JP2004020203A - 膜厚測定方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】段差測定や光の干渉等を利用する方法では測定が不可能なウェット状態で不透明な膜であっても、その厚さを正確に測定できるようにする。
【解決手段】平板状基体Sの表面にウェット状態の膜材料をコーティングして形成されたウェット膜Mの膜厚を測定する膜厚測定装置であって、前記平板状基体をウェット膜を上にして載置するステージ14と、該基体を真空吸着する固定手段と、該ステージに対向配置されたレーザ変位計16と、前記基体の表面に形成されているウェット膜Mを払拭する払拭手段と、を備え、ウェット膜の表面までの第1変位量とウェット膜を払拭した後の基体の表面までの第2変位量とを前記変位計16により測定し、第1変位量と第2変位量の差をウェット膜の膜厚とする。
【選択図】 図3
【解決手段】平板状基体Sの表面にウェット状態の膜材料をコーティングして形成されたウェット膜Mの膜厚を測定する膜厚測定装置であって、前記平板状基体をウェット膜を上にして載置するステージ14と、該基体を真空吸着する固定手段と、該ステージに対向配置されたレーザ変位計16と、前記基体の表面に形成されているウェット膜Mを払拭する払拭手段と、を備え、ウェット膜の表面までの第1変位量とウェット膜を払拭した後の基体の表面までの第2変位量とを前記変位計16により測定し、第1変位量と第2変位量の差をウェット膜の膜厚とする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、膜厚測定方法及び装置、特に平板状基体の表面にコーティングされた不透明なウェット状態の膜の厚さを測定する際に適用して好適な、膜厚測定方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
膜厚の測定方法には、膜や膜をコーティングする基体の材質やそのサイズ、膜厚の測定レンジ、測定環境、測定時間等の違いにより、様々なものが存在する。近年のコーティング技術の発達に伴い、膜や基体を構成する材料の種類も多岐にわたるようになっていると共に、膜厚等の品質に対する要求もますます高くなっている。そのため、要求される精度で膜厚を測定するためには、様々な測定方法の中から最適なものを選択する必要がある。
【0003】
又、ウェット状態の膜材料を基体にコーティングする塗布工程を経て、最終的に膜製品を製造する場合、コーティング直後にインラインにて膜厚を測定し、測定結果を塗布工程にフィードバックすることは、膜厚異常により発生する製品のロスを削減できる上に、コーティング条件を決定するまでの時間の短縮につながることから有効である。
【0004】
ところで、一般に膜材料には液状のものが使われる。従って、上記のように膜厚をフィードバックする場合、コーティング直後の膜はウェット状態であるため、ウェット状態の膜(以下、ウェット膜とも言う)の膜厚を測定することが重要となる。このようなウェット状態の膜の厚さを測定する方法としては、(1)非接触の変位計により段差を測定する方法や、(2)光の干渉を利用する方法が考えられる。ところが、前者の非接触の変位計により段差を測定する方法は、段差のない膜の測定は不可能であり、又、後者の光の干渉を利用する方法は、不透明な膜は測定できない。
【0005】
上記(1)、(2)以外の方法としては、X線、β線又は光の吸収率を利用するものが考えられる。これらの方法は、段差がない不透明なウェット状態の膜でも原理的には測定可能であるが、測定値を膜厚に換算する検量線を予め用意する必要がある。例えば、X線膜厚計では蛍光X線強度、β線では後方散乱量、光の吸収を利用するものでは光の吸収量を、それぞれ膜厚に換算するための検量線が必要である。対象によっては、検量線は理論式より計算で求まる場合もあるが、それ以外の場合は、予め膜厚値の明らかなサンプルを用意し、検量線を作成する必要があり、そのためには当然検量線を使わない別な方法で膜厚を測定する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、膜厚を正確に測定するためには前述した変位計による方法や光の干渉を利用する方法を用いるしかないことになり、結局ウェット膜の検量線を作成することは困難であり、これらいずれの方法によってもウェット膜の厚さを知ることは難しいという問題があった。
【0007】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、段差測定や光の干渉等を利用する方法では測定が不可能な不透明なウェット状態の膜であっても、その厚さを正確に測定することができる膜厚測定方法及び装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、平板状基体の表面に膜材料をコーティングして形成された膜の膜厚を測定する膜厚測定方法であって、前記膜に対して所定位置に配置した変位計により、該膜の表面までの第1変位量を測定し、前記膜を払拭した後、前記基体の表面までの第2変位量を前記変位計により測定し、前記第1変位量と第2変位量の差を前記膜の膜厚とすることにより、前記課題を解決したものである。
【0009】
本発明は、又、平板状基体の表面に膜材料をコーティングして形成された膜の膜厚を測定する膜厚測定装置であって、前記平板状基体を膜を上にして載置するステージと、該ステージに対向配置された変位計と、前記基体の表面に形成されている膜を払拭する払拭手段と、を備えたことにより、同様に前記課題を解決したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明に係る一実施形態の膜厚測定装置の全体を示す概略斜視図、図2は該装置を構成する各部の関係の概要を示す制御ブロック図である。
【0012】
本実施形態の膜厚測定装置は、検査対象物(ワーク)Wを収容するバッファ10と、該バッファ10から対象物Wを取り出したり収納したりするためのロボット12と、該ロボット12により取り出された検査対象物Wを所定の位置に載置するステージ14と、該対象物Wの上方に配されたレーザ変位計16と、該変位計16を矢印で示すXYそれぞれの方向に移動させる移動機構と、装置全体の動作を制御する制御部18と、上記変位計16により測定される、後述する第1変位量と第2変位量との差から膜厚を算出する計算処理により膜厚測定等を行なうデータ処理部20と、膜払拭機構22とを備えている。
【0013】
本実施形態では図3にイメージを示すように、前記ステージ14には、平板状基体Sと、該基体Sの表面にコーティングして形成されたウェット膜Mとからなる前記検査対象物Wが、後述する払拭時に位置ズレを起こさないようにするために、該対象物Wの裏面側を真空吸着して固定する固定手段が設置されている。真空吸着の機構の詳細は省略するが、この真空吸着手段で前記基本Sを固定することにより、前記変位計16によりμmオーダの誤差範囲内で測定することが可能になっている。
【0014】
前記検査対象物Wは、ガラス等からなる透明な平板状基体Sの表面に不透明なウェット膜Mがコーティングされているものである。このウェット膜Mは、樹脂等からなる透明基材に光を拡散する微粒子を混合して形成したウェット状態の誘電体材料からなる膜で、光の拡散性と透過性とを併せ持っており、その膜厚としては、例えば10〜50μmを挙げることができる。又、樹脂としては、例えばポリエチレンを、拡散粒子としては、例えば酸化チタンを、それぞれ挙げることができる。
【0015】
又、本実施形態では、前記膜払拭機構(払拭手段)22が設置され、これにより前記ウェット膜Mに対する変位計16による測定が終了した後、該膜Mを払拭して除去することが可能になっている。
【0016】
図4は、この膜払拭機構22の要部を拡大して示す概略斜視図であり、膜払拭部22Aと、図1には省略されている溶剤供給装置22Bと、両者を連結する配管22Cとを有している。
【0017】
この膜払拭部22Aは、ステンレス等の金属で形成された直方体形状のワイパーからなり、その内部には、前記配管22に連通する中空部(図示せず)が形成されており、その側壁には該中空部に連通する複数の吐出孔22Dが穿設されている。
【0018】
又、前記溶剤供給装置22Bは、溶剤を押出すポンプ機能を有しており、この機能により前記吐出孔22Dから溶剤を吐出可能になっているとともに、図示しない移動機構により膜払拭部22Aを長手方向に直交する方向に移動可能になっている。
【0019】
次に、本実施形態の作用を、図5に示すフローチャートに従って説明する。
【0020】
前記図1に示した本実施形態の測定装置において、以下のようにサンプル(検査対象物)Wに形成されているウェット膜Mの膜厚測定を行なう。先ず、手前側のバッファ10からロボット12が検査対象物Wを取り出すと、ステージ14がローダ側に移動してくるため、ロボット12が該ステージ14の所定位置に検査対象物Wを載置(ロード)する(ステップ1)。この検査対象物Wは、ステージ14に載ったまま、検査する位置に移動されるとともに、前記図3に示したように真空吸着により固定される(ステップ2)。
【0021】
次いで、前記レーザ変位計16により、図6にイメージを示すように変位計−膜間距離(第1変位量)を測定する(ステップ3)。その後、図7に示すように前記払拭部機構22が有する膜払拭部22Aにより、ウェット膜Mを基体Sの表面から拭き取る(ステップ4)。この膜払拭部22Aは、膜を溶かす溶剤を前記吐出孔22Dから吐出しながら、払拭機構22により自動的に基体Sの表面に密着され、矢印方向に移動されることにより確実にウェット膜Mを剥がし、除去できるようになっている。但し、この膜払拭部22Aは、人手で動かすようにしてもよい。
【0022】
次いで、図8に示すように、前記レーザ変位計16により変位計−基材間距離(第2変位量)を測定し(ステップ5)、前記第1変位量とこの第2変位量との差から膜厚を求め、上記サンプルの測定終了後は、真空吸着による固定を解除して検査対象物Wをロボット12により再びバッファ10に搬送し、全サンプルの膜厚測定が終了するまで前記ステップ1からステップ6までの動作を繰り返し(ステップ7)、膜厚測定を終了する(ステップ8)。
【0023】
前記ステップ3〜ステップ5の一連の動作は、変位計16の温度ドリフトを考慮すると、できる限り短い時間で行なうことが望ましい。従って、本実施形態のようにステップ4の払拭の動作を自動で行なうことが、膜を人手で除去する場合と比較して、膜の除去を安定的且つ高速で行なうことができることから有効である。
【0024】
以上詳述した本実施形態によれば、従来の段差を測定する方法では測定不可能なウェット膜や、光の干渉を利用した方式では測定不可能な不透明なウェット膜の膜厚測定を自動且つ高速で実行することが可能となる。
【0025】
又、X線、β線、光の吸収率を利用する方法により膜厚を測定する場合に必要な検量線を作成する時に、ウェット膜が不透明な場合であっても、その膜厚を効率的且つ正確に測定することができることから、正確な検量線を効果的に作成することができる。
【0026】
図9には、本発明に係る他の実施形態の測定装置の要部を示す。この図に示されるように、本発明では、検査対象物Wの固定手段として、前記図3に示した真空吸着によるものではなく、ステージ12に取付けられている固定用治具24により、該対象物Wの両サイドを保持して固定するようにしてもよい。
【0027】
以上、本発明について具体的に説明したが、本発明は、前記実施形態に示したものに限られるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0028】
例えば、前記実施形態ではレーザ変位計を使用する場合を示したが、レーザフォーカス変位計やエアマイクロ等であってもよい。
【0029】
又、本発明による測定対象となる膜は、コーティング直後等のウェット状態のものに限られるものでなく、適切な溶剤により溶解除去可能な膜であれば任意である。
【0030】
更に、前記膜払拭部は、ステンレス等の金属からなるものに限らず、溶剤を含浸させることができるスポンジ状の材料からなるものであってもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、段差測定や光の干渉等を利用する方法では測定が不可能なウェット状態で不透明な膜であっても、その厚さを正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態の膜厚測定装置の概要を示す概略斜視図
【図2】上記膜厚測定装置を構成する各部の関係を示すブロック図
【図3】上記膜厚測定装置による測定状態のイメージを示す要部拡大正面図
【図4】膜払拭機構の要部を拡大して示す概略斜視図
【図5】実施形態の作用を示すフローチャート
【図6】変位計−膜間距離の測定状態のイメージを示す要部拡大正面図
【図7】ウェット膜の払拭状態のイメージを示す要部拡大正面図
【図8】変位計−基体間の測定状態のイメージを示す要部拡大正面図
【図9】本発明の他の変形例を示す要部拡大正面図
【符号の説明】
10…バッファ
12…ロボット
14…ステージ
16…変位計
18…制御部
20…データ処理部
22…膜払拭部
24…固定用治具
【発明が属する技術分野】
本発明は、膜厚測定方法及び装置、特に平板状基体の表面にコーティングされた不透明なウェット状態の膜の厚さを測定する際に適用して好適な、膜厚測定方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
膜厚の測定方法には、膜や膜をコーティングする基体の材質やそのサイズ、膜厚の測定レンジ、測定環境、測定時間等の違いにより、様々なものが存在する。近年のコーティング技術の発達に伴い、膜や基体を構成する材料の種類も多岐にわたるようになっていると共に、膜厚等の品質に対する要求もますます高くなっている。そのため、要求される精度で膜厚を測定するためには、様々な測定方法の中から最適なものを選択する必要がある。
【0003】
又、ウェット状態の膜材料を基体にコーティングする塗布工程を経て、最終的に膜製品を製造する場合、コーティング直後にインラインにて膜厚を測定し、測定結果を塗布工程にフィードバックすることは、膜厚異常により発生する製品のロスを削減できる上に、コーティング条件を決定するまでの時間の短縮につながることから有効である。
【0004】
ところで、一般に膜材料には液状のものが使われる。従って、上記のように膜厚をフィードバックする場合、コーティング直後の膜はウェット状態であるため、ウェット状態の膜(以下、ウェット膜とも言う)の膜厚を測定することが重要となる。このようなウェット状態の膜の厚さを測定する方法としては、(1)非接触の変位計により段差を測定する方法や、(2)光の干渉を利用する方法が考えられる。ところが、前者の非接触の変位計により段差を測定する方法は、段差のない膜の測定は不可能であり、又、後者の光の干渉を利用する方法は、不透明な膜は測定できない。
【0005】
上記(1)、(2)以外の方法としては、X線、β線又は光の吸収率を利用するものが考えられる。これらの方法は、段差がない不透明なウェット状態の膜でも原理的には測定可能であるが、測定値を膜厚に換算する検量線を予め用意する必要がある。例えば、X線膜厚計では蛍光X線強度、β線では後方散乱量、光の吸収を利用するものでは光の吸収量を、それぞれ膜厚に換算するための検量線が必要である。対象によっては、検量線は理論式より計算で求まる場合もあるが、それ以外の場合は、予め膜厚値の明らかなサンプルを用意し、検量線を作成する必要があり、そのためには当然検量線を使わない別な方法で膜厚を測定する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、膜厚を正確に測定するためには前述した変位計による方法や光の干渉を利用する方法を用いるしかないことになり、結局ウェット膜の検量線を作成することは困難であり、これらいずれの方法によってもウェット膜の厚さを知ることは難しいという問題があった。
【0007】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、段差測定や光の干渉等を利用する方法では測定が不可能な不透明なウェット状態の膜であっても、その厚さを正確に測定することができる膜厚測定方法及び装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、平板状基体の表面に膜材料をコーティングして形成された膜の膜厚を測定する膜厚測定方法であって、前記膜に対して所定位置に配置した変位計により、該膜の表面までの第1変位量を測定し、前記膜を払拭した後、前記基体の表面までの第2変位量を前記変位計により測定し、前記第1変位量と第2変位量の差を前記膜の膜厚とすることにより、前記課題を解決したものである。
【0009】
本発明は、又、平板状基体の表面に膜材料をコーティングして形成された膜の膜厚を測定する膜厚測定装置であって、前記平板状基体を膜を上にして載置するステージと、該ステージに対向配置された変位計と、前記基体の表面に形成されている膜を払拭する払拭手段と、を備えたことにより、同様に前記課題を解決したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明に係る一実施形態の膜厚測定装置の全体を示す概略斜視図、図2は該装置を構成する各部の関係の概要を示す制御ブロック図である。
【0012】
本実施形態の膜厚測定装置は、検査対象物(ワーク)Wを収容するバッファ10と、該バッファ10から対象物Wを取り出したり収納したりするためのロボット12と、該ロボット12により取り出された検査対象物Wを所定の位置に載置するステージ14と、該対象物Wの上方に配されたレーザ変位計16と、該変位計16を矢印で示すXYそれぞれの方向に移動させる移動機構と、装置全体の動作を制御する制御部18と、上記変位計16により測定される、後述する第1変位量と第2変位量との差から膜厚を算出する計算処理により膜厚測定等を行なうデータ処理部20と、膜払拭機構22とを備えている。
【0013】
本実施形態では図3にイメージを示すように、前記ステージ14には、平板状基体Sと、該基体Sの表面にコーティングして形成されたウェット膜Mとからなる前記検査対象物Wが、後述する払拭時に位置ズレを起こさないようにするために、該対象物Wの裏面側を真空吸着して固定する固定手段が設置されている。真空吸着の機構の詳細は省略するが、この真空吸着手段で前記基本Sを固定することにより、前記変位計16によりμmオーダの誤差範囲内で測定することが可能になっている。
【0014】
前記検査対象物Wは、ガラス等からなる透明な平板状基体Sの表面に不透明なウェット膜Mがコーティングされているものである。このウェット膜Mは、樹脂等からなる透明基材に光を拡散する微粒子を混合して形成したウェット状態の誘電体材料からなる膜で、光の拡散性と透過性とを併せ持っており、その膜厚としては、例えば10〜50μmを挙げることができる。又、樹脂としては、例えばポリエチレンを、拡散粒子としては、例えば酸化チタンを、それぞれ挙げることができる。
【0015】
又、本実施形態では、前記膜払拭機構(払拭手段)22が設置され、これにより前記ウェット膜Mに対する変位計16による測定が終了した後、該膜Mを払拭して除去することが可能になっている。
【0016】
図4は、この膜払拭機構22の要部を拡大して示す概略斜視図であり、膜払拭部22Aと、図1には省略されている溶剤供給装置22Bと、両者を連結する配管22Cとを有している。
【0017】
この膜払拭部22Aは、ステンレス等の金属で形成された直方体形状のワイパーからなり、その内部には、前記配管22に連通する中空部(図示せず)が形成されており、その側壁には該中空部に連通する複数の吐出孔22Dが穿設されている。
【0018】
又、前記溶剤供給装置22Bは、溶剤を押出すポンプ機能を有しており、この機能により前記吐出孔22Dから溶剤を吐出可能になっているとともに、図示しない移動機構により膜払拭部22Aを長手方向に直交する方向に移動可能になっている。
【0019】
次に、本実施形態の作用を、図5に示すフローチャートに従って説明する。
【0020】
前記図1に示した本実施形態の測定装置において、以下のようにサンプル(検査対象物)Wに形成されているウェット膜Mの膜厚測定を行なう。先ず、手前側のバッファ10からロボット12が検査対象物Wを取り出すと、ステージ14がローダ側に移動してくるため、ロボット12が該ステージ14の所定位置に検査対象物Wを載置(ロード)する(ステップ1)。この検査対象物Wは、ステージ14に載ったまま、検査する位置に移動されるとともに、前記図3に示したように真空吸着により固定される(ステップ2)。
【0021】
次いで、前記レーザ変位計16により、図6にイメージを示すように変位計−膜間距離(第1変位量)を測定する(ステップ3)。その後、図7に示すように前記払拭部機構22が有する膜払拭部22Aにより、ウェット膜Mを基体Sの表面から拭き取る(ステップ4)。この膜払拭部22Aは、膜を溶かす溶剤を前記吐出孔22Dから吐出しながら、払拭機構22により自動的に基体Sの表面に密着され、矢印方向に移動されることにより確実にウェット膜Mを剥がし、除去できるようになっている。但し、この膜払拭部22Aは、人手で動かすようにしてもよい。
【0022】
次いで、図8に示すように、前記レーザ変位計16により変位計−基材間距離(第2変位量)を測定し(ステップ5)、前記第1変位量とこの第2変位量との差から膜厚を求め、上記サンプルの測定終了後は、真空吸着による固定を解除して検査対象物Wをロボット12により再びバッファ10に搬送し、全サンプルの膜厚測定が終了するまで前記ステップ1からステップ6までの動作を繰り返し(ステップ7)、膜厚測定を終了する(ステップ8)。
【0023】
前記ステップ3〜ステップ5の一連の動作は、変位計16の温度ドリフトを考慮すると、できる限り短い時間で行なうことが望ましい。従って、本実施形態のようにステップ4の払拭の動作を自動で行なうことが、膜を人手で除去する場合と比較して、膜の除去を安定的且つ高速で行なうことができることから有効である。
【0024】
以上詳述した本実施形態によれば、従来の段差を測定する方法では測定不可能なウェット膜や、光の干渉を利用した方式では測定不可能な不透明なウェット膜の膜厚測定を自動且つ高速で実行することが可能となる。
【0025】
又、X線、β線、光の吸収率を利用する方法により膜厚を測定する場合に必要な検量線を作成する時に、ウェット膜が不透明な場合であっても、その膜厚を効率的且つ正確に測定することができることから、正確な検量線を効果的に作成することができる。
【0026】
図9には、本発明に係る他の実施形態の測定装置の要部を示す。この図に示されるように、本発明では、検査対象物Wの固定手段として、前記図3に示した真空吸着によるものではなく、ステージ12に取付けられている固定用治具24により、該対象物Wの両サイドを保持して固定するようにしてもよい。
【0027】
以上、本発明について具体的に説明したが、本発明は、前記実施形態に示したものに限られるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0028】
例えば、前記実施形態ではレーザ変位計を使用する場合を示したが、レーザフォーカス変位計やエアマイクロ等であってもよい。
【0029】
又、本発明による測定対象となる膜は、コーティング直後等のウェット状態のものに限られるものでなく、適切な溶剤により溶解除去可能な膜であれば任意である。
【0030】
更に、前記膜払拭部は、ステンレス等の金属からなるものに限らず、溶剤を含浸させることができるスポンジ状の材料からなるものであってもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、段差測定や光の干渉等を利用する方法では測定が不可能なウェット状態で不透明な膜であっても、その厚さを正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態の膜厚測定装置の概要を示す概略斜視図
【図2】上記膜厚測定装置を構成する各部の関係を示すブロック図
【図3】上記膜厚測定装置による測定状態のイメージを示す要部拡大正面図
【図4】膜払拭機構の要部を拡大して示す概略斜視図
【図5】実施形態の作用を示すフローチャート
【図6】変位計−膜間距離の測定状態のイメージを示す要部拡大正面図
【図7】ウェット膜の払拭状態のイメージを示す要部拡大正面図
【図8】変位計−基体間の測定状態のイメージを示す要部拡大正面図
【図9】本発明の他の変形例を示す要部拡大正面図
【符号の説明】
10…バッファ
12…ロボット
14…ステージ
16…変位計
18…制御部
20…データ処理部
22…膜払拭部
24…固定用治具
Claims (8)
- 平板状基体の表面に膜材料をコーティングして形成された膜の膜厚を測定する膜厚測定方法であって、
前記膜に対して所定位置に配置した変位計により、該膜の表面までの第1変位量を測定し、
前記膜を払拭した後、前記基体の表面までの第2変位量を前記変位計により測定し、
前記第1変位量と第2変位量の差を前記膜の膜厚とすることを特徴とする膜厚測定方法。 - 前記膜が、ウェット状態であることを特徴とする請求項1に記載の膜厚測定方法。
- 平板状基体の表面に膜材料をコーティングして形成された膜の膜厚を測定する膜厚測定装置であって、
前記平板状基体を膜を上にして載置するステージと、
該ステージに対向配置された変位計と、
前記基体の表面に形成されている膜を払拭する払拭手段と、を備えたことを特徴とする膜厚測定装置。 - 前記膜が、ウェット状態であることを特徴とする請求項3に記載の膜厚測定装置。
- 前記払拭手段が、前記基体の表面に接触可能なワイパーを有していることを特徴とする請求項3に記載の膜厚測定装置。
- 前記ステージに載置された前記基体を、該ステージ上に固定する固定手段が設置されていることを特徴とする請求項3に記載の膜厚測定装置。
- 前記固定手段が、前記基体をステージ側から吸着する真空吸着手段であることを特徴とする請求項6に記載の膜厚測定装置。
- 前記固定手段が、前記基体のサイドを保持する、前記ステージに取付けられている治具であることを特徴とする請求項6に記載の膜厚測定装置。
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JP2002171234A JP2004020203A (ja) | 2002-06-12 | 2002-06-12 | 膜厚測定方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002171234A JP2004020203A (ja) | 2002-06-12 | 2002-06-12 | 膜厚測定方法及び装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9593938B2 (en) | 2015-05-13 | 2017-03-14 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Layer thickness measurement method |
CN107607051A (zh) * | 2017-10-26 | 2018-01-19 | 京东方科技集团股份有限公司 | 一种膜厚检测装置 |
CN113188499A (zh) * | 2021-04-27 | 2021-07-30 | 马尔精密量仪(苏州)有限公司 | 一种锂电池薄膜测厚仪 |
-
2002
- 2002-06-12 JP JP2002171234A patent/JP2004020203A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9593938B2 (en) | 2015-05-13 | 2017-03-14 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Layer thickness measurement method |
CN107607051A (zh) * | 2017-10-26 | 2018-01-19 | 京东方科技集团股份有限公司 | 一种膜厚检测装置 |
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