JP2004022454A - 電池ケース及びその製造方法 - Google Patents

電池ケース及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004022454A
JP2004022454A JP2002178809A JP2002178809A JP2004022454A JP 2004022454 A JP2004022454 A JP 2004022454A JP 2002178809 A JP2002178809 A JP 2002178809A JP 2002178809 A JP2002178809 A JP 2002178809A JP 2004022454 A JP2004022454 A JP 2004022454A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
battery case
resin
battery
layer
case
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002178809A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruhisa Soda
曽田 晴久
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiwa Kasei Industry Co Ltd
Original Assignee
Daiwa Kasei Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiwa Kasei Industry Co Ltd filed Critical Daiwa Kasei Industry Co Ltd
Priority to JP2002178809A priority Critical patent/JP2004022454A/ja
Publication of JP2004022454A publication Critical patent/JP2004022454A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

【課題】ニッケル水素電池において、電池性能の低下を引き起こす水素分子や水蒸気の電池ケースの壁からの外への漏れを防止し、寿命が長く、長期間に渡るメンテナンスフリーが可能な電池ケースとその製造方法を提供する。
【解決手段】ニッケル水素電池用の樹脂製電池ケースにおいて、少なくとも該ケース側部の一部外面上に、バインダーとしての役割を果たす樹脂層31を介して、水素分子や水蒸気の漏れを防止するためのガスバリアとしての役割を果たす金属箔もしくは金属蒸着層からなる金属薄層32を一体的に形成し、更にその上に金属薄層32の表面を腐食から保護する役割をする樹脂層33を形成。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動力機が電力あるいは電力と内燃機関との併用とされた車両等に搭載されるニッケル水素電池の電池ケースとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車に代表される内燃機関を動力とする輸送機器は、排気ガスによる大気汚染問題や地球の温暖化問題に直面し、内燃機関以外の動力源を採用する必要に迫られている。代替の動力源としては、以前より盛んに開発がなされている電力を動力源とする方法が挙げられる。例えば、自動車に関して言えば、二次電池を採用したEV(Electric Vehicle)、二次電池と内燃機関とを併用したHEV(Hybrid Electric Vehicle)などが、それぞれ実用化されている。
【0003】
限られた電池スペースで起電力、充電容量等の電池性能を高めるには、電池を小型軽量化することが必須である。その点で、ニッケル水素電池は電池ケースの内圧が上がらないという特徴により、該ケースの壁の厚さを薄くすることが可能であるため、小型軽量化に適した電池であると言える。更にニッケル水素電池は、優れた低温特性により良い始動特性を車両にもたらすといった利点も持つので、車両用の電池として広く用いられている。尚、電池ケースの材料としては、絶縁性、軽量化等のため樹脂製のものが多く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし小型軽量化のために、電池ケースの壁の厚さを薄くし過ぎると、該ケース中の水素貯蔵合金から発生した水素分子や水蒸気が該ケースの壁を通り抜け、外に漏れ出ることにより、電解溶液の組成や濃度が変化してしまうために電池性能は低下し、電池寿命が短くなるので、ケースを取り変えるか、密閉してある蓋を開け電解溶液を補充し、また密閉するといった高コストで面倒な作業をしなければならないという問題点があった。
【0005】
そこで本発明では、電池性能の低下を引き起こす水素分子や水蒸気の電池ケースの壁からの外への漏れを防止し、ひいては寿命が長く、長期間に渡るメンテナンスフリーが可能なニッケル水素電池のための電池ケースとその製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記の課題を解決するために本発明では、開口部と側部及び底部を備えた有底中空状のニッケル水素電池用の樹脂製電池ケースにおいて、少なくとも該ケース側部の一部外面上に、樹脂層を介して、金属箔もしくは金属蒸着層からなる金属薄層が一体的に形成されていることを特徴とする。
【0007】
このような場合、ケース外側面上に一体的に形成されている金属薄層は、ケース内より漏れ出そうとする水素分子や水蒸気を塞き止めるガスバリアとして働く。これにより、金属薄層のない場合と比べて、ケース内より漏れ出る水素分子や水蒸気の量は劇的に抑制される。その結果、電解溶液の濃度や組成の変化も十分に抑制されるので、電池性能の低下の防止が可能となり、ひいては電池寿命の長いニッケル水素電池が得られることになる。
【0008】
また、ケースの外側面と金属薄層との間に介在する樹脂層は、ケースと金属薄層を密着させるためのバインダーとしての役割を担っている。
【0009】
また本発明では、金属薄層の少なくとも一部表面上に、樹脂層を一体的に形成している。金属薄層の表面は、生産工程などにおいて電解溶液が付着し、腐食しやすいので、上記のように金属薄層の表面を樹脂層で保護した場合、樹脂の酸や塩基に侵されにくい性質(耐薬品性)により、ガスバリアとして働く金属薄層が腐食から守られるため、電池性能がより安定することになる。
【0010】
また金属薄層には、アルミニウムやステンレス鋼、純鉄、ニッケル、チタンの中のいずれか一つまたは二つ以上を用いる。これらは分子量が大きいので水素分子や水蒸気を塞き止める効果に優れ、さらに展性に優れているのでケース外表面上に一体的に金属薄層を形成するための加工が容易である。また、ステンレス鋼やニッケルは腐食に強く、純鉄は電池に悪影響を及ぼさないといった性質も持つ。
【0011】
前述の金属の中でも特にアルミニウムは、安価で、展性に優れているため加工しやすく、蒸着も容易であるという性質を持つため、良質の金属箔や金属蒸着膜が得られる。
【0012】
また金属薄層の表面上に形成した樹脂層は、金属薄層表面を電解溶液の付着による腐食から保護する役目を果たすので、酸や塩基に侵されにくい性質(耐薬品性)に優れているポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートの中のいずれか一つまたは二つ以上を用いる。
【0013】
前述の樹脂の中でも特にポリアミドは、安価で、破れにくく、強度に優れているという性質を持つ。
【0014】
前記電池ケースの材料は、安価であること、成型が容易であること、耐熱性に優れていること、酸や塩基に侵されにくいこと(耐薬品性)を考慮に入れるとポリプロピレンが適していると考えられる。また、ポリプロピレン単体では変形しやすく強度が弱いという性質を持つため、用途に応じて、強度を上げるためにポリプロピレンとポリフェニレンエーテルアロイの混合物を用いることも考えられる。
【0015】
ポリプロピレンとポリフェニレンエーテルアロイの混合物の重量混合比は、全体を10とした場合、ポリプロピレン:ポリフェニレンエーテルアロイで表すと5:5から10:0までの範囲内であることが望ましい。さらには、該混合比は5:5から9.95:0.05までの範囲が望ましく、特には5:5から8:2までの範囲が望ましい。
【0016】
また前述のようにケースの材料にポリプロピレンを含む混合物を用いた場合、バインダーとしての役割を果たすケースの外面と金属薄層との間に介在する樹脂層は、ポリプロピレンを用いる。これにより、ケース外面と樹脂層との接合性が増すので、金属薄層をよりケース外面に密着させることが可能となる。
【0017】
上記本発明の電池ケースの製造方法によると、電池ケースを成型する際に、個々の層が金属薄層または樹脂層からなる、単層膜もしくは複層膜を、金型に形成された凹部にあらかじめ配し、凹部内への樹脂射出により該ケースを成型することで、該ケースの製造と同時に該ケース外面上の一部または全体に前記単層膜もしくは複層膜を一体的に形成することを特徴としている。
【0018】
金属薄層及び樹脂層を有する複層膜を、金型に形成された凹部中の電池ケースの側部にあたる面にあらかじめ配し、凹部内への樹脂射出によりケースを成型することにより、ケースの成型と同時に、ケース外側面上に、ガスバリアとして働く金属薄層、該ケース外側面と該金属薄層との間に介在する樹脂層、そして該金属薄層を保護する樹脂層からなる複層膜を一体的に形成することが可能となる。
【0019】
このような工程で電池ケースを成型した場合、ケースの成型と同時にケース外側面上に複層膜を一体的に形成することが可能なので、電池ケースのみを成型後複層膜の取り付けといったような工程と比べ、工程の手間が省けるので生産性が向上する。さらに、成型後に複層膜を取り付ける場合よりも、ケース成型と同時に複層膜を形成する方が、ケースと複層膜の間の密着度を高めることができるといった利点も生じる。
【0020】
以上のように本発明の電池ケースでは、電池性能の低下を引き起こす水素分子や水蒸気の電池ケースの壁からの外への漏れを防止することが可能であり、これにより寿命の長い、長期に渡るメンテナンスフリーが可能なニッケル水素電池を得ることが可能となる。
【0021】
【発明の実施形態】
以下、本発明の一実施形態の例を、添付の図面を用いて説明する。
図1(a)は本発明の電池ケースの一実施形態を示す斜視図である。本発明の電池ケース1は、電池収納部10に電解溶液を充填、密閉することでニッケル水素電池となる、開口部と側部及び底部を備えた有底中空状の樹脂製のケースであり、該ケースの側部2には側部2の一部または全部を覆うように、樹脂膜及び、金属箔もしくは金属蒸着層からなる金属薄層を含む複層膜3が該ケースの側部2と一体的に形成されている。本実施形態では、電池ケース1の形状は略直方体のものを例示するが、形状は適宜設計変更できるものである。
【0022】
電池ケース1は筒状の電池収納部10を複数連ねた形態として構成することができる。すなわち、これら個々の電池収納部10に電解溶液を充填、密閉することでできるニッケル水素電池それぞれを直列に接続することにより、所望の起電力が得られるのである。さらに、図1(a)の破線部が示すように、この電池ケース1を複数連ねて使用することにより必要な電力が調整される。また。電池収納部10のそれぞれは、隔壁12よって仕切られており、互いの電池収納部10間における絶縁性が確保される。なお、電池ケース1の底部側は座りを良くするために、開口部側よりも電池収納部10の並び方向に幅広とされている。なお、図示しないが本発明の電池収納部10にはニッケル水素電池が収納された後、蓋がされて密閉状態になる。
【0023】
図1(b)は電池ケース1と該ケース1を覆う密閉用の蓋4を電池収納部10の並び方向に垂直かつ電池の収納方向に平行な断面図を示すものである。該ケース1の底部は厚さ約4mm、側部は厚さ約1.5mm、該ケース1を覆う蓋2の厚さは約2.5mmである。該ケース1の側部には側部3の一部または全部を覆うように、樹脂膜及び、金属薄層からなる複層膜3が該ケースの側部2と一体的に形成されている。
【0024】
電池ケース1の材料は、安価であること、成型が容易であること、耐熱性に優れていること、酸や塩基に侵されにくいこと(耐薬品性)を考慮に入れるとポリプロピレンが適していると考えられる。また、ポリプロピレン単体では変形しやすく強度が弱いという性質を持つため、用途に応じて、強度を上げるためにポリプロピレンとポリフェニレンエーテルアロイの混合物を用いることも考えられる。尚、ポリプロピレンとポリフェニレンエーテルアロイの混合物の重量混合比は、ポリプロピレン:ポリフェニレンエーテルアロイで表すと5:5から10:0までの範囲内であることが望ましい。さらには、該混合比は5:5から9.95:0.05までの範囲が望ましく、特には5:5から8:2までの範囲が望ましい。
【0025】
図2は図1の多層膜3の断面図を示すものであり、電池ケースの側部2の外側表面上に、樹脂膜及び、金属薄層からなる複層膜3が電池ケースの側部2と一体的かつ密着状態で形成されている。複層膜3の内訳は次のように電池ケースの側部2の外側表面に近い方から順に、バインダーとしての役割を果たす樹脂層31、水素分子や水蒸気の漏れを防止するためのガスバリアとしての役割を果たす金属薄層32、更にその上に金属薄層32の表面を腐食から保護する役割をする樹脂層33となっている。
【0026】
金属薄層32は電池ケース1内より電池ケースの側部2を通り抜けて、漏れ出そうとする水素分子や水蒸気を塞き止めるガスバリアとして働くので、上記に述べた理由より電池性能低下の防止ひいては電池寿命の増加が得られることになる。
【0027】
金属薄層32は、樹脂層31上に金属分子を蒸着させ形成しても良いし、または、金属箔を含むラミネートフィルムを電池ケース側面に一体成形しても良い。
【0028】
また、金属薄層32の素材は、分子量の大きい金属であればあるほど水素分子や水蒸気を塞き止める効果が強いので様々な金属が好適と考えられる。例を挙げると展性の良いアルミニウム、腐食に強いステンレスやニッケル、電池に悪影響を及ぼさない純鉄、薄く加工することが容易なチタンなどが適していると考えられる。
【0029】
特には、前述の金属の中でも、最も展性に優れ加工し易いため金属箔の作製や真空蒸着が容易であるアルミニウムを用いることが適当であると考えられる。
【0030】
また、バインダーとしての役割を果たす樹脂層31は、金属薄層32と電池ケースの側部2の表面との親和性を良くし、該両者を一体的に密着させる目的で形成されているので、樹脂層31の素材は、少なくとも電池ケース1の樹脂と同成分を有し、かつ樹脂層31自身が金属薄層32と一体的に接合することができる樹脂からなる。
【0031】
具体的には、電池ケース1の素材がポリプロピレン単体もしくはポリプロピレンとポリフェニレンエーテルアロイの混合物であるので、バインダーとしての役割を果たす樹脂層31の素材にはポリプロピレンが適当であると考えられる。
【0032】
また、金属薄層32を生産工程などにおける電解溶液付着よる腐食から守る保護層の役目を果たす樹脂層33は、酸や塩基に侵されにくい性質(耐薬品性)を持つ樹脂からなる。
【0033】
具体的には、腐食防止用の保護層33の素材には、酸や塩基に侵されにくい性質(耐薬品性)の優れたポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートのいずれか一つを用いるのが適当であると考えられる。
【0034】
特には、前述の樹脂の中でも、最も破れにくく、強度に優れたポリアミドを用いるのが適当であると考えられる。
【0035】
複層膜3をガスバリアとして働きと、電池ケースを軽量小型化するという目的と、コスト面とを考慮に入れると、金属薄層32は1.0×10−10m(=1Å)以上1.0×10−4m(=0.1mm)以下であることが適当であり、樹脂層31、樹脂層33はそれぞれ5.0×10−6m(=5μm)以上1.0×10−4m(=0.1mm)以下であることが適当と考えられる。
【0036】
以上に記述した本発明の電池ケース1の製造方法の一例を以下に記す。
従来の電池ケースは、金型に成型されたキャビティに樹脂を射出して成型する公知の射出成型法によって容易に製造することができるが、本発明の製造方法では、キャビティ内の電池ケース側部にあたる位置に、ガスバリアとして働く金属薄層32、電池ケースの側部2の表面と金属薄層32との間に介在する樹脂層31、そして金属薄層32を保護する樹脂層33が一体となった複層膜3をバキューム等によりあらかじめ配しておき、その後、樹脂を射出することで電池ケースの成型と同時に、ケース外側面上に複層膜を一体的に形成した電池ケース1を得ることができる。
【0037】
以上、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲にて種々の態様で実施できることはいうまでもない。また図面は、理解のための模式的な図であることを断っておく。
【実施例】
【0038】
以下、本発明の効果を確認するために行なった実験結果について説明する。
【0039】
(実施例1)
上記本発明の製造方法に基づき、外側面部に金属及び樹脂からなる複層膜を配した電池ケースを作製した。該ケースはポリプロピレンからなり、側部の厚さは水素ガス漏出測定に用いたケースでは1.176mm、また、水蒸気漏出測定に用いたケースでは1.219mmである。また、該ケースの外側面部を覆う複層膜は、電池ケース外表面側から、厚さ0.020mmのポリプロピレン樹脂、厚さ0.050mmのアルミニウム箔、厚さ0.025mmのポリアミド樹脂が一体形成されている。
【0040】
(比較例1)
外側面上に複層膜を配さない電池ケースを作製した。側部の厚さは水素ガス漏出測定に用いたケースでは1.129mm、また、水蒸気漏出測定に用いたケースでは1.126mmである。なお、該ケース側部の厚さと実施例1におけるケース側部の厚さの差は、0.1mm以下と微小であるので、これらは同条件と見なす事が出来る。
【0041】
上記実施例1および比較例1にて作製した電池ケースに対して、該ケースの側部における水素ガス及び水蒸気の透過性を調べた。得られた結果を水素ガスの透過性に関しては表1、水蒸気の透過性に関しては表2に示す。
【0042】
【表1】
Figure 2004022454
【0043】
表1より、電池ケース外側面上に複層膜がない場合、水素ガス透過係数は781cm・mm/m・24h・atmであるのに対し、金属及び樹脂によりなる複層膜を電池ケースの外側面上に形成した場合、水素ガス透過係数は0.39cm・mm/m・24h・atmとほぼ0に近い。これはつまり、金属及び樹脂によりなる複層膜を電池ケース外側面上に配すことにより、電池ケース内より漏れ出る水素ガスをほぼ完全に防ぐことが可能であることを示す。
【0044】
【表2】
Figure 2004022454
【0045】
表2より、電池ケース外側面上に複層膜がない場合、水蒸気透過係数は4.46×10−12g・cm/cm・s・cmHgであるのに対し、金属及び樹脂によりなる複層膜を電池ケースの外側面上に形成した場合、水蒸気透過係数は4.79×10−13g・cm/cm・s・cmHgと、複層膜がない場合の10分の1程度となっている。これはつまり、金属及び樹脂によりなる複層膜を電池ケース外側面上に配すことにより、電池ケース内より漏れ出る水蒸気の量が90%程度抑制されることを示す。
【0046】
以上、実施例1および比較例1の電池ケースを用いた測定結果より、電池ケース外側面上に形成したアルミニウムを含む複層膜は、水素ガス及び水蒸気のケース内からの漏れを抑制する働きを持つことが確認された。なお、本発明は、上記実施形態および実施例にて用いた構成成分等に限定されるものではない。
【0047】
このように、電池ケース外側面上にアルミニウムを含む複層膜を一体的に形成したニッケル水素電池では、電池寿命が向上し、ひいては、長期に渡るメンテナンスフリーが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】側面上に金属及び樹脂よりなる複層膜が配された電池ケース
【図2】電池ケース表面上に配された複層膜の断面模式図
【符号の説明】
1 電池ケース本体
10 電池収納部
12 隔壁
2 電池ケースの側面
3 複層膜
31 バインダーとしての役割を果たす樹脂層
32 ガスバリアとしての役割を果たす金属薄層
33 金属薄層32を保護する役割をする樹脂層
4 電池ケースの蓋

Claims (11)

  1. 開口部と側部及び底部を備えた有底中空状のニッケル水素電池用の樹脂製電池ケースにおいて、少なくとも該ケース側部の一部外面上に、樹脂層を介して、金属箔もしくは金属蒸着層からなる金属薄層が一体的に形成されていることを特徴とする電池ケース。
  2. 前記金属薄層の少なくとも一部表面上に、樹脂層を一体的に形成した請求項1に記載の電池ケース。
  3. 前記金属薄層は、アルミニウムやステンレス鋼、純鉄、ニッケル、チタンの中のいずれか一つまたは二つ以上からなる請求項1または2に記載の電池ケース。
  4. 前記金属薄層は、アルミニウムからなる請求項1または2に記載の電池ケース。
  5. 前記金属薄層の表面上に形成した樹脂層は、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートの中のいずれか一つまたは二つ以上からなる請求項2ないし4のいずれかに記載の電池ケース。
  6. 前記金属薄層の表面上に形成した樹脂層は、ポリアミドからなる請求項2ないし4のいずれかに記載の電池ケース。
  7. 前記樹脂製電池ケースは、ポリプロピレン、もしくはポリプロピレンとポリフェニレンエーテルアロイの混合物からなる請求項1ないし6のいずれかに記載の電池ケース。
  8. 前記ポリプロピレンとポリフェニレンエーテルアロイの混合物の重量混合比は、全体を10とした場合、ポリプロピレン:ポリフェニレンエーテルアロイで表すと5:5から10:0までの範囲内である請求項7に記載の電池ケース。
  9. 前記樹脂製電池ケースの外面と金属薄層との間に介在する樹脂層は、ポリプロピレンからなる請求項7または8に記載の電池ケース。
  10. 開口部と側部及び底部を備え、内部が電池形成部または電池収納部となる有底中空状の樹脂製電池ケースを成型する際に、個々の層が金属薄層または樹脂層からなる、単層膜もしくは複層膜を、金型に形成された凹部にあらかじめ配し、前記凹部内への樹脂射出により該ケースを成型することで、該ケースの製造と同時に該ケース外面上の一部または全体に前記単層膜もしくは複層膜を一体的に形成することが可能な電池ケースの製造方法。
  11. 開口部と側部及び底部を備えた有底中空状のニッケル水素電池用の樹脂製電池ケースを成型する際に、金属薄層及び樹脂層を少なくとも有する複層膜を、金型に形成された凹部にあらかじめ配し、前記凹部内への樹脂射出により該ケースを成型することで、該ケースの製造と同時に該ケース外面上の一部または全体に前記複層膜を一体的に形成することが可能な電池ケースの製造方法。
JP2002178809A 2002-06-19 2002-06-19 電池ケース及びその製造方法 Pending JP2004022454A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002178809A JP2004022454A (ja) 2002-06-19 2002-06-19 電池ケース及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002178809A JP2004022454A (ja) 2002-06-19 2002-06-19 電池ケース及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004022454A true JP2004022454A (ja) 2004-01-22

Family

ID=31176419

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002178809A Pending JP2004022454A (ja) 2002-06-19 2002-06-19 電池ケース及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004022454A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004319260A (ja) * 2003-04-16 2004-11-11 Asahi Kasei Chemicals Corp ハイブリッド二次電池電槽
US7452629B2 (en) 2003-03-14 2008-11-18 Panasonic Corporation Nickel metal hydride storage battery
US7666549B2 (en) 2002-06-26 2010-02-23 Panasonic Corporation Enclosed nickel-metal hydride storage battery
CN106887542A (zh) * 2017-04-14 2017-06-23 赣州市中金高能电池材料有限公司 一种锂电池钢塑膜的制备方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7666549B2 (en) 2002-06-26 2010-02-23 Panasonic Corporation Enclosed nickel-metal hydride storage battery
US7452629B2 (en) 2003-03-14 2008-11-18 Panasonic Corporation Nickel metal hydride storage battery
JP2004319260A (ja) * 2003-04-16 2004-11-11 Asahi Kasei Chemicals Corp ハイブリッド二次電池電槽
JP4502245B2 (ja) * 2003-04-16 2010-07-14 旭化成ケミカルズ株式会社 ハイブリッド二次電池電槽
CN106887542A (zh) * 2017-04-14 2017-06-23 赣州市中金高能电池材料有限公司 一种锂电池钢塑膜的制备方法
CN106887542B (zh) * 2017-04-14 2019-04-19 赣州市中金高能电池材料有限公司 一种锂电池钢塑膜的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9450275B2 (en) Polymerized lithium ion battery cells and modules with overmolded heat sinks
JP5418477B2 (ja) 電池製造方法
JP2007211884A (ja) 真空断熱箱体
US20080237244A1 (en) Heat-insulating container and method for manufacturing same
JP5287104B2 (ja) 電気化学セル
JP4923338B2 (ja) 電池用包装材料
JP2006260975A (ja) 電池モジュール
JP2004022454A (ja) 電池ケース及びその製造方法
JP4736189B2 (ja) リチウムイオン電池用包装材料
JP5109215B2 (ja) 焼付け樹脂皮膜を設けたリード線およびそれを用いた電池
JP4830289B2 (ja) 二次電池
JP4508477B2 (ja) 電池のリード線用フィルム及びそれを用いた電池用包装材料
JP3987445B2 (ja) ニッケル・水素蓄電池
JP5066776B2 (ja) 電池用包装材料
JP2004022455A (ja) 電池ケース及びその製造方法
CN103811793A (zh) 可再充电电池
JP4993054B2 (ja) 電池のリード線用フィルム及びそれを用いた電池用包装材料
JP3859333B2 (ja) 電池及び製造方法
JP5066775B2 (ja) 電池用包装材料
JP2003036823A (ja) 電池用包装材料
JP4923327B2 (ja) 電池のリード線用フィルム及びそれを用いたリード線
KR102655614B1 (ko) 수소연료탱크 및 그 제조방법
WO2022163790A1 (ja) 蓄電素子
WO2023176111A1 (ja) 蓄電素子
JP2024032163A (ja) 蓄電素子、電解液の再注入方法、及び蓄電素子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040414

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050606

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050609

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050805

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050830

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051025

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20051031

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20051126