JP2004020045A - 焼却炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼却による排ガスのダイオキシンや有害ガス等を分解せしめ、環境にとって無害な排ガスを排出できるようにする。
【解決手段】焼却炉は、炉内の排ガスを循環させるための排ガス循環用パイプ20a,20d、21a,21cと、この排ガス循環用パイプに蒸気/エアを吹き込むための配管20b,20c,20e,21b,21dと、図示しないプロワ等の送風手段/蒸気の供給手段とによる排ガス循環システムを備えている。焼却物の燃焼によって燃焼部17で生じる排ガスは、排ガス循環システムによって炉内を循環しながら最終的に燃焼部17の下方へ送られて煙道27に進む。このときコークス等の燃焼中の燃料の堆積部を通過することにより、燃料の燃焼熱による高温の環境下で十分な熱アタックを受けてダイオキシン等の有害成分が分解される。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼却炉、より詳細には、高温の雰囲気下で排ガスを下方に逆流して循環させることによって排ガスの有害成分を分解せしめ、環境にとって無害な排ガスを排出できるようにした排ガス逆流式の焼却炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
産業廃棄物並びに一般廃棄物等のごみを焼却する焼却炉において、ダイオキシンの生成が問題となっている。また環境対策への一層の徹底化によって、地球環境に負荷を与える、例えば、塩素系ガスや揮発性の有機物質等の各種有害物質の排出に関する規制が強化されている。
【0003】
従来の一般の焼却炉は、通常は重油を燃料として空気を供給しながら燃焼させることによってゴミや産業廃棄物の焼却処理を行っており、このときの焼却炉内部の温度は800℃前後に制御される。しかしながらこのような条件においてもダイオキシンの発生を完全に抑えることはできず、また、塩素系ガス等の有害ガス等の発生も完全に抑えることはできなかった。
【0004】
ごく一般的な焼却炉において、その焼却炉で焼却物を焼却することにより生成された排ガスは、通常、炉の内部を上昇して該焼却炉上部に備えられた煙突から放出される。あるいは、可燃ガスやチャーなどの未燃分を含む排ガスを二次燃焼室に送って燃焼させることによって、燃焼排ガスを大気に放出するような流動式ガス化焼却設備もある。
【0005】
上記のような構成の焼却炉においては、例えば、排ガスの放出部分にバグフィルタ等を配することによって、煤塵や飛灰等はある程度除去できるが、排ガスに含まれるダイオキシンやその他の有害ガス成分を完全に捕捉あるいは除去することは難しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述のごときの実情に鑑みてなされたもので、高温の雰囲気下で排ガスを下方に逆流させて循環することによって、該排ガスのダイオキシンや有害ガス等を分解せしめ、環境にとって無害な排ガスを排出できるようにした焼却炉を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、燃料を用いて焼却対象物を焼却せしめるようにした焼却炉において、該焼却炉は、焼却物から発生する排ガスを循環させながら、燃料が燃焼する燃焼部を通過せしめて下方に排出させるための排ガス循環システムを備え、該排ガス循環システムの作用によって、排ガスを循環させ、さらに直接に燃焼中の燃料に接触させることにより、燃料の燃焼熱によって前記排ガスの有害成分を分解することを特徴としたものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記排ガス循環システムは、前記焼却炉内部の排ガスを循環させるための複数の循環用パイプと、該循環用パイプに対して送風を行うための送風手段とを有し、該循環用パイプ及び該送風手段は、前記焼却炉内部の排ガスを所定位置で吸引し、該吸引位置の下方の焼却炉内空間に吸引した排ガスを戻すように構成されていることを特徴としたものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記循環用パイプにおける焼却炉の炉体への接続部は、前記焼却炉内部へ排ガスを戻す側において、前記炉体に対して水平または下方を向いて送風が行われるように構成されていることを特徴としたものである。
【0010】
請求項4の発明は、請求項2または3の発明において、前記排ガス循環システムは、炉内の最上部近傍に排ガスの吸引口を有し、前記燃焼部の炉内上部に排ガスの戻し口を有する1または複数の上部循環用パイプと、前記燃焼部の炉内上部に排ガスの吸引口を有し、前記燃焼部近傍に排ガスの戻し口を有する1または複数の下部循環用パイプとを備え、前記送風手段は、各前記上部及び下部循環用パイプに対して共通または個別に設けられていることを特徴としたものである。
【0011】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記下部循環用パイプの排ガスの吸引口は、前記上部循環用パイプの排ガスの戻し口より上方に配設されていることを特徴としたものである。
【0012】
請求項6の発明は、請求項2ないし5のいずれか1の発明において、各前記循環用パイプのいずれかまたは複数に対して蒸気を導入することにより、排ガス中のタール分の分解を促進させることを特徴としたものである。
【0013】
請求項7の発明は、請求項4ないし6のいずれか1の発明において、前記上部循環用パイプの排ガスの戻し口と前記燃焼部との間の炉内空間に対して、攪拌用のエアを送風するための攪拌用エア送風手段を有することを特徴としたものである。
【0014】
請求項8の発明は、請求項2ないし7のいずれか1の発明において、各前記循環用パイプは、該パイプの軸方向が前記焼却炉の中心軸から変位した方向に取り付けられていることを特徴としたものである。
【0015】
請求項9の発明は、請求項1ないし8のいずれか1の発明において、該焼却炉は、鋼材を格子状に配置した棚板と、該棚板の下部に配されたロストルとを有し、前記棚板の上に燃料を堆積させて燃焼させることを特徴としたものである。
【0016】
請求項10の発明は、請求項9の発明において、該焼却炉は、前記棚板及び前記ロストルの周囲の炉壁内に、前記燃焼部と前記ロストルの下方空間とを連通し、排ガスを通過させるための溝を有することを特徴としたものである。
【0017】
請求項11の発明は、請求項9または10の発明において、該焼却炉は、前記ロストルの下方に、溶融スラグを一次的に溜めるための皿状のスラグ受けを有し、スラグ化されていない燃料灰が前記ロストルを通して落下したときに、前記スラグ受けに溜まっている溶融スラグによって該燃料灰を溶融スラグ化することを特徴としたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
図1ないし図7は、本発明による焼却炉の一実施例を説明するための図で、図1は焼却炉の正面概略図、図2は焼却炉の側面概略図、図3は図1のA部の水平断面概略図、図4は図1のB部の水平断面概略図、図5は図1のC部の水平断面概略図、図6は図1のD部の水平断面概略図、図7は図1のE部の水平断面概略図である。なお、図3ないし図5,及び図7については、排ガス循環用の配管を一部省略し、焼却炉本体の構成について示してある。
【0019】
各図において、10は焼却炉(以下単に“炉”と記載することもある)、11は焼却物投入口、12a,12bは炉体前室部、13a,13bはエアシリンダ、14は炉体最上部、15は炉体中間部、16は燃焼部上部、17は燃焼部、18は点検口、19は温度検出器センサ部、20a,20dは上部排ガス循環用パイプ、20b,20eは上部排ガス循環用パイプの上部に取り付けた蒸気/エア吹き込み配管、20cは上部排ガス循環用パイプの下部に取り付けたエア吹き込み用配管、21a、21cは下部排ガス循環用パイプ、21b,21dは下部排ガス循環用パイプの下部に取り付けたエア吹き込み管、22は燃料投入口、23は燃焼部上部へのエア吹き込み管、24は棚板、25はロストル、26はスラグ受け、27は煙道、28a,28bはのぞき窓、29は排ガス通り溝、30はロストル支柱である。
【0020】
本実施例の焼却炉10は、高温の雰囲気下で排ガスを循環させながら燃料の燃焼部の下方に送り出すことによって、該排ガスのダイオキシンや有害ガス等を分解せしめ、環境にとって無害な排ガスを排出できるようにしたものである。本実施例の焼却炉は、排ガスを循環させるための排ガス循環用パイプと、この排ガス循環用パイプに蒸気/エアを吹き込むための配管と、ブロワ等の送風手段/蒸気の供給手段とによる排ガス循環システムを備えている。本実施例では、排ガス循環用パイプとして、二本の上部排ガス循環用パイプ20a,20dと、二本の下部排ガス循環用パイプ21a,21cとを備えている。上記排ガス循環システムの詳細は後述する。炉体はキャスタ(耐火材),断熱材,及び耐火煉瓦を用いて作成され、また上部排ガス循環用パイプ20a,20dはキャスタを用いて、さらに下部排ガス循環用パイプ21a,21cは、キャスタと断熱材とにより構成されている。
【0021】
焼却物の焼却用燃料としては、コークスを好適に用いることができる。コークスを用いることにより、燃焼時に炉内の燃焼部が1700℃から1800℃の高温に達し、これにより排ガスが高温の環境下で十分な熱アタックを受けてダイオキシン等の有害成分を高効率で分解することができる。
【0022】
ゴミ等の焼却物の燃焼によって燃焼部17で生じる排ガスは、排ガス循環システムによって炉内を循環しながら最終的に燃焼部17の下方へ送られて煙道27に進む。このとき排ガスは相当の滞留時間で高波の炉内を循環し、さらにコークス等の燃焼中の燃料の堆積部を通過することにより、燃料の燃焼熱による高温の環境下で十分な熱アタックを受けてダイオキシン等の有害成分が分解されることになる。従って、焼却炉10から排出される排ガスを環境に負荷をかけない安全なものとすることができる。また、炉内に蒸気を吹き込むことによって排ガスに含まれるタール分の分解を促進することができる。
【0023】
焼却炉10に対する廃棄物の投入は焼却物投入口11から行う。また燃料投入口22からは、コークス等の燃料が投入される。燃料投入口22には、図示しないコークス供給装置を取り付けることもできる。例えば、コークス供給装置は、燃料とするコークスを供給するための一時ストックとなるホッパーとホッパーから落ちたコークスを炉内に供給する供給管により構成することができる。このときにホッパーからの炉内へのコークスの供給は、ホッパー下部に備えたダンパーを手動で開閉することによって適宜行うようにしてもよく、また、スクリューフィード式の自動供給装置や所定のシーケンスで自動的にダンパーを開閉する装置等公知の自動供給手段を用いることができる。
【0024】
炉体上部には、2つの炉体前室部12a,12bが設けられている。最上部の炉体前室部12aの上部開口が焼却物投入口11として機能する。上側の炉体前室部は上側のエアシリンダ13aの作用によって開閉する上蓋を有し、また上側の炉体前室部12aと下側の炉体前室部12bとの間には、下側のエアシリンダ13bの作用によって開閉する隔壁を有している。各炉体前室部12a,12bには図示しない送風機によってエアが送りこまれ、炉内において陽圧を保つ。これによって、廃棄物投入時において炉内の排ガスが外部に流出拡散することを防止する。
【0025】
円筒状の炉体内部は、燃料の燃焼部17から燃料投入口22のやや下方に至る部分に、その上方の炉体内部よりも内径が小さい煙突上の燃焼部上部16が設けられている。また、本明細書では、燃焼部上部16の更に上方の炉内空間を、炉体最上部14と炉体中間部15とに分けて説明するが、特にこれらの間に隔壁や開閉扉が設けられているわけではない。
【0026】
燃料投入口22から投入された燃料は、炉内を落下して燃焼部17に配された棚板24の上に堆積して燃焼せしめられ、焼却物投入口11から投入された廃棄物等の焼却物を焼却する。燃焼に際しては、各排ガス循環用パイプ20a,20d,21a,21cから、炉10の内部を水平もしくは下方に向けて強制的に空気が送風されるようになっている。またのぞき窓21a,21bによって作業者等が炉内の様子を観察することができる。また炉体に温度検出器のセンサ部19が取り付けられ、炉内の温度検出を行う。
【0027】
燃焼部18において、供給された燃料は棚板24にて支持される。棚板24は、鋼材を櫛形に並べて両端を曲折して構成したもので、コークス等の燃料を保持できる程度の隙間を有する格子状に形成される。棚板24の下方にはロストル25が配設される。ロストル25には焼却残滓が通過して下方に落下するための貫通孔または格子が設けられている。すなわち、燃焼による廃棄物の残滓は、燃焼中のコークスの堆積部を溶融しながら下方に流動し、棚板24及びロストル25を通過して溶融スラグとなってさらに下方に落下する。ロストル25の下方には、皿状のスラグ受け26が設けられ、溶融スラグを一時的に溜めておき、あふれた分を順次排出する。スラグ受け26に溶融スラグを溜めておくことにより、コークスの灰が落下しても溶融スラグの温度によってその灰を溶融スラグ化することができる。
【0028】
棚板24とロストル25が配設された炉壁部分には、その最内壁から外側に所定距離離れた位置に排ガス通り溝29が設けられている。排ガス通り溝29は、燃料が燃焼する燃焼部17の側方からロストル25の下方の空間に連通するもので、炉壁部分の全周にわたって配設されている。排ガスは、燃焼部17でコークス等の燃料に直接に接触し、さらにロストル25の内部もしくは排ガス通り溝29を通って下方に移動していく。
【0029】
排出された溶融スラグは、例えば図示しないスラグ冷却装置に送られて、冷却水槽で冷却されることにより粒状の水砕スラグとなる。このような水砕スラグは、骨材等の各種用途に再利用することができる。
【0030】
煙道27における排ガスの排出方向の先端部には、例えば図示しないバグフィルタが備えられ、排ガスに含まれる煤塵を捕捉して環境中に排出されないようにする。また、排ガスを冷却する冷却塔を備えるようにしてもよい。バグフィルタで捕捉された飛灰は、安定化処理を行ったあとに例えば埋め立て等に供せられる。
【0031】
次に排ガス循環システムについて説明する。上述のように、本実施例では、2本の上部排ガス循環用パイプ20a,20dと、2本の下部排ガス循環用パイプ21a,21cとが設けられ、これらを通して排ガスが循環しながらロストル24の下方へ送られる。これのシステムにより、炉内の高温雰囲気中を排ガスが循環することによって有害成分の分解が進行するとともに、最終的に直接にコークス等の燃料の燃焼部を通過して下方へ排気されるために、排ガスは充分な熱アタックを受けてその有害成分が分解される。
【0032】
2本の上部排ガス循環用パイプ20a,20dは、それぞれ焼却炉10の内部空間における最上部である炉体最上部14と、燃焼部上方の炉体中間部15とを炉体外部で連通するように配置される。上部排ガス循環用パイプ20a,20dは、炉体中間部15において水平または下方を向くように取り付けられている。なお本実施例では水平に対して15°下方に向かって取り付けられている。
【0033】
また各上部排ガス循環用パイプ20a,20dには、エア吹き込み管20c,20bが下方部分に連結され、ブロワ等の送風装置が接続される。また上部排ガス循環用パイプ20a,20dの上方には、蒸気/エア吹き込み管20b,20eが取り付けられ、蒸気またはエアが吹き込まれる。例えば蒸気を導入することによって、上述したように排ガスに含まれるタールの分解を促進することができる。また、エアを吹き込むようにすれば、炉内の排ガスの循環をさらに促進することができる。上記のエア吹き込み管20c、及び蒸気/エア吹き込み管20b,20eは、循環用パイプ20a,20dの内部を下方に向かって送風(蒸気の噴出)が行われるような角度で取り付けられている。このような構成によって、炉体最上部14に上昇した排ガスを吸気して、炉体中間部15に戻すことができる。
【0034】
2本の下部排ガス循環用パイプ21a,21cは、それぞれ焼却炉10の内部空間における炉体中間部15と燃焼部17とを炉体外部で連通するように配置される。このときに、炉体中間部15における上部排ガス循環用パイプ20a,20dと下部排ガス循環用パイプ21a,21cとの配設位置は、上部排ガス循環用パイプ20a,20dの配設位置の方が下方となるように構成されている。また下部排ガス循環用パイプ21a,21cは、燃焼部17において水平または下方を向くように取り付けられている。本実施例では水平に対して5°下方に向かって取り付けられている。
【0035】
また各下部排ガス循環用パイプ21a,21cには、エア吹き込み管21b,21dがその下方部分に接続され、エア吹き込み管21b、21dにはブロワ等の送風手段が設けられる。この送風手段は、上述の上部排ガス循環用パイプ20a,20d用の送風手段と共通に用いるようにしてもよい。エア吹き込み管21b、21dは、下部排ガス循環用パイプ21a,21cの内部を下方に向かって送風がなされるように配設されている。このような構成によって、炉体中間部15から排ガスを吸気して、燃焼部17に戻すことにより、熱による有害物分解効果を高めることができる。
【0036】
さらに図7に示すように、燃焼部17においては、下部排ガス循環用パイプ21a,21cは、焼却炉10の水平断面における中心から変位した方向に向かって(すなわち、炉の円筒中心から外れた方向に向かって)、かつ、2つの循環用パイプ21a,21cにより送風されるエアが炉体内を同一方向に周回するような方向となるように配設されている。これらの循環用パイプ21a,21cの配置によって、燃焼部17における気体の攪拌を促進し、燃焼部17で発生した排ガスが滞留することなく、燃焼部17の下方に向けて該排ガスを効率的に送ることができる。
【0037】
同様に、燃焼部上部16に取り付けられた上部排ガス循環用パイプ20a,20dも、上記下部排ガス循環用パイプ21a,21cと同様に炉体の円筒中心から外れた方向に向かって、かつ送風方向が同一回転方向となるように配設されている。
【0038】
さらに吸気側においても、2つの上部排ガス循環用パイプ20a,20dと、2つの下部排ガス循環用パイプ21a,21cは、それぞれ炉体の円筒中心から外れた方向に向かって配設され、これによって炉内の排ガスの吸引を効率的に行うことができる。
【0039】
また図1及び図5に示すように、燃焼部上部16には、エアを吹き込むためのエア吹き込み管23が設けられていて、ブロワ等の送風手段によってエアが送風される。エア吹き込み配管は、燃焼部上部16に対して4方向からエアが吹き込むように配設されている。
【0040】
以上の送風システムによって、燃焼部上方の空間における廃棄物の燃焼排ガスを効果的に補集し、再度燃焼部17に送り込むことができるとともに、燃焼部17におけるガスの攪拌を促進することができ、これによって炉内の排ガスの熱処理・無害化を高い信頼性で実行することができる。
【0041】
以上、本発明の焼却炉における具体的な実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されることなく、請求項の範囲を逸脱しない範囲で種々の応用、変更が可能であることはいうまでもない。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、燃焼物によって生じた排ガスを循環させて滞留時間を長くし、最終的に燃料の燃焼部を通過させて下方に排出させることにより、該排ガスへの熱処理を効果的に実行し、これによって該排ガスに含まれるダイオキシンや、塩素系ガス、窒素酸化物等の有害成分を分解せしめ、環境に無害な排ガスを排出できるようにすることができる。このときにゴミ等の焼却用の燃料としてコークスを用いることにより燃焼時に炉内が1700℃から1800℃の高温に達するようにすることができ、これによって排ガスの熱処理・無害化を信頼性をもって実行することができる。また送風配管の取り付け配置は、炉内にガスが滞留することなく、排ガスの捕集及び燃焼部における熱処理を効率的に実行できるような構成となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による焼却炉の一実施例を説明するための図で、焼却炉の正面概略図である。
【図2】本発明による焼却炉の一実施例を説明するための図で、焼却炉の側面概略図である。
【図3】本発明による焼却炉の一実施例を説明するための図で、図1のA部の水平断面概略図である。
【図4】本発明による焼却炉の一実施例を説明するための図で、図1のB部の水平断面概略図である。
【図5】本発明による焼却炉の一実施例を説明するための図で、図1のC部の水平断面概略図である。
【図6】本発明による焼却炉の一実施例を説明するための図で、図1のD部の水平断面概略図である。
【図7】本発明による焼却炉の一実施例を説明するための図で、図1のE部の水平断面概略図である。
【符号の説明】
10…焼却炉(炉)、11…焼却物投入口、12a,12b…炉体前室部、13a,13b…エアシリンダ、14…炉体最上部、15…炉体中間部、16…燃焼部上部、17…燃焼部、18…点検口、19…温度検出器センサ部、20a,20d…上部排ガス循環用パイプ、20b,20e…上部排ガス循環用パイプの上部に取り付けた蒸気/エア吹き込み管、20c…上部排ガス循環用パイプの下部に取り付けたエア吹き込み用管、21a、21c…下部排ガス循環用パイプ、21b,21d…下部排ガス循環用パイプの下部に取り付けたエア吹き込み管、22…燃料投入口、23…燃焼部上部へのエア吹き込み管、24…棚板、25…ロストル、26…スラグ受け、27…煙道、28a,28b…のぞき窓、29…排ガス通り溝、30…ロストル支柱。

Claims (11)

  1. 燃料を用いて焼却対象物を焼却せしめるようにした焼却炉において、該焼却炉は、焼却物から発生する排ガスを循環させながら、燃料が燃焼する燃焼部を通過せしめて下方に排出させるための排ガス循環システムを備え、該排ガス循環システムの作用によって、排ガスを循環させ、さらに直接に燃焼中の燃料に接触させることにより、燃料の燃焼熱によって前記排ガスの有害成分を分解することを特徴とする焼却炉。
  2. 請求項1に記載の焼却炉において、前記排ガス循環システムは、前記焼却炉内部の排ガスを循環させるための複数の循環用パイプと、該循環用パイプに対して送風を行うための送風手段とを有し、該循環用パイプ及び該送風手段は、前記焼却炉内部の排ガスを所定位置で吸引し、該吸引位置の下方の焼却炉内空間に吸引した排ガスを戻すように構成されていることを特徴とする焼却炉。
  3. 請求項2に記載の焼却炉において、前記循環用パイプにおける焼却炉の炉体への接続部は、前記焼却炉内部へ排ガスを戻す側において、前記炉体に対して水平または下方を向いて送風が行われるように構成されていることを特徴とする焼却炉。
  4. 請求項2または3に記載の焼却炉において、前記排ガス循環システムは、炉内の最上部近傍に排ガスの吸引口を有し、前記燃焼部の炉内上部に排ガスの戻し口を有する1または複数の上部循環用パイプと、前記燃焼部の炉内上部に排ガスの吸引口を有し、前記燃焼部近傍に排ガスの戻し口を有する1または複数の下部循環用パイプとを備え、前記送風手段は、各前記上部及び下部循環用パイプに対して共通または個別に設けられていることを特徴とする焼却炉。
  5. 請求項4に記載の焼却炉において、前記下部循環用パイプの排ガスの吸引口は、前記上部循環用パイプの排ガスの戻し口より上方に配設されていることを特徴とする焼却炉。
  6. 請求項2ないし5のいずれか1に記載の焼却炉において、各前記循環用パイプのいずれかまたは複数に対して蒸気を導入することにより、排ガス中のタール分の分解を促進させることを特徴とする焼却炉。
  7. 請求項4ないし6のいずれか1に記載の焼却炉において、前記上部循環用パイプの排ガスの戻し口と前記燃焼部との間の炉内空間に対して、攪拌用のエアを送風するための攪拌用エア送風手段を有することを特徴とする焼却炉。
  8. 請求項2ないし7のいずれか1に記載の焼却炉において、各前記循環用パイプは、該パイプの軸方向が前記焼却炉の中心軸から変位した方向に取り付けられていることを特徴とする焼却炉。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1に記載の焼却炉において、該焼却炉は、鋼材を格子状に配置した棚板と、該棚板の下部に配されたロストルとを有し、前記棚板の上に燃料を堆積させて燃焼させることを特徴とする焼却炉。
  10. 請求項9に記載の焼却炉において、該焼却炉は、前記棚板及び前記ロストルの周囲の炉壁内に、前記燃焼部と前記ロストルの下方空間とを連通し、排ガスを通過させるための溝を有することを特徴とする焼却炉。
  11. 請求項9または10に記載の焼却炉において、該焼却炉は、前記ロストルの下方に、溶融スラグを一次的に溜めるための皿状のスラグ受けを有し、スラグ化されていない燃料灰が前記ロストルを通して落下したときに、前記スラグ受けに溜まっている溶融スラグによって該燃料灰を溶融スラグ化することを特徴とする焼却炉。
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