JP2004014912A - 半導体レーザダイオード及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電流ブロック特性を向上させることにより高温動作時のリーク電流が低減できる半導体レーザダイオード及びその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体レーザダイオードの電流ブロック層8に挟まれた光導波路を構成するリッジ状のクラッド層6の出力方向に平行な側面をSiO2などの誘電膜7で被覆する。リッジ状のクラッド層6の両脇には誘電膜7が形成されているので高温(+70℃程度以上)でもこの部分からのリーク電流が増大しない。またクラッド層6の側壁部分からは電流ブロック層8が成長しないので成長を阻害する要因がなくなり、従って従来より厚く成長させることができる。その結果電流ブロック特性が向上する。プロセスを容易にするためp型クラッド層6とp型電流拡散層4の間にエッチングストップ層を形成しても良い。
【選択図】 図1
【解決手段】半導体レーザダイオードの電流ブロック層8に挟まれた光導波路を構成するリッジ状のクラッド層6の出力方向に平行な側面をSiO2などの誘電膜7で被覆する。リッジ状のクラッド層6の両脇には誘電膜7が形成されているので高温(+70℃程度以上)でもこの部分からのリーク電流が増大しない。またクラッド層6の側壁部分からは電流ブロック層8が成長しないので成長を阻害する要因がなくなり、従って従来より厚く成長させることができる。その結果電流ブロック特性が向上する。プロセスを容易にするためp型クラッド層6とp型電流拡散層4の間にエッチングストップ層を形成しても良い。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザダイオードに関し、とくに高温においてレーザ出力を高出力化するためのリッジ構造及び半導体レーザダイオードの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体レーザダイオード(LASER Diode)は、半導体を光増幅媒質としたレーザであり、電流注入によってレーザ発振を得るタイプであって、LDと略称されている。
図8は、従来の半導体レーザダイオードの概略断面図である。半導体レーザダイオードは、化合物半導体基板上に積層された活性層を含む半導体層及び活性層に電流を注入する1対の電極から構成されている。半導体基板101は、例えば、n型GaAs基板であり、この上に半導体層が順次積層されている。半導体基板101上に直接形成されている半導体層は、n型クラッド層102である。n型クラッド層102上に活性層103が形成されている。活性層103は、例えば、InGaAlP/InGaP系半導体層やAlGaAs系半導体層などが用いられる。InGaAlP/InGaP系半導体層はDVDなどに用いられ、AlGaAs系半導体層はCD系システムなどに用いられる。
【0003】
活性層103上にはp型電流拡散層104、p型クラッド層106が積層形成されている。光導波路及び電流経路を構成するp型クラッド層106は、細長くリッジ状に加工されており、リッジ層という。p型クラッド層106は、細長いリッジ形状であり、半導体レーザダイオードの出力方向に沿って伸びている。半導体レーザダイオードの出力方向は、紙面に垂直であり、レーザ光は、その上下方向に出力される。p型クラッド層106の長軸方向の側面及びp型電流拡散層104上にはn型電流ブロック層108が形成されている。p型電流拡散層104及びn型電流ブロック層108の上にはp型コンタクト層109が形成されている。1対の電極のうち、p型側の電極110は、p型コンタクト層109上に形成され、n型側の電極105は、半導体基板101裏面に形成されている。半導体レーザダイオードは、この電極間に電圧を加えて活性層に電流を注入しレーザ光を出力する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の半導体レーザダイオードは、高出力のものはCD−RやDVD−Rなどに用いられる。このような高出力半導体レーザダイオードには−10℃〜+70℃程度の動作保障が要求される。
従来技術では、前述のように、p型クラッド層106よりなるリッジ層の両脇を反対導電型であるn型の半導体層からなる電流ブロック層108で挟み、上部にコンタクト層109となるp型半導体層が形成されている。つまり、電流ブロック層108の上下にはpn接合が形成されているのでこの部分で電流が流れず、p型クラッド層106にのみ電流が流れる。
しかし、このような構造では、高温(+70℃前後)でpn接合に流れるリーク電流が増えるので、高温動作時においてp型クラッド層−n型ブロック層−p型電流拡散層及びp型コンタクト層−n型電流ブロック層−p型電流拡散層というpn逆接合のリーク電流(図8の矢印参照)が大きくなり、その結果半導体レーザダイオードの出力を低下させてしまうという問題があった。
【0005】
また、p型クラッド層の側壁もしくは側面及びp型電流拡散層の上に形成されたn型電流ブロック層は、それぞれの下地層上にエピタキシャル成長するものであるが、p型クラッド層の側壁もしくは側面上を成長する層とp型電流拡散層上を成長する層とが互いに阻害し合ってその成長を妨げており、現状では0.2〜0.3μm程度を越える事は難しかった。その結果電流ブロック作用が十分働かないのでリーク電流が十分低減させることができないという問題があった。
本発明は、このような事情によりなされたものであり、電流ブロック特性を向上させることにより高温動作時のリーク電流が低減できる半導体レーザダイオード及びその製造方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、半導体レーザダイオードの電流ブロック層に挟まれた光導波路を構成するリッジ状のクラッド層の出力方向に平行な側面を誘電膜で被覆することを特徴としている。リッジ状のクラッド層の両脇には誘電膜が形成されているので、高温(+70℃程度以上)でもこの部分からのリーク電流が増大しない。また、クラッド層の側壁部分からは電流ブロック層が成長しないので、成長を阻害する要因がなくなり、したがって、従来より厚く(1.2μm程度あるいはそれ以上)成長させることができる。その結果、電流ブロック特性が向上する。
【0007】
本発明の半導体レーザダイオードは、半導体基板と、前記半導体基板上に積層され、対向する1対の出力面を共振面とする半導体層と、前記積層された半導体層の上層及び下層の半導体層間に電圧を印加する1対の電極とを具備し、前記半導体層は、前記基板上に順次形成された第1導電型クラッド層、活性層、第2導電型電流拡散層、前記第2導電型電流拡散層表面中央部分上に長軸が前記1対の共振面の垂直方向に形成されたリッジ状の第2導電型クラッド層、前記第2導電型電流拡散層表面上に形成され前記第2導電型クラッド層を両側から挟むように配置された第1導電型電流ブロック層から構成され、前記第2導電型クラッド層の前記第1導電型電流ブロック層に挟まれた側面は、誘電膜により被覆されていることを特徴としている。前記第2導電型クラッド層及び前記第1導電型電流ブロック層に接して第2導電型コンタクト層が形成され、前記1対の電極の一方は、前記第2導電型コンタクト層上に形成されているようにしても良い。
【0008】
また、本発明の半導体レーザダイオードは、半導体基板と、前記半導体基板上に積層され、対向する1対の出力面を共振面とする半導体層と、前記積層された半導体層の上層及び下層の半導体層間に電圧を印加する1対の電極とを具備し、前記半導体層は、前記基板上に順次形成された第1導電型クラッド層、活性層第2導電型電流拡散層、前記第2導電型電流拡散層表面中央部分上に長軸が前記1対の共振面とは垂直な方向に形成されたリッジ状の第2導電型クラッド層、前記第2導電型電流拡散層表面上に形成され前記第2導電型クラッド層を両側から挟むように配置された電流ブロック層から構成され、前記電流ブロック層は、前記第2導電型電流拡散層上に順次形成された第1導電型ブロック層、第2導電型ブロック層、第1導電型ブロック層から構成された積層半導体層からなり、前記第2導電型クラッド層の前記電流ブロック層に挟まれた側面は、誘電膜により被覆されていることを特徴としている。前記第2導電型クラッド層及び前記電流ブロック層に接して第2導電型コンタクト層が形成され、前記1対の電極の一方は、前記第2導電型コンタクト層上に形成されているようにしても良い。前記誘電膜の誘電率は、前記第2導電型クラッド層の誘電率よりも小さくしても良い。前記誘電膜は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜及びシリコン酸窒化膜のいずれかを選択しても良い。
【0009】
本発明の半導体レーザダイオードの製造方法は、半導体基板上に第1導電型クラッド層、活性層、第2導電型電流拡散層、エッチングストップ層、第2導電型クラッド層からなる多層の半導体層を順次積層形成する工程と、前記第2導電型クラッド層上に所定のパターンを有するマスクを形成し、このマスクパターンをエッチングマスクとして前記第2導電型クラッド層を、前記第2導電型電流拡散層が露出するまでエッチングして、前記第2導電型電流拡散層表面の中央部分上にリッジ状に加工を施す工程と、前記第2導電型クラッド層及び前記第2導電型電流拡散層の露出した部分を被覆するように誘電膜を形成し、前記誘電膜をエッチバックすることにより前記第2導電型クラッド層上面及び前記第2導電型電流拡散層の露出した部分の誘電膜を除去し、前記第2導電型クラッド層の長軸方向の側壁にのみ誘電膜を形成する工程と、前記第2導電型電流拡散層の露出した部分上に第1導電型電流ブロック層からなる半導体層を選択成長させる工程と、前記第2導電型クラッド層上面及び前記第1導電型電流ブロック層上に第2導電型コンタクト層からなる半導体層を選択成長させる工程とを具備したことを特徴としている。前記第1導電型電流ブロック層からなる半導体層を選択成長させる工程中において、前記第2導電型クラッド層上面に前記半導体層の成長を妨げるマスクを形成するようにしても良い。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら発明の実施の形態を説明する。
まず、図1及び図2を参照して第1の実施の形態を説明する。
図1は、第1の実施の形態において説明する半導体レーザダイオードの概略断面図、図2は、図1の半導体レーザダイオードの斜視図である。半導体レーザダイオードは、化合物半導体基板上に積層された活性層を含む半導体層及び活性層に電流を注入する1対の電極から構成されている。半導体基板1は、例えば、n型GaAs基板であり、この上に半導体層が順次積層されている。ここでは第1導電型をn型とし、第2導電型をp型とする(以下、同様である)。半導体基板1上に直接形成されている半導体層は、n型クラッド層2である。n型クラッド層2上には活性層3が形成されている。活性層3には、例えば、InGaAlP/InGaP系半導体層やAlGaAs系半導体層などが用いられる。InGaAlP/InGaP系半導体層はDVDなどに用いられ、AlGaAs系半導体層はCDシステムなどに用いられる。また、活性層3上にはp型電流拡散層4、p型クラッド層6が積層形成されている。光導波路及び電流経路を構成するp型クラッド層6は、細長くリッジ状に加工されており、リッジ層という。リッジ層の長軸方向は半導体レーザダイオードの出力方向に実質的に一致している。出力方向は共振面とは垂直である(図2参照)。
【0011】
前述のように、半導体レーザダイオードの出力方向の端面は、レーザの共振面になっている。半導体基板からレーザチップを形成する場合、半導体結晶の特定の方向に力を加えて結晶を結晶面に沿って割る(これを劈開という)ことにより形成している。この劈開によって現れた結晶面を劈開面という。劈開面は一般的に原子レベルで平坦なためにレーザ共振器の共振面(すなわち、反射面)として用いられる。本発明においては、この実施の形態においても同様に劈開面を共振面としている。p型クラッド層6は、細長いリッジ形状であり、半導体レーザダイオードの出力方向に沿って伸びている。半導体レーザダイオードの出力方向は、図1では紙面に垂直であり、レーザ光は、その上下方向に出力される。p型クラッド層6の長軸方向の側面には誘電膜7が形成されている。また、p型電流拡散層4上にはn型電流ブロック層8が形成されている。n型電流ブロック層8は、細長いリッジ形状のp型クラッド層6を両側から挟むように配置されており、したがって、誘電膜7は、n型電流ブロック層8とp型クラッド層6とに挟まれている。さらに、p型クラッド層6及びn型電流ブロック層8の上にはp型コンタクト層9が形成されている。
【0012】
また、1対の電極のうち、p型側の電極10は、p型コンタクト層9上に形成され、n型側の電極5は、半導体基板1裏面に形成されている。半導体レーザダイオードは、この電極間に電圧を加えて活性層に電流を注入しレーザ光を出力する。図2に示すように、p型クラッド層6の長軸方向がレーザ光の出力方向である。活性層で励起されたレーザ光は、出力方向とは直角に配置された1対の共振面(積層された半導体層端面(劈開面))で反射を繰り返し、増幅されて出力する。
リッジ状のp型クラッド層の両脇には誘電膜7が形成されているので、高温(+70℃程度以上)でもこの部分からのリーク電流が増大しない。したがって高出力の半導体レーザダイオードが得られる。図8に示す従来の半導体レーザダイオードの出力が100mW程度に対して、この半導体レーザダイオードは、同じサイズの素子でありながら100mWより十分大きく、240mWに近い高出力が得られる。
【0013】
次に、図3を参照して第2の実施の形態を説明する。
図3は、第2の実施の形態において説明する半導体レーザダイオードの概略断面図である。半導体レーザダイオードは、化合物半導体基板上に積層された活性層を含む半導体層及び活性層に電流を注入する1対の電極から構成されている。半導体基板11は、例えば、n型GaAs基板であり、この上に半導体層が順次積層されている。半導体基板11上にn型クラッド層12が形成され、n型クラッド層12上には活性層13が形成されている。活性層13上にはp型電流拡散層14、p型クラッド層16が積層形成されている。光導波路及び電流経路を構成するp型クラッド層16は、細長くリッジ状に加工されている(リッジ層ともいう)。リッジ層の長軸方向は半導体レーザダイオードの出力方向に実質的に一致している。出力方向は共振面とは垂直である。
【0014】
p型クラッド層16は、p型電流拡散層14のほぼ中央部分に配置され、その細長いリッジ形状は、半導体レーザダイオードの出力方向に沿って伸びている。p型クラッド層16の長軸方向の側面には誘電膜17が形成されている。また、p型電流拡散層14上には電流ブロック層18が形成されている。電流ブロック層18は、細長いリッジ形状のp型クラッド層16を両側から挟むように配置されており、したがって、誘電膜17は、電流ブロック層18とp型クラッド層16とに挟まれている。
p型電流拡散層14上に形成され、p型クラッド層16の両脇に配置された電流ブロック層18は、積層された少なくとも3層の半導体層から構成されている。積層された半導体層は、下から順次形成されたn型ブロック層181、p型ブロック層182及びn型ブロック層183からなり、4つのpn接合が形成されている。さらに、p型電流拡散層14及び電流ブロック層18の上にはp型コンタクト層19が形成されている。また、1対の電極のうち、p型側の電極20は、p型コンタクト層19上に形成され、n型側の電極15は、半導体基板11の裏面に形成されている。半導体レーザダイオードは、この電極間に電圧を加えて活性層に電流を注入しレーザ光を出力する。
【0015】
リッジ状のp型クラッド層の両脇には誘電膜17が形成されているので、高温(+70℃程度以上)でもこの部分からのリーク電流が増大しない。したがって高出力の半導体レーザダイオードが得られる。また、この実施の態様では電流ブロック層が互いに導電型の異なる3層の半導体層から構成されているので、pn接合が第1の実施の形態のものより多く電流遮断効果が前のものより大きい。
次に、図4を参照して第1の実施例を説明する。この実施例は、第1の実施の形態を具体化して詳細に説明するものである。図4は、赤色発光(発光波長650nm帯)の半導体レーザダイオードの断面構造図である。この半導体レーザダイオードは、半導体基板31は、n型GaAs基板である。この上に半導体層が順次積層されている。半導体基板31上に直接形成されている半導体層は、n型クラッド層32である。n型クラッド層32上には活性層33が形成されている。活性層33上にはp型電流拡散層34、p型エッチングストップ層41、p型クラッド層36及びp型通電容易層40が積層形成されている。光導波路及び電流経路を構成するp型クラッド層36は、p型通電容易層40とともに細長くリッジ状に加工されており、リッジ層という。リッジ層の長軸方向は半導体レーザダイオードの出力方向に実質的に一致している。その出力方向は共振面とは垂直である。
【0016】
p型クラッド層36は、p型電流拡散層34のほぼ中央部分に配置され、細長いリッジ形状は、半導体レーザダイオードの出力方向に沿って伸びている。半導体レーザダイオードの出力方向は、図4では紙面に垂直であり、レーザ光は、紙面に垂直の方向に出力される。p型クラッド層36の長軸方向の側面及び通電容易層40の側面には誘電膜37が形成されている。また、p型電流拡散層34上にはn型電流ブロック層38が形成されている。n型電流ブロック層38は、細長いリッジ形状のp型クラッド層36及びp型通電容易層40を両側から挟むように配置されており、したがって、誘電膜37は、n型電流ブロック層38とp型クラッド層36とに挟まれている。さらに、p型通電容易層36及びn型電流ブロック層38の上にはp型コンタクト層39が形成されている。また、1対の電極のうち、p型側の電極30は、p型コンタクト層39上に形成され、n型側の電極35は、半導体基板31裏面に形成されている。半導体レーザダイオードは、この電極間に電圧を加えて活性層に電流を注入しレーザ光を出力する。p型クラッド層36の長軸方向がレーザ光の出力方向である。活性層で励起されたレーザ光は、出力方向とは直角に配置された1対の共振面(積層された半導体層端面(劈開面))で反射を繰り返し、増幅されて出力する。
【0017】
半導体基板(n型GaAs基板)31上にこれに接して形成されたn型クラッド層32は、厚さ1.2μmのn−In0.5(Ga0.3Al0.7)0.5P層からなり、活性層33は、ノンドープのIn0.5(Ga0.55Al0.45)0.5P/In0.5Ga0.5Pの多層積層構造(MQW)からなる。活性層33上のp型電流拡散層34は、厚さ0.2μmのp−In0.5(Ga0.3Al0.7)0.5P層からなり、この上に、厚さ0.01μmのp−In0.5Ga0.5Pからなるエッチングストップ層41を介して幅2μm、高さ1.4μmのp−In0.5(Ga0.3Al0.7)0.5Pからなるp型クラッド層(リッジ層)36が形成されている。p型クラッド層36の上には厚さ0.05μmのp−In0.5Ga0.5Pからなるp型通電容易層40が形成されている。p型クラッド層36の両脇には、p型クラッド層36と略同一高さで、厚さ0.5μmのSiO2からなる誘電膜37が形成されている。SiO2誘電膜37の外側は、厚さ1.2μmのn−GaAsからなるn型電流ブロック層38が形成される、p型クラッド層36、SiO2誘電膜37、p型電流ブロック層38の上部には、p−GaAsコンタクト層39が形成されている。
【0018】
リッジ状のp型クラッド層の両脇には誘電膜が形成されているので、高温(+70℃程度以上)でもこの部分からのリーク電流が増大せず、高出力の半導体レーザダイオードが得られる。
【0019】
次に、図5を参照して第2の実施例を説明する。
この実施例では、第1の実施例において説明した半導体レーザダイオードを製造するプロセスを説明する。図5は、この半導体レーザダイオードの製造工程断面図である。まず、半導体基板(n型GaAs基板)31上に厚さ1.2μmのn−In0.5(Ga0.3Al0.7)0.5P層(n型クラッド層32)、ノンドープのIn0.5(Ga0.55Al0.45)0.5P/In0.5Ga0.5P層からなる多層積層構造(MQW)(活性層33)、厚さ0.2μmのp−In0.5(Ga0.3Al0.7)0.5P層(p型電流拡散層34)、厚さ0.01μmのp−In0.5Ga0.5P層(エッチングストップ層41)、厚さ1.4μmのp−In0.5(Ga0.3Al0.7)0.5P層(p型クラッド層(リッジ層)36)及び厚さ0.05μmのp−In0.5Ga0.5P層(p型通電容易層40)の半導体層がエピタキシャル成長により堆積される(図5(a))。
【0020】
次に、p型通電容易層40上にp型クラッド層36のリッジ形状に合わせてパターニングされたシリコン窒化膜(SiN)からなるマスク42を形成する。そして、SiNマスク42をマスクとしてp型通電容易層40、p型クラッド層36を、RIEエッチングなどの異方性ドライエッチング法もしくはドライエッチング+ウェットエッチングを組合せたエッチング方法により加工して幅約2μmの光導波路及び電流経路を形成する(図5(b))。
ドライエッチング法を使用することにより、リッジの側壁を略垂直に加工することができる。
【0021】
次に、SiNマスク42を残したままp型クラッド層36及びp型通電容易層40を被覆するようにp型電流拡散層34上にCVD(Chemical Vapour Deposition)法によりシリコン酸化膜(SiO2)を堆積させる。この堆積されたシリコン酸化膜全面をRIEによりエッチバックすることによりリッジ形状のp型クラッド層36及びp型通電容易層40の両脇にのみシリコン酸化膜(SiO2)を残して誘電膜37を形成する(図5(c))。次に、SiNマスク42及び誘電膜37をフォトマスクとして、MOCVD選択エピタキシャル成長により、SiNマスク42、誘電膜37以外の部分、すなわち、p型電流拡散層34上にのみ厚さ1.2μmのn−GaAsからなるn型電流ブロック層を成長させる(図5(d))。
【0022】
その後、SiNマスク42を除去した後、誘電膜37が存在する状況下でp型通電容易層40及びn型電流ブロック層38上部にp−GaAs層(p型コンタクト層)39をMOCVDにより成長させる。このとき、成長初期にはSiO2誘電膜37の上部にはGaAsは成長しないが、p型クラッド層36及びn型電流ブロック層38の上部に成長したGaAsは横方向にも成長し続けて、最終的にSiO2誘電膜37の上部全面を覆うように成長する。次に、p型側電極30及び基板側電極35等をそれぞれ形成して半導体レーザダイオードを完成させる(図4参照)。
この様に、p型クラッド層の側壁部分は、誘電膜に覆われているので、電流ブロック層は成長しない。そして、成長を阻害する要因がなくなったので、従来より厚く(1.2μm程度あるいはそれ以上)成長させることが可能になる。従来は種々の要因が重なって、高々0.2〜0.3μm程度が精々であった。
【0023】
次に、図3を参照して第3の実施例を説明する。
図3は、半導体レーザダイオードの概略断面図である。図3に示すように、この実施例では、電流ブロック層18は、p型電流拡散層14上に形成され、且つp型クラッド層16の両脇に配置されている。電流ブロック層18は、積層された少なくとも3層の半導体層からなり、活性層13に近い下層の第1層は、厚さ0.6μmのn−GaAsからなるn型ブロック層181、その上の第2層は厚さ0.3μmのp−GaAsからなるp型ブロック層182、その上の第3層は、厚さ0.3μmのn型−GaAsからなるn型−ブロック層183である。
リッジ状のp型クラッド層の両脇には誘電膜が形成されているので、高温(+70℃程度以上)でもこの部分からのリーク電流が増大しない。したがって高出力の半導体レーザダイオードが得られる。また、この実施例では電流ブロック層が互いに導電型の異なる3層の半導体層から構成されているので、pn接合が第1の実施の形態のものより多く、電流遮断効果はそれにしたがって大きくなっている。
【0024】
次に、図6及び図7を参照して第4の実施例を説明する。
この実施例は、第1の実施の態様及び第2の実施の態様に説明した半導体レーザダイオードのいずれにも適用されるものである。図6は、この実施例を説明する半導体レーザダイオードの斜視図、図7は、図6のA−A′及びB−B′線に沿う部分の断面図である。半導体基板51は、例えば、n型GaAs基板であり、この上に半導体層が順次積層されている。半導体基板51上に直接形成されている半導体層は、n型クラッド層52である。n型クラッド層52上には活性層53が形成されている。活性層53には、例えば、InGaAlP/InGaP系半導体層やAlGaAs系半導体層などが用いられる。また、活性層53上にはp型電流拡散層54、p型クラッド層56が積層形成されている。光導波路及び電流経路を構成するp型クラッド層56は、細長くリッジ状に加工されており、これをリッジ層という。リッジ層の長軸方向は半導体レーザダイオードの出力方向に実質的に一致している。出力方向は共振面とは垂直である。この実施の形態においても他と同様に劈開面を共振面としている。
【0025】
p型クラッド層56は、細長いリッジ形状であり、半導体レーザダイオードの出力方向に沿って伸びている。p型クラッド層56の長軸方向の側面にはSiO2などからなる誘電膜57が形成されている。また、p型電流拡散層54上にはn型電流ブロック層58が形成されている。n型電流ブロック層58は、細長いリッジ形状のp型クラッド層56を両側から挟むように配置されており、したがって、誘電膜57は、n型電流ブロック層58とp型クラッド層56とに挟まれている(図7(b)参照)。さらに、p型クラッド層56及びn型電流ブロック層58の上にはp型コンタクト層59が形成されている。また、1対の電極のうち、p型側の電極60は、p型コンタクト層59上に形成され、n型側の電極55は、半導体基板51裏面に形成されている。半導体レーザダイオードは、この電極間に電圧を加えて活性層に電流を注入しレーザ光を出力する。活性層で励起されたレーザ光は、出力方向とは直角に配置された1対の共振面(積層された半導体層端面(劈開面))で反射を繰り返し、増幅されて出力する。
【0026】
さらに、この実施例では、共振面及びその近傍の半導体基板51上の積層された半導体層の共振面及びその近傍の領域にはZnなどの拡散係数の大きい不純物の拡散領域61が形成されている。通常、活性層における励起は、1対の共振面間のすべての部分で発生するが、共振面近傍で励起された光は、先に励起され共振面で反射してきた反射光と作用して劈開面を破損する場合がある。この様な破損を避けて機械的強度を維持するために、この部分には電極から活性層まで電流が流れないようにすることが有利である。
【0027】
そのためこの部分には、p型クラッド層56の側壁に形成された誘電膜57を形成しないで、側壁部分及びp型クラッド層56上にn型電流ブロック層58を延在させてp型クラッド層56と電極60との間にn型電流ブロック層58を介在させる(図7(a))。この実施例では、その様に構成して形成されたpn接合によりこの部分での電流の流れをとめて活性層でのレーザ光の励起を阻止することを特徴としている。さらに、この部分には、前記不純物拡散領域61を設ける。そして、この領域にはp型クラッド層56の側壁に誘電膜57が形成されていない。この領域は、半導体レーザダイオードの長さ(共振面間の距離)を800μm程度とすると、両端にそれぞれ略50μmの長さで構成される。この領域を形成することにより消費電流を抑えることができる。また、発光領域を所定の範囲に限定することにより発光効率が向上する。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、リッジ層(p型クラッド層)の側壁に形成した誘電膜の存在によって、高温動作時のリーク電流を低減させることが可能になり、その結果としてレーザの高出力化が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態において説明する半導体レーザダイオードの概略断面図。
【図2】図1の半導体レーザダイオードの斜視図。
【図3】第2の実施の形態において説明する半導体レーザダイオードの概略断面図。
【図4】本発明の第1の実施例による赤色発光(発光波長650nm帯)の半導体レーザダイオードの断面構造図。
【図5】図4に示す半導体レーザダイオードの製造工程断面図。
【図6】第4の実施例を説明する半導体レーザダイオードの斜視図。
【図7】図6のA−A′及びB−B′線に沿う部分の断面図。
【図8】従来の半導体レーザダイオードの概略断面図。
【符号の説明】
1、11、31、51、101・・・半導体基板、
2、32、52、102・・・n型クラッド層、
3、33、53、103・・・活性層、
4、34、54、104・・・p型電流拡散層、
5、15、35、55、105・・・n型側電極(基板側電極)、
6、16、36、56、106・・・p型クラッド層(リッジ層)、
7、17、37、57・・・誘電膜、
8、18、38、58、108・・・n型電流ブロック層、
9、19、39、59、109・・・p型コンタクト層、
10、20、40、60、110・・・p型側電極
41・・・エッチングストップ層、 42、43・・・マスク、
61・・・不純物拡散領域。
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザダイオードに関し、とくに高温においてレーザ出力を高出力化するためのリッジ構造及び半導体レーザダイオードの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体レーザダイオード(LASER Diode)は、半導体を光増幅媒質としたレーザであり、電流注入によってレーザ発振を得るタイプであって、LDと略称されている。
図8は、従来の半導体レーザダイオードの概略断面図である。半導体レーザダイオードは、化合物半導体基板上に積層された活性層を含む半導体層及び活性層に電流を注入する1対の電極から構成されている。半導体基板101は、例えば、n型GaAs基板であり、この上に半導体層が順次積層されている。半導体基板101上に直接形成されている半導体層は、n型クラッド層102である。n型クラッド層102上に活性層103が形成されている。活性層103は、例えば、InGaAlP/InGaP系半導体層やAlGaAs系半導体層などが用いられる。InGaAlP/InGaP系半導体層はDVDなどに用いられ、AlGaAs系半導体層はCD系システムなどに用いられる。
【0003】
活性層103上にはp型電流拡散層104、p型クラッド層106が積層形成されている。光導波路及び電流経路を構成するp型クラッド層106は、細長くリッジ状に加工されており、リッジ層という。p型クラッド層106は、細長いリッジ形状であり、半導体レーザダイオードの出力方向に沿って伸びている。半導体レーザダイオードの出力方向は、紙面に垂直であり、レーザ光は、その上下方向に出力される。p型クラッド層106の長軸方向の側面及びp型電流拡散層104上にはn型電流ブロック層108が形成されている。p型電流拡散層104及びn型電流ブロック層108の上にはp型コンタクト層109が形成されている。1対の電極のうち、p型側の電極110は、p型コンタクト層109上に形成され、n型側の電極105は、半導体基板101裏面に形成されている。半導体レーザダイオードは、この電極間に電圧を加えて活性層に電流を注入しレーザ光を出力する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の半導体レーザダイオードは、高出力のものはCD−RやDVD−Rなどに用いられる。このような高出力半導体レーザダイオードには−10℃〜+70℃程度の動作保障が要求される。
従来技術では、前述のように、p型クラッド層106よりなるリッジ層の両脇を反対導電型であるn型の半導体層からなる電流ブロック層108で挟み、上部にコンタクト層109となるp型半導体層が形成されている。つまり、電流ブロック層108の上下にはpn接合が形成されているのでこの部分で電流が流れず、p型クラッド層106にのみ電流が流れる。
しかし、このような構造では、高温(+70℃前後)でpn接合に流れるリーク電流が増えるので、高温動作時においてp型クラッド層−n型ブロック層−p型電流拡散層及びp型コンタクト層−n型電流ブロック層−p型電流拡散層というpn逆接合のリーク電流(図8の矢印参照)が大きくなり、その結果半導体レーザダイオードの出力を低下させてしまうという問題があった。
【0005】
また、p型クラッド層の側壁もしくは側面及びp型電流拡散層の上に形成されたn型電流ブロック層は、それぞれの下地層上にエピタキシャル成長するものであるが、p型クラッド層の側壁もしくは側面上を成長する層とp型電流拡散層上を成長する層とが互いに阻害し合ってその成長を妨げており、現状では0.2〜0.3μm程度を越える事は難しかった。その結果電流ブロック作用が十分働かないのでリーク電流が十分低減させることができないという問題があった。
本発明は、このような事情によりなされたものであり、電流ブロック特性を向上させることにより高温動作時のリーク電流が低減できる半導体レーザダイオード及びその製造方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、半導体レーザダイオードの電流ブロック層に挟まれた光導波路を構成するリッジ状のクラッド層の出力方向に平行な側面を誘電膜で被覆することを特徴としている。リッジ状のクラッド層の両脇には誘電膜が形成されているので、高温(+70℃程度以上)でもこの部分からのリーク電流が増大しない。また、クラッド層の側壁部分からは電流ブロック層が成長しないので、成長を阻害する要因がなくなり、したがって、従来より厚く(1.2μm程度あるいはそれ以上)成長させることができる。その結果、電流ブロック特性が向上する。
【0007】
本発明の半導体レーザダイオードは、半導体基板と、前記半導体基板上に積層され、対向する1対の出力面を共振面とする半導体層と、前記積層された半導体層の上層及び下層の半導体層間に電圧を印加する1対の電極とを具備し、前記半導体層は、前記基板上に順次形成された第1導電型クラッド層、活性層、第2導電型電流拡散層、前記第2導電型電流拡散層表面中央部分上に長軸が前記1対の共振面の垂直方向に形成されたリッジ状の第2導電型クラッド層、前記第2導電型電流拡散層表面上に形成され前記第2導電型クラッド層を両側から挟むように配置された第1導電型電流ブロック層から構成され、前記第2導電型クラッド層の前記第1導電型電流ブロック層に挟まれた側面は、誘電膜により被覆されていることを特徴としている。前記第2導電型クラッド層及び前記第1導電型電流ブロック層に接して第2導電型コンタクト層が形成され、前記1対の電極の一方は、前記第2導電型コンタクト層上に形成されているようにしても良い。
【0008】
また、本発明の半導体レーザダイオードは、半導体基板と、前記半導体基板上に積層され、対向する1対の出力面を共振面とする半導体層と、前記積層された半導体層の上層及び下層の半導体層間に電圧を印加する1対の電極とを具備し、前記半導体層は、前記基板上に順次形成された第1導電型クラッド層、活性層第2導電型電流拡散層、前記第2導電型電流拡散層表面中央部分上に長軸が前記1対の共振面とは垂直な方向に形成されたリッジ状の第2導電型クラッド層、前記第2導電型電流拡散層表面上に形成され前記第2導電型クラッド層を両側から挟むように配置された電流ブロック層から構成され、前記電流ブロック層は、前記第2導電型電流拡散層上に順次形成された第1導電型ブロック層、第2導電型ブロック層、第1導電型ブロック層から構成された積層半導体層からなり、前記第2導電型クラッド層の前記電流ブロック層に挟まれた側面は、誘電膜により被覆されていることを特徴としている。前記第2導電型クラッド層及び前記電流ブロック層に接して第2導電型コンタクト層が形成され、前記1対の電極の一方は、前記第2導電型コンタクト層上に形成されているようにしても良い。前記誘電膜の誘電率は、前記第2導電型クラッド層の誘電率よりも小さくしても良い。前記誘電膜は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜及びシリコン酸窒化膜のいずれかを選択しても良い。
【0009】
本発明の半導体レーザダイオードの製造方法は、半導体基板上に第1導電型クラッド層、活性層、第2導電型電流拡散層、エッチングストップ層、第2導電型クラッド層からなる多層の半導体層を順次積層形成する工程と、前記第2導電型クラッド層上に所定のパターンを有するマスクを形成し、このマスクパターンをエッチングマスクとして前記第2導電型クラッド層を、前記第2導電型電流拡散層が露出するまでエッチングして、前記第2導電型電流拡散層表面の中央部分上にリッジ状に加工を施す工程と、前記第2導電型クラッド層及び前記第2導電型電流拡散層の露出した部分を被覆するように誘電膜を形成し、前記誘電膜をエッチバックすることにより前記第2導電型クラッド層上面及び前記第2導電型電流拡散層の露出した部分の誘電膜を除去し、前記第2導電型クラッド層の長軸方向の側壁にのみ誘電膜を形成する工程と、前記第2導電型電流拡散層の露出した部分上に第1導電型電流ブロック層からなる半導体層を選択成長させる工程と、前記第2導電型クラッド層上面及び前記第1導電型電流ブロック層上に第2導電型コンタクト層からなる半導体層を選択成長させる工程とを具備したことを特徴としている。前記第1導電型電流ブロック層からなる半導体層を選択成長させる工程中において、前記第2導電型クラッド層上面に前記半導体層の成長を妨げるマスクを形成するようにしても良い。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら発明の実施の形態を説明する。
まず、図1及び図2を参照して第1の実施の形態を説明する。
図1は、第1の実施の形態において説明する半導体レーザダイオードの概略断面図、図2は、図1の半導体レーザダイオードの斜視図である。半導体レーザダイオードは、化合物半導体基板上に積層された活性層を含む半導体層及び活性層に電流を注入する1対の電極から構成されている。半導体基板1は、例えば、n型GaAs基板であり、この上に半導体層が順次積層されている。ここでは第1導電型をn型とし、第2導電型をp型とする(以下、同様である)。半導体基板1上に直接形成されている半導体層は、n型クラッド層2である。n型クラッド層2上には活性層3が形成されている。活性層3には、例えば、InGaAlP/InGaP系半導体層やAlGaAs系半導体層などが用いられる。InGaAlP/InGaP系半導体層はDVDなどに用いられ、AlGaAs系半導体層はCDシステムなどに用いられる。また、活性層3上にはp型電流拡散層4、p型クラッド層6が積層形成されている。光導波路及び電流経路を構成するp型クラッド層6は、細長くリッジ状に加工されており、リッジ層という。リッジ層の長軸方向は半導体レーザダイオードの出力方向に実質的に一致している。出力方向は共振面とは垂直である(図2参照)。
【0011】
前述のように、半導体レーザダイオードの出力方向の端面は、レーザの共振面になっている。半導体基板からレーザチップを形成する場合、半導体結晶の特定の方向に力を加えて結晶を結晶面に沿って割る(これを劈開という)ことにより形成している。この劈開によって現れた結晶面を劈開面という。劈開面は一般的に原子レベルで平坦なためにレーザ共振器の共振面(すなわち、反射面)として用いられる。本発明においては、この実施の形態においても同様に劈開面を共振面としている。p型クラッド層6は、細長いリッジ形状であり、半導体レーザダイオードの出力方向に沿って伸びている。半導体レーザダイオードの出力方向は、図1では紙面に垂直であり、レーザ光は、その上下方向に出力される。p型クラッド層6の長軸方向の側面には誘電膜7が形成されている。また、p型電流拡散層4上にはn型電流ブロック層8が形成されている。n型電流ブロック層8は、細長いリッジ形状のp型クラッド層6を両側から挟むように配置されており、したがって、誘電膜7は、n型電流ブロック層8とp型クラッド層6とに挟まれている。さらに、p型クラッド層6及びn型電流ブロック層8の上にはp型コンタクト層9が形成されている。
【0012】
また、1対の電極のうち、p型側の電極10は、p型コンタクト層9上に形成され、n型側の電極5は、半導体基板1裏面に形成されている。半導体レーザダイオードは、この電極間に電圧を加えて活性層に電流を注入しレーザ光を出力する。図2に示すように、p型クラッド層6の長軸方向がレーザ光の出力方向である。活性層で励起されたレーザ光は、出力方向とは直角に配置された1対の共振面(積層された半導体層端面(劈開面))で反射を繰り返し、増幅されて出力する。
リッジ状のp型クラッド層の両脇には誘電膜7が形成されているので、高温(+70℃程度以上)でもこの部分からのリーク電流が増大しない。したがって高出力の半導体レーザダイオードが得られる。図8に示す従来の半導体レーザダイオードの出力が100mW程度に対して、この半導体レーザダイオードは、同じサイズの素子でありながら100mWより十分大きく、240mWに近い高出力が得られる。
【0013】
次に、図3を参照して第2の実施の形態を説明する。
図3は、第2の実施の形態において説明する半導体レーザダイオードの概略断面図である。半導体レーザダイオードは、化合物半導体基板上に積層された活性層を含む半導体層及び活性層に電流を注入する1対の電極から構成されている。半導体基板11は、例えば、n型GaAs基板であり、この上に半導体層が順次積層されている。半導体基板11上にn型クラッド層12が形成され、n型クラッド層12上には活性層13が形成されている。活性層13上にはp型電流拡散層14、p型クラッド層16が積層形成されている。光導波路及び電流経路を構成するp型クラッド層16は、細長くリッジ状に加工されている(リッジ層ともいう)。リッジ層の長軸方向は半導体レーザダイオードの出力方向に実質的に一致している。出力方向は共振面とは垂直である。
【0014】
p型クラッド層16は、p型電流拡散層14のほぼ中央部分に配置され、その細長いリッジ形状は、半導体レーザダイオードの出力方向に沿って伸びている。p型クラッド層16の長軸方向の側面には誘電膜17が形成されている。また、p型電流拡散層14上には電流ブロック層18が形成されている。電流ブロック層18は、細長いリッジ形状のp型クラッド層16を両側から挟むように配置されており、したがって、誘電膜17は、電流ブロック層18とp型クラッド層16とに挟まれている。
p型電流拡散層14上に形成され、p型クラッド層16の両脇に配置された電流ブロック層18は、積層された少なくとも3層の半導体層から構成されている。積層された半導体層は、下から順次形成されたn型ブロック層181、p型ブロック層182及びn型ブロック層183からなり、4つのpn接合が形成されている。さらに、p型電流拡散層14及び電流ブロック層18の上にはp型コンタクト層19が形成されている。また、1対の電極のうち、p型側の電極20は、p型コンタクト層19上に形成され、n型側の電極15は、半導体基板11の裏面に形成されている。半導体レーザダイオードは、この電極間に電圧を加えて活性層に電流を注入しレーザ光を出力する。
【0015】
リッジ状のp型クラッド層の両脇には誘電膜17が形成されているので、高温(+70℃程度以上)でもこの部分からのリーク電流が増大しない。したがって高出力の半導体レーザダイオードが得られる。また、この実施の態様では電流ブロック層が互いに導電型の異なる3層の半導体層から構成されているので、pn接合が第1の実施の形態のものより多く電流遮断効果が前のものより大きい。
次に、図4を参照して第1の実施例を説明する。この実施例は、第1の実施の形態を具体化して詳細に説明するものである。図4は、赤色発光(発光波長650nm帯)の半導体レーザダイオードの断面構造図である。この半導体レーザダイオードは、半導体基板31は、n型GaAs基板である。この上に半導体層が順次積層されている。半導体基板31上に直接形成されている半導体層は、n型クラッド層32である。n型クラッド層32上には活性層33が形成されている。活性層33上にはp型電流拡散層34、p型エッチングストップ層41、p型クラッド層36及びp型通電容易層40が積層形成されている。光導波路及び電流経路を構成するp型クラッド層36は、p型通電容易層40とともに細長くリッジ状に加工されており、リッジ層という。リッジ層の長軸方向は半導体レーザダイオードの出力方向に実質的に一致している。その出力方向は共振面とは垂直である。
【0016】
p型クラッド層36は、p型電流拡散層34のほぼ中央部分に配置され、細長いリッジ形状は、半導体レーザダイオードの出力方向に沿って伸びている。半導体レーザダイオードの出力方向は、図4では紙面に垂直であり、レーザ光は、紙面に垂直の方向に出力される。p型クラッド層36の長軸方向の側面及び通電容易層40の側面には誘電膜37が形成されている。また、p型電流拡散層34上にはn型電流ブロック層38が形成されている。n型電流ブロック層38は、細長いリッジ形状のp型クラッド層36及びp型通電容易層40を両側から挟むように配置されており、したがって、誘電膜37は、n型電流ブロック層38とp型クラッド層36とに挟まれている。さらに、p型通電容易層36及びn型電流ブロック層38の上にはp型コンタクト層39が形成されている。また、1対の電極のうち、p型側の電極30は、p型コンタクト層39上に形成され、n型側の電極35は、半導体基板31裏面に形成されている。半導体レーザダイオードは、この電極間に電圧を加えて活性層に電流を注入しレーザ光を出力する。p型クラッド層36の長軸方向がレーザ光の出力方向である。活性層で励起されたレーザ光は、出力方向とは直角に配置された1対の共振面(積層された半導体層端面(劈開面))で反射を繰り返し、増幅されて出力する。
【0017】
半導体基板(n型GaAs基板)31上にこれに接して形成されたn型クラッド層32は、厚さ1.2μmのn−In0.5(Ga0.3Al0.7)0.5P層からなり、活性層33は、ノンドープのIn0.5(Ga0.55Al0.45)0.5P/In0.5Ga0.5Pの多層積層構造(MQW)からなる。活性層33上のp型電流拡散層34は、厚さ0.2μmのp−In0.5(Ga0.3Al0.7)0.5P層からなり、この上に、厚さ0.01μmのp−In0.5Ga0.5Pからなるエッチングストップ層41を介して幅2μm、高さ1.4μmのp−In0.5(Ga0.3Al0.7)0.5Pからなるp型クラッド層(リッジ層)36が形成されている。p型クラッド層36の上には厚さ0.05μmのp−In0.5Ga0.5Pからなるp型通電容易層40が形成されている。p型クラッド層36の両脇には、p型クラッド層36と略同一高さで、厚さ0.5μmのSiO2からなる誘電膜37が形成されている。SiO2誘電膜37の外側は、厚さ1.2μmのn−GaAsからなるn型電流ブロック層38が形成される、p型クラッド層36、SiO2誘電膜37、p型電流ブロック層38の上部には、p−GaAsコンタクト層39が形成されている。
【0018】
リッジ状のp型クラッド層の両脇には誘電膜が形成されているので、高温(+70℃程度以上)でもこの部分からのリーク電流が増大せず、高出力の半導体レーザダイオードが得られる。
【0019】
次に、図5を参照して第2の実施例を説明する。
この実施例では、第1の実施例において説明した半導体レーザダイオードを製造するプロセスを説明する。図5は、この半導体レーザダイオードの製造工程断面図である。まず、半導体基板(n型GaAs基板)31上に厚さ1.2μmのn−In0.5(Ga0.3Al0.7)0.5P層(n型クラッド層32)、ノンドープのIn0.5(Ga0.55Al0.45)0.5P/In0.5Ga0.5P層からなる多層積層構造(MQW)(活性層33)、厚さ0.2μmのp−In0.5(Ga0.3Al0.7)0.5P層(p型電流拡散層34)、厚さ0.01μmのp−In0.5Ga0.5P層(エッチングストップ層41)、厚さ1.4μmのp−In0.5(Ga0.3Al0.7)0.5P層(p型クラッド層(リッジ層)36)及び厚さ0.05μmのp−In0.5Ga0.5P層(p型通電容易層40)の半導体層がエピタキシャル成長により堆積される(図5(a))。
【0020】
次に、p型通電容易層40上にp型クラッド層36のリッジ形状に合わせてパターニングされたシリコン窒化膜(SiN)からなるマスク42を形成する。そして、SiNマスク42をマスクとしてp型通電容易層40、p型クラッド層36を、RIEエッチングなどの異方性ドライエッチング法もしくはドライエッチング+ウェットエッチングを組合せたエッチング方法により加工して幅約2μmの光導波路及び電流経路を形成する(図5(b))。
ドライエッチング法を使用することにより、リッジの側壁を略垂直に加工することができる。
【0021】
次に、SiNマスク42を残したままp型クラッド層36及びp型通電容易層40を被覆するようにp型電流拡散層34上にCVD(Chemical Vapour Deposition)法によりシリコン酸化膜(SiO2)を堆積させる。この堆積されたシリコン酸化膜全面をRIEによりエッチバックすることによりリッジ形状のp型クラッド層36及びp型通電容易層40の両脇にのみシリコン酸化膜(SiO2)を残して誘電膜37を形成する(図5(c))。次に、SiNマスク42及び誘電膜37をフォトマスクとして、MOCVD選択エピタキシャル成長により、SiNマスク42、誘電膜37以外の部分、すなわち、p型電流拡散層34上にのみ厚さ1.2μmのn−GaAsからなるn型電流ブロック層を成長させる(図5(d))。
【0022】
その後、SiNマスク42を除去した後、誘電膜37が存在する状況下でp型通電容易層40及びn型電流ブロック層38上部にp−GaAs層(p型コンタクト層)39をMOCVDにより成長させる。このとき、成長初期にはSiO2誘電膜37の上部にはGaAsは成長しないが、p型クラッド層36及びn型電流ブロック層38の上部に成長したGaAsは横方向にも成長し続けて、最終的にSiO2誘電膜37の上部全面を覆うように成長する。次に、p型側電極30及び基板側電極35等をそれぞれ形成して半導体レーザダイオードを完成させる(図4参照)。
この様に、p型クラッド層の側壁部分は、誘電膜に覆われているので、電流ブロック層は成長しない。そして、成長を阻害する要因がなくなったので、従来より厚く(1.2μm程度あるいはそれ以上)成長させることが可能になる。従来は種々の要因が重なって、高々0.2〜0.3μm程度が精々であった。
【0023】
次に、図3を参照して第3の実施例を説明する。
図3は、半導体レーザダイオードの概略断面図である。図3に示すように、この実施例では、電流ブロック層18は、p型電流拡散層14上に形成され、且つp型クラッド層16の両脇に配置されている。電流ブロック層18は、積層された少なくとも3層の半導体層からなり、活性層13に近い下層の第1層は、厚さ0.6μmのn−GaAsからなるn型ブロック層181、その上の第2層は厚さ0.3μmのp−GaAsからなるp型ブロック層182、その上の第3層は、厚さ0.3μmのn型−GaAsからなるn型−ブロック層183である。
リッジ状のp型クラッド層の両脇には誘電膜が形成されているので、高温(+70℃程度以上)でもこの部分からのリーク電流が増大しない。したがって高出力の半導体レーザダイオードが得られる。また、この実施例では電流ブロック層が互いに導電型の異なる3層の半導体層から構成されているので、pn接合が第1の実施の形態のものより多く、電流遮断効果はそれにしたがって大きくなっている。
【0024】
次に、図6及び図7を参照して第4の実施例を説明する。
この実施例は、第1の実施の態様及び第2の実施の態様に説明した半導体レーザダイオードのいずれにも適用されるものである。図6は、この実施例を説明する半導体レーザダイオードの斜視図、図7は、図6のA−A′及びB−B′線に沿う部分の断面図である。半導体基板51は、例えば、n型GaAs基板であり、この上に半導体層が順次積層されている。半導体基板51上に直接形成されている半導体層は、n型クラッド層52である。n型クラッド層52上には活性層53が形成されている。活性層53には、例えば、InGaAlP/InGaP系半導体層やAlGaAs系半導体層などが用いられる。また、活性層53上にはp型電流拡散層54、p型クラッド層56が積層形成されている。光導波路及び電流経路を構成するp型クラッド層56は、細長くリッジ状に加工されており、これをリッジ層という。リッジ層の長軸方向は半導体レーザダイオードの出力方向に実質的に一致している。出力方向は共振面とは垂直である。この実施の形態においても他と同様に劈開面を共振面としている。
【0025】
p型クラッド層56は、細長いリッジ形状であり、半導体レーザダイオードの出力方向に沿って伸びている。p型クラッド層56の長軸方向の側面にはSiO2などからなる誘電膜57が形成されている。また、p型電流拡散層54上にはn型電流ブロック層58が形成されている。n型電流ブロック層58は、細長いリッジ形状のp型クラッド層56を両側から挟むように配置されており、したがって、誘電膜57は、n型電流ブロック層58とp型クラッド層56とに挟まれている(図7(b)参照)。さらに、p型クラッド層56及びn型電流ブロック層58の上にはp型コンタクト層59が形成されている。また、1対の電極のうち、p型側の電極60は、p型コンタクト層59上に形成され、n型側の電極55は、半導体基板51裏面に形成されている。半導体レーザダイオードは、この電極間に電圧を加えて活性層に電流を注入しレーザ光を出力する。活性層で励起されたレーザ光は、出力方向とは直角に配置された1対の共振面(積層された半導体層端面(劈開面))で反射を繰り返し、増幅されて出力する。
【0026】
さらに、この実施例では、共振面及びその近傍の半導体基板51上の積層された半導体層の共振面及びその近傍の領域にはZnなどの拡散係数の大きい不純物の拡散領域61が形成されている。通常、活性層における励起は、1対の共振面間のすべての部分で発生するが、共振面近傍で励起された光は、先に励起され共振面で反射してきた反射光と作用して劈開面を破損する場合がある。この様な破損を避けて機械的強度を維持するために、この部分には電極から活性層まで電流が流れないようにすることが有利である。
【0027】
そのためこの部分には、p型クラッド層56の側壁に形成された誘電膜57を形成しないで、側壁部分及びp型クラッド層56上にn型電流ブロック層58を延在させてp型クラッド層56と電極60との間にn型電流ブロック層58を介在させる(図7(a))。この実施例では、その様に構成して形成されたpn接合によりこの部分での電流の流れをとめて活性層でのレーザ光の励起を阻止することを特徴としている。さらに、この部分には、前記不純物拡散領域61を設ける。そして、この領域にはp型クラッド層56の側壁に誘電膜57が形成されていない。この領域は、半導体レーザダイオードの長さ(共振面間の距離)を800μm程度とすると、両端にそれぞれ略50μmの長さで構成される。この領域を形成することにより消費電流を抑えることができる。また、発光領域を所定の範囲に限定することにより発光効率が向上する。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、リッジ層(p型クラッド層)の側壁に形成した誘電膜の存在によって、高温動作時のリーク電流を低減させることが可能になり、その結果としてレーザの高出力化が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態において説明する半導体レーザダイオードの概略断面図。
【図2】図1の半導体レーザダイオードの斜視図。
【図3】第2の実施の形態において説明する半導体レーザダイオードの概略断面図。
【図4】本発明の第1の実施例による赤色発光(発光波長650nm帯)の半導体レーザダイオードの断面構造図。
【図5】図4に示す半導体レーザダイオードの製造工程断面図。
【図6】第4の実施例を説明する半導体レーザダイオードの斜視図。
【図7】図6のA−A′及びB−B′線に沿う部分の断面図。
【図8】従来の半導体レーザダイオードの概略断面図。
【符号の説明】
1、11、31、51、101・・・半導体基板、
2、32、52、102・・・n型クラッド層、
3、33、53、103・・・活性層、
4、34、54、104・・・p型電流拡散層、
5、15、35、55、105・・・n型側電極(基板側電極)、
6、16、36、56、106・・・p型クラッド層(リッジ層)、
7、17、37、57・・・誘電膜、
8、18、38、58、108・・・n型電流ブロック層、
9、19、39、59、109・・・p型コンタクト層、
10、20、40、60、110・・・p型側電極
41・・・エッチングストップ層、 42、43・・・マスク、
61・・・不純物拡散領域。
Claims (8)
- 半導体基板と、
前記半導体基板上に積層され、対向する1対の出力面を共振面とする半導体層と、
前記積層された半導体層の上層及び下層の半導体層間に電圧を印加する1対の電極とを具備し、
前記半導体層は、前記基板上に順次形成された第1導電型クラッド層、活性層、第2導電型電流拡散層、前記第2導電型電流拡散層表面中央部分上に長軸が前記1対の共振面の垂直方向に形成されたリッジ状の第2導電型クラッド層、前記第2導電型電流拡散層表面上に形成され前記第2導電型クラッド層を両側から挟むように配置された第1導電型電流ブロック層から構成され、前記第2導電型クラッド層の前記第1導電型電流ブロック層に挟まれた側面は、誘電膜により被覆されていることを特徴とする半導体レーザダイオード。 - 前記第2導電型クラッド層及び前記第1導電型電流ブロック層に接して第2導電型コンタクト層が形成され、前記1対の電極の一方は、前記第2導電型コンタクト層上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザダイオード。
- 半導体基板と、
前記半導体基板上に積層され、対向する1対の出力面を共振面とする半導体層と、
前記積層された半導体層の上層及び下層の半導体層間に電圧を印加する1対の電極とを具備し、
前記半導体層は、前記基板上に順次形成された第1導電型クラッド層、活性層第2導電型電流拡散層、前記第2導電型電流拡散層表面中央部分上に長軸が前記1対の共振面とは垂直な方向に形成されたリッジ状の第2導電型クラッド層、前記第2導電型電流拡散層表面上に形成され前記第2導電型クラッド層を両側から挟むように配置された電流ブロック層から構成され、前記電流ブロック層は、前記第2導電型電流拡散層上に順次形成された第1導電型ブロック層、第2導電型ブロック層、第1導電型ブロック層から構成された積層半導体層からなり、前記第2導電型クラッド層の前記電流ブロック層に挟まれた側面は、誘電膜により被覆されていることを特徴とする半導体レーザダイオード。 - 前記第2導電型クラッド層及び前記電流ブロック層に接して第2導電型コンタクト層が形成され、前記1対の電極の一方は、前記第2導電型コンタクト層上に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体レーザダイオード。
- 前記誘電膜の誘電率は、前記第2導電型クラッド層の誘電率よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の半導体レーザダイオード。
- 前記誘電膜は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜及びシリコン酸窒化膜のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の半導体レーザダイオード。
- 半導体基板上に第1導電型クラッド層、活性層、第2導電型電流拡散層、エッチングストップ層、第2導電型クラッド層からなる多層の半導体層を順次積層形成する工程と、
前記第2導電型クラッド層上に所定のパターンを有するマスクを形成し、このマスクパターンをエッチングマスクとして前記第2導電型クラッド層を、前記第2導電型電流拡散層が露出するまでエッチングして、前記第2導電型電流拡散層表面の中央部分上にリッジ状に加工を施す工程と、
前記第2導電型クラッド層及び前記第2導電型電流拡散層の露出した部分を被覆するように誘電膜を形成し、前記誘電膜をエッチバックすることにより前記第2導電型クラッド層上面及び前記第2導電型電流拡散層の露出した部分の誘電膜を除去し、前記第2導電型クラッド層の長軸方向の側壁にのみ誘電膜を形成する工程と、
前記第2導電型電流拡散層の露出した部分上に第1導電型電流ブロック層からなる半導体層を選択成長させる工程と、
前記第2導電型クラッド層上面及び前記第1導電型電流ブロック層上に第2導電型コンタクト層からなる半導体層を選択成長させる工程とを具備したことを特徴とする半導体レーザダイオードの製造方法。 - 前記第1導電型電流ブロック層からなる半導体層を選択成長させる工程中において、前記第2導電型クラッド層上面に前記半導体層の成長を妨げるマスクを形成することを特徴とする請求項7に記載の半導体レーザダイオードの製造方法。
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JP2002168357A JP2004014912A (ja) | 2002-06-10 | 2002-06-10 | 半導体レーザダイオード及びその製造方法 |
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WO2023025981A1 (en) * | 2021-08-24 | 2023-03-02 | Modulight Corporation | Methods for passivating sidewalls of semiconductor wafers and semiconductor devices incorporating semiconductor wafers |
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2002
- 2002-06-10 JP JP2002168357A patent/JP2004014912A/ja active Pending
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WO2023025981A1 (en) * | 2021-08-24 | 2023-03-02 | Modulight Corporation | Methods for passivating sidewalls of semiconductor wafers and semiconductor devices incorporating semiconductor wafers |
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