【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粒柄とストライプ柄の両方を有する人工大理石を製造する為の方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、人工大理石は、例えば洗面台のカウンター、テーブルトップ等の部材として用いられている。この人工大理石は、通常、硬化性組成物を硬化させることにより製造される。そして、表面に模様を有する人工大理石を製造する方法として、液状樹脂を成形セルヘ注入する際に異色の合成樹脂素材を混入させる方法が、特公昭５９−１５６８号公報、特開平１−３１７７２３号公報等に記載されている。しかし、これらの方法は、模様の現出の再現性に欠けるという問題がある。また、人工大理石は表面を切削加工して用いることが多いが、この切削により模様が消失したり、大幅に変化してしまう場合がある。更に、模様の現出の為に異質の材料を使用する場合は、硬化速度に差が生じたり、材料間で物性差が発現し易いので、模様の無いものと比較すると人工大理石としての機械的性能が低下する場合がある。
【０００３】
特開平１０−１２８７７１号公報には、異色の液状樹脂を二層以上積層し、櫛状の部材を成形セル中で移動させた後、硬化させて人工大理石を製造する方法が記載されている。この方法によれば、鮮明な外観のストライプ柄を簡略に形成でき、かつ柄のコントロールも容易に行うことができる。また、特開平１０−３２３８４８号公報には、着色剤が不均一に分散された液状樹脂の層の上に異色の液状樹脂を一層以上積層し、櫛状の部材を成形セル中で移動させた後、硬化させて人工大理石を製造する方法が記載されている。この方法によれば、微妙な色合いを持ち、質感、深み感に富んだ天然木や天然大理石の外観のストライプ柄を形成でき、かつ柄のコントロールも容易に行うことができる。また、これら方法により製造した人工大理石は、天然の木質様材料やその他の天然大理石に比べると、外観の点で優れている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術よりも、例えば、より高級感のある御影石調を有するなど、外観の点で更に優れた人工大理石を、簡易かつ良好に製造する為になされたものである。
【０００５】
すなわち、本発明の目的は、天然の御影石が持つ立体感と質感、深みのある色柄を有し、高級感があり、粒柄とストライプ柄を併せ持った外観が形成でき、かつこれらの柄のコントロールが容易である人工大理石の製造方法を提供することにある。
【０００６】
本発明の他の目的は、厚み方向にも連続的に形成でき、表面を切削しても消失しないストライプ柄を発現させることができる人工大理石の製造方法を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明は、直径０．１〜５．０ｍｍの樹脂粒子０．５〜３０質量％を含む硬化性組成物（Ａ）を成形セル内に注入し、注入した硬化性組成物（Ａ）の上に異色の硬化性組成物（Ｂ）を一層以上層状に積層し、櫛状の部材を、その歯を前記成形セルの底面に接触させつつ積層された硬化性組成物（Ａ）および（Ｂ）中を移動させた後、硬化させる工程を有する粒柄とストライプ柄の両方を有する人工大理石の製造方法である。
【０００８】
【発明の実施の形態】
本発明の方法では、人工大理石の原料となる硬化性組成物を複数種使用する。最初に注入して最下層を構成する硬化性組成物（Ａ）は、製品の有意面でベースの色調を呈するものである。この硬化性組成物（Ａ）は、直径０．１〜５．０ｍｍの樹脂粒子を、硬化性組成物（Ａ）の質量を基準として０．５〜３０質量％含んでいる。
【０００９】
樹脂粒子の組成は特に制限されないが、硬化性組成物（Ａ）中の樹脂粒子以外の部分の組成とほぼ同等であることが好ましい。代表的なものとしては、メタクリル酸エステル等の単量体とその重合体の混合物であるシラップに、充填剤、着色剤、硬化開始剤等を添加して硬化させたものが挙げられる。樹脂粒子を構成するシラップの量は、樹脂粒子の質量を基準として２０〜６０質量％が好ましい。また、樹脂粒子を構成する充填剤の量は、樹脂粒子の質量を基準として４０〜８０質量％が好ましい。
【００１０】
充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の無機充填剤や、木粉等の有機質充填剤が挙げられる。また、樹脂粒子は着色してあることが好ましい。その為に用いる着色剤としては、例えば、酸化チタン、硫化亜鉛、硫酸バリウム、酸化鉄、カーボンブラック、ベンガラ、朱、カドミウム赤、コバルト青、コバルト紫等の無機顔料や、フタロシアニン系、アゾ系、トリフェニルメタン系、キノリン系等の有機顔料が挙げられる。これら以外にも、従来より人工大理石の添加成分として知られている各種の成分、例えば染料、紫外線吸収剤、難燃剤、離型剤、流動化剤、増粘剤、重合禁止剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
【００１１】
樹脂粒子の製法の好ましい例としては、これら諸成分から成る組成物を硬化させた後、その硬化物を粉砕する方法が挙げられる。粉砕手段としては、例えば、ボールミル、ロッドミル、塔式摩砕機、振動ミル、ロールミル、ブレーキクラッシャー、ロールクラッシャー、ハンマーミル等がある。これら粉砕手段は、組み合わせて使用してもよい。
【００１２】
樹脂粒子の直径は、０．１〜５．０ｍｍの範囲内である。この直径を０．１ｍｍ以上にすれば、重合硬化組成物である人工大理石において満足できる美的特性が得られる。ただし、この直径が５．０ｍｍよりも大きい場合、例えば５．０ｍｍ〜１５．０ｍｍ程度の直径の樹脂粒子が存在すると、耐衝撃性、耐熱クラック性などが悪くなる傾向がある。樹脂粒子の直径は、特に０．１〜３．０ｍｍの範囲内であることが好ましい。
【００１３】
また、硬化した組成物を粉砕することにより樹脂粒子を製造する場合は、粉砕後に分級させて、細かい粒子と粗い粒子に分けて配合することも好ましい。各々の色調の粒子を細かい粒子と粗い粒子に分けて配合することにより、より深みのある色調および外観を得ることができる。さらに両者の混合比を変化させることにより、人工大理石の外観を調整することも容易となる。
【００１４】
硬化性組成物（Ａ）中の樹脂粒子の含有量は、硬化性組成物（Ａ）の質量を基準として０．５〜３０質量％の範囲内である。この量が０．５質量％未満では、粒の柄が少な過ぎて外観上好ましくない。また、３０質量％を超えた場合も外観上好ましくなく、かつ耐衝撃性、耐熱クラック性等の特性が悪くなる傾向にある。さらに好ましい含有量は、３〜２０質量％である。
【００１５】
硬化性組成物（Ａ）中の樹脂粒子以外の部分の組成は、特に制限されない。代表的なものとしては、メタクリル酸エステル等の単量体とその重合体の混合物であるシラップに、充填剤、着色剤、硬化開始剤等を添加したものが挙げられる。シラップの量は、硬化性組成物（Ａ）中の樹脂粒子以外の部分の質量を基準として３０〜７０質量％が好ましい。また、充填剤の量は、硬化性組成物（Ａ）中の樹脂粒子以外の部分の質量を基準として３０〜７０質量％が好ましい。
【００１６】
充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の無機充填剤や、木粉等の有機質充填剤が挙げられる。着色剤としては、例えば、白色の酸化チタンや硫化亜鉛、黄色の酸化鉄イエロー、黒色の酸化鉄ブラック、赤色の酸化鉄レッド、青色のウルトラマリンブルーやフタロシアニンブルー等が挙げられる。硬化触媒としては、例えば、ターシャリーブチルパーオキシマレイン酸、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロパーオキサイド、ターシャリーブチルヒドロペルオキサイド、過酸化ラウロイル、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。これら以外にも、従来より人工大理石の添加成分として知られている各種の成分、例えば染料、紫外線吸収剤、難燃剤、離型剤、流動化剤、増粘剤、重合禁止剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
【００１７】
硬化性組成物（Ａ）の好ましい一例として、着色剤が不均一に分散された硬化性組成物が挙げられる。このような不均一分散組成物は、例えば、組成物中に着色剤を添加し、不十分に撹拌すること等により製造できる。着色剤の不均一な分散の度合は、個々の製品に対しての外観要求により変更が可能であるが、少なくとも目視により硬化性組成物（Ａ）中に着色剤が均一には分散されていないことが認識できればよい。このような不均一分散組成物を使用すると、得られる人工大理石の品位が向上し、より自然な外観のものが得られる。成形セル内への不均一分散組成物の注入は種々の方法で実施できるが、この不均一分散組成物が製品の優位面で有する組成物の流れ模様に一定方向の流れの向きを付与するようにして行い、後述する櫛状部材の移動の方向と一致しているのが好ましい。不均一分散組成物の注入方法は、不均一分散組成物の供給容器を成形セルに対して一方向へ相対的に移動させつつ注入する方法などが好ましい例として挙げられる。
【００１８】
本発明に用いる硬化性組成物（Ｂ）の組成は特に制限されない。代表的なものとしては、メタクリル酸エステル等の単量体とその重合体の混合物であるシラップに、充填剤、着色剤、硬化開始剤等を添加したものが挙げられる。シラップの量は、硬化性組成物（Ｂ）の質量を基準として２０〜６０質量％が好ましい。また、充填剤の量は、硬化性組成物（Ｂ）の質量を基準として４０〜８０質量％が好ましい。充填剤、着色剤、硬化触媒、およびその他の各種成分の具体例としては、硬化性組成物（Ａ）に関して先に挙げた各種具体例と同様のものを挙げることができる。
【００１９】
硬化性組成物（Ｂ）は、樹脂粒子を含有していてもよいし、含有していなくてもよい。樹脂粒子を含有する場合は、樹脂粒子の直径は５．０ｍｍ以下であることが好ましい。この直径が５．０ｍｍよりも大きい場合、例えば５．０ｍｍ〜１５．０ｍｍ程度の直径の樹脂粒子が存在すると、耐衝撃性、耐熱クラック性などが悪くなる傾向にある。
【００２０】
また、硬化性組成物（Ｂ）が樹脂粒子を含有する場合、その含有量は、硬化性組成物（Ｂ）の質量を基準として３０質量％以下であることが好ましい。この量が３０質量％を超えると、耐衝撃性、耐熱クラック性等の特性が悪くなる傾向にある。さらに好ましい含有量は、２０質量％以下である。
【００２１】
本発明においては、例えば、まず、樹脂粒子を含有する硬化性組成物（Ａ）を成形セル内に注入し、最下層を形成する。次いで、この注入した硬化性組成物（Ａ）の上に、これとは異なる色の硬化性組成物（Ｂ）を層状に積層させる。この積層の際には、下層の硬化性組成物（Ａ）との界面があまり乱れないようにして、上層の硬化性組成物（Ｂ）を注入することが好ましい。本発明にいう異色の硬化性組成物とは、色調の異なるもの、すなわち着色濃度および色相の少なくとも一方が異なる硬化性組成物をいう。また、本発明の方法では、硬化性組成物として異色のものを少なくとも二種用いる。すなわち、三種以上の異色の硬化性組成物（Ａ）および（Ｂ）を三層以上に積層してもよい。
【００２２】
硬化性組成物（Ａ）および（Ｂ）は、セル内の全面で均一な厚みで積層されていることが、模様の発現をコントロールする上で好ましい。ただし、部分的に積層厚にむらが有っても、これが直接的にストライプ柄と粒柄の発現に影響を与えるものではない。硬化性組成物（Ａ）および（Ｂ）の積層厚は特に制限されないが、各層の厚みは２〜２０ｍｍ程度が好ましい。特に、下層の硬化性組成物（Ａ）の層の厚みを適度に薄くすれば、櫛状の部材の歯を成形セルの底面に接触させつつ移動させた際に、上層の硬化性組成物（Ｂ）がセルの底面に到達するのが容易になるので好ましい。また、下層の硬化性組成物（Ａ）の層の厚みを適度に厚くすることは、模様が乱れ難いので制御が容易になると共に、人工大理石の切削の厚みの制限も緩和されるので好ましい。
【００２３】
硬化性組成物（Ａ）および（Ｂ）に関して、本発明の方法に対して特に大きな影響をもつのは、硬化性組成物の粘度である。その粘度としては、０．３〜５．０Ｐａ・ｓの範囲内の値であることが、一つの好ましい例として挙げられる。粘度を適切な値にすれば、樹脂粒子の均一分散やストライプ模様の発現をコントロールすることが容易になり、また、樹脂粒子、充填剤、着色剤等の添加物の沈降を防ぐこともできる。
【００２４】
本発明においては、硬化性組成物（Ａ）の上に硬化性組成物（Ｂ）を一層以上層状に積層した後、櫛状の部材を、その歯を成形セルの底面に接触させつつ硬化性組成物（Ａ）および（Ｂ）を梳くようにして移動させる。このように櫛状部材を硬化性組成物（Ａ）および（Ｂ）中で移動させると、誇張した表現をすれば、櫛状部材の歯が通過した跡には硬化性組成物（Ａ）が押しのけられた窪みが生じ、そこへ上層の異色の硬化性組成物（Ｂ）が流れ込むことになる。これにより、櫛状部材の歯の通過跡にはセルの底面まで上層の異色の硬化性組成物（Ｂ）が侵入して、底面を有意面とした場合に、櫛状部材の歯の通過跡にストライプ柄が形成されることになる。
【００２５】
図１は、上述のように櫛状部材を硬化性組成物中で移動させる工程の一例を示す模式図である。図１に示す例においては、樹脂粒子を含む硬化性組成物（Ａ）２が下層として形成され、その上に異色の硬化性組成物（Ｂ）３が一層、積層形成されており、この両層中に櫛状部材１の歯の部分を下層の底面まで浸漬し、歯の通過跡に上層の異色の硬化性組成物（Ｂ）３が底面にまで流れ込むように、櫛状部材１を移動させている。
【００２６】
本発明の方法では、櫛状部材の歯の通過跡に上層の異色の硬化性組成物（Ｂ）が流れ込むことが必要であり、ここへ下層部にある硬化性組成物（Ａ）だけが流れ込んだのではストライプ柄は形成されない。したがって、歯の通過跡に窪みが形成できることが必要である。この窪みの発生には、硬化性組成物（Ａ）および（Ｂ）の粘度、櫛状部材の移動速度、櫛状部材の形状等の種々の因子が相互に関連している。したがって、この窪みをうまく発生するための条件は一律的に定まるものではなく、種々の条件に応じて適宜、決定すればよい。
【００２７】
櫛状部材の歯の移動速度は、硬化性組成物（Ａ）および（Ｂ）の粘度との関係で重要である。歯の移動速度が余り遅いと歯の通過跡に窪みができないので、上層の異色の硬化性組成物（Ｂ）がセルの底面まで到達できず、ストライプ柄が形成できない。櫛状部材の移動速度としては、一般的には１〜１０ｃｍ／秒程度が好ましい。櫛状部材を直線的に移動させて直線的なストライプ柄を形成するのが一般的であるが、これを蛇行して移動させて蛇行したストライプ柄を形成することもできる。櫛状部材は、複数回移動させることもできる。複数回移動させるとストライプ柄に揺らぎや間隔に変化が生じ、自然な趣の人工大理石が得られるので、本発明の方法の好ましい態様である。
【００２８】
本発明に用いる櫛状部材としては、硬化性組成物に対して不活性であり、接着性を呈さない材料からなるものが適当である。そのような材料の具体例としては、アルミニウム等の金属や、ポリテトラフルオロエチレンでコートされた有機材料等が挙げられる。
【００２９】
図２は、本発明に用いる櫛状部材の一例を示す模式図である。図２に示す櫛状部材４は、所望の間隔で平行に一列に配列された短冊状の複数の歯４と、それら複数の歯４の片端を連結する部分から成る。
【００３０】
櫛状部材の歯の長さは、上層の硬化性組成物（Ｂ）に不必要な乱れを生じさせないように、積層された全硬化性組成物の総層よりも、十分長いものであることが適当である。また、歯の幅（歯の移動方向に垂直な長さ）は、１〜２０ｍｍが好ましい。歯の幅は、形成されるストライプの幅と一致するものではないが、その幅に影響を与える。歯の厚み（歯の移動方向の長さ）は、歯の機械的強度が保たれる厚みであればよく、ストライプ柄の形成にはあまり影響しない。歯の断面形状は、流線形はあまり適当ではなく、歯の通過跡の硬化性組成物に乱流が発生するような角形形状が適当である。また、歯の先端の形状は、成形セル底面に密着できるように平坦面を有することが好ましい。多数回の移動をいとわなければ、歯の本数は１本でもよく、所望のストライプ柄に応じて適当な歯の本数および歯の間隔を選択すればよい。
【００３１】
本発明においては、櫛状部材を移動させて硬化性組成物（Ａ）の層の底面にストライプ柄を形成した後、硬化性組成物（Ａ）および（Ｂ）を硬化させる。そして、この硬化物を成形セルから取り出して、人工大理石を得る。この人工大理石には、セル底面との接触面側の表面にストライプ柄が形成されている。このストライプ柄は、異色の硬化性組成物の流動混合に基づき形成されたものなので、定規で線引きしたのとは違った自然なゆらぎをもったラインのストライプ模様である。さらに、本発明によれば、このストライプの色および柄と、硬化性組成物（Ａ）に含まれている樹脂粒子の色およびサイズとの組み合わせにより、今までの人工大理石には無い、全く新しい外観のものを提供することができる。
【００３２】
以上の説明においては、主としてバッチ式の注型法による実施形態について説明したが、連続式キャスト成形法による方法も可能である。連続式キャスト成形法においては、例えば、セルとして移動するステンレスベルトとその両側に設置されたゴムや樹脂等で作成された硬化性組成物を堰き止めるための枠が使用される。すなわち本発明においては、櫛状部材を静止固定しておき、ステンレスベルト側（成形セル側）を移動させることによって、櫛状部材が硬化性組成物中を相対的に移動するようにしてもよい。
【００３３】
このようにして得た人工大理石は、その表面を研削することにより、よりクリアーな商品価値の高い御影石調の外観を得ることができる。表面研削の深さは、添加した樹脂粒子のサイズによって異なるが、最大サイズの粒子の半径以上の深さで行うことが好ましい。
【００３４】
本発明により得た人工大理石は、例えば、住宅におけるキッチン天板、洗面化粧台、バスタブ、テーブル、壁材、家具、インテリア小物など、各種の用途に使用できる。
【００３５】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、以下の実施例において、シラップには、メタクリル酸メチル８０質量％とメタクリル酸メチル重合体２０質量％を混合したものを使用した。
【００３６】
［製造例１：白色１樹脂粒子（Ｐ１、Ｐ２）の製造］
表１記載の配合１の各成分を混合し、攪拌しつつ真空脱気した。この真空脱気した混合物を、ＰＶＡ（ポリビニルアルコール）フィルムを敷いた型枠（２８℃に加熱）中に注入し、その上からＰＶＡフィルムを張り付けた。さらに、この上にウレタンマットを載せ、保温し、しばらく放置することにより、シート状の硬化物を得た。この硬化物を切断機で小さく切断し、ハンマ−ミルで粉砕し、粉砕物を篩で分別することにより、直径０．５ｍｍより大きく１．７ｍｍ以下の白色１樹脂粒子（Ｐ１）、直径０．１ｍｍ以上０．５ｍｍ以下の白色１樹脂粒子（Ｐ２）を得た。
【００３７】
［製造例２：白色２樹脂粒子（Ｐ３、Ｐ４）の製造］
表１記載の配合２の各成分を用いたこと以外は、製造例１と同様にして、直径１．７ｍｍ以上３．０ｍｍ以下の白色２樹脂粒子（Ｐ３）、直径０．１ｍｍ以上０．５ｍｍ以下の白色２樹脂粒子（Ｐ４）を得た。
【００３８】
［製造例３：黒色樹脂粒子（Ｐ５）の製造］
表１記載の配合３の各成分を用いたこと以外は、製造例１と同様にして、直径０．１ｍｍ以上０．５ｍｍ以下の黒色樹脂粒子（Ｐ５）を得た。
【００３９】
［製造例４：茶色樹脂粒子（Ｐ６）の製造］
表１記載の配合４の各成分を用いたこと以外は、製造例１と同様にして、直径０．１ｍｍ以上０．５ｍｍ以下の茶色樹脂粒子（Ｐ６）を得た。
【００４０】
【表１】
【００４１】
＜実施例１＞
表２記載の配合５の各成分を混合し、攪拌しつつ真空脱気し、白色１樹脂粒子（Ｐ２）、黒色樹脂粒子（Ｐ５）を含む薄い黒色の硬化性組成物（Ａ１）を調製した。また、表２記載の配合７の各成分を混合し、攪拌しつつ真空脱気し、白色の硬化性組成物（Ｂ１）を調製した。この２つの硬化性組成物の粘度は、何れも１．０Ｐａ・ｓであった。
【００４２】
上述のようにして調製した硬化性組成物（Ａ１）を、３０ｃｍ角のトレイ状成形セル中に、厚みが７ｍｍとなるように層状に注入した。一方、硬化性組成物（Ｂ１）は、まず、図３に示す一つのパーン状容器へ移した。そして、この容器内の硬化性組成物（Ｂ１）を、先に注入した硬化性組成物（Ａ１）上に、界面を崩さないように注入して、注入厚み７ｍｍの上層を積層形成した。
【００４３】
次いで、図２に示した形状の櫛状部材１を成形セルの一端に浸漬し、その歯を成形セルの底面に接触させつつ、他端へ向けてまっすぐ５０ｍｍ／秒で移動させた。この櫛状部材１は、厚み３ｍｍのポリテトラフルオロエチレン板で作製したものであり、歯の幅は５ｍｍ、歯の間隔は２５ｍｍである。櫛状部材の移動後、成形セルに蓋をして、３０分間保温しながら放置することにより、シート状の硬化物を得た。
【００４４】
この硬化物の表面を木工用プレーナーで０．３ｍｍ深さに削り、１２０番、４００番、６００番のサンドペーパーで順に研磨したところ、粒柄とストライプ柄の両方を有し、クリアーで商品価値の高い御影石調の人工大理石が得られた。
【００４５】
＜実施例２＞
表２記載の配合６の各成分を混合し、攪拌しつつ真空脱気し、白色１樹脂粒子（Ｐ１、Ｐ２）、白色２樹脂粒子（Ｐ３、Ｐ４）、黒色樹脂粒子（Ｐ５）、茶色樹脂粒子（Ｐ６）を含む薄い黒色の硬化性組成物（Ａ２）を調製した。また、表２記載の配合７の各成分を混合し、攪拌しつつ真空脱気し、白色の硬化性組成物（Ｂ１）を調製した。この２つの硬化性組成物の粘度は、何れも１．０Ｐａ・ｓであった。
【００４６】
上述のようにして調製した硬化性組成物（Ａ２）を、３０ｃｍ角のトレイ状成形セル中に、実施例１と同様に注入した。一方、硬化性組成物（Ｂ１）も硬化性組成物（Ａ２）上に、実施例１と同様にして積層し、同様に櫛状部材を移動させ、硬化させ、プレーナーで削り、サンドペーパーで研磨したところ、粒柄とストライプ柄の両方を有し、微妙な色合い、深み、質感のある人工大理石が得られた。
【００４７】
＜実施例３＞
まず、実施例２と同様にして白色１樹脂粒子（Ｐ１、Ｐ２）、白色２樹脂粒子（Ｐ３、Ｐ４）、黒色樹脂粒子（Ｐ５）、茶色樹脂粒子（Ｐ６）を含む薄い黒色の硬化性組成物（Ａ２）を調製し、この硬化性組成物（Ａ２）の２分の１を取り分けて、３０ｃｍ角のトレイ状成形型中に、厚みが７ｍｍとなるように層状に注入した。
【００４８】
一方、残りの２分の１の硬化性組成物（Ａ２）に、着色剤組成物［白顔料（ペンカラー製、商品名１１Ｗ１１８０）４．５ｇとシラップ１０．５ｇを良く混ぜ合わせたもの］を添加して、均一に混合し、白色１樹脂粒子（Ｐ１、Ｐ２）、白色２樹脂粒子（Ｐ３、Ｐ４）、黒色樹脂粒子（Ｐ５）、茶色樹脂粒子（Ｐ６）を含む灰色の硬化性組成物（Ｂ２）を得た。この硬化性組成物（Ｂ２）を、硬化性組成物（Ａ２）の上に実施例１と同様にして積層し、同様に櫛状部材を移動させ、硬化させ、プレーナーで削り、サンドペーパーで研磨したところ、粒柄とストライプ柄の両方を有し、微妙な色合い、深み、質感のある人工大理石が得られた。
【００４９】
＜実施例４＞
まず、実施例２と同様にして白色１樹脂粒子（Ｐ１、Ｐ２）、白色２樹脂粒子（Ｐ３、Ｐ４）、黒色樹脂粒子（Ｐ５）、茶色樹脂粒子（Ｐ６）を含む硬化性組成物（Ａ２）を調製した。この硬化性組成物（Ａ２）の２分の１を取り分け、これに着色剤組成物［黒顔料（ペンカラー製、商品名１１Ｂ１５１３）０．０３ｇとシラップ９．９７ｇを良く混ぜ合わせたもの］を添加しつつ、完全には混ざらないように１０秒間、攪拌棒で程よく攪拌し、不完全混合の硬化性組成物（Ａ３）を調製した。この硬化性組成物（Ａ３）の外観は、薄い黒と濃い黒との斑模様を有していた。この硬化性組成物（Ａ３）を、３０ｃｍ角のトレイ状成形型中に、厚みが７ｍｍとなるように、また、成形セルに対して層状に一方向へ移動させながら、注入した。
【００５０】
一方、残りの２分の１の硬化性組成物（Ａ２）を用い、実施例３と同様にして灰色の硬化性組成物（Ｂ２）を得た。この硬化性組成物（Ｂ２）を、硬化性組成物（Ａ３）の上に実施例１と同様にして積層し、同様に櫛状部材を硬化性組成物（Ａ３）の流れ模様の向きと同じ方向に移動させた。これを硬化させ、プレーナーで削り、サンドペーパーで研磨したところ、粒柄とストライプ柄の両方を有し、微妙な色合い、深み、質感のある人工大理石が得られた。
【００５１】
【表２】
【００５２】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、粒のサイズや色とストライプ柄の色柄との組み合わせにより、例えば、天然の御影石がもつ立体感と質感、深みのある色柄を有し、高級感のある御影石調などの優れた外観を有する人工大理石を、簡易かつ良好に製造することができる。
【００５３】
さらに、このストライプ柄は人工大理石の厚み方向にも連続的に形成されているので、人工大理石の表面を切削しても柄が消失することはない。また、櫛状部材の歯の形態や歯の移動方向等をコントロールすることにより、ストライプ柄の幅や走行方向の調製が可能である。さらに、人工大理石のベース部分とストライプ柄部分の成分をほぼ同一にすれば、柄の付与による人工大理石の機械的物性低下も無い。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明において櫛状部材を移動させる工程の一例を示す模式図である。
【図２】本発明に用いる櫛状部材の一例を示す模式図である。
【図３】本発明の実施例で用いたパーン状容器を示す斜視図である。
【符号の説明】
１ 櫛状部材
２ 樹脂粒子を含む硬化性組成物（Ａ）
３ 硬化性組成物（Ｂ）
４ 歯[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing artificial marble having both grain and stripe patterns.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, artificial marble has been used as a member such as a counter of a wash basin, a table top, and the like. This artificial marble is usually produced by curing a curable composition. As a method of producing artificial marble having a pattern on the surface, a method of mixing a synthetic resin material of a different color when injecting a liquid resin into a molding cell is disclosed in JP-B-59-1568 and JP-A-1-317723. And so on. However, these methods have a problem that the reproducibility of appearance of the pattern is lacking. Also, artificial marble is often used by cutting its surface, but this cutting may cause the pattern to disappear or change significantly. Furthermore, when a different material is used for the appearance of the pattern, there is a difference in the curing speed or a difference in the physical properties between the materials is likely to occur. Performance may decrease.
[0003]
Japanese Patent Application Laid-Open No. H10-128771 describes a method of manufacturing artificial marble by laminating two or more layers of liquid resins of different colors, moving a comb-shaped member in a molding cell, and then curing the member. According to this method, a stripe pattern having a clear appearance can be simply formed, and the pattern can be easily controlled. Japanese Patent Application Laid-Open No. H10-323848 discloses that one or more different-color liquid resins are laminated on a layer of a liquid resin in which a colorant is unevenly dispersed, and a comb-shaped member is moved in a molding cell. Thereafter, a method for producing an artificial marble by curing is described. According to this method, it is possible to form a striped pattern having the appearance of a natural wood or a natural marble, which has a subtle hue and is rich in texture and depth, and the pattern can be easily controlled. Moreover, the artificial marble produced by these methods is superior in appearance in comparison with natural woody materials and other natural marbles.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in order to easily and satisfactorily produce an artificial marble having an even more excellent appearance, such as having a more luxurious granite tone than the above-described conventional technology.
[0005]
That is, an object of the present invention is to provide a three-dimensional appearance and texture of natural granite, a deep color pattern, a luxurious feeling, an appearance having both a grain pattern and a stripe pattern, and the formation of these patterns. An object of the present invention is to provide a method for producing artificial marble that is easy to control.
[0006]
Another object of the present invention is to provide a method for producing artificial marble that can be formed continuously in the thickness direction and can exhibit a stripe pattern that does not disappear even when the surface is cut.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
According to the present invention, a curable composition (A) containing resin particles having a diameter of 0.1 to 5.0 mm and containing 0.5 to 30% by mass is injected into a molding cell, and the curable composition (A) is injected onto the curable composition. The curable compositions (A) and (B) in which the curable composition (B) having a different color is laminated in one or more layers, and the comb-shaped members are laminated while their teeth are in contact with the bottom surface of the molding cell. This is a method for producing artificial marble having both a grain pattern and a stripe pattern, which has a step of hardening after moving inside.
[0008]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
In the method of the present invention, a plurality of curable compositions serving as raw materials for artificial marble are used. The curable composition (A), which is injected first to form the lowermost layer, exhibits a base color tone in a significant aspect of the product. The curable composition (A) contains 0.5 to 30% by mass of resin particles having a diameter of 0.1 to 5.0 mm based on the mass of the curable composition (A).
[0009]
The composition of the resin particles is not particularly limited, but is preferably substantially the same as the composition of a portion other than the resin particles in the curable composition (A). A typical example is a syrup that is a mixture of a monomer such as methacrylic acid ester and a polymer thereof, and is cured by adding a filler, a coloring agent, a curing initiator, and the like. The amount of the syrup constituting the resin particles is preferably 20 to 60% by mass based on the mass of the resin particles. The amount of the filler constituting the resin particles is preferably 40 to 80% by mass based on the mass of the resin particles.
[0010]
Examples of the filler include inorganic fillers such as aluminum hydroxide, magnesium hydroxide, and calcium hydroxide, and organic fillers such as wood flour. Further, the resin particles are preferably colored. Examples of coloring agents used for this purpose include, for example, inorganic pigments such as titanium oxide, zinc sulfide, barium sulfate, iron oxide, carbon black, red iron, red, cobalt blue, and cobalt purple, and phthalocyanine and azo-based pigments. Organic pigments such as triphenylmethane-based and quinoline-based pigments are exemplified. In addition to these, various components conventionally known as additive components of artificial marble, for example, dyes, ultraviolet absorbers, flame retardants, release agents, flow agents, thickeners, polymerization inhibitors, antioxidants Etc. can also be added.
[0011]
A preferred example of the method for producing the resin particles is a method in which a composition comprising these components is cured, and then the cured product is pulverized. Examples of the crushing means include a ball mill, a rod mill, a tower crusher, a vibration mill, a roll mill, a brake crusher, a roll crusher, and a hammer mill. These crushing means may be used in combination.
[0012]
The diameter of the resin particles is in the range of 0.1 to 5.0 mm. When the diameter is 0.1 mm or more, satisfactory aesthetic properties can be obtained in artificial marble, which is a polymerization-curable composition. However, when the diameter is larger than 5.0 mm, for example, if resin particles having a diameter of about 5.0 mm to 15.0 mm are present, the impact resistance, the heat crack resistance and the like tend to be deteriorated. The diameter of the resin particles is particularly preferably in the range of 0.1 to 3.0 mm.
[0013]
In the case where resin particles are produced by pulverizing the cured composition, it is also preferable to classify the mixture after pulverization and to mix fine particles and coarse particles separately. By blending the particles of each color tone into fine particles and coarse particles, a deeper color tone and appearance can be obtained. Further, the appearance of the artificial marble can be easily adjusted by changing the mixing ratio of the two.
[0014]
The content of the resin particles in the curable composition (A) is in the range of 0.5 to 30% by mass based on the mass of the curable composition (A). If this amount is less than 0.5% by mass, the grain pattern is too small, which is not preferable in appearance. Also, when the content exceeds 30% by mass, appearance is not preferable, and properties such as impact resistance and heat crack resistance tend to deteriorate. A more preferred content is 3 to 20% by mass.
[0015]
The composition of the portion other than the resin particles in the curable composition (A) is not particularly limited. A typical example is a syrup, which is a mixture of a monomer such as methacrylic acid ester and a polymer thereof, and a filler, a coloring agent, a curing initiator, and the like added thereto. The amount of the syrup is preferably from 30 to 70% by mass based on the mass of the portion other than the resin particles in the curable composition (A). Further, the amount of the filler is preferably 30 to 70% by mass based on the mass of the portion other than the resin particles in the curable composition (A).
[0016]
Examples of the filler include inorganic fillers such as aluminum hydroxide, magnesium hydroxide, and calcium hydroxide, and organic fillers such as wood flour. Examples of the colorant include white titanium oxide and zinc sulfide, yellow iron oxide yellow, black iron oxide black, red iron oxide red, blue ultramarine blue, phthalocyanine blue, and the like. Examples of the curing catalyst include tertiary butyl peroxymaleic acid, benzoyl peroxide, cumene hydroperoxide, tertiary butyl hydroperoxide, lauroyl peroxide, azobisisobutyronitrile, and the like. In addition to these, various components conventionally known as additive components of artificial marble, for example, dyes, ultraviolet absorbers, flame retardants, release agents, flow agents, thickeners, polymerization inhibitors, antioxidants Etc. can also be added.
[0017]
A preferable example of the curable composition (A) is a curable composition in which a coloring agent is dispersed non-uniformly. Such a heterogeneous dispersion composition can be produced, for example, by adding a colorant to the composition and stirring the mixture insufficiently. The degree of non-uniform dispersion of the colorant can be changed depending on the appearance requirements for each product, but the colorant is not uniformly dispersed in the curable composition (A) at least visually. It just needs to be recognized. When such a heterogeneous dispersion composition is used, the quality of the obtained artificial marble is improved, and a more natural appearance can be obtained. The injection of the heterogeneous dispersion composition into the molding cell can be carried out by various methods, and the heterogeneous dispersion composition may impart a unidirectional flow direction to the flow pattern of the composition having a superior surface of the product. It is preferable that the direction of movement is the same as the direction of movement of the comb-like member described later. As a preferable example of the method for injecting the heterogeneous dispersion composition, a method in which the supply container for the heterogeneous dispersion composition is relatively moved in one direction with respect to the molding cell and then injected is used.
[0018]
The composition of the curable composition (B) used in the present invention is not particularly limited. A typical example is a syrup, which is a mixture of a monomer such as methacrylic acid ester and a polymer thereof, and a filler, a coloring agent, a curing initiator, and the like added thereto. The amount of the syrup is preferably 20 to 60% by mass based on the mass of the curable composition (B). Further, the amount of the filler is preferably from 40 to 80% by mass based on the mass of the curable composition (B). Specific examples of the filler, the colorant, the curing catalyst, and other various components include the same as the various specific examples described above for the curable composition (A).
[0019]
The curable composition (B) may or may not contain resin particles. When resin particles are contained, the diameter of the resin particles is preferably 5.0 mm or less. When the diameter is larger than 5.0 mm, for example, if resin particles having a diameter of about 5.0 mm to 15.0 mm are present, impact resistance, heat crack resistance, and the like tend to deteriorate.
[0020]
When the curable composition (B) contains resin particles, the content is preferably 30% by mass or less based on the mass of the curable composition (B). If this amount exceeds 30% by mass, properties such as impact resistance and heat crack resistance tend to deteriorate. A more preferred content is 20% by mass or less.
[0021]
In the present invention, for example, first, a curable composition (A) containing resin particles is injected into a molding cell to form a lowermost layer. Next, a curable composition (B) of a different color is layered on the injected curable composition (A). In this lamination, it is preferable to inject the upper layer curable composition (B) so that the interface with the lower layer curable composition (A) is not so disturbed. The curable composition of a different color referred to in the present invention refers to a curable composition having a different color tone, that is, a curable composition having at least one of a different coloring density and a different hue. In the method of the present invention, at least two kinds of curable compositions having different colors are used. That is, three or more different types of curable compositions (A) and (B) may be laminated in three or more layers.
[0022]
It is preferable that the curable compositions (A) and (B) are laminated with a uniform thickness over the entire surface in the cell in order to control the appearance of the pattern. However, even if the lamination thickness is partially uneven, this does not directly affect the appearance of the stripe pattern and the grain pattern. The lamination thickness of the curable compositions (A) and (B) is not particularly limited, but the thickness of each layer is preferably about 2 to 20 mm. In particular, if the thickness of the lower layer of the curable composition (A) is appropriately reduced, when the teeth of the comb-shaped member are moved while being in contact with the bottom surface of the molding cell, the upper layer of the curable composition ( B) is preferred because it makes it easier to reach the bottom of the cell. Further, it is preferable to appropriately increase the thickness of the lower layer of the curable composition (A) because the pattern is not easily disturbed and the control is easy, and the limitation on the thickness of the artificial marble is eased.
[0023]
With regard to the curable compositions (A) and (B), it is the viscosity of the curable composition that has a particularly great influence on the method of the present invention. One preferable example of the viscosity is a value within a range of 0.3 to 5.0 Pa · s. When the viscosity is set to an appropriate value, it becomes easy to control the uniform dispersion of the resin particles and the appearance of a stripe pattern, and it is also possible to prevent the sedimentation of additives such as resin particles, fillers, and coloring agents.
[0024]
In the present invention, after laminating the curable composition (B) one or more layers on the curable composition (A), the comb-like member is cured while bringing its teeth into contact with the bottom surface of the molding cell. The compositions (A) and (B) are moved in a carded fashion. When the comb-like member is moved in the curable compositions (A) and (B) in this manner, the exaggerated expression indicates that the curable composition (A) is present at the mark where the teeth of the comb-like member have passed. Displaced depressions are formed, into which the different-color curable composition (B) of the upper layer flows. Accordingly, the upper layer of the different-color curable composition (B) penetrates into the traces of the teeth of the comb-shaped member up to the bottom surface of the cell, and the traces of the teeth of the comb-shaped member pass when the bottom surface is made significant. A stripe pattern is formed on the substrate.
[0025]
FIG. 1 is a schematic diagram showing an example of a step of moving the comb-like member in the curable composition as described above. In the example shown in FIG. 1, a curable composition (A) 2 containing resin particles is formed as a lower layer, and a curable composition (B) 3 of a different color is formed as a single layer on the lower layer. The teeth of the comb-shaped member 1 are immersed in the layer to the bottom surface of the lower layer, and the comb-shaped member 1 is moved so that the different-color curable composition (B) 3 of the upper layer flows into the trace of the teeth to the bottom surface. Let me.
[0026]
In the method of the present invention, it is necessary that the upper layer of the curable composition (B) of a different color flows into the trace of the teeth of the comb-like member, and only the lower layer of the curable composition (A) flows into the upper layer. No stripe pattern is formed. Therefore, it is necessary that a depression can be formed in the trace of passage of the tooth. Various factors such as the viscosities of the curable compositions (A) and (B), the moving speed of the comb-like member, and the shape of the comb-like member are related to the generation of the depression. Therefore, conditions for successfully generating the depression are not uniformly determined, but may be determined as appropriate according to various conditions.
[0027]
The moving speed of the teeth of the comb member is important in relation to the viscosity of the curable compositions (A) and (B). If the moving speed of the tooth is too slow, no depression can be formed in the trace of the passage of the tooth, so that the different-color curable composition (B) in the upper layer cannot reach the bottom of the cell, and a stripe pattern cannot be formed. Generally, the moving speed of the comb member is preferably about 1 to 10 cm / sec. In general, a comb-shaped member is moved linearly to form a linear stripe pattern, but this can be meandered and moved to form a meandering stripe pattern. The comb-like member can be moved a plurality of times. This is a preferred embodiment of the method of the present invention, since the stripe pattern fluctuates and changes in intervals when it is moved a plurality of times, giving a natural-looking artificial marble.
[0028]
As the comb-shaped member used in the present invention, a member made of a material that is inert to the curable composition and does not exhibit adhesiveness is suitable. Specific examples of such a material include a metal such as aluminum, an organic material coated with polytetrafluoroethylene, and the like.
[0029]
FIG. 2 is a schematic diagram illustrating an example of a comb-shaped member used in the present invention. The comb-shaped member 4 shown in FIG. 2 includes a plurality of strip-shaped teeth 4 arranged in a line at desired intervals in parallel and a portion connecting one end of each of the plurality of teeth 4.
[0030]
The length of the teeth of the comb-shaped member may be sufficiently longer than the total number of layers of the entire curable composition so as not to cause unnecessary disorder in the upper curable composition (B). Appropriate. Further, the width of the teeth (the length perpendicular to the moving direction of the teeth) is preferably 1 to 20 mm. The width of the teeth does not correspond to the width of the stripe to be formed, but does influence the width. The thickness of the teeth (the length in the direction of movement of the teeth) may be any thickness as long as the mechanical strength of the teeth is maintained, and does not significantly affect the formation of the stripe pattern. The cross-sectional shape of the teeth is not very streamlined, and a square shape that causes turbulence in the curable composition at the trace of passage of the teeth is appropriate. The shape of the tip of the tooth preferably has a flat surface so that it can be in close contact with the bottom surface of the molding cell. If there is no need to move many times, the number of teeth may be one, and an appropriate number of teeth and an appropriate interval between teeth may be selected according to a desired stripe pattern.
[0031]
In the present invention, after the comb-shaped member is moved to form a stripe pattern on the bottom surface of the layer of the curable composition (A), the curable compositions (A) and (B) are cured. Then, the cured product is taken out of the molding cell to obtain an artificial marble. In this artificial marble, a stripe pattern is formed on the surface on the contact surface side with the cell bottom surface. Since this stripe pattern is formed based on the flow mixing of the curable compositions of different colors, it is a stripe pattern having a natural fluctuation different from that drawn by a ruler. Further, according to the present invention, the combination of the color and pattern of the stripe with the color and size of the resin particles contained in the curable composition (A) makes it possible to obtain a completely new artificial marble that is not present in the conventional artificial marble. Appearance can be provided.
[0032]
In the above description, the embodiment based on the batch casting method has been mainly described, but a continuous casting method is also possible. In the continuous cast molding method, for example, a stainless steel belt moving as a cell and a frame for damping a curable composition made of rubber, resin or the like installed on both sides thereof are used. That is, in the present invention, the comb-like member may be stationary and fixed, and the stainless steel belt side (forming cell side) may be moved so that the comb-like member relatively moves in the curable composition. .
[0033]
By grinding the surface of the artificial marble thus obtained, a clearer granite-like appearance with high commercial value can be obtained. The depth of the surface grinding varies depending on the size of the added resin particles, but is preferably performed at a depth equal to or larger than the radius of the largest particle.
[0034]
The artificial marble obtained according to the present invention can be used for various purposes such as a kitchen top plate, a vanity table, a bathtub, a table, wall materials, furniture, and interior accessories in a house.
[0035]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to Examples, but the present invention is not limited thereto. In the following examples, a syrup containing 80% by mass of methyl methacrylate and 20% by mass of a methyl methacrylate polymer was used.
[0036]
[Production Example 1: Production of White 1 Resin Particles (P1, P2)]
The components of Formulation 1 shown in Table 1 were mixed and degassed under vacuum while stirring. This vacuum degassed mixture was poured into a mold (heated to 28 ° C.) on which a PVA (polyvinyl alcohol) film was laid, and a PVA film was adhered thereon. Further, a urethane mat was placed thereon, kept warm, and left for a while to obtain a sheet-like cured product. The cured product is cut into small pieces by a cutter, pulverized by a hammer mill, and separated by a sieve, whereby white 1 resin particles (P1) having a diameter of more than 0.5 mm and not more than 1.7 mm and a diameter of 0.1 mm are used. White 1 resin particles (P2) having a size of 1 mm or more and 0.5 mm or less were obtained.
[0037]
[Production Example 2: Production of White 2 Resin Particles (P3, P4)]
Except for using each component of Formulation 2 shown in Table 1, in the same manner as in Production Example 1, white 2 resin particles (P3) having a diameter of 1.7 mm or more and 3.0 mm or less, a diameter of 0.1 mm or more and 0.5 mm or less The following white 2 resin particles (P4) were obtained.
[0038]
[Production Example 3: Production of black resin particles (P5)]
Black resin particles (P5) having a diameter of 0.1 mm or more and 0.5 mm or less were obtained in the same manner as in Production Example 1 except that each component of Formulation 3 shown in Table 1 was used.
[0039]
[Production Example 4: Production of brown resin particles (P6)]
Brown resin particles (P6) having a diameter of 0.1 mm or more and 0.5 mm or less were obtained in the same manner as in Production Example 1 except that each component of Formulation 4 shown in Table 1 was used.
[0040]
[Table 1]
[0041]
<Example 1>
The respective components of Formulation 5 shown in Table 2 were mixed and vacuum degassed while stirring to prepare a thin black curable composition (A1) containing white 1 resin particles (P2) and black resin particles (P5). . In addition, each component of Formulation 7 shown in Table 2 was mixed and deaerated under vacuum while stirring to prepare a white curable composition (B1). The viscosity of each of the two curable compositions was 1.0 Pa · s.
[0042]
The curable composition (A1) prepared as described above was poured into a 30 cm square tray-shaped molding cell in a layered manner so as to have a thickness of 7 mm. On the other hand, the curable composition (B1) was first transferred to one pan-shaped container shown in FIG. Then, the curable composition (B1) in this container was injected onto the previously injected curable composition (A1) so as not to break the interface, and an upper layer having an injection thickness of 7 mm was laminated.
[0043]
Next, the comb-shaped member 1 having the shape shown in FIG. 2 was immersed in one end of the molding cell, and its teeth were moved at 50 mm / sec straight toward the other end while being in contact with the bottom surface of the molding cell. This comb-shaped member 1 is made of a polytetrafluoroethylene plate having a thickness of 3 mm, the width of the teeth is 5 mm, and the interval between the teeth is 25 mm. After the movement of the comb-like member, the molding cell was covered, and left standing for 30 minutes while keeping the temperature, thereby obtaining a sheet-like cured product.
[0044]
The surface of this cured product was cut to a depth of 0.3 mm with a woodworking planer and polished in order with # 120, # 400, and # 600 sandpaper, and had both a grain pattern and a stripe pattern. A high granite tone artificial marble was obtained.
[0045]
<Example 2>
The respective components of Formulation 6 shown in Table 2 were mixed and vacuum degassed while stirring, and white 1 resin particles (P1, P2), white 2 resin particles (P3, P4), black resin particles (P5), and brown resin A thin black curable composition (A2) containing particles (P6) was prepared. In addition, each component of Formulation 7 shown in Table 2 was mixed and deaerated under vacuum while stirring to prepare a white curable composition (B1). The viscosity of each of the two curable compositions was 1.0 Pa · s.
[0046]
The curable composition (A2) prepared as described above was injected into a 30 cm square tray-shaped molding cell in the same manner as in Example 1. On the other hand, the curable composition (B1) is also laminated on the curable composition (A2) in the same manner as in Example 1, and the comb-like member is moved and cured in the same manner as described above, polished with a planar, and polished with sandpaper. As a result, an artificial marble having both a grain pattern and a stripe pattern, and having a subtle hue, depth, and texture was obtained.
[0047]
<Example 3>
First, a thin black curable composition containing white 1 resin particles (P1, P2), white 2 resin particles (P3, P4), black resin particles (P5), and brown resin particles (P6) in the same manner as in Example 2. A product (A2) was prepared, and a half of the curable composition (A2) was separated and poured into a 30-cm square tray-like mold so as to have a thickness of 7 mm.
[0048]
On the other hand, the remaining half of the curable composition (A2) was mixed with a colorant composition [a mixture of 4.5 g of a white pigment (manufactured by Pencolor, trade name 11W1180) and 10.5 g of syrup]. Add and mix uniformly, gray curable composition containing white 1 resin particles (P1, P2), white 2 resin particles (P3, P4), black resin particles (P5), and brown resin particles (P6) (B2) was obtained. This curable composition (B2) is laminated on the curable composition (A2) in the same manner as in Example 1, and the comb-like member is moved and cured in the same manner as described above, and is polished with a planer and polished with sandpaper. As a result, an artificial marble having both a grain pattern and a stripe pattern, and having a subtle hue, depth, and texture was obtained.
[0049]
<Example 4>
First, a curable composition (A2) containing white one resin particles (P1, P2), white two resin particles (P3, P4), black resin particles (P5), and brown resin particles (P6) in the same manner as in Example 2. ) Was prepared. A half of the curable composition (A2) was taken, and a colorant composition [a mixture of 0.03 g of a black pigment (manufactured by Pencolor, trade name 11B1513) and 9.97 g of syrup] was added thereto. While the mixture was added, the mixture was sufficiently stirred with a stirring bar for 10 seconds so as not to be completely mixed, thereby preparing an incompletely mixed curable composition (A3). The appearance of this curable composition (A3) had a spot pattern of light black and dark black. This curable composition (A3) was poured into a 30 cm square tray-shaped mold so as to have a thickness of 7 mm and moved in one direction in a layered manner with respect to the molding cell.
[0050]
On the other hand, a gray curable composition (B2) was obtained in the same manner as in Example 3 using the remaining one-half curable composition (A2). This curable composition (B2) is laminated on the curable composition (A3) in the same manner as in Example 1, and the comb-shaped member is similarly placed in the same direction as the flow pattern of the curable composition (A3). Moved in the direction. This was cured, polished with a planer, and polished with sandpaper. As a result, an artificial marble having both a grain pattern and a stripe pattern, with a subtle hue, depth, and texture was obtained.
[0051]
[Table 2]
[0052]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the combination of the grain size and color and the stripe pattern color pattern has, for example, a three-dimensional appearance and texture possessed by natural granite, a deep color pattern, It is possible to easily and satisfactorily produce artificial marble having an excellent appearance such as a granite-like appearance.
[0053]
Further, since the stripe pattern is formed continuously also in the thickness direction of the artificial marble, the pattern does not disappear even if the surface of the artificial marble is cut. Further, the width of the stripe pattern and the running direction can be adjusted by controlling the shape of the teeth of the comb-shaped member, the moving direction of the teeth, and the like. Furthermore, if the components of the base portion and the stripe pattern portion of the artificial marble are made substantially the same, the mechanical properties of the artificial marble do not decrease due to the provision of the pattern.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing an example of a step of moving a comb-shaped member in the present invention.
FIG. 2 is a schematic view showing an example of a comb-shaped member used in the present invention.
FIG. 3 is a perspective view showing a pan-shaped container used in an embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Comb-like member
2 Curable composition containing resin particles (A)
3. Curable composition (B)
4 teeth
