JP2004021066A - レンズ付きフイルムユニットの分解方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】前カバーを分離するときに本体基部の連れ上がりを防止する。
【解決手段】レンズ付きフイルムユニットは、リサイクル時に、撮影レンズ5を上方に向けた姿勢で前カバー14を本体基部から分離する。分離は、複数の解除爪80〜87を結合部に挿入して爪結合を解除し、その後に分離爪80〜87のうちの対向する一対の分離爪80,81の一方を他方に向けて近づけて前カバー14を保持し、次に分離爪80,81を挿入方向とは逆の方向に移動させて前カバー14を本体基部から分離する。このとき、複数の押さえ部材75,76を前カバー14に設けた開口52,54を通して内部の本体基部に押し当てて本体基部の連れ上がりを防止する。
【選択図】 図4
【解決手段】レンズ付きフイルムユニットは、リサイクル時に、撮影レンズ5を上方に向けた姿勢で前カバー14を本体基部から分離する。分離は、複数の解除爪80〜87を結合部に挿入して爪結合を解除し、その後に分離爪80〜87のうちの対向する一対の分離爪80,81の一方を他方に向けて近づけて前カバー14を保持し、次に分離爪80,81を挿入方向とは逆の方向に移動させて前カバー14を本体基部から分離する。このとき、複数の押さえ部材75,76を前カバー14に設けた開口52,54を通して内部の本体基部に押し当てて本体基部の連れ上がりを防止する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する利用分野】
本発明は、レンズ付きフイルムユニットの分解方法及び装置に関し、さらに詳しくは、レンズ付きフイルムユニットをリサイクルするときの分解作業を自動的に行う方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、特願平6−161042号公報には、レンズ付きフイルムユニットをリサイクルするための分解方法が記載されている。その特願平6−161042号公報に記載の解除方法は、2部品を結合している複数の係止爪と被係止部との係合部にそれぞれ解除爪を挿入して係止爪を撓ませながら被係止部との係合を解除し、さらに複数の解除爪のうちの互いに対向し合う少なくとも一対の解除爪の一方を他方に向けて移動させて前記2部品のうちの一方を保持した後、前記一対の解除爪を挿入方向とは異なる方句に移動して前記2部品を分離している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した公報記載の方法では、一対の解除爪を移動させて2部品のうちの一方の部品を保持したまま他方の部品から分離するときに、他方の部品が一方の部品と一緒に持ち上がってしまう恐れがある。このようになると、自動分解装置のトラブルとなり、分解作業が効率良く行えないという欠点があった。
【0004】
本発明は、上述のような背景に鑑みてなされたもので、分離する部品を被分離部品から確実に分離するようにしたレンズ付きフイルムユニットの分解方法及び装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の分解方法では、レンズ付きフイルムユニットを分解位置まで搬送して一定の姿勢で位置決めした後に、前記係止爪と被係止部との係合部に複数の解除爪をそれぞれ挿入して係止爪を撓ませながら被係止部との係合を解除するとともに、前記複数の解除爪のうちの互いに対向し合う少なくとも一対の解除爪の一方を他方に向けて移動させて前記外カバーを保持した後に、前記一対の解除爪を挿入方向とは逆の方向に、前記係止爪が被係止部との結合部を乗り越える高さまで移動して前記外カバーを本体基部から分離する結合解除・分離機構と;前記結合解除・分離機構が外カバーを本体基部から分離する前に、複数の押さえ部材を前記外カバーに設けられた複数の開口を通して前記解除爪の挿入方向と同じ方向に挿入して内部の本体基部を押さえる押さえ機構と;を備えたものである。
【0006】
また、別の発明では、レンズ付きフイルムユニットを分解位置まで搬送して該レンズ付きフイルムユニットの前面を上方に向けた姿勢で位置決めした後、前記複数の開口を通して上方から複数の押さえ部材をそれぞれ挿入してそれら押さえ部材で前記本体基部の一部を上方から同時に押さえるとともに、前記押さえ部材を挿入すると同時、又は挿入後に、複数の解除爪を前記係合解除用開口を通して前記係止爪と被係止部との係合部に前記押さえ部材と同じ挿入方向に挿入する第1の工程と;前記解除爪を挿入した後に前記解除爪を前記係止爪の係止方向とは逆の方向に向けて移動して係止爪を撓ませることで、前記係止爪と被係止部との係合を解除する第2の工程と;前記係合を解除した後に前記複数の解除爪のうちの互いに対向し合う少なくとも一対の解除爪を前記係止爪と被係止部とのいずれか一方が互いの結合位置を乗り越える高さまで移動することで前記外カバーを保持したまま本体基部から分離する第3の工程と;から構成したものである。
【0007】
前カバーを本体基部から分離するときには、爪結合を解除する解除爪で前カバーを保持し、解除爪の挿入方向とは逆の方向に移動して前カバーを本体基部から分離する。このとき、押さえ部材で押さえ付ける場合には、解除爪の挿入方向と同じ方向から押さえ付ける必要がある。このため、押さえ部材を前カバーの開口を通して押さえるようにしている。前カバーと本体基部とを位置決めするための位置決め手段を構成する複数の開口を、押さえ部材を挿入する複数の開口として利用すると、複数の開口の間隔及びサイズが精度良く形成されているため、押さえ部材の挿入を確実に行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、ストロボ内蔵タイプのフイルムユニット2の外観を示すものである。フイルムユニット2は、撮影機構を備えたユニット本体3と、これを収納する外ケース4とから構成されており、この外ケース4を付けたままで写真撮影が行われる。外ケース4は、フイルムユニット2の外観を奇麗にするためのものであり、外面に印刷を施した紙箱又はプラスチックシート等が用いられる。この外ケース4からは、撮影レンズ5、ファインダー窓6、レリーズボタン7、撮影枚数表示板8、巻き上げノブ9、ストロボ充電スイッチ10、ストロボ発光部11、及びストラップ紐通し穴部12が露出されている。ストラップ紐通し穴部12は、フイルムユニットの左側面から突出して設けられている。
【0009】
図2において、ユニット本体3は、写真フイルムカートリッジ13、前カバー14、後カバー15、本体基部16、ストロボユニット17、及び露光ユニット18とから構成されている。前カバー14と後カバー15とがユニット本体3の外カバーを構成している。露光ユニット18は、フイルムカウンタ機構、シャッタ機構、フイルム巻止め機構、及び撮影レンズ5等の露光付与機構を一緒に組み込んで一体化したユニット部品であり、本体基部16に設けたアパーチャー19の前面に爪結合により着脱自在に取り付けられる。
【0010】
本体基部16には、アパーチャー19を挟んだ両側に、カートリッジ20が装填されるカートリッジ室21と、カートリッジ20からロール状の形態で引き出した未露光の写真フイルム22が収納されるフイルム収納室23とが一体に形成されている。本体基部16の背面側は開口されており、ここに取り付けられる後カバー15との間で写真フイルム22を光密に収納する。カートリッジ室21の上には、カートリッジ室に露呈してカートリッジのスプール24に係合する巻き上げノブ9が着脱自在に設けられている。巻き上げノブ9は一部が後カバー15に設けた開口25から露呈している。露呈した巻き上げノブ9の一部を巻き上げ操作することで写真フイルム22は、撮影するごとにフイルム収納室23からカートリッジ室21に向けて巻き上げられる。
【0011】
カートリッジ室21とフイルム収納室23との底は開口となっており、後カバー15の一部を薄厚にして開閉自在に形成したプルトップ式の底蓋26,27によって塞がれる。カートリッジ室21の底蓋26は、現像所でカートリッジ20を取り出すときの蓋となる。
【0012】
ストロボユニット17は、プリント基板28に、ストロボ充電回路等を含む回路要素、ストロボ発光部11、シンクロスイッチ、電池接片、メインコンデンサ等の電子部品を一緒に取り付けてユニット化したストロボ部品と、電池接片に着脱自在に接続される電源電池29とからなる。このストロボユニット17は、爪結合により本体基部16に着脱自在に取り付けられ、前カバー14との間に配される。電源電池29は、露光ユニット18の下に、長手方向をフイルム給送方向に沿わした姿勢で配置される。
【0013】
プリント基板28には、ストロボ充電回路を作動させるための2つの接点が露呈されており、これらの接点と前カバー14との間には、金属接片30が配されている。金属接片30は、ストロボ充電スイッチ10の操作により弾性変形して前記接片を短絡する。
【0014】
前カバー14と本体基部16とを結合する結合手段は、ユニット本体3の前面に2カ所、左右側面にそれぞれ2カ所ずつ設けられている。前面の2カ所は、前カバー14の内壁に設けた係止爪32,33と本体基部16に設けた被係止部34,35とからなる。係止爪32は、本体基部に向けて突出した支持板とその先端に設けられた爪とからなり、支持板が弾性自在となっている。前カバー14には、その爪を金型成形で形成するために必要な開口36,37が形成されている。これら開口36,37は、係止爪32,33と被係止部34,35との結合部を外部に露呈しており、通常は外ケース4によって隠されている。
【0015】
残りの結合手段は、前カバー14の左・右側面の端寄りに設けた開口38〜41と、本体基部16の左・右側面に設けた爪突起42〜45とで構成されている。開口38〜41は、前カバー14左・右側面の端を爪突起42〜45の爪を乗り越える高さまで弾性変形した後に爪突起42〜45が入り込むことでその爪に開口縁が係止される。
【0016】
また、前カバー14は、後カバー15とも結合手段で結合されている。結合位置は、ユニット本体3の上面の二カ所の位置となっている。一カ所は、前カバー14の上面の端寄りに設けた開口47と、後カバー15に設けた係止爪48とで構成されている。係止爪48は、上面の一部を切り欠いて弾性変形自在に設けられており、前カバー14の開口47の縁に係止される。他方の結合手段は、後カバー15に設けた係止爪49と、前カバー14の上面の内壁に設けた被係止部50とからなる。この係止爪49は、開口25の縁の内壁に形成されている。
【0017】
また、後カバー15も、本体基部16との間で爪結合により着脱自在に取り付けられる。したがって、この例のフイルムユニット2では、本体基部16に対して露光ユニット18、ストロボユニット17、前カバー14、及び、後カバー15がそれぞれ着脱自在に取り付けられている。ストラップ紐通し穴部12は、本体基部16に設けられている。
【0018】
また、前カバー14と本体基部16とには、組立時に位置決めするための位置決め手段が複数設けられている。位置決め手段は、前カバー14の前面に撮影レンズ5を挟んだ両側の位置に二カ所あり、そのうちの一方は、前カバー14に設けた円状の開口52と、前カバー14の取り付け方向に本体基部16から突出した円状の突起53とで構成され、突起53が開口52の内部の縁に当接する。他方は、前カバー14に設けた長穴状の開口54と、前カバー14の取り付け方向に本体基部16から突出した長穴状の突起55とで構成されており、突起55の一部に開口54の内部の縁が当接して前カバー14を突起53の軸線周りでの位置決めする。このようなフイルムユニット2は、使用後に工場に回収され、工場で分解される。
【0019】
【実施例】
フイルムユニット2の分解ラインについて説明する。図3に示すように、フイルムユニットは、まず、外ケース取り外し工程60に送られ、ここで、外ケース4が取り除かれる。また、外ケース4を取り外したフイルムユニット2は、前カバー浮き検査工程62に送られる。
【0020】
前カバー浮き検査工程62からは、ユニット本体3をパレットに載置して各工程に搬送する分解ライン63となっている。パレットには、ユニット本体3が前カバー14を上方に向けた姿勢で固定される。各工程には位置決め手段が配置され、これらの位置決め手段により各ユニット本体3はパレット上で高精度で位置決めされる。
【0021】
前カバー浮き検査工程62では、ユニット本体3の高さを光電センサを用いて測定し、そのデータから前カバー14が浮いているか否かを識別する。そして、浮いていないものだけを次工程に送る。
【0022】
分解ライン50は、前カバー浮き検査工程62、前カバー外し工程64、金属接片外し工程65、電池蓋及び底蓋開き工程66、カートリッジ有り製品排出工程67、電源電池取り出し工程68、ストロボユニット外し工程69、後カバー外し工程70、及び、巻き上げノブ及び後カバー排出工程71の順で構成されている。そして、後カバー外し工程70で後カバー15が外された本体ユニット、すなわち本体基部16と露光ユニット18とを組み付けた形態としたものが、本体ユニット検査工程72に搬送され、ここで検査等を行った後にリユースされる。
【0023】
前カバー外し工程64には、前カバー分解装置が配置されている。前カバー分解装置は、押さえ機構、結合解除機構、及び、分離機構で構成されている。ここで、ユニット本体3は前面を上方に向けた姿勢でパレットに位置決めされている。押さえ機構は、図4に示すように、複数の押さえ部材75,76,78で本体基部16及び後カバー15をパレットに向けて押さえる。
【0024】
複数の押さえ部材75,76,78のうちの2つの押さえ部材75,76は、前カバー14の前面から押さえる。一方の押さえ部材75は、前カバー14の開口52を通して本体基部16の突起53を押さえる。また、他方の押さえ部材76は、前カバー14の開口54を通して本体基部16の突起55を押さえる。残りの押さえ部材78は、本体基部16のストラップ紐通し穴部12を上方から押さえる。
【0025】
結合解除機構は、押さえ機構の押さえ動作に同期して、又は押さえ動作が行われた後に、複数の解除爪80〜87を前カバー14に対して結合されている係合部に向けてそれぞれ挿入する。複数の解除爪80〜87のうちの解除爪80、81は、開口36,37を通して前カバー14の内壁に設けた係止爪32,33と本体基部16に設けた被係止部34,35と結合部に直進的に挿入される。その後、図10に示すように、軸91,92を中心として回転することで係止爪32,33を撓ませて被係止部34,35との係合を解除する。
【0026】
残りの解除爪82〜86は、図5に示すように、軸95,96を中心として回転することで開口38〜41,47を形成した前カバー14と後カバー15との合わせ目に挿入され、開口38〜41,47を設けた前カバー14の左・右側面及び上面を爪突起42〜45,48の高さを超える位置まで弾性変形させる。なお、図示していないが、解除爪87は、駆動手段の駆動を利用して開口25からユニット本体3の内部に直進的に挿入され、挿入後に回転駆動手段の駆動を利用して先端を回転して係止爪49と被係止部50との結合を解除する。係止爪49と被係止部50との結合を解除する方法としては、図6に示すように、破壊用治具で巻上げノブ9を露呈する開口25の4縁のうちの最も弱い縁の壁200を壊した後に、図7に示すように、解除棒77で後カバー15をその上面から底面に向けて押して後カバー15の上面を弾性変形させることでも行ってもよい。
【0027】
押さえ部材75,76は、図8に示すように、保持部材90に保持されている。保持部材90は、昇降自在に設けられ、駆動部89の駆動により押さえ部材75,76を昇降させる。
【0028】
押さえ部材75の先端は、図9に示すように、ガイド部75aが設けられている。ガイド部75aは、周面がテーパー状となっており、押さえ部材75を突起53の先端に設けた開口53aにガイドする。ガイド部75aは、押さえ部材75の先端面よりも小径で形成されている。これにより、押さえ部材75は、先端面とガイド部75aとの間の隙間の平面75bで突起53の開口53aの周面53bを押さえる。他方の押さえ部材76も押さえ部材75の先端と同じ形状となっている。
【0029】
解除爪80,81は、図10に示すように、互いに対向して配されており、軸91,92を中心として回転自在となっている。そして、解除爪80,81は、結合部に挿入された後に、互いが近寄る方向にそれぞれ回転して前カバー14の係合を解除した後にこれを保持し、係止爪32,33が被係止部34,35を乗り越える高さまで挿入方向とは逆の方向に向けて前カバー14を移動させて分離する。解除爪80,81のうちの少なくとも一方を他方に向けて移動させることで前カバー14との係止を解除及び保持とを行う構成にしてもよい。
【0030】
解除爪80,81は、図11に示すように、チャック機構93の駆動により軸91,92を中心として回転する。チャック機構93は、駆動部94とその駆動部94の駆動を利用して解除爪80,81を同時に回転させる回転機構99とで構成されている。そのチャック機構93は、プレート105により保持されている。プレート105は昇降機構108により昇降されるとともに、プレート102に取り付けられている。昇降機構108は、駆動部107の駆動によりプレート105を昇降する。プレート102は、昇降機構97により昇降される。昇降機構97は、駆動部98a,98bの駆動によりプレート102を昇降する。
【0031】
プレート102には、解除爪82〜85を回転させる一対の回転機構100、101も取り付けられている。一方の回転機構100は、駆動部103の駆動を利用して軸96を中心に解除爪82,83を回転させる。他方の回転機構101も、駆動部104の駆動を利用して軸95を中心に解除爪84,85を回転させる。これら回転機構100,101は、プレート102が所定位置まで下降した後でかつチャック機構93が作動する前又は同時に動作するように、昇降機構97とチャック機構93とに同期して制御される。なお、一方の回転機構100は、ユニット本体3の横長さの種類に対応してスライドすることができる構造(図示なし)となっていてもよい。
【0032】
パレットが前カバー外し工程64に位置決めされると、その位置決め完了信号に応答して押さえ機構の駆動部89が駆動して保持部材90を所定位置まで下降する。保持部材90が下降すると、押さえ部材75,76が前カバー14の開口52,54を通して本体基部16の突起53,55を押さえる。またこれらに加えて、他方の押さえ部材78を用いて別の駆動機構により本体基部16のストラップ紐通し穴部12を上方から押さえてもよい。
【0033】
押さえ機構からの押さえ完了信号を受けて昇降機構97が動作してプレート102を所定位置まで下降させる。これにより、一対の解除爪81,80が前カバー14の開口36,37を通して係止爪32,33と被係止部34,35との係合部に挿入される。このとき、解除爪82〜85がユニット本体3の左右側面の結合部に近傍まで下降する。なお、押さえ部材75,76あるいは押さえ部材78をプレート102に取り付けることで、昇降機構97を押さえ部材75,76あるいは押さえ部材78の駆動機構としても用いることができ、押さえ機構の駆動部89を単独で準備する必要がなくなり、コストダウンを図ることができる。
【0034】
プレート102が所定位置に下降することに応答してチャック機構93の駆動部94が駆動して回転機構99が解除爪80,81を内側に向けて回転させる。これにより、一対の解除爪81,80は、前カバー14の係止爪32,33を撓ませ、これらの係止爪32,33と本体基部16の被係止部34,35との係合を解除するとともに、このままの姿勢を保つことで前カバー14を保持する。
【0035】
また、プレート102が所定位置に下降することに応答して回転機構100,101も作動する。これにより解除爪82〜85が回転して前カバー14の左・右側面を爪突起42〜45の高さを超える位置まで弾性変形させる。なお、残りの解除爪86,87もプレート102が所定位置に下降することに応答して別の駆動機構によりそれぞれ挿入されて結合を解除する。なお、解除爪87に代えて解除棒77にて係止を解除してもよい。
【0036】
前カバー14に対する結合部のすべてが解除された後には、昇降機構108がプレート105を上昇させる。これにより、解除爪80,81が前カバー14を保持した状態で上昇して前カバー14を本体基部16から分離する。このとき昇降機構97が非動作となっているため、解除爪82〜85は解除位置のままで止まっている。また昇降機構108の上昇は、被係止部34,35が係止爪32,33との結合位置を超える高さで停止する。この高さまで上昇させることで、左・右側面の開口38〜41も爪突起42〜45を乗り越える位置となる。
【0037】
チャック機構93及び回転機構100,101は、昇降機構108からの分離完了信号に応答して作動して解除爪80〜85を初期位置に戻して前カバー14の保持及び爪外しを解除する。これにより、前カバー14が解除爪80,81により外れて落下し、本体基部16の上に置かれた状態となる。しかる後に昇降機構97によりプレート102を上昇させ、前カバー14の係合爪外し動作を完了させる。そして、次の工程にて既に係合の外れた前カバー14を取り出して排出する。なお、前カバー外し工程64で前カバー14を排出してもよい。
【0038】
上記実施形態で説明した前カバー14が本願発明の外カバーに相当し、また、係止爪32,33と被係止部34,35とが本願発明の係止爪と被係止部とに、さらに、解除爪81,80が本願発明の一対の解除爪にそれぞれ相当する。本発明では、本体基部から分離する外カバーとしては前カバー14に限らず、例えば後カバーとしてもよい。
【0039】
なお、押さえ部材が押さえる位置としては、前カバー14に設けた撮影窓を通して撮影レンズ5の鍔や鏡筒を押さてもよい。また、前カバー14から露呈されるストロボ充電スイッチ10を押さえてもよい。この場合には、ストロボ充電スイッチ10を前カバー14と別に設け、本体基部16との間で挟装するように構成すればよい。
【0040】
上記実施例では、分解ラインの各工程に配置した装置がレンズ付きフイルムユニットを構成する特定の部品を取り外すようになっているが、本発明ではこれらの部品に限定されることなく、いずれの部品でよい。また、各装置の動作も上記実施例に限定することなく、従来から周知の動作をもつ機構も採用することができる。また、上記実施例では、露光ユニット18が本体基部16から分離可能なタイプとしているが、本発明ではこれに限らず、分離できないタイプ、すなわち、本体基部16に少なくとも撮影レンズやシャッタ機構等のメカ機構を組み込んだタイプでもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明では、解除爪で前カバーを本体基部から分離するときに、前カバーの開口を通して解除爪の挿入方向と同じ方向から押さえ部材を本体基部に押し当てて押さえるようにしたから、装置の構成が容易であり、ローコストでかつ確実に分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レンズ付きフイルムユニットの外観を示す斜視図である。
【図2】ユニット本体の分解斜視図である。
【図3】リサイクル時に分解工程を示すフローチャートである。
【図4】前カバーを分離する押さえ部材と解除爪とを示す説明図である。
【図5】前カバーの左・右側面での結合を解除する解除爪を示す説明図である。
【図6】解除爪の解除方法の他の例を示す説明図である。
【図7】図6で説明した他の解除方法を用いて結合を解除する状態を示す説明図である。
【図8】押さえ機構を示す説明図である。
【図9】押さえ部材の先端形状を示す説明図である。
【図10】前カバーの前面での結合を解除する解除爪を示す説明図である。
【図11】結合解除及び分離機構を示す説明図である。
【符号の説明】
2 レンズ付きフイルムユニット
3 ユニット本体
12 ストラップ紐穴部
14 前カバー
15 後カバー
16 本体基部
36,37 開口
75,76,78 押さえ部材
77 解除棒
80〜87 解除爪
【発明の属する利用分野】
本発明は、レンズ付きフイルムユニットの分解方法及び装置に関し、さらに詳しくは、レンズ付きフイルムユニットをリサイクルするときの分解作業を自動的に行う方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、特願平6−161042号公報には、レンズ付きフイルムユニットをリサイクルするための分解方法が記載されている。その特願平6−161042号公報に記載の解除方法は、2部品を結合している複数の係止爪と被係止部との係合部にそれぞれ解除爪を挿入して係止爪を撓ませながら被係止部との係合を解除し、さらに複数の解除爪のうちの互いに対向し合う少なくとも一対の解除爪の一方を他方に向けて移動させて前記2部品のうちの一方を保持した後、前記一対の解除爪を挿入方向とは異なる方句に移動して前記2部品を分離している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した公報記載の方法では、一対の解除爪を移動させて2部品のうちの一方の部品を保持したまま他方の部品から分離するときに、他方の部品が一方の部品と一緒に持ち上がってしまう恐れがある。このようになると、自動分解装置のトラブルとなり、分解作業が効率良く行えないという欠点があった。
【0004】
本発明は、上述のような背景に鑑みてなされたもので、分離する部品を被分離部品から確実に分離するようにしたレンズ付きフイルムユニットの分解方法及び装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の分解方法では、レンズ付きフイルムユニットを分解位置まで搬送して一定の姿勢で位置決めした後に、前記係止爪と被係止部との係合部に複数の解除爪をそれぞれ挿入して係止爪を撓ませながら被係止部との係合を解除するとともに、前記複数の解除爪のうちの互いに対向し合う少なくとも一対の解除爪の一方を他方に向けて移動させて前記外カバーを保持した後に、前記一対の解除爪を挿入方向とは逆の方向に、前記係止爪が被係止部との結合部を乗り越える高さまで移動して前記外カバーを本体基部から分離する結合解除・分離機構と;前記結合解除・分離機構が外カバーを本体基部から分離する前に、複数の押さえ部材を前記外カバーに設けられた複数の開口を通して前記解除爪の挿入方向と同じ方向に挿入して内部の本体基部を押さえる押さえ機構と;を備えたものである。
【0006】
また、別の発明では、レンズ付きフイルムユニットを分解位置まで搬送して該レンズ付きフイルムユニットの前面を上方に向けた姿勢で位置決めした後、前記複数の開口を通して上方から複数の押さえ部材をそれぞれ挿入してそれら押さえ部材で前記本体基部の一部を上方から同時に押さえるとともに、前記押さえ部材を挿入すると同時、又は挿入後に、複数の解除爪を前記係合解除用開口を通して前記係止爪と被係止部との係合部に前記押さえ部材と同じ挿入方向に挿入する第1の工程と;前記解除爪を挿入した後に前記解除爪を前記係止爪の係止方向とは逆の方向に向けて移動して係止爪を撓ませることで、前記係止爪と被係止部との係合を解除する第2の工程と;前記係合を解除した後に前記複数の解除爪のうちの互いに対向し合う少なくとも一対の解除爪を前記係止爪と被係止部とのいずれか一方が互いの結合位置を乗り越える高さまで移動することで前記外カバーを保持したまま本体基部から分離する第3の工程と;から構成したものである。
【0007】
前カバーを本体基部から分離するときには、爪結合を解除する解除爪で前カバーを保持し、解除爪の挿入方向とは逆の方向に移動して前カバーを本体基部から分離する。このとき、押さえ部材で押さえ付ける場合には、解除爪の挿入方向と同じ方向から押さえ付ける必要がある。このため、押さえ部材を前カバーの開口を通して押さえるようにしている。前カバーと本体基部とを位置決めするための位置決め手段を構成する複数の開口を、押さえ部材を挿入する複数の開口として利用すると、複数の開口の間隔及びサイズが精度良く形成されているため、押さえ部材の挿入を確実に行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、ストロボ内蔵タイプのフイルムユニット2の外観を示すものである。フイルムユニット2は、撮影機構を備えたユニット本体3と、これを収納する外ケース4とから構成されており、この外ケース4を付けたままで写真撮影が行われる。外ケース4は、フイルムユニット2の外観を奇麗にするためのものであり、外面に印刷を施した紙箱又はプラスチックシート等が用いられる。この外ケース4からは、撮影レンズ5、ファインダー窓6、レリーズボタン7、撮影枚数表示板8、巻き上げノブ9、ストロボ充電スイッチ10、ストロボ発光部11、及びストラップ紐通し穴部12が露出されている。ストラップ紐通し穴部12は、フイルムユニットの左側面から突出して設けられている。
【0009】
図2において、ユニット本体3は、写真フイルムカートリッジ13、前カバー14、後カバー15、本体基部16、ストロボユニット17、及び露光ユニット18とから構成されている。前カバー14と後カバー15とがユニット本体3の外カバーを構成している。露光ユニット18は、フイルムカウンタ機構、シャッタ機構、フイルム巻止め機構、及び撮影レンズ5等の露光付与機構を一緒に組み込んで一体化したユニット部品であり、本体基部16に設けたアパーチャー19の前面に爪結合により着脱自在に取り付けられる。
【0010】
本体基部16には、アパーチャー19を挟んだ両側に、カートリッジ20が装填されるカートリッジ室21と、カートリッジ20からロール状の形態で引き出した未露光の写真フイルム22が収納されるフイルム収納室23とが一体に形成されている。本体基部16の背面側は開口されており、ここに取り付けられる後カバー15との間で写真フイルム22を光密に収納する。カートリッジ室21の上には、カートリッジ室に露呈してカートリッジのスプール24に係合する巻き上げノブ9が着脱自在に設けられている。巻き上げノブ9は一部が後カバー15に設けた開口25から露呈している。露呈した巻き上げノブ9の一部を巻き上げ操作することで写真フイルム22は、撮影するごとにフイルム収納室23からカートリッジ室21に向けて巻き上げられる。
【0011】
カートリッジ室21とフイルム収納室23との底は開口となっており、後カバー15の一部を薄厚にして開閉自在に形成したプルトップ式の底蓋26,27によって塞がれる。カートリッジ室21の底蓋26は、現像所でカートリッジ20を取り出すときの蓋となる。
【0012】
ストロボユニット17は、プリント基板28に、ストロボ充電回路等を含む回路要素、ストロボ発光部11、シンクロスイッチ、電池接片、メインコンデンサ等の電子部品を一緒に取り付けてユニット化したストロボ部品と、電池接片に着脱自在に接続される電源電池29とからなる。このストロボユニット17は、爪結合により本体基部16に着脱自在に取り付けられ、前カバー14との間に配される。電源電池29は、露光ユニット18の下に、長手方向をフイルム給送方向に沿わした姿勢で配置される。
【0013】
プリント基板28には、ストロボ充電回路を作動させるための2つの接点が露呈されており、これらの接点と前カバー14との間には、金属接片30が配されている。金属接片30は、ストロボ充電スイッチ10の操作により弾性変形して前記接片を短絡する。
【0014】
前カバー14と本体基部16とを結合する結合手段は、ユニット本体3の前面に2カ所、左右側面にそれぞれ2カ所ずつ設けられている。前面の2カ所は、前カバー14の内壁に設けた係止爪32,33と本体基部16に設けた被係止部34,35とからなる。係止爪32は、本体基部に向けて突出した支持板とその先端に設けられた爪とからなり、支持板が弾性自在となっている。前カバー14には、その爪を金型成形で形成するために必要な開口36,37が形成されている。これら開口36,37は、係止爪32,33と被係止部34,35との結合部を外部に露呈しており、通常は外ケース4によって隠されている。
【0015】
残りの結合手段は、前カバー14の左・右側面の端寄りに設けた開口38〜41と、本体基部16の左・右側面に設けた爪突起42〜45とで構成されている。開口38〜41は、前カバー14左・右側面の端を爪突起42〜45の爪を乗り越える高さまで弾性変形した後に爪突起42〜45が入り込むことでその爪に開口縁が係止される。
【0016】
また、前カバー14は、後カバー15とも結合手段で結合されている。結合位置は、ユニット本体3の上面の二カ所の位置となっている。一カ所は、前カバー14の上面の端寄りに設けた開口47と、後カバー15に設けた係止爪48とで構成されている。係止爪48は、上面の一部を切り欠いて弾性変形自在に設けられており、前カバー14の開口47の縁に係止される。他方の結合手段は、後カバー15に設けた係止爪49と、前カバー14の上面の内壁に設けた被係止部50とからなる。この係止爪49は、開口25の縁の内壁に形成されている。
【0017】
また、後カバー15も、本体基部16との間で爪結合により着脱自在に取り付けられる。したがって、この例のフイルムユニット2では、本体基部16に対して露光ユニット18、ストロボユニット17、前カバー14、及び、後カバー15がそれぞれ着脱自在に取り付けられている。ストラップ紐通し穴部12は、本体基部16に設けられている。
【0018】
また、前カバー14と本体基部16とには、組立時に位置決めするための位置決め手段が複数設けられている。位置決め手段は、前カバー14の前面に撮影レンズ5を挟んだ両側の位置に二カ所あり、そのうちの一方は、前カバー14に設けた円状の開口52と、前カバー14の取り付け方向に本体基部16から突出した円状の突起53とで構成され、突起53が開口52の内部の縁に当接する。他方は、前カバー14に設けた長穴状の開口54と、前カバー14の取り付け方向に本体基部16から突出した長穴状の突起55とで構成されており、突起55の一部に開口54の内部の縁が当接して前カバー14を突起53の軸線周りでの位置決めする。このようなフイルムユニット2は、使用後に工場に回収され、工場で分解される。
【0019】
【実施例】
フイルムユニット2の分解ラインについて説明する。図3に示すように、フイルムユニットは、まず、外ケース取り外し工程60に送られ、ここで、外ケース4が取り除かれる。また、外ケース4を取り外したフイルムユニット2は、前カバー浮き検査工程62に送られる。
【0020】
前カバー浮き検査工程62からは、ユニット本体3をパレットに載置して各工程に搬送する分解ライン63となっている。パレットには、ユニット本体3が前カバー14を上方に向けた姿勢で固定される。各工程には位置決め手段が配置され、これらの位置決め手段により各ユニット本体3はパレット上で高精度で位置決めされる。
【0021】
前カバー浮き検査工程62では、ユニット本体3の高さを光電センサを用いて測定し、そのデータから前カバー14が浮いているか否かを識別する。そして、浮いていないものだけを次工程に送る。
【0022】
分解ライン50は、前カバー浮き検査工程62、前カバー外し工程64、金属接片外し工程65、電池蓋及び底蓋開き工程66、カートリッジ有り製品排出工程67、電源電池取り出し工程68、ストロボユニット外し工程69、後カバー外し工程70、及び、巻き上げノブ及び後カバー排出工程71の順で構成されている。そして、後カバー外し工程70で後カバー15が外された本体ユニット、すなわち本体基部16と露光ユニット18とを組み付けた形態としたものが、本体ユニット検査工程72に搬送され、ここで検査等を行った後にリユースされる。
【0023】
前カバー外し工程64には、前カバー分解装置が配置されている。前カバー分解装置は、押さえ機構、結合解除機構、及び、分離機構で構成されている。ここで、ユニット本体3は前面を上方に向けた姿勢でパレットに位置決めされている。押さえ機構は、図4に示すように、複数の押さえ部材75,76,78で本体基部16及び後カバー15をパレットに向けて押さえる。
【0024】
複数の押さえ部材75,76,78のうちの2つの押さえ部材75,76は、前カバー14の前面から押さえる。一方の押さえ部材75は、前カバー14の開口52を通して本体基部16の突起53を押さえる。また、他方の押さえ部材76は、前カバー14の開口54を通して本体基部16の突起55を押さえる。残りの押さえ部材78は、本体基部16のストラップ紐通し穴部12を上方から押さえる。
【0025】
結合解除機構は、押さえ機構の押さえ動作に同期して、又は押さえ動作が行われた後に、複数の解除爪80〜87を前カバー14に対して結合されている係合部に向けてそれぞれ挿入する。複数の解除爪80〜87のうちの解除爪80、81は、開口36,37を通して前カバー14の内壁に設けた係止爪32,33と本体基部16に設けた被係止部34,35と結合部に直進的に挿入される。その後、図10に示すように、軸91,92を中心として回転することで係止爪32,33を撓ませて被係止部34,35との係合を解除する。
【0026】
残りの解除爪82〜86は、図5に示すように、軸95,96を中心として回転することで開口38〜41,47を形成した前カバー14と後カバー15との合わせ目に挿入され、開口38〜41,47を設けた前カバー14の左・右側面及び上面を爪突起42〜45,48の高さを超える位置まで弾性変形させる。なお、図示していないが、解除爪87は、駆動手段の駆動を利用して開口25からユニット本体3の内部に直進的に挿入され、挿入後に回転駆動手段の駆動を利用して先端を回転して係止爪49と被係止部50との結合を解除する。係止爪49と被係止部50との結合を解除する方法としては、図6に示すように、破壊用治具で巻上げノブ9を露呈する開口25の4縁のうちの最も弱い縁の壁200を壊した後に、図7に示すように、解除棒77で後カバー15をその上面から底面に向けて押して後カバー15の上面を弾性変形させることでも行ってもよい。
【0027】
押さえ部材75,76は、図8に示すように、保持部材90に保持されている。保持部材90は、昇降自在に設けられ、駆動部89の駆動により押さえ部材75,76を昇降させる。
【0028】
押さえ部材75の先端は、図9に示すように、ガイド部75aが設けられている。ガイド部75aは、周面がテーパー状となっており、押さえ部材75を突起53の先端に設けた開口53aにガイドする。ガイド部75aは、押さえ部材75の先端面よりも小径で形成されている。これにより、押さえ部材75は、先端面とガイド部75aとの間の隙間の平面75bで突起53の開口53aの周面53bを押さえる。他方の押さえ部材76も押さえ部材75の先端と同じ形状となっている。
【0029】
解除爪80,81は、図10に示すように、互いに対向して配されており、軸91,92を中心として回転自在となっている。そして、解除爪80,81は、結合部に挿入された後に、互いが近寄る方向にそれぞれ回転して前カバー14の係合を解除した後にこれを保持し、係止爪32,33が被係止部34,35を乗り越える高さまで挿入方向とは逆の方向に向けて前カバー14を移動させて分離する。解除爪80,81のうちの少なくとも一方を他方に向けて移動させることで前カバー14との係止を解除及び保持とを行う構成にしてもよい。
【0030】
解除爪80,81は、図11に示すように、チャック機構93の駆動により軸91,92を中心として回転する。チャック機構93は、駆動部94とその駆動部94の駆動を利用して解除爪80,81を同時に回転させる回転機構99とで構成されている。そのチャック機構93は、プレート105により保持されている。プレート105は昇降機構108により昇降されるとともに、プレート102に取り付けられている。昇降機構108は、駆動部107の駆動によりプレート105を昇降する。プレート102は、昇降機構97により昇降される。昇降機構97は、駆動部98a,98bの駆動によりプレート102を昇降する。
【0031】
プレート102には、解除爪82〜85を回転させる一対の回転機構100、101も取り付けられている。一方の回転機構100は、駆動部103の駆動を利用して軸96を中心に解除爪82,83を回転させる。他方の回転機構101も、駆動部104の駆動を利用して軸95を中心に解除爪84,85を回転させる。これら回転機構100,101は、プレート102が所定位置まで下降した後でかつチャック機構93が作動する前又は同時に動作するように、昇降機構97とチャック機構93とに同期して制御される。なお、一方の回転機構100は、ユニット本体3の横長さの種類に対応してスライドすることができる構造(図示なし)となっていてもよい。
【0032】
パレットが前カバー外し工程64に位置決めされると、その位置決め完了信号に応答して押さえ機構の駆動部89が駆動して保持部材90を所定位置まで下降する。保持部材90が下降すると、押さえ部材75,76が前カバー14の開口52,54を通して本体基部16の突起53,55を押さえる。またこれらに加えて、他方の押さえ部材78を用いて別の駆動機構により本体基部16のストラップ紐通し穴部12を上方から押さえてもよい。
【0033】
押さえ機構からの押さえ完了信号を受けて昇降機構97が動作してプレート102を所定位置まで下降させる。これにより、一対の解除爪81,80が前カバー14の開口36,37を通して係止爪32,33と被係止部34,35との係合部に挿入される。このとき、解除爪82〜85がユニット本体3の左右側面の結合部に近傍まで下降する。なお、押さえ部材75,76あるいは押さえ部材78をプレート102に取り付けることで、昇降機構97を押さえ部材75,76あるいは押さえ部材78の駆動機構としても用いることができ、押さえ機構の駆動部89を単独で準備する必要がなくなり、コストダウンを図ることができる。
【0034】
プレート102が所定位置に下降することに応答してチャック機構93の駆動部94が駆動して回転機構99が解除爪80,81を内側に向けて回転させる。これにより、一対の解除爪81,80は、前カバー14の係止爪32,33を撓ませ、これらの係止爪32,33と本体基部16の被係止部34,35との係合を解除するとともに、このままの姿勢を保つことで前カバー14を保持する。
【0035】
また、プレート102が所定位置に下降することに応答して回転機構100,101も作動する。これにより解除爪82〜85が回転して前カバー14の左・右側面を爪突起42〜45の高さを超える位置まで弾性変形させる。なお、残りの解除爪86,87もプレート102が所定位置に下降することに応答して別の駆動機構によりそれぞれ挿入されて結合を解除する。なお、解除爪87に代えて解除棒77にて係止を解除してもよい。
【0036】
前カバー14に対する結合部のすべてが解除された後には、昇降機構108がプレート105を上昇させる。これにより、解除爪80,81が前カバー14を保持した状態で上昇して前カバー14を本体基部16から分離する。このとき昇降機構97が非動作となっているため、解除爪82〜85は解除位置のままで止まっている。また昇降機構108の上昇は、被係止部34,35が係止爪32,33との結合位置を超える高さで停止する。この高さまで上昇させることで、左・右側面の開口38〜41も爪突起42〜45を乗り越える位置となる。
【0037】
チャック機構93及び回転機構100,101は、昇降機構108からの分離完了信号に応答して作動して解除爪80〜85を初期位置に戻して前カバー14の保持及び爪外しを解除する。これにより、前カバー14が解除爪80,81により外れて落下し、本体基部16の上に置かれた状態となる。しかる後に昇降機構97によりプレート102を上昇させ、前カバー14の係合爪外し動作を完了させる。そして、次の工程にて既に係合の外れた前カバー14を取り出して排出する。なお、前カバー外し工程64で前カバー14を排出してもよい。
【0038】
上記実施形態で説明した前カバー14が本願発明の外カバーに相当し、また、係止爪32,33と被係止部34,35とが本願発明の係止爪と被係止部とに、さらに、解除爪81,80が本願発明の一対の解除爪にそれぞれ相当する。本発明では、本体基部から分離する外カバーとしては前カバー14に限らず、例えば後カバーとしてもよい。
【0039】
なお、押さえ部材が押さえる位置としては、前カバー14に設けた撮影窓を通して撮影レンズ5の鍔や鏡筒を押さてもよい。また、前カバー14から露呈されるストロボ充電スイッチ10を押さえてもよい。この場合には、ストロボ充電スイッチ10を前カバー14と別に設け、本体基部16との間で挟装するように構成すればよい。
【0040】
上記実施例では、分解ラインの各工程に配置した装置がレンズ付きフイルムユニットを構成する特定の部品を取り外すようになっているが、本発明ではこれらの部品に限定されることなく、いずれの部品でよい。また、各装置の動作も上記実施例に限定することなく、従来から周知の動作をもつ機構も採用することができる。また、上記実施例では、露光ユニット18が本体基部16から分離可能なタイプとしているが、本発明ではこれに限らず、分離できないタイプ、すなわち、本体基部16に少なくとも撮影レンズやシャッタ機構等のメカ機構を組み込んだタイプでもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明では、解除爪で前カバーを本体基部から分離するときに、前カバーの開口を通して解除爪の挿入方向と同じ方向から押さえ部材を本体基部に押し当てて押さえるようにしたから、装置の構成が容易であり、ローコストでかつ確実に分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レンズ付きフイルムユニットの外観を示す斜視図である。
【図2】ユニット本体の分解斜視図である。
【図3】リサイクル時に分解工程を示すフローチャートである。
【図4】前カバーを分離する押さえ部材と解除爪とを示す説明図である。
【図5】前カバーの左・右側面での結合を解除する解除爪を示す説明図である。
【図6】解除爪の解除方法の他の例を示す説明図である。
【図7】図6で説明した他の解除方法を用いて結合を解除する状態を示す説明図である。
【図8】押さえ機構を示す説明図である。
【図9】押さえ部材の先端形状を示す説明図である。
【図10】前カバーの前面での結合を解除する解除爪を示す説明図である。
【図11】結合解除及び分離機構を示す説明図である。
【符号の説明】
2 レンズ付きフイルムユニット
3 ユニット本体
12 ストラップ紐穴部
14 前カバー
15 後カバー
16 本体基部
36,37 開口
75,76,78 押さえ部材
77 解除棒
80〜87 解除爪
Claims (3)
- 製造時に写真フイルムとパトローネとを装填する本体基部と、その本体基部の外周の一部を覆う外カバーとの2部品のうちのいずれかに複数の係止爪を、他方に前記係止爪に対応して被係止部を一体に形成し、前記係止爪と被係止部との係合により前記外カバーと内蔵部品とを互いに結合したレンズ付きフイルムユニットの分解装置において、
レンズ付きフイルムユニットを分解位置まで搬送して一定の姿勢で位置決めした後に、前記係止爪と被係止部との係合部に複数の解除爪をそれぞれ挿入して係止爪を撓ませながら被係止部との係合を解除するとともに、前記複数の解除爪のうちの互いに対向し合う少なくとも一対の解除爪の一方を他方に向けて移動させて前記外カバーを保持した後に、前記一対の解除爪を挿入方向とは逆の方向に、前記係止爪が被係止部との結合部を乗り越える高さまで移動して前記外カバーを本体基部から分離する結合解除・分離機構と、
前記結合解除・分離機構が外カバーを本体基部から分離する前に、複数の押さえ部材を前記外カバーに設けられた複数の開口を通して前記解除爪の挿入方向と同じ方向に挿入して内部の本体基部を押さえる押さえ機構と、
を備えたことを特徴とするレンズ付きフイルムユニットの分解装置。 - 露光開口を挟んだ両側にフイルム収納室とカートリッジ室とを設けた本体基部と、この本体基部の外周の一部を覆う外カバーと、前記本体基部と外カバーとを互いに結合するために、本体基部と外カバーとの何れか一方に設けられた複数の係止爪と、他方に、前記係止爪に対応して設けられた被係止部と、前記外カバーに設けられ、前記複数の係止爪と被係止部との係合部をそれぞれ外部に露呈する係合解除用開口と、前記複数の係合解除用開口とは異なる位置に設けられ、前記本体基部の一部を外部に露呈する複数の開口とを備え、前記外カバーを前記本体基部から取り外すようにしたレンズ付きフイルムユニットの分解方法において、
前記レンズ付きフイルムユニットを分解位置まで搬送して該レンズ付きフイルムユニットの前面を上方に向けた姿勢で位置決めした後、前記複数の開口を通して上方から複数の押さえ部材をそれぞれ挿入してそれら押さえ部材で前記本体基部の一部を上方から同時に押さえるとともに、前記押さえ部材を挿入すると同時、又は挿入後に、複数の解除爪を前記係合解除用開口を通して前記係止爪と被係止部との係合部に前記押さえ部材と同じ挿入方向に挿入する第1の工程と、
前記解除爪を挿入した後に前記解除爪を前記係止爪の係止方向とは逆の方向に向けて移動して係止爪を撓ませることで、前記係止爪と被係止部との係合を解除する第2の工程と、
前記係合を解除した後に前記複数の解除爪のうちの互いに対向し合う少なくとも一対の解除爪を前記係止爪と被係止部とのいずれか一方が互いの結合位置を乗り越える高さまで移動することで前記外カバーを保持したまま本体基部から分離する第3の工程とから構成されていることを特徴とするレンズ付きフイルムユニットの分解方法。 - 該レンズ付きフイルムユニットの組立時に前記外カバーと本体基部との取り付けを位置決めするために、前記本体基部に位置決めピンを、また前記外カバーには前記位置決めピンの先端面を外部に露呈した状態でその外周の一部に係合する位置決め用開口をそれぞれ設け、前記本体基部の一部を位置決めピンとし、また前記外カバーの開口を前記位置決め用開口としたことを特徴とする請求項2記載のレンズ付きフイルムユニットの分解方法。
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