川 篤
Katsuhide Jo
城 克英
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Abstract

【課題】析出硬化型合金製蒸気タービン翼などの析出硬化型合金製部材に対して部材(翼)本体の靱性は確保し、硬化を要する部分(耐エロージョン性が要求される部分)のみを硬くすることができる局部硬化方法を提供する。
【解決手段】析出硬化型合金製蒸気タービン翼1の耐エロージョン性が要求される部分のみを、加熱手段(レーザ光、電子ビーム、高周波誘導又はガス炎)により局部的に溶体化温度以上に加熱して析出硬化型合金内の析出物を局部的に溶体化した後、前記加熱手段による局部加熱前よりも硬さが上昇する温度時間条件で時効硬化熱処理をすることにより、前記耐エロージョン性が要求される部分のみを硬化する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は析出硬化型合金製部材の局部硬化方法に関し、特に析出硬化型合金製蒸気タービン翼の耐エロージョン性を向上させる場合に適用して有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
蒸気タービン翼は高温且つ湿分を多く含む雰囲気中で高速回転して使用されるため、翼先端部が激しいエロージョンを受ける。耐エロージョン性は材料の硬さと相関関係があることが知られており、硬い材料を用いれば耐エロージョン性は向上する。そこで、従来、エロージョン対策として次のような方法がとられている。
【0003】
(1)翼材料よりも硬さが硬い材料、例えばCo基合金(例えばCo−30%Cr−5%W−3%Ni−3%Fe;数値はmass%)などの板をエロージョンを受ける部分にろう付けなどの方法で貼り付ける。
(2)マルテンサイト系ステンレス鋼を用いた蒸気タービン翼ではエロージョンを受ける部分のみを焼入れする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これらの方法の中で(1)の方法は一般的によく用いられている方法であるが、ろう付けに工数がかかること、ろう付け部には少なからずともいくつかの欠陥(気孔、溶け込み不足など)を含むことなどの問題があり、本質的な改善が必要であった。また、(2)の方法はマルテンサイト系ステンレス鋼を用いた蒸気タービン翼では既に使用されており(実開昭63−45004号公報、実開昭62−188502号公報)、有効な方法ではあるが、焼入れにより硬化されない析出硬化型合金を用いた蒸気タービン翼では適用できない。
【0005】
この他にも次のような方法が考えられる。まず、超硬合金やセラミックスのような耐摩耗材として一般的に用いられる硬い材料をろう付けなどで蒸気タービン翼に貼り付ける方法が考えられる。しかし、この方法ではろう付けなどの貼り付け手法の本質的な問題解決にならないだけでなく、これらの材料は硬い粒子が柔らかいマトリックス中に埋め込まれているような構造になっているのでエロージョンを受けたときに硬い粒子が脱落して行き、本質的な解決とはならない。要するにマトリックス全体が硬い材料でなければならない。
【0006】
また、窒化硼素や窒化チタンなどの硬い材料を蒸着や溶射の手法で蒸気タービン翼にコーティングする方法も考えられるが、この方法では皮膜の密着力が十分でないためにエロージョンを受けたときに皮膜全体が脱落するため、やはり問題点の本質的な解決とはならない。更には蒸気タービン翼全体を焼入れなどの方法で硬くすることも考えられるが、この場合には蒸気タービン翼の疲労強度が低下するため、蒸気タービン翼は高速回転中に振動しながら回転するので疲労破壊をすることが懸念される。要するに翼本体は靱性を備え、エロージョンを受ける部分のみが硬いという2つの性質を併せ持った蒸気タービン翼の開発が望まれていた。
【0007】
従って本発明は上記の事情に鑑み、析出硬化型合金製蒸気タービン翼などの析出硬化型合金製部材に対して部材(翼)本体の靱性は確保し、硬化を要する部分(耐エロージョン性が要求される部分)のみを硬くすることができる局部硬化方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する第1発明の局部硬化方法は、析出硬化型合金製部材の局部硬化方法であって、前記析出硬化型合金製部材の硬化が要求される部分のみを、加熱手段により局部的に溶体化温度以上に加熱して析出硬化型合金内の析出物を局部的に溶体化した後、前記加熱手段による局部加熱前よりも硬さが上昇する温度時間条件で時効硬化熱処理をすることにより、前記硬化が要求される部分のみを硬化することを特徴とする。
【0009】
また、第2発明の局部硬化方法は、析出硬化型合金製蒸気タービン翼の局部硬化方法であって、前記析出硬化型合金製蒸気タービン翼の耐エロージョン性が要求される部分のみを、加熱手段により局部的に溶体化温度以上に加熱して析出硬化型合金内の析出物を局部的に溶体化した後、前記加熱手段による局部加熱前よりも硬さが上昇する温度時間条件で時効硬化熱処理をすることにより、前記耐エロージョン性が要求される部分のみを硬化することを特徴とする。
【0010】
また、第3発明の局部硬化方法は、第1又は第2発明の局部硬化方法において、前記加熱手段としてレーザ光、電子ビーム、高周波誘導又はガス炎によって加熱する手段を用いることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0012】
<実施の形態1>
本発明の実施の形態1の局部硬化方法は、析出硬化型合金で製作された蒸気タービン翼のエロージョンを激しく受ける部分(耐エロージョン性が要求される部分)のみにレーザ光を局部的に照射することにより、前記エロージョンを激しく受ける部分を溶体化温度以上に加熱して析出硬化型合金内の析出物を局部的に溶体化した後、前記レーザ光による局部加熱前よりも硬さが上昇する温度時間条件で時効硬化熱処理をすることにより、前記エロージョンを激しく受ける部分のみを硬化して局部的に硬化部分を設ける方法である。この方法の技術的な要点について以下に述べる。
【0013】
析出硬化型合金は所定の溶体化熱処理、時効硬化熱処理の工程を経て、マトリックス中に細かな析出物を析出させて強化している材料であるが、蒸気タービン翼の材料として用いられる場合には、最高硬さが得られる熱処理を施すと前述のように靱性が低下して疲労強度が劣るのため、通常は析出物を粗大化させて靱性を確保する過時効熱処理を施して用いられる。このような状態の析出硬化型合金材料を溶体化温度以上に加熱すると、再度析出物がマトリックス中に溶解し、その後、所定の時効硬化熱処理を施すことにより析出物がマトリックス中に析出して所望の硬さを得ることができる。
【0014】
本発明はこの性質を利用するものである。即ち、全体が過時効熱処理されて靱性は確保されているが、硬さは最高硬さではない蒸気タービン翼に対し、この蒸気タービン翼の耐エロージョン性が要求される部分のみを局部的に溶体化温度以上に加熱して析出物をマトリックス中に溶解させる。その後、蒸気タービン翼全体を最高硬さが得られる時効硬化熱処理を施すことにより、溶体化温度以上に局部的に加熱された部分(耐エロージョン性が要求される部分)は当該材料の最高硬さが得られ、耐エロージョン性に優れた性質を持つようになる。一方、局部的に溶体化温度以上に加熱されなかった部分(翼本体)は、既に過時効状態にあり、更に時効硬化熱処理を施しても硬さが上がることはないため、靱性が確保されたままである。
【0015】
このように本発明の局部硬化方法は蒸気タービン翼全体(翼本体)の靱性は確保したままで所望の部分のみを硬くして同部分の耐エロージョン性を向上させることができる画期的な方法である。
【0016】
(実験例)
図1及び図2に基づき、具体的な実験例について説明する。図1は本発明の局部硬化方法を示すものであって蒸気タービン翼の耐エロージョン性が要求される部分にレーザ光を照射している状態の図、図2は図1に示す本発明の局部硬化方法によって得られた蒸気タービン翼の断面の硬さ分布を示す図である。
【0017】
図1に示す蒸気タービン翼1の材料としてSUS630(Fe−17%Cr−4%Ni−4%Cu;数値はmass%)のJIS G−4304に規定されるH1075処理(1040℃で溶体化後、580℃で析出硬化熱処理)したものを用いた。蒸気タービン翼1の全長は875mmである。そして、この蒸気タービン翼1に対し、蒸気タービン翼としての使用時にこれまでの経験から最もエロージョンを受ける部分(幅12mm、長さ340mm)にCO2 レーザ発振器2で発振したCO2 レーザ光3を集光レンズ4で12mmφに集光して照射することにより、溶体化処理を施した。なお、図中の矢印6は図示しない移動手段によるレーザ光3の移動方向である。また、このときのレーザ光照射は、蒸気タービン翼1の肉厚が長さ方向に連続的に変化しているため、照射条件を以下のような条件に変化させて行った。
【0018】
肉厚:3mm 以上,3.5mm 未満    出力:1kW , 速度:110mm/min
肉厚:3.5mm 以上,4mm 未満    出力:1kW , 速度:90mm/min
肉厚:4mm 以上,4.5mm 未満    出力:1kW , 速度:70mm/min
肉厚:4.5mm 以上,5mm 未満    出力:1kW , 速度:50mm/min
肉厚:5mm 以上,5.5mm 未満    出力:1kW , 速度:30mm/min
肉厚:5.5mm 以上,6mm 未満    出力:1kW , 速度:10mm/min
【0019】
このとき、レーザ光3を照射した部分5の表面から1mm下に熱電対を装着し、1020℃以上の温度に加熱されたことを確認している。レーザ光3を照射後、蒸気タービン翼1全体を真空炉において470℃×1hrの温度時間条件で析出硬化熱処理(時効硬化熱処理)を行うことにより、レーザ光3を照射した部分5(最もエロージョンを受ける部分)を硬化させた。
【0020】
その後、蒸気タービン翼1の断面の硬さ分布をビッカース硬度計により荷重500gで測定した。その測定結果を図2に示す。同図に示すようにビッカース硬度Hvが400以上ある領域7は、翼表面から0.5mmの深さの部分では翼端面から幅8mm、深さ方向には翼端面では深さが2mmあり、特にエロージョンが激しい翼端面近くはHv>440以上になっている。また、これはレーザ光3を照射しなかった部分がHv=305〜319であるのに比べて相当硬さが増しており、初期の計画通りに硬度が上昇していることが判明した。なお、図2中の領域8は翼本体硬度<Hv<400の領域である。本実験はCO2 レーザで実施したが、YAGレーザを用いても同じ効果が期待できる。
【0021】
以上のことから、析出硬化型合金で製作された蒸気タービン翼の耐エロージョン性が要求される部分をレーザ光で局所的に加熱して溶体化処理し、その後、時効硬化熱処理を施すことにより、上記加熱部分のみを局部的に硬化させることが可能であることが明らかになった。そして、本実施の形態1の局部硬化方法によって蒸気タービン翼の耐エロージョン性が要求される部分のみを局部的に硬化させることにより、蒸気タービンの使用時に蒸気タービン翼の一部がエロージョンによって損耗することを防止し、蒸気タービン翼の寿命を延長させることができた。また、本実施の形態1の局部硬化方法は従来手法のようなろう付けなどの欠陥を含み易い手法を用いていないため、手直しなどの工数が削減でき、信頼性に優れている。更に本実施の形態1の局部硬化方法はこれまで焼入れの手法が採用できなかった析出硬化型合金に適用可能であるため、蒸気タービン翼の材料選定の幅が広がった。
【0022】
<実施の形態2>
本発明の実施の形態2の局部硬化方法は、析出硬化型合金で製作された蒸気タービン翼のエロージョンを激しく受ける部分(耐エロージョン性が要求される部分)のみに電子ビームを局部的に照射することにより、前記エロージョンを激しく受ける部分を溶体化温度以上に加熱して析出硬化型合金内の析出物を局部的に溶体化した後、前記電子ビームによる局部加熱前よりも硬さが上昇する温度時間条件で時効硬化熱処理をすることにより、前記エロージョンを激しく受ける部分のみを硬化して局部的に硬化部分を設ける方法である。
【0023】
この局部硬化方法は上記実施の形態1の場合に比べて加熱源をレーザ光から電子ビームに変えたのみであり、技術的な要点は上記実施の形態1と全く同じである。
【0024】
(実験例)
図3及び図4に基づき、具体的な実験例について説明する。図3は本発明の局部硬化方法を示すものであって蒸気タービン翼の耐エロージョン性が要求される部分に電子ビームを照射している状態の図、図4は図3に示す本発明の局部硬化方法によって得られた蒸気タービン翼の断面の硬さ分布を示す図である。
【0025】
図3に示す蒸気タービン翼1の材料としてSUS630(Fe−17%Cr−4%Ni−4%Cu;数値はmass%)のJIS G−4304に規定されるH1075処理(1040℃で溶体化後、580℃で析出硬化熱処理)したものを用いた。蒸気タービン翼1の全長は875mmである。蒸気タービン翼1は真空バルブ16を介して真空ポンプ15に接続された真空チャンバ14の内部に置かれている。そして、この蒸気タービン翼1に対し、蒸気タービン翼としての使用時にこれまでの経験から最もエロージョンを受ける部分(幅12mm、長さ340mm)に電子銃9から出射された電子ビーム10を12mmφの面積に集束コイル11で集束して照射することにより、溶体化処理を施した。図中の矢印13は図示しない移動手段による電子ビーム10の移動方向である。また、このときの電子ビーム照射は、蒸気タービン翼1の肉厚が長さ方向に連続的に変化しているため、照射条件を以下のような条件に変化させて行った。
【0026】
肉厚:3mm 以上,3.5mm 未満    加速電圧:30kV, 速度:140mm/min
肉厚:3.5mm 以上,4mm 未満    加速電圧:30kV, 速度:120mm/min
肉厚:4mm 以上,4.5mm 未満    加速電圧:30kV, 速度:100mm/min
肉厚:4.5mm 以上,5mm 未満    加速電圧:30kV, 速度:80mm/min
肉厚:5mm 以上,5.5mm 未満    加速電圧:30kV, 速度:60mm/min
肉厚:5.5mm 以上,6mm 未満    加速電圧:30kV, 速度:40mm/min
【0027】
このとき、電子ビーム10を照射した部分12の表面から1mm下に熱電対を装着し、1020℃以上の温度に加熱されたことを確認している。電子ビーム10を照射後、蒸気タービン翼1全体を真空炉において470℃×1hrの温度時間条件で析出硬化熱処理(時効硬化熱処理)を行うことにより、電子ビーム10を照射した部分12(最もエロージョンを受ける部分)を硬化させた。
【0028】
その後、蒸気タービン翼1の断面の硬さ分布をビッカース硬度計により荷重500gで測定した。その測定結果を図4に示す。同図に示すようにビッカース硬度Hvが400以上ある領域7は、翼表面から0.5mmの深さの部分では翼端面から幅8mm、深さ方向には翼端面では深さが2mmあり、特にエロージョンが激しい翼端面近くはHv>440以上となっている。また、これは電子ビーム10を照射しなかった部分がHv=305〜319であるのに比べて相当硬さが増しており、初期の計画通りに硬度が上昇していることが判明した。なお、図4中の領域8は翼本体硬度<Hv<400の領域である。
【0029】
以上のことから、析出硬化型合金で製作された蒸気タービン翼の耐エロージョン性が要求される部分を電子ビームで局所的に加熱して溶体化処理し、その後、時効硬化熱処理を施すことにより、上記加熱部分のみを局部的に硬化させることが可能であることが明らかになった。そして、本実施の形態2の局部硬化方法によって蒸気タービン翼の耐エロージョン性が要求される部分のみを局部的に硬化させることにより、蒸気タービンの使用時に蒸気タービン翼の一部がエロージョンによって損耗することを防止し、蒸気タービン翼の寿命を延長させることができた。また、本実施の形態2の局部硬化方法は従来手法のようなろう付けなどの欠陥を含み易い手法を用いていないため、手直しなどの工数が削減でき、信頼性に優れている。更に本実施の形態2の局部硬化方法はこれまで焼入れの手法が採用できなかった析出硬化型合金に適用可能であるため、蒸気タービン翼の材料選定の幅が広がった。
【0030】
<実施の形態3>
本発明の実施の形態3の局部硬化方法は、析出硬化型合金で製作された蒸気タービン翼のエロージョンを激しく受ける部分(耐エロージョン性が要求される部分)のみを、高周波誘導により溶体化温度以上に加熱して析出硬化型合金内の析出物を局部的に溶体化した後、前記高周波誘導による局部加熱前よりも硬さが上昇する温度時間条件で時効硬化熱処理をすることにより、前記エロージョンを激しく受ける部分のみを硬化して局部的に硬化部分を設ける方法である。
【0031】
この局部硬化方法は上記実施の形態1の場合に比べて加熱源をレーザ光から高周波誘導に変えたのみであり、技術的な要点は上記実施の形態1と全く同じである。
【0032】
(実験例)
図5及び図6に基づき、具体的な実験例について説明する。図5は本発明の局部硬化方法を示すものであって蒸気タービン翼の耐エロージョン性が要求される部分を高周波誘導により加熱している状態の図、図6は図5に示す本発明の局部硬化方法によって得られた蒸気タービン翼の断面の硬さ分布を示す図である。
【0033】
図5に示す蒸気タービン翼1の材料としてSUS630(Fe−17%Cr−4%Ni−4%Cu;数値はmass%)のJIS G−4304に規定されるH1075処理(1040℃で溶体化後、580℃で析出硬化熱処理)したものを用いた。蒸気タービン翼1の全長は875mmである。そして、この蒸気タービン翼1に対し、蒸気タービン翼としての使用時にこれまでの経験から最もエロージョンを受ける部分(幅12mm、長さ340mm)の上方に高周波発生電源17に接続された高周波コイル18を配置して高周波誘導加熱により、溶体化処理を施した。図中の矢印20は図示しない移動手段による高周波コイル18の移動方向である。また、このときの高周波誘導加熱は、蒸気タービン翼1の肉厚が長さ方向に連続的に変化しているため、加熱条件を以下のような条件に変化させて行った。
【0034】
肉厚:3mm 以上,3.5mm 未満   周波数:30kHz,出力:10kW,速度:60mm/min
肉厚:3.5mm 以上,4mm 未満   周波数:30kHz,出力:10kW,速度:50mm/min
肉厚:4mm 以上,4.5mm 未満   周波数:30kHz,出力:10kW,速度:40mm/min
肉厚:4.5mm 以上,5mm 未満   周波数:30kHz,出力:10kW,速度:30mm/min
肉厚:5mm 以上,5.5mm 未満   周波数:30kHz,出力:10kW,速度:20mm/min
肉厚:5.5mm 以上,6mm 未満   周波数:30kHz,出力:10kW,速度:10mm/min
【0035】
このとき、高周波誘導加熱した部分19の表面から1mm下に熱電対を装着し、1020℃以上の温度に加熱されたことを確認している。高周波誘導加熱後、蒸気タービン翼1全体を真空炉において470℃×1hrの温度時間条件で析出硬化熱処理(時効硬化熱処理)を行うことにより、高周波誘導加熱した部分19(最もエロージョンを受ける部分)を硬化させた。
【0036】
その後、蒸気タービン翼1の断面の硬さ分布をビッカース硬度計により荷重500gで測定した。その測定結果を図6に示す。同図に示すようにビッカース硬度Hvが400以上ある領域7は、翼表面から0.5mmの深さの部分では翼端面から幅10mm、深さ方向には翼端面では深さが2mmあり、特にエロージョンが激しい翼端面近くはHv>440以上となっている。また、これは高周波誘導加熱をしなかった部分がHv=305〜319であるのに比べて相当硬さが増しており、初期の計画通りに硬度が上昇していることが判明した。なお、図6中の領域8は翼本体硬度<Hv<400の領域である。
【0037】
以上のことから、析出硬化型合金で製作された蒸気タービン翼の耐エロージョン性が要求される部分を高周波誘導で局所的に加熱して溶体化処理し、その後、時効硬化熱処理を施すことにより、上記加熱部分のみを局部的に硬化させることが可能であることが明らかになった。そして、本実施の形態3の局部硬化方法によって蒸気タービン翼の耐エロージョン性が要求される部分のみを局部的に硬化させることにより、蒸気タービンの使用時に蒸気タービン翼の一部がエロージョンによって損耗することを防止し、蒸気タービン翼の寿命を延長させることができた。また、本実施の形態3の局部硬化方法は従来手法のようなろう付けなどの欠陥を含み易い手法を用いていないため、手直しなどの工数が削減でき、信頼性に優れている。更に本実施の形態3の局部硬化方法はこれまで焼入れの手法が採用できなかった析出硬化型合金に適用可能であるため、蒸気タービン翼の材料選定の幅が広がった。
【0038】
<実施の形態4>
本発明の実施の形態4の局部硬化方法は、析出硬化型合金で製作された蒸気タービン翼のエロージョンを激しく受ける部分(耐エロージョン性が要求される部分)のみを、ガス炎で溶体化温度以上に加熱して析出硬化型合金内の析出物を局部的に溶体化した後、前記ガス炎による局部加熱前よりも硬さが上昇する温度時間条件で時効硬化熱処理をすることにより、前記エロージョンを激しく受ける部分のみを硬化して局部的に硬化部分を設ける方法である。
【0039】
この局部硬化方法は上記実施の形態1の場合に比べて加熱源をレーザ光からガス炎に変えたのみであり、技術的な要点は上記実施の形態1と全く同じである。
【0040】
(実験例)
図7及び図8に基づき、具体的な実験例について説明する。図7は本発明の局部硬化方法を示すものであって蒸気タービン翼の耐エロージョン性が要求される部分をガスバーナで加熱している状態の図、図8は図7に示す本発明の局部硬化方法によって得られた蒸気タービン翼の断面の硬さ分布を示す図である。
【0041】
図7に示す蒸気タービン翼1の材料としてSUS630(Fe−17%Cr−4%Ni−4%Cu;数値はmass%)のJIS G−4304に規定されるH1075処理(1040℃で溶体化後、580℃で析出硬化熱処理)したものを用いた。蒸気タービン翼1の全長は875mmである。そして、この蒸気タービン翼1に対し、蒸気タービン翼としての使用時にこれまでの経験から最もエロージョンを受ける部分(幅12mm、長さ340mm)の上方にガスバーナー21を配置し、プロパン−酸素の混合ガス炎22による加熱により、溶体化処理を施した。図中の矢印24は図示しない移動手段によるガスバーナー21(ガス炎22)の移動方向である。また、このときのガス炎22による加熱は、蒸気タービン翼1の肉厚が長さ方向に連続的に変化しているため、加熱条件を以下のような条件に変化させて行った。
【0042】
肉厚:3mm 以上,3.5mm 未満  速度:60mm/min
肉厚:3.5mm 以上,4mm 未満  速度:50mm/min
肉厚:4mm 以上,4.5mm 未満  速度:40mm/min
肉厚:4.5mm 以上,5mm 未満  速度:30mm/min
肉厚:5mm 以上,5.5mm 未満  速度:20mm/min
肉厚:5.5mm 以上,6mm 未満  速度:10mm/min
【0043】
このとき、ガス炎22で加熱した部分23の表面から1mm下に熱電対を装着し、1020℃以上の温度に加熱されたことを確認している。ガス炎22による加熱後、蒸気タービン翼1全体を真空炉において470℃×1hrの温度時間条件で析出硬化熱処理(時効硬化熱処理)を行うことにより、ガス炎22で加熱した部分23(最もエロージョンを受ける部分)を硬化させた。
【0044】
その後、蒸気タービン翼1の断面の硬さ分布をビッカース硬度計により荷重500gで測定した。その測定結果を図8に示す。同図に示すようにビッカース硬度Hvが400以上ある領域7は、翼表面から0.5mmの深さの部分では翼端面から幅12mm、深さ方向には翼端面では深さが2mmあり、特にエロージョンが激しい翼端面近くはHv>440以上となっている。また、これはガス炎22で加熱しなかった部分がHv=305〜319であるのに比べて相当硬さが増しており、初期の計画通りに硬度が上昇していることが判明した。なお、図8中の領域8は翼本体硬度<Hv<400の領域である。
【0045】
以上のことから、析出硬化型合金で製作された蒸気タービン翼の耐エロージョン性が要求される部分をガス炎で局所的に加熱して溶体化処理し、その後、時効硬化熱処理を施すことにより、上記加熱部分のみを局部的に硬化させることが可能であることが明らかになった。そして、本実施の形態4の局部硬化方法によって蒸気タービン翼の耐エロージョン性が要求される部分のみを局部的に硬化させることにより、蒸気タービンの使用時に蒸気タービン翼の一部がエロージョンによって損耗することを防止し、蒸気タービン翼の寿命を延長させることができた。また、本実施の形態4の局部硬化方法は従来手法のようなろう付けなどの欠陥を含み易い手法を用いていないため、手直しなどの工数が削減でき、信頼性に優れている。更に本実施の形態4の局部硬化方法はこれまで焼入れの手法が採用できなかった析出硬化型合金に適用可能であるため、蒸気タービン翼の材料選定の幅が広がった。
【0046】
なお、本発明の局部硬化方法は特に上記実施の形態1〜4のように蒸気タービン翼に適用して有用なものであるが、必ずしもこれに限定するものではなく、蒸気タービン翼と同様に過時効熱処理された析出硬化型合金で製作された他の部材において局部的に硬化する必要がある場合にも適用することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上、発明の実施の形態とともに具体的に説明したように、第1発明の局部硬化方法によれば、析出硬化型合金製部材の局部硬化方法であって、前記析出硬化型合金製部材の硬化が要求される部分のみを、加熱手段により局部的に溶体化温度以上に加熱して析出硬化型合金内の析出物を局部的に溶体化した後、前記加熱手段による局部加熱前よりも硬さが上昇する温度時間条件で時効硬化熱処理をすることにより、前記硬化が要求される部分のみを硬化するため、析出硬化型合金製部材に対して部材本体の靱性は確保し、硬化を要する部分のみを硬くすることができる。
【0048】
また、第2発明の局部硬化方法によれば、析出硬化型合金製蒸気タービン翼の局部硬化方法であって、前記析出硬化型合金製蒸気タービン翼の耐エロージョン性が要求される部分のみを、加熱手段により局部的に溶体化温度以上に加熱して析出硬化型合金内の析出物を局部的に溶体化した後、前記加熱手段による局部加熱前よりも硬さが上昇する温度時間条件で時効硬化熱処理をすることにより、前記耐エロージョン性が要求される部分のみを硬化するため、析出硬化型合金製蒸気タービン翼に対して翼本体の靱性は確保し、耐エロージョン性が要求される部分のみを硬くすることができる。
【0049】
このため、蒸気タービンの使用時に蒸気タービン翼の一部がエロージョンによって損耗することを防止し、蒸気タービン翼の寿命を延長させることができる。また、従来手法のようなろう付けなどの欠陥を含み易い手法を用いていないため、手直しなどの工数が削減でき、信頼性に優れている。更にこれまで焼入れの手法が採用できなかった析出硬化型合金に適用可能であるため、蒸気タービン翼の材料選定の幅が広がる。
【0050】
また、第3発明の局部硬化方法によれば、第1又は第2発明の局部硬化方法において、前記加熱手段としてレーザ光、電子ビーム、高周波誘導又はガス炎によって加熱する手段を用いるため、硬化が要求される部分(耐エロージョン性が要求される部分)のみを局部的に加熱することが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の局部硬化方法を示すものであって蒸気タービン翼の耐エロージョン性が要求される部分にレーザ光を照射している状態の図である。
【図2】図1に示す本発明の局部硬化方法によって得られた蒸気タービン翼の断面の硬さ分布を示す図である。
【図3】本発明の局部硬化方法を示すものであって蒸気タービン翼の耐エロージョン性が要求される部分に電子ビームを照射している状態の図である。
【図4】図3に示す本発明の局部硬化方法によって得られた蒸気タービン翼の断面の硬さ分布を示す図である。
【図5】本発明の局部硬化方法を示すものであって蒸気タービン翼の耐エロージョン性が要求される部分を高周波誘導により加熱している状態の図である。
【図6】図5に示す本発明の局部硬化方法によって得られた蒸気タービン翼の断面の硬さ分布を示す図である。
【図7】本発明の局部硬化方法を示すものであって蒸気タービン翼の耐エロージョン性が要求される部分をガスバーナで加熱している状態の図である。
【図8】図7に示す本発明の局部硬化方法によって得られた蒸気タービン翼の断面の硬さ分布を示す図である。
【符号の説明】
1 蒸気タービン翼
2 レーザ発振器
3 レーザ光
4 集光レンズ
5 レーザ光照射部分
6 レーザ光の移動方向
7 Hv>400の領域
8 翼本体の硬度<Hv<400の領域
10 電子ビーム
11 集束コイル
12 電子ビーム照射部分
13 電子ビームの移動方向
14 真空チャンバ
15 真空ポンプ
16 真空バルブ
17 高周波発生電源
18 高周波コイル
19 高周波誘導により加熱された部分
20 高周波コイルの移動方向
21 ガスバーナー
22 ガス炎
23 ガス炎により加熱された部分
24 ガスバーナーの移動方向

Claims (3)

  1. 析出硬化型合金製部材の局部硬化方法であって、前記析出硬化型合金製部材の硬化が要求される部分のみを、加熱手段により局部的に溶体化温度以上に加熱して析出硬化型合金内の析出物を局部的に溶体化した後、前記加熱手段による局部加熱前よりも硬さが上昇する温度時間条件で時効硬化熱処理をすることにより、前記硬化が要求される部分のみを硬化することを特徴とする局部硬化方法。
  2. 析出硬化型合金製蒸気タービン翼の局部硬化方法であって、前記析出硬化型合金製蒸気タービン翼の耐エロージョン性が要求される部分のみを、加熱手段により局部的に溶体化温度以上に加熱して析出硬化型合金内の析出物を局部的に溶体化した後、前記加熱手段による局部加熱前よりも硬さが上昇する温度時間条件で時効硬化熱処理をすることにより、前記耐エロージョン性が要求される部分のみを硬化することを特徴とする局部硬化方法。
  3. 請求項1又は2に記載の局部硬化方法において、
    前記加熱手段としてレーザ光、電子ビーム、高周波誘導又はガス炎によって加熱する手段を用いることを特徴とする局部硬化方法。
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