JP2004019069A - ポリウレタン短繊維およびそれを用いたポリウレタン混セルロース紙製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】ストレッチ性能を有し、外観品位が良好なセルロース紙製品およびそれに使用される弾性繊維を得る。
【解決手段】▲1▼ 繊度が0.5〜15dtexで、繊維長が1〜100mmであるポリウレタン短繊維、▲2▼ 該ポリウレタン繊維表面に親水性処理剤が付着しているポリウレタン短繊維、▲3▼ これらのポリウレタン短繊維とセルロース短繊維とを含有するポリウレタン混セルロース紙製品。
【選択図】 なし
【解決手段】▲1▼ 繊度が0.5〜15dtexで、繊維長が1〜100mmであるポリウレタン短繊維、▲2▼ 該ポリウレタン繊維表面に親水性処理剤が付着しているポリウレタン短繊維、▲3▼ これらのポリウレタン短繊維とセルロース短繊維とを含有するポリウレタン混セルロース紙製品。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリウレタン繊維およびそれからのセルロース紙製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
パルプ、レーヨン、綿のセルロース短繊維を用いたセルロース紙製品およびセルロース短繊維にアクリルやエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレンの短繊維を混合したセルロース紙製品は広く知られている。このようなセルロース紙製品は商品包装に用いられることが多く、外観品位が良好なことが求められている。
しかしながら、これらの紙は伸びがないのが欠点であり、物品をラッピングする際の操作性が劣り、破れたり、運送する際には緩衝性に劣る問題があった。
【0003】
ポリウレタン弾性長繊維は製品にストレッチ性を付加する目的で、衣料、産業用資材等に広く使用されている。
具体的には、乾式紡糸、湿式紡糸、溶融紡糸により、ポリウレタン弾性長繊維が紙管上に巻き取られたパッケージとして生産され、このパッケージから弾性糸を解舒しながら、ストレッチ性のある編織物等が生産されている。
現在商業的に生産されているポリウレタン弾性長繊維は、繊度が凡そ10〜2000dtex(デシテックス)の単繊維または単繊維を紡糸時に交絡接着させた物である。
【0004】
これらのポリウレタン弾性長繊維とセルロース短繊維の組み合わせによるストレッチ性を有するセルロース紙製品は、紙を梳く際に長繊維のポリウレタン弾性繊維同士が絡み合って結節スポットを形成し、また表面にポリウレタン弾性長繊維が浮き出ているため、外観品位が悪く、紙の伸びも充分でなかった。
特開平5−321119号公報には弾性糸の連続したフィラメントをシート状に積層した後加熱加圧して、弾性糸不織布を製造する方法が提案されている。
この方法では、弾性糸100%の特殊な不織布しか製造できない。吸湿性や寸法安定性、意匠性に乏しく、価格も高く使用範囲が限定されている。
このように、ストレッチ性能を有し且つ外観品位が良好なセルロース紙製品は、いまだ得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来のポリウレタン弾性長繊維との組み合わせでは生産が困難であったセルロース短繊維との複合によるストレッチセルロース製品及びそれに好適なポリウレタン繊維を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記の通りである。
▲1▼ 繊度が0.5〜15dtexで、繊維長が1〜100mmであるポリウレタン短繊維。
▲2▼ 繊維表面に親水性処理剤が付着している▲1▼記載のポリウレタン短繊維。
▲3▼ ▲2▼記載のポリウレタン短繊維とセルロース短繊維とを含有するポリウレタン混セルロース紙製品。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられるポリウレタン弾性繊維は、代表的には有機ジイソシアナートと実質的に線状の高分子ジオールとで調製されたイソシアナート末端のプレポリマーに、多官能性活性水素原子を有する鎖伸長剤および単官能性活性水素原子を有する末端封鎖剤を反応せしめて得られる、分子内にウレタン基を有する弾性高分子重合体を乾式紡糸、湿式紡糸又は溶融紡糸して得られるものである。
上記ポリウレタン重合体組成物には、所望により、公知のポリウレタン重合体組成物に使用される特定の化学構造を有する有機または無機の配合剤、例えば、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒンダードアミン系化合物等の紫外線吸収剤;ヒンダードフェノール系化合物等の酸化防止剤;酸化亜鉛、酸化チタン、ハイドロタルサイト等のような無機微粒子;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリテトラフルオロエチレン、オルガノポリシロキサン等の粘着防止剤等を適宜配合することもできる。
【0008】
本発明のポリウレタン短繊維を構成するポリウレタン弾性繊維の繊度は0.5〜15dtex、好ましくは1〜10dtexであり、特に好ましくは2〜8dtexである。
繊度15dtexを越えるポリウレタン弾性繊維は、セルロース紙製品に用いた時に表面にポリウレタン弾性繊維が浮き出て見えるため不均一になり製品の品位が劣るものとなる。
繊度0.5dtexに満たないポリウレタン弾性繊維は紡糸中に単糸切れが多発し、ポリウレタン弾性繊維自体の製造が困難である。
本発明のポリウレタン短繊維の繊維長は1〜100mmであり、好ましくは2〜50mm、更に好ましくは3〜30mmである。
【0009】
このようなポリウレタン短繊維を製造する方法としては、公知の方法で製造されたポリウレタン弾性長繊維を機械的に細断する方法が好ましい。
ポリウレタン弾性長繊維を細断する方法は特に限定されないが、紡糸後、刃物や熱による一般的切断方法が採用できる。
繊維長が100mmを越えるポリウレタン短繊維は、セルロース紙製品に用いた時にポリウレタン繊維同士が絡み合って結節スポットを形成し、また表面にポリウレタン繊維が浮き出ているため、外観品位が悪くなる。また、セルロース短繊維との接着性が劣るものとなる。
繊維長が1mm未満のポリウレタン短繊維は細断による製造が困難であり、またセルロース紙製品に用いた時にストレッチ性能が低下する。
ポリウレタン弾性繊維の繊維長は長さが均一で揃っていることが好ましく。不均一であると、紙を梳く際に糸長によって流速が異なり、糸長が短い程流速が早く、糸長による流速差を生じ短繊維同士が結節点を作り製品表面に外観が蜘蛛の巣のような欠点を生じる。
【0010】
本発明のポリウレタン短繊維は、セルロース短繊維と均一に混合し、水分散性を向上させる目的で、繊維表面に親水性表面処理剤が付着されていることが好ましい。
本発明のポリウレタン短繊維に混合するセルロース短繊維の混繊量はポリウレタン短繊維の特性が損なわれないなら特に制限されないが、ポリウレタン短繊維100重量部当たり好ましくは1〜50重量部、より好ましくは3〜30重量部である。この範囲の混繊量であるとストレッチ性と外観品位の点で望ましい。
【0011】
親水性表面処理剤の一例を挙げれば、分子量2000以下のエチレンオキシド、プロピレンオキサシド等のアルキレンオキシドを重合または共重合して得られる物や、低分子のポリアルキレングリコールをエチレンオキシド、プロピレンオキサシドを用いてさらに共重合したホモ又は共重合ポリアルキレンエーテルジオール化合物である。
ポリウレタン短繊維への親水性表面処理剤の塗被量は、好ましくはポリウレタン短繊維100重量部に対して0.1〜30重量部、より好ましくは1〜25重量部である。
親水性表面処理剤の塗被量が0.1重量部未満であると水中での分散性が低下し、セルロースとの均一混合性に劣る。30重量部を越えると製品の脱水や乾燥に時間がかかる。
ポリウレタン弾性繊維に処理剤を付与する工程は、紡糸時糸を巻取る前に付与するか、または一旦他の処理剤で巻取った後に、その処理剤を除去した後に付与しても良い。
【0012】
本発明のポリウレタン短繊維は、セルロース紙製品の製造時にセルロース短繊維と混合して用いる事ができる。
本発明のポリウレタン短繊維を含有するセルロース紙は、ストレッチ性に優れ、紙の外観品位が良好である。
ポリウレタン短繊維とセルロース短繊維を用いて紙に梳く方法は特に限定されないが、水を用いて均一に分散させ、金網上に積層し、プレス脱水後乾燥させる方法が一般的に用いられる。
この際、ポリウレタン短繊維とセルロース短繊維以外に他の合成繊維の短繊維、例えば、アクリル、エステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレンの短繊維をストレッチが損なわれない範囲において混合して使用しても良い。
【0013】
以下、本発明を実施例で具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例1】
数平均分子量1800のポリテトラメチレンエーテルジオール400gと、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート91.7gとを乾燥窒素雰囲気下、80℃で3時間攪拌下で反応させて、末端がイソシアネートでキャップされたポリウレタンプレポリマーを得た。
これを室温に冷却した後、ジメチルアセトアミド720gを加え溶解してポリウレタンプレポリマー溶液を調整した。
一方、エチレンジアミン8.11gおよびジエチルアミン1.37gをジメチルアセトアミド390gに溶解し、これを前記プレポリマー溶液に室温下添加して、粘度408Pa・s(30℃)のポリウレタン溶液を得た。
ジメチルアセトアミドを溶媒とするポリウレタン溶液を用いて、繊度4.4dtexの糸を乾式紡糸し、分子量400のポリプロピレングリコール処理剤を5質量%付与して、直ぐに切断機で繊維長10mmの長さにカットした。
【0014】
このポリウレタン弾性短繊維と繊度7デシテックスの繊維長10mmのセルロース短繊維のレーヨンとをポリウレタン短繊維1に対してレーヨン15の質量比で、均一に水分散させ、金網上に均一になるように積層し、プレス脱水した後、乾燥させ紙を作成した。
得られた紙は、短繊維同士の接着性が良好で、外観も均一、伸びも良好であり好ましいものであった。
【0015】
【実施例2】
実施例1と同様に3.3dtexの糸を乾式紡糸し巻取った後、切断機で5mmの長さにカットした。このポリウレタン短繊維と1dtex3mmのパルプと2dtex5mmの実施例1と同様な処理剤を2質量%付与したアクリル短繊維を質量比1対20対10の比で水中で均一混合分散後、同量ステンレスの金網上に積層し、脱水後、乾燥させ紙を作成した。
得られた紙は短繊維同士の接着性が良好で、外観も均一、伸びも良好であり好ましいものであった。
【0016】
【比較例1】
実施例1と同様にして19dtexの糸を乾式紡糸し、同様の処理剤を5質量%付着させて巻取った後、カットして10mmのポリウレタン短繊維を製造した。
このポリウレタン弾性短繊維と7dtex15mmのレーヨンと実施例1と同様な方法で紙を作成した。
得られた紙は短繊維同士の接着性が不良であり、ポリウレタン短繊維が絡まった結節点が点在する外観品位の劣ったものであった。
【0017】
【比較例2】
実施例2と同様に8.8デシテックスの糸を乾式紡糸し、処理剤を5質量%付着させて巻き取った後、カットして150mmのポリウレタン短繊維を製造した。
このポリウレタン短繊維と7dtex15mmのレーヨンとを質量比1対20で金網上に積層し、実施例1と同様な方法で紙を作成した。
得られた紙は短繊維同士の接着性が不良であり、ポリウレタン短繊維が絡まった結節点が点在する外観品位の劣ったものであった。
【0018】
【発明の効果】
本発明の特定されたポリウレタン短繊維はセルロース紙原料に好適である。
このポリウレタン短繊維を含有するセルロース紙は、ストレッチ性能を有し、外観品位が良好であり、商品包装等に好適なセルロース紙製品である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリウレタン繊維およびそれからのセルロース紙製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
パルプ、レーヨン、綿のセルロース短繊維を用いたセルロース紙製品およびセルロース短繊維にアクリルやエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレンの短繊維を混合したセルロース紙製品は広く知られている。このようなセルロース紙製品は商品包装に用いられることが多く、外観品位が良好なことが求められている。
しかしながら、これらの紙は伸びがないのが欠点であり、物品をラッピングする際の操作性が劣り、破れたり、運送する際には緩衝性に劣る問題があった。
【0003】
ポリウレタン弾性長繊維は製品にストレッチ性を付加する目的で、衣料、産業用資材等に広く使用されている。
具体的には、乾式紡糸、湿式紡糸、溶融紡糸により、ポリウレタン弾性長繊維が紙管上に巻き取られたパッケージとして生産され、このパッケージから弾性糸を解舒しながら、ストレッチ性のある編織物等が生産されている。
現在商業的に生産されているポリウレタン弾性長繊維は、繊度が凡そ10〜2000dtex(デシテックス)の単繊維または単繊維を紡糸時に交絡接着させた物である。
【0004】
これらのポリウレタン弾性長繊維とセルロース短繊維の組み合わせによるストレッチ性を有するセルロース紙製品は、紙を梳く際に長繊維のポリウレタン弾性繊維同士が絡み合って結節スポットを形成し、また表面にポリウレタン弾性長繊維が浮き出ているため、外観品位が悪く、紙の伸びも充分でなかった。
特開平5−321119号公報には弾性糸の連続したフィラメントをシート状に積層した後加熱加圧して、弾性糸不織布を製造する方法が提案されている。
この方法では、弾性糸100%の特殊な不織布しか製造できない。吸湿性や寸法安定性、意匠性に乏しく、価格も高く使用範囲が限定されている。
このように、ストレッチ性能を有し且つ外観品位が良好なセルロース紙製品は、いまだ得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来のポリウレタン弾性長繊維との組み合わせでは生産が困難であったセルロース短繊維との複合によるストレッチセルロース製品及びそれに好適なポリウレタン繊維を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記の通りである。
▲1▼ 繊度が0.5〜15dtexで、繊維長が1〜100mmであるポリウレタン短繊維。
▲2▼ 繊維表面に親水性処理剤が付着している▲1▼記載のポリウレタン短繊維。
▲3▼ ▲2▼記載のポリウレタン短繊維とセルロース短繊維とを含有するポリウレタン混セルロース紙製品。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられるポリウレタン弾性繊維は、代表的には有機ジイソシアナートと実質的に線状の高分子ジオールとで調製されたイソシアナート末端のプレポリマーに、多官能性活性水素原子を有する鎖伸長剤および単官能性活性水素原子を有する末端封鎖剤を反応せしめて得られる、分子内にウレタン基を有する弾性高分子重合体を乾式紡糸、湿式紡糸又は溶融紡糸して得られるものである。
上記ポリウレタン重合体組成物には、所望により、公知のポリウレタン重合体組成物に使用される特定の化学構造を有する有機または無機の配合剤、例えば、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒンダードアミン系化合物等の紫外線吸収剤;ヒンダードフェノール系化合物等の酸化防止剤;酸化亜鉛、酸化チタン、ハイドロタルサイト等のような無機微粒子;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリテトラフルオロエチレン、オルガノポリシロキサン等の粘着防止剤等を適宜配合することもできる。
【0008】
本発明のポリウレタン短繊維を構成するポリウレタン弾性繊維の繊度は0.5〜15dtex、好ましくは1〜10dtexであり、特に好ましくは2〜8dtexである。
繊度15dtexを越えるポリウレタン弾性繊維は、セルロース紙製品に用いた時に表面にポリウレタン弾性繊維が浮き出て見えるため不均一になり製品の品位が劣るものとなる。
繊度0.5dtexに満たないポリウレタン弾性繊維は紡糸中に単糸切れが多発し、ポリウレタン弾性繊維自体の製造が困難である。
本発明のポリウレタン短繊維の繊維長は1〜100mmであり、好ましくは2〜50mm、更に好ましくは3〜30mmである。
【0009】
このようなポリウレタン短繊維を製造する方法としては、公知の方法で製造されたポリウレタン弾性長繊維を機械的に細断する方法が好ましい。
ポリウレタン弾性長繊維を細断する方法は特に限定されないが、紡糸後、刃物や熱による一般的切断方法が採用できる。
繊維長が100mmを越えるポリウレタン短繊維は、セルロース紙製品に用いた時にポリウレタン繊維同士が絡み合って結節スポットを形成し、また表面にポリウレタン繊維が浮き出ているため、外観品位が悪くなる。また、セルロース短繊維との接着性が劣るものとなる。
繊維長が1mm未満のポリウレタン短繊維は細断による製造が困難であり、またセルロース紙製品に用いた時にストレッチ性能が低下する。
ポリウレタン弾性繊維の繊維長は長さが均一で揃っていることが好ましく。不均一であると、紙を梳く際に糸長によって流速が異なり、糸長が短い程流速が早く、糸長による流速差を生じ短繊維同士が結節点を作り製品表面に外観が蜘蛛の巣のような欠点を生じる。
【0010】
本発明のポリウレタン短繊維は、セルロース短繊維と均一に混合し、水分散性を向上させる目的で、繊維表面に親水性表面処理剤が付着されていることが好ましい。
本発明のポリウレタン短繊維に混合するセルロース短繊維の混繊量はポリウレタン短繊維の特性が損なわれないなら特に制限されないが、ポリウレタン短繊維100重量部当たり好ましくは1〜50重量部、より好ましくは3〜30重量部である。この範囲の混繊量であるとストレッチ性と外観品位の点で望ましい。
【0011】
親水性表面処理剤の一例を挙げれば、分子量2000以下のエチレンオキシド、プロピレンオキサシド等のアルキレンオキシドを重合または共重合して得られる物や、低分子のポリアルキレングリコールをエチレンオキシド、プロピレンオキサシドを用いてさらに共重合したホモ又は共重合ポリアルキレンエーテルジオール化合物である。
ポリウレタン短繊維への親水性表面処理剤の塗被量は、好ましくはポリウレタン短繊維100重量部に対して0.1〜30重量部、より好ましくは1〜25重量部である。
親水性表面処理剤の塗被量が0.1重量部未満であると水中での分散性が低下し、セルロースとの均一混合性に劣る。30重量部を越えると製品の脱水や乾燥に時間がかかる。
ポリウレタン弾性繊維に処理剤を付与する工程は、紡糸時糸を巻取る前に付与するか、または一旦他の処理剤で巻取った後に、その処理剤を除去した後に付与しても良い。
【0012】
本発明のポリウレタン短繊維は、セルロース紙製品の製造時にセルロース短繊維と混合して用いる事ができる。
本発明のポリウレタン短繊維を含有するセルロース紙は、ストレッチ性に優れ、紙の外観品位が良好である。
ポリウレタン短繊維とセルロース短繊維を用いて紙に梳く方法は特に限定されないが、水を用いて均一に分散させ、金網上に積層し、プレス脱水後乾燥させる方法が一般的に用いられる。
この際、ポリウレタン短繊維とセルロース短繊維以外に他の合成繊維の短繊維、例えば、アクリル、エステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレンの短繊維をストレッチが損なわれない範囲において混合して使用しても良い。
【0013】
以下、本発明を実施例で具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例1】
数平均分子量1800のポリテトラメチレンエーテルジオール400gと、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート91.7gとを乾燥窒素雰囲気下、80℃で3時間攪拌下で反応させて、末端がイソシアネートでキャップされたポリウレタンプレポリマーを得た。
これを室温に冷却した後、ジメチルアセトアミド720gを加え溶解してポリウレタンプレポリマー溶液を調整した。
一方、エチレンジアミン8.11gおよびジエチルアミン1.37gをジメチルアセトアミド390gに溶解し、これを前記プレポリマー溶液に室温下添加して、粘度408Pa・s(30℃)のポリウレタン溶液を得た。
ジメチルアセトアミドを溶媒とするポリウレタン溶液を用いて、繊度4.4dtexの糸を乾式紡糸し、分子量400のポリプロピレングリコール処理剤を5質量%付与して、直ぐに切断機で繊維長10mmの長さにカットした。
【0014】
このポリウレタン弾性短繊維と繊度7デシテックスの繊維長10mmのセルロース短繊維のレーヨンとをポリウレタン短繊維1に対してレーヨン15の質量比で、均一に水分散させ、金網上に均一になるように積層し、プレス脱水した後、乾燥させ紙を作成した。
得られた紙は、短繊維同士の接着性が良好で、外観も均一、伸びも良好であり好ましいものであった。
【0015】
【実施例2】
実施例1と同様に3.3dtexの糸を乾式紡糸し巻取った後、切断機で5mmの長さにカットした。このポリウレタン短繊維と1dtex3mmのパルプと2dtex5mmの実施例1と同様な処理剤を2質量%付与したアクリル短繊維を質量比1対20対10の比で水中で均一混合分散後、同量ステンレスの金網上に積層し、脱水後、乾燥させ紙を作成した。
得られた紙は短繊維同士の接着性が良好で、外観も均一、伸びも良好であり好ましいものであった。
【0016】
【比較例1】
実施例1と同様にして19dtexの糸を乾式紡糸し、同様の処理剤を5質量%付着させて巻取った後、カットして10mmのポリウレタン短繊維を製造した。
このポリウレタン弾性短繊維と7dtex15mmのレーヨンと実施例1と同様な方法で紙を作成した。
得られた紙は短繊維同士の接着性が不良であり、ポリウレタン短繊維が絡まった結節点が点在する外観品位の劣ったものであった。
【0017】
【比較例2】
実施例2と同様に8.8デシテックスの糸を乾式紡糸し、処理剤を5質量%付着させて巻き取った後、カットして150mmのポリウレタン短繊維を製造した。
このポリウレタン短繊維と7dtex15mmのレーヨンとを質量比1対20で金網上に積層し、実施例1と同様な方法で紙を作成した。
得られた紙は短繊維同士の接着性が不良であり、ポリウレタン短繊維が絡まった結節点が点在する外観品位の劣ったものであった。
【0018】
【発明の効果】
本発明の特定されたポリウレタン短繊維はセルロース紙原料に好適である。
このポリウレタン短繊維を含有するセルロース紙は、ストレッチ性能を有し、外観品位が良好であり、商品包装等に好適なセルロース紙製品である。
Claims (3)
- 繊度が0.5〜15dtexで、繊維長が1〜100mmである事を特徴とするポリウレタン短繊維。
- 繊維表面に親水性処理剤が付着していることを特徴とする請求項1のポリウレタン短繊維。
- 請求項2記載のポリウレタン短繊維とセルロース短繊維とを含有することを特徴とするポリウレタン混セルロース紙製品。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002178699A JP2004019069A (ja) | 2002-06-19 | 2002-06-19 | ポリウレタン短繊維およびそれを用いたポリウレタン混セルロース紙製品 |
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JP (1) | JP2004019069A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012127025A (ja) * | 2010-12-16 | 2012-07-05 | Toray Opelontex Co Ltd | ストレッチ繊維製品 |
-
2002
- 2002-06-19 JP JP2002178699A patent/JP2004019069A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012127025A (ja) * | 2010-12-16 | 2012-07-05 | Toray Opelontex Co Ltd | ストレッチ繊維製品 |
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