JP2004017771A - Lock device for slide sheet - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スライドシートのロック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、RV(レクリエーショナルビークル)車等の車両では、多人数の乗車を可能にするべく、フロントシート、ミドルシートおよびリヤシートの三列のシートが設けられている。そして、このような車両において、フロントシートより車体後方側に配置されるミドルシートおよびリヤシートについて、着座部であるシートクッションを跳ね上げ式にするとともに車体前後方向に比較的大きくスライド可能としたものがある。これにより、例えば、リヤシートを使用しないときに、シートクッションを跳ね上げた状態のリヤシートをミドルシート側に移動させることでリヤシート後方の荷室のスペースを大きく確保したり、あるいは、ミドルシートおよびリヤシートを使用しないときに、シートクッションを跳ね上げた状態でミドルシートおよびリヤシートをフロントシート側に移動させることでリヤシート後方の荷室のスペースをさらに大きく確保したり、さらには、ミドルシートをフロントシート側に移動させることでリヤシートに乗車した乗員の車両への昇降性を良好にしたりできる。
【0003】
図15は、フロントシート200とスライドシートであるミドルシート201との関係を示すものであるが、スライドシートの場合、図示略のシートベルトとの関係から、スライドするシート本体202の基準点203の位置により示されるスライド可能な全スライド範囲Aのうち、シートクッション204を降ろし乗員が着席可能な状態でのシート本体202のスライド範囲である着座スライド範囲Bが決められている。そして、この着座スライド範囲Bより前側の非着座スライド範囲Cでは、シーベルトの良好な着用が不可になることから、シート本体202はシートクッション204を跳ね上げた状態でのみスライドが可能となっており、跳ね上げ状態の解除を規制するようになっている。
【0004】
このような非着座スライド範囲Cにおけるシートクッション204の跳ね上げ状態の解除(言い換えればシート本体202への着座)を規制するためのスライドシートのロック装置に関するものとして、例えば、特許第3142204号公報に開示されたものがある。
【0005】
このロック装置においては、跳ね上げ状態のシートクッションをロックするロック状態とロック解除可能なロック解除状態とに切り替え可能なガイドプレートと、操作レバーに連結されてガイドプレートのロック状態からロック解除状態への解除作動を規制する規制状態とこの解除作動を許容する許容状態とに切り替え可能なロックプレートと、ガイドプレートと連動して昇降するストッパ片を有するスライドロックプレートとを備えている。そして、シート本体が所定の非着座スライド範囲に位置するとき、シート本体を案内するスライドレールの外側に並んで設けられたレールによってスライドロックプレートのストッパ片の下降が規制され、その結果、操作レバーを操作しようとしてもロックプレートおよびガイドプレートの作動が規制され、ロックプレートがガイドプレートをロック状態とし跳ね上げ状態のシートクッションをロックした状態に維持するのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記公報のロック装置においては、ガイドプレートおよびロックプレートが跳ね上げ状態にあるシートクッションから下方外側に離れて設けられており、このため、クッションフレームをシートクッションからその回動中心線に対し直交する方向の外側まで延出させてガイドプレートに係合させてロックする必要がある。そして、このようにシートクッションからクッションフレームを外側に延出させると、当然のことながらシートクッションの回動時におけるクッションフレームの旋回範囲が大きくなり、その結果、このクッションフレームとの干渉を回避するためにロック装置が複雑化および大型化してしまうという問題があった。
【0007】
したがって、本発明は、簡素化および小型化を図ることができるスライドシートのロック装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載のスライドシートのロック装置は、所定の非着座スライド範囲に位置するシート本体(例えば実施の形態におけるシート本体11)における跳ね上げ状態でロックされたシートクッション(例えば実施の形態におけるシートクッション17)のレバー(例えば実施の形態におけるチップアップレバー102)操作による跳ね上げ解除を規制するものであって、跳ね上げ状態の前記シートクッションをロックするロック状態と前記ロックを解除するロック解除状態とをレバー操作により切り替え可能な第1係止部(例えば実施の形態における第1係止部151)と、前記シート本体が前記所定の非着座スライド範囲に位置する状態では、前記第1係止部が前記レバー操作でロック解除状態にあっても、跳ね上げ状態の前記シートクッションをロックするインターロック状態となる第2係止部(例えば実施の形態における第2係止部152)とを有し、これら第1係止部および第2係止部が、前記シートクッションの回動中心線に対し直交する方向において、互いに重なり合いかつ前記シートクッションと重なり合って設けられていることを特徴としている。
【0009】
このように、跳ね上げ状態のシートクッションをロックするロック状態とロックを解除するロック解除状態とに切り替え可能な第1係止部が、シートクッションの回動中心線に対し直交する方向においてシートクッションと重なり合って設けられていることから、第1係止部とのロックのためにシートクッションからその回動中心線に対し直交する方向における外側に延出する部材を設ける必要がなく、よって、このような部材との干渉を回避する必要が無くなる。また、第1係止部と、シート本体が所定の非着座スライド範囲に位置する状態では第1係止部がレバー操作でロック解除状態にあっても跳ね上げ状態のシートクッションをロックするインターロック状態となる第2係止部とが、シートクッションの回動中心線に対し直交する方向において互いに重なり合っているため、第2係止部を係合するための第1係止部の部位についてのシートクッションの回動中心線に対し直交する方向における外側への延出量も小さくできる。
【0010】
本発明の請求項2記載のスライドシートのロック装置は、請求項1記載のものに関して、前記第2係止部は、前記シート本体が前記所定の非着座スライド範囲にあるとき、スライドレールの内側底面(例えば実施の形態における底面60)で下降が規制されることで前記インターロック状態となり、前記シート本体が前記所定の非着座スライド範囲外(例えば実施の形態における着座スライド範囲)にあるとき、前記スライドレールの内側底面に形成された穴部(例えば実施の形態における穴部27)に挿入されることで前記下降が許容されて前記インターロック状態を解除する昇降部(例えば実施の形態におけるロック部材50)を有することを特徴としている。
【0011】
これにより、シート本体が所定の非着座スライド範囲にあるとき、第2係止部の昇降部がスライドレールの内側底面で下降が規制されることで第2係止部をインターロック状態に維持する一方、シート本体が所定の非着座スライド範囲外にあるとき、昇降部がスライドレールの内側底面に形成された穴部に挿通されることで第2係止部のインターロック状態を解除できる。このように、シート本体の位置に応じて第2係止部のインターロック状態およびその解除を制御する機構が昇降部とスライドレールの内側底面およびこの内側底面に形成された穴部とで構成されるため、スライドレールの外側に別のレールを設ける必要等がなくなる。
【0012】
本発明の請求項3記載のスライドシートのロック装置は、請求項1または2記載のものに関して、前記第1係止部は、回動可能に設けられ前記ロック状態において前記シートクッションに一体的に設けられたロック部(例えば実施の形態におけるロックピン100,101)を係止する第1係止部材(例えば実施の形態における第1係止部材111)を有しており、前記第2係止部は、回動可能に設けられ前記インターロック状態で前記ロック部を係止する第2係止部材(例えば実施の形態における第2係止部材112)を有していて、これら第1係止部材と第2係止部材とが回動中心線を一致させていることを特徴としている。
【0013】
このように、ロック状態においてシートクッションに一体的に設けられたロック部を係止する回動可能な第1係止部材と、インターロック状態でロック部を係止する回動可能な第2係止部材とが回動中心線を一致させているため、これら第1係止部材および第2係止部材の回動中心軸を共用化できるとともにこれら全体の回動範囲を小さくできる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置を図面を参照して以下に説明する。なお、本実施形態において、スライドシート10は、フロントシート、ミドルシートおよびリヤシートからなる三列シート構造の場合には、ミドルシートおよびリヤシートの少なくともいずれか一方に適用され、フロントシートおよびリヤシートからなる二列シート構造の場合にはリヤシートに適用されるものである。
【0015】
本実施形態においては、スライドシート10が、シート本体11と、このシート本体11の車体前後方向のスライドを案内するため、車両の車室フロア上に前後方向に沿う状態で敷設される左右方向一対(一方のみ図示)のロアレール(スライドレール)13とを有している。
【0016】
シート本体11は、ロアレール13で案内されて車体前後方向にスライドする左右一対(一方のみ図示)のアッパーレール14と、各アッパーレール14上に固定される左右一対(一方のみ図示)の脚部15と、各脚部15上に固定される左右一対(一方のみ図示)のシードサイドブラケット16と、左右一対のシードサイドブラケット16の間に回動可能に支持されるシートクッション17およびシートバック18とを有している。
【0017】
ロアレール13は、図1(a),(b)に示すように、車体前後方向に長い底板部21と、底板部21の車体左右方向における両端縁部から垂直に起立する左右一対の側板部22と、各側板部22の上端縁部から互いに近接する方向に延出する左右一対の上板部23と、各上板部23の内端縁部から下方に若干突出する左右一対の突出板部24とを有しており、長さ方向に直交する断面が長さ方向のいずれの位置においても同様の形状をなしている。
【0018】
ロアレール13は、車体前側の所定の前部範囲と、車体後側の所定の後部範囲とに区分けされており、この所定の後部範囲には、図1(c)に示すように、それぞれ所定の間隔をあけて配置される車体前側の穴部27およびその車体後側に隣り合う穴部28の組が、車体前後方向に等ピッチで複数形成されている。穴部27は、車体前後方向に長い長方形状をなしており、底板部21の車体左右方向における中心位置に底板部21を貫通して形成されている。穴部28は、三つの正方形状の穴29が前後に等間隔で配列されてなるもので、底板部21の車体左右方向における中心位置に底板部21を貫通して形成されている。
【0019】
また、所定の後部範囲にある穴部27および穴部28の組のうち、車体前後方向における前端にある組のみが、図1(d)に示すように、穴部28の車体後側の所定位置に穴部30を有している。穴部30は、車体前後方向に長い長方形状をなす二つの穴31で構成されており、これら穴31が底板部21の車体左右方向における中心位置に対し左右等距離の位置に底板部21を貫通して形成されている。
【0020】
さらに、ロアレール13の所定の前部範囲には、所定位置に、図1(e)に示すように上記した穴部28のみが一カ所形成されている。
【0021】
アッパーレール14は、アッパーレール本体35と、このアッパーレール本体35の下部に車体前後方向に所定間隔をあけて複数組設けられる左右一対のローラ36とを有している。アッパーレール14は、アッパーレール本体35の下部がロアレール13の突出板部24間に挿入され左右一対(一方のみ図示)のローラ36がロアレール13の突出板部24と側板部22との間に配置された状態でロアレール13に設けられ、その結果、ロアレール13に車体上下方向および左右方向の移動が規制されながら案内されて車体前後方向に走行する。
【0022】
アッパーレール本体35の下部には、車体前後方向における前部に検出ロック部(跳ね上げ解除部)40が、車体前後方向における中間部にスライドロック部41が、車体前後方向における後部に着座前端ロック部42がそれぞれ設けられている。
【0023】
また、アッパーレール本体35の上部には、車体前後方向における前部に引具44が、引具44の後側に引具45が、引具45の後側に引具46が、引具46の後側に引具47が、それぞれ設けられている。
【0024】
検出ロック部40は、穴部27に嵌合可能かつ穴部28および穴部30に嵌合不可な形状をなすとともにアッパーレール本体35に昇降可能に設けられたロック部材50(昇降部)と、このロック部材50の上部に連結されるとともにアッパーレール本体35に車体左右方向に沿う軸回りに回動可能に支持される車体前後方向に長い形状の回動アーム51と、この回動アーム51の前端部を下方に付勢するスプリング52とを有している。
【0025】
回動アーム51は、図2に示すように、車体前後方向における前端部が上側に位置するように屈曲する形状をなしており、この前端部とアッパーレール本体35との間にスプリング52が介装されている。また、回動アーム51は、このスプリング52の直後の支持部53に上記したロック部材50が連結されており、この支持部53よりも後側の回動部54でアッパーレール本体35に回動可能に支持されている。さらに、回動アーム51は、回動部54よりも後側が斜め上側に延出している。回動アーム51の支持部53と回動部54との間の連結部55には、引具44から延出するワイヤ56が連結されており、回動アーム51の後端の連結部57には、引具45から延出するワイヤ58が連結されている。
【0026】
以上により、検出ロック部40は、ワイヤ56に引張力の入力がない状態では、回動アーム51が、スプリング52によりロック部材50を下降させるように付勢されており、この状態でロック部材50の位置が穴部27の位置に一致すると回動してロック部材50を穴部27に嵌合させる。この状態では、アッパーレール14の車体前後方向における両方向の移動が規制される。なお、ロック部材50が下降する際に穴部27以外の位置では底板部21の上面であるロアレール13の底面(内側底面)60で下降が規制される。
【0027】
一方、この状態でワイヤ56に引張力の入力があると、回動アーム51は、スプリング52の付勢力に抗してロック部材50を上昇させるとともに連結部57に連結されたワイヤ58を下方に引っ張るように回動し、ロック部材50を穴部27から抜ける位置まで上昇させる。この状態では、アッパーレール14の車体前後方向における両方向の移動が許容可能となる。
【0028】
スライドロック部41は、図1に示すように、三つの凸部63を有することにより穴部28に嵌合可能かつ穴部27および穴部30に嵌合不可な形状をなすとともにアッパーレール本体35に昇降可能に設けられたロック部材64と、このロック部材64の上部に連結されるとともにアッパーレール本体35に車体左右方向に沿う軸回りに回動可能に支持される車体前後方向に長い形状の回動アーム65と、この回動アーム65の前端部を下方に付勢するスプリング66とを有している。
【0029】
回動アーム65は、図2に示すように、車体前後方向における前端部が上側に位置するように屈曲する形状をなしており、この前端部とアッパーレール本体35との間にスプリング66が介装されている。また、回動アーム65は、このスプリング66の直後の支持部68に上記したロック部材64が連結されており、後端部の回動部69でアッパーレール本体35に回動可能に支持されている。回動アーム65の支持部68と回動部69との間の連結部70には、引具46から延出するワイヤ71が連結されている。
【0030】
以上により、スライドロック部41は、ワイヤ71に引張力の入力がない状態では、回動アーム65が、スプリング66によりロック部材64を下降させるように付勢されており、この状態でロック部材64の位置が穴部28の位置に一致すると回動してロック部材64を穴部28に嵌合させる。この状態では、アッパーレール14の車体前後方向における両方向の移動が規制される。なお、ロック部材64が下降する際に穴部28以外の位置ではロアレール13の底面60で下降が規制される。
【0031】
一方、この状態でワイヤ71に引張力の入力があると、回動アーム65は、スプリング66の付勢力に抗してロック部材64を上昇させるように回動し、ロック部材64を穴部28から抜ける位置まで上昇させる。この状態では、アッパーレール14の車体前後方向における両方向の移動が許容可能となる。
【0032】
着座前端ロック部42は、図1に示すように、穴部30に嵌合可能かつ穴部27および穴部28に嵌合不可な形状をなしアッパーレール本体35に車体左右方向に沿う軸回りに回動可能に支持される左右一対(一方のみ図示)のロック部材74と、アッパーレール14にロック部材74と同じ軸回りに回動可能に支持される回動アーム75と、この回動アーム75の前端部を下方に付勢するスプリング76と、回動アーム75に対してロック部材74を回動付勢するスプリング77とを有している。
【0033】
回動アーム75は、図4に示すように、車体前後方向における前端部が上側に位置しており、この前端部とアッパーレール本体35との間にスプリング76が介装されている。また、回動アーム75には、このスプリング76の直後位置に上下方向に長い長穴79が形成されている。回動アーム75は、後端部の回動部80でアッパーレール本体35に回動可能に支持されている。回動アーム75の長穴79より上側の連結部81には、引具47から延出するワイヤ82が連結されている。
【0034】
ロック部材74は、前端部のピン85が長穴79に挿通されており、後端部が回動アーム75と共通の回動部80でアッパーレール本体35に回動可能に支持されている。ロック部材74の下部には、一部のみが穴部30に入り込み可能な突出部86が形成されている。この突出部86には、その下端に、穴部30に入り込んだ状態で車体後方側ほど上側に位置するように傾斜する傾斜面87が形成されており、その前端に、穴部30に入り込んだ状態で鉛直延在して穴部30の前側に当接可能な当接面88が形成されている。
【0035】
スプリング77は回動部80に設けられており、ロック部材74を回動アーム75に対して下方に付勢する。
【0036】
以上により、着座前端ロック部42は、ワイヤ82に引張力の入力がない状態では、回動アーム75がスプリング76により下降するように付勢されており、ロック部材74がスプリング77により回動アーム75に対し下降するように付勢されている。そして、この状態でロック部材74の突出部86の位置が穴部30の位置に一致すると突出部86は穴部30に進入する。この状態では、ロック部材74の突出部86の当接面88によってアッパーレール14の車体前方の移動が規制される。
【0037】
なお、ロック部材74の突出部86に傾斜面87が形成されていることで、アッパーレール14が車体後方に移動しようとした場合には、傾斜面87が底面60側に載り上げることで、長穴79でピン85を上昇させつつロック部材74が回動して穴部30から脱出することになり、その結果、アッパーレール14の車体後方の移動が許容される。また、ロック部材74は、穴部30以外の位置ではロアレール13の底面60で下降が規制される。
【0038】
一方、ワイヤ82に引張力の入力があると、回動アーム75は、スプリング76の付勢力に抗してロック部材74を上昇させるように回動し、ロック部材74を穴部30から抜ける位置まで上昇させる。この状態では、アッパーレール14の車体前方への移動も許容可能となる。
【0039】
引具44では、一本のワイヤ56に対して二本のワイヤ91,92が連結されており、これらワイヤ91,92のいずれか一方が引っ張られるとワイヤ56が引っ張られるようになっている。同様に、引具46でも、一本のワイヤ71に対して二本のワイヤ93,94が連結されており、これらワイヤ93,94のいずれか一方が引っ張られるとワイヤ71が引っ張られるようになっている。これらに対して、引具45には一本のワイヤ58が連結されており、引具47にも一本のワイヤ82が連結されている。
【0040】
左右一対のシートサイドブラケット16には、これらにわたって車体左右方向に沿う回動軸であるクッションピボット97が設けられており、このクッションピボット97にシートクッション17の一端側が支持されている。このシートクッション17は乗員が着座するものでこのシートクッション17に一体的に設けられたクッションブラケット98を介してクッションピボット97に支持されている。シートクッション17はクッションピボット97に対し反対側を車体前方に位置させる着座状態とクッションピボット97に対し反対側を上方に位置させる跳ね上げ状態との間で回動可能とされており、跳ね上げ状態となる方向にスパイラルスプリング99で付勢されている。
【0041】
シートクッション17に一体的に設けられたクッションブラケット98には、クッションピボット97から同距離をなす位置に、複数具体的には二本のロックピン(ロック部)100,101が固定されている。さらに、シートクッション17のクッションピボット97に対し反対側には略L字状のチップアップレバー(レバー)102が車体左右方向に沿う回動軸103によって回動可能に支持されている。
【0042】
左右一対のシートサイドブラケット16には、これらにわたって車体左右方向に沿う回動軸であるリクライニング軸105が設けられており、このリクライニング軸105にシートバック18の一端側が支持されている。このシートバック18は乗員の背中を支承するものでリクライニング軸105に対し反対側を車体前方に位置させる折り畳み状態とリクライニング軸105に対し反対側を車体後方に位置させる倒状態との間で回動可能とされており、折り畳み状態となる方向にスパイラルスプリング106で付勢されている。なお、シートバック18は折り畳み状態と倒状態との間の複数の角度位置で固定可能となっている。
【0043】
なお、クッションピボット97よりもリクライニング軸105の方が車体後方かつ上方に設けられている。
【0044】
一方のシートサイドブラケット16には、クッションピボット97の下方に車体左右方向に沿う回動軸110が設けられており、この回動軸110に第1係止部材111および第2係止部材112が回動可能に支持されている。すなわち、これら第1係止部材111および第2係止部材112は回動中心線を一致させている。
【0045】
第1係止部材111は、板状をなしており、板厚方向を車体左右方向に向けている。第1係止部材111は、中間所定位置において回動軸110に回動可能に支持されており、回動軸110の一側にロックピン100,101を案内するガイド溝113が形成されている。ガイド溝113は、略円弧状の回動溝114と、回動溝114の上端部および中間部から車体前方に凹む複数具体的には二カ所の係止溝115,116とを有している。
【0046】
この第1係止部材111とシートサイドブラケット16との間には第1係止部材111の上部を車体後方に付勢するスプリング117が介装されており、第1係止部材111はガイド溝113がロックピン100,101に当接することでその回動範囲が決められている。また、第1係止部材111のガイド溝113と回動軸110との間には当接ピン118が固定されている。
【0047】
二カ所の係止溝115,116には、図9に示すように、跳ね上げ状態にあるシートクッション17のロックピン100,101がそれぞれ係合可能であり、これら係止溝115,116にロックピン100,101を係合させることで第1係止部材111はシートクッション17の着座状態への回動を規制する跳ね上げロック状態(ロック状態)となる。
【0048】
また、この状態から第1係止部材111がスプリング117の付勢力に抗して回動軸110を中心にガイド溝113を車体前方に移動させるように回動すると、図12に示すように、二カ所のロックピン100,101が係止溝115,116から回動溝114に移動し、その結果、第1係止部材111は回動溝114に沿ってロックピン100,101を移動させることでシートクッション17の着座状態への回動を許容するロック解除状態となる。
【0049】
シートクッション17が着座状態に位置する状態でロック解除状態にあった第1係止部材111がスプリング117の付勢力で回動軸110を中心にガイド溝113を車体後方に移動させるように回動すると、図2に示すように、下側の係止溝116に上側のロックピン100が係合し、その結果、第1係止部材111はシートクッション17の跳ね上げ状態への回動を規制する着座ロック状態となる。
【0050】
第2係止部材112は、直線形の板状をなしており、板厚方向を車体左右方向に向けている。第2係止部材112は、中間所定位置において回動軸110に回動可能に支持されている。この第2係止部材112と第1係止部材111との間には第2係止部材112の下部を車体後方に付勢するスプリング120が介装されている。
【0051】
この第2係止部材112は、図13に示すように、第1係止部材111がロック解除状態にあるとき、スプリング120の付勢力で上部を車体前方に位置させて第1係止部材111の当接ピン118から離間して図示せぬストッパに当接することで回動溝114から退避し、その結果、シートクッション17の回動時におけるロックピン100,101の移動範囲から退避可能なインターロック解除状態と、図12に示すように、スプリング120の付勢力に抗して回動して第1係止部材111の当接ピン118に当接し回動溝114に重なり合うことでシートクッション17の回動時におけるロックピン100,101の移動範囲に進入可能なインターロック状態との間で回動可能とされている。すなわち、第2係止部材112は、シートクッション17のロックピン101を係止することによりシートクッション17の跳ね上げ解除方向(着座方向)への回動を規制するインターロック状態と、ロックピン101への係止を解除することでシートクッション17の跳ね上げ解除方向への回動を許容するインターロック解除状態との間で切り替えられる。
【0052】
この第2係止部材112は、第1係止部材111に対し回動可能とされており、第2係止部材112への入力が変化しない状態では第1係止部材111と一体的に回動する。第1係止部材111がロック解除状態にあるとき、この第2係止部材112は、当接ピン118に当接するインターロック状態にあると、回動軸110に直交する方向において第1係止部材111の係止溝116の回動軸110側に近接して重なり合うことになり、跳ね上げ状態にあるシートクッション17に一体的に設けられたロックピン101の回動軌跡上に上端面121を位置させてロックピン101を係止することによりシートクッション17の着座状態への回動を規制する。
【0053】
なお、第2係止部材112がインターロック状態にあり、かつ第1係止部材111がロック解除状態にあって跳ね上げ状態にあるシートクッション17のロックピン101が回動溝114内に位置する状態で、第2係止部材112の上端面121はロックピン101の移動方向に対し直交する平面形状をなしている。また、同状態で、ロックピン101と第2係止部材112の上端面121との間には所定の隙間122が形成されており、シートクッション17はこの隙間122の範囲内では微小に着座状態となる方向へ回動可能となっている。
【0054】
一方のシートサイドブラケット16の車体前端側には、車体前方に延出する略L字状のスライドレバー123が車体左右方向に沿う回動軸124によって回動可能に支持されている。
【0055】
リクライニング軸105には、一方のシートサイドブラケット16の側に、シートバック18のリクライニング軸105を中心とした回動の操作を入力するためのリクライニングレバー126が回動可能に支持されている。
【0056】
一方のシートサイドブラケット16には、スライドレバー123の車体後方に引具128が、第1係止部材111の下部の車体後方に引具129が、この引具129の上側に引具130が、この引具130の上側に引具131が、この引具131の上側に引具132が設けられている。また、第1係止部材111の回動軸110より下側かつ前側には引具133が設けられている。さらに、シートクッション17には引具134が設けられている。
【0057】
引具128から延出するワイヤ136は、スライドレバー123の回動軸124より下側に設けられた連結部137に連結されており、引具129から延出するワイヤ139は、第1係止部材111の回動軸110より下側に設けられた連結部140に連結されている。また、引具130から延出するワイヤ142は、クッションブラケット98の車体後部側の連結部143に連結されている。さらに、引具131から延出するワイヤ145は引具132に連結されてさらにリクライニングレバー126に連結されている。加えて、引具134から延出するワイヤ146はチップアップレバー102に設けられた連結部147に連結されている。
【0058】
引具128では、一本のワイヤ136に対して二本のワイヤ91,93が連結されており、ワイヤ136が引っ張られると両方のワイヤ91,93が引っ張られるようになっている。引具129では、一本のワイヤ139に対して二本のワイヤ146,149が連結されており、これらワイヤ146,149のいずれか一方が引っ張られるとワイヤ139が引っ張られるようになっている。引具130では、一本のワイヤ142に対して二本のワイヤ82,92が連結されており、ワイヤ142が引っ張られると両方のワイヤ82,92が引っ張られるようになっている。引具131では、一本のワイヤ145に対して二本のワイヤ94,149が連結されており、ワイヤ145が引っ張られると両方のワイヤ94,149が引っ張られるようになっている。引具132には一本のワイヤ145が連結されており、引具134には一本のワイヤ146が連結されている。
【0059】
ここで、シート本体11が、図示略のシートベルトとの関係から、全スライド範囲(図15に示す範囲A参照)のうちシートクッション17を降ろし乗員が着席可能な着座スライド範囲(図15に示す範囲B参照)内に位置するときのみ、検出ロック部40のロック部材50が穴部27に嵌合されると同時に、スライドロック部41のロック部材64が穴部28に嵌合される状態となることが可能となっている。そして、車室フロアに固定されたロアレール13の所定の後部範囲に穴部27および穴部28の組が複数組設けられていることで、シート本体11は、これらの組と同じ数の複数の位置で、着席可能な状態でロアレール13にロック可能となっている。
【0060】
また、シート本体11が、着座スライド範囲(図15に示す範囲B参照)の前端位置に位置するときのみ、検出ロック部40のロック部材50が穴部27に嵌合されると同時に、スライドロック部41のロック部材64が穴部28に嵌合され、さらに同時に着座前端ロック部42のロック部材74が穴部30に挿入される状態となることが可能となっている。
【0061】
さらに、シート本体11が、全スライド範囲のうち着座スライド範囲より前側の非着座スライド範囲(図15に示す範囲C参照)に位置するときは、スライドロック部41のロック部材64のみがロアレール13の所定の前部範囲に唯一設けられた穴部28に嵌合されることになり、前部範囲に設けられていない穴部27に検出ロック部40のロック部材50が嵌合されたり、前部範囲に設けられていない穴部30に着座前端ロック部42のロック部材74が挿入されたりすることはない。
【0062】
なお、スライドロック部41のロック部材64がロアレール13に設けられた穴部28に挿入される状態がシート本体11がロアレール13に固定されるシート固定状態であり、そのうち、シート本体11が着座スライド範囲にあるときのシート固定状態が着座スライド範囲固定状態となる。
【0063】
以上の構成の本実施形態の作動について説明する。
【0064】
「通常着座状態」
まず、シート本体11が、範囲の前端位置を除く着座スライド範囲にあってロアレール13にロックされる通常着座状態について図2を参照して説明する。
【0065】
通常着座状態にあるとき、シート本体11は、ロアレール13の穴部27に検出ロック部40のロック部材50の車体前後方向の位置を合わせるとともに、穴部28にスライドロック部41のロック部材64の車体前後方向の位置を合わせている。このときのシート本体11の位置を後部ロック位置とする。
【0066】
このとき、チップアップレバー102が操作されていないことから、ワイヤ146は引かれておらず、また、リクライニングレバー126が操作されていないことから、ワイヤ145も引かれておらずワイヤ94,149も引かれていない。よって、ワイヤ146,149に連結されたワイヤ139も引かれていないため、第1係止部材111は、スプリング117の付勢力でロックピン100を下側の係止溝116に係合させており、シートクッション17を前方に延出する着座状態に維持する着座ロック状態となっている。また、シートクッション17が着座状態にあることから、ワイヤ142が引かれることもなく、ワイヤ82,92も引かれることがない。
【0067】
また、スライドレバー123も操作されていないことから、ワイヤ136は引かれておらず、よってワイヤ91,93も引かれていない。
【0068】
以上により、ワイヤ56が引かれておらず、検出ロック部40の回動アーム51がスプリング52の付勢力でロック部材50を押し下げていることから、ロック部材50が位置の合う穴部27に嵌合している。また、ワイヤ71が引かれておらず、スライドロック部41の回動アーム65がスプリング66の付勢力でロック部材64を押し下げていることから、ロック部材64が位置の合う穴部28に嵌合し、その結果、シート本体11がロアレール13に固定されるシート固定状態となっている。さらに言えば、シート本体11は、このとき着座スライド範囲にあるため、着座スライド範囲固定状態となっている。
【0069】
なお、ワイヤ82が引かれておらず、着座前端ロック部42の回動アーム75がスプリング76の付勢力でロック部材74の下降を許容しているが、穴部30が設けられていないことから、ロック部材74は長穴79内でピン85を上昇させることで回動アーム75に対し上側に回動しつつ、ロアレール13の底面60に接触している。
【0070】
この通常着座状態においては、上記のように、回動アーム51がスプリング52の付勢力でロック部材50を押し下げる状態となっていることから、第2係止部材112は、スプリング120の付勢力で第1係止部材111の回動溝114から離間しており、インターロック解除状態となっている。すなわち、チップアップレバー102を操作しワイヤ146を引くと、第1係止部材111および第2係止部材112が一体的に回動し、ロックピン100を係止溝116から抜くことができるとともに、ロックピン100,101を回動溝114内で移動させてシートクッション17を跳ね上げる後述する跳ね上げ作動を行うことが可能な状態となっている。
【0071】
なお、上記通常着座状態は、検出ロック部40のロック部材50が穴部27に嵌合可能であり、かつスライドロック部41のロック部材64がこの穴部27の車体後側に隣り合う穴部28に嵌合可能な状態であるため、このような通常着座状態となるシート本体11の後部ロック位置は、複数組ある穴部27およびその車体後側に隣り合う穴部28の各組の上となる複数カ所に設けられることになる。
【0072】
「通常着座状態からの着座スライド作動」
次に、上記通常着座状態からシートクッション17の着座状態を維持したままシート本体11をスライドさせる着座スライド作動について図3を参照して説明する。
【0073】
スライドレバー123が操作されることにより、ワイヤ136が引かれ、よってワイヤ91,93が引かれると、ワイヤ91に連結されたワイヤ56が引き上げられ、検出ロック部40の回動アーム51がスプリング52の付勢力に抗して回動し、ロック部材50を引き上げ、穴部27から離脱させる。それとともに、回動アーム51は、ワイヤ58を引き下げることで、第2係止部材112の下部を車体前方に引くことになり、スプリング120の付勢力に抗して第2係止部材112を回動させて第1係止部材111の回動溝114に重ね合わせるインターロック状態とする。一方、ワイヤ93が引かれることによってワイヤ71も引き上げられ、スライドロック部41の回動アーム65がスプリング66の付勢力に抗して回動し、ロック部材64を引き上げ、穴部28から離脱させる。
【0074】
以上のロック部材50の穴部27からの離脱およびロック部材64の穴部28からの離脱と、ロック部材74の底面60への接触とで、シート本体11は、ロアレール13に案内されて車体前後方向にスライド可能となる。
【0075】
ここで、シート本体11をスライドさせ、所望の位置でスライドレバー123の操作を解除すると、ワイヤ136の引っ張りが解除され、ワイヤ91,93の引っ張りも解除される。すると、ワイヤ56の引き上げが解除され、検出ロック部40の回動アーム51がスプリング52の付勢力でロック部材50を押し下げることになり、ワイヤ71の引き上げが解除され、スライドロック部41の回動アーム65がスプリング66の付勢力でロック部材64を押し下げることになる。
【0076】
すると、ロック部材50は穴部27と位置が合っていない場合にはロアレール13の底面60に接触することになり、ロック部材64も穴部28と位置が合っていない場合にはロアレール13の底面60に接触することになる。そして、微調整のスライドを行うことで、スライド方向に最も近い穴部27,28にロック部材50,64の位置が合うと、スプリング52の付勢力でロック部材50が位置の合う穴部27に嵌合するとともに、スプリング66の付勢力でロック部材64が位置の合う穴部28に嵌合して、図2に示す通常着座状態に戻る。なお、スライドレバー123の操作を解除した時点で、ロック部材50,64が穴部27,28と位置が合っていれば、微調整のスライドを行うことなく、ロック部材50,64が位置の合う穴部27,28に嵌合して、図2に示す通常着座状態に戻る。
【0077】
「前端位置着座状態」
次に、シート本体11が、着座スライド範囲の前端位置にあってロアレール13にロックされる前端位置着座状態について図4を参照して説明する。
【0078】
例えば、上記した着座スライド作動中、スライドレバー123を操作したままシート本体11を着座スライド範囲を超えて車体前方に移動させようとした場合には、シート本体11が着座スライド範囲の前端位置に位置した時点で、それまでロアレール13の底面60に接触していた着座前端ロック部42のロック部材74がスプリング77の付勢力で穴部30に嵌合して、それ以上のシート本体11の前方移動を規制する。すなわち、シートクッション17が着座状態にあるときは、着座前端ロック部42がシート本体11の着座スライド範囲からの離脱を規制するのである。
【0079】
そして、例えば、この時点で、スライドレバー123の操作を解除すると、ワイヤ136の引っ張りが解除され、ワイヤ91,93の引っ張りも解除されて、図4に示す前端位置着座状態になる。すなわち、ワイヤ56の引き上げが解除され、検出ロック部40の回動アーム51がスプリング52の付勢力でロック部材50を押し下げ、ロック部材50を穴部30と組をなす穴部27に嵌合させる。また、ワイヤ71の引き上げが解除され、スライドロック部41の回動アーム65がスプリング66の付勢力でロック部材64を押し下げ、ロック部材64を穴部30と組をなす穴部28に嵌合させる。この状態は着座スライド範囲固定状態である。
【0080】
この前端位置着座状態においても、上記のように、回動アーム51がスプリング52の付勢力でロック部材50を押し下げる状態となっていることから、第2係止部材112は、第1係止部材111の回動溝114から離間しており、インターロック解除状態となっている。
【0081】
以上のように、着座前端ロック部42によって、シート本体11は着座状態にあるときには着座スライド範囲のみでしかスライドできず、非着座スライド範囲には進入できないようになっている。
【0082】
なお、上記前端位置着座状態は、検出ロック部40のロック部材50が穴部27に嵌合可能であり、かつスライドロック部41のロック部材64がこの穴部27の車体後側に隣り合う穴部28に嵌合可能であって、しかも着座前端ロック部42が穴部30に嵌合可能な状態であるため、このような前端位置着座状態となるシート本体11の中間ロック位置は、一組だけある穴部27およびその車体後側に隣り合う穴部28およびその車体後側に隣り合う穴部30の組の上側の一カ所のみ設けられることになる。
【0083】
「前端位置着座状態からの着座スライド作動」
次に、上記前端位置着座状態からシートクッション17の着座状態を維持したままシート本体11をスライドさせる着座スライド作動について図5および図6を参照して説明する。この作動は、上記した「通常着座状態からの着座スライド作動」とほぼ同様である。
【0084】
図5に示すように、スライドレバー123が操作されることにより、検出ロック部40の回動アーム51を回動させてロック部材50を穴部27から離脱させるとともに、スライドロック部41の回動アーム65を回動させてロック部材64を穴部28から離脱させることになるが、着座前端ロック部42のロック部材74は穴部30に嵌合しているため、シート本体11の前方へのスライドは規制される。一方、ロック部材74は後方ほど上側に位置する傾斜面87を有しているため、シート本体11を後方へスライドさせようとすると、図6に示すように、この傾斜面87が穴部30に案内されることでロック部材74がピン85を長穴79で上昇させながら回動して穴部30から離脱することになり、その結果、シート本体11は後方へスライドすることになる。スライドさせた後については、通常着座状態からの着座スライド作動で述べた作動と同様である。
【0085】
「通常着座状態からの跳ね上げ作動」および「前端位置着座状態からの跳ね上げ作動」
次に、上記通常着座状態および前端位置着座状態からシートクッション17を跳ね上げる跳ね上げ作動について図7〜図10を参照して説明する。
【0086】
図7および図8に示すように、チップアップレバー102が操作されることにより、ワイヤ146が引かれると、ワイヤ139が引かれ、第1係止部材111の下部が車体後方に引かれて上部を車体前方に位置させるように回動し、ロックピン100を係止溝116から抜いて回動溝114内に位置させることになる。このとき、通常着座状態および前端位置着座状態においては、検出ロック部40のロック部材50が穴部27に嵌合し回動アーム51およびワイヤ58を介して第2係止部材112をインターロック解除状態としていたため、シートクッション17は、ロックピン100,101を回動溝114内で移動させながらスパイラルスプリング99の付勢力で跳ね上げ状態となる。なお、スライドロック部41は、シート本体11をロアレール13に固定した状態を維持している。
【0087】
このシートクッション17の跳ね上げで、これと一体的に設けられたクッションブラケット98に連結されたワイヤ142が引かれ、ワイヤ82,92が引き上げられる。その結果、ワイヤ92がワイヤ56を引き上げ、検出ロック部40の回動アーム51をスプリング52の付勢力に抗して回動させ、ロック部材50を引き上げ、穴部27から離脱させる。それとともに、回動アーム51は、ワイヤ58を介して第2係止部材112の下部を車体前方に引くことになり、図9および図10に示すように、スプリング120の付勢力に抗して第2係止部材112を回動させて第1係止部材111の回動溝114に重ね合わせる。これにより、第2係止部材112は、ロックピン101の下方移動について規制するインターロック状態となる。加えて、ワイヤ82が着座前端ロック部42の回動アーム75をスプリング76の付勢力に抗して回動させる。その結果、通常着座状態から行った場合は、図9に示すように、ロック部材74を引き上げることにより、接触していたロアレール13の底面60から離間させることになり、また、前端位置着座状態から行った場合は、図10に示すように、ロック部材74を引き上げることにより、穴部30から抜いてロアレール13の底面60から離間させることになる。
【0088】
そして、チップアップレバー102の操作を解除すると、ワイヤ146への引っ張りが解除されることから、第1係止部材111の上部がスプリング117の付勢力で車体後方に引かれ、その結果、係止溝115にロックピン100が、係止溝116にロックピン101がそれぞれ入り込んで係合し、シートクッション17の着座状態への回動を規制する跳ね上げロック状態となる。
【0089】
なお、シートクッション17が跳ね上げ状態にあるとき、着座前端ロック部42のロック部材74は常に底面60より上側に位置する。
【0090】
「通常着座状態からの跳ね上げスライド作動」および「前端位置着座状態からの跳ね上げスライド作動」
次に、上記通常着座状態および前端位置着座状態からシートクッション17を跳ね上げてスライドさせる作動について図9および図10を参照して説明する。
【0091】
上記のように通常着座状態および前端位置着座状態から跳ね上げ作動を行った場合、通常着座状態から行った場合は、図9に示すように、跳ね上げ作動によって、ロック部材74を引き上げそれまで接触していたロアレール13の底面60から離間させることになり、また、前端位置着座状態から行った場合は、図10に示すように、跳ね上げ作動によって、ロック部材74を引き上げそれまで進入していたロアレール13の穴部30から抜くことになる。そして、これらいずれの状態からも、シート本体11を車体前後方向にスライドさせる場合は、上記着座スライド作動と同様にスライドレバー123が操作される。すると、ワイヤ136が引かれ、よってワイヤ91,93が引かれることになる。ここで、シートクッション17の跳ね上げで検出ロック部40のロック部材50はロアレール13より上側にすでに離間しているため、ワイヤ56に連結されたワイヤ91が引き上げられても検出ロック部40の作動に対しては無関係となる。一方、ワイヤ93を介してワイヤ71が引かれることで、スライドロック部41の回動アーム65がスプリング66の付勢力に抗して回動し、ロック部材64を引き上げ、穴部28から離脱させる。
【0092】
以上により、シートクッション17の跳ね上げ作動ですでに検出ロック部40のロック部材50はロアレール13より上側に離間し、かつ着座前端ロック部42のロック部材74もロアレール13より上側に離間していることに加えて、スライドロック部41がスライドレバー123の操作によりロック部材64を穴部28から離脱させることで、シート本体11は、ロアレール13に案内されて車体前後方向にスライド可能となる。
【0093】
この状態では、検出ロック部40のロック部材50、スライドロック部41のロック部材64および着座前端ロック部42のロック部材74がすべてロアレール13から離間するため、シート本体11は、以上に述べてきた着座スライド範囲に加えてその前方の非着座スライド範囲でもスライド可能となり、全スライド範囲でスライド可能となる。
【0094】
ここで、シート本体11をスライドさせ、所望の位置でスライドレバー123の操作を解除すると、ワイヤ136の引っ張りが解除され、ワイヤ91,93の引っ張りが解除される。ワイヤ91の引っ張りが解除されても、跳ね上げ状態のシートクッション17によってワイヤ92が引っ張られていることから、検出ロック部40のロック部材50はロアレール13の底面60より上側に位置する状態が維持される。一方、ワイヤ93の引っ張りが解除されると、ワイヤ71の引っ張りが解除されるため、スライドロック部41の回動アーム65がスプリング66の付勢力でロック部材64を押し下げることになる。
【0095】
すると、ロック部材64は穴部28と位置が合っていない場合にはロアレール13の底面60に接触することになる。そして、微調整のスライドを行うことで、スライド方向に最も近い穴部28にロック部材64の位置が合うと、スプリング66の付勢力でロック部材64が位置の合う穴部28に嵌合する。このとき、シート本体11が着座スライド範囲の後部ロック位置に位置するときは、図7に示す通常着座状態からの跳ね上げ作動後の状態となり、シート本体11が中間ロック位置に位置するときは、図8に示す前端位置着座状態からの跳ね上げ作動後の状態となる。
【0096】
「跳ね上げ前端ロック状態」
次に、シート本体11が、非着座スライド範囲の前端位置にあってスライドレールにロックされる跳ね上げ前端ロック状態について図11を参照して説明する。
【0097】
上記した跳ね上げスライド作動中、例えば、非着座スライド範囲に入った後に、スライドレバー123の操作を解除する。すると、ワイヤ136の引っ張りが解除され、ワイヤ91,93の引っ張りが解除される。ワイヤ91の引っ張りが解除されても、跳ね上げ状態のシートクッション17にワイヤ92が引っ張られていることから、検出ロック部40のロック部材50はロアレール13の底面60より上側に位置する状態が維持される。一方、ワイヤ93の引っ張りが解除されると、ワイヤ71の引っ張りが解除されるため、スライドロック部41の回動アーム65がスプリング66の付勢力でロック部材64を押し下げることになる。
【0098】
すると、ロック部材64は穴部28と位置が合っていない場合にはロアレール13の底面60に接触することになる。そして、微調整のスライドを行って、非着座スライド範囲の穴部28にロック部材64の位置が合うと、スプリング66の付勢力でロック部材64が位置の合う穴部28に嵌合して、図11に示す跳ね上げ前端ロック状態となる。この状態では、シート本体11はロアレール13に対しスライド不可に固定される。なお、スライドレバーの操作を解除した時点で、ロック部材64と非着座スライド範囲の穴部28との位置が合っていれば、そのままロック部材64が穴部28に嵌合して、図11に示す跳ね上げ前端ロック状態となる。
【0099】
なお、上記跳ね上げ前端ロック状態は、スライドロック部41のロック部材64が最も車体側に位置する穴部28に嵌合可能な状態であり、このような跳ね上げ前端ロック状態となるシート本体11の跳ね上げ前端ロック位置は、車体前側に一カ所だけある穴部28のみからなる部分の上側の一カ所のみ設けられることになる。
【0100】
「跳ね上げ前端ロック状態からのスライド作動」
次に、上記跳ね上げ前端ロック状態から跳ね上げ状態のシートクッション17をスライドさせる作動について説明する。
【0101】
上記のように跳ね上げ前端ロック状態のシート本体11を車体前後方向にスライドさせる場合は、上記跳ね上げスライド作動と同様に、スライドレバー123が操作されると、シートクッション17の跳ね上げ作動ですでに検出ロック部40のロック部材50はロアレール13より上側に離間し、かつ着座前端ロック部42のロック部材74もロアレール13より上側に離間していることに加えて、スライドロック部41がスライドレバー123の操作によりロック部材64を穴部28から離脱させることで、シート本体11は、ロアレール13に案内されて車体後方にスライド可能となる。
【0102】
この状態では、検出ロック部40のロック部材50、スライドロック部41のロック部材64および着座前端ロック部42のロック部材74がすべてロアレール13から離間するため、シート本体11は、ロアレール13の全スライド範囲でスライド可能となり、所望の位置でスライドレバー123の操作を解除すると、跳ね上げスライド作動のスライド後の作動と同様に、ロック部材64を適宜の穴部28に嵌合させてシート本体11をロアレール13に対しスライド不可に固定する。
【0103】
「跳ね上げ状態解除規制作動」
次に、シート本体11が、跳ね上げ状態で非着座スライド範囲にあるときと、跳ね上げ状態で着座スライド範囲にあって後部ロック位置以外の位置であってしかも中間ロック位置以外の位置にあるときとに行われる跳ね上げ状態解除規制作動について図12を参照して説明する。
【0104】
跳ね上げ状態にあるシートクッション17を着座状態に戻す場合には、チップアップレバー102が操作されることによりワイヤ146が引かれる。すると、ワイヤ139が引かれ、第1係止部材111の下部が車体後方に引かれて上部を車体前方に位置させるように回動し、ロックピン100,101を係止溝115,116から抜いて回動溝114内に位置させることになる。そして、シートクッション17をスパイラルスプリング99の付勢力に抗して着座状態となる方向に押し下げると、インターロック状態にある第2係止部材112との隙間122の範囲で回動する。すると、ワイヤ142が緩み、ワイヤ92を介してワイヤ56が押し下げられ、その結果、検出ロック部40の回動アーム51が回動しロック部材50を下降させる。しかしながら、シート本体11が、非着座スライド範囲にあるときと、着座スライド範囲にあって後部ロック位置以外にありしかも中間ロック位置以外にあるとき(すなわち、シート本体11が着座スライド範囲固定状態にないとき)は、ロック部材50の下方に穴部27がないことから、ロック部材50はロアレール13の底面60に接触して、それ以上の下降が規制される。その結果、回動アーム51の回動は小さく、ワイヤ58の押し上げ量も小さいため、第2係止部材112はインターロック状態に維持される。その結果、シートクッション17が着座状態に戻されることを規制する。
【0105】
すなわち、シート本体11が非着座スライド範囲にあるときには、シートクッション17が着席状態となって乗員が着席してしまうのを、シートベルトとの関係から規制する必要があるため、第2係止部材112で着席状態となるのを規制する。
【0106】
また、シート本体11が着席スライド許容範囲にあるときでも、シート本体11がロアレール13に固定されていない状態で乗員が着席してしまうのは好ましくないため、後部ロック位置以外であってしかも中間ロック位置以外の位置にあるときは、第2係止部材112で着席状態となるのを規制する。すなわち、シート本体11がロアレール13に固定可能な後部ロック位置および中間ロック位置にあるとき以外は、跳ね上げ状態にあるシートクッション17が着席状態になるのを規制するのである。
【0107】
「跳ね上げ状態解除作動」
次に、シート本体11が、跳ね上げ状態で着座スライド範囲の中間ロック位置および後部ロック位置にあるとき(すなわち、シート本体11が着座スライド範囲固定状態にあるとき)のみ可能な跳ね上げ状態解除作動について図13を参照して説明する。
【0108】
跳ね上げ状態にあるシートクッション17を着座状態に戻す場合には、チップアップレバー102が操作されることによりワイヤ146が引かれる。すると、第1係止部材111の下部が車体後方に引かれて上部を車体前方に位置させるように回動し、ロックピン100,101を係止溝115,116から抜いて回動溝114内に位置させることになる。そして、シートクッション17をスパイラルスプリング99の付勢力に抗して着座状態となる方向に押し下げると、インターロック状態にある第2係止部材112との隙間122の範囲で回動する。すると、ワイヤ142が緩み、ワイヤ92を介してワイヤ56が押し下げられ、その結果、検出ロック部40の回動アーム51が回動しロック部材50を下降させる。
【0109】
そして、シート本体11が、着座スライド範囲の中間ロック位置にあるときと後部ロック位置にあるときは、ロック部材50の下方に穴部27があることから、ロック部材50はロアレール13の穴部27に挿入されて下降する。その結果、回動アーム51は比較的大きく回動し、ワイヤ58の押し上げ量も十分となり、第2係止部材112は回動溝114から退避するインターロック解除状態となる。その結果、シートクッション17はロックピン100,101を回動溝114内で移動させながら着座状態まで回動可能になる。そして、シートクッション17の回動途中または着座状態まで回動させた後に、チップアップレバー102の操作を解除すると、第1係止部材111がスプリング117の付勢力で回動し、着座状態となったシートクッション17のロックピン100を係止溝116に係合させ、シートクッション17を着座状態で固定する着座ロック状態となる。すなわち、上記した通常着座状態または前端位置着座状態のいずれかの状態になる。
【0110】
なお、以上において、シートクッション17に一体的に設けられたロックピン100,101と、これを係止する第1係止部材111と、スプリング117とが、跳ね上げ状態のシートクッション17をロックする跳ね上げロック状態と、着座状態のシートクッション17をロックする着座ロック状態と、これらのロックを解除するロック解除状態とに切り替え可能な第1係止部151を構成している。
【0111】
また、ロアレール13と検出ロック部40とワイヤ58と引具45,133と第2係止部材112と、スプリング120とが、第1係止部151がロック解除状態にあっても跳ね上げ状態のシートクッション17をロックするインターロック状態と、第1係止部151がロック解除状態にあるときに跳ね上げ状態のシートクッション17を着座状態に回動させることが可能なインターロック解除状態とに切り替え可能な第2係止部(係止部)152を構成している。
【0112】
言い換えれば、この第2係止部152は、シートクッション17のロックピン101を係止することによりシートクッション17の跳ね上げ解除方向への回動を規制するインターロック状態と、ロックピン100,101への係止を解除することでシートクッション17の跳ね上げ解除方向への回動を許容するインターロック解除状態との間で切り替えられることになる。
【0113】
そして、これら第1係止部151および第2係止部152で跳ね上げロック装置153が構成されている。
【0114】
また、検出ロック部40は、シート本体11が所定の着座スライド範囲内にありかつロアレール13に固定される着座スライド範囲固定状態にあることを検出し、この着座スライド範囲固定状態にあることが検出されたときのみシートクッション17の跳ね上げ解除を許容する一方、シート本体11が着座スライド範囲固定状態にないことが検出された場合については、シートクッション17の跳ね上げ解除を規制する。検出ロック部40は、シート本体11がロアレール13に固定される着座スライド範囲固定状態にあることを、検出ロック部40のロック部材50が穴部27を介して下降することで検出した場合はロック部材50に機械的に連結された第2係止部材112をインターロック解除状態とする一方、シート本体11がロアレール13に固定される着座スライド範囲固定状態にないことを、検出ロック部40のロック部材64がロアレール13の底面60で下降が規制されることで検出した場合はロック部材50に連結された第2係止部材112をインターロック状態とするように切り替えを行う。
【0115】
ここで、第1係止部151の第1係止部材111と第2係止部152の第2係止部材112とが同じ回動軸110に回動可能とされていることから、第1係止部材111および第2係止部材112が、シートクッション17の回動中心線に対し直交する方向において、互いに重なり合っている。しかも、第1係止部材111および第2係止部材112は、ともに、シートクッション17の回動中心線に対し直交する方向においてシートクッション17の方向に延出してこれと重なり合っている。
【0116】
なお、以上においては、着座前端ロック部42のロック部材74および回動アーム75を車体後側の回動部80で回動可能に支持するようにしたが、図14に示すように、反転させて車体前側の回動部80で回動可能に支持するようにしても良い。この場合は、突出部86の当接面88が穴部30の前端面から逃げる方向に回転しながら離脱することになり、穴部30の前端面との干渉を防止できる。
【0117】
以上に述べた本実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置によれば、跳ね上げ状態のシートクッション17をロックする跳ね上げロック状態とロックを解除するロック解除状態とに切り替え可能な第1係止部151の第1係止部材111が、シートクッション17の回動中心線に対し直交する方向においてシートクッション17と重なり合って設けられていることから、第1係止部151とのロックのためにシートクッション17からその回動中心線に対し直交する方向における外側に延出する部材を設ける必要がなく、よって、このような部材との干渉を回避する必要が無くなる。また、第1係止部151の第1係止部材111と、第2係止部152の第2係止部材112とが、シートクッション17の回動中心線に対し直交する方向において互いに重なり合っているため、第2係止部材112に係合するための第1係止部材111の当接ピン118についてのシートクッション17の回動中心線に対し直交する方向における外側への延出量も小さくできる。したがって、簡素化および小型化を図ることができる。
【0118】
また、シート本体11が非着座スライド範囲にあるとき、第2係止部152のロック部材50がロアレール13の内側の底面60で下降が規制されることで第2係止部152をインターロック状態に維持する一方、シート本体11が非着座スライド範囲外である着座スライド範囲にあるとき、ロック部材50がロアレール13の内側の底面60に形成された穴部27に挿通されることで第2係止部152のインターロック状態を解除できる。このように、シート本体11の位置に応じて第2係止部152のインターロック状態およびその解除を制御する機構がロック部材50とロアレール13の底面60およびこの底面60に形成された穴部27とで構成されるため、ロアレール13の外側に別のレールを設ける必要等がなくなる。したがって、レール構造の簡素化を図ることができる。
【0119】
さらに、ロック状態においてシートクッション17に一体的に設けられたロックピン100,101を係止する回動可能な第1係止部材111と、インターロック状態でロックピン101を係止する回動可能な第2係止部材112とが回動中心線を一致させているため、これら第1係止部材111および第2係止部材112の回動軸110を共用化できるとともにこれら全体の回動範囲を小さくできる。したがって、さらなる簡素化を図ることができる。
【0120】
また、以上に述べた本実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置によれば、シート本体11が所定の着座スライド範囲内にあってもロアレール13に固定される着座スライド範囲固定状態にないときには、検出ロック部40がシートクッション17の跳ね上げ解除を許容することがなく、よって、シートクッション17は跳ね上げ状態の解除が規制された状態が維持される。よって、シート本体11が所定の着座スライド範囲内にあってもロアレール13に固定される着座スライド範囲固定状態にないときにはシートクッション17の跳ね上げを解除できず、乗員が着席してしまうのを防止できる。したがって、シート本体11が車両の加速時や停止時に移動したりすることで乗員に違和感を生じさせる機会を低減することができる。
【0121】
加えて、検出ロック部40は、シート本体11が着座スライド範囲固定状態にあることを検出して第2係止部材112をインターロック解除状態に切り替えると、第2係止部材112がロックピン100,101への係止を解除することでシートクッション17の跳ね上げ解除方向への回動を許容する。このように、第2係止部材112がシート本体11に設けられたロックピン100,101を係止したり係止を解除したりするため、簡素な構造にできる。
【0122】
さらに、検出ロック部40は、ロック部材50がロアレール13の内側底面60に形成された穴部27を介して下降することで、シート本体11が着座スライド範囲固定状態にあることを検出して第2係止部材112をインターロック解除状態に切り替えると、第2係止部材112がロックピン100,101への係止を解除することでシートクッション17の跳ね上げ解除方向への回動を許容する。このように、検出ロック部40は、ロック部材50とその昇降を規制および許容するロアレール13の内側底面60および穴部27とで第2係止部材112のインターロック解除状態およびインターロック状態を切り替えるため、簡素な構造にできる。
【0123】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載のスライドシートのロック装置によれば、跳ね上げ状態のシートクッションをロックするロック状態とロックを解除するロック解除状態とに切り替え可能な第1係止部が、シートクッションの回動中心線に対し直交する方向においてシートクッションと重なり合って設けられていることから、第1係止部とのロックのためにシートクッションからその回動中心線に対し直交する方向における外側に延出する部材を設ける必要がなく、よって、このような部材との干渉を回避する必要が無くなる。また、第1係止部と、シート本体が所定の非着座スライド範囲に位置する状態では第1係止部がレバー操作でロック解除状態にあっても跳ね上げ状態のシートクッションをロックするインターロック状態となる第2係止部とが、シートクッションの回動中心線に対し直交する方向において互いに重なり合っているため、第2係止部を係合するための第1係止部の部位についてのシートクッションの回動中心線に対し直交する方向における外側への延出量も小さくできる。したがって、簡素化および小型化を図ることができる。
【0124】
本発明の請求項2記載のスライドシートのロック装置によれば、シート本体が所定の非着座スライド範囲にあるとき、第2係止部の昇降部がスライドレールの内側底面で下降が規制されることで第2係止部をインターロック状態に維持する一方、シート本体が所定の非着座スライド範囲外にあるとき、昇降部がスライドレールの内側底面に形成された穴部に挿通されることで第2係止部のインターロック状態を解除できる。このように、シート本体の位置に応じて第2係止部のインターロック状態およびその解除を制御する機構が昇降部とスライドレールの内側底面およびこの内側底面に形成された穴部とで構成されるため、スライドレールの外側に別のレールを設ける必要等がなくなる。したがって、レール構造の簡素化を図ることができる。
【0125】
本発明の請求項3記載のスライドシートのロック装置によれば、ロック状態においてシートクッションに一体的に設けられたロック部を係止する回動可能な第1係止部材と、インターロック状態でロック部を係止する回動可能な第2係止部材とが回動中心線を一致させているため、これら第1係止部材および第2係止部材の回動中心軸を共用化できるとともにこれら全体の回動範囲を小さくできる。したがって、さらなる簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置を含むスライドシートを示すもので、(a)は側面図、(b)はロアレールの背面図、(c)はロアレールの後部の部分平面図、(d)はロアレールの中間部の部分平面図、(e)はロアレールの前部の部分平面図である。
【図2】本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置を含むスライドシートの通常着座状態を示すもので、(a)は側面図、(b)はロアレールの部分平面図である。
【図3】本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置を含むスライドシートの通常着座状態からの着座スライド作動時の状態を示すもので、(a)は側面図、(b)はロアレールの部分平面図である。
【図4】本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置を含むスライドシートの前端位置着座状態を示すもので、(a)は側面図、(b)はロアレールの部分平面図である。
【図5】本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置を含むスライドシートの前端位置着座状態からの着座スライド作動時の一状態を示すもので、(a)は側面図、(b)はロアレールの部分平面図である。
【図6】本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置を含むスライドシートの前端位置着座状態からの着座スライド作動時の別の状態を示すもので、(a)は側面図、(b)はロアレールの部分平面図である。
【図7】本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置を含むスライドシートの通常着座状態からの跳ね上げ作動時の状態を示すもので、(a)は側面図、(b)はロアレールの部分平面図である。
【図8】本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置を含むスライドシートの前端位置着座状態からの跳ね上げ作動時の状態を示すもので、(a)は側面図、(b)はロアレールの部分平面図である。
【図9】本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置を含むスライドシートの通常着座状態からの跳ね上げスライド作動時の状態を示すもので、(a)は側面図、(b)はロアレールの部分平面図である。
【図10】本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置を含むスライドシートの前端位置着座状態からの跳ね上げスライド作動時の状態を示すもので、(a)は側面図、(b)はロアレールの部分平面図である。
【図11】本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置を含むスライドシートの跳ね上げ前端ロック状態を示すもので、(a)は側面図、(b)はロアレールの部分平面図である。
【図12】本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置を含むスライドシートの跳ね上げ状態解除規制作動時の状態を示すもので、(a)は側面図、(b)はロアレールの部分平面図である。
【図13】本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置を含むスライドシートの跳ね上げ状態解除作動時の状態を示すもので、(a)は側面図、(b)はロアレールの部分平面図である。
【図14】本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置の着座前端ロック部の別の例を示す側面図である。
【図15】スライドシートの全体を示す側面図である。
【符号の説明】
10 スライドシート
11 シート本体
17 シートクッション
27 穴部
50 ロック部材(昇降部)
60 底面(内側底面)
100,101 ロックピン(ロック部)
102 チップアップレバー(レバー)
111 第1係止部材
112 第2係止部材
151 第1係止部
152 第2係止部
153 跳ね上げロック装置[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a slide sheet lock device.
[0002]
[Prior art]
For example, in a vehicle such as an RV (recreational vehicle) vehicle, three rows of seats, a front seat, a middle seat, and a rear seat, are provided in order to allow a large number of people to ride. In such a vehicle, a middle seat and a rear seat, which are disposed on the rear side of the vehicle body with respect to the front seat, are configured such that a seat cushion serving as a seating portion is flipped up and relatively slidable in the vehicle longitudinal direction. is there. By this, for example, when the rear seat is not used, the rear seat with the seat cushion flipped up is moved to the middle seat side to secure a large space in the cargo room behind the rear seat, or the middle seat and the rear seat are When not in use, the middle and rear seats are moved to the front seat side with the seat cushion flipped up to secure more space in the luggage compartment behind the rear seats. By moving the occupant, the occupant who gets on the rear seat can easily lift and lower the vehicle.
[0003]
FIG. 15 shows the relationship between the
[0004]
Japanese Patent No. 3142204 discloses a slide seat lock device for controlling the release of the flip-up state of the
[0005]
In this lock device, a guide plate that can be switched between a locked state in which a seat cushion in a flipped-up state is locked and an unlocked state in which the seat cushion can be unlocked, and a locked state of the guide plate that is connected to an operation lever from a locked state to an unlocked state And a slide lock plate having a stopper piece that moves up and down in conjunction with the guide plate. When the seat body is located in the predetermined non-seated sliding range, the lowering of the stopper piece of the slide lock plate is regulated by a rail provided outside the slide rail for guiding the seat body, and as a result, the operation lever Is operated, the operation of the lock plate and the guide plate is restricted, and the lock plate locks the guide plate to maintain the flipped-up seat cushion in the locked state.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in the lock device of the above publication, the guide plate and the lock plate are provided downward and outward from the seat cushion in the flipped-up state, so that the cushion frame is moved away from the seat cushion with respect to its rotation center line. It is necessary to extend to the outside in the orthogonal direction, engage with the guide plate and lock it. When the cushion frame is extended outward from the seat cushion in this way, naturally, the turning range of the cushion frame when the seat cushion rotates is increased, and as a result, interference with the cushion frame is avoided. Therefore, there is a problem that the locking device becomes complicated and large.
[0007]
Therefore, an object of the present invention is to provide a lock device for a slide sheet that can be simplified and downsized.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
To achieve the above object, a locking device for a slide seat according to claim 1 of the present invention locks a seat body (for example, the
[0009]
As described above, the first locking portion that can be switched between the locked state in which the seat cushion in the flipped-up state is locked and the unlocked state in which the seat cushion is unlocked is provided in the direction orthogonal to the rotation center line of the seat cushion. Therefore, there is no need to provide a member extending outward from the seat cushion in a direction perpendicular to the rotation center line for locking with the first locking portion. There is no need to avoid interference with such members. Further, an interlock for locking the seat cushion in a flipped-up state even when the first locking portion and the seat body are located in a predetermined non-seated sliding range even when the first locking portion is unlocked by lever operation. Since the second locking portion to be in the state overlaps with the second locking portion in a direction orthogonal to the rotation center line of the seat cushion, a portion of the first locking portion for engaging the second locking portion is provided. The amount of outward extension of the seat cushion in a direction orthogonal to the rotation center line can also be reduced.
[0010]
According to a second aspect of the present invention, there is provided the slide seat locking device according to the first aspect, wherein the second locking portion is provided inside the slide rail when the seat body is in the predetermined non-seated sliding range. When the lowering is regulated at the bottom surface (for example, the
[0011]
Accordingly, when the seat body is in the predetermined non-seated sliding range, the lowering of the lifting / lowering portion of the second locking portion on the inner bottom surface of the slide rail is maintained, so that the second locking portion is maintained in the interlocked state. On the other hand, when the seat body is out of the predetermined non-seated sliding range, the interlocking state of the second locking portion can be released by inserting the elevating portion into the hole formed on the inner bottom surface of the slide rail. As described above, the mechanism for controlling the interlock state of the second locking portion and the release thereof according to the position of the seat body is constituted by the elevating portion, the inner bottom surface of the slide rail, and the hole formed in the inner bottom surface. Therefore, it is not necessary to provide another rail outside the slide rail.
[0012]
According to a third aspect of the present invention, there is provided the slide seat locking device according to the first or second aspect, wherein the first locking portion is rotatably provided, and is integrated with the seat cushion in the locked state. It has a first locking member (for example, the
[0013]
Thus, in the locked state, the rotatable first locking member that locks the locking portion provided integrally with the seat cushion, and the rotatable second lock that locks the locking portion in the interlocked state. Since the rotation center line of the stop member coincides with the rotation center line, the rotation center axes of the first locking member and the second locking member can be shared, and the entire rotation range can be reduced.
[0014]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
A slide sheet flip-up lock device according to an embodiment of the present invention will be described below with reference to the drawings. In the present embodiment, when the
[0015]
In the present embodiment, a
[0016]
The
[0017]
As shown in FIGS. 1 (a) and 1 (b), the
[0018]
The
[0019]
As shown in FIG. 1D, only the set at the front end in the vehicle front-rear direction of the set of the
[0020]
Further, in the predetermined front area of the
[0021]
The
[0022]
At the lower part of the
[0023]
On the upper part of the
[0024]
The
[0025]
As shown in FIG. 2, the
[0026]
As described above, the
[0027]
On the other hand, when a tensile force is input to the
[0028]
As shown in FIG. 1, the
[0029]
As shown in FIG. 2, the
[0030]
As described above, the
[0031]
On the other hand, when a pulling force is input to the
[0032]
As shown in FIG. 1, the seating front
[0033]
As shown in FIG. 4, the front end of the
[0034]
The
[0035]
The
[0036]
As described above, the seating front
[0037]
In addition, since the
[0038]
On the other hand, when a tensile force is input to the
[0039]
In the
[0040]
A pair of left and right
[0041]
A plurality of, specifically, two lock pins (lock portions) 100 and 101 are fixed to a
[0042]
A pair of left and right
[0043]
The
[0044]
One of the
[0045]
The
[0046]
A
[0047]
As shown in FIG. 9, lock pins 100 and 101 of the
[0048]
Further, when the
[0049]
The
[0050]
The
[0051]
As shown in FIG. 13, when the
[0052]
The
[0053]
The
[0054]
On the front end side of the vehicle body of one of the
[0055]
On the
[0056]
On one of the
[0057]
A
[0058]
In the
[0059]
Here, due to the relationship between the
[0060]
Only when the
[0061]
Further, when the
[0062]
Note that the state in which the
[0063]
The operation of this embodiment having the above configuration will be described.
[0064]
`` Normal sitting state ''
First, a normal seating state in which the
[0065]
When the
[0066]
At this time, since the tip-up
[0067]
Further, since the
[0068]
As described above, since the
[0069]
Note that the
[0070]
In the normal seating state, as described above, since the
[0071]
In the normal seating state, the
[0072]
"Seat slide operation from normal sitting state"
Next, a seat sliding operation of sliding the
[0073]
When the
[0074]
With the detachment of the
[0075]
Here, when the
[0076]
Then, when the
[0077]
`` Sit in front position ''
Next, the seating state in which the
[0078]
For example, when the
[0079]
Then, for example, at this point, when the operation of the
[0080]
Even in the seated state at the front end position, as described above, since the
[0081]
As described above, the seat front
[0082]
Note that the front end position seating state is such that the
[0083]
"Seat slide operation from the front end position seated state"
Next, a seating sliding operation for sliding the
[0084]
As shown in FIG. 5, when the
[0085]
"Bounce up operation from normal sitting state" and "Bounce up operation from front end position sitting state"
Next, the jumping-up operation of jumping up the
[0086]
As shown in FIGS. 7 and 8, when the
[0087]
When the
[0088]
When the operation of the tip-up
[0089]
When the
[0090]
"Up-and-down slide operation from a normal sitting state" and "up-and-down slide operation from a front end position sitting state"
Next, the operation of flipping up and sliding the
[0091]
When the flip-up operation is performed from the normal sitting state and the front end position sitting state as described above, and when the normal-sitting state is performed, as shown in FIG. In this case, the locking
[0092]
As described above, the
[0093]
In this state, since the
[0094]
Here, when the
[0095]
Then, when the
[0096]
"Bouncing front end locked state"
Next, a flip-up front end locked state in which the
[0097]
During the above-described flip-up slide operation, for example, after entering the non-seated slide range, the operation of the
[0098]
Then, when the
[0099]
The flip-up front end locked state is a state in which the
[0100]
"Sliding from the front end locked state"
Next, an operation of sliding the
[0101]
When sliding the
[0102]
In this state, the
[0103]
`` Bounce state release regulation operation ''
Next, when the
[0104]
When returning the
[0105]
That is, when the
[0106]
Further, even when the
[0107]
"Bounce state release operation"
Next, the flip-up state releasing operation that is possible only when the
[0108]
When returning the
[0109]
When the
[0110]
In the above, the lock pins 100 and 101 provided integrally with the
[0111]
Further, the
[0112]
In other words, the
[0113]
The
[0114]
Further, the
[0115]
Here, since the
[0116]
In the above description, the
[0117]
According to the slide seat flip-up lock device of the present embodiment described above, the first locking switchable between the flip-up lock state in which the
[0118]
Further, when the
[0119]
Further, a rotatable
[0120]
Further, according to the slide seat flip-up lock device of the present embodiment described above, even when the
[0121]
In addition, when the
[0122]
Further, the
[0123]
【The invention's effect】
As described above in detail, according to the slide seat lock device of the first aspect of the present invention, the first switchable state can be switched between the lock state in which the seat cushion in the flipped-up state is locked and the unlock state in which the lock is released. Since the locking portion is provided so as to overlap with the seat cushion in a direction perpendicular to the rotation center line of the seat cushion, the locking portion and the first locking portion are locked from the seat cushion to the rotation center line. It is not necessary to provide a member that extends outward in a direction orthogonal to the direction, and thus it is not necessary to avoid interference with such a member. Further, an interlock for locking the seat cushion in a flipped-up state even when the first locking portion and the seat body are located in a predetermined non-seated sliding range even when the first locking portion is unlocked by lever operation. Since the second locking portion to be in the state overlaps with the second locking portion in a direction orthogonal to the rotation center line of the seat cushion, a portion of the first locking portion for engaging the second locking portion is provided. The amount of outward extension of the seat cushion in a direction orthogonal to the rotation center line can also be reduced. Therefore, simplification and downsizing can be achieved.
[0124]
According to the slide seat lock device of the second aspect of the present invention, when the seat body is in the predetermined non-seated slide range, the lowering of the elevating portion of the second locking portion is restricted by the inner bottom surface of the slide rail. Thus, while the second locking portion is maintained in the interlock state, when the seat body is out of the predetermined non-seated sliding range, the elevating portion is inserted into the hole formed on the inner bottom surface of the slide rail. The interlock state of the second locking portion can be released. As described above, the mechanism for controlling the interlock state of the second locking portion and the release thereof according to the position of the seat body is constituted by the elevating portion, the inner bottom surface of the slide rail, and the hole formed in the inner bottom surface. Therefore, it is not necessary to provide another rail outside the slide rail. Therefore, the rail structure can be simplified.
[0125]
According to the third aspect of the present invention, in the locked state, the rotatable first locking member that locks the locking portion provided integrally with the seat cushion in the locked state, and the interlocked state. Since the rotation center line of the rotatable second locking member that locks the lock portion coincides with the rotation center line, the rotation center axes of the first locking member and the second locking member can be shared. The entire rotation range can be reduced. Therefore, further simplification can be achieved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows a slide sheet including a slide sheet flip-up lock device according to an embodiment of the present invention, wherein (a) is a side view, (b) is a rear view of a lower rail, and (c) is a rear part of the lower rail. (D) is a partial plan view of an intermediate portion of the lower rail, and (e) is a partial plan view of a front portion of the lower rail.
FIGS. 2A and 2B show a normal seating state of a slide seat including a slide seat flip-up lock device according to an embodiment of the present invention. FIG. 2A is a side view, and FIG. 2B is a partial plan view of a lower rail.
FIGS. 3A and 3B show states of the slide seat including the slide seat flip-up lock device according to the embodiment of the present invention when the seat slides from a normal sitting state to a seat slide operation; FIG. 3A is a side view, and FIG. It is a partial plan view of a lower rail.
FIGS. 4A and 4B show a state in which a slide seat including a slide seat flip-up lock device according to an embodiment of the present invention is seated at a front end position, where FIG. 4A is a side view and FIG. 4B is a partial plan view of a lower rail. .
FIGS. 5A and 5B show one state of the slide seat including the slide seat flip-up lock device according to the embodiment of the present invention when the seat slides from the front end position in the seated state, and FIG. 5A is a side view, and FIG. () Is a partial plan view of the lower rail.
FIGS. 6A and 6B show another state of the slide seat including the slide seat flip-up lock device according to the embodiment of the present invention at the time of the seat slide operation from the front end position seated state, wherein FIG. (b) is a partial plan view of the lower rail.
FIGS. 7A and 7B show states of a slide seat including a slide seat flip-up lock device according to an embodiment of the present invention when the slide seat is flipped up from a normal sitting state, wherein FIG. 7A is a side view, and FIG. It is a partial plan view of a lower rail.
8A and 8B show a state in which a slide seat including a slide seat flip-up lock device according to an embodiment of the present invention is flipped up from a seated state at a front end position, where FIG. 8A is a side view and FIG. FIG. 3 is a partial plan view of a lower rail.
FIGS. 9A and 9B show states of the slide seat including the slide seat flip-up lock device according to the embodiment of the present invention when the slide seat is operated from a normal sitting state, where FIG. 9A is a side view and FIG. FIG. 3 is a partial plan view of a lower rail.
FIGS. 10A and 10B show a state in which a slide seat including a slide seat flip-up lock device according to an embodiment of the present invention is operated from a seated state at a front end position when a flip-up slide is operated, and FIG. () Is a partial plan view of the lower rail.
11A and 11B show a slide seat flip-up front end locked state including a slide seat flip-up lock device according to an embodiment of the present invention, wherein FIG. 11A is a side view, and FIG. 11B is a partial plan view of a lower rail. is there.
FIGS. 12A and 12B show states of a slide sheet including a slide sheet flip-up lock device according to an embodiment of the present invention during a flip-up state release regulation operation, wherein FIG. 12A is a side view, and FIG. It is a partial plan view.
FIGS. 13A and 13B show states of the slide sheet including the slide sheet flip-up lock device according to the embodiment of the present invention when the flip-up state is released, and FIG. 13A is a side view and FIG. It is a top view.
FIG. 14 is a side view showing another example of the seating front end lock portion of the slide seat flip-up lock device according to one embodiment of the present invention.
FIG. 15 is a side view showing the entire slide sheet.
[Explanation of symbols]
10 slide sheets
11 Seat body
17 Seat cushion
27 hole
50 Lock member (elevator)
60 Bottom (inner bottom)
100, 101 Lock pin (lock part)
102 Tip-up lever (lever)
111 first locking member
112 Second locking member
151 first locking part
152 Second locking part
153 Bounce lock device
Claims (3)
跳ね上げ状態の前記シートクッションをロックするロック状態と前記ロックを解除するロック解除状態とをレバー操作により切り替え可能な第1係止部と、
前記シート本体が前記所定の非着座スライド範囲に位置する状態では、前記第1係止部が前記レバー操作でロック解除状態にあっても、跳ね上げ状態の前記シートクッションをロックするインターロック状態となる第2係止部とを有し、
これら第1係止部および第2係止部が、前記シートクッションの回動中心線に対し直交する方向において、互いに重なり合いかつ前記シートクッションと重なり合って設けられていることを特徴とするスライドシートのロック装置。In a slide seat lock device for restricting a flip-up release by a lever operation of a seat cushion locked in a flip-up state in a seat body positioned in a predetermined non-seated slide range,
A first locking portion that can be switched by a lever operation between a locked state for locking the seat cushion in a flipped-up state and an unlocked state for releasing the lock;
In a state where the seat body is located in the predetermined non-seating slide range, an interlock state in which the seat cushion in a flipped-up state is locked even when the first locking portion is in an unlocked state by the lever operation. A second locking portion
The first locking portion and the second locking portion are provided so as to overlap each other and to overlap with the seat cushion in a direction orthogonal to a rotation center line of the seat cushion. Lock device.
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