JP2004026804A - スルホニル構造を有する化合物、それを用いた感放射線性酸発生剤、ポジ型感放射線性樹脂組成物、及びネガ型感放射線性樹脂組成物 - Google Patents

スルホニル構造を有する化合物、それを用いた感放射線性酸発生剤、ポジ型感放射線性樹脂組成物、及びネガ型感放射線性樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】酸発生剤として優れた化合物、該化合物を含む感放射線性酸発生剤、及び該感放射線性酸発生剤を含む感放射線性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】化合物は、下記一般式(1)(例えば1,2−ビス(ブチルスルホニルオキシイミノ)−1,2−ビス(メチルチオ)エタン)で表される化合物である。また、本発明の感放射線性酸発生剤は、上記スルホニル構造を有する化合物を含有する。更に、ポジ型感放射線性樹脂組成物は、上記感放射線性酸発生剤及び酸解離性基含有樹脂を含有し、本発明のネガ型感放射線性樹脂組成物は、上記感放射線性酸発生剤、アルカリ可溶性樹脂、及び架橋剤を含有する。
Figure 2004026804

【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、活性放射線、例えばKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、及びEUV等に代表される(超)遠紫外線、又は電子線に感応する酸発生剤として、優れた熱安定性及び保存安定性を有すると共に、平滑性に優れたレジストパターンを得ることができる化合物に関する。また、本発明は、上記化合物を用いた感放射線性酸発生剤、並びに該感放射線性酸発生剤を含有するポジ型感放射線性樹脂組成物及びネガ型感放射線性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野では、より高い集積度を得るために、0.30μm以下のレベルでの微細加工が可能なリソグラフィー技術が必要とされている。そして、従来のリソグラフィープロセスでは、一般に放射線としてi線等の近紫外線が用いられているが、この近紫外線では、サブクオーターミクロンレベルの微細加工が極めて困難であると言われている。そこで、0.30μm以下のレベルでの微細加工を可能とするために、より波長の短い放射線の利用が検討されている。このような短波長の放射線としては、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、電子線等を挙げることができる。そして、これらのうち、特にKrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、Fエキシマレーザー(波長157nm)、EUV(波長13nm等)、及び電子線等が注目されている。
【0003】
上記短波長の各種放射線に適した感放射線性樹脂組成物として、酸解離性基で保護された酸性官能基を有する成分と、放射線の照射(以下、「露光」という。)により酸を発生する感放射線性酸発生剤(以下、「酸発生剤」という。)との間の化学増幅効果を利用した組成物(以下、「化学増幅型感放射線性組成物」という。)が数多く提案されている。例えば、下記特許文献1には、カルボン酸をt−ブトキシカルボニル基で保護した重合体又はフェノール性水酸基をt−ブトキシカルボニル基で保護した重合体と、酸発生剤と、を含有する組成物が開示されている。該組成物は、露光により発生した酸の作用により、重合体中のt−ブトキシカルボニル基が解離して、カルボキシル基やフェノール性水酸基からなる酸性基を有するようになり、その結果、レジスト被膜の露光領域がアルカリ現像液に易溶性となる現象を利用したものである。
【0004】
しかしながら、デバイスの設計寸法がサブハーフミクロン以下であり、線幅制御をより精密に行う必要がある場合に、膜表面の平滑性に劣る化学増幅型レジストを用いると、エッチング等の処理により基板にレジストパターンを転写する際に、膜表面の凹凸形状(以下、「ナノエッジラフネス」という)が基板に転写される。その結果、パターンの寸法精度が低下し、最終的にデバイスの電気特性が損なわれるおそれがある(下記非特許文献1〜3)。よって、上記の場合には、化学増幅型レジストの性質として、解像性能が優れているだけでなく、レジストパターン形成後の膜表面の平滑性に優れていることも重要となってきている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭59−45439号公報
【非特許文献1】
「J. Photopolym. Sci. Tech.」 p571(1998)
【非特許文献2】
「Proc. SPIE」 Vol.3333,p313及びp634
【非特許文献3】
「J. Vac. Sci. Technol.」 B16(1),p69(1998)
【0006】
そこで、従来より、解像性能に優れ、且つナノエッジラフネスの小さい、より優れた化学増幅型レジスト及び上記性能を発現する感放射線性酸発生剤の開発が強く求められてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、活性放射線、例えば、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、及びEUV等に代表される(超)遠紫外線、又は電子線に感応する酸発生剤として、優れた熱安定性及び保存安定性を有すると共に、表面及び側壁の平滑性に優れたレジストパターンを得ることができる化合物を提供することを目的とする。また、本発明は、上記化合物を用いた感放射線性酸発生剤、並びに該感放射線性酸発生剤を含有するポジ型感放射線性樹脂組成物及びネガ型感放射線性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のスルホニル構造を有する化合物は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする。また、本発明のスルホニル構造を有する化合物は、下記一般式(2−1)〜(2−4)で表される構造を有する化合物とすることができる。
【0009】
【化5】
Figure 2004026804
【0010】
上記一般式(1)中、Rは、水素原子、炭素数1〜20の置換若しくは非置換のアルキル基、炭素数3〜20の置換若しくは非置換の脂環族基、炭素数2〜20のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のヘテロアリール基、又は−N(R’)基を示す(R’は、水素原子、炭素数1〜20の置換若しくは非置換のアルキル基、炭素数3〜20の置換若しくは非置換の脂環族基、炭素数2〜20のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、又は置換若しくは非置換のヘテロアリール基を示す。但し、R’ 同士は、相互に結合してヘテロ原子を含んでもよい環を形成してもよい。)。
また、R及びRは、独立に、水素原子、炭素数1〜20の置換若しくは非置換のアルキル基、炭素数3〜20の置換若しくは非置換の脂環族基、炭素数2〜20のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のヘテロアリール基、又は−Z−R’を示す(Zは、カルボニル基、−C(=O)−C(=O)−基、−C(=O)−O−基、−C(=O)−S−基、−OC(=O)−N(R’)−基、スルフィニル基、スルホニル基、−SO−SO−基、−SO−O−基、−SO−S−基、又は−SO−N(R’)−基を示す。尚、R及びRにおける上記R’は、上記Rにおける上記R’と同定義である。)。
尚、上記一般式(1)中、2つのR、R及びRのうちの少なくとも2つが互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
更に、X及びYは、独立に、酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基、又は−N(R)−基を示す(Rは、上記R及びRの定義と同一である。但し、同一の窒素原子に結合した上記R又はRとRとは、相互に結合してヘテロ原子を含んでもよい環を形成してもよい。
【0011】
【化6】
Figure 2004026804
【0012】
上記一般式(2−1)、(2−2)、(2−3)及び(2−4)中、R’ 、R’及びR’は、別々の一般式(1)で表されるスルホニル構造を有する化合物中に含まれているR、R及びRから各1個の原子又は基が解離して残基を形成し、該残基同士が結合することにより形成された形である2価の基である。
【0013】
また、本発明の他のスルホニル構造を有する化合物は、2以上の上記一般式(1)で表されるスルホニル構造を有する化合物中に含まれている各2つのR、R、及びRのうちの少なくとも2つを介することにより、2以上の上記一般式(1)で表されるスルホニル構造を有する化合物が結合して形成される二量体又は多量体であることを特徴とする。上記本発明の他のスルホニル構造を有する化合物としては、下記一般式(3−1)、(3−2)、(3−3)、(4−1)又は(4−2)で表される構造とすることができる。
【0014】
【化7】
Figure 2004026804
【化8】
Figure 2004026804
【0015】
上記一般式(3−1)、(3−2)、(3−3)、(4−1)及び(4−2)中、R’ 、R’及びR’は、別々の一般式(1)で表されるスルホニル構造を有する化合物中に含まれているR、R及びRから各1個の原子又は基が解離して残基を形成し、該残基同士が結合することにより形成された形である2価の基である。
【0016】
本発明の感放射線性酸発生剤は、本発明のスルホニル構造を有する化合物又は本発明の他のスルホニル構造を有する化合物のうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする。本発明の感放射線性酸発生剤は、更にジアゾメタン化合物及び/又はオニウム塩を含んでいてもよい。また、本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物は、(A)上記本発明の感放射線性酸発生剤(以下、「(A)感放射線性酸発生剤」という。)及び(B)酸解離性基含有樹脂を含有することを特徴とする。更に、本発明のネガ型感放射線性樹脂組成物は、上記(A)酸発生剤、(C)アルカリ可溶性樹脂、及び(D)酸の存在下で上記(C)アルカリ可溶性樹脂を架橋し得る架橋剤(以下、「(D)架橋剤」という。)を含有することを特徴とする。尚、本明細書において、本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物及び本発明のネガ型感放射線性樹脂組成物を総称する場合を、「本発明の感放射線性樹脂組成物」という。
【0017】
【発明の効果】
本発明のスルホニル構造を有する化合物及び本発明の他のスルホニル構造を有する化合物は、活性放射線、例えばKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、及びEUVに代表される遠紫外線、又は電子線等に感応する酸発生剤として、優れた熱安定性を有している。また、本発明の感放射線性酸発生剤を用いた本発明の感放射線性樹脂組成物からは、高感度であり、且つ平滑性に優れたレジストパターンが得られる。従って、本発明の感放射線性樹脂組成物は、今後ますます微細化が進行すると予想される半導体デバイス製造用の化学増幅型レジストとして極めて有用である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について更に詳細に説明する。
(1)スルホニル構造を有する化合物
本発明のスルホニル構造を有する化合物は、上記一般式(1)で表わされるスルホニル構造を有する化合物である。また、本発明の他のスルホニル構造を有する化合物は、上記一般式(1)のR、R、及びRのうちの少なくとも2つを介した二量体又は多量体である。本発明のスルホニル構造を有する化合物及び本発明の他のスルホニル構造を有する化合物は、遠紫外線又は電子線等の放射線に感応して酸を発生させることができる。
【0019】
上記一般式(1)中、Rは、水素原子、炭素数1〜20、好ましくは1〜18、更に好ましくは1〜15、より好ましくは1〜12の置換若しくは非置換のアルキル基、炭素数3〜20、好ましくは3〜18、更に好ましくは3〜12、より好ましくは3〜8の置換若しくは非置換の脂環族基、炭素数2〜20、好ましくは2〜18、更に好ましくは2〜15、より好ましくは2〜12のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のヘテロアリール基、又は−N(R’)基を示す(R’は、水素原子、炭素数1〜20、好ましくは1〜18、更に好ましくは1〜15、より好ましくは1〜12の置換若しくは非置換のアルキル基、炭素原子数3〜20、好ましくは3〜18、更に好ましくは3〜12、より好ましくは3〜8の置換若しくは非置換の脂環族基、炭素数2〜20、好ましくは2〜18、更に好ましくは2〜15、より好ましくは2〜12のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、又は置換若しくは非置換のヘテロアリール基を示す。但し、上記R’ 同士は、相互に結合してヘテロ原子を含んでもよい環を形成してもよい。)。尚、上記一般式(1)中の2つのR同士は、同一の原子又は基でもよく、異なる原子又は基でもよい。
【0020】
ここで、「上記R’同士は、相互に結合してヘテロ原子を含んでもよい環を形成してもよい。」とは、上記各R’から各1個の原子又は基が解離して残基を形成し、該残基同士が結合するか、又は該残基が硫黄原子、酸素原子、及び窒素原子等のヘテロ原子等で例示される別の原子若しくはメチレン基、エチレン基等の2価のアルキル基等で例示される2価の有機基を介して結合することにより、環状構造を形成していてもよいという意味である。尚、上記記載からも明らかなように、該環状構造中には硫黄原子、酸素原子、及び窒素原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0021】
また、上記一般式(1)中、R及びRは、独立に、水素原子、炭素数1〜20、好ましくは1〜18、更に好ましくは1〜15、より好ましくは1〜12の置換若しくは非置換のアルキル基、炭素数3〜20、好ましくは3〜18、更に好ましくは3〜12、より好ましくは3〜8の置換若しくは非置換の脂環族基、炭素数2〜20、好ましくは2〜18、更に好ましくは2〜15、より好ましくは2〜12のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のヘテロアリール基、又は−Z−R’を示す(ここでZは、カルボニル基、−C(=O)−C(=O)−基、−C(=O)−O−基、−C(=O)−S−基、−OC(=O)−N(R’)−基、スルフィニル基、スルホニル基、−SO−SO−基、−SO−O−基、−SO−S−基、又は−SO−N(R’)−基を示す。尚、R及びRにおける上記R’は、上記Rにおける上記R’と同定義である。)。
【0022】
上記R〜R及びR’の具体例としては、以下の基を挙げることができる。即ち、上記炭素数1〜20の置換若しくは非置換のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、i−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、及びt−ドデシル基等が挙げられる。
【0023】
また、上記炭素数3〜20の置換若しくは非置換の脂環族基としては、シクロペンチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及び炭素数6〜20の有橋脂環式炭化水素基(ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、アダマンチル基、メチルアダマンチル基、エチルアダマンチル基、及びブチルアダマンチル基等)等が挙げられる。
【0024】
更に、上記炭素数2〜20のアルケニル基としては、ビニル基及びプロペニル基等が挙げられる。
【0025】
また、上記置換若しくは非置換のアリール基としては、フェニル基、トルイル基、ベンジル基、メチルベンジル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基、及びアントリル基等の炭素数6〜20のアリール基が挙げられる。一方、上記置換若しくは非置換のヘテロアリール基としては、置換若しくは非置換のアリール基中に、硫黄原子、酸素原子、窒素原子等のヘテロ原子を1以上含む基であり、例えば、ピリジル基、イミダゾリル基、モルホリニル基、ピペリジニル基、ピロリジニル基が挙げられる。
【0026】
また、上記R〜R及びR’の各炭化水素基は、置換基によって置換されていてもよい。上記置換基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基(ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等)、炭素数1〜4のアルコキシル基(メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基等)、シアノ基、炭素数2〜5のシアノアルキル基(シアノメチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基、4−シアノブチル基等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等)、アルコキシカルボニルアルコキシ基(メトキシカルボニルメトキシ基、エトキシカルボニルメトキシ基、t−ブトキシカルボニルメトキシ基等)、ハロゲン原子(フッ素、塩素等)、及びフルオロアルキル基(フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等)等が挙げられる。
【0027】
上記Rの好ましい具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ドデシル基、t−ドデシル基、n−ヘキサドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、カンフォロイル基、ノルボニル基、p−トルイル基、ベンジル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、トリフルオロメチル基、ノナフルオロブチル基、パーフルオロオクチル基、メトキシカルボニルジフルオロメチル基、及び−N(R’)基が挙げられる。また、上記−N(R’)基としては、−N(CH基又は−NH−C基がより好ましい。
【0028】
上記R及びRの好ましい具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、カンフォロイル基、ノルボニル基、p−トルイル基、ベンジル基、フェニル基、1−ナフチル基、及び−Z−R’基が挙げられる。ここで、上記Zがカルボニル基、−C(=O)−C(=O)−基、スルフィニル基、スルホニル基、又は−SO−SO−基の場合、上記R’はメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、カンフォロイル基、ノルボニル基、p−トルイル基、ベンジル基、及びフェニル基が好ましい。また、上記Zが−C(=O)−O−基、−C(=O)−S−基、−SO−O−基、−SO−S−基、又は−SO−N(R’)−基の場合、上記R’はメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基、ベンジル基、及びフェニル基が好ましい。更に、上記Zが−OC(=O)−N(R’)−基、又は−SO−N(R’)−基の場合、上記R’は水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、カンフォロイル基、ノルボニル基、p−トルイル基、ベンジル基、及びフェニル基が好ましい。また、2つのR’で環を形成する場合、上記R’はメチレン基及びエチレン基が好ましい。
【0029】
上記一般式(1)中、X及びYは、独立に、酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基、又は−N(R)−基を示す。ここでRは、上記R及びRの定義と同一である。但し、同一の窒素原子に結合した上記R又はRとRとは、相互に結合してヘテロ原子を含んでもよい環を形成してもよい。また、X及びYのうちの少なくとも一方が−N(R)−基の場合、該Rは水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、カンフォロイル基、ノルボニル基、p−トルイル基、ベンジル基、又はフェニル基が好ましい。更に、上記RがR又はRと環を形成する場合、上記Rはメチレン基、エチレン基又はプロピレン基が好ましい。
【0030】
ここで、「上記R又はRとRとは、相互に結合してヘテロ原子を含んでもよい環を形成してもよい。」とは、上記R又はRとRから各1個の原子又は基が解離して残基を形成し、該残基同士が結合するか、又は該残基が硫黄原子、酸素原子、及び窒素原子等のヘテロ原子等で例示される別の原子若しくはメチレン基、エチレン基等の2価のアルキル基等で例示される2価の有機基を介して結合することにより、環状構造を形成していてもよいという意味である。尚、上記記載からも明らかなように、該環状構造中には硫黄原子、酸素原子、及び窒素原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0031】
また、本発明のスルホニル構造を有する化合物では、上記一般式(1)に含まれている2つのR、R及びRがそれぞれ独立の基として存在していてもよいが、上記一般式(1)中、2つのR、R及びRのうちの少なくとも2つが互いに結合して環状構造を形成していてもよい。ここで、「2つのR、R及びRのうちの少なくとも2つが互いに結合」している場合とは、上記2つのR、R及びRのうちの少なくとも2つから各1個の原子又は基が解離して残基を形成し、該残基同士が結合するか、又は該残基が硫黄原子、酸素原子、及び窒素原子等のヘテロ原子等で例示される別の原子若しくはメチレン基、エチレン基等の2価のアルキル基等で例示される2価の有機基を介して結合することにより、環状構造を形成していてもよいという意味である。
【0032】
このような環状構造については特に限定はないが、具体的には、上記一般式(2−1)〜(2−4)で表される環状構造化合物が挙げられる。その他、一般式(1)の上記R側の上記Rと上記Rとが互いに結合して環状構造を形成してもよく、一般式(1)の上記R側の上記Rと上記Rとが互いに結合して環状構造を形成してもよい。尚、上記式(2−3)で表される環状構造化合物としては、上記R及びRがメチレン基、エチレン基、プロピレン基、1,2−ジメチルエチレン基、又はカルボニル基である化合物が更に好ましい。
【0033】
本発明の他のスルホニル構造を有する化合物は、2以上の上記一般式(1)で表されるスルホニル構造を有する化合物中に含まれている各2つのR、R、及びRのうちの少なくとも2つを介することにより、2以上の上記一般式(1)で表されるスルホニル構造を有する化合物が結合して形成される二量体又は多量体である。ここで、「各2つのR、R及びRの少なくとも2つを介することにより」とは、2以上の上記一般式(1)で表される化合物中に含まれている各2つのR、R及びRのうちの少なくとも1つから各1個の原子又は基が解離して残基を形成し、該残基同士が結合するか、又は該残基が硫黄原子、酸素原子、及び窒素原子等のヘテロ原子等で例示される別の原子若しくはメチレン基、エチレン基等の2価のアルキル基等で例示される2価の有機基を介して結合するという意味である。本発明の他のスルホニル構造を有する化合物は、上記構成であれば、その構造については特に限定はなく、例えば、多量体としては、3量体でも4量体でもよいが、通常は3〜10量体、好ましくは3〜6量体である。
【0034】
本発明の他のスルホニル構造を有する化合物の構造については、上記要件を満たす限り特に限定はない。具体的には、上記一般式(3−1)、(3−2)、(3−3)、(4−1)及び(4−2)で表される二量体及び多量体等が挙げられる。その他、上記一般式(1)で表される化合物のRと(一般式(1)中のR側のR及びR側のRのいずれでもよい。)、他の上記一般式(1)で表される化合物のRとから各1個の原子又は基が解離して形成される残基同士が結合するか、あるいは、別の原子又は有機基を介して結合して二量体又は多量体を形成してもよい。また、上記一般式(1)で表される化合物のRと(一般式(1)中のR側のR及びR側のRのいずれでもよい。)、他の上記一般式(1)で表される化合物のRとから各1個の原子又は基が解離して形成される残基同士が結合するか、あるいは、別の原子又は有機基を介して結合して二量体又は多量体を形成してもよい。
【0035】
上記一般式(1)で表わされるスルホニル構造を有する化合物は、例えば、下記一般式(4)で示されるオキシム化合物と、下記一般式(5)で示されるスルホン酸クロリドから、公知のスルホン酸エステルの合成法(例えば、K.Hattori, Y.Matsumura, T.Miyazaki, K.Maruoka, and H.Yamamoto, J. Am. Chem. Soc. 1981, 103, 7368に記載されている方法)で合成できる。この反応は、通常、トルエン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、ピリジン、DMF、DMSO等の非プロトン性有機溶媒中で、3級アミン(トリエチルアミン等)やピリジン等の塩基性触媒の存在下で行う。また、反応温度は、通常、−35〜50℃、好ましくは−20〜25℃である。尚、上記一般式(4)で示されるオキシム化合物は、公知のオキシム化合物の合成法で合成できる。例えば下記一般式(6)で示す化合物から下記の反応式により合成できる。また、二量体又は多量体を得る場合には、例えば、下記一般式(5)で示される化合物をジスルホニルジクロリドに置き換えることにより上記一般式(4−2)で示される化合物を得ることができ、下記一般式(6)で示す化合物とX−R’−Y及び/又はX−R’−Yで表される化合物を反応させて得られたオキシム化合物を下記一般式(4)で示される化合物の代わりに用いることにより、上記一般式(4−1)で示される化合物を得ることができる。尚、一般式(6)中の「Hal」はハロゲン原子である。
【0036】
【化9】
Figure 2004026804
【化10】
Figure 2004026804
〔上記一般式(4)〜(6)中、R、R、R、X及びYは上記のとおりである。〕
【0037】
(2)感放射線性酸発生剤
本発明の感放射線性酸発生剤は、上記本発明のスルホニル構造を有する化合物及び本発明の他のスルホニル構造を有する化合物のうちの少なくとも1種を含有するものである。本発明の感放射線性酸発生剤は、露光により酸を発生させることができる。尚、本発明の感放射線性酸発生剤において、上記スルホニル構造を有する化合物及び本発明の他のスルホニル構造を有する化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0038】
また、本発明の感放射線性酸発生剤には、必要に応じて、上記本発明のスルホニル構造を有する化合物及び本発明の他のスルホニル構造を有する化合物以外の感放射線性酸発生剤(以下、「他の酸発生剤」という。)を添加することができる。該他の酸発生剤としては、例えば、〔1〕オニウム塩化合物、〔2〕スルホン化合物、〔3〕スルホン酸エステル化合物、〔4〕スルホンイミド化合物、〔5〕ジアゾメタン化合物、及び〔6〕ジスルホニルメタン化合物等を挙げることができる。上記他の酸発生剤もまた、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
【0039】
〔1〕オニウム塩化合物
上記オニウム塩化合物として具体的には、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩(但し、テトラヒドロチオフェニウム塩を含む。)、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩等の1種又は2種以上を挙げることができる。
【0040】
そして、上記オニウム塩化合物の具体例としては、以下の化合物等を挙げることができる。
ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムピレンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムn−ドデシルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムn−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムn−ドデシルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウムn−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムピレンスルホネート、トリフェニルスルホニウムn−ドデシルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート、トリフェニルスルホニウムn−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム4−トリフルオロベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウム1−ナフタレンスルホネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムピレンスルホネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムn−ドデシルベンゼンスルホネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムベンゼンスルホネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムn−オクタンスルホネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウム4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウム2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、4−t−ブトキシフェニル・ジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−ヒドロキシフェニル・ベンジル・メチルスルホニウムp−トルエンスルホネート、シクロヘキシル・2−オキソシクロヘキシル・メチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジシクロヘキシル・2−オキソシクロヘキシルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、2−オキソシクロヘキシルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シアノ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ニトロ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メチル−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シアノ−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ニトロ−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メチル−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−メトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−メトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−エトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−エトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−エトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−メトキシメトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシメトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−メトキシメトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−エトキシメトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−エトキシメトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−エトキシメトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−(1−メトキシエトキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(1−メトキシエトキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−(1−メトキシエトキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−(2−メトキシエトキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−メトキシエトキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−(2−メトキシエトキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−n−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−n−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−n−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−i−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−i−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−i−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−n−ブトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−n−ブトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−n−ブトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−t−ブトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−t−ブトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−t−ブトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−(2−テトラヒドロフラニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−テトラヒドロフラニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−(2−テトラヒドロフラニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−ベンジルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ベンジルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−ベンジルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(1−ナフチルアセトメチル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(1−ナフチルアセトメチル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(1−ナフチルアセトメチル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート等の1種又は2種以上。
【0041】
〔2〕スルホン化合物
上記スルホン化合物として具体的には、例えば、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンや、これらのα−ジアゾ化合物等の1種又は2種以上を挙げることができる。そして、上記スルホン化合物の具体例としては、フェナシルフェニルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン、4−トリスフェナシルスルホン等の1種又は2種以上を挙げることができる。
【0042】
〔3〕スルホン酸エステル化合物
上記スルホン酸エステル化合物として具体的には、例えば、アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等の1種又は2種以上を挙げることができる。そして、上記スルホン酸エステル化合物の具体例としては、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリス(トリフルオロメタンスルホネート)、ピロガロールトリス(ノナフルオロ−n−ブタンスルホネート)、ピロガロールトリス(メタンスルホネート)、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、α−メチロールベンゾイントシレート、α−メチロールベンゾインn−オクタンスルホネート、α−メチロールベンゾイントリフルオロメタンスルホネート、α−メチロールベンゾインn−ドデカンスルホネート等の1種又は2種以上を挙げることができる。
【0043】
〔4〕スルホンイミド化合物
上記スルホンイミド化合物としては、例えば、下記一般式(7)で表される化合物等の1種又は2種以上を挙げることができる。
【化11】
Figure 2004026804
【0044】
上記一般式(7)中、Vはアルキレン基、アリーレン基、及びアルコキシレン基等の2価の有機基を示す。具体的には、メチレン基、炭素数2〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアラルキレン基、ジフルオロメチレン基、炭素数2〜20のパーフルオロアルキレン基、シクロヘキシレン基、置換されていてもよいノルボルナン骨格を有する基、フェニレン基及びこれらの基に炭素数2以上のアリール基やアルコキシル基を置換基として導入した基等が挙げられる。
【0045】
上記一般式(7)中、Rはアルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基、及びハロゲン置換アリール基等の1価の有機基を示す。具体的には、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基、炭素数3〜10のパーフルオロシクロアルキル基、炭素数7〜15のビシクロ環含有炭化水素基、炭素数6〜12のアリール基等が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等のアルキル基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ノナフルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−n−オクチル基等のパーフルオロアルキル基;ペンタフルオロシクロヘキシル基等のパーフルオロシクロアルキル基;アルキル基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルアルコキシカルボニル基等で置換されていてもよいノルボルナン骨格を有する基等のビシクロ環含有炭化水素基;フェニル基、パーフルオロフェニル基、メチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基等が挙げられる。
【0046】
そして、上記スルホンイミド化合物の具体例としては、以下の化合物等を挙げることができる。
N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)フタルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2ートリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ペンタフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−{(5−メチル−5−カルボキシメタンビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)スルホニルオキシ}スクシンイミド等の1種又は2種以上。
【0047】
〔5〕ジアゾメタン化合物
上記ジアゾメタン化合物としては、例えば、下記一般式(8)で表される化合物等の1種又は2種以上を挙げることができる。尚、下記一般式(8)中、R及びR は相互に独立にアルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基、ハロゲン置換アリール基等の1価の基を示す。
【0048】
【化12】
Figure 2004026804
【0049】
そして、上記ジアゾメタン化合物の具体例としては、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(t−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキサンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、メタンスルホニル−p−トルエンスルホニルジアゾメタン、シクロヘキサンスルホニル−1,1−ジメチルエチルスルホニルジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエタンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(3,3−ジメチル−1,5−ジオキサスピロ[5.5]ドデカン−8−スルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−7−スルホニル)ジアゾメタン等の1種又は2種以上を挙げることができる。
【0050】
〔6〕ジスルホニルメタン化合物
上記ジスルホニルメタン化合物としては、例えば、下記一般式(9)で表される化合物等の1種又は2種以上を挙げることができる。
【0051】
【化13】
Figure 2004026804
【0052】
上記一般式(9)中、R10及びR11は相互に独立に直鎖状若しくは分岐状の1価の脂肪族炭化水素基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はヘテロ原子を有する1価の他の有機基を示す。また、X及びYは相互に独立にアリール基、水素原子、直鎖状若しくは分岐状の1価の脂肪族炭化水素基、又はヘテロ原子を有する1価の他の有機基を示し、且つX及びYの少なくとも一方がアリール基であるか、XとYが相互に連結して少なくとも1個の不飽和結合を有する単環若しくは多環を形成しているか、又はXとYが相互に連結して下記一般式式(A)で表される基(但し、X’及びY’は相互に独立に水素原子、ハロゲン原子、直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、又は同一の若しくは異なる炭素原子に結合したX’と及びY’が相互に連結して炭素単環構造を形成しているものである。また、X’及びY’が複数存在する場合、X’及びY’はそれぞれ相互に同一でも異なってもよい。nは2〜10の整数である。)を形成している。
【0053】
【化14】
Figure 2004026804
【0054】
上記他の酸発生剤(B)としては、〔1〕オニウム塩化合物、〔4〕スルホンイミド化合物及び〔5〕ジアゾメタン化合物の1種又は2種以上が好ましい。この中で、〔1〕オニウム塩化合物及び/又は〔5〕ジアゾメタン化合物が好ましい。特に、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート、トリフェニルスルホニウム2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム4−トリフルオロベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2,4−ジフルオロメチルベンゼンスルホネート、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドおよびN−{(5−メチル−5−カルボキシメタンビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)スルホニルオキシ}スクシンイミド、ビス(シクロヘキサンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(t−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,4−ジオキサスピロ[4.5]−デカン−7−スルホニル)ジアゾメタンの群から選ばれる少なくとも1種を用いるのが好ましい。
【0055】
上記他の酸発生剤の配合割合は、各酸発生剤の種類に応じて適宜選定することができる。上記他の酸発生剤の配合割合は、通常は、本発明の感放射線性酸発生剤に含まれる上記本発明のスルホニル構造を有する化合物及び本発明の他のスルホニル構造と上記他の酸発生剤との合計100質量部に対して95質量部以下、好ましくは90質量部以下、更に好ましくは80質量部以下である。上記他の酸発生剤の配合割合を95質量部以下とすると、本発明における所期の効果を向上させることができるので好ましい。
【0056】
(3)ポジ型感放射線性樹脂組成物
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物は、上記(A)感放射線性酸発生剤及び上記(B)酸解離性基含有樹脂を含有してなる。
上記(A)感放射線性酸発生剤については上述の通りであるが、特に、上記(A)感放射線性酸発生剤として、本発明のスルホニル構造を有する化合物と、ジアゾメタン化合物及び/又はオニウム塩とを含有する混合酸発生剤を用いると、ナノエッジラフネスの低減に加え、焦点深度余裕が向上する点で好ましい。
【0057】
(B)酸解離性基含有樹脂
本発明の上記(B)酸解離性基含有樹脂は、樹脂中の酸性官能基が酸解離性基で保護されたアルカリ不溶性又はアルカリ難溶性の樹脂であって、上記酸解離性基が酸の作用により解離することによりアルカリ可溶性となる樹脂である。ここで、上記「アルカリ不溶性又はアルカリ難溶性」とは、上記(B)酸解離性基含有樹脂を含有する感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたレジスト被膜からレジストパターンを形成する際に採用されるアルカリ現像条件下で、当該レジスト被膜の代わりに上記(B)酸解離性基含有樹脂のみを用いた被膜を現像した場合に、当該被膜の初期膜厚の50%以上が現像後に残存する性質を意味する。本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物において、上記(B)酸解離性基含有樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0058】
上記酸性官能基としては、酸性を示すものであれば特に限定はなく、例えば、フェノール性水酸基、カルボキシル基、及びスルホン酸基等の1種又は2種以上が挙げられる。また、上記酸解離性基としては、例えば、置換メチル基、1−置換エチル基、1−置換−n−プロピル基、1−分岐アルキル基、シリル基、ゲルミル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、及び環式酸解離性基等の1種又は2種以上を挙げることができる。
【0059】
具体的には、上記置換メチル基としては、例えば、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、エトキシメチル基、エチルチオメチル基、メトキシエトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ベンジルチオメチル基、フェナシル基、4−ブロモフェナシル基、4−メトキシフェナシル基、4−メチルチオフェナシル基、α−メチルフェナシル基、シクロプロピルメチル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、4−ブロモベンジル基、4−ニトロベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−メチルチオベンジル基、4−エトキシベンジル基、4−エチルチオベンジル基、ピペロニル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n−プロポキシカルボニルメチル基、i−プロポキシカルボニルメチル基、n−ブトキシカルボニルメチル基、t−ブトキシカルボニルメチル基等を挙げることができる。
【0060】
また、上記1−置換エチル基として具体的には、例えば、1−メトキシエチル基、1−メチルチオエチル基、1,1−ジメトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−エチルチオエチル基、1,1−ジエトキシエチル基、1−フェノキシエチル基、1−フェニルチオエチル基、1,1−ジフェノキシエチル基、1−ベンジルオキシエチル基、1−ベンジルチオエチル基、1−シクロプロピルオキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−フェニルエチル基、1,1−ジフェニルエチル基、1−メトキシカルボニルエチル基、1−エトキシカルボニルエチル基、1−n−プロポキシカルボニルエチル基、1−i−プロポキシカルボニルエチル基、1−n−ブトキシカルボニルエチル基、1−t−ブトキシカルボニルエチル基等を挙げることができる。
【0061】
上記1−置換−n−プロピル基として具体的には、例えば、1−メトキシ−n−プロピル基、1−エトキシ−n−プロピル基等を挙げることができる。
【0062】
上記1−分岐アルキル基として具体的には、例えば、i−プロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基等を挙げることができる。
【0063】
また、上記シリル基として具体的には、例えば、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、メチルジエチルシリル基、トリエチルシリル基、i−プロピルジメチルシリル基、メチルジ−i−プロピルシリル基、トリ−i−プロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、メチルジ−t−ブチルシリル基、トリ−t−ブチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基等を挙げることができる。
【0064】
また、上記ゲルミル基として具体的には、例えば、トリメチルゲルミル基、エチルジメチルゲルミル基、メチルジエチルゲルミル基、トリエチルゲルミル基、i−プロピルジメチルゲルミル基、メチルジ−i−プロピルゲルミル基、トリ−i−プロピルゲルミル基、t−ブチルジメチルゲルミル基、メチルジ−t−ブチルゲルミル基、トリ−t−ブチルゲルミル基、フェニルジメチルゲルミル基、メチルジフェニルゲルミル基、トリフェニルゲルミル基等を挙げることができる。
【0065】
上記アルコキシカルボニル基として具体的には、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。
【0066】
上記アシル基として具体的には、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、バレリル基、ピバロイル基、イソバレリル基、ラウリロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オキサリル基、マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、ピペロイル基、スベロイル基、アゼラオイル基、セバコイル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、オレオイル基、マレオイル基、フマロイル基、メサコノイル基、カンホロイル基、ベンゾイル基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、シンナモイル基、フロイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、p−トルエンスルホニル基、メシル基等を挙げることができる。
【0067】
上記環式酸解離性基として具体的には、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、4−メトキシシクロヘキシル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、3−ブロモテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル基、3−テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド基等を挙げることができる。
【0068】
上記酸解離性基としては、上記のうち、ベンジル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−エトキシ−n−プロピル基、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、トリメチルシリル基、t−ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基等が好ましい。
【0069】
上記(B)酸解離性基含有樹脂中、上記酸解離性基の導入率(上記(B)酸解離性基含有樹脂中の上記酸性官能基と上記酸解離性基との合計数に対する上記酸解離性基の数の割合)は、上記酸解離性基及び該基が導入される樹脂の種類により種々の範囲とすることができる。上記導入率は好ましくは5〜100%、更に好ましくは10〜100%である。
【0070】
上記(B)酸解離性基含有樹脂の構造は、上記の性質を有する限り特に限定はなく、必要に応じて種々の構造とすることができる。例えば、後述する一般式(9−1)〜(9−4)で表される繰返し単位を有するアルカリ可溶性樹脂中の上記酸性官能基の水素原子を、1種以上の上記酸解離性基で置換した樹脂等が挙げられる。また、上記(B)酸解離性基含有樹脂としては、特に、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)中のフェノール性水酸基の水素原子の一部又は全部を上記酸解離性基で置換した樹脂、p−ヒドロキシスチレン及び/又はp−ヒドロキシ−α−メチルスチレンと(メタ)アクリル酸との共重合体中のフェノール性水酸基の水素原子及び/又はカルボキシル基の水素原子の一部又は全部を上記酸解離性基で置換した樹脂や、これらの樹脂に後述する分岐構造を導入した樹脂等を好ましく用いることができる。
【0071】
また、上記(B)酸解離性基含有樹脂の構造は、使用する放射線の種類に応じて種々の構造とすることができる。例えば、KrFエキシマレーザーを用いる感放射線性樹脂組成物に特に好適に用いられる上記(B)酸解離性基含有樹脂としては、下記一般式(10)で表される繰り返し単位及び下記一般式(10)で表される繰り返し単位中に含まれるフェノール性水酸基を上記酸解離性基で保護した繰り返し単位を含むアルカリ不(難)溶性樹脂(以下、「樹脂(B1)」ともいう)が好ましい。該樹脂(B1)は、Fエキシマレーザー、電子線等を用いる感放射線性樹脂組成物にも好適に用いることができる。尚、下記一般式(10)中、R12は水素原子又は一価の有機基を示す。また、a及びbは1から3の自然数を表す。
【0072】
【化15】
Figure 2004026804
【0073】
上記一般式(10)で表される繰り返し単位として具体的には、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、αーメチルヒドロキシスチレン、3−メチル4−ヒドロキシスチレン、2−メチル4−ヒドロキシスチレン、2−メチル3−ヒドロキシスチレン、4−メチル3−ヒドロキシスチレン、5−メチル3−ヒドロキシスチレン、3,4ジヒドロキシスチレン、2,4,6−トリヒドロキシスチレン等の非芳香族二重結合が開裂した単位が挙げられる。この中で、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、αーメチルヒドロキシスチレン等の非芳香族二重結合が開裂した単位が好ましい。
【0074】
上記酸解離性置換基を含む繰り返し単位としては、上記一般式(10)で表される繰り返し単位のフェノール性水酸基を上記酸解離性基で保護した繰り返し単位等を挙げることができる。
【0075】
また、上記樹脂(B1)では、更に他の繰り返し単位を含んでいてもよい。該他の繰り返し単位として具体的には、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メトキシスチレン、3−メトキシスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン、4−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、4−t−ブトキシカルボニルメチルオキシスチレン、4−(2’−t−ブトキシカルボニルエチルオキシ)スチレン、4−テトラヒドロフラニルオキシスチレン、4−テトラヒドロピラニルオキシスチレン等のビニル芳香族化合物;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフラニル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェネチル、下記一般式(11)〜(13)で表される単量体等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、けい皮酸等の不飽和カルボン酸類;(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸2−カルボキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−カルボキシプロピル等の不飽和カルボン酸のカルボキシアルキルエステル類;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、クロトンニトリル、マレインニトリル、フマロニトリル等の不飽和ニトリル化合物;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレインアミド、フマルアミド等の不飽和アミド化合物;マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド化合物;N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニルイミダゾール、4−ビニルイミダゾール等の他の含窒素ビニル化合物等の重合性不飽和結合が開裂した単位を挙げることができる
【0076】
【化16】
Figure 2004026804
(上記一般式(11)〜(13)中、nは1以上6以下の自然数を表す。)
【0077】
上記他の繰返し単位のうち、スチレン、α−メチルスチレン、4−t−ブトキシスチレン、4−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、4−t−ブトキシカルボニルメチルオキシスチレン、4−(2’−t−ブトキシカルボニルエチルオキシ)スチレン、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンチル、上記一般式(11)及び(12)で表される単量体等の重合性不飽和結合が開裂した単位が好ましい。
【0078】
また、ArFエキシマレーザーを用いる感放射線性樹脂組成物に特に好適に用いられる上記(B)酸解離性基含有樹脂としては、下記一般式(14)で表される繰り返し単位及び/又は下記一般式(15)で表される繰り返し単位を有するアルカリ不(難)溶性樹脂(以下、「樹脂(B2)」ともいう)が好ましい。該樹脂(B2)は、Fエキシマレーザー、電子線等を用いる感放射線性樹脂組成物にも好適に用いることができる。
【0079】
【化17】
Figure 2004026804
【化18】
Figure 2004026804
【0080】
上記一般式(14)中、A及びBは互いに独立に水素原子又は上記酸解離性基で保護された上記酸性官能基を示し、且つA及びBの少なくとも1つは上記酸解離性基で保護された上記酸性官能基である。また、上記一般式(14)中、C及びDは互いに独立に水素原子又は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状の1価のアルキル基を示し、nは0〜2の整数である。
【0081】
上記一般式(15)中、R13は水素原子又はメチル基を示す。また、各R14は互いに独立に炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換されてもよい炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基であるか、又はいずれか2つのR14が互いに結合して、それぞれが結合している炭素原子と共に置換されてもよい炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基を形成し、残りのR14が炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換されてもよい炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基である。
【0082】
上記一般式(14)で表される繰り返し単位として具体的には、例えば、5−t−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(4−t−ブチルシクロヘキシルオキシ)カルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−エトキシエトキシ)カルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−シクロヘキシルオキシエトキシ)カルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−t−ブトキシカルボニルメトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−t−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−(4−t−ブチルシクロヘキシルオキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−(1−エトキシエトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−(1−シクロヘキシルオキシエトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−t−ブトキシカルボニルメトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン等のノルボルネン環の二重結合が開裂した単位等が挙げられる。
【0083】
また、上記一般式(15)で表される繰り返し単位として具体的には、例えば、t−ブトキシカルボニル(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位や、下記一般式で表される繰り返し単位が好ましいものとして挙げられる。尚、下記一般式中、R13は、水素原子又はメチル基である。
【0084】
【化19】
Figure 2004026804
【0085】
上記樹脂(B2)では、更に他の繰り返し単位を含んでいてもよい。該他の繰返し単位として具体的には、例えば、ノルボルネン(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン等のノルボルネン骨格を有する単量体;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物;上記樹脂(B1)における他の繰り返し単位として上述した(メタ)アクリル酸エステルの他、下記一般式(i)で表される(メタ)アクリル酸エステル等の重合性不飽和結合が開裂した単位等を挙げることができる。特に、上記一般式(14)で表される繰り返し単位を有する上記樹脂(B2)では、上記他の繰り返し単位として、無水マレイン酸由来の繰り返し単位を有するものであることが好ましい。
【0086】
【化20】
Figure 2004026804
(尚、下記一般式(i)中、R13は水素原子又はメチル基である。)
【0087】
更に、Fエキシマレーザーを用いる場合に特に好適に用いることができる上記(B)酸解離性基含有樹脂としては、下記一般式(16)及び/又は(17)で表される繰り返し単位を有するアルカリ不(難)溶性のポリシロキサン(以下、「樹脂(B3)」ともいう)が好ましい。下記一般式(16)及び(17)中、Aは互いに独立に上記酸解離性基で保護された上記酸性官能基を有する1価の有機基を示し、R14は置換しても良い炭素数1〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状の炭化水素基を示す。尚、上記樹脂(B3)は、ArFエキシマレーザー、電子線等を用いる場合にも好適に用いることができる。
【0088】
【化21】
Figure 2004026804
【0089】
上記一般式(16)及び(17)中のAとしては、環状構造を有する基に酸解離性基で保護された酸性官能基が結合された構造が好ましく、該環状構造としては、シクロアルキル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、アダマンチル基等の脂環式炭化水素基や、ハロゲン化芳香族炭化水素基を有する基が好ましい。上記樹脂(B3)では、特に、上記一般式(16)で表される繰り返し単位が好ましく、特に好ましい具体例としては、下記式(ii)〜(v)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
【0090】
【化22】
Figure 2004026804
【0091】
上記樹脂(B3)では、更に他の繰り返し単位を含んでいてもよい。該他の繰返し単位としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、及びエチルトリエトキシシラン等のアルキルアルコキシシランを加水分解させた構造を有する繰り返し単位、並びに下記式(vi)〜(ix)で表される繰り返し単位等を好ましく挙げることができる。
【0092】
【化23】
Figure 2004026804
【0093】
上記樹脂(B3)は、上記酸解離性基で保護された上記酸性官能基を含有するシラン化合物を共縮合させるか、ポリシロキサンに上記酸解離性基を導入することにより得ることができる。上記酸解離性基で保護された上記酸性官能基を含有するシラン化合物を共縮合させる場合には、触媒として、酸性触媒を用いることが好ましい。特に、シラン化合物を上記酸性触媒の存在下で重縮合させた後、塩基性触媒を加えてさらに反応させることが好ましい。
【0094】
上記酸性触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、燐酸、四塩化チタン、塩化亜鉛、及び塩化アルミニウム等の無機酸類;蟻酸、酢酸、n−プロピオン酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、マロン酸、こはく酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、フタル酸、テレフタル酸、無水酢酸、無水マレイン酸、クエン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、及びメタンスルホン酸等の有機酸類を挙げることができる。この中で、塩酸、硫酸、酢酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、無水酢酸、及び無水マレイン酸が好ましい。
【0095】
また、上記塩基性触媒としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸カリウム等の無機塩基類;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、及びピリジン等の有機塩基類を挙げることができる。
【0096】
上記(B)酸解離性基含有樹脂では、樹脂中の多官能性単量体及び/又はアセタール性架橋基によって分岐構造を導入することができる。かかる構造を導入することにより、樹脂の耐熱性が向上させることができる。上記酸解離性基含有樹脂中の多官能性単量体及び/又はアセタール性架橋基による分岐構造の導入率は、該分岐構造やそれが導入される上記(B)酸解離性基含有樹脂の種類により種々の範囲とすることができる。上記導入率は、全繰返し単位に対して10モル%以下であることが好ましい。
【0097】
上記(B)酸解離性基含有樹脂の分子量の範囲については特に限定はなく、必要に応じて種々の分子量の範囲とすることができる。通常、上記(B)酸解離性基含有樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算重量分子量(以下、「Mw」という。)は1000〜500000、好ましくは2000〜400000、更に好ましくは3000〜300000である。また、分岐構造を持たない上記(B)酸解離性基含有樹脂の場合、より好ましくは1000〜150000、特に好ましくは3000〜100000であり、分岐構造を有する上記(B)酸解離性基含有樹脂の場合、より好ましくは5000〜500000、特に好ましくは8000〜300000である。かかる範囲とすることにより、得られるレジストが現像特性に優れるものとなる。
【0098】
また、上記(B)酸解離性基含有樹脂のMwとGPCで測定したポリスチレン換算数分子量(以下、「Mn」という。)との比(Mw/Mn)についても特に限定はなく、必要に応じて種々の分子量の範囲とすることができる。通常、上記比は1〜10、好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜5である。かかる範囲とすることにより、得られるレジストが解像性能に優れるものとなる。
【0099】
上記(B)酸解離性基含有樹脂の製造方法については特に限定はない。例えば、予め製造したアルカリ可溶性樹脂中の上記酸性官能基に1種以上の上記酸解離性基を導入する方法のほか、上記酸解離性基で保護された上記酸性官能基を有する1種以上の重合性不飽和単量体若しくは該1種以上の重合性不飽和単量体と1種以上の他の重合性不飽和単量体とを重合する方法、又は上記酸解離性基で保護された上記酸性官能基を有する1種以上の重縮合成分若しくは該1種以上の重縮合成分と1種以上の他の重縮合成分とを重縮合する方法等によって製造することができる。
【0100】
ここで、上記酸解離性基で保護された上記酸性官能基を有する1種以上の重合性不飽和単量体若しくは該1種以上の重合性不飽和単量体と1種以上の他の重合性不飽和単量体とを重合する方法では、単量体や反応媒質の種類等に応じて、ラジカル重合開始剤、アニオン重合触媒、配位アニオン重合触媒、カチオン重合触媒等の重合開始剤若しくは重合触媒を適宜に選定し、塊状重合、溶液重合、沈澱重合、乳化重合、懸濁重合、塊状−懸濁重合等の適宜の重合方法により行うことができる。また、上記酸解離性基で保護された上記酸性官能基を有する1種以上の重縮合成分若しくは該1種以上の重縮合成分と1種以上の他の重縮合成分とを重縮合する方法では、酸性触媒の存在下、水媒質中又は水と親水性溶媒との混合媒質中で(共)重縮合をすることができる。
【0101】
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物を構成する各成分の配合割合は、レジストの所望の特性に応じて種々の範囲とすることができる。上記(A)感放射線性酸発生剤の配合量は、上記(B)酸解離性基含有樹脂100質量部に対して、通常、0.001〜70質量部、好ましくは0.01〜50質量部、更に好ましくは0.1〜20質量部である。上記(A)感放射線性酸発生剤の配合量を0.001質量部以上とすると、感度及び解像度の低下を抑制できるので好ましい。また、70質量部以下とすると、レジストの塗布性やパターン形状の劣化を抑制できるので好ましい。
【0102】
(4)ネガ型感放射線性樹脂組成物
本発明のネガ型感放射線性樹脂組成物は、上記(A)感放射線性酸発生剤、(C)アルカリ可溶性樹脂、及び(D)架橋剤を含有するものである。
上記(A)感放射線性酸発生剤については上述の通りであるが、特に、上記(A)感放射線性酸発生剤として、本発明のスルホニル構造を有する化合物と、ジアゾメタン化合物及び/又はオニウム塩を含有する混合酸発生剤とを用いると、ラインエッジラフネス及び焦点深度余裕の点で好ましい。
【0103】
(C)アルカリ可溶性樹脂
本発明のネガ型感放射線性樹脂組成物に含まれる上記(C)アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ現像液と親和性を示す官能基、例えば、フェノール性水酸基、カルボキシル基、及びスルホニル基等の酸性官能基を1種以上有し、アルカリ現像液に可溶な樹脂である。上記(C)アルカリ可溶性樹脂の構造は、上記性質を備える限り特に限定はなく、種々の構造のものを用いることができる。上記(C)アルカリ可溶性樹脂として具体的には、例えば、下記一般式(9−1)〜(9−3)で表される繰り返し単位を1種以上有する付加重合系樹脂、及び下記一般式(9−4)で表される繰り返し単位を1種以上有する重縮合系樹脂等を挙げることができる。上記(C)アルカリ可溶性樹脂としては、特に、ポリ(ヒドロキシスチレン)、ヒドロキシスチレン/ヒドロキシ−α−メチルスチレン共重合体、ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体等を主成分とする樹脂が好ましい。尚、上記(C)アルカリ可溶性樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0104】
【化24】
Figure 2004026804
【0105】
上記一般式(9−1)〜(9−4)中、R12及びR15は水素原子又はメチル基を示す。また、R13は−OH、−COOH、 −R14−COOH、−OR14−COOH、又は−OCOR14−COOH(但し、R14は−(CH−を示し、gは1〜4の整数である。)を示す。更に、R16、R17、R18、R19、及びR20は独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。
【0106】
上記(C)アルカリ可溶性樹脂が付加重合系樹脂の場合、上記一般式(9−1)〜(9−3)で表される繰り返し単位のうちの1種以上のみから構成されていてもよいが、更に他の繰返し単位をさらに有することもできる。該他の繰返し単位として具体的には、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、無水マレイン酸、(メタ)アクリロニトリル、クロトンニトリル、マレインニトリル、フマロニトリル、メサコンニトリル、シトラコンニトリル、イタコンニトリル、(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレインアミド、フマルアミド、メサコンアミド、シトラコンアミド、イタコンアミド、ビニルアニリン、ビニルピリジン、ビニル−ε−カプロラクタム、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール等の重合性二重結合を有する単量体の重合性二重結合部分が付加重合に参加して生成する単位等を挙げることができる。
【0107】
上記付加重合系樹脂は、例えば、一般式(9−1)〜(9−3)で表される繰り返し単位に対応する各単量体の1種以上を、必要に応じて上記他の繰返し単位に対応する単量体と共に(共)重合することにより製造することができる。これらの(共)重合反応は、単量体、反応媒質の種類等に応じて、ラジカル重合開始剤、アニオン重合触媒、配位アニオン重合触媒、カチオン重合触媒等の重合開始剤や重合触媒を適宜に選定し、塊状重合、溶液重合、沈澱重合、乳化重合、懸濁重合、塊状−懸濁重合等の適宜の従来公知である重合方法により実施することができる。
【0108】
また、上記(C)アルカリ可溶性樹脂が重縮合系樹脂の場合、上記一般式(9−4)で表される繰り返し単位のみから構成されていてもよいが、更に他の繰り返し単位を有することもできる。このような重縮合系樹脂は、上記一般式(9−4)で表される繰り返し単位に対応する1種以上のフェノール類と1種以上のアルデヒド類とを、必要に応じて他の繰り返し単位を形成し得る重縮合成分と共に、酸性触媒の存在下、水媒質中又は水と親水性溶剤との混合媒質中で(共)重縮合することによって製造することができる。
【0109】
上記フェノール類としては、例えば、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール等を挙げることができ、また上記アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、トリオキサン、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド等を挙げることができる。
【0110】
上記(C)アルカリ可溶性樹脂が一般式(9−1)〜(9−4)で表される繰り返し単位を含む樹脂である場合、上記(C)アルカリ可溶性樹脂中の上記一般式(9−1)〜(9−4)で表される繰り返し単位の含有率については特に限定はなく、必要に応じて種々の範囲とすることができる。上記含有率は好ましくは10〜100モル%、更に好ましくは20〜100モル%である。
【0111】
上記(C)アルカリ可溶性樹脂の分子量についても特に限定はなく、本発明の感放射線性樹脂組成物の特性に応じて種々の範囲とすることができる。上記(C)アルカリ可溶性樹脂の分子量のMwは、好ましくは1000〜150000、更に好ましくは3000〜100000である。また、上記(C)アルカリ可溶性樹脂のMw/Mnは、通常1〜10、好ましくは1〜5である。
【0112】
上記(C)アルカリ可溶性樹脂が上記一般式(9−1)及び(9−4)等で表されるような炭素−炭素不飽和結合を含有する繰り返し単位を有する場合、これらの水素添加物も用いることもできる。この場合の水素添加率は、上記一般式(9−1)及び(9−4)等で表される繰返し単位中に含まれる炭素−炭素不飽和結合の通常70%以下、好ましくは50%以下、更に好ましくは40%以下である。この水素添加率を70%以下とすると、上記(C)アルカリ可溶性樹脂のアルカリ現像液による現像特性を向上させることができるので好ましい。
【0113】
(D)架橋剤
上記(D)架橋剤は、酸、例えば露光により生じた酸の存在下で、上記(C)アルカリ可溶性樹脂を架橋し得る化合物である。上記(D)架橋剤としては、例えば、上記(C)アルカリ可溶性樹脂との架橋反応性を有する1種以上の置換基(以下、「架橋性置換基」という。)を有する化合物を挙げることができる。そして、上記架橋性置換基としては、例えば、下記一般式(10−1)〜(10−5)で表される基を挙げることができる。
【0114】
【化25】
Figure 2004026804
【0115】
上記一般式(10−1)中、kは1又は2である。Qは、k=1の場合、単結合、−O−、−S−、−COO−、若しくは−NH−を示し、k=2の場合、窒素原子を示す。Qは−O−又は−S−を示す。iは0〜3の整数、jは1〜3の整数であり、i+j=1〜4である。
【0116】
上記一般式(10−2)中、Qは−O−、−COO−、又は−CO−を示す。また、R21及びR22は独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R23は炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、又は炭素数7〜14のアラルキル基を示す。yは1以上の整数である。
【0117】
上記一般式(10−3)中、R24、R25及びR26は独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。
【0118】
上記一般式(10−4)及び(10−5)中、R21及びR22は上記一般式(10−2)のR21及びR22と同定義である。また、上記一般式(10−4)中のR27及びR28は独立に炭素数1〜5のアルキロイル基を示し、上記一般式(10−5)中のR29は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子のうちの少なくとも1つのヘテロ原子を有し、3〜8員環を形成する2価の有機基を示す。上記一般式(10−4)及び(10−5)中、yは1以上の整数である。
【0119】
上記架橋性置換基の具体例としては、グリシジルオキシ基、グリシジルオキシカルボニル基、グリシジルアミノ基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、ジメチロールアミノメチル基、ジエチロールアミノメチル基、モルホリノメチル基、アセトキシメチル基、ベンゾイロキシメチル基、ホルミル基、アセチル基、ビニル基、イソプロペニル基等を挙げることができる。
【0120】
上記(D)架橋剤として具体的には、例えば、ビスフェノールA系エポキシ化合物、ビスフェノールF系エポキシ化合物、ビスフェノールS系エポキシ化合物、ノボラック樹脂系エポキシ化合物、レゾール樹脂系エポキシ化合物、ポリ(ヒドロキシスチレン)系エポキシ化合物、メチロール基含有メラミン化合物、メチロール基含有ベンゾグアナミン化合物、メチロール基含有尿素化合物、メチロール基含有フェノール化合物、アルコキシアルキル基含有メラミン化合物、アルコキシアルキル基含有ベンゾグアナミン化合物、アルコキシアルキル基含有尿素化合物、アルコキシアルキル基含有フェノール化合物、カルボキシメチル基含有メラミン樹脂、カルボキシメチル基含有ベンゾグアナミン樹脂、カルボキシメチル基含有尿素樹脂、カルボキシメチル基含有フェノール樹脂、カルボキシメチル基含有メラミン化合物、カルボキシメチル基含有ベンゾグアナミン化合物、カルボキシメチル基含有尿素化合物、カルボキシメチル基含有フェノール化合物等を挙げることができる。
【0121】
上記(D)架橋剤として、メチロール基含有フェノール化合物の他、メトキシメチル基含有メラミン化合物、メトキシメチル基含有フェノール化合物、メトキシメチル基含有グリコールウリル化合物、メトキシメチル基含有ウレア化合物、及びアセトキシメチル基含有フェノール化合物が好ましい。また、上記(D)架橋剤として、メトキシメチル基含有メラミン化合物(例えばヘキサメトキシメチルメラミン等)、メトキシメチル基含有グリコールウリル化合物、及びメトキシメチル基含有ウレア化合物等がより好ましい。更に、上記(D)架橋剤として、メトキシメチル基含有グリコールウリル化合物、メトキシメチル基含有ウレア化合物、具体的には、テトラメトキシメチルグリコールウリル、ジメトキシメチルウレア等が特に好ましい。
【0122】
上記メトキシメチル基含有メラミン化合物は、例えば、商品名「CYMEL300」、「CYMEL301」、「CYMEL303」、「CYMEL305」(三井サイアナミッド株式会社製)等として市販されている。また、上記メトキシメチル基含有グリコールウリル化合物は、例えば、商品名「CYMEL1174」(三井サイアナミッド株式会社製)等として市販されている。更に、上記メトキシメチル基含有ウレア化合物は、例えば、商品名「MX290」(三和ケミカル株式会社製)等として市販されている。尚、本発明において、上記(D)架橋剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0123】
また、本発明のネガ型感放射線性樹脂組成物では、上記(C)アルカリ可溶性樹脂の代わりに、上記(C)アルカリ可溶性樹脂中の酸性官能基に上記架橋性置換基を導入した化合物、即ち、上記(C)アルカリ可溶性樹脂に上記(D)架橋剤の性質を付与した化合物を好適に使用することができる。この場合の上記架橋性官能基の導入率は、上記架橋性官能基や上記(C)アルカリ可溶性樹脂の種類により種々の値とすることができる。上記導入率は、通常は、上記(C)アルカリ可溶性樹脂中の全酸性官能基に対して5〜60モル%、好ましくは10〜50モル%、更に好ましくは15〜40モル%である。上記架橋性官能基の導入率を5モル%以上とすると、残膜率の低下、パターンの蛇行や膨潤等を抑制できるので好ましく、60モル%以下とすると、現像性を向上させることができるので好ましい。尚、本発明のネガ型感放射線性樹脂組成物で上記(C)アルカリ可溶性樹脂中の酸性官能基に上記架橋性置換基を導入した化合物を用いる場合、上記(D)架橋剤の添加を省略できる。
【0124】
本発明のネガ型感放射線性樹脂組成物を構成する各成分の配合割合は、レジストの所望の特性に応じて種々の範囲とすることができる。上記(A)感放射線性酸発生剤の配合量は、上記(C)アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、通常、0.001〜70質量部、好ましくは0.01〜50質量部、更に好ましくは0.1〜20質量部である。上記(A)感放射線性酸発生剤の配合量を0.001質量部以上とすると、感度及び解像度の低下を抑制できるので好ましい。また、70質量部以下とすると、レジストの塗布性やパターン形状の劣化を抑制できるので好ましい。また、上記(C)アルカリ可溶性樹脂及び上記(D)架橋剤を併用する代わりに、上記(C)アルカリ可溶性樹脂中の酸性官能基に上記架橋性置換基を導入した化合物を用いる場合、該化合物の配合量も上記(C)アルカリ可溶性樹脂の場合と同様の割合とすることができる。
【0125】
更に、本発明のネガ型感放射線性樹脂組成物において、上記(D)架橋剤の配合量は、上記(C)アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、通常、5〜95質量部、好ましくは15〜85質量部、更に好ましくは20〜75質量部である。上記(D)架橋剤の配合量を5質量部以上とすると、残膜率の低下、パターンの蛇行や膨潤等を抑制できるので好ましい。また、95質量部以下とすると、現像性を向上させることができるので好ましい。
【0126】
本発明の感放射線性樹脂組成物では、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて、酸拡散抑制剤、界面活性剤、増感剤等の各種の添加剤を1種又は2種以上添加することができる。
【0127】
〔酸拡散抑制剤〕
本発明の感放射線性樹脂組成物に添加することができる上記酸拡散制御剤は、露光により上記(A)酸発生剤等から生じる酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御し、非露光領域での好ましくない化学反応を抑制する作用を有する。よって、上記酸拡散制御剤を配合することにより、感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性が向上させることができる。また、上記酸拡散制御剤を配合することにより、レジストとして解像度が向上させると共に、露光から現像処理までの引き置き時間(PED)の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができる。その結果、プロセス安定性に極めて優れた感放射線性樹脂組成物が得られるので好ましい。
【0128】
上記酸拡散制御剤としては、レジストパターンの形成工程中の露光や加熱処理により塩基性が変化しない含窒素有機化合物が好ましい。上記含窒素有機化合物としては、例えば、下記一般式(11)で表される化合物(以下、「含窒素化合物(I)」という。)、同一分子内に窒素原子を2個有するジアミノ化合物(以下、「含窒素化合物(II)」という。)、窒素原子を3個以上有するポリアミノ化合物や重合体(以下、「含窒素化合物(III)」という。)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環式化合物等を挙げることができる。そして、これらの含窒素有機化合物のうち、上記含窒素化合物(I)、含窒素化合物(II)及び含窒素複素環式化合物等が好ましい。尚、上記酸拡散制御剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0129】
【化26】
Figure 2004026804
【0130】
上記一般式(11)中、R30、R31及びR32は独立に水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、又は置換若しくは非置換のアラルキル基を示す。ここで、置換若しくは非置換の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基としては、例えば、炭素数1〜15、好ましくは1〜10のものが挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、テキシル基、n−へプチル基、n−オクチル基、n−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。また、置換若しくは非置換のアリール基としては、炭素数6〜12のものが挙げられ、具体的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、1−ナフチル基等が挙げられる。更に、置換若しくは非置換のアラルキル基としては、炭素数7〜19、好ましくは7〜13のものが挙げられ、具体的には、ベンジル基、α−メチルベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。尚、上記R30、R31及びR32は相互に同じでも異なってもよい。
【0131】
上記含窒素化合物(I)として具体的には、例えば、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミン等のジアルキルアミン類;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン等のトリアルキルアミン類;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、1−ナフチルアミン等の芳香族アミン類;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類等を挙げることができる。
【0132】
上記含窒素化合物(II)として具体的には、例えば、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン等を挙げることができる。
【0133】
上記含窒素化合物(III)として具体的には、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ジメチルアミノエチルアクリルアミドの重合体等を挙げることができる。
【0134】
上記アミド基含有化合物として具体的には、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。
【0135】
上記ウレア化合物として具体的には、例えば、尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリブチルチオウレア等を挙げることができる。
【0136】
上記含窒素複素環式化合物として具体的には、例えば、イミダゾール、ベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類;ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類の他、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、1−ピペリジンエタノール、2−ピペリジンエタノール、モルホリン、4−メチルモルホリン、ピペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等を挙げることができる。
【0137】
また、上記含窒素有機化合物として、酸解離性基を有する含窒素化合物を用いることもできる。上記酸解離性基を有する含窒素化合物としては、例えば、N―(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン、N―(t−ブトキシカルボニル)イミダゾール、N―(t−ブトキシカルボニル)ベンズイミダゾール、N―(t−ブトキシカルボニル)2フェニルベンズイミダゾール、N―(t−ブトキシカルボニル)ジオクチルアミン、N―(t−ブトキシカルボニル)ジエタノールアミン、N―(t−ブトキシカルボニル)ジシクロヘキシルアミン、N―(t−ブトキシカルボニル)ジフェニルアミン等を挙げることができる。
【0138】
上記酸拡散制御剤の配合量は、上記(B)酸解離性基含有樹脂又は上記(C)アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、通常15質量部以下、好ましくは0.001〜10質量部、更に好ましくは0.005〜5質量部である。上記酸拡散制御剤の配合量を15質量部以下とすると、レジストとしての感度や露光部の現像性を向上させることができるので好ましい。また、上記酸拡散制御剤の配合量を0.001質量部以上とすると、プロセス条件によって、レジストとしてのパターン形状や寸法忠実度が低下することを抑制できるので好ましい。
【0139】
[溶解性制御剤]
本発明の感放射線性樹脂組成物に添加することができる上記溶解性制御剤は、酸の作用により現像液に対する溶解性が上がる化合物である。上記溶解性制御剤は、上記作用を有する限り、その構造について特に限定はない。具体的には、例えば、フェノール性水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基等の酸性官能基を有する化合物、及び該化合物中の酸性官能基を酸解離性置換基で置換した化合物等を挙げることができる。上記酸解離性基としては、例えば、上記(B)酸解離性基含有樹脂の説明で例示した置換メチル基、1−置換エチル基、1−置換−n−プロピル基、1−分岐アルキル基、シリル基、ゲルミル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、環式酸解離性基等と同様の基を挙げることができる。尚、上記溶解性制御剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0140】
上記溶解性制御剤として具体的には、低分子化合物でも高分子化合物でもよいが、低分子化合物の具体例として、アダマンタン誘導体類、デオキシコール酸エステル誘導体類、及びリトコール酸エステル誘導体類等の脂環族化合物、並びに下記一般式(12)〜(16)で表される化合物等の芳香族化合物を挙げることができる。
【0141】
【化27】
Figure 2004026804
【化28】
Figure 2004026804
【0142】
上記一般式(12)〜(16)中、R33は水素原子又は上記酸解離性基で保護された酸性官能基を示し、R33が複数存在する場合、R33同士は相互に同一でも異ってもよい。R34は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、フェニル基、又は1−ナフチル基を示し、R34が複数存在する場合、R34同士は相互に同一でも異なってもよい。また、上記一般式(12)中、pは1以上の整数、qは0以上の整数で、p+q≦6を満たす。
【0143】
上記一般式(13)中、Aは単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−SO−、−SO−、−C(R35)(R36)−(但し、R35及びR36は相互に独立に水素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、炭素数2〜11のアシル基、フェニル基、又は1−ナフチル基を示す。)、又は下記一般式(A)で表される基(一般式(A)中、上記R34は上記一般式(12)と同定義であり、xは0〜4の整数である。)である。p、q、r及びsはそれぞれ0以上の整数で、p+q≦5、r+s≦5、p+r≧1を満たす。
【0144】
【化29】
Figure 2004026804
【0145】
上記一般式(14)〜(16)中、R37は水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又はフェニル基を示す。また、上記一般式(15)及び(16)において、R37同士は相互に同一でも異なってもよい。上記一般式(14)中、p、q、r、s、t及びuはそれぞれ0以上の整数で、p+q≦5、r+s≦5、t+u≦5、p+r+t≧1を満たす。また、上記一般式(15)中、p、q、r、s、t、u、v及びwはそれぞれ0以上の整数で、p+q≦5、r+s≦5、t+u≦5、v+w≦5、p+r+t+v≧1を満たす。更に、上記一般式(16)中、p、q、r、s、t、u、v及びwはそれぞれ0以上の整数で、p+q≦5、r+s≦5、t+u≦5、v+w≦4、p+r+t+v≧1を満たす。
【0146】
〔界面活性剤〕
本発明の感放射線性樹脂組成物に添加することができる上記界面活性剤は、感放射線性樹脂組成物の塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する作用を示す。上記界面活性剤を配合する場合、その配合量は、感放射線性樹脂組成物中の全樹脂成分100質量部に対して、界面活性剤の有効成分として、通常2質量部以下、好ましくは1.5質量部以下、更に好ましくは1質量部以下である。
【0147】
上記界面活性剤は、アニオン系、カチオン系、ノニオン系又は両性の界面活性剤のいずれでも使用することができるが、好ましくはノニオン系界面活性剤である。該ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類等の他、以下商品名で、「KP」(信越化学工業製)、「ポリフロー」(共栄社油脂化学工業製)、「エフトップ」(トーケムプロダクツ製)、「メガファック」(大日本インキ化学工業製)、「フロラード」(住友スリーエム製)、「アサヒガード」及び「サーフロン」(旭硝子製)等の各シリーズ等を挙げることができる。尚、上記界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0148】
〔増感剤〕
本発明の感放射線性樹脂組成物に添加することが上記増感剤は、放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを上記(A)酸発生剤や上記他の酸発生剤に伝達し、それにより酸の生成量を増加する作用を示す。かかる作用により、感放射線性樹脂組成物のみかけの感度を向上させることができる。上記増感剤として具体的には、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等が挙げられる。尚、上記増感剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、上記増感剤の配合量は、感放射線性樹脂組成物中の全樹脂成分100質量部に対して、通常、50質量部以下、好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。
【0149】
更に、本発明の感放射線性樹脂組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて、上記酸拡散制御剤、界面活性剤及び増感剤以外のその他の添加剤を1種又は2種以上配合することができる。その他の添加剤としては、例えば、染料、顔料、接着助剤及び上記他の酸発生剤が挙げられる。染料又は顔料を配合すると、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和できるので好ましい。また、接着助剤を配合すると、基板との接着性を改善することができるので好ましい。更に、他の添加剤としては、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤、形状改良剤等、具体的には4−ヒドロキシ−4’−メチルカルコン等を挙げることができる。
【0150】
(5)感放射線性樹脂組成物の調製
本発明の感放射線性樹脂組成物は、通常は、使用時に各成分を溶剤に溶解して均一溶液とし、その後、必要に応じて、例えば孔径0.2μm程度のフィルター等でろ過することにより調製される。
【0151】
上記溶剤としては、例えば、エーテル類、エステル類、エーテルエステル類、ケトン類、ケトンエステル類、アミド類、アミドエステル類、ラクタム類、ラクトン類、(ハロゲン化)炭化水素類等を挙げることができる。具体的には、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、酢酸エステル類、ヒドロキシ酢酸エステル類、乳酸エステル類、アルコキシ酢酸エステル類、(非)環式ケトン類、アセト酢酸エステル類、ピルビン酸エステル類、プロピオン酸エステル類、N,N−ジアルキルホルムアミド類、N,N−ジアルキルアセトアミド類、N−アルキルピロリドン類、γ−ラクトン類、(ハロゲン化)脂肪族炭化水素類、(ハロゲン化)芳香族炭化水素類等を挙げることができる。
【0152】
上記溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、イソプロペニルアセテート、イソプロペニルプロピオネート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸i−プロピル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等を挙げることができる。
【0153】
この中で、上記溶剤としてプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、2−ヘプタノン、乳酸エステル類、2−ヒドロキシプロピオン酸エステル類、3−アルコキシプロピオン酸エステル類等を用いると、塗布時の膜面内均一性が良好となるので好ましい。感放射線性樹脂組成物の調製の際、上記溶剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0154】
また、上記溶剤には、必要に応じて、上記溶剤以外の他の溶剤(以下、「他の溶剤」という。)を含むものとすることができる。上記他の溶剤としては、例えば、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等の高沸点溶剤等が挙げられる。上記他の溶剤も1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0155】
上記溶剤の使用量は、通常、上記均一溶液中の全固形分濃度が5〜50質量%、好ましくは10〜50質量%、更に好ましくは10〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%、特に好ましくは10〜25質量%となる量である。かかる範囲とすることにより、塗布時の膜面内均一性が良好となることから好ましい。また、上記溶剤が上記他の溶剤を含有する場合、上記他の溶剤の使用量は、全溶剤に対して、通常50質量%以下、好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。
【0156】
(6)レジストパターンの形成
本発明の感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成する際には、上記の方法等により調製された感放射線性樹脂組成物溶液を回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の手段によって、例えば、シリコンウエハー、アルミニウムで被覆されたウエハー等の基板上に塗布することによりレジスト被膜を形成する。そして、場合により予め加熱処理(以下、この加熱処理を「PB」という。)を行い、次いで、所定のマスクパターンを介して該レジスト被膜に露光する。露光の際に使用することができる放射線としては、使用される酸発生剤の種類に応じて、水銀灯の輝線スペクトル(波長254nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)等の遠紫外線や、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線等が挙げられる。この中では、遠紫外線及び荷電粒子線が好ましく、特にKrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)及び電子線が好ましい。また、放射線量等の露光条件は、本発明の感放射線性樹脂組成物の配合組成、添加剤の種類等に応じて適宜選定される。
【0157】
また、本発明の感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成する際、露光後に加熱処理(以下、この加熱処理を「PEB」という。)を行うと、レジストの見掛けの感度を向上させることができるので好ましい。上記PEBの加熱条件は、本発明の感放射線性樹脂組成物の配合組成、添加剤の種類等により変化するが、通常30〜200℃、好ましくは50〜150℃である。
【0158】
その後、露光されたレジスト被膜をアルカリ現像液で現像することにより、所定のレジストパターンを形成する。上記アルカリ現像液としては、例えば、アルカリ金属水酸化物、アンモニア水、アルキルアミン類、アルカノールアミン類、複素環式アミン類、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類、コリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の1種以上を溶解したアルカリ性水溶液が使用される。特に好ましいアルカリ現像液は、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類の水溶液である。また、上記アルカリ性水溶液の濃度は、通常10質量%以下、好ましくは1〜10質量%、更に好ましくは2〜5質量%である。上記アルカリ性水溶液の濃度が10質量%以下とすると、非露光部が現像液に溶解することを抑制することができるので好ましい。
【0159】
また、上記アルカリ性水溶液からなる現像液には、界面活性剤等を適量添加することもできる。これにより、レジストに対する現像液の濡れ性を高めることができるので好ましい。尚、上記アルカリ性水溶液からなる現像液で現像した後は、一般に、水で洗浄して乾燥する。
【0160】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示して、本発明の実施の形態を更に具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。
【0161】
[スルホニル構造を有する化合物]
以下の方法により、(A)酸発生剤であるスルホニル構造を有する化合物の合成を行った。
【0162】
<1>化合物(A−1)
反応フラスコ内で、ヒドロキシルアミン塩酸塩179g及び酢酸ナトリウム348gを蒸留水2000mlに溶解した。そして、室温で30分攪拌後、40%グリオキサル水溶液150gを加えて室温で8時間攪拌した。その後、結晶が析出し始めるまで反応溶液を減圧濃縮した。次いで、反応溶液を氷浴で冷却し、さらに結晶を析出させた。そして、析出した結晶をろ過し、50℃にて減圧乾燥することにより、グリオキシム60gを得た。
【0163】
次に、反応フラスコ内で、上記方法により得られたグリオキシム42.9g、クロロホルム480ml、N−クロロこはく酸イミド46.5g、及びピリジン1.5gの混合物を40℃で6時間攪拌した。その後、クロロホルムを減圧留去し、残渣に酢酸エチル480ml及び蒸留水480mlを加えて溶解させた。次いで、この混合溶液を分液漏斗に移して振とうさせ、静置した後、水層を除去した。更に蒸留水480mlを加えて振とうさせ、静置した後、水層を除去した。そして、残った酢酸エチル溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥させてろ過した。その後、エバポレーターを用いて乾燥後の上記酢酸エチル溶液から酢酸エチルを留去し、得られた固体を減圧乾燥することにより、ジクロログリオキシム16.2gを得た。
【0164】
次に、反応フラスコ内で、上記方法により得られたジクロログリオキシム4.4gをテトラヒドロフラン85mlに溶解し、1,2−エタンジチオール3.3gを加えて0℃で攪拌を開始した。次いで、この反応溶液にトリエチルアミン7.1gとテトラヒドロフラン85mlの混合溶液を滴下した。滴下終了30分後、析出した固体をろ過により除去した。一方、得られたテトラヒドロフラン溶液を減圧濃縮し、次いで大量のn−ヘキサンに滴下した。その後、析出した固体をろ過、減圧乾燥することにより、2,3−ビス(ヒドロキシイミノ)−1,4−ジチアシクロヘキサン1.7gを得た。
【0165】
次に、反応フラスコ内で、上記方法により得られた2,3−ビス(ヒドロキシイミノ)−1,4−ジチアシクロヘキサン0.5gをテトラヒドロフラン30mlに溶解し、0℃で攪拌を開始した。次いで、1−プロパンスルホニルクロライド1.6gを加え、更にトリエチルアミン1.4gを滴下して20分攪拌した。その後、蒸留水30mlを加えて反応を停止させた。そして、テトラヒドロフランを減圧留去し、析出した固体をろ過、減圧乾燥することにより、2,3−ビス(プロピルスルホニルオキシイミノ)−1,4−ジチアシクロヘキサン0.3gを得た。この化合物を(A−1)とする。
【0166】
<2>化合物(A−2)
反応フラスコ内で、2,3−ビス(ヒドロキシイミノ)−1,4−ジチアシクロヘキサン0.5gをテトラヒドロフラン30mlに溶解し、0℃で攪拌を開始した。次いで、1−ブタンスルホニルクロライド1.8gを加え、更にトリエチルアミン1.4gを滴下して20分攪拌した。その後、蒸留水30mlを加えて反応を停止させた。その後、テトラヒドロフランを減圧留去し、析出した固体をろ過、減圧乾燥することにより、2,3−ビス(ブチルスルホニルオキシイミノ)−1,4−ジチアシクロヘキサン0.4gを得た。この化合物を(A−2)とする。
【0167】
<3>化合物(A−3)
反応フラスコ内で、2,3−ビス(ヒドロキシイミノ)−1,4−ジチアシクロヘキサン0.5gを2,3−ビス(ヒドロキシイミノ)−1,4−ジチアシクロヘキサン0.5gをテトラヒドロフラン30mlに溶解し、0℃で攪拌を開始した。次いで、ベンジルスルホニルクロライド2.1gを加え、更にトリエチルアミン1.4gを滴下して20分攪拌した。その後、蒸留水30mlを加えて反応を停止させた。その後、テトラヒドロフランを減圧留去し、析出した固体をろ過、減圧乾燥することにより、2,3−ビス(ベンジルスルホニルオキシイミノ)−1,4−ジチアシクロヘキサン0.5gを得た。この化合物を(A−3)とする。
【0168】
<4>化合物(A−4)
反応フラスコ内で、ジクロログリオキシム4.4gをテトラヒドロフラン85mlに溶解し、0℃で攪拌を開始した。次いで、ナトリウムチオメトキシド4.9gと蒸留水80mlの溶液を滴下した。滴下終了30分後、反応溶液を減圧濃縮し、乾固させた後、これにテトラヒドロフラン100mlを加えて10分攪拌した。その後、これをろ過し、得られたテトラヒドロフラン溶液を減圧濃縮し、乾固させることにより、1,2−ビス(ヒドロキシイミノ)−1,2−ビス(メチルチオ)エタン1.2gを得た。
【0169】
次に、反応フラスコ内で、上記方法により得られた1,2−ビス(ヒドロキシイミノ)−1,2−ビス(メチルチオ)エタン0.5gをテトラヒドロフラン30mlに溶解し、0℃で攪拌を開始した。次いで、1−ブタンスルホニルクロライド1.7gを加え、更にトリエチルアミン1.4gを滴下して20分攪拌した。その後、蒸留水30mlを加えて反応を停止させた。その後、テトラヒドロフランを減圧留去し、析出した固体をろ過、減圧乾燥することにより、1,2−ビス(ブチルスルホニルオキシイミノ)−1,2−ビス(メチルチオ)エタン0.3gを得た。この化合物を(A−4)とする。
【0170】
<5>化合物(A−5)
反応フラスコ内で、1,2−ビス(ヒドロキシイミノ)−1,2−ビス(メチルチオ)エタン0.5gをテトラヒドロフラン30mlに溶解し、0℃で攪拌を開始した。次いで、ベンジルスルホニルクロライド2.1gを加え、更にトリエチルアミン1.4gを滴下して20分攪拌した。その後、蒸留水30mlを加えて反応を停止させた。その後、テトラヒドロフランを減圧留去し、析出した固体をろ過、減圧乾燥することにより、1,2−ビス(ベンジルスルホニルオキシイミノ)−1,2−ビス(メチルチオ)エタン0.5gを得た。この化合物を(A−5)とする。
【0171】
<6>化合物(A−6)
反応フラスコ内で、ジクロログリオキシム4.4gをテトラヒドロフラン85mlに溶解し、0℃で攪拌を開始した。次いで、ピペリジン6.0g、トリエチルアミン7.1g及びテトラヒドロフラン85mlの混合溶液を滴下した。滴下終了30分後、析出した固体をろ過により除去した。一方、得られたテトラヒドロフラン溶液を減圧濃縮し、次いで大量のn−ヘキサンに滴下した。その後、析出した固体をろ過、減圧乾燥することにより、1,2−ビス(ヒドロキシイミノ)−1,2−ジピペリジノエタン2.1gを得た。
【0172】
次に、反応フラスコ内で、上記方法により得られた1,2−ビス(ヒドロキシイミノ)−1,2−ジピペリジノエタン0.5gをテトラヒドロフラン30mlに溶解し、0℃で攪拌を開始した。次いで、1−ブタンスルホニルクロライド1.2gを加え、更にトリエチルアミン1.0gを滴下して20分攪拌した。その後、蒸留水30mlを加えて反応を停止させた。その後、テトラヒドロフランを減圧留去し、析出した固体をろ過、減圧乾燥することにより、1,2−ビス(ブチルスルホニルオキシイミノ)−1,2−ジピペリジノエタン0.4gを得た。この化合物を(A−6)とする。
【0173】
<7>化合物(A−7)
反応フラスコ内で、1,2−ビス(ヒドロキシイミノ)−1,2−ジピペリジノエタン0.5gをテトラヒドロフラン30mlに溶解し、0℃で攪拌を開始した。次いで、ベンジルスルホニルクロライド1.5gを加え、更にトリエチルアミン1.0gを滴下して20分攪拌した。その後、蒸留水30mlを加えて反応を停止させた。その後、テトラヒドロフランを減圧留去し、析出した固体をろ過、減圧乾燥することにより、1,2−ビス(ベンジルスルホニルオキシイミノ)−1,2−ジピペリジノエタン0.5gを得た。この化合物を(A−7)とする。
【0174】
そして、日本電子株式会社製「JMS−AX505W型質量分析計」を用いて、上記の方法により得られた化合物(A−1)〜(A−5)の質量分析を行った。分析条件は下記の通りである。得られたスペクトルを図1〜5に示す。
エミッター電流  :5mA(使用ガス:Xe)
加速電圧     :3.0kV
10N MULTI:1.3
イオン化法    :高速原子衝撃法(FAB)
検出イオン    :カチオン(+)
測定質量範囲   :20〜1500m/z
スキャン     :30sec
分解能      :1500
マトリックス   :3−ニトロベンジルアルコール
【0175】
また、日本電子株式会社製「JNM−EX270」を用いて、上記の方法により得られた化合物(A−1)〜(A−5)のH−NMR分析を行った。使用した測定溶媒は、化合物(A−1)及び(A−3)〜(A−5)の分析ではジメチルスルホキシド−dであり、化合物(A−2)の分析では、CDClである。得られたスペクトルを図6〜10に示す。
【0176】
更に、日本分光株式会社製「V−550型紫外可視分光光度計」を用いて、上記の方法により得られた化合物(A−1)〜(A−5)の紫外可視分光分析を行った。測定溶媒はアセトニトリルであり、測定濃度は0.1mmol/l、測定範囲は190〜400nmである。得られたスペクトルを図11〜15に示す。
【0177】
[酸解離性基含有樹脂の合成]
以下に記載の方法により、酸解離性基含有樹脂(B−1)〜(B−10)を合成した。また、得られた酸解離性基含有樹脂(B−1)〜(B−9)のMw及びMnは、東ソー(株)製GPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶剤テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
【0178】
<1>酸解離性基含有樹脂(B−1)
p−アセトキシスチレン101g、スチレン5g、p−t−ブトキシスチレン42g、AIBN6g及びt−ドデシルメルカプタン1gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル160gに溶解した後、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して16時間重合させた。重合後、反応溶液を大量のヘキサン中に滴下して、生成した樹脂を凝固精製した。次いで、この精製樹脂に、再度プロピレングリコールモノメチルエーテル150gを加えた後、更にメタノール300g、トリエチルアミン80g及び水15gを加えて、沸点にて還流させながら、8時間加水分解反応を行なった。反応後、溶剤及びトリエチルアミンを減圧留去し、得られた樹脂をアセトンに溶解し、次いで大量の水中に滴下して凝固させ、生成した白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥した。得られた樹脂は、Mwが16000、Mw/Mnが1.7であり、13C−NMR分析の結果、p−ヒドロキシスチレンとスチレンとp−t−ブトキシスチレンとの共重合モル比が72:5:23であった。この樹脂を樹脂(B−1)とする。
【0179】
<2>酸解離性基含有樹脂(B−2)
p−アセトキシスチレン100g、アクリル酸t−ブチル25g、スチレン18g、AIBN6g及びt−ドデシルメルカプタン1gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル230gに溶解した後、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して16時間重合させた。重合後、反応溶液を大量のヘキサン中に滴下して、生成した樹脂を凝固精製した。次いで、この精製樹脂に、再度プロピレングリコールモノメチルエーテル150gを加えた後、更にメタノール300g、トリエチルアミン80g及び水15gを加えて、沸点にて還流させながら、8時間加水分解反応を行った。反応後、溶剤及びトリエチルアミンを減圧留去し、得られた樹脂をアセトンに溶解し、次いで大量の水中に滴下して凝固させ、生成した白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥した。得られた樹脂は、Mwが11500、Mw/Mnが1.6であり、13C−NMR分析の結果、p−ヒドロキシスチレンとアクリル酸t−ブチルとスチレンとの共重合モル比が61:19:20であった。この樹脂を樹脂(B−2)とする。
【0180】
<3>酸解離性基含有樹脂(B−3)
p−アセトキシスチレン97g、p−t−ブトキシスチレン51g、AIBN6gおよびt−ドデシルメルカプタン1gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル160gに溶解した後、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して16時間重合させた。重合後、反応溶液を大量のヘキサン中に滴下して、生成した樹脂を凝固精製した。次いで、この精製樹脂に、再度プロピレングリコールモノメチルエーテル150gを加えた後、更にメタノール300g、トリエチルアミン80g及び水15gを加えて、沸点にて還流させながら、8時間加水分解反応を行なった。反応後、溶剤及びトリエチルアミンを減圧留去し、得られた樹脂をアセトンに溶解し、次いで大量の水中に滴下して凝固させ、生成した白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥した。得られた樹脂は、Mwが16500、Mw/Mnが1.7であり、13C−NMR分析の結果、p−ヒドロキシスチレンとp−t−ブトキシスチレンとの共重合モル比が67:33であった。この樹脂を樹脂(B−3)とする。
【0181】
<4>酸解離性基含有樹脂(B−4)
ポリ(p−ヒドロキシスチレン)25gを酢酸n−ブチル80gに溶解して、窒素ガスにより30分間バブリングを行った。次いで、この溶液にジ−t−ブチルジカーボネート49gを加え、更にトリエチルアミン25gを添加し、60℃で7時間反応させた。その後、酢酸n−ブチルを減圧留去し、得られた樹脂をアセトンに溶解し、次いで大量の水中に滴下して凝固させ、生成した白色粉末をろ過して、減圧下50℃で一晩乾燥した。得られた樹脂は、Mwが12000、Mw/Mnが1.7であった。また、13C−NMR分析の結果、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)中のフェノール性水酸基の水素原子の26モル%がt−ブトキシカルボニル基で置換された構造を有するものであった。この樹脂を樹脂(B−4)とする。
【0182】
<5>酸解離性基含有樹脂(B−5)
ポリ(p−ヒドロキシスチレン)25gをプロピレングリコールモノメチルアセテート100gに溶解して、窒素ガスにより30分間バブリングを行った。次いで、この溶液にエチルビニルエーテル4.8gを加え、触媒としてp−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩1gを添加し、室温で12時間反応させた。その後、反応溶液を1重量%アンモニア水溶液中に滴下して樹脂を沈殿させ、ろ過した後、50℃の真空乾燥器内で一晩乾燥した。得られた樹脂は、Mwが13000、Mw/Mnが1.7であった。また、H−NMR分析の結果、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)中のフェノール性水酸基の水素原子の34モル%がエトキシキシエチル基で置換された構造を有するものであった。この樹脂を樹脂(B−5)とする。
【0183】
<6>酸解離性基含有樹脂(B−6)
モル比92:8のp−ヒドロキシスチレン、p−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン共重合物25gをプロピレングリコールモノメチルアセテート100gに溶解して、窒素ガスにより30分間バブリングを行った。次いで、この溶液にエチルビニルエーテル3.3gを加え、触媒としてp−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩1gを添加し、室温で12時間反応させた。その後、反応溶液を1重量%アンモニア水溶液中に滴下して樹脂を沈殿させ、ろ過した後、50℃の真空乾燥器内で一晩乾燥した。得られた樹脂は、Mwが13000、Mw/Mnが1.8であった。また、13C−NMR分析の結果、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)中のフェノール性水酸基の水素原子の23モル%がエトキシキシエチル基で、8モル%がt−ブチル基で置換された構造を有するものであった。この樹脂を樹脂(B−6)とする。
【0184】
<7>酸解離性基含有樹脂(B−7)
モル比90:10のp−ヒドロキシスチレン、p−t−ブトキシスチレン共重合物25gをプロピレングリコールモノメチルアセテート100gに溶解して、窒素ガスにより30分間バブリングを行った。次いで、エチルビニルエーテル3.3gを加え、触媒としてp−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩1gを添加し、室温で12時間反応させた。その後、反応溶液を1重量%アンモニア水溶液中に滴下して樹脂を沈殿させ、ろ過した後、50℃の真空乾燥器内で一晩乾燥した。得られた樹脂は、Mwが13000、Mw/Mnが1.01であった。また、13C−NMR分析の結果、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)中のフェノール性水酸基の水素原子の23モル%がエトキシキシエチル基で、10モル%がt−ブチル基で置換された構造を有するものであった。この樹脂を樹脂(B−7)とする。
【0185】
<8>酸解離性基含有樹脂(B−8)
ノルボルネン5g、無水マレイン酸11g、8−ヒドロキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン11g及びメタクリル酸2−メチル−2−アダマンチル23gをテトラヒドロフラン50gに均一に溶解して、窒素ガスにより30分間バブリングを行った。次いで、この溶液に重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル3gを加えて、65℃に加熱した。その後、同温度に保って6時間加熱攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、テトラヒドロフラン50gを加えて希釈した後、n−ヘキサン1000ミリリットル中に投入し、析出した白色粉体をろ別、乾燥することにより樹脂を得た。得られた樹脂は、Mwが6100であり、ノルボルネン、無水マレイン酸、8−ヒドロキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン及びメタクリル酸2−メチル−2−アダマンチルに由来する各繰り返し単位の含有率がそれぞれ15モル%、35モル%、20モル%及び30モル%の共重合体であった。この樹脂を樹脂(B−8)とする。
【0186】
<9>酸解離性基含有樹脂(B−9)
下記一般式(i’)で表される化合物30gとメタクリル酸2−メチル−2−アダマンチル20gをテトラヒドロフラン50gに溶解して均一溶液とした後、窒素ガスにより30分間バブリングを行った。次いで、この溶液に重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル3gを加え、65℃に加熱した。その後、同温度に保って6時間加熱攪拌した。反応終了後、反応溶液を室温まで冷却し、テトラヒドロフラン50gを加えて希釈し後、n−ヘキサン1000ミリリットル中に投入し、析出した白色粉体をろ別、乾燥することにより樹脂を得た。得られた樹脂は、Mwが12000であり、上記式(i)の化合物及びメタクリル酸2−メチル−2−アダマンチルに由来する各繰り返し単位の含有率がそれぞれ60モル%及び40モル%の共重合体であった。この樹脂を樹脂(B−9)とする。
【0187】
【化30】
Figure 2004026804
【0188】
<10>酸解離性基含有樹脂(B−10)
撹拌機、寒流冷却器及び温度計を装着した3つ口フラスコに、上記一般式(iii)で表される繰り返し単位を形成するシラン化合物(但し、Siに結合するアルコキシル基はエトキシ基である)1.52g、上記一般式(vi)で表される繰り返し単位を形成するシラン化合物(但し、Siに結合するアルコキシル基はエトキシ基である)1.57g、メチルトリエトキシシラン1.91g、4−メチル−2−ペンタノン15g、シュウ酸水溶液(濃度1.75質量%)1.31gを加えて、撹拌しつつ80℃で6時間反応させた後、反応容器を氷冷して反応を停止した。その後、反応溶液を分液ロートに移して水層を廃棄し、更に有機層にイオン交換水を加えて水洗し、反応液が中性になるまで水洗を繰り返した。その後、有機層を減圧留去することにより樹脂(B−10)を得た。
【0189】
[感放射線性樹脂組成物の調製]
以下の表1(但し、「部」は重量基準である。)に示す各成分を混合して均一溶液とした後、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過して、実施例1〜15、比較例1及び2の感放射線性樹脂組成物溶液を調製した。各実施例及び比較例で用いた各成分は下記の通りである。
▲1▼他の酸発生剤
a−1:トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート
a−2:ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート
a−3:ビス(シクロヘキシルスルフォニル)ジアゾメタン
a−4:ビス(t―ブチルスルホニル)ジアゾメタン
a−5:N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド
a−6:4−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロブタンスルホネート
【0190】
▲2▼(C)アルカリ可溶性樹脂
C−1:ポリ(p−ヒドロキシスチレン)(Mw=7500)
C−2:p−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体(共重合モル比=80:20、Mw=4000)
▲3▼(D)架橋剤
D−1:テトラメトキシメチルグリコールウリル(商品名「CYMEL1174」、三井サイアナミッド(株)製)
▲4▼溶解制御剤
E−1:デオキシコール酸t−ブチル
▲5▼酸拡散制御剤
F−1:トリ−n−ヘキシルアミン
F−2:トリエタノールアミン
F−3:2−フェニルベンズイミダゾール
F−4:1,2−ジメチルイミダゾール
▲6▼溶剤
G−1:乳酸エチル
G−2:エトキシプロピオン酸エチル
G−3:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
G−4:2−ヘプタノン
G−5:シクロヘキサノン
【0191】
[性能評価]
上記実施例1〜15並びに比較例1及び2の各感放射線性樹脂組成物溶液をシリコンウェハー上にスピンコートした後、表1に示す条件でPBを行って、表1に示す膜厚のレジスト被膜を形成した。次いで、表1に示す条件で露光を行った後、表1に示す条件でPEBを行った。その後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(濃度2.38質量%)を用い、23℃で1分間、パドル法により現像し、次いで純水で水洗し、乾燥することにより、レジストパターンを形成した。
【0192】
ここで、上記露光に用いた装置は次の通りである。即ち、KrFエキシマレーザー(表1中、「KrF」と表示)を用いた実施例では、(株)ニコン製「ステッパーNSR2205 EX12B」(開口数0.55)を用いた。また、ArFエキシマレーザー(表1中、「ArF」と表示)を用いた実施例では、(株)ニコン製ArFエキシマレーザー露光装置(開口数0.55)を用いた。更に、Fエキシマレーザー(表1中、「F2」と表示)を用いた実施例では、Ultratech社製Fエキシマレーザー露光装置「XLS」(開口数0.60)を用いた、また、電子線(表1中、「EB」と表示)を用いた実施例では、日立製作所(株)製直描用電子線描画装置「HL700」(加速電圧30KeV)を加速電圧50KeVに改良した装置を用いた。
【0193】
上記方法により調製されたレジストパターンについて、以下に示す方法により性能評価を行った。その結果を表2及び表3に示す。
【0194】
▲1▼感度
シリコンウエハー上に形成したレジスト被膜に露光量を変えて露光した後、直ちに露光後ベークを行い、次いでアルカリ現像した後、水洗、乾燥して、レジストパターンを形成したとき、線幅0.25μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度とした。
【0195】
▲2▼解像度(μm)
上記最適露光量で露光したときに解像されるレジストパターンの最小寸法(μm)を解像度として求めた。
【0196】
▲3▼パターン形状
シリコンウエハー上に形成した線幅0.25μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)の方形状断面の下辺の寸法Laと上辺の寸法Lbを、走査型電子顕微鏡を用いて測定した。そして、「0.85≦Lb/La≦1」の条件を満足するものを、パターン形状が「○」であるとし、この条件を満たさないものを、パターン形状が「×」であると評価した。
【0197】
▲4▼裾引き
最適露光量で露光してシリコンウエハー上に形成した線幅0.25μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)のパターン形状が、上記パターン形状の評価で「○」となる組成物について、窒化シリコン基板を用いて同様にしてレジストパターンを形成した。そして、得られた線幅0.25μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)の方形状断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察した。図16に断面形状の模式図を示す。各例で実際に観察された断面形状において図16に示すLcとLdを測定し、「Lc/Ld<0.05」の条件を満足するものを裾引きが「○」とし、この条件を満たさないものを裾引きが「×」と評価した。
【0198】
▲5▼ナノエッジラフネス
設計線幅0.25μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)のラインパターンを走査型電子顕微鏡にて観察した。図17にパターンの模式図を示す(凹凸は実際より誇張されている。)。各例において観察された形状について、該ラインパターンの横側面に沿って生じた凹凸の最も著しい箇所における線幅と設計線幅0.25μmとの差ΔCDを測定して、該ΔCDが0.05μm未満の場合をナノエッジラフネスが「○」、0.05μm以上をナノエッジラフネスが「×」と評価した。
【0199】
▲6▼焦点深度余裕(プロセスマージン)
実施例14、15及び比較例1のレジストパターンについて、0.25μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を最適露光量で、焦点深度を−1.0μmから+1.0μmまで0.1μm刻みでそれぞれ露光し、線幅が0.225μm(−10%)から0.275μm(+10%)になる範囲(μm)を焦点深度余裕とした。
【0200】
【表1】
Figure 2004026804
【0201】
【表2】
Figure 2004026804
【0202】
【表3】
Figure 2004026804
【0203】
[実施例の効果]
表2より、本発明のスルホニル構造を有する化合物を酸発生剤として使用した実施例の感放射線性樹脂組成物は、本発明のスルホニル構造を有する化合物を酸発生剤として使用していない比較例と比較して、いずれもパターン形状、裾引き及びナノエッジラフネスの評価がいずれも「○」であることから、平滑性に優れていることが判る。また、解像度及び感度の値も小さいことから、高感度であることが判る。また、表3より、本発明のスルホニル構造を有する化合物を酸発生剤として使用した実施例14及び15の感放射線性樹脂組成物は、本発明のスルホニル構造を有する化合物を酸発生剤として使用していない比較例1と比較して、焦点深度余裕の値が大きいことが判る。
【0204】
尚、本発明においては、上記具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施の形態とすることができる。例えば、本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物には、更に上記(C)アルカリ可溶性樹脂及び/又は酸解離性の保護基を有する低分子のアルカリ溶解性制御剤を配合することができる。また、本発明のネガ型感放射線性樹脂組成物には、更に上記(B)酸解離性基含有樹脂を配合することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】化合物(A−1)の質量分析の測定結果を示す図である。
【図2】化合物(A−2)の質量分析の測定結果を示す図である。
【図3】化合物(A−3)の質量分析の測定結果を示す図である。
【図4】化合物(A−4)の質量分析の測定結果を示す図である。
【図5】化合物(A−5)の質量分析の測定結果を示す図である。
【図6】化合物(A−1)のH−NMR分析の測定結果を示す図である。
【図7】化合物(A−2)のH−NMR分析の測定結果を示す図である。
【図8】化合物(A−3)のH−NMR分析の測定結果を示す図である。
【図9】化合物(A−4)のH−NMR分析の測定結果を示す図である。
【図10】化合物(A−5)のH−NMR分析の測定結果を示す図である。
【図11】化合物(A−1)の紫外可視分光分析の測定結果を示すスペクトルである。
【図12】化合物(A−2)の紫外可視分光分析の測定結果を示すスペクトルである。
【図13】化合物(A−3)の紫外可視分光分析の測定結果を示すスペクトルである。
【図14】化合物(A−4)の紫外可視分光分析の測定結果を示すスペクトルである。
【図15】化合物(A−5)の紫外可視分光分析の測定結果を示すスペクトルである。
【図16】裾引きの評価要領を説明する図である。
【図17】ナノエッジラフネスの評価要領を説明する図である。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表されることを特徴とするスルホニル構造を有する化合物。
    Figure 2004026804
    〔上記一般式(1)中、Rは、水素原子、炭素数1〜20の置換若しくは非置換のアルキル基、炭素数3〜20の置換若しくは非置換の脂環族基、炭素数2〜20のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のヘテロアリール基、又は−N(R’)基を示す(R’は、水素原子、炭素数1〜20の置換若しくは非置換のアルキル基、炭素数3〜20の置換若しくは非置換の脂環族基、炭素数2〜20のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、又は置換若しくは非置換のヘテロアリール基を示す。但し、R’ 同士は、相互に結合してヘテロ原子を含んでもよい環を形成してもよい。)。
    また、R及びRは、独立に、水素原子、炭素数1〜20の置換若しくは非置換のアルキル基、炭素数3〜20の置換若しくは非置換の脂環族基、炭素数2〜20のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のヘテロアリール基、又は−Z−R’を示す(Zは、カルボニル基、−C(=O)−C(=O)−基、−C(=O)−O−基、−C(=O)−S−基、−OC(=O)−N(R’)−基、スルフィニル基、スルホニル基、−SO−SO−基、−SO−O−基、−SO−S−基、又は−SO−N(R’)−基を示す。尚、R及びRにおける上記R’は、上記Rにおける上記R’と同定義である。)。
    尚、上記一般式(1)中、2つのR、R及びRのうちの少なくとも2つが互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
    更に、X及びYは、独立に、酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基、又は−N(R)−基を示す(Rは、上記R及びRの定義と同一である。但し、同一の窒素原子に結合した上記R又はRとRとは、相互に結合してヘテロ原子を含んでもよい環を形成してもよい。)〕。
  2. 上記一般式(1)で表されるスルホニル構造を有する化合物が、下記一般式(2−1)〜(2−4)で表される構造である請求項1記載のスルホニル構造を有する化合物。
    Figure 2004026804
    〔上記一般式(2−1)、(2−2)、(2−3)及び(2−4)中、R’ 、R’及びR’は、別々の上記一般式(1)で表されるスルホニル構造を有する化合物中に含まれている上記R、R及びRから各1個の原子又は基が解離して残基を形成し、該残基同士が結合することにより形成された形である2価の基である。〕
  3. 2以上の請求項1記載の上記一般式(1)で表されるスルホニル構造を有する化合物中に含まれている各2つのR、R、及びRのうちの少なくとも2つを介することにより、2以上の請求項1記載の上記一般式(1)で表されるスルホニル構造を有する化合物が結合して形成される二量体又は多量体であることを特徴とするスルホニル構造を有する化合物。
  4. 上記二量体又は多量体が、下記一般式(3−1)、(3−2)、(3−3)、(4−1)又は(4−2)で表される構造である請求項3記載のスルホニル構造を有する化合物。
    Figure 2004026804
    Figure 2004026804
    〔上記一般式(3−1)、(3−2)、(3−3)、(4−1)及び(4−2)中、R’ 、R’及びR’は、別々の一般式(1)で表されるスルホニル構造を有する化合物中に含まれているR、R及びRから各1個の原子又は基が解離して残基を形成し、該残基同士が結合することにより形成された形である2価の基である。〕
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のスルホニル構造を有する化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする感放射線性酸発生剤。
  6. 更にジアゾメタン化合物及び/又はオニウム塩を含有する請求項5記載の感放射線性酸発生剤。
  7. (A)請求項5又は6記載の感放射線性酸発生剤、及び(B)酸解離性基含有樹脂を含有することを特徴とするポジ型感放射線性樹脂組成物。
  8. (A)請求項5又は6記載の感放射線性酸発生剤、(C)アルカリ可溶性樹脂、及び(D)酸の存在下で上記アルカリ可溶性樹脂を架橋し得る化合物を含有することを特徴とするネガ型感放射線性樹脂組成物。
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