JP2004022815A - ヒートシンクおよびそれを用いた電子装置 - Google Patents

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Hironobu Sonoda
園田 広信
Hiroshi Hamamatsu
浜松  弘
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Yaskawa Electric Corp
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Abstract

【課題】最適なフィン基板の厚さを持ったヒートシンクを提供する。
【解決手段】フィン基板4と、フィン基板4に複数枚並行に配置された放熱用のフィン7とから成るヒートシンク3であって、IGBT1をフィン基板4に密着設置するためのヒートシンク3において、ヒートシンク3の高さをフィン基板4の厚さとフィン7の長さの和としたとき、フィン基板4の厚さをヒートシンク3の高さの15〜45%とした。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パワーデバイスを直接又は間接的に密着設置して、その発生熱を外部に排出するためのヒートシンクおよびそれを用いた電子装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば電子装置に用いられるパワーデバイスで発生する熱を冷却するのに、強制空冷と自然空冷とが従来より採用されていた。
図11は従来公知の強制空冷によるヒートシンク、図12は従来公知の自然空冷によるヒートシンクをそれぞれ示している。
図11において、1はIGBT、2はDM(ダイオードモジュール)、3はヒートシンク、4’はフィン基板、5はプリント基板、6はファン、7はフィン、8は冷却風である。なお、フィン基板4’、フィン7は何れもアルミ又はアルミ合金などの高熱伝導材料で製造されている。
制御回路を構成しているプリント基板5は、擬似交流の周波数を決めるスイッチング指令を発生するスイッチング指令発生部であり、IGBT1およびDM2といったパワーデバイスは、商用交流電流(図示なし。)から得た電流をいったん直流に整流して後、任意の周波数の擬似交流に変換する擬似交流変換部である。そして、ヒートシンク3の一部を構成するフィン基板4’は、パワーデバイスでの交流変換で発生した熱をパワーデバイスの伝熱面から、接触面を介して伝達する熱伝達部であり、ヒートシンク3のフィン7は、該フィン基板4’に複数枚並行に配置されると共に伝達された熱を冷却風8により放熱する部品で、ファン6は冷却風8を誘起する風誘起部である。
以上の構成において、商用交流電源から得た電流をいったん直流に整流した後、任意周波数の疑似交流電流に変換して交流モータに供給し任意の回転数で回転させる。この疑似交流の周波数はプリント基板5に構成されている制御回路からのスイッチング指令によって決まる。この過程においてパワーデバイスであるIGBT1やDM2で発生した熱は、デバイスの伝熱面とフィン基板4’との接触面を介してヒートシンク3に伝わり、さらに、ヒートシンク3ではフィン基板4’に接合されているフィン7から冷却風8に伝わって外部に放散する。冷却風8はファン6によって誘起される。
【0003】
上記のような制御装置では、小型化の要求が強いため装置自体が小さくなるとヒートシンクに割り当てられる占有体積も小さくなり、ヒートシンク3については冷却能力の向上が大きな課題となる。
一般に冷却能力向上のためには、フィン基板4’を薄くしてフィン7を長くしたり、フィン7にサブフィンを追加して表面積を増やすという方策が採られる。従来使用されてきたこのようなパワーデバイス用ヒートシンクでは、フィン長さの伸長やサブフィンの設置による表面積増加およびフィンの薄型化による冷却風増加などの工夫がなされており、フィン基板4’の厚さは10mm前後かそれ以下で、ヒートシンク3高さ(ヒートシンク高さ=フィン基板厚さ+フィン長さ)に対するフィン基板4’の厚さの割合は10%以下が一般的であった。
【0004】
さらに、従来,電子装置の発熱体の熱を自然空冷で大気に放出する手段として図12に示すようなヒートシンクを使用している。
図において,1はIGBTなどの発熱体,4’はフィン基板,7はフィン,71はフィン7の主要放熱面,41’はフィン基板4’の放熱側の面である。発熱体1はフィン基板4’に密着設置している。フィン3は一体成形,あるいはカシメなどの手段によって複数枚が並行にフィン基板4’に設置されている。ヒートシンクはフィン7の主要放熱面71とフィン基板4’の放熱側の面41’とが重力方向に平行になるように保持されている。
このような構造において,発熱体1で発生した熱は密着しているフィン基板4’に接触面を介して伝わり,伝わった熱はフィン基板4’内に拡散するとともに放熱側の面5からフィン7の間にある空気に放熱し,同時にフィン7へも伝わる。フィン7に伝わった熱も主にフィン7の主要放熱面4からフィン7の間にある空気に放熱される。したがってフィン7のフィン間すきまにある空気はフィン基板4’の放熱側の面41’とフィン7の主要放熱面71から熱を伝えられて温度が上がるため,浮力によって上昇し熱を持ち去る。
【0005】
ところが,自然空冷では放熱面上に形成される温度境界層が厚いためフィン7のフィン間すきまが狭いと互いの温度境界層が干渉して熱伝達率が低下し放熱能力が小さくなる。これを解消するためにフィン間すきまを広くすると熱伝達率は大きくなるが,ヒートシンクの幅が決まっていることから設置できるフィン7の数が減りヒートシンクとしての冷却性能が低下するという結果になる。市販フィンを採用したり旧来のヒートシンク寸法を模倣したりしていた従来技術では,冷却性能の観点から最適な構造,すなわち最適なフィン間隔を設定しているとは限らないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図11に示した上記従来の強制空冷によるヒートシンクにおいては、ヒートシンク3の冷却性能向上という観点からはフィン基板4’をできるだけ薄くせざるを得ない。
また、ヒートシンク3の冷却能力からIGBT1やD2をフィン基板4上の中央部に設置することが望ましいが、制御装置におけるIGBT1やDM2のフィン基板4’上の設置位置は他の電用品との接続、あるいはノイズ対策などの観点からフィン基板4’上の外辺付近に設置されるとフィン基板4’が薄いためパワーデバイスの熱がフィン基板4’全体に拡散できず、冷却風8に対するフィン7の放熱性能を良くしてもそれを十分に活かすことができないという課題があった。
そこで、本発明は、ヒートシンクの高さとフィン基板の厚さを基にした実験的裏付けのある数値を基に最適なフィン基板の厚さを持ったヒートシンクを得ることを第1の目的とする。
【0007】
また、図12に示した従来の自然空冷によるヒートシンクにおいて、自然空冷では放熱面上に形成される温度境界層が厚いため、フィン間すきまが狭いと互いの温度境界層が干渉して熱伝達率が低下し、放熱能力が小さくなる。これを解消するためにフィン間すきまを広くすると熱伝達率は大きくなるが,ヒートシンクの幅が決まっていることから設置できるフィンの数が減り、ヒートシンクとしての冷却性能が低下するという結果になる。
市販フィンを採用したり旧来のヒートシンク寸法を模倣したりしていた従来技術では,冷却性能の観点から最適な構造,すなわち最適なフィン間隔を設定することができなかった。
そこで,本発明ではフィン高さとフィン厚さを基にした実験的裏付けのある数値を基に最適なフィン間すきまを持った自然空冷ヒートシンクを得ることを第2の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1記載のヒートシンクの発明は、フィン基板と、該フィン基板に複数枚並行に配置された放熱用のフィンを備え、該フィン基板にパワーデバイスを直接又は間接的に密着設置するためのヒートシンクにおいて、前記ヒートシンクの高さを前記フィン基板の厚さと前記フィンの長さの和としたとき、前記フィン基板の厚さを前記ヒートシンクの高さの15〜45%としたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のヒートシンクにおいて、前記パワーデバイス設置箇所の前記フィン基板の厚さを他の箇所の厚さよりも薄く形成し、当該箇所のフィン基板の厚さを前記ヒートシンク高さの15〜45%としたことを特徴とする。
上記構成によれば、フィン基板を最適な厚さとすることにより、パワーデバイスの熱をフィン基板全体に拡散でき、冷却能力を向上できるようになる。
【0009】
請求項3記載のヒートシンクの発明は、フィン基板と、該フィン基板に複数枚並行に配置された放熱用のフィンを備え、前記フィンの高さが45mm以下かつ前記フィンの厚さが5mm以下のヒートシンクにおいて、実際のフィン高さX(mm)および実際のフィン厚さY(mm)が決まっているとき、該フィン高さXを式(1)および式(2)に代入してY1とY2を求め、求めたY1およびY2から前記フィン厚さYが満足する範囲を式(3)により求め、満足する範囲に該当するフィン間すきまZ(mm)が設けられたことを特徴とする。
Y1=f(y1i)  ・・・・・式(1)
y11=1.0/2.5(x11−12.5)           ただし、12.5≦x11<15
y12=0.6/5.0(x12−15.0) +1    ただし、15.0≦x12<20
y13=0.4/5.0(x13−20.0) +1.6      ただし、20.0≦x13<30
y14=0×x14            +2.4      ただし、30.0≦x14<33
y15=0.3/7.0(x15−33.0) +2.4      ただし、33.0≦x15<40
y16=0×x16            +2.7      ただし、40.0≦x16<42
y17=0.3/3.0(x17−42.0) +2.7      ただし、42.0≦x17≦45
Y2=f(y2i)  ・・・・・式(2)
y21=1.0/2.5(x21−16.5)           ただし、16.5≦x21<19
y22=0.5/6.0(x22−19.0) +1    ただし、19.0≦x22<25
y23=0×x23            +1.5      ただし、25.0≦x23<28
y24=0.2/2.0(x24−28.0) +1.5    ただし、28.0≦x24<30
y25=0×x25            +1.6      ただし、30.0≦x25<37
y26=0.1/3.0(x26−37.0) +1.6      ただし、37.0≦x26<40
y27=0×x27            +1.7      ただし、40.0≦x27≦45
フィン間すきま(Z)の決定式 ・・・・・式(3)
(イ)Y≦Y2    ならば、Z= 3〜 7(mm)
(ロ)Y2<Y≦Y1 ならば、Z= 7〜11(mm)
(ハ)Y1<Y    ならば、Z=11〜15(mm)
上記構成によれば、フィン間すきまがフィン高さおよびフィン厚さからフィン放熱能力推定式を基に決定されるので、所要の寸法仕様に対して常に最良の冷却性能を持った自然空冷ヒートシンクを得ることができる。
請求項4記載の電子装置の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載のヒートシンクを備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、発熱するモータ駆動用制御装置が、請求項1〜3のような最良の冷却能力を持ったヒートシンクを備えることになるので、スイッチングトランジスタ等を熱的逸走なく常に正確に動作させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施の形態)
まず、本発明の第1実施の形態について図1〜図4を用いて説明する。
図1は本発明の第1実施の形態を示す強制空冷によるヒートシンクの正面図である。同図において、1はIGBT、2はDM、3はヒートシンク、4はヒートシンク3のフィン基板、6は強制空冷用のファンである。そしてIGBT1とDM2をヒートシンク3のフィン基板4に密着設置し、ヒートシンク3はファン6で強制空冷している。通常、モータドライブ装置の設計では電気部品の配置等を優先するためヒートシンクに割ける体積は自ずから決まってしまう。
図からわかるように、図11の従来公知のヒートシンクとの違いはフィン基板の厚さにある。従来公知のヒートシンクのフィン基板4’の厚さはできるだけ薄くしているのに対してこのフィン基板4ではかなり厚くなっているのが特徴である。そこで、このフィン基板4の厚さの決定の仕方について以下に説明する。
【0011】
図2は図1のヒートシンクの側面図である。
図2に示すようにフィン基板4の厚さとフィン7の長さを合わせたヒートシンク高さは80mmに固定されている。そして、90mm角の軸流ファン6を2台並列に配置して冷却風を発生させている。製造やコストの制約から、フィン材質、フィン厚さ、フィンピッチは決められている。この条件でヒートシンクの高性能化を図るということはヒートシンク高さ80mmにおけるフィン基板4の厚さとフィン7の長さの最適配分を求めることになる。
【0012】
図3は、フィン基板4の厚さを変数としたときのヒートシンク3の冷却能力変化のグラフを示したものである。横軸はフィン基板厚さ(mm)、縦軸は熱コンダクタンス(W/℃)、すなわち冷却能力である。熱コンダクタンスの値は大きいほど良いことになる。図3から、フィン基板4の厚さが薄いほどヒートシンクとしての冷却能力は良くなっていくのがわかる。
これは、図1および図2において、ヒートシンク高さが一定という条件下ではフィン基板4の厚さが薄くなるほど、フィン7の長さが長くなって表面積が増えると同時にフィン間の通風断面積も増加して冷却風の流量が増え、フィン基板4とフィン7の表面から冷却風8へ熱が伝わりやすくなるためである。この指標によるとフィン基板4は薄ければ薄いほど良いということになる。
ところが、IGBT1やDM2の熱はフィン基板4上に一様に伝熱しているわけではなく、それぞれの設置場所で局所的に伝熱しているため、伝わった熱がフィン基板4内で効率的に拡散しないとヒートシンク3の冷却能力が十分に発揮できない。
【0013】
図4は、フィン基板4の厚さを変数としたときのIGBT1のジャンクション温度上昇の変化を示している。横軸は基板厚さの比率(%)、すなわち基板厚さをヒートシンク高さで割った値×100(%)、縦軸はIGBTケースの最高温度上昇(℃)である。このIGBTのジャンクション温度上昇にはヒートシンク3の冷却能力とフィン基板4内の熱拡散効果とが相乗した冷却効果が反映されている。この温度はモータドライブ装置の熱設計における温度スペックの一つであり、低いほど良い。図4の例ではフィン基板4の厚さがヒートシンク3高さの25%(m)の時に最も温度が低く、この前後ではフィン基板4が薄くなっても厚くなってもIGBTジャンクション温度上昇が高くなることがわかる。
図3に示したようにヒートシンク3の冷却能力で評価した場合はフィン基板4は薄いほど良いという結果であったが、フィン基板4内の熱拡散効果も含めたジャンクション温度上昇で評価すると最適値が存在することになる。フィン基板4上のパワーデバイスがフィン基板4の外辺近くに設置されるほど温度変化が顕著になって最適値が明確になる。すなわち、フィン基板上の発熱体の配置によってはフィン基板厚さを10mm前後以下で、ヒートシンク3高さに対するフィン基板4の厚さの割合は10%以下という従来の寸法よりもフィン基板の厚さをヒートシンク高さの15〜45%、好ましくは20〜40%とした方が、パワーデバイスの熱をフィン基板全体に拡散でき、冷却能力を向上でき、最適な冷却効果を得ることができる。
【0014】
(第2実施の形態)
次に、本発明の第2実施の形態について説明する。
図5は本発明の第2実施の形態を示すヒートシンクで、(a)は平面図、(b)は正面図である。なお、図では強制空冷用のファンの図示は省略している。
同図において、1はIGBT、3はヒートシンク、4はヒートシンク3のフィン基板、7はフィンである。図からわかるように、IGBT1をヒートシンク3のフィン基板4に密着設置し、フィン基板4のIGBT1が設置されている反対面のIGBT1の設置投影面にかかる部分を含む一部の面のフィン基板4aが薄くなっている。このような構造にしても、IGBT1とフィン基板4との接触面の一部が厚い部分(すなわち、薄い部分4a以外のフィン部分)4bに重なっているので、IGBT1からフィン基板4に伝わった熱はフィン基板4の厚い部分4bを伝わってフィン基板4の全体に拡がるため、図1に示した実施の形態と同じ効果が得られる。
さらに、フィン基板4の一部4aが薄くなるためヒートシンク3の重量が軽くなり、フィン基板4が薄くなった部分4aにフィン7を設けて放熱面積を増やすことでヒートシンクとしての冷却能力も向上できる。
【0015】
図1および図5に示した実施形態ではIGBT1やDM2といったパワーデバイスを直接ヒートシンク3に設置しているが、パワーデバイスとヒートシンク3との間に金属板又はペルチェ素子などを挿入し、パワーデバイスとヒートシンク3とを間接的に密着設置し、冷却しても同様の効果が得られる。
また、図1および図5に示した実施形態では、インバータのような制御装置について示したが、モータの制御アンプまたは、レーザ制御機のアンプまたは、パソコンや計算機内のデバイスなどの発熱装置に適用しても、同様の高い冷却効果が得られる。
ここで参考までに、従来のヒートシンクの例として市販の株式会社リョーサン製ヒートシンク124CB124のカタログから、フィンの長さAとフィン基板厚さBとその比C(%)の値を記載しておく。
A=112mm、B=6mm、C=5%。
このケースでは、本実施の形態によれば本来C=14〜45%の範囲に入るべきものであるが、実際には5%であった。これではパワーデバイスの熱をフィン基板全体に拡散できず、冷却能力が十分に発揮できない。このように、従来のヒートシンクは本実施の形態による最適寸法の範囲から外れている。
【0016】
(第3実施の形態)
次に、本発明の第3実施の形態について説明する。
図6は本発明の第3実施の形態を説明するヒートシンクの平面図である。
図において、61はIGBT、62はフィン基板、63はフィン、Wはヒートシンク幅,Xはフィン高さ(単位mm),Yはフィン厚さ(単位mm),Zはフィン間すきま(単位mm)である。
通常,ヒートシンクの熱設計では,装置全体の構造からヒートシンク幅Wとフィン高さXが決まる。この条件のもとでフィン厚さYとフィン間すきまZを決定するわけであるが,ヒートシンクの冷却性能はフィン厚さYとフィン間すきまZに大きく左右されることが分かった。
すなわち,ヒートシンクの冷却性能である熱コンダクタンスは式(4)で表される。式(4)中のフィン表面熱伝達率を求める式はフィン性能実験に基づいた出願人独自の実験式であり,その推定精度はきわめて高い。
【0017】
G=α×(Ab+φ・Af) ・・・・ 式(4)
ここで, G  : 熱コンダクタンス [W/℃]
α  : フィン表面熱伝達率 [W/m/℃]
Ab  : フィン基板面放熱面積 [m
φ  : フィン効率
Af  : フィン放熱面積 [m
式(4)の右辺の各ファクターもフィン高さX,フィン厚さY,フィン間すきまZなどをパラメータとした関数であり,それぞれのファクターにおける個々のパラメータの影響も異なっている。
図7は横軸がフィン間すきま(mm)、縦軸がフィン表面熱伝達率α(W/m/℃)で、フィン間すきまがフィン表面熱伝達率αにおよぼす影響を示している。 同図によれば、フィン間すきまが広くなれば、フィン表面熱伝達率αも大きくなり、したがって上記式(4)のフィン表面熱伝達率αは増加することとなる。したがって冷却性能も高くなることが理解できる。
一方、図8は横軸がフィン間すきま(mm)、縦軸が有効放熱面積(m)で、
フィン間すきまが有効放熱面積に及ぼす影響を示すグラフである。同図によれば、フィン間すきまが広くなれば、ヒートシンク幅Wが決まっているためヒートシンク上のフィンの数が減少するので、上記式(4)の「Ab+φ・Af」で表される有効放熱面積は減少することとなる。
そこで、例えば,図7に示すようにフィン間すきまが広くなれば、フィン表面熱伝達率が大きくなるので冷却性能が高くなることが予測されるが,同時に図8に示すようにフィン間すきまが広くなればヒートシンク幅Wが決まっているためヒートシンク上のフィンの数が減少して Ab+φ・Af で表される有効放熱面積は減少することとなり、冷却性能(熱コンダクタンス)は式(4)に示すように両者の積であるから、フィン間すきまについて熱コンダクタンスを最も高くする最適値,あるいは最適範囲が存在することが示唆される。
【0018】
図9はフィン間すきまが熱コンダクタンスに及ぼす影響を示す図で、横軸がフィン間すきま(mm)、縦軸が単位面積あたりの熱コンダクタンス(W/m/℃)である。冷却性能が良い場合は縦軸の熱コンダクタンス値が大きく、良くない場合は熱コンダクタンス値が小さい。これによりフィン間すきまが熱コンダクタンスに及ぼす影響が理解できるる。各グラフのパラメータは、図において上から下に、フイン高さ45mm、40mm、35mm、30mm、25mm、20mm、15mm、10mm、7mm、5mm、3mmで、フインの厚さは全て2mmである。
図からわかることは、フィン高さ3〜45mmについて各熱コンダクタンスの変化が見られ、その変化グラフの中で各フィン高さにおいて熱コンダクタンスが最も高くなるフィン間すきまの範囲が横軸からわかる、ということである。
そして,熱コンダクタンスが最も高くなるフィン間すきまの範囲もフィン高さによってそれぞれ違っていることもわかる。
図9はフィン厚さが2mmの場合であるが,フィン厚さが変わればこの傾向もまた違ってくる。
【0019】
このような考え方に基づいて自然空冷を採用するヒートシンクで採りうるフィン寸法として,フィン高さ45mm以下,フィン厚さ5mm以下としたときのそれぞれの組み合わせについて冷却性能の最適値を得るフィン間すきまを詳しく実験すると図10のようになった。図10において、横軸がフィン高さ(mm)、縦軸がフィン厚さ(mm)である。
図において、線図Y1とY2とが延びており、線図Y2以下の領域はフィン間すきまが3〜7(mm)であり、線図Y2を超えて線図Y1以下の領域はフィン間すきまが7〜11(mm)であり、線図Y1を超える領域はフィン間すきまが11〜15(mm)である。
したがって、いま実際のフィン高さXおよび実際のフィン厚さYが決まっているとき、該フィン高さX(mm)を式(1)および式(2)に代入してY1とY2を求め、求めたY1およびY2から前記フィン厚さYが満足する範囲を式(3)により求め、当該満足する範囲に該当するフィン間すきまが本発明の第3の実施の形態により決定される値である。
Y1=f(y1i)  ・・・・・式(1)
y11=1.0/2.5(x11−12.5)           ただし、12.5≦x11<15
y12=0.6/5.0(x12−15.0) +1    ただし、15.0≦x12<20
y13=0.4/5.0(x13−20.0) +1.6      ただし、20.0≦x13<30
y14=0×x14            +2.4      ただし、30.0≦x14<33
y15=0.3/7.0(x15−33.0) +2.4      ただし、33.0≦x15<40
y16=0×x16            +2.7      ただし、40.0≦x16<42
y17=0.3/3.0(x17−42.0) +2.7      ただし、42.0≦x17≦45
Y2=f(y2i)  ・・・・・式(2)
y21=1.0/2.5(x21−16.5)           ただし、16.5≦x21<19
y22=0.5/6.0(x22−19.0) +1    ただし、19.0≦x22<25
y23=0×x23            +1.5      ただし、25.0≦x23<28
y24=0.2/2.0(x24−28.0) +1.5    ただし、28.0≦x24<30
y25=0×x25            +1.6      ただし、30.0≦x25<37
y26=0.1/3.0(x26−33.0) +1.7      ただし、37.0≦x26<40
y27=0×x27            +1.8      ただし、40.0≦x27≦45
フィン間すきま(Z)の決定式 ・・・・・式(3)
(イ)Y≦Y2    ならば、Z= 3〜 7(mm)
(ロ)Y2<Y≦Y1 ならば、Z= 7〜11(mm)
(ハ)Y1<Y    ならば、Z=11〜15(mm)
【0020】
すなわち,この図10によってフィン高さXとフィン厚さYが決まればその条件下で最も高い冷却性能を示すフィン間すきまzの最適範囲が一義的に決まることになる。例を2,3挙げて説明する。
例1:フィン高さX=10(mm)でフィン厚さY=3(mm)なら、図10の点aであるから、フィン間すきまzの最適範囲は11〜15(mm)となる。
例2:フィン高さX=30(mm)でフィン厚さY=3(mm)なら、図10の点bであるから、フィン間すきまzの最適範囲は11〜15(mm)となる。
例3:フィン高さX=30(mm)でフィン厚さY=2(mm)なら、図10の点cであるから、フィン間すきまzの最適範囲は7〜11(mm)となる。
例4:フィン高さX=30(mm)でフィン厚さY=1(mm)なら、図10の点dであるから、フィン間すきまzの最適範囲は3〜7(mm)となる。
このように、第3の実施の形態によれば、自然空冷で使用するヒートシンクに関して独自のフィン放熱能力推定式を基にフィン高さとフィン厚さとをパラメータとしてフィン間すきまの最適範囲を一義的に決めたので,所要の寸法仕様に対して常に最良の冷却性能を持った自然空冷ヒートシンクを得ることができる。
ここで参考までに、従来のヒートシンクの例として市販の株式会社リョーサン製ヒートシンク40BS256のカタログから、フィン高さXとフィン厚さYとフィン間すきまzの値を記載しておく。
X=34mm、Y=4mm、Z=8 mm。
このケースでは、本実施の形態によれば本来11〜15の範囲に入るべきものであるが、実際には8mmであり、これではフィン間すきまが狭いため温度境界層が干渉して表面積のわりに冷却性能が低いであろうと推測される。このように、従来のヒートシンクは図10の本実施の形態による最適寸法の範囲から外れている。
【0021】
【発明の効果】
以上述べたように,本発明の第1の実施の形態によれば、強制空冷で使用するヒートシンクに関して、フィン基板を厚くすることにより、パワーデバイスの熱をフィン基板全体に拡散でき、冷却能力を向上できる。
また、第2の実施の形態によれば、強制空冷で使用するヒートシンクに関して、フィン基板の一部が薄くなるためヒートシンクの重量が軽くなり、フィン基板が薄くなった部分にフィンを設けて放熱面積を増やすことでヒートシンクとしての冷却能力も向上できる。
さらに、第3の実施の形態によれば、自然空冷で使用するヒートシンクに関して独自のフィン放熱能力推定式を基にフィン高さとフィン厚さとをパラメータとしてフィン間すきまの最適範囲を一義的に決めたので,所要の寸法仕様に対して常に最良の冷却性能を持った自然空冷ヒートシンクを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態を示す強制空冷によるヒートシンクの正面図である。
【図2】図2は図1のヒートシンクの側面図である。
【図3】フィン基板厚さによるヒートシンク冷却能力の変化を表すグラフである。
【図4】フィン基板厚さの比率によるIGBTジャンクション温度上昇の変化を表すグラフである。
【図5】本発明の第2実施の形態を示すヒートシンクの図で、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図6】本発明の第3実施の形態を示す自然空冷によるヒートシンクの平面図である。
【図7】フィン間すきまがフィン表面熱伝達率におよぼす影響を示すグラフである。
【図8】フィン間すきまが有効放熱面積に及ぼす影響を示すグラフである。
【図9】フィン間すきまがヒートシンク冷却性能におよぼす影響を示すグラフである。
【図10】フィン間すきまの最適範囲を得る本発明の第3実施形態に係るグラフである。
【図11】従来公知の強制空冷によるヒートシンクを示す正面図である。
【図12】従来公知の自然空冷によるヒートシンクを示す斜視図である。
【符号の説明】
1:IGBT
2:DM
3:ヒートシンク
4:フィン基板
5:プリント基板
6:ファン
7:フィン
8:冷却風
61 IGBT
62 フィン基板
63 フィン
W ヒートシンク幅
X フィン高さ
Y フィン厚さ
Z フィン間すきま

Claims (4)

  1. フィン基板と、該フィン基板に複数枚並行に配置された放熱用のフィンを備え、該フィン基板にパワーデバイスを直接又は間接的に密着設置するためのヒートシンクにおいて、
    前記ヒートシンクの高さを前記フィン基板の厚さと前記フィンの長さの和としたとき、前記フィン基板の厚さを前記ヒートシンクの高さの15〜45%としたことを特徴とするヒートシンク。
  2. 前記パワーデバイス設置箇所の前記フィン基板の厚さを他の箇所の厚さよりも薄く形成し、当該箇所のフィン基板の厚さを前記ヒートシンク高さの15〜45%としたことを特徴とする請求項1記載のヒートシンク。
  3. フィン基板と、該フィン基板に複数枚並行に配置された放熱用のフィンを備え、前記フィンの高さが45mm以下かつ前記フィンの厚さが5mm以下のヒートシンクにおいて、
    実際のフィン高さX(mm)および実際のフィン厚さY(mm)が決まっているとき、該フィン高さXを式(1)および式(2)に代入してY1とY2を求め、求めたY1およびY2から前記フィン厚さYが満足する範囲を式(3)により求め、満足する範囲に該当するフィン間すきまZ(mm)が設けられたことを特徴とするヒートシンク。
    Y1=f(y1i)  ・・・・・式(1)
    y11=1.0/2.5(x11−12.5)           ただし、12.5≦x11<15
    y12=0.6/5.0(x12−15.0) +1    ただし、15.0≦x12<20
    y13=0.4/5.0(x13−20.0) +1.6      ただし、20.0≦x13<30
    y14=0×x14            +2.4      ただし、30.0≦x14<33
    y15=0.3/7.0(x15−33.0) +2.4      ただし、33.0≦x15<40
    y16=0×x16            +2.7      ただし、40.0≦x16<42
    y17=0.3/3.0(x17−42.0) +2.7      ただし、42.0≦x17≦45
    Y2=f(y2i)  ・・・・・式(2)
    y21=1.0/2.5(x21−16.5)           ただし、16.5≦x21<19
    y22=0.5/6.0(x22−19.0) +1    ただし、19.0≦x22<25
    y23=0×x23            +1.5      ただし、25.0≦x23<28
    y24=0.2/2.0(x24−28.0) +1.5    ただし、28.0≦x24<30
    y25=0×x25            +1.6      ただし、30.0≦x25<37
    y26=0.1/3.0(x26−37.0) +1.6      ただし、37.0≦x26<40
    y27=0×x27            +1.7      ただし、40.0≦x27≦45
    フィン間すきま(Z)の決定式 ・・・・・式(3)
    (イ)Y≦Y2    ならば、Z= 3〜 7(mm)
    (ロ)Y2<Y≦Y1 ならば、Z= 7〜11(mm)
    (ハ)Y1<Y    ならば、Z=11〜15(mm)
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載のヒートシンクを備えたことを特徴とする電子装置。
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