JP2004019186A - 防火扉 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】防火扉の上框では、長手方向に形成され、上面開口の凹部に加熱膨張材を取付ける。そして、下框では、長手方向に形成され、下面開口の取付空間に取付部材を介して縦方向に加熱膨張材を取付ける。さらに、竪框では、凹部を長手方向に形成し、少なくとも一方の防火扉の凹部に気密材と加熱膨張材を取付ける。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、建物に設けられる防火扉に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、多くの人が出入するビルディングや劇場等の大型建物では、延焼を防止するために防火扉が設けられている。この防火扉も開口部の大きさに合わせて一枚扉のものや両開きのものが採用されている。これらの防火扉が火災時に効果を発揮するには、該防火扉と枠体との隙間から火炎や煙などが出ないことが必要である。
【0003】
この隙間への対策として、高熱が加わると膨張して隙間を埋める加熱膨張材が用いられてきている。この加熱膨張材は枠体に設けられているが、両開き扉では、召し合わせ部分は当然ながら扉に加熱膨張材を取付けなければならなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、枠体と扉との2つの部材に加熱膨張材を装着しなければならず、手数の増加となり、近年その対策として扉にのみ加熱膨張材を設けることが考えられてきている。
【0005】
しかしながら、通路に設けられ、通常閉じられている防火扉は、人の出入にて頻繁に開閉動作が繰り返され、加熱膨張材が防火扉から落下することがあり、このような場合に火災時に充分なる防火効果を発揮することが出来なくなる虞があった。また、召し合わせ部分では、気密材も設けなければならず、加熱膨張材と別々の取付では取付作業が増加し、作業性が悪化していた。
【0006】
そこで、この発明は、防火扉に設けられる加熱膨張材の取付構造を、上、下及び竪框ごとにそれぞれ変えて前述の不具合を解決しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る防火扉は、開口部を構成する枠体に取付られる両開き防火扉において、両方の防火扉の上框では、長手方向に形成され、上面開口の凹部に加熱膨張材を取付け、下框では、長手方向に形成され、下面開口の取付空間に取付部材を介して縦方向に加熱膨張材を取付け、竪框では、凹部を長手方向に形成し、少なくとも一方の防火扉の凹部に気密材と加熱膨張材を取付たことにある(請求項1)。
【0008】
これにより、上框に比して落下しやすい下框では、加熱膨張材が2つの部材にて挟持され、しかも縦方向となっていることから、挟まる面積の拡大となり、防火扉から落下することが防がれる。したがって、火災時に加熱膨張材が膨張して防火扉の周囲を完全にシールし延災が防がれるものである。また召し合わせ部分では、気密材と加熱膨張材は共にどちらか一方の扉の凹部に取付られるので、取付作業の増大となることはない。
【0009】
また、気密材と加熱膨張材はビスにて縦方向に形成の凹部に取付られている(請求項2)。このビスによる取付で確実に竪框に取付られ、落下が防がれると共に、取付作業性はむしろ向上するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
【0011】
図1には、両開きの防火扉3,4が示され、ヒンジ5にて枠体1の開口部2の開閉自在に取り付けられている。この防火扉3,4は下記する図2乃至図6に示されるように、同一構造で、上框7a、下框7b及び竪框7c,7bより成る框7と、その中央開口11に嵌合の耐熱ガラス8とより成り、ドアクローザ9で常時閉じられている。10は防火扉の押し棒である。16は前記防火扉3,4の上方に設けられている嵌め殺しの耐熱ガラスである。
【0012】
図2には、両防火扉3,4の縦断面図が示され、この防火扉3,4の上框7aは、断面矩形の中空材より構成され、外周側に横方向(水平方向)に凹部12が形成されている。この凹部12内に両面テープ(図示せず)にて加熱膨張材13が装着されている。
【0013】
加熱膨張材13は、カーボン系(例えばレクターシール社製の商品名のブラジシール)やゼオライトなどであるが、所定の温度で(160度くらい)で膨張(38倍程)する非可燃部材であれば良いものである。
【0014】
なお、前記上框7aの反外周側(中央開口側)には、耐熱ガラス8が挿入されるガラス挿入溝14aが形成され、耐熱ガラス8の上端が挿入され、シリコン系のシール材15にて固定し取付られている。
【0015】
下框7bは、断面矩形の中空材より構成され、下面にコ字形材17が嵌合して長手方向に下面開口の取付空間18が形成され、この取付空間18に取付部材19を介して加熱膨張材21が前記コ字形材17で挟持されて取付られている。この加熱膨張材21は前記した加熱膨張材13と同じもので、両部材17,19間に挟持され且つ縦方向に配されて、接触面積の拡大となり、扉の開閉によっても落下することを防いでいる。
【0016】
さらに、この下框7bの反外周側(中央開口11側)には、耐熱ガラス8が挿入され、高さ方向をセットするセッティングブロック23が配されるガラス挿入溝14bが形成され、耐熱ガラス8の下端が挿入され、シリコン系のシール材15にて固定し取付られている。なお、室内側が取外し可能な押え縁24となっている。
【0017】
図3には、防火扉3,4のA−A線横断面が示され、この防火扉3,4の横断面の構造も同一構造である。即ち、竪框7cは、断面矩形の中空材より構成され、外周側はストレート面となり、反外周側(中央開口11側)は耐熱ガラス8が挿入されるガラス挿入溝14cが形成され、該耐熱ガラス8の右端がシリコン系のシール材15にて固定されている。
【0018】
また、竪框7d,7dは、断面矩形の中空材より構成され、外周側に縦方向に凹部26が形成されている。この凹部26で、防火扉4では、図4にも拡大して示すように、両防火扉3,4の気密性を保つための気密材30と加熱膨張材31が配され、具体的にはビス32にて両者を一体として凹部26に取付けている。このビスによる取付けで確実に取り付けられ、取付作業性は向上する。
【0019】
この竪框7dの反外周側(中央開口側)は、耐熱ガラス8が挿入されるガラス挿入溝14d,14dが形成され、該耐熱ガラス8の右端又は左端がシリコン系のシール材15にて固定されている。
【0020】
なお、この実施の形態では、防火戸3の竪框3dの凹部26には、気密材も加熱膨張材も取付られていないが、必要によって、加熱膨張材を配しても良い。
【0021】
上述の構成にあって、火災の際には、加熱膨張剤13,21,31が発泡して両防火扉3,4は一体化され、左右の防火扉の変形が同方向となり、加熱膨張剤13を破断せずに、火災の吹出しを確実に防止できる。この加熱膨張剤13,21,31の発泡により枠体に完全に一体化されるため、従来必要であった錠などのラッチによる固定の必要もなくなった。
【0022】
また、加熱膨張剤13,21,31により両防火扉3,4が一体化されることから、従来用いられている召し合わせ目板が不要となり、防火扉の開閉の後先の順位づけすることもなくなり、そのため順位調整器具が不要となったり、前述したように錠の不要と相俊って左右のどちらの防火扉からも避難することが出来るようになった。
【0023】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、防火扉にあって、上、下、竪框に設けられる加熱膨張材が、それぞれ適切な構造にて取付られ、確実に装着され、火災の際に有効に働かすことができる。即ち、加熱膨張剤の発泡にて、両防火扉が一体化されると共に、枠体に固定され、確実に火炎の吹出を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】両開き防火扉の装着例を示した正面図である。
【図2】同上の防火扉の縦方向断面図である。
【図3】図1A−A線断面図である。
【図4】両開き防火扉の召し合わせ部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 枠体
2 開口部
3 防火扉
4 防火扉
7 框
7a 上框
7b 下框
7c 竪框
7d 竪框
8 耐熱ガラス
11 中央開口
12 凹部
13 加熱膨張材
17 コ字形材
18 取付空間
19 取付部材
21 加熱膨張材
26 凹部
30 気密材
31 加熱膨張材
Claims (2)
- 開口部を構成する枠体に取付られる両開き防火扉において、
両方の防火扉の上框では、長手方向に形成され、上面開口の凹部に加熱膨張材を取付け、
下框では、長手方向に形成され、下面開口の取付空間に取付部材を介して縦方向に加熱膨張材を取付け、
竪框では、凹部を長手方向に形成し、少なくとも一方の防火扉の凹部に気密材と加熱膨張材を取付たことを特徴とする防火扉。 - 気密材と加熱膨張材はビスにて竪框に形成の凹部に取付られたことを特徴とする請求項1記載の防火扉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002173522A JP2004019186A (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | 防火扉 |
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JP2002173522A JP2004019186A (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | 防火扉 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004019186A true JP2004019186A (ja) | 2004-01-22 |
Family
ID=31172718
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002173522A Pending JP2004019186A (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | 防火扉 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004019186A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007162271A (ja) * | 2005-12-12 | 2007-06-28 | Nikko Sash Seisakusho:Kk | 耐火気密材および防火扉 |
JP2014152442A (ja) * | 2013-02-04 | 2014-08-25 | Lixil Corp | サッシ |
JP2016540143A (ja) * | 2013-12-13 | 2016-12-22 | ヴァルター デゲルセッガーDEGELSEGGER,Walter | 建物における開口部を閉鎖するための装置 |
JP2017160783A (ja) * | 2017-06-22 | 2017-09-14 | 不二サッシ株式会社 | ガラス付建具 |
JP2019070310A (ja) * | 2018-12-26 | 2019-05-09 | Ykk Ap株式会社 | 建具 |
-
2002
- 2002-06-14 JP JP2002173522A patent/JP2004019186A/ja active Pending
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JP2016540143A (ja) * | 2013-12-13 | 2016-12-22 | ヴァルター デゲルセッガーDEGELSEGGER,Walter | 建物における開口部を閉鎖するための装置 |
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