JP2004026758A - 置換ピラゾール誘導体を含有する除草剤組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
【発明の技術分野】
本発明は、除草剤の有効成分として優れる置換ピラゾール誘導体とそれ以外の特定の除草化合物とを混用することを特徴とする除草剤組成物に関する。より詳しくは、置換ピラゾール誘導体と混用する除草化合物とによる除草作用の相乗効果が発揮され、殺草スペクトラムが広く、低薬量で施行できて、しかも、いくつかの重要作物に対して充分な安全性を示す除草剤組成物に関するものである。これは化学工業ならびに農業、とくに農薬の製造業の分野で有用である。
【0002】
【発明の技術的背景】
現在、重要な作物、たとえば、コムギ、オオムギ、イネ、トウモロコシ、ダイズなどの栽培において、数多くの除草剤が使用されている。しかし、除草対象となる雑草は種類が多く、発生も長期間にわたるため、このような除草剤の多くは、除草活性、殺草スペクトラム、残効性や作物選択性の諸点において、必ずしも充分とはいえないという問題点があった。さらに抵抗性雑草の多発生も問題となっており、殺草スペクトルの狭い除草剤または少量の施用では、難防除性雑草の完全な防除を期待できそうにない。このため、同一または異なる除草剤を数回にわたり、あるいは多量に使用しなければならず、労力やコストの点のみならず、作物に対する薬害や土壌残留などの問題も付随して起きる。
【0003】
したがって、より効果が高く、幅広い殺草スペクトラムを有するとともに作物に対し充分な安全性を示す除草剤組成物が依然として切望されている。
本発明者らは、上記の状況に鑑みて、種々検討した結果、下記の一般式[I]で表される置換ピラゾール誘導体は、殺草スペクトラムが広く、優れた除草効力を有することを発見した。さらに、この置換ピラゾール誘導体と特定の除草化合物との混用による除草剤組成物は、低薬量の施行であっても、優れた除草効力を相乗的に示すとともに、いくつかの重要作物に対して充分な安全性を示す、価値ある除草化合物の組み合わせであることも見出して本発明を完成するに至った。
【0004】
【化3】
【0005】
除草活性を有する上記置換ピラゾール誘導体[I]については、すでに同一出願人による特許出願(特願2001−214479号)において開示されている。しかしながら、上記置換ピラゾール誘導体と他の特定の除草化合物との混用が除草作用の相乗効果を顕著に奏することに関しては、これまで全く見出されていなかったものである。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、上記一般式[I]で表される置換ピラゾール誘導体とそれ以外の特定の除草化合物との混用により除草作用の相乗効果を示す除草剤組成物、すなわち、殺草スペクトラムが広く、低薬量の施行であっても、優れた除草効力を示すとともに、いくつかの重要作物に対して充分な安全性を示す除草剤組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【発明の概要】
(1)本発明に係る除草剤組成物は、
下記の一般式[I]で表される置換ピラゾール誘導体の1種または2種以上と、
【0008】
【化4】
【0009】
[式[I]中、
Xは、R1OOC、R1HNOC、R1R1NOC、シアノ基、5員または6員芳香族複素環式基を表し、
Wは、炭素数1〜3のアルキレン基またはNR1を表し、
Rは、炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低級ハロアルキル基を表し、
A、B、Dは、互いに同じでも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、またはR1、R1O、R1S、R1SO、R1SO2、(R1)2N、R1OOC、R1OR2、R1ON=CH、シアノ基、ニトロ基、炭素数2〜4の低級アルケニル基、炭素数2〜4の低級アルキニル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、Ph、PhCH2、PhO、PhCH2O、PhOR2、PhS、PhCH2S、PhSR2、PhCH2ON=CH、Naph、Hetよりなる群から選ばれる基を表すが、A、B、Dが同時に水素原子を表すことはなく、A、B、Dが同時に芳香族基または芳香族複素環式基を表すことはない。ここで、
R1は、炭素数1〜4の低級アルキル基または、炭素数1〜4の低級ハロアルキル基を表し、
R2は、炭素数1〜4の低級アルキレン基を表し、
Phは、無置換または置換基を有するフェニル基を表し、
Naphは、無置換または置換基を有するナフチル基を表し、
Hetは、無置換または置換基を有する5員または6員芳香族複素環式基を表す。]
混用される除草化合物として、ジニトロアニリン系化合物、ウレア系化合物、アミド系化合物、カーバメート系化合物、ジフェニルエーテル系化合物またはスルホニルウレア系化合物から選択される1種または2種以上の化合物とを
有効成分として含有することを特徴としている。
(2)上記(1)の除草剤組成物の置換ピラゾール誘導体は、一般式[I]において、
【0010】
【化5】
【0011】
XがR1OOC、
Wがメチレン基またはエチレン基、
Rがメチル基、
A、Bが、水素原子、ハロゲン原子、R1、R1Sのいずれかであって、
Dが無置換または置換基を有するフェニル基、
[R1は、炭素数1〜4の低級アルキル基または、炭素数1〜4の低級ハロアルキル基を表す。]
である場合が好ましい。
(3)また、上記(1)の除草剤組成物の置換ピラゾール誘導体として、好ましくは下記の表1に掲げられている化合物番号1〜47からなる化合物の群より少なくとも1種選択されるものが望ましい。
(4)さらに上記(1)〜(3)の除草剤組成物には、上記混用される除草化合物が、ジニトロアニリン系化合物である組成物が含まれる。
(5)上記(4)のジニトロアニリン系化合物は、トリフルラリン、ペンディメタリン、ベスロジン、エタルフルラリン、プロジアミン、オリザリン、ブトラリン、フルメトラリン、ニトラリンから選ばれる一種類以上の化合物が好ましい。
(6)さらに上記(1)〜(3)の除草剤組成物には、上記混用される除草化合物が、ウレア系化合物である組成物が含まれる。
(7)上記(6)のウレア系化合物は、リニュロン、モノリニュロン、ネブロン、クロロトルロン、イソプロツロン、イソウロン、テブチウロン、エチジムロン、メタベンズチアズロン、ジメフロン、フルオメツロン、チアザフルロン、シクルロン、ジウロン、メトキスロン、ジデュロンから選ばれる一種類以上の化合物が好ましい。
(8)上記(1)〜(3)の除草剤組成物には、上記混用される除草化合物が、アミド系化合物である組成物が含まれる。
(9)上記(8)のアミド系化合物は、プロパクロール、ジメタクロール、メタザクロール、アラクロール、メトラクロール、S−メトラクロール、アセトクロール、プロピソクロール、フルフェナセット、ジメテナミド、プレチラクロール、テニルクロール、ブタクロール、カフェンストロール、フラムプロップメチル、フラムプロップMメチル、フラムプロップエチル、フラムプロップイソプロピル、フラムプロップMイソプロピル、ベンゾイルプロップエチルから選ばれる一種類以上の化合物が好ましい。
(10)上記(1)〜(3)の除草剤組成物には、上記混用される除草化合物が、カーバメート系化合物である組成物が含まれる。
(11)上記(10)の除草剤組成物のカーバメート系化合物は、トリアレート、EPTC、ブチレート、プロスルホカルブ、バルバン、オルソベンカーブ、バーナレート、IPCから選ばれる一種類以上の化合物が好ましい。
(12)上記(1)〜(3)の除草剤組成物には、上記混用される除草化合物が、ジフェニルエーテル系化合物である組成物が含まれる。
(13)上記(12)の除草剤組成物のジフェニルエーテル系化合物は、ビフェノックス、アシフルオルフェン、オキシフルオルフェン、フルオログリコフェン、ラクトフェン、ホノサフェン、アクロニフェン、エトキシフェンエチル、ジクロホップメチルから選ばれる一種類以上の化合物が好ましい。
(14)さらに上記(1)〜(3)の除草剤組成物には、上記混用される除草化合物が、スルホニルウレア系化合物である組成物が含まれる。
(15)上記(14)の除草剤組成物のスルホニルウレア系化合物は、アミドスルフロン、クロリムロンエチル、オキサスルフロン、プリミスルフロン、ホラムスルフロン、ベンスルフロンメチル、エトキシスルフロン、シクロスルファムロン、クロルスルフロン、メトスルフロンメチル、トリベニュロンメチル、ヨードスルフロン、イソスルフロンメチル、プロスルフロン、トリアスルフロン、エタメトスルフロンメチル、シノスルフロン、トリフルスルフロンメチル、チフェンスルフロンメチル、メソスルフロンメチル、ピラゾスルフロンエチル、アジムスルフロン、ハロスルフロンメチル、フラザスルフロン、トリフロキシスルフロン、リムスルフロン、ニコスルフロン、フルピルスルフロン、イマゾスルフロン、スルホスルフロンから選ばれる一種類以上の化合物が好ましい。
(16)上記(1)の除草剤組成物の置換ピラゾール誘導体は、一般式[I]において、
【0012】
【化6】
【0013】
XがR1OOC、R1HNOC、R1R1NOC、
Wが炭素数1〜3の低級アルキレン基、
Rが炭素数1〜4の低級アルキル基、
A、Bが、水素原子、ハロゲン原子、R1、R1Sのいずれかであって、
Dがフェニル基、ナフチル基または5員もしくは6員芳香族複素環式基を表し(これらの基は無置換であるか、または置換基を有してもよい。)、
[上記R1は、炭素数1〜4の低級アルキル基または、炭素数1〜4の低級ハロアルキル基を表す。]
である場合がより好ましい。
【0014】
【発明の具体的説明】
本発明者らは、一般式 [I]で示される置換ピラゾール誘導体と、ジニトロアニリン系化合物、ウレア系化合物、アミド系化合物、カーバメート系化合物、ジフェニルエーテル系化合物またはスルホニルウレア系化合物から選択される1種以上の化合物(以下「混用する除草化合物」という。)とを混用することにより、その除草効力は、それらを単独で用いる場合に比較して相乗的に増強されることを見出した。具体的には低薬量で施用できるだけでなく、難防除雑草を含む雑草に対して幅広い殺草スペクトラムを有し、麦などの作物に対して薬害がないことを見出した。本発明はこのような発見に基づいて完成されたものである。
【0015】
以下、本発明に係る除草剤組成物について、「置換ピラゾール誘導体」、「混用する除草化合物」および「置換ピラゾール誘導体を含有する除草剤組成物」の順に詳細に説明する。
なお、本明細書において、化合物の塩、エステル形、ラセミ体、ジアステレオマー(鏡像体が存在する場合)などもその化合物の範囲に包含される。
【0016】
<置換ピラゾール誘導体>
本発明の除草剤組成物に含まれる有効成分の1つである置換ピラゾール誘導体は、一般式[I]で表される。
【0017】
【化7】
【0018】
式[I]中、Xは、R1OOC、R1HNOC、R1R1NOC、シアノ基、5員または6員芳香族複素環式基を表す。ここでR1は、炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低級ハロアルキル基を表し、これらは直鎖状であっても分岐状であってもよい。ここでハロアルキル基とは、1以上の同一もしくは異なるハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基をいう。
【0019】
R1OOCとしては、たとえば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基などが挙げられる。これらのうちでは、メトキシカルボニル基が好ましい。
R1HNOCとしては、たとえば、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基などが挙げられ、R1R1NOC基としては、たとえば、ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、エチルメチルカルボニル基などが挙げられる。これらのうちでは、メチルアミノカルボニル基が好ましい。
【0020】
5員または6員芳香族複素環式基は、N、O、S原子を環原子として含む5員環または6員環芳香族化合物残基であり、たとえば、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基などが挙げられる。
式[I]中、Wは、炭素数1〜3のアルキレン基またはNR1を表し、たとえば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、メチルアミノ基、エチルアミノ基などが挙げられる。これらのうちでは、メチレン基が好ましい。
【0021】
式[I]中、Rは、炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低級ハロアルキル基を表し、直鎖状であっても分岐状であってもよく、たとえば、メチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基などが挙げられる。これらのうちでは、メチル基が好ましい。
式[I]中、A、B、Dは、互いに同じでも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、またはR1、R1O、R1S、R1SO、R1SO2、(R1)2N、R1OOC、R1OR2、R1ON=CH、シアノ基、ニトロ基、炭素数2〜4の低級アルケニル基、炭素数2〜4の低級アルキニル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、Ph、PhCH2、PhO、PhCH2O、PhOR2、PhS、PhCH2S、PhSR2、PhCH2ON=CH、Naph、Hetよりなる群から選ばれる基を表すが、A、B、Dが同時に水素原子を表すことはなく、A、B、Dの2以上が同時に芳香族基または芳香族複素環式基を表すことはない。
【0022】
ここでR1は、前記と同様であり、R2は、炭素数1〜4の低級アルキレン基を表し、Phは、無置換または置換基を有するフェニル基を表し、Naphは、無置換または置換基を有するナフチル基を表し、Hetは、無置換または置換基を有する5員もしくは6員芳香族複素環式基を表す。
このようなA、B、Dにおいて、ハロゲン原子としては、たとえば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、R1としては、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、これらの異性体基などが挙げられ、R2としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、これらの異性体基などが例示される。
【0023】
また、R1Oとしては、たとえば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。これらのうちでは、メトキシ基が好ましい。
R1Sとしては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基などが挙げられ、これらのうちではメチルチオ基が好ましい。
R1SOとしては、たとえば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基などが挙げられ、これらのうちではメチルスルフィニル基が好ましい。
【0024】
R1SO2としては、たとえば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基などが挙げられ、これらのうちではメチルスルホニル基が好ましい。
(R1)2Nとしては、たとえば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、エチルメチルアミノ基などが挙げられる。
【0025】
R1OOCとしては、たとえば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基などが挙げられ、これらのうちではメトキシカルボニル基が好ましい。
R1OR2としては、たとえば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基などが挙げられる。
【0026】
R1ON=CHとしては、たとえば、メトキシイミノメチル基などが挙げられる。
炭素数2〜4の低級アルケニル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、たとえば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、これらの異性体基が挙げられる。
炭素数2〜4の低級アルキニル基は直鎖状でも分岐状でもよく、たとえば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、これらの異性体基が挙げられる。
【0027】
炭素数3〜7のシクロアルキル基としては、たとえば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基が挙げられ、これらのうちではシクロプロピル基が好ましい。
さらに前記A、B、Dにおいて、Phは、フェニル基を表すか、ハロゲン原子、または、R1、R1O、R1S、R1SO、R1SO2、(R1)2N、R1OOC、R1OR2、R1ON=CH、シアノ基、ニトロ基、炭素数2〜4の低級アルケニル基、炭素数2〜4の低級アルキニル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基からなる群より選ばれた基で置換された1〜5置換フェニル基、もしくはPh、PhCH2、PhO、PhCH2O、PhCH2ON=CR1、PhCO、Het−Oからなる群より選ばれた基で置換された1置換フェニル基を表す。
【0028】
ここでHetは、5員または6員芳香族複素環式基、もしくは2つの置換基R1および/または置換基R1Oが近接位にあり、ベンゼン環と環状構造を形成した置換基を有する5員または6員芳香族複素環式基を表す。具体的には、たとえば、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、1,3−ベンゾジオキソル−4−イル基、2,2−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソル−4−イル基、2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソル−4−イル基などが挙げられる。
【0029】
前記A、B、Dにおいて、Naphは、ナフチル基、または、ハロゲン原子、R1、R1Oにより置換された1〜2置換ナフチル基を表す。
前記A、B、Dにおいて、Hetは、上記のほかに、炭素数1〜4のアルキル基またはハロゲン原子により置換された1〜4置換5員芳香族複素環式基、1〜4置換6員芳香族複素環式基であってもよい。2−メチル−6−ピリジル基、3,5−ジメチル−2−フリル基、3,5−ジメチル−2−チエニル基、N−メチル−3−ピロリル基、2,4−ジメチル−5−チアゾイル基などが例示される。
【0030】
このようなA、B、Dとしては、フェニル基、メチルフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、3−[1−(クロロベンジルオキシイミノ)−エチル]フェニル基、3−(ベンジルオキシ)フェニル基、3−(メチルベンジルオキシ)フェニル基、3−(クロロベンジルオキシ)フェニル基、3−(シアノベンジルオキシ)フェニル基、3−(ジメチルベンジルオキシ)フェニル基、3−(ジクロロベンジルオキシ)フェニル基、3−(ピリジルメトキシ)フェニル基、3−(ベンゾイルオキシ)フェニル基、3−(クロロベンゾイルオキシ)フェニル基、3−(6−クロロピリミジン−4−イルオキシ)フェニル基、3−(6−メトキシピリミジン−4−イル−オキシ)フェニル基、3−[6−(2−メチルフェノキシ)−ピリミジン−4イル−オキシ]フェニル基、[6−(2−シアノフェノキシ)ピリミジン−4イル−オキシ]フェニル基、3−(6−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−イル−オキシ)フェニル基、3−(2−ベンゾチアゾリルオキシ)フェニル基、ベンジル基、フェノキシメチル基、メチルフェノキシメチル基、フェニルチオメチル基、メチルフェニルチオメチル基、1−フェノキシエチル基、1−(メチルフェノキシ)エチル基、1−フェニルチオエチル基、1−(メチルフェニルチオ)エチル基、1,3−ベンゾジオキソル−4−イル基、2,2−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソル−4−イル基、2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソル−4−イル基、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2−クロロフェノキシ基、3−クロロフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、2−トリフルオロメチルフェノキシ基、2,5−ジメチルフェノキシ基、2,5−ジクロロフェノキシ基、2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェノキシ基、フェニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、3−メチルフェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、2−クロロフェニルチオ基、3−クロロフェニルチオ基、4−クロロフェニルチオ基、2−トリフルオロメチルフェニルチオ基、2,5−ジメチルフェニルチオ基、2,5−ジクロロフェニルチオ基、2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニルチオ基、ベンジルオキシ基、2−メチルベンジルオキシ基、3−メチルベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、2−クロロベンジルオキシ基、3−クロロベンジルオキシ基、4−クロロベンジルオキシ基、2−トリフルオロメチルベンジルオキシ基、2,5−ジメチルベンジルオキシ基、2,5−ジクロロベンジルオキシ基、2−クロロ−5−トリフルオロメチルベンジルオキシ基、ベンジルチオ基、2−メチルベンジルチオ基、3−メチルベンジルチオ基、4−メチルベンジルチオ基、2−クロロベンジルチオ基、3−クロロベンジルチオ基、4−クロロベンジルチオ基、2−トリフルオロメチルベンジルチオ基、2,5−ジメチルベンジルチオ基、2,5−ジクロロベンジルチオ基、2−クロロ−5−トリフルオロメチルベンジルチオ基、ベンジルオキシイミノメチル基、2−メチルベンジルオキシイミノメチル基、3−メチルベンジルオキシイミノメチル基、4−メチルベンジルオキシイミノメチル基などが好ましく挙げられる。
【0031】
このような一般式[I]で表される置換ピラゾール誘導体の例として、具体的には、表1に掲げる化合物が挙げられる。ただし、本発明に用いる置換ピラゾール誘導体は、これらに限定されるものではない。なお、表中の化合物番号は、後の実施例の記載においても参照される。表中において、Meはメチル基、Etはエチル基、Prはプロピル基、Phは無置換のフェニル基(表1においてのみ)を表す。
【0032】
【表1】
【0033】
また、これらの化合物の物性値を以下の表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
・置換ピラゾール誘導体の製造
前記一般式[I]で表される置換ピラゾール誘導体は、前記文献(特開平10−168063号公報、欧州特許第0945437A1号公報)などに記載の方法に従い、製造することができる。たとえば、式[I]中、XがR1OOC、Wが炭素数1〜3のアルキレン、Rが炭素数1〜4の低級アルキル、DがPhである置換ピラゾール誘導体は、下記一般式[II](式中、nは1〜3)で示されるアルカン酸エステル誘導体(酢酸エステル誘導体、プロピオン酸エステル誘導体またはブタン酸エステル誘導体)とホルミル化剤とを、塩基および溶媒の存在下で反応させ、次に塩基の存在下でアルキル化剤と反応させることにより、好適に製造できる。
【0036】
【化8】
【0037】
上記一般式[II]で示されるアルカン酸エステルと、ホルミル化剤との反応において、ホルミル化剤としてはギ酸エステル類、酸アミド類が用いられる。また、塩基としては、水素化ナトリウム、アルキルリチウム類、リチウムアミド類などが用いられる。
反応に供せられる試剤の量は、一般式[II]で示されるアルカン酸エステル誘導体1当量に対してホルミル化剤は約1〜10当量、塩基は1〜2当量である。また上記反応には通常、エーテル類、酸アミド類などの溶媒が用いられる。
【0038】
次に、アルキル化剤との反応においては、アルキル化剤として、アルキルハロゲン化物、硫酸エステル類が使用され、塩基としては、ピリジンなどの三級アミン類、水素化ナトリウムなどの無機塩基類などが用いられる。
反応に供せられる試剤の量は、ホルミル化した化合物1当量に対してアルキル化剤は通常約1〜2当量、塩基は約1〜2当量である。上記反応は通常、エーテル類、酸アミド類、ケトン類などの溶媒が用いられる。反応終了後は通常の後処理を行い、必要に応じて精製することにより、目的とする置換ピラゾール誘導体を得ることができる。
【0039】
なお、一般式[II]で示されるアルカン酸エステル誘導体は、一般式[III]
【0040】
【化9】
【0041】
(式中、A、Bは前記と同じ意味を表す。)で示されるピラゾール誘導体と、
一般式[IV]
【0042】
【化10】
【0043】
(式中、Zはハロゲン原子を表し、R1は炭素数1〜4の低級アルキル基を表し、nは0、1または2を表す。)で示されるハロ酢酸エステル、ハロプロピオン酸エステル、またはハロブタン酸エステルとを塩基の存在下に反応させることによって得られる。
また、一般式[III]で示されるピラゾール誘導体の製造方法などの詳細は上記の文献に記載されたとおりである。
・置換ピラゾール誘導体の除草活性
以下、置換ピラゾール誘導体の殺草スペクトラムとその作物選択性について具体的に説明する。
(A)殺草スペクトラム
(A1)畑における殺草スペクトラム
本発明に用いる置換ピラゾール誘導体は、畑地、非農耕地用除草剤として、土壌処理、土壌混和処理、茎葉処理のいずれの処理方法においても、イヌホウズキ(Solanum nigrum)、チョウセンアサガオ(Datura stramonium)などに代表されるナス科(Solanaceae)雑草、イチビ(Abutilon theophrasti)、アメリカキンゴジカ(Sida spinosa)などに代表されるアオイ科(Malvaceae)雑草、マルバアサガオ(Ipomoea purpurea)などのアサガオ類(Ipomoea spps.)やヒルガオ類(Calystegia spps.)などに代表されるヒルガオ科(Convolvulaceae)雑草、イヌビユ(Amaranthus lividus)、アオビユ(Amaranthus retroflexus)などに代表されるヒユ科(Amaranthaceae)雑草、オナモミ(Xanthium pensylvanicum)、ブタクサ(Ambrosia artemisiaefolia)、ヒマワリ(Helianthus annuus)、ハキダメギク(Galinsoga ciliata)、セイヨウトゲアザミ(Cirsium arvense)、ノボロギク(Senecio vulgaris)、ヒメジョン(Erigeron annus)、イヌカミツレ(Matricaria inodora)などに代表されるキク科(Compositae)雑草、イヌガラシ(Rorippa indica)、ノハラガラシ(Sinapis arvensis)、ナズナ(Capsella Bursapastoris)などに代表されるアブラナ科(Cruciferae)雑草、イヌタデ(Polygonum Blumei)、ソバカズラ(Polygonum convolvulus)などに代表されるタデ科(Polygonaceae)雑草、スベリヒユ(Portulaca oleracea)などに代表されるスベリヒユ科(Portulacaceae)雑草、シロザ(Chenopodium album)、コアカザ(Chenopodium ficifolium)、ホウキギ(Kochia scoparia)などに代表されるアカザ科(Chenopodiaceae)雑草、ハコベ(Stellaria media)などに代表されるナデシコ科(Caryophyllaceae)雑草、オオイヌノフグリ(Veronica persica)などに代表されるゴマノハグサ科(Scrophulariaceae)雑草、ツユクサ(Commelina communis)などに代表されるツユクサ科(Commelinaceae)雑草、ホトケノザ(Lamiumamplexicaule)、ヒメオドリコソウ(Lamium purpureum)などに代表されるシソ科(Labiatae)雑草、コニシキソウ(Euphorbia supina)、オオニシキソウ(Euphorbia maculata)などに代表されるトウダイグサ科(Euphorbiaceae)雑草、ヤエムグラ(Galium spurium)、アカネ(Rubia akane)などに代表されるアカネ科(Rubiaceae)雑草、スミレ(Viola mandshurica)などに代表されるスミレ科(Violaceae)雑草、アメリカツノクサネム(Sesbania exaltata)、エビスグサ(Cassia obtusifolia)などに代表されるマメ科(Leguminosae)雑草などの広葉雑草、野生ソルガム(Sorgham bicolor)、オオクサキビ(Panicum dichotomiflorum)、ジョンソングラス(Sorghum halepense)、イヌビエ(Echinochloa crus−galli var. crus−galli)、ヒメイヌビエ(Echinochloa crus−galli var. praticola)、ヒエ(Echinochloa utilis)、メヒシバ(Digitaria adscendens)、カラスムギ(Avenafatua)、オヒシバ(Eleusine indica)、エノコログサ(Setaria viridis)、スズメノテッポウ(Alopecurus aegualis) 、スズメノカタビラ(Poa annua)などに代表されるイネ科雑草、ハマスゲ(Cyperus rotundus, Cyperus esculentus)などに代表されるカヤツリグサ科雑草などの各種畑地雑草に低薬量で高い殺草力を有する。
【0044】
さらに、刈り取り跡、休耕畑、樹園地、牧草地、芝生地、線路端、空き地、林業地、あるいは農道、畦畔、その他の非農耕地に発生する広範囲の雑草を除草できる。
(A2)水田における殺草スペクトラム
本発明に用いる置換ピラゾール誘導体は、水田用除草剤として、湛水下の土壌処理および茎葉処理のいずれの処理方法においても、ヘラオモダカ(Alisma canaliculatum)、オモダカ(Sagittaria trifolia)、ウリカワ(Sagittaria pygmaea)などに代表されるオモダカ科雑草、タマガヤツリ(Cyperus difformis)、ミズガヤツリ(Cyperus serotinus)、ホタルイ(Scirpus juncoides)、クログワイ(Eleocharis kuroguwai)、マツバイ(Eleocharis acicularis)などに代表されるカヤツリグサ科雑草、アゼナ(Lindernia pyxidaria)などに代表されるゴマノハグサ科雑草、コナギ(Monochoria vaginalis)などに代表されるミズアオイ科雑草、ヒルムシロ(Potamogeton distinctus)などに代表されるヒルムシロ科雑草、セリ(Oenanthe javanica)に代表されるセリ科雑草、キカシグサ(Rotala indica)、ヒメミソハギ(Ammannia multiflora)などに代表されるミソハギ科雑草、ミゾハコベ(Elatine triandra)に代表されるミゾハコベ科雑草、タイヌビエ(Echinochloa oryzicola)、ヒメタイヌビエ(Echinochloa crus−galli var. formosensis)、イヌビエ(Echinochloa crus−galli var.crus−galli)などに代表されるイネ科雑草など、各種水田雑草に低薬量で高い殺草力を有する。
【0045】
(A3)水生植物に対する効果
また、本発明に用いる置換ピラゾール誘導体は、水路、運河、湖沼、池などに発生するアオコなどの藻類、ホテイアオイ(Eichhornia crassipes)などの水生雑草に対しても効果を有する。
(B)作物選択性
(B1)畑における作物選択性
しかも、本発明に用いる置換ピラゾール誘導体は、イネ(Oryza sativa)、コムギ(Triticum aestivum)、オオムギ(Hordeum vulgare)、ソルガム(Sorghum bicolor)、落花生(Arachis hypogaea)、トウモロコシ(Zea mays)、大豆(Glycine max)、ワタ(Gossypium spp.)、テンサイ(Beat vulgaris)などの主要作物、花弁・蔬菜などの園芸作物に対して高い安全性を有する。
【0046】
(B2)作物選択性(水稲)
さらに、本発明に用いる置換ピラゾール誘導体は、移植水稲または直播水稲に対して問題となるような薬害を示さない。
(B3)作物選択性(芝生)
本発明に用いる置換ピラゾール誘導体は、日本芝あるいは洋芝といった芝生に対しても高い安全性を有する。
【0047】
<混用する除草化合物>
一般式 [I]で示される置換ピラゾール誘導体との混用により著しい相乗効果を発揮する好適な除草化合物(「混用する除草化合物」)として、ジニトロアニリン系化合物、ウレア系化合物、アミド系化合物、カーバメート系化合物、ジフェニルエーテル系化合物またはスルホニルウレア系化合物であることが本発明者らの研究により見出された。本発明に係る除草剤組成物は、これらの化合物群から選択される1種以上の化合物を併用する。これらの化合物群はいずれも公知の除草化合物であって、市販されており入手は可能である。混用する除草化合物それぞれの属性、殺草スペクトラムとその作物選択性はすべて知られている。
【0048】
ジニトロアニリン系化合物として好ましい化合物には、トリフルラリン、ペンディメタリン、ベスロジン、エタルフルラリン、プロジアミン、オリザリン、ブトラリン、フルメトラリン、ニトラリンなどが例示される。
ウレア系化合物として好ましい化合物には、たとえばリニュロン、モノリニュロン、ネブロン、クロロトルロン、イソプロツロン、イソウロン、テブチウロン、エチジムロン、メタベンズチアズロン、ジメフロン、フルオメツロン、チアザフルロン、シクルロン、ジウロン、メトキスロン、ジデュロンなどが含まれる。他にダイムロン、メチルダイムロン、DCMUなども挙げられる。
【0049】
アミド系化合物として好ましい化合物には、プロパクロール、ジメタクロール、メタザクロール、アラクロール、メトラクロール、S−メトラクロール、アセトクロール、プロピソクロール、フルフェナセット、ジメテナミド、プレチラクロール、テニルクロール、ブタクロール、カフェンストロール、フラムプロップメチル、フラムプロップMメチル、フラムプロップエチル、フラムプロップイソプロピル、フラムプロップMイソプロピル、ベンゾイルプロップエチルが例示される。他にブロモブチド、プロバニル、メフェナセット、ジフェナミド、プロピザミド、ナプロパミドなども挙げられる。
【0050】
カーバメート系化合物として好ましい化合物には、トリアレート、EPTC、ブチレート、プロスルホカルブ、バルバン、オルソベンカーブ、バーナレート、IPCなどが例示される。他にエスプロカルブ、クロルプロファム、フェンメディファム、テルブカルブ、ベンチオカーブ、モリネート、ピリブチカルブ、ジメピペレートなども挙げられる。
【0051】
ジフェニルエーテル系化合物として好ましい化合物には、たとえばビフェノックス、アシフルオルフェン、オキシフルオルフェン、フルオログリコフェン、ラクトフェン、ホノサフェン、アクロニフェン、エトキシフェンエチル、ジクロホップメチルが例示される。他にクロメトキシニル、CNPなども挙げられる。
スルホニルウレア系化合物として好ましい化合物には、たとえばアミドスルフロン、クロリムロンエチル、オキサスルフロン、プリミスルフロン、ホラムスルフロン、ベンスルフロンメチル、エトキシスルフロン、シクロスルファムロン、クロルスルフロン、メトスルフロンメチル、トリベニュロンメチル、ヨードスルフロン、イソスルフロンメチル、プロスルフロン、トリアスルフロン、エタメトスルフロンメチル、シノスルフロン、トリフルスルフロンメチル、チフェンスルフロンメチル、メソスルフロンメチル、ピラゾスルフロンエチル、アジムスルフロン、ハロスルフロンメチル、フラザスルフロン、トリフロキシスルフロン、リムスルフロン、ニコスルフロン、フルピルスルフロン、イマゾスルフロン、スルホスルフロンが例示される。他にメトスルフロンメチル、シクロスルファムロン、メツルフロンメチルなども挙げられる。
【0052】
なお、上掲の化合物は、一般式 [I]で示される置換ピラゾール誘導体と混用することにより特異的に相乗効果を発揮する除草化合物の好適な例示にすぎず、本発明の組成物はこれらに限定されるものではない。
<置換ピラゾール誘導体を含有する除草剤組成物>
本発明に係る除草剤組成物は、前記置換ピラゾール誘導体および混用する特定の除草化合物を含有することを特徴とする。かかる特異的な組み合わせにより単剤では得られない除草作用の相乗効果を得ることができる。
【0053】
具体的には本発明に係る除草剤組成物の殺草スペクトラムは、除草剤組成物の有効成分である置換ピラゾール誘導体が本来有する殺草スペクトラムに加えて、混用する除草化合物の殺草スペクトラムも重なるため、殺草の対象範囲が拡大する。同時に加算的効果により特定種類の雑草に対する選択的な成長抑制の水準が高まる。同様に本発明に係る除草剤組成物は、作物選択性についても単独使用の場合よりも向上する。しかも作物に対する薬害を与えずに低薬量で著しい除草効果を示し、その効力持続性が長期に及ぶなど単独の性質からは全く予想できない相乗効果を示している。本発明の除草剤組成物の高活性で幅広い殺草スペクトラムおよび長い処理適期の利点は、必然的に施用者および環境への負荷の軽減にもつながるであろう。
・除草剤組成物の組成
本発明の除草剤組成物は、このように広い殺草スペクトラムと作物選択性を有する置換ピラゾール誘導体を有効成分の一つとして1種または2種以上含有するものである。
【0054】
本発明の除草剤組成物に含まれる有効成分のうち、置換ピラゾール誘導体と混用する除草化合物との量比に関しては、剤型に応じて配合することができる。本発明の除草剤組成物において、置換ピラゾール誘導体と、混用する除草化合物との混合比は、混用する除草化合物の種類などによって異なるが、任意の割合で混合すればよく通常は、重量比で1:0.01〜1:100、さらに好ましくは1:0.05〜1:10である。これらの有効成分の含有量は、除草剤組成物の製剤形状、使用方法などの条件により、変更することができ、とくに制限されない。通常は、有効成分として本発明化合物および混用する除草化合物の合計量を全体に対して0.5〜80重量%、好ましくは、1.5〜70重量%含有する。
【0055】
このような他の成分を含むこと、とくに混用する除草化合物を含むことにより、除草剤組成物全体の使用薬量を減少させることが可能である。また、省力化をもたらすのみならず、混合薬剤の相乗作用による殺草スペクトラムの拡大や、より高い殺草効果も期待できる。
さらに、本発明の除草剤組成物は、置換ピラゾール誘導体および混用する除草化合物の他に、混合薬剤として単一あるいは複数の植物保護剤、たとえば殺菌剤、殺虫剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、殺バクテリア剤、薬害軽減剤、植物生長調整剤、肥料、土壌改良材などを含んでいてもよい。
・剤型
本発明に係る除草剤組成物は、前記置換ピラゾール誘導体などを有効成分として含有する限り、製剤形状は制限されず、たとえば、除草剤として実際に施用する際には、本発明化合物それ自体、すなわち置換ピラゾール誘導体および混用する除草化合物それ自体でもよいが、製剤化に一般的に用いられる担体、界面活性剤、分散剤または、補助剤などを配合して、一般の農薬のとり得る形態、すなわち、水和剤、粒剤、粉剤、乳剤、水溶剤、懸濁剤、フロアブル、ジャンボ剤などの形態で使用することもできる。
【0056】
このような固体の担体、または希釈剤の例としては、植物性物質、繊維状物質、人工の可塑性粉末、粘土(たとえば、カオリン、ベントナイト、白土)、タルクおよび無機物(軽石、硫黄粉末)、化学肥料などが挙げられる。液体の担体類および希釈剤としては、水、アルコール類、ケトン類、エーテル類、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、エステル類、ニトリル類、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド)、ハロゲン化炭化水素などが挙げられる。
【0057】
また、界面活性剤の例としては、アルキル硫酸エステル、スルホン酸アルキル、ポリエチレングリコールエーテル、多価アルコールエステル類などが挙げられる。展着剤または分散剤の例としては、カゼイン、ゼラチン、デンプン粉、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、アルギン酸、リグニン、ベントナイト、ポリビニルアルコール、パイン油、糖蜜および寒天などが挙げられる。
【0058】
さらに安定剤としては、イソプロピルリン酸塩混合物、燐酸トリクレジル、トルー油、エポキシ油、界面活性剤類、脂肪酸類およびそのエステル類が挙げられる。
本発明に係る除草剤組成物の有効成分濃度は、前述したように製剤形状により、種々の濃度に変化させることができ、有効成分濃度としては、水和剤においては、好ましくは5〜80重量%、より好ましくは10〜80重量%であることが望ましく、乳剤においては、好ましくは3〜70重量%、より好ましくは5〜60重量%であることが望ましく、粒剤においては、好ましくは0.5〜50重量%、より好ましくは、1.5重量%〜40重量%であることが望ましい。
【0059】
また、本発明に係る除草剤組成物の製造方法および製剤形状は、とくに制限されない。たとえば、置換ピラゾール誘導体と、混用する除草化合物の有効成分とを各々予め、固体担体、液体担体、界面活性剤その他の製剤用補助剤と混合して、乳剤、水和剤、懸濁剤、水溶性粒剤、水溶性粉剤、水溶液剤、顆粒水和剤などに別個に製剤した後、使用の際に混合する方式としてもよい。あるいは、置換ピラゾール誘導体と混用する除草化合物とを混合し、それに固体担体、液体担体、界面活性剤その他の製剤用補助剤を混合して、乳剤、水和剤、懸濁剤、粒剤、濃厚エマルジョン、顆粒水和剤などに製剤して用いることもできる。
・施用方法
本発明に係る除草剤組成物を除草剤として施用する場合、組成物を直接、雑草植物の茎・葉面などに、噴霧、散布、塗布などして処理する。あるいは植物の周囲の土壌、畑、芝生、水田などに組成物を散布、混和などして処理することができる。
【0060】
たとえば、水和剤、乳剤の場合には、水で所定の濃度に希釈して懸濁液あるいは乳濁液として、粒剤の場合は、そのまま直接、対象雑草の発芽前または発芽後に散布処理もしくは混和処理することができる。本発明に係る除草剤組成物を除草剤として実際に適用するに当たっては、通常、1ヘクタール当たり有効成分1g以上の適当量を施用することができる。
【0061】
本発明に係る除草剤組成物を実際に除草剤として用いる場合、その処理量および処理時期は、気象条件、製剤形態、処理時期、処理方法、土壌条件、対象作物、対象雑草などによっても異なるが、当該技術分野の当業者であれば適宜、選択できる。処理量は通常、有効成分(ai)として1ヘクタール(ha)当たり1g〜5,000g、好ましくは10g〜2,000gであることが望ましい。たとえば、乳剤、水和剤、懸濁剤、濃厚エマルジョン、顆粒水和剤、液剤などの場合は、通常、その所定量を1ヘクタール当たり10リットル〜1,000リットルの水、あるいは必要に応じて展着剤などの補助剤を添加した水で希釈して処理することが好ましい。また、粒剤、ある種の懸濁剤、ある種の液剤などの場合は、通常なんら希釈することなく、そのまま処理することが好ましい。補助剤としては、前記の界面活性剤の他、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、リグニンスルホン酸塩、アビエチン酸塩、ジナフチルメタンジスルホン酸塩、クロップオイルコンセントレイト(crop oil concentrate)、大豆油、コーン油、棉実油、ヒマワリ油などの植物油などが挙げられる。
【0062】
本発明の除草剤組成物は、たとえば、小麦畑地に使用する場合、小麦及び雑草の発生前から発生始期にかけて使用することが望ましいが、これらの時期に限らず、小麦および雑草の生育期に使用することも可能である。
【0063】
【発明の効果】
前記一般式[I]で表される置換ピラゾール誘導体および特定の混用する除草化合物を有効成分として含有する本発明の除草剤組成物は、各有効成分の除草作用の相乗効果を奏する。すなわち、このような組み合わせにより各々単剤で得られていた適用範囲を超えて広い殺草スペクトルが得られ、低薬量で施行でき、しかも、コムギ、オオムギ、トウモロコシ、ダイズなどの重要作物に対して充分な安全性が確保されている。
【0064】
本発明の除草剤組成物は、コスト低減、施用者および環境への負荷を軽減することができる。
【0065】
【実施例】
次に本発明を以下の製剤例および試験例によって説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものでない。なお、下記の説明において「部」は重量部を示す。下記の製造物は一般的な調製方法により製造される。
【0066】
【製剤例1】
水和剤の製造:
表1記載の22番化合物10部、クレー83部、ホワイトカーボン2部、リグニンスルホン酸ソーダ2部およびアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ3部を均一に混合粉砕して水和剤を得た。
【0067】
【製剤例2】
水和剤の製造:
表1記載の22番化合物10部、リニュロン20部、カオリン55部、ホワイトカーボン10部、リグニンスルホン酸ソーダ2部およびアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ3部を均一に混合粉砕して水和剤を得た。
【0068】
【製剤例3】
水和剤の製造:
表1記載の22番化合物10部、イソプロツロン20部、カオリン55部、ホワイトカーボン10部、リグニンスルホン酸ソーダ2部およびアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ3部を均一に混合粉砕して水和剤を得た。
【0069】
【製剤例4】
水和剤の製造:
表1記載の13番化合物10部、クレー83部、ホワイトカーボン2部、リグニンスルホン酸ソーダ2部およびアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ3部を均一に混合粉砕して水和剤を得た。
【0070】
【製剤例5】
乳剤の製造:
表1記載の13番化合物5部、ペンディメタリン10部をN−メチルピロリドン40.5部に溶解後、SAS 296(商品名:日本石油化学製)24.5部、ソルポール3880L(商品名:東邦化学製)20部を添加し攪拌、均一に溶解して乳剤を得た。
【0071】
【製剤例6】
乳剤の製造:
表1記載の13番化合物5部、トリフルラリン10部をN−メチルピロリドン40.5部に溶解後、SAS 296(商品名:日本石油化学製)24.5部、ソルポール3880L(商品名:東邦化学製)20部を添加し攪拌、均一に溶解して乳剤を得た。
【0072】
【製剤例7】
水和剤の製造:
表1記載の17番化合物10部、クレー83部、ホワイトカーボン2部、リグニンスルホン酸ソーダ2部およびアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ3部を均一に混合粉砕して水和剤を得た。
【0073】
【製剤例8】
乳剤の製造:
表1記載の17番化合物5部、アラクロール10部をN−メチルピロリドン40.5部に溶解後、SAS 296(商品名:日本石油化学製)24.5部、ソルポール3880L(商品名:東邦化学製)20部を添加し攪拌、均一に溶解して乳剤を得た。
【0074】
【製剤例9】
水和剤の製造:
表1記載の17番化合物25部、フルフェナセット10部、カオリン50部、ホワイトカーボン10部、リグニンスルホン酸ソーダ2部およびアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ3部を均一に混合粉砕して水和剤を得た。
【0075】
【製剤例10】
水和剤の製造:
表1記載の16番化合物10部、クレー83部、ホワイトカーボン2部、リグニンスルホン酸ソーダ2部およびアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ3部を均一に混合粉砕して水和剤を得た。
【0076】
【製剤例11】
フロアブル剤の製造:
表1記載の16番化合物5部、ビフェノックス10部、プロピレングリコール11部、ソルポール7290P(商品名:東邦化学製)3部、トキサノン N100(商品名:三洋化成工業製)0.1部、アンチホーム E−20(商品名:花王製)0.2部、クニピアF(商品名:クニピア製)1.5部、水69.2部をよく混合し、粒度が5ミクロン以下になるまで湿式粉砕して、フロアブル剤を得た。
【0077】
【製剤例12】
水和剤の製造:
表1記載の28番化合物10部、クレー83部、ホワイトカーボン2部、リグニンスルホン酸ソーダ2部およびアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ3部を均一に混合粉砕して水和剤を得た。
【0078】
【製剤例13】
フロアブル剤の製造:
表1記載の28番化合物5部、チフェンスルフロンメチル0.4部、プロピレングリコール11部、ソルポール7290P(商品名:東邦化学製)3部、トキサノン N100(商品名:三洋化成工業製)0.1部、アンチホーム E−20(商品名:花王製)0.2部、クニピアF(商品名:クニピア製)1.5部、水78.8部をよく混合し、粒度が5ミクロン以下になるまで湿式粉砕して、フロアブル剤を得た。
【0079】
【製剤例14】
水和剤の製造:
表1記載の35番化合物10部、クレー83部、ホワイトカーボン2部、リグニンスルホン酸ソーダ2部およびアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ3部を均一に混合粉砕して水和剤を得た。
【0080】
【製剤例15】
水和剤の製造:
表1記載の35番化合物12.5部、IPC15部、カオリン55部、ホワイトカーボン12.5部、リグニンスルホン酸ソーダ2部およびアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ3部を均一に混合粉砕して水和剤を得た。
【0081】
【試験例1】
(畑土壌処理)
130cm2のプラスチックポットに、畑土壌(軽埴土)を充填し、ハコベ、スミレ、ホトケノザ、イヌカミツレ、ヤエムグラ、スズメノカタビラの各雑草とコムギの種子を播種し、約5mm覆土した。
【0082】
播種翌日に、製剤例1、製剤例2、製剤例3に準じて調製した薬剤、およびリニュロン(Linuron, 商品名:ロロックス)とイソプロツロン(Isoproturon,
商品名:ARELON)を所定薬量となるように適量の水で希釈して、土壌表面にむらなく散布した。処理後21日目に以下の基準に従って観察評価を行った。
結果を表2に示す。
【0083】
【試験例2】
(畑土壌処理)
130cm2のプラスチックポットに、畑土壌(軽埴土)を充填し、ハコベ、ハキダメギク、ホトケノザ、イヌカミツレ、ヤエムグラ、スズメノカタビラの各雑草とコムギの種子を播種し、約5mm覆土した。
【0084】
播種翌日に、製剤例4、製剤例5、製剤例6に準じて調製した薬剤、およびペンディメタリン(Pendimethalin, 商品名:ゴーゴーサン乳剤)とトリフルラリン(Trifluralin, 商品名:トレファノサイド乳剤)を所定薬量となるように適量の水で希釈して、土壌表面にむらなく散布した。処理後21日目に以下の基準に従って観察評価を行った。
【0085】
結果を表3に示す。
【0086】
【試験例3】
(畑土壌処理)
130cm2のプラスチックポットに、畑土壌(軽埴土)を充填し、タデ、アオビユ、シロザ、イヌホウズキ、ヒエ、メヒシバの各雑草とトウモロコシの種子を播種し、約5mm覆土した。
【0087】
播種翌日に、製剤例7、製剤例8、製剤例9に準じて調製した薬剤、およびアラクロール(Alachlor, 商品名:ラッソー乳剤)とフルフェナセット(Flufenacet, 商品名:Crystal)を所定薬量となるように適量の水で希釈して、土壌表面にむらなく散布した。処理後21日目に以下の基準に従って観察評価を行った。
結果を表4に示す。
【0088】
【試験例4】
(畑茎葉処理)
130cm2のプラスチックポットに、畑土壌(軽埴土)を充填し、ハコベ、スミレ、ホトケノザ、イヌカミツレ、ヤエムグラ、スズメノカタビラの各雑草とコムギの種子を播種し、約5mm覆土した。
【0089】
播種14日後に、製剤例10、製剤例11に準じて調製した薬剤、およびビフェノックス(Bifenox, 商品名:ウィーラルフロアブル)を所定薬量となるように適量の水で希釈して、植物葉面にむらなく散布した。処理後21日目に以下の基準に従って観察評価を行った。
結果を表5に示す。
【0090】
【試験例5】
(畑茎葉処理)
130cm2のプラスチックポットに、畑土壌(軽埴土)を充填し、ハコベ、スミレ、ホトケノザ、イヌカミツレ、ヤエムグラ、スズメノカタビラの各雑草とコムギの種子を播種し、約5mm覆土した。
【0091】
播種14日後に、製剤例12、製剤例13に準じて調製した薬剤、およびチフェンスルフロンメチル(Thifensulfuron−methyl, 商品名:ハーモニー75DF水和剤)を所定薬量となるように適量の水で希釈して、植物葉面にむらなく散布した。処理後21日目に以下の基準に従って観察評価を行った。
結果を表6に示す。
【0092】
【試験例6】
(畑土壌処理)
130cm2のプラスチックポットに、畑土壌(軽埴土)を充填し、ハコベ、ノボロギク、ナズナ、ヤエムグラ、スズメノカタビラ、スズメノテッポウの各雑草とオオムギの種子を播種し、約5mm覆土した。
【0093】
播種14日後に、製剤例14、製剤例15に準じて調製した薬剤、およびIPC(商品名:クロロ−IPC乳剤)を所定薬量となるように適量の水で希釈して、土壌表面にむらなく散布した。処理後21日目に以下の基準に従って観察評価を行った。
結果を表7に示す。
<評価基準>
除草作用の評価は、殺草の百分率として薬剤処理区の地上部生草重および無処理区の地上部生草重を測定して、下記の式により求めたものである。完全枯死を100%とし、効果なしは0%で表される。
【0094】
【数1】
【0095】
なお、表中の括弧内の値は、混合剤の除草効果の予想値、すなわち相加効果の期待値を示している。期待値は、以下に示すコルビー(Colby)の式(Colby.S.R.; ”Calculating Synergistic and Antagonistic Responses of Herbicide Combinations” Weed,15(1)巻, 20−22, 1967)によって算出した。上記試験により測定した実測値(除草効果)が、この期待値より大きければ、除草活性に相乗作用が発現したということになる。
【0096】
【数2】
【0097】
[ ここで、X=除草剤Aをa g ai/ha使用した場合の除草効果、Y:除草剤B
をb g ai/ha使用した場合の除草効果を表す]
【0098】
【表3】
【0099】
【表4】
【0100】
【表5】
【0101】
【表6】
【0102】
【表7】
【0103】
【表8】
【0104】
上記の表3〜8に示されているように、置換ピラゾール誘導体単体だけでは、一部の雑草、たとえばスズメノカタビラ、スズメノテッポウ、ヒエ、メヒシバ、ホトケノザなどに対しては、必ずしも高い除草活性を有しない。そうした雑草についても、本発明の除草剤組成物は、混用する除草化合物の作用が置換ピラゾール誘導体を補完することにより優れた除草活性を示している。
【0105】
本発明の除草剤組成物は調べた雑草に対して、植物成長の選択的抑制作用を示し、雑草抑制の実測値はほとんどの場合で上記期待値より大きく、相乗効果があることを示している。また作物に対しては、ほとんどの場合に効果なしの0であり、安全性を実証するものである。
逆に、いずれの混合剤(リニュロン、イソプロツロン、ペンディメタリン、トリフルラリン、アラクロール、フルフェナセット、ビフェノックス、チフェンスルフロンメチル、IPC)も、置換ピラゾール誘導体との混用によりその作用の顕著な相乗的効果が認められた。
Claims (15)
- 下記の一般式[I]で表される置換ピラゾール誘導体の1種または2種以上と、
Xは、R1OOC、R1HNOC、R1R1NOC、シアノ基、5員または6員芳香族複素環式基を表し、
Wは、炭素数1〜3のアルキレン基またはNR1を表し、
Rは炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低級ハロアルキル基を表し、A、B、Dは、互いに同じでも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、またはR1、R1O、R1S、R1SO、R1SO2、(R1)2N、R1OOC、R1OR2、R1ON=CH、シアノ基、ニトロ基、炭素数2〜4の低級アルケニル基、炭素数2〜4の低級アルキニル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、Ph、PhCH2、PhO、PhCH2O、PhOR2、PhS、PhCH2S、PhSR2、PhCH2ON=CH、Naph、Hetよりなる群から選ばれる基を表すが、A、B、Dが同時に水素原子を表すことはなく、A、B、Dが同時に芳香族基または芳香族複素環式基を表すことはない。ここで、
R1は、炭素数1〜4の低級アルキル基または、炭素数1〜4の低級ハロアルキル基を表し、
R2は、炭素数1〜4の低級アルキレン基を表し、
Phは、無置換または置換基を有するフェニル基を表し、
Naphは、無置換または置換基を有するナフチル基を表し、
Hetは、無置換または置換基を有する5員または6員芳香族複素環式基を表す。]
混用される除草化合物として、ジニトロアニリン系化合物、ウレア系化合物、アミド系化合物、カーバメート系化合物、ジフェニルエーテル系化合物またはスルホニルウレア系化合物から選択される1種または2種以上の化合物とを
有効成分として含有することを特徴とする除草剤組成物。 - 上記置換ピラゾール誘導体が上記一般式[I]において、
XがR1OOC、
Wがメチレン基またはエチレン基、
Rがメチル基、
A、Bが、水素原子、ハロゲン原子、R1、R1Sのいずれかであって、
Dが無置換または置換基を有するフェニル基
[R1は、炭素数1〜4の低級アルキル基または、炭素数1〜4の低級ハロア ルキル基を表す。]
である、請求項1に記載の除草剤組成物。 - 上記置換ピラゾール誘導体が一般式[I]において、
Aがメチル基、Bが水素原子、Dがフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号2)、
Aがメチル基、Bが水素原子、Dが3−メチルフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号3)、
Aがメチル基、Bが水素原子、Dが2−クロロフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号4)、
Aがメチル基、Bが水素原子、Dが2,5−ジメチルフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号5)、
Aがメチル基、Bが水素原子、Dが2,3−ジクロロフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号6)、
Aがメチル基、Bが水素原子、Dが2,4−ジクロロフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号7)、
Aがメチル基、Bが水素原子、Dが2,5−ジクロロフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号8)、
Aがメチル基、Bが水素原子、Dが2,6−ジクロロフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号9)、
Aがメチル基、Bが水素原子、Dが3,4−ジクロロフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号10)、
Aがメチル基、Bが水素原子、Dが3,5−ジクロロフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号11)、
Aがメチル基、Bが塩素原子、Dがフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号12)、
Aが水素原子、Bがメチル基、Dがフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号13)、
Aが水素原子、Bがメチル基、Dが4−フルオロフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号14)、
Aが水素原子、Bが塩素原子、Dがフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号15)、
Aが水素原子、Bが塩素原子、Dが3−メトキシフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号16)、
Aがメチル基、Bが塩素原子、Dが3−メチルフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号17)、
Aがメチル基、Bが塩素原子、Dが2−クロロフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号18)、
Aがメチル基、Bが塩素原子、Dが2,5−ジメチルフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号19)、
Aがメチル基、Bが塩素原子、Dが2,3−ジクロロフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号20)、
Aがメチル基、Bが塩素原子、Dが2,4−ジクロロフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号21)、
Aがメチル基、Bが塩素原子、Dが2,5−ジクロロフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号22)、
Aがメチル基、Bが塩素原子、Dが2,6−ジクロロフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号23)、
Aがメチル基、Bが塩素原子、Dが3,4−ジクロロフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号24)、
Aがメチル基、Bが塩素原子、Dが3,5−ジクロロフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号25)、
Aがメチル基、Bが臭素原子、Dが3−メチルフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号26)、
Aがメチル基、Bが臭素原子、Dが2−クロロフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号27)、
Aがメチル基、Bが臭素原子、Dが2,5−ジメチルフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号28)、
Aがメチル基、Bが臭素原子、Dが2,3−ジクロロフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号29)、
Aがメチル基、Bが臭素原子、Dが2,4−ジクロロフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号30)、
Aがメチル基、Bが臭素原子、Dが2,5−ジクロロフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号31)、
Aがメチル基、Bが臭素原子、Dが3,5−ジクロロフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号32)、
Aがメチル基、Bがメチル基、Dがフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号33)、
Aがメチル基、Bがメチル基、Dが3−クロロフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号34)、
Aがメチル基、Bがメチル基、Dが4−クロロフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号35)、
Aがエチル基、Bが水素原子、Dがフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号36)、
Aがメチルチオ基、Bが水素原子、Dがフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号37)、
Aがメチルチオ基、Bが水素原子、Dが3−クロロフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号38)、
Aがエチル基、Bが塩素原子、Dがフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号39)、
Aがプロピル基、Bが塩素原子、Dが3−クロロフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号40)、
Aがメチルチオ基、Bが塩素原子、Dがフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号41)、
Aがメチルチオ基、Bが塩素原子、Dが3−クロロフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号42)、
Aがエチル基、Bが臭素原子、Dがフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号43)、
Aがメチルチオ基、Bが臭素原子、Dがフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号44)、
Aが塩素原子、Bがメチル基、Dがフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号45)、
Aが臭素原子、Bがメチル基、Dがフェニル基であって、Wがメチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号46)、または
Aが水素原子、Bがメチル基、Dがフェニル基であって、Wがエチレン基、Xがメトキシカルボニル基であり、Rがメチル基である置換ピラゾール誘導体(化合物番号47)、
である、請求項1に記載の除草剤組成物。 - 前記の混用される除草化合物が、ジニトロアニリン系化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の除草剤組成物。
- 前記ジニトロアニリン系化合物が、トリフルラリン、ペンディメタリン、ベスロジン、エタルフルラリン、プロジアミン、オリザリン、ブトラリン、フルメトラリン、ニトラリンから選ばれる一種類以上の化合物である請求項4に記載の除草剤組成物。
- 前記の混用される除草化合物が、ウレア系化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の除草剤組成物。
- 前記ウレア系化合物が、リニュロン、モノリニュロン、ネブロン、クロロトルロン、イソプロツロン、イソウロン、テブチウロン、エチジムロン、メタベンズチアズロン、ジメフロン、フルオメツロン、チアザフルロン、シクルロン、ジウロン、メトキスロン、ジデュロンから選ばれる一種類以上の化合物である請求項6に記載の除草剤組成物。
- 前記の混用される除草化合物が、アミド系化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の除草剤組成物。
- 前記アミド系化合物が、プロパクロール、ジメタクロール、メタザクロール、アラクロール、メトラクロール、S−メトラクロール、アセトクロール、プロピソクロール、フルフェナセット、ジメテナミド、プレチラクロール、テニルクロール、ブタクロール、カフェンストロール、フラムプロップメチル、フラムプロップMメチル、フラムプロップエチル、フラムプロップイソプロピル、フラムプロップMイソプロピル、ベンゾイルプロップエチルから選ばれる一種類以上の化合物である請求項8に記載の除草剤組成物。
- 前記の混用される除草化合物が、カーバメート系化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の除草剤組成物。
- 前記カーバメート系化合物が、トリアレート、EPTC、ブチレート、プロスルホカルブ、バルバン、オルソベンカーブ、バーナレート、IPCから選ばれる一種類以上の化合物である請求項10に記載の除草剤組成物。
- 前記の混用される除草化合物が、ジフェニルエーテル系化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の除草剤組成物。
- 前記ジフェニルエーテル系化合物が、ビフェノックス、アシフルオルフェン、オキシフルオルフェン、フルオログリコフェン、ラクトフェン、ホノサフェン、アクロニフェン、エトキシフェンエチル、ジクロホップメチルから選ばれる一種類以上の化合物である請求項12に記載の除草剤組成物。
- 前記の混用される除草化合物が、スルホニルウレア系化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の除草剤組成物。
- 前記スルホニルウレア系化合物が、アミドスルフロン、クロリムロンエチル、オキサスルフロン、プリミスルフロン、ホラムスルフロン、ベンスルフロンメチル、エトキシスルフロン、シクロスルファムロン、クロルスルフロン、メトスルフロンメチル、トリベニュロンメチル、ヨードスルフロン、イソスルフロンメチル、プロスルフロン、トリアスルフロン、エタメトスルフロンメチル、シノスルフロン、トリフルスルフロンメチル、チフェンスルフロンメチル、メソスルフロンメチル、ピラゾスルフロンエチル、アジムスルフロン、ハロスルフロンメチル、フラザスルフロン、トリフロキシスルフロン、リムスルフロン、ニコスルフロン、フルピルスルフロン、イマゾスルフロン、スルホスルフロンから選ばれる一種類以上の化合物である請求項14に記載の除草剤組成物。
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