【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面に保護層を設けたフォトマスクに関わるものであって、詳細には、PDP、FEDあるいはLCD等のフラットパネルディスプレイ、CRT用シャドーマスク、印刷配線板、パッケージあるいは半導体等の分野に使用される、乾板(銀塩エマルジョンマスク)、クロムマスク、基材上に着色レリーフ画像を作製したフォトマスク、銀塩エマルジョンフィルムマスクなどのフォトマスクの汚れ防止、あるいは耐久性向上のために、その表面に保護層を設けることに関する。
【0002】
【従来の技術】
フォトマスクとしては金属クロム層を設けたCrマスク、ハロゲン化銀乳剤層を設けたEmマスク(エマルジョンマスク)等が知られ、また最近基材上に着色感光性層から形成されるレリーフ画像を設けたものも提供されつつある。
これらのフォトマスクは、使用時、フォトエッチングすべき対象物の表面(感光性層)に遮光層(パターン形成層)側が密着され、あるいは該対象物との間に微小な間隙を開けて配置されて使用される。後者の場合においても、間隙調整のために一旦対象物に接触させるのが通常であるので、いずれの場合でも、前記感光性層の表面に硬い異物が存在すると、これにより遮光層が損なわれることがある。そうすると、フォトマスクを繰り返し用いる場合、以後のフォトエッチングにより正確なパターニングが作製できないことになる。
また、フォトマスクを繰り返し用いてフォトエッチングを行う場合には、フォトマスクの表面(遮光層)の洗浄を行う必要があるが、この洗浄によっても遮光層が損なわれる場合がある。
【0003】
そのため、フォトマスクの遮光層の表面に保護膜を焼き付けたり、保護フィルムを貼り合わせたりすることが行われている。例えば、特開平11−7121号公報には、露光用原稿(フォトマスク)の遮光層の上に、透明支持体の片面にレジスト付着防止層を、もう1方の面に粘着剤を設けた保護フィルムを貼り合わせることが記載されている。しかし、この保護フィルムは透明支持体、レジスト付着防止層およい粘着層の3層から形成されているので、全体が厚くなり(10μm程度)、露光時の光透過率が小さくなったり光の拡散が生ずるなどの欠点がある。また、透明支持体を薄くすることにより光透過率、光拡散の点を改善することが考えられるが、この場合は貼り合わせ時に皺や気泡が発生しやすくなる。
また、特開平5−21005号公報には、シャドウマスクのパターン焼付け版(フォトマスク)に、透明支持体に粘着層を設けた保護フィルムを貼合わせるための保護フィルム貼合わせ装置が記載されている。この貼り合わせ装置は、乳剤層(遮光層)を上にしてパターン焼付け版を搬送する搬送機構と、保護フィルムロール装着部から繰出された保護フィルムをパターン焼付け版の上面側に供給する保護フィルム供給機構と、パターン焼付け版の下面側に供給される搬送支持フィルムと、搬送支持フィルムをパターン焼付け版の下面側に供給する搬送支持フィルム供給機構と、搬送機構により搬送されるパターン焼付け版とこのパターン焼付け版の上面側に供給される保護フィルムと下面側に供給する搬送支持フィルムとを上下方向から挟持して加圧する貼合わせローラを有するもので、これによると、貼合わせローラの加圧力を調整し、かつ保護フィルムに適度の張力を加えながら供給することにより、皺や気泡を生じないようにパターン焼付け版の乳剤層上に保護フィルムを貼合わせることができるとされている。しかし、この保護フィルム貼合わせ装置を用いても、完全に気泡の混入を避けることはできず、保護層表面に凹凸が生じて露光時に解像度が劣化するという問題を生ずる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記のごとき問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、フォトマスク表面への保護層の形成方法において、保護層とフォトマスクのパターン形成面との間に気泡の混入がなく、パターン形成面の上に平坦な保護層表面が形成される、フォトマスク表面への保護層の形成方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、以下のフォトマスクに保護層を形成する方法を提供することにより解決される。
(1)パターン形成層を有するフォトマスクと、保護層と仮支持体を有する積層フィルムを、パターン形成層と保護層が接するように重ね合わせる工程、前記工程により重ね合わせたものを減圧下加熱圧着する工程および仮支持体を剥離する工程を有する、フォトマスクに保護層を形成する方法。
(2)前記加熱圧着する工程において、仮支持体の上に平坦性の良い剛体を積層して加熱圧着することを特徴とする前記(1)に記載のフォトマスクに保護層を形成する方法。
(3)前記積層フィルムの仮支持体が、少なくとも片面に帯電防止層を有し、仮支持体と保護層の間に剥離層が設けられていることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のフォトマスクに保護層を形成する方法。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のフォトマスクに保護層を形成する方法は、パターン形成層を有するフォトマスクと、保護層と仮支持体を有する積層フィルムを、パターン形成層と保護層が接するように重ね合わせ、この重ね合わせたものをその状態で減圧下加熱圧着し、その後仮支持体を剥離することを特徴とする。
本発明では、保護層を仮支持体を用いてパターン形成層に積層し、その際減圧下加熱圧着するので、密着性よく保護層をパターン形成層の上に形成することができ、保護層とパターン形成層の間に気泡の混入が完全に防止される。また、フォトマスクのパターンがμmオーダーの厚みをもっている場合(着色感光性樹脂層から形成したパターンなど)でも、保護層表面の段差(凹凸)を±0.3μmの範囲内に押えることができる。したがって、本発明の方法によると、保護層の表面にゴミが溜まりにくく、あるいは付着した場合でもゴミを拭き取り易いという効果が得られる。さらに、本発明の保護層形成方法では、保護層を後で剥離する仮支持体に設けた積層フィルムを用いて形成するので、透明支持体に粘着層を設けた前記公知の保護フィルムに比較して、保護層を薄く形成することが可能となる。
【0007】
本発明のフォトマスクにおけるパターン形成層は、Cr等の金属層をフォトエッチングした層、ハロゲン化銀エマルジョンを露光、現像、定着処理した層、フォトマスク使用時の露光光をよく吸収する着色剤を含有する着色感光性層を露光・現像した層など、通常のパターン形成層を用いることができる。
【0008】
本発明の方法に用いる積層フィルムの仮支持体としては、テフロン(R)、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等薄いシートもしくはこれらの積層物が好ましい。仮支持体の厚みは5μm〜300μmが適当であり、好ましくは20μm〜150μmである。
また、積層フィルムの保護層用材料としては、光硬化性アクリル樹脂組成物、熱硬化性アクリル樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物等を用いることができる。
積層フィルムの保護層は、加熱圧着時にパターン形成層に密着性が良好であることが好ましいので、該保護層は、加熱圧着時に変形する熱可塑性を有することが好ましい。
この観点から、保護層の材料としては、前記のもののうち光硬化性アクリル樹脂組成物が好ましい。
【0009】
また、フォトマスクのパターン形成層の上に設けた保護層は、密着させるレジスト層からの異物、空気中の塵埃等により擦りあわされた場合でも、傷がつかないように硬いものが好ましい。したがって、加熱圧着時はある程度の可塑性(熱可塑性)を有する一方、フォトマスクとして用いる際は硬い表面を有するものが好ましい。例えば、高分子材料に硬化性モノマーを添加したもので、そのままでも粘着性が低く取り扱い易くかつ加熱圧着時に可塑性を有し、かつその後硬化処理により表面硬度を増す層を仮支持体に設けた積層フィルムが好ましく用いられる。具体的には、アクリル系重合体に光硬化性アクリル系モノマーを組み合わせた光重合性高分子組成物は、塗布により、扱い易い固体皮膜でありかつ可塑性を有する層を形成し、かつその層を光硬化させることにより硬度が増した表面が得られる。
仮支持体への保護層の形成、すなわち、積層フィルムの作製は、保護層の材料を含有する塗布液をバーコート法、スピンコート法、ダイコート法等により塗布することにより行うことができる。
【0010】
仮支持体は、少なくとも片面に帯電防止層を有していることが、積層フィルムの保存時、あるいは積層フィルムをフォトマスクに積層して加熱圧着する工程において空気中の塵埃等が積層フィルムに付着することを防ぐので好ましい。この帯電防止層は表面電気抵抗が1013Ω・cm以下であることが好ましく、このような帯電防止層は、層中に導電性粒子や帯電防止剤を添加することにより形成することができる。
導電性粒子としては、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化モリブデン等から選ばれた少なくとも1種の結晶性金属酸化物、および/またはその複合酸化物の微粒子が挙げられる。より具体的には、ZnO、TiO2 、SnO2、Al2 O3 、In2O3 、SiO2 、MgO、BaO、MoO3 の中から選ばれた少なくとも1種の結晶性金属酸化物、及び/またはその複合酸化物等が挙げられる。これらは湿度に影響されない導電性を示すので好ましい。結晶性金属酸化物またはその複合酸化物の微粒子は、その体積抵抗が107 Ω・cm以下であることが好ましく、特に105Ω・cm以下であることが好ましい。また、その粒子サイズは、0.01〜0.7μm、特に0.02〜0.5μmであることが好ましい。
中でも、アンチモンをドープした酸化スズが好ましく、特に針状構造を有するアンチモンドープ導電性酸化スズ粒子は、少ない添加量で必要な導電性を得ることができるので特に好ましい。
【0011】
導電性の結晶性金属酸化物及びその複合酸化物の微粒子の製造方法については、特開昭56−143430号に詳細に記載されているが、それらについて略述すれば、第1に金属酸化物微粒子を焼成により作製し、導電性を向上させる異種原子の存在下で熱処理する方法、第2に焼成により金属酸化物微粒子を製造するときに導電性を向上させる為の異種原子を共存させる方法、第3に焼成により金属微粒子を製造する際に雰囲気中の酸素濃度を下げて、酸素欠陥を導入する方法等である。異種原子を含む例としてはZnOに対してAl、In等、TiO2に対してはNb、Ta等、SnO2に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等が挙げられる。異種原子の添加量は0.01〜30mol%の範囲が好ましく、0.1〜10mol%が特に好ましい。導電性粒子の使用量は0.05g/m2〜20g/m2がよく、0.1g/m2〜10g/m2が特に好ましい。
【0012】
前記帯電防止剤としては例えば、アニオン界面活性剤としてアルキル燐酸塩系(例えば、花押石鹸(株)のエレクトロストリッパーA、第一工業製薬(株)のエレノンNo19等が、両性界面活性剤としてベタイン系(例えば、第一工業製薬(株)のアモーゲンK、等)が、非イオン界面活性剤としてポリオキシエチレン脂肪酸エステル系(例えば、日本油脂(株)のニツサンノニオンL、等)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系(例えば、花王石鹸(株)のエマルゲン106、120、147、420、220、905、910、日本油脂(株)のニツサンノニオンE、等)が有用である。その他、非イオン界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル系、多価アルコール脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルアミン系等のものが用いられる。
【0013】
本発明に係る帯電防止層には、バインダーとして、ゼラチン、セルロースナイトレート、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のようなセルロースエステル、塩化ビニリデン、塩化ビニル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アルキル(アルキル基C1〜C4)アクリレート、ビニルピロリドン等を含むホモポリマーまたは、共重合体、可溶性ポリエステル、ポリカーボネート、可溶性ポリアミド等を使用することができる。これらのバインダー中への導電性粒子の分散に際しては、チタン系分散剤或いはシラン系分散剤のような分散液を添加してもよい。またバインダー架橋剤等を加えても何らさしつかえはない。チタン系分散剤としては、米国特許4,069,192号、同4,080,353号等に記載されているチタネート系カップリング剤、及びプレンアクト(商品名:味の素(株)製)等を挙げることができる。シラン系分散剤としては、例えばビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が知られており「シランカップリング剤」として信越化学(株)等から市販されている。バインダー架橋剤としては、例えば、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤等を挙げることができる。
【0014】
本発明における好ましい帯電防止層は、導電性微粒子をバインダーに分散させ支持体上に設けることにより、または支持体に下引処理をほどこし、その上に伝導性微粒子を被着させることにより設けることができる。
帯電防止層の膜厚は0.01〜1μm程度である。
帯電防止層を設けることにより、仮支持体を剥離する際に静電気の発生を防ぐことが可能で、静電気による塵埃、ゴミ等の付着をなくすことができる。
また、帯電防止層の上には、耐傷性を良好なものとするために、さらにセルロースエステル(例えばニトロセルロース、セルロースアセテート)塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルアクリレート等を含むビニル系ポリマーや、有機溶剤可溶性ポリアミド、ポリエステル等のポリマー疎水性重合体層を設けることが好ましい。
【0015】
さらに、仮支持体(前記の帯電防止層を設けたものを含む)の、保護層に接する面に剥離層を設けることが、積層フィルムをフォトマスクに加熱圧着後、仮支持体を剥離し易くするために好ましい。剥離層としては公知のものがいずれも制限なく適用できる。これらの層としては、例えば、特開平4−208940号公報に記載の分離層、特開平5−80503号公報および特開平5−173320号公報に記載のアルカリ可溶な熱可塑性樹脂層、特開平5−72724号公報に記載の酸素に対して僅かな透過性を有する分離層等を、本発明における前記剥離層として利用することができる。
【0016】
次ぎに、前記のごときフォトマスクおよび積層フィルムを用いる、フォトマスクへの保護層の形成方法について説明する。フォトマスクに保護層を形成するには、パターン形成層を有するフォトマスクと、保護層と仮支持体を有する積層フィルムを、パターン形成層と保護層が接するように重ね合わせる工程、減圧下加熱圧着する工程および仮支持体を剥離する工程を有する。
減圧下加熱圧着する工程においては、通常の真空加圧式ラミネーターを用いることができる。例えば、図示しないが、内部を減圧にすることが可能であり、上蓋部と下部収納部に分離可能なチャンバーからなる真空加圧式ラミネーターであって、該チャンバーの上蓋部の内部には変形可能な弾性体例えばゴムが張られており、下部収納部には熱伝導性のよいプレート、プレートを加熱する手段(電気加熱等)が収納されている真空加圧式ラミネーター(例えば、名機製作所製真空加圧式ラミネーターMVLP−500)を用いることができる。前記真空加圧式ラミネーターにおいて、上蓋部と下部収納部はそれぞれ独立にその内部を減圧することができるようにされている。
プレートの上にフォトマスクをパターン形成層が上になるように置き、その上に、積層フィルムの保護層面がパターン形成層に向き合うようにフォトマスクと積層フィルムを重ねる。次いで、上蓋部と下部収納部の両方の内部を真空引き装置により減圧する。チャンバー内部の真空度は0.01〜1000Pa、好ましくは0.1〜10Pa程度である。その後、上蓋部の内部を大気圧に戻すと、上蓋部の弾性体が変形し積層フィルムとフォトマスクを圧着する。その後プレートを加熱する。加熱温度は保護層が塑性変形する程度の温度が必要である。加熱圧着工程の時間は保護層を構成する材料にもよるが、一般的に、数分から30分程度である。次いで常圧に戻し、仮支持体を剥離すると、フォトマスクのパターン形成層の上に保護層が形成される。
【0017】
前記の加熱圧着の工程において、積層フィルムの仮支持体の上に平坦性および平滑性の高い剛体を積層した状態で加熱加圧すると、さらにその表面の平坦性が良好で凹凸のない保護層をパターン形成層の上に形成することができる。剛体としてはガラス、ステンレス、銅、アルミニウム等の金属板(厚み0.1〜10mm程度)からなり、その表面を鏡面加工などして平坦性および平滑性を良好にしたものなどが用いられる。
【0018】
【実施例】
以下に実施例を示し本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
i)帯電防止層付きPET(ポリエチレンテレフタレートフィルム)フィルムの作製
塩化第二錫水和物65質量部と三塩化アンチモン1.5質量部をエタノール1000質量部に溶解して均一溶液を得た。この溶液に1Nの水酸化ナトリウム水溶液を前記溶液のpHが3になるまで滴下してコロイド状酸化第二錫と酸化アンチモンの共沈澱を50゜Cに24時間放置し赤褐色のコロイド状沈澱を得た。この沈澱を遠心分離により分離した。過剰なイオンを除くため沈澱に水を加え遠心分離によって水洗した。この操作を3回繰り返し過剰イオンを除去した。この沈澱100質量部を水1,000質量部に混合し、650℃に加熱した焼成炉中へ噴霧し平均粒子径=0.15μmの青味がかった導電性微粒子を得た。上記導電性微粒子を下記処方で、ペイントシェーカー((株)東洋精材製作所製)で5時間分散した。
【0019】
上記導電性微粒子 200質量部
サランF−310(塩化ビニリデン系共重合体、旭ダウ(株)製商品名)
10質量部
メチルエチルケトン 150質量部
この分散液を用い次の処方の塗布液を調製し、厚みが100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに乾燥塗布量が1.3g/m2になるように塗布し、130℃で2分間乾燥した。
上記分散液 15質量部
サランF−310 3質量部
メチルエチルケトン 100質量部
シクロヘキサノン 20質量部
m−クレゾール 5質量部
【0020】
更にこの層の上に次の処方の液を乾燥塗布量が0.2g/m2になるように塗布し、130℃で1分間乾燥した。
セルローズトリアセテート 1質量部
メチレンジクロリド 60質量部
エチレンジクロリド 40質量部
エルカ酸アミド 0.01質量部
この試料(a)の表面電気抵抗値を絶縁抵抗測定器(川口電極社製VE−30型)で測定したところ25℃、25%RHで7×108Ωであった。
【0021】
ii)積層フィルムの作製
前記帯電防止層付きPETフィルムの帯電防止層と反対面に、下記剥離層処方を1.4μm厚に塗布した後、下記保護層処方を4μm厚に塗布し、保護フィルムを得た。
<剥離層処方>
ポリビニルアルコール(クラレ(株)製PVA205、鹸化率=80%)
18質量部
ポリビニルピロリドン(GAFコーポレーション社製PVP、K−90
2質量部
イオン交換水 195.2質量部
メタノール 158.2質量部
【0022】
<保護層処方>
アリルメタクリレート/メチルメタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=80/20、重量平均分子量=32000
9.50質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 8.04質量部
2−(4−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール
0.80質量部
ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.004質量部
F176PF(大日本インキ社製フッ素系界面活性剤30質量%)
0.015質量部
PEGMEA 28.94質量部
シクロヘキサノン 6.60質量部
メチルエチルケトン 37.95質量部
【0023】
iii)フォトマスク上への保護フィルムの加熱圧着
前述のごとき構成を有する名機製作所製真空加圧式ラミネーターMVLP−500のプレート上にパターンを形成した5インチサイズの乾板、その上に前記保護フィルムの保護層面を下にして積層し、更に保護フィルムの仮支持体の上に5mm厚のステンレス板を載せ、上蓋部と下部収納部の両方の内部を5Paまで減圧した。プレートを90℃に加熱し、上蓋部を大気圧に戻し加圧した。2分後、常圧に戻した。超高圧水銀灯で20mJ/cm2の露光を行い、仮支持体を剥離して保護層付き乾板を作成した。更に180℃15分加熱処理を行い、保護層の硬膜を進めた。
ここで使用した乾板は黒部と白部の段差が約1.1μmあったが、気泡混入は認められず、保護層表面の凹凸は0.2μm以下と良好であった。
また、クリーンワイパーの乾拭きでも保護層表面に傷は付かず、溶剤(エタノール)での拭き取りテストを行ったがやはり傷は入らず、保護層として十分に使用出来ることが判明した。
【0024】
比較例1
実施例1の真空加圧式ラミネーターの代わりに室町化学製ロールラミネーターMDL601を用いて、5インチ乾板上に前記保護フィルムの保護層側を向かい合わせラミネート、超高圧水銀灯で20mJ/cm2の露光を行い、仮支持体を剥離して保護層付き乾板を作製した。更に180℃15分加熱処理を行い、保護層の硬膜を進めた。
ここで使用した乾板は黒部と白部の段差が約1.0μmあったが、保護層表面の凹凸は0.4〜0.9μmと大きく、また気泡が7ヶ/5インチ観察された。乾拭き、あるいは溶剤での拭き取りテストでは実施例1と同様問題なかったものの、前述の通り気泡の存在、保護層表面の凹凸が大きいことからフォトマスクとしては使用不可である。
【0025】
【発明の効果】
本発明では、保護層を仮支持体を用いてパターン形成層に積層し、その際減圧下加熱圧着するので、密着性よく保護層をパターン形成層に形成することができ、保護層とパターン形成層の間に気泡の混入が完全に防止される。また、フォトマスクのパターン形成層がμmオーダーの厚みをもっている場合でも、保護層表面の段差(凹凸)を±0.3μmの範囲内に押えることができる。したがって、本発明の方法によると、保護層の表面にゴミが溜まりにくく、あるいは付着したゴミを拭き取り易いという効果が得られる。さらに、本発明の保護層形成方法では、保護層を後で剥離する仮支持体に設けた積層フィルムを用いて形成するので、透明支持体に粘着層を設けた前記公知の保護フィルムに比較して、保護層を薄く形成することが可能となる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a photomask having a protective layer provided on the surface thereof, and more specifically to the fields of flat panel displays such as PDP, FED, and LCD, shadow masks for CRT, printed wiring boards, packages, and semiconductors. In order to prevent contamination of photomasks such as dry plates (silver salt emulsion masks), chrome masks, photomasks with colored relief images on substrates, silver salt emulsion film masks, or to improve durability, It relates to providing a protective layer on the surface.
[0002]
[Prior art]
Known photomasks include Cr masks with metallic chromium layers, Em masks (emulsion masks) with silver halide emulsion layers, and recently a relief image formed from a colored photosensitive layer on a substrate. Are also being offered.
In use, these photomasks are arranged such that the light-shielding layer (pattern forming layer) side is in close contact with the surface (photosensitive layer) of an object to be photoetched, or a minute gap is provided between the photomask and the object. Used. Even in the latter case, it is normal to make contact with the object once to adjust the gap. Therefore, in any case, if a hard foreign substance exists on the surface of the photosensitive layer, the light shielding layer is damaged. There is. Then, when the photomask is repeatedly used, accurate patterning cannot be produced by subsequent photoetching.
In addition, when photoetching is repeatedly performed using a photomask, it is necessary to clean the surface of the photomask (light shielding layer). However, the light shielding layer may be damaged by this cleaning.
[0003]
Therefore, a protective film is baked on the surface of a light shielding layer of a photomask or a protective film is bonded. For example, Japanese Patent Laid-Open No. 11-7121 discloses a protection in which a resist adhesion preventing layer is provided on one side of a transparent support and an adhesive is provided on the other side on a light shielding layer of an exposure original (photomask). It describes that films are bonded together. However, since this protective film is formed of three layers: a transparent support, a resist adhesion prevention layer, and a good adhesion layer, the entire film becomes thick (about 10 μm), light transmittance during exposure is reduced, and light is diffused. There are drawbacks such as In addition, it is conceivable to improve the light transmittance and the light diffusion point by making the transparent support thin, but in this case, wrinkles and bubbles are likely to occur during bonding.
JP-A-5-21005 discloses a protective film laminating apparatus for laminating a protective film provided with an adhesive layer on a transparent support on a pattern printing plate (photomask) of a shadow mask. . This laminating apparatus has a transport mechanism for transporting the pattern printing plate with the emulsion layer (light-shielding layer) facing up, and a protective film supply for supplying the protective film fed from the protective film roll mounting portion to the upper surface side of the pattern printing plate A mechanism, a transport support film supplied to the lower surface side of the pattern printing plate, a transport support film supply mechanism for supplying the transport support film to the lower surface side of the pattern printing plate, a pattern printing plate transported by the transport mechanism, and this pattern It has a laminating roller that nips and presses the protective film supplied to the upper surface side of the printing plate and the transport support film supplied to the lower surface side. According to this, the pressure applied to the laminating roller is adjusted. And pattern baking to prevent wrinkles and bubbles by supplying the protective film while applying appropriate tension. Protected film over the emulsion layer and can is laminated to. However, even if this protective film laminating apparatus is used, it is not possible to completely avoid the mixing of bubbles, and there arises a problem that the surface of the protective layer is uneven and the resolution is deteriorated during exposure.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above-described problems, and its object is to form a protective layer on the photomask surface in which bubbles are mixed between the protective layer and the pattern formation surface of the photomask. It is another object of the present invention to provide a method for forming a protective layer on a photomask surface, in which a flat protective layer surface is formed on the pattern forming surface.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The above-mentioned problems are solved by providing a method for forming a protective layer on the following photomask.
(1) A step of superposing a photomask having a pattern forming layer and a laminated film having a protective layer and a temporary support so that the pattern forming layer and the protective layer are in contact with each other. A method for forming a protective layer on a photomask, comprising the steps of: removing the temporary support.
(2) The method for forming a protective layer on the photomask according to (1), wherein in the step of thermocompression bonding, a rigid body having good flatness is laminated on the temporary support and thermocompression bonded.
(3) The temporary support of the laminated film has an antistatic layer on at least one surface, and a release layer is provided between the temporary support and the protective layer. (1) or (2) ) A method for forming a protective layer on the photomask described in the above.
[0006]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The method for forming a protective layer on the photomask of the present invention comprises: superposing a photomask having a pattern forming layer and a laminated film having a protective layer and a temporary support so that the pattern forming layer and the protective layer are in contact with each other. The combined materials are heat-pressed under reduced pressure in that state, and then the temporary support is peeled off.
In the present invention, the protective layer is laminated on the pattern forming layer using a temporary support, and at that time, heat-pressure bonding is performed under reduced pressure, so that the protective layer can be formed on the pattern forming layer with good adhesion. Bubbles are completely prevented from being mixed between the pattern forming layers. Even when the photomask pattern has a thickness on the order of μm (such as a pattern formed from a colored photosensitive resin layer), the step (unevenness) on the surface of the protective layer can be suppressed within a range of ± 0.3 μm. Therefore, according to the method of the present invention, it is difficult to collect dust on the surface of the protective layer, or it is possible to easily wipe off dust even when it adheres. Furthermore, in the protective layer forming method of the present invention, the protective layer is formed using a laminated film provided on a temporary support to be peeled later, so that it is compared with the known protective film provided with an adhesive layer on a transparent support. Thus, the protective layer can be formed thin.
[0007]
The pattern forming layer in the photomask of the present invention includes a layer obtained by photoetching a metal layer such as Cr, a layer obtained by exposing, developing, and fixing a silver halide emulsion, and a colorant that absorbs exposure light when using the photomask. A normal pattern forming layer such as a layer obtained by exposing and developing the colored photosensitive layer to be contained can be used.
[0008]
As the temporary support for the laminated film used in the method of the present invention, a thin sheet such as Teflon (R), polyethylene terephthalate, polycarbonate, polyethylene, polypropylene, or a laminate thereof is preferable. The thickness of the temporary support is suitably 5 μm to 300 μm, preferably 20 μm to 150 μm.
Moreover, as a material for protective layers of a laminated film, a photocurable acrylic resin composition, a thermosetting acrylic resin composition, an epoxy resin composition, or the like can be used.
Since the protective layer of the laminated film preferably has good adhesion to the pattern forming layer during thermocompression bonding, the protective layer preferably has thermoplasticity that deforms during thermocompression bonding.
From this viewpoint, the material for the protective layer is preferably a photocurable acrylic resin composition among the above materials.
[0009]
The protective layer provided on the pattern forming layer of the photomask is preferably hard so as not to be scratched even when rubbed by foreign matter from the resist layer to be adhered, dust in the air, or the like. Accordingly, it is preferable to have a certain degree of plasticity (thermoplasticity) during thermocompression bonding and a hard surface when used as a photomask. For example, a layer obtained by adding a curable monomer to a polymer material, which is easy to handle even if it is low as it is, has plasticity during thermocompression bonding, and then has a layer on the temporary support to increase the surface hardness by a curing treatment A film is preferably used. Specifically, a photopolymerizable polymer composition in which an acrylic polymer is combined with a photocurable acrylic monomer forms a solid film that is easy to handle and has plasticity by coating, and the layer is A surface with increased hardness can be obtained by photocuring.
Formation of the protective layer on the temporary support, that is, production of a laminated film can be performed by applying a coating solution containing the material of the protective layer by a bar coating method, a spin coating method, a die coating method, or the like.
[0010]
The temporary support has an antistatic layer on at least one side, so that dust, etc. in the air adheres to the laminated film during storage of the laminated film or in the process of laminating the laminated film on a photomask and thermocompression bonding. This is preferable. The antistatic layer preferably has a surface electrical resistance of 10 13 Ω · cm or less, and such an antistatic layer can be formed by adding conductive particles or an antistatic agent to the layer.
As the conductive particles, at least one crystalline metal oxide selected from tin oxide, zinc oxide, titanium oxide, aluminum oxide, indium oxide, silicon oxide, magnesium oxide, barium oxide, molybdenum oxide, and / or the like, and / or Examples thereof include fine particles of the composite oxide. More specifically, at least one crystalline metal oxide selected from ZnO, TiO 2 , SnO 2 , Al 2 O 3 , In 2 O 3 , SiO 2 , MgO, BaO, MoO 3 , and / Or a composite oxide thereof. These are preferable because they exhibit conductivity that is not affected by humidity. The fine particles of the crystalline metal oxide or the composite oxide thereof preferably have a volume resistance of 10 7 Ω · cm or less, particularly preferably 10 5 Ω · cm or less. Moreover, it is preferable that the particle size is 0.01-0.7 micrometer, especially 0.02-0.5 micrometer.
Among them, tin oxide doped with antimony is preferable, and antimony-doped conductive tin oxide particles having an acicular structure are particularly preferable because necessary conductivity can be obtained with a small addition amount.
[0011]
The method for producing the conductive crystalline metal oxide and the composite oxide fine particles is described in detail in Japanese Patent Application Laid-Open No. 56-143430. A method of producing fine particles by firing and heat-treating them in the presence of different atoms for improving conductivity; second, a method of coexisting different atoms for improving conductivity when producing metal oxide fine particles by firing; Thirdly, there is a method of introducing oxygen defects by reducing the oxygen concentration in the atmosphere when producing metal fine particles by firing. Examples containing different atoms include Al and In for ZnO, Nb and Ta for TiO 2 , and Sb, Nb and halogen elements for SnO 2 . The amount of different atoms added is preferably in the range of 0.01 to 30 mol%, particularly preferably 0.1 to 10 mol%. The amount of the conductive particles is 0.05g / m 2 ~20g / m 2 selfishness, 0.1g / m 2 ~10g / m 2 is particularly preferred.
[0012]
Examples of the antistatic agent include alkyl phosphates as anionic surfactants (for example, Electro Stripper A from Hanashiso soap Co., Ltd., Elenon No19 from Daiichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd., and betaines as amphoteric surfactants. (For example, Amogen K of Daiichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd.) is a polyoxyethylene fatty acid ester-based non-ionic surfactant (for example, Nissan Nonion L of Nippon Oil & Fats Co., Ltd.), polyoxyethylene Alkyl ether type (for example, Emulgen 106, 120, 147, 420, 220, 905, 910, Nippon Oil & Fats Co., Ltd., Nissan Nonion E, etc.) is useful. Activators include polyoxyethylene alkylphenol ethers, polyhydric alcohol fatty acid esters, polyoxyethylene Sorbitan fatty acid esters, those of polyoxyethylene alkyl amine, or the like is used.
[0013]
In the antistatic layer according to the present invention, as a binder, cellulose ester such as gelatin, cellulose nitrate, cellulose triacetate, cellulose diacetate, cellulose acetate butyrate, cellulose acetate propionate, vinylidene chloride, vinyl chloride, styrene , Acrylonitrile, vinyl acetate, alkyl (alkyl group C1-C4) acrylate, homopolymers containing vinyl pyrrolidone and the like, copolymers, soluble polyesters, polycarbonates, soluble polyamides, and the like can be used. In dispersing the conductive particles in these binders, a dispersion liquid such as a titanium-based dispersant or a silane-based dispersant may be added. There is no problem even if a binder cross-linking agent is added. Examples of titanium dispersants include titanate coupling agents described in U.S. Pat. Nos. 4,069,192 and 4,080,353, and preneact (trade name: manufactured by Ajinomoto Co., Inc.). be able to. Examples of known silane dispersants include vinyltrichlorosilane, vinyltriethoxysilane, vinyltris (β-methoxyethoxy) silane, γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane, and γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane. It is commercially available from Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. as a “silane coupling agent”. Examples of the binder crosslinking agent include an epoxy crosslinking agent, an isocyanate crosslinking agent, an aziridine crosslinking agent, and an epoxy crosslinking agent.
[0014]
A preferred antistatic layer in the present invention may be provided by dispersing conductive fine particles in a binder and providing them on a support, or by subjecting a support to a subbing treatment and depositing conductive fine particles thereon. it can.
The film thickness of the antistatic layer is about 0.01 to 1 μm.
By providing the antistatic layer, it is possible to prevent the generation of static electricity when the temporary support is peeled off, and it is possible to eliminate adhesion of dust, dirt, etc. due to static electricity.
Further, on the antistatic layer, in order to improve the scratch resistance, a vinyl polymer further containing cellulose ester (for example, nitrocellulose, cellulose acetate) vinyl chloride, vinylidene chloride, vinyl acrylate, or the like, an organic solvent It is preferable to provide a polymer hydrophobic polymer layer such as soluble polyamide or polyester.
[0015]
Furthermore, providing a release layer on the surface of the temporary support (including those provided with the above-mentioned antistatic layer) in contact with the protective layer makes it easy to release the temporary support after the laminated film is thermocompression bonded to a photomask. This is preferable. Any known release layer can be used without limitation. Examples of these layers include a separation layer described in JP-A-4-208940, an alkali-soluble thermoplastic resin layer described in JP-A-5-80503 and JP-A-5-173320, and A separation layer having a slight permeability to oxygen described in JP-A-5-72724 can be used as the release layer in the present invention.
[0016]
Next, a method for forming a protective layer on a photomask using the photomask and laminated film as described above will be described. In order to form a protective layer on the photomask, a step of superposing a photomask having a pattern forming layer and a laminated film having a protective layer and a temporary support so that the pattern forming layer and the protective layer are in contact with each other, thermocompression bonding under reduced pressure And a step of peeling the temporary support.
In the step of thermocompression bonding under reduced pressure, a normal vacuum pressurizing laminator can be used. For example, although not shown, it is possible to reduce the pressure inside, and a vacuum / pressure laminator comprising a chamber that can be separated into an upper lid part and a lower storage part, and the inside of the upper lid part of the chamber can be deformed. An elastic body such as rubber is stretched, and a vacuum pressurizing laminator (for example, a vacuum press manufactured by Meiki Seisakusho Co., Ltd.) in which a plate having good thermal conductivity and a means for heating the plate (electric heating, etc.) are stored in the lower storage section A pressure laminator MVLP-500) can be used. In the vacuum pressurization type laminator, the upper lid part and the lower storage part can be decompressed independently.
A photomask is placed on the plate so that the pattern forming layer is on top, and the photomask and the laminated film are overlaid thereon so that the protective layer surface of the laminated film faces the pattern forming layer. Next, the inside of both the upper lid part and the lower storage part is depressurized by a vacuuming device. The degree of vacuum inside the chamber is about 0.01 to 1000 Pa, preferably about 0.1 to 10 Pa. Thereafter, when the inside of the upper lid part is returned to atmospheric pressure, the elastic body of the upper lid part is deformed and the laminated film and the photomask are pressure-bonded. The plate is then heated. The heating temperature needs to be a temperature at which the protective layer is plastically deformed. Although the time of the thermocompression bonding process depends on the material constituting the protective layer, it is generally from several minutes to 30 minutes. Next, when the pressure is returned to normal pressure and the temporary support is peeled off, a protective layer is formed on the pattern forming layer of the photomask.
[0017]
In the above-mentioned thermocompression bonding step, when heat and pressure are applied in a state where a rigid body having high flatness and smoothness is laminated on the temporary support of the laminated film, a protective layer having a good surface flatness and no unevenness is obtained. It can be formed on the pattern forming layer. The rigid body is made of a metal plate (thickness of about 0.1 to 10 mm) such as glass, stainless steel, copper, or aluminum, and its surface is mirror-finished to improve flatness and smoothness.
[0018]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples. However, the present invention is not limited to these examples.
Example 1
i) Preparation of PET (polyethylene terephthalate film) film with antistatic layer 65 parts by mass of stannic chloride hydrate and 1.5 parts by mass of antimony trichloride were dissolved in 1000 parts by mass of ethanol to obtain a uniform solution. To this solution, 1N aqueous sodium hydroxide solution was added dropwise until the pH of the solution reached 3, and the coprecipitate of colloidal stannic oxide and antimony oxide was allowed to stand at 50 ° C. for 24 hours to obtain a reddish brown colloidal precipitate. It was. This precipitate was separated by centrifugation. In order to remove excess ions, water was added to the precipitate and washed by centrifugation. This operation was repeated three times to remove excess ions. 100 parts by mass of this precipitate was mixed with 1,000 parts by mass of water and sprayed into a baking furnace heated to 650 ° C. to obtain bluish conductive fine particles having an average particle size = 0.15 μm. The conductive fine particles were dispersed with a paint shaker (manufactured by Toyo Seiki Seisakusho Co., Ltd.) for 5 hours according to the following formulation.
[0019]
200 parts by mass of the above conductive fine particles Saran F-310 (vinylidene chloride copolymer, trade name manufactured by Asahi Dow Co., Ltd.)
10 parts by weight methyl ethyl ketone 150 parts by weight Using this dispersion, a coating solution of the following formulation is prepared, and applied to a polyethylene terephthalate film having a thickness of 100 μm so that the dry coating amount is 1.3 g / m 2. Dried for 2 minutes.
15 parts by mass of the above dispersion Saran F-310 3 parts by mass Methyl ethyl ketone 100 parts by mass Cyclohexanone 20 parts by mass m-cresol 5 parts by mass
Furthermore, the liquid of the following prescription was apply | coated on this layer so that the dry application quantity might be 0.2 g / m < 2 >, and it dried at 130 degreeC for 1 minute.
Cellulose triacetate 1 part by weight methylene dichloride 60 parts by weight ethylene dichloride 40 parts by weight erucic acid amide 0.01 part by weight The surface electrical resistance of this sample (a) was measured with an insulation resistance measuring instrument (VE-30 manufactured by Kawaguchi Electrode Co., Ltd.) As a result, it was 7 × 10 8 Ω at 25 ° C. and 25% RH.
[0021]
ii) Preparation of laminated film On the surface opposite to the antistatic layer of the PET film with an antistatic layer, the following release layer formulation was applied to a thickness of 1.4 μm, and then the protective layer formulation was applied to a thickness of 4 μm, Obtained.
<Release layer formulation>
Polyvinyl alcohol (Kuraray Co., Ltd. PVA205, saponification rate = 80%)
18 parts by mass of polyvinylpyrrolidone (PVP, K-90 manufactured by GAF Corporation)
2 parts by mass ion-exchanged water 195.2 parts by mass Methanol 158.2 parts by mass
<Protective layer prescription>
Allyl methacrylate / methyl methacrylic acid copolymer (copolymerization composition ratio (molar ratio) = 80/20, weight average molecular weight = 32000
9.50 parts by mass Dipentaerythritol hexaacrylate 8.04 parts by mass 2- (4-butoxystyryl) -5-trichloromethyl-1,3,4-oxadiazole 0.80 parts by mass Hydroquinone monomethyl ether 0.004 parts by mass Part F176PF (Dainippon Ink Co., Ltd. fluorine-based surfactant 30% by mass)
0.015 parts by mass PEGMEA 28.94 parts by mass cyclohexanone 6.60 parts by mass methyl ethyl ketone 37.95 parts by mass
iii) Thermocompression bonding of protective film onto photomask 5 inch size dry plate having a pattern formed on the plate of vacuum pressurizing laminator MVLP-500 made by Meiki Seisakusho having the above-mentioned configuration, and the protective film on top of it The layers were laminated with the protective layer facing down, and a stainless steel plate with a thickness of 5 mm was placed on the temporary support of the protective film, and the inside of both the upper lid portion and the lower storage portion was depressurized to 5 Pa. The plate was heated to 90 ° C., and the upper lid was returned to atmospheric pressure and pressurized. After 2 minutes, the pressure was returned to normal pressure. Exposure at 20 mJ / cm 2 was performed with an ultrahigh pressure mercury lamp, and the temporary support was peeled off to prepare a dry plate with a protective layer. Further, a heat treatment was performed at 180 ° C. for 15 minutes to advance the hardening of the protective layer.
The dry plate used here had a level difference of about 1.1 μm between the black part and the white part, but no air bubbles were found, and the unevenness on the surface of the protective layer was as good as 0.2 μm or less.
Further, the surface of the protective layer was not scratched even by dry wiping with a clean wiper, and a wiping test with a solvent (ethanol) was carried out.
[0024]
Comparative Example 1
Using a roll laminator MDL601 made by Muromachi Chemical instead of the vacuum pressure laminator of Example 1, the protective layer side of the protective film was laminated on a 5-inch dry plate and exposed at 20 mJ / cm 2 with an ultrahigh pressure mercury lamp. The temporary support was peeled off to produce a dry plate with a protective layer. Further, a heat treatment was performed at 180 ° C. for 15 minutes to advance the hardening of the protective layer.
The dry plate used here had a level difference of about 1.0 μm between the black part and the white part, but the unevenness on the surface of the protective layer was as large as 0.4 to 0.9 μm, and 7 bubbles / 5 inches were observed. In the dry wiping or wiping test with a solvent, there was no problem as in Example 1. However, as described above, the presence of bubbles and the unevenness on the surface of the protective layer are not usable as a photomask.
[0025]
【The invention's effect】
In the present invention, the protective layer is laminated on the pattern forming layer using a temporary support, and at that time, heat-pressure bonding is performed under reduced pressure. Therefore, the protective layer can be formed on the pattern forming layer with good adhesion. Air bubbles are completely prevented between the layers. Even when the pattern formation layer of the photomask has a thickness on the order of μm, the step (unevenness) on the surface of the protective layer can be suppressed within a range of ± 0.3 μm. Therefore, according to the method of the present invention, it is possible to obtain an effect that it is difficult for dust to collect on the surface of the protective layer, or it is easy to wipe off attached dust. Furthermore, in the protective layer forming method of the present invention, the protective layer is formed using a laminated film provided on a temporary support to be peeled later, so that it is compared with the known protective film provided with an adhesive layer on a transparent support. Thus, the protective layer can be formed thin.