JP2004023204A - 無線リングシステムおよび孤立ノード装置の接続方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノード装置の両端で無線伝播障害が発生してもノ−ド装置が孤立することを回避できる無線リングシステムを提供する。
【解決手段】無線リングシステムの無線通信路のほぼ中心の位置に無線リングシステムのセンターノード装置2と接続された中継局装置4を配置し、障害が発生した時に、この中継局装置4のアンテナ6の方向を孤立したノード装置に向け、併せて孤立したノード装置1のアンテナ6を中継局装置4に向けて無線中継接続を行うことにより、ノード装置の両端で無線伝播障害が発生した場合、ノード装置1を無線リングシステムから孤立させることを回避する。
【選択図】 図1
【解決手段】無線リングシステムの無線通信路のほぼ中心の位置に無線リングシステムのセンターノード装置2と接続された中継局装置4を配置し、障害が発生した時に、この中継局装置4のアンテナ6の方向を孤立したノード装置に向け、併せて孤立したノード装置1のアンテナ6を中継局装置4に向けて無線中継接続を行うことにより、ノード装置の両端で無線伝播障害が発生した場合、ノード装置1を無線リングシステムから孤立させることを回避する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のノード装置、センターノード装置、ネットワーク監視装置により構成される無線リングシステムおよび孤立ノード装置の接続方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10は、従来の無線リングシステムの一例の構成を表すブロック図である。
【0003】
以下図10に示した、従来の無線リングシステムの構成および動作を説明する。
【0004】
図10において無線リングシステムは、ノード装置101(A〜F)、各ノード装置101毎に設けられた送受信用アンテナ101a、複数のノード装置101に接続される端末機器5、センターノード装置2、およびセンターノード装置2に接続されるネットワーク監視装置103により構成され、センターノード装置2には外部ネットワーク8が接続される。
【0005】
ノード装置101(A〜F)およびセンターノード装置2は、それぞれが内蔵する無線送受信機(図示せず)と接続されたアンテナ101aを介して、隣り合うノード装置101もしくはセンターノード装置2と通信し、例えばノード装置101(A)からの信号はノード装置101(A)−(B)−(C)−(D)−(E)−(F)−センターノード装置2−ノード装置101(A)へと一巡するループ状の無線通信路によって主信号を伝送する。
【0006】
ノード装置101(A〜F)に接続されている端末機器5は、それぞれが接続されているノード装置101(A〜F)において、主信号と端末機器5の信号が多重・分離され、他のノード装置101(A〜F)に接続されている端末機器5、もしくはセンターノード装置2を介して外部のネットワーク8と通信を行う。
【0007】
センターノード装置2は、ノード装置101(A〜F)の間の主信号の通信を総合的に制御し、同時に無線リングシステムを外部のネットワーク8と接続し、各ノード装置101(A〜F)に接続された端末機器5と外部のネットワーク8との間のデータ伝送を制御する。
【0008】
またセンターノード装置2にはネットワーク監視装置103が接続され、このネットワーク監視装置103により無線リングシステムに関わるノード装置101(A〜F)の間の通信制御の入力および監視等が行われる。
【0009】
従来この様な無線リングシステムは、広帯域伝送を行うため、マイクロ波や準ミリ波以上の高い周波数で指向性アンテナを用いて運用されている。しかしこの様な高い周波数を用いるシステムでは、通信途絶障害となるような、電波伝播の減衰が集中豪雨等により発生する。
【0010】
従来、無線リングシステムを構成するノード装置101のうち、ある一つのノード装置101(例えばC)の地域で集中豪雨が発生した場合などにより、その無線通信路(無線伝播路)で無線伝播障害が発生すると、その障害が発生したノード装置101(C)の隣のノード装置101(BもしくはD)でループバック(折返し通信)をおこなう。そして最悪時には、そのノード装置1(C)の両隣のノード装置1(BおよびD)でループバック(折返し通信)を行うことになる。この折返し通信を図10の点線で示している。
【0011】
従って、従来の無線リングシステムにおいては、ノード装置101(C)は、上記の自分の両隣のノード装置101(B)と(D)でループバックが行われていると無線リングシステムから切り離された孤立状態になり、ノード装置101(C)およびノード装置101(C)に接続された端末機器5は無線伝播障害が復旧するまで通信できない問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来の無線リングシステムでは、ノード装置自身の故障ではなく、設置地域における集中豪雨などで無線伝播障害が発生することに伴い、両隣のノード装置においてループバックが行われたノード装置では、無線リングシステムから切り離された孤立状態になり、通信できない問題があった。
【0013】
本発明は、上記の問題点を解決するため、ノード装置の両端で無線伝播障害が発生してもそのノ−ド装置が孤立することを回避できる無線リングシステムおよび孤立ノード装置の接続方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、マイクロ波もしくはミリ波の指向性アンテナを用いた無線装置により複数のノード装置およびセンターノード装置がリング状に接続された無線リングシステムにおいて、前記センターノード装置に接続されるネットワーク監視装置と、前記ノード装置と通信可能な位置にあって前記センターノード装置と接続される中継局装置と、無線伝播障害の発生により特定のノード装置の両端のノード装置でループバックが行われ、前記特定のノード装置が通信できない孤立状態になった時、前記ネットワーク監視装置の指示により、前記中継局装置のアンテナの指向方向を前記特定のノード装置の方向に変更し、前記特定のノード装置は自装置のアンテナの指向方向を前記中継局装置の方向に変更し、前記特定のノード装置と前記中継局装置を無線接続する手段とを有したこと特徴とする。
【0015】
また、本発明の孤立ノード装置の接続方法は、マイクロ波もしくはミリ波の指向性アンテナを用いた無線装置により複数のノード装置およびネットワーク監視装置接続されるセンターノード装置がリング状になるよう接続する無線リングシステムにおいて、前記ノード装置すべてと通信可能な位置にあって前記センターノード装置と接続されている中継局装置を設け、無線伝播障害の発生により特定のノード装置が通信できない孤立状態になった時、前記特定のノード装置の両端のノード装置でループバック接続を行い、前記ネットワーク監視装置の指示により、前記中継局装置のアンテナの指向方向を前記特定のノード装置の方向に変更し、前記特定のノード装置と前記中継局装置とを無線接続し、前記特定のノード装置のアンテナの指向方向を前記中継局装置の方向に変更し、前記特定のノード装置と前記中継局装置とを無線接続をすることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明における無線リングシステムの実施の形態の一例の構成を示すブロック図である。
【0017】
図2は、無線リングシステムの無線リングの中央に配置する無線中継局装置のアンテナ方向とノード装置のアンテナ方向の制御概念を示す図である。
【0018】
図3は、本発明の無線リングシステムの中継局装置の構成を示すブロック図である。
【0019】
図4は、本発明の実施の形態のノード装置番号、周波数、無線電波識別子、ノード装置位置情報を管理するノード装置情報テーブルの一例である。
【0020】
図5は本発明のノード装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
図6は、本発明の実施の形態の無線装置番号、中継局装置位置情報、対向局位置情報を管理する中継局装置情報のテーブルの一例である。
【0022】
図7は本発明のセンターノード装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0023】
図8、図9は、本発明の無線リングシステム実施の形態における孤立ノード装置検出、中継局装置、ノード装置のアンテナの方向制御及び孤立状態の解消までの動作を示すフローチャート図である。
【0024】
以下図1乃至9を用いて、本発明の無線リングシステムの構成および動作を説明する。また、以下の図において用いられている符号で、例えばアンテナ6のように共通の番号を付与されているものは、同一の機能、構造を持つ構成要素であることを示す。
【0025】
図1において本発明の実施の形態における無線リングシステムの構成を説明する。
【0026】
本発明の無線リングシステムは、複数のノード装置1(A〜F)、各ノード装置1(A〜F)毎に設けられた送受信用アンテナ6、各ノード装置1(A〜F)に接続される端末機器5、センターノード装置2、およびセンターノード装置2に接続されるネットワーク監視装置3、ならびに中継局装置4により構成され、センターノード装置2にはさらに外部ネットワーク8が接続されている。
【0027】
アンテナ6は、各ノード装置1(A〜F)、センターノード装置2および中継局装置4それぞれの構成の一部として取り付けられている指向性アンテナで、そのビーム方向を変えることができる。
【0028】
ノード装置1(A〜F)およびセンターノード装置2は、それぞれが内蔵する無線送受信機(図示せず)と接続された指向性のアンテナ6を、リング状の無線通信路において隣り合うノード装置1、又はセンターノード装置2と互いに向けあい、主信号等を伝送する無線通信を行う。
【0029】
例えばノード装置1(A)からの主信号は、ノード装置1(A)−(B)−(C)−(D)−(E)−(F)−センターノード装置2−ノード装置1(A)へと一巡するループ接続されたリング状の無線通信路によって伝送される。
【0030】
各ノード装置1(A〜F)に接続されている端末機器5は、それぞれが接続されているノード端末1において、無線通信路で伝送される主信号と自分の信号が多重・分離され、他のノード装置1に接続されている端末機器5、もしくはセンターノード装置2を介して外部のネットワーク8と通信する。
【0031】
センターノード装置2は、各ノード装置1(A〜F)の多重・分離を統括し制御し、同時に無線リングシステムを外部のネットワークと接続し、各ノード装置1(A〜F)に接続された端末機器5と外部のネットワーク8との間のデータを送受信する。
【0032】
またネットワーク監視装置3がセンターノード装置2に接続され、ネットワーク監視装置3は、無線リングシステムに関わるノード装置1(A〜F)間の通信制御・監視等をポーリングによる問合わせや主信号を監視する方法などにより行う。そして、このノード装置1(A〜F)間に対するポーリングや主信号送達確認結果、および後述の生存確認信号の応答確認の有無によって、いずれかのノード装置1が孤立状態になったか否かの判断を行う。
【0033】
そして、ネットワーク監視装置3は、ノード装置1(例えばC)の電波伝播障害による通信障害を検知すると、中継局装置4のアンテナ6をノード装置1(C)の方向に向け、またノード装置1(C)も同じく予め設けられた手順に従い、中継局装置4の方向にノード装置1(C)のアンテナ6を向ける制御を行って、ノード装置1(C)の孤立を防ぐ無線中継通信を行い、無線リングシステムにおける通信途絶を防ぐ制御を行う。
【0034】
即ち、本発明の無線リングシステムでは、あるノード装置1の両側で伝播障害が発生し、当該ノード装置1が孤立するのを防ぐため、図1に示すように無線リングシステムのリング状の無線通信路の中央部にセンターノード装置2と接続された中継局装置4を配置し、この中継局装置4と孤立したノード装置1との間で交信を行えることが出来るよう、伝播障害の発生している方向や経路とは別の方向に電波伝播経路を設定するものである。
【0035】
ここで、リング状無線通信路の中央部とは、無線リングを構成するノード装置1(A〜F)すべてと通信可能な位置を指し、必ずしも無線リングの敷設位置の地理的中央部では無い。即ち、すべてのノード装置1と電波の見通し通信を確保するため周囲の地形や建築構造物の配置等を考慮して置局設計で定められる中継局装置4の設置位置を意味するものである。
【0036】
そして、伝播障害発生時には、中継局装置4と孤立したノード装置1(C)のアンテナ6が対向するよう制御を行って、孤立するノード装置1とセンターノード装置2が中継局装置4を介して無線中継通信を行うことにより、無線リングシステムの通信の維持を図るものである。
【0037】
図1に示される、ノード装置1(A〜F)とセンターノード装置2が構築するリング状無線通信路において、実線は正常な通信状態の信号経路であり、2個所の×部分でループバックが行われると、点線で示すループバック経路になる。そして、さらに中継局装置4が、ノード装置1(C)とセンターノード装置2の間の中継通信を行い、上記ループバック経路に接続される経路を一点破線で示している。
【0038】
図2は、図1に示す無線リングシステムでノード装置1(C)が孤立状態となるループバックが発生した際に、中継局装置4のアンテナ6の方向を孤立したノード装置1(C)に、また同様に孤立したノード装置1(C)のアンテナ6を中継局装置4の方向に向ける制御動作の概念図である。
【0039】
図2において、中継局装置4のアンテナ6は、電波伝播障害が無くノード装置1(C)と中継の通信をする必要が無い時は待機位置である真北方向(0度)に向けられている。
【0040】
ノード装置1(C)の両端でループバックが発生し、ネットワーク監視装置3から中継通信を指令する信号が発信され、その信号を中継局装置4が受信すると、中継局装置4は後述のノード装置情報テーブル43から、障害のあるノード装置1(C)の位置情報を取得し、中継局装置4のアンテナ6の方向を真北方向(0度)から障害のあるノード装置1(C)の方向(例えば90度)へ向ける。
【0041】
またノード装置1(C)は、後述のように、自分が孤立したと判断するとノード装置1(C)に内蔵する中継局装置4の中継局情報テーブルの位置情報から、例えばノード装置1(B)と通信をしていたノード装置1(C)のアンテナ6の方向(例えば315度)を、中継局装置4の方向(例えば270度)へ向け、中継局装置4との無線通信が可能な状況を構築する。
【0042】
次に図3により、中継局装置4の装置構成を説明する。中継局装置4は、無線送受信機41、アンテナ6、制御回路部42およびノード装置情報テーブル43から構成されている。
【0043】
無線送受信機41はセンターノード装置2との間で、例えば専用線のような無線通信路と別系統の通信ラインにより接続され、主信号を送受信している。無線送受信機41は、その主信号をアンテナ6との間で授受すると同時に、中継局装置4がセンターノード装置2と送受信する制御信号と監視信号を多重・分離して制御回路部42と入出力する。この制御回路部42はネットワーク監視装置3からの制御信号の指示により、アンテナ6の方向制御等を行う。
【0044】
中継局装置4は、ノード装置1(A〜F)のいずれかが孤立するループバックが発生すると、ネットワーク監視装置3からセンターノード装置2を介して通知されるノード装置番号をキーとして、当該の孤立したノード装置1(例えばC)が使用する周波数、無線電波識別子、ノード装置位置情報をノード装置情報テーブル43から検索・取得し、アンテナ6の方向を制御してノード装置1(C)との無線中継通信が可能な状況を構築する。
【0045】
そして制御回路部42は、無線中継通信を始めるための制御信号をセンターノード装置2から無線送受信機41を介して受信すると、通信する相手の孤立したノード装置1(C)の方向にアンテナ6を向ける制御を行い、無線接続を確立して孤立したノード装置1(C)とセンターノード装置2との間の無線中継通信を行う。
【0046】
アンテナ6は、指向性アンテナで、制御回路部42からの信号によりアンテナビームの方向が制御され、また制御されたアンテナビームの方向角度(例えばパラボラアンテナと旋回装置を組合せたアンテナでは、その旋回装置の指向角度)を監視信号として制御回路部42へ送信している。
【0047】
図4は、中継局装置4のノード装置情報テーブル43の一例である。
【0048】
ノード装置情報テーブル43には、予め、無線リングシステムに接続されている各ノード装置1(A〜F)の番号(A〜F)と、それぞれが使用する周波数、無線電波識別子、およびノード装置位置情報が格納されている。
【0049】
使用周波数は、各ノード装置1に装備される後述する無線装置11の送信電波周波数であり、無線電波識別子は、同周波数を使用する他無線システムの電波との混在を識別する為に付与する識別子で、中継局装置4と対向して通信するノード装置間ごとに定められた番号である。
【0050】
ノード装置位置情報は、無線リングシステムに組み込まれている各ノード装置1(A〜F)の位置を、無線中継局4から見て真北方向(0度)を基準とした、時計回りに各ノード装置1(A〜F)の位置(0度〜360度)で示した角度値である。
【0051】
次に図5により、ノード装置1の構成を説明する。ノード装置1は、2つの無線装置11(#1、#2)と信号処理部12から構成され、無線装置11は、それぞれ指向性のアンテナ6および無線送受信機111を有している。
【0052】
信号処理部12は、主制御部122、中継局装置情報テーブル123、およびATMノード部124から構成されている。
【0053】
2つの無線装置11(#1、#2)のアンテナ6は、それぞれ隣り合うノード装置1(A〜F)、(又はセンターノード装置2であればセンターノード装置2)の通信相手となるアンテナ6と互いに向き合っている。
【0054】
図5の無線装置11(#1)のアンテナ6で受信された電波は、無線送受信機111で主信号に復調され、信号処理部12のATMノード部124に送信される。ATMノード部124は、主信号の中のアドレスを見て自分と接続された端末機器5と入出力するデータ信号を多重・分離し、また、主信号に含まれるノード装置の運用に係わる制御信号と監視信号を主制御部122と入出力すると同時に無線装置11(#1)を介して主信号の送達確認の信号を、送信相手のノード装置1へ送信し、その結果を主制御部122にも伝える。
【0055】
ATMノード部124において、端末機器5のデータ信号と自分のノード装置の制御・監視信号が多重・分離された主信号は、次の隣のノード装置1に転送されるためもう一つの無線装置11(#2)へ送られ、無線送受信機11(#2)のアンテナ6から送信される。
【0056】
主制御部122は、ノード装置1の各構成の動作を監視・制御するもので、隣り合うノード装置1(A〜F)間での主信号送達確認を行うと同時に、また2台の無線装置11(#1、#2)から送られてくる受信信号のレベルから自分が孤立状態になったか否かの判断を行い、自分が孤立した時、アンテナ6の方向や、中継局装置4との通信の監視、制御を行う。
【0057】
この孤立障害は、隣接するノード装置1(この例ではBおよびD)との無線電波の受信レベルが規定値から所定の時間以上低下すると(例えば、30秒間を超えると)自分が孤立したものとして検出される。
【0058】
一方、センターノード装置2およびネットワーク監視装置3では、各ノード装置1(A〜F)に対するポーリング応答や各ノード装置1(A〜F)が主信号を次のノード装置1(A〜F)に転送するとき行っている主信号の送受を確認する応答確認によって、ノード装置1(A〜F)の孤立を検出している。
【0059】
例えば、センターノード装置2はノード装置1(C)に対するポーリング応答で異常があるか、もしくはセンターノード装置2が監視している主信号の送達確認で、ノード装置1(C)からノード装置(B)へ送信確認をしてもノード装置1(B)から送達確認信号がノード装置1(C)へ戻らない不達が確認され、同時にノード装置1(C)とノード装置1(D)の間でも主信号の不達が検出されるとセンターノード装置はノード装置1(C)が異常と判断する。
【0060】
そして、この主信号の不達は、リング状無線通信路の通信を監視・制御しているネットワーク監視装置3に伝えられる。そして、ネットワーク監視装置3は、通常定期的に行っているポーリングに加えて更にノード装置1(C)に対して行う応答確認により生存確認を行い、その応答がノード装置1(C)から無いとノード装置1(C)が孤立したと判断し、ループバックを行うためにノード装置1(B)とノード装置1(D)に折返し通信を指示する。
【0061】
ノード装置1(C)の主制御部122は、自身が無線リングシステムから孤立したと判断した際、2つの無線装置11の#1、#2いずれか一方を中継局装置4との無線接続に使用するかを決定するため、中継局装置情報テーブル123から上記無線装置11の#1もしくは#2のアンテナ6が中継局装置4との無線接続に適した位置に取り付けられているか等の判断をする。
【0062】
図2の例では、ノード装置1(C)はノード装置1(B)と通信していたアンテナ6を中継局装置4へ向けている。
【0063】
そして主制御部122は、中継局装置4の方向へ向けたアンテナ6の方向調整を行い、中継局装置4との受信信号レベルが所定のレベルに達したこと等により、中継局装置4と無線接続の完了を確認する。そしてATMノード124に対して、主信号を中継局装置4を介してセンターノード装置2と送受信する無線中継通信の指示と、主信号と端末機器5と入出力するデータ信号の多重・分離を再開する指示をする。
【0064】
このようにノード装置1(C)とセンターノード装置2との無線中継通信が確立されると、孤立したノード装置1(C)に接続されている端末機器5ともデータ信号が再び入出力可能になり、端末機器5−孤立ノード装置1(C)−中継局装置4−センターノード装置2間の通信が確保され、無線リングシステムの通信途絶が解消される。
【0065】
さらに、電波伝播障害が無くなりこの無線中継通信が不要になると、ネットワーク監視装置3から、無線中継通信解除の指示に従って中継局装置4は無線中継通信を停止し、アンテナ6を待機位置(0度)の方向に復帰させ、一方、ノード装置1(C)では無線中継通信に使用したアンテナ6を上記の無線接続時と逆にそれぞれ元の通信相手であったノード装置(B)の方向に復帰させる操作を行う。
【0066】
図6は、無線リングシステムを構成するノード装置1(C)の中継局装置情報テーブル123の内容である。ノード装置1(C)には前記、図5で説明したように2つの無線装置11(#1、#2)が接続されており、中継局装置情報テーブル123にはノード装置1(C)に接続される無線装置11の番号(#1、#2)をキーとして、中継局装置位置情報と併せて、隣接し通常通信を行う相手となるノード装置1(BおよびD)の位置情報が対向局位置情報として管理されている。
【0067】
中継局装置位置情報には、ノード装置1(C)の無線装置11(#1、#2)からの中継局装置4の方向が真北(0度)を基準とした角度値で記憶され、対向局位置情報は、ノード装置1(C)の無線伝播障害が無くなったとき、無線リングシステムの通常の無線接続に復帰するために必要な情報であり、ノード装置1(C)に隣接して通信をするノード装置1(B)、(D)の無線装置11の位置情報が、ノード装置の無線装置11(#1、#2)それぞれからの真北(0度)を基準とした角度値で記憶されている。
【0068】
図7はセンターノード装置2の構成を示すブロック図である。
【0069】
無線リングシステム全体の管理運用を行うセンターノード装置2の構成は、
2つの無線装置21(#1、#2)と信号処理部22および局設備インタフェース23から構成される。無線装置21はノード装置1と同様の構成、機能である。信号処理部22は主制御部222、ネットワーク管理テーブル223、およびATMノード部224から構成されている。
【0070】
センターノード装置2の構成と動作はノード装置1(C)に類似するが、中継局装置情報テーブル123に代わるネットワーク管理テーブル223および、ネットワーク監視装置3からの制御信号により、ノード装置1(A〜F)ならびに中継局装置4で構成される無線リングシステム全体のループバックや中継局装置4の制御を含めた通信の監視と管理を実行する点が異なる。
【0071】
また、信号処理部22のATMノード部224には局設備インタフェース23が接続され、局設備インタフェース23を介して無線リングシステムと外部ネットワーク8が通信を行う。そして同じく局設備インタフェース23を介して、中継局装置4とセンターノード装置2が専用線等で接続され、中継局装置4の制御監視、および孤立したノード装置1との無線中継通信信号を中継局装置4と送受信している。
【0072】
ネットワーク監視装置3は、センターノード装置2に接続されるコンピュータでセンターノード装置2を介して、無線リングシステムの動作を監視、制御するものである。
【0073】
以上のセンターノード装置2の機能と動作、およびネットワーク監視装置3の動作は、これまでのノード装置1(C)および中継局装置4に係わる動作説明において述べた通りであるので詳細な説明は省略する。
【0074】
図8、図9は、本発明の無線リングシステムにおいて、無線伝播障害の発生により、例えばノード装置1(C)がその両側で行われたループバックにより孤立状態になった時、無線リングシステムが通信途絶を防ぐ動作を表したフローチャートで、図8は、1センターノード装置2、図9は、ノード装置1およびネットワーク監視装置3についての動作をそれぞれ示している。
【0075】
以下図8および図9を用いて、本発明による無線リングシステムの動作を説明する。
【0076】
ネットワーク監視装置3は各ノード装置1(A〜F)とポーリングにより、ノード装置の動作を監視し(図8のステップs11がYesの場合)、続いてノード装置1(A〜F)相互の主信号送達確認信号を監視している(図8のステップs12)。
【0077】
中継局装置4は、ネットワーク監視装置3からの中継通信の指示が来るまで待機している(図8のステップs13)。
【0078】
ネットワーク監視装置3は、ノード装置1(A〜F)のいずれかでポーリング応答が無いとき(図8のステップ11がNoの場合)、もしくはノード装置1(A〜F)のいずれかの主信号送達確認信号に異常(図8のステップs12がNoの場合)を検出すると、そのノード装置1(C)に対して正常かどうかの確認(以下生存確認と記す)の要求信号を送信する(図8のステップs14)。
【0079】
ネットワーク監視装置3は、生存確認の要求信号に対し応答信号が無かったノード装置1(C)を、無線リングシステムのリングから切り離された孤立状態であると判断する(図8のステップs15がNoの場合)。
【0080】
ネットワーク監視装置3は、ノード装置1(C)の孤立を検出すると、中継局装置4に対して孤立したノード装置1(C)のノード番号(C)とそのノード復旧要求信号を通知する(図8のステップs16)。
【0081】
中継局装置4は、通知されたノード復旧要求信号とノード番号(C)から、ノード装置情報テーブル43から、当該ノード装置情報を検索しノード番号に対応するノード装置情報を取得する(図8のステップs17)。
【0082】
中継局装置4は、孤立したノード装置1(C)と通信するための取得した周波数、無線電波識別子を中継局装置4の無線送受信機41に設定する(図8のステップs18)。
【0083】
次に中継局装置4は、ノード装置情報テーブル43のノード装置位置情報より、中継局装置4のアンテナ6を孤立したノード装置1(C)の方向へ向け(図8のステップs19)電波を送信し、続いてノード装置1(C)からの電波受信レベル等を確認する(図8のステップs20)。
【0084】
一方、各ノード装置1(A〜F)では、各々定期的に隣接するノード装置1との間の無線信号の受信レベルを測定する(図9のステップs111)。
【0085】
そして、孤立ノード装置1(C)は両隣のノード装置1との間で所定の受信レベルで、例えば30秒間以上同時に受信できなくなると(図9のステップs112がYesの場合)、自分が無線リングシステムから孤立したと判断し、ノード装置1(C)のアンテナ6の方向を中継局装置情報テーブル123から取得し(ステップs113)、中継局装置4の方向に向け電波の送受信を開始すると共に(図9のステップs114)、同時に中継局装置4からの受信電波レベル等を確認する(図9のステップs115)。
【0086】
この時中継局装置4では、ノード装置1(C)からの電波の受信レベルが規定範囲内に不足する場合、規定範囲内となるようにまず、そのアンテナ6の方向を所定の手順により最大値に調整し、中継局装置4のアンテナ6を静止させる(図8のステップs21)。
【0087】
次に孤立したノード装置1(C)も、同様にアンテナ6を受信電波レベルを最大値になるよう所定の手順により調整し、ノード装置1(C)のアンテナ6を静止させる(図9のステップs116)。
【0088】
この受信レベル調整を相互に繰返し、規定の範囲の受信レベルになったとき、中継局装置4からネットワーク監視装置3へ準備完了信号を送信する(図8のステップs22)。
【0089】
またノード装置1(C)は、自分に接続された端末装置5と入出力するデータ信号の主信号との多重・分離を再開させる(図9のステップs117)。
【0090】
中継局装置4より準備完了信号を受信したネットワーク監視装置3は、引き続きセンターノード装置2を経由し、中継局装置4のアンテナ6から無線通信による生存確認問合せの信号をノード装置1(C)へ送出してノード装置1(C)の生存確認を行う(図8のステップs23)。
【0091】
ノード装置1(C)は、この無線通信による生存確認の要求信号を受信すると、生存確認の応答信号を同じく無線通信により中継局装置4等を経由してネットワーク監視装置3へ返信する(図9のステップs118)。
【0092】
ネットワーク監視装置3は、ノード装置1(C)からの生存確認の応答信号を受信すると(図8のステップs24がYesの場合)、センターノード装置2、ノード装置1(C)および中継局装置4に対して無線中継通信の開始を通知する(図8のステップs25)。
【0093】
そして、中継局装置4は、ノード装置1(C)とセンターノード装置2の間の無線中継通信を開始する(図8のステップs26)。
【0094】
この結果ノード装置1(C)は、孤立状態が解消され、自分に接続された端末装置5と入出力するデータ信号をセンターノード装置2と送受信できるようになり、無線リングシステム上の通信障害が回避される(図9のステップs119)。
【0095】
以上説明したように、ノード装置が両隣のノード装置との無線伝播障害による通信障害が発生し、無線リングシステムがループバック状態となってノード装置が孤立に陥る状態でも、無線リングの中央の位置に中継局装置を配置し、障害が発生したときにこの中継局装置のアンテナの方向を孤立したノード装置に向け、併せて孤立したノード装置のアンテナを前記の中継局装置に向けることによって伝播障害を避けた無線中継通信を行い、ノード装置が無線リングシステムから孤立することを回避できる。
【0096】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、ノード装置が両隣のノード装置との無線伝播障害により無線リングシステムがループバック状態となってノード装置が孤立に陥る状態でも、無線リングの中央の位置に中継局装置を配置し、障害が発生したときにこの中継局装置のアンテナの方向を前記の孤立したノード装置に向け、同じく前記の孤立したノード装置のアンテナを前記の中継局装置に向けて無線中継通信を行うことにより、ノード装置を無線リングシステムから孤立させることを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における無線リングシステムの実施の形態の一例の構成を示すブロック図。
【図2】無線リングシステムの無線伝送路の中央に配置する無線中継局装置のアンテナ方向とノード装置のアンテナ方向の制御概念図。
【図3】図3は、本発明の無線リングシステムの中継局装置の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の実施の形態のノード装置番号、周波数、無線電波識別子、ノード位置情報を管理するノード装置情報のテーブルの一例。
【図5】本発明のノード装置の構成の一例を示すブロック図。
【図6】本発明の実施の形態のノード装置におけるアンテナ番号、中継局装置位置情報、対向局位置情報を管理する中継局装置情報のテーブルの一例。
【図7】本発明のセンターノード装置の構成の一例を示すブロック図。
【図8】本発明の無線リングシステムにおける孤立ノード装置の通信路復旧までの動作を示すフローチャート。
【図9】本発明の無線リングシステムにおける孤立ノード装置の通信路復旧までの動作を示すフローチャート。
【図10】従来の無線リングシステムの構成の一例を示すブロック図。
【符号の説明】
1 ノード装置
2 センターノード装置
3 ネットワーク監視装置
4 中継局装置
5 端末機器
6 アンテナ
11、21 無線装置
12、22 信号処理部
23 局設備インタフェース
41 無線送受信機
42 制御回路部
43 ノード装置情報テーブル
111 無線送受信機
122、222 主制御部
123 中継局装置情報テーブル
124、224 ATMノード
223 ネットワーク管理テーブル
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のノード装置、センターノード装置、ネットワーク監視装置により構成される無線リングシステムおよび孤立ノード装置の接続方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10は、従来の無線リングシステムの一例の構成を表すブロック図である。
【0003】
以下図10に示した、従来の無線リングシステムの構成および動作を説明する。
【0004】
図10において無線リングシステムは、ノード装置101(A〜F)、各ノード装置101毎に設けられた送受信用アンテナ101a、複数のノード装置101に接続される端末機器5、センターノード装置2、およびセンターノード装置2に接続されるネットワーク監視装置103により構成され、センターノード装置2には外部ネットワーク8が接続される。
【0005】
ノード装置101(A〜F)およびセンターノード装置2は、それぞれが内蔵する無線送受信機(図示せず)と接続されたアンテナ101aを介して、隣り合うノード装置101もしくはセンターノード装置2と通信し、例えばノード装置101(A)からの信号はノード装置101(A)−(B)−(C)−(D)−(E)−(F)−センターノード装置2−ノード装置101(A)へと一巡するループ状の無線通信路によって主信号を伝送する。
【0006】
ノード装置101(A〜F)に接続されている端末機器5は、それぞれが接続されているノード装置101(A〜F)において、主信号と端末機器5の信号が多重・分離され、他のノード装置101(A〜F)に接続されている端末機器5、もしくはセンターノード装置2を介して外部のネットワーク8と通信を行う。
【0007】
センターノード装置2は、ノード装置101(A〜F)の間の主信号の通信を総合的に制御し、同時に無線リングシステムを外部のネットワーク8と接続し、各ノード装置101(A〜F)に接続された端末機器5と外部のネットワーク8との間のデータ伝送を制御する。
【0008】
またセンターノード装置2にはネットワーク監視装置103が接続され、このネットワーク監視装置103により無線リングシステムに関わるノード装置101(A〜F)の間の通信制御の入力および監視等が行われる。
【0009】
従来この様な無線リングシステムは、広帯域伝送を行うため、マイクロ波や準ミリ波以上の高い周波数で指向性アンテナを用いて運用されている。しかしこの様な高い周波数を用いるシステムでは、通信途絶障害となるような、電波伝播の減衰が集中豪雨等により発生する。
【0010】
従来、無線リングシステムを構成するノード装置101のうち、ある一つのノード装置101(例えばC)の地域で集中豪雨が発生した場合などにより、その無線通信路(無線伝播路)で無線伝播障害が発生すると、その障害が発生したノード装置101(C)の隣のノード装置101(BもしくはD)でループバック(折返し通信)をおこなう。そして最悪時には、そのノード装置1(C)の両隣のノード装置1(BおよびD)でループバック(折返し通信)を行うことになる。この折返し通信を図10の点線で示している。
【0011】
従って、従来の無線リングシステムにおいては、ノード装置101(C)は、上記の自分の両隣のノード装置101(B)と(D)でループバックが行われていると無線リングシステムから切り離された孤立状態になり、ノード装置101(C)およびノード装置101(C)に接続された端末機器5は無線伝播障害が復旧するまで通信できない問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来の無線リングシステムでは、ノード装置自身の故障ではなく、設置地域における集中豪雨などで無線伝播障害が発生することに伴い、両隣のノード装置においてループバックが行われたノード装置では、無線リングシステムから切り離された孤立状態になり、通信できない問題があった。
【0013】
本発明は、上記の問題点を解決するため、ノード装置の両端で無線伝播障害が発生してもそのノ−ド装置が孤立することを回避できる無線リングシステムおよび孤立ノード装置の接続方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、マイクロ波もしくはミリ波の指向性アンテナを用いた無線装置により複数のノード装置およびセンターノード装置がリング状に接続された無線リングシステムにおいて、前記センターノード装置に接続されるネットワーク監視装置と、前記ノード装置と通信可能な位置にあって前記センターノード装置と接続される中継局装置と、無線伝播障害の発生により特定のノード装置の両端のノード装置でループバックが行われ、前記特定のノード装置が通信できない孤立状態になった時、前記ネットワーク監視装置の指示により、前記中継局装置のアンテナの指向方向を前記特定のノード装置の方向に変更し、前記特定のノード装置は自装置のアンテナの指向方向を前記中継局装置の方向に変更し、前記特定のノード装置と前記中継局装置を無線接続する手段とを有したこと特徴とする。
【0015】
また、本発明の孤立ノード装置の接続方法は、マイクロ波もしくはミリ波の指向性アンテナを用いた無線装置により複数のノード装置およびネットワーク監視装置接続されるセンターノード装置がリング状になるよう接続する無線リングシステムにおいて、前記ノード装置すべてと通信可能な位置にあって前記センターノード装置と接続されている中継局装置を設け、無線伝播障害の発生により特定のノード装置が通信できない孤立状態になった時、前記特定のノード装置の両端のノード装置でループバック接続を行い、前記ネットワーク監視装置の指示により、前記中継局装置のアンテナの指向方向を前記特定のノード装置の方向に変更し、前記特定のノード装置と前記中継局装置とを無線接続し、前記特定のノード装置のアンテナの指向方向を前記中継局装置の方向に変更し、前記特定のノード装置と前記中継局装置とを無線接続をすることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明における無線リングシステムの実施の形態の一例の構成を示すブロック図である。
【0017】
図2は、無線リングシステムの無線リングの中央に配置する無線中継局装置のアンテナ方向とノード装置のアンテナ方向の制御概念を示す図である。
【0018】
図3は、本発明の無線リングシステムの中継局装置の構成を示すブロック図である。
【0019】
図4は、本発明の実施の形態のノード装置番号、周波数、無線電波識別子、ノード装置位置情報を管理するノード装置情報テーブルの一例である。
【0020】
図5は本発明のノード装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
図6は、本発明の実施の形態の無線装置番号、中継局装置位置情報、対向局位置情報を管理する中継局装置情報のテーブルの一例である。
【0022】
図7は本発明のセンターノード装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0023】
図8、図9は、本発明の無線リングシステム実施の形態における孤立ノード装置検出、中継局装置、ノード装置のアンテナの方向制御及び孤立状態の解消までの動作を示すフローチャート図である。
【0024】
以下図1乃至9を用いて、本発明の無線リングシステムの構成および動作を説明する。また、以下の図において用いられている符号で、例えばアンテナ6のように共通の番号を付与されているものは、同一の機能、構造を持つ構成要素であることを示す。
【0025】
図1において本発明の実施の形態における無線リングシステムの構成を説明する。
【0026】
本発明の無線リングシステムは、複数のノード装置1(A〜F)、各ノード装置1(A〜F)毎に設けられた送受信用アンテナ6、各ノード装置1(A〜F)に接続される端末機器5、センターノード装置2、およびセンターノード装置2に接続されるネットワーク監視装置3、ならびに中継局装置4により構成され、センターノード装置2にはさらに外部ネットワーク8が接続されている。
【0027】
アンテナ6は、各ノード装置1(A〜F)、センターノード装置2および中継局装置4それぞれの構成の一部として取り付けられている指向性アンテナで、そのビーム方向を変えることができる。
【0028】
ノード装置1(A〜F)およびセンターノード装置2は、それぞれが内蔵する無線送受信機(図示せず)と接続された指向性のアンテナ6を、リング状の無線通信路において隣り合うノード装置1、又はセンターノード装置2と互いに向けあい、主信号等を伝送する無線通信を行う。
【0029】
例えばノード装置1(A)からの主信号は、ノード装置1(A)−(B)−(C)−(D)−(E)−(F)−センターノード装置2−ノード装置1(A)へと一巡するループ接続されたリング状の無線通信路によって伝送される。
【0030】
各ノード装置1(A〜F)に接続されている端末機器5は、それぞれが接続されているノード端末1において、無線通信路で伝送される主信号と自分の信号が多重・分離され、他のノード装置1に接続されている端末機器5、もしくはセンターノード装置2を介して外部のネットワーク8と通信する。
【0031】
センターノード装置2は、各ノード装置1(A〜F)の多重・分離を統括し制御し、同時に無線リングシステムを外部のネットワークと接続し、各ノード装置1(A〜F)に接続された端末機器5と外部のネットワーク8との間のデータを送受信する。
【0032】
またネットワーク監視装置3がセンターノード装置2に接続され、ネットワーク監視装置3は、無線リングシステムに関わるノード装置1(A〜F)間の通信制御・監視等をポーリングによる問合わせや主信号を監視する方法などにより行う。そして、このノード装置1(A〜F)間に対するポーリングや主信号送達確認結果、および後述の生存確認信号の応答確認の有無によって、いずれかのノード装置1が孤立状態になったか否かの判断を行う。
【0033】
そして、ネットワーク監視装置3は、ノード装置1(例えばC)の電波伝播障害による通信障害を検知すると、中継局装置4のアンテナ6をノード装置1(C)の方向に向け、またノード装置1(C)も同じく予め設けられた手順に従い、中継局装置4の方向にノード装置1(C)のアンテナ6を向ける制御を行って、ノード装置1(C)の孤立を防ぐ無線中継通信を行い、無線リングシステムにおける通信途絶を防ぐ制御を行う。
【0034】
即ち、本発明の無線リングシステムでは、あるノード装置1の両側で伝播障害が発生し、当該ノード装置1が孤立するのを防ぐため、図1に示すように無線リングシステムのリング状の無線通信路の中央部にセンターノード装置2と接続された中継局装置4を配置し、この中継局装置4と孤立したノード装置1との間で交信を行えることが出来るよう、伝播障害の発生している方向や経路とは別の方向に電波伝播経路を設定するものである。
【0035】
ここで、リング状無線通信路の中央部とは、無線リングを構成するノード装置1(A〜F)すべてと通信可能な位置を指し、必ずしも無線リングの敷設位置の地理的中央部では無い。即ち、すべてのノード装置1と電波の見通し通信を確保するため周囲の地形や建築構造物の配置等を考慮して置局設計で定められる中継局装置4の設置位置を意味するものである。
【0036】
そして、伝播障害発生時には、中継局装置4と孤立したノード装置1(C)のアンテナ6が対向するよう制御を行って、孤立するノード装置1とセンターノード装置2が中継局装置4を介して無線中継通信を行うことにより、無線リングシステムの通信の維持を図るものである。
【0037】
図1に示される、ノード装置1(A〜F)とセンターノード装置2が構築するリング状無線通信路において、実線は正常な通信状態の信号経路であり、2個所の×部分でループバックが行われると、点線で示すループバック経路になる。そして、さらに中継局装置4が、ノード装置1(C)とセンターノード装置2の間の中継通信を行い、上記ループバック経路に接続される経路を一点破線で示している。
【0038】
図2は、図1に示す無線リングシステムでノード装置1(C)が孤立状態となるループバックが発生した際に、中継局装置4のアンテナ6の方向を孤立したノード装置1(C)に、また同様に孤立したノード装置1(C)のアンテナ6を中継局装置4の方向に向ける制御動作の概念図である。
【0039】
図2において、中継局装置4のアンテナ6は、電波伝播障害が無くノード装置1(C)と中継の通信をする必要が無い時は待機位置である真北方向(0度)に向けられている。
【0040】
ノード装置1(C)の両端でループバックが発生し、ネットワーク監視装置3から中継通信を指令する信号が発信され、その信号を中継局装置4が受信すると、中継局装置4は後述のノード装置情報テーブル43から、障害のあるノード装置1(C)の位置情報を取得し、中継局装置4のアンテナ6の方向を真北方向(0度)から障害のあるノード装置1(C)の方向(例えば90度)へ向ける。
【0041】
またノード装置1(C)は、後述のように、自分が孤立したと判断するとノード装置1(C)に内蔵する中継局装置4の中継局情報テーブルの位置情報から、例えばノード装置1(B)と通信をしていたノード装置1(C)のアンテナ6の方向(例えば315度)を、中継局装置4の方向(例えば270度)へ向け、中継局装置4との無線通信が可能な状況を構築する。
【0042】
次に図3により、中継局装置4の装置構成を説明する。中継局装置4は、無線送受信機41、アンテナ6、制御回路部42およびノード装置情報テーブル43から構成されている。
【0043】
無線送受信機41はセンターノード装置2との間で、例えば専用線のような無線通信路と別系統の通信ラインにより接続され、主信号を送受信している。無線送受信機41は、その主信号をアンテナ6との間で授受すると同時に、中継局装置4がセンターノード装置2と送受信する制御信号と監視信号を多重・分離して制御回路部42と入出力する。この制御回路部42はネットワーク監視装置3からの制御信号の指示により、アンテナ6の方向制御等を行う。
【0044】
中継局装置4は、ノード装置1(A〜F)のいずれかが孤立するループバックが発生すると、ネットワーク監視装置3からセンターノード装置2を介して通知されるノード装置番号をキーとして、当該の孤立したノード装置1(例えばC)が使用する周波数、無線電波識別子、ノード装置位置情報をノード装置情報テーブル43から検索・取得し、アンテナ6の方向を制御してノード装置1(C)との無線中継通信が可能な状況を構築する。
【0045】
そして制御回路部42は、無線中継通信を始めるための制御信号をセンターノード装置2から無線送受信機41を介して受信すると、通信する相手の孤立したノード装置1(C)の方向にアンテナ6を向ける制御を行い、無線接続を確立して孤立したノード装置1(C)とセンターノード装置2との間の無線中継通信を行う。
【0046】
アンテナ6は、指向性アンテナで、制御回路部42からの信号によりアンテナビームの方向が制御され、また制御されたアンテナビームの方向角度(例えばパラボラアンテナと旋回装置を組合せたアンテナでは、その旋回装置の指向角度)を監視信号として制御回路部42へ送信している。
【0047】
図4は、中継局装置4のノード装置情報テーブル43の一例である。
【0048】
ノード装置情報テーブル43には、予め、無線リングシステムに接続されている各ノード装置1(A〜F)の番号(A〜F)と、それぞれが使用する周波数、無線電波識別子、およびノード装置位置情報が格納されている。
【0049】
使用周波数は、各ノード装置1に装備される後述する無線装置11の送信電波周波数であり、無線電波識別子は、同周波数を使用する他無線システムの電波との混在を識別する為に付与する識別子で、中継局装置4と対向して通信するノード装置間ごとに定められた番号である。
【0050】
ノード装置位置情報は、無線リングシステムに組み込まれている各ノード装置1(A〜F)の位置を、無線中継局4から見て真北方向(0度)を基準とした、時計回りに各ノード装置1(A〜F)の位置(0度〜360度)で示した角度値である。
【0051】
次に図5により、ノード装置1の構成を説明する。ノード装置1は、2つの無線装置11(#1、#2)と信号処理部12から構成され、無線装置11は、それぞれ指向性のアンテナ6および無線送受信機111を有している。
【0052】
信号処理部12は、主制御部122、中継局装置情報テーブル123、およびATMノード部124から構成されている。
【0053】
2つの無線装置11(#1、#2)のアンテナ6は、それぞれ隣り合うノード装置1(A〜F)、(又はセンターノード装置2であればセンターノード装置2)の通信相手となるアンテナ6と互いに向き合っている。
【0054】
図5の無線装置11(#1)のアンテナ6で受信された電波は、無線送受信機111で主信号に復調され、信号処理部12のATMノード部124に送信される。ATMノード部124は、主信号の中のアドレスを見て自分と接続された端末機器5と入出力するデータ信号を多重・分離し、また、主信号に含まれるノード装置の運用に係わる制御信号と監視信号を主制御部122と入出力すると同時に無線装置11(#1)を介して主信号の送達確認の信号を、送信相手のノード装置1へ送信し、その結果を主制御部122にも伝える。
【0055】
ATMノード部124において、端末機器5のデータ信号と自分のノード装置の制御・監視信号が多重・分離された主信号は、次の隣のノード装置1に転送されるためもう一つの無線装置11(#2)へ送られ、無線送受信機11(#2)のアンテナ6から送信される。
【0056】
主制御部122は、ノード装置1の各構成の動作を監視・制御するもので、隣り合うノード装置1(A〜F)間での主信号送達確認を行うと同時に、また2台の無線装置11(#1、#2)から送られてくる受信信号のレベルから自分が孤立状態になったか否かの判断を行い、自分が孤立した時、アンテナ6の方向や、中継局装置4との通信の監視、制御を行う。
【0057】
この孤立障害は、隣接するノード装置1(この例ではBおよびD)との無線電波の受信レベルが規定値から所定の時間以上低下すると(例えば、30秒間を超えると)自分が孤立したものとして検出される。
【0058】
一方、センターノード装置2およびネットワーク監視装置3では、各ノード装置1(A〜F)に対するポーリング応答や各ノード装置1(A〜F)が主信号を次のノード装置1(A〜F)に転送するとき行っている主信号の送受を確認する応答確認によって、ノード装置1(A〜F)の孤立を検出している。
【0059】
例えば、センターノード装置2はノード装置1(C)に対するポーリング応答で異常があるか、もしくはセンターノード装置2が監視している主信号の送達確認で、ノード装置1(C)からノード装置(B)へ送信確認をしてもノード装置1(B)から送達確認信号がノード装置1(C)へ戻らない不達が確認され、同時にノード装置1(C)とノード装置1(D)の間でも主信号の不達が検出されるとセンターノード装置はノード装置1(C)が異常と判断する。
【0060】
そして、この主信号の不達は、リング状無線通信路の通信を監視・制御しているネットワーク監視装置3に伝えられる。そして、ネットワーク監視装置3は、通常定期的に行っているポーリングに加えて更にノード装置1(C)に対して行う応答確認により生存確認を行い、その応答がノード装置1(C)から無いとノード装置1(C)が孤立したと判断し、ループバックを行うためにノード装置1(B)とノード装置1(D)に折返し通信を指示する。
【0061】
ノード装置1(C)の主制御部122は、自身が無線リングシステムから孤立したと判断した際、2つの無線装置11の#1、#2いずれか一方を中継局装置4との無線接続に使用するかを決定するため、中継局装置情報テーブル123から上記無線装置11の#1もしくは#2のアンテナ6が中継局装置4との無線接続に適した位置に取り付けられているか等の判断をする。
【0062】
図2の例では、ノード装置1(C)はノード装置1(B)と通信していたアンテナ6を中継局装置4へ向けている。
【0063】
そして主制御部122は、中継局装置4の方向へ向けたアンテナ6の方向調整を行い、中継局装置4との受信信号レベルが所定のレベルに達したこと等により、中継局装置4と無線接続の完了を確認する。そしてATMノード124に対して、主信号を中継局装置4を介してセンターノード装置2と送受信する無線中継通信の指示と、主信号と端末機器5と入出力するデータ信号の多重・分離を再開する指示をする。
【0064】
このようにノード装置1(C)とセンターノード装置2との無線中継通信が確立されると、孤立したノード装置1(C)に接続されている端末機器5ともデータ信号が再び入出力可能になり、端末機器5−孤立ノード装置1(C)−中継局装置4−センターノード装置2間の通信が確保され、無線リングシステムの通信途絶が解消される。
【0065】
さらに、電波伝播障害が無くなりこの無線中継通信が不要になると、ネットワーク監視装置3から、無線中継通信解除の指示に従って中継局装置4は無線中継通信を停止し、アンテナ6を待機位置(0度)の方向に復帰させ、一方、ノード装置1(C)では無線中継通信に使用したアンテナ6を上記の無線接続時と逆にそれぞれ元の通信相手であったノード装置(B)の方向に復帰させる操作を行う。
【0066】
図6は、無線リングシステムを構成するノード装置1(C)の中継局装置情報テーブル123の内容である。ノード装置1(C)には前記、図5で説明したように2つの無線装置11(#1、#2)が接続されており、中継局装置情報テーブル123にはノード装置1(C)に接続される無線装置11の番号(#1、#2)をキーとして、中継局装置位置情報と併せて、隣接し通常通信を行う相手となるノード装置1(BおよびD)の位置情報が対向局位置情報として管理されている。
【0067】
中継局装置位置情報には、ノード装置1(C)の無線装置11(#1、#2)からの中継局装置4の方向が真北(0度)を基準とした角度値で記憶され、対向局位置情報は、ノード装置1(C)の無線伝播障害が無くなったとき、無線リングシステムの通常の無線接続に復帰するために必要な情報であり、ノード装置1(C)に隣接して通信をするノード装置1(B)、(D)の無線装置11の位置情報が、ノード装置の無線装置11(#1、#2)それぞれからの真北(0度)を基準とした角度値で記憶されている。
【0068】
図7はセンターノード装置2の構成を示すブロック図である。
【0069】
無線リングシステム全体の管理運用を行うセンターノード装置2の構成は、
2つの無線装置21(#1、#2)と信号処理部22および局設備インタフェース23から構成される。無線装置21はノード装置1と同様の構成、機能である。信号処理部22は主制御部222、ネットワーク管理テーブル223、およびATMノード部224から構成されている。
【0070】
センターノード装置2の構成と動作はノード装置1(C)に類似するが、中継局装置情報テーブル123に代わるネットワーク管理テーブル223および、ネットワーク監視装置3からの制御信号により、ノード装置1(A〜F)ならびに中継局装置4で構成される無線リングシステム全体のループバックや中継局装置4の制御を含めた通信の監視と管理を実行する点が異なる。
【0071】
また、信号処理部22のATMノード部224には局設備インタフェース23が接続され、局設備インタフェース23を介して無線リングシステムと外部ネットワーク8が通信を行う。そして同じく局設備インタフェース23を介して、中継局装置4とセンターノード装置2が専用線等で接続され、中継局装置4の制御監視、および孤立したノード装置1との無線中継通信信号を中継局装置4と送受信している。
【0072】
ネットワーク監視装置3は、センターノード装置2に接続されるコンピュータでセンターノード装置2を介して、無線リングシステムの動作を監視、制御するものである。
【0073】
以上のセンターノード装置2の機能と動作、およびネットワーク監視装置3の動作は、これまでのノード装置1(C)および中継局装置4に係わる動作説明において述べた通りであるので詳細な説明は省略する。
【0074】
図8、図9は、本発明の無線リングシステムにおいて、無線伝播障害の発生により、例えばノード装置1(C)がその両側で行われたループバックにより孤立状態になった時、無線リングシステムが通信途絶を防ぐ動作を表したフローチャートで、図8は、1センターノード装置2、図9は、ノード装置1およびネットワーク監視装置3についての動作をそれぞれ示している。
【0075】
以下図8および図9を用いて、本発明による無線リングシステムの動作を説明する。
【0076】
ネットワーク監視装置3は各ノード装置1(A〜F)とポーリングにより、ノード装置の動作を監視し(図8のステップs11がYesの場合)、続いてノード装置1(A〜F)相互の主信号送達確認信号を監視している(図8のステップs12)。
【0077】
中継局装置4は、ネットワーク監視装置3からの中継通信の指示が来るまで待機している(図8のステップs13)。
【0078】
ネットワーク監視装置3は、ノード装置1(A〜F)のいずれかでポーリング応答が無いとき(図8のステップ11がNoの場合)、もしくはノード装置1(A〜F)のいずれかの主信号送達確認信号に異常(図8のステップs12がNoの場合)を検出すると、そのノード装置1(C)に対して正常かどうかの確認(以下生存確認と記す)の要求信号を送信する(図8のステップs14)。
【0079】
ネットワーク監視装置3は、生存確認の要求信号に対し応答信号が無かったノード装置1(C)を、無線リングシステムのリングから切り離された孤立状態であると判断する(図8のステップs15がNoの場合)。
【0080】
ネットワーク監視装置3は、ノード装置1(C)の孤立を検出すると、中継局装置4に対して孤立したノード装置1(C)のノード番号(C)とそのノード復旧要求信号を通知する(図8のステップs16)。
【0081】
中継局装置4は、通知されたノード復旧要求信号とノード番号(C)から、ノード装置情報テーブル43から、当該ノード装置情報を検索しノード番号に対応するノード装置情報を取得する(図8のステップs17)。
【0082】
中継局装置4は、孤立したノード装置1(C)と通信するための取得した周波数、無線電波識別子を中継局装置4の無線送受信機41に設定する(図8のステップs18)。
【0083】
次に中継局装置4は、ノード装置情報テーブル43のノード装置位置情報より、中継局装置4のアンテナ6を孤立したノード装置1(C)の方向へ向け(図8のステップs19)電波を送信し、続いてノード装置1(C)からの電波受信レベル等を確認する(図8のステップs20)。
【0084】
一方、各ノード装置1(A〜F)では、各々定期的に隣接するノード装置1との間の無線信号の受信レベルを測定する(図9のステップs111)。
【0085】
そして、孤立ノード装置1(C)は両隣のノード装置1との間で所定の受信レベルで、例えば30秒間以上同時に受信できなくなると(図9のステップs112がYesの場合)、自分が無線リングシステムから孤立したと判断し、ノード装置1(C)のアンテナ6の方向を中継局装置情報テーブル123から取得し(ステップs113)、中継局装置4の方向に向け電波の送受信を開始すると共に(図9のステップs114)、同時に中継局装置4からの受信電波レベル等を確認する(図9のステップs115)。
【0086】
この時中継局装置4では、ノード装置1(C)からの電波の受信レベルが規定範囲内に不足する場合、規定範囲内となるようにまず、そのアンテナ6の方向を所定の手順により最大値に調整し、中継局装置4のアンテナ6を静止させる(図8のステップs21)。
【0087】
次に孤立したノード装置1(C)も、同様にアンテナ6を受信電波レベルを最大値になるよう所定の手順により調整し、ノード装置1(C)のアンテナ6を静止させる(図9のステップs116)。
【0088】
この受信レベル調整を相互に繰返し、規定の範囲の受信レベルになったとき、中継局装置4からネットワーク監視装置3へ準備完了信号を送信する(図8のステップs22)。
【0089】
またノード装置1(C)は、自分に接続された端末装置5と入出力するデータ信号の主信号との多重・分離を再開させる(図9のステップs117)。
【0090】
中継局装置4より準備完了信号を受信したネットワーク監視装置3は、引き続きセンターノード装置2を経由し、中継局装置4のアンテナ6から無線通信による生存確認問合せの信号をノード装置1(C)へ送出してノード装置1(C)の生存確認を行う(図8のステップs23)。
【0091】
ノード装置1(C)は、この無線通信による生存確認の要求信号を受信すると、生存確認の応答信号を同じく無線通信により中継局装置4等を経由してネットワーク監視装置3へ返信する(図9のステップs118)。
【0092】
ネットワーク監視装置3は、ノード装置1(C)からの生存確認の応答信号を受信すると(図8のステップs24がYesの場合)、センターノード装置2、ノード装置1(C)および中継局装置4に対して無線中継通信の開始を通知する(図8のステップs25)。
【0093】
そして、中継局装置4は、ノード装置1(C)とセンターノード装置2の間の無線中継通信を開始する(図8のステップs26)。
【0094】
この結果ノード装置1(C)は、孤立状態が解消され、自分に接続された端末装置5と入出力するデータ信号をセンターノード装置2と送受信できるようになり、無線リングシステム上の通信障害が回避される(図9のステップs119)。
【0095】
以上説明したように、ノード装置が両隣のノード装置との無線伝播障害による通信障害が発生し、無線リングシステムがループバック状態となってノード装置が孤立に陥る状態でも、無線リングの中央の位置に中継局装置を配置し、障害が発生したときにこの中継局装置のアンテナの方向を孤立したノード装置に向け、併せて孤立したノード装置のアンテナを前記の中継局装置に向けることによって伝播障害を避けた無線中継通信を行い、ノード装置が無線リングシステムから孤立することを回避できる。
【0096】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、ノード装置が両隣のノード装置との無線伝播障害により無線リングシステムがループバック状態となってノード装置が孤立に陥る状態でも、無線リングの中央の位置に中継局装置を配置し、障害が発生したときにこの中継局装置のアンテナの方向を前記の孤立したノード装置に向け、同じく前記の孤立したノード装置のアンテナを前記の中継局装置に向けて無線中継通信を行うことにより、ノード装置を無線リングシステムから孤立させることを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における無線リングシステムの実施の形態の一例の構成を示すブロック図。
【図2】無線リングシステムの無線伝送路の中央に配置する無線中継局装置のアンテナ方向とノード装置のアンテナ方向の制御概念図。
【図3】図3は、本発明の無線リングシステムの中継局装置の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の実施の形態のノード装置番号、周波数、無線電波識別子、ノード位置情報を管理するノード装置情報のテーブルの一例。
【図5】本発明のノード装置の構成の一例を示すブロック図。
【図6】本発明の実施の形態のノード装置におけるアンテナ番号、中継局装置位置情報、対向局位置情報を管理する中継局装置情報のテーブルの一例。
【図7】本発明のセンターノード装置の構成の一例を示すブロック図。
【図8】本発明の無線リングシステムにおける孤立ノード装置の通信路復旧までの動作を示すフローチャート。
【図9】本発明の無線リングシステムにおける孤立ノード装置の通信路復旧までの動作を示すフローチャート。
【図10】従来の無線リングシステムの構成の一例を示すブロック図。
【符号の説明】
1 ノード装置
2 センターノード装置
3 ネットワーク監視装置
4 中継局装置
5 端末機器
6 アンテナ
11、21 無線装置
12、22 信号処理部
23 局設備インタフェース
41 無線送受信機
42 制御回路部
43 ノード装置情報テーブル
111 無線送受信機
122、222 主制御部
123 中継局装置情報テーブル
124、224 ATMノード
223 ネットワーク管理テーブル
Claims (8)
- マイクロ波もしくはミリ波の指向性アンテナを用いた無線装置により複数のノード装置およびセンターノード装置がリング状に接続された無線リングシステムにおいて、
前記センターノード装置に接続されるネットワーク監視装置と、
前記ノード装置と通信可能な位置にあって前記センターノード装置と接続される中継局装置と、
無線伝播障害の発生により特定のノード装置の両端のノード装置でループバックが行われ、前記特定のノード装置が通信できない孤立状態になった時、
前記ネットワーク監視装置の指示により、前記中継局装置のアンテナの指向方向を前記特定のノード装置の方向に変更し、前記特定のノード装置は自装置のアンテナの指向方向を前記中継局装置の方向に変更し、前記特定のノード装置と前記中継局装置を無線接続する手段とを
有したこと特徴とする無線リングシステム。 - 前記中継局装置は、前記各ノード装置を識別するノード装置番号とノード装置位置情報等を管理するノード装置情報テーブルを有し、
前記ネットワーク監視装置からの前記特定のノード装置のノード装置番号に基づき前記ノード装置情報テーブルを検索して得られたノード装置位置情報により前記特定のノード装置の方向に前記中継局装置のアンテナの指向方向を変更する制御することを特徴とする請求項1記載の無線リングシステム。 - 前記各ノード装置は、前記中継局装置および自装置の通信相手となるノード装置位置情報等を管理する中継局装置情報テーブルを有し、
自装置が孤立状態になった時、前記中継局装置情報テーブルを検索して得られた前記中継局装置位置情報に基づきアンテナの指向方向を制御することを特徴とする請求項1記載の無線リングシステム。 - 前記中継局装置は、無線伝播状態が正常に復し、前記特定のノード装置の孤立が発生しない状態になった時、
前記ネットワーク監視装置の指示により、前記特定のノード装置に向けていたアンテナを無線伝播障害が発生する前の待機位置に復帰させ、待機状態となることを特徴とする請求項1記載の無線リングシステム。 - 前記特定のノード装置は、無線伝播状態が正常に復し、自らの孤立が発生しない状態になった時、
前記ネットワーク監視装置の指示により、前記中継局装置に向けていたアンテナを前記中継局装置情報テーブルを検索して得られた前記ノード装置位置情報に基づきアンテナの指向方向を無線伝播障害が発生する前の通信相手であったノード装置の方向に復帰させる制御することを特徴とする請求項3記載の無線リングシステム。 - マイクロ波もしくはミリ波の指向性アンテナを用いた無線装置により複数のノード装置およびネットワーク監視装置接続されるセンターノード装置がリング状になるよう接続する無線リングシステムにおいて、
前記ノード装置すべてと通信可能な位置にあって前記センターノード装置と接続されている中継局装置を設け、
無線伝播障害の発生により特定のノード装置が通信できない孤立状態になった時、前記特定のノード装置の両端のノード装置でループバック接続を行い、
前記ネットワーク監視装置の指示により、前記中継局装置のアンテナの指向方向を前記特定のノード装置の方向に変更し、前記特定のノード装置と前記中継局装置とを無線接続し、
前記特定のノード装置のアンテナの指向方向を前記中継局装置の方向に変更し、前記特定のノード装置と前記中継局装置とを無線接続をすることを特徴とする孤立ノード装置の接続方法。 - 前記中継局装置は、前記各ノード装置を識別するノード装置番号とノード装置位置情報等を管理するノード装置情報テーブルを有し、
前記ネットワーク監視装置からの前記特定のノード装置のノード装置番号に基づき前記ノード装置情報テーブルを検索して得られたノード装置位置情報により前記特定のノード装置の方向に前記中継局装置のアンテナの指向方向を変更し、
無線伝播状態が正常に復し、前記特定のノード装置の孤立が発生しない状態になった時、前記ネットワーク監視装置の指示により、前記特定のノード装置に向けていたアンテナを無線伝播障害が発生する前の待機位置に復帰させ、待機状態となる
ことを特徴とする請求項6記載の孤立ノード装置の接続方法。 - 前記各ノード装置は、前記中継局装置および自装置の通信相手となるノード装置位置情報等を管理する中継局装置情報テーブルを有し、
自装置が孤立状態になった時、前記中継局装置情報テーブルを検索して得られた前記中継局装置位置情報に基づきアンテナの指向方向を変更し、
無線伝播状態が正常に復し、自らの孤立が発生しない状態になった時、前記ネットワーク監視装置の指示により、前記中継局装置に向けていたアンテナを前記中継局装置情報テーブルを検索して得られた前記ノード装置位置情報に基づきアンテナの指向方向を無線伝播障害が発生する前の通信相手であったノード装置の方向に復帰させる
ことを特徴とする請求項6項に記載の孤立ノード装置の接続方法。
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JP2002172220A JP2004023204A (ja) | 2002-06-13 | 2002-06-13 | 無線リングシステムおよび孤立ノード装置の接続方法 |
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
JP2018092289A (ja) * | 2016-12-01 | 2018-06-14 | 沖電気工業株式会社 | トンネル用通信システム、通信装置、及び通信方法 |
CN112070829A (zh) * | 2020-09-08 | 2020-12-11 | 杭州海康威视系统技术有限公司 | 任务图像中任务节点位置的确定方法、装置及电子设备 |
-
2002
- 2002-06-13 JP JP2002172220A patent/JP2004023204A/ja active Pending
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