JP2004017047A - レーザ加工装置およびレーザ加工方法 - Google Patents

レーザ加工装置およびレーザ加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パレット印字においてレーザ加工の順序を任意に設定する。
【解決手段】複数の加工対象物が行列状に配列された状態で、各加工対象物に対し所定の異なる加工文字列をレーザで加工する。加工文字列は各加工対象物に応じて変化する変数を含んでおり、変数のフィールドを指定し、かつ変数の変化する手順を設定する。加工対象物が配列される行列の行数および列数を指定し、さらに所定の加工順序として、予め設定された複数の異なる加工パターンのテンプレート中から所望の加工パターンを選択する。選択された加工パターンのテンプレートに基づき、指定された行数および列数にしたがって実際に加工するための加工パターンを演算する。そして演算された加工パターンに従って、所定の変数を含む加工文字列を各加工対象物に応じて設定された手順で変化させながらレーザ加工する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレーザ光を加工対象物に照射して印字などの加工を行うレーザ加工装置であって、特に文字や記号、図形などのマークを形成する走査型のレーザ加工装置およびレーザ加工方法に関する。
【0002】
【背景技術】
走査型のレーザ加工装置は、レーザ光を所定の領域内において走査して、部品や製品などの加工対象物の表面に対しレーザ光を照射して印字やマーキングなどの加工を行う(例えば特開昭64−11083号公報参照)。走査型レーザ加工装置では、静止している加工対象物や移動中の加工対象物に対してレーザ光を照射してレーザ加工を行う。
【0003】
レーザ加工装置は、複数の加工対象物に対して文字や数字、ロゴマークや図形など何らかの文字列を加工することができる。例えば製造会社名、型番、シリアル番号、ロット番号、ランクなどをICチップの表面に印字する。この場合、すべての加工対象物に対して同一の文字列を付すのでなく、加工対象物に応じて印字内容を変化させることがある。例えば値の変わる変数を備えるシリアル番号やロット番号、製造年月日などを付す場合は、変数を所定のルールに従って増減させながら印字する。一般には、シリアル番号などは印字される順番に付与される。したがって、レーザ加工装置が印字する順に加工対象物のシリアル番号がナンバリングされることとなる。
【0004】
特に近年、不良品の検出、解析、追跡など品質管理の重要性が認識され、品質管理を行う必要上シリアル番号を付加することが求められている。このため、完成品に対してシリアル番号を付加する目的でレーザ加工装置を導入することも多くなってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シリアル番号などの変化する文字列を複数の加工対象物に一括して付す場合、既存のレーザ加工装置では印字の順序が一般に固定されており、ユーザ側で自由に設定することができなかった。例えば、碁盤目状に配列された加工対象物にシリアル番号を印字する場合、多くのレーザ加工装置では図1に示すようにジグザグ状に印字されていた。この場合、左上から印字を開始し各行毎に左から右方向に順に印字され、右端の列に到達すると1つ下の行に改行されるために左端に復帰する動作が必要となっていた。この復帰動作の間は印字が行われないため、その分だけ印字に要する時間が長くなる。このため、印字の順序を設定できない従来のレーザ加工装置では無駄な動作が必要となり、タクトタイムが増えるという問題があった。
【0006】
また加工後の後工程において、ロボットアームなどで加工対象物をピッキングし梱包する際にも無駄が生じるという問題があった。通常、加工工程が終了した後はロボットアームによって加工対象物をピックアップし、順に載置していく。この際、梱包時などにシリアル番号が順番になっていなければ、管理上のチェックが困難になるため、加工対象物をシリアル番号順とする必要がある。このため従来は、レーザ加工装置が加工した順にピックアップするよう設定しなければならなかった。ロボットアームのピッキング順をレーザ加工装置の加工順に合わせるようにシステムを設計する必要があり、場合によっては制御プログラムを書き換えるなどの作業が必要となる。さらに上述したとおり印字順序がジグザグ状であればピックアップ作業もジグザグ状に行うこととなり、やはり無駄な動作が増えてタクトタイムが増大する。仮にロボットアームのピックアップ順が効率の良い動作が行えるように最適な順序に調整されていたとしても、これに拘わらずレーザ加工装置の印字順序に合わせてピックアップ順を変更する必要があり、わざわざ非効率なピックアップ順に変更せねばならないという矛盾が生じていた。
【0007】
以上のように、印字する順番によってレーザを走査させる距離やシリアル番号の付き方が異なり、効率に影響する。特にレーザの走査距離の違いは、全体の印字時間の増大に繋がる。さらに、シリアル番号の付き方は、印字した後工程で積み上げ梱包される順番や、ロボットアームによるピックアップの順番に影響を及ぼす。
【0008】
特に、品質管理の目的でシリアル番号を追加することのみを理由にレーザ加工装置を導入した場合、後工程でのロボットアームなどの動作順が必ずしも印字順序に適しているとは限らず、場合によってはシステムの改造や変更が必要となる。そうすると、レーザ加工装置の導入費用のみならず、レーザ加工装置の加工順に応じて既存のロボットアームの制御を変更してやる必要が生じ、さらにコストや手間がかかりユーザ側に負担となっていた。
【0009】
本発明は、このような問題点を解決するために開発されたものである。本発明の主な目的は、複数の加工対象物に対する加工順序を制御可能なレーザ加工装置およびレーザ加工方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載されるレーザ加工装置は、複数の加工対象物が配列された状態で、各加工対象物に対し所定の加工文字列を所定の加工順序に従ってレーザで加工するレーザ加工装置であって、前記所定の加工文字列が各加工対象物に応じて変化する変数を含んでおり、前記変数を含む加工文字列が配列された各加工対象物に加工されるパターンである加工パターンを設定する加工パターン設定部と、前記加工パターン設定部で設定された加工パターンに従って各加工対象物にレーザ加工を行う制御部とを備える。
【0011】
また、本発明の請求項2に記載されるレーザ加工装置は、複数の加工対象物が行列状に配列された状態で、各加工対象物に対し所定の加工文字列を所定の加工順序に従ってレーザで加工するレーザ加工装置であって、前記所定の加工文字列が各加工対象物の加工順序に応じて変化する変数を含んでおり、前記変数を変化させる手順を設定し、前記加工文字列を加工する順序およびパターンを示す加工パターンを設定するために前記加工対象物が配列される行列の行数および列数を入力し、かつ予め複数設定された加工パターンのテンプレートの中から所望の加工パターンを選択するための入力部と、前記入力部で選択された加工パターンのテンプレートと、指定された行数および列数にしたがって実際に加工するための加工パターンを演算するための加工パターン設定部と、前記加工パターン設定部で演算された加工パターンに従って、前記所定の変数を含む加工文字列を各加工対象物に応じて前記設定された手順で変化させながら加工するための制御部とを備える。
【0012】
さらに、本発明の請求項3に記載されるレーザ加工装置は、請求項1または2に記載される特徴に加えて、前記レーザ加工装置はさらにカウンタ手段を備え、加工対象物を1つ加工する毎にカウンタ手段が前記変数に所定の値を加算もしくは減算し、加工文字列を所定の公差で変化させることを特徴とする。
【0013】
さらにまた、本発明の請求項4に記載されるレーザ加工装置は、複数の加工対象物が行列状に配列された状態で、各加工対象物に対し所定の加工文字列を所定の加工順序に従ってレーザで加工するレーザ加工装置であって、前記所定の加工文字列が各加工対象物の配置される位置に応じて変化する変数を含んでおり、前記変数を変化させる手順を設定し、前記加工文字列を加工するパターンを示す加工パターンを設定するために前記加工対象物が配列される行列の行数および列数を入力し、かつ予め複数設定された加工パターンのテンプレートの中から所望の加工パターンを選択するための入力部と、前記入力部で選択された加工パターンのテンプレートと、指定された行数および列数にしたがって実際に加工するための加工パターンを演算するための加工パターン設定部と、前記加工パターン設定部で演算された加工パターンに従って、前記所定の変数を含む加工文字列を各加工対象物に応じて前記設定された手順で変化させながら加工するための制御部とを備える。
【0014】
さらにまた、本発明の請求項5に記載されるレーザ加工装置は、請求項1から4のいずれかに記載される特徴に加えて、前記加工パターンが、一の行で行頭から行尾に向かって進み、行尾に達すると次行に進む際に行頭に復帰して、再度行尾に向かって進むという動作を繰り返すZ字状であることを特徴とする。
【0015】
さらにまた、本発明の請求項6に記載されるレーザ加工装置は、請求項1から4のいずれかに記載される特徴に加えて、前記加工パターンが、一の行で行頭から行尾に向かって進み、行尾に達すると次行に進む際は行尾に移行し、行尾から行頭に向かって進み、行頭に達すると次々行では再度行頭から行尾に向かって進むという動作を繰り返すS字状であることを特徴とする。
【0016】
さらにまた、本発明の請求項7に記載されるレーザ加工装置は、請求項1から4のいずれかに記載される特徴に加えて、前記加工パターンが、渦巻き状であることを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明の請求項8に記載されるレーザ加工方法は、複数の加工対象物が行列状に配列された状態で、各加工対象物に対し所定の異なる加工文字列を所定の加工順序に従ってレーザで加工するレーザ加工方法であって、前記所定の加工文字列が各加工対象物に応じて変化する変数を含んでおり、加工文字列のうち変数のフィールドを指定し、かつ変数の変化する手順を設定するステップと、前記加工対象物が配列される行列の行数および列数を指定するステップと、前記所定の加工順序として、予め設定された複数の異なる加工パターンのテンプレート中から所望の加工パターンを選択するステップと、前記選択された加工パターンのテンプレートに基づき、指定された行数および列数にしたがって実際に加工するための加工パターンを演算するステップと、前記演算された加工パターンに従って、前記所定の変数を含む加工文字列を各加工対象物に応じて前記設定された手順で変化させながらレーザ加工するステップとを備える。
【0018】
さらにまた、本発明の請求項9に記載されるレーザ加工装置またはレーザ加工方法は、請求項1から8のいずれかに記載される特徴に加えて、加工を開始する加工開始点が行列の左上であることを特徴とする。
【0019】
さらにまた、本発明の請求項10に記載されるレーザ加工装置またはレーザ加工方法は、請求項1に記載される特徴に加えて、前記加工パターンをユーザが任意に設定可能であることを特徴とする。
【0020】
さらにまた、本発明の請求項11に記載されるレーザ加工装置またはレーザ加工方法は、請求項2から9のいずれかに記載される特徴に加えて、前記加工パターンのテンプレートをユーザが任意に設定して追加可能であることを特徴とする。
【0021】
さらにまた、本発明の請求項12に記載されるレーザ加工装置またはレーザ加工方法は、請求項1から11のいずれかに記載される特徴に加えて、前記加工パターンの設定に表計算ソフトウェアを使用し、前記表計算ソフトウェアで各加工対象物の座標位置と加工順序を設定し、これにしたがって加工パターンを生成することを特徴とする。
【0022】
さらにまた、本発明の請求項13に記載されるレーザ加工装置またはレーザ加工方法は、請求項1から12のいずれかに記載される特徴に加えて、前記配列が格子状であることを特徴とする。
【0023】
さらにまた、本発明の請求項14に記載されるレーザ加工装置またはレーザ加工方法は、請求項1から13のいずれかに記載される特徴に加えて、前記配列がオフセット状であることを特徴とする。
【0024】
さらにまた、本発明の請求項15に記載されるレーザ加工装置またはレーザ加工方法は、請求項1から14のいずれかに記載される特徴に加えて、前記変数が各加工対象物の識別情報であることを特徴とする。
【0025】
さらにまた、本発明の請求項16に記載されるレーザ加工装置またはレーザ加工方法は、請求項1から14のいずれかに記載される特徴に加えて、前記変数がシリアル番号であることを特徴とする。
【0026】
さらにまた、本発明の請求項17に記載されるレーザ加工装置またはレーザ加工方法は、請求項1から16のいずれかに記載される特徴に加えて、前記変数が連番であることを特徴とする。
【0027】
さらにまた、本発明の請求項18に記載されるレーザ加工装置またはレーザ加工方法は、請求項1から17のいずれかに記載される特徴に加えて、前記変数が2進数〜36進数のいずれかに設定可能であることを特徴とする。
【0028】
さらにまた、本発明の請求項19に記載されるレーザ加工装置またはレーザ加工方法は、請求項1から18のいずれかに記載される特徴に加えて、前記変数が、特定の文字もしくは数字を他の文字、数字もしくは記号に置換してなることを特徴とする。
【0029】
さらにまた、本発明の請求項20に記載されるレーザ加工装置またはレーザ加工方法は、請求項1から15のいずれかに記載される特徴に加えて、前記変数が、加工対象物の特性を示すランクであることを特徴とする。
【0030】
さらにまた、本発明の請求項21に記載されるレーザ加工装置またはレーザ加工方法は、請求項1から20のいずれかに記載される特徴に加えて、前記加工対象物が静止した状態で加工を行うことを特徴とする。
【0031】
さらにまた、本発明の請求項22に記載されるレーザ加工装置またはレーザ加工方法は、請求項1から21のいずれかに記載される特徴に加えて、前記加工対象物が搬送される状態で加工を行うことを特徴とする。
【0032】
さらにまた、本発明の請求項23に記載されるレーザ加工装置またはレーザ加工方法は、請求項1から22のいずれかに記載される特徴に加えて、前記加工対象物の配列を画像処理装置によって撮像し、画像処理によって配列の乱れを検出し、レーザ加工する位置を補正する処理を一括で行うことを特徴とする。
【0033】
さらにまた、本発明の請求項24に記載されるレーザ加工装置またはレーザ加工方法は、請求項1から23のいずれかに記載される特徴に加えて、前記加工パターンが、前記加工対象物にレーザ加工される加工文字列の変数の順序と、レーザ加工される順序とを個別に保持することを特徴とする。
【0034】
さらにまた、本発明の請求項25に記載されるレーザ加工装置またはレーザ加工方法は、請求項1から24のいずれかに記載される特徴に加えて、前記加工パターンが、レーザ加工後の後工程に応じた順序で前記加工対象物が配列されるように加工文字列の変数の順序が設定され、前記変数の順序と個別にレーザ加工される順序を設定することを特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するためのレーザ加工装置およびレーザ加工方法を例示するものであって、本発明はレーザ加工装置およびレーザ加工方法を以下のものに特定しない。
【0036】
さらに、この明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係などは、説明を明確にするため誇張していることがある。
【0037】
以下の実施例では、レーザ加工装置およびレーザ加工方法として、加工対象物に刻印や印字を行うレーザマーキング装置やレーザーマーカに適用する例を説明する。もちろん、印字用途に限られずレーザの出力レベルや加工対象物などに応じて、印字用途以外の分野、例えば切断、溶接といった各種の加工分野にも応用可能であることはいうまでもない。
【0038】
本明細書において「加工文字列」とは、漢字やひらがな、カタカナ、アルファベットその他の文字のみで構成されるものに限られず、数字やユーザの定義する外字、ロゴ、マークなども含む意味で使用する。例えば文字列をシリアル番号やロットナンバー、製造年月日、商品のランクなどとすることができる。
【0039】
なおこれらの番号は連番、離散的、ランダムな番号とすることができる。連番は1ずつ増加あるいは減少している必要はなく、2ずつ、5ずつ、10ずつなど任意の増分、差分を設定できる。あるいは、初期値から減算させる方法も採用できることは言うまでもない。さらに、所定の値を欠番として設定する、あるいは100毎に区切りを示す特別な値を設定するなど、ユーザが自由に設定できる。
【0040】
また、数字や文字を特定の数字や文字その他の記号で置き換えることもできる。例えば文字列がシリアル番号その他の特定の意味を有する場合に、特定の数字を別の数字や文字に置き換えて表示させることで、意味のない羅列のように見せかけて、その意味を容易に判別できないようにすることができる。
【0041】
なお加工文字列には、エラーを検出あるいは訂正するためのチェックデジットを付加してもよい。
【0042】
二次元走査型のレーザ加工装置において、複数個の加工対象物を長方形、正方形などの格子状やオフセット状に配置し、同一、類似の加工内容を印字することができる。このような印字を本明細書ではパレット印字と呼ぶ。パレット印字はICに社名や型番などを印字したり、シリアル番号のナンバリングなどに利用される。本発明ではパレット印字において、特に加工内容が個々に変化する加工文字列を加工する場合を対象とする。
【0043】
パレット印字は、加工対象物を静止したまま加工する静止加工で行われることが多い。例えば製造ラインのベルトコンベアなどを停止させて、コンベアやパレットに載置された加工対象物に対して一括して印字する。ただ、本発明では加工対象物をラインで搬送しながら加工する移動加工の場合にも適用できる。本発明は静止加工、移動加工のいずれにおいても、加工の方向や順序、パターンを任意に設定できるようにしたものである。
【0044】
以下、本発明の一実施例としてレーザマーカでパレット印字を行う場合を説明する。
図2は本発明の実施例に係るレーザマーカの構成を示す。図2において、レーザ発振器1は例えばYAGレーザやCOレーザであり、駆動電源部2からの電流により発振されてレーザ光Lを出射する。レーザ発振器1から出射されたレーザ光Lは、一対のガルバノミラー3a、3bによって反射された後、対物レンズ4により集光されて、加工対象物(ワーク)Wの表面に照射される。
【0045】
ガルバノミラー3a、3bは、スキャン光学系3を構成しており、一対のガルバノメータ5a、5bからなる光学系駆動部5により駆動される。光学系駆動部5は走査部(スキャナ)となり、これによってレーザ光Lは加工領域において二次元的に走査される。走査されるレーザ光が搬送中の加工対象物Wの表面に照射され、レーザ光のエネルギーによって加工対象物Wに加工を行う。
【0046】
各ガルバノミラー3a、3bは、駆動モータの回転軸にミラーが取り付けられ、回転軸の回動に伴ってミラーが回動するように構成されている。一方のガルバノミラー3aによりレーザ光が主走査方向Xに走査され、他方のガルバノミラー3bによりレーザ光が副走査方向Yに走査される。なお、主走査方向Xと副走査方向Yとは互いに直交する方向である。それにより、加工対象物Wの表面に文字、記号、ロゴ、図形等のマークが印字される。
【0047】
加工対象物Wは、搬送装置6により主走査方向Xと平行な方向、図2において矢印Bで示す方向に搬送される。搬送装置6はコンベヤなどで構成され、加工対象物をBの方向に搬送して加工領域に搬入する。また加工対象物Wの移動は加工対象物検出器7によって検出される。
【0048】
制御部8は、ICやシステムLSI、CPUなどで構成され、レーザ発振器1および一対のガルバノミラー3a、3bを駆動する光学系駆動部5を制御する。なお制御部8は、レーザ発振器用、ガルバノメータ用に個別に設けてもよい。
【0049】
さらにレーザマーカは、ユーザが加工条件を入力するための入力部9と、入力された加工条件に基づいて加工パターンを演算する加工パターン設定部10を備える。入力部9は、LCDなどを利用したタッチパネルやコンピュータに接続されたキーボードやマウスなどの入力機器を利用できる。入力部9から、加工パターンや加工対象物の搬送速度、走査部の走査速度、加工強度などの加工条件をユーザは入力する。加工条件は、ユーザが具体的に数値を直接入力する他、ユーザの入力した値に従ってレーザマーカ側で演算したり、予測あるいは初期設定値を設定することもできる。
【0050】
加工パターンは、印字その他加工しようとする所望のパターンであって、アルファベットやかな、漢字などの文字や数字がある。またロゴやマークなどの図形、あるいは外字など、ユーザが所定のイメージを設定することもできる。これらは一文字あるいは一図形毎に印字する場合や、複数文字列を連続して印字する場合がある。
【0051】
例えば、加工対象物の材質や硬度、印字の太さや濃さ、深さといった加工強度や精度などに応じて、加工に要求されるレーザ光は変動する。特に加工強度と走査速度は要求される精度や加工内容に特に関わるため、最適な設定を行う必要がある。そこで、所望の加工条件として加工強度をユーザが入力し、入力された加工強度に基づいて加工位置演算部が最適な走査速度を走査パターン、加工領域の大きさなどの設定に応じて演算し、この演算結果に基づいて制御部8が走査部を制御する。
【0052】
加工強度すなわち印字の濃度は、レーザ出力により調整することができる。しかし、レーザ出力がある値以下になると、印字の濃度が急激に薄くなる。このため、ある値以上のレーザ出力では、印字の濃度をレーザ出力により調整し、ある値未満のレーザ出力では、印字の濃度を走査速度およびレーザ発振器のQスイッチ周波数で調整する。YAGレーザ等の固体レーザは、Qスイッチを用いることで、連続発振を尖頭出力値(ピーク値)の高い高速繰り返しパルス発振に変えることができる。走査速度を増加させ、同時にQスイッチ周波数を増加させると、1ドット当たりのチャージ量が減少し、印字の濃度が低下する。走査速度を遅くすると加工対象物に照射されるエネルギーが多くなるため、加工の強度を増すことができ、太くあるいは深く印字される。
【0053】
加工パターンは加工パターン設定部によって設定される。加工パターン設定部は、ユーザによって入力部9から入力された条件に従って加工パターンを設定、演算する。加工パターン設定部はICやLSI、CPUなどで構成され、レーザ加工装置の制御部8に対し加工パターンを送出する。パレット印字では、行列状に配置される加工対象物の縦、横の数は任意に決めることができる。ユーザは入力部9から、加工対象物の配列された行列のm行×n列を指定する。さらに、所望の加工パターンを得るために、複数の加工パターンのテンプレートから所望のパターンを選択する。さらに加工パターン設定部は、加工対象物に応じた加工文字列の変化を設定する。
【0054】
加工文字列がシリアル番号のような連続的に変化する変数を含む場合、加工順序と共にシリアル番号が増加あるいは減少するように設定する。例えばカウンタを使用して、加工開始位置における加工文字列の変数を初期値として設定し、加工開始位置から加工が1進む毎にカウンタを1増やし、印字されるシリアル番号を1ずつ増加させる。なおカウンタの実際の値と加工文字列の値は一致させる必要はなく、カウンタを使って増分、減分だけを参照する構成としてもよい。このように加工対象物を1つ加工する毎に所定の公差を加算もしくは減算することで、降順または昇順に加工対象物をソートすることができる。変数は10進数に限られず、2進数や16進数、2進化16進数などに設定することができる。本発明の実施例では、変数を2進数〜36進数のいずれかに設定することが可能である。
【0055】
加工パターンのテンプレートは、加工パターンを構成するひな形となるもので、様々なパターンが予め設定されている。図3に、3つの加工パターンのテンプレートに基づいて、3×5の行列状に配置された15の加工対象物にAAA00〜AAA14まで変化する加工文字列を印字する例を示す。いずれも、加工の開始点として左上を設定している。なお加工開始点をこの例のように固定する必要はなく、右上、左下など任意の位置に変更することもできる。
【0056】
例えば、図3(a)に示すZ字状の加工パターンは、一の行で行頭から行尾に向かって進み、行尾に達すると次行に進む際に行頭に復帰して、再度行尾に向かって進むという動作を繰り返すものである。
【0057】
また、図3(b)に示すZ字状の加工パターンは、一の行で行頭から行尾に向かって進み、行尾に達すると次行に進む際は行尾に移行し、行尾から行頭に向かって進み、行頭に達すると次々行では再度行頭から行尾に向かって進むという動作を繰り返すものである。一般に、S字状の加工パターンは改行の際に復帰動作が不要になるためその分処理が短縮され、加工に要する時間を早くできるというメリットがある。
【0058】
さらに図3(c)に示す渦巻き状の加工パターンもある。これらの加工パターンは、縦、横あるいは天地を入れ替えたパターンや渦巻き状の回転方向を時計回り、反時計回りに反転させたパターンも考えられる。
【0059】
以上の加工パターンは、5行×3列の15個の加工対象物について例示したが、同様の加工パターンで異なる行、列数にも対応できる。ユーザは縦横の数値を任意に設定し、これに従って加工パターン設定部が加工パターンを演算する。
【0060】
加工パターンの選択は、加工時間の短縮や作業効率の最適化を目的として行うことができる。特に効率よく加工できるような加工パターンを選択することで、作業時間を短縮した最適な動作を実現できるメリットがある。
【0061】
さらに、後工程での要求に合致させる目的で行うこともできる。例えば、レーザ加工が終了した後の後工程として、加工対象物をピックアップして積み上げ梱包する工程を考慮する。加工対象物のピックアップは、ロボットアームやロボットハンドなどで狭持、吸引することによって行われる。ロボットアームは予め設定された順序で加工対象物を順にピックアップして、トレイなどに載置していく。ところが、ロボットアームに設定されたピックアップ順序とレーザ加工装置でレーザ加工された加工対象物の配置される順序は必ずしも一致しておらず、もしこれらの順序が一致していないと不都合が生じることがある。特に品質管理等の目的でシリアル番号や管理番号を連番で付している場合、梱包された加工対象物のシリアル番号が連番に並ばないこととなり、追跡が困難となってしまう。よって、加工文字列の順序で載置されるように考慮する必要がある。
【0062】
この場合において、ロボットアームの動作が固定されておりユーザ側で動作手順を変更できない場合、あるいは変更作業が困難である場合は、ロボットアームの動作に合わせて印字する必要がある。具体的には、ロボットアームが加工対象物を積み上げる順序で印字しておけば、梱包後にシリアル番号順に並ぶこととなる。このような目的に応じて、印字の順序をユーザが任意に設定することができる。
【0063】
また、上記とは異なる実施例として、印字の順番と印字される文字列の順番を個別に設定することも可能である。すなわち、ロボットアームなどによる後工程に応じた配置でシリアル番号などの加工文字列が並ぶように加工パターンを設定する一方で、印字の順序はシリアル番号順とせず、印字作業が効率よく行える順序とする。この場合は印字の順序とシリアル番号が必ずしも一致しないので、加工パターン設定部はシリアル番号の配置順序と印字順序を個別情報として保持する加工パターンを設定する。そして制御部8は印字順序に従って加工パターンを印字する一方、印字される加工パターンはシリアル番号の配置順序が印字順序でなく後工程に適した配置として構成される。
【0064】
加工パターンは、以上のように予め設定された加工パターンのテンプレートから選択することもできるし、ユーザが独自の加工パターンのテンプレートを作成し、新規テンプレートを選択の候補に追加することもできる。
【0065】
本発明の一実施例に係るレーザ加工方法によってパレット印字を行う手順を、図4のフローチャートに基づいて説明する。まずユーザは加工対象物の配列を入力する(ステップS1)。入力部9から配列の桁数を指定し、例えば行数として縦5×列数として横3などと入力する。また印字したい加工文字列を設定する。ここでは印字したい加工文字列のうち変数のフィールドを指定し、かつ変数の変化する手順を設定する。具体的には、加工の開始位置を指定すると共に、変数のフィールドに対し初期値と増分あるいは減分を指定する。加工の開始位置は指定せずとも、デフォルト位置を例えば左上としておくこともできる。
【0066】
次に、加工パターンを指定する(ステップS2)。予め設定された加工パターンのテンプレートの中から、どのパターンを使用するかを選択する。例えば図3に示すようなZ字状、S字状、渦巻き状など、予め用意されたひな形から、所望のパターンを選択する。
【0067】
選択された加工パターンのテンプレートに基づいて、縦横の桁数から加工パターンが演算される(ステップS3)。加工パターン設定部は、加工パターンを演算し、その結果に従ってレーザ加工装置はパレット印字を開始する(ステップS4)。演算された加工パターンに従って、配列された各加工対象物の要素に対し加工文字列の変数部分を増減させながらレーザ加工する。
【0068】
さらに、加工パターンのテンプレートによらず、ユーザが加工パターン自体を直接作成することもできる。図6は、レーザ加工装置11に接続したコンピュータ12を使って加工パターンを設定し、設定された加工パターンをレーザ加工装置11に送信してレーザ加工させるシステムの一例を示す。図6において13はロボットアームを示す。図6に示すシステムは、端末となるコンピュータ12がレーザ加工装置11の加工パターン設定部10と通信可能に接続されている。コンピュータ12には入力部9Aが接続される。この例では、入力部9Aでコンピュータ12を操作し、コンピュータ12上で加工パターンを設定するプログラムを実行して、プログラムで作成した加工パターンを通信によってコンピュータ12からレーザ加工装置11の加工パターン設定部10に送信している。なお加工パターン設定部10は、レーザ加工装置11と別ユニットとして構成してもよい。コンピュータ12とレーザ加工装置11との接続は、例えばRS−232CやRS−422、USB、IEEE1394などのシリアル接続、パラレル接続、あるいは10BASE−T、100BASE−TXなどのネットワークを介して電気的に接続して通信を行う。接続は有線を使った物理的な接続に限られず、無線LANやBluetoothなどの電波、赤外線、光通信などを利用した無線接続などでもよいし、また結線に限られずメモリカードや磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどの各種記録媒体を介してデータを転送する方式としてもよい。またコンピュータ12は汎用タイプに限られず、例えば専用の端末を用いてレーザ加工装置11に直接接続する方法でもよい。
【0069】
任意に加工パターンを設定する場合は、すべての加工対象物に対して加工順序、またはこれに加えて加工文字列を設定する必要がある。さらに、加工対象物が配列全体のどの位置にあるか、言い換えると各要素の座標位置を特定する必要もあり得る。座標位置は、加工の開始点と一致させて左上を原点としている。例えば表計算ソフトを使って、加工対象物の各要素について座標位置と加工順序を設定し、この情報を一括して加工パターン設定部10に読み込ませる方法がある。表計算ソフトとしては、マイクロソフト社製のエクセル(登録商標)などが利用できる。ユーザはキーボード、マウスなどの入力部9Aから端末のコンピュータ12を操作し、表計算ソフトを実行して加工パターンを作成する。以下、この設定手順を図5のフローチャートに基づいて説明する。
【0070】
まず加工対象物の配列を、左上を原点とし水平方向の行をX軸、垂直方向の列をY軸とする座標で各要素の座標位置を指定していく(ステップS’1)。具体的には表を作成し、各要素に該当するA列にX軸の位置、B列にY軸の位置、C列に加工の順番を入力する。この表に基づけば、各要素の位置と加工順序の関係が判明するので、この情報をレーザ加工装置11の加工パターン設定部10に送信し、加工パターン設定部10側でこの情報に基づいて加工パターンを展開し作成する(ステップS’2)。加工パターンの展開は表計算ソフト側で行わせてもよい。また表計算ソフトで表を作成するのでなく、加工パターン自体を描画してもよい。この場合、表計算ソフトの各セルが加工対象物の各要素に相当し、セルの値には加工順序が入力される。
【0071】
さらに、生成された加工パターンをユーザが任意に変更することも可能で、一部の値を入れ替えたり増減させることも可能である。
【0072】
このようにして設定された加工パターンにしたがって、レーザ加工装置11は印字を行う(ステップS’3)。
【0073】
さらにまた、別の実施例として、加工対象物の位置補正を一括で行わせることもできる。パレット印字の際に加工対象物の配列が乱れて配置されている場合、そのままレーザ加工を行うと印字位置がずれてしまうため何らかの補正が必要となる。この際、撮像カメラなどの画像入力手段で加工対象物を撮像し、この画像データに対して画像処理を行うことにより各加工対象物の位置を検出し、正確な位置からどれだけ位置ずれしているかシフト量を測定することができる。そしてシフト量に応じて印字位置を調整してやることにより、配列に乱れがある加工対象物に対しても正確な位置に印字できる。この補正処理は各加工対象物毎に行うこともできるが、パレット印字の対象全体で一括して行うことにより処理を簡略化することができる。特にパレット印字の場合は全体として一方向に傾いているといった乱れが多いため、一括処理での位置補正に適している。位置補正は座標軸をX軸、Y軸方向に所定量シフトさせたり所定の角度θで補正するなどの方法が利用できる。
【0074】
【発明の効果】
以上のように、本発明のレーザ加工装置およびレーザ加工方法は、加工パターンをユーザが任意に設定できる。特にユーザは加工対象物の配置のサイズを指定し、加工パターンのテンプレートを選択するのみで自動的に所望の加工パターンを設定できるため、加工の順序を各加工対象物毎に一つ一つ指定する必要がなく一括して指定でき、簡単な操作で最適な加工順序およびパターンにレーザ加工を行わせることが可能となる。このように本発明のレーザ加工装置およびレーザ加工方法は、格子状に並べられた複数個の加工対象物のすべてに対し、1回のトリガによって同一内容を加工する際の加工順序をユーザが自由に設定でき、さらにユーザ設定による独自の順序で加工パターンを指定することもでき、加工対象物の搬送方向に制限されず使い勝手の良いレーザ加工装置およびレーザ加工方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】加工パターンの一例を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施例に係るレーザ加工装置を示す概略構成図である。
【図3】本発明の一実施例に係る様々な加工パターンの例を示す概略図である。
【図4】本発明の一実施例に係るレーザ加工方法でパレット印字を行う手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の他の実施例に係るレーザ加工方法でパレット印字を行う手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施例に係るレーザ加工装置で加工パターンを設定するためのシステム構成を示す概略ブロック図である。
【符号の説明】
1・・・レーザ発振器
2・・・駆動電源部
3・・・スキャン光学系
3a、3b・・・ガルバノミラー
4・・・対物レンズ
5・・・光学系駆動部
5a、5b・・・ガルバノメータ
6・・・搬送装置
7・・・加工対象物検出器
8・・・制御部
9、9A・・・入力部
10・・・加工パターン設定部
11・・・レーザ加工装置
12・・・コンピュータ
13・・・ロボットアーム
W・・・加工対象物
L・・・レーザ光

Claims (25)

  1. 複数の加工対象物が配列された状態で、各加工対象物に対し所定の加工文字列を所定の加工順序に従ってレーザで加工するレーザ加工装置であって、
    前記所定の加工文字列が各加工対象物に応じて変化する変数を含んでおり、前記変数を含む加工文字列が配列された各加工対象物に加工されるパターンである加工パターンを設定する加工パターン設定部と、
    前記加工パターン設定部で設定された加工パターンに従って各加工対象物にレーザ加工を行う制御部と、
    を備えるレーザ加工装置。
  2. 複数の加工対象物が行列状に配列された状態で、各加工対象物に対し所定の加工文字列を所定の加工順序に従ってレーザで加工するレーザ加工装置であって、
    前記所定の加工文字列が各加工対象物の加工順序に応じて変化する変数を含んでおり、前記変数を変化させる手順を設定し、前記加工文字列を加工する順序およびパターンを示す加工パターンを設定するために前記加工対象物が配列される行列の行数および列数を入力し、かつ予め複数設定された加工パターンのテンプレートの中から所望の加工パターンを選択するための入力部と、
    前記入力部で選択された加工パターンのテンプレートと、指定された行数および列数にしたがって実際に加工するための加工パターンを演算するための加工パターン設定部と、
    前記加工パターン設定部で演算された加工パターンに従って、前記所定の変数を含む加工文字列を各加工対象物に応じて前記設定された手順で変化させながら加工するための制御部と、
    を備えるレーザ加工装置。
  3. 前記レーザ加工装置はさらにカウンタ手段を備え、加工対象物を1つ加工する毎にカウンタ手段が前記変数に所定の値を加算もしくは減算し、加工文字列を所定の公差で変化させることを特徴とする請求項1または2記載のレーザ加工装置。
  4. 複数の加工対象物が行列状に配列された状態で、各加工対象物に対し所定の加工文字列を所定の加工順序に従ってレーザで加工するレーザ加工装置であって、
    前記所定の加工文字列が各加工対象物の配置される位置に応じて変化する変数を含んでおり、前記変数を変化させる手順を設定し、前記加工文字列を加工するパターンを示す加工パターンを設定するために前記加工対象物が配列される行列の行数および列数を入力し、かつ予め複数設定された加工パターンのテンプレートの中から所望の加工パターンを選択するための入力部と、
    前記入力部で選択された加工パターンのテンプレートと、指定された行数および列数にしたがって実際に加工するための加工パターンを演算するための加工パターン設定部と、
    前記加工パターン設定部で演算された加工パターンに従って、前記所定の変数を含む加工文字列を各加工対象物に応じて前記設定された手順で変化させながら加工するための制御部と、
    を備えるレーザ加工装置。
  5. 前記加工パターンが、一の行で行頭から行尾に向かって進み、行尾に達すると次行に進む際に行頭に復帰して、再度行尾に向かって進むという動作を繰り返すZ字状であることを特徴とする請求項1から4のいずれか記載のレーザ加工装置。
  6. 前記加工パターンが、一の行で行頭から行尾に向かって進み、行尾に達すると次行に進む際は行尾に移行し、行尾から行頭に向かって進み、行頭に達すると次々行では再度行頭から行尾に向かって進むという動作を繰り返すS字状であることを特徴とする請求項1から4のいずれか記載のレーザ加工装置。
  7. 前記加工パターンが、渦巻き状であることを特徴とする請求項1から4のいずれか記載のレーザ加工装置。
  8. 複数の加工対象物が行列状に配列された状態で、各加工対象物に対し所定の異なる加工文字列を所定の加工順序に従ってレーザで加工するレーザ加工方法であって、
    前記所定の加工文字列が各加工対象物に応じて変化する変数を含んでおり、加工文字列のうち変数のフィールドを指定し、かつ変数の変化する手順を設定するステップと、
    前記加工対象物が配列される行列の行数および列数を指定するステップと、
    前記所定の加工順序として、予め設定された複数の異なる加工パターンのテンプレート中から所望の加工パターンを選択するステップと、
    前記選択された加工パターンのテンプレートに基づき、指定された行数および列数にしたがって実際に加工するための加工パターンを演算するステップと、
    前記演算された加工パターンに従って、前記所定の変数を含む加工文字列を各加工対象物に応じて前記設定された手順で変化させながらレーザ加工するステップと、
    を備えるレーザ加工方法。
  9. 加工を開始する加工開始点が行列の左上であることを特徴とする請求項1から8のいずれか記載のレーザ加工装置またはレーザ加工方法。
  10. 前記加工パターンをユーザが任意に設定可能であることを特徴とする請求項1記載のレーザ加工装置またはレーザ加工方法。
  11. 前記加工パターンのテンプレートをユーザが任意に設定して追加可能であることを特徴とする請求項2から9のいずれか記載のレーザ加工装置またはレーザ加工方法。
  12. 前記加工パターンの設定に表計算ソフトウェアを使用し、前記表計算ソフトウェアで各加工対象物の座標位置と加工順序を設定し、これにしたがって加工パターンを生成することを特徴とする請求項1から11のいずれか記載のレーザ加工装置またはレーザ加工方法。
  13. 前記配列が格子状であることを特徴とする請求項1から12のいずれか記載のレーザ加工装置またはレーザ加工方法。
  14. 前記配列がオフセット状であることを特徴とする請求項1から13のいずれか記載のレーザ加工装置またはレーザ加工方法。
  15. 前記変数が各加工対象物の識別情報であることを特徴とする請求項1から14のいずれか記載のレーザ加工装置またはレーザ加工方法。
  16. 前記変数がシリアル番号であることを特徴とする請求項1から14のいずれか記載のレーザ加工装置またはレーザ加工方法。
  17. 前記変数が連番であることを特徴とする請求項1から16のいずれか記載のレーザ加工装置またはレーザ加工方法。
  18. 前記変数が2進数〜36進数のいずれかに設定可能であることを特徴とする請求項1から17のいずれか記載のレーザ加工装置またはレーザ加工方法。
  19. 前記変数が、特定の文字もしくは数字を他の文字、数字もしくは記号に置換してなることを特徴とする請求項1から18のいずれか記載のレーザ加工装置またはレーザ加工方法。
  20. 前記変数が、加工対象物の特性を示すランクであることを特徴とする請求項1から15のいずれか記載のレーザ加工装置またはレーザ加工方法。
  21. 前記加工対象物が静止した状態で加工を行うことを特徴とする請求項1から20のいずれか記載のレーザ加工装置またはレーザ加工方法。
  22. 前記加工対象物が搬送される状態で加工を行うことを特徴とする請求項1から21のいずれか記載のレーザ加工装置またはレーザ加工方法。
  23. 前記加工対象物の配列を画像処理装置によって撮像し、画像処理によって配列の乱れを検出し、レーザ加工する位置を補正する処理を一括で行うことを特徴とする請求項1から22のいずれか記載のレーザ加工装置またはレーザ加工方法。
  24. 前記加工パターンが、前記加工対象物にレーザ加工される加工文字列の変数の順序と、レーザ加工される順序とを個別に保持することを特徴とする請求項1から23のいずれか記載のレーザ加工装置またはレーザ加工方法。
  25. 前記加工パターンが、レーザ加工後の後工程に応じた順序で前記加工対象物が配列されるように加工文字列の変数の順序が設定され、前記変数の順序と個別にレーザ加工される順序を設定することを特徴とする請求項1から24のいずれか記載のレーザ加工装置またはレーザ加工方法。
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