JP2004020678A - クロージャのカバー - Google Patents

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Jiro Yamada
山田 次郎
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Abstract

【課題】雨や雪などによる水滴がクロージャのカバー内部に浸入しないように防水手段が施されている。クロージャのカバー内に浸入した場合には、積極的に外部に排水できる。
【解決手段】内面部に光ファイバーケーブルを把持・固定する金具などの収容空間部2a,2aを設けた一対のカバー片2,2を一体に連結して腹合わせ状に閉じ得るカバー本体1を形成する。カバー本体1の両側面の幹線ケーブル導入部8と分岐ケーブル導入部9を斜め下方に向けて突出させる。底板4a,5aの中央部から両側に向けて下方に傾斜させ、その両側底面に水抜き孔6を穿設する。
【選択図】  図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバーケーブル伝送路において、光ファイバー芯線を接続あるいは分岐する時などに用いるクロージャのカバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、光ファイバーケーブル用クロージャのカバーは、長手方向に沿って二分割された半円筒体または半角筒体からなるスリーブの分割面に溝を設け、その溝にゴムパッキングによるシール部材を装着し、分割面を合わせて円筒体または角筒体に形成すると共に、二つの半円筒体または半角筒体のスリーブを締結バンドにより結合して防水性を付与する構造のものが多用されている。
【0003】
例えば、そのクロージャのカバーの両側面に設けられているケーブル導入部は円筒状で水平に突設されており、雨や雪など水滴の浸入に対して特別な防水手段が施されておらず、高い防水機能を備えなければならないクロージャのカバーとしては満足するものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、従来のクロージャのカバーは、ケーブル導入部にかかった雨水などの水滴が導入部の円筒状を伝わって基部に流れ、クロージャのカバー内部に浸入することがあり、雨水などが浸入すると水分や湿気を嫌う光ファイバーに支障を来たしトラブルの原因になると言った問題点があった。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決することを課題として開発されたもので、雨や雪などによる水滴がクロージャのカバー内部に浸入しないように防水手段が施されていると共に、クロージャのカバー内に浸入した場合には、積極的に外部に排水できるクロージャのカバーを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決し、その目的を達成する手段として、本発明では、内面部に光ファイバーケーブルを把持・固定する金具などの収容空間部を設けた一対のカバー片を一体に連結して腹合わせ状に閉じ得るカバー本体を形成し、カバー本体の両側面の幹線ケーブル導入部と分岐ケーブル導入部を斜め下方に向けて突出させると共に、底板の中央部から両側に向けて下方に傾斜させ、その両側底面に水抜き孔を穿設したことを特徴とするクロージャのカバーを開発し、採用した。
【0007】
また、本発明では、上記のように構成したクロージャのカバーにおいて、幹線ケーブル導入部と分岐ケーブル導入部には、導入されるケーブルの外径に適合するように複数個の導入部を設けてあるクロージャのカバー、および一対のカバー片の内面両側端部に相対向する二重壁を高さ方向に立設してあるクロージャのカバー、および一対のカバー片の内面両側部に相対向する傾斜凸部と傾斜凹部を形成して両側底面の水抜き孔に導出するように構成してあるクロージャのカバーを開発し、採用した。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて説明すれば、1はポリエチレン樹脂により形成した長方形状の光ファイバーケーブル用クロージャのカバー本体であり、このクロージャのカバー本体1は、上下一対のカバー片2,2の上端を連結片3で一体的に連設して腹合わせ状に開閉自在になっており、そのカバー片2,2の内面部には光ファイバーケーブルを把持、固定する金具などの収容空間部2a,2aが内面から外面に膨出するように形成されている。
【0009】
4,5はカバー片2,2の内面の上辺部を除いた外周縁のやや内側に入った位置に設けた周壁板で、この周壁板4,5は、底面板4a,5aと側面板4b,4b、5b,5bとから構成されており、底面板4a,5aは中央部から両側に向かって下方に傾斜されていて、両側底面に水抜き孔6を形成してある。
【0010】
すなわち、この水抜き孔6は、図4A,B,Cに示すように、周壁板4の底面板4aを下方に突出して舌片7を形成し、その下端の一部を切欠して形成したものであり、一方、周壁板5の水抜き孔6は、図5A,B,Cに示すように、底面板5aの一部を切欠して形成したもので、カバー片2,2を閉じた時に、周壁板5の外周面に周壁板4が外被すると共に、両者の水抜き孔6が合致するようになっている。
【0011】
8,8、9,9はカバー片2,2の両側面に設けた半円形の幹線ケーブル導入部と分岐ケーブル導入部で、それぞれ斜め下方に向けて突設してあり、導入されるケーブルの外径に合うように先部から基部に向かって順次大径に形成した複数個の導入部8a,8b,8c,8dと9a,9bを設けてある。そして、カバー片2,2を閉じた時に円形状になり、その円形状の導入部の外周面に切断用の溝10,10が設けられている。
【0012】
11,11は分岐ケーブル導入部9の下方に設けた半円形のドロップケーブル導入部、12,12はクロージャカバーを吊架するためのメッセンジャーワイヤーを導入するテーパー状の半円形のメッセンジャーワイヤー導入部である。そのメッセンジャーワイヤー導入部12の上部には連結片3の両側端と一体に形成した庇部13が設けてある。
【0013】
14はカバー片2,2の両側端の内面に、所定の間隔を保って、高さ方向にそれぞれ対向させて設けた内外二重壁で、上記の幹線ケーブル導入口、分岐ケーブル導入口、ドロップケーブル導入口およびメッセンジャーワイヤー導入口からの雨水などの浸入を防止してあり、それぞれのファイバーケーブルを受ける位置に受け部14a………14aを所定間隔毎に設けてある。
【0014】
15はカバー片2,2の両側部の内面に設けた傾斜凸部、16はその傾斜凸部15と15の間に設けた傾斜凹部であり、それぞれ前記の両側底板に設けた水抜き孔6に向かって傾斜しており、仮に上記内外二重壁14を越えて雨水などが浸入した場合でも、水抜き孔6に積極的に誘導流出して外部に排水するものである。
【0015】
17,18はカバー片2,2を開閉する係合突起と突片からなる係止具で、カバー片2,2の下端外周縁の適宜間隔毎に設けてあり、突片18の中央部の係止孔19に係合突起17が係合する。
【0016】
以上のように構成した本発明の使用状態を説明すると、図7に示すように、クロージャのカバーはメッセンジャーワイヤー20で吊架されると共に、幹線ケーブル21、分岐ケーブル22、ドロップケーブル23はそれぞれの上記導入部に導入される。
【0017】
その状態において雨や雪が降ると、メッセンジャーワイヤー導入部12は庇部13よって直接水滴が落ちないように防水保護されていると共に、メッセンジャーワイヤー導入部12は先細り形状になっていることから、水滴は基部の方向に伝わらず先端方向に流れるのでクロージャのカバー内部に浸入することがない。
【0018】
また、幹線ケーブル導入部8、分岐ケーブル導入部9は、斜め下方に傾斜しているので、雨や雪などの水滴は導入部の先端側に伝わっていき先端部から滴下するので内部に浸入することがない。
【0019】
仮に浸入したとしても、両側端の内面に高さ方向に間隔をあけた二重壁14,14を設けてあるから、それ以上内部への浸入を防ぐことができる。何らかの原因で万が一それ以上内部に浸入したとしても、両側部の内面側に設けた傾斜凹凸部15,16により、それぞれ前記の両側底板に設けた水抜き孔6に向かって流れ、外部に排水してファイバーケーブルに悪影響を与えることがない。
【0020】
さらに、幹線ケーブル導入部8と分岐ケーブル導入部9には、導入されるケーブル径に合うように複数個の導入部8a,8b,8c,8dおよび9a,9bが設けられているので、ケーブルと導入部が密着して水滴の浸入を防ぐことができると共に、導入部の外周面に切断溝10を設けてあるから、正確、確実に切断できるものである。
【0021】
以上、本発明の主要な実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成でき、かつ本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の設計変更が可能である。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る請求項1に記載のクロージャのカバーによれば、内面部に光ファイバーケーブルを把持・固定する金具などの収容空間部を設けた一対のカバー片を一体に連結して腹合わせ状になるカバー本体を形成し、両側面の幹線ケーブル導入部と分岐ケーブル導入部を斜め下方に向けて突出させると共に、底板の中央部から両側に向けて下方に傾斜させ、その両側底面に水抜き孔を穿設したことを特徴とするクロージャのカバーに係るものであるから、ケーブル導入部からの雨水の浸入はなくクロージャのカバー内部に浸入した雨水は積極的に外部に排水されクロージャのカバー内部への浸入がない。
【0023】
また、本発明に係る請求項2に記載のクロージャのカバーによれば、幹線ケーブル導入部と分岐ケーブル導入部には、導入されるケーブルの外径に適合するように複数個の導入部を設けてあるから、ケーブルの外径に合った導入部になり、雨水などの浸入を防止できる。
【0024】
さらに、本発明に係る請求項3に記載のクロージャのカバーによれば、一対のカバー片の内面両側端部に相対向する二重壁を高さ方向に立設してあるから、雨水などの導入基部から内部への浸入を防止できる。
【0025】
また、本発明に係る請求項4に記載のクロージャのカバーによれば、一対のカバー片の内面両側部に相対向する傾斜凸部と傾斜凹部を形成して両側底面の水抜き孔に導出するように構成してあるから、仮に二重壁を越えて浸入したとしても水抜き孔に向かって流れるので、内部のファイバーケーブルに水が付着することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】クロージャのカバーの正面図である。
【図2】図1のA−A線拡大断面図である。
【図3】クロージャのカバーの内面展開図である。
【図4】図3のB部拡大説明図である。
【図5】図3のC部拡大説明図である。
【図6】図3のD−D線拡大断面図である。
【図7】使用状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1  クロージャのカバー本体
2  カバー片
2a 空間部
6  水抜き孔
8  幹線ケーブル導入部
9  分岐ケーブル導入部
14 二重壁
15 傾斜凸部
16 傾斜凹部

Claims (4)

  1. 内面部に光ファイバーケーブルを把持・固定する金具などの収容空間部を設けた一対のカバー片を一体に連結して腹合わせ状に閉じ得るカバー本体を形成し、カバー本体の両側面の幹線ケーブル導入部と分岐ケーブル導入部を斜め下方に向けて突出させると共に、底板の中央部から両側に向けて下方に傾斜させ、その両側底面に水抜き孔を穿設したことを特徴とするクロージャのカバー。
  2. 幹線ケーブル導入部と分岐ケーブル導入部には、導入されるケーブルの外径に適合するように複数個の導入部を設けてある請求項1に記載のクロージャのカバー。
  3. 一対のカバー片の内面両側端部に相対向する二重壁を高さ方向に立設してある請求項1または請求項2に記載のクロージャのカバー。
  4. 一対のカバー片の内面両側部に相対向する傾斜凸部と傾斜凹部を形成して両側底面の水抜き孔に導出するように構成してある請求項1、2または請求項3に記載のクロージャのカバー。
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