JP2004016980A - 分離方法及び装置並びにそれを用いた浄化方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】汚染された土砂等の被処理物に対する物理的作用を強化して、分離作用の効率化を図るとともに、強固に付着した不純物の離脱にも有効な分離浄化技術を提供する。
【解決手段】液体噴射流に対して気体を混入する気体混入部8と、気液混合流に対して被処理物を混入する被処理物混入部12と、気液混合流に被処理物を混入して形成された混合流が流通する管路14を備え、その管路14内を流れる気液混合流の有する混合撹拌作用により被処理物から不純物を離脱させる。気体混入部8に圧力液体を噴射する噴射孔5を複数設け、被処理物混入部12に複数の気液混合流を噴射する。管路14内に突起物を設けたり、管路14を湾曲して、混合流の乱流を促進することも有効である。また、本分離技術を汚染された土砂の浄化に適用し、微生物浄化手段などと組合わせることも可能である。
【選択図】 図2
【解決手段】液体噴射流に対して気体を混入する気体混入部8と、気液混合流に対して被処理物を混入する被処理物混入部12と、気液混合流に被処理物を混入して形成された混合流が流通する管路14を備え、その管路14内を流れる気液混合流の有する混合撹拌作用により被処理物から不純物を離脱させる。気体混入部8に圧力液体を噴射する噴射孔5を複数設け、被処理物混入部12に複数の気液混合流を噴射する。管路14内に突起物を設けたり、管路14を湾曲して、混合流の乱流を促進することも有効である。また、本分離技術を汚染された土砂の浄化に適用し、微生物浄化手段などと組合わせることも可能である。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油や重金属に汚染された海岸の砂などの種々の汚染土砂から汚染物を分離除去して土砂分を取出す土砂洗浄などに好適な分離浄化技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の汚染土砂の浄化に関しては、微生物処理や化学的中和処理が知られている。しかしながら、化学的中和処理の場合には副産物が発生する。また、微生物処理の場合には、汚染が低濃度であればともかく、高濃度の場合には処理期間が長くなり現実的でない。このため、2軸ミキサなどを用いて土砂と水を混合撹拌させて水洗いするという方法が知られているが、洗浄能力が低く処理に時間がかかるとともに浄化度もよくない。これは、汚染土砂に加わる物理的な作用が弱く、強固に付着した汚染物が土砂から離脱しないためである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような従来技術の問題点に鑑みて開発したものであり、汚染された土砂等の被処理物に対する物理的作用を強化して、分離作用の効率化を図るとともに、強固に付着した不純物の離脱にも有効な分離技術を提供し、更には分離後の被処理物に残留する油臭等も解消し得る浄化技術を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、請求項1及び請求項3の発明では、圧力液体に気体を混入して気液混合流を形成し、その気液混合流に不純物を含む被処理物を混入して管路内を流すことにより、前記気液混合流の有する混合撹拌作用により被処理物から不純物を離脱させる分離技術において、前記圧力液体の噴射孔を複数設け、それらの噴射孔から噴射される液体噴射流に気体を混入して複数の気液混合流を形成し、それらの気液混合流に対して被処理物を混入して下流側の管路内で混合撹拌しながら不純物を被処理物から離脱させるという技術手段を採用した。本発明によれば、複数の気液混合流を被処理物混入空間に噴射して被処理物を混入する構成を採用したので、被処理物混入空間及びその下流側の管路の流路面積を大きく設定できることから、礫土等のより大きな固まりが土砂に混入している場合に対する対応が可能となり、詰り等のトラブルが減少し良好な分離作用が得られる。また、より多量の気液混合流の形成が可能なことから、被処理物混入空間における被処理物に対する吸引力が増大するとともに、その気液混合流の被処理物に対する物理的作用が強化され作用範囲も拡大されるので、作業性の向上が可能である。なお、ここで不純物とは、被処理物から分離しようとする物質を広く意味し、必ずしも不要な物とは限らない。
【0005】
請求項2及び請求項4の発明では、圧力液体に気体を混入して気液混合流を形成し、その気液混合流に不純物を含む被処理物を混入して管路内を流すことにより、前記気液混合流の有する混合撹拌作用により被処理物から不純物を離脱させる分離技術において、前記管路に混合流の流れの乱れを促進する乱流促進部を設けるという技術手段を採用した。なお、混合流の流れの乱れを促進するには、例えば管路内に突出する適宜数の突起物を設けたり(請求項5)、管路を湾曲したり(請求項6)することにより可能である。以上の発明によれば、その乱流の促進により管路内における混合流の混合撹拌作用が大幅に向上し、被処理物に対する物理的作用が大幅に強化される。したがって、不純物の分離作用が効率化されるとともに、強固に付着した不純物の離脱にもきわめて有効である。
【0006】
請求項7及び請求項8の発明では、気液混合流に不純物を含む固形状ないし半固形状の被処理物を混入して管路内を流すことにより、前記気液混合流の有する混合撹拌作用により不純物を被処理物から離脱させるとともに、それらの被処理物と不純物とを分離し、さらにその分離後の被処理物に残留する不純物を微生物により分解除去するという技術手段を採用した。本発明によれば、管路内における気液混合流の強力な混合撹拌作用により不純物を被処理物から離脱させ分離した上で、分離後の被処理物に残留する不純物を微生物により分解除去するという2段階の浄化方法を採用したので、微生物による分解作用により油臭等のない良質の目的物を得ることができるとともに、微生物浄化にかかる負担の大幅な軽減から効率的な浄化が可能となり、両者相俟って実用的で良質の目的物が得られる浄化技術の提供が可能になる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、タンカー事故等で油に汚染された海岸の砂やヘドロに汚染された海底の砂などの洗浄に好適であるが、これに限らず固体に付着した固体や液体などの分離浄化技術として広く適用することができる。加圧液体としては、適宜のポンプにより昇圧された高圧水などが使用される。また、圧力液体に気体を混入する手段としては、例えば高速水流のエジェクタ作用により空気を吸引する形態のものでもよいし、圧縮機などにより空気を加圧して高速液体中に混入する形態のものでもよい。また、加圧液体は水に限られないし、気体も空気に限られない。本発明に係る前記分離技術は、単独で使用する形態も可能であるが、分離後の目的物に油臭等が残る場合もあることから、微生物浄化手段との組合せ形態もきわめて有効である。すなわち、気液混合流の有する強力な物理的作用による効率的な分離作用と、微生物浄化手段の有する自然的な浄化作用とを組合わせることにより、両作用が相俟って、油臭等のない良質の目的物を安定的かつ効率的に得ることが可能になる。因みに、使用する微生物としては、例えば被処理物中に油成分が混在する場合には、土壌中に棲息する油分化機能をもった菌などが好適である。また、微生物浄化処理後の土砂の中にも解膠が完全でないものも存在する可能性があるので、その処理後の土砂を更に微細メッシュの網の上に供給して、水や気液混合流による洗浄を行い、脱水処理を実施することにより、油臭等を更に的確に除去することが可能である。
【0008】
【実施例】
以下、図面を用いて本発明の実施例に関して説明する。図1は本発明に係る分離装置に関する第1実施例の要部を示した概略構成図であり、図2はその部分拡大図である。図中、1は高圧ポンプであり、本実施例では水タンク2に貯留された水を加圧して圧力液体として用いる場合を示した。高圧ポンプ1としては、プランジャポンプ等の適宜の形式の高圧ポンプの使用が可能である。高圧ポンプ1により所定の圧力に昇圧された圧力液体は、供給管3を介して混合流形成ユニット4へ供給される。供給管3を介して混合流形成ユニット4へ供給された圧力液体は、図2の部分拡大図に示したように、複数の噴射孔5を形成したプレート6の手前の空間7に流入する。プレート6の下流側には気体混入部8を形成し、バルブ9を備えた気体吸引管10を介して外部と連通した。また、気体混入部8の下流側壁部には、プレート6に形成した複数の噴射孔5に対応して複数のノズル11を配設した。なお、本実施例では、プレート6に形成した複数の噴射孔5及び該噴射孔5に対応させて設けた複数のノズル11は、図3の拡大ノズル配置図に示したように、プレート6の中心に関して対称的に7個設置した。しかして、プレート6に形成された各噴射孔5から噴射された液体噴射流は、気体混入部8を通過してそれぞれ対応するノズル11内を通って下流側の被処理物混入部12に噴射する。各噴射孔5から噴射された液体噴射流が気体混入部8を通過する際には、それらの液体噴射流のエジェクタ作用により気体吸引管10を介して外気を吸引してそれぞれ液体噴射流内に巻込んで気液混合流を形成しながら各ノズル11から被処理物混入部12に噴射されることになる。
【0009】
被処理物混入部12では、各ノズル11から噴射された気液混合流に対して、それらの気液混合流のエジェクタ作用により投入口13を介して吸引された被処理物が混入される。この場合、気液混合流は複数形成されるので、多量の被処理物を投入口13を介して吸引できるとともに、その多量の被処理物を複数の気液混合流に対して周囲から効率的に混入できる。しかして、被処理物混入部12において各ノズル11からの気液混合流に対して被処理物が混入された混合流は第1管路14内に流入し、その第1管路14内を流下しながら主として気液混合流の有する物理的作用により混合撹拌され、不純物が回収目的である被処理物から離脱する。その際には、気液混合流がきわめて強力な物理的作用を有することから、強固に付着した不純物の離脱にも大きな効果がある。
【0010】
なお、本実施例では、図1に示したように前記第1管路14の下流側に連結部材15を介して第2管路16を接続し、第1管路14と同様の混合撹拌作用による被処理物からの不純物の離脱を継続するように構成した。その第2管路16には、連結部材17を介して接続ホース18を接続し、その下流側にサイクロン19を接続した。このサイクロン19では、第1管路14及び第2管路16を経て互いに離脱した汚染油等の不純物と回収目的である土砂等の処理物に分離し、それぞれ本処理済みの目的物は下方の処理物受け20に回収し、不純物は接続管21を介して不純物受け22に収容するように構成した。
【0011】
図4は本発明に係る分離装置に関する第2実施例の要部を示した概略構成図であり、図5はその拡大A−A断面図である。図示のように、本実施例では、混合流形成ユニット23の下流側に第1管路24を接続し、前記第1実施例と同様に混合流形成ユニット23内において1個又は複数のノズルを介して被処理物混入部に噴射される気液混合流に対して被処理物を投入口25から投入して混入させるとともに、それらの気液混合流と被処理物との混合流を第1管路24内で混合撹拌することにより不純物を被処理物から離脱させる。本実施例の特徴は、第1管路24に連結部材26を介して第2管路27を接続し、この第2管路27内において気液混合流と被処理物との混合流の乱流を促進して不純物の被処理物からの離脱を促進するように構成した点にある。図4及び図5に示したように、本実施例では、その乱流促進手段として、第2管路27内に突出する適宜数のボルトからなる突起物28を螺旋状に配設した。すなわち、第2管路27内に突起物28を突出させることにより、乱流を促進する乱流促進部として構成した。なお、突起物28の突出量を調整可能に構成して、乱流の発生状態を調整し得るように構成することも可能である。
【0012】
図6は本発明に係る分離装置に関する第3実施例の要部を示した概略構成図である。本実施例では、混合流形成ユニット29の下流側に第1管路30及び第2管路31を挟んで、第3管路として湾曲管32を接続し、この湾曲管32内において気液混合流と被処理物との混合流の乱流を促進して不純物の被処理物からの離脱を促進するように構成した点に特徴を有する。なお、湾曲管32の湾曲の回数や曲率半径を変えることにより乱流の発生状態を調整することも可能である。
【0013】
図7は本発明に係る分離装置に関する第4実施例の要部を示した部分拡大図である。本実施例では、供給管33を介して混合流形成ユニット34へ供給された圧力液体は、複数のノズル状の噴射孔35の手前の空間36に流入し、それらの噴射孔35を介して気体混入部37へ液体噴射流を噴射する。なお、本実施例では、この気体混入部37とその下流側の被処理物混入部38とは合体した状態で一室に形成されている。気体混入部37の上方にはバルブ39を備えた空気吸引管40が配設されており、複数の前記噴射孔35から噴射される液体噴射流のエジェクタ作用により前記空気吸引管40から外気を吸引してそれぞれの液体噴射流に混入して複数の気液混合流を形成する。また、被処理物混入部38の上方には被処理物の投入口41が配設されており、その投入口41を介して投入される被処理物は、複数形成された前記気液混合流にそれぞれ効率的に混入しながら管路42へ流下する点で特徴を有する。
【0014】
図8は本発明に係る分離装置を土砂の浄化装置に適用した場合に関する実施例の要部を示した概略構成図である。図中、43は分離装置であり、本発明に係る分離装置を使用する。被処理物としての油等に汚染された汚染土砂は、必要に応じて、例えばグリズリ等を用いて大きな石を除去するなどの前処理を実施した上、定量スクリュウフィーダ、ベルトコンベヤ等を介して分離装置43の投入口44へ定量的に供給される。分離装置43では、前述の実施例と同様に、工業用水等の水源45に接続した水供給管46、受水槽47、移送管48及び加圧ポンプ49を介して供給される加圧液体としての加圧水と、外部から吸引する空気とから気液混合流を形成し、その気液混合流のエジェクタ作用により前記投入口44に供給された汚染土砂を吸引して、それらの加圧水と空気との気液混合流と汚染土砂の混合流を形成する。この混合流は、分離装置43の管路50を流下する間に前記気液混合流の強力な混合撹拌作用を受けて、不純物である油等の汚染物が回収目的である被処理物としての土砂から効果的に離脱することになる。その汚染物が土砂から離脱した状態の混合流は、移送管51を経て土砂分離機52の振動スクリーン53上へ導いて、先ず粗いメッシュにより土砂を分離して回収する。他方、粗いメッシュを通過した土砂の細粒分と水と油等の汚染物の混合物は、アンダータンク54に収容される。このアンダータンク54の下方に溜った土砂の細粒分は、ポンプ55により移送管56を経てサイクロン57へ移送され、サイクロン57にて土砂の細粒分と微細粒分を含有した液体分とに分離される。そして、土砂の細粒分は、細かいメッシュ上で水切りを実施した上、粗いメッシュにより分離回収した前記土砂と共に回収し、更に土砂に残留する油等の汚染物をより完全に分解除去するために微生物浄化手段58へ移送する。この微生物浄化手段58により、回収した土砂に残留する油等の汚染物は、微生物により的確に分解除去され、油臭等は解消する。
【0015】
前記アンダータンク54に収容された土砂の細粒分と水と油等の汚染物の混合物のうち、水の上に浮遊する油分等の比重の軽い汚染物は、移送管59の途中に配設したポンプ60により吸引して油水分離排水処理設備61へ移送する。油水分離排水処理設備61では、その油水分離部にて、移送された油等の比重の軽い汚染物を油分と水とに分離し、油分は廃棄処分、水は更に排水処理部にて油分を浄化した後に放流される。また、前記サイクロン57により分離された微細粒を含有した液体分は、移送管62を経て油分分離槽63へ移送する。この油分分離槽63において水の上に浮遊する油分は、移送管64を経て前記移送管59の途中に合流して油水分離排水処理設備61へ移送され、同様の処理が実施される。
【0016】
前記油分分離槽63における沈殿物は、移送管65を経てスラッジタンク66へ移送し、更に移送管67を経て遠心分離機68へ移送する。この遠心分離機68にて分離された脱水ケーキは、焼却機69へ移送して焼却処分する。他方、遠心分離機68にて固形分が除去された水分は、移送管70を経て貯留タンク71に貯留され、その油濃度等に応じて再利用するか廃棄するかを決定し、それに基づいてバルブ72,73の開閉を行い、移送管74を経ていずれかに移送する。再利用しないで廃棄する場合には、バルブ72を開きバルブ73を閉じて、移送管75を経て前記油水分離排水処理設備61へ移送し、排水処理部にて油分を浄化した後に放流する。再利用する場合には、バルブ72を閉じバルブ73を開いて、移送管76を経て受水槽77へ移送する。
【0017】
なお、前記工業用水等の水源45に接続された前記受水槽47に貯留された水は、加圧水供給管78を経て前記土砂分離機52の振動スクリーン53上にシャワー水79として使用することにより、その振動スクリーン53における土砂の分離作用を促進し得るように構成している。また、加圧水供給管80を経て前記アンダータンク54にも水を供給し得るように構成している。因みに、本実施例では、受水槽47と受水槽77とはバルブ81を介して接続してあり、互いに流通し得るように構成している。また、前記受水槽77には移送管82を接続して余分な水は前記油水分離排水処理設備61へ移送して廃棄し得るように構成している。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、次の効果を得ることができる。
(1)請求項1及び請求項3の発明によれば、圧力液体の噴射孔を複数設け、それらの噴射孔に対応する複数の気液混合流を噴射するように構成したので、被処理物混入空間及びその下流側の管路の流路面積を大きく設定できることから、礫土等のより大きな固まりが土砂に混入している場合に対する対応が可能となり、詰り等のトラブルもなく良好な分離作用が得られる。また、より多量の気液混合流の形成が可能なことから、被処理物混入空間における被処理物に対する吸引力が増大するとともに、その気液混合流の被処理物に対する物理的作用が強化され作用範囲も拡大されるので、作業性の向上が可能である。
(2)請求項2及び請求項4の発明によれば、前記管路に乱流促進部を設けて混合流の乱流の発生を促進するように構成したので、管路内における混合流の混合撹拌作用が大幅に向上し、被処理物に対する物理的作用が大幅に強化される。したがって、不純物の分離作用が効率化されるともに、強固に付着した不純物の離脱にもきわめて有効である。
(3)請求項5及び請求項6によれば、管路内に突出する適宜数の突起物を設けたり管路を湾曲したりすることにより、簡便に乱流促進部を形成することができる。なお、その突起物の形状や大きさ、突出量等に関する設定や、管路の湾曲回数やその曲率等に関する設定を通じて、混合流の流通状態と調和させながら乱流の促進を図ることが可能である。
(4)請求項7及び請求項8の発明によれば、管路内における気液混合流の強力な混合撹拌作用により不純物を被処理物から離脱させ分離した上で、分離後の被処理物に残留する不純物を微生物により分解除去するという2段階の浄化方法を採用したので、微生物による分解作用により油臭等のない良質の目的物を得ることができるとともに、微生物浄化にかかる負担の大幅な軽減から効率的な浄化が可能となり、両者相俟って実用的で良質の目的物が得られる浄化技術の提供が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る分離装置に関する第1実施例の要部を示した概略構成図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】ノズルの配置に関して拡大して示したノズル拡大配置図である。
【図4】本発明に係る分離装置に関する第2実施例の要部を示した概略構成図である。
【図5】図4の拡大A−A断面図である。
【図6】本発明に係る分離装置に関する第3実施例の要部を示した概略構成図である。
【図7】本発明に係る分離装置に関する第4実施例の要部を示した部分拡大図である。
【図8】本発明に係る分離装置を土砂の浄化装置に適用した場合に関する実施例の要部を示した概略構成図である。
【符号の説明】
1…高圧ポンプ、2…水タンク、3…供給管、4…混合流形成ユニット、5…噴射孔、6…プレート、7…空間、8…気体混入部、9…バルブ、10…気体吸引管、11…ノズル、12…被処理物混入部、13…投入口、14…第1管路、15…連結部材、16…第2管路、17…連結部材、18…接続ホース、19…サイクロン、20…処理物受け、21…接続管、22…不純物受け、23…混合流形成ユニット、24…第1管路、25…投入口、26…連結部材、27…第2管路、28…突起物、29…混合流形成ユニット、30…第1管路、31…第2管路、32…湾曲管、33…供給管、34…混合流形成ユニット、35…噴射孔、36…空間、37…気体混入部、38…被処理物混入部、39…バルブ、40…空気吸引管、41…投入口、42…管路、43…分離装置、44…投入口、45…水源、46…水供給管、47…受水槽、48…移送管、49…加圧ポンプ、50…管路、51…移送管、52…土砂分離機、53…振動スクリーン、54…アンダータンク、55…ポンプ、56…移送管、57…サイクロン、58…微生物浄化手段、59…移送管、60…ポンプ、61…油水分離排水処理設備、62…移送管、63…油分分離槽、64,65…移送管、66…スラッジタンク、67…移送管、68…遠心分離機、69…焼却機、70…移送管、71…貯留タンク、72,73…バルブ、74…移送管、75,76…移送管、77…受水槽、78…加圧水供給管、79…シャワー水、80…加圧水供給管、81…バルブ、82…移送管
【発明の属する技術分野】
本発明は、油や重金属に汚染された海岸の砂などの種々の汚染土砂から汚染物を分離除去して土砂分を取出す土砂洗浄などに好適な分離浄化技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の汚染土砂の浄化に関しては、微生物処理や化学的中和処理が知られている。しかしながら、化学的中和処理の場合には副産物が発生する。また、微生物処理の場合には、汚染が低濃度であればともかく、高濃度の場合には処理期間が長くなり現実的でない。このため、2軸ミキサなどを用いて土砂と水を混合撹拌させて水洗いするという方法が知られているが、洗浄能力が低く処理に時間がかかるとともに浄化度もよくない。これは、汚染土砂に加わる物理的な作用が弱く、強固に付着した汚染物が土砂から離脱しないためである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような従来技術の問題点に鑑みて開発したものであり、汚染された土砂等の被処理物に対する物理的作用を強化して、分離作用の効率化を図るとともに、強固に付着した不純物の離脱にも有効な分離技術を提供し、更には分離後の被処理物に残留する油臭等も解消し得る浄化技術を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、請求項1及び請求項3の発明では、圧力液体に気体を混入して気液混合流を形成し、その気液混合流に不純物を含む被処理物を混入して管路内を流すことにより、前記気液混合流の有する混合撹拌作用により被処理物から不純物を離脱させる分離技術において、前記圧力液体の噴射孔を複数設け、それらの噴射孔から噴射される液体噴射流に気体を混入して複数の気液混合流を形成し、それらの気液混合流に対して被処理物を混入して下流側の管路内で混合撹拌しながら不純物を被処理物から離脱させるという技術手段を採用した。本発明によれば、複数の気液混合流を被処理物混入空間に噴射して被処理物を混入する構成を採用したので、被処理物混入空間及びその下流側の管路の流路面積を大きく設定できることから、礫土等のより大きな固まりが土砂に混入している場合に対する対応が可能となり、詰り等のトラブルが減少し良好な分離作用が得られる。また、より多量の気液混合流の形成が可能なことから、被処理物混入空間における被処理物に対する吸引力が増大するとともに、その気液混合流の被処理物に対する物理的作用が強化され作用範囲も拡大されるので、作業性の向上が可能である。なお、ここで不純物とは、被処理物から分離しようとする物質を広く意味し、必ずしも不要な物とは限らない。
【0005】
請求項2及び請求項4の発明では、圧力液体に気体を混入して気液混合流を形成し、その気液混合流に不純物を含む被処理物を混入して管路内を流すことにより、前記気液混合流の有する混合撹拌作用により被処理物から不純物を離脱させる分離技術において、前記管路に混合流の流れの乱れを促進する乱流促進部を設けるという技術手段を採用した。なお、混合流の流れの乱れを促進するには、例えば管路内に突出する適宜数の突起物を設けたり(請求項5)、管路を湾曲したり(請求項6)することにより可能である。以上の発明によれば、その乱流の促進により管路内における混合流の混合撹拌作用が大幅に向上し、被処理物に対する物理的作用が大幅に強化される。したがって、不純物の分離作用が効率化されるとともに、強固に付着した不純物の離脱にもきわめて有効である。
【0006】
請求項7及び請求項8の発明では、気液混合流に不純物を含む固形状ないし半固形状の被処理物を混入して管路内を流すことにより、前記気液混合流の有する混合撹拌作用により不純物を被処理物から離脱させるとともに、それらの被処理物と不純物とを分離し、さらにその分離後の被処理物に残留する不純物を微生物により分解除去するという技術手段を採用した。本発明によれば、管路内における気液混合流の強力な混合撹拌作用により不純物を被処理物から離脱させ分離した上で、分離後の被処理物に残留する不純物を微生物により分解除去するという2段階の浄化方法を採用したので、微生物による分解作用により油臭等のない良質の目的物を得ることができるとともに、微生物浄化にかかる負担の大幅な軽減から効率的な浄化が可能となり、両者相俟って実用的で良質の目的物が得られる浄化技術の提供が可能になる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、タンカー事故等で油に汚染された海岸の砂やヘドロに汚染された海底の砂などの洗浄に好適であるが、これに限らず固体に付着した固体や液体などの分離浄化技術として広く適用することができる。加圧液体としては、適宜のポンプにより昇圧された高圧水などが使用される。また、圧力液体に気体を混入する手段としては、例えば高速水流のエジェクタ作用により空気を吸引する形態のものでもよいし、圧縮機などにより空気を加圧して高速液体中に混入する形態のものでもよい。また、加圧液体は水に限られないし、気体も空気に限られない。本発明に係る前記分離技術は、単独で使用する形態も可能であるが、分離後の目的物に油臭等が残る場合もあることから、微生物浄化手段との組合せ形態もきわめて有効である。すなわち、気液混合流の有する強力な物理的作用による効率的な分離作用と、微生物浄化手段の有する自然的な浄化作用とを組合わせることにより、両作用が相俟って、油臭等のない良質の目的物を安定的かつ効率的に得ることが可能になる。因みに、使用する微生物としては、例えば被処理物中に油成分が混在する場合には、土壌中に棲息する油分化機能をもった菌などが好適である。また、微生物浄化処理後の土砂の中にも解膠が完全でないものも存在する可能性があるので、その処理後の土砂を更に微細メッシュの網の上に供給して、水や気液混合流による洗浄を行い、脱水処理を実施することにより、油臭等を更に的確に除去することが可能である。
【0008】
【実施例】
以下、図面を用いて本発明の実施例に関して説明する。図1は本発明に係る分離装置に関する第1実施例の要部を示した概略構成図であり、図2はその部分拡大図である。図中、1は高圧ポンプであり、本実施例では水タンク2に貯留された水を加圧して圧力液体として用いる場合を示した。高圧ポンプ1としては、プランジャポンプ等の適宜の形式の高圧ポンプの使用が可能である。高圧ポンプ1により所定の圧力に昇圧された圧力液体は、供給管3を介して混合流形成ユニット4へ供給される。供給管3を介して混合流形成ユニット4へ供給された圧力液体は、図2の部分拡大図に示したように、複数の噴射孔5を形成したプレート6の手前の空間7に流入する。プレート6の下流側には気体混入部8を形成し、バルブ9を備えた気体吸引管10を介して外部と連通した。また、気体混入部8の下流側壁部には、プレート6に形成した複数の噴射孔5に対応して複数のノズル11を配設した。なお、本実施例では、プレート6に形成した複数の噴射孔5及び該噴射孔5に対応させて設けた複数のノズル11は、図3の拡大ノズル配置図に示したように、プレート6の中心に関して対称的に7個設置した。しかして、プレート6に形成された各噴射孔5から噴射された液体噴射流は、気体混入部8を通過してそれぞれ対応するノズル11内を通って下流側の被処理物混入部12に噴射する。各噴射孔5から噴射された液体噴射流が気体混入部8を通過する際には、それらの液体噴射流のエジェクタ作用により気体吸引管10を介して外気を吸引してそれぞれ液体噴射流内に巻込んで気液混合流を形成しながら各ノズル11から被処理物混入部12に噴射されることになる。
【0009】
被処理物混入部12では、各ノズル11から噴射された気液混合流に対して、それらの気液混合流のエジェクタ作用により投入口13を介して吸引された被処理物が混入される。この場合、気液混合流は複数形成されるので、多量の被処理物を投入口13を介して吸引できるとともに、その多量の被処理物を複数の気液混合流に対して周囲から効率的に混入できる。しかして、被処理物混入部12において各ノズル11からの気液混合流に対して被処理物が混入された混合流は第1管路14内に流入し、その第1管路14内を流下しながら主として気液混合流の有する物理的作用により混合撹拌され、不純物が回収目的である被処理物から離脱する。その際には、気液混合流がきわめて強力な物理的作用を有することから、強固に付着した不純物の離脱にも大きな効果がある。
【0010】
なお、本実施例では、図1に示したように前記第1管路14の下流側に連結部材15を介して第2管路16を接続し、第1管路14と同様の混合撹拌作用による被処理物からの不純物の離脱を継続するように構成した。その第2管路16には、連結部材17を介して接続ホース18を接続し、その下流側にサイクロン19を接続した。このサイクロン19では、第1管路14及び第2管路16を経て互いに離脱した汚染油等の不純物と回収目的である土砂等の処理物に分離し、それぞれ本処理済みの目的物は下方の処理物受け20に回収し、不純物は接続管21を介して不純物受け22に収容するように構成した。
【0011】
図4は本発明に係る分離装置に関する第2実施例の要部を示した概略構成図であり、図5はその拡大A−A断面図である。図示のように、本実施例では、混合流形成ユニット23の下流側に第1管路24を接続し、前記第1実施例と同様に混合流形成ユニット23内において1個又は複数のノズルを介して被処理物混入部に噴射される気液混合流に対して被処理物を投入口25から投入して混入させるとともに、それらの気液混合流と被処理物との混合流を第1管路24内で混合撹拌することにより不純物を被処理物から離脱させる。本実施例の特徴は、第1管路24に連結部材26を介して第2管路27を接続し、この第2管路27内において気液混合流と被処理物との混合流の乱流を促進して不純物の被処理物からの離脱を促進するように構成した点にある。図4及び図5に示したように、本実施例では、その乱流促進手段として、第2管路27内に突出する適宜数のボルトからなる突起物28を螺旋状に配設した。すなわち、第2管路27内に突起物28を突出させることにより、乱流を促進する乱流促進部として構成した。なお、突起物28の突出量を調整可能に構成して、乱流の発生状態を調整し得るように構成することも可能である。
【0012】
図6は本発明に係る分離装置に関する第3実施例の要部を示した概略構成図である。本実施例では、混合流形成ユニット29の下流側に第1管路30及び第2管路31を挟んで、第3管路として湾曲管32を接続し、この湾曲管32内において気液混合流と被処理物との混合流の乱流を促進して不純物の被処理物からの離脱を促進するように構成した点に特徴を有する。なお、湾曲管32の湾曲の回数や曲率半径を変えることにより乱流の発生状態を調整することも可能である。
【0013】
図7は本発明に係る分離装置に関する第4実施例の要部を示した部分拡大図である。本実施例では、供給管33を介して混合流形成ユニット34へ供給された圧力液体は、複数のノズル状の噴射孔35の手前の空間36に流入し、それらの噴射孔35を介して気体混入部37へ液体噴射流を噴射する。なお、本実施例では、この気体混入部37とその下流側の被処理物混入部38とは合体した状態で一室に形成されている。気体混入部37の上方にはバルブ39を備えた空気吸引管40が配設されており、複数の前記噴射孔35から噴射される液体噴射流のエジェクタ作用により前記空気吸引管40から外気を吸引してそれぞれの液体噴射流に混入して複数の気液混合流を形成する。また、被処理物混入部38の上方には被処理物の投入口41が配設されており、その投入口41を介して投入される被処理物は、複数形成された前記気液混合流にそれぞれ効率的に混入しながら管路42へ流下する点で特徴を有する。
【0014】
図8は本発明に係る分離装置を土砂の浄化装置に適用した場合に関する実施例の要部を示した概略構成図である。図中、43は分離装置であり、本発明に係る分離装置を使用する。被処理物としての油等に汚染された汚染土砂は、必要に応じて、例えばグリズリ等を用いて大きな石を除去するなどの前処理を実施した上、定量スクリュウフィーダ、ベルトコンベヤ等を介して分離装置43の投入口44へ定量的に供給される。分離装置43では、前述の実施例と同様に、工業用水等の水源45に接続した水供給管46、受水槽47、移送管48及び加圧ポンプ49を介して供給される加圧液体としての加圧水と、外部から吸引する空気とから気液混合流を形成し、その気液混合流のエジェクタ作用により前記投入口44に供給された汚染土砂を吸引して、それらの加圧水と空気との気液混合流と汚染土砂の混合流を形成する。この混合流は、分離装置43の管路50を流下する間に前記気液混合流の強力な混合撹拌作用を受けて、不純物である油等の汚染物が回収目的である被処理物としての土砂から効果的に離脱することになる。その汚染物が土砂から離脱した状態の混合流は、移送管51を経て土砂分離機52の振動スクリーン53上へ導いて、先ず粗いメッシュにより土砂を分離して回収する。他方、粗いメッシュを通過した土砂の細粒分と水と油等の汚染物の混合物は、アンダータンク54に収容される。このアンダータンク54の下方に溜った土砂の細粒分は、ポンプ55により移送管56を経てサイクロン57へ移送され、サイクロン57にて土砂の細粒分と微細粒分を含有した液体分とに分離される。そして、土砂の細粒分は、細かいメッシュ上で水切りを実施した上、粗いメッシュにより分離回収した前記土砂と共に回収し、更に土砂に残留する油等の汚染物をより完全に分解除去するために微生物浄化手段58へ移送する。この微生物浄化手段58により、回収した土砂に残留する油等の汚染物は、微生物により的確に分解除去され、油臭等は解消する。
【0015】
前記アンダータンク54に収容された土砂の細粒分と水と油等の汚染物の混合物のうち、水の上に浮遊する油分等の比重の軽い汚染物は、移送管59の途中に配設したポンプ60により吸引して油水分離排水処理設備61へ移送する。油水分離排水処理設備61では、その油水分離部にて、移送された油等の比重の軽い汚染物を油分と水とに分離し、油分は廃棄処分、水は更に排水処理部にて油分を浄化した後に放流される。また、前記サイクロン57により分離された微細粒を含有した液体分は、移送管62を経て油分分離槽63へ移送する。この油分分離槽63において水の上に浮遊する油分は、移送管64を経て前記移送管59の途中に合流して油水分離排水処理設備61へ移送され、同様の処理が実施される。
【0016】
前記油分分離槽63における沈殿物は、移送管65を経てスラッジタンク66へ移送し、更に移送管67を経て遠心分離機68へ移送する。この遠心分離機68にて分離された脱水ケーキは、焼却機69へ移送して焼却処分する。他方、遠心分離機68にて固形分が除去された水分は、移送管70を経て貯留タンク71に貯留され、その油濃度等に応じて再利用するか廃棄するかを決定し、それに基づいてバルブ72,73の開閉を行い、移送管74を経ていずれかに移送する。再利用しないで廃棄する場合には、バルブ72を開きバルブ73を閉じて、移送管75を経て前記油水分離排水処理設備61へ移送し、排水処理部にて油分を浄化した後に放流する。再利用する場合には、バルブ72を閉じバルブ73を開いて、移送管76を経て受水槽77へ移送する。
【0017】
なお、前記工業用水等の水源45に接続された前記受水槽47に貯留された水は、加圧水供給管78を経て前記土砂分離機52の振動スクリーン53上にシャワー水79として使用することにより、その振動スクリーン53における土砂の分離作用を促進し得るように構成している。また、加圧水供給管80を経て前記アンダータンク54にも水を供給し得るように構成している。因みに、本実施例では、受水槽47と受水槽77とはバルブ81を介して接続してあり、互いに流通し得るように構成している。また、前記受水槽77には移送管82を接続して余分な水は前記油水分離排水処理設備61へ移送して廃棄し得るように構成している。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、次の効果を得ることができる。
(1)請求項1及び請求項3の発明によれば、圧力液体の噴射孔を複数設け、それらの噴射孔に対応する複数の気液混合流を噴射するように構成したので、被処理物混入空間及びその下流側の管路の流路面積を大きく設定できることから、礫土等のより大きな固まりが土砂に混入している場合に対する対応が可能となり、詰り等のトラブルもなく良好な分離作用が得られる。また、より多量の気液混合流の形成が可能なことから、被処理物混入空間における被処理物に対する吸引力が増大するとともに、その気液混合流の被処理物に対する物理的作用が強化され作用範囲も拡大されるので、作業性の向上が可能である。
(2)請求項2及び請求項4の発明によれば、前記管路に乱流促進部を設けて混合流の乱流の発生を促進するように構成したので、管路内における混合流の混合撹拌作用が大幅に向上し、被処理物に対する物理的作用が大幅に強化される。したがって、不純物の分離作用が効率化されるともに、強固に付着した不純物の離脱にもきわめて有効である。
(3)請求項5及び請求項6によれば、管路内に突出する適宜数の突起物を設けたり管路を湾曲したりすることにより、簡便に乱流促進部を形成することができる。なお、その突起物の形状や大きさ、突出量等に関する設定や、管路の湾曲回数やその曲率等に関する設定を通じて、混合流の流通状態と調和させながら乱流の促進を図ることが可能である。
(4)請求項7及び請求項8の発明によれば、管路内における気液混合流の強力な混合撹拌作用により不純物を被処理物から離脱させ分離した上で、分離後の被処理物に残留する不純物を微生物により分解除去するという2段階の浄化方法を採用したので、微生物による分解作用により油臭等のない良質の目的物を得ることができるとともに、微生物浄化にかかる負担の大幅な軽減から効率的な浄化が可能となり、両者相俟って実用的で良質の目的物が得られる浄化技術の提供が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る分離装置に関する第1実施例の要部を示した概略構成図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】ノズルの配置に関して拡大して示したノズル拡大配置図である。
【図4】本発明に係る分離装置に関する第2実施例の要部を示した概略構成図である。
【図5】図4の拡大A−A断面図である。
【図6】本発明に係る分離装置に関する第3実施例の要部を示した概略構成図である。
【図7】本発明に係る分離装置に関する第4実施例の要部を示した部分拡大図である。
【図8】本発明に係る分離装置を土砂の浄化装置に適用した場合に関する実施例の要部を示した概略構成図である。
【符号の説明】
1…高圧ポンプ、2…水タンク、3…供給管、4…混合流形成ユニット、5…噴射孔、6…プレート、7…空間、8…気体混入部、9…バルブ、10…気体吸引管、11…ノズル、12…被処理物混入部、13…投入口、14…第1管路、15…連結部材、16…第2管路、17…連結部材、18…接続ホース、19…サイクロン、20…処理物受け、21…接続管、22…不純物受け、23…混合流形成ユニット、24…第1管路、25…投入口、26…連結部材、27…第2管路、28…突起物、29…混合流形成ユニット、30…第1管路、31…第2管路、32…湾曲管、33…供給管、34…混合流形成ユニット、35…噴射孔、36…空間、37…気体混入部、38…被処理物混入部、39…バルブ、40…空気吸引管、41…投入口、42…管路、43…分離装置、44…投入口、45…水源、46…水供給管、47…受水槽、48…移送管、49…加圧ポンプ、50…管路、51…移送管、52…土砂分離機、53…振動スクリーン、54…アンダータンク、55…ポンプ、56…移送管、57…サイクロン、58…微生物浄化手段、59…移送管、60…ポンプ、61…油水分離排水処理設備、62…移送管、63…油分分離槽、64,65…移送管、66…スラッジタンク、67…移送管、68…遠心分離機、69…焼却機、70…移送管、71…貯留タンク、72,73…バルブ、74…移送管、75,76…移送管、77…受水槽、78…加圧水供給管、79…シャワー水、80…加圧水供給管、81…バルブ、82…移送管
Claims (8)
- 圧力液体に気体を混入して気液混合流を形成し、その気液混合流に不純物を含む被処理物を混入して管路内を流すことにより、前記気液混合流の有する混合撹拌作用により被処理物から不純物を離脱させる分離方法において、前記圧力液体の噴射孔を複数設け、それらの噴射孔から噴射される液体噴射流に気体を混入して複数の気液混合流を形成し、それらの気液混合流に対して被処理物を混入して下流側の管路内で混合撹拌しながら不純物を被処理物から離脱させることを特徴とする分離方法。
- 圧力液体に気体を混入して気液混合流を形成し、その気液混合流に不純物を含む被処理物を混入して管路内を流すことにより、前記気液混合流の有する混合撹拌作用により被処理物から不純物を離脱させる分離方法において、前記管路に混合流の流れの乱れを促進する乱流促進部を設けたことを特徴とする分離方法。
- 圧力液体の供給手段と、前記圧力液体の噴射により形成される液体噴射流に対して気体を混入する気体混入部と、前記液体噴射流に気体を混入して形成された気液混合流に対して被処理物を混入する被処理物混入部と、前記気液混合流に被処理物を混入して形成された混合流が流通する管路を備え、その管路内を流れる気液混合流の有する混合撹拌作用により被処理物から不純物を離脱させる分離装置であって、前記気体混入部に圧力液体を噴射する噴射孔を複数設け、それらの噴射孔から前記気体混入部に噴射される液体噴射流に対して気体を混入しながら被処理物混入部に複数の気液混合流を噴射し、該被処理物混入部において前記気液混合流に被処理物を混入するように構成したことを特徴とする分離装置。
- 圧力液体の供給手段と、前記圧力液体の噴射により形成される液体噴射流に対して気体を混入する気体混入部と、前記液体噴射流に気体を混入して形成された気液混合流に対して被処理物を混入する被処理物混入部と、前記気液混合流に被処理物を混入して形成された混合流が流通する管路を備え、その管路内を流れる気液混合流の有する混合撹拌作用により被処理物から不純物を離脱させる分離装置であって、前記管路に混合流の流れの乱れを促進する乱流促進部を設けたことを特徴とする分離装置。
- 前記乱流促進部は、管路内に突出する適宜数の突起物を設けることにより構成した請求項4に記載の分離装置。
- 前記乱流促進部は、管路を湾曲することにより構成した請求項4に記載の分離装置。
- 気液混合流に不純物を含む固形状ないし半固形状の被処理物を混入して管路内を流すことにより、前記気液混合流の有する混合撹拌作用により不純物を被処理物から離脱させるとともに、それらの被処理物と不純物とを分離し、さらに分離後の被処理物に残留する不純物を微生物により分解除去することを特徴とする浄化方法。
- 圧力液体の供給手段と、前記圧力液体の噴射により形成される液体噴射流に対して気体を混入する気体混入部と、前記液体噴射流に気体を混入して形成された気液混合流に対して被処理物を混入する被処理物混入部と、前記気液混合流に被処理物を混入して形成された混合流が流通する管路を有し、その管路内を流れる気液混合流の有する混合撹拌作用により被処理物から不純物を離脱させる分離装置と、それらの離脱した被処理物と不純物とを分離する固液分離装置とを備えるとともに、さらに分離後の被処理物に残留する不純物を微生物により分解除去する微生物浄化手段を備えたことを特徴とする浄化装置。
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