JP2004022562A - コンデンサモジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のコンデンサを有するコンデンサモジュールであって、一部のコンデンサにショートによる故障が発生した場合、直ちに対処することができ、かつ、一部のコンデンサにショートによる故障が発生してもその故障を1つの回路で検知することができる、コンデンサモジュールを提供する。
【解決手段】コンデンサモジュール10の基板12には、入出力電極14a、14bや検知電極18a、18bが形成される。入出力電極14a、14b間において、4つの積層セラミックコンデンサ22a〜22dの2つずつが直列に接続され、それらが並列に接続される。並列に接続された各電流経路には、カレントトランス24a、24bが、それぞれ設けられる。カレントトランス24a、24bの2次コイル30a、30bは、検知電極18a、18b間において、極性が互いに逆になるようにして直列に接続される。
【選択図】 図1
【解決手段】コンデンサモジュール10の基板12には、入出力電極14a、14bや検知電極18a、18bが形成される。入出力電極14a、14b間において、4つの積層セラミックコンデンサ22a〜22dの2つずつが直列に接続され、それらが並列に接続される。並列に接続された各電流経路には、カレントトランス24a、24bが、それぞれ設けられる。カレントトランス24a、24bの2次コイル30a、30bは、検知電極18a、18b間において、極性が互いに逆になるようにして直列に接続される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はコンデンサモジュールに関し、特に複数のコンデンサを直並列に接続した、たとえばインバータ装置などに用いられるコンデンサモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
この発明の背景となる従来のインバータ装置の一例が、特開平1−137615号公報に開示されている。図5はそのような従来のインバータ装置の一例を示す回路図である。図5に示すインバータ装置1は、交流を直流に変換するための整流器2を含む。整流器2の出力側には、整流器2の出力を平滑にするための平滑用コンデンサ群3が接続され、さらに、パワートランジスタなどの半導体を用いた直流を交流に変換するための逆変換回路4が接続される。平滑用コンデンサ群3としては、2つのコンデンサ3a、3aを直列に接続したコンデンサ直列接続群を2組並列に接続した4つのコンデンサ3a、3a、・・が用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなインバータ装置1に用いられる平滑用コンデンサ群3では、1つのコンデンサ3aにショートによる故障が発生した場合、全体の静電容量に変化が見られるが、全体の電流通電性や耐電圧性に直ちに問題が起こることは少ない。
そのため、図5に示す平滑用コンデンサ群3では、1つのコンデンサ3aにショートによる故障が起きた場合、故障の発見が遅れ、他のコンデンサ3aに2倍の負荷がかかることになり、寿命を短くしてしまうという問題がある。
そして、図5に示す平滑用コンデンサ群3では、コンデンサ3aがショートした場合、そのショートによる故障を早く検知して対処しないと、平滑用コンデンサ群全体がショートによる故障にいたるおそれがある。
また、図5に示す平滑用コンデンサ群3において、一部のコンデンサ3aにショートによる故障が発生した場合、その故障を1つの回路で検知することができることが望ましい。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、複数のコンデンサを有するコンデンサモジュールであって、一部のコンデンサにショートによる故障が発生した場合、直ちに対処することができ、かつ、その故障を1つの回路で検知することができる、コンデンサモジュールを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかるコンデンサモジュールは、コンデンサを複数個直列接続したコンデンサ直列接続群を複数列並列に接続したコンデンサ群を有するコンデンサモジュールであって、コンデンサ直列接続群に対して電流センサがそれぞれ設けられ、複数の電流センサは、それぞれの電流センサの出力が相殺されるように直列に接続され、1つの検知回路を構成した、コンデンサモジュールである。
この発明にかかるコンデンサモジュールでは、コンデンサ直列接続群の列数が偶数であり、電流センサは、極性が交互に逆になるようにして直列に接続されてもよい。
また、この発明にかかるコンデンサモジュールでは、コンデンサ直列接続群の列数が奇数であり、コンデンサ群の入出力に対して電流センサとは別の電流センサが設けられ、別の電流センサは電流センサの出力と比べて、同等の電流を検出した場合に、コンデンサ直列接続群の列数で除した出力が得られるものであり、電流センサは、極性が互いに逆になるようにして直列に接続され、かつ、別の電流センサが、極性が逆になるように電流センサの1つに直列に接続されてもよい。
さらに、この発明にかかるコンデンサモジュールでは、電流センサはコンデンサ直列接続群に対して、非接触検出する方式の電流センサであってもよい。
【0006】
この発明にかかるコンデンサモジュールでは、各コンデンサ直列接続群毎に電流センサを配置しているので、コンデンサに故障が生じて電流値が変化した場合に、直ちに故障を検知することができる。また、各電流センサは1つの検知回路を構成しているので、シンプルな構造にすることができ、故障を検知するための回路システムも1系列で済む。
また、この発明にかかるコンデンサモジュールにおいて、コンデンサ直列接続群の列数が偶数であり、電流センサは、極性が互いに逆になるようにして直列に接続されているので、各コンデンサに故障がない場合には、各電流センサの出力が相殺されるので、検知回路の検知端子の出力がほぼ0となるが、いずれかのコンデンサにショートによる故障が発生した場合には、偶数の電流センサの出力が相殺されなくなるので、検知回路の検知端子からの出力の絶対値が大きくなる。したがって、検知回路の出力の絶対値によってコンデンサ群のコンデンサの故障を検知することができる。
さらに、この発明にかかるコンデンサモジュールにおいて、コンデンサ直列接続群の列数が奇数であり、コンデンサ群の出力に対して別の電流センサが設けられ、コンデンサ直列群に設けられた各電流センサおよび別の電流センサは、極性が互いに逆になるようにして直列に接続されているので、各コンデンサに故障がない場合には、各電流センサの出力が相殺されるので、検知回路の検知端子の出力がほぼ0となるが、いずれかのコンデンサにショートによる故障が発生した場合には、偶数の電流センサの出力が相殺されなくなるので、検知回路の検知端子からの出力の絶対値が大きくなる。したがって、検知回路の出力の絶対値によってコンデンサ群のコンデンサの故障を検知することができる。
【0007】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明にかかるコンデンサモジュールの一例を示す斜視図である。図1に示すコンデンサモジュール10は、たとえば矩形の基板12を含む。
【0009】
基板12の一方主面には、その長手方向における一端部に、たとえば矩形の入出力電極14aおよび接続電極16aが間隔を隔てて形成される。さらに、基板12の一方主面には、その長手方向における他端部に、たとえば矩形の入出力電極14bおよび接続電極16bが間隔を隔てて形成される。この場合、入出力電極14aおよび接続電極16bは、基板12の幅方向における一端側に形成される。また、入出力電極14bおよび接続電極16aは、基板12の幅方向における他端側に形成される。さらに、入出力端子として用いられる2つの入出力電極14aおよび14bには、外部のリード線などをはんだ付けしやすくするために、2つずつの円形の孔15a、15aおよび15b、15bが形成されている。なお、これらの孔15a、15aおよび15b、15bは、特に形成されなくてもよい。
【0010】
また、基板12の一方主面には、入出力電極14aおよび接続電極16b間にたとえば矩形の接続電極16cが形成され、入出力電極14bおよび接続電極16a間にたとえば矩形の接続電極16dが形成される。
【0011】
さらに、基板12の一方主面には、その長手方向における一端部において、基板12の幅方向における他端側に、検知端子としてたとえば矩形の検知電極18aおよび18bが間隔を隔てて形成される。
【0012】
この基板12の一方主面には、複数のコンデンサとして同じ特性を有する4つの積層セラミックコンデンサ22a、22b、22cおよび22dが実装される。この場合、積層セラミックコンデンサ22aは、入出力電極14aおよび接続電極16cにはんだで接続される。また、積層セラミックコンデンサ22bは、接続電極16aおよび接続電極16dにはんだで接続される。さらに、積層セラミックコンデンサ22cは、接続電極16cおよび接続電極16bにはんだで接続される。また、積層セラミックコンデンサ22dは、接続電極16dおよび入出力電極14bにはんだで接続される。
【0013】
さらに、基板12の一方主面には、電流センサとして同じ特性を有する2つのカレントトランス24aおよび24bが実装される。一方のカレントトランス24aは、積層セラミックコンデンサ22bおよび22dに流れる電流を検出するためのものである。また、他方のカレントトランス24bは、積層セラミックコンデンサ22aおよび22cに流れる電流を検出するためのものである。
【0014】
一方のカレントトランス24aの1次コイルとなるライン26aは、入出力電極14aおよび接続電極16aにはんだで接続される。また、他方のカレントトランス24bの1次コイルとなるライン26bは、接続電極16bおよび入出力電極14bにはんだで接続される。したがって、このコンデンサモジュール10は、その回路を図2に示すように、入出力電極14aおよび14b間において、2つの積層セラミックコンデンサ22aおよび22cを直列に接続したコンデンサ直列接続群と2つの積層セラミックコンデンサ22bおよび22dを直列に接続したコンデンサ直列接続群とを並列に接続したコンデンサ群を有する。
【0015】
また、一方のカレントトランス24aのライン26aは、コア28aに挿通される。コア28aには、2次コイル30aが巻かれる。2次コイル30aの両端は、引出し電極20aおよび20bにそれぞれはんだで接続される。同様に、他方のカレントトランス24bのライン26bは、コア28bに挿通される。コア28bには、2次コイル30bが巻かれる。2次コイル30bの両端は、引出し電極20bおよび20cにそれぞれはんだで接続される。したがって、このコンデンサモジュール10は、その回路を図2に示すように、検知電極18aおよび18b間において、2つのカレントトランス24aおよび24bの2次コイル30aおよび30bを直列に接続した検知回路を有する。この場合、2つのカレントトランス24aおよび24bの2次コイル30aおよび30bは、検知電極18aおよび18b間において、極性が互いに逆になるようにして直列に接続される。
【0016】
また、図1に示すコンデンサモジュール10では、積層セラミックコンデンサ22a〜22dに不良がない場合、積層セラミックコンデンサ22a〜22dに同等の電流が流れ、2つのカレントトランス24aおよび24bの1次コイルにも同等に電流が流れる。2つのカレントトランス24aおよび24bの2次コイル30aおよび30bは、検知電極18aおよび18b間において、極性が互いに逆になるようにして直列に接続されている。そのため、積層セラミックコンデンサ22a〜22dに不良がない場合、カレントトランス24aおよび24bの2次コイル30aおよび30bの出力が相殺され、検知電極18aおよび18bの出力がほぼ0になる。
一方、図1に示すコンデンサモジュール10では、上述の性能の低下状態によって、積層セラミックコンデンサ22a〜22dのうち不良になった積層セラミックコンデンサ側に流れる電流が大きくなると、その不良になった積層セラミックコンデンサ側に接続されているカレントトランスの1次コイルに流れる電流も大きくなるため、検知電極18aおよび18bの出力の絶対値が大きくなる。そのため、上述の性能の低下状態を検知電極18aおよび18bの出力から検知することができる。
そして、図1に示すコンデンサモジュール10では、その検知によって、コンデンサモジュール10全体のショートによる破壊を防止し、コンデンサモジュール10が接続されている他のシステムへの影響を防ぐことができる。
【0017】
図3はこの発明にかかるコンデンサモジュールの他の例を示す斜視図である。図3に示すコンデンサモジュール10も、たとえば矩形の基板12を含む。
【0018】
基板12の一方主面には、その長手方向における一端部に、入出力端子としてたとえば矩形の2つの入出力電極14aおよび14bが間隔を隔てて形成される。入出力電極14aおよび14bには、外部のリード線などをはんだ付けしやすくするために、2つずつの円形の孔15a、15aおよび15b、15bが形成されている。
【0019】
また、基板12の一方主面には、基板12の両端に沿って、たとえば長方形の2つの接続電極16aおよび16bが形成される。この場合、接続電極16aは、入出力電極14aからのびて形成される。また、接続電極16bは、入出力電極14bと間隔を隔てて形成される。
【0020】
さらに、基板12の一方主面には、接続電極16aおよび16b間において、たとえば矩形の6つの接続電極16c、16d、16e、16f、16gおよび16hが2行3列の配列で間隔を隔てて形成される。
【0021】
また、基板12の一方主面には、入出力電極14aおよび14b間において、検知端子としてたとえば矩形の検知電極18aおよび18bが間隔を隔てて形成される。
【0022】
この基板12の一方主面には、同様の6つの積層セラミックコンデンサ22a、22b、22c、22d、22eおよび22fが実装される。この場合、積層セラミックコンデンサ22aは、接続電極16cおよび16fにはんだで接続される。また、積層セラミックコンデンサ22bは、接続電極16dおよび16gにはんだで接続される。さらに、積層セラミックコンデンサ22cは、接続電極16eおよび16hにはんだで接続される。また、積層セラミックコンデンサ22dは、接続電極16fおよび16bにはんだで接続される。さらに、積層セラミックコンデンサ22eは、接続電極16gおよび16bにはんだで接続される。また、積層セラミックコンデンサ22fは、接続電極16hおよび16bにはんだで接続される。
【0023】
さらに、基板12の一方主面には、電流センサとして4つのカレントトランス24a、24b、24cおよび24dが実装される。カレントトランス24aは、積層セラミックコンデンサ22aおよび22dに流れる電流を検出するためのものである。また、カレントトランス24bは、積層セラミックコンデンサ22bおよび22eに流れる電流を検出するためのものである。さらに、カレントトランス24cは、積層セラミックコンデンサ22cおよび22fに流れる電流を検出するためのものである。また、カレントトランス24dは、入出力電極14bに流れる電流を検出するためのものである。このカレントトランス24dとしては、他のカレントトランス24a〜24cと比べて、同等の電流を1次コイルに流した場合に2次コイルの出力がほぼ3分の1の大きさとなるものが用いられる。
【0024】
カレントトランス24aの1次コイルとなるライン26aは、接続電極16aおよび16cにはんだで接続される。また、カレントトランス24bの1次コイルとなるライン26bは、接続電極16aおよび16dにはんだで接続される。さらに、カレントトランス24cの1次コイルとなるライン26cは、接続電極16aおよび16eにはんだで接続される。また、カレントトランス24dの1次コイルとなるライン26dは、接続電極16bおよび入出力電極14bにはんだで接続される。したがって、このコンデンサモジュール10は、その回路を図2に示すように、入出力電極14aおよび14b間において、2つの積層セラミックコンデンサ22aおよび22dを直列に接続したコンデンサ直列接続群と2つの積層セラミックコンデンサ22bおよび22eを直列に接続したコンデンサ直列接続群と2つの積層セラミックコンデンサ22cおよび22fを直列に接続したコンデンサ直列接続群とを並列に接続したコンデンサ群を有する。
【0025】
カレントトランス24aのライン26aは、コア28aに挿通される。コア28aには、2次コイル30aが巻かれる。2次コイル30aの両端は、引出し電極20aおよび20bにそれぞれはんだで接続される。
同様に、他のカレントトランス24b〜24dのライン26b〜26dは、コア28b〜28dにそれぞれ挿通される。コア28b〜28dには、2次コイル30b〜30dがそれぞれ巻かれる。2次コイル30bの両端は引出し電極20bおよび20cに、2次コイル30cの両端は引出し電極20cおよび20dに、2次コイル30dの両端は引出し電極20dおよび20eに、それぞれはんだで接続される。したがって、このコンデンサモジュール10は、その回路を図2に示すように、検知電極18aおよび18b間において、4つのカレントトランス24a〜24dの2次コイル30a〜30dを直列に接続した検知回路を有する。この場合、4つのカレントトランス24a〜24dの2次コイル30a〜30dは、検知電極18aおよび18b間において、2次コイル30aおよび30cと2次コイル30bおよび30dとの極性が互いに逆になるようにして直列に接続される。
【0026】
また、図3に示すコンデンサモジュール10では、積層セラミックコンデンサ22a〜22fに不良がない場合、積層セラミックコンデンサ22a〜22fに同等の電流が流れ、3つのカレントトランス24a〜24cの1次コイルにも同等に電流が流れるが、カレントトランス24dの1次コイルにはほぼ3倍の電流が流れる。しかし、カレントトランス24dは、他のカレントトランス24a〜24cと比べて、同等の電流を1次コイルに流した場合に2次コイルの出力がほぼ3分の1の大きさとなるので、カレントトランス24a〜24dの2次コイル30a〜30dの出力はほぼ同じ大きさになる。また、4つのカレントトランス24a〜24dの2次コイル30a〜30dは、検知電極18aおよび18b間において、2次コイル30aおよび30cと2次コイル30bおよび30dとの極性が互いに逆になるようにして直列に接続されている。そのため、積層セラミックコンデンサ22a〜22fに不良がない場合、カレントトランス24a〜24dの2次コイル30a〜30dの出力が相殺され、検知電極18aおよび18bの出力がほぼ0になる。
一方、図3に示すコンデンサモジュール10では、積層セラミックコンデンサ22a〜22fのうちのいずれかがショートして不良になり、その不良になった積層セラミックコンデンサ側に流れる電流が大きくなると、その不良になった積層セラミックコンデンサ側に接続されているカレントトランスの1次コイルに流れる電流も大きくなるため、検知電極18aおよび18bの出力の絶対値が大きくなる。そのため、上述の不良状態を検知電極18aおよび18bの出力から検知することができる。なお、カレントトランス24a〜24cのいずれかの1次コイルに流れる電流が大きくなると、同時に、カレントトランス24dの1次コイルに流れる電流も大きくなる。しかし、カレントトランス24dの2次コイルの出力の変化は、カレントトランス24a〜24cの2次コイルの出力の変化のほぼ3分の1となる。そのため、積層セラミックコンデンサ22a〜22fのいずれかがショートして不良になり、カレントトランス24a〜24cのいずれかの1次コイルに流れる電流が大きくなると、検知電極18aおよび18b間の出力の絶対値が大きくなり、上述の不良状態を検知することができる。
そして、図3に示すコンデンサモジュール10でも、その検知によって、コンデンサモジュール10全体のショートによる破壊を防止し、コンデンサモジュール10が接続されている他のシステムへの影響を防ぐことができる。
【0027】
また、上述の各コンデンサモジュールにはコンデンサとして積層セラミックコンデンサが用いられているが、この発明にかかるコンデンサモジュールには積層セラミックコンデンサ以外のコンデンサが用いられてもよい。
【0028】
さらに、上述の各コンデンサモジュールには電流センサとしてカレントトランスが用いられているが、この発明にかかるコンデンサモジュールには、電流センサとして、たとえば、ホール素子が用いられたり、シャント抵抗器と電圧計を組み合わせたもの、あるいはサーミスタ等が用いられたりしてもよい。
【0029】
また、図1に示すコンデンサモジュール10では、カレントトランス24aの1次コイルとしてのライン26aが入出力電極14aおよびコンデンサ22b間に接続されているが、ライン26aはコンデンサ22bおよび22d間やコンデンサ22dおよび入出力電極14b間に接続されてもよい。同様に、カレントトランス24bの1次コイルとしてのライン26bは、コンデンサ22cおよび22a間やコンデンサ22aおよび入出力電極14a間に接続されてもよい。
【0030】
同様に、図3に示すコンデンサモジュール10においても、カレントトランス24a〜24dの1次コイルとしてのライン26a〜26dの位置が変更されてもよい。
また、図3に示すコンデンサモジュール10では、カレントトランス24a〜24dの2次コイル30a〜30dが接続される順番が変更されてもよい。
さらに、図3に示すコンデンサモジュール10では、カレントトランス24a〜24dの2次コイル30a〜30dの極性が変更されてもよい。
【0031】
さらに、上述の各コンデンサモジュールには2つのコンデンサを直列に接続したコンデンサ直列接続群を2群または3群並列に接続した複数のコンデンサが用いられているが、この発明にかかるコンデンサモジュールには、そのような複数のコンデンサ以外であって2つ以上のコンデンサを直列に接続したコンデンサ直列接続群を2群以上並列に接続した複数のコンデンサや2つ以上のコンデンサを並列に接続したコンデンサ並列接続群を2群以上直列に接続した複数のコンデンサなどが用いられてもよい。
【0032】
また、電流センサは、複数のコンデンサの電流経路において並列に接続された複数の電流経路にそれぞれ1つ以上ずつ設けられればよい。
そして、コンデンサ直列接続群の列数が偶数の場合には、電流センサは、検知端子間において、極性が互いに逆になるようにして直列に接続されることが好ましい。このように接続すれば、コンデンサに不良がない場合には、各電流センサの出力が相殺されるので、検知回路の検知端子の出力がほぼ0となる。また、いずれかのコンデンサにショートによる不良がある場合には、各電流センサの出力が相殺されないので、検知回路の検知端子の出力の絶対値が大きくなる。
また、コンデンサ直列接続群の列数が奇数の場合には、コンデンサ群の入出力に別の電流センサが設けられ、その別の電流センサは、コンデンサ直列接続群の電流センサと比べて、同等の電流を検出した場合に、コンデンサ直列接続群の列数分の1の出力、たとえばコンデンサ直列接続群の列数が5であれば5分の1の出力が得られ、コンデンサ直列接続群の電流センサおよび別の電流センサは、検知回路の検知端子間において、極性が互いに逆になるようにして直列に接続されることが好ましい。このように接続すると、コンデンサに不良がない場合には、電流センサの出力が相殺されるので、検知回路の検知端子の出力がほぼ0となる。また、いずれかのコンデンサにショートによる不良がある場合には、電流センサの出力が相殺されないので、検知回路の検知端子の出力の絶対値が大きくなる。
【0033】
【発明の効果】
この発明によれば、コンデンサを複数個直列接続したコンデンサ直列接続群を複数列並列に接続したコンデンサ群のように、一部のコンデンサに故障が発生しても故障が発見し難い構造において、各コンデンサ直列接続群毎に電流センサを配置しているので、直ちに故障を検出することができる。
また、各電流センサは直列に接続され、1つの検知回路を構成しているので、どのコンデンサに故障が生じても、確実に異常を検出することができる。また、検知回路が1つであるためシンプルな構造にすることができ、たとえば、検知した結果を表示する装置等も1つで済む。
さらに、電流センサとして非接触検出する方式のものを用いており、検出のための線路は接続されるものの、センサ部分はコンデンサ群に直接接続されていないので、検出のための電流等の影響をコンデンサに与えずに、正確に故障を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかるコンデンサモジュールの一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示すコンデンサモジュールの回路図である。
【図3】この発明にかかるコンデンサモジュールの他の例を示す斜視図である。
【図4】図3に示すコンデンサモジュールの回路図である。
【図5】この発明の背景となる従来のインバータ装置の一例を示す回路図である。
【符号の説明】
10 コンデンサモジュール
12 基板
14a、14b 入出力電極
16a、16b、16c、16d、16e、16f、16g、16h 接続電極
18a、18b 検知電極
20a、20b、20c、20d、20e 引出し電極
22a、22b、22c、22d、22e、22f 積層セラミックコンデンサ
24a、24b、24c、24d カレントトランス
26a、26b、26c、26d ライン
28a,28b、28c、28d コア
30a、30b、30c、30d 2次コイル
【発明の属する技術分野】
この発明はコンデンサモジュールに関し、特に複数のコンデンサを直並列に接続した、たとえばインバータ装置などに用いられるコンデンサモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
この発明の背景となる従来のインバータ装置の一例が、特開平1−137615号公報に開示されている。図5はそのような従来のインバータ装置の一例を示す回路図である。図5に示すインバータ装置1は、交流を直流に変換するための整流器2を含む。整流器2の出力側には、整流器2の出力を平滑にするための平滑用コンデンサ群3が接続され、さらに、パワートランジスタなどの半導体を用いた直流を交流に変換するための逆変換回路4が接続される。平滑用コンデンサ群3としては、2つのコンデンサ3a、3aを直列に接続したコンデンサ直列接続群を2組並列に接続した4つのコンデンサ3a、3a、・・が用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなインバータ装置1に用いられる平滑用コンデンサ群3では、1つのコンデンサ3aにショートによる故障が発生した場合、全体の静電容量に変化が見られるが、全体の電流通電性や耐電圧性に直ちに問題が起こることは少ない。
そのため、図5に示す平滑用コンデンサ群3では、1つのコンデンサ3aにショートによる故障が起きた場合、故障の発見が遅れ、他のコンデンサ3aに2倍の負荷がかかることになり、寿命を短くしてしまうという問題がある。
そして、図5に示す平滑用コンデンサ群3では、コンデンサ3aがショートした場合、そのショートによる故障を早く検知して対処しないと、平滑用コンデンサ群全体がショートによる故障にいたるおそれがある。
また、図5に示す平滑用コンデンサ群3において、一部のコンデンサ3aにショートによる故障が発生した場合、その故障を1つの回路で検知することができることが望ましい。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、複数のコンデンサを有するコンデンサモジュールであって、一部のコンデンサにショートによる故障が発生した場合、直ちに対処することができ、かつ、その故障を1つの回路で検知することができる、コンデンサモジュールを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかるコンデンサモジュールは、コンデンサを複数個直列接続したコンデンサ直列接続群を複数列並列に接続したコンデンサ群を有するコンデンサモジュールであって、コンデンサ直列接続群に対して電流センサがそれぞれ設けられ、複数の電流センサは、それぞれの電流センサの出力が相殺されるように直列に接続され、1つの検知回路を構成した、コンデンサモジュールである。
この発明にかかるコンデンサモジュールでは、コンデンサ直列接続群の列数が偶数であり、電流センサは、極性が交互に逆になるようにして直列に接続されてもよい。
また、この発明にかかるコンデンサモジュールでは、コンデンサ直列接続群の列数が奇数であり、コンデンサ群の入出力に対して電流センサとは別の電流センサが設けられ、別の電流センサは電流センサの出力と比べて、同等の電流を検出した場合に、コンデンサ直列接続群の列数で除した出力が得られるものであり、電流センサは、極性が互いに逆になるようにして直列に接続され、かつ、別の電流センサが、極性が逆になるように電流センサの1つに直列に接続されてもよい。
さらに、この発明にかかるコンデンサモジュールでは、電流センサはコンデンサ直列接続群に対して、非接触検出する方式の電流センサであってもよい。
【0006】
この発明にかかるコンデンサモジュールでは、各コンデンサ直列接続群毎に電流センサを配置しているので、コンデンサに故障が生じて電流値が変化した場合に、直ちに故障を検知することができる。また、各電流センサは1つの検知回路を構成しているので、シンプルな構造にすることができ、故障を検知するための回路システムも1系列で済む。
また、この発明にかかるコンデンサモジュールにおいて、コンデンサ直列接続群の列数が偶数であり、電流センサは、極性が互いに逆になるようにして直列に接続されているので、各コンデンサに故障がない場合には、各電流センサの出力が相殺されるので、検知回路の検知端子の出力がほぼ0となるが、いずれかのコンデンサにショートによる故障が発生した場合には、偶数の電流センサの出力が相殺されなくなるので、検知回路の検知端子からの出力の絶対値が大きくなる。したがって、検知回路の出力の絶対値によってコンデンサ群のコンデンサの故障を検知することができる。
さらに、この発明にかかるコンデンサモジュールにおいて、コンデンサ直列接続群の列数が奇数であり、コンデンサ群の出力に対して別の電流センサが設けられ、コンデンサ直列群に設けられた各電流センサおよび別の電流センサは、極性が互いに逆になるようにして直列に接続されているので、各コンデンサに故障がない場合には、各電流センサの出力が相殺されるので、検知回路の検知端子の出力がほぼ0となるが、いずれかのコンデンサにショートによる故障が発生した場合には、偶数の電流センサの出力が相殺されなくなるので、検知回路の検知端子からの出力の絶対値が大きくなる。したがって、検知回路の出力の絶対値によってコンデンサ群のコンデンサの故障を検知することができる。
【0007】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明にかかるコンデンサモジュールの一例を示す斜視図である。図1に示すコンデンサモジュール10は、たとえば矩形の基板12を含む。
【0009】
基板12の一方主面には、その長手方向における一端部に、たとえば矩形の入出力電極14aおよび接続電極16aが間隔を隔てて形成される。さらに、基板12の一方主面には、その長手方向における他端部に、たとえば矩形の入出力電極14bおよび接続電極16bが間隔を隔てて形成される。この場合、入出力電極14aおよび接続電極16bは、基板12の幅方向における一端側に形成される。また、入出力電極14bおよび接続電極16aは、基板12の幅方向における他端側に形成される。さらに、入出力端子として用いられる2つの入出力電極14aおよび14bには、外部のリード線などをはんだ付けしやすくするために、2つずつの円形の孔15a、15aおよび15b、15bが形成されている。なお、これらの孔15a、15aおよび15b、15bは、特に形成されなくてもよい。
【0010】
また、基板12の一方主面には、入出力電極14aおよび接続電極16b間にたとえば矩形の接続電極16cが形成され、入出力電極14bおよび接続電極16a間にたとえば矩形の接続電極16dが形成される。
【0011】
さらに、基板12の一方主面には、その長手方向における一端部において、基板12の幅方向における他端側に、検知端子としてたとえば矩形の検知電極18aおよび18bが間隔を隔てて形成される。
【0012】
この基板12の一方主面には、複数のコンデンサとして同じ特性を有する4つの積層セラミックコンデンサ22a、22b、22cおよび22dが実装される。この場合、積層セラミックコンデンサ22aは、入出力電極14aおよび接続電極16cにはんだで接続される。また、積層セラミックコンデンサ22bは、接続電極16aおよび接続電極16dにはんだで接続される。さらに、積層セラミックコンデンサ22cは、接続電極16cおよび接続電極16bにはんだで接続される。また、積層セラミックコンデンサ22dは、接続電極16dおよび入出力電極14bにはんだで接続される。
【0013】
さらに、基板12の一方主面には、電流センサとして同じ特性を有する2つのカレントトランス24aおよび24bが実装される。一方のカレントトランス24aは、積層セラミックコンデンサ22bおよび22dに流れる電流を検出するためのものである。また、他方のカレントトランス24bは、積層セラミックコンデンサ22aおよび22cに流れる電流を検出するためのものである。
【0014】
一方のカレントトランス24aの1次コイルとなるライン26aは、入出力電極14aおよび接続電極16aにはんだで接続される。また、他方のカレントトランス24bの1次コイルとなるライン26bは、接続電極16bおよび入出力電極14bにはんだで接続される。したがって、このコンデンサモジュール10は、その回路を図2に示すように、入出力電極14aおよび14b間において、2つの積層セラミックコンデンサ22aおよび22cを直列に接続したコンデンサ直列接続群と2つの積層セラミックコンデンサ22bおよび22dを直列に接続したコンデンサ直列接続群とを並列に接続したコンデンサ群を有する。
【0015】
また、一方のカレントトランス24aのライン26aは、コア28aに挿通される。コア28aには、2次コイル30aが巻かれる。2次コイル30aの両端は、引出し電極20aおよび20bにそれぞれはんだで接続される。同様に、他方のカレントトランス24bのライン26bは、コア28bに挿通される。コア28bには、2次コイル30bが巻かれる。2次コイル30bの両端は、引出し電極20bおよび20cにそれぞれはんだで接続される。したがって、このコンデンサモジュール10は、その回路を図2に示すように、検知電極18aおよび18b間において、2つのカレントトランス24aおよび24bの2次コイル30aおよび30bを直列に接続した検知回路を有する。この場合、2つのカレントトランス24aおよび24bの2次コイル30aおよび30bは、検知電極18aおよび18b間において、極性が互いに逆になるようにして直列に接続される。
【0016】
また、図1に示すコンデンサモジュール10では、積層セラミックコンデンサ22a〜22dに不良がない場合、積層セラミックコンデンサ22a〜22dに同等の電流が流れ、2つのカレントトランス24aおよび24bの1次コイルにも同等に電流が流れる。2つのカレントトランス24aおよび24bの2次コイル30aおよび30bは、検知電極18aおよび18b間において、極性が互いに逆になるようにして直列に接続されている。そのため、積層セラミックコンデンサ22a〜22dに不良がない場合、カレントトランス24aおよび24bの2次コイル30aおよび30bの出力が相殺され、検知電極18aおよび18bの出力がほぼ0になる。
一方、図1に示すコンデンサモジュール10では、上述の性能の低下状態によって、積層セラミックコンデンサ22a〜22dのうち不良になった積層セラミックコンデンサ側に流れる電流が大きくなると、その不良になった積層セラミックコンデンサ側に接続されているカレントトランスの1次コイルに流れる電流も大きくなるため、検知電極18aおよび18bの出力の絶対値が大きくなる。そのため、上述の性能の低下状態を検知電極18aおよび18bの出力から検知することができる。
そして、図1に示すコンデンサモジュール10では、その検知によって、コンデンサモジュール10全体のショートによる破壊を防止し、コンデンサモジュール10が接続されている他のシステムへの影響を防ぐことができる。
【0017】
図3はこの発明にかかるコンデンサモジュールの他の例を示す斜視図である。図3に示すコンデンサモジュール10も、たとえば矩形の基板12を含む。
【0018】
基板12の一方主面には、その長手方向における一端部に、入出力端子としてたとえば矩形の2つの入出力電極14aおよび14bが間隔を隔てて形成される。入出力電極14aおよび14bには、外部のリード線などをはんだ付けしやすくするために、2つずつの円形の孔15a、15aおよび15b、15bが形成されている。
【0019】
また、基板12の一方主面には、基板12の両端に沿って、たとえば長方形の2つの接続電極16aおよび16bが形成される。この場合、接続電極16aは、入出力電極14aからのびて形成される。また、接続電極16bは、入出力電極14bと間隔を隔てて形成される。
【0020】
さらに、基板12の一方主面には、接続電極16aおよび16b間において、たとえば矩形の6つの接続電極16c、16d、16e、16f、16gおよび16hが2行3列の配列で間隔を隔てて形成される。
【0021】
また、基板12の一方主面には、入出力電極14aおよび14b間において、検知端子としてたとえば矩形の検知電極18aおよび18bが間隔を隔てて形成される。
【0022】
この基板12の一方主面には、同様の6つの積層セラミックコンデンサ22a、22b、22c、22d、22eおよび22fが実装される。この場合、積層セラミックコンデンサ22aは、接続電極16cおよび16fにはんだで接続される。また、積層セラミックコンデンサ22bは、接続電極16dおよび16gにはんだで接続される。さらに、積層セラミックコンデンサ22cは、接続電極16eおよび16hにはんだで接続される。また、積層セラミックコンデンサ22dは、接続電極16fおよび16bにはんだで接続される。さらに、積層セラミックコンデンサ22eは、接続電極16gおよび16bにはんだで接続される。また、積層セラミックコンデンサ22fは、接続電極16hおよび16bにはんだで接続される。
【0023】
さらに、基板12の一方主面には、電流センサとして4つのカレントトランス24a、24b、24cおよび24dが実装される。カレントトランス24aは、積層セラミックコンデンサ22aおよび22dに流れる電流を検出するためのものである。また、カレントトランス24bは、積層セラミックコンデンサ22bおよび22eに流れる電流を検出するためのものである。さらに、カレントトランス24cは、積層セラミックコンデンサ22cおよび22fに流れる電流を検出するためのものである。また、カレントトランス24dは、入出力電極14bに流れる電流を検出するためのものである。このカレントトランス24dとしては、他のカレントトランス24a〜24cと比べて、同等の電流を1次コイルに流した場合に2次コイルの出力がほぼ3分の1の大きさとなるものが用いられる。
【0024】
カレントトランス24aの1次コイルとなるライン26aは、接続電極16aおよび16cにはんだで接続される。また、カレントトランス24bの1次コイルとなるライン26bは、接続電極16aおよび16dにはんだで接続される。さらに、カレントトランス24cの1次コイルとなるライン26cは、接続電極16aおよび16eにはんだで接続される。また、カレントトランス24dの1次コイルとなるライン26dは、接続電極16bおよび入出力電極14bにはんだで接続される。したがって、このコンデンサモジュール10は、その回路を図2に示すように、入出力電極14aおよび14b間において、2つの積層セラミックコンデンサ22aおよび22dを直列に接続したコンデンサ直列接続群と2つの積層セラミックコンデンサ22bおよび22eを直列に接続したコンデンサ直列接続群と2つの積層セラミックコンデンサ22cおよび22fを直列に接続したコンデンサ直列接続群とを並列に接続したコンデンサ群を有する。
【0025】
カレントトランス24aのライン26aは、コア28aに挿通される。コア28aには、2次コイル30aが巻かれる。2次コイル30aの両端は、引出し電極20aおよび20bにそれぞれはんだで接続される。
同様に、他のカレントトランス24b〜24dのライン26b〜26dは、コア28b〜28dにそれぞれ挿通される。コア28b〜28dには、2次コイル30b〜30dがそれぞれ巻かれる。2次コイル30bの両端は引出し電極20bおよび20cに、2次コイル30cの両端は引出し電極20cおよび20dに、2次コイル30dの両端は引出し電極20dおよび20eに、それぞれはんだで接続される。したがって、このコンデンサモジュール10は、その回路を図2に示すように、検知電極18aおよび18b間において、4つのカレントトランス24a〜24dの2次コイル30a〜30dを直列に接続した検知回路を有する。この場合、4つのカレントトランス24a〜24dの2次コイル30a〜30dは、検知電極18aおよび18b間において、2次コイル30aおよび30cと2次コイル30bおよび30dとの極性が互いに逆になるようにして直列に接続される。
【0026】
また、図3に示すコンデンサモジュール10では、積層セラミックコンデンサ22a〜22fに不良がない場合、積層セラミックコンデンサ22a〜22fに同等の電流が流れ、3つのカレントトランス24a〜24cの1次コイルにも同等に電流が流れるが、カレントトランス24dの1次コイルにはほぼ3倍の電流が流れる。しかし、カレントトランス24dは、他のカレントトランス24a〜24cと比べて、同等の電流を1次コイルに流した場合に2次コイルの出力がほぼ3分の1の大きさとなるので、カレントトランス24a〜24dの2次コイル30a〜30dの出力はほぼ同じ大きさになる。また、4つのカレントトランス24a〜24dの2次コイル30a〜30dは、検知電極18aおよび18b間において、2次コイル30aおよび30cと2次コイル30bおよび30dとの極性が互いに逆になるようにして直列に接続されている。そのため、積層セラミックコンデンサ22a〜22fに不良がない場合、カレントトランス24a〜24dの2次コイル30a〜30dの出力が相殺され、検知電極18aおよび18bの出力がほぼ0になる。
一方、図3に示すコンデンサモジュール10では、積層セラミックコンデンサ22a〜22fのうちのいずれかがショートして不良になり、その不良になった積層セラミックコンデンサ側に流れる電流が大きくなると、その不良になった積層セラミックコンデンサ側に接続されているカレントトランスの1次コイルに流れる電流も大きくなるため、検知電極18aおよび18bの出力の絶対値が大きくなる。そのため、上述の不良状態を検知電極18aおよび18bの出力から検知することができる。なお、カレントトランス24a〜24cのいずれかの1次コイルに流れる電流が大きくなると、同時に、カレントトランス24dの1次コイルに流れる電流も大きくなる。しかし、カレントトランス24dの2次コイルの出力の変化は、カレントトランス24a〜24cの2次コイルの出力の変化のほぼ3分の1となる。そのため、積層セラミックコンデンサ22a〜22fのいずれかがショートして不良になり、カレントトランス24a〜24cのいずれかの1次コイルに流れる電流が大きくなると、検知電極18aおよび18b間の出力の絶対値が大きくなり、上述の不良状態を検知することができる。
そして、図3に示すコンデンサモジュール10でも、その検知によって、コンデンサモジュール10全体のショートによる破壊を防止し、コンデンサモジュール10が接続されている他のシステムへの影響を防ぐことができる。
【0027】
また、上述の各コンデンサモジュールにはコンデンサとして積層セラミックコンデンサが用いられているが、この発明にかかるコンデンサモジュールには積層セラミックコンデンサ以外のコンデンサが用いられてもよい。
【0028】
さらに、上述の各コンデンサモジュールには電流センサとしてカレントトランスが用いられているが、この発明にかかるコンデンサモジュールには、電流センサとして、たとえば、ホール素子が用いられたり、シャント抵抗器と電圧計を組み合わせたもの、あるいはサーミスタ等が用いられたりしてもよい。
【0029】
また、図1に示すコンデンサモジュール10では、カレントトランス24aの1次コイルとしてのライン26aが入出力電極14aおよびコンデンサ22b間に接続されているが、ライン26aはコンデンサ22bおよび22d間やコンデンサ22dおよび入出力電極14b間に接続されてもよい。同様に、カレントトランス24bの1次コイルとしてのライン26bは、コンデンサ22cおよび22a間やコンデンサ22aおよび入出力電極14a間に接続されてもよい。
【0030】
同様に、図3に示すコンデンサモジュール10においても、カレントトランス24a〜24dの1次コイルとしてのライン26a〜26dの位置が変更されてもよい。
また、図3に示すコンデンサモジュール10では、カレントトランス24a〜24dの2次コイル30a〜30dが接続される順番が変更されてもよい。
さらに、図3に示すコンデンサモジュール10では、カレントトランス24a〜24dの2次コイル30a〜30dの極性が変更されてもよい。
【0031】
さらに、上述の各コンデンサモジュールには2つのコンデンサを直列に接続したコンデンサ直列接続群を2群または3群並列に接続した複数のコンデンサが用いられているが、この発明にかかるコンデンサモジュールには、そのような複数のコンデンサ以外であって2つ以上のコンデンサを直列に接続したコンデンサ直列接続群を2群以上並列に接続した複数のコンデンサや2つ以上のコンデンサを並列に接続したコンデンサ並列接続群を2群以上直列に接続した複数のコンデンサなどが用いられてもよい。
【0032】
また、電流センサは、複数のコンデンサの電流経路において並列に接続された複数の電流経路にそれぞれ1つ以上ずつ設けられればよい。
そして、コンデンサ直列接続群の列数が偶数の場合には、電流センサは、検知端子間において、極性が互いに逆になるようにして直列に接続されることが好ましい。このように接続すれば、コンデンサに不良がない場合には、各電流センサの出力が相殺されるので、検知回路の検知端子の出力がほぼ0となる。また、いずれかのコンデンサにショートによる不良がある場合には、各電流センサの出力が相殺されないので、検知回路の検知端子の出力の絶対値が大きくなる。
また、コンデンサ直列接続群の列数が奇数の場合には、コンデンサ群の入出力に別の電流センサが設けられ、その別の電流センサは、コンデンサ直列接続群の電流センサと比べて、同等の電流を検出した場合に、コンデンサ直列接続群の列数分の1の出力、たとえばコンデンサ直列接続群の列数が5であれば5分の1の出力が得られ、コンデンサ直列接続群の電流センサおよび別の電流センサは、検知回路の検知端子間において、極性が互いに逆になるようにして直列に接続されることが好ましい。このように接続すると、コンデンサに不良がない場合には、電流センサの出力が相殺されるので、検知回路の検知端子の出力がほぼ0となる。また、いずれかのコンデンサにショートによる不良がある場合には、電流センサの出力が相殺されないので、検知回路の検知端子の出力の絶対値が大きくなる。
【0033】
【発明の効果】
この発明によれば、コンデンサを複数個直列接続したコンデンサ直列接続群を複数列並列に接続したコンデンサ群のように、一部のコンデンサに故障が発生しても故障が発見し難い構造において、各コンデンサ直列接続群毎に電流センサを配置しているので、直ちに故障を検出することができる。
また、各電流センサは直列に接続され、1つの検知回路を構成しているので、どのコンデンサに故障が生じても、確実に異常を検出することができる。また、検知回路が1つであるためシンプルな構造にすることができ、たとえば、検知した結果を表示する装置等も1つで済む。
さらに、電流センサとして非接触検出する方式のものを用いており、検出のための線路は接続されるものの、センサ部分はコンデンサ群に直接接続されていないので、検出のための電流等の影響をコンデンサに与えずに、正確に故障を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかるコンデンサモジュールの一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示すコンデンサモジュールの回路図である。
【図3】この発明にかかるコンデンサモジュールの他の例を示す斜視図である。
【図4】図3に示すコンデンサモジュールの回路図である。
【図5】この発明の背景となる従来のインバータ装置の一例を示す回路図である。
【符号の説明】
10 コンデンサモジュール
12 基板
14a、14b 入出力電極
16a、16b、16c、16d、16e、16f、16g、16h 接続電極
18a、18b 検知電極
20a、20b、20c、20d、20e 引出し電極
22a、22b、22c、22d、22e、22f 積層セラミックコンデンサ
24a、24b、24c、24d カレントトランス
26a、26b、26c、26d ライン
28a,28b、28c、28d コア
30a、30b、30c、30d 2次コイル
Claims (4)
- コンデンサを複数個直列接続したコンデンサ直列接続群を複数列並列に接続したコンデンサ群を有するコンデンサモジュールであって、
コンデンサ直列接続群に対して電流センサがそれぞれ設けられ、
前記複数の電流センサは、それぞれの電流センサの出力が相殺されるように直列に接続され、1つの検知回路を構成した、コンデンサモジュール。 - 前記コンデンサ直列接続群の列数が偶数であり、
前記電流センサは、極性が交互に逆になるようにして直列に接続された、請求項1に記載のコンデンサモジュール。 - 前記コンデンサ直列接続群の列数が奇数であり、
前記コンデンサ群の入出力に対して前記電流センサとは別の電流センサが設けられ、
前記別の電流センサは前記電流センサの出力と比べて、同等の電流を検出した場合に、前記コンデンサ直列接続群の列数で除した出力が得られるものであり、前記電流センサは、極性が互いに逆になるようにして直列に接続され、かつ、前記別の電流センサが、極性が逆になるように前記電流センサの1つに直列に接続された、請求項1に記載のコンデンサモジュール。 - 前記電流センサはコンデンサ直列接続群に対して、非接触検出する方式の電流センサである、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のコンデンサモジュール。
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