JP2004020468A - 表面形状計測方法及びその方法のプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】測定対象物の全ての部分において、復元誤差を少なくした表面形状を計測できるような表面形状計測方法等を得る。
【解決手段】計測対象物16の表面との距離を計測するための距離センサ11〜15を配置し、計測対象物16との間で相対的に移動させた移動距離と計測対象物の表面との距離に基づいた演算を行って計測対象物の表面形状を計測する表面形状計測方法において、演算回路18は、距離センサ11〜15において同時計測された距離に基づいて差分値を算出する工程と、差分値が算出できない領域に対し、あらかじめ定めた値をダミーの差分値として加える工程と、全ての領域の差分値について周波数領域に変換する工程と、周波数毎に定められた倍率で補正して、周波数毎に差分値を構成する成分を算出した上で逆変換して算出した値を、その移動距離における表面形状を表す値とする工程とを有している。
【選択図】 図1
【解決手段】計測対象物16の表面との距離を計測するための距離センサ11〜15を配置し、計測対象物16との間で相対的に移動させた移動距離と計測対象物の表面との距離に基づいた演算を行って計測対象物の表面形状を計測する表面形状計測方法において、演算回路18は、距離センサ11〜15において同時計測された距離に基づいて差分値を算出する工程と、差分値が算出できない領域に対し、あらかじめ定めた値をダミーの差分値として加える工程と、全ての領域の差分値について周波数領域に変換する工程と、周波数毎に定められた倍率で補正して、周波数毎に差分値を構成する成分を算出した上で逆変換して算出した値を、その移動距離における表面形状を表す値とする工程とを有している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば、レール製造プロセスにおけるレール波形状計測、鋼板の圧延機における圧延ロール表面プロフィール計測等に用いられる表面形状計測方法等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来から表面形状の計測に用いられている装置を表す図である。この装置は、例えば特開昭64−61605号公報や鉄道技術研究報告No.1336等に開示されている方法(以下、この方法を3点法という)を用いて表面形状の計測を行うものである。ここでは例として、この装置を用いて鋼板の圧延ロールの長手方向の表面形状を計測する場合について説明する。ここで、表面形状を計測するとは、ある距離を基準として(例えば相対的な移動方向に対して前端となる部分)、その距離からの変動を計測し、その形状を復元することをいうものとする。ただ、計測対象物全体の幅、厚さ等をもって表面形状を表現してもよい。
【0003】
図5において、距離センサ取り付け台100には、3つの距離センサ101、102及び103が固定されている。この3つの距離センサ101、102及び103は、自身と計測対象物104との間の距離を計測し、演算回路106においてその距離(計測値)を判断する。距離センサ101及び103は、距離センサ102を中心として、距離センサ102から等間隔の位置に固定されている。
【0004】
計測時には計測対象物104と3つの距離センサ101、102及び103とを相対的に移動させる。この移動には、計測対象物104を搬送して移動する場合と、距離センサ101、102及び103を移動させる場合とがある。移動の際、移動距離を正確に計測するために計測対象物104上を倣わせるのが倣いロール107である。
【0005】
計測対象物104と3つの距離センサ101、102及び103との相対的な移動距離を、例えばロータリエンコーダ等の移動距離検出手段105が計測し、演算回路106においてその距離を判断する。そして、3つの距離センサ101、102及び103が同時にそれぞれ計測した計測値と、移動距離とに基づいて、演算回路106が計測対象物104の表面形状を計測する。
【0006】
ここで、移動距離検出手段105により計測される移動距離は正確に計測されるものと考える。したがって、理想的には1つの距離センサと計測対象物104との間の距離と移動距離との関係がわかれば表面形状の計測を行える。ただ、距離センサ取り付け台100において、搬送又は移動に伴ってガタやヨーイングが生じる場合があり、距離センサ101、102及び103の計測によって判断した計測値には、距離方向の誤差や傾きによる誤差が含まれている場合がある。そのために3点法を用いるのである。
【0007】
3点法では、このような距離変動誤差や傾き誤差を相殺する目的で差分値を利用した方法(差分法)を用いている。図5の距離センサ101、102及び103において、距離変動誤差や傾き誤差がない理想的な計測値をそれぞれhR1、hR2、hR3とし、距離センサ取り付け台100の距離変動量をδ、傾き量をk、距離センサの間隔をLaとすると、距離センサ101、102及び103による計測値は、以下のような式(1)〜(3)で表される。
h1=hR1+δ−k×La …(1)
h2=hR2+δ …(2)
h3=hR3+δ+k×La …(3)
【0008】
ここで、以下のように差分値Δhを定義すると、次式(4)のように距離変動量δ、傾き量kに影響されず、誤差のない理想的な計測値hR1、hR2、hR3だけで表現できることがわかる。
【0009】
図6は周期(周波数)とゲインGとの関係を表す図である。図6は、距離センサの間隔Laを750mmとしたときのゲインGの状態を表している。ここで、ゲインGとは、ある移動距離における表面形状と差分値Δhとの比であるとする。計測対象物104の表面形状は一定の周期で変動しているとすると、差分値Δhは計測対象物104の表面形状の周期λ(周波数1/λ)によりゲインGが異なる。この場合、ゲインGは0≦G≦2の値を採る(理想的には周期にかかわらず1となるべきである)。このゲインGは距離センサ間隔Laによって異なるものである。
【0010】
以上を数式で表す。計測対象物104の表面形状がAsin(2π×x/λ)で表される(xは移動距離)と仮定し、(4)式に代入すると、次式(5)のようになる。
【0011】
【0012】
したがって、差分値Δhの表面形状に対するゲインGは、次式(6)で表される。
G=(1−cos(2π×La/λ)) …(6)
【0013】
すなわち、ゲインGは表面形状の周期λによって変化し、さらに距離センサの間隔Laに依存することになる。そのため、差分値Δhは計測対象物104の表面形状だけに基づいて変化するものではなく、ゲインGによっても変化するので、計測対象物104の表面形状を正確に表現しているわけではない。そこで、ゲインGを一定値(=1)にするような補正値を差分値Δhに乗算すれば、その値は表面形状のみにより変化する値を表すものとなる。
【0014】
図7は3点法による表面形状の計測の流れを表す図である。図7(a)は実際の表面形状を表す。図7(b)は差分法による差分値Δhを表す。図7(c)は差分値周波数を表し各周波数における正弦波の成分を表す。図7(d)はゲイン補正値と周波数との関係を表す。また、図7(e)は3点法により計測した最終的な表面形状を表す。3点法では、演算回路106において、距離センサの間隔Laに基づいた周期λ(周波数1/λ)におけるゲインGをあらかじめ用意しておく。そして、差分値Δhを(5)式に基づいて周波数領域に変換し、周波数毎のゲインGの逆数の値を乗算した上で(実際には、そのうちの1つの周波数だけが表面形状を表すことになる)、さらに周波数逆変換を施して(A及びλを算出、推定することにより)正確な表面形状に復元する方法(周波数補正法)を提案している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
図8は表面形状の計測の流れを表す図である。図8(a)は実際の表面形状を表す。図8(b)は差分法による差分値Δhを表す。図8(c)は表面形状を計測した結果である最終的に復元した形状(以下、復元形状という)を表す。図8(d)は実際の表面形状と復元形状との誤差(以下、復元誤差という)を表す。図8(d)から考えると、表面形状の端部では、実際の表面形状と復元した表面形状との誤差が大きく精度(以下、復元精度という)が劣化することがわかる。これは、差分法を用いていることによる。
【0016】
差分値は、全ての距離センサによる計測が同時に行える位置において正確に算出できる。そのため、計測対象物の前後の端部分においては差分値は算出されない(この領域を不感帯という)。したがって、距離センサで計測した部分に対し、差分値が算出される部分は距離センサ間隔Laの2倍だけ縮退することになる。つまり、不感帯の領域(以下、不感帯領域という)においても計測が行われた距離センサによる計測値はその後の演算にも用いられるが、不感帯領域の表面形状は復元されないので復元形状には反映されないことになる。ここに矛盾が生じることになり、端部において復元精度が劣化したのは、行き場のない不感帯での計測値のデータが重畳したことによるものである。
【0017】
そこで、本発明では、計測対象物の全ての部分において、復元誤差を少なくした表面形状を計測できるような表面形状計測方法等を得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
そのため、本発明に係る表面形状計測方法は、計測対象物の表面との距離を計測するための距離センサを、ある距離センサを中心として、対称にかつ同距離に位置するように配置した距離センサの組を、1組以上移動方向に沿って、最も外側の組の距離センサ間の距離が移動距離以下となるように複数配置し、計測対象物との間で相対的に移動させた移動距離と計測対象物の表面との距離に基づいた演算を行って計測対象物の表面形状を計測する表面形状計測方法において、全ての距離センサにおいて同時計測された距離に基づいて差分値を算出する工程と、差分値が算出できない領域に対し、あらかじめ定めた値をダミーの差分値として加える工程と、全ての領域の差分値について周波数領域に変換する工程と、周波数毎に定められた倍率で補正して、周波数毎に差分値を構成する成分を算出した上で逆変換して算出した値を、その移動距離における表面形状を表す値とする工程とを有すものである。
【0019】
図9は、図8に示す表面形状に対し、ダミーの差分値を加えた時の結果を表す図である(ここではLa=390mm、Lb=630mmである)。図9(a)は、算出した差分値に対してダミー差分値のデータを加えたものを表す図である。図9(b)は復元形状を表す。図9(c)は復元誤差を表す。本発明においては、中心となる距離センサとその距離センサと等距離にある1組以上の距離センサとに基づいて(つまり3つ以上の距離センサが存在する)、表面形状の計測を行う場合に、全ての距離センサにおいて同時に表面からの距離を計測することができなかったために差分値を算出できなかった領域については、ダミーの差分値を加え、例えばFFTにより周波数領域に変換し、表面形状を正弦波の合成波として表す。差分値を周波数領域に変換した際に現れる、距離センサ間の距離に依存する各周波数により異なる計測倍率をあらかじめ算出しておき、その計測倍率に基づいて補正した周波数毎に差分値を構成する成分を算出した上で逆変換して算出した値を、その移動距離における表面形状を表す値として演算を行う。図9から差分値の演算領域を拡張することにより端部での復元誤差が減少することがわかる。
【0020】
また、本発明に係る表面形状計測方法は、計測対象物の表面との距離を計測するための距離センサを、ある距離センサを中心として、対称にかつ同距離に位置するように配置した距離センサの組を、1組以上移動方向に沿って、最も外側の組の距離センサ間の距離が移動距離以下となるように複数配置し、計測対象物との間で相対的に移動させた移動距離と計測対象物の表面との距離に基づいた演算を行い、計測対象物の表面形状を計測する表面形状計測方法において、全ての距離センサにおいて同時計測された距離に基づいて差分値を算出する工程と、差分値を周波数領域に変換する工程と、周波数毎に定められた倍率で補正して、周波数毎に差分値を構成する成分を算出した上で逆変換した値を、その移動距離における表面形状を表す値として算出する工程と、差分値が算出されたそれぞれの位置を計測した2以上の距離センサによる距離とそれぞれの位置での表面形状を表す値とによって算出した補正値に基づいて、2以上の距離センサによる距離と同時計測された差分値が算出できなかった位置を計測した1以上の距離センサによる距離を補正し、差分値が算出できなかった位置での表面形状の値として推定する工程とを有すものである。
【0021】
図10は推定した差分値を含めた形状を表す図である。図10(a)は復元形状に対して推定した差分値が算出できなかった領域の復元形状を追加した図である。図10(b)は復元誤差を表す。図10(a)からこの領域での表面形状が推定できることがわかる。ダミーの差分値は本来の表面形状を反映したものではない分、表面形状の値を算出した領域に比べると誤差も生じる。本発明においては、2以上の距離センサによって、差分値を算出した領域のある位置で計測された距離と実際に計測した表面形状の値とに基づいて、ガタ量やヨーイング量を算出し、それと同時に計測された差分値を算出できなかった領域のある位置での距離を補正することで、その位置での表面形状の値を推定する。
【0022】
また、本発明に係る表面形状計測方法は、表面形状の値を推定した後に、表面形状の値を算出及び推定した領域外の領域にダミーの表面形状の値を加える工程と、推定した及びダミーの表面形状の値を加えた領域における差分値を算出する工程と、算出及び推定した並びにダミーの表面形状の値に基づいて、あらためて差分値を算出する工程と、算出した差分値を周波数領域に変換する工程と、周波数毎に定められた倍率で補正して、周波数毎に差分値を構成する成分を算出した上で逆変換した値を、その移動距離における表面形状を表す値として算出する工程とを有すものである。
【0023】
図11は差分値を算出できなかった領域を推定して算出した表面形状にさらにダミーの表面形状を加えた場合の復元形状を表す図である。図11(a)は差分値を表す。図11(b)は復元形状を表す。図11(c)は復元誤差を表す。復元形状の端部における復元精度が低いと例えば距離センサを取り付けている台のガタ量、ヨーイング量の推定精度も低くなるそこで、この領域の表面形状を精度よく推定するには復元形状の端部の復元精度を向上させる必要がある。本発明においては、表面形状の値を推定した後に、表面形状の値を算出及び推定した領域外の領域にダミーの表面形状の値を加え、それらの領域について、あらためて差分値を算出し、例えばFFTにより周波数領域に変換し、表面形状を正弦波の合成波として表す。差分値を周波数領域に変換した際に現れる、距離センサ間の距離に依存する各周波数により異なる計測倍率をあらかじめ算出しておき、その計測倍率に基づいて補正した周波数毎に差分値を構成する成分を算出した上で逆変換して算出した値を、その移動距離における表面形状を表す値として演算を行う。
【0024】
また、本発明に係る表面形状計測方法は、算出及び推定した並びにダミーの表面形状の値に基づいて、あらためて表面形状の値を算出した後に、差分値が算出できず、表面形状の値が算出できなかった領域に対して表面形状の値を推定し、さらに表面形状の値を算出及び推定した領域外の領域にダミーの表面形状の値を加えて差分値を算出して、表面形状の値を算出する工程を一定回数又は誤差が収束したものと判断するまで繰り返すものである。
【0025】
図12は差分値を推定を繰り返した上での復元形状を表す図である。図12(a)、図12(b)、12(c)、12(d)はそれぞれ表面形状を計測する演算処理と差分値を算出できない不感帯領域の表面形状を推定する演算処理を1回目、2回目、3回目、4回目を繰り返した時の復元形状と復元誤差を表す。復元形状端部の計測精度と差分値の算出できなかった領域の推定精度とは互いに影響しあっている。本発明においては、表面形状を計測する演算処理とその領域の表面形状を推定する演算処理とを繰り返し行い、復元形状端部の計測精度とその領域の表面形状の推定精度との双方の精度向上を図る。ここで、一定回数繰り返してもよいし、収束したものと判断するまで繰り返すようにしてもよい。図11は繰り返し(1〜4回)に伴う復元形状及び復元誤差が表されているが、回数を重ねる度に計測精度が向上することが示されている。
【0026】
また、本発明に係る表面形状計測方法のプログラムは、計測対象物の表面との距離を計測するための距離センサを、ある距離センサを中心として、対称にかつ同距離に位置するように配置した距離センサの組を、1組以上移動方向に沿って、最も外側の組の距離センサ間の距離が移動距離以下となるように複数配置し、計測対象物との間で相対的に移動させた移動距離と計測対象物の表面との距離に基づいた演算を演算手段に行わせて計測対象物の表面形状を計測する表面形状計測方法のプログラムにおいて、全ての距離センサにおいて同時計測された距離に基づいて差分値を算出させ、差分値が算出できない領域に対し、あらかじめ定めた値をダミーの差分値として加えさせ、全ての領域の差分値について周波数領域に変換させ、周波数毎に定められた倍率で補正させて、周波数毎に差分値を構成する成分を算出させた上で逆変換して算出させた値を、その移動距離における表面形状を表す値とする処理を演算手段に行わせるものである。
本発明においては、中心となる距離センサとその距離センサと等距離にある1組以上の距離センサとに基づいて(つまり3つ以上の距離センサが存在する)、表面形状の計測を演算手段に行わせる場合に、全ての距離センサにおいて同時に物体の表面からの距離を計測することができなかったために差分値を算出できなかった領域については、ダミーの差分値を加えさせ、例えばFFTにより周波数領域に変換させ、表面形状を正弦波の合成波として表わさせる。差分値を周波数領域に変換した際に現れる、距離センサ間の距離に依存する各周波数により異なる計測倍率に基づいて補正させた周波数毎に差分値を構成する成分を算出させた上で逆変換させて算出させた値を、その移動距離における表面形状を表す値とさせる処理を行わせる。
【0027】
また、本発明に係る表面形状計測方法のプログラムは、計測対象物の表面との距離を計測するための距離センサを、ある距離センサを中心として、対称にかつ同距離に位置するように配置した距離センサの組を、1組以上移動方向に沿って、最も外側の組の距離センサ間の距離が移動距離以下となるように複数配置し、計測対象物との間で相対的に移動させた移動距離と計測対象物の表面との距離に基づいた演算を演算手段に行わせて計測対象物の表面形状を計測する表面形状計測方法のプログラムにおいて、全ての距離センサにおいて同時計測された距離に基づいて差分値を算出させ、差分値を周波数領域に変換させ、周波数毎に定められた倍率で補正させて、周波数毎に差分値を構成する成分を算出させた上で逆変換した値を、その移動距離における表面形状を表す値として算出させ、差分値を算出したそれぞれの位置を計測した2以上の距離センサによる距離とそれぞれの位置での表面形状を表す値とによって算出した補正値に基づいて、2以上の距離センサによる距離と同時計測された差分値が算出できなかった位置を計測した1以上の距離センサによる距離を補正させて、差分値が算出できなかった位置での表面形状の値として推定させる処理を演算手段に行わせるものである。
本発明においては、2以上の距離センサによって、差分値を算出した領域のある位置で計測された距離と実際に計測した表面形状の値とに基づいて、それと同時に計測された差分値を算出できなかった領域のある位置での距離を補正させることで、その位置での表面形状の値を推定させる。
【0028】
また、本発明に係る表面形状計測方法のプログラムは、表面形状の値を推定させた後、表面形状の値を算出及び推定させた領域外の領域にダミーの表面形状の値を加えさせ、推定させた及びダミーの表面形状の値を加えた領域における差分値を算出させ、算出及び推定した並びにダミーの表面形状の値に基づいて、あらためて差分値を算出させ、算出させた差分値を周波数領域に変換させ、周波数毎に定められた倍率で補正させて、周波数毎に差分値を構成する成分を算出させた上で逆変換した値を、その移動距離における表面形状を表す値として算出させる処理を演算手段に行わせるものである。
本発明においては、表面形状の値を推定させた後に、表面形状の値を算出及び推定させた領域外の領域にダミーの表面形状の値を加えさせ、それらの領域について、あらためて差分値を算出させ、例えばFFTにより周波数領域に変換させ、表面形状を正弦波の合成波として表させる。差分値を周波数領域に変換させた際に現れる、距離センサ間の距離に依存する各周波数により異なる計測倍率に基づいて補正させた周波数毎に差分値を構成する成分を算出させた上で逆変換させて算出させた値を、その移動距離における表面形状を表す値として処理を行わせる。
【0029】
また、本発明に係る表面形状計測方法のプログラムは、算出及び推定させた並びにダミーの表面形状の値に基づいて、あらためて表面形状の値を算出させ後、差分値が算出されず、表面形状の値が算出できなかった領域に対して表面形状の値を推定させ、さらに表面形状の値を算出及び推定した領域外の領域にダミーの表面形状の値を加えさせて差分値を算出させ、表面形状の値を算出させる処理を一定回数又は誤差が収束したものと判断するまで繰り返させる処理を演算手段に行わせるものである。
本発明においては、表面形状を計測する演算処理とその領域の表面形状を推定する演算処理とを繰り返し行わせ、復元形状端部の計測精度とその領域の表面形状の推定精度との双方の精度向上を図るようにする。ここで、一定回数繰り返してもよいし、収束したものと判断するまで繰り返すようにしてもよい。
【0030】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の第1の実施の形態に係る表面形状計測装置の構成を表すブロック図である。図1において、10は距離センサ取り付け台100と同様の距離センサ取り付け台である。距離センサ取り付け台10には、距離センサ11〜15が固定されている。距離センサ11及び15は、距離センサ13を中心として、距離センサ13から等間隔の位置(以下、この間隔をLaとし、例えばLa=270mmとする)に固定されている。距離センサ12及び14についても同様に距離センサ13から等間隔の位置(以下、この間隔をLbとし、例えばLb=750mmとする)に固定されている。距離センサ11〜15としては例えばレーザ式の距離計を用いる。また、間隔Laの値が間隔Lbの80%以下となるように、また間隔Laと間隔Lbとが互いに素となるように設定する。
【0031】
計測対象物16、移動距離検出手段17、倣いロール19は、それぞれ上述した計測対象物104、移動距離検出手段105、倣いロール107と同様のものである。ここで、倣いロール19がなければ、計測対象物16に対し、距離センサ取り付け台10が蛇行するおそれがあり、距離センサ11〜15の計測レンジを外れることが考えられるため、これを防ぐために倣いロール19を取り付けて装置を計測対象物16に倣わせるものである。ここでは距離センサ11と12との間、距離センサ14と15との間に設ける。このように倣いロール19を設けることにより、少なくとも距離センサ11と15を計測する時点においては、物理的に不感帯の発生を減じることができる。
【0032】
演算回路18は、後述する処理の違いにおいて演算回路106とは異なる。ここで、演算回路は不感帯領域に用いるためのダミー(疑似)の差分値のデータ(以下、ダミー差分値データという)を有しているものとする。この演算回路18は、例えばコンピュータに本実施の形態で説明する処理を行うために記載されたプログラムを実行させることにより実現する。この演算回路18では、移動距離検出手段17による移動距離の計測により、10mm移動したものと判断する度に、その時の距離センサ11〜15が示す計測値を判断する。そして、計測対象物16の表面上において全ての計測値を取り終えると、それらの計測値に基づいて表面形状を復元する。
【0033】
次に本実施の形態の演算回路18の処理動作を中心にさらに詳細に説明する。演算回路18は、移動距離検出手段17による計測に基づいて、倣いロール19に倣って距離センサ11〜15と計測対象物16との間で相対的に移動した距離が10mmになったものと判断すると、その時の距離センサ11〜15が示す計測値を判断する。場合によっては記憶装置(図示せず)に記憶しておく。
【0034】
距離センサ11〜15による計測が終了すると、演算回路18は表面形状に関する処理を行う。まず、次式(7)に基づいて差分値Δhを算出する。ここで、距離センサ11、12、13、14及び15による計測値をそれぞれh1、h2、h3、h4及びh5とする。
Δh=h3−(h1+h2+h4+h5)/4 …(7)
【0035】
図2は周波数とゲインGとの関係を表す図である。ただし、この図2においては、間隔La=540mm、間隔Lb=750mmとして算出したものを示している。計測対象物16の表面形状をAsin(2π×x/λ)で表される(xは移動距離)と仮定する。そして、差分値Δhを周波数領域に変換した場合に差分値Δhの真の形状に対するゲインGは次式(8)で表される。
G=1−{cos(2π×La/λ)+cos(2π×Lb/λ)}/2…(8)
【0036】
したがって、ゲインGを構成するcos(2π×La/λ)+cos(2π×Lb/λ)が2にならなければ(つまり、cos(2π×La/λ)とcos(2π×Lb/λ)とが同時に1にならなければ)ゲインGは0にならない。これを満たすためには間隔Laと間隔Lbとが互いに素となるように設定するのが望ましい。また、たとえ間隔Laと間隔Lbとが互いに素の関係にあったとしても、両者の値が近ければ、cos(2π×La/λ)とcos(2π×Lb/λ)とがそれぞれ同時に1に近くなるため、0ではないがゲインGも小さい値になる。そこで、さらに間隔Laの値が間隔Lbの80%以下となるように設定するのが望ましい。
【0037】
差分値Δhを周波数領域に変換し、演算を行う方法には、FFT(高速フーリエ変換:Fast Fourier Transform)を用いて行うものとする。FFTについては参考文献が多数存在するので説明を省略する。ただ、算出方法についてはこれに限るものではなく、同様の結果を得られるものであればその方法は問わない。
【0038】
そして、(8)式に基づいて、その周期λ(周波数1/λ)におけるゲインGの逆数を差分値Δhに乗算することにより、ゲイン補正を行ってゲインGによる影響を除くようにする。したがって、算出される値は表面形状のみによる影響を受けることになる。ここで、ゲイン補正の計測倍率が大きくなると、ヨーイング等による誤差ではない、距離センサ11〜15による計測ノイズ(ランダム誤差)の影響も拡大する。そこで、ゲインGが0.2以下(逆数は5.0以上となる)の場合は補正を行わないようにする。
【0039】
ゲイン補正をした差分値に対して、再度FFTによる周波数逆変換を施し、その移動距離における計測対象物16の表面形状を復元する。これを、それぞれの移動距離での位置に対して行う。
【0040】
以上が距離センサ11〜15による同時計測により(7)式に基づいて差分値Δhが算出できる領域での復元形状を求めるまでの演算回路18の処理である。ここで、差分値Δhが算出されない不感帯領域に差分値Δhを補完し、この領域について表面形状を計測する方法について説明する。この部分を補完する方法として、まずあらかじめ定めておいたダミー差分値データを加え、差分値を用いて演算できる領域の拡張を図る。領域が拡張することによって、不感帯領域も外側に移行することになる。新たに発生するダミーの不感帯領域を平滑な形状にしておけば、この部分での値が他の部分の値に重畳しても問題は発生しない。また、新たなダミーの不感帯領域の表面形状による影響がダミーの領域に重畳されるようにすれば、たとえ重畳しても、表面形状の計測結果には問題はない。
【0041】
ただ、ダミー差分値が不感帯領域における本来の形状を反映したものではないので、誤差が大きくなる可能性がある。そこで、本来の不感帯領域の表面形状を推定することにより補完する方法について説明する。前述したように、距離センサ取り付け台10が搬送によるガタやヨーイングの影響を受けているため、通常、距離センサ11〜15による同時計測が行える場合にしか差分値が算出されない。距離センサ11〜15による同時計測が行えない領域が不感帯領域であるが、この領域でも1又は複数の距離センサによる計測で計測値は判断されている。そこで、ガタ量、ヨーイング量を求め、不感帯領域での計測値に対して補正ができれば、この領域の実際の表面形状に近い差分値を推定することができる。
【0042】
上記の方法で演算回路18が計測した復元形状と距離センサ11〜15による計測による計測値に基づいて、計測の都度起こるガタ量、ヨーイング量を求めた上で、不感帯領域の表面形状を推定し、復元する。具体的には、表面形状が計測可能な領域と不感帯領域の双方にまたがって同時に行われた3つ以上の(本実施の形態では5つ)距離センサによる距離計測値について行う。ここで、表面形状算出領域は2つ以上の距離センサにより計測され、不感帯領域は1つ以上の距離センサにより計測されている必要がある。表面形状が計測可能な領域での計測値に基づいて、距離センサ取り付け台10のガタ量、ヨーイング量を求める。そして、不感帯領域での計測値に対して、算出したガタ量、ヨーイング量による補正を行う。その補正した計測値について、差分値Δhを算出し、上述した処理を行って表面形状を推定する。
【0043】
図3はミズ糸(水糸)を利用してオフラインで計測した表面形状を表す図である。図4は本実施の形態の方法により復元した表面形状を表す図である。図4(a)は復元形状を表す。図4(b)は復元誤差を表す。
【0044】
以上の方法を踏まえ、ここでは、不感帯領域についてはその形状を推定し、その外側の領域にはさらにダミーの表面形状のデータを加える。そして、それらの表面形状に基づいて算出した差分値を、距離センサ11〜15による実際の計測により算出された差分値と共に、周波数領域への変換、補正、逆変換処理等の演算処理を行い、表面形状をあらためて計測するようにする。この処理は、演算回路18により行われる。また、距離センサ11〜15の計測ノイズを考慮し、場合によっては、例えば11点の移動平均を施した上で表面形状を判断した後、推定した表面形状、ダミーの表面形状に基づく上記の処理を行うようにしてもよい。
【0045】
以上のように第1の実施の形態によれば、不感帯領域について、ダミー差分値データを加えた上で、あらためて表面形状を計測するようにしたので、不感帯領域についても表面形状を復元することができる。また、さらに精度を高くするために、距離センサ取り付け台10のガタ量やヨーイング量を算出し、その値に基づいて不感帯領域を計測した計測値を補正した値をその部分の表面形状の値と推定することで、より精度の高い不感帯領域の表面形状を復元することができる。さらに、上記の方法に基づいて、不感帯領域のさらに外側の領域にダミーの表面形状を加えた上で、全ての領域についてあらためて差分値を算出して表面形状を計測することにより、より精度の高い表面形状の計測を行うことができる。
【0046】
実施の形態2.
上述した第1の実施の形態では、不感帯領域についてはその形状を推定した差分値を算出し、その外側の領域にはさらにダミー差分値のデータを加えた差分値について、周波数領域への変換、補正、逆変換処理等の演算処理を行い、表面形状を計測した。
【0047】
ここで、ダミー差分値のデータを付加する方法では、不感帯領域の表面形状が実際の表面形状に基づいたものではなかったために、復元形状の端部の計測精度が低くなった(復元誤差が大きくなった)。そして、不感帯領域の表面形状を推定する方法では、復元形状の端部の計測精度が低いために不感帯領域の推定精度が低くなった。このように復元形状端部の計測精度と不感帯の推定精度とは互いに影響しあっていることになる。
【0048】
そこで、不感帯領域の表面形状を含む差分値Δhに基づく表面形状を計測する演算処理と不感帯領域の表面形状を推定する演算処理とを繰り返し行い、復元形状端部の計測精度と不感帯領域の表面形状の推定精度との双方の精度向上を図る。ここで、この繰り返しをあらかじめ定められた一定回数行ってもよいし、収束したものと判断するまで繰り返してもよい。
【0049】
以上のように第2の実施の形態によれば、表面形状の計測とその計測結果に基づく不感帯領域の表面形状推定を繰り返し行うことにより、双方の精度を向上させることができる。
【0050】
実施形態3.
上述の実施の形態では、距離センサ11〜15の5つ設けて同時に計測することにより算出した差分値Δhに基づいて表面形状の計測を行った。本発明はこれに限定されるものではなく、例えば従来のような3点法においても十分に適用できるし、距離センサを5つ以上の奇数個設けて、計測を行った場合にも適用することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、差分値を算出できなかった領域については、ダミーの差分値を加えて、周波数変換、周波数領域での差分値の補正及び逆変換を施して表面形状の値を算出するようにしたので、表面形状の復元領域を拡げ、また端部における復元誤差を減少させることができる。
【0052】
また、本発明によれば、2以上の距離センサによって、差分値を算出した領域のある位置で計測された距離と実際に計測した表面形状の値とに基づいて、それと同時に計測された差分値を算出できなかった領域のある位置での距離を補正し、その位置での表面形状の値を推定するようにしたので、より実際の表面形状に近い値を算出することができ、特に端部においてより精度の高い表面形状を計測することができる。
【0053】
また、本発明によれば、表面形状の値を算出及び推定した領域外の領域にダミーの表面形状の値を加えた上で、それらの値に基づいた差分値をあらためて算出して、表面形状の値を算出することで、より精度の高い表面形状の計測を行うことができる。
【0054】
また、本発明によれば、表面形状の値の算出及び差分値が算出できなかった領域での表面形状の値の推定を繰り返し行うことにより、双方の誤差を減少させて精度を高めていくことにより、精度の高い表面形状の計測を行うことができる。
【0055】
また、本発明によれば、差分値を算出できなかった領域については、ダミーの差分値を加えさせ、周波数変換、周波数領域での差分値の補正及び逆変換を行わせて表面形状の値を算出させる処理を演算手段に行わせるようにしたので、表面形状の復元領域を拡げ、また端部における復元誤差を減少させることができる。
【0056】
また、本発明によれば、2以上の距離センサによって、差分値を算出した領域のある位置で計測された距離と実際に計測した表面形状の値とに基づいて、それと同時に計測された差分値を算出できなかった領域のある位置での距離を補正させ、その位置での表面形状の値を推定させる処理を演算手段に行わせるようにしたので、より実際の表面形状に近い値を算出することができ、特に端部においてより精度の高い表面形状を計測することができる。
【0057】
また、本発明によれば、表面形状の値を算出及び推定させた領域外の領域にダミーの表面形状の値を加えさせた上で、それらの値に基づいた差分値をあらためて算出させて、表面形状の値を算出させる処理を演算手段に行わせることで、より精度の高い表面形状の計測を行うことができる。
【0058】
また、本発明によれば、表面形状の値の算出及び差分値が算出できなかった領域での表面形状の値の推定を繰り返し行わせる処理を演算手段に行わせることにより、双方の誤差を減少させて精度を高めてさせ、精度の高い表面形状の計測を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る表面形状計測装置の構成を表すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態における周波数とゲインGとの関係を表す図である。
【図3】ミズ糸(水糸)を利用してオフラインで計測した表面形状を表す図である。
【図4】本実施の形態の方法により復元した表面形状を表す図である。
【図5】従来から表面形状の計測に用いられている装置を表す図である。
【図6】周期(周波数)とゲインGとの関係を表す図である。
【図7】3点法による表面形状の計測の流れを表す図である。
【図8】表面形状の計測の流れを表す図である。
【図9】図8に示す表面形状に対し、ダミーの差分値を加えた時の結果を表す図である。
【図10】推定した差分値を含めた形状を表す図である。
【図11】差分値を算出できなかった領域を推定して算出した表面形状にさらにダミーの表面形状を加えた場合の復元形状を表す図である。
【図12】差分値を推定を繰り返した上での復元形状を表す図である。
【符号の説明】
10、100距離センサ取り付け台
11、12、13、14、15、101、102、103 距離センサ
16、104 計測対象物
17、105 移動距離検出手段
18、106 演算回路
19、107 倣いロール
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば、レール製造プロセスにおけるレール波形状計測、鋼板の圧延機における圧延ロール表面プロフィール計測等に用いられる表面形状計測方法等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来から表面形状の計測に用いられている装置を表す図である。この装置は、例えば特開昭64−61605号公報や鉄道技術研究報告No.1336等に開示されている方法(以下、この方法を3点法という)を用いて表面形状の計測を行うものである。ここでは例として、この装置を用いて鋼板の圧延ロールの長手方向の表面形状を計測する場合について説明する。ここで、表面形状を計測するとは、ある距離を基準として(例えば相対的な移動方向に対して前端となる部分)、その距離からの変動を計測し、その形状を復元することをいうものとする。ただ、計測対象物全体の幅、厚さ等をもって表面形状を表現してもよい。
【0003】
図5において、距離センサ取り付け台100には、3つの距離センサ101、102及び103が固定されている。この3つの距離センサ101、102及び103は、自身と計測対象物104との間の距離を計測し、演算回路106においてその距離(計測値)を判断する。距離センサ101及び103は、距離センサ102を中心として、距離センサ102から等間隔の位置に固定されている。
【0004】
計測時には計測対象物104と3つの距離センサ101、102及び103とを相対的に移動させる。この移動には、計測対象物104を搬送して移動する場合と、距離センサ101、102及び103を移動させる場合とがある。移動の際、移動距離を正確に計測するために計測対象物104上を倣わせるのが倣いロール107である。
【0005】
計測対象物104と3つの距離センサ101、102及び103との相対的な移動距離を、例えばロータリエンコーダ等の移動距離検出手段105が計測し、演算回路106においてその距離を判断する。そして、3つの距離センサ101、102及び103が同時にそれぞれ計測した計測値と、移動距離とに基づいて、演算回路106が計測対象物104の表面形状を計測する。
【0006】
ここで、移動距離検出手段105により計測される移動距離は正確に計測されるものと考える。したがって、理想的には1つの距離センサと計測対象物104との間の距離と移動距離との関係がわかれば表面形状の計測を行える。ただ、距離センサ取り付け台100において、搬送又は移動に伴ってガタやヨーイングが生じる場合があり、距離センサ101、102及び103の計測によって判断した計測値には、距離方向の誤差や傾きによる誤差が含まれている場合がある。そのために3点法を用いるのである。
【0007】
3点法では、このような距離変動誤差や傾き誤差を相殺する目的で差分値を利用した方法(差分法)を用いている。図5の距離センサ101、102及び103において、距離変動誤差や傾き誤差がない理想的な計測値をそれぞれhR1、hR2、hR3とし、距離センサ取り付け台100の距離変動量をδ、傾き量をk、距離センサの間隔をLaとすると、距離センサ101、102及び103による計測値は、以下のような式(1)〜(3)で表される。
h1=hR1+δ−k×La …(1)
h2=hR2+δ …(2)
h3=hR3+δ+k×La …(3)
【0008】
ここで、以下のように差分値Δhを定義すると、次式(4)のように距離変動量δ、傾き量kに影響されず、誤差のない理想的な計測値hR1、hR2、hR3だけで表現できることがわかる。
【0009】
図6は周期(周波数)とゲインGとの関係を表す図である。図6は、距離センサの間隔Laを750mmとしたときのゲインGの状態を表している。ここで、ゲインGとは、ある移動距離における表面形状と差分値Δhとの比であるとする。計測対象物104の表面形状は一定の周期で変動しているとすると、差分値Δhは計測対象物104の表面形状の周期λ(周波数1/λ)によりゲインGが異なる。この場合、ゲインGは0≦G≦2の値を採る(理想的には周期にかかわらず1となるべきである)。このゲインGは距離センサ間隔Laによって異なるものである。
【0010】
以上を数式で表す。計測対象物104の表面形状がAsin(2π×x/λ)で表される(xは移動距離)と仮定し、(4)式に代入すると、次式(5)のようになる。
【0011】
【0012】
したがって、差分値Δhの表面形状に対するゲインGは、次式(6)で表される。
G=(1−cos(2π×La/λ)) …(6)
【0013】
すなわち、ゲインGは表面形状の周期λによって変化し、さらに距離センサの間隔Laに依存することになる。そのため、差分値Δhは計測対象物104の表面形状だけに基づいて変化するものではなく、ゲインGによっても変化するので、計測対象物104の表面形状を正確に表現しているわけではない。そこで、ゲインGを一定値(=1)にするような補正値を差分値Δhに乗算すれば、その値は表面形状のみにより変化する値を表すものとなる。
【0014】
図7は3点法による表面形状の計測の流れを表す図である。図7(a)は実際の表面形状を表す。図7(b)は差分法による差分値Δhを表す。図7(c)は差分値周波数を表し各周波数における正弦波の成分を表す。図7(d)はゲイン補正値と周波数との関係を表す。また、図7(e)は3点法により計測した最終的な表面形状を表す。3点法では、演算回路106において、距離センサの間隔Laに基づいた周期λ(周波数1/λ)におけるゲインGをあらかじめ用意しておく。そして、差分値Δhを(5)式に基づいて周波数領域に変換し、周波数毎のゲインGの逆数の値を乗算した上で(実際には、そのうちの1つの周波数だけが表面形状を表すことになる)、さらに周波数逆変換を施して(A及びλを算出、推定することにより)正確な表面形状に復元する方法(周波数補正法)を提案している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
図8は表面形状の計測の流れを表す図である。図8(a)は実際の表面形状を表す。図8(b)は差分法による差分値Δhを表す。図8(c)は表面形状を計測した結果である最終的に復元した形状(以下、復元形状という)を表す。図8(d)は実際の表面形状と復元形状との誤差(以下、復元誤差という)を表す。図8(d)から考えると、表面形状の端部では、実際の表面形状と復元した表面形状との誤差が大きく精度(以下、復元精度という)が劣化することがわかる。これは、差分法を用いていることによる。
【0016】
差分値は、全ての距離センサによる計測が同時に行える位置において正確に算出できる。そのため、計測対象物の前後の端部分においては差分値は算出されない(この領域を不感帯という)。したがって、距離センサで計測した部分に対し、差分値が算出される部分は距離センサ間隔Laの2倍だけ縮退することになる。つまり、不感帯の領域(以下、不感帯領域という)においても計測が行われた距離センサによる計測値はその後の演算にも用いられるが、不感帯領域の表面形状は復元されないので復元形状には反映されないことになる。ここに矛盾が生じることになり、端部において復元精度が劣化したのは、行き場のない不感帯での計測値のデータが重畳したことによるものである。
【0017】
そこで、本発明では、計測対象物の全ての部分において、復元誤差を少なくした表面形状を計測できるような表面形状計測方法等を得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
そのため、本発明に係る表面形状計測方法は、計測対象物の表面との距離を計測するための距離センサを、ある距離センサを中心として、対称にかつ同距離に位置するように配置した距離センサの組を、1組以上移動方向に沿って、最も外側の組の距離センサ間の距離が移動距離以下となるように複数配置し、計測対象物との間で相対的に移動させた移動距離と計測対象物の表面との距離に基づいた演算を行って計測対象物の表面形状を計測する表面形状計測方法において、全ての距離センサにおいて同時計測された距離に基づいて差分値を算出する工程と、差分値が算出できない領域に対し、あらかじめ定めた値をダミーの差分値として加える工程と、全ての領域の差分値について周波数領域に変換する工程と、周波数毎に定められた倍率で補正して、周波数毎に差分値を構成する成分を算出した上で逆変換して算出した値を、その移動距離における表面形状を表す値とする工程とを有すものである。
【0019】
図9は、図8に示す表面形状に対し、ダミーの差分値を加えた時の結果を表す図である(ここではLa=390mm、Lb=630mmである)。図9(a)は、算出した差分値に対してダミー差分値のデータを加えたものを表す図である。図9(b)は復元形状を表す。図9(c)は復元誤差を表す。本発明においては、中心となる距離センサとその距離センサと等距離にある1組以上の距離センサとに基づいて(つまり3つ以上の距離センサが存在する)、表面形状の計測を行う場合に、全ての距離センサにおいて同時に表面からの距離を計測することができなかったために差分値を算出できなかった領域については、ダミーの差分値を加え、例えばFFTにより周波数領域に変換し、表面形状を正弦波の合成波として表す。差分値を周波数領域に変換した際に現れる、距離センサ間の距離に依存する各周波数により異なる計測倍率をあらかじめ算出しておき、その計測倍率に基づいて補正した周波数毎に差分値を構成する成分を算出した上で逆変換して算出した値を、その移動距離における表面形状を表す値として演算を行う。図9から差分値の演算領域を拡張することにより端部での復元誤差が減少することがわかる。
【0020】
また、本発明に係る表面形状計測方法は、計測対象物の表面との距離を計測するための距離センサを、ある距離センサを中心として、対称にかつ同距離に位置するように配置した距離センサの組を、1組以上移動方向に沿って、最も外側の組の距離センサ間の距離が移動距離以下となるように複数配置し、計測対象物との間で相対的に移動させた移動距離と計測対象物の表面との距離に基づいた演算を行い、計測対象物の表面形状を計測する表面形状計測方法において、全ての距離センサにおいて同時計測された距離に基づいて差分値を算出する工程と、差分値を周波数領域に変換する工程と、周波数毎に定められた倍率で補正して、周波数毎に差分値を構成する成分を算出した上で逆変換した値を、その移動距離における表面形状を表す値として算出する工程と、差分値が算出されたそれぞれの位置を計測した2以上の距離センサによる距離とそれぞれの位置での表面形状を表す値とによって算出した補正値に基づいて、2以上の距離センサによる距離と同時計測された差分値が算出できなかった位置を計測した1以上の距離センサによる距離を補正し、差分値が算出できなかった位置での表面形状の値として推定する工程とを有すものである。
【0021】
図10は推定した差分値を含めた形状を表す図である。図10(a)は復元形状に対して推定した差分値が算出できなかった領域の復元形状を追加した図である。図10(b)は復元誤差を表す。図10(a)からこの領域での表面形状が推定できることがわかる。ダミーの差分値は本来の表面形状を反映したものではない分、表面形状の値を算出した領域に比べると誤差も生じる。本発明においては、2以上の距離センサによって、差分値を算出した領域のある位置で計測された距離と実際に計測した表面形状の値とに基づいて、ガタ量やヨーイング量を算出し、それと同時に計測された差分値を算出できなかった領域のある位置での距離を補正することで、その位置での表面形状の値を推定する。
【0022】
また、本発明に係る表面形状計測方法は、表面形状の値を推定した後に、表面形状の値を算出及び推定した領域外の領域にダミーの表面形状の値を加える工程と、推定した及びダミーの表面形状の値を加えた領域における差分値を算出する工程と、算出及び推定した並びにダミーの表面形状の値に基づいて、あらためて差分値を算出する工程と、算出した差分値を周波数領域に変換する工程と、周波数毎に定められた倍率で補正して、周波数毎に差分値を構成する成分を算出した上で逆変換した値を、その移動距離における表面形状を表す値として算出する工程とを有すものである。
【0023】
図11は差分値を算出できなかった領域を推定して算出した表面形状にさらにダミーの表面形状を加えた場合の復元形状を表す図である。図11(a)は差分値を表す。図11(b)は復元形状を表す。図11(c)は復元誤差を表す。復元形状の端部における復元精度が低いと例えば距離センサを取り付けている台のガタ量、ヨーイング量の推定精度も低くなるそこで、この領域の表面形状を精度よく推定するには復元形状の端部の復元精度を向上させる必要がある。本発明においては、表面形状の値を推定した後に、表面形状の値を算出及び推定した領域外の領域にダミーの表面形状の値を加え、それらの領域について、あらためて差分値を算出し、例えばFFTにより周波数領域に変換し、表面形状を正弦波の合成波として表す。差分値を周波数領域に変換した際に現れる、距離センサ間の距離に依存する各周波数により異なる計測倍率をあらかじめ算出しておき、その計測倍率に基づいて補正した周波数毎に差分値を構成する成分を算出した上で逆変換して算出した値を、その移動距離における表面形状を表す値として演算を行う。
【0024】
また、本発明に係る表面形状計測方法は、算出及び推定した並びにダミーの表面形状の値に基づいて、あらためて表面形状の値を算出した後に、差分値が算出できず、表面形状の値が算出できなかった領域に対して表面形状の値を推定し、さらに表面形状の値を算出及び推定した領域外の領域にダミーの表面形状の値を加えて差分値を算出して、表面形状の値を算出する工程を一定回数又は誤差が収束したものと判断するまで繰り返すものである。
【0025】
図12は差分値を推定を繰り返した上での復元形状を表す図である。図12(a)、図12(b)、12(c)、12(d)はそれぞれ表面形状を計測する演算処理と差分値を算出できない不感帯領域の表面形状を推定する演算処理を1回目、2回目、3回目、4回目を繰り返した時の復元形状と復元誤差を表す。復元形状端部の計測精度と差分値の算出できなかった領域の推定精度とは互いに影響しあっている。本発明においては、表面形状を計測する演算処理とその領域の表面形状を推定する演算処理とを繰り返し行い、復元形状端部の計測精度とその領域の表面形状の推定精度との双方の精度向上を図る。ここで、一定回数繰り返してもよいし、収束したものと判断するまで繰り返すようにしてもよい。図11は繰り返し(1〜4回)に伴う復元形状及び復元誤差が表されているが、回数を重ねる度に計測精度が向上することが示されている。
【0026】
また、本発明に係る表面形状計測方法のプログラムは、計測対象物の表面との距離を計測するための距離センサを、ある距離センサを中心として、対称にかつ同距離に位置するように配置した距離センサの組を、1組以上移動方向に沿って、最も外側の組の距離センサ間の距離が移動距離以下となるように複数配置し、計測対象物との間で相対的に移動させた移動距離と計測対象物の表面との距離に基づいた演算を演算手段に行わせて計測対象物の表面形状を計測する表面形状計測方法のプログラムにおいて、全ての距離センサにおいて同時計測された距離に基づいて差分値を算出させ、差分値が算出できない領域に対し、あらかじめ定めた値をダミーの差分値として加えさせ、全ての領域の差分値について周波数領域に変換させ、周波数毎に定められた倍率で補正させて、周波数毎に差分値を構成する成分を算出させた上で逆変換して算出させた値を、その移動距離における表面形状を表す値とする処理を演算手段に行わせるものである。
本発明においては、中心となる距離センサとその距離センサと等距離にある1組以上の距離センサとに基づいて(つまり3つ以上の距離センサが存在する)、表面形状の計測を演算手段に行わせる場合に、全ての距離センサにおいて同時に物体の表面からの距離を計測することができなかったために差分値を算出できなかった領域については、ダミーの差分値を加えさせ、例えばFFTにより周波数領域に変換させ、表面形状を正弦波の合成波として表わさせる。差分値を周波数領域に変換した際に現れる、距離センサ間の距離に依存する各周波数により異なる計測倍率に基づいて補正させた周波数毎に差分値を構成する成分を算出させた上で逆変換させて算出させた値を、その移動距離における表面形状を表す値とさせる処理を行わせる。
【0027】
また、本発明に係る表面形状計測方法のプログラムは、計測対象物の表面との距離を計測するための距離センサを、ある距離センサを中心として、対称にかつ同距離に位置するように配置した距離センサの組を、1組以上移動方向に沿って、最も外側の組の距離センサ間の距離が移動距離以下となるように複数配置し、計測対象物との間で相対的に移動させた移動距離と計測対象物の表面との距離に基づいた演算を演算手段に行わせて計測対象物の表面形状を計測する表面形状計測方法のプログラムにおいて、全ての距離センサにおいて同時計測された距離に基づいて差分値を算出させ、差分値を周波数領域に変換させ、周波数毎に定められた倍率で補正させて、周波数毎に差分値を構成する成分を算出させた上で逆変換した値を、その移動距離における表面形状を表す値として算出させ、差分値を算出したそれぞれの位置を計測した2以上の距離センサによる距離とそれぞれの位置での表面形状を表す値とによって算出した補正値に基づいて、2以上の距離センサによる距離と同時計測された差分値が算出できなかった位置を計測した1以上の距離センサによる距離を補正させて、差分値が算出できなかった位置での表面形状の値として推定させる処理を演算手段に行わせるものである。
本発明においては、2以上の距離センサによって、差分値を算出した領域のある位置で計測された距離と実際に計測した表面形状の値とに基づいて、それと同時に計測された差分値を算出できなかった領域のある位置での距離を補正させることで、その位置での表面形状の値を推定させる。
【0028】
また、本発明に係る表面形状計測方法のプログラムは、表面形状の値を推定させた後、表面形状の値を算出及び推定させた領域外の領域にダミーの表面形状の値を加えさせ、推定させた及びダミーの表面形状の値を加えた領域における差分値を算出させ、算出及び推定した並びにダミーの表面形状の値に基づいて、あらためて差分値を算出させ、算出させた差分値を周波数領域に変換させ、周波数毎に定められた倍率で補正させて、周波数毎に差分値を構成する成分を算出させた上で逆変換した値を、その移動距離における表面形状を表す値として算出させる処理を演算手段に行わせるものである。
本発明においては、表面形状の値を推定させた後に、表面形状の値を算出及び推定させた領域外の領域にダミーの表面形状の値を加えさせ、それらの領域について、あらためて差分値を算出させ、例えばFFTにより周波数領域に変換させ、表面形状を正弦波の合成波として表させる。差分値を周波数領域に変換させた際に現れる、距離センサ間の距離に依存する各周波数により異なる計測倍率に基づいて補正させた周波数毎に差分値を構成する成分を算出させた上で逆変換させて算出させた値を、その移動距離における表面形状を表す値として処理を行わせる。
【0029】
また、本発明に係る表面形状計測方法のプログラムは、算出及び推定させた並びにダミーの表面形状の値に基づいて、あらためて表面形状の値を算出させ後、差分値が算出されず、表面形状の値が算出できなかった領域に対して表面形状の値を推定させ、さらに表面形状の値を算出及び推定した領域外の領域にダミーの表面形状の値を加えさせて差分値を算出させ、表面形状の値を算出させる処理を一定回数又は誤差が収束したものと判断するまで繰り返させる処理を演算手段に行わせるものである。
本発明においては、表面形状を計測する演算処理とその領域の表面形状を推定する演算処理とを繰り返し行わせ、復元形状端部の計測精度とその領域の表面形状の推定精度との双方の精度向上を図るようにする。ここで、一定回数繰り返してもよいし、収束したものと判断するまで繰り返すようにしてもよい。
【0030】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の第1の実施の形態に係る表面形状計測装置の構成を表すブロック図である。図1において、10は距離センサ取り付け台100と同様の距離センサ取り付け台である。距離センサ取り付け台10には、距離センサ11〜15が固定されている。距離センサ11及び15は、距離センサ13を中心として、距離センサ13から等間隔の位置(以下、この間隔をLaとし、例えばLa=270mmとする)に固定されている。距離センサ12及び14についても同様に距離センサ13から等間隔の位置(以下、この間隔をLbとし、例えばLb=750mmとする)に固定されている。距離センサ11〜15としては例えばレーザ式の距離計を用いる。また、間隔Laの値が間隔Lbの80%以下となるように、また間隔Laと間隔Lbとが互いに素となるように設定する。
【0031】
計測対象物16、移動距離検出手段17、倣いロール19は、それぞれ上述した計測対象物104、移動距離検出手段105、倣いロール107と同様のものである。ここで、倣いロール19がなければ、計測対象物16に対し、距離センサ取り付け台10が蛇行するおそれがあり、距離センサ11〜15の計測レンジを外れることが考えられるため、これを防ぐために倣いロール19を取り付けて装置を計測対象物16に倣わせるものである。ここでは距離センサ11と12との間、距離センサ14と15との間に設ける。このように倣いロール19を設けることにより、少なくとも距離センサ11と15を計測する時点においては、物理的に不感帯の発生を減じることができる。
【0032】
演算回路18は、後述する処理の違いにおいて演算回路106とは異なる。ここで、演算回路は不感帯領域に用いるためのダミー(疑似)の差分値のデータ(以下、ダミー差分値データという)を有しているものとする。この演算回路18は、例えばコンピュータに本実施の形態で説明する処理を行うために記載されたプログラムを実行させることにより実現する。この演算回路18では、移動距離検出手段17による移動距離の計測により、10mm移動したものと判断する度に、その時の距離センサ11〜15が示す計測値を判断する。そして、計測対象物16の表面上において全ての計測値を取り終えると、それらの計測値に基づいて表面形状を復元する。
【0033】
次に本実施の形態の演算回路18の処理動作を中心にさらに詳細に説明する。演算回路18は、移動距離検出手段17による計測に基づいて、倣いロール19に倣って距離センサ11〜15と計測対象物16との間で相対的に移動した距離が10mmになったものと判断すると、その時の距離センサ11〜15が示す計測値を判断する。場合によっては記憶装置(図示せず)に記憶しておく。
【0034】
距離センサ11〜15による計測が終了すると、演算回路18は表面形状に関する処理を行う。まず、次式(7)に基づいて差分値Δhを算出する。ここで、距離センサ11、12、13、14及び15による計測値をそれぞれh1、h2、h3、h4及びh5とする。
Δh=h3−(h1+h2+h4+h5)/4 …(7)
【0035】
図2は周波数とゲインGとの関係を表す図である。ただし、この図2においては、間隔La=540mm、間隔Lb=750mmとして算出したものを示している。計測対象物16の表面形状をAsin(2π×x/λ)で表される(xは移動距離)と仮定する。そして、差分値Δhを周波数領域に変換した場合に差分値Δhの真の形状に対するゲインGは次式(8)で表される。
G=1−{cos(2π×La/λ)+cos(2π×Lb/λ)}/2…(8)
【0036】
したがって、ゲインGを構成するcos(2π×La/λ)+cos(2π×Lb/λ)が2にならなければ(つまり、cos(2π×La/λ)とcos(2π×Lb/λ)とが同時に1にならなければ)ゲインGは0にならない。これを満たすためには間隔Laと間隔Lbとが互いに素となるように設定するのが望ましい。また、たとえ間隔Laと間隔Lbとが互いに素の関係にあったとしても、両者の値が近ければ、cos(2π×La/λ)とcos(2π×Lb/λ)とがそれぞれ同時に1に近くなるため、0ではないがゲインGも小さい値になる。そこで、さらに間隔Laの値が間隔Lbの80%以下となるように設定するのが望ましい。
【0037】
差分値Δhを周波数領域に変換し、演算を行う方法には、FFT(高速フーリエ変換:Fast Fourier Transform)を用いて行うものとする。FFTについては参考文献が多数存在するので説明を省略する。ただ、算出方法についてはこれに限るものではなく、同様の結果を得られるものであればその方法は問わない。
【0038】
そして、(8)式に基づいて、その周期λ(周波数1/λ)におけるゲインGの逆数を差分値Δhに乗算することにより、ゲイン補正を行ってゲインGによる影響を除くようにする。したがって、算出される値は表面形状のみによる影響を受けることになる。ここで、ゲイン補正の計測倍率が大きくなると、ヨーイング等による誤差ではない、距離センサ11〜15による計測ノイズ(ランダム誤差)の影響も拡大する。そこで、ゲインGが0.2以下(逆数は5.0以上となる)の場合は補正を行わないようにする。
【0039】
ゲイン補正をした差分値に対して、再度FFTによる周波数逆変換を施し、その移動距離における計測対象物16の表面形状を復元する。これを、それぞれの移動距離での位置に対して行う。
【0040】
以上が距離センサ11〜15による同時計測により(7)式に基づいて差分値Δhが算出できる領域での復元形状を求めるまでの演算回路18の処理である。ここで、差分値Δhが算出されない不感帯領域に差分値Δhを補完し、この領域について表面形状を計測する方法について説明する。この部分を補完する方法として、まずあらかじめ定めておいたダミー差分値データを加え、差分値を用いて演算できる領域の拡張を図る。領域が拡張することによって、不感帯領域も外側に移行することになる。新たに発生するダミーの不感帯領域を平滑な形状にしておけば、この部分での値が他の部分の値に重畳しても問題は発生しない。また、新たなダミーの不感帯領域の表面形状による影響がダミーの領域に重畳されるようにすれば、たとえ重畳しても、表面形状の計測結果には問題はない。
【0041】
ただ、ダミー差分値が不感帯領域における本来の形状を反映したものではないので、誤差が大きくなる可能性がある。そこで、本来の不感帯領域の表面形状を推定することにより補完する方法について説明する。前述したように、距離センサ取り付け台10が搬送によるガタやヨーイングの影響を受けているため、通常、距離センサ11〜15による同時計測が行える場合にしか差分値が算出されない。距離センサ11〜15による同時計測が行えない領域が不感帯領域であるが、この領域でも1又は複数の距離センサによる計測で計測値は判断されている。そこで、ガタ量、ヨーイング量を求め、不感帯領域での計測値に対して補正ができれば、この領域の実際の表面形状に近い差分値を推定することができる。
【0042】
上記の方法で演算回路18が計測した復元形状と距離センサ11〜15による計測による計測値に基づいて、計測の都度起こるガタ量、ヨーイング量を求めた上で、不感帯領域の表面形状を推定し、復元する。具体的には、表面形状が計測可能な領域と不感帯領域の双方にまたがって同時に行われた3つ以上の(本実施の形態では5つ)距離センサによる距離計測値について行う。ここで、表面形状算出領域は2つ以上の距離センサにより計測され、不感帯領域は1つ以上の距離センサにより計測されている必要がある。表面形状が計測可能な領域での計測値に基づいて、距離センサ取り付け台10のガタ量、ヨーイング量を求める。そして、不感帯領域での計測値に対して、算出したガタ量、ヨーイング量による補正を行う。その補正した計測値について、差分値Δhを算出し、上述した処理を行って表面形状を推定する。
【0043】
図3はミズ糸(水糸)を利用してオフラインで計測した表面形状を表す図である。図4は本実施の形態の方法により復元した表面形状を表す図である。図4(a)は復元形状を表す。図4(b)は復元誤差を表す。
【0044】
以上の方法を踏まえ、ここでは、不感帯領域についてはその形状を推定し、その外側の領域にはさらにダミーの表面形状のデータを加える。そして、それらの表面形状に基づいて算出した差分値を、距離センサ11〜15による実際の計測により算出された差分値と共に、周波数領域への変換、補正、逆変換処理等の演算処理を行い、表面形状をあらためて計測するようにする。この処理は、演算回路18により行われる。また、距離センサ11〜15の計測ノイズを考慮し、場合によっては、例えば11点の移動平均を施した上で表面形状を判断した後、推定した表面形状、ダミーの表面形状に基づく上記の処理を行うようにしてもよい。
【0045】
以上のように第1の実施の形態によれば、不感帯領域について、ダミー差分値データを加えた上で、あらためて表面形状を計測するようにしたので、不感帯領域についても表面形状を復元することができる。また、さらに精度を高くするために、距離センサ取り付け台10のガタ量やヨーイング量を算出し、その値に基づいて不感帯領域を計測した計測値を補正した値をその部分の表面形状の値と推定することで、より精度の高い不感帯領域の表面形状を復元することができる。さらに、上記の方法に基づいて、不感帯領域のさらに外側の領域にダミーの表面形状を加えた上で、全ての領域についてあらためて差分値を算出して表面形状を計測することにより、より精度の高い表面形状の計測を行うことができる。
【0046】
実施の形態2.
上述した第1の実施の形態では、不感帯領域についてはその形状を推定した差分値を算出し、その外側の領域にはさらにダミー差分値のデータを加えた差分値について、周波数領域への変換、補正、逆変換処理等の演算処理を行い、表面形状を計測した。
【0047】
ここで、ダミー差分値のデータを付加する方法では、不感帯領域の表面形状が実際の表面形状に基づいたものではなかったために、復元形状の端部の計測精度が低くなった(復元誤差が大きくなった)。そして、不感帯領域の表面形状を推定する方法では、復元形状の端部の計測精度が低いために不感帯領域の推定精度が低くなった。このように復元形状端部の計測精度と不感帯の推定精度とは互いに影響しあっていることになる。
【0048】
そこで、不感帯領域の表面形状を含む差分値Δhに基づく表面形状を計測する演算処理と不感帯領域の表面形状を推定する演算処理とを繰り返し行い、復元形状端部の計測精度と不感帯領域の表面形状の推定精度との双方の精度向上を図る。ここで、この繰り返しをあらかじめ定められた一定回数行ってもよいし、収束したものと判断するまで繰り返してもよい。
【0049】
以上のように第2の実施の形態によれば、表面形状の計測とその計測結果に基づく不感帯領域の表面形状推定を繰り返し行うことにより、双方の精度を向上させることができる。
【0050】
実施形態3.
上述の実施の形態では、距離センサ11〜15の5つ設けて同時に計測することにより算出した差分値Δhに基づいて表面形状の計測を行った。本発明はこれに限定されるものではなく、例えば従来のような3点法においても十分に適用できるし、距離センサを5つ以上の奇数個設けて、計測を行った場合にも適用することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、差分値を算出できなかった領域については、ダミーの差分値を加えて、周波数変換、周波数領域での差分値の補正及び逆変換を施して表面形状の値を算出するようにしたので、表面形状の復元領域を拡げ、また端部における復元誤差を減少させることができる。
【0052】
また、本発明によれば、2以上の距離センサによって、差分値を算出した領域のある位置で計測された距離と実際に計測した表面形状の値とに基づいて、それと同時に計測された差分値を算出できなかった領域のある位置での距離を補正し、その位置での表面形状の値を推定するようにしたので、より実際の表面形状に近い値を算出することができ、特に端部においてより精度の高い表面形状を計測することができる。
【0053】
また、本発明によれば、表面形状の値を算出及び推定した領域外の領域にダミーの表面形状の値を加えた上で、それらの値に基づいた差分値をあらためて算出して、表面形状の値を算出することで、より精度の高い表面形状の計測を行うことができる。
【0054】
また、本発明によれば、表面形状の値の算出及び差分値が算出できなかった領域での表面形状の値の推定を繰り返し行うことにより、双方の誤差を減少させて精度を高めていくことにより、精度の高い表面形状の計測を行うことができる。
【0055】
また、本発明によれば、差分値を算出できなかった領域については、ダミーの差分値を加えさせ、周波数変換、周波数領域での差分値の補正及び逆変換を行わせて表面形状の値を算出させる処理を演算手段に行わせるようにしたので、表面形状の復元領域を拡げ、また端部における復元誤差を減少させることができる。
【0056】
また、本発明によれば、2以上の距離センサによって、差分値を算出した領域のある位置で計測された距離と実際に計測した表面形状の値とに基づいて、それと同時に計測された差分値を算出できなかった領域のある位置での距離を補正させ、その位置での表面形状の値を推定させる処理を演算手段に行わせるようにしたので、より実際の表面形状に近い値を算出することができ、特に端部においてより精度の高い表面形状を計測することができる。
【0057】
また、本発明によれば、表面形状の値を算出及び推定させた領域外の領域にダミーの表面形状の値を加えさせた上で、それらの値に基づいた差分値をあらためて算出させて、表面形状の値を算出させる処理を演算手段に行わせることで、より精度の高い表面形状の計測を行うことができる。
【0058】
また、本発明によれば、表面形状の値の算出及び差分値が算出できなかった領域での表面形状の値の推定を繰り返し行わせる処理を演算手段に行わせることにより、双方の誤差を減少させて精度を高めてさせ、精度の高い表面形状の計測を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る表面形状計測装置の構成を表すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態における周波数とゲインGとの関係を表す図である。
【図3】ミズ糸(水糸)を利用してオフラインで計測した表面形状を表す図である。
【図4】本実施の形態の方法により復元した表面形状を表す図である。
【図5】従来から表面形状の計測に用いられている装置を表す図である。
【図6】周期(周波数)とゲインGとの関係を表す図である。
【図7】3点法による表面形状の計測の流れを表す図である。
【図8】表面形状の計測の流れを表す図である。
【図9】図8に示す表面形状に対し、ダミーの差分値を加えた時の結果を表す図である。
【図10】推定した差分値を含めた形状を表す図である。
【図11】差分値を算出できなかった領域を推定して算出した表面形状にさらにダミーの表面形状を加えた場合の復元形状を表す図である。
【図12】差分値を推定を繰り返した上での復元形状を表す図である。
【符号の説明】
10、100距離センサ取り付け台
11、12、13、14、15、101、102、103 距離センサ
16、104 計測対象物
17、105 移動距離検出手段
18、106 演算回路
19、107 倣いロール
Claims (8)
- 計測対象物の表面との距離を計測するための距離センサを、ある距離センサを中心として、対称にかつ同距離に位置するように配置した距離センサの組を、1組以上前記移動方向に沿って、最も外側の組の距離センサ間の距離が前記移動距離以下となるように複数配置し、前記計測対象物との間で相対的に移動させた移動距離と前記計測対象物の表面との距離に基づいた演算を行って前記計測対象物の表面形状を計測する表面形状計測方法において、
前記全ての距離センサにおいて同時計測された距離に基づいて差分値を算出する工程と、
前記差分値が算出できない領域に対し、あらかじめ定めた値をダミーの差分値として加える工程と、
前記全ての領域の差分値について周波数領域に変換する工程と、
周波数毎に定められた倍率で補正して、前記周波数毎に前記差分値を構成する成分を算出した上で逆変換して算出した値を、その移動距離における表面形状を表す値とする工程と
を有することを特徴とする表面形状計測方法。 - 計測対象物の表面との距離を計測するための距離センサを、ある距離センサを中心として、対称にかつ同距離に位置するように配置した距離センサの組を、1組以上前記移動方向に沿って、最も外側の組の距離センサ間の距離が前記移動距離以下となるように複数配置し、計測対象物との間で相対的に移動させた移動距離と前記計測対象物の表面との距離に基づいた演算を行い、前記計測対象物の表面形状を計測する表面形状計測方法において、
前記全ての距離センサにおいて同時計測された距離に基づいて差分値を算出する工程と、
前記差分値を周波数領域に変換する工程と、
周波数毎に定められた倍率で補正して、前記周波数毎に前記差分値を構成する成分を算出した上で逆変換した値を、その移動距離における表面形状を表す値として算出する工程と、
前記差分値が算出されたそれぞれの位置を計測した2以上の距離センサによる距離と前記それぞれの位置での前記表面形状を表す値とによって算出した補正値に基づいて、前記2以上の距離センサによる距離と同時計測された前記差分値が算出できなかった位置を計測した1以上の距離センサによる距離を補正し、前記差分値が算出できなかった位置での表面形状の値として推定する工程と
を有することを特徴とす表面形状計測方法。 - 前記表面形状の値を推定した後に、
前記表面形状の値を算出及び推定した領域外の領域にダミーの表面形状の値を加える工程と、
前記推定した及びダミーの表面形状の値を加えた領域における差分値を算出する工程と、
前記算出及び前記推定した並びにダミーの表面形状の値に基づいて、あらためて差分値を算出する工程と、
算出した前記差分値を周波数領域に変換する工程と、
周波数毎に定められた倍率で補正して、前記周波数毎に前記差分値を構成する成分を算出した上で逆変換した値を、その移動距離における表面形状を表す値として算出する工程と
を有することを特徴とする請求項2記載の表面形状計測方法。 - 前記算出及び前記推定した並びにダミーの表面形状の値に基づいて、あらためて前記表面形状の値を算出した後に、
前記差分値が算出できず、前記表面形状の値が算出できなかった領域に対して前記表面形状の値を推定し、さらに前記表面形状の値を算出及び推定した領域外の領域にダミーの表面形状の値を加えて差分値を算出して、前記表面形状の値を算出する工程を
一定回数又は誤差が収束したものと判断するまで繰り返すことを特徴とする請求項3記載の表面形状計測方法。 - 計測対象物の表面との距離を計測するための距離センサを、ある距離センサを中心として、対称にかつ同距離に位置するように配置した距離センサの組を、1組以上前記移動方向に沿って、最も外側の組の距離センサ間の距離が前記移動距離以下となるように複数配置し、前記計測対象物との間で相対的に移動させた移動距離と前記計測対象物の表面との距離に基づいた演算を演算手段に行わせて前記計測対象物の表面形状を計測する表面形状計測方法のプログラムにおいて、
前記全ての距離センサにおいて同時計測された距離に基づいて差分値を算出させ、
前記差分値が算出できない領域に対し、あらかじめ定めた値をダミーの差分値として加えさせ、
前記全ての領域の差分値について周波数領域に変換させ、
周波数毎に定められた倍率で補正させて、前記周波数毎に前記差分値を構成する成分を算出させた上で逆変換して算出させた値を、その移動距離における表面形状を表す値とする
処理を前記演算手段に行わせることを特徴とする表面形状計測方法のプログラム。 - 計測対象物の表面との距離を計測するための距離センサを、ある距離センサを中心として、対称にかつ同距離に位置するように配置した距離センサの組を、1組以上前記移動方向に沿って、最も外側の組の距離センサ間の距離が前記移動距離以下となるように複数配置し、前記計測対象物との間で相対的に移動させた移動距離と前記計測対象物の表面との距離に基づいた演算を演算手段に行わせて前記計測対象物の表面形状を計測する表面形状計測方法のプログラムにおいて、
前記全ての距離センサにおいて同時計測された距離に基づいて差分値を算出させ、
前記差分値を周波数領域に変換させ、
周波数毎に定められた倍率で補正させて、前記周波数毎に前記差分値を構成する成分を算出させた上で逆変換した値を、その移動距離における表面形状を表す値として算出させ、
前記差分値を算出したそれぞれの位置を計測した2以上の距離センサによる距離と前記それぞれの位置での前記表面形状を表す値とによって算出した補正値に基づいて、前記2以上の距離センサによる距離と同時計測された前記差分値が算出できなかった位置を計測した1以上の距離センサによる距離を補正させて、前記差分値が算出できなかった位置での表面形状の値として推定させる
処理を前記演算手段に行わせることを特徴とする表面形状計測方法のプログラム。 - 前記表面形状の値を推定させた後、
前記表面形状の値を算出及び推定させた領域外の領域にダミーの表面形状の値を加えさせ、
前記推定させた及びダミーの表面形状の値を加えた領域における差分値を算出させ、
前記算出及び前記推定した並びにダミーの表面形状の値に基づいて、あらためて差分値を算出させ、
算出させた前記差分値を周波数領域に変換させ、
周波数毎に定められた倍率で補正させて、前記周波数毎に前記差分値を構成する成分を算出させた上で逆変換した値を、その移動距離における表面形状を表す値として算出させる
処理を前記演算手段に行わせることを特徴とする請求項6記載の表面形状計測方法のプログラム。 - 前記算出及び前記推定させた並びにダミーの表面形状の値に基づいて、あらためて前記表面形状の値を算出させ後、
前記差分値が算出されず、前記表面形状の値が算出できなかった領域に対して前記表面形状の値を推定させ、さらに前記表面形状の値を算出及び推定した領域外の領域にダミーの表面形状の値を加えさせて差分値を算出させ、前記表面形状の値を算出させる処理を
一定回数又は誤差が収束したものと判断するまで繰り返させることを前記演算手段に行わせることを特徴とする請求項7記載の表面形状計測方法のプログラム。
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Cited By (3)
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JP2007127604A (ja) * | 2005-11-07 | 2007-05-24 | Railway Technical Res Inst | 車両走行路実形状の算出方法およびその車両走行路の補修量算出方法 |
JP2009243907A (ja) * | 2008-03-28 | 2009-10-22 | Jfe Steel Corp | 冷延鋼板の形状測定方法 |
JP2014112064A (ja) * | 2012-10-30 | 2014-06-19 | Jfe Steel Corp | 長尺体の表面きず検出方法及び装置 |
-
2002
- 2002-06-19 JP JP2002178190A patent/JP2004020468A/ja active Pending
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