JP2004024864A

JP2004024864A - 気管の閉塞材

Info

Publication number: JP2004024864A
Application number: JP2003160458A
Authority: JP
Inventors: Yoichi Watanabe; ワタナベ　ヨウイチ
Original assignee: Novatech SA
Current assignee: Novatech SA
Priority date: 2002-06-13
Filing date: 2003-06-05
Publication date: 2004-01-29
Anticipated expiration: 2023-06-05
Also published as: FR2840796B1; JP4363904B2; FR2840796A1

Abstract

【課題】気管支に挿入する際、気管支の中で歪むことがなく、手術を容易に行うことができる閉塞材を提供する。
【解決手段】気管支の閉塞材（１０）（３０）を、内部を中空に形成した頭を切った円錐台形状の本体（１１）で構成し、その後面（１４）の開口部（１６）で開放して、閉塞材（１０）（３０）を気管支の内側に位置決めするためのカテーテル用の把持手段（１７）を中空に形成した本体（１１）の内側でその前部に設けるのが好ましい。
【選択図】　　図２

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気管の閉塞材に関する。
【０００２】
【従来の技術】
気胸や気管支胸膜瘻によって、肋膜に空気が逃げて冒される肺の一部を塞栓化するため、気管支の切片あるいはサブ切片に、内視鏡によって導入される気管閉塞材を用いることが知られている。そのような閉塞材は肺気腫の場合や肺の容積を減少させるためにも用いられている。
【０００３】
これらの治療および外科技術に関するより詳細については、以下に示す非特許文献を参照することができる。
【０００４】
【非特許文献１】
Ｗａｔａｎａｂｅ，　Ｙ　ｅｔ　ａｌ．　の”真菌性カンテイダ症（Ｃａｎｄｉｄａ　Ｆｕｎｇｅｍｉａ）を持つ幽門気管支瘻の場合の歯の印象材を用いる気管の閉塞材”ＪＪＳＢ　１９９１；　１３：６０７−６１０
【非特許文献２】
Ｍａｔｓｕｏ，　Ｋ．　ｅｔ　ａｌ．の”シリコンを用いる気管の塞栓化”ＪＪＳＢ　２０００；　２２（５）：３３３−３３６
【非特許文献３】
Ｈｏｒｉｕｃｈｉ，　Ｔ．，　Ｗａｔａｎａｂｅ，　Ｙ．　ｅｔ　ａｌ．　の”シリコンを用いた気管の塞栓化により難治性の気胸の治療が成功した３つのケース”ＪＪＳＢ　２００１；　２３（１）：　２５−３０
【非特許文献４】
Ｊｅｆｆｒｅｙ，　ＭＳ．　Ｍａｒｋ，　ＳＣ．の”気管の胸腺瘻の気管支鏡による治療”雑誌”Ｂｒｏｎｃｈｏｌｏｇｙ”　１９９８；５：６１−９
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
現在用いられている気管の閉塞材は、シリコン製の固体本体からなり、これは少なくともほぼ円錐台形の形をなし、気管に導入する方向に位置する前面を有し、この前面は後面よりも小さい。更に、その後面は、外側突出部を保持し、この突出部は、上記の閉塞材を気管支に位置決めするようになされたカテーテルの把持手段の役目をなす。
【０００６】
よって、この種の位置決めでは、上記の外側突出部を把持したカテーテルにより、閉塞材は気管支内を押し通される。これによる短所は、その後面を介して押されるので、閉塞材は、位置決め中、気管支のなかで歪み、よって、手術が困難で、長く、微妙なものになる。
更に、シリコン本体は、比較的硬性であるため、気管支の形に合わせるのに困難が生じる。
本発明の目的は、上記の短所を克服することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明によれば、気管の閉塞材は、前面と後面とを有する、少なくともほぼ円錐台形の本体からなり、上記の閉塞材を気管支に位置決めするようになされたカテーテルの把持手段が設けられている。そして、次の特徴を有する。
上記本体は中空で、後面が開いており、上記の把持手段は上記の中空本体のなかに配されている。
【０００８】
よって、上記本体が中空であることにより、今まで使用されていた固体本体より可撓性がある一方、上記の把持手段は閉塞材の内側に配されていて、閉塞材の後面が開放しているので、位置決め用のカテーテルは、手の指を手袋の指に入れるように、上記の後面を通って上記の閉塞材の内側に侵入していく。この結果、閉塞材は位置決め中、後面を介して押されず、また、歪まないので、上記のカテーテルの末端と係合する。
【０００９】
閉塞材の位置決め状態を更に改善するため、上記の中空本体の前面を閉鎖し、上記の把持手段を上記の前面の内壁により支持することが好ましい。
こうすると、本発明の気管の閉塞材の導入中、カテーテルの末端による閉塞材の把持は最適となり、上記のカテーテルにより閉塞材に出される押圧の中心は、可及的に前にいく。
【００１０】
既知の気管の閉塞材と同様、本発明の閉塞材は、シリコンあるいは類似の材料からなる構成部品でもよい。然し、可撓性の網構造からも形成できる。この網構造の例は、金属を、例えば、シリコンあるいは類似の材料からなる可撓性のある漏洩防止のコーティングで被覆したものである。
【００１１】
本発明の閉塞材を確実に気管支の正しい位置に保持するため、上記の本体の側壁に、適正位置に保持するための外側突起を備えてもよい。この突起は、気管支の内壁にのしかかる。
【００１２】
【発明の実施の形態】
添付の図面の各図より、本発明がどのようにして実施されるかが簡単に理解される。これらの図中、同一符号は、同一要素を示す。
【００１３】
第１図および第２図に示されている、既知の種類の気管の閉塞材（１）は、シリコン製の本体（２）を中実荷形成しており、その側壁（３）は、すくなくともほぼ円錐形をなしておりその前面（４）と後面（５）で切頭した形になっている。なお、上記の後面（５）は、上記の前面（４）より大きく形成してある。
【００１４】
更に、後面（５）は、外側突出部（６）を有しており、この突出部（６）は、気管支に閉塞材（１）を位置決めするのに用いられるカテーテルの把持部の役目をなすようになされている。
【００１５】
その円錐形の側壁（３）上に、円筒形に突出する突起（７）を複数形成しており、この突起（７）は、上記の閉塞材（１）を気管支内の適正位置に気管の閉塞材（１）を保持するように意図されたものである。
上述したように、既知の気管の閉塞材（１）は、比較的硬性で、気管支の形に合わせるのが難しい。
【００１６】
更に、気管支に導入した閉塞材を矢印（８）の方向に前進させるのに使用されるカテーテル（図示略）の押圧の中心は、後部の突出部（６）に位置するため、その前進中閉塞材（１）は、前進方向に対して、歪むことになる。
【００１７】
第３図および第４図に示されている本発明による気管の閉塞材（１０）は、シリコンあるいは類似の材料製で形成した中空本体（１１）からなる。この閉塞材（１０）の側壁（１２）は前記閉塞材（１）の側壁（３）と同様に少なくともほぼ円錐形であり、上記の閉塞材（１０）の前面（１３）と後面（１４）とは後面（１４）が前面（１３）より大きく形成してある。
【００１８】
中空本体（１１）は、内側凹所（１５）を有しており、前部が上記前面（１３）により閉鎖されているが、後部は、上記の後面（１４）に形成せられた開口部の形に開放されている。
【００１９】
更に、外側突出部（６）に匹敵している内側突出部（１７）は、上記の前面（１３）の内壁（１８）により支持され、突起（７）に匹敵している円筒形の突出突起（１９）は、閉塞材の円錐形側壁（１２）によって、支持されている。
【００２０】
内側凹所（１５）の存在により、気管の閉塞材（１０）は、閉塞材（１）より可撓性があり、それが位置する気管支の形に、より良く合わせられることが容易に感得される。
【００２１】
更に、内側凹所（１５）は、後面（１４）の開口部（１６）を介して外側に開放しているので、カテーテルにより閉塞材（１０）を矢印（２０）で示されている方向に押し出す際、カテーテルの末端を内側突出部（１７）を把持するよう凹所（１５）に導入することが出来る。この結果、カテーテルの押圧の中心は閉塞材の前部に移され、閉塞材は、手袋の指に手の指が入るように、カテーテルと係合する。よって、閉塞材（１０）が描く前進軌道は最適となる。
【００２２】
第５図に示されている別の実施例（３０）では、中空部材（１１）が、可撓性のある網構造（３１）からなり、この構造（３１）は、例えば金属製ワイヤを、シリコンあるいは類似の材料からなる可撓性のある漏洩防止皮（３２）を被覆したものである。上記の構造（３１）と上記の皮（３２）は、第３図および第４図に関し上記した側壁（１２）から突出突起（１９）を形成する。
【図面の簡単な説明】
【図１】既知の気管の閉塞材の立面図である。
【図２】図１―のＩＩ−ＩＩ線に沿う軸方向の断面図である。
【図３】本発明による気管の閉塞材の立面図である。
【図４】第３図のＩＶ−ＩＶ線に沿う軸方向の断面図である。
【図５】本発明の気管閉塞材のもう１つの実施例を示し、第４図に相当する軸方向の断面図である。
【符号の説明】
１０・３０…閉塞材、１１…本体、１２…円錐側壁、１３…本体の前面、１４…本体の後面、１６…後面の開口部、１７…把持手段、１８…前面内壁、１９…外側突起、３１…網構造、３２…漏洩防止皮。

Claims

気管の閉塞材（１０）（３０）であって、前面（１３）と後面（１４）とを備えた少なくともほぼ円錐台形の本体（１１）からなり、その本体（１１）に上記閉塞材（１０）（３０）を気管支に位置決めするカテーテル用の把持手段（１７）が設けられているものにおいて、
上記本体（１１）は中空で、その後面（１４）の開口部（１６）で開放していて、
上記の把持手段（１７）が、上記の中空本体（１１）の内側に配されているもの。
請求項１に記載の気管の閉塞材であって、上記の中空本体（１１）がその前面（１３）で閉鎖されていて、上記の把持手段（１７）が上記の前面（１３）の内壁（１８）により支持されているもの。
請求項１に記載の気管の閉塞材であって、上記の中空本体（１１）が、シリコンあるいは類似の材料で作製された構成部品であるもの。
請求項１に記載の気管の閉塞材であって、上記の中空本体（１１）が、可撓性のある漏洩防止皮（３２）で被覆された可撓性のある網構造（３１）により形成されているもの。
請求項１に記載の気管の閉塞材であって、上記本体（１１）が、その円錐側壁（１２）にその本体（１１）を適正位置に保持する外側突起（１９）を備えているもの。