JP2004022484A - エキシマランプ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、大面積照射を可能にする長尺のエキシマランプであって、製造時に取り扱いが容易な該エキシマランプを提供することを目的とする。また、内管自身が自重でたわむことなく、均一な放電が提供できる長尺のエキシマランプを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のエキシマランプは、概略円筒状の外側管と概略円筒状の内側管とを持ち該外側管と該内側管とが略同一管軸上に配置された二重円筒管状の放電容器と、該放電容器内に封入された放電用ガスと、該放電容器の外側管の外壁に形成された光透過性の第１の電極と、該放電容器の外壁である内側管の内側に形成された第２の電極とから成り、該放電容器に封入された該放電用ガスの放電によって生成したエキシマ分子からのエキシマ発光を利用するエキシマランプにおいて、該放電容器の管軸方向に突出する突起状部材を持ち、該突起状部材を他のエキシマランプの内側管内壁と嵌合させることにより連結可能としたことを特徴とする。
【選択図】 図１
【解決手段】本発明のエキシマランプは、概略円筒状の外側管と概略円筒状の内側管とを持ち該外側管と該内側管とが略同一管軸上に配置された二重円筒管状の放電容器と、該放電容器内に封入された放電用ガスと、該放電容器の外側管の外壁に形成された光透過性の第１の電極と、該放電容器の外壁である内側管の内側に形成された第２の電極とから成り、該放電容器に封入された該放電用ガスの放電によって生成したエキシマ分子からのエキシマ発光を利用するエキシマランプにおいて、該放電容器の管軸方向に突出する突起状部材を持ち、該突起状部材を他のエキシマランプの内側管内壁と嵌合させることにより連結可能としたことを特徴とする。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電用ガスの放電によって生成したエキシマ分子からのエキシマ発光を利用したエキシマランプに関し、更に詳しくは大面積の照射を可能にする長尺のエキシマランプを実現する手段に関する。
【０００２】
【従来の技術】
半導体の製造工程や液晶板の製造工程において、従来から真空紫外光を照射して表面処理をするための光源としてエキシマランプが用いられている。該エキシマランプは、一対の電極間に配置された希ガス等の放電ガスを放電させエキシマ分子を形成し、該エキシマ分子が解離する過程で放射される光を利用するものである。例えば、大きな径の円筒型の石英ガラス管と小さな径の石英ガラス管とを二重円筒管として配置することにより形成した放電空間にキセノンなどの放電ガスを封入し、該二重円筒管の外側管の外壁に第１の電極、内側管の内側に第２の電極を配置し、該電極間に高周波電圧を付加することにより放電を発生させる。
【０００３】
図４に従来のエキシマランプの概略構成図を示す。該エキシマランプ５１は、石英ガラス製の略円筒管状の外側管５２と内側管５３とからなる放電容器と、該放電容器５４の内部に封入された希ガスなどの放電ガス５８と、該外側管５２の外壁に設けられた透光性の第１の電極５５と、該内側管５３の内面に設けられた第２の電極５６と、から構成されている。該第１の電極５５と該第２の電極５６との間には高周波高電圧電源５７が接続されており、該電極間に高周波高電圧を供給し、該放電ガス５８を放電することによってエキシマ分子を生成し、該エキシマ分子が解離する過程で放射されるエキシマ光を利用するものである。
【０００４】
該エキシマランプ５１が使用される液晶板等は液晶テレビに代表されるように大型化が進んでおり、該エキシマランプ５１も合わせて大型化、大面積照射型のものが求められている。
【０００５】
しかし、該エキシマランプ５１自身を単純に長尺化すると該エキシマランプ５１を構成する内管側の石英ガラスが自重によりたわみ放電ギャップが一定にならず管軸方向で放電のバラツキが起こり、均一な面照射が実現できないといった問題がある。また、製造時には長尺のガラス管自身の取り扱いが非常に困難であり、特に内側管と外側管とを接続する工程で加工中に該エキシマランプの自重によって中心軸がズレてしまいランプとして一定の放電ギャップが取れないといった問題があった。
【０００６】
更には、内側管５３に第２の電極５６を形成する時に該ランプ自身が長尺であれば該第２の電極５６を構成する材料自身が薄いために製造時の取り扱いが非常に困難であるといった問題があった。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
大面積照射を可能にする長尺のエキシマランプであって、製造時に取り扱いが容易な該エキシマランプを提供する。また、内側管自身が自重でたわむことなく、均一な放電が提供できる長尺のエキシマランプを提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明のエキシマランプは、概略円筒状の外側管と概略円筒状の内側管とを持ち該外側管と該内側管とが略同一管軸上に配置された二重円筒管状の放電容器と、該放電容器内に封入された放電用ガスと、該放電容器の外側管の外壁に形成された光透過性の第１の電極と、該放電容器の外壁である内側管の内側に形成された第２の電極とから成り、該放電容器に封入された該放電用ガスの放電によって生成したエキシマ分子からのエキシマ発光を利用するエキシマランプにおいて、該放電容器の管軸方向に突出する突起状部材を持ち、該突起状部材を他のエキシマランプの内側管内壁と嵌合させることにより連結可能としたことを特徴とするエキシマランプ。
【０００９】
これにより、該エキシマランプの該突起状部材を他のエキシマランプの内側管内壁に差込むだけで簡便に連結が可能となり長尺のエキシマランプを実現できる。また、該突起状部材を他のエキシマランプの内側管内壁と嵌合させるため連結用部品を該エキシマランプの外側管外壁に設ける必要が無く照射面に該連結用部品による影ができず均一な照射を実現できるといった利点がある。更に、該内側管内壁に嵌合させて該エキシマランプ同士を連結するため該エキシマランプから照射面までの距離をランプ外壁に近接させることができる。これは該エキシマランプから照射される光が酸素雰囲気中で吸収されてしまう真空紫外光である場合には特に被照射面に近接することで照射エネルギーを被照射面に十分到達させることができるといった利点がある。
【００１０】
また、前記エキシマランプの一本当たりの管軸方向の長さが８００ｍｍ以下であり、複数本連結した時の管軸方向の長さが８００ｍｍ以上であることを特徴とする。
【００１１】
これにより、単体で管軸方向の長さが８００ｍｍ以上の長尺のエキシマランプを構成する場合と比べて自重による内側管のたわみを減少できる。また、製造時の取り扱いの困難性が解消されるといった利点がある。
【００１２】
また、前記突起状部材が前記第２の電極の端部に当接することにより該第２の電極の位置を規制することを特徴とする。
【００１３】
これにより、該エキシマランプが点灯消灯を繰り返すことで発生する管軸方向の膨張収縮によって第２の電極が移動し発光部がずれる等のため均一な放射強度が得られないといった不具合を抑制できる。
【００１４】
また、本発明のエキシマランプは前記第２の電極を他のエキシマランプの内側管内壁に配置された電極と電気的に接続する接続手段を設けたことを特徴とする。
【００１５】
これにより、複数本のエキシマランプを連結させても各エキシマランプに給電することが可能となる。また、該エキシマランプに高周波高電圧を給電する場合に該エキシマランプ接続部で外側に配置されている第１の電極との間での該エキシマランプの放電容器にそった沿面放電等が発生することを防止できる。
【００１６】
また、前記接続手段が導電性弾性部材から成ることを特徴とする。
【００１７】
これにより、該接続手段である給電部材が弾性を持っているため、該エキシマランプを連結させるときに他のエキシマランプに差込むだけで簡便に安定した電気的接続が可能となる。
【００１８】
【発明の実施の形態】
本発明の第１の実施例を図１に示す。図１−Ａ）に示した本発明のエキシマランプ１は、概略円筒状の外側管２と概略円筒状の内側管３とから成る放電容器４を持ち、該放電容器４の内部に希ガス等の放電用ガス５が封入されている。該外側管１の外壁には光透過性の第１の電極６が配置されており、該放電容器４の外側である該内側管３の内壁には第２の電極７が配置され、該第１の電極６と該第２の電極７との間に高周波高電圧電源８から高周波高電圧が供給されている。概略円筒状の該放電容器４の円筒軸方向の端部の一方に外径が該内側管３の内径よりやや小さい連結用の突起部９が設けられている。また、該放電容器の管軸方向の長さは６００ｍｍのものを用いた。図１−Ｂ）に示すのは本発明のエキシマランプ１を他のエキシマランプ１１に連結した場合である。前記の連結用の突起部９を他のエキシマランプ１１の内側管３と嵌合させることにより複数本のエキシマランプを同一管軸上に連結し長尺なエキシマランプを形成することができる。
【００１９】
更に、該エキシマランプ間の電気的な接続は該第２の電極間に配置された導電性弾性部材である給電用弾性部材１１によって行なっている。概給電用弾性部材１１は、例えばタングステン線から形成している。その他形状によってはステンレス材やアルミニウム材等が使用できる。概給電用弾性部材１１は該エキシマランプ１の内側管３の内面に該第２の電極７を押し当てるように径方向に開く弾性体からなっている。本実施例では図１−Ｂ）に示すように該給電用弾性部材１１として両端にコイルバネを用いたものを示した。該給電用弾性部材１１の両端にはコイルバネ部１２が設けられ該コイルバネ部１２が径方向に開くことにより該エキシマランプ１の内側管３の内面に設けられた該第２の電極７を該内側管３に押し当てるようにして固定されている。該コイルバネ部１２の間には金属ロッド部１３が有り両端の該コイルバネ部１２を電気的に連結している。また、該エキシマランプ間に配置される金属ロッド部１３は該エキシマランプの内側管内壁に接しないように該内側管の内径より径を小さくしている。これにより、高周波高電圧を給電する場合に該エキシマランプ接続部で外側に配置されている第１の電極との間での該エキシマランプの放電容器にそった沿面放電等が発生することを防止できる。
【００２０】
図２には本発明の他の実施例を示す。図２−Ａ）は、該エキシマランプ１に前記の連結用の突起部として該内側管３を延長した突起部２１がある。また、該エキシマランプの該突起部２１が配置されていない端に該突起部２１の嵌合用穴部２２が設けられており、該突起部２１と嵌合用穴部２２とが嵌合することにより複数の該エキシマランプ１を連結できる。
【００２１】
図２−Ｂ）は、該内側管３を延長した突起に角度を付けて略円錐台状にした突起部２３を設けたものである。また、該エキシマランプの該突起部２３が配置されていない端には略円錐台状の嵌合用穴部２４が設けられており、該突起部２３と該嵌合用穴部２４とが嵌合することにより複数の該エキシマランプ１を連結できる。
【００２２】
図２−Ｃ）は、概略円筒状の該放電容器４の円筒軸方向の両端部に外径が該内側管３の内径よりやや小さい連結用の突起部２５、及び２６が設けられている。該突起部２５、及び２６が設けられている位置は、同一円周上の互いに異なる位置であり、例えば同一の該突起部２５、及び２６が設けられた他のエキシマランプを連結する場合に該突起部２５、及び２６が同一円周上でぶつかることなく嵌め合わせることができる。
【００２３】
実施例に示した該エキシマランプでは該突起部と該嵌合用穴部とを各端部に設けた場合を示したが、両端に該突起部を設けたエキシマランプと両端に該嵌合用穴部を設けたエキシマランプを交互に用いて連結させ長尺のエキシマランプを形成することもできる。
【００２４】
図３には本発明のエキシマランプに設けられた給電用弾性部材のその他の実施例を示す。図３−Ａ）に示した給電用弾性部材３０は金属ロッド部３１の両端に延びる板状のバネ部３２と、該バネ部３２の先端に設けられた略扇状の給電端子部３３とからなっている。該給電端子部３３はエキシマランプの内側管内面に設けられた第２の電極を該バネ部３２によって径方向に押さえつけ固定される。該給電用弾性部材３０の該金属ロッド３１から両端に伸びる該バネ部３２と該バネ部３２の先端に配置された該給電端子部３３とが二つのエキシマランプの内側管に配置された第２の電極と接続されることにより一つのエキシマランプから他のエキシマランプに給電される。
【００２５】
図３−Ｂ）に示した給電用弾性部材３４は一方がＣ型のバネ構造を持ち、該Ｃ型バネ部３５を一つのエキシマランプの内側管内壁に押し当てるように固定する。該Ｃ型バネ部３５からはアーム部３６が伸びており該アーム部３６の先端には他のエキシマランプの内側管内壁に押し当てる給電端子部３７が配置されている。該アーム部３６は該エキシマランプの径方向に弾性を持ち該Ｃ型バネ部３５との接続部を支点に該給電端子部３７が駆動可能となっている。
【００２６】
図３−Ｃ）に示した給電用弾性部材３８は該エキシマランプの内側管の内壁に配置されたリング状の金属部材３９から径方向に伸びる複数の板状バネ部材４０から成る受け側の接続部材と他のエキシマランプの内側管の内壁に配置されたリング状の金属部材４１と該金属部材４１から伸びる差込み部材４２とからなる差込み側の接続部材とから成っている。該差込み側の差込み部材４２が該受け側の板状バネ部材４０に挿入され該板状のバネによって保持されることにより一方のエキシマランプに給電された高周波高電圧が他方のエキシマランプの第２の電極にも給電されることになる。
【００２７】
【発明の効果】
本発明のエキシマランプにより、該エキシマランプの突起状部材を他のエキシマランプの内側管内壁に差込むだけで簡便に連結が可能となり長尺のエキシマランプを実現できる。また、該突起状部材を他のエキシマランプの内側管内壁と嵌合させるため連結用部品を該エキシマランプの外側管外壁に設ける必要が無く照射面に該連結用部品による影ができず均一な照射を実現できるといった利点がある。更に、該内側管内壁に嵌合させて該エキシマランプ同士を連結するため該エキシマランプから照射面までの距離をランプ外壁に近接させることができる。これは該エキシマランプから照射される光が酸素雰囲気中で吸収されてしまう真空紫外光である場合には特に被照射面に近接することで照射エネルギーを被照射面に十分到達させることができるといった利点がある。
【００２８】
また、本発明の構成によれば該エキシマランプの管軸方向の長さが単体で８００ｍｍ以上の長尺のエキシマランプを構成する場合と比べて自重による内側管のたわみを減少できる。また、本発明の構成によれば、製造時に長尺の該エキシマランプを取り扱うのに比較して管軸方向の長さが短いため取り扱いが容易であり、特に内管と外管とを接続する工程で加工中に該エキシマランプの中心軸が容易に取れ品質的に安定したものを供給することが出来る。
【００２９】
更に、内管側に電極を形成する時にも長尺のエキシマランプと比較して該ランプ製造時の該電極自身を短くできるので、電極が薄いために軸方向に長くなると取り扱いが困難であるといった問題が解消される。また、該エキシマランプが点灯消灯を繰り返すことで発生する管軸方向の膨張収縮によって第２の電極が移動し発光部がずれる等のため均一な放射強度が得られないといった不具合を該突起状部材が該第２の電極の短部に当接させることによって抑制できるといった利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明におけるエキシマランプとその連結機構を説明する説明図
【図２】本発明におけるエキシマランプのその他の実施例を示す断面図
【図３】本発明の第２の電極を電気的に接続する接続手段の例を示す説明図
【図４】従来におけるエキシマランプの構成を示す断面図
【符号の説明】
１ エキシマランプ
２ 外側管
３ 内側管
４ 放電容器
５ 放電用ガス
６ 第１の電極
７ 第２の電極
８ 高周波高電圧電源
９ 突起部
１０ 他のエキシマランプ
１１ 給電用弾性部材
１２ コイルバネ部
１３ 金属ロッド部
２１ 突起部
２２ 嵌合用穴部
２３ 突起部
２４ 嵌合用穴部
２５ 突起部
２６ 突起部
３０ 給電用弾性部材
３１ 金属ロッド部
３２ バネ部
３３ 給電端子部
３４ 給電用弾性部材
３５ Ｃ型バネ部
３６ アーム部
３７ 給電端子部
３８ 給電用弾性部材
３９ リング状の金属部材
４０ 板状バネ部材
４１ リング状の金属部材
４２ 差込み部材
５１ エキシマランプ
５２ 外側管
５３ 内側管
５４ 放電容器
５５ 第１の電極
５６ 第２の電極
５７ 高周波高電圧電源
５８ 放電ガス
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電用ガスの放電によって生成したエキシマ分子からのエキシマ発光を利用したエキシマランプに関し、更に詳しくは大面積の照射を可能にする長尺のエキシマランプを実現する手段に関する。
【０００２】
【従来の技術】
半導体の製造工程や液晶板の製造工程において、従来から真空紫外光を照射して表面処理をするための光源としてエキシマランプが用いられている。該エキシマランプは、一対の電極間に配置された希ガス等の放電ガスを放電させエキシマ分子を形成し、該エキシマ分子が解離する過程で放射される光を利用するものである。例えば、大きな径の円筒型の石英ガラス管と小さな径の石英ガラス管とを二重円筒管として配置することにより形成した放電空間にキセノンなどの放電ガスを封入し、該二重円筒管の外側管の外壁に第１の電極、内側管の内側に第２の電極を配置し、該電極間に高周波電圧を付加することにより放電を発生させる。
【０００３】
図４に従来のエキシマランプの概略構成図を示す。該エキシマランプ５１は、石英ガラス製の略円筒管状の外側管５２と内側管５３とからなる放電容器と、該放電容器５４の内部に封入された希ガスなどの放電ガス５８と、該外側管５２の外壁に設けられた透光性の第１の電極５５と、該内側管５３の内面に設けられた第２の電極５６と、から構成されている。該第１の電極５５と該第２の電極５６との間には高周波高電圧電源５７が接続されており、該電極間に高周波高電圧を供給し、該放電ガス５８を放電することによってエキシマ分子を生成し、該エキシマ分子が解離する過程で放射されるエキシマ光を利用するものである。
【０００４】
該エキシマランプ５１が使用される液晶板等は液晶テレビに代表されるように大型化が進んでおり、該エキシマランプ５１も合わせて大型化、大面積照射型のものが求められている。
【０００５】
しかし、該エキシマランプ５１自身を単純に長尺化すると該エキシマランプ５１を構成する内管側の石英ガラスが自重によりたわみ放電ギャップが一定にならず管軸方向で放電のバラツキが起こり、均一な面照射が実現できないといった問題がある。また、製造時には長尺のガラス管自身の取り扱いが非常に困難であり、特に内側管と外側管とを接続する工程で加工中に該エキシマランプの自重によって中心軸がズレてしまいランプとして一定の放電ギャップが取れないといった問題があった。
【０００６】
更には、内側管５３に第２の電極５６を形成する時に該ランプ自身が長尺であれば該第２の電極５６を構成する材料自身が薄いために製造時の取り扱いが非常に困難であるといった問題があった。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
大面積照射を可能にする長尺のエキシマランプであって、製造時に取り扱いが容易な該エキシマランプを提供する。また、内側管自身が自重でたわむことなく、均一な放電が提供できる長尺のエキシマランプを提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明のエキシマランプは、概略円筒状の外側管と概略円筒状の内側管とを持ち該外側管と該内側管とが略同一管軸上に配置された二重円筒管状の放電容器と、該放電容器内に封入された放電用ガスと、該放電容器の外側管の外壁に形成された光透過性の第１の電極と、該放電容器の外壁である内側管の内側に形成された第２の電極とから成り、該放電容器に封入された該放電用ガスの放電によって生成したエキシマ分子からのエキシマ発光を利用するエキシマランプにおいて、該放電容器の管軸方向に突出する突起状部材を持ち、該突起状部材を他のエキシマランプの内側管内壁と嵌合させることにより連結可能としたことを特徴とするエキシマランプ。
【０００９】
これにより、該エキシマランプの該突起状部材を他のエキシマランプの内側管内壁に差込むだけで簡便に連結が可能となり長尺のエキシマランプを実現できる。また、該突起状部材を他のエキシマランプの内側管内壁と嵌合させるため連結用部品を該エキシマランプの外側管外壁に設ける必要が無く照射面に該連結用部品による影ができず均一な照射を実現できるといった利点がある。更に、該内側管内壁に嵌合させて該エキシマランプ同士を連結するため該エキシマランプから照射面までの距離をランプ外壁に近接させることができる。これは該エキシマランプから照射される光が酸素雰囲気中で吸収されてしまう真空紫外光である場合には特に被照射面に近接することで照射エネルギーを被照射面に十分到達させることができるといった利点がある。
【００１０】
また、前記エキシマランプの一本当たりの管軸方向の長さが８００ｍｍ以下であり、複数本連結した時の管軸方向の長さが８００ｍｍ以上であることを特徴とする。
【００１１】
これにより、単体で管軸方向の長さが８００ｍｍ以上の長尺のエキシマランプを構成する場合と比べて自重による内側管のたわみを減少できる。また、製造時の取り扱いの困難性が解消されるといった利点がある。
【００１２】
また、前記突起状部材が前記第２の電極の端部に当接することにより該第２の電極の位置を規制することを特徴とする。
【００１３】
これにより、該エキシマランプが点灯消灯を繰り返すことで発生する管軸方向の膨張収縮によって第２の電極が移動し発光部がずれる等のため均一な放射強度が得られないといった不具合を抑制できる。
【００１４】
また、本発明のエキシマランプは前記第２の電極を他のエキシマランプの内側管内壁に配置された電極と電気的に接続する接続手段を設けたことを特徴とする。
【００１５】
これにより、複数本のエキシマランプを連結させても各エキシマランプに給電することが可能となる。また、該エキシマランプに高周波高電圧を給電する場合に該エキシマランプ接続部で外側に配置されている第１の電極との間での該エキシマランプの放電容器にそった沿面放電等が発生することを防止できる。
【００１６】
また、前記接続手段が導電性弾性部材から成ることを特徴とする。
【００１７】
これにより、該接続手段である給電部材が弾性を持っているため、該エキシマランプを連結させるときに他のエキシマランプに差込むだけで簡便に安定した電気的接続が可能となる。
【００１８】
【発明の実施の形態】
本発明の第１の実施例を図１に示す。図１−Ａ）に示した本発明のエキシマランプ１は、概略円筒状の外側管２と概略円筒状の内側管３とから成る放電容器４を持ち、該放電容器４の内部に希ガス等の放電用ガス５が封入されている。該外側管１の外壁には光透過性の第１の電極６が配置されており、該放電容器４の外側である該内側管３の内壁には第２の電極７が配置され、該第１の電極６と該第２の電極７との間に高周波高電圧電源８から高周波高電圧が供給されている。概略円筒状の該放電容器４の円筒軸方向の端部の一方に外径が該内側管３の内径よりやや小さい連結用の突起部９が設けられている。また、該放電容器の管軸方向の長さは６００ｍｍのものを用いた。図１−Ｂ）に示すのは本発明のエキシマランプ１を他のエキシマランプ１１に連結した場合である。前記の連結用の突起部９を他のエキシマランプ１１の内側管３と嵌合させることにより複数本のエキシマランプを同一管軸上に連結し長尺なエキシマランプを形成することができる。
【００１９】
更に、該エキシマランプ間の電気的な接続は該第２の電極間に配置された導電性弾性部材である給電用弾性部材１１によって行なっている。概給電用弾性部材１１は、例えばタングステン線から形成している。その他形状によってはステンレス材やアルミニウム材等が使用できる。概給電用弾性部材１１は該エキシマランプ１の内側管３の内面に該第２の電極７を押し当てるように径方向に開く弾性体からなっている。本実施例では図１−Ｂ）に示すように該給電用弾性部材１１として両端にコイルバネを用いたものを示した。該給電用弾性部材１１の両端にはコイルバネ部１２が設けられ該コイルバネ部１２が径方向に開くことにより該エキシマランプ１の内側管３の内面に設けられた該第２の電極７を該内側管３に押し当てるようにして固定されている。該コイルバネ部１２の間には金属ロッド部１３が有り両端の該コイルバネ部１２を電気的に連結している。また、該エキシマランプ間に配置される金属ロッド部１３は該エキシマランプの内側管内壁に接しないように該内側管の内径より径を小さくしている。これにより、高周波高電圧を給電する場合に該エキシマランプ接続部で外側に配置されている第１の電極との間での該エキシマランプの放電容器にそった沿面放電等が発生することを防止できる。
【００２０】
図２には本発明の他の実施例を示す。図２−Ａ）は、該エキシマランプ１に前記の連結用の突起部として該内側管３を延長した突起部２１がある。また、該エキシマランプの該突起部２１が配置されていない端に該突起部２１の嵌合用穴部２２が設けられており、該突起部２１と嵌合用穴部２２とが嵌合することにより複数の該エキシマランプ１を連結できる。
【００２１】
図２−Ｂ）は、該内側管３を延長した突起に角度を付けて略円錐台状にした突起部２３を設けたものである。また、該エキシマランプの該突起部２３が配置されていない端には略円錐台状の嵌合用穴部２４が設けられており、該突起部２３と該嵌合用穴部２４とが嵌合することにより複数の該エキシマランプ１を連結できる。
【００２２】
図２−Ｃ）は、概略円筒状の該放電容器４の円筒軸方向の両端部に外径が該内側管３の内径よりやや小さい連結用の突起部２５、及び２６が設けられている。該突起部２５、及び２６が設けられている位置は、同一円周上の互いに異なる位置であり、例えば同一の該突起部２５、及び２６が設けられた他のエキシマランプを連結する場合に該突起部２５、及び２６が同一円周上でぶつかることなく嵌め合わせることができる。
【００２３】
実施例に示した該エキシマランプでは該突起部と該嵌合用穴部とを各端部に設けた場合を示したが、両端に該突起部を設けたエキシマランプと両端に該嵌合用穴部を設けたエキシマランプを交互に用いて連結させ長尺のエキシマランプを形成することもできる。
【００２４】
図３には本発明のエキシマランプに設けられた給電用弾性部材のその他の実施例を示す。図３−Ａ）に示した給電用弾性部材３０は金属ロッド部３１の両端に延びる板状のバネ部３２と、該バネ部３２の先端に設けられた略扇状の給電端子部３３とからなっている。該給電端子部３３はエキシマランプの内側管内面に設けられた第２の電極を該バネ部３２によって径方向に押さえつけ固定される。該給電用弾性部材３０の該金属ロッド３１から両端に伸びる該バネ部３２と該バネ部３２の先端に配置された該給電端子部３３とが二つのエキシマランプの内側管に配置された第２の電極と接続されることにより一つのエキシマランプから他のエキシマランプに給電される。
【００２５】
図３−Ｂ）に示した給電用弾性部材３４は一方がＣ型のバネ構造を持ち、該Ｃ型バネ部３５を一つのエキシマランプの内側管内壁に押し当てるように固定する。該Ｃ型バネ部３５からはアーム部３６が伸びており該アーム部３６の先端には他のエキシマランプの内側管内壁に押し当てる給電端子部３７が配置されている。該アーム部３６は該エキシマランプの径方向に弾性を持ち該Ｃ型バネ部３５との接続部を支点に該給電端子部３７が駆動可能となっている。
【００２６】
図３−Ｃ）に示した給電用弾性部材３８は該エキシマランプの内側管の内壁に配置されたリング状の金属部材３９から径方向に伸びる複数の板状バネ部材４０から成る受け側の接続部材と他のエキシマランプの内側管の内壁に配置されたリング状の金属部材４１と該金属部材４１から伸びる差込み部材４２とからなる差込み側の接続部材とから成っている。該差込み側の差込み部材４２が該受け側の板状バネ部材４０に挿入され該板状のバネによって保持されることにより一方のエキシマランプに給電された高周波高電圧が他方のエキシマランプの第２の電極にも給電されることになる。
【００２７】
【発明の効果】
本発明のエキシマランプにより、該エキシマランプの突起状部材を他のエキシマランプの内側管内壁に差込むだけで簡便に連結が可能となり長尺のエキシマランプを実現できる。また、該突起状部材を他のエキシマランプの内側管内壁と嵌合させるため連結用部品を該エキシマランプの外側管外壁に設ける必要が無く照射面に該連結用部品による影ができず均一な照射を実現できるといった利点がある。更に、該内側管内壁に嵌合させて該エキシマランプ同士を連結するため該エキシマランプから照射面までの距離をランプ外壁に近接させることができる。これは該エキシマランプから照射される光が酸素雰囲気中で吸収されてしまう真空紫外光である場合には特に被照射面に近接することで照射エネルギーを被照射面に十分到達させることができるといった利点がある。
【００２８】
また、本発明の構成によれば該エキシマランプの管軸方向の長さが単体で８００ｍｍ以上の長尺のエキシマランプを構成する場合と比べて自重による内側管のたわみを減少できる。また、本発明の構成によれば、製造時に長尺の該エキシマランプを取り扱うのに比較して管軸方向の長さが短いため取り扱いが容易であり、特に内管と外管とを接続する工程で加工中に該エキシマランプの中心軸が容易に取れ品質的に安定したものを供給することが出来る。
【００２９】
更に、内管側に電極を形成する時にも長尺のエキシマランプと比較して該ランプ製造時の該電極自身を短くできるので、電極が薄いために軸方向に長くなると取り扱いが困難であるといった問題が解消される。また、該エキシマランプが点灯消灯を繰り返すことで発生する管軸方向の膨張収縮によって第２の電極が移動し発光部がずれる等のため均一な放射強度が得られないといった不具合を該突起状部材が該第２の電極の短部に当接させることによって抑制できるといった利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明におけるエキシマランプとその連結機構を説明する説明図
【図２】本発明におけるエキシマランプのその他の実施例を示す断面図
【図３】本発明の第２の電極を電気的に接続する接続手段の例を示す説明図
【図４】従来におけるエキシマランプの構成を示す断面図
【符号の説明】
１ エキシマランプ
２ 外側管
３ 内側管
４ 放電容器
５ 放電用ガス
６ 第１の電極
７ 第２の電極
８ 高周波高電圧電源
９ 突起部
１０ 他のエキシマランプ
１１ 給電用弾性部材
１２ コイルバネ部
１３ 金属ロッド部
２１ 突起部
２２ 嵌合用穴部
２３ 突起部
２４ 嵌合用穴部
２５ 突起部
２６ 突起部
３０ 給電用弾性部材
３１ 金属ロッド部
３２ バネ部
３３ 給電端子部
３４ 給電用弾性部材
３５ Ｃ型バネ部
３６ アーム部
３７ 給電端子部
３８ 給電用弾性部材
３９ リング状の金属部材
４０ 板状バネ部材
４１ リング状の金属部材
４２ 差込み部材
５１ エキシマランプ
５２ 外側管
５３ 内側管
５４ 放電容器
５５ 第１の電極
５６ 第２の電極
５７ 高周波高電圧電源
５８ 放電ガス
Claims (5)
- 概略円筒状の外側管と概略円筒状の内側管とを持ち該外側管と該内側管とが略同一管軸上に配置された二重円筒管状の放電容器と、該放電容器内に封入された放電用ガスと、該放電容器の外側管の外壁に形成された光透過性の第１の電極と、該放電容器の外壁である内側管の内側に形成された第２の電極とから成り、該放電容器に封入された該放電用ガスの放電によって生成したエキシマ分子からのエキシマ発光を利用するエキシマランプにおいて、
該放電容器の管軸方向に突出する突起状部材を持ち、該突起状部材を他のエキシマランプの内側管内壁と嵌合させることにより連結可能としたことを特徴とするエキシマランプ。 - 前記エキシマランプの一本当たりの管軸方向の長さが８００ｍｍ以下であり、複数本連結した時の管軸方向の長さが８００ｍｍ以上であることを特徴とする請求項１に記載のエキシマランプ。
- 前記突起状部材が前記第２の電極の端部に当接することにより該第２の電極の位置を規制することを特徴とする請求項１に記載のエキシマランプ。
- 前記第２の電極を他のエキシマランプの内側管内壁に配置された電極と電気的に接続する接続手段を設けたことを特徴とする請求項１に記載のエキシマランプ。
- 前記接続手段が導電性弾性部材から成ることを特徴とする請求項４に記載のエキシマランプ。
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