JP2004019968A - 電子レンジ - Google Patents
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Abstract
【課題】食品の仕上がり温度がその容器や形状によって大きく左右されないようにした電子レンジを提供すること。
【解決手段】赤外線センサー2と、制御部12を備え、食品をマイクロ波で所定時間加熱した後に一旦加熱を停止し、加熱停止前と加熱停止中に食品から放射される赤外線を観測してその値を比較し、熱伝導の遅れの検出結果に基づいて前記加熱手段を制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】赤外線センサー2と、制御部12を備え、食品をマイクロ波で所定時間加熱した後に一旦加熱を停止し、加熱停止前と加熱停止中に食品から放射される赤外線を観測してその値を比較し、熱伝導の遅れの検出結果に基づいて前記加熱手段を制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、赤外線温度測定手段を備えた電子レンジに関し、加熱を一旦停止した時の食品内部からの熱伝導の時間的な遅れを測定し、食品の内部温度を推定することによって、一定の仕上がり温度を実現できる電子レンジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電子レンジとしては、例えば、特開平11−337074号公報に記載されているようなものがあった。図5は、前記公報に記載された従来の電子レンジに示すものである。
【0003】
図5は、電子レンジのターンテーブル上に載置された2個の食品を、21に示す赤外線センサの視野とともに示す図であり、図6は図5の電子レンジのターンテーブル上に複数の食品が載置された場合の、ターンテーブルの周期Tの間の検知温度の変化を示す図である。図6の(a)は、2個の食品の検知温度の変化、(b)は、3個の食品の検知温度の変化を示す。検知温度の変化の様子から食品の数量を推定することによって、検知温度に対して食品の数量に応じた補正の係数をもたせようとしたものである。具体的には、数量が増えるに従い検知終了温度を高くするように、その補正係数を持たせたことを記載している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成では、電子レンジのターンテーブルの中央に、背の低いカップを置く場合と背の高いカップを置く場合には、同じ1個の被加熱物(食品)であり、検知温度に対する食品の数量に応じた補正係数は同じになる。しかしながら背の低いカップの液面は、例えば図1に示すように、センサーの視野がその液面を見通すことが出来るのに対して、背の高いコップでは液面は視野に入らず、容器(この場合はカップ)の側面の温度を測定することになる。そのため、あらかじめ設定されたセンサーの検知温度で食品の加熱を停止すると、背の低いカップでは内容物の温度が低く、背の高いカップでは温度が高くなるという問題があった。さらに、酒の入った徳利などでは、その容器(徳利)の厚みの違いにより、分厚い容器では酒の温度に対して容器の表面の温度が低い為に、仕上がり温度が高くなるという問題を有していた。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、食品の仕上がり温度がその容器や形状によって大きく左右されないようにした電子レンジを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電子レンジは、食品をマイクロ波で所定時間加熱した後に一旦加熱を停止し、加熱停止前と加熱停止中に食品から放射される赤外線を観測してその値を比較し、食品の内部から容器の表面への熱伝導の遅れを検出する手段と、前記熱伝導の遅れの検出結果に基づいて前記加熱手段を制御する制御手段とを備えてなる電子レンジとしたものである。
【0007】
本発明によると、食品にマイクロ波を照射し、その電波が食品中で熱エネルギーに変換されると、その食品の温度は、一定の強さの電波を照射した場合には、その照射時間に比例して一定の温度上昇をする。しかしながら、食品から放射される赤外線が、陶器などの食品の容器で遮蔽されていると、一般的には容器の温度上昇は中の食品より小さく、赤外線で観測した温度は容器の表面温度であるが為に、中の食品の方が温度が高くなってしまう。従って、食品が容器で遮蔽されているかどうかを判定し、その検知温度を補正することができる事は、赤外線を使った温度検知装置にとって、大変にに有用な機能であると言える。
【0008】
これによって、一定の仕上がり温度が実現できる電子レンジとなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
請求項1または2に記載の発明は、食品をマイクロ波で所定時間加熱した後に一旦加熱を停止し、加熱停止前と加熱停止中に食品から放射される赤外線を観測してその観測結果を比較することによって食品の内部から容器の表面への熱伝導の遅れを測定し、その結果、前記熱伝導の遅れに基づいて容器内の食品の温度を推定する事ができるようにしたものであり、容器の形状にかかわらず、食品の一定な仕上がり温度を実現することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、特に、請求項1または2に記載の電子レンジを、さらに、加熱時間が長くなると検知終了温度が高くなるように設定し、食品の量による検知温度の補正を加えることにより、さらに食品の一定な仕上がり温度を実現することができる。
【0011】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
(実施例1)
図1は、本発明の第1の実施例における電子レンジ1の内部構造を簡略化して示す図である。
【0013】
図1において、2は赤外線センサーを示し、加熱室3に設けられた開口部4を通して食品5からの赤外線を、加熱室3の斜め上から検知する構造を示す。6は赤外線センサー2の視野を示している。マグネトロン7は、加熱室3内にマイクロ波を供給し、食品5を加熱する。
【0014】
加熱室3の底部には、一定周期で回転するターンテーブル8が備え付けられており、そのターンテーブル8を回転させるための動力を発生するターンテーブルモータ9が備えられている。
【0015】
図2は、図1に示した電子レンジ1の主要な電気的構成を示すブロック図である。電子レンジ1の使用者が操作キーボード11を操作して食品5の加熱を指示すると、制御部12はマグネトロン7からマイクロ波を発生させ、食品5を加熱する。又、制御部12は同時にターンテーブルモータ9を駆動させる。赤外線センサー2からの赤外線情報は、制御部12に送られ、制御部12はその情報に基づいて食品5の温度を算出する。
【0016】
図3(a)は、図1の電子レンジ1における実施例で、食品5を加熱した時の赤外線センサー2からの赤外線情報を記録した温度データである。X軸は加熱時間、Y軸は検知した温度を示す。本実施例では、ターンテーブル8の1回転の回転周期は10秒であり、10秒毎に周期的な凹凸が見られる。これは、ターンテーブル8の回転に伴い食品5の容器(実施例ではマグカップ)の取手やその他個所の温度を測定するためである。この実施例では、特許請求の範囲の請求項1に示す「食品をマイクロ波で所定時間加熱した後に一旦加熱を停止し」の「所定時間加熱」とは、53秒間であり、「一旦加熱を停止」した時間とは、10秒間である。
【0017】
図3(b)は、図3(a)のデータを10秒毎に切り取り、重ね合わせたグラフである。横軸は、ターンテーブル一周期分の10秒間を示し、そのうちの8秒付近に見られるグラフの突起は、前記マグカップの取手の温度を示す。取手は他の個所に較べて温度上昇が少ない事がわかる。
【0018】
図3(C)は、図3(b)に示す各10秒間の温度上昇値を示すグラフである。具体的には、30〜40秒間の各点の温度データと40〜50秒間の各温度データの差をY軸の温度変化として「40−50」のグラフに表し、同様に40〜50秒間と50〜60秒間の温度差を50−60としてグラフに表し、さらに、50〜60秒間と60〜70秒間の温度差を60−70としてグラフに表している。前記したように、この実施例では食品5を53秒まで加熱し、53秒から63秒までは加熱を停止している。なお、本実施例で過熱を停止するタイミングは、加熱開始後50秒以後の、最も温度変化が大きい位置としている。この位置を求めるには、30秒後から10秒間の温度データと40秒後から10秒間のデータの差を求め、その温度上昇の最も大きな位置を決定し、次の周期(すなわち50秒後の1回転中)のその位置で加熱を停止している。
【0019】
図3(C)からわかるように、食品5の加熱中は、温度上昇の大きな部分(上下方向の矢印で示す、2秒付近。)の温度上昇値は毎10秒ごとに6〜7℃であるに対して、53秒から63秒までの非加熱期間経過後では、温度上昇値は約3℃であった。従って温度上昇値の温度差ΔTは6−6=3℃である。加熱を停止しているにもかかわらず、データとしては引き続き3℃の温度上昇が観測された。これを考察すると、食品5内部の加熱は停止されたが、表面には引き続き内部からの熱が伝達供給されている為である。すなわちこれは、内部温度は表面の温度より高くなっている事を示している。
【0020】
図4は、食品5の加熱温度を70℃の目標に設定した時に、前記図3(C)で説明した温度差ΔT(Y軸)と、加熱温度を70℃の目標に対して、赤外線センサー2が検知した検知温度(X軸)との相関関係を実験により求めたグラフである。このグラフから、加熱を停止する温度補正項を抽出する事ができる。例えば、図4の矢印(a)に示す点は、前記図3(C)で説明した温度差ΔT=3℃の時には、検知温度が約45℃の時に加熱を停止すれば、食品の内部温度は70℃になる事を示している。この場合に右上がりの直線で示した70秒線の意味は、加熱時間との関係を示し、食品の内部温度を70℃にするためには、矢印(a)で示すように加熱を開始してから70秒時点であれば検知温度約45℃で加熱を停止すれば食品の内部温度は70℃になっており、矢印(b)で示す点では、加熱時間が210秒であれば検知温度約68℃で加熱を停止すれば良い事を示している。これは、加熱する食品の重量に比例して過熱時間が必要である事から生ずるものであり、本発明の請求項2に記載した、加熱時間が長くなると検知終了温度が高くなる請求項1に記載の電子レンジに該当する。
【0021】
(実施例2)
前記既に図4の説明で示したように、食品の重量が大きいと温度上昇がゆっくり進行するために食品から容器に熱が伝達する時間が十分にあり、内部と容器の温度差が小さくなる事から、本発明の実施例では加熱時間が長くなると検知終了温度が高くなるように検知温度を設定している。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、請求項1〜3に記載の発明によれば、たとえ食品が容器に入っていても、赤外線センサーを利用して食品の内部温度をほぼ正確に推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における電子レンジの内部構造を簡略化して示す図
【図2】本発明の第1の実施例における電子レンジの主要な電気的構成を示すブロック図
【図3】本発明の第1の実施例における電子レンジで食品を加熱した時の赤外線センサーの温度データを示す図
【図4】本発明の第1の実施例における電子レンジで食品の加熱温度を70℃に設定した場合の赤外線センサーの検知温度を示す図
【図5】従来の電子レンジのターンテーブル上に載置された2個の食品と赤外線センサの視野を示す図
【図6】従来の電子レンジのターンテーブル上に複数の食品が載置された場合の検知温度の変化を示す図
【符号の説明】
1 電子レンジ
2 赤外線センサー
3 加熱室
4 開口部
5 食品
6 赤外線センサーの視野
7 マグネトロン
8 ターンテーブル
9 ターンテーブルモータ
11 操作キーボード
12 制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、赤外線温度測定手段を備えた電子レンジに関し、加熱を一旦停止した時の食品内部からの熱伝導の時間的な遅れを測定し、食品の内部温度を推定することによって、一定の仕上がり温度を実現できる電子レンジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電子レンジとしては、例えば、特開平11−337074号公報に記載されているようなものがあった。図5は、前記公報に記載された従来の電子レンジに示すものである。
【0003】
図5は、電子レンジのターンテーブル上に載置された2個の食品を、21に示す赤外線センサの視野とともに示す図であり、図6は図5の電子レンジのターンテーブル上に複数の食品が載置された場合の、ターンテーブルの周期Tの間の検知温度の変化を示す図である。図6の(a)は、2個の食品の検知温度の変化、(b)は、3個の食品の検知温度の変化を示す。検知温度の変化の様子から食品の数量を推定することによって、検知温度に対して食品の数量に応じた補正の係数をもたせようとしたものである。具体的には、数量が増えるに従い検知終了温度を高くするように、その補正係数を持たせたことを記載している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成では、電子レンジのターンテーブルの中央に、背の低いカップを置く場合と背の高いカップを置く場合には、同じ1個の被加熱物(食品)であり、検知温度に対する食品の数量に応じた補正係数は同じになる。しかしながら背の低いカップの液面は、例えば図1に示すように、センサーの視野がその液面を見通すことが出来るのに対して、背の高いコップでは液面は視野に入らず、容器(この場合はカップ)の側面の温度を測定することになる。そのため、あらかじめ設定されたセンサーの検知温度で食品の加熱を停止すると、背の低いカップでは内容物の温度が低く、背の高いカップでは温度が高くなるという問題があった。さらに、酒の入った徳利などでは、その容器(徳利)の厚みの違いにより、分厚い容器では酒の温度に対して容器の表面の温度が低い為に、仕上がり温度が高くなるという問題を有していた。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、食品の仕上がり温度がその容器や形状によって大きく左右されないようにした電子レンジを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電子レンジは、食品をマイクロ波で所定時間加熱した後に一旦加熱を停止し、加熱停止前と加熱停止中に食品から放射される赤外線を観測してその値を比較し、食品の内部から容器の表面への熱伝導の遅れを検出する手段と、前記熱伝導の遅れの検出結果に基づいて前記加熱手段を制御する制御手段とを備えてなる電子レンジとしたものである。
【0007】
本発明によると、食品にマイクロ波を照射し、その電波が食品中で熱エネルギーに変換されると、その食品の温度は、一定の強さの電波を照射した場合には、その照射時間に比例して一定の温度上昇をする。しかしながら、食品から放射される赤外線が、陶器などの食品の容器で遮蔽されていると、一般的には容器の温度上昇は中の食品より小さく、赤外線で観測した温度は容器の表面温度であるが為に、中の食品の方が温度が高くなってしまう。従って、食品が容器で遮蔽されているかどうかを判定し、その検知温度を補正することができる事は、赤外線を使った温度検知装置にとって、大変にに有用な機能であると言える。
【0008】
これによって、一定の仕上がり温度が実現できる電子レンジとなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
請求項1または2に記載の発明は、食品をマイクロ波で所定時間加熱した後に一旦加熱を停止し、加熱停止前と加熱停止中に食品から放射される赤外線を観測してその観測結果を比較することによって食品の内部から容器の表面への熱伝導の遅れを測定し、その結果、前記熱伝導の遅れに基づいて容器内の食品の温度を推定する事ができるようにしたものであり、容器の形状にかかわらず、食品の一定な仕上がり温度を実現することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、特に、請求項1または2に記載の電子レンジを、さらに、加熱時間が長くなると検知終了温度が高くなるように設定し、食品の量による検知温度の補正を加えることにより、さらに食品の一定な仕上がり温度を実現することができる。
【0011】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
(実施例1)
図1は、本発明の第1の実施例における電子レンジ1の内部構造を簡略化して示す図である。
【0013】
図1において、2は赤外線センサーを示し、加熱室3に設けられた開口部4を通して食品5からの赤外線を、加熱室3の斜め上から検知する構造を示す。6は赤外線センサー2の視野を示している。マグネトロン7は、加熱室3内にマイクロ波を供給し、食品5を加熱する。
【0014】
加熱室3の底部には、一定周期で回転するターンテーブル8が備え付けられており、そのターンテーブル8を回転させるための動力を発生するターンテーブルモータ9が備えられている。
【0015】
図2は、図1に示した電子レンジ1の主要な電気的構成を示すブロック図である。電子レンジ1の使用者が操作キーボード11を操作して食品5の加熱を指示すると、制御部12はマグネトロン7からマイクロ波を発生させ、食品5を加熱する。又、制御部12は同時にターンテーブルモータ9を駆動させる。赤外線センサー2からの赤外線情報は、制御部12に送られ、制御部12はその情報に基づいて食品5の温度を算出する。
【0016】
図3(a)は、図1の電子レンジ1における実施例で、食品5を加熱した時の赤外線センサー2からの赤外線情報を記録した温度データである。X軸は加熱時間、Y軸は検知した温度を示す。本実施例では、ターンテーブル8の1回転の回転周期は10秒であり、10秒毎に周期的な凹凸が見られる。これは、ターンテーブル8の回転に伴い食品5の容器(実施例ではマグカップ)の取手やその他個所の温度を測定するためである。この実施例では、特許請求の範囲の請求項1に示す「食品をマイクロ波で所定時間加熱した後に一旦加熱を停止し」の「所定時間加熱」とは、53秒間であり、「一旦加熱を停止」した時間とは、10秒間である。
【0017】
図3(b)は、図3(a)のデータを10秒毎に切り取り、重ね合わせたグラフである。横軸は、ターンテーブル一周期分の10秒間を示し、そのうちの8秒付近に見られるグラフの突起は、前記マグカップの取手の温度を示す。取手は他の個所に較べて温度上昇が少ない事がわかる。
【0018】
図3(C)は、図3(b)に示す各10秒間の温度上昇値を示すグラフである。具体的には、30〜40秒間の各点の温度データと40〜50秒間の各温度データの差をY軸の温度変化として「40−50」のグラフに表し、同様に40〜50秒間と50〜60秒間の温度差を50−60としてグラフに表し、さらに、50〜60秒間と60〜70秒間の温度差を60−70としてグラフに表している。前記したように、この実施例では食品5を53秒まで加熱し、53秒から63秒までは加熱を停止している。なお、本実施例で過熱を停止するタイミングは、加熱開始後50秒以後の、最も温度変化が大きい位置としている。この位置を求めるには、30秒後から10秒間の温度データと40秒後から10秒間のデータの差を求め、その温度上昇の最も大きな位置を決定し、次の周期(すなわち50秒後の1回転中)のその位置で加熱を停止している。
【0019】
図3(C)からわかるように、食品5の加熱中は、温度上昇の大きな部分(上下方向の矢印で示す、2秒付近。)の温度上昇値は毎10秒ごとに6〜7℃であるに対して、53秒から63秒までの非加熱期間経過後では、温度上昇値は約3℃であった。従って温度上昇値の温度差ΔTは6−6=3℃である。加熱を停止しているにもかかわらず、データとしては引き続き3℃の温度上昇が観測された。これを考察すると、食品5内部の加熱は停止されたが、表面には引き続き内部からの熱が伝達供給されている為である。すなわちこれは、内部温度は表面の温度より高くなっている事を示している。
【0020】
図4は、食品5の加熱温度を70℃の目標に設定した時に、前記図3(C)で説明した温度差ΔT(Y軸)と、加熱温度を70℃の目標に対して、赤外線センサー2が検知した検知温度(X軸)との相関関係を実験により求めたグラフである。このグラフから、加熱を停止する温度補正項を抽出する事ができる。例えば、図4の矢印(a)に示す点は、前記図3(C)で説明した温度差ΔT=3℃の時には、検知温度が約45℃の時に加熱を停止すれば、食品の内部温度は70℃になる事を示している。この場合に右上がりの直線で示した70秒線の意味は、加熱時間との関係を示し、食品の内部温度を70℃にするためには、矢印(a)で示すように加熱を開始してから70秒時点であれば検知温度約45℃で加熱を停止すれば食品の内部温度は70℃になっており、矢印(b)で示す点では、加熱時間が210秒であれば検知温度約68℃で加熱を停止すれば良い事を示している。これは、加熱する食品の重量に比例して過熱時間が必要である事から生ずるものであり、本発明の請求項2に記載した、加熱時間が長くなると検知終了温度が高くなる請求項1に記載の電子レンジに該当する。
【0021】
(実施例2)
前記既に図4の説明で示したように、食品の重量が大きいと温度上昇がゆっくり進行するために食品から容器に熱が伝達する時間が十分にあり、内部と容器の温度差が小さくなる事から、本発明の実施例では加熱時間が長くなると検知終了温度が高くなるように検知温度を設定している。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、請求項1〜3に記載の発明によれば、たとえ食品が容器に入っていても、赤外線センサーを利用して食品の内部温度をほぼ正確に推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における電子レンジの内部構造を簡略化して示す図
【図2】本発明の第1の実施例における電子レンジの主要な電気的構成を示すブロック図
【図3】本発明の第1の実施例における電子レンジで食品を加熱した時の赤外線センサーの温度データを示す図
【図4】本発明の第1の実施例における電子レンジで食品の加熱温度を70℃に設定した場合の赤外線センサーの検知温度を示す図
【図5】従来の電子レンジのターンテーブル上に載置された2個の食品と赤外線センサの視野を示す図
【図6】従来の電子レンジのターンテーブル上に複数の食品が載置された場合の検知温度の変化を示す図
【符号の説明】
1 電子レンジ
2 赤外線センサー
3 加熱室
4 開口部
5 食品
6 赤外線センサーの視野
7 マグネトロン
8 ターンテーブル
9 ターンテーブルモータ
11 操作キーボード
12 制御部
Claims (3)
- 食品を加熱する加熱室と、前記加熱室内の食品を加熱する加熱手段と、前記食品から放射される赤外線を検知する赤外線検知手段とを有し、食品をマイクロ波で所定時間加熱した後に一旦加熱を停止し、加熱停止前と加熱停止中に食品から放射される赤外線を測定してその値を比較し、前記加熱手段を制御する制御手段とを備えてなる電子レンジ。
- 食品を加熱する加熱室と、前記加熱室内の食品を加熱する加熱手段と、前記食品を所定の周期で移動させる食品移動手段と、前記食品から放射される赤外線を検知する赤外線検知手段とを有し、食品をマイクロ波で所定時間加熱した後に一旦加熱を停止し、加熱停止前と加熱停止中に食品から放射される赤外線を測定してその値を比較し、食品の内部から容器の表面への熱伝導の遅れを検知する事によって検知終了温度を決定し前記加熱手段を制御する制御手段とを備えてなる電子レンジ。
- 制御手段は、加熱時間が長くなると検知終了温度が高くなるように設定してなる請求項1または2に記載の電子レンジ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002172329A JP2004019968A (ja) | 2002-06-13 | 2002-06-13 | 電子レンジ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002172329A JP2004019968A (ja) | 2002-06-13 | 2002-06-13 | 電子レンジ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004019968A true JP2004019968A (ja) | 2004-01-22 |
Family
ID=31171928
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002172329A Pending JP2004019968A (ja) | 2002-06-13 | 2002-06-13 | 電子レンジ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004019968A (ja) |
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2002
- 2002-06-13 JP JP2002172329A patent/JP2004019968A/ja active Pending
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