JP2004019120A - 地山先行補強工法とその薬液注入セット - Google Patents

地山先行補強工法とその薬液注入セット Download PDF

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Abstract

【課題】周辺地山の性状に対応するきめ細かな薬液注入を簡単かつ確実に行う。
【解決手段】多流路注入管体と、それを有孔長尺埋設管内に同心円状に支持し、その多流路注入管体と有孔長尺埋設管の間を仕切る仕切り支持体とを備えた薬液注入セット薬液注入セットに、現場で、地山情報に基づき、使用する流路の選定、薬液噴出孔の開設、仕切り支持体の数とその嵌装位置の決定、その仕切り支持体の多流路注入管体への嵌装を行うことにより、薬液注入セットを組み立て、それを、地山削孔内の有孔長尺埋設管の内部に装填し、多流路注入管体を複数の仕切り支持体により同心円状に支持するとともに、同仕切り支持体により、多流路注入管体の外周面と有孔長尺埋設管の内周面との間の環状空間を仕切り、その後、所定の流路に薬液を送給し、それを上記薬液噴出孔、環状空間および有孔長尺埋設管の周壁孔から周辺地山に向け吐出浸出し硬化固結させる。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は地山先行補強工法とその薬液注入セットに関する。
【0002】
【従来の技術】
トンネル掘削工事等において地山を先行補強する工法として、近時比較的広く採用されていると認められるものに、地山削孔に有孔長尺埋設管を嵌装状態にし、その有孔長尺埋設管に供給したセメント系またはウレタン系等の固結薬液を該有孔長尺埋設管の周壁孔を通じて外方に吐出し、それによって、有孔長尺埋設管を上記地山削孔の壁面である地山に密着固定するとともに、周辺所要領域の地山内結合力を高め、地山全体を先行補強する工法がある。
【0003】
例えば、特開平7−300850号公報に記載されている地山先行補強工法においては、その実施に際し予め、上記有孔長尺埋設管に余裕をもって簡単に挿入できる小外径の棒状または管状の長尺支持体に、膨縮自在な複数個のパッカーを所要の間隔で嵌装支持するとともに、その各パッカー内に先端開口を位置させた複数本のパッカー用薬液注入チューブと、上記所要の間隔内に先端開口を位置させた複数本の地山用薬液注入チューブとを沿設支持させてなる薬液注入セットを用意する。
【0004】
そして、この薬液注入セットを、地山削孔に嵌合状態の上記有孔長尺埋設管に挿入装填し、まず、パッカー用薬液注入チューブを通じて供給する薬液でパッカーを膨張させることにより、有孔長尺埋設管の内周面と長尺支持体の外周面との間に仕切体を形成し、その後、地山用薬液注入チューブを通じて薬液を供給し、それを、上記仕切体が区画する環状空間、有孔長尺埋設管の周壁孔を通じて、該有孔長尺埋設管の外方に吐出する。これによって、有孔長尺埋設管を地山に密着固定するとともに、地山内結合力を高め、地山全体を先行補強するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記薬液注入セットは、これを構成する各部材、すなわち、棒状または管状の長尺支持体、膨縮自在なパッカー、パッカー用薬液注入チューブおよび地山用薬液注入チューブを、当初計画設計した所定のサイズで所要数量一律に製作し、それを組み立てた状態において、現場に納品・搬入されるが、そのために、当該地山の良・不良の程度、特に亀裂や脆弱の程度とかその範囲に応じた最も適切な薬液注入、換言すると、地山に所要間隔で多数配列される有孔長尺埋設管の各々に、その長さ方向の周辺地山の性状に応じたきめ細かな薬液注入、を行うというようなことはできなかった。
【0006】
そこで本発明は、このようなきめ細かな薬液注入を各有孔長尺埋設管ごとに行うことができ、当該地山の複雑な性状に十分対応できるようにした地山先行補強工法とその薬液注入セットを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明薬液注入セットは、複数の流路を有する多流路注入管体と、この多流路注入管体を、地山削孔に嵌合する有孔長尺埋設管内に同心円状態で支持するとともに、その多流路注入管体の外周面と有孔長尺埋設管の内周面との間を仕切る環状の仕切り支持体とからなる。
【0008】
請求項2記載の本発明は、上記多流路注入管体が、複数の流路を形成して合成樹脂で一体成型され、かつ、該多流路注入管体の外周面であって各流路に対応する部分に、各流路ごとに各別の模様,色彩または記号等の流路識別手段を付すとともに、その多流路注入管体の一側端面からの距離(長さ)を表す目盛り,記号または/および数字等の距離表示を付している請求項1記載の薬液注入セットである。
【0009】
請求項3記載の本発明は、上記複数の流路が、多流路注入管体の一側端面において、適宜の詰め物等により閉じられている請求項1または2記載の薬液注入セットである。
【0010】
請求項4記載の本発明は、上記複数の流路が、複数の仕切り壁により仕切られた断面扇形であること、二重円管体の環状空間に仕切り壁により仕切られた断面弧状のであること、多数が円形等に集合連設した状態の細管によりなること、または、縦横の仕切り壁により仕切られた断面正方形または矩形である請求項1,2または3記載の薬液注入セットである。
【0011】
請求項5記載の本発明は、上記仕切り支持体が、上記多流路注入管体に嵌合する所要の内径の筒体の外周に、植物繊維,化学繊維または金属繊維等製で所要の長さの可撓性線条材を密植してなる請求項1,2,3または4記載の薬液注入セットである。
【0012】
請求項6記載の本発明は、上記仕切り支持体が、多流路注入管体に嵌合する所要の内径の筒体の外周に、植物繊維,化学繊維または金属繊維等製の織布等からなる可撓性鍔を形成してなる請求項1,2,3または4記載の薬液注入セットである。
【0013】
請求項7記載の本発明は、
▲1▼請求項1〜6のいずれかに記載の薬液注入セットに対し、現場において、当該地山の良・不良の程度等に関する地山情報に基づき、使用する流路の選定、その流路の所定位置への薬液噴出孔の開設、仕切り支持体の数とその嵌装位置の決定、その仕切り支持体の多流路注入管体の所定位置への嵌装を行うことにより、薬液注入セットを組み立て、
▲2▼その組み立てた薬液注入セットを、地山削孔に嵌合する有孔長尺埋設管に挿入嵌装することにより、その内部に、多流路注入管体を複数の仕切り支持体により同心円状態に支持するとともに、同仕切り支持体により、多流路注入管体の外周面と有孔長尺埋設管の内周面との間の環状空間を仕切り、
▲3▼その後、所定の流路に薬液を送給し、それを上記薬液噴出孔、環状空間および有孔長尺埋設管の周壁孔から周辺地山に向け吐出浸出し硬化固結させる地山先行補強工法である。
【0014】
請求項8記載の本発明は、
▲1▼周辺地山が、地山削孔の内奥側と口元側(手前側)に不良域と極不良域を擁している場合において、
▲2▼不良域に対向する範囲に、仕切り支持体を2〜4mの間隔でほぼ均等に配置するとともに、
▲3▼極不良域に対向する範囲には、仕切り支持体を上記より狭い2〜3mの間隔で配置し、
▲4▼同極不良域の両側それぞれに、2個の仕切り支持体で仕切るごく狭い2個の区画を形成配置し、
▲5▼それらの間隔内および区画内に、多流路注入管体の薬液噴出孔および有孔長尺埋設管の周壁孔が、各々所要複数個ずつ配置開口する関係に設定し、
▲6▼所定の流路を通じ薬液を上記2個の区画に送給することにより、その各区画と対向する極不良域の両側部分に薬液を充満または浸出硬化させて2個の隔壁体を形成し、
▲7▼その後、他の各流路を通じ薬液を送給する請求項8記載の地山先行補強工法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明薬液注入セットの実施形態について説明する。
薬液注入セットAは、断面円形の多流路注入管体a1とこれに嵌装使用する環状の仕切り支持体b1とからなる(図1,7)。
【0016】
多流路注入管体a1は、地山削孔Bに嵌合している有孔長尺埋設管Cに余裕をもって簡単に挿入できるように、その外径を有孔長尺埋設管Cの内径に比し十分小さくしている。
また、この多流路注入管体a1は、所要の合成樹脂製で一体成型してなるもので、その内部に、複数の仕切り壁1により断面扇形の多数(6〜15本程度)の流路2を形成し、さらに、その多流路注入管体a1の外周面であって、上記各流路2に対応する部分には、各別の模様,色彩または記号等の流路識別手段3を付すとともに、該多流路注入管体a1の一側端面(地山削孔の内奥側に対向配置されることになる端面)からの距離(長さ)を表す目盛り,記号または/および数字等の距離表示4を付している(図2)。
【0017】
上記各流路2は、該多流路注入管体a1の上記一側端面において、適宜の詰め物等により予め閉じておくものである。
【0018】
なお、多流路注入管体としては、上記構成のものに限らず、図3(a)に示す二重円管体a2のように、内壁5と外壁6の環状空間に仕切り壁7により断面弧状の多数の流路8を形成してなる合成樹脂一体成型のもの、同(b)に示す細管連設体a3のように、内部を流路9とした細管10を多数円形に集合連設した状態の同じく合成樹脂一体成型のもの、同(c)に示す断面正方形または同(d)に示す断面矩形の多流路注入管体a4またはa5のように、縦横の仕切り壁11により断面正方形または矩形の多数の流路12を形成してなる同じく合成樹脂一体成型のものであってもよい。
【0019】
上記仕切り支持体b1は、上記多流路注入管体a1を、地山削孔Bに嵌装している有孔長尺埋設管C内に同心円状態で支持し、また、その配置により、多流路注入管体a1と有孔長尺埋設管Cとの間に形成される環状空間を、これら多流路注入管体a1および有孔長尺埋設管Cの長手方向において、殆ど液密に仕切るためのもので、該多流路注入管体a1に嵌合する所要の内径の筒体13の外周に、植物繊維,化学繊維または金属繊維等製で所要の長さの可撓性線条材14を密植させてなる、いわばブラシ型のものである(図4)。
【0020】
その可撓性線条材14の上記長さは、後記のように、上記多流路注入管体a1に仕切り支持体b1を嵌装した薬液注入セットAを、有孔長尺埋設管Cに挿入したとき、可撓性線条材14が、その有孔長尺埋設管Cの内壁面に圧接して撓むことができる所要の長さに設定しておく。
【0021】
なお、仕切り支持体としては、上記構成のものに限らない。すなわち、図5(a)(b)に示す仕切り支持体b2のように、多流路注入管体a2に嵌合する所要の内径の筒体15の外周に、植物繊維,化学繊維または金属繊維等製の織布等からなる可撓性鍔16を形成したものであってもよい。
【0022】
上記有孔長尺埋設管Cは、鋼製または合成樹脂製のものであり、その周壁には円周方向に列をなす2〜8個の周壁孔17を、長さ方向に1m当たり2〜4列の割合で開設配置している。
【0023】
本実施形態に係る薬液注入セットAは、多流路注入管体a1に仕切り支持体b1を嵌装することにより組み立てられるものであるが、その場合、先行補強しようとする当該地山の良・不良の程度、特に亀裂や脆弱の程度、その範囲に係わる地山情報を得て、それに基づき、使用する流路2の選定、その選定した流路2の所定位置への薬液噴出孔の開設、仕切り支持体b1の嵌装位置や数の決定を、現場において行う。
【0024】
本発明は、このように、現場において地山情報に基づき薬液注入セットAを組み立て、これにより、当該地山に所要の間隔で配列される上記有孔長尺埋設管Cの各々を通じて、その長さ方向の周辺地山の性状に応じたきめ細かな薬液注入を行うことができるようにしたことに重点がある。
【0025】
有孔長尺埋設管Cを嵌合(埋設)する地山削孔Bの掘削は、通常削岩機で行うが、その削岩過程において、押付け圧力,打撃力,のみ下がり速度等の機械的データおよびオペレータの操作感覚等から、当該地山削孔Bの周辺地山の良・不良の程度、特に亀裂や脆弱の程度、その範囲に係わる地山情報を得る。
【0026】
そして、その地山情報により、当該地山削孔Bの長さ方向の各部における周辺地山が不良域(通常注入域)m1,m2か極不良域(加重注入域)nか等を判定し、また、それらの地山削孔Bの内奥からの距離を知り、そのデータに基づき、先ず、多流路注入管体a1の流路2の使用本数とその何れのものを使用するかを決定するとともに、その使用決定した各流路2の途中所要部位であって、上記不良域(通常注入域)m1,m2と極不良域(加重注入域)nに対向する部分に、所要数の薬液噴出孔18を開設し、また、所要数の仕切り支持体b1を多流路注入管体a1の所要の位置に嵌装し、粘着テープ,瞬間接着剤等で固定し、かつこれにより、仕切り支持体b1が仕切る環状空間内に薬液噴出孔18が所要適数配置される状態にする。
【0027】
これら薬液噴出孔18の開設や仕切り支持体b1の嵌装は、多流路注入管体a1の外周面であってかつ各流路2に対応する部分に付してある上記の流路識別手段3および距離表示4を利用して、所望の位置に正確に行うことができるものである。
【0028】
上記のようにして組み立てられた薬液注入セットAを、地山削孔Bに嵌合している有孔長尺埋設管Cに挿入装填する。
なお、有孔長尺埋設管Cの地山削孔Bへの嵌合には、予め掘削した地山削孔Bに有孔長尺埋設管Cを挿入することによるか、所要の掘進手段で地山削孔Bを掘進しながら有孔長尺埋設管Cを押し込むことによるか等の手法があり得るが、本発明では、そのいずれによるかを問うものではない。
【0029】
本実施形態においては、周辺地山が、地山削孔Bの長手方向において、その内奥側と口元側(手前側)に不良域m1とm2を、また、これらの間に極不良域nを擁しているとした場合、上記装填によって、薬液注入セットAは、不良域m1,m2に対向する範囲に、仕切り支持体b1を2〜4mの間隔でほぼ均等に配置し、また、極不良域nに対向する範囲には、上記より狭い2〜3mの間隔で仕切り支持体b1を配置し、さらには、同極不良域nの両側それぞれに、2個の仕切り支持体b1,b1で仕切るごく狭い区画o1,o1を形成配置し、かつ、これらの間隔すなわち環状空間および区画o1,o1内に、有孔長尺埋設管Cの周壁孔17および多流路注入管体a1の薬液噴出孔18が、各々所要複数個ずつ配置開口する関係に設定してある(図6参照)。
【0030】
上記装填により、各仕切り支持体b1は、多流路注入管体a1の外周面と有孔長尺埋設管Cの内周面との間を殆ど液密に仕切るものであり、これにより仕切り支持体b1が仕切る上記環状空間および区画o1,o1の相互間も殆ど液密になる。
また、該仕切り支持体b1は、前記のように、所要の長さの可撓性線条材14を密植させてなるから、上記装填に際しては、その可撓性線条材14が適宜撓みながら有孔長尺埋設管Cの内周面を摺擦するので、有孔長尺埋設管Cが、その内部に掘削ずりを残留させたり、所要の不陸を有しているとしても、これらに装填阻害されることがない。
しかも、薬液注入セットAは、仕切り支持体b1によって、多流路注入管体a1を有孔長尺埋設管C内に同心円状に配置支持されるものである。
【0031】
薬液注入セットAの上記装填を終えた後、地山削孔Bの口元において、該地山削孔Bと有孔長尺埋設管Cの間およびその有孔長尺埋設管Cと多流路注入管体a1の間をバルクヘッド19で閉じるとともに、流路2の外端入口に、セメント系またはウレタン系等の薬液供給源を所要のバルブ(いずれも図示していない)を介して接続する。
【0032】
そしてまず、所定の流路2を通じ薬液を当該薬液噴出孔18から噴出することにより、上記区画o1,o1に送給すると、その薬液は、その区画o1,o1に充満するとともにそれらに対向する極不良域nの両側部分に周壁孔17から吐出浸出し、硬化することにより、そこに隔壁体20,20が形成される。
【0033】
引き続き、各流路2を通じ薬液を各薬液噴出孔18から一斉に噴出することにより、上記各仕切り支持体b1が仕切る上記各環状空間に送給すると、その薬液は、有孔長尺埋設管Cの各周壁孔17から外部に吐出し、不良域m1,m2およびを極不良域nに浸出し、硬化固結する。
これによって、有孔長尺埋設管Cを地山に密着固定するとともに、不良域m1,m2およびを極不良域n、すなわち周辺地山内の結合力を高め、地山全体を先行補強することができるものである(図9)。
【0034】
なお、仕切り支持体b1が仕切りとして機能するための液密度について言及するに、仕切り支持体b1は、多流路注入管体a1を有孔長尺埋設管C内に同心円状態に支持する他に、その有孔長尺埋設管Cの周壁孔17からの薬液の吐出を集中的かつ効果的に行わせるものであればよく、その液密度は、有孔長尺埋設管Cの上記周壁孔17の大きさまたは数が、薬液の所期の設定吐出量を確保できるものである限り、十全であることは必ずしも必要ではなく、したがって、可撓性線条材14の密植度を考慮することで、仕切り機能を果たせるものである。
【0035】
【発明の効果】
以上詳述したところから明らかなように、本発明によれば、現場において地山情報に基づき薬液注入セットを組み立て、それにより、当該地山に所要の間隔で配列される有孔長尺埋設管の各々を通じて、その長さ方向の周辺地山の性状に応じたきめ細かな薬液注入を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薬液注入セットの一実施形態の平面図である。
【図2】(a)上記実施形態の薬液注入セットの多流路注入管体の平面図、(b)同多流路注入管体の端面図である。
【図3】(a)〜(d)いずれも多流路注入管体の他の例を示す端面図である。
【図4】(a)上記実施形態の薬液注入セットの仕切り支持体の正面図、(b)同仕切り支持体の斜視図である。
【図5】(a)仕切り支持体の他の例の正面図、(b)同仕切り支持体の斜視図である。
【図6】上記実施形態の薬液注入セットを、地山削孔に嵌合した有孔長尺埋設管に装填した状態の平面図である。
【図7】同上の要部の斜視図である。
【図8】有孔長尺埋設管に装填した上記薬液注入セットに薬液を送給し、極不良域の両側部分に隔壁体を形成した状態を示す平面図である。
【図9】有孔長尺埋設管に装填した上記薬液注入セットに薬液を送給し、不良域およびを極不良域すなわち周辺地山に薬液を浸透硬化させた状態を示す平面図である。
【符号の説明】
A   薬液注入セット
B   地山削孔
C   有孔長尺埋設管
a1  多流路注入管体
a2  二重円管体
b1  仕切り支持体
b2  仕切り支持体
m1  不良域(通常注入域)
m2  不良域(通常注入域)
n   極不良域(加重注入域)
o1  区画
1   仕切り壁
2   流路
3   流路識別手段
4   距離表示
5   内壁
6   外壁
7   仕切り壁
8   流路
9   流路
10  細管
11  仕切り壁
12  流路
13  筒体
14  可撓性線条材
15  筒体
16  可撓性鍔
17  周壁孔
18  薬液噴出孔
19  バルクヘッド
20  隔壁体

Claims (8)

  1. 複数の流路を有する多流路注入管体と、この多流路注入管体を、地山削孔に嵌合する有孔長尺埋設管内に同心円状態で支持するとともに、その多流路注入管体の外周面と有孔長尺埋設管の内周面との間を仕切る環状の仕切り支持体とからなることを特徴とする薬液注入セット。
  2. 上記多流路注入管体が、複数の流路を形成して合成樹脂で一体成型され、かつ、該多流路注入管体の外周面であって各流路に対応する部分に、各流路ごとに各別の模様,色彩または記号等の流路識別手段を付すとともに、その多流路注入管体の一側端面からの距離(長さ)を表す目盛り,記号または/および数字等の距離表示を付していることを特徴とする請求項1記載の薬液注入セット。
  3. 上記複数の流路が、多流路注入管体の一側端面において、適宜の詰め物等により閉じられていることを特徴とする請求項1または2記載の薬液注入セット。
  4. 上記複数の流路が、複数の仕切り壁により仕切られた断面扇形であること、二重円管体の環状空間に仕切り壁により仕切られた断面弧状のであること、多数が円形等に集合連設した状態の細管によりなること、または、縦横の仕切り壁により仕切られた断面正方形または矩形であることを特徴とする請求項1,2または3記載の薬液注入セット。
  5. 上記仕切り支持体が、上記多流路注入管体に嵌合する所要の内径の筒体の外周に、植物繊維,化学繊維または金属繊維等製で所要の長さの可撓性線条材を密植してなることを特徴とする請求項1,2,3または4記載の薬液注入セット。
  6. 上記仕切り支持体が、多流路注入管体に嵌合する所要の内径の筒体の外周に、植物繊維,化学繊維または金属繊維等製の織布等からなる可撓性鍔を形成してなることを特徴とする請求項1,2,3または4記載の薬液注入セット。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の薬液注入セットに対し、現場において、当該地山の良・不良の程度等に関する地山情報に基づき、使用する流路の選定、その流路の所定位置への薬液噴出孔の開設、仕切り支持体の数とその嵌装位置の決定、その仕切り支持体の多流路注入管体の所定位置への嵌装を行うことにより、薬液注入セットを組み立て、
    その組み立てた薬液注入セットを、地山削孔に嵌合する有孔長尺埋設管に挿入嵌装することにより、その内部に、多流路注入管体を複数の仕切り支持体により同心円状態に支持するとともに、同仕切り支持体により、多流路注入管体の外周面と有孔長尺埋設管の内周面との間の環状空間を仕切り、
    その後、所定の流路に薬液を送給し、それを上記薬液噴出孔、環状空間および有孔長尺埋設管の周壁孔から周辺地山に向け吐出浸出し硬化固結させることを特徴とする地山先行補強工法。
  8. 周辺地山が、地山削孔の内奥側と口元側(手前側)に不良域と極不良域を擁している場合において、不良域に対向する範囲に、仕切り支持体を2〜4mの間隔でほぼ均等に配置し、また、極不良域に対向する範囲には、仕切り支持体を上記より狭い2〜3mの間隔で配置し、さらに、同極不良域の両側それぞれに、2個の仕切り支持体で仕切るごく狭い2個の区画を形成配置し、かつ、それらの間隔内および区画内に、多流路注入管体の薬液噴出孔および有孔長尺埋設管の周壁孔が、各々所要複数個ずつ配置開口する関係に設定し、
    所定の流路を通じ薬液を上記2個の区画に送給することにより、その各区画と対向する極不良域の両側部分に薬液を充満または浸出硬化させて2個の隔壁体を形成し、
    その後、他の各流路を通じ薬液を送給することをことを特徴とする請求項8記載の地山先行補強工法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009019418A (ja) * 2007-07-12 2009-01-29 Toa Harbor Works Co Ltd 地盤改良薬液の注入方法および装置
JP2015135030A (ja) * 2014-01-20 2015-07-27 株式会社不動テトラ 地盤注入ボード及びそれを用いた地盤注入工法
JP2017025528A (ja) * 2015-07-21 2017-02-02 株式会社不動テトラ 地盤埋設ボード及びその利用方法
CN107448204A (zh) * 2017-05-09 2017-12-08 中铁二十二局集团第工程有限公司 砂卵石堆积层浅埋暗挖法隧道近距离下穿深基坑施工方法

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