JP2004020101A - 温調装置 - Google Patents

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Masao Chimura
千村 正雄
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【課題】ペルチェ素子を使用した温調装置において、温調装置を間隔の狭い場所に配置しても、空気を抵抗少なく吸入することができるように構成する。
【解決手段】ファン18の回転軸芯P1に対向するケース15,16の一方の部分に吸気口16cを設けて、ファン18の外周部を囲むようにペルチェ素子20、第1及び第2熱交換体21,22を配置する。ファン18の回転により、空気が吸気口16cから吸入されファン18の外周部に流れて、第1熱交換体21に流れた空気が第1熱交換体21を通過し熱交換されて、第1排気口15bから排出されるように構成し、第2熱交換体22に流れた空気が第2熱交換体22を通過し熱交換されて、第2排気口16bから排出されるように構成する。
【選択図】    図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペルチェ素子を使用して冷風や温風を排出する温調装置の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ペルチェ素子を使用した温調装置としては、ペルチェ素子の吸熱側又は放熱側となる一方の部分に第1熱交換体を備えて、ペルチェ素子の放熱側又は吸熱側となる他方の部分に第2熱交換体を備え、第1及び第2熱交換体に対してファンを備えたものがある。これにより、ファンからの空気が第1熱交換体に流れ第1熱交換体を通過し熱交換されて、冷風(又は温風)として排出されるのであり、ファンからの空気が第2熱交換体に流れ第2熱交換体を通過し熱交換されて、温風(又は冷風)として排出される。
【0003】
前述のようなペルチェ素子は比較的薄いものなので、温調装置を小さなものに構成することが可能である。これにより、ペルチェ素子を使用した温調装置が例えば車両のシートに備えられることがあり、温調装置からの冷風(又は温風)をシートの表面に供給することによって快適な座り心地が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術に記載のように温調装置を例えばシートの背もたれ部に備える場合に、シートの背もたれ部を構成するパッド部材の裏面と、パッド部材の裏面側に配置されたバックパネルやカバーとの間に、温調装置を備えることになる。
【0005】
前述のようなパッド部材とバックパネルやカバーとの間は間隔が狭いので、パッド部材とバックパネルやカバーとの間に温調装置を備えた場合、温調装置が空気を抵抗少なく吸入することができるかと言う点が、温調装置の性能を充分に発揮させる面で重要なものとなっている。
本発明はペルチェ素子を使用した温調装置において、温調装置を間隔の狭い場所に配置しても、空気を抵抗少なく吸入することができるように構成することを目的としており、温調装置の性能を高めることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
[I]
請求項1の特徴によると、ケースの内部にファンを回転駆動自在に備えて、ファンの回転軸芯に対向するケースの一方の部分に吸気口を設けており、ケースの内部において、ファンの外周部を囲むようにファンの円周方向に沿ってペルチェ素子を配置して、ペルチェ素子の吸熱側又は放熱側となる一方の部分に第1熱交換体を備え、ペルチェ素子の放熱側又は吸熱側となる他方の部分に第2熱交換体を備えている。
従って、ファンの回転により、空気が吸気口からケースの内部に吸入されファンの外周部に流れて、第1熱交換体に流れた空気が第1熱交換体を通過し熱交換されて、ケースに備えられた第1排気口から排出される。第2熱交換体に流れた空気が第2熱交換体を通過し熱交換されて、ケースに備えられた第2排気口から排出される。
【0007】
請求項2の特徴によると、ケースの内部に回転体を回転駆動自在に備えて、回転体の回転軸芯に対向するケースの一方の部分に吸気口を設けており、回転体の外周部に回転体の円周方向に沿ってペルチェ素子を備えて、ペルチェ素子の吸熱側又は放熱側となる一方の部分にフィン状の第1熱交換体を備え、ペルチェ素子の放熱側又は吸熱側となる他方の部分にフィン状の第2熱交換体を備えている。
従って、回転体の回転により、空気が吸気口からケースの内部に吸入され回転体の外周部に流れて、第1熱交換体に流れた空気が第1熱交換体を通過し熱交換されて、ケースに備えられた第1排気口から排出される。第2熱交換体に流れた空気が第2熱交換体を通過し熱交換されて、ケースに備えられた第2排気口から排出される。
【0008】
[II]
前項[I]に記載のように、請求項1(請求項2)の特徴によると、ファン(回転体)の回転軸芯に対向するケースの一方及び他方の部分の両方に吸気口を設けておらず、ファン(回転体)の回転軸芯に対向するケースの一方の部分に吸気口を設けている。
【0009】
これに対し、ファン(回転体)の回転軸芯に対向するケースの一方及び他方の部分の両方に吸気口を設けることが考えられる。
しかしながら、このように構成すると、[発明が解決しようとする課題]に記載のように、例えばシートの背もたれ部においてパッド部材とバックパネルやカバーとの間に温調装置を配置することになれば、一方の吸気口がパッド部材に面することになり、他方の吸気口がバックパネルやカバーに面することになる。
【0010】
バックパネルやカバーに面する他方の吸気口においては、バックパネルやカバーに開口部等を設けることにより、空気が抵抗少なく他方の吸気口に吸入されるように構成することが容易に行える。これに対しパッド部材に面する一方の吸気口においては、パッド部材が比較的厚いものである点、パッド部材の表面にはシートに着座する乗員が存在する点等により、空気が抵抗少なく一方の吸気口に吸入されるように構成することは困難である。
【0011】
以上のように、温調装置において、ファン(回転体)の回転軸芯に対向するケースの一方及び他方の部分の両方に吸気口を設けると、温調装置を間隔の狭い場所に配置した場合、一方及び他方の両方の吸気口に空気が抵抗少なく吸入されるようにすることが困難であり、温調装置の全体として空気を抵抗少なく吸入することが困難な状態になることが多い。
【0012】
[III]
前項[II]に記載のような状態に対して、請求項1(請求項2)の特徴によると、ファン(回転体)の回転軸芯に対向するケースの一方及び他方の部分の両方に吸気口を設けておらず、ファン(回転体)の回転軸芯に対向するケースの一方の部分に吸気口を設けている。
【0013】
これにより、請求項1(請求項2)の特徴によると、温調装置を間隔の狭い場所に配置した場合、吸気口に空気が抵抗少なく吸入されるような姿勢に温調装置を設定すればよい。
言い換えれば、ファン(回転体)の回転軸芯に対向するケースの一方及び他方の部分の両方に吸気口を設けると、一方及び他方の両方の吸気口に空気が抵抗少なく吸入されるような姿勢に、温調装置を設定することは困難であるが、請求項1(請求項2)の特徴のように、ファン(回転体)の回転軸芯に対向するケースの一方の部分に吸気口を設けると、一つの吸気口に空気が抵抗少なく吸入されるような姿勢に、温調装置を設定することは比較的容易に行える。
【0014】
前述の[発明が解決しようとする課題]に記載のように、例えばシートの背もたれ部においてパッド部材とバックパネルやカバーとの間に温調装置を配置する場合、吸気口がバックパネルやカバーに面するような姿勢に温調装置を設定すればよく、バックパネルやカバーに開口部等を設けることにより、空気が抵抗少なく吸気口に吸入されるように構成することが容易に行える。
【0015】
[IV]
ペルチェ素子、第1及び第2熱交換体を配置する場合、プロペラ状のファンの下手側に、平面視で長方形状のペルチェ素子、第1及び第2熱交換体を配置し、空気がプロペラ状のファン、第1及び第2熱交換体を通って直線的に流れるように構成することが考えられる。この構成では、空気の流れの幅があまり大きなものではないので、第1及び第2熱交換体の大きさも制限されている。
【0016】
これに対し請求項1(請求項2)の特徴によると、ファンの外周部を囲むようにファンの円周方向に沿ってペルチェ素子、第1及び第2熱交換体が配置されており(回転体の外周部に回転体の円周方向に沿ってペルチェ素子、第1及び第2熱交換体が備えられており)、ファン(回転体)の回転により、空気が吸気口からケースの内部に吸入されファン(回転体)の外周部に流れて、第1及び第2熱交換体に流れるように構成されている。
【0017】
これにより、請求項1(請求項2)の特徴によると、ファン(回転体)の外周部の略全周に亘るような空気の流れが生じるので、ファンの外周部に第1及び第2熱交換体を配置することによって(回転体の外周部に第1及び第2熱交換体を備えることによって)、第1及び第2熱交換体を比較的大きなものに構成することが可能になり、比較的大きな第1及び第2熱交換体に空気を供給することができるようになるので、温調装置における熱交換の容量が大きなものになる。
【0018】
さらに請求項1(請求項2)の特徴によると、ファンの外周部を囲むようにファンの円周方向に沿ってペルチェ素子、第1及び第2熱交換体が配置されており(回転体の外周部に回転体の円周方向に沿ってペルチェ素子、第1及び第2熱交換体が備えられており)、ファン(回転体)、ペルチェ素子、第1及び第2熱交換体をファン(回転体)の回転軸芯の方向に重ねるように配置していないので、温調装置の全体を薄いものに構成することができる。
【0019】
[V]
請求項2の特徴によると、回転体の外周部に回転体の円周方向に沿ってペルチェ素子を備えて、ペルチェ素子の吸熱側又は放熱側となる一方の部分にフィン状の第1熱交換体を備え、ペルチェ素子の放熱側又は吸熱側となる他方の部分にフィン状の第2熱交換体を備えている。
【0020】
これにより、請求項2の特徴によると、フィン状の第1及び第2熱交換体の回転によって、空気が吸気口からケースの内部に吸入されるのであり、第1及び第2熱交換体がファンの機能を備えることになるので(第1及び第2熱交換体がファンに兼用されるので)、専用のファンを備える必要が無くなる(専用のファンを備えたとしても、低容量のファンでよい)。
請求項2の特徴によると、前述のように専用のファンを備える必要が無くなることにより(専用のファンを備えたとしても、低容量のファンでよいことにより)、温調装置の外径を小さなものに抑えることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は乗用車のシート(運転席及び助手席)を示しており、シートは座部1、背もたれ部2及びヘッドレスト3を備えて構成されている。座部1は、発泡ウレタン等のパッド部材の表面に、通気性を備えた布製(又は小孔が多数備えられたビニールレザーや皮革製等)の表皮が被せられて構成されている。
【0022】
次に背もたれ部2について説明する。
図2及び図3に示すように、正面視で門形の上フレーム4、上フレームの4の右及び左に連結された縦フレーム5、右及び左の縦フレーム5に亘って連結された横フレーム6,7、上フレーム4に連結されたヘッドレスト3の取付用の筒状の支持部8、右及び左の縦フレーム5に亘って架設されてS字状に繰り返して曲げられたバネ9、下の横フレーム7に連結されて着座した乗員の腰部を受け止める受け部10等により、フレーム体が構成されている。
【0023】
図4に示すように、右及び左の縦フレーム5において部分的にスリットが入れられ、スリットが入れられた部分が内側に折り曲げられている。これにより、右及び左の縦フレーム5にフック状の取付部5aが形成され、右及び左の縦フレーム5における取付部5aの位置に開口5bが形成されており、取付部5aにバネ9が取り付けられている。
【0024】
図2,3,4に示すように、発泡ウレタン等のパッド部材11がフレーム体に取り付けられており、通気性を備えた布製(又は小孔が多数備えられたビニールレザーや皮革製等)の表皮12が、パッド部材11の表面に被せられている。通気性を備えた布製(又は小孔が多数備えられたビニールレザーや皮革製等)のカバー13が表皮12に接続されており、パッド部材11の裏面から所定間隔を置いてパッド部材11の裏面を覆うように、カバー13が配置されている。
【0025】
図2,3,4に示すように、パッド部材11の裏面からカバー13に向けてパッド部材11の一部が一体的に突出して、壁部材11a,11bがパッド部材11に一体的に形成されている。上の壁部材11aはパッド部材11の略全幅に亘っており、上のバネ9の上側に位置している。下の壁部材11bはパッド部材11の左右中央付近と右の縦フレーム5とに亘っており、上のバネ9の下側に位置している。この場合、壁部材11a,11bがカバー13に略接する状態となっている。
【0026】
図1,2,3,4に示すように、パッド部材11の表面にY字状で溝状の送風経路11cが備えられ、送風経路11cが表皮12に覆われており、送風経路11cの下部とパッド部材11の裏面とに亘る送風経路11dが備えられている。図2,3,4に示すようにユニット状の温調装置14が備えられ、温調装置14が上のバネ9に取り付けられて、温調装置14がパッド部材11の裏面とカバー13との間に配置されている。
【0027】
図2,3,4に示すように、温調装置14の第1排気口15bが送風経路11dに挿入されて、温調装置14(第1ケース15(図4参照))がパッド部材11の裏面及び上のバネ9に接しており、温調装置の14の第2排気口16bが上及び下の壁部材11a,11bの間に挿入されている。温調装置14(第2ケース16(図4参照))がカバー13に接しており、カバー13において温調装置14の吸気口16cに対向する部分に、カバー13よりも通気性の高いメッシュ部材13aが取り付けられている。これにより、パッド部材11の裏面、上及び下の壁部材11a,11b、カバー13、温調装置14、右の縦フレーム5によって、長方形状の空間Aが形成されている。
【0028】
以上の構造により、図3及び図4に示すように、空気がメッシュ部材13a及び吸気口16cを介して温調装置14に吸入され、温調装置14において熱交換された冷風(又は温風)が、第1排気口15bから排出され、送風経路11dから送風経路11cに供給されて、表皮12を通過してシートに着座する乗員に流れていく。温調装置14において熱交換された排風(温風又は冷風)が、第2排気口16bから排出され空間Aに供給されて、主に空間Aのカバー13の部分を通って後側に流れる。又、前述の排風(温風又は冷風)が、右の縦フレーム5の開口5b、パッド部材11に備えられた開口11e及び表皮12を通って右横側に流れる。
【0029】
次に温調装置14について説明する。
図5及び図6に示すように、温調装置14の全体が第1ケース15及び第2ケース16によって覆われている。第1ケース15の中央にモータ17が固定されて、モータ17の駆動軸に円盤部材18aが取り付けられ、円盤部材18aに多数のフィン18bが備えられて、ターボファン18が構成されており、モータ17により回転軸芯P1周りにターボファン18が回転駆動される。第2ケース16において、回転軸芯P1に対向する部分に吸気口16cが設けられている。
【0030】
図5及び図6に示すように、薄い平板状の断熱材19が第1及び第2ケース15,16の間に挟み込まれており、断熱材19においてターボファン18の部分が円状に開口されている。薄い平板状でリング状のペルチェ素子20が断熱材19の内側に取り付けられており、ペルチェ素子20の内側にも薄い平板状でリング状の断熱材19が取り付けられている。これにより、第1及び第2ケース15,16において、ターボファン18を除く部分が、断熱材19及びペルチェ素子20によって仕切られた状態となっている。
【0031】
図5及び図6に示すように、第1ケース15側において、断熱材19及びペルチェ素子20に接するように、薄い平板状のリング状で金属製(例えばアルミ合金等)のベース部材21aが固定され、ベース部材21aに金属製(例えばアルミ合金等)の多数のピン21bが備えられて、第1熱交換体21が構成されている。第2ケース16側において、断熱材19及びペルチェ素子20に接するように、薄い平板状のリング状で金属製(例えばアルミ合金等)のベース部材22aが固定され、ベース部材22aに金属製(例えばアルミ合金等)の多数のピン22bが備えられて、第2熱交換体22が構成されている。
【0032】
図5及び図6に示すように、第1及び第2熱交換体21,22において、ピン21b,22bが所定の間隔(回転軸芯P1の半径方向)を置いて一列状に並んでおり、ピン21b,22bの列が所定の間隔(回転軸芯P1の円周方向)を置いて、回転軸芯P1に対し放射状に配置されている。第2ケース16側に第2熱交換体22が配置されることにより、第2熱交換体22の位置が、第1熱交換体21の位置よりも吸気口16cに近い側になっている。
【0033】
図6に示すように、第1及び第2熱交換体21,22の内径及び外径、第1及び第2熱交換体21,22のピン21b,22bの数は、同じに設定されているが、第1熱交換体21の高さH1よりも、第2熱交換体22の高さH2が高いものに設定されている(第1熱交換体21の高さH1と第2熱交換体22の高さH2との比が、例えば1:3)。
【0034】
図5及び図6に示すように、第1及び第2ケース15,16の外周部の一部分から、ターボファン18の回転の接線方向に、第1及び第2排気経路15a,16aが延出されており、第1及び第2排気経路15a,16aも、第1及び第2ケース15,16と同様に断熱材19によって仕切られている。ターボファン18の回転の接線方向と直交する方向(回転軸芯P1と平行)の第1排気口15bが、第1排気経路15aに備えられており、ターボファン18の回転の接線方向(回転軸芯P1と直交する方向)の第2排気口16bが、第2排気経路16aに備えられている。
【0035】
図5の矢印X1に示すように、ターボファン18は図5の紙面時計方向に回転駆動されるのであり、第1及び第2ケース15,16と第1及び第2熱交換体21,22の外周部との間隔(回転軸芯P1の半径方向の間隔)が、矢印X1の方向に沿って次第に大きくなり第1及び第2排気経路15a,16aに達するように構成されている。
【0036】
前述のように、第1熱交換体21の高さH1よりも第2熱交換体22の高さH2が高いものに設定されている点により、第1ケース15と第1熱交換体21の外周部との間の空間の断面積(回転軸芯P1の半径方向の断面積)よりも、第2ケース16と第2熱交換体22の外周部との間の空間の断面積(回転軸芯P1の半径方向の断面積)が、大きなものなっている。これと同様に第1排気経路15aの断面積よりも、第2排気経路16aの断面積が大きなものになっている。
【0037】
以上の構造により、ペルチェ素子20において第1熱交換体21の部分が吸熱側となり、第2熱交換体22の部分が放熱側となるように、ペルチェ素子20に所定の電圧を掛けたとする。この状態でターボファン18が回転駆動されると、図5及び図6に示すように、空気が吸気口16cから吸入され、分岐して第1及び熱交換体21,22に放射状に流れる。第1熱交換体21に流れた空気が、第1熱交換体21との熱交換によって冷風となり、第1排気経路15aを通って第1排気口15bから排出される。第2熱交換体22に流れた空気が、第2熱交換体22との熱交換によって排風(温風)となり、第2排気経路16aを通って第2排気口16bから排出される。
【0038】
前述とは逆にペルチェ素子20において第1熱交換体21の部分が放熱側となり、第2熱交換体22の部分が吸熱側となるように、ペルチェ素子20に所定の電圧を掛けると、温風が第1排気口15bから排出され、排風(冷風)が第2排気口16bから排出される。ペルチェ素子20に電圧を掛けなければ、温調装置14の熱交換機能が停止して、常温の風が第1排気口15bから排出される。
【0039】
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明の実施の形態]においてはターボファン18を使用しているが、図7及び図8に示すようにターボファン18に代えて、シロッコファン23を使用してもよい。ターボファン18を使用する場合、図6に示すようにターボファン18の外周部を、第1及び第2熱交換体21,22に接近させることが好ましいが、シロッコファン23を使用した場合には、図8に示すようにシロッコファン23の外周部を、第1及び第2熱交換体21,22から少し離すことが好ましい。
【0040】
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明の実施の形態]及び[発明の実施の第1別形態]において、図9及び図10に示すように、第1及び第2排気経路15a,16a(図5,6,7,8参照)を廃止し、第1及び第2ケース15,16を円形に構成して、第1及び第2ケース15,16の外周部に、複数の第1及び第2排気口15b,16bを備えるように構成してもよい。図9及び図10に示す構成においてはシロッコファン23を使用しているが、シロッコファン23に代えて、ターボファン18(図5及び図6参照)を使用してもよい。
【0041】
[発明の実施の第3別形態]
前述の[発明の実施の形態]及び[発明の実施の第1別形態]、[発明の実施の第2別形態]に代えて、温調装置14を図11及び図12に示すように構成してもよい。
図11及び図12に示すように、温調装置14の全体が第1ケース15及び第2ケース16によって覆われている。第1ケース15の中央にモータ17が固定され、モータ17の駆動軸に円盤部材24が取り付けられて、モータ17により回転軸芯P1周りに円盤部材24が回転駆動されるように構成されており、第2ケース16において、回転軸芯P1に対向する部分に吸気口16cが設けられている。
【0042】
図11及び図12に示すように、金属製(例えばアルミ合金等)の多数のフィン22bが円盤部材24に固定され、薄い平板状のリング状で金属製(例えばアルミ合金等)のベース部材22aがフィン22bに備えられて、ターボファン状の第2熱交換体22が構成されている。薄い平板状でリング状の断熱材19及びペルチェ素子20が、第2熱交換体22のベース部材22aに接するように固定され、第1及び第2ケース15,16においてモータ17の付近を除く部分が、断熱材19及びペルチェ素子20によって仕切られた状態となっている。
【0043】
図11及び図12に示すように、薄い平板状のリング状で金属製(例えばアルミ合金等)のベース部材21aが、断熱材19及びペルチェ素子20に接するように固定され、金属製(例えばアルミ合金等)の多数のフィン21bがベース部材21aに備えられて、ターボファン状の第1熱交換体21が構成されている。第2ケース16側に第1熱交換体21が配置されることにより、第1熱交換体21の位置が第2熱交換体22の位置よりも吸気口16cに近い側になっている。第1熱交換体21のベース部材21aの内側端がL字状に一体的に延出されて、リング状の仕切り壁25が形成されている。
以上の構造により、円盤部材24が回転駆動されると、円盤部材24と一体で第1及び第2熱交換体21,22、仕切り壁25、断熱材19及びペルチェ素子20が回転駆動される。
【0044】
図12に示すように第1及び第2熱交換体21,22のベース部材21a,22aの厚み、第1及び第2熱交換体21,22のフィン21b,22bの高さ、第1及び第2熱交換体21,22の外径、第1及び第2熱交換体21,22のフィン21b,22bの数は同じに設定されているが、第2熱交換体22の内径よりも第1熱交換体21の内径が大きいものに設定されて、第1熱交換体21のフィン21bの横幅W1よりも、第2熱交換体22のフィン22bの横幅W2が大きいものに設定されている。
【0045】
図11及び図12に示すように、第1ケース15において第2熱交換体22に対向する部分に、複数の第1排気口15bが備えられている。第2ケース16の外周部の一部分から、円盤部材24の回転の接線方向に、第2排気経路16aが延出されており、円盤部材24の回転の接線方向と直交する方向(回転軸芯P1と平行)の第2排気口16bが、第2排気経路16aに備えられている。図11の矢印X1に示すように、回転部材24は図11の紙面時計方向に回転駆動されるのであり、第2ケース16と第1熱交換体21の外周部との間隔(回転軸芯P1の半径方向の間隔)が、矢印X1の方向に沿って次第に大きくなり第2排気経路16aに達するように構成されている。
【0046】
以上の構造により、ペルチェ素子20において第1熱交換体21の部分が吸熱側となり、第2熱交換体22の部分が放熱側となるように、ペルチェ素子20に所定の電圧を掛けたとする。この状態で円盤部材24が回転駆動されると、図11及び図12に示すように、吸気口16cの外周部付近から吸入された空気が、仕切り壁25の外側を通り第1熱交換体21(フィン21b)を放射状に流れ、第1熱交換体21との熱交換によって冷風となり、第2排気経路16aを通って第2排気口16bから排出される。吸気口16cのモータ17の付近から吸入された空気が、仕切り壁25の内側を通り第2熱交換体22(フィン22b)を放射状に流れ、第2熱交換体22との熱交換によって排風(温風)となり、第1排気口15bから排出される。
【0047】
前述とは逆にペルチェ素子20において第1熱交換体21の部分が放熱側となり、第2熱交換体22の部分が吸熱側となるように、ペルチェ素子20に所定の電圧を掛けると、温風が第2排気口16bから排出され、排風(冷風)が第1排気口15bから排出される。ペルチェ素子20に電圧を掛けなければ、温調装置14の熱交換機能が停止して、常温の風が第2排気口16bから排出される。
【0048】
[発明の実施の第4別形態]
前述の[発明の実施の第3別形態]において、仕切り壁25(図11及び図12参照)を廃止して、図13に示すように構成してもよい。
図13に示すように、第1及び第2熱交換体21,22のベース部材21a,22aの厚み、第1及び第2熱交換体21,22の内径及び外径、第1及び第2熱交換体21,22のフィン21b,22bの数は同じに設定されているが、第1熱交換体21のフィン21bの高さH1よりも、第2熱交換体22のフィン22bの高さH2が高いものに設定されている(第1熱交換体21のフィン21bの高さH1と第2熱交換体22のフィン22bの高さH2との比が、例えば1:3)。これ以外の構造は、前述の[発明の実施の第3別形態]と同じである。
【0049】
[発明の実施の第5別形態]
前述の[発明の実施の形態]及び[発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第4別形態]においては、吸気口16cが1つの大きな円状の開口であるが、第2ケース16においてモータ17に対向する部分に円盤状の壁部を備え、壁部の外周にリング状の開口を設けて、吸気口16cを構成してもよい。
前述の[発明の実施の形態]及び[発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第4別形態]の温調装置14は、シートの背もたれ部2ばかりではなく、座部1に備えるように構成してもよい(座部1の裏側に温調装置14を備え、温調装置14からの冷風又は温風、常温の風を座部1の表面に供給する)。
【0050】
【発明の効果】
請求項1(請求項2)の特徴によると、ペルチェ素子を使用した温調装置において、ファン(回転体)の回転軸芯に対向するケースの一方の部分に吸気口を設けることにより、温調装置を間隔の狭い場所に配置した場合、吸気口に空気が抵抗少なく吸入されるような姿勢に、温調装置を設定することが容易に行えるようになり、空気が抵抗少なく吸気口に吸入されるように構成することが行い易くなって、温調装置の性能を充分に発揮させることができるようになる。
【0051】
請求項1(請求項2)の特徴によると、第1及び第2熱交換体を比較的大きなものに構成することが可能になり、温調装置における熱交換の容量を大きなものにすることができて、温調装置の性能を高めることができる。
請求項1(請求項2)の特徴によると、温調装置の全体を薄いものに構成することができて、温調装置をコンパクトに構成することができるようになるのであり、温調装置を間隔の狭い場所に配置する場合に有利なものとなる。
【0052】
請求項2の特徴によると、第1及び第2熱交換体がファンの機能を備えることになり(第1及び第2熱交換体がファンに兼用され)、専用のファンを備える必要が無くなくなるので(専用のファンを備えたとしても、低容量のファンでよいので)、構造の簡素化の面で有利なものとなった。
請求項2の特徴によると、専用のファンを備える必要が無くなることにより(専用のファンを備えたとしても、低容量のファンでよいことにより)、温調装置の外径を小さなものに抑えることができるので、温調装置のコンパクト化の面で有利なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シートの全体斜視図
【図2】シートの背もたれ部の背面図
【図3】シートの背もたれ部の縦断側面図
【図4】シートの背もたれ部の横断平面図
【図5】温調装置の縦断背面図
【図6】温調装置の横断平面図
【図7】発明の実施の第1別形態における温調装置の縦断背面図
【図8】発明の実施の第1別形態における温調装置の横断平面図
【図9】発明の実施の第2別形態における温調装置の背面図
【図10】発明の実施の第2別形態における温調装置の横断平面図
【図11】発明の実施の第3別形態における温調装置の縦断背面図
【図12】発明の実施の第3別形態における温調装置の横断平面図
【図13】発明の実施の第4別形態における温調装置の横断平面図
【符号の説明】
15,16 ケース
15b   第1排気口
16b   第2排気口
16c   吸気口
18,23 ファン
20    ペルチェ素子
21    第1熱交換体
22    第2熱交換体
24    回転体
P1    回転軸芯

Claims (2)

  1. ケースの内部にファンを回転駆動自在に備えて、前記ファンの回転軸芯に対向する前記ケースの一方の部分に吸気口を設け、
    前記ケースの内部において、前記ファンの外周部を囲むように前記ファンの円周方向に沿ってペルチェ素子を配置して、前記ペルチェ素子の吸熱側又は放熱側となる一方の部分に第1熱交換体を備え、前記ペルチェ素子の放熱側又は吸熱側となる他方の部分に第2熱交換体を備えて、
    前記ファンの回転により、空気が前記吸気口から前記ケースの内部に吸入され前記ファンの外周部に流れて、前記第1熱交換体に流れた空気が前記第1熱交換体を通過し熱交換されて、前記ケースに備えられた第1排気口から排出されるように構成し、前記第2熱交換体に流れた空気が前記第2熱交換体を通過し熱交換されて、前記ケースに備えられた第2排気口から排出されるように構成してある温調装置。
  2. ケースの内部に回転体を回転駆動自在に備えて、前記回転体の回転軸芯に対向する前記ケースの一方の部分に吸気口を設け、
    前記回転体の外周部に前記回転体の円周方向に沿ってペルチェ素子を備えて、前記ペルチェ素子の吸熱側又は放熱側となる一方の部分にフィン状の第1熱交換体を備え、前記ペルチェ素子の放熱側又は吸熱側となる他方の部分にフィン状の第2熱交換体を備えて、
    前記回転体の回転により、空気が前記吸気口から前記ケースの内部に吸入され前記回転体の外周部に流れて、前記第1熱交換体に流れた空気が前記第1熱交換体を通過し熱交換されて、前記ケースに備えられた第1排気口から排出されるように構成し、前記第2熱交換体に流れた空気が前記第2熱交換体を通過し熱交換されて、前記ケースに備えられた第2排気口から排出されるように構成してある温調装置。
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