JP2004023898A - エンジン始動装置兼用発電装置とその制御装置およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンを始動開始させる際に、ロータを一定方向に安定して回転させることができる安価なエンジン始動装置兼用発電装置を提供する。
【解決手段】本発明のエンジン始動装置兼用発電装置は、界磁を形成するロータ(R)と、3相分の電機子コイル(Sc)を有するステータ(S)とを備える発電装置(A)と、ロータの回転に関連しつつ回転し少なくとも一時的に直流電源(B)に導通可能な整流子片(11、12、13)と、この整流子片に接離可能なブラシ(31、41、51)と、各相毎のブラシを整流子片に対して進退駆動するブラシ駆動手段(33、43、53)とを備えるエンジン始動装置と、を兼用したエンジン始動装置兼用発電装置であって、
さらに、前記ブラシ駆動手段による前記ブラシ毎の前記整流子片への接触順序を制御する接触順序制御手段(60)を備えることを特徴とする。
【選択図】図5
【解決手段】本発明のエンジン始動装置兼用発電装置は、界磁を形成するロータ(R)と、3相分の電機子コイル(Sc)を有するステータ(S)とを備える発電装置(A)と、ロータの回転に関連しつつ回転し少なくとも一時的に直流電源(B)に導通可能な整流子片(11、12、13)と、この整流子片に接離可能なブラシ(31、41、51)と、各相毎のブラシを整流子片に対して進退駆動するブラシ駆動手段(33、43、53)とを備えるエンジン始動装置と、を兼用したエンジン始動装置兼用発電装置であって、
さらに、前記ブラシ駆動手段による前記ブラシ毎の前記整流子片への接触順序を制御する接触順序制御手段(60)を備えることを特徴とする。
【選択図】図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン始動装置を兼用した発電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レシプロエンジンやロータリエンジン等を駆動源とする自動車等は、そのエンジンを始動させるためのエンジン始動装置(スタータ)を備える。このスタータは、通常、バッテリーを電源とした直流機からなることが多い。
このスタータとは別に、バッテリーに充電したり、各電気負荷に電力を供給したりするために、自動車等の車両は発電装置を備える。その発電装置は、現在、同期機や誘導機等の交流発電機(オルタネータ)からなることが多い。このように、現在の多くの自動車等は、スタータとオルタネータとを別々に備えている。
【0003】
しかし、車両の重量低減やコスト低減等のために、それらの電動機および発電機を兼用させた装置が提案されており、例えば、特開昭62−58857号公報および実開平2−83674号公報(以下、「従来技術1」という。)、特開昭59−144355号公報および実開昭59−122779号公報(以下、「従来技術2」という。)等にその開示がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術1には、いずれも、異なる始動用コイルと発電用コイルとを並列的に設けた始動発電装置が開示されている。その装置では、始動時に、始動コイルへ直流を供給して直流電動機からなるスタータを構成し、発電時に、発電用コイルから交流電力を取出して交流発電機からなるオルタネータを構成している。しかし、このような装置では、2種のコイルを別個に設けているめに、結局は装置が大型化、高重量化および複雑化し、また、十分なコスト削減を図ることも難しい。
【0005】
上記従来技術2には、いずれも、交流発電機をベースにしつつ、その交流発電機を交流電動機としても利用できるようにした、始動発電装置が開示されている。この装置は、当然ながら、従来技術1の場合に比べて、小型軽量化、低コスト化を図り易い。
【0006】
ところで、エンジン始動時に交流発電機を交流電動機として作動させる場合、その電源は直流電源(バッテリー)であることから、直流を交流に変換するインバータが必要となる。従来技術2では、始動時、電機子コイルの各相毎に接続されたブラシをソレノイドで駆動して、ロータと一体回転する整流子に接触させることによりインバータを形成している。この機械的なインバータは、半導体素子等からなるインバータに比べ、安価である。
【0007】
ここで、ロータが安定して回転しているときは、上記整流子片およびブラシによって構成されるインバータにより、電機子コイルにも安定した回転磁界が形成される。しかし、始動開始直後(スタータスイッチを切替えた直後)には、ロータが回転を開始していないことから、電機子コイルに形成される回転磁界の向きは、そのブラシと整流子片との接触順序により決ることになる。ところが、従来技術2では、そのブラシの整流子片への接触順序やそのタイミング等を何ら制御しておらず、3相分のブラシを同時にソレノイドで駆動して整流子片に接触させている。このため、始動開始時に、どのような回転磁界が得られるかは、いわば成行きまかせとなり、ロータの回転方向も安定せず、場合によってはロータが回転しないことも起こり得る。
【0008】
また、上記いずれの従来技術にも開示されていないが、始動開始時に必要となる始動トルクは、エンジンの主軸の停止位置等によっても変化し得る。その始動トルクの最大値の出力を兼用の交流電動機(スタータ)に求めると、ベースとなる交流発電機(オルタネータ)の体格をより大きくしたり、または、電機子コイルにより大きな電流を流すことが必要となる。交流発電機の体格を大きくすることは軽量小型化の要請に反するし、大電流を流すことはブラシ寿命の低下を招く。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、少なくとも、始動開始時に電機子コイルに形成される回転磁界の方向を安定させることができるエンジン始動装置兼用発電装置を提供することを目的とする。また、その制御装置および制御方法をも併せて提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、インバータを形成するブラシと整流子片との接触に順序を設けることを思いつき、本発明を完成するに至った。
(エンジン始動装置兼用発電装置)
すなわち、本発明のエンジン始動装置兼用発電装置は、主軸と共に回転して界磁を形成するロータと、ロータの外周囲に配設され少なくとも3相分の電機子コイルを有するステータとを備え、ロータがエンジンにより回転駆動されることにより電機子コイルから交流電力が発電される発電装置と、ロータの回転に関連しつつ回転し少なくとも一時的に直流電源に導通可能な整流子片と、整流子片に接離可能であり少なくとも3相分の各相毎の前記電機子コイルに電気的に接続されたブラシと、各相毎の該ブラシを整流子片に対して進退駆動するブラシ駆動手段とを備え、ブラシ駆動手段によって駆動されたブラシが直流電源に通電した整流子片に接触することによりロータがステータに対して回転駆動され主軸を介してエンジンを始動回転するエンジン始動装置と、を兼用したエンジン始動装置兼用発電装置であって、
さらに、前記ブラシ駆動手段による前記ブラシ毎の前記整流子片への接触順序を制御する接触順序制御手段を備えることを特徴とする(請求項1)。
【0011】
本発明のエンジン始動装置兼用発電装置(以下、単に「始動発電装置」という。)では、接触順序制御手段によってブラシ駆動手段が制御され、インバータを構成するブラシと整流子片との接触が順序良くなされる。例えば、電機子コイルがU相、V相、W相の3相からなる場合、各相の電機子コイルに電気的に接続されたブラシ(U相ブラシ、V相ブラシおよびW相ブラシ)は、ブラシ駆動手段により駆動されて、その順序で直流電源に通電した整流子片に接触する。すると、電機子コイルにもU相→V相→W相の向きに回転磁界が形成されるようになる。このように、各相毎の電機子コイルに接続されたブラシと整流子片との接触順序に従って、その電機子コイルにも安定した方向に回転磁界が形成される。その結果、ロータの回転方向も安定し、始動開始時にロータがスムーズに回転し易くなる。
【0012】
本発明の接触順序制御手段は、各ブラシの整流子片への接触タイミングについて特に限定されるものではない。もっとも、各ブラシの整流子片への接触タイミングが均等である方が好ましいことはいうまでもない。また、そのタイミングを長くしたり短くすることにより、回転磁界の周期を調整できることも当然である。
また、本発明の接触順序制御手段は、各ブラシの整流子片への接触順序を一方向に固定して制御するものには限られない。例えば、U相→V相→W相とW相→V相→U相との両方向に接触順序を切替えるものであっても良い。
【0013】
ここで、接触順序を逆転させる際、一旦接触したにある全ブラシを一斉に整流子片から離脱させた後、再び各ブラシを所望の順序に従って整流子片に接触させるようにしても良い。また、一部のブラシを整流子片に接触させたまま、他のブラシを整流子片から離脱させし、離脱させたブラシを整流子片に再接触させるようにしても良い。
【0014】
ブラシの接触順序を変更する場合の具体例を挙げると、その接触順序制御手段が、前記接触順序を、エンジン始動開始時のエンジン負荷が所定値より小さいとき、エンジンの主軸を正転させる向きに電機子コイルに回転磁界が形成させる順序とし、エンジン始動開始時のエンジン負荷が所定値より大きいとき、エンジンの主軸を一時的に逆転させる向きに電機子コイルに回転磁界が形成させる順序とした後、エンジンの主軸を正転させる向きに電機子コイルに回転磁界が形成させる順序とする場合である(請求項2)。
【0015】
始動開始時のエンジン負荷が大きい場合に、接触順序制御手段が接触順序を上記のように制御している理由を、レシプロエンジンを例にとり以下に説明する。いずれかの気筒内のピストンは、圧縮上死点付近で停止することはないとしても、圧縮行程の途中で停止することはあり得る。始動開始時、その停止状態からエンジン主軸を正転させると、圧縮行程がさらに進行することになるため、当然に、エンジン負荷は大きなものとなる。しかし、ここで一旦、エンジン主軸を僅かでも逆転させてやれば、上記圧縮行程を遡ることになるため、それに続いてエンジン主軸を正転させる際のエンジン負荷は低減され、始動開始時の始動トルクは小さくて済む。従って、交流発電機の体格の大型化や電機子コイルに流す電流の増加等を抑制しつつも、始動開始時、エンジン主軸をスムーズに回転開始させることが可能となる。そして、一旦、エンジン主軸の回転が開始されると、エンジン主軸等には正転方向の慣性力(ときには反動力)が生じる。その結果、始動装置は、出力トルクがあまり大きくないような場合でも、前述の大きなエンジン負荷を乗り越してエンジン主軸の回転を継続させ、エンジンを始動させることが可能となる。
【0016】
このように、接触順序制御手段が上記のような制御を行うことにより、エンジンの安定した始動性の確保と、交流発電機の体格の大型化や電機子コイルに流す電流の増加等の抑制とを両立させることが可能となる。なお、ここでは、レシプロエンジンを例にとり説明したが、圧縮行程等によりエンジン負荷が変動するエンジンであれば同様のことがいえる。
ちなみに、上記エンジン負荷の大小は種々の方法により判定できるが、どのようなエンジンでも行える簡易な判定方法(手段)として、例えば、エンジン主軸の停止位置により判定する方法がある(請求項3)。
【0017】
前述したように、始動開始時のエンジン負荷と圧縮行程の進行具合とは関連している。その圧縮行程の進行具合は、エンジン形式毎に、エンジン主軸の回転角(レシプロエンジンならクランク角)によって決まる。従って、エンジンの始動開始時に、エンジン主軸の停止位置(例えば、クランク角)が検出されまたは記憶されていれば、予め設定した停止位置にエンジン主軸があるか否かにより、エンジン負荷の大小を容易に判定できる。
【0018】
(エンジン始動装置兼用発電装置の制御装置)
本発明は、前記始動発電装置としてのみならず、その制御装置としても把握することができる。
すなわち、本発明は、上記エンジン始動装置兼用発電装置であって、
前記ブラシ駆動手段による前記ブラシ毎の前記整流子片への接触順序を制御する接触順序制御手段からなることを特徴とするエンジン始動装置兼用発電装置の制御装置としても良い(請求項4)。前述した内容は、この制御装置の場合にも該当する。
【0019】
(エンジン始動装置兼用発電装置の制御方法)
さらに、本発明は、上記装置としてのみならず、その制御方法としても把握することができる。
すなわち、本発明は、上記エンジン始動装置兼用発電装置であって、
前記ブラシ駆動手段による前記ブラシ毎の前記整流子片への接触を順序付けたことを特徴とするエンジン始動装置兼用発電装置の制御方法としても良い(請求項5)。前述した内容は、この制御方法の場合にも該当する。
【0020】
ところで、始動発電装置の主要部分を構成する交流発電機(オルタネータ)は、これまで多用されてきたものである。従って、始動発電装置の信頼性や低コスト化等を図り易い。通常、オルタネータの界磁は、レギュレータにより調整された電流がロータコイルを流れることにより形成されるが、永久磁石をロータに貼着または埋設して界磁を形成しても良い。
また、直流電源から前記整流子片への通電は、直流電源に接続されたブラシ(電源ブラシ)やスリップリングを介して行える。例えば、電源ブラシを整流子片に直接接触させたり、整流子片に電気的に接続されたスリップリングにその電源ブラシを接触させることにより行える。なお、この電源ブラシは、前述のインバータを構成するブラシとは別物である。
電源ブラシを整流子片やスリップリングに接触させる場合、その接触は、常時接触でも良い。もっとも、始動時のみ一時的にそれらを接触させるようにすると、ブラシ寿命を延すことができる。そのような一時的な接触は、例えば、その電源ブラシ用に別途設けた電源ブラシ駆動手段(例えば、電磁プランジャ等)を作動させて行うことができる。
【0021】
なお、ここでいうスリップリング(インバータ用スリップリング)とは別に、通常のオルタネータは、ロータコイル(フィールドコイル)に電力を供給するための、スリップリング(オルタネータ用スリップリング)をも備えることが多い。そこで、スリップリングおよびその周辺部材の許容電流値に注意すれば、両スリップリングおよび電源ブラシを共用することも可能である。
また、本発明に係る始動装置が交流機として回転磁界を形成するためには、電機子コイルとそれに接続されるブラシが少なくとも3相分なければならない。但し、電機子コイルの相数が3相を超える場合は、ブラシ数がその相数またはその倍数でも良い。
【0022】
また、ロータの周囲に回転磁界を形成するために、整流子片はロータの回転に関連させつつ回転させる。このとき、整流子片とロータとが等角速度で回転すれば、ロータ回転に同期した回転磁界が得られ、同期機が形成されることになる。また、両者の間に回転数差(すべり)があれば誘導機が形成されることになる。なお、整流子片とロータとは、一体的に回転させても、ベルト、チェーン等の伝達手段を介して回転させても良い。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
本発明に係る実施形態である始動発電装置ASの全体概略図を図1に、その回路図を図2に示す。
始動発電装置ASは、同期発電機(交流発電機)からなるオルタネータ部Aと、その交流発電機を交流電動機として機能させるためのインバータ部Iとから主になる。本発明でいう発電装置はオルタネータ部Aからなり、本発明でいうエンジン始動装置はオルタネータ部Aとインバータ部Iとにより構成される交流電動機からなる。
【0024】
オルタネータ部Aは、プーリPaと、このプーリPaと一体的に回転するロータRと、そのロータRの外周側に所定のエアギャップを設けて配設されるステータSと、それらを囲繞するフレームとから主になる。
プーリPaは、エンジンEのクランクシャフトの前端に固定されたクランクプーリPeによってVリブドベルトV1を介して駆動される。
ロータRは、軸中央を貫くロータシャフトRsと、詳細を図示していないが、その外周側に圧入固定されたポールコアとポールコアの磁極内に巻回されたロータコイルRcとロータコイルRcの両端子にそれぞれ接続されロータシャフトRs上に設けられたスリップリングと各スリップリングにそれぞれ常時接触するオルタネータ用の電源ブラシと軸方向両端に設けられた冷却風導入用のファンとから主になる。
【0025】
ロータシャフトRsの前後両端は、フレームに嵌入されたボールベアリングにより、回転自在に支承されている。ロータコイルRcには、出力電圧を調整するためのレギュレータ70から電源ブラシおよびスリップリングを介して直流(フィールド電流)が供給されており、ロータRの回転と共に回転界磁が形成される。
ステータSは、詳細を図示していないが、フレーム内に圧入されたステータコアとステータコアのスロットに巻回された3相(U相、V相およびW相)分のステータコイル(電機子コイル)Scとから主になる。
このステータS内を、ロータRが回転して回転界磁を形成すると、ステータコイルScから3相交流が出力される。この交流出力はレクティファイヤDにより全波整流されて直流出力とされる。得られた直流電力は、バッテリBの充電や各種電気負荷に供給される。なお、レクティファイヤDは、3対のダイオードからなるものを図2に示してあるが、さらに中性点ダイオードを追加したものでも良い。
【0026】
インバータ部Iは、前述のロータシャフトRsが延在した後端部に固定された整流子片部10と、この整流子片部10に対向して配設されたブラシ部20〜50と(図1では、ブラシ部50が隠れている。)、ブラシ部20〜50の挙動を制御する制御部60とから主になる。
整流子片部10は、図1のX−X視図である図3に示すように、絶縁樹脂製の円盤からなる整流板15と、この整流板15上に固定され、+電極となる略半円弧状の整流子片11と、−電極となる略半円弧状の整流子片12と、整流子片11および整流子片12の両間に配設されて+電極となり得る短円弧状(略矩形状)の整流子片13とからなる。
【0027】
整流子片11は、外周側が環状に連なり、整流子片12は内周側が環状に連なっているため、エンジンEの始動時には、整流子片11および整流子片12が、それぞれ常に+電極および−電極として機能するようになる。これに対し、整流子片13は、整流板15が回転して後述の電源ブラシ21がその整流子片13に接触するときのみ+電極となる。
なお、各整流子片の周方向幅やクリアランスは、後述する電源ブラシ21、22およびコイルブラシ31、41、51の周方向幅やステータコイルScに発生させる交流波形(または回転磁界)を考慮して決定される。ちなみに、本実施形態の場合に発生する交流波形は矩形波である。
【0028】
ブラシ部20は、バッテリの+端子に連なる電源ブラシ21およびその−端子(ボディアース)に連なる電源ブラシ22と、電源ブラシ21、22をそれぞれ弾性付勢するばね211、221と、それらを収納する電源ブラシホルダ24と、電源ブラシホルダ24自体をプランジャ231により電磁駆動するアーマチャ23(電源ブラシ駆動手段)とからなる。アーマチャ23のアーマチャコイル232は制御部60により励消磁(通電)が制御される。アーマチャコイル232が励磁されるとプランジャ231により電源ブラシ21、22が同時に整流子片11〜13のいずれかに向けて突出し両者が接触する。
【0029】
ブラシ部30は、ステータコイルScのU相コイルに電気的に接続されるコイルブラシ31と、コイルブラシ31を弾性付勢するばね311と、それらを収納するコイルブラシホルダ34と、コイルブラシホルダ34自体をプランジャ331により電磁駆動するアーマチャ33(ブラシ駆動手段)とからなる。アーマチャ33のアーマチャコイル332は制御部60により励消磁(通電)が制御される。アーマチャコイル332が励磁されるとプランジャ331によりコイルブラシ31が整流子片11〜13のいずれかに向けて突出し両者が接触することとなる。
【0030】
ブラシ部40およびブラシ部50も、ブラシ部30と同じ構造をしており、コイルブラシ41、51はステータコイルScのV相コイルおよびW相コイルにそれぞれ電気的に接続される。これらブラシ部30〜50は、整流板15に対向して、周方向の3カ所に均等に配設されている。
【0031】
参考までに、ブラシ部20〜50の各ブラシと整流子片11〜13との接離状態を図1および図4に示した。図1では、エンジンEが通常の運転状態にあるとき、つまり、始動発電装置ASが発電装置(オルタネータ)として機能しているときを示している。このため、ブラシ部20〜50の各ブラシは整流子片11〜13と離間状態にある。これに対して図4では、エンジンEの始動時に始動発電装置ASが始動装置(スタータ)として機能しているときを示している。このため、ブラシ部20〜50の各ブラシが整流子片11〜15と接触状態にある。
【0032】
次に、本実施形態の特徴部分である制御部60(接触順序制御手段)による制御方法について、図5およぶ図6のフローチャートを用いて説明する。
最初に制御部60は、自動車のキースイッチSWが「START」位置にあるか否かを判断する(ステップS1)。それ以外のときは、始動発電装置ASをスタータとして使用する必要がないので、いずれのアーマチャコイルへも通電する必要がない。
キースイッチSWが「START」位置にあると、制御部60は、先ず、アーマチャコイル232に通電する。これによりアーマチャ23が励磁状態となり、プランジャ231が進行して、電源ブラシ21、22が整流子片11〜13のいずれかに接触する。その結果、整流子片11〜13は、バッテリBに通電した状態となる。
【0033】
次に、制御部60は、クランクシャフトのクランク角θをクランク角センサやロータリエンコーダ等の角度センサから読み込む。このθが予め求めておいた圧縮上死点前(BTDC)のクランク角度θ1よりも大きいとき(進角しているとき)は、エンジン負荷(始動開始必要トルク)が大きいときであると判定して、次のステップS4に進む。逆に、θがθ1以下のときは、エンジン負荷(始動開始必要トルク)が小さいときであると判定して、ステップS11に進む。
【0034】
先ず、θがθ1より大きいとき、アーマチャコイル532→アーマチャコイル432→アーマチャコイル332の順で通電していく(ステップS4〜6)。このとき、各アーマチャコイル間の通電間隔(タイミング)は均等で数ms程度である。これにより、バッテリBと通電状態にある整流子片11〜13へ、コイルブラシ51(W相ブラシ)→コイルブラシ41(V相ブラシ)→コイルブラシ31(U相ブラシ)の順で各コイルブラシが接触する。その結果、ステータコイルScには、W相コイル→V相コイル→U相コイルの方向に回転磁界が形成される。これはエンジンEの逆転方向にロータRを回転させる向きである。従って、僅か数〜数十ms程度であるが、エンジンEは逆方向に回転駆動される。こうして、エンジンEのクランクシャフトをエンジン負荷(始動開始必要トルク)の小さい位置に一時的に移動させることができる。
そして、一旦、アーマチャコイル332〜532への通電を遮断する。これにより、コイルブラシ31〜51は後退し、整流子片11〜13から離隔される(ステップS7)。
【0035】
次に、制御部60は、アーマチャコイル332〜532に、上記とは逆の順序で通電する(ステップS11〜13)。そして、コイルブラシ31〜51もその順序に従って、整流子片11〜13と接触する。その結果、ステータコイルScには、U相コイル→V相コイル→W相コイルの順で回転磁界が形成される。これによりロータRは、エンジンEをその正転方向に駆動することになる。このとき、上記ステップS4〜6で、予めクランクシャフトがエンジン負荷(始動開始必要トルク)の小さいところに戻されているため、ロータRおよびクランクシャフトはエンジンEの正転方向にスムーズに回転し易い。
【0036】
そして、ロータRが回転を始めると、それに同期して、整流板15も回転する。これに伴い、ステータコイルScには上記正転方向の回転磁界が継続して形成され、ロータRもエンジンEの正転方向に継続的に回転を続ける。
そして、エンジンEが始動して、キースイッチSWが「START」位置から「ON」位置に戻されると(ステップS14)、アーマチャコイル232およびアーマチャコイル332〜532への全通電が遮断され、各ブラシは後退して整流子片11〜13から離隔される(ステップS15)。
エンジンEの始動により、始動発電装置ASは、スタータとしての機能を終え、オルタネータとしての機能を開始して、バッテリBや各電気負荷に電力を供給する。
【0037】
なお、整流板15は、ロータシャフトRsに固定されて回転駆動される場合(図1)の他、図7に示すように、ベルトV2(またはチェーン等)を介してロータRにより回転駆動されても良い。このとき、ロータシャフトRsの後端部に固定されるプーリPbと、整流板15と一体回転するプーリPiとを同径とすることにより、オルタネータ部Aを同期電動機とすることができる。
【0038】
また、図8に、上記インバータ部Iの変形形態であるインバータ部I’を示す。このインバータ部I’は、上記整流子片部10を整流子片部810としたものである。この整流子片部810は、ロータシャフトRsの後端部に固定された円筒ドラム815と、その外周面に環状に固定された+電極となるスリップリング811と、−電極となるスリップリング812と、それぞれのスリップリング811およびスリップリング812に交互に電気的に接続され軸方向に延びる整流子片813および整流子片814とからなる。そして、スリップリング811には電源ブラシ821が接離可能であり、スリップリング812には電源ブラシ822が接離可能となっている。また、円筒ドラム815の円周方向の均等な3カ所で放射状に配設されたコイルブラシ831、841および851は、整流子片813および814に接離可能となっている。各ブラシがアーマチャにより駆動され、それらの進退が制御部60によって制御されること等は、前述した実施形態の場合と同様である。
このように、整流子片が、円筒ドラム等のように円筒面上に配設されていても、整流板等のように平面上に配設されていても、インバータとしては同様の効果を発揮する。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、エンジン始動装置兼用発電装置を用いてエンジンを始動開始させる際に、ロータを一定方向に安定して回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る始動発電装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】その回路図である。
【図3】図1のX−X視図である。
【図4】エンジン始動時に、インバータ部が作動した状態を示す。
【図5】その制御方法を示すフローチャートである。
【図6】その制御方法を示すフローチャートである。
【図7】その始動発電装置の整流板の駆動方法を変更した変形実施形態を示すブロック図である。
【図8】そのインバータ部の構成を変更した変形実施形態を示す図である。
【符号の説明】
AS 始動発電装置
A オルタネータ部
I インバータ部
R ロータ
Rs ロータシャフト(主軸)
S ステータ
Sc ステータコイル(電機子コイル)
23 アーマチャ(電源ブラシ駆動手段)
33、43、53 アーマチャ(ブラシ駆動手段)
31、41、51 コイルブラシ
11、12、13 整流子片
60 制御部(接触順序制御手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン始動装置を兼用した発電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レシプロエンジンやロータリエンジン等を駆動源とする自動車等は、そのエンジンを始動させるためのエンジン始動装置(スタータ)を備える。このスタータは、通常、バッテリーを電源とした直流機からなることが多い。
このスタータとは別に、バッテリーに充電したり、各電気負荷に電力を供給したりするために、自動車等の車両は発電装置を備える。その発電装置は、現在、同期機や誘導機等の交流発電機(オルタネータ)からなることが多い。このように、現在の多くの自動車等は、スタータとオルタネータとを別々に備えている。
【0003】
しかし、車両の重量低減やコスト低減等のために、それらの電動機および発電機を兼用させた装置が提案されており、例えば、特開昭62−58857号公報および実開平2−83674号公報(以下、「従来技術1」という。)、特開昭59−144355号公報および実開昭59−122779号公報(以下、「従来技術2」という。)等にその開示がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術1には、いずれも、異なる始動用コイルと発電用コイルとを並列的に設けた始動発電装置が開示されている。その装置では、始動時に、始動コイルへ直流を供給して直流電動機からなるスタータを構成し、発電時に、発電用コイルから交流電力を取出して交流発電機からなるオルタネータを構成している。しかし、このような装置では、2種のコイルを別個に設けているめに、結局は装置が大型化、高重量化および複雑化し、また、十分なコスト削減を図ることも難しい。
【0005】
上記従来技術2には、いずれも、交流発電機をベースにしつつ、その交流発電機を交流電動機としても利用できるようにした、始動発電装置が開示されている。この装置は、当然ながら、従来技術1の場合に比べて、小型軽量化、低コスト化を図り易い。
【0006】
ところで、エンジン始動時に交流発電機を交流電動機として作動させる場合、その電源は直流電源(バッテリー)であることから、直流を交流に変換するインバータが必要となる。従来技術2では、始動時、電機子コイルの各相毎に接続されたブラシをソレノイドで駆動して、ロータと一体回転する整流子に接触させることによりインバータを形成している。この機械的なインバータは、半導体素子等からなるインバータに比べ、安価である。
【0007】
ここで、ロータが安定して回転しているときは、上記整流子片およびブラシによって構成されるインバータにより、電機子コイルにも安定した回転磁界が形成される。しかし、始動開始直後(スタータスイッチを切替えた直後)には、ロータが回転を開始していないことから、電機子コイルに形成される回転磁界の向きは、そのブラシと整流子片との接触順序により決ることになる。ところが、従来技術2では、そのブラシの整流子片への接触順序やそのタイミング等を何ら制御しておらず、3相分のブラシを同時にソレノイドで駆動して整流子片に接触させている。このため、始動開始時に、どのような回転磁界が得られるかは、いわば成行きまかせとなり、ロータの回転方向も安定せず、場合によってはロータが回転しないことも起こり得る。
【0008】
また、上記いずれの従来技術にも開示されていないが、始動開始時に必要となる始動トルクは、エンジンの主軸の停止位置等によっても変化し得る。その始動トルクの最大値の出力を兼用の交流電動機(スタータ)に求めると、ベースとなる交流発電機(オルタネータ)の体格をより大きくしたり、または、電機子コイルにより大きな電流を流すことが必要となる。交流発電機の体格を大きくすることは軽量小型化の要請に反するし、大電流を流すことはブラシ寿命の低下を招く。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、少なくとも、始動開始時に電機子コイルに形成される回転磁界の方向を安定させることができるエンジン始動装置兼用発電装置を提供することを目的とする。また、その制御装置および制御方法をも併せて提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、インバータを形成するブラシと整流子片との接触に順序を設けることを思いつき、本発明を完成するに至った。
(エンジン始動装置兼用発電装置)
すなわち、本発明のエンジン始動装置兼用発電装置は、主軸と共に回転して界磁を形成するロータと、ロータの外周囲に配設され少なくとも3相分の電機子コイルを有するステータとを備え、ロータがエンジンにより回転駆動されることにより電機子コイルから交流電力が発電される発電装置と、ロータの回転に関連しつつ回転し少なくとも一時的に直流電源に導通可能な整流子片と、整流子片に接離可能であり少なくとも3相分の各相毎の前記電機子コイルに電気的に接続されたブラシと、各相毎の該ブラシを整流子片に対して進退駆動するブラシ駆動手段とを備え、ブラシ駆動手段によって駆動されたブラシが直流電源に通電した整流子片に接触することによりロータがステータに対して回転駆動され主軸を介してエンジンを始動回転するエンジン始動装置と、を兼用したエンジン始動装置兼用発電装置であって、
さらに、前記ブラシ駆動手段による前記ブラシ毎の前記整流子片への接触順序を制御する接触順序制御手段を備えることを特徴とする(請求項1)。
【0011】
本発明のエンジン始動装置兼用発電装置(以下、単に「始動発電装置」という。)では、接触順序制御手段によってブラシ駆動手段が制御され、インバータを構成するブラシと整流子片との接触が順序良くなされる。例えば、電機子コイルがU相、V相、W相の3相からなる場合、各相の電機子コイルに電気的に接続されたブラシ(U相ブラシ、V相ブラシおよびW相ブラシ)は、ブラシ駆動手段により駆動されて、その順序で直流電源に通電した整流子片に接触する。すると、電機子コイルにもU相→V相→W相の向きに回転磁界が形成されるようになる。このように、各相毎の電機子コイルに接続されたブラシと整流子片との接触順序に従って、その電機子コイルにも安定した方向に回転磁界が形成される。その結果、ロータの回転方向も安定し、始動開始時にロータがスムーズに回転し易くなる。
【0012】
本発明の接触順序制御手段は、各ブラシの整流子片への接触タイミングについて特に限定されるものではない。もっとも、各ブラシの整流子片への接触タイミングが均等である方が好ましいことはいうまでもない。また、そのタイミングを長くしたり短くすることにより、回転磁界の周期を調整できることも当然である。
また、本発明の接触順序制御手段は、各ブラシの整流子片への接触順序を一方向に固定して制御するものには限られない。例えば、U相→V相→W相とW相→V相→U相との両方向に接触順序を切替えるものであっても良い。
【0013】
ここで、接触順序を逆転させる際、一旦接触したにある全ブラシを一斉に整流子片から離脱させた後、再び各ブラシを所望の順序に従って整流子片に接触させるようにしても良い。また、一部のブラシを整流子片に接触させたまま、他のブラシを整流子片から離脱させし、離脱させたブラシを整流子片に再接触させるようにしても良い。
【0014】
ブラシの接触順序を変更する場合の具体例を挙げると、その接触順序制御手段が、前記接触順序を、エンジン始動開始時のエンジン負荷が所定値より小さいとき、エンジンの主軸を正転させる向きに電機子コイルに回転磁界が形成させる順序とし、エンジン始動開始時のエンジン負荷が所定値より大きいとき、エンジンの主軸を一時的に逆転させる向きに電機子コイルに回転磁界が形成させる順序とした後、エンジンの主軸を正転させる向きに電機子コイルに回転磁界が形成させる順序とする場合である(請求項2)。
【0015】
始動開始時のエンジン負荷が大きい場合に、接触順序制御手段が接触順序を上記のように制御している理由を、レシプロエンジンを例にとり以下に説明する。いずれかの気筒内のピストンは、圧縮上死点付近で停止することはないとしても、圧縮行程の途中で停止することはあり得る。始動開始時、その停止状態からエンジン主軸を正転させると、圧縮行程がさらに進行することになるため、当然に、エンジン負荷は大きなものとなる。しかし、ここで一旦、エンジン主軸を僅かでも逆転させてやれば、上記圧縮行程を遡ることになるため、それに続いてエンジン主軸を正転させる際のエンジン負荷は低減され、始動開始時の始動トルクは小さくて済む。従って、交流発電機の体格の大型化や電機子コイルに流す電流の増加等を抑制しつつも、始動開始時、エンジン主軸をスムーズに回転開始させることが可能となる。そして、一旦、エンジン主軸の回転が開始されると、エンジン主軸等には正転方向の慣性力(ときには反動力)が生じる。その結果、始動装置は、出力トルクがあまり大きくないような場合でも、前述の大きなエンジン負荷を乗り越してエンジン主軸の回転を継続させ、エンジンを始動させることが可能となる。
【0016】
このように、接触順序制御手段が上記のような制御を行うことにより、エンジンの安定した始動性の確保と、交流発電機の体格の大型化や電機子コイルに流す電流の増加等の抑制とを両立させることが可能となる。なお、ここでは、レシプロエンジンを例にとり説明したが、圧縮行程等によりエンジン負荷が変動するエンジンであれば同様のことがいえる。
ちなみに、上記エンジン負荷の大小は種々の方法により判定できるが、どのようなエンジンでも行える簡易な判定方法(手段)として、例えば、エンジン主軸の停止位置により判定する方法がある(請求項3)。
【0017】
前述したように、始動開始時のエンジン負荷と圧縮行程の進行具合とは関連している。その圧縮行程の進行具合は、エンジン形式毎に、エンジン主軸の回転角(レシプロエンジンならクランク角)によって決まる。従って、エンジンの始動開始時に、エンジン主軸の停止位置(例えば、クランク角)が検出されまたは記憶されていれば、予め設定した停止位置にエンジン主軸があるか否かにより、エンジン負荷の大小を容易に判定できる。
【0018】
(エンジン始動装置兼用発電装置の制御装置)
本発明は、前記始動発電装置としてのみならず、その制御装置としても把握することができる。
すなわち、本発明は、上記エンジン始動装置兼用発電装置であって、
前記ブラシ駆動手段による前記ブラシ毎の前記整流子片への接触順序を制御する接触順序制御手段からなることを特徴とするエンジン始動装置兼用発電装置の制御装置としても良い(請求項4)。前述した内容は、この制御装置の場合にも該当する。
【0019】
(エンジン始動装置兼用発電装置の制御方法)
さらに、本発明は、上記装置としてのみならず、その制御方法としても把握することができる。
すなわち、本発明は、上記エンジン始動装置兼用発電装置であって、
前記ブラシ駆動手段による前記ブラシ毎の前記整流子片への接触を順序付けたことを特徴とするエンジン始動装置兼用発電装置の制御方法としても良い(請求項5)。前述した内容は、この制御方法の場合にも該当する。
【0020】
ところで、始動発電装置の主要部分を構成する交流発電機(オルタネータ)は、これまで多用されてきたものである。従って、始動発電装置の信頼性や低コスト化等を図り易い。通常、オルタネータの界磁は、レギュレータにより調整された電流がロータコイルを流れることにより形成されるが、永久磁石をロータに貼着または埋設して界磁を形成しても良い。
また、直流電源から前記整流子片への通電は、直流電源に接続されたブラシ(電源ブラシ)やスリップリングを介して行える。例えば、電源ブラシを整流子片に直接接触させたり、整流子片に電気的に接続されたスリップリングにその電源ブラシを接触させることにより行える。なお、この電源ブラシは、前述のインバータを構成するブラシとは別物である。
電源ブラシを整流子片やスリップリングに接触させる場合、その接触は、常時接触でも良い。もっとも、始動時のみ一時的にそれらを接触させるようにすると、ブラシ寿命を延すことができる。そのような一時的な接触は、例えば、その電源ブラシ用に別途設けた電源ブラシ駆動手段(例えば、電磁プランジャ等)を作動させて行うことができる。
【0021】
なお、ここでいうスリップリング(インバータ用スリップリング)とは別に、通常のオルタネータは、ロータコイル(フィールドコイル)に電力を供給するための、スリップリング(オルタネータ用スリップリング)をも備えることが多い。そこで、スリップリングおよびその周辺部材の許容電流値に注意すれば、両スリップリングおよび電源ブラシを共用することも可能である。
また、本発明に係る始動装置が交流機として回転磁界を形成するためには、電機子コイルとそれに接続されるブラシが少なくとも3相分なければならない。但し、電機子コイルの相数が3相を超える場合は、ブラシ数がその相数またはその倍数でも良い。
【0022】
また、ロータの周囲に回転磁界を形成するために、整流子片はロータの回転に関連させつつ回転させる。このとき、整流子片とロータとが等角速度で回転すれば、ロータ回転に同期した回転磁界が得られ、同期機が形成されることになる。また、両者の間に回転数差(すべり)があれば誘導機が形成されることになる。なお、整流子片とロータとは、一体的に回転させても、ベルト、チェーン等の伝達手段を介して回転させても良い。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
本発明に係る実施形態である始動発電装置ASの全体概略図を図1に、その回路図を図2に示す。
始動発電装置ASは、同期発電機(交流発電機)からなるオルタネータ部Aと、その交流発電機を交流電動機として機能させるためのインバータ部Iとから主になる。本発明でいう発電装置はオルタネータ部Aからなり、本発明でいうエンジン始動装置はオルタネータ部Aとインバータ部Iとにより構成される交流電動機からなる。
【0024】
オルタネータ部Aは、プーリPaと、このプーリPaと一体的に回転するロータRと、そのロータRの外周側に所定のエアギャップを設けて配設されるステータSと、それらを囲繞するフレームとから主になる。
プーリPaは、エンジンEのクランクシャフトの前端に固定されたクランクプーリPeによってVリブドベルトV1を介して駆動される。
ロータRは、軸中央を貫くロータシャフトRsと、詳細を図示していないが、その外周側に圧入固定されたポールコアとポールコアの磁極内に巻回されたロータコイルRcとロータコイルRcの両端子にそれぞれ接続されロータシャフトRs上に設けられたスリップリングと各スリップリングにそれぞれ常時接触するオルタネータ用の電源ブラシと軸方向両端に設けられた冷却風導入用のファンとから主になる。
【0025】
ロータシャフトRsの前後両端は、フレームに嵌入されたボールベアリングにより、回転自在に支承されている。ロータコイルRcには、出力電圧を調整するためのレギュレータ70から電源ブラシおよびスリップリングを介して直流(フィールド電流)が供給されており、ロータRの回転と共に回転界磁が形成される。
ステータSは、詳細を図示していないが、フレーム内に圧入されたステータコアとステータコアのスロットに巻回された3相(U相、V相およびW相)分のステータコイル(電機子コイル)Scとから主になる。
このステータS内を、ロータRが回転して回転界磁を形成すると、ステータコイルScから3相交流が出力される。この交流出力はレクティファイヤDにより全波整流されて直流出力とされる。得られた直流電力は、バッテリBの充電や各種電気負荷に供給される。なお、レクティファイヤDは、3対のダイオードからなるものを図2に示してあるが、さらに中性点ダイオードを追加したものでも良い。
【0026】
インバータ部Iは、前述のロータシャフトRsが延在した後端部に固定された整流子片部10と、この整流子片部10に対向して配設されたブラシ部20〜50と(図1では、ブラシ部50が隠れている。)、ブラシ部20〜50の挙動を制御する制御部60とから主になる。
整流子片部10は、図1のX−X視図である図3に示すように、絶縁樹脂製の円盤からなる整流板15と、この整流板15上に固定され、+電極となる略半円弧状の整流子片11と、−電極となる略半円弧状の整流子片12と、整流子片11および整流子片12の両間に配設されて+電極となり得る短円弧状(略矩形状)の整流子片13とからなる。
【0027】
整流子片11は、外周側が環状に連なり、整流子片12は内周側が環状に連なっているため、エンジンEの始動時には、整流子片11および整流子片12が、それぞれ常に+電極および−電極として機能するようになる。これに対し、整流子片13は、整流板15が回転して後述の電源ブラシ21がその整流子片13に接触するときのみ+電極となる。
なお、各整流子片の周方向幅やクリアランスは、後述する電源ブラシ21、22およびコイルブラシ31、41、51の周方向幅やステータコイルScに発生させる交流波形(または回転磁界)を考慮して決定される。ちなみに、本実施形態の場合に発生する交流波形は矩形波である。
【0028】
ブラシ部20は、バッテリの+端子に連なる電源ブラシ21およびその−端子(ボディアース)に連なる電源ブラシ22と、電源ブラシ21、22をそれぞれ弾性付勢するばね211、221と、それらを収納する電源ブラシホルダ24と、電源ブラシホルダ24自体をプランジャ231により電磁駆動するアーマチャ23(電源ブラシ駆動手段)とからなる。アーマチャ23のアーマチャコイル232は制御部60により励消磁(通電)が制御される。アーマチャコイル232が励磁されるとプランジャ231により電源ブラシ21、22が同時に整流子片11〜13のいずれかに向けて突出し両者が接触する。
【0029】
ブラシ部30は、ステータコイルScのU相コイルに電気的に接続されるコイルブラシ31と、コイルブラシ31を弾性付勢するばね311と、それらを収納するコイルブラシホルダ34と、コイルブラシホルダ34自体をプランジャ331により電磁駆動するアーマチャ33(ブラシ駆動手段)とからなる。アーマチャ33のアーマチャコイル332は制御部60により励消磁(通電)が制御される。アーマチャコイル332が励磁されるとプランジャ331によりコイルブラシ31が整流子片11〜13のいずれかに向けて突出し両者が接触することとなる。
【0030】
ブラシ部40およびブラシ部50も、ブラシ部30と同じ構造をしており、コイルブラシ41、51はステータコイルScのV相コイルおよびW相コイルにそれぞれ電気的に接続される。これらブラシ部30〜50は、整流板15に対向して、周方向の3カ所に均等に配設されている。
【0031】
参考までに、ブラシ部20〜50の各ブラシと整流子片11〜13との接離状態を図1および図4に示した。図1では、エンジンEが通常の運転状態にあるとき、つまり、始動発電装置ASが発電装置(オルタネータ)として機能しているときを示している。このため、ブラシ部20〜50の各ブラシは整流子片11〜13と離間状態にある。これに対して図4では、エンジンEの始動時に始動発電装置ASが始動装置(スタータ)として機能しているときを示している。このため、ブラシ部20〜50の各ブラシが整流子片11〜15と接触状態にある。
【0032】
次に、本実施形態の特徴部分である制御部60(接触順序制御手段)による制御方法について、図5およぶ図6のフローチャートを用いて説明する。
最初に制御部60は、自動車のキースイッチSWが「START」位置にあるか否かを判断する(ステップS1)。それ以外のときは、始動発電装置ASをスタータとして使用する必要がないので、いずれのアーマチャコイルへも通電する必要がない。
キースイッチSWが「START」位置にあると、制御部60は、先ず、アーマチャコイル232に通電する。これによりアーマチャ23が励磁状態となり、プランジャ231が進行して、電源ブラシ21、22が整流子片11〜13のいずれかに接触する。その結果、整流子片11〜13は、バッテリBに通電した状態となる。
【0033】
次に、制御部60は、クランクシャフトのクランク角θをクランク角センサやロータリエンコーダ等の角度センサから読み込む。このθが予め求めておいた圧縮上死点前(BTDC)のクランク角度θ1よりも大きいとき(進角しているとき)は、エンジン負荷(始動開始必要トルク)が大きいときであると判定して、次のステップS4に進む。逆に、θがθ1以下のときは、エンジン負荷(始動開始必要トルク)が小さいときであると判定して、ステップS11に進む。
【0034】
先ず、θがθ1より大きいとき、アーマチャコイル532→アーマチャコイル432→アーマチャコイル332の順で通電していく(ステップS4〜6)。このとき、各アーマチャコイル間の通電間隔(タイミング)は均等で数ms程度である。これにより、バッテリBと通電状態にある整流子片11〜13へ、コイルブラシ51(W相ブラシ)→コイルブラシ41(V相ブラシ)→コイルブラシ31(U相ブラシ)の順で各コイルブラシが接触する。その結果、ステータコイルScには、W相コイル→V相コイル→U相コイルの方向に回転磁界が形成される。これはエンジンEの逆転方向にロータRを回転させる向きである。従って、僅か数〜数十ms程度であるが、エンジンEは逆方向に回転駆動される。こうして、エンジンEのクランクシャフトをエンジン負荷(始動開始必要トルク)の小さい位置に一時的に移動させることができる。
そして、一旦、アーマチャコイル332〜532への通電を遮断する。これにより、コイルブラシ31〜51は後退し、整流子片11〜13から離隔される(ステップS7)。
【0035】
次に、制御部60は、アーマチャコイル332〜532に、上記とは逆の順序で通電する(ステップS11〜13)。そして、コイルブラシ31〜51もその順序に従って、整流子片11〜13と接触する。その結果、ステータコイルScには、U相コイル→V相コイル→W相コイルの順で回転磁界が形成される。これによりロータRは、エンジンEをその正転方向に駆動することになる。このとき、上記ステップS4〜6で、予めクランクシャフトがエンジン負荷(始動開始必要トルク)の小さいところに戻されているため、ロータRおよびクランクシャフトはエンジンEの正転方向にスムーズに回転し易い。
【0036】
そして、ロータRが回転を始めると、それに同期して、整流板15も回転する。これに伴い、ステータコイルScには上記正転方向の回転磁界が継続して形成され、ロータRもエンジンEの正転方向に継続的に回転を続ける。
そして、エンジンEが始動して、キースイッチSWが「START」位置から「ON」位置に戻されると(ステップS14)、アーマチャコイル232およびアーマチャコイル332〜532への全通電が遮断され、各ブラシは後退して整流子片11〜13から離隔される(ステップS15)。
エンジンEの始動により、始動発電装置ASは、スタータとしての機能を終え、オルタネータとしての機能を開始して、バッテリBや各電気負荷に電力を供給する。
【0037】
なお、整流板15は、ロータシャフトRsに固定されて回転駆動される場合(図1)の他、図7に示すように、ベルトV2(またはチェーン等)を介してロータRにより回転駆動されても良い。このとき、ロータシャフトRsの後端部に固定されるプーリPbと、整流板15と一体回転するプーリPiとを同径とすることにより、オルタネータ部Aを同期電動機とすることができる。
【0038】
また、図8に、上記インバータ部Iの変形形態であるインバータ部I’を示す。このインバータ部I’は、上記整流子片部10を整流子片部810としたものである。この整流子片部810は、ロータシャフトRsの後端部に固定された円筒ドラム815と、その外周面に環状に固定された+電極となるスリップリング811と、−電極となるスリップリング812と、それぞれのスリップリング811およびスリップリング812に交互に電気的に接続され軸方向に延びる整流子片813および整流子片814とからなる。そして、スリップリング811には電源ブラシ821が接離可能であり、スリップリング812には電源ブラシ822が接離可能となっている。また、円筒ドラム815の円周方向の均等な3カ所で放射状に配設されたコイルブラシ831、841および851は、整流子片813および814に接離可能となっている。各ブラシがアーマチャにより駆動され、それらの進退が制御部60によって制御されること等は、前述した実施形態の場合と同様である。
このように、整流子片が、円筒ドラム等のように円筒面上に配設されていても、整流板等のように平面上に配設されていても、インバータとしては同様の効果を発揮する。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、エンジン始動装置兼用発電装置を用いてエンジンを始動開始させる際に、ロータを一定方向に安定して回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る始動発電装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】その回路図である。
【図3】図1のX−X視図である。
【図4】エンジン始動時に、インバータ部が作動した状態を示す。
【図5】その制御方法を示すフローチャートである。
【図6】その制御方法を示すフローチャートである。
【図7】その始動発電装置の整流板の駆動方法を変更した変形実施形態を示すブロック図である。
【図8】そのインバータ部の構成を変更した変形実施形態を示す図である。
【符号の説明】
AS 始動発電装置
A オルタネータ部
I インバータ部
R ロータ
Rs ロータシャフト(主軸)
S ステータ
Sc ステータコイル(電機子コイル)
23 アーマチャ(電源ブラシ駆動手段)
33、43、53 アーマチャ(ブラシ駆動手段)
31、41、51 コイルブラシ
11、12、13 整流子片
60 制御部(接触順序制御手段)
Claims (5)
- 主軸と共に回転して界磁を形成するロータと、該ロータの外周囲に配設され少なくとも3相分の電機子コイルを有するステータとを備え、該ロータがエンジンにより回転駆動されることにより該電機子コイルから交流電力が発電される発電装置と、
前記ロータの回転に関連しつつ回転し少なくとも一時的に直流電源に導通可能な整流子片と、該整流子片に接離可能であり少なくとも3相分の各相毎の前記電機子コイルに電気的に接続されたブラシと、各相毎の該ブラシを該整流子片に対して進退駆動するブラシ駆動手段とを備え、該ブラシ駆動手段によって駆動された該ブラシが該直流電源に通電した該整流子片に接触することにより該ロータが前記ステータに対して回転駆動され前記主軸を介して前記エンジンを始動回転するエンジン始動装置と、を兼用したエンジン始動装置兼用発電装置であって、
さらに、前記ブラシ駆動手段による前記ブラシ毎の前記整流子片への接触順序を制御する接触順序制御手段を備えることを特徴とするエンジン始動装置兼用発電装置。 - 前記接触順序制御手段は、前記接触順序を、エンジン始動開始時のエンジン負荷が所定値より小さいとき、前記エンジンの主軸を正転させる向きに前記電機子コイルに回転磁界が形成させる順序とし、
該エンジン始動開始時の該エンジン負荷が該所定値より大きいとき、該エンジンの主軸を一時的に逆転させる向きに該電機子コイルに回転磁界が形成させる順序とした後、該エンジンの主軸を正転させる向きに該電機子コイルに回転磁界が形成させる順序とする請求項1に記載のエンジン始動装置兼用発電装置。 - 前記接触順序制御手段は、前記エンジン負荷の大小をエンジンの主軸の停止位置により判定する請求項2に記載のエンジン始動装置兼用発電装置。
- 主軸と共に回転して界磁を形成するロータと、該ロータの外周囲に配設され少なくとも3相分の電機子コイルを有するステータとを備え、該ロータがエンジンにより回転駆動されることにより該電機子コイルから交流電力が発電される発電装置と、
前記ロータの回転に関連しつつ回転し少なくとも一時的に直流電源に導通可能な整流子片と、該整流子片に接離可能であり少なくとも3相分の各相毎の前記電機子コイルに電気的に接続されたブラシと、各相毎の該ブラシを該整流子片に対して進退駆動するブラシ駆動手段とを備え、該ブラシ駆動手段によって駆動された該ブラシが該直流電源に通電した該整流子片に接触することにより該ロータが前記ステータに対して回転駆動され前記主軸を介して前記エンジンを始動回転するエンジン始動装置と、を兼用したエンジン始動装置兼用発電装置であって、
前記ブラシ駆動手段による前記ブラシ毎の前記整流子片への接触順序を制御する接触順序制御手段からなることを特徴とするエンジン始動装置兼用発電装置の制御装置。 - 主軸と共に回転して界磁を形成するロータと、該ロータの外周囲に配設され少なくとも3相分の電機子コイルを有するステータとを備え、該ロータがエンジンにより回転駆動されることにより該電機子コイルから交流電力が発電される発電装置と、
前記ロータの回転に関連しつつ回転し少なくとも一時的に直流電源に導通可能な整流子片と、該整流子片に接離可能であり少なくとも3相分の各相毎の前記電機子コイルに電気的に接続されたブラシと、各相毎の該ブラシを該整流子片に対して進退駆動するブラシ駆動手段とを備え、該ブラシ駆動手段によって駆動された該ブラシが該直流電源に通電した該整流子片に接触することにより該ロータが前記ステータに対して回転駆動され前記主軸を介して前記エンジンを始動回転するエンジン始動装置と、を兼用したエンジン始動装置兼用発電装置であって、
前記ブラシ駆動手段による前記ブラシ毎の前記整流子片への接触を順序付けたことを特徴とするエンジン始動装置兼用発電装置の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002175733A JP2004023898A (ja) | 2002-06-17 | 2002-06-17 | エンジン始動装置兼用発電装置とその制御装置およびその制御方法 |
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JP2002175733A JP2004023898A (ja) | 2002-06-17 | 2002-06-17 | エンジン始動装置兼用発電装置とその制御装置およびその制御方法 |
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JP2004023898A true JP2004023898A (ja) | 2004-01-22 |
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Family Applications (1)
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JP2002175733A Pending JP2004023898A (ja) | 2002-06-17 | 2002-06-17 | エンジン始動装置兼用発電装置とその制御装置およびその制御方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012086662A (ja) * | 2010-10-19 | 2012-05-10 | Toyota Motor Corp | 車両用エンジン始動制御装置 |
JP4933681B1 (ja) * | 2011-11-04 | 2012-05-16 | 二郎 工藤 | 車両電池充電システム |
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2002
- 2002-06-17 JP JP2002175733A patent/JP2004023898A/ja active Pending
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