JP2004021212A - トナー供給ローラおよび現像装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】感光体と接触しないように配置され、かつ電気抵抗が1×1013Ω以上である半導電性の現像ローラに接触して配置された導電性トナー供給ローラであって、電気抵抗が1×108 〜1×1012Ωの範囲にあり、(1)表面の発泡セルの開口部分の平均径が50〜300μm、(2)表面積に対する発泡セルの開口部分の総面積の比率が50〜80%、(3)圧縮バネ定数が0.25〜1.5N/mm、(4)圧縮弾性回復率が60%以上、(5)表面の摩擦抵抗係数が0.4〜3.0という特性を有する発泡弾性体からなるトナー供給ローラおよび現像装置である。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真・静電記録等のプリンターにおける現像装置におけるトナー供給ローラおよび現像装置に関し、更に詳しくは、現像剤としてのトナーを収納したトナーカートリッジ、トナー供給ローラおよび現像ローラを有し、トナーを感光体表面の静電潜像に供給してトナー像を形成する現像装置に搭載されるトナー供給ローラおよび該現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子複写機,レーザービームプリンター、ファクシミリなどの電子写真装置における現像プロセスに配置される現像装置では、現像ローラにトナー供給ローラを擦りつけることによりトナーを摩擦帯電させる方式が用いられている。従ってトナー供給ローラには、現像ローラとの安定した摩擦性(押し付け力)、摩擦部位への高いトナー供給性が要求される。また、トナー供給ローラには、現像ローラ上に残存する現像に使用されなかったトナーの掻き取り性も合わせて要求される。このため、従来、この種のトナー供給ローラには、ゴムやウレタン等を発泡させた発泡弾性体材料が一般に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者らが、発泡弾性体からなる従来のトナー供給ローラの性能を検討したところ、現像した画像にピッチむらや濃度むら等による不具合を発生する場合があることが分かった。これはトナー供給ローラによるトナーの供給が不十分あるいは不均一であったり、トナーの掻き取りが不十分あるいは不均一である場合に起こり、例えば画像の濃度低下が引き起こされるために鮮明な画像が得られないことともなるものである。
本発明はこのような従来の事情に鑑みてなされたもので、ピッチむらや濃度むらなどの不具合や濃度低下のない画像を得ることのできる、導電性発泡弾性体からなるトナー供給ローラおよび該トナー供給ローラを搭載した現像装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記のような画像不具合を発生させたトナー供給ローラについて調べた結果、白ベタ画像のような濃度の低い画像を印刷した直後に黒ベタ画像のような濃度の高い画像を印刷すると、黒ベタ画像の印刷先端濃度が、印刷後端部濃度に比べて濃いという濃度むらが発生し、この濃度むらは、白ベタ印刷では現像ローラから感光体へのトナー搬送量が少ないため、現像ローラ上の残存トナー量が多くなり、トナー供給ローラによるトナーの掻き取り不足が生じやすくなるために、現像ローラ上の残存トナー量が徐々に増加し、白ベタ印刷に続いて黒ベタ印刷を行うと、現像ローラの1周ないし2周分による印刷が印刷後端部と比べて画像濃度が濃くなることによって起こったり、現像ローラへ供給するトナー量が現像ローラの1周ないし2周分に比べて、印刷後端部に対応する3ないし4周分で不足することによって起こることを見出した。
さらに研究を重ねた結果、このような画像の不具合は、トナー供給ローラの電気抵抗と現像ローラの電気抵抗のバランスに大いに関係があることを発見した。
そして、現像ローラが感光体に接触しないように配置され、かつその電気抵抗が1×1013Ω以上である半導電性の現像ローラを装着する場合に、該現像ローラに接触して配置されるトナー供給ローラを電気抵抗が1×108 〜1×1012Ωの範囲の導電性のものとした場合に、不具合のない画像を形成することができることを見出した。本発明はかかる知見に基づいてなされたものである。
【0005】
すなわち、本発明は、以下のトナー供給ローラ、該トナー供給ローラを搭載した現像装置、および該現像装置を装着した画像形成装置を提供するものである。1.現像剤としてのトナーを収納したトナー収納部、トナー供給ローラおよび現像ローラを有し、トナーを感光体表面の静電潜像に供給してトナー像を形成する現像装置において、感光体と接触しないように配置され、かつ電気抵抗が1×1013Ω以上である半導電性の現像ローラに接触して配置された導電性トナー供給ローラであって、電気抵抗が1×108 〜1×1012Ωの範囲にあり、かつ、以下の特性を有する発泡弾性体からなることを特徴とするトナー供給ローラ。
(1)発泡弾性体表面の発泡セルの開口部分の平均径が50〜300μm、
(2)発泡弾性体の表面積に対する発泡セルの開口部分の総面積の比率が50〜80%、
(3)発泡弾性体の圧縮バネ定数が0.25〜1.5N/mm、
(4)発泡弾性体の圧縮弾性回復率が60%以上、
(5)発泡弾性体表面の摩擦抵抗係数が0.4〜3.0。
2.導電性発泡弾性層を良導電性シャフトの外側に形成してなるものである上記1のトナー供給ローラ。
3.発泡弾性体がポリウレタンフォームで形成され、該ポリウレタンフォームのアセトン抽出率が5重量%以下である上記1または2のトナー供給ローラ。
4.上記1〜3いずれかのトナー供給ローラを搭載した現像装置。
5.上記4の現像装置を装着した画像形成装置。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のトナー供給ローラは、現像剤としてのトナーを収納したトナー収納部、トナー供給ローラおよび現像ローラを有し、トナーを感光体表面の静電潜像に供給してトナー像を形成する現像装置に搭載されるものであり、現像装置おいて、感光体と接触しないように配置され、かつ電気抵抗が1×1013Ω以上である半導電性の現像ローラに接触して配置されるものである。
このような現像装置の一例として、例えば、図1に示すレーザープリンターが挙げられる。図1において、現像ローラ6と感光体1とは接触しておらず、トナー供給ローラと現像ローラ6とは接触している。
図1において、感光体1の表面を1次帯電器2で一様に帯電した後、制御部から送信されてくる画像信号をLEDアレイプリントヘッド3を用いて光信号に変換して、これを感光体1の表面に露光して静電潜像を形成する。この静電潜像はトナーによって現像されてトナー像が形成されるが、トナーはトナーカートリッジ4に収納されており、トナー供給ローラ5および現像ローラ6を介して感光体1に供給され、トナー像が形成される。
感光体1の表面に形成されたトナー像は、ペーパーマガジン7から供給されるペーパー面に転写帯電器8によって転写され、熱定着器9により定着され、ペーパーは矢印方向に搬送、排出される。転写後の感光体1はクリーニングユニット10によって初期状態に戻る。
【0007】
本発明のトナー供給ローラは、電気抵抗が1×108 〜1×1012Ωの範囲にある導電性のものであり、従来、導電性トナー供給ローラとして通常に用いられているものと同様に、金属製シャフト等の良電性シャフトの外側に、電気抵抗が1×108 〜1×1012Ωの範囲にある導電性発泡弾性層を形成することにより作製することができる。本発明においては、トナー供給ローラの電気抵抗が1×108 Ω未満であっても、1×1012Ωを超えても画像に不具合が発生する。本発明のトナー供給ローラの電気抵抗は、好ましくは1×109 〜1×1012Ω、より好ましくは5×109 〜1×1012Ωである。
金属製シャフトとしては、硫黄快削鋼などの鋼材に亜鉛等のメッキを施したもの、アルミニウム、ステンレス鋼、りん青銅鋼等からなるものが挙げられる。
導電性発泡弾性層は、ローラの電気抵抗が1×108 〜1×1012Ωの範囲となるものであればよく、発泡弾性体の電気抵抗がこの範囲外である場合は、適当な導電剤を発泡弾性体材料に添加することにより電気抵抗を調整する。
【0008】
発泡弾性体に導電性を付与する場合に加える導電剤としては、イオン導電剤や電子導電剤が用いられる。
イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム(例えばラウリルトリメチルアンモニウム)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルァンモニウム(例えばステアリルトリメチルアンモニウム)、変性脂肪酸ジメチルエチルアンモニウムなどの過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エチル硫酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩などのアンモニウム塩や、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩などが挙げられる。
【0009】
また、電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボン:SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン:酸化処理を施したインク用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト:酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物:ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属などを挙げることができる。
これらの導電剤は単独でも、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0010】
導電性を調整するために加える導電剤の添加量は特に制限はないが、イオン導電剤の場合、後述する発泡弾性体100重量部に対して、通常0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜2重量部の範囲で選ばれる。電子導電剤の場合、発泡弾性体100重量部に対して1〜50重量部、好ましくは5〜40重量部の範囲で選ばれる。導電剤を添加しすぎると、トナー供給ローラの電気抵抗が1×108 Ωを下回るおそれがある。
なお、この導電性発泡弾性層には、前記導電剤以外に必要に応じて公知の充填剤や架橋剤など、他のゴム用添加剤を適宜添加することができる。
【0011】
また本発明においては、トナー供給ローラの発泡弾性体をポリウレタンフォームで形成する場合、該ローラ表面への析出物がトナーを融着させることがないように、ポリウレタンフォームのアセトン抽出率を5重量%以下とすることが好ましいので、導電剤を添加する場合はその配合量を十分に吟味することが必要である。すなわち、揮発量の多いカーボンブラック(例えばチャンネルブラック)を多量配合するとアセトン抽出率が増大し、一方、吸油量の大きいカーボンブラック(例えばアセチレンブラックや高ストラクチャのオイルファーネスプラック)を配合するとアセトン抽出率を低下させることができる。
【0012】
本発明のトナー供給ローラを形成する導電性発泡弾性体表面(外周部)に開口した発泡セルの開口平均径は50〜300μm、好ましくは50〜250μmである。このセル開口平均径が50μm未満であると、現像ローラヘのトナー供給が十分に行えないという不都合か生じ、300μmを超えると、現像ローラ上に搬送するトナー量にむらが生じるという不都合が生じる。
トナー供給ローラを形成する発泡弾性体表面の面積に対する発泡セル開口部分の総面積の比率は50〜80%、好ましくは55〜75%である。このセル開口率が50%未満であると、現像ローラヘのトナー供給が十分に行えないという不都合が生じ、80%を超えると、現像ローラ上に残存するトナーを十分に掻き取れないという不都合が生じる。
これらのセル開口平均径およびセル開口率の測定は通常、写真撮影により行なわれる。
【0013】
本発明のトナー供給ローラは、導電性発泡弾性体の圧縮バネ定数が0.25〜1.5N/mmであることが好ましく、更に好ましくは0.25〜1.2N/mm、特に好ましくは0.25〜1.0N/mmである。圧縮バネ定数が0.25N/mm未満であるとトナーが十分に摩擦帯電されないという不都合があり、1.5N/mmを超えるとトナーへのダメージが大きくなるという不都合がある。
また、発泡弾性体の圧縮弾性回復率は60%以上であることが好ましく、更に好ましくは70%以上である。圧縮弾性回復率が60%未満であると現像ローラ上に残存するトナーを十分に掻き取れないという不都合がある。
本発明のトナー供給ローラの発泡弾性体表面の摩擦抵抗係数は0.4〜3.0であることが好ましく、更に好ましくは0.8〜3.0である。摩擦抵抗係数が0.4未満であると滑りが大きすぎてトナーを搬送できないという不都合があり、3.0を超えるとトナーへのダメージが大きくなるため、トナーが劣化しやすくなるという不都合が生じる。
なお、これらの圧縮バネ定数、圧縮弾性回復率および摩擦抵抗係数は後述の実施例に示す方法により測定される。
【0014】
本発明のトナー供給ローラを形成する導電性発泡弾性体としては、上記特徴を具備するものであればよく、例えばエステル系ポリウレタンフォーム、エーテル系ポリウレタンフォームやニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴムなどのゴム材料のフォームを挙げることができ、特にエステル系ポリウレタンフォーム、エーテル系ポリウレタンフォーム、ニトリルゴムフォーム、エチレンプロピレンゴムフォーム、エチレンプロピレンジエンゴムフォーム、シリコーンゴムフォームが好適である。これらは単独で用いてもよく二種以上を組み合わせて発泡弾性体としてもよい。
また導電性発泡弾性体は、摩擦抵抗係数をコントロールする目的で上記フォーム原料にシリコーンオイルを混合したり、上記フォームで作製された表面にシリコーンオイルを塗布したりすることもできる。
【0015】
本発明の現像装置に使用する現像ローラは、電気抵抗が1×1013Ω以上の半導電性を有するものであり、従来半導電性現像ローラとして通常に用いられているものと同様に、シャフトの外側に半導電性弾性層を形成したものであっても、シャフトをそのまま用いて表面に半導電性のコーティング層を有する、いわゆる現像スリーブであってもよい。
このような半導電性の現像ローラは、適当なゴム状弾性体を用いることによって電気抵抗を1×1013Ω以上としたり、ローラ表面に塗装を施すことによって電気抵抗を1×1013Ω以上としたものである。
ここで、ゴム状弾性体については特に制限はなく、従来半導電性現像ローラにおいて慣用されているものの中から任意に選択して用いることができる。
このゴム状弾性体としては、例えばニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴムなどを挙げることができ、特にニトリルゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、シリコーンゴムが好適である。これらは単独で用いてもよく二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0016】
弾性層を形成した現像ローラにおいては、感光体の汚染防止などのために、例えばアルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂およびそれらの混合物などの架橋性樹脂からなる厚さ1〜100μmの樹脂被覆層をローラ表面に設けることが好ましい。これらの架橋性樹脂には、所望により、荷電制御剤、滑剤、導電剤、その他の樹脂など、種々の添加剤を含有させることができる。樹脂被覆層は、通常は、架橋性樹脂、架橋剤および各種添加剤を溶解または分散させてなる塗工液(溶媒としてメタノール等のアルコール系溶媒、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒などを使用)をディッピング法、ロールコーター法、ドクターブレード法、スプレー法などにより、弾性層上に塗布したのち、常温あるいは50〜170℃程度の温度で乾燥し、架橋硬化させて形成することができる。
【0017】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明の主旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0018】
以下の実施例および比較例において、トナー供給ローラの物性測定は次のように行なった。
(1)セル開口平均径
ハイロックス(株)製のCCDビデオカメラを用い、40〜60倍の倍率で写真撮影を行い、写真画像のセル開口径を測定し、その平均を求めた。
(2)セル開口率
ハイロックス(株)製のCCDビデオカメラを用い、40〜60倍の倍率で写真撮影を行い・写真画像のセル開口部分の面積を算出し、写真画像全体の面積で除してセル開口率を求めた。
【0019】
(3)圧縮バネ定数
図2に示す測定方法によって、トナー供給ローラの圧縮バネ定数をローラの周方向およびローラの長手方向に亙って測定した。
図2に示すように、トナー供給ローラ5の回転軸11をVブロック13にて水平に固定し、発泡弾性体ローラ12の上部に設置したフォースゲージ14を下方向に一定速度(0.1mm/sec)で移動させて、フォースゲージ14の先端部に設けた直径13mmの円板状圧縮治具(円板圧子)15によって約1.0mmの深さまで圧縮し、測定された応力−歪曲線から、バネ定数を算出した。
圧縮バネ定数は、ローラ長手方向に対しては30mm間隔で、ローラ周方向に対しては90度間隔で4点測定し、その平均値とした。
【0020】
(4)圧縮弾性回復率
図2に示す圧縮バネ定数の測定方法と同様の方法によって、トナー供給ローラの圧縮弾性回復率をローラ中央部の周方向にて90度間隔で4点測定し、その平均値とした。
図2に示すように、トナー供給ローラ5の回転軸11をVブロック13にて水平に固定し、発泡弾性ローラ12の上部に設置したフォースゲージ14を下方向に一定速度(0.1mm/sec)で移動させて、フォースゲージ14の先端部に設けた直径13mmの円板状圧縮治具(円板圧子)15によって約1mmの深さまで圧縮した後、圧縮速度と同じ速度で円板圧子を上昇させて圧縮を解放させる(圧縮−解放)過程で測定された応力−歪曲線の圧縮過程の面積(A)と解放過程の面積(B)の比率(B/A)を圧縮弾性回復率として算出した。
【0021】
(5)摩擦抵抗係数
新東科学(株)製の摩擦試験機「HEIDONトライボギア」を用いて、図3に示す測定方法によって、トナー供給ローラの摩擦抵抗係数を測定した。
図3に示すように、トナー供給ローラ5を可動ステージ16に固定し、摩擦速度100mm/minにて移動させた。
摩擦の相手材は径12mmのアクリル製丸捧17で、トナー供給ローラに対して直角方向に配置して、負荷は0.1Nにて摩擦させた。このときの摩擦力をロードセル18によって測定し、負荷荷重で除したものを摩擦抵抗係数とした。摩擦の相手材としてアクリル材を選択したのは、トナーの主成分がアクリル材質に類似しており、本実施例での組み合わせによる摩擦がトナー供給ローラとトナーとの摩擦を模擬するものとなる理由からである。
なお、本実施例において摩擦抵抗係数は、1本のローラについて3回測定し、その平均値を用いた。
【0022】
(6)電気抵抗
図4に示す方法によって、500V印加時のトナー供給ローラおよび現像ローラの電気抵抗を測定した。すなわち、ローラ5または6を厚さ3mmのアルミニウム板20の上に載せ、ローラの両端を各々0.98N(100kgf)の力で圧接しながら芯金とアルミニウム板の間の電気抵抗を測定した。
【0023】
参考例(現像ローラXの作製)
グリセリンにプロピレンオキシドとエチレンオキシドとを付加し、分子量5000としたポリエーテルポリオール(OH価:33mgKOH/g)100重量部に、1,4−ブタンジオール1.0重量部、ニッケルアセチルアセトナト0.5重量部、ジブチルチンジラウレート0.01重量部および過塩素酸ナトリウム0.2重量部を加え、混合機を用い混合してポリオール組成物を調整した。このポリオール組成物を減圧下に攪拌して脱泡した後・ウレタン変性MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)を17.5重量部加えて2分間攪拌した。
これを、金属シャフトを予め110℃に加熱した金型に注型し、110℃で2時間硬化させて金属シャフトの外周に弾性層を形成してローラを得た。
得られたローラの表面を研磨して、表面をJISの10点平均粗さで4.0μmRzになるように調整した。
次に、樹脂被覆層を形成する樹脂として、オイルフリーアルキッド樹脂(大日本インキ社製、M6402)およびメラミン樹脂(大日本インキ社製、スーパーベッカミンL−145−60、固形分率60重量%)を用い、オイルフリーアルキッド樹脂とメラミン樹脂とを固形分重量比80/20となるように溶媒であるメチルエチルケトンに混合し、固形分濃度が20重量%となるように調整した。
この塗工液中に、上記ローラを浸漬し引き上げ、これを130℃にて3時間加熱し、硬化した樹脂被覆層を有する現像ローラXを作製した。
【0024】
実施例1〜2および比較例1〜10
図1に示したプリンターに、参考例で作製した現像ローラXと以下に示すトナー供給ローラA,B,C,D,E,F,G,H,I,J,K,Lとを組み合わせて組み込み、恒温・恒湿(25℃・50%RH)環境にて画像を作成し、その画像の画質評価を行った。
【0025】
先ず、トナー供給ローラA〜Lを以下に示した方法で作製した。
グリセリンにエチレンオキシド12重量%とプロピレンオキシド88重量%を付加重合した重量平均分子量が5000、官能基数が3、末端水酸基が1級水酸基である割合が80%であるポリエーテルポリオール100重量部、水2.0重量部、架橋剤としてジエタノールアミン1.00重量部、触媒としてトリエチレンジアミンの33重量%DPC(ジプロピレングリコール)溶液0.60重量部、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン0.30重量部、ポリエーテル変性シリコーンオイル(SF2965、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)2.00重量部を予め攪拌混合し、これをA成分とする。
一方、ポリイソシアネートとしてTDI−80が80重量%とクルードMDIが20重量%からなるブレンドイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製コロネート1021)をB成分とする。
A成分とB成分をそれぞれ小型発泡機のタンクに仕込み、A成分とB成分の単位時間当たりの吐出量の質量比が、A成分/B成分=110.90/29.20〜105.70/26.77の範囲で吐出流量を調整し、インペラー回転数を約3000rpmとして2成分を混合攪拌した。その混合物を、中心部に金属製のシャフトを配置した、内径16.0mm、長さ22cm、内表面にフッ素樹脂をコーティングした円筒形状のモールドに、その端部に設けられた開口部から吐出ノズルにより得ようとするポリウレタンフォーム硬度に合わせて注入量を変えて注入し、注入されたポリウレタン原料が発泡して円筒の端部から漏れ出す前に端部に蓋をした。これを70℃の熱風循環式オーブン中で10分間加熱して硬化させ、シャフトの外周にポリウレタンフォーム層が形成されたローラをモールドから取り出し、更に120℃の熱風循環式オーブン中で15分間加熱して硬化させ、ポリウレタンフォーム製トナー供給ローラA,B,C,D,E,F,G,H,I,J,K,Lを作製した。トナー供給ローラCについては上記A成分原料に導電剤としてケッチェンブラック(ライオン社製、ケッチェンブラックEC)を3.5重量部加えて電気抵抗を調整し、トナー供給ローラG,Hについてはトナー供給ローラBと同様にして作製したローラに粘性ワックスを塗布したり、シリコーンオイルを塗布して、それぞれ摩擦抵抗係数を変えたものとし、トナー供給ローラLはトナー供給ローラKと同様にして作製したローラの表面を0.3mm程度研磨してセル開口率を大きくした。
【0026】
得られたトナー供給ローラについて、前述の要領で物性試験を行った。すなわち、写真撮影によりセル開口平均径およびセル開口率の測定を実施し、図2に示した方法によって、圧縮バネ定数および圧縮弾性回復率の測定を実施し、さらに図3に示した方法によって、摩擦抵抗係数の測定を実施した。
図4に示した方法によって、現像ローラおよびトナー供給ローラの電気抵抗を測定した。現像ローラの電気抵抗は8.3×1013Ωであった。
【0027】
次にトナー供給ローラA〜Lを、図1に示したプリンターのトナー供給ローラ5として配置し、また現像ローラ6には、現像ローラXを配置して、画像評価テストを行った。
画像評価テストは、A4サイズの用紙を縦送り方向に、恒温・恒温(25℃、50%RH)環境下で行った。トナー供給ローラの物性試験および画像評価テストの結果を第1表に示す。
画質評価は、濃灰色ベタ画像を形成して、画質が均一で良好な場合を(○)、濃淡むら等があり均一でない場合を(×)とした。
【0028】
【表1】
【0029】
第1表の結果より、次のようなことが分かる。
▲1▼電気抵抗が1×1013Ω以上の現像ローラを用いた場合に、トナー供給ローラの電気抵抗が1×108 〜1×1012Ωの範囲にあり、かつ、セル開口径、セル開口率、圧縮バネ定数、圧縮弾性回復率、摩擦抵抗係数のいずれもが本発明による適正範囲にある実施例の場合においてのみ濃度むら等の不具合のない画像が得られる。
▲2▼トナー供給ローラのセル開口平均径、セル開口率、圧縮バネ定数、圧縮弾性回復率、摩擦抵抗係数のいずれもが適正範囲にあっても、トナー供給ローラの電気抵抗が1×108 〜1×1012Ωの範囲外である(比較例1)と、濃度むら等の画像不具合が発生する。
▲3▼トナー供給ローラの電気抵抗が1×108 〜1×1012Ωの範囲にあっても、セル開口径、セル開口率、圧縮バネ定数、圧縮弾性回復率、摩擦抵抗係数のいずれかが本発明に係る適正範囲から外れている(比較例2〜10)の場合には、程度の差はあるが、濃度むら等の画像不具合が発生する。
【0030】
【発明の効果】
本発明により、感光体と接触しないように配置され、かつ電気抵抗が1×1013Ω以上である半導電性の現像ローラに接触して配置された導電性トナー供給ローラであって、電気抵抗を1×108 〜1×1012Ωの範囲とし、さらに、セル開口平均径、セル開口率、圧縮バネ定数、圧縮弾性回復率および摩擦抵抗係数を適正範囲とすることにより、トナー供給ローラによる現像ローラヘのトナー押し付けおよび電荷のやりとりが好適となり、現像ローラヘのトナー供給およびトナー帯電が好適に行なわれ、かつ現像ローラ上に残存したトナーの掻き取りも好適に行われるので、ピッチむらや濃度むらなどの欠陥のない良好な画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る現像装置の一例であるレーザープリンターの現像部の説明図である。
【図2】トナー供給ローラにおける発泡弾性体の圧縮バネ定数および圧縮弾性回復率の測定法を示す説明図である。
【図3】トナー供給ローラにおける発泡弾性体表面の摩擦抵抗の測定法を示す説明図である。
【図4】ローラの電気抵抗の測定法を示す説明図である。
【符号の説明】
1:感光体
2:1次帯電器
3:LEDアレイプリントヘッド
4:トナーカートリッジ
5:トナー供給ローラ
6:現像ローラ
7:ペーパーマガジン
8:転写帯電器
9:熱定着器
10:クリーニングユニット
11:回転軸
12:発泡弾性体ローラ
13:Vブロック
14:フォースゲージ
15:圧縮治具(円板圧子)
16:可動ステージ
17:アクリル製丸棒
18:ロードセル
19:負荷荷重
20:アルミニウム板
Claims (5)
- 現像剤としてのトナーを収納したトナー収納部、トナー供給ローラおよび現像ローラを有し、トナーを感光体表面の静電潜像に供給してトナー像を形成する現像装置において、感光体と接触しないように配置され、かつ、電気抵抗が1×1013Ω以上である半導電性の現像ローラに接触して配置された導電性トナー供給ローラであって、電気抵抗が1×108 〜1×1012Ωの範囲にあり、かつ以下の特性を有する発泡弾性体からなることを特徴とするトナー供給ローラ。
(1)発泡弾性体表面の発泡セルの開口部分の平均径が50〜300μm、
(2)発泡弾性体の表面積に対する発泡セルの開口部分の総面積の比率が50〜80%、
(3)発泡弾性体の圧縮バネ定数が0.25〜1.5N/mm、
(4)発泡弾性体の圧縮弾性回復率が60%以上、
(5)発泡弾性体表面の摩擦抵抗係数が0.4〜3.0 - 導電性発泡弾性層を良導電性シャフトの外側に形成してなるものである請求項1に記載のトナー供給ローラ。
- 発泡弾性体がポリウレタンフォームで形成され、該ポリウレタンフォームのアセトン抽出率が5重量%以下である請求項1または2に記載のトナー供給ローラ。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のトナー供給ローラを搭載した現像装置。
- 請求項4記載の現像装置を装着した画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002180222A JP2004021212A (ja) | 2002-06-20 | 2002-06-20 | トナー供給ローラおよび現像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002180222A JP2004021212A (ja) | 2002-06-20 | 2002-06-20 | トナー供給ローラおよび現像装置 |
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Family
ID=31177412
Family Applications (1)
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007121698A (ja) * | 2005-10-28 | 2007-05-17 | Tokai Rubber Ind Ltd | トナー供給ロール |
CN100405232C (zh) * | 2004-03-15 | 2008-07-23 | 夏普株式会社 | 非磁性单组分显影装置 |
JP2008225204A (ja) * | 2007-03-14 | 2008-09-25 | Bridgestone Corp | トナー搬送ローラ及びそれを用いた画像形成装置、並びにトナー搬送ローラの検査方法 |
JP2010008994A (ja) * | 2008-05-27 | 2010-01-14 | Canon Inc | トナー供給ローラ、現像装置および画像形成装置 |
-
2002
- 2002-06-20 JP JP2002180222A patent/JP2004021212A/ja active Pending
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